説明

材料供給方法及び材料供給装置

【課題】混練装置に複合原材料を一定量供給する。
【解決手段】混練装置2へ複合原材料Cを一定量供給する材料供給装置1であって、一の原材料をシート状材料Sとして送り出す送り出し装置6と、シート状材料Sに他の原材料を定量供給する供給装置7と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混練装置へ複合原材料を一定量供給する材料供給方法及び材料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にプラスチックコンパウンドやゴムコンパウンド等の複合樹脂材料は、例えば特許文献1に示す混練装置によって製造される。
この混練装置でプラスチックコンパウンドを製造する場合、まず、プラスチックコンパウンドの母材となる粉末又はペレット状の熱可塑性樹脂を混練装置のホッパーに投入すると共に、ガラス繊維等の強化材を混練装置の他のホッパーに入れて混練することによって行われている。
したがって、製造されたプラスチックコンパウンドには強化材が配合されることとなり、プラスチックコンパウンドの強度や剛性が高められている。
【0003】
さて、近年、プラスチックコンパウンドに含まれる強化材の含有率が高く、且つプラスチックコンパウンドに対する強化材の分布は均一であるプラスチックコンパウンドが望まれている。
【特許文献1】特開2002−210731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の製造方法では、プラスチックコンパウンドの母材となるペレット状の熱可塑性樹脂強化材と強化材とを別々のホッパーに供給していたため、時にはペレットのすべりが悪くそのペレットがホッパー内に残留したり、強化材がホッパーに残留してしまうことがあり、その結果、混練装置に対する熱可塑性樹脂強化材と強化材との供給量にばらつきが発生して、製造したプラスチックコンパウンド内の強化材の含有率にばらつきがあったり、プラスチックコンパウンドにおける強化材の分布も不均一となる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、混練装置に複合原材料を一定量供給する材料供給方法及び材料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本願発明の装置の特徴とするところは、混練装置へ複合原材料を一定量供給する材料供給装置であって、一の原材料をシート状材料として送り出す送り出し装置と、前記シート状材料に他の原材料を定量供給する供給装置と有している点にある。
前記一の原材料は熱可塑性樹脂で構成され、前記他の原材料は前記熱可塑性樹脂を強化する強化材で構成されていることが好ましい。
これによれば、送り出し装置によって、熱可塑性樹脂をシート状材料として送り出しているので熱可塑性樹脂の送り出し量を一定量とすることができる。また、熱可塑性樹脂の送り出し量が一定量であるシート状材料に供給装置によって強化材を定量供給すれば、熱可塑性樹脂の単位体積当たりの強化材の配合量を一定にすることができる。
【0007】
したがって、送り出し装置及び供給装置によって、熱可塑性樹脂に対して強化材が均一に配合された複合原材料を形成でき、この複合原材料を混練装置に投入することで熱可塑性樹脂及び強化材を混練装置に対して一定量供給することができる。
そのため、例えば、熱可塑性樹脂と強化材とを混練装置で混練してプラスチックコンパウンドを製造した場合、強化材の含有率が高く、且つ強化材の分布が均一であるプラスチックコンパウンドを製造することが可能となる。
前記一の原材料及び他の原材料を乾燥させる乾燥装置が設けられていることが好ましい。
【0008】
これによれば、例えば、強化材として吸水性が高い天然繊維を用いたとしても、乾燥装置によって水分を除去するため混練装置に持ち込む水分を少なくすることができる。
前記シート状材料の中に他の材料をくるむべく前記シート状材料を折り曲げる折り曲げ装置が設けられていることが好ましい。
これによれば、シート状材料を折り曲げることで強化材をくるむことができ、その結果、シート状材料及び強化材を混練装置に供給し易くなる。さらに、強化材がシート状材料内に閉じこめられた状態になって強化材がシート状材料内で動きにくくなるため、シート状材料に強化材を供給した後に、シート状材料に対する強化材の配合率を維持することができる。
【0009】
前記折り曲げ装置によって折り曲げられて互いに重なり合ったシート状材料の重合部分を熱で溶着することでシート状材料内の前記他の材料の動きを規制する熱シール装置が設けられていることが好ましい。
これによれば、シート状材料内における強化材の動きを規制することができ、混練装置までの経路に高低差があっても、シート状材料及び強化材が混練装置に供給されるまでシート状材料に対する強化材の配合率を維持することができる。
前記折り曲げ装置は、前記シート状材料の幅方向両端部側を、シート状材料の移動に伴って徐々に持ち上げつつシート状材料の幅方向の中央部に向かって折り曲げるように構成されていることが好ましい。
【0010】
これによれば、例えば、高速にシート状材料を送り出し装置で送り出した場合でもシート状材料の移動速度が折り曲げ装置で低下することなくシート状材料を折り曲げることができる。
本願発明の方法の特徴とするところは、混練装置へ複合原材料を定量供給する材料供給方法であって、一の原材料をシート状に形成し、前記シート状の材料に他の材料を定量供給した後、前記シート状材料と他の材料とを混練装置へ供給する点にある。
これによれば、例えば、前記一の原材料を熱可塑性樹脂で構成すると共に、他の材料を熱可塑性樹脂を強化する材料で構成した場合、熱可塑性樹脂をシート状にしたことで熱可塑性樹脂の単位体積当たりの量を一定することができ、これに強化材を定量供給することで、熱可塑性樹脂の単位体積当たりの強化材の配合量が一定となる複合原材料の形成が可能となる。
【0011】
そして、複合原材料を混練装置に一定量供給することで、混練装置に対する強化材及び熱可塑性樹脂の供給量を一定にすることができる。
前記シート状の材料に他の材料を定量供給して、前記他の材料を前記シート状の材料でくるんだ後に、前記シート状材料と他の材料とを混練装置へ供給することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
材料供給方法及び材料供給装置よれば、混練装置に複合原材料を一定量供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すものは、材料供給装置に混練装置を接続した全体構成を示している。図1に示すように、材料供給装置1は混練装置2と同一ライン上に配置されるもので、混練装置2へ複合原材料Cを一定量供給する装置である。
以下の説明において、図1の右側、即ち、混練装置2側を下流側、図1の左側を上流側とし、混練装置2に供給される材料は上流から下流に搬送されるものとする。
まず、混練装置2について説明する。混練装置2は複合原材料Cを混練するもので、複合材料を投入する投入口3と、この投入口3により投入された複合原材料Cを輸送、混練、加圧するスクリュー4と、スクリュー4の回転に伴って輸送される複合原材料Cを加熱する加熱手段5とで主構成されている。投入口3に投入された複合原材料Cは、加熱手段5によって溶融されてスクリュー4によって混練されながら下流側から押し出されるようになっている。
【0014】
混練装置2に材料を供給する材料供給装置1は、混練装置2へ供給する複合原材料Cのうちシート状に形成されて筒状に巻き取られた一つの原材料を混練装置2に送り出す送り出し装置6を有している。送り出し装置6は一つの原材料をシート状材料Sとして送り出すものである。
送り出し装置6によって送り出されるシート状材料Sは、混練装置2で混練される主たる材料であって、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂で形成されて可撓性を有するものである。この実施の形態では、前記シート状材料Sは不織布で構成されている。
【0015】
材料供給装置1は、混練装置2へ供給する複合原材料Cのうちシート状材料Sとは異なる他の原材料を、シート状材料Sに定量供給する供給装置7を有している。この供給装置7は、送り出し装置6よりも下流側に配置されており、粉末状、ペレット状、棒状等の材料をシート状材料S上に散布するものである。この実施の形態では、前記供給装置7はスクリューフィーダから構成されている。
供給装置7によって供給される材料はシート状材料Sを強化する強化材Kであり、この実施の形態では強化材Kは竹繊維で構成されている。竹繊維は、複数のモノフィラメントが集まった繊維束であり、例えば生竹を機械的方法で粉砕したり又は爆砕することによって形成されるものである。
【0016】
したがって、送り出し装置6でシート状材料Sをシート長手方向に送り出してシート状材料Sを供給装置7の下に通過させることで、シート状材料Sに強化材Kを供給することができる。
このとき、シート状材料Sの単位面積当たりの強化材Kの散布量が均一になり、且つシート状材料Sに対する強化材Kの含有率が所望する含有率になるように、前記送り出し装置6がシート状材料Sをシートの長手方向に送り出す速度と、供給装置7がシート状材料S上に強化材Kを散布する一定時間当たりの散布量とは連動して制御されている。
【0017】
例えば、送り出し装置6によってシート状材料Sを一定の速度で送り出せば、供給装置7に対するシート状材料Sの供給量は一定であり、このように一定に供給されているシート状材料Sの上面に強化材Kを一定量供給することでシート状材料Sの単位面積当たりの強化材Kの散布量が均一、即ち、シート状材料Sの単位体積当たりの強化材Kの配合量は一定である。
なお、シート状材料Sの単位面積当たりの強化材Kが均一であるという意味は、強化材Kがシート状材料Sの上面全面に対して満遍なく均一に散布されているということも含むが、図3に示すように、シート状材料Sの上面の散布領域8に対して強化材Kが長手方向に均一に散布されているという意味である。
【0018】
この実施の形態における材料供給装置1は、混練装置2と直接連結されており、上記のようにシート状材料Sに強化材Kが配合された複合原材料Cは、直接、混練装置2の投入口3に投入される。
したがって、投入口3から投入された複合原材料Cは混練装置2のスクリュー4の回転によって引き込まれて一定の速度で混練装置2内に供給される。
なお、供給装置7と混練装置2との間に複合原材料Cを定量的に混練装置2へ搬送投入する搬送装置10を設けることが好ましい。即ち、材料供給装置1に前記搬送装置10を設け、この搬送装置10の搬送で複合原材料Cを定量的に混練装置2の投入口3に投入するようにしてもよい。搬送装置10を設ける場合、搬送装置10の搬送速度(複合原材料Cの投入速度)と、混練装置2の混練又は輸送速度とは略同じになるように設定し、これにより、複合原材料Cが混練装置2内で滞りなくスムーズに混練できるようにするのがよい。通常、搬送装置10の搬送速度は混練装置2のスクリュー4の回転数に応じて設定される。搬送装置10としては搬送速度を可変自在なコンベヤーが考えられる。
【0019】
したがって、複合原材料Cを直接、混練装置2の投入口3へ投入する場合や搬送装置10を介して混練装置2の投入口3へ投入する場合のいずれであってもシート状材料S上に均一に散布された強化材K、即ち、複合原材料Cを混練装置2に一定量の割合で供給することが可能である。
供給装置7の下流側には、シート状材料Sの上に散布された強化材Kを平坦にするならし装置11が設けられている。ならし装置11は、例えば、シート状材料Sと略同じ幅を有する板材で構成され、シート状材料Sの上で積み重ねられた強化材Kを所定の厚みにすることができるようになっている。
【0020】
ならし装置11の下流側には、シート状材料Sを折り曲げることでシート状材料Sの上に散布された強化材Kをそのシート状材料Sでくるむ折り曲げ装置12装置が設けられている。
折り曲げ装置12は、混練装置2に向かって長手方向に搬送されているシート状材料Sの移動に伴って、シート状材料Sの幅方向両端部を徐々に持ち上げつつシート状材料Sを幅方向中央部に向かって折り曲げるように構成されている。
即ち、図2、3に示すように、折り曲げ装置12は板材13を幅方向に折り曲げて形成したもので、板材13の幅方向両側の縁部14が、長手方向中途部から上流側に行くにしたがって次第に上方に移行しつつ幅方向中央側に向かうように板材13を円弧状に折り曲げることにより折り曲げ装置12は構成されている。
【0021】
なお、図3に示すように、折り曲げ装置12、即ち、板材13の上流側先端部の搬出部15の断面は楕円状となっていて、板材13の上流側先端部の板材13の幅両端部は上下に重合している。
折り曲げ装置12によれば、強化材Kが配合されたシート状材料Sを下流側から上流側にかけて板材13の上に通過させることで、強化材Kを包むようにシート状材料Sを折り曲げることができる。
即ち、シート状材料Sを板材13の平坦部上を通過させたときは、図4(a)に示すように、シート状材料Sは折り曲げられていない状態であるが、シート状材料Sを板材13の上方に曲がった円弧部分を通過させると、図4(b)に示すように、シート状材料Sは次第にシート状材料Sの幅方向両端部は持ち上げられると共に、図4(c)に示すように、シート状材料Sの幅方向両端部は幅方向中央部側に引き寄せられて、シート状材料Sは円筒状となる。
【0022】
板材13の搬出部15からシート状材料Sが搬出された直後では、シート状材料Sは搬出部15と略同じ断面の円筒状に強化材Kを包んだ状態となっているが、図4(d)に示すように、次第にシート状材料Sの両端部が下降してシート状材料Sは扁平状に強化材Kを包んだ状態になる。
上記のようにシート状材料Sを折り曲げる際、シート状材料Sを徐々に上に持ち上げながら徐々に幅方向に折り曲げるようにしているため、シート状材料Sの幅方向両端側に散布された強化材Kはシート状材料Sの折り曲げにしたがって幅方向中央側に寄るだけなので、シート状材料Sで強化材Kを包んだ状態でも、長手方向におけるシート状材料Sの単位体積当たりのシート状材料Sの中の強化材Kの量は略一定である。
【0023】
折り曲げ装置12の下流側には、シート状材料S及び強化材Kを乾燥させる乾燥装置16が設けられている。乾燥装置16は、シート状材料S及び強化材Kを上下に挟むように配置された上下ヒーター17から構成され、強化材Kが配合されたシート状材料Sを上下ヒーター17の間に通過させることによって、シート状材料S及び強化材Kは乾燥する。
なお、上下ヒーター17は、シート状材料S及び強化材Kに直接接触しない非接触型のものであることが好ましい。また、上下ヒーター17の種類は、シート状材料S及び強化材Kに温風を当てる温風ヒーターであっても赤外線ヒーターであってよい。
【0024】
乾燥装置16の下流側には、シート状材料Sの重なり合った重合部分を熱で溶着することでシート状材料S内の強化材Kの動きを規制する熱シール装置19が設けられている。
図5に示すように、この実施の形態では、熱シール装置19は折り曲げ装置12によって折り曲げられて互いに重なったシート状材料Sの重合部分を熱で溶着するものである。
熱シール装置19は、折り曲げられたシート状材料Sを上下に挟むように配置された上下一対のロール20,21で構成されている。上下ロール20,21は上下ロール20,21全体を加熱する加熱手段を備えており、折り曲げられたシート状材料Sを上下ロール20,21の間に通過させて、シート状材料Sの全体を軽く溶融すれば、シート状材料Sの重合部分を溶着シールすることができる。
【0025】
なお、図6に示すように、上ロール20にリング22を設けて、リング22のみを加熱するようにしてもよいし、図7に示すように上ロール20に複数の突起23を幅方向及び周方向に設けて、突起23のみを加熱するようにしてもよい。
上ロール20にリング22を設けた場合は、リング22を加熱してそのリング22でシート状材料Sを上から押さえることで、シート状材料Sを長手方向に線状に溶着シールすることができる。
上ロール20,21に突起を設けた場合は、突起を加熱してその突起でシート状材料Sを上から押さえることで、シート状材料Sを点状に溶着シールすることができる。
【0026】
次に、混練装置2へ複合原材料Cを定量供給する材料供給方法を前記材料供給装置1の動作と合わせて説明する。
まず、複合原材料Cのうち一つの原材料をシート状に形成する。即ち、混練される主たる材料である熱可塑性樹脂をシート状に形成する。熱可塑性樹脂をシート状に形成する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂からなる綿状シートを形成して、この綿状シートに熱可塑性樹脂同士を接着させるための接着樹脂を塗布又は含浸させて綿状シートをホットプレスし、熱可塑性樹脂からなる不織布を製造することが考えられる。
【0027】
そして、シート状にした熱可塑性樹脂、即ち、シート状材料Sを、巻き回して送り出し装置6に装着すると共に、複合原材料Cのうち他の原材料である竹繊維を供給装置7に投入する。
このように送り出し装置6及び供給装置7に熱可塑性樹脂及び竹繊維をセットした状態で材料供給装置1を駆動させると、混練される主たる材料であるシート状の熱可塑性樹脂が送り出し装置6によって送り出された後、供給装置7によって熱可塑性樹脂に竹繊維を均一に配合した複合原材料Cが形成される。
【0028】
即ち、熱可塑性樹脂をシート状にして送り出し装置6で送り出すことで定量的に熱可塑性樹脂を混練装置2に連続供給することができ、この定量的に送り出されているシート状材料Sに供給装置7によって一定量竹繊維を供給することで、上記のような熱可塑性樹脂に竹繊維を均一に配合した複合原材料Cが形成されるのである。
そして、複合原材料Cは、混練装置2の投入口3に直接投入される。複合原材料Cが混練装置2に直接投入されると、複合原材料Cはスクリュー4に噛み込みながら送り出し方向(上流側)へ引っ張られるため、複合原材料Cは混練装置2に連続的に定量供給されることとなる。
【0029】
したがって、例えば、熱可塑性樹脂と竹繊維とを混練装置2で混練してプラスチックコンパウンドを製造した場合、竹繊維の含有率が高く、且つ竹繊維の分布が均一であるプラスチックコンパウンドを製造することが可能となる。
この実施の形態では、供給装置7によって複合原材料Cが形成された後、複合原材料Cが混練装置2に投入される前に、複合原材料Cを折り曲げ装置12に投入させているため、折り曲げ装置12によって竹繊維はシート状材料Sでくるまれることとなり、その結果、複合原材料Cがコンパクトになって混練装置2の投入口3に供給し易くなる。
【0030】
また、折り曲げ装置12で竹繊維をシート状材料Sでくるむと、竹繊維はシート状材料S内に閉じこめられるので、竹繊維をシート状材料S内で動きにくくすることができ、その結果、竹繊維がシート状材料S内を動くことによってシート状材料Sに対する竹繊維の配合率が変動してしまうということを防止することができる。
また、この実施の形態では、供給装置7によって複合原材料Cが形成された後、複合原材料Cが混練装置2に投入される前に、複合原材料Cを乾燥装置16に投入しているため、複合原材料C、即ち、熱可塑性樹脂及び竹繊維は乾燥装置16によって乾燥され、その結果、比較的水分が多い竹繊維を用いても、混練装置2に持ち込む水分を少なくすることができる。
【0031】
また、この実施の形態では、供給装置7によって複合原材料Cが形成された後、複合原材料Cが混練装置2に投入される前に、複合原材料Cを熱シール装置19に投入しているため、熱シール装置19によって折り曲げられて互いに重なり合ったシート状材料Sの重合部分が熱で溶着される。
したがって、竹繊維がシート状材料S内で挟持された状態になるので、竹繊維がシート状材料S内を動くことによってシート状材料Sに対する竹繊維の配合率が変動してしまうということを防止することができる。しかも、熱シール装置19では、シート状材料Sの重合部分を溶着しているため折り曲げ装置12によって竹繊維をシート状材料Sの中にくるんだ場合にくらべてもシート状材料Sにおける竹繊維の拘束力が強く、例えば、複合原材料Cを搬送する課程で高低差があってもシート状材料S内の竹繊維が動くことがない。
【0032】
なお、複合原材料Cを乾燥装置16や熱シール装置19に投入する場合、図4(c)に示すようにシート状材料Sが円筒状態であるときに投入してもよいが、図4(d)に示すように、シート状材料Sが扁平状となってから投入することが好ましい。
また、複合原材料Cを混練装置2に投入する場合、図4(c)に示すようにシート状材料Sが円筒状態であるときに投入してもよいが、図4(d)に示すように、シート状材料Sが扁平状となってから投入することが好ましい。
本願発明は、上記の実施の形態に限定されない。上記の実施の形態では、1つの送り出し装置6を設けていたが、図8に示すように、上下に2つの送り出し装置6を設け、下送り出し装置6から送り出されたシート状材料Sの上に強化材Kを散布し、上送り出し装置6から送り出されたシートを前記強化材Kの上に被せることによって、2つのシート状材料Sで強化材Kを挟むようにしてもよい。なお、強化材Kを2つのシート状材料Sで挟む場合、供給装置7の上流側に上送り出し装置6から送り出されたシート状材料Sを下に押さえつける押さえ装置25を設けることが好ましい。
【0033】
材料供給装置1は、送り出し装置6、供給装置7の他に、搬送装置10、乾燥装置16、折り曲げ装置12、熱シール装置19、が具備されていることが好ましいが、これら装置は混練する材料や供給状況等によって適宜選択される。
上記実施の形態における混練装置2のタイプに特に限定はないが、原材料をくるんだ
シート状材料Sを噛み込むという観点で2軸混練押出機が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】材料供給装置に混練装置を接続した全体構成図を示している。
【図2】折り曲げ装置にシート状材料を供給したときの平面図を示している。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】(a)折り曲げ装置の平坦部にシート状材料を通過させたときのシート状材料の状態、(b)折り曲げ装置の円弧部分にシート状材料を通過させたときのシート状材料の状態、(c)折り曲げ装置の搬送部からシート状材料を搬出した直後のシート状材料の状態、(d)搬送部からシート状材料が搬出されて所定の時間が経過したときの シート状材料の状態を示す図である。
【図5】熱シール装置にシート状材料を通過させたときの概略斜視図である。
【図6】他の熱シール装置にシート状材料を通過させたときの概略斜視図である。
【図7】他の熱シール装置にシート状材料を通過させたときの概略斜視図である。
【図8】材料供給装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 材料供給装置
2 混練装置
6 送り出し装置
7 供給装置
10 搬送装置
S シート状材料
K 強化材
C 複合原材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混練装置へ複合原材料を一定量供給する材料供給装置であって、
一の原材料をシート状材料として送り出す送り出し装置と、前記シート状材料に他の原材料を定量供給する供給装置とを有していることを特徴とする材料供給装置。
【請求項2】
前記一の原材料は熱可塑性樹脂で構成され、前記他の原材料は前記熱可塑性樹脂を強化する強化材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の材料供給装置。
【請求項3】
前記一の原材料及び他の原材料を乾燥させる乾燥装置が設けられていることを特徴とする請求項1又2に記載の材料供給装置。
【請求項4】
前記シート状材料の中に他の材料をくるむべく前記シート状材料を折り曲げる折り曲げ装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の材料供給装置。
【請求項5】
前記折り曲げ装置によって折り曲げられて互いに重なり合ったシート状材料の重合部分を熱で溶着することでシート状材料内の前記他の材料の動きを規制する熱シール装置が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の材料供給装置。
【請求項6】
前記折り曲げ装置は、前記シート状材料の幅方向両端部側を、シート状材料の移動に伴って徐々に持ち上げつつシート状材料の幅方向の中央部に向かって折り曲げるように構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の材料供給装置。
【請求項7】
混練装置へ複合原材料を定量供給する材料供給方法であって、
一の原材料をシート状に形成し、前記シート状の材料に他の材料を定量供給した後、前記シート状材料と他の材料とを混練装置へ供給することを特徴とする材料供給方法。
【請求項8】
前記一の原材料は熱可塑性樹脂で構成され、前記他の原材料は前記熱可塑性樹脂を強化する強化材で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の材料供給方法。
【請求項9】
前記シート状の材料に他の材料を定量供給して、前記他の材料を前記シート状の材料でくるんだ後に、前記シート状材料と他の材料とを混練装置へ供給することを特徴とする請求項7又は8に記載の材料供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−1187(P2006−1187A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181289(P2004−181289)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】