説明

材料輸送供給装置、及び材料輸送供給方法

【課題】省エネルギー化を図り得る材料輸送供給装置、及び材料輸送供給方法を提供する。
【解決手段】材料輸送供給装置1は、空気輸送される粉粒体材料を捕集し、供給先2に供給する捕集供給部10と、輸送元3から前記捕集供給部に粉粒体材料を空気輸送する空気輸送手段20と、前記供給先において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力Xを検出する処理能力検出手段と、前記輸送元から前記捕集供給部に単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力Yを検出する輸送能力検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記輸送能力とを比較し、前記空気輸送手段における輸送空気源22の駆動モーターの回転数を変更制御することで、前記輸送能力を、前記処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、前記空気輸送を実行させる輸送能力制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送元の粉粒体材料を空気輸送し、供給先に供給する材料輸送供給装置、及び材料輸送供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、輸送元から空気輸送される粉粒体材料を、捕集器等において捕集して、その下方に連設された投入管や貯留タンク等の一時貯留部を介して成形機等の供給先に向けて供給するようにした材料輸送供給装置が知られている。
このような輸送元から捕集器及び投入管等からなる捕集供給部への輸送制御は、捕集供給部に設けられた下限レベル計の材料無し信号等に基づいて、輸送元の供給フィーダ及び輸送空気源を起動させて、輸送元からの材料を捕集供給部に空気輸送し、次いで、上限レベル計の材料有り信号等に基づいて、上記供給フィーダ等を停止させることでなされることが一般的であった(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−278190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような輸送制御を行う従来の材料輸送供給装置では、種々の成形機等の供給先や、その種々の稼働態様に適用可能なように、また、供給先へのショートフィード等が生じないように、輸送元から捕集供給部に粉粒体材料を空気輸送する輸送能力は、比較的、大きく設定されていた。
すなわち、空気輸送手段を構成する送風機(吸引ブロワーや圧送ブロワー)等の輸送空気源は、輸送量や輸送距離等に応じて、ある程度、定格化されており、複数種のうちから選択可能ではあるが、材料輸送供給装置における単位時間当たりに輸送可能な輸送能力は、供給先において単位時間当たりに処理される処理能力よりも十分に大きく、かつ概ね一定に設定されており、省エネルギー化の観点から改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、省エネルギー化を図り得る材料輸送供給装置、及び材料輸送供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る材料輸送供給装置は、空気輸送される粉粒体材料を捕集し、供給先に供給する捕集供給部と、輸送元から前記捕集供給部に粉粒体材料を空気輸送する空気輸送手段と、前記供給先において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力を検出する処理能力検出手段と、前記輸送元から前記捕集供給部に単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力を検出する輸送能力検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記輸送能力とを比較し、前記空気輸送手段における輸送空気源の駆動モーターの回転数を変更制御することで、前記輸送能力を、前記処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、前記空気輸送を実行させる輸送能力制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
このような構成とすることで、処理能力と輸送能力とを比較し、輸送能力が処理能力よりも十分に大きい場合等では、輸送空気源の駆動モーターの回転数を減少させることで、風量を減少させ、単位時間当たりに捕集供給部に輸送される粉粒体材料の輸送能力を処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新する。この結果、駆動モーターの消費電力を低減させることができ、省エネルギー化を図ることができる。つまり、本発明では、一般的に処理能力よりも十分に大きく設定されている輸送能力を、安全な範囲(供給先へのショートフィード等が生じる恐れがない程度)で、所定の輸送能力となるよう更新して減少させることで、省エネルギー化を図るようにしている。
また、このように、輸送空気源の駆動モーターの回転数を減少させることで、輸送空気源から発生する騒音も減少させることができる。
【0008】
本発明においては、前記捕集供給部に、粉粒体材料の貯留レベルとして、少なくとも第1レベルと、この第1レベルよりも上段の第2レベルとを検出する材料レベル検出手段を設けるようにしてもよい。この場合、予め設定された前記第1レベルから前記第2レベルまでに貯留される粉粒体材料の貯留量と、前記供給先への供給時における貯留レベルの減少により、前記第2レベルにおいて出力される材料無し信号から前記第1レベルにおいて出力される材料無し信号までの時間(処理時間)とに基づいて、前記輸送能力制御手段によって前記処理能力を算出するようにしてもよい。
このような構成とすれば、供給先の稼働状況に基づいて処理能力を算出することができる。従って、例えば、供給先の処理能力を操作部等に手入力させるような場合と比べて、操作間違い等が生じず、正確な処理能力を取得することができる。
【0009】
上記貯留量と上記処理時間とに基づいて処理能力を算出するようにした材料輸送供給装置においては、前記第1レベルにおいて出力される材料無し信号に基づいて前記空気輸送を開始させる構成とし、この第1レベルの信号から、前記捕集供給部への補給時における貯留レベルの増加により、前記第2レベルにおいて出力される材料有り信号までの時間(輸送補給時間)と、前記貯留量と、前記処理能力とに基づいて、前記輸送能力制御手段によって前記輸送能力を算出するようにしてもよい。
このような構成とすれば、当該材料輸送供給装置の輸送能力を、装置の稼働状況に基づいて算出することができる。従って、粉粒体材料の種類(嵩密度や形状が異なる材料など)や輸送径路、輸送距離、輸送配管の内径等の種々の要因により変動する場合がある輸送能力を、正確に算出することができる。これにより、例えば、予め輸送空気源の駆動モーターの回転数と、輸送能力とを対応させたデータテーブル等を作成して記憶手段等に格納させておき、該テーブルに基づいて輸送能力を更新するような態様に比べて、より安全かつ確実に処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新することができる。
【0010】
本発明においては、前記輸送能力制御手段によって、前記駆動モーターの回転数を変更した後の輸送能力が所定の輸送能力になるまで、前記駆動モーターの回転数を、前記空気輸送がなされる毎に段階的に変更させて前記輸送能力を段階的に更新するようにしてもよい。
このような構成とすれば、例えば、輸送能力を検出した後、該輸送能力を、処理能力に見合った所定の輸送能力となるように一度のみ更新する態様と比べて、より安全に輸送能力を更新することができる。
【0011】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る材料輸送供給方法は、輸送元から空気輸送される粉粒体材料を、捕集供給部において捕集して供給先に供給するようにした材料輸送供給方法であって、前記供給先において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力と、前記輸送元から前記捕集供給部に単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力とを検出し、これら処理能力と輸送能力とを比較し、前記空気輸送の際に駆動される輸送空気源の駆動モーターの回転数を変更制御することで、前記輸送能力を、前記処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、前記空気輸送を実行するようにしたことを特徴とする。
このような材料輸送供給方法によれば、上記同様、省エネルギー化を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る材料輸送供給装置は、上述のような構成としたことで、省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る材料輸送供給装置の一実施形態を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図2】同材料輸送供給装置の制御ブロック図である。
【図3】同材料輸送供給装置で実行される基本動作の一例を説明するための概略タイムチャートである。
【図4】同材料輸送供給装置で実行される処理能力検出機能、及び輸送能力検出機能の基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図5】同材料輸送供給装置で実行される輸送能力変更機能の基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図6】(a)、(b)は、いずれも同材料輸送供給装置の処理能力検出手段の一変形例について説明するための説明図であり、それぞれ図1におけるX部を拡大して模式的に示す概略縦断面図、(c)、(d)は、いずれも同材料輸送供給装置の処理能力検出手段の他の変形例について説明するための説明図であり、それぞれ図1におけるX部を拡大して模式的に示す概略縦断面図である。
【図7】同材料輸送供給装置の変形例を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図8】同材料輸送供給装置の他の変形例を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図8は、本実施形態に係る粉粒体材料の輸送供給装置、その動作例、及び変形例を説明するための説明図である。
尚、図1、図7及び図8においては、ガス(輸送空気)や粉粒体材料を流通させる管路(ガス管路、粉粒体材料輸送管路など)を、実線にて模式的に示している。
【0015】
図例の材料輸送供給装置1は、図1に示すように、輸送元としての乾燥ホッパー3からの粉粒体材料を捕集し、一時的に貯留して、供給先としての射出成形機2に向けて供給する粉粒体材料の輸送供給システムの一部として組み込まれている。
この材料輸送供給装置1は、空気輸送される粉粒体材料を捕集し、射出成形機2に向けて供給する捕集供給部10と、乾燥ホッパー3から捕集供給部10に粉粒体材料を空気輸送する空気輸送手段20と、制御盤30とを備えている。
【0016】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、或いは金属材料や半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
また、この粉粒体材料としては、輸送元としての配合装置等によって配合された複数種の配合済み粉粒体材料としてもよく、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、バージン材や粉砕材、マスターバッチ、各種添加剤等が挙げられる。
【0017】
供給先としての射出成形機2は、詳細な説明は省略するが、材料投入口2aから投入された粉粒体材料をシリンダ内で溶融させて、溶融させた1ショット分の樹脂をシリンダ先端のノズルから金型(不図示)内に射出させて、樹脂成形品を成形する構成とされている。
尚、本実施形態に係る材料輸送供給装置1によって空気輸送されて捕集供給部10において一時的に貯留される粉粒体材料の供給先としては、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機、または押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。さらには、このような成形機の前段に設置される一時貯留部としてのチャージホッパーや、複数種の粉粒体材料を所定の配合比で配合する配合装置等の計量ホッパー等を供給先としてもよい。
【0018】
輸送元としての乾燥ホッパー3は、詳細な説明は省略するが、粉粒体材料を貯留し、乾燥するホッパー本体3aと、このホッパー本体3aの下端部に設けられた排出ダンパー(材料排出部)3bと、このホッパー本体3aの上端部に設けられた捕集部3cと、ホッパー本体3a内に加熱空気を供給する送風器及び加熱器を有したヒーターユニット3dとを備えている。
材料排出部3bとしては、後記するCPU31に信号線等を介して接続されて排出制御乃至は開閉制御されるものであればどのようなものでもよく、例えば、ロータリーバルブやプッシュダンパー、フラップダンパー、スライドダンパー、スクリューフィーダ等としてもよい。粉粒体材料の噛み込みによる空気のリークを減少させる観点からロータリーバルブやプッシュダンパー、フラップダンパー等を採用するようにしてもよい。尚、図例では、ホッパー本体3aの下端排出口の排出方向(排出管の軸方向)と同方向に沿って弁を移動させることにより、下端排出口を開閉するプッシュダンパー式の排出ダンパーを示している。
この乾燥ホッパー3の捕集部3cには、末端が材料タンク4に接続された材料輸送管6と、捕集部3c内の空気を吸引する吸引管5とが接続されている。この吸引管5の末端には、吸引ブロワー等の輸送空気源が接続されている。
【0019】
この乾燥ホッパー3では、捕集部3cにおいて、空気輸送される粉粒体材料を捕集し、一時的に貯留して、捕集部3cの下方に設けられた材料投入バルブを開放させることにより、粉粒体材料がホッパー本体3a内に順次投入される。
ホッパー本体3a内に貯留された粉粒体材料は、供給された加熱空気により加熱乾燥され、下部の排出ダンパー3bを開放させることで、この排出ダンパー3bに接続された材料輸送管27に向けて排出される。
このようなホッパー本体3aへの粉粒体材料の投入は、例えば、ホッパー本体3aの下端部の排出ダンパー3bからの粉粒体材料の排出に伴い、ホッパー本体3aにおける粉粒体材料の貯留レベルが低下し、ホッパー本体3aに設けられた材料センサーの材料無し信号が出力された際に、捕集部3cの材料投入バルブを開放させることで行うようにしてもよく、また、ホッパー本体3a内の粉粒体材料の貯留量が概ね一定量となるように、粉粒体材料の投入タイミング及び投入量等を制御するようにしてもよい。
【0020】
捕集供給部10は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集ホッパー(捕集器)14と、その下部に連設された材料貯留投入管(一時貯留部)13とを備えている。
捕集ホッパー14には、末端が乾燥ホッパー3の排出ダンパー3bに接続された材料輸送管27と、捕集ホッパー14内の空気を吸引する吸引管25とが接続されている。
材料貯留投入管13の下端の材料排出口13aは、上記した射出成形機2の材料投入口2aに連接されており、この材料貯留投入管13に貯留された粉粒体材料は、射出成形機2における粉粒体材料の消費に伴い、材料排出口13aを介して自重落下により射出成形機2のシリンダ内へ供給される。
この材料貯留投入管13には、当該捕集供給部10における粉粒体材料の貯留レベルとして、第1レベルLV1と、この第1レベルLV1よりも上段の第2レベルLV2とを検出する材料レベル検出手段11,12が設けられている。
本実施形態では、材料レベル検出手段11,12として、第1レベルLV1を検出する第1レベル計11と、第2レベルLV2を検出する第2レベル計12とを備えた構成としている。
【0021】
これら各レベル計11,12は、各レベルにおける粉粒体材料の貯留レベルの検出が可能なものであれば、どのようなものでもよく、例えば、非接触式の静電容量式レベル計等や、接触式のレベルスイッチ等としてもよい。
または、少なくとも上記第1レベルLV1と、第2レベルLV2とを検出可能な一つのセンサーによって材料レベル検出手段を構成するようにしてもよい。このような材料レベル検出手段としては、複数の貯留レベルを多段階的乃至は無段階的に検出可能な超音波レベル計や静電容量式連続レベル計等を採用するようにしてもよい。
尚、第1レベル計11の検出レベル(第1レベルLV1)よりも下方に貯留される下部貯留量Bが、射出成形機2へのショートフィード等が生じない程度の貯留量となるように、材料貯留投入管13及び第1レベル計11の検出レベルLV1が適宜、設定されている。
【0022】
空気輸送手段20は、吸引輸送機21と、この吸引輸送機21に接続された上記吸引管25と、乾燥ホッパー3と捕集供給部10とを接続し、捕集供給部10に向けて粉粒体材料を空気輸送するための上記材料輸送管27とを備えている。
吸引輸送機21は、輸送空気源としての吸引ブロワー22と、この吸引ブロワー22の羽根車を回転駆動する駆動モーター23(図2参照)と、吸引ブロワー22の吸込み側に設けられた集塵ユニット24とを備えている。また、この吸引輸送機21に、後記する制御盤30が付設されている。
集塵ユニット24は、吸引管25の吸引空気に含まれる粉塵や塵埃等を捕捉する集塵フィルタや捕捉物を収容するダストボックス等を備え、この集塵ユニット24の集塵手段としては、サイクロン式フィルタやバグフィルタ等を採用するようにしてもよい。
また、吸引管25には、吸引管25内の圧力を検出する圧力センサーや圧力ゲージ等の圧力計26が設けられている。
【0023】
制御盤30は、図2に示すように、当該材料輸送供給装置1の上記した各機器及び各部を所定のプログラムに従って制御するCPU31と、このCPU31に信号線等を介してそれぞれ接続された操作パネル32及び記憶部33と、同様にこのCPU31に信号線等を介して接続され、上記した吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を変更するためのインバーター34とを備えている。
操作パネル32は、各種設定操作や、後記する事前設定入力項目などを設定、入力したり、各種設定条件や、各種運転モードなどを表示したりするための表示操作部を構成する。
記憶部33は、各種メモリ等から構成されており、操作パネル32の操作により設定、入力された設定条件や入力値、後記する基本動作や各動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件や各種データテーブル等が格納される。
【0024】
インバーター34は、例えば、商用駆動電源から入力される交流をコンバータ回路で直流に変換し、インバーター回路で所定の出力周波数及び所定の出力電圧の交流に変換する、VVVF(可変電圧・可変周波数)型のものとしてもよい。このインバーター34の出力周波数を、後記するように、所定のプログラムに従って、CPU31によって変更制御することで、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数の変更がなされる。本実施形態では、このインバーター34が駆動モーター23の回転数変更手段として機能する。
このようなインバーター34を回転数変更手段とすることで、後記する輸送能力変更プログラム実行時における、駆動モーター23の回転数を容易かつ効率的に変更制御することができる。また、このようなインバーター34を設けることで、輸送の度に起動と停止とが頻繁に繰り返される駆動モーター23を、起動時にスロースタートさせることができる。これによれば、起動時の突入電力を低減させることができるので、省エネルギー化を図ることができる。このようなインバーター34の制御による駆動モーター23の起動態様は、例えば、瞬発的に所定の周波数を出力させずに、起動後、数秒(例えば5秒)程度の時間を掛けて、所定周波数に達するように出力させることで、駆動モーター23をスロースタートさせるようにしてもよい。
【0025】
制御部としてのCPU31には、図2に示すように、捕集供給部10の第1レベル計11及び第2レベル計12、乾燥ホッパー3の排出ダンパー3b、駆動モーター23、並びに圧力計26が信号線等を介して接続されている。
このCPU31は、クロックタイマー等の計時手段や演算処理部を備え、捕集供給部10の各レベル計11,12等とともに、処理能力検出手段及び輸送能力検出手段を構成し、後記するように、所定のプログラムに従って、射出成形機2において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力X(図4参照)と、乾燥ホッパー3から捕集供給部10に単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力Y(図4参照)とを検出する。
また、このCPU31は、後記するように、所定のプログラムに従って、処理能力Xと輸送能力Yとを比較し、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を変更制御することで、輸送能力Yを、処理能力Xに見合った所定の輸送能力となるように更新して、空気輸送を実行させる輸送能力制御手段を構成する。
【0026】
次に、上記構成とされた本実施形態に係る材料輸送供給装置1において実行される基本動作の一例を、図3〜図5に基づいて説明する。
尚、図3に示す概略タイムチャート図では、捕集供給部における粉粒体材料の貯留レベルの推移、並びに各機器の出力信号やON/OFF動作、排出ダンパーの開閉動作等を模式的に図示しており、また、後記する輸送能力変更プログラム実行時の動作例を示している。
【0027】
<初期準備運転>
当該材料輸送供給装置1の起動がなされた後は、図4に示すように、所定の初期準備運転が実行される(ステップ100)。
当該材料輸送供給装置1の起動時には、上記した捕集供給部10には、未だ粉粒体材料が貯留保持されていない状態(空状態)である。すなわち、捕集供給部10の各レベル計11,12から材料要求信号(材料無し信号)が出力されている状態である。
尚、初期準備運転実行時における、捕集供給部10への空気輸送の開始は、輸送元としての乾燥ホッパー3内の少なくとも排出される下層部の粉粒体材料が、所定程度に加熱乾燥された後に実行するようにしてもよい。
【0028】
まず、乾燥ホッパー3の排出ダンパー3bを開放させるとともに、吸引ブロワー22の駆動モーター23を起動させ、各レベル計11,12からの材料無し信号が消えるまで、捕集供給部10に向けて粉粒体材料の空気輸送を実行する。
この際、排出ダンパー3bの開放状態を継続させる所定の排出時間t4(図3参照)と、この排出時間t4に所定の遅延時間t5(図3参照)を加えた、吸引ブロワー22の駆動モーター23の駆動時間としての輸送時間t3(図3参照)とを予め設定して記憶部33に格納させておくようにしてもよい。この場合は、第2レベル計12からの材料無し信号が消えるまで、排出及び輸送を繰り返し実行するようにしてもよい。
尚、各タイムチャートでは、排出時間t4経過後に上記遅延時間t5が設定されたような例としているが、排出時間t4の前にも、駆動モーター23の立ち上がり時間としての遅延時間を設け、これを含んだものを上記輸送時間t3とするようにしてもよい。
【0029】
これら排出時間t4及びこれに遅延時間t5を加えた輸送時間t3は、捕集供給部10における粉粒体材料の貯留容量等に応じて、適宜、設定可能である。例えば、一度の空気輸送実行(一バッチ輸送)により、空気輸送される粉粒体材料の貯留が捕集供給部10において可能な程度で、かつ、捕集供給部10における貯留レベルが低下して、第1レベル計11において材料無し信号が出力された後に、一バッチ輸送から数回程度のバッチ輸送によって、第2レベル計12において材料有り信号が出力される(または第2レベル計12の材料無し信号が消える(以下、同様。))程度の時間としてもよい。
本実施形態では、第1レベル計11において材料無し信号が出力された後に、一バッチ輸送によって、第2レベル計12において材料有り信号が出力されるように、これらレベル計11,12間の貯留容量を比較的、小さく設定している。
【0030】
また、遅延時間t5は、排出ダンパー3bを閉止させた後、材料輸送管27内の粉粒体材料の略全量を、捕集供給部10に向けて輸送し得る程度の時間で、適宜、設定するようにしてもよく、このような遅延時間t5を設けないようにしてもよい。
また、初期準備運転では、このような排出時間t4や輸送時間t3等に基づいて輸送制御する態様に代えて、第2レベル計12から材料有り信号が出力されるまで、排出ダンパー3bを開放させるとともに、吸引ブロワー22の駆動モーター23を駆動させるようにしてもよい。この場合においても、上記同様の遅延時間t5を設けるようにしてもよい。
本実施形態では、後記する輸送能力変更プログラム実行時も含み、上記排出時間t4及び輸送時間t3を一定時間に設定している。
【0031】
上記空気輸送の実行により、捕集供給部10には、所定量の粉粒体材料が貯留、保持され、成形準備が整う。
成形準備が整えば、射出成形機2の前回製造ロット時の材料を廃棄するための捨て打ちや成形品が良品となるまで試験打ち等が適宜、実行される。
この初期準備運転の実行時には、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を変更制御することによりなされる後記する輸送能力の変更制御はなされず、初期輸送モード(初期回転数)で実行される。
【0032】
<定常運転>
上記初期準備運転の後、射出成形機2において逐次、成形品を成形する定常運転がなされる。
射出成形機2では、供給された粉粒体材料を消費しながら所定の1ショット量、及びショットサイクルで、成形品を逐次、成形するが、当該材料輸送供給装置1における単位時間当たりに輸送可能な輸送能力は、初期輸送モードでは、この射出成形機2において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力よりも十分に大きく設定されている。
そこで、本実施形態では、所定の輸送能力変更プログラムに従って上記したCPU31により、定常運転への移行を検出し、処理能力及び輸送能力を検出して、これら処理能力及び輸送能力に基づいて、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を変更制御することで、上記輸送能力を、上記処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、空気輸送を実行させる輸送能力変更工程を実行するようにしている。
以下、本実施形態において実行される輸送能力変更プログラムの一動作例について説明する。
【0033】
<定常運転移行検出>
本動作例では、当該材料輸送供給装置1の起動後、単位時間当たりに射出成形機2側に向けて供給される材料の処理能力を検出し、この処理能力が所定の安定状態となったときに、定常運転に移行したと判別するようにしている。
この定常運転への移行の検出は、図4に基づいて後述する処理能力検出機能の動作例と同様にして、処理能力を検出し、定常運転への移行を検出するようにしてもよい。
まず、事前に、第1レベルLV1から第2レベルLV2までに貯留される粉粒体材料の貯留量A(図1参照)を記憶部33に格納させておく。
この貯留量Aは、材料貯留投入管13における、第1レベルLV1から第2レベルLV2までの貯留容量(容積)と、粉粒体材料の嵩密度(または見掛け比重)とから算出し、記憶部33に格納させるようにしてもよい。
【0034】
上記貯留容量は、予め設定して記憶部33に格納させておいてもよく、操作パネル32から事前設定入力項目として入力させるようにしてもよい。また、粉粒体材料の上記嵩密度も同様に、事前設定入力項目として操作パネル32から入力させるようにしてもよい。
これら各事前設定入力項目の入力が、当該材料輸送供給装置1の起動後、所定の時間が経過するまでになされなければ、アラームや異常メッセージ等を操作パネル32に表示させたり、スピーカ等の報知手段から鳴動させたりするようにし、入力を促すようにしてもよい。
【0035】
処理能力の検出は、図4に示すように、第2レベル計12において材料無し信号が出力されれば(ステップ102)、タイマーを起動させ(ステップ103)、次いで、第1レベル計11において材料無し信号が出力されれば(ステップ104)、タイマーをリセットし、処理時間t1(図3参照)を記憶部33に格納させる(ステップ105)。また、上記初期輸送モードで空気輸送を実行し、捕集供給部10に粉粒体材料を補給する(ステップ105)。
上記処理時間t1と、上述のように格納された貯留量Aとから、処理能力Xを算出し、記憶部33に格納させる(ステップ106)。また、ステップ105において、捕集供給部10に粉粒体材料が補給された後、第2レベル計12において材料無し信号が出力されれば、上記同様にして、処理能力Xを繰り返し算出し、記憶部33に格納させる(ステップ102〜106)。
【0036】
上記処理能力Xを、当該材料輸送供給装置1の起動後、第2レベル計12において材料無し信号が出力される毎に算出し、記憶部33に格納させ、この算出毎の処理能力Xのばらつきがある閾値以内となったときに、安定状態と判別し、定常運転に移行したと判別するようにしてもよい。この安定か否かの判別は、例えば、算出された処理能力Xと、その直近に算出された数回分(例えば、5回分程度など)の処理能力Xの平均値との差が、数%乃至は10%程度以内になった際や、算出毎の処理能力Xの差分値が所定の閾値以下となり安定したときに、所定の安定状態になったと判別し、定常運転に移行したと判別するようにしてもよい。
つまり、当該材料輸送供給装置1の起動時には、上記したように、当該材料輸送供給装置1の捕集供給部10には、粉粒体材料が貯留されていない状態であり、その補給がなされた後に、射出成形機2において捨て打ちや試験打ち等の初期準備運転の実行がなされるが、この間は、射出成形機2では、安定した材料の消費(略一定の処理速度かつ処理量)がなされておらず、処理能力Xは、上下に大きく変動し、不安定な状態である。本動作例では、この不安定な状態が、上記した所定の安定状態となったときに、定常運転に移行したと判別するようにしている。
【0037】
定常運転に移行した後は、材料替えや成形品の変更(金型の変更)等の製造ロット替え等がなければ、射出成形機2において、所定の1ショット量、及びショットサイクルで、逐次、成形品の成形がなされるので、処理能力Xは、略一定で安定した状態となる。
尚、初期準備運転から定常運転への移行の検出は、上記した態様に限られず、例えば、試験打ち等により成形品が安定して良品となったことをユーザーに確認等させた後、操作パネル32の定常運転(連続運転)スイッチ等を操作させ、その操作信号をCPU31において検出することで、定常運転への移行を検出するようにしてもよい。
または、ユーザーによるスイッチ操作や上述のような処理度合いを示す指標(処理時間t1及び貯留量A)から算出される処理能力Xの安定度合いに基づく自動検出によって定常運転への移行を検出する態様に代えて、例えば、射出成形機2からショットサイクル時間等の成形状態を示す情報が出力されるような場合は、その成形状態が所定の安定状態となったときに、定常運転への移行と判別するようにしてもよい。
さらには、第1レベル計11または第2レベル計12において出力される材料無し信号(または材料有り信号)が出力される間隔を監視しておき、この間隔が、上記同様に所定の安定状態となったときに、定常運転への移行と判別するようにしてもよい。
【0038】
<処理能力検出>
図4に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、上記のように定常運転に移行したか否かを判別し、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、上記同様にして処理能力Xを算出し、定常運転時における処理能力Xを記憶部33に格納させる(ステップ102〜106)。
例えば、上記貯留量Aが、500gで、上記処理時間t1が、30秒であったとすれば、処理能力Xは、60kg/hとなる。
【0039】
つまり、本動作例では、第2レベル計12において材料無し信号が出力されてから、この第2レベル計12の検出レベルLV2と第1レベル計11の検出レベルLV1との間に貯留される所定の上記貯留量Aの粉粒体材料が、射出成形機2において処理(消費)される時間を処理時間t1とし、上記貯留量Aをこの処理時間t1で除して得た値を、処理能力Xとしている。
この定常運転時における処理能力Xは、上述のように、略一定で安定しており、定常運転時における、一度の算出により、処理能力Xを取得して格納させ、以降は処理能力Xを検出しないような態様としてもよいが、本動作例では、上記定常運転移行検出時と同様、第2レベル計12において材料無し信号が出力される毎に算出し、記憶部33に格納させるようにしている。
【0040】
また、処理能力Xの検出態様は、上記した態様に限られず、例えば、射出成形機2において成形されている1ショット量とショットサイクル時間とから処理能力Xを検出するような態様としてもよい。これら1ショット量とショットサイクル時間とは、ユーザーによる操作パネル32への入力により取得するようにしてもよく、または、射出成形機2から出力されるデータ等から取得するようにしてもよい。或いは、処理能力X自体を、射出成形機2の成形データの表示等を参照して、ユーザーに操作パネル32に手動入力させ、その操作信号をCPU31において検出することで、処理能力Xを検出するような態様としてもよい。
その他、後記する各変形例を含め、種々の態様により、単位時間当たりに射出成形機2において処理される材料の処理能力Xを検出するようにしてもよい。
【0041】
<輸送能力検出>
図4に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、定常運転への移行を検出し(ステップ101)、上記処理能力Xが格納されれば(ステップ106)、輸送能力Yを検出する。
この輸送能力Yは、第1レベル計11において材料無し信号が出力され(ステップ104)、ステップ105において、上記のように空気輸送を開始させるとともに、タイマーをリセットした後、タイマーを起動させ(ステップ107)、次いで、第2レベル計12において材料有り信号が出力されれば(ステップ108)、タイマーをリセットし、輸送補給時間t2(図3参照)を記憶部33に格納させる(ステップ109)。
上記輸送補給時間t2と、上述のように格納された貯留量Aと、上記処理能力Xとから輸送能力Yを算出し、記憶部33に格納させる(ステップ110)。
また、ステップ104において、第1レベル計11において材料無し信号が出力される毎に、上記同様にして、輸送能力Yを繰り返し算出し、記憶部33に格納させる(ステップ104〜110)。
【0042】
例えば、輸送補給時間t2が、15秒で、上記貯留量Aが500g、上記処理能力Xが60kg/hであったとすれば、輸送能力Yは、180kg/hとなる。
つまり、本実施形態では、材料要求信号としての第1レベル計11の材料無し信号が出力されてから、第2レベル計12の検出レベルLV2に貯留されるまでに要する所要時間を輸送補給時間t2とし、上記貯留量Aをこの輸送補給時間t2で除して得た値に、輸送実行中に処理される処理能力Xを加えて、輸送能力Yを算出するようにしている。
このように、初期輸送モードでは、輸送能力Yは、処理能力Xよりも十分に大きく設定されている。
【0043】
尚、乾燥ホッパー3に粉粒体材料を空気輸送する輸送空気源を、当該材料輸送供給装置1の吸引ブロワー22によって共用するようにしてもよい。この場合は、切り替え弁等によって乾燥ホッパー3への粉粒体材料の補給と、捕集供給部10への粉粒体材料の補給とを切り換え制御するようにすればよく、この切り換えの際には、捕集供給部10への輸送制御を優先させ、捕集供給部10への空気輸送が終了した後に、乾燥ホッパー3への粉粒体材料の補給を実行するようにしてもよい。または、この乾燥ホッパー3への粉粒体材料の輸送補給時間や切り換え時間等の遅延時間などを加味して、上記輸送能力Yを算出するようにしてもよい。
また、図例では、一バッチ輸送により、第2レベル計12において材料有り信号が出力される例を示しているが、一バッチ輸送によって第2レベル計12の材料有り信号が出力されない場合には、該信号が出力されるまで空気輸送を繰り返し、それに要した時間に基づいて、上記輸送能力Yを算出するようにすればよい。
【0044】
<輸送能力変更>
上記のように、処理能力Xと輸送能力Yとを算出し、記憶部33に格納させれば、図3及び図5に示すように、輸送能力変更工程を実行する。
すなわち、検出して格納させた処理能力Xと輸送能力Yとを比較し、輸送能力Yが、処理能力Xよりも十分に大きい場合には、駆動モーター23に入力される周波数を、予め設定された所定値、減少させる(ステップ200)。
初期輸送モード実行時における出力周波数(変更前の周波数)を60Hzとして、図3では、この変更前の周波数から3Hz減じて、変更後の周波数(駆動モーター23に入力予定の周波数)を57Hzとした例を示している。
【0045】
変更後の周波数が、予め設定された所定の下限周波数以下であるか、否かを判別し、所定の下限周波数を上回っていれば(ステップ201)、インバーター34(図2参照)の出力周波数を変更制御し、所定値減少後の周波数(57Hz)で、吸引ブロワー22の駆動モーター23を駆動させ、空気輸送を実行させる(ステップ202)。
この変更後の周波数で実行された空気輸送時における輸送能力Yを、上記同様にして算出し、記憶部33に格納させる(ステップ203)。このように、インバーター34(図2参照)の出力周波数を変更制御し、駆動モーター23の回転数を減少させれば、材料輸送管27内の輸送風量が減少し、単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力Yは減少する。つまり、図3に示すように、第1レベル計11の材料無し信号が出力されてから、第2レベル計12の検出レベルLV2に貯留されるまでに要する輸送補給時間t2は、周波数変更前の初期輸送モードよりも長くなり、輸送能力Yが減少する。
【0046】
上記のように周波数変更後に算出された輸送能力Yが、目標輸送能力に所定基準まで近づいたか否かを判別する(ステップ204)。
この目標輸送能力は、上記処理能力Xとしてもよいが、ショートフィード等が生じないように、上記処理能力Xに、所定の安全率(安全係数、例えば、1.1〜1.5程度)を乗じた値とすることが好ましい。
また、この目標輸送能力に所定基準まで近づいたか否かの判別は、例えば、目標輸送能力に±数%(例えば、±5%)程度の閾値を設定しておき、更新された輸送能力Yが、その閾値の範囲内にあれば、目標輸送能力に所定基準まで近づいたと判別するようにしてもよい。
【0047】
ステップ204において、輸送能力Yが、上記目標輸送能力に所定基準まで近づいたと判別すれば、以降の輸送工程を更新後の周波数で駆動モーター23を駆動させ、空気輸送を実行させる(ステップ207)。
一方、ステップ204において、輸送能力Yが、上記目標輸送能力に所定基準まで近づいていない場合には、ステップ200に戻り、再度、駆動モーター23に入力される周波数を所定値減少させ(ステップ200)、減少させた後の周波数が下限周波数以下であるか、否かを判別し、所定の下限周波数を上回っていれば(ステップ201)、インバーター34(図2参照)の出力周波数を変更制御し、所定値減少後の周波数(例えば、54Hz)で、吸引ブロワー22の駆動モーター23を駆動させ、空気輸送を実行させ(ステップ202)、上記同様に、再度、輸送能力Yを算出し(ステップ203)、その輸送能力Yが、上記目標輸送能力に所定基準まで近づいたか否かを判別する(ステップ204)。
【0048】
つまり、本動作例では、インバーター34の出力周波数を、空気輸送がなされる毎に段階的に所定値づつ減少させ、減少させた後の周波数で実行された輸送能力Yが、上記目標輸送能力に所定基準まで近づくまで、または、所定の下限周波数以下となるまで、周波数を所定値づつ減少させることで、輸送能力Yを段階的に更新するようにしている。
このように減少させる周波数の所定値、及び下限値は、輸送空気源としての吸引ブロワー22の容量(最大出力)や、粉粒体材料の種類、輸送径路、輸送距離、輸送配管の内径等の種々の要因に応じて、ショートフィード等が生じない程度で、また、材料輸送管27内において粉粒体材料が閉塞しない程度となるように、適宜、設定可能である。
【0049】
例えば、最大出力が、0.85kWの吸引ブロワーでは、減少させる周波数の所定値を、3Hz程度とし、下限周波数を、45Hz程度としてもよい。また、例えば、最大出力が、2.2kWの吸引ブロワーでは、減少させる周波数の所定値を、5Hz程度とし、下限周波数を、30Hz程度としてもよい。
つまり、吸引ブロワーの最大出力が大きいほど、材料輸送管27内の輸送風量を大きくできるので、下限周波数を低く設定するようにしてもよい。また、減少させる周波数の所定値は、小さすぎれば、変更後の輸送能力Yが、上記目標輸送能力に所定基準まで近づくまでに要する時間(輸送回数)が長く掛かる傾向があり、非効率的である一方、大きすぎれば、ショートフィード等が生じる恐れがあり、このような所定値や下限周波数は、上記した種々の要因に応じて実験的乃至は経験的に、適宜、設定可能である。
尚、周波数を一定の所定値づつ段階的に減少させる態様に代えて、その所定値を、定常運転移行検出後の初期の段階の減少幅を大きくし、徐々に減少幅を小さくして、周波数を段階的に減少させる態様としてもよい。つまり、空気輸送が実行される毎に減少させる周波数の減少幅を一定値ではなく、初期を大きく設定しておき、徐々に小さくするような異なる値としてもよい。
【0050】
このように、輸送能力変更工程を実行中に、射出成形機2における処理状態に変動があった場合には(ステップ205)、更新後の周波数をリセットし、初期輸送モードに更新して、上記した初期準備運転に移行させる(ステップ209)。
例えば、当該材料輸送供給装置1に、供給先として複数台の射出成形機2が接続されていたり、新たに接続されたりして、供給すべき射出成形機2の稼働台数が増加したような場合や、成形品の変更(金型の変更)等があった場合には、処理能力Xが大幅に増加し、更新後の輸送能力Yでは、ショートフィードが生じる場合がある。従って、本動作例では、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば、処理状態に変動があったと判別するようにしている。つまり、処理能力Xの許容増加幅を予め設定しておき、処理状態に変動があれば、更新後の周波数をリセットし、初期輸送モードに更新して、初期準備運転に移行させるようにしている。この初期準備運転に移行した後は、上記同様、定常運転に移行したか否かを判別し、処理能力X及び輸送能力Yを検出して、輸送能力変更工程を実行させるようにしてもよい。
【0051】
一方、ステップ201において、変更後の周波数が、上記下限周波数以下であれば、下限周波数(例えば、45Hz)で、吸引ブロワー22の駆動モーター23を駆動させ、空気輸送を実行させ(ステップ206)、以降の輸送工程を更新後の周波数、すなわち、下限周波数で駆動モーター23を駆動させ、空気輸送を実行させる(ステップ207)。
また、上記同様、射出成形機2における処理状態に変動があった場合には(ステップ208)、更新後の周波数をリセットし、初期輸送モードに更新して、上記した初期準備運転に移行させる(ステップ209)。
【0052】
このように、本動作例では、射出成形機2における処理能力Xを常時、監視しておき、その処理状態の変動を常時、監視するようにしている。このように、処理状態が変動し、上記処理能力Xが上記所定の閾値以上に増加したときには、アラームや異常メッセージ等をスピーカ等の報知手段から鳴動させるようにしてもよい。
尚、図4及び図5に示すフローチャートでは、上述のような制御フローを簡略化して示しており、図4におけるステップ106及びステップ110における処理能力算出処理及び輸送能力算出処理や、図5のステップ205及びステップ208における処理状態変動有無監視等を含む一部のフローを省略している。
また、処理状態変動有無の監視は、上記定常運転移行検出時と略同様、各レベル計11,12において出力される材料無し信号(または材料有り信号)の間隔を監視しておき、この間隔が、所定時間以上に短くなるなど、該間隔が変動した際に、処理状態に変動があったと判別するようにしてもよい。
【0053】
さらに、上記のように、処理状態の変動を常時、監視しながら、異常(処理能力Xの大幅な増加)を検出するような態様に代えて、手動操作により、リセットするような態様としてもよい。または、処理能力Xが、増加した場合には、輸送能力Yが処理能力Xに見合った値となるように目標輸送能力を算出し、周波数を増加させることで、輸送能力Yを増加させるように更新してもよい。すなわち、処理能力Xの増減に応じて、輸送能力Yを、所定の輸送能力となるように、追従させて変更制御するようにしてもよい。
さらにまた、ステップ200において、定常運転移行検出後の一回目の輸送能力変更の際には、処理能力Xと輸送能力Yとを比較して、この輸送能力Yが、上記した目標輸送能力に所定基準まで近づいた値であれば、輸送能力を変更せずに、すなわち、周波数を減少させずに、初期輸送モードで以降の空気輸送を実行するようにすればよい。
【0054】
また、上記輸送能力変更工程実行時には、材料輸送管27内において粉粒体材料の閉塞等がないよう、上記圧力計26(図1及び図2参照)の圧力計測値を、CPU31において監視しておくようにしてもよい。そして、この計測値が、上記のように吸引輸送する場合には、所定値以下となれば、異常と判断し、駆動モーター23の回転数を上昇させて、粉粒体材料の閉塞を防止するようにしてもよい。この際、上記同様、アラームや異常メッセージ等をスピーカ等の報知手段から鳴動させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、吸引輸送を例示しているが、圧送ブロワー等により粉粒体材料を圧送する場合にも適用可能であり、この場合には、上記圧力計26の計測値が所定値以上となれば、異常と判断するようにしてもよい。
【0055】
以上のように、本動作例によれば、輸送能力Yを、処理能力Xに見合った所定の輸送能力となるように、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を減少させることで、更新するようにしている。この結果、駆動モーター23の消費電力を低減させることができ、省エネルギー化を図ることができる。
また、このように、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を減少させることで、吸引ブロワー22から発生する騒音も減少させることができる。
【0056】
さらに、本動作例では、処理能力Xを、上記貯留量Aと、上記処理時間t1とに基づいて算出するようにしているので、供給先としての射出成形機2の処理能力Xを、その処理状況に基づいて算出することができる。従って、例えば、供給先の処理能力を操作部等に手入力させるような場合と比べて、操作間違い等が生じず、正確な処理能力を取得することができる。
さらにまた、本動作例では、上記第1レベル計11(第1レベルLV1)において出力される材料無し信号に基づいて、空気輸送を開始させる構成とし、上記輸送補給時間t2と、上記貯留量Aと、上記処理能力Xとに基づいて、輸送能力Yを算出するようにしているので、当該材料輸送供給装置1の輸送能力Yを、装置の稼働状況に基づいて算出することができる。従って、粉粒体材料の種類(嵩密度や形状が異なる材料など)や輸送径路、輸送距離、輸送配管の内径等の種々の要因により変動する場合がある輸送能力Yを、正確に算出することができる。これにより、例えば、予め輸送空気源の駆動モーターの回転数と、輸送能力とを対応させたデータテーブル等を作成して格納させておき、該テーブルに基づいて輸送能力を更新するような態様に比べて、より安全かつ確実に処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新することができる。
【0057】
また、本動作例では、駆動モーター23の回転数を変更した後の輸送能力Yが所定の輸送能力になるまで(上記目標輸送能力に所定基準まで近づくまで)、駆動モーター23の回転数を、空気輸送がなされる毎に段階的に変更させて輸送能力Yを段階的に更新するようにしている。従って、輸送能力を検出した後、該輸送能力を、処理能力に見合った所定の輸送能力となるように一度のみ更新する態様と比べて、より安全に輸送能力を更新することができる。
さらに、本動作例では、乾燥ホッパー3からの排出時間t4及び駆動モーター23を駆動する輸送時間t3を、輸送能力変更工程実行時に、一定時間としているので、一バッチ輸送において輸送される粉粒体材料の輸送量は、上記のような輸送能力Yの減少に伴い、減少する。これにより、捕集供給部10において保持、貯留される粉粒体材料の待機量を減少させることができる。この結果、材料替えや、成形品の変更(金型の変更)等の製造ロット替えがなされる際や、運転終了時などの成形終了時に、捕集供給部10において残材となる粉粒体材料の量を減少させることができる。従って、材料コスト、及び残材の管理や廃棄等のコストを低減させることができる。
【0058】
尚、上記のように、輸送能力Yが上記目標輸送能力に所定基準まで近づくまで輸送能力の更新を繰り返す態様に代えて、例えば、予め輸送能力Yの更新回数Nを設定しておき、そのN回だけ更新するような態様としてもよい。
または、上記のように、輸送能力Yを段階的に更新する態様に代えて、例えば、算出した処理能力Xと輸送能力Yとの乖離度合いと、周波数を減少させる度合いとを対応させたデータを記憶部に予め格納させておき、一度のみ周波数を減少させ、輸送能力Yを更新する態様としてもよい。つまり、処理能力Xと輸送能力Yとの差分が大きい場合には、周波数を減少させる値を大きく設定し、処理能力Xと輸送能力Yとの差分が小さい場合には、周波数を減少させる値を小さく設定しておき、一度のみ輸送能力Yを更新するような態様としてもよい。
さらには、上記種々の要因に応じて、実験的乃至は経験的に、処理能力と、この処理能力に応じ、かつショートフィード等が生じない程度の安全率を乗じた所定の輸送能力とを、対応させたテーブルを予め格納させておき、このテーブルに基づいて、減少させる周波数を決定し、輸送能力を更新させる態様としてもよい。
【0059】
また、駆動モーターの回転数の変更制御は、インバーターによる出力周波数の変更制御により実行する態様に限られず、直流モーターに供給する電流を変更制御することで実行したり、または、回転角検出手段等を設けたサーボモーターの回転数を、上記周波数に代えて、所定態様で減少させることで実行したりするようにしてもよい。その他、駆動モーターの回転数を変更制御可能な種々の回転数変更手段を採用するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、捕集供給部10への粉粒体材料の輸送制御を、第1レベル計11において材料無し信号が出力された際に開始させ、予め設定された所定の排出時間t4及び輸送時間t3に基づいて輸送制御するようにした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、第2レベル計12またはそのさらに上段レベルを検出可能なレベル計を上限レベル計として機能させ、このレベル計の材料有り信号が出力された際に、上記した乾燥ホッパー3の排出ダンパー3bを閉止させ、その後、所定の遅延時間経過後に、または閉止させるとともに、吸引ブロワー22の駆動モーター23を停止させるようにしてもよい。このような態様によっても、捕集供給部10における待機量の減少幅は上記例と比べて小さくなるものの、駆動モーター23における消費電力を低減させることができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0060】
さらには、上記排出時間t4及び輸送時間t3を一定とせずに、輸送能力変更工程実行時に変更するような態様としてもよい。
また、輸送元としての乾燥ホッパー3から捕集供給部10への空気輸送は、一バッチ輸送において連続的に一度に一バッチ輸送量を輸送するようにしてもよく、または、輸送元の材料排出部(排出ダンパー)等を所定態様で排出制御乃至は開閉制御することで、間欠的に輸送するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、輸送元に排出ダンパーを設けた例を示しているが、このような排出ダンパーを設けずに、輸送元の下端排出口と材料輸送管とを連通接続した構成としてもよい。
さらにまた、輸送元としての乾燥ホッパーは、図例のような加熱ガスとしての外気をホッパー本体に導入して、ホッパー本体内を通気させることで、粉粒体材料を加熱乾燥する通気式のものに限られず、ホッパー本体内を減圧しながら加熱ガスの供給または伝熱手段等によって加熱乾燥する減圧乾燥装置としてもよい。または、ホッパー本体の加熱ガス導入上流側に、除湿ユニット等を設けて除湿した加熱ガスをホッパー本体に供給する除湿乾燥装置としてもよい。
【0061】
次に、本実施形態に係る材料輸送供給装置の処理能力検出手段の変形例について図6に基づいて説明する。
尚、上記した例と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略、或いは簡略に説明する。また、その動作例についても同様の動作については、その説明を省略、或いは簡略に説明する。
これら各変形例では、上記した例のホッパー本体3aの下端部に設けられた材料排出部としての排出ダンパー3b(図1参照)に代えて、ホッパー本体3aの下端部に計量ダンパーユニットを設けた例を示しており、これら各変形例では、計量ダンパーユニットを処理能力検出手段として機能させている。
【0062】
図6(a)、(b)は、処理能力検出手段の第1変形例を示し、本変形例では、ホッパー本体3aの下端排出口に、計量ダンパーユニット7を設けた例を示している。
計量ダンパーユニット7は、貯留容量の調整可能とされた計量容器70と、この計量容器70を移動させるスライド式の切り替え弁77とを備えている。
切り替え弁77には、当該切り替え弁77をスライド制御するスライド駆動手段としてのエアシリンダ76が連結され、この切り替え弁77は、弁体ハウジングとしてのスライドベース78にスライド自在に収容されている。また、エアシリンダ76は、上記したCPU31(図2参照)と信号線等を介して接続されて、その制御がなされる。
尚、切り替え弁77をスライド移動させるスライド駆動手段としては、エアシリンダ76に限られず、油圧式シリンダや、電動式シリンダ、電動式ネジ軸(ボールネジ等)などとしてもよい。
【0063】
スライドベース78の天部には、切り替え弁77のスライド方向に沿って、二つの開口部78a,78b(上流側開口部78a、下流側開口部78b)が間隔を空けて形成されている。このスライドベース78の上流側開口部78aが形成された部位には、ホッパー本体3a内と上流側開口部78aとを連通させるように下端排出管が連設されている。また、このスライドベース78の下流側開口部78bが形成された部位には、上記した材料輸送管27と下流側開口部78bとを連通させるように、材料輸送管27に接続される接続管79が連設されている。
切り替え弁77は、スライドベース78の開口部78a,78bに対応させた透孔部77aをスライド方向略中央部に有し、この透孔部77aを挟んで、スライド方向先端側及び基端側に閉塞部77b,77cを有している。この切り替え弁77は、エアシリンダ76のピストンロッドを伸縮させることで、スライドベース78内をスライド移動する。
また、切り替え弁77の透孔部77aの下側縁部には、計量容器70が固着されており、スライドベース78は、計量容器70が固着された切り替え弁77を、計量容器70とともにスライド自在に支持し得るように形成されている。
【0064】
計量容器70は、本例では、切り替え弁77の透孔部77aの下側縁部に、その上端開口の縁部が固着された材料計量本体筒71と、この材料計量本体筒71の内部に上下動自在に設けられた内筒72と、材料計量本体筒71の外周に上下動自在に設けられた外筒75とを備えている。
内筒72の上端開口部には、空気の流通が可能で粉粒体材料の通過を阻止する空気流通網73が設けられ、この内筒72の下端開口部には、空気の流通が可能とされたフィルタ部(空気流通部)74が設けられている。
外筒75は、材料計量本体筒71に対して、当該外筒75の上下位置を位置決め保持するための上端部に設けられた調節ネジと、当該外筒75に対して、内筒72の上下位置を位置決め保持するための下端部に設けられた調節ネジとを備えている。
【0065】
上記構成とされた計量容器70では、材料計量本体筒71に対して、外筒75及び/又は内筒72を上下動させ、上記調節ネジでそれぞれを位置決め保持させることで、当該計量容器70における貯留容量(容積)の変更が可能とされている。
例えば、図6(a)に示した状態では、材料計量本体筒71内における内筒72の上端開口部に設けられた空気流通網73から切り替え弁77までと、切り替え弁77の透孔部77a内の空間が当該計量容器70における貯留容量となり、外筒75及び/又は内筒72を上下動させることで、材料計量本体筒71内を空気流通網73が上下動し、この空気流通網73までに収容可能な粉粒体材料の貯留量の変更が可能となる。このように、内筒72の上端開口部に空気流通網73を設けることで、微量な粉粒体材料の計量が可能となる。一方、比較的、大量の粉粒体材料の計量を行う場合は、内筒72の上下を逆にして、空気流通網73が設けられた側の端部をフィルタ部74に接続することで、上端側が開口し、この内筒72内空間も当該計量容器70の貯留容量となり、この内筒72内にも粉粒体材料の貯留が可能となる。
【0066】
また、上記構成とされた計量ダンパーユニット7においては、計量輸送が以下のようになされる。
まず、図6(a)に示すように、計量容器70が計量位置では、切り替え弁77の透孔部77aがスライドベース78の上流側開口部78aに整合し、ホッパー本体3aの上記下端排出管と、計量容器70とが連通し、ホッパー本体3a内に貯留された粉粒体材料が計量容器70に投入される。また、この計量位置では、切り替え弁77の先端側閉塞部77bによってスライドベース78の下流側開口部78bが閉塞された状態である。
上記計量位置において粉粒体材料を貯留させた状態で、上記排出ダンパー3bと同様、第1レベル計11から材料無し信号が出力されれば(図3も参照)、CPU31の制御により、エアシリンダ76のピストンロッドを伸長させ、図6(b)に示すように、切り替え弁77を前方に向けてスライド移動させ、計量容器70を所定の排出時間t4が経過するまで輸送位置とする。この輸送位置では、切り替え弁77の透孔部77aがスライドベース78の下流側開口部78bに整合し、計量容器70と、接続管79とが連通し、計量容器70内の粉粒体材料の排出が可能となる。また、この輸送位置では、切り替え弁77の透孔部77aを介して、計量容器70の貯留空間と、接続管79とが連通し、切り替え弁77の基端側閉塞部77cによってスライドベース78の上流側開口部78aが閉塞された状態である。
上記所定の排出時間t4は、吸引ブロワー22の駆動モーター23の駆動により、当該計量容器70内に貯留された粉粒体材料の略全量が材料輸送管27に向けて排出可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
【0067】
また、上記材料無し信号が出力された際、または切り替え弁77をスライド移動させた後に所定の遅延時間が経過すれば、吸引ブロワー22の駆動モーター23を所定の輸送時間t3が経過するまで駆動させる。これにより、計量容器70内に貯留された粉粒体材料は、フィルタ部(空気流通部)74からの流入空気とともに、切り替え弁77の透孔部77a及び接続管79、並びに材料輸送管27を介して、上記した例と同様、捕集供給部10に向けて空気輸送される。
上記所定の輸送時間t3は、計量容器70内に貯留された粉粒体材料の略全量を、材料輸送管27内において滞留させずに捕集供給部10に向けて輸送し得る程度の時間で適宜、設定可能である。
この輸送時間t3が経過すれば、駆動モーター23を停止させ、エアシリンダ76のピストンロッドを短縮させて、計量容器70を上記計量位置に移動させる。一度の計量輸送により、第2レベル計12からの材料有り信号が出力されなければ、上記同様にして第2レベル計12からの材料有り信号が出力されるまで計量輸送動作を繰り返し実行させるようにしてもよい。
【0068】
本変形例では、この計量ダンパーユニット7の計量容器70における上記貯留容量と、貯留される粉粒体材料の上記嵩密度等とから、計量容器70において貯留される粉粒体材料の貯留量を上記した例と同様にして算出し、この貯留量と所定時間当たりの計量輸送回数とに基づいて処理能力を算出するようにしている。すなわち、所定時間当たりに計量輸送した回数に、上記貯留量を乗じて、上記所定時間で除して得た値を、射出成形機2において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力としている。
上記のように変更可能とされた計量容器70における上記貯留容量、及び上記嵩密度等は、上記例において説明した材料貯留投入管13における第1レベルLV1から第2レベルLV2までの貯留容量、及び上記嵩密度等と同様、事前設定入力項目として、操作パネル32(図2参照)から入力させるようにしてもよい。
【0069】
次に、図6(c)、(d)を参照して、処理能力検出手段の第2変形例について説明する。
尚、上記第1変形例と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略、或いは簡略に説明する。また、その動作例についても同様の動作については、その説明を省略、或いは簡略に説明する。
【0070】
本変形例では、ホッパー本体3aの下端排出口に、上記第1変形例とは異なる計量ダンパーユニット7Aを設けた例を示している。
この計量ダンパーユニット7Aでは、上記した変形例とは異なり、計量容器70Aを移動させずに、切り替え弁77Aを移動させることで、計量輸送が実行される。
切り替え弁77Aは、スライド方向基端側に設けられた閉塞部77cと、スライド方向先端側に設けられた透孔部77aとを有している。
この切り替え弁77Aをスライド自在に収容する弁体ハウジングとしてのスライドベース78Aの天部には、ホッパー本体3aの下端排出口と連通する上流側開口部78aが設けられており、このスライドベース78Aの底部には、上流側開口部78aと上下に整合するように、下流側開口部78cが設けられている。
【0071】
計量容器70Aの材料計量本体筒71Aの上端は、その上端開口をスライドベース78Aの下流側開口部78cに連通させるようにスライドベース78Aの下面に固着されている。また、この材料計量本体筒71Aの上端近傍部位には、当該材料計量本体筒71Aと連通する接続管71aが横向きまたはやや上向きに接続されている。
上記構成とされた計量ダンパーユニット7Aでは、上記第1変形例と同様、計量容器70Aにおける貯留容量の変更が可能とされている。
尚、本変形例では、上記第1変形例とは異なり、計量容器70Aの貯留容量には、切り替え弁77Aの透孔部77a内の貯留容量は含まれておらず、また、ホッパー本体3aの下端排出口から投入される粉粒体材料の一部が接続管71a内に入り込むので、この接続管71aへの入り込み量を貯留容量に含めるようにしてもよい。
【0072】
また、上記構成とされた計量ダンパーユニット7Aにおいては、計量輸送が以下のようになされる。
まず、図6(c)に示すように、切り替え弁77Aが計量位置では、当該切り替え弁77Aの透孔部77aがスライドベース78Aの上流側開口部78a及び下流側開口部78cに整合し、ホッパー本体3aの上記下端排出口と、計量容器70Aとが連通し、ホッパー本体3a内に貯留された粉粒体材料が計量容器70Aに投入される。
この計量位置において粉粒体材料を貯留させた状態で、上記例と同様、第1レベル計11から材料無し信号が出力されれば(図3も参照)、CPU31の制御により、エアシリンダ76のピストンロッドを伸長させ、図6(d)に示すように、切り替え弁77Aを前方に向けてスライド移動させて、上記第1変形例と同様の排出時間t4が経過するまで輸送位置とする。切り替え弁77Aが輸送位置では、当該切り替え弁77Aの閉塞部77cによってスライドベース78Aの上流側開口部78a及び下流側開口部78cが閉塞されている。この状態で、上記同様にして、吸引ブロワー22の駆動モーター23を所定の輸送時間t3が経過するまで駆動させることで、計量容器70A内に貯留された粉粒体材料が、捕集供給部10に向けて空気輸送される。
【0073】
本変形例においても上記第1変形例と同様、計量容器70Aにおける粉粒体材料の貯留量と、所定時間当たりの切り替え弁77Aの切り換え回数、すなわち、計量輸送回数とに基づいて、処理能力の算出が可能である。
つまり、上記各変形例では、捕集供給部10における粉粒体材料の減少度合いを材料レベル検出手段によって言わば直接的に検出して、その減少度合いに基づいて処理能力を算出する上記した例における処理能力の算出態様に代えて、輸送元側の材料排出部に、捕集供給部10側での粉粒体材料の減少度合いを、言わば間接的に検出し得る検出手段としての計量ダンパーユニット7(7A)を設けて、処理能力を算出するようにしている。このような態様によっても、算出した処理能力の値に基づいて、定常運転への移行検出、輸送能力変更工程の実行が可能である。
【0074】
尚、上記した各変形例では、各計量ダンパーユニット7,7Aを、処理能力検出手段として機能させた例を示しているが、処理能力検出手段として機能させずに、上記した例の排出ダンパーに代えて、輸送元の材料排出部として付設する態様としてもよい。
また、上記した各変形例では、輸送元としてホッパー本体3aの下端部に、各計量ダンパーユニット7,7Aを付設した例を示しているが、後記する各変形例のように、輸送元としての材料タンクの下端部に、各計量ダンパーユニット7,7Aを付設するような態様としてもよい。
さらに、上記した各変形例では、計量容器の貯留容量を細かく変更可能なように、多重筒構造(図例では、三重筒構造)とした例を示しているが、二重筒構造としてもよく、貯留容量の変更ができない単筒構造のものとしてもよい。
【0075】
次に、本実施形態に係る材料輸送供給装置の変形例について図7及び図8に基づいて説明する。
尚、上記した材料輸送供給装置1と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略、或いは簡略に説明する。また、その動作例についても同様の動作については、その説明を省略、或いは簡略に説明する。
【0076】
図7は、第1変形例に係る材料輸送供給装置1Aを示し、この材料輸送供給装置1Aは、異種の粉粒体材料をそれぞれに貯留した輸送元としての複数(図例では、二つ)の材料タンク3A,3Bの各粉粒体材料を、捕集供給部10Aに向けて空気輸送し、射出成形機2に供給する構成とした粉粒体材料の輸送供給システムの一部として組み込まれている。
空気輸送手段20Aの材料輸送管27には、材料切り替え弁28が配設されており、この材料切り替え弁28の材料輸送方向上流側には、材料タンク3A,3Bの数に対応させて二本の材料輸送管27a,27bが接続されている。
これら材料輸送管27a,27bの末端は、材料タンク3A,3Bの各タンク本体3Aa,3Baの下端に設けられた各排出ダンパー3Ab,3Bbにそれぞれ接続されている。
【0077】
このような構成とされた空気輸送手段20Aでは、CPU31(図2参照)によって材料切り替え弁28の切り換え制御がなされ、各材料タンク3A,3Bからの各粉粒体材料は、上記同様にして各排出ダンパー3Ab,3Bbを所定の排出時間t4が経過するまで開放させ、所定態様で捕集供給部10Aに向けて空気輸送される。この材料切り替え弁28の切り換え制御は、材料タンク3Aに貯留されているA材と、材料タンク3Bに貯留されているB材との配合比に応じた時間で切り換えがなされる。このような配合比の設定は、操作パネル32(図2参照)から入力設定するようにしてもよい。
例えば、A材とB材との配合比が、2:1である場合には、上記のように空気輸送する際に、A材側への切り換え状態を2*z秒継続させ、B材側への切り換え状態を1*z秒継続させ、この切り換えを空気輸送中、繰り返し実行するような態様としてもよい。
【0078】
このように、複数種の粉粒体材料を空気輸送して捕集供給部10Aにおいて捕集するようにしているので、本変形例では、混合手段としての気流混合ホッパー14Aを設け、また、輸送中に未混合の粉粒体材料が材料貯留投入管13に落下しないよう、気流混合ホッパー14Aの下部にスライドダンパー15を設けている。
気流混合ホッパー14Aでは、吸引空気により粉粒体材料をホッパー内で流動させ、微粉等を除去しながら混合がなされる。
また、スライドダンパー15は、上記輸送時間t3が経過すれば、或いは経過した後、所定の遅延時間が経過すれば、開放され、混合された粉粒体材料が材料貯留投入管13内に投入される。
【0079】
本変形例でも上記した輸送能力変更プログラムの実行が可能であり、これにより、上記同様の効果を奏する。特に、本変形例では、複数種の粉粒体材料を射出成形機2の前段において配合するようにしているので、上述のように、排出時間t4及び輸送時間t3を一定とした状態で、吸引ブロワー22の駆動モーター23の回転数を減少させ、輸送能力Yを減少させることで、捕集供給部10Aにおいて待機、保持される配合済みの粉粒体材料を少なくすることができる。これにより、特に再利用が困難な配合済みの粉粒体材料の廃棄量を減少させることができる。
【0080】
尚、図例では、輸送元として二つの材料タンクを例示しているが、三つ以上の材料タンクを輸送元としてもよい。この場合は、材料輸送管及び材料切り替え弁を適宜、変更したり、追加したりすればよい。
また、輸送元を複数の材料タンクとしたが、上記例のように、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留して乾燥させる複数の乾燥ホッパーを輸送元としてもよい。
さらに、気流混合ホッパー14Aに代えて、上記同様の捕集ホッパーとし、材料切り替え弁28の切り換え時間を短時間にすることで、輸送しながら混合するようにしてもよい。この場合は、スライドダンパー15を設けないようにしてもよい。
【0081】
図8は、第2変形例に係る材料輸送供給装置1Bを示し、この材料輸送供給装置1Bは、供給先としての複数台(図例では二台)の射出成形機2,2Aのそれぞれに捕集供給部10,10Bを設置し、各捕集供給部10,10Bへの粉粒体材料の輸送を、一つの吸引輸送機21で共用する構成とした粉粒体材料の輸送供給システムの一部として組み込まれている。
図例では、比較的、小型の射出成形機2に設置された上記同様の捕集供給部(第1捕集供給部)10と、比較的、大型の射出成形機2Aに設置された捕集供給部(第2捕集供給部)10Bとを備えている。
第2捕集供給部10Bは、大型の射出成形機2Aに対応させて、比較的、大容量のホッパー型の材料貯留投入部13Aを捕集ホッパー14Bの下部に連設している。また、この捕集ホッパー14Bの下端排出口には、空気輸送時における下部側からの空気のリークを防止するために、フラップダンパー16が設けられている。
【0082】
空気輸送手段20Bの吸引管25には、切り替え弁29が配設されており、この切り替え弁29には、上記した各捕集供給部10,10Bにそれぞれ接続される複数本(図例では二本)の吸引分岐管25a,25b(第1分岐管25a及び第2分岐管25b)が接続されている。
また、この空気輸送手段20Bは、各捕集供給部10,10Bと、輸送元としての材料タンク3C,3Cの各タンク本体3Ca,3Caの下端に設けられた各排出ダンパー3Cb,3Cbとをそれぞれに接続する二本の材料輸送管27A,27B(第1材料輸送管27A及び第2材料輸送管27B)を備えている。
【0083】
このような構成とされた空気輸送手段20Bでは、CPU31(図2参照)によって切り替え弁29の切り換え制御がなされ、第1捕集供給部10に材料タンク3Cからの粉粒体材料を空気輸送する際には、切り替え弁29を切り換えて、第1捕集供給部10に接続された第1分岐管25aを吸引輸送機21に連通させることで、材料タンク3Cからの粉粒体材料が第1材料輸送管27Aを介して空気輸送される(第1系統空気輸送)。一方、第2捕集供給部10Bに材料タンク3Cからの粉粒体材料を空気輸送する際には、切り替え弁29を切り換えて、第2捕集供給部10Bに接続された第2分岐管25bを吸引輸送機21に連通させることで、材料タンク3Cからの粉粒体材料が第2材料輸送管27Bを介して空気輸送される(第2系統空気輸送)。
【0084】
本変形例では、二台の射出成形機2,2Aを供給先としているので、それぞれにおいて、上記同様の初期準備運転を実行し、各射出成形機2,2Aにおける処理能力を検出し、上記同様にして定常運転への移行を検出するようにすればよい。
そして、定常運転への移行を検出すれば、上記同様、各射出成形機2,2Aにおける処理能力と、各捕集供給部10,10Bへの輸送能力とを検出し、これらを比較して、各輸送能力を、各射出成形機2,2Aにおける処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新するようにすればよい。
つまり、本変形例では、上記した第1系統空気輸送実行時における、駆動モーター23の回転数と、上記した第2系統空気輸送実行時における、駆動モーター23の回転数とを、それぞれの射出成形機2,2Aにおける処理能力に見合ったものとなるように個別に変更制御することで、各輸送能力を更新するようにすればよい。
【0085】
尚、各捕集供給部10,10Bにおける貯留容量等に応じて、上記した排出時間t4や輸送時間t3を、上記第1系統空気輸送及び第2系統空気輸送のそれぞれにおいて設定するようにしてもよい。
また、上記系統のうち、一方の輸送能力を検出する際には、他方の輸送補給時間や切り換え時間等の遅延時間などを加味して、該一方の輸送能力を算出するようにしてもよい。これによれば、他方の系統において空気輸送が実行されている際に、一方の系統においてショートフィード等が生じる恐れがない。
【0086】
また、供給先としての射出成形機の台数は、図例のように、二台に限られず、三台以上の射出成形機を供給先とし、射出成形機のそれぞれに捕集供給部を設置するようにしてもよい。また、輸送元の個数もそれに応じた個数とすればよい。さらに、輸送元としては、上記した例と同様、材料タンクに代えて、乾燥ホッパー等を輸送元としてもよい。
さらにまた、上記した各例では、輸送元を乾燥ホッパーまたは材料タンクとした例を示しているが、このような態様に限られず、計量機や混合機等を備えた配合装置等の配合済み粉粒体材料を一時的に貯留する貯留タンク乃至は貯留ホッパーを輸送元としてもよい。
また、上記各変形例に係る材料輸送供給装置1A,1Bにおいて示した輸送元の材料排出部としての排出ダンパーに代えて、上記した処理能力検出手段の各変形例を構成する計量ダンパーユニット7,7Aを付設し、上記した各変形例のように処理能力を算出する態様としてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1,1A,1B 材料輸送供給装置
2,2A 射出成形機(供給先)
3 乾燥ホッパー(輸送元)
3A,3B,3C 材料タンク(輸送元)
7,7A 計量ダンパーユニット(処理能力検出手段)
10,10A,10B 捕集供給部
11 第1レベル計(材料レベル検出手段、処理能力検出手段、輸送能力検出手段)
12 第2レベル計(材料レベル検出手段、処理能力検出手段、輸送能力検出手段)
20,20A,20B 空気輸送手段
22 吸引ブロワー(輸送空気源、空気輸送手段)
23 駆動モーター
25 吸引管(空気輸送手段)
27,27A,27B 材料輸送管(空気輸送手段)
31 CPU(処理能力検出手段、輸送能力検出手段、輸送能力制御手段)
t1 処理時間(第2レベルにおいて出力される材料無し信号から第1レベルにおいて出力される材料無し信号までの時間)
t2 輸送補給時間(第1レベルにおいて出力される材料無し信号から、第2レベルにおいて出力される材料有り信号までの時間)
A 第1レベルから第2レベルまでに貯留される粉粒体材料の貯留量
LV1 第1レベル
LV2 第2レベル
X 処理能力
Y 輸送能力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気輸送される粉粒体材料を捕集し、供給先に供給する捕集供給部と、
輸送元から前記捕集供給部に粉粒体材料を空気輸送する空気輸送手段と、
前記供給先において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力を検出する処理能力検出手段と、
前記輸送元から前記捕集供給部に単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力を検出する輸送能力検出手段と、
所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記輸送能力とを比較し、前記空気輸送手段における輸送空気源の駆動モーターの回転数を変更制御することで、前記輸送能力を、前記処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、前記空気輸送を実行させる輸送能力制御手段とを備えていることを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記捕集供給部には、粉粒体材料の貯留レベルとして、少なくとも第1レベルと、この第1レベルよりも上段の第2レベルとを検出する材料レベル検出手段が設けられており、
前記輸送能力制御手段は、予め設定された前記第1レベルから前記第2レベルまでに貯留される粉粒体材料の貯留量と、前記供給先への供給時における貯留レベルの減少により、前記第2レベルにおいて出力される材料無し信号から前記第1レベルにおいて出力される材料無し信号までの時間とに基づいて、前記処理能力を算出することを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記輸送能力制御手段は、前記第1レベルにおいて出力される材料無し信号に基づいて前記空気輸送を開始させる構成とされ、この第1レベルの信号から、前記捕集供給部への補給時における貯留レベルの増加により、前記第2レベルにおいて出力される材料有り信号までの時間と、前記貯留量と、前記処理能力とに基づいて、前記輸送能力を算出することを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記輸送能力制御手段は、前記駆動モーターの回転数を変更した後の輸送能力が所定の輸送能力になるまで、前記駆動モーターの回転数を、前記空気輸送がなされる毎に段階的に変更させて前記輸送能力を段階的に更新することを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項5】
輸送元から空気輸送される粉粒体材料を、捕集供給部において捕集して供給先に供給するようにした材料輸送供給方法であって、
前記供給先において単位時間当たりに処理される粉粒体材料の処理能力と、前記輸送元から前記捕集供給部に単位時間当たりに輸送される粉粒体材料の輸送能力とを検出し、これら処理能力と輸送能力とを比較し、前記空気輸送の際に駆動される輸送空気源の駆動モーターの回転数を変更制御することで、前記輸送能力を、前記処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、前記空気輸送を実行するようにしたことを特徴とする材料輸送供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−131448(P2011−131448A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291692(P2009−291692)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】