材料圧送装置及び材料圧送方法
【課題】 容器内の材料を圧送した後、当該容器内に残存する材料をできるだけ低減することができるようにすること。
【解決手段】 所定の粘度を有する材料Mが収容された袋11と、この袋11を収容する容器12と、この容器12内に設けられて袋11上に位置する押圧部材13と、この押圧部材13を降下して材料Mを収容した袋11を押圧するとともに、材料Mを吸引する吸引口37Aを有する圧送手段15とを備えて材料圧送装置10が構成されている。押圧部材13は、容器12の開口19と略同一平面形状のプレート21と、容器12の内周面に沿って位置するとともに、プレート21の外周側から垂下して受容空間23を形成する筒状体22とを備えている。押圧部材13は、降下により袋11の容積を縮小させてしわ状部Sを形成するとともに、しわ状部Sを受容空間23内に受容するように設けられている。
【解決手段】 所定の粘度を有する材料Mが収容された袋11と、この袋11を収容する容器12と、この容器12内に設けられて袋11上に位置する押圧部材13と、この押圧部材13を降下して材料Mを収容した袋11を押圧するとともに、材料Mを吸引する吸引口37Aを有する圧送手段15とを備えて材料圧送装置10が構成されている。押圧部材13は、容器12の開口19と略同一平面形状のプレート21と、容器12の内周面に沿って位置するとともに、プレート21の外周側から垂下して受容空間23を形成する筒状体22とを備えている。押圧部材13は、降下により袋11の容積を縮小させてしわ状部Sを形成するとともに、しわ状部Sを受容空間23内に受容するように設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料圧送装置及び材料圧送方法に係り、更に詳しくは、容器内の材料の圧送を行った後、当該材料の残量を少なくすることができる材料圧送装置及び材料圧送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シール剤等として、シリコーンゴム、エポキシ樹脂等の高粘度の樹脂材料が利用されている。このような樹脂材料は、所定の容器内に収容された状態で、材料圧送装置により必要量ずつ吸引されてノズルに圧送され、このノズルからワークのシール面等に吐出されるようになっている。
【0003】
図11には、従来の材料圧送装置の下部領域を表す要部断面図が示されている。この図において、材料圧送装置50は、高粘度の樹脂からなる材料Mが収容される袋51と、この袋51が収容される容器52と、袋51内の材料Mの液面上に配置されるとともに、略中央に貫通穴53が形成された押圧部材54と、この押圧部材54の上部に載置されるとともに、貫通穴53に連通する吸引口56を備えた圧送手段57とを備えて構成されている。袋51の上部領域は、容器52の上端により外側に折り返されて当該容器52に支持されている。押圧部材52は、前記貫通穴53が形成された略円形の板状をなすプレート59と、このプレート59外周に連なって立ち上がる円筒状の起立部60とを備えている。このような構成において、材料圧送装置50は、圧送手段57を作動して押圧部材54を降下させたときに、材料Mが貫通穴53を通じて吸引口56の内部に吸引されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−216607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記材料圧送装置50にあっては、押圧部材54の降下に伴って容器52内で袋51が下方に引っ張られ、押圧部材54より下方の材料Mを収容する袋51にしわが生じることとなる。当該しわは、押圧部材54が降下する程、袋51の側方だけでなく底部にも多く発生し、ひいては、材料Mの吸引中にしわになった袋51が吸引口56を塞いでしまう傾向がある。これにより、以後の材料Mの吸引が不十分若しくは不可能となって材料Mが残存し易くなる他、吸引口56からの吸引力によって袋51が破れ、材料M内に空気が混入してしまうという不都合を生じる。
ここで、降下する押圧部材54の下限位置を高く初期設定すれば、前記しわの発生量を少なくして吸引口56が塞がれることを回避できるが、この場合、袋51内に多量の材料Mが残存してしまうという反射的不都合を招来する。
【0006】
また、袋51の上部領域を開放し、材料Mを露出してから液面に押圧部材54を載せるので、押圧部材54と液面との間から材料M内に空気が混入し易くなり、いわゆるエア抜き時に捨てられる材料Mの量が多くなるという不都合を招来する。特に、材料Mの粘度によっては液面が波状となるので、材料M内に混入する空気がより多くなり、エア抜きによる材料捨て量が甚大になるという不都合をもたらす。
しかも、押圧部材54の下面が材料Mに接するので、袋51を交換する度に押圧部材54を再利用する場合、当該押圧部材54に付着した材料Mを取り除く煩雑な除去作業が不可避となる。更に、前記除去作業や袋51の上端を折り返すときに、材料Mが手や容器51、他の装置等に意図することなく付着し、これらを汚損させてしまうという不都合もある。
【0007】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、容器内の材料を圧送した後、当該容器内に残存する材料をできるだけ低減することができる材料圧送装置及び材料圧送方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、材料に空気が混入することを抑制することができる材料圧送装置及び材料圧送方法を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の目的は、材料の付着を回避してメンテナンス等の負担を軽減することができる材料圧送装置及び材料圧送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明は、所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧するとともに、前記降下により材料を吸引する吸引口を有する圧送手段とを備えた材料圧送装置であって、
前記押圧部材は、前記降下により袋の容積を縮小させてしわ状部を形成するとともに、当該しわ状部を受容する受容空間が下部に設けられる、という構成を採っている。
【0011】
本発明において、前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して前記受容空間を形成する筒状体とを備える、という構成が好ましくは採用される。
【0012】
また、前記プレートは、前記吸引口に連通する貫通穴を面内中央部に備え、この貫通穴に沿って袋を切り抜き可能に設けられる、という構成も採ることができる。
【0013】
更に、前記容器の底部上と袋の底部外面との間にはスペーサが設けられ、このスペーサは、受容空間の内側に受容可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
【0014】
また、前記スペーサは、受容空間の内側に受容されたときに、当該受容空間内で袋のしわ状部を収容するスペースを形成する、という構成も採用することができる。
【0015】
また、本発明の方法は、所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧する圧送手段とを備え、前記押圧部材の降下により、圧送手段の吸引口から材料を吸引する材料圧送方法であって、
前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して受容空間を形成する筒状体と、プレートの面内に形成されて吸引口に連通する貫通穴とを備え、
前記押圧部材の受容空間内に袋が位置するようにプレートを袋上に配置した後、貫通穴に沿って袋を切り抜き加工して穴を形成し、
その後、圧送手段を介して押圧部材を降下することにより、前記穴及び貫通穴に袋内の材料を通過させて吸引口により材料の吸引を行うと同時に、袋の容積を縮小させて形成されたしわ状部を前記受容空間に受容する、という方法を採っている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、袋に形成されるしわ状部が押圧部材の受容空間に受容されるので、しわ状部が袋の底部等の不特定な位置に形成されることを抑制でき、しわ状部によって吸引口が塞がれることを防止することが可能となる。これにより、押圧部材の下限位置を低く設定しても、しわ状部によって吸引口が塞がれることを回避することができ、従来のように袋が破れて空気が混入することを防止しつつ、材料圧送後における袋内の材料の残量を少なくすることが可能となる。
【0017】
また、押圧部材をプレート及びこれに連なって容器の内周面に沿う筒状体により構成したから、簡単な構成により押圧部材に受容空間を形成することができる。しかも、押圧部材の降下中に、筒状体の下端が容器の内周面と袋の外周面との間に入り込み、受容空間内の筒状体に沿う位置でしわ状部を効率良く連続的に形成して受容することができる。
【0018】
更に、袋を閉じたまま当該袋上に押圧部材を載せた状態で、プレートの貫通穴に沿って袋を切り抜き可能とした場合には、当該切り抜きによって袋に穴が形成される。この穴を介して貫通穴と袋内とを連通させ、プレートの下面を材料に略非接触に保ってプレートに材料が殆ど付着しないようにすることが可能となる。これにより、袋の交換時に押圧部材を再利用するときに、当該押圧部材から材料を除去する洗浄作業等を省略して、メンテナンス等の負担を軽減することができる。また、従来のように、プレートと材料液面との間から空気が混入することを抑制でき、エア抜き時の材料捨て量を少なくすることが可能となる。
【0019】
また、受容空間の内側に受容可能なスペーサを設けた場合、押圧部材が降下したときに、受容空間内の材料が位置する領域をスペーサによって狭めることができ、容器内の材料の残量をより低減することが可能となる。
【0020】
更に、スペーサにより受容空間内で袋のしわ状部を収容するスペースが形成される、つまり、受容空間内にスペーサ及びしわ状部を同時に収容できるので、材料の残量がより一層少ない状態とすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「上」及び「下」は、特に明示しない限り、図1を基準として用いられる。
【0022】
図1には、実施形態に係る材料圧送装置の要部正面断面図が示されている。この図において、材料圧送装置10は、シリコーン等の高粘度の樹脂からなる材料Mが収容された袋11と、この袋11を収容する容器12と、この容器12内に設けられて前記袋11上に位置する押圧部材13と、容器12の底側に設けられたスペーサ14と、押圧部材13の上方に設けられた圧送手段15とを備えて構成されている。
【0023】
前記袋11は、ポリエチレン等の樹脂フィルムにより構成されている。図2に示されるように、袋11は、その上下両端側が熱溶着領域11Aとして形成されており、内部が略真空状態に保たれるようになっている。
【0024】
前記容器12は、ステンレス等の金属や、所定の定形性を維持可能なポリプロピレン等の硬質樹脂により構成されている。容器12は、上下方向に向けられた略円筒状の周壁部17と、この周壁部17の下部に連設された底部としての底壁部18とを備え、上部に開口19が形成された有底容器状に設けられている。
【0025】
前記押圧部材13は、図1、図3及び図4に示されるように、前記開口19と略同一の平面形状すなわち略円形状に形成されたプレート21と、プレート21の外周側に連なって垂下するとともに、周壁部17の内周面に沿って位置する筒状体22とを備え、プレート21の下方であって筒状体22の内側に下方を開放する受容空間23が形成されている。プレート21の面内中央部には、略円形をなす貫通穴25が形成されている。図5に示されるように、プレート21の外側領域は、外方(図5中左方)に向かうに従って次第に薄肉とされ、プレート21の外方端部21Aの厚みが筒状体22の厚みと略同一に設定されている。筒状体22の下端側には、下部外方に向けられたテーパ部26が連設されている。このテーパ部26は、下方に向かって次第に薄肉に形成されるとともに、その両面側が傾斜面26A,26Bとして形成されている。テーパ部26は、押圧部材26を容器12内に挿入したときに、内方に弾性変形して周壁部17の内周面に圧接するようになっている。
【0026】
前記スペーサ14は、図1に示されるように、容器12の底壁部18上と袋11の底部外面との間に配置される。図6にも示されるように、スペーサ14は、外周に傾斜面28Aを有する略円錐台形状のスペーサ本体28と、このスペーサ本体28の下部外周部に外向きに連設されるとともに、底壁部18と略同一の外周形状に形成されたフランジ部29とを備え、前記傾斜面28Aと周壁部17との間にスペース30が形成可能に設けられている。スペーサ本体28の上面中央部には、後述する突出部材を受容可能な凹部32が設けられている。また、スペーサ本体28の上面における径方向に沿う二箇所には、ボルト装着穴33が形成されている。当該ボルト装着穴33には、図示しないボルトがねじ込み可能となっており、これにより、スペーサ14を容器12に出し入れできるようになっている。なお、本実施形態では、スペーサ14を中実形状としたが、同様の外形を呈する中空形状に変えてもよい。
【0027】
前記圧送手段15は、図1に示されるように、略円筒状をなす本体筒35と、この本体筒35の外周下端側に設けられるとともに、プレート21より小径となる外向きのフランジ部36とを備え、図示しない昇降装置を介して上昇及び降下可能に設けられている。本体筒35の内部には、上下方向に貫通する通路37が形成されており、この通路37の下端の吸引口37Aが前記貫通穴25と略同一軸線上で連通するようになっている。吸引口37Aの外側にはOリング39が設けられており、貫通穴25と通路37との連結部位から外側への材料Mの漏れを防止する。ここで、前記通路37の吸引口37A側には、突出部材40が挿入固定されている。
【0028】
前記突出部材40は、図7及び図8にも示されるように、通路37の内周面に沿って挿入固定される筒状部41と、この筒状部41の一端面において、筒状部41の円周方向に沿う略90度間隔毎に突出された四個の突起部42と、筒状部41の径方向に向かって相対する各突起部42間を相互に連結する二本の連結部43とを備えた形状とされている。突出部材40は、図1に示されるような装着状態において、前記突起部42及び連結部43が吸引口37Aから下方に向かって突出し、貫通穴25より更に下方に向かって所定長さ突き出るように設けられている。
【0029】
次に、材料圧送装置10による材料Mの吸引、圧送手順について説明する。
【0030】
先ず、材料Mの吸引を行う準備作業として、図2に示されるように、容器12の底壁部18上にスペーサ14を載せた後、略真空状態に保たれた袋11を容器12内に収容する。このとき、袋11の上端側の熱溶着領域11Aを容器12の周壁部17側に回り込ませて位置させつつ、袋11の上面にしわが生じないように調整する。その後、図3に示されるように、受容空間23が袋11の上部領域を受容するように押圧部材13を載せる。次いで、図8に示されるように、押圧部材13の貫通穴25内周に沿ってカッター等の刃45を移動し、貫通穴25と略同一形状となるように袋11を切り抜き加工して穴46を形成する。そして、図1に示されるように、吸引口37Aに設けられた突出部材40を貫通穴25及び穴46に挿入するように、押圧部材13のプレート21上に圧送手段15を載置する。
【0031】
この状態で、前記昇降装置(図示省略)を作動することにより、圧送手段15を介して押圧部材13が降下する。これにより、押圧部材13が材料Mを収容する袋11を押圧して袋11の容積が縮小し、材料Mの内圧が高まることとなる。そして、材料Mが前記貫通穴25及び穴46を通過して吸引口37Aより吸引され、通路37を通じて図示しない塗布ノズルへ材料Mが圧送される。押圧部材13が容器12の底壁部18に近付くと、図9に示されるように、受容空間23内にスペーサ14のスペーサ本体28が受容され、受容空間23の内側にあった材料Mも吸引口37Aから吸引される。このとき、突出部材40の下部側が袋11の底部内面に接触しつつ前記凹部32内に受容される。また、吸引口37Aの吸引力により袋11の底部11は突出部材40の連結部43に係着し、各突起部42間の空間を通って材料Mが吸引されて圧送される。
【0032】
ここで、押圧部材13の降下時における袋11の状態を更に詳述する。
【0033】
前記袋11の容積収縮に伴い、図10に示されるように、袋11にはしわ状部Sが形成される。すなわち、押圧部材13が降下することにより、筒状体22が容器12の周壁部17内面と袋11の外面との間に入り込んでいき、袋11の側方領域(周壁部17内面に沿う領域)の上部側が筒状体22の内面に沿って受容空間23内に受容される。そして、更に押圧部材13が降下することにより、袋11の側方上部領域が受容空間23内における筒状体22内面に沿う位置で連続的に折り畳まれて前記しわ状部Sを形成する。その後、受容空間23内にスペーサ本体28が受容されると、図10に示されるように、前記スペース30内に筒状体22及びしわ状部Sが収容され、プレート21の下面とスペーサ本体28の上面とが袋11を挟み込むように接近することとなる。
【0034】
従って、このような実施形態によれば、しわ状部Sが受容空間23内であって筒状体22に沿う位置に形成されるので、吸引口37Aから十分離れた位置にしわ状部Sが収容されることとなり、しわ状部Sにより吸引口37Aが閉塞されることを回避することができる。しかも、受容空間23内にしわ状部Sとスペーサ本体28とが同時に受容されるようにスペース30が形成されるので、スペーサ本体28の上面とプレート21の下面とが近付くように押圧部材13の下限位置を設定でき、受容空間23の内側に残存する材料Mを少なくして当該材料Mをできるだけ多く使い切ることが可能となる。
【0035】
また、袋11の上部に貫通穴25の開口と略同一形状に穴46が形成可能とされるので、袋11によってプレート21下面が材料Mと略非接触となる。これにより、プレート21に材料が付着しなくなり、袋11の交換時に、材料Mの垂れ等が生じるような押圧部材13の洗浄作業等を省略して作業環境の改善を図ることができる。しかも、従来タイプに比べて材料Mが空気に接する面積が狭くなり、材料Mへの空気の混入を抑制してエア抜き時に要する材料Mの捨て量を低減することが可能となる。
【0036】
更に、筒状体22の下端側にテーパ部26を設けたので、筒状体22が袋11の外面と周壁部17の内周面との間に入り込み易くなって押圧部材13の降下をスムースに行えるようになる。具体的には、テーパ部26の内側の傾斜面26Bがガイドとして作用する、つまり、傾斜面26Bによって袋11の側部上端側が受容空間23内に入り込む方向に向けられ、これにより、受容空間23内に袋11が順次受容されてしわ状部Sを形成させることができる。
【0037】
また、押圧部材13が降下するときに、プレート21の面内中央部が圧送手段15のフランジ部36により押圧されるので、プレート21の中央部が凹むように撓み変形し、当該撓み変形により筒状体22の下部が外側に拡がるようになる。これにより、筒状体22の下部及びテーパ部26と周壁部17の内周面との密着力を高めることができ、袋11の外面と周壁部17の内周面との間に筒状体22がより入り込み易くなる。
【0038】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0039】
例えば、前記押圧部材13は、しわ状部Sを受容する受容空間を有する限りにおいて、種々の設計変更が可能であるが、前述の作用、効果をより良く得るため、前記実施形態のような形状を採用することが好ましい。
【0040】
また、前記実施形態では、吸引口37Aに突出部材40を設けるとともに、スペーサ14の上面に凹部32を形成したが、これらを省略した構成してもよい。
【0041】
更に、容器12内にスペーサ14を配置せずに袋11を収容してもよいが、スペーサ14を設けた方が材料Mの残量を低減できる点で有利となる。
【0042】
また、容器12の開口19の形状は、略方形状、略多角形状、略楕円形状等に変更し、これと略同一となるように、押圧部材13のプレート21の平面形状を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態に係る材料圧送装置の要部正面断面図。
【図2】容器内に袋を収容する直前状態を示す図1と同様の断面図。
【図3】容器内に押圧部材を収容する直前状態を示す図1と同様の断面図。
【図4】押圧部材の概略斜視図。
【図5】押圧部材の部分正面拡大断面図。
【図6】スペーサの概略斜視図。
【図7】突出部材の概略斜視図。
【図8】圧送手段を設置する直前状態を示す図1と同様の断面図。
【図9】図1の状態から材料の圧送を終えた状態を示す断面図。
【図10】降下中の押圧部材及びその周辺の要部拡大断面図。
【図11】従来例に係る材料圧送装置の要部正面断面図。
【符号の説明】
【0044】
10 材料圧送装置
11 袋
12 容器
13 押圧部材
14 スペーサ
15 圧送手段
18 底壁部(底部)
19 開口
21 プレート
22 筒状体
23 受容空間
25 貫通穴
30 スペース
37A 吸引口
46 穴
M 材料
S しわ状部
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料圧送装置及び材料圧送方法に係り、更に詳しくは、容器内の材料の圧送を行った後、当該材料の残量を少なくすることができる材料圧送装置及び材料圧送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シール剤等として、シリコーンゴム、エポキシ樹脂等の高粘度の樹脂材料が利用されている。このような樹脂材料は、所定の容器内に収容された状態で、材料圧送装置により必要量ずつ吸引されてノズルに圧送され、このノズルからワークのシール面等に吐出されるようになっている。
【0003】
図11には、従来の材料圧送装置の下部領域を表す要部断面図が示されている。この図において、材料圧送装置50は、高粘度の樹脂からなる材料Mが収容される袋51と、この袋51が収容される容器52と、袋51内の材料Mの液面上に配置されるとともに、略中央に貫通穴53が形成された押圧部材54と、この押圧部材54の上部に載置されるとともに、貫通穴53に連通する吸引口56を備えた圧送手段57とを備えて構成されている。袋51の上部領域は、容器52の上端により外側に折り返されて当該容器52に支持されている。押圧部材52は、前記貫通穴53が形成された略円形の板状をなすプレート59と、このプレート59外周に連なって立ち上がる円筒状の起立部60とを備えている。このような構成において、材料圧送装置50は、圧送手段57を作動して押圧部材54を降下させたときに、材料Mが貫通穴53を通じて吸引口56の内部に吸引されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−216607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記材料圧送装置50にあっては、押圧部材54の降下に伴って容器52内で袋51が下方に引っ張られ、押圧部材54より下方の材料Mを収容する袋51にしわが生じることとなる。当該しわは、押圧部材54が降下する程、袋51の側方だけでなく底部にも多く発生し、ひいては、材料Mの吸引中にしわになった袋51が吸引口56を塞いでしまう傾向がある。これにより、以後の材料Mの吸引が不十分若しくは不可能となって材料Mが残存し易くなる他、吸引口56からの吸引力によって袋51が破れ、材料M内に空気が混入してしまうという不都合を生じる。
ここで、降下する押圧部材54の下限位置を高く初期設定すれば、前記しわの発生量を少なくして吸引口56が塞がれることを回避できるが、この場合、袋51内に多量の材料Mが残存してしまうという反射的不都合を招来する。
【0006】
また、袋51の上部領域を開放し、材料Mを露出してから液面に押圧部材54を載せるので、押圧部材54と液面との間から材料M内に空気が混入し易くなり、いわゆるエア抜き時に捨てられる材料Mの量が多くなるという不都合を招来する。特に、材料Mの粘度によっては液面が波状となるので、材料M内に混入する空気がより多くなり、エア抜きによる材料捨て量が甚大になるという不都合をもたらす。
しかも、押圧部材54の下面が材料Mに接するので、袋51を交換する度に押圧部材54を再利用する場合、当該押圧部材54に付着した材料Mを取り除く煩雑な除去作業が不可避となる。更に、前記除去作業や袋51の上端を折り返すときに、材料Mが手や容器51、他の装置等に意図することなく付着し、これらを汚損させてしまうという不都合もある。
【0007】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、容器内の材料を圧送した後、当該容器内に残存する材料をできるだけ低減することができる材料圧送装置及び材料圧送方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、材料に空気が混入することを抑制することができる材料圧送装置及び材料圧送方法を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の目的は、材料の付着を回避してメンテナンス等の負担を軽減することができる材料圧送装置及び材料圧送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明は、所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧するとともに、前記降下により材料を吸引する吸引口を有する圧送手段とを備えた材料圧送装置であって、
前記押圧部材は、前記降下により袋の容積を縮小させてしわ状部を形成するとともに、当該しわ状部を受容する受容空間が下部に設けられる、という構成を採っている。
【0011】
本発明において、前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して前記受容空間を形成する筒状体とを備える、という構成が好ましくは採用される。
【0012】
また、前記プレートは、前記吸引口に連通する貫通穴を面内中央部に備え、この貫通穴に沿って袋を切り抜き可能に設けられる、という構成も採ることができる。
【0013】
更に、前記容器の底部上と袋の底部外面との間にはスペーサが設けられ、このスペーサは、受容空間の内側に受容可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
【0014】
また、前記スペーサは、受容空間の内側に受容されたときに、当該受容空間内で袋のしわ状部を収容するスペースを形成する、という構成も採用することができる。
【0015】
また、本発明の方法は、所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧する圧送手段とを備え、前記押圧部材の降下により、圧送手段の吸引口から材料を吸引する材料圧送方法であって、
前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して受容空間を形成する筒状体と、プレートの面内に形成されて吸引口に連通する貫通穴とを備え、
前記押圧部材の受容空間内に袋が位置するようにプレートを袋上に配置した後、貫通穴に沿って袋を切り抜き加工して穴を形成し、
その後、圧送手段を介して押圧部材を降下することにより、前記穴及び貫通穴に袋内の材料を通過させて吸引口により材料の吸引を行うと同時に、袋の容積を縮小させて形成されたしわ状部を前記受容空間に受容する、という方法を採っている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、袋に形成されるしわ状部が押圧部材の受容空間に受容されるので、しわ状部が袋の底部等の不特定な位置に形成されることを抑制でき、しわ状部によって吸引口が塞がれることを防止することが可能となる。これにより、押圧部材の下限位置を低く設定しても、しわ状部によって吸引口が塞がれることを回避することができ、従来のように袋が破れて空気が混入することを防止しつつ、材料圧送後における袋内の材料の残量を少なくすることが可能となる。
【0017】
また、押圧部材をプレート及びこれに連なって容器の内周面に沿う筒状体により構成したから、簡単な構成により押圧部材に受容空間を形成することができる。しかも、押圧部材の降下中に、筒状体の下端が容器の内周面と袋の外周面との間に入り込み、受容空間内の筒状体に沿う位置でしわ状部を効率良く連続的に形成して受容することができる。
【0018】
更に、袋を閉じたまま当該袋上に押圧部材を載せた状態で、プレートの貫通穴に沿って袋を切り抜き可能とした場合には、当該切り抜きによって袋に穴が形成される。この穴を介して貫通穴と袋内とを連通させ、プレートの下面を材料に略非接触に保ってプレートに材料が殆ど付着しないようにすることが可能となる。これにより、袋の交換時に押圧部材を再利用するときに、当該押圧部材から材料を除去する洗浄作業等を省略して、メンテナンス等の負担を軽減することができる。また、従来のように、プレートと材料液面との間から空気が混入することを抑制でき、エア抜き時の材料捨て量を少なくすることが可能となる。
【0019】
また、受容空間の内側に受容可能なスペーサを設けた場合、押圧部材が降下したときに、受容空間内の材料が位置する領域をスペーサによって狭めることができ、容器内の材料の残量をより低減することが可能となる。
【0020】
更に、スペーサにより受容空間内で袋のしわ状部を収容するスペースが形成される、つまり、受容空間内にスペーサ及びしわ状部を同時に収容できるので、材料の残量がより一層少ない状態とすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「上」及び「下」は、特に明示しない限り、図1を基準として用いられる。
【0022】
図1には、実施形態に係る材料圧送装置の要部正面断面図が示されている。この図において、材料圧送装置10は、シリコーン等の高粘度の樹脂からなる材料Mが収容された袋11と、この袋11を収容する容器12と、この容器12内に設けられて前記袋11上に位置する押圧部材13と、容器12の底側に設けられたスペーサ14と、押圧部材13の上方に設けられた圧送手段15とを備えて構成されている。
【0023】
前記袋11は、ポリエチレン等の樹脂フィルムにより構成されている。図2に示されるように、袋11は、その上下両端側が熱溶着領域11Aとして形成されており、内部が略真空状態に保たれるようになっている。
【0024】
前記容器12は、ステンレス等の金属や、所定の定形性を維持可能なポリプロピレン等の硬質樹脂により構成されている。容器12は、上下方向に向けられた略円筒状の周壁部17と、この周壁部17の下部に連設された底部としての底壁部18とを備え、上部に開口19が形成された有底容器状に設けられている。
【0025】
前記押圧部材13は、図1、図3及び図4に示されるように、前記開口19と略同一の平面形状すなわち略円形状に形成されたプレート21と、プレート21の外周側に連なって垂下するとともに、周壁部17の内周面に沿って位置する筒状体22とを備え、プレート21の下方であって筒状体22の内側に下方を開放する受容空間23が形成されている。プレート21の面内中央部には、略円形をなす貫通穴25が形成されている。図5に示されるように、プレート21の外側領域は、外方(図5中左方)に向かうに従って次第に薄肉とされ、プレート21の外方端部21Aの厚みが筒状体22の厚みと略同一に設定されている。筒状体22の下端側には、下部外方に向けられたテーパ部26が連設されている。このテーパ部26は、下方に向かって次第に薄肉に形成されるとともに、その両面側が傾斜面26A,26Bとして形成されている。テーパ部26は、押圧部材26を容器12内に挿入したときに、内方に弾性変形して周壁部17の内周面に圧接するようになっている。
【0026】
前記スペーサ14は、図1に示されるように、容器12の底壁部18上と袋11の底部外面との間に配置される。図6にも示されるように、スペーサ14は、外周に傾斜面28Aを有する略円錐台形状のスペーサ本体28と、このスペーサ本体28の下部外周部に外向きに連設されるとともに、底壁部18と略同一の外周形状に形成されたフランジ部29とを備え、前記傾斜面28Aと周壁部17との間にスペース30が形成可能に設けられている。スペーサ本体28の上面中央部には、後述する突出部材を受容可能な凹部32が設けられている。また、スペーサ本体28の上面における径方向に沿う二箇所には、ボルト装着穴33が形成されている。当該ボルト装着穴33には、図示しないボルトがねじ込み可能となっており、これにより、スペーサ14を容器12に出し入れできるようになっている。なお、本実施形態では、スペーサ14を中実形状としたが、同様の外形を呈する中空形状に変えてもよい。
【0027】
前記圧送手段15は、図1に示されるように、略円筒状をなす本体筒35と、この本体筒35の外周下端側に設けられるとともに、プレート21より小径となる外向きのフランジ部36とを備え、図示しない昇降装置を介して上昇及び降下可能に設けられている。本体筒35の内部には、上下方向に貫通する通路37が形成されており、この通路37の下端の吸引口37Aが前記貫通穴25と略同一軸線上で連通するようになっている。吸引口37Aの外側にはOリング39が設けられており、貫通穴25と通路37との連結部位から外側への材料Mの漏れを防止する。ここで、前記通路37の吸引口37A側には、突出部材40が挿入固定されている。
【0028】
前記突出部材40は、図7及び図8にも示されるように、通路37の内周面に沿って挿入固定される筒状部41と、この筒状部41の一端面において、筒状部41の円周方向に沿う略90度間隔毎に突出された四個の突起部42と、筒状部41の径方向に向かって相対する各突起部42間を相互に連結する二本の連結部43とを備えた形状とされている。突出部材40は、図1に示されるような装着状態において、前記突起部42及び連結部43が吸引口37Aから下方に向かって突出し、貫通穴25より更に下方に向かって所定長さ突き出るように設けられている。
【0029】
次に、材料圧送装置10による材料Mの吸引、圧送手順について説明する。
【0030】
先ず、材料Mの吸引を行う準備作業として、図2に示されるように、容器12の底壁部18上にスペーサ14を載せた後、略真空状態に保たれた袋11を容器12内に収容する。このとき、袋11の上端側の熱溶着領域11Aを容器12の周壁部17側に回り込ませて位置させつつ、袋11の上面にしわが生じないように調整する。その後、図3に示されるように、受容空間23が袋11の上部領域を受容するように押圧部材13を載せる。次いで、図8に示されるように、押圧部材13の貫通穴25内周に沿ってカッター等の刃45を移動し、貫通穴25と略同一形状となるように袋11を切り抜き加工して穴46を形成する。そして、図1に示されるように、吸引口37Aに設けられた突出部材40を貫通穴25及び穴46に挿入するように、押圧部材13のプレート21上に圧送手段15を載置する。
【0031】
この状態で、前記昇降装置(図示省略)を作動することにより、圧送手段15を介して押圧部材13が降下する。これにより、押圧部材13が材料Mを収容する袋11を押圧して袋11の容積が縮小し、材料Mの内圧が高まることとなる。そして、材料Mが前記貫通穴25及び穴46を通過して吸引口37Aより吸引され、通路37を通じて図示しない塗布ノズルへ材料Mが圧送される。押圧部材13が容器12の底壁部18に近付くと、図9に示されるように、受容空間23内にスペーサ14のスペーサ本体28が受容され、受容空間23の内側にあった材料Mも吸引口37Aから吸引される。このとき、突出部材40の下部側が袋11の底部内面に接触しつつ前記凹部32内に受容される。また、吸引口37Aの吸引力により袋11の底部11は突出部材40の連結部43に係着し、各突起部42間の空間を通って材料Mが吸引されて圧送される。
【0032】
ここで、押圧部材13の降下時における袋11の状態を更に詳述する。
【0033】
前記袋11の容積収縮に伴い、図10に示されるように、袋11にはしわ状部Sが形成される。すなわち、押圧部材13が降下することにより、筒状体22が容器12の周壁部17内面と袋11の外面との間に入り込んでいき、袋11の側方領域(周壁部17内面に沿う領域)の上部側が筒状体22の内面に沿って受容空間23内に受容される。そして、更に押圧部材13が降下することにより、袋11の側方上部領域が受容空間23内における筒状体22内面に沿う位置で連続的に折り畳まれて前記しわ状部Sを形成する。その後、受容空間23内にスペーサ本体28が受容されると、図10に示されるように、前記スペース30内に筒状体22及びしわ状部Sが収容され、プレート21の下面とスペーサ本体28の上面とが袋11を挟み込むように接近することとなる。
【0034】
従って、このような実施形態によれば、しわ状部Sが受容空間23内であって筒状体22に沿う位置に形成されるので、吸引口37Aから十分離れた位置にしわ状部Sが収容されることとなり、しわ状部Sにより吸引口37Aが閉塞されることを回避することができる。しかも、受容空間23内にしわ状部Sとスペーサ本体28とが同時に受容されるようにスペース30が形成されるので、スペーサ本体28の上面とプレート21の下面とが近付くように押圧部材13の下限位置を設定でき、受容空間23の内側に残存する材料Mを少なくして当該材料Mをできるだけ多く使い切ることが可能となる。
【0035】
また、袋11の上部に貫通穴25の開口と略同一形状に穴46が形成可能とされるので、袋11によってプレート21下面が材料Mと略非接触となる。これにより、プレート21に材料が付着しなくなり、袋11の交換時に、材料Mの垂れ等が生じるような押圧部材13の洗浄作業等を省略して作業環境の改善を図ることができる。しかも、従来タイプに比べて材料Mが空気に接する面積が狭くなり、材料Mへの空気の混入を抑制してエア抜き時に要する材料Mの捨て量を低減することが可能となる。
【0036】
更に、筒状体22の下端側にテーパ部26を設けたので、筒状体22が袋11の外面と周壁部17の内周面との間に入り込み易くなって押圧部材13の降下をスムースに行えるようになる。具体的には、テーパ部26の内側の傾斜面26Bがガイドとして作用する、つまり、傾斜面26Bによって袋11の側部上端側が受容空間23内に入り込む方向に向けられ、これにより、受容空間23内に袋11が順次受容されてしわ状部Sを形成させることができる。
【0037】
また、押圧部材13が降下するときに、プレート21の面内中央部が圧送手段15のフランジ部36により押圧されるので、プレート21の中央部が凹むように撓み変形し、当該撓み変形により筒状体22の下部が外側に拡がるようになる。これにより、筒状体22の下部及びテーパ部26と周壁部17の内周面との密着力を高めることができ、袋11の外面と周壁部17の内周面との間に筒状体22がより入り込み易くなる。
【0038】
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した構成は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0039】
例えば、前記押圧部材13は、しわ状部Sを受容する受容空間を有する限りにおいて、種々の設計変更が可能であるが、前述の作用、効果をより良く得るため、前記実施形態のような形状を採用することが好ましい。
【0040】
また、前記実施形態では、吸引口37Aに突出部材40を設けるとともに、スペーサ14の上面に凹部32を形成したが、これらを省略した構成してもよい。
【0041】
更に、容器12内にスペーサ14を配置せずに袋11を収容してもよいが、スペーサ14を設けた方が材料Mの残量を低減できる点で有利となる。
【0042】
また、容器12の開口19の形状は、略方形状、略多角形状、略楕円形状等に変更し、これと略同一となるように、押圧部材13のプレート21の平面形状を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態に係る材料圧送装置の要部正面断面図。
【図2】容器内に袋を収容する直前状態を示す図1と同様の断面図。
【図3】容器内に押圧部材を収容する直前状態を示す図1と同様の断面図。
【図4】押圧部材の概略斜視図。
【図5】押圧部材の部分正面拡大断面図。
【図6】スペーサの概略斜視図。
【図7】突出部材の概略斜視図。
【図8】圧送手段を設置する直前状態を示す図1と同様の断面図。
【図9】図1の状態から材料の圧送を終えた状態を示す断面図。
【図10】降下中の押圧部材及びその周辺の要部拡大断面図。
【図11】従来例に係る材料圧送装置の要部正面断面図。
【符号の説明】
【0044】
10 材料圧送装置
11 袋
12 容器
13 押圧部材
14 スペーサ
15 圧送手段
18 底壁部(底部)
19 開口
21 プレート
22 筒状体
23 受容空間
25 貫通穴
30 スペース
37A 吸引口
46 穴
M 材料
S しわ状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧するとともに、前記降下により材料を吸引する吸引口を有する圧送手段とを備えた材料圧送装置であって、
前記押圧部材は、前記降下により袋の容積を縮小させてしわ状部を形成するとともに、当該しわ状部を受容する受容空間が下部に設けられていることを特徴とする材料圧送装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して前記受容空間を形成する筒状体とを備えていることを特徴とする請求項1記載の材料圧送装置。
【請求項3】
前記プレートは、前記吸引口に連通する貫通穴を面内中央部に備え、この貫通穴に沿って袋を切り抜き可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の材料圧送装置。
【請求項4】
前記容器の底部上と袋の底部外面との間にはスペーサが設けられ、このスペーサは、受容空間の内側に受容可能に設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の材料圧送装置。
【請求項5】
前記スペーサは、受容空間の内側に受容されたときに、当該受容空間内で袋のしわ状部を収容するスペースを形成することを特徴とする請求項4記載の材料圧送装置。
【請求項6】
所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧する圧送手段とを備え、前記押圧部材の降下により、圧送手段の吸引口から材料を吸引する材料圧送方法であって、
前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して受容空間を形成する筒状体と、プレートの面内に形成されて吸引口に連通する貫通穴とを備え、
前記押圧部材の受容空間内に袋が位置するようにプレートを袋上に配置した後、貫通穴に沿って袋を切り抜き加工して穴を形成し、
その後、圧送手段を介して押圧部材を降下することにより、前記穴及び貫通穴に袋内の材料を通過させて吸引口により材料の吸引を行うと同時に、袋の容積を縮小させて形成されたしわ状部を前記受容空間に受容することを特徴とする材料圧送方法。
【請求項1】
所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧するとともに、前記降下により材料を吸引する吸引口を有する圧送手段とを備えた材料圧送装置であって、
前記押圧部材は、前記降下により袋の容積を縮小させてしわ状部を形成するとともに、当該しわ状部を受容する受容空間が下部に設けられていることを特徴とする材料圧送装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して前記受容空間を形成する筒状体とを備えていることを特徴とする請求項1記載の材料圧送装置。
【請求項3】
前記プレートは、前記吸引口に連通する貫通穴を面内中央部に備え、この貫通穴に沿って袋を切り抜き可能に設けられていることを特徴とする請求項2記載の材料圧送装置。
【請求項4】
前記容器の底部上と袋の底部外面との間にはスペーサが設けられ、このスペーサは、受容空間の内側に受容可能に設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の材料圧送装置。
【請求項5】
前記スペーサは、受容空間の内側に受容されたときに、当該受容空間内で袋のしわ状部を収容するスペースを形成することを特徴とする請求項4記載の材料圧送装置。
【請求項6】
所定の粘度を有する材料が収容された袋と、この袋を収容するとともに、上部に開口が形成された容器と、この容器内に設けられて前記袋上に位置する押圧部材と、この押圧部材を降下して材料を収容した袋を押圧する圧送手段とを備え、前記押圧部材の降下により、圧送手段の吸引口から材料を吸引する材料圧送方法であって、
前記押圧部材は、容器の開口と略同一の平面形状を有するプレートと、容器の内周面に沿って位置するとともに、プレートの外周側から垂下して受容空間を形成する筒状体と、プレートの面内に形成されて吸引口に連通する貫通穴とを備え、
前記押圧部材の受容空間内に袋が位置するようにプレートを袋上に配置した後、貫通穴に沿って袋を切り抜き加工して穴を形成し、
その後、圧送手段を介して押圧部材を降下することにより、前記穴及び貫通穴に袋内の材料を通過させて吸引口により材料の吸引を行うと同時に、袋の容積を縮小させて形成されたしわ状部を前記受容空間に受容することを特徴とする材料圧送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−102655(P2006−102655A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293260(P2004−293260)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000132404)株式会社スリーボンド (140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000132404)株式会社スリーボンド (140)
【Fターム(参考)】
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