説明

杭検知デバイスおよびそれを使用する方法

硬化プロセス前に成形構造物内に位置付け可能なセンサストリングと、第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在する通信回線と、を有する固形物の成形を監視するためのシステム。このストリングはさらに、端間の通信回線に連結される複数のセンサを含み、各センサは、その回線上の設定位置に装着される。各センサは、センサ本体およびセンサ筐体を有し、センサ本体は、電気構造物を設定位置で通信回線に電気的に連結するための、電気コネクタを含む。電気構造物は、設定位置付近の温度を監視するように構成される温度センサを含み、また、軸に沿ったセンサの設定位置に対応する電子識別コードをさらに含む。本システムは、温度および識別コードを選択的に通信するための送信デバイスをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第61/305,303号の優先権を主張し、これは、参照により本願明細書に援用される。
【0002】
本願発明は、杭検知デバイスに関する。より具体的には、本願発明は、杭または他の構造物の中へ直接鋳込むことができる、あるいは、その上に杭または他の構造物を装着することができる、使い捨ての検知システムに関する。
【背景技術】
【0003】
McVayらによる特許文献1は、杭の分析のための無線装置および方法を開示しており、それを示すために本明細書に参照により援用される。加えて、Mullinsらによる特許文献2は、コンクリートシャフトの整合性を検査するための方法を開示しており、それを示すために本願に参照により援用される。Piscsalkoらによる特許文献3は、遠隔杭打ち込み分析装置を開示しており、それを示すために本願に参照により援用される。Likins Jr.らによる特許文献4は、杭設置記録システムを開示しており、それを示すために本願に参照により援用される。
【0004】
出願者は、本願発明が、本願杭の設置および監視において、特によく機能することを見出し、本願全体で杭について言及する。しかしながら、本願は、杭に限定されるものではなく、また本願における杭への言及は本願の範囲を限定するものではない。
【0005】
検知装置は、建築産業で長年に渡り使用されている。これらの検知装置は、当技術分野での幅広い理由のために使用される、幅広いデバイスを含む。これは、建造物および橋の重量を支持する等、上部構造物の重量を支持するために使用される杭等の支持構造物の、設置および使用に関連して使用される検知デバイスを含む。理解できるように、杭等の支持構造物が、適切に設置されることと、現場での使用を通じて適切な状態にあることとの双方を確実にすることが重要である。
【0006】
杭の設置に関しては、杭が建造物または上部構造物の重量を支持することができるように、これらの構造物を適切に構築することが重要である。したがって、長年に渡り、システムは、杭が建造物の構造に対する要件を確実に満たすような杭の設置に関連して機能するように、設計されてきた。これは、Piscsalkoらによる特許文献3に示されるように、杭の打ち込みに関連して機能する検知デバイスを含む。かさねて、Piscsalkoの特許は、構造上の杭の検知および打ち込みに関する背景資料として、本明細書に参照により援用される。これらのデバイスは、作業者が、これらの杭を打ち込み、打ち込みプロセス中に杭に過剰に負荷をかけることなく、杭が土壌内で適切に打ち込まれたことを判定するのに有用である。
【0007】
同様に、杭が打ち込まれた後で、杭を監視するために使用されるデバイスが既知である。これは、打ち込みプロセスの後も杭を監視するために使用することができるデバイスを含む、Piscsalkoの特許を含む。さらに、Mcvayらによる特許文献1も、打ち込みプロセスが完了した後に杭を監視するために使用されるデバイスを開示している。このシステムにより作成される情報は、杭の現在の状況を判定し、また、自然災害を含む多数の出来事のうちの何らかに応じて受けた可能性のある、または受けなかった可能性のある損傷を判定するために、使用することができる。
【0008】
しかしながら、これらのデバイスは、注入された材料が一度硬化すると、杭の注入およびこの注入の質とによって杭の構造上の整合性が決定されることがある、ドリル掘削され、注入される杭とは、完全には機能しない。Mullinsらによる特許文献2は、コンクリートシャフトまたは杭の整合性を検査するための方法を開示することによって、先行技術における欠点を克服しようと試みている。しかしながら、Mullinsにおいて開示されるデバイスは、注入される杭の硬化プロセスを監視し、注入される杭に含有物が含まれていないことを確実にするためには、技術的に依然として欠点があり、効果的でなく、また操作に費用がかかることが見出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6533502号明細書
【特許文献2】米国特許第6783273号明細書
【特許文献3】米国特許第6301551号明細書
【特許文献4】米国特許第5978749号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、杭センサに関し、より具体的には、杭の中に埋め込むことができ、杭の成形中かまたは杭の成形の後かに、杭の異なる物理的特性を検知することができる、検知システムに関する。
【0011】
より具体的には、本発明の一態様は、注入される空洞の内部に位置付けられるセンサを含むことによって、注入される杭の注入および/または硬化を監視するためのシステムである。
【0012】
より具体的には、一実施形態において、センサは、ワイヤシステムに配列される複数のセンサであることが可能であり、ワイヤシステムは注入される空洞を通して延在する。しかしながら、本願を通じての「ワイヤ」という用語の使用は、金属系の撚りワイヤに限定されるものではないということに留意されたい。ワイヤシステムは、当技術分野において既知である任意の通信リンクおよび/または導体であってよく、また単一の可撓性金属ストランドまたはロッド、複数の可撓性金属ストランドまたはロッド、光ファイバー、および/またはワイヤレスシステムをさらに含む、しかしそれらに限定されない、当技術分野において既知であろうものであってよい。
【0013】
本願発明の別の態様によると、このワイヤシステムは、ワイヤに連結される温度センサを含むことができ、杭はワイヤセンサの周囲に注入され、ワイヤ上の温度センサが、注入される杭の温度を監視することができる。この注入される材料は、セメント、コンクリート、グラウト、および/または他の注入可能な材料を含むことができるが、しかしそれらに限定されるものではなく、また温度センサは、この注入される材料の硬化または凝固プロセス中の変化する温度を監視するために、利用することができる。
【0014】
本願発明のまた別の態様によると、この温度検知データは、コンピュータシステム中に供給されて、硬化プロセスの系統図または行列解釈を取得し、杭の整合性を判定することができる。
【0015】
本発明の他の態様によると、ストリングセンサ設備は、注入プロセス中またはその後に杭の他の物理的特性を監視するために利用することができる温度センサ以外の、他の検知デバイスを含むことができる。
【0016】
本発明のさらなる態様によると、成形される固形物を監視するためのシステムであって、その固形物は、材料を成形構造物の中へ導入し、成形構造物内の材料を硬化プロセスによって成形される固形物へと凝固させることによって製造され、その成形される固形物は、第1の範囲および反対側の第2の範囲を有し、成形される固形物を監視するためのシステムであって、その固形物は、材料を成形構造物の中へ導入し、成形構造物内の材料を硬化プロセスによって成形される固形物へと凝固させることによって製造され、その成形される固形物は、第1の範囲および反対側の第2の範囲を有する、システムが提供される。システムは、硬化プロセスの前に、成形構造物内に位置付け可能なセンサストリングを有し、通信回線であって、その線の第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在する、通信回線を有する。ストリングは、第1の端と第2の端との間で通信回線に連結される複数のセンサをさらに含み、各センサは、線上の設定位置に装着される。各センサは、センサ本体およびセンサ筐体を有し、センサ本体は、電気構造物を通信回線へ設定位置で電気的に連結するための電気コネクタを含む。電気構造物は、設定位置付近の材料の実時間温度を監視するように構成される温度センサを含み、さらに、軸に沿ったセンサの設定位置に対応する電子識別コードを含む。センサはさらに、実時間温度および識別コードを通信回線へ選択的に通信するための送信デバイスを含む。
【0017】
本発明の別の態様によると、成形される固形物を監視するためのシステムのための、センサストリングが提供される。センサストリングは、非固形材料の硬化プロセス前に成形構造物内に位置付け可能であり、また第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在するワイヤジャケットによって包囲される少なくとも1つのワイヤを有する導電体によって形成される、通信回線を有する。第1の端は、電気的接続を形成するための少なくとも1つのリードを有する。ストリングはさらに、第1の端と第2の端との間で通信回線に連結される複数のセンサを含み、各センサは、通信回線に沿った設定位置で導電体に装着される。センサはさらに、センサ本体およびセンサ筐体を含み、センサ本体は、電気構造物を導電体へ設定位置で電気的に連結するための電気コネクタを含む。電気構造物は、設定位置付近の材料の実時間温度を監視するように構成される温度センサを含み、電気構造物はさらに、軸に沿ったセンサの設定位置に対応する電子識別コードと、実時間温度および識別コードを通信回線へ選択的に通信するための送信デバイスと、を含む。
【0018】
本発明のさらなる別の態様によると、注入される構造物の少なくとも1つの状態を測定する方法であって、以下のステップを含む方法が提供される。
【0019】
第1の範囲および反対側の第2の範囲を有する成形構造物であって、第1の範囲と第2の範囲との間で構造物軸に沿って延在する、成形構造物を提供するステップ。
【0020】
第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在する通信回線線と、第1の端と第2の端との間で通信回線に連結される複数のセンサとを有する、少なくとも1つのセンサストリングを備える、監視するためのシステムを提供するステップ。複数のセンサのうちの各センサは、第1の端と第2の端との間で通信回線に沿って設定位置に装着され、またセンサ本体およびセンサ筐体を含む。センサ本体は、電気構造物を、ストリング軸に沿った設定位置で通信回線に電気的に連結するための電気コネクタを含み、また電気構造物は、設定位置付近の実時間温度を監視するように構成される温度センサを含む。電気構造物はさらに、軸に沿ったセンサの設定位置に対応する識別コードと、実時間温度および識別コードを通信回線へ選択的に通信するための送信デバイスと、を含む。
【0021】
第1の端は第1の範囲の付近にあり、ストリング軸の少なくとも一部分は第2の範囲に向かって延在する、成形構造物の中へ、少なくとも1つのストリングを位置付けるステップ。
【0022】
硬化性材料を成形構造物の中へ注入し、それによって、ストリングが、硬化性材料によって少なくとも部分的に封入されるステップ。
【0023】
注入するステップの後に、特定の間隔で、複数のセンサの温度を監視するステップ。
【0024】
複数のセンサの実時間温度を、各センサと、および各センサの位置と、関連付けるステップ。
【0025】
複数のセンサの関連付けられた温度および位置を組み合わせるステップ、および/または、
注入される構造物の少なくとも1つの状態を判定するステップ。
【0026】
これらおよび他の目的および利点は、添付の図面と共に、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本願の検知デバイスを含む、ドリル杭の断面図である。
【図2】本願発明の別の実施形態を示す、ドリル杭の断面図である。
【図3A】図2の線3−3に沿ってとった断面図であり、本願発明の他の実施形態を示す。
【図3B】図2の線3−3に沿ってとった別の断面図であり、本願発明のさらなる実施形態を示す。
【図3C】図2の線3−3に沿ってとったさらなる断面図であり、本願発明のまたさらなる実施形態を示す。
【図3D】図2の線3−3に沿ってとったまた別の断面図であり、本願発明のまた別の実施形態を示す。
【図4】図1からとった、センサの拡大した部分的断面図である。
【図5】本願のデバイスの特定の用途を示す、上部構造物の一部分の透視図である。
【図6】図5からとった、道路デッキの透視図である。
【図7】本発明のまた別の態様に従う、注入操作の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に図面を参照するが、この提示は、本発明の好適かつ代替的な実施形態を図示する目的のためのみにあり、それを限定する目的のためではなく、図1および4は、注入プロセスの間および/または後に、杭Pの1つ以上の特性を測定するために利用される、システム10を示す。より具体的には、本実施形態に示すものは、杭が注入される間および/または後に温度変化および/または杭の他の要因を測定するための、第1のセンサストリング20および第2のセンサストリング22を伴う、システムである。後により詳細に述べるように、システム10においては任意の数のセンサストリングが使用されてもよく、これらは、硬化プロセス中および/または硬化プロセスの後のどちらに使用されてもよい。
【0029】
この点において、また当技術分野で既知であるように、杭は、多くの異なる技術によって作製することができる。これらの技術のうちの1つは、コンクリートおよび/またはグラウトを、一般的に成形構造物と称される杭空洞26の中へ注入することであり、この用途は、ドリルで掘削され、注入される杭構造物以外の構造物にも幅広く使用可能である。しかしながら、この注入される材料は、本願発明を損なうことなく、支持構造物を成形するために注入される任意の材料であってよい。この空洞は、この穴を地盤層30に形成するためのドリル掘削プロセスを含むが、それに限定されない、当技術分野において既知である任意の手段によって製造することができる。この空洞は、地盤層の表面34に開口部32を有する。この開口部は、空洞26の上部または第1の範囲40を表すことができる。この設備では、空洞は、第2のまたは下部範囲42へと下方へ延在し、空洞軸48に沿って延在する上部範囲と下側範囲との間に延在する、側壁44を含む。さらに、このシステムは、オーガ場所打ち工法(Auger Cast In Place)(A.C.I.P.)、ドリルシャフト注入乾燥またはアンダースラリー(Drilled Shaft poured dry or under slurry)(D.S.)、ドリル置き換え杭(Drilled Displacement pile)(D.D.)、および/または連続フライトオーガ(Continuous Flight Auger)(C.F.A.)を含むが、それらに限定されない、任意の技術に関連して使用することができる。
【0030】
杭空洞26はさらに、紐またはコネクタ58によって互いに連結される垂直断面52および水平断面54を有する鉄筋籠50を含む、しかしそれらに限定されない、補強構造物を含むことができる。この構造的枠組みは、杭空洞を通して位置付けることが可能であり、本願発明を損なうことなく、任意の形態をとることが可能である。このストリングは、鉄筋籠に連結され、または鉄筋籠によって支持されてもよく、または、支持構造物内のいかなる補強籠構造物からも切り離された、ストリングのみを支持するように構成される別個の構造物によって支持されてもよい。
【0031】
また、センサストリングは、任意の数のセンサストリングであってよく、また空洞軸48に平行に杭空洞の中へと長手方向に下へ延在することができ、または、他の実施形態では、後により詳細に述べる道路または橋構造物に対する水平な配向等の、他の配向であってもよい。図示のものは、ストリング20および22を含む2本のストリング設備である。これらのストリングのそれぞれは、杭空洞の中へ長手方向に延在し、またコンクリートを空洞の中へ注入する前に、これらのストリングの所望の位置を維持するように、鉄筋へ固定することができる。
【0032】
これらのストリングのそれぞれは、空洞軸48に平行であることが可能なストリング軸64に沿って、第1の端60と第2の端62との間に延在する。一実施形態において、第1の端60は送信端であってよく、また第2の端62は、空洞の最下部付近または最下部における基端であってよい。しかしながら、第2の端または基端は、整列している必要はなく、またこれらのストリングは、平行であることが、後により詳細に述べるシステムの精度を最大にするために好適である場合があるにせよ、平行である必要はない。
【0033】
端間は、軸64に沿った設定位置にそれぞれ位置付けられる、複数のセンサ70であり、これらの設定点は、ストリング線に沿って指定された間隔で離間する。この離間間隔は、任意の所望の離間間隔であってよい。一実施形態において、この離間は一定であることができる。別の実施形態では、この離間間隔は約6インチであることができる。他の実施形態では、これらのセンサは、互いに約12インチ離間することができる。さらに別の実施形態では、これらのセンサは、各ストリングについて異なって離間してもよい。また、本願発明に対して使用されることが可能な幅広い離間間隔がある。センサ70は、それぞれ互いに連結され、また、実質的にストリング20、22を形成することができる支持線および/または通信回線74によって支持され、センサは、後に同様により詳細に述べる線74によって、完全に支持されてもよい。
【0034】
線74は、当技術分野において既知である、支持および/またはデータ通信のための任意の方法によって、形成することができる。理解できるように、支持線は多様な形態をとることができる。同様に、通信回線として利用される線74は、多様な形態をとることができ、また、単一の可撓性金属ストランドまたはロッド、複数の可撓性金属ストランドまたはロッド、および/または、必要に応じて被覆および/または被膜された光ファイバーを含むが、それらに限定されない、当技術分野で既知である任意のデータ対応線であることができる。さらに、線74が支持線か通信回線かに関わらず、無線ネットワークが、データを完全にまたは部分的に送信するために利用されてもよく、いくつかの実施形態では、線74は、本願のシステムのための電力供給装置であってもよい。簡略にするため、これらは概してワイヤと称されることがある。一実施形態において、線74は、ジャケット86の中に一緒にまとめられる2本のワイヤ82および84を有する導電体80である。任意の導電体、ケーブル、またはワイヤが、本願発明を損なうことなく、導体80に対して使用することができる。一実施形態において、ワイヤ82および84は、標準的な18ゲージワイヤであることができる。他の実施形態では、1本のワイヤを使用してもよく、さらに別では、2本以上のワイヤを使用してもよい。しかしながら、センサ70は、センサが導体に対してストリング軸に沿った設定場所に固定されたままであるように、導体80に連結される。一実施形態において、センサ70は、クリップ式のコネクタである電気コネクタ90を含むが、しかしながら、本願発明を損なうことなく、任意の電気コネクタを使用することができる。このクリップは、第1の棘92および第2の棘94を有する単純な係止クリップであってもよく、棘92は、ワイヤ82のジャケット86を突き通し、ワイヤ82と電気的接続を形成するように構成される。同様に、棘94は、ワイヤ84のジャケット86を突き通し、ワイヤ84と電気的接続を形成するように構成されてもよい。コネクタ90はさらに、棘と対応するワイヤとの間の所望の係止適合を維持し、それらの間の電気的接続を維持することができる、係止設備96を含むことができる。本実施形態では、ワイヤは「ストリング」として機能し、システムのセンサを、ワイヤ空洞内部で、それらの対応する設定点で完全に支持することができる。理解できるように、このシステムは安価に製造することができ、相当量の温度センサを、杭空洞の内部に位置付けることを可能にすることができる。さらに、多数のセンサが使用される点において、これらのセンサは、設定位置に正確に固定することができ、各センサに対する温度読み取りは、杭内の特定の場所に正確に関連付けることができ、後により詳細に述べるように、3次元温度行列を作成するのに有用である。
【0035】
また別の実施形態において、1つ以上のセンサ70は、センサと線との間の接続にかかる応力を減少させるための、張力緩和装置98を含むことができる。理解できるように、注入プロセスはこの接続に応力を加えることがあり、張力緩和装置は、この応力を電気的接続から遠ざけて向きを変えることができる。
【0036】
本願の別の実施形態では、センサは、通信回線の中へ連結または鋳造することができ、線とセンサとの双方は、同一のケーブルジャケット(または、補助層)によって覆われ、それによって、さらにセンサを保護し、剛性を増大し、製造コストを低減する。本実施形態および他の実施形態において、これは、センサと線との間のはんだ接合や、または、通信回線に対して使用される技術として適切である、当技術分野において既知の他の連結技術を使用することを含んでもよい。
【0037】
残りのストリングは、類似の構成を有することができ、したがって、簡略にするために本明細書には詳細には説明しない。加えて、事実上、センサ設備の任意のパターンが、コンクリートに対する硬化プロセスの任意の所望の内部系統図または行列表現を獲得するために、使用されてもよい。
【0038】
センサ70は、ワイヤ80上のクリップ90によって支持されるセンサ本体100を含むことを含むが、それに限定されない、当技術分野において既知である任意の方法によって形成することができ、またこの本体は電子基板であることができる。センサ70はさらに、センサ70内に存在することができる任意のデバイス間で、センサ70内での内部通信を提供する、電気構造物102を含む。理解できるように、これは、当技術分野において将来既知になるさらなる検知設備を含む、業界において既知である任意の検知デバイスを含むことができる。この点において、センサ70は、温度測定装置110を含むことができ、また、圧力、音、加速度、振動、抵抗率、張力、静電容量、水分、および/または化学物質を測定するための、1つ以上のデバイス111を含むことができる。センサ70はさらに、データ、命令、位置、および/または校正データを記憶することができる、メモリ記憶装置112を含むことができる。センサ70は、センサ70によって取得されるデータを通信するために使用可能な、送信機、受信機、および/または送受信機(図示のワイヤ型またはワイヤレス型)であることができる、送信デバイス114を含むことができ、後により詳細に述べる。センサ70はさらに、センサ70によって通信される情報が、空洞内に位置付けられ得、空洞内のデータ点の詳細な系統図表現の生成を可能にするように、ストリング軸に沿ったセンサの設定位置に対応する電子識別コード120を含むことができる。理解できるように、図4は単に、幅広い形態で作製されてもよいセンサの系統図表現を目的としており、構成要素は、コード120がメモリ記憶装置112の一部である等、組み合わせられてもよい。さらに、識別コード120は、センサのそれぞれに対する固有のアドレスであってもよい。
【0039】
センサ70はさらに、部分的にまたは完全にセンサ70を封入し、杭空洞内に注入される材料から電子機器の一部または全てを保護する、センサ筐体122を含むことができる。この筐体は、注封材料、コンフォーマルコーティング、および/または塗布された高分子塗膜を含むが、それらに限定されない、当技術分野において既知である任意の筐体であってよい。さらに、上述のように、これは、センサを線の中へ鋳造することを含んでもよい。別の実施形態では、筐体は、電子機器を部分的にまたは完全に封入するように構成される、クラムシェル筐体であることができる。さらに、筐体は、刷毛で塗るか、スプレーを吹きかけるか、または浸してもよい。またさらに、この筐体は、線との接続部のみが被膜される部分筐体であってもよい。
【0040】
センサ70は、次に、硬化プロセスを正確に監視することを可能にし、注入された材料の適切な硬化を確実にするために、温度および温度変化等の設定パラメータを監視するように構成することができる。センサはまた、センサの読み取りにおける差異に基づいて、注入された構造物内の異常を検出するために使用することもできる。これは、各センサの実時間温度を観察することによって、および/または、後により詳細に述べる、この情報を蓄積することによって、成すことができる。
【0041】
上述のように、各センサの識別コードまたは固有のアドレスは、その温度読み取りを杭空洞内の特定の場所に向けて合わせることができ、また3次元の系統図または行列を作ることができるように、具体的なセンサの正確な位置の判定を可能にするために、導電体80によって送信されてもよい。センサ識別コードを含むことによって、杭空洞の内部の多数のセンサからの情報は、注入された材料の硬化中の、注入される杭の内部の温度変化の明確な3次元系統図を取得するために、場所を特定し、項目別に分けることができる。この情報は、現地の技師に、または、複数の注入の詳細な3次元系統図を、全て一度に単一の遠隔地で監視することができるように、遠隔地の技師に提供することができる。理解できるように、この情報はまた、実時間による硬化プロセスの3次元系統図を提供することができるコンピュータデバイスへ供給することができ、また、杭の硬化中の全温度変化は、グラフで描くことができ、および/または、注入される杭の整合性を計算または等級分けするコンピュータシステムへと供給することができる。当技術分野において既知であるように、温度異常は、注入される杭内部の欠陥の兆候であることがあり、これらの計算の要素に入れることができる。
【0042】
つりワイヤに取り付けられる安価なセンサを利用することで、多数のセンサを、杭空洞の中の配列に位置付けることができる。このセンサ配列は、先行技術のデバイスでは以前は可能ではなかった、詳細な情報を提供することができる。さらに、センサは所定の場所に固定されるため、人為的エラーが最小になる。またさらに、センサ70の温度センサはコンクリートと直接接触しているため、より高い精度が得られる。さらに、三角測量技術を使用して、同様に注入される杭全体の整合性を判定するのに有益な情報を作成するためにコンピュータデバイスへと供給することができる硬化データの、3次元系統図画像の生成を補助することができる。
【0043】
各センサがそれと関連付けられた識別性を有し、また各センサは検知ストリング上の設定位置に位置付けられるので、ストリングが、杭空洞の中に正確に位置付けられていれば、杭全体の温度変化および/または現在の温度の正確な表現を計算することができる。さらに、本願のデバイスのワイヤストリング設備を含むことによって、追加の温度センサを杭内部に位置付けることができ、全体として、硬化プロセス中のより正確な杭の温度の3次元行列が得られる。これは、各温度ストリングは、先行技術の温度検知デバイスより著しく安価であり、またこれらの温度検知ストリングは、先行技術のデバイスに対して必要とされる開いた空洞を含む必要がないという点で真実である。これは一部には、使い捨ての装置であってもよいこの検知装置の低費用な構成を考慮して、得られるものである。しかしながら、理解できるように、特定の用途では、温度ストリングは、再利用されてもよく、および/または再利用可能であってもよい。
【0044】
さらに別の実施形態では、ストリング20、22は、空洞内で各センサの設定位置をよりよく固定し、注入中のストリングの空洞内でのあらゆる動きを低減するように、1つ以上のクリップ130によって、鉄筋構造物50に連結されてもよい。これも同様に、システムによって作成することができる温度行列または系統図の精度を高めるために、使用することができる。
【0045】
温度ストリングが杭空洞内に一度位置付けられると、それは操作システムまたはコンピュータデバイス150に連結することができ、温度読み取りを随時行うことができ、またこれらの温度読み取りは、人間の介在なしに電気的に制御することができる。この点において、システムが杭の注入を監視するために組み立てられると、コンピュータシステムは、送受信機114によってセンサ70と通信し、温度データを随時または設定された間隔で読み取ることができ、そのデータは、杭の注入および/または硬化温度の3次元配列または系統図を、実時間方式で、連続的におよび/または設定された間隔で生成するために、使用することができる。次に、約18〜30時間を要して一度杭が実質的に硬化すると、このデータは、注入された構造物を評価するために、デバイス150内のデータ記憶装置から、またはデータ記憶装置112から取り込むことができる。この情報は、現地で点検することができ、または、送受信機設備152によって遠隔地に送信して点検することができる。さらに、データが現地から現地外の場所へ送信されると、実時間の点検を、現地か遠隔地かのどちらかで達成することができる。これは、検知デバイス内の送受信機、および/または、現地のコンピュータおよび記憶されるコンピュータデータの使用を含むことができる。センサ70は、ワイヤレスで、または、支持体164によって杭穴の上部に支持されてもよい1組またはそれ以上の通信回線160および162によって、デバイス150と通信することができる。
【0046】
図2および3A〜3Dを参照すると、本願発明は、多様な形態のストリング配列を含むことができる。この点において、本発明の態様に従って、任意の数のセンサストリングを、注入される空洞を監視するために、システム10の中で利用することができる。図3A〜3Dは、いくつかのかかる設備の例であるが、全ての可能な設備を示すことを目的としたものではない。理解できるように、システム10の中で利用されるセンサストリング21の数の増加は、システム10によって監視される特性のより正確な系統図行列を提供することができる。これらのストリングの全ては、類似の操作システム150に連結することができ、または、必要に応じて別個の操作システムに接続されてもよい。さらに、各ストリングおよび/またはセンサは、本願発明を損なうことなく、操作システムを有してもよい。それに加えて、1つ以上のセンサストリングは、本願発明を損なうことなく、センサ間で異なって離間してもよい。
【0047】
さらに別の実施形態では、1つ以上のセンサストリングは、1つを超えるセンサ設備を有することができ、単なる例としては、1つおきのセンサが温度センサを含み、ストリング内のその他のセンサは、上述の他のセンサのうちのあるものを含む等である。これは、行列の解像精度を落とす可能性があるが、別個のパラメータを個別に監視することができる。図2に示すものは、センサストリング21A〜21Dを有するセンサ設備170である。センサストリング21Aは、温度センサのみを有するセンサ70のみを含み、一方ストリング21Bは、センサ70およびセンサ70Aの双方を含み、センサ70Aはこれらの他のセンサのうちの1つ以上を有する。ストリング21Cは、異なる離間間隔でのセンサを示し、これも同様に、システムによって作成される行列を調整するために使用することができる。ストリング21Dは、センサ70およびセンサ70Aの双方を含み、センサ70Aは空洞内の異なる場所にある。
【0048】
図5および6を参照すると、本願発明のさらに別の使用例が示される。この点において、建設段階の後でも構造物および/または上部構造物の一部または全部分を監視するための、本願のデバイスの使用が示される。この点において、先により詳細に述べたように、本願のストリングは、注入される構造物の永久的な部分を形成することができ、硬化材料は本願のセンサのストリング配列上に直接注入され、それらは杭または支持構造物の中に永久に鋳込まれる。これは、上述のように費用の削減および精度の向上を与えるだけでなく、また建設が完了した後でも、構造物を監視するために利用することができる。この点において、検知デバイスおよび操作システムは、構造物の操作中または任意の他の理由による欠陥判定を可能にする、温度変化等の物理的特性を継続的に監視するために、完了後に操作することができる。
【0049】
図示のものは、道路構造物の透視図であり、この上部構造物の多数の構成要素の中へ埋め込まれた本願のある態様に従う、1つ以上の検知システムを有する。より具体的には、橋梁構造物200は、杭202、道路デッキ204、および側面橋台206を含む。これらの構成要素のそれぞれは、これらの構造物の注入プロセスの間も、さらに道路の完成後でも利用することができる、1つ以上のセンサストリング21を含むことができる。
【0050】
温度変化は、注入プロセス中および構造物が完全に硬化した後での、これらの構造物の内部の異常の兆候であることがある。杭202に関して、異常210が杭の側面部212に示される。センサストリング21Aはこの異常を通って走っており、これを使用して異常を検出するのに役立てることができ、作業員は、損傷が重度になり過ぎる前に異常を評価し修理することができる。この点において、センサ70Aおよび70Bは、異常210の内部にあり、またセンサ70Cは、そこへ隣接している。センサ70Aおよび70Bは環境要素へより曝露されているため、それらは、センサ70Cより大きい温度変化を観測することができる。この情報は、短期間または長期間記憶することができ、および/または、取り外し可能なメモリ記憶装置、情報出力処理によって(USBポートを経由して、またはワイヤレスで等)転送することもできる。または、この情報は、送受信機216によって遠隔監視所へと通信されてもよく、そこでは、この情報を使用して、この構造物の内部に異常または欠陥の可能性の有無を判定することができる。次に、杭構造物の内部に欠陥または異常がある可能性があると判定されると、保守作業員が送られ、構造物を点検して、作業を行う必要があるかどうかを確認する。これは、可能性のある構造的問題に対して、より効率的に作業員を派遣するために使用できる。さらに別の実施形態では、システムおよび/または監視所は、道路を通過中の作業車両によって検出され、道路作業員へ停止して可能性のある異常を確かめるように合図を出すことができる、信号を作成することができる。
【0051】
同様に、側面構造物206は、送受信機220に連結されるセンサストリング21Bおよび21Cを含むことができ、ここで亀裂222として示される欠陥は、この構造物の内部の隣接するセンサとは対照的に、センサ70Dにおいて温度偏差を生み出す。この場合もまた、この構造物を修理するためにさらなる行動が必要かどうかを決定するために、データは一定時間に渡って監視されてもよい。
【0052】
道路204に対しても同じことが当てはまり、この図面では、亀裂230および路面の穴232がある特定のセンサの付近を通過している。亀裂230は、ストリング21Dのセンサ70Eの付近を通過しており、センサ70Eは、監視所および/またはシステムが、さらなる行動が必要であり作業員をその特定の場所へ送る必要があるかどうかを十分な量の確実性をもって判定することができるように、隣接するセンサ70Fより大きい温度変化を検出することができる。これらの監視設備を含むことによって、作業員を、システムから作成される実時間情報に基づいてより効率的に派遣することができる。
【0053】
同様に、路面状態を監視することもできる。例えば、センサは、センサ70Gの付近にある路面の穴232を検出するのに役立つように使用することができる。この場合もまた、センサ70Gの温度変化は、隣接するセンサ70Hの温度変化と比較され、路面に可能性のある欠陥があるかを判定するのに役立てることができる。さらに別の実施形態では、これは、冬季の凍結等の路面状態を検出するために使用してもよい。
【0054】
さらに別の実施形態において、システムは、エネルギー採取装置240を使用してもよく、それは、太陽光発電システムおよび振動を使用して電力を生み出すデバイスを含む、しかしそれらに限定されない、当技術分野において現在既知である、または将来既知になるであろう、任意のエネルギー採取装置であってよい。エネルギー採取装置は、システムを操作するために必要とされる必要電力を生み出すために、使用することができる。これは、電力源がない遠隔での用途に対して、有益であろう。さらに、システムは、情報がさらなるエネルギー使用を節約するために設定された間隔でのみ送信されるように、操作してもよい。
【0055】
図7を参照すると、本願発明のいくつかの実施形態を表す、鋳込み杭の注入が示される。より具体的には、杭空洞の注入または充填中に利用される、本願の検知システム10を示す。この点において、杭空洞の充填は、コンクリートを空洞の中へ注入する前および注入する間、スラリー300が、空洞壁44の整合性を維持するためにしばしば杭空洞26の中へ送り込まれるため、難しい手順であることがある。
【0056】
より具体的には、コンクリート302が、空洞の最下部42付近から始まり、管310を通して送り込まれ、または注入されるように、コンクリート302を空洞26の中へ空洞内に位置付けられた充填管310を経由して送り込む、注入プロセスを示す。このプロセスは、スラリー300を上方へ、また空洞26の最上部32の外へと押し進める。その結果、コンクリートが空洞の最下部分へ送り込まれるのに伴って、スラリー300は、空洞の内部で上方へと押し進められる。コンクリート302の最上範囲または最上位314が空洞内で上昇するのに伴い、充填管310は、充填管310の最下部316が、コンクリート302とスラリー300との間の範囲314へ近接近したままであるように、空洞の最下部から上方へと引き上げられなくてはならない。しかしながら、充填管を速く除去しすぎると、端316が範囲314より上のスラリー300の中へと移動し、注入される杭に不良を作り出すことがある。また一方で、充填管をコンクリート部分の中で範囲314より下へ深く保ち過ぎると、コンクリートが管から流れ出すのを妨げ、コンクリート汲み上げ装置へ過度の張力をかけてしまう。
【0057】
その結果、このプロセスを監視し、充填管の開口部を、範囲314の出来るだけ近くで、しかし範囲314より下で、維持する必要がある。先行技術の充填技術は、杭空洞の中へ送り込むコンクリート量を監視し、この情報を使用して、充填管を穴から引き抜く速度を決定することを含む。充填管を速く除去し過ぎすると杭不良が生み出す可能性があるため、誤りは常に、充填管を穴の中で深く保ち過ぎる方で起こり、プロセスの効率に悪影響を及ぼし、また機材の予想耐用年数を減らす。
【0058】
本願発明に係る検知システムを利用することにより、コンクリートとスラリーとの間の境界を、各センサ70における温度の変化によって正確に検出することができる。この精度は、これらのセンサが全て、杭空洞内の既知の場所にあるということから獲得することができる。線がセンサを通過するにつれ、コンクリートの硬化によって生み出される温度上昇が示され始める。この情報は、充填操作の操作者に通信することができ、この充填線は正確に監視され、空洞26からの充填管310の引き抜き速度の基準となることができる。
【0059】
一実施形態において、センサは、検知ストリング上で6インチ毎に配列され、検知デバイスは、注入プロセスの間に作動することができる。これらのセンサによって作成されるデータは、ストリング21A〜21Dの通信回線80A〜80Dを経由して、操作システムまたはディスプレイへ通信することができ、充填操作を管理する操作者は、空洞内での範囲314の変化する高さについての実時間情報を得ることができる。この情報は次に、充填管を引き抜くために、また充填管の開口部を、スラリーとコンクリートとの境界線の下側の所望の場所に維持するために、使用することができる。別の実施形態では、この情報は、センサから受信する情報に基づいて充填管が自動で制御されるように、充填操作の操作システムへ直接送られてもよい。
【0060】
次に、注入プロセスが完了すると、検知ストリングは定位置に留まってもよく、上述のように硬化プロセスを監視するために使用されてもよい。その結果、本願発明に係るセンサは、注入プロセスにおいても有用であり、またしたがって、そのプロセスが完了した後に杭の整合性を判定するのにも有用である。またさらに、センサは、杭の中にそのセンサが残っているため、杭が硬化した後に他の検知用途のために利用することもできる。この情報は、適切な注入が成されたこと、また適切なコンクリート混合物が注入されたことを確実にするために利用することができる。
【0061】
一実施形態において、システムは、建設プロセスを加速するのに役立つように、杭がいつ所望の状態へと硬化したかを判定するために使用することができる。荷重という点において、杭は早まって杭の構造的整合性を損なう可能性があり、作業員は、典型的には、杭に荷重を負荷する前に丸28日待つ。この28日期間は、コンクリートおよびグラウト等の注入される材料が、28日以内で硬化するであろうという工業データに基づいている。しかしながら、以前は、杭が実際に「完全に硬化した」状態に到達したという時点を判定することが困難であったため、この28日硬化周期には著しい安全率が含まれており、杭は、実際には28日よりかなり前に「完全硬化」に到達する可能性がある。したがって、杭が適切に硬化することを確実にするために、時間が浪費されるかもしれない。本願のシステムは、杭が、いつ「初期硬化」に到達したかを判定するために使用することができ、通常は約18〜30時間を要する。次に、システムはそのまま作動し、建設作業員が丸28日待たされることがないように、杭または構造部材が、いつ「完全に硬化した」か、を判定することができる。多くの場合、注入される材料は、28日よりかなり前に「完全に硬化」することができ、この情報は、杭を注入してから杭へ荷重を負荷するまでの遅れを短縮するために使用することができる。道路用途では、この情報は、路面を注入してから、車両にこの路面上を走行させるまでの遅れを、短縮することができる。理解できるように、この情報は、硬化リードタイムを低減するために、「完全硬化」に到達する時点を判定するように、任意の用途において使用することができる。また同様に理解されるように、構造部材が28日で「完全に硬化」していない場合では逆のことも当てはまり、本願のシステムは、作業者に警告をし、構造物の早過ぎる荷重を阻止するのに役立てるために使用することができる。この硬化検査は、杭の水和エネルギー水準を検査し、硬化プロセスの状況を判定することを含んでもよい。水和エネルギーがないということによって、「完全硬化」の時点を判定してもよい。この場合もまた、杭が、所望の水和エネルギーまたは「完全硬化」に到達すると、杭に荷重することができ、または構造物を使用することができる。
【0062】
本願発明のさらに別の実施形態において、温度ストリングは、杭の注入の前に杭空洞の中に位置付けられたPVCパイプによって形成されるもの等の、長手方向に延在する通路の中に位置付けられてもよい。これらの管の中で、センサの場所は固定されたままであり、本願の他の実施形態において述べられる温度行列を作成することが可能であるが、ストリングは除去し、再利用することが可能である。
【0063】
さらなる実施形態では、通信回線は、複数の送信点を含むことができる。この点において、一群の実施形態では、送信線は、第1の端および第2の端を有し、これらの端のうちの1つは送信端であり、センサからのデータを、処理および/または分析のために通信するために、操作システムへ、または送信デバイスにまで連結することができる。他の実施形態では、第1の端および第2の端の双方が、このデータ通信のための送信端であってもよい。またさらに、線は、その線の第1の端と第2の端との間にも、1つ以上の追加の送信点350(図1参照)を有してもよく、また、これらのストリングも同様に2つを超える端を有してもよい。一実施形態では、線は、第1の端と第2の端との間に送信点350を含み、この送信点は、直通回線接続またはさらには無線周波数「RF」接続を含む、当技術分野において既知である任意の方法によって、操作システムへ連結される。別の実施形態では、この送信点は、2本の隣接する線またはシステム内の全線に連結する、回線コネクタ352である。理解できるように、いずれの通信回線における故障でも、センサのストリング全体に対する全データの損失を引き起こす可能性がある。複数の送信点を含むことによって、損失を、ストリングの一部分のみへと低減することができる。さらに別の実施形態では、各センサが送信点であることができ、各センサは、RF通信を含むがそれに限定されない、当技術分野において既知である任意の手段によって、操作システムに直接接続されるように構成される、送受信機を含むことができる。
【0064】
さらに別の実施形態では、本願のワイヤストリングは、多数の構成のうちの任意の1つで大量生産することができる。かかる構成のうちの1つは、特定の距離で配置された100個のセンサを有するように製造されるワイヤであり、1から100までの各センサは、それぞれの温度読み取りが、特定のセンサおよびワイヤ上の特定の場所に関連付けられるように、内蔵型の電子場所識別を有することができる。他の実施形態では、識別コードまたはアドレスは、ストリングの製造後に、または必要ならば現地であってでも、割り当てることができる。さらに、本願の他の態様に従う検知ワイヤは、特有の長さに従って複数のセンサを有する、複数の標準的な長さで製造されてもよい。例えば、5つの異なる長さの検知ワイヤストリングが製造されてもよく、5つのサイズのそれぞれは、例えば、15、25、35、65、および100メートル長であり、エンドユーザは、注入される杭の寸法に基づいて、これらのサイズ(または、他のもの)のうちの1つ以上から選択してもよい。さらに別の実施形態では、これらの設定された長さのストリングは、1つを超える標準ストリングを直列に接続することができるように、両端に接続デバイスを含んでもよい。いずれの直列においても、最後のストリングの基部を覆うために、キャップを使用してもよい。他の実施形態では、ストリングは、用途または使用目的または製品に基づいて、もしくは顧客の要望に基づいて、特注の長さで製造することができる。さらに別の実施形態では、ストリングは、現場で切断またはカスタマイズすることができ、切断部分は密封され、または終端抵抗器等によって適切に終端処理される。これらのワイヤストリングは、スプールの形態であってもよく、ワイヤ内部のセンサのそれぞれの識別を指定するための目印を含んでもよい。例えば、これらの識別は、1から100まで番号付けることができ、第1のセンサは、最上部のセンサであり、最も大きい数のセンサは、杭空洞の中の最も低いセンサである。この情報は、ワイヤ空洞の中でワイヤストリングを位置付ける間に注目することができ、センサからの情報が、監視デバイスおよび/またはコンピュータデバイスへと送信されると、3次元配列を生成できるように、センサのそれぞれは、杭空洞の中の既知の場所に位置付けることができる。
【0065】
上述のように、本願のシステムは、本願発明を損なうことなく、温度センサ以外の他の検知デバイスを含むことができる。これらの他のデバイスは、センサ70の一部であってもよく、またはこれらの他のデバイスは、線74に沿ってセンサ70とは分離していてもよい。さらに、これらの他の検知デバイスは、工場でまたは現地で装着することができ、各センサがその独自の3次元配列を作成することができるように、センサ70に代わるパターン等、任意のパターンで使用することができる。さらに、本願のさらに別の実施形態では、温度センサおよびこれらの他の検知デバイスは、他の検査手順と併せて利用することができる。この点において、上述のように、本願のシステムは、圧力、音、加速度、振動、抵抗率、張力、静電容量、水分、および/または化学物質を測定するためのデバイス等の、1つ以上の他の検知デバイスを含むことができる。これらの他のデバイスは、杭の最上部をハンマーで軽く叩いて得られた音波を分析する音検査等の手順に対して、利用してもよい。本願のシステムは、これらの音波を検出および/または記録し、杭内の不良を検査するのに役立てるためのセンサを含んでもよい。
【0066】
また、本願発明は、地熱加熱および冷却システムに類似した、注入される杭の中の流路を使用して建造構造物を加熱および/または冷却する、エネルギー杭システムに対して使用することもできる。本願発明は、杭のエネルギーまたは杭の中のエネルギーを測定し、杭が、地熱エネルギー転送においてその限界に到達したかどうかを判定するために、使用することができる。この情報は、加熱および冷却システムのより効率的な稼動を促進し、また杭から蓄えられるエネルギーを補完するために補助的な冷却および/または加熱方法が必要な地点を判定するために、利用することができる。
【0067】
好適な実施形態を参照して、例示的な実施形態を説明した。明白なことに、上述の詳細な説明を読み理解すれば、修正および変更が想起されるであろう。これら例示的な実施形態は、かかる修正および変更が添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲に包含される限りにおいて、それら全てを含むように解釈されることが意図される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形される固形物を監視するためのシステムであって、前記固形物は、材料を成形構造物の中へ導入し、前記成形構造物内の前記材料を硬化プロセスによって前記成形される固形物へと凝固させることによって製造され、前記成形される固形物は、第1の範囲および反対側の第2の範囲を有し、前記システムは、前記非固形材料の前記硬化プロセス前に、関連付けられた成形構造物内に位置付け可能な少なくとも1つのセンサストリングを備え、前記少なくとも1つのセンサストリングは、第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在する支持線を有し、前記線は、前記第1の端と第2の端との間で前記線に連結される複数のセンサを有し、かつ前記複数のセンサの各センサは、前記第1の端と第2の端との間で前記支持線に沿って設定位置に装着され、前記各センサは、センサ本体および電気構造物を含み、前記センサ本体は、前記センサを、前記ストリング軸に沿った前記設定位置で前記線に連結するためのコネクタを有し、前記電気構造物は、前記関連付けられた材料の特性を前記設定位置付近で監視するように構成される検知デバイスを含み、前記電気構造物は、前記軸に沿った前記センサの前記設定位置に対応する電子識別コードをさらに含み、前記システムは、前記センサから前記特性および前記識別コードを選択的に通信するための送信デバイスをさらに含む、システム。
【請求項2】
前記支持線は通信回線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記通信回線に電子的に連結するための電気コネクタであり、前記選択的通信が前記通信回線を通る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記支持線は電力線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記電力線に電子的に連結するための電気コネクタである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記検知デバイスは、前記設定位置付近の前記材料の温度を監視するように構成される温度センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記温度センサは、前記材料の実時間温度を測定する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記支持線は通信回線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記通信回線に電子的に連結するための電気コネクタであり、前記選択的通信は前記通信回線を通り、前記送信デバイスは前記通信回線に電子的に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記各センサは、メモリ記憶装置をさらに含み、前記メモリ記憶装置は、前記送信デバイスに対する、前記温度の前記選択的通信のためと、前記各センサに対する、前記各センサの操作のためと、のうちの少なくとも1つのための命令を含み、前記メモリ記憶装置は、前記識別コードをさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサは、前記電気構造物を少なくとも部分的に保護するためのセンサ筐体をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記筐体は、少なくとも部分的に被膜によって形成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記筐体は、クラムシェルを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記支持線との接続部に張力緩和装置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の範囲は、地盤層の表面における穴開口部であり、前記成形構造物は、前記表面から前記第2の範囲へと下方に延在し、前記第1の端は、前記第1の範囲の付近にあり、前記第2の端は、前記第2の範囲の付近にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記支持線は通信回線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記通信回線へ電子的に連結するための電気コネクタであり、前記選択的通信は前記通信回線を通り、前記システムは操作システムをさらに含み、前記複数のセンサは、前記第1の端で前記操作システムへ連結される前記通信回線を経由して、前記操作システムと通信し、前記操作システムは、前記複数のセンサによって作成されるデータを少なくとも蓄積するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサストリングは、少なくとも3つのセンサストリングであって、前記少なくとも3つのセンサストリングである、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記識別コードは、固有の電子識別コードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記支持線は通信回線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記通信回線へ電子的に連結するための電気コネクタであり、前記選択的通信は前記通信回線を通り、前記第1の端は送信端であり、かつ前記送信端は操作システムに連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記各センサの前記所定位置は、前記ストリング軸に沿って均等に離間する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記均等な離間は、前記ストリング軸に沿って1フィート未満である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記支持線は通信回線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記通信回線へ電子的に連結するための電気コネクタであり、前記選択的通信は前記通信回線を通り、前記通信回線は、ジャケット内に一緒にまとめられる少なくとも2本のワイヤを有する導電体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記電気コネクタは、前記ジャケットを貫通して、前記少なくとも2本のワイヤのそれぞれに電気的かつ別個に係合するように構成される、貫通する棘を有する、係止クリップを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記通信回線は、前記複数のセンサを完全に支持する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記通信回線は、前記複数のセンサを完全に支持する、請求項2に記載のシステム。
【請求項23】
前記通信回線は、前記ワイヤを包囲する外側ジャケットを有する2線式導体であり、前記電気コネクタは、前記ジャケットを貫通して、前記2本のワイヤのそれぞれと個々に電気接触するように構成される係止クリップを含み、前記係止クリップは、前記2線式導体に対して前記各センサを完全に支持し、かつ前記2線式導体はそれぞれの前記センサを完全に支持し、前記少なくとも1つのセンサストリングは、前記ストリング軸と交差するそれぞれ互いに離間する少なくとも第1、第2、および第3のストリングであり、前記第1のセンサストリングは、第1の複数のセンサを有し、前記第2のセンサストリングは、第2の複数のセンサを有し、前記第3のセンサストリングは、第3の複数のセンサを有し、前記第1、第2、および第3の複数のセンサのうちのそれぞれは、異なる前記識別コードを有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項24】
成形される固形物を監視するためのシステムのためのセンサストリングであって、前記固形物は、材料を成形構造物の中へ導入し、前記成形構造物内の前記材料を硬化プロセスによって前記成形される固形物へと凝固させることによって製造され、前記成形される固形物は、第1の範囲および反対側の第2の範囲を有し、前記センサストリングは、前記非固形材料の前記硬化プロセス前に、関連付けられた成形構造物内に位置付け可能であり、前記ストリングは、送信端と終端との間でストリング軸に沿って延在するワイヤジャケットによって包囲される少なくとも1本のワイヤを有する導体によって形成される通信回線を有し、前記送信端は、電気的接続を形成するための少なくとも1つのリードを有し、前記ストリングは、前記送信端と前記終端との間で前記通信回線に連結される複数のセンサをさらに含み、前記複数のセンサの各センサは、前記導電体に、前記送信端と前記終端との間で前記通信回線に沿って設定位置で装着され、前記各センサは、センサ本体およびセンサ筐体をさらに含み、前記センサ本体は、電気構造物を、前記設定位置で前記導電体に電気的に連結するための電気コネクタを含み、前記電気構造物は、前記設定位置の付近の前記材料の温度を監視するように構成される温度センサを含み、前記電気構造物は、前記軸に沿って前記センサの前記設定位置に対応する電子識別コードと、前記実時間温度および前記識別コードを前記通信回線に選択的に通信するための送信デバイスと、をさらに含む、センサストリング。
【請求項25】
前記少なくとも1本のワイヤは、光ファイバーワイヤである、請求項24に記載のストリング。
【請求項26】
前記各センサは、固有の電子識別コードを有する、請求項24に記載のストリング。
【請求項27】
前記筐体は、少なくとも部分的に被膜によって形成される、請求項24に記載のストリング。
【請求項28】
前記各センサの前記所定位置は、前記ストリング軸に沿って均等に離間する、請求項24に記載のストリング。
【請求項29】
前記均等な離間は、前記ストリング軸に沿って1フィート未満である、請求項28に記載のストリング。
【請求項30】
前記通信回線は、前記複数のセンサを完全に支持する、請求項24に記載のストリング。
【請求項31】
前記各センサは、メモリ記憶装置をさらに備え、前記メモリ記憶装置は、前記送信デバイスに対する前記実時間温度の選択的通信のための命令を含み、かつ前記温度および前記識別コードを記憶する、請求項24に記載のストリング。
【請求項32】
成形される固形物を監視するためのシステムのためのセンサストリングであって、前記固形物は、材料を成形構造物の中へ導入し、前記成形構造物内の前記材料を硬化プロセスによって前記成形される固形物へと凝固させることによって製造され、前記成形される固形物は、第1の範囲および反対側の第2の範囲を有し、前記センサストリングは、前記非固形材料の前記硬化プロセス前に、関連付けられた成形構造物内に位置付け可能であり、前記ストリングは、第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在する支持線を有し、前記センサストリングは、前記第1の端と第2の端との間で既知の間隔で前記支持線に連結される複数のセンサをさらに含み、前記複数のセンサの各センサは、センサ本体およびセンサ筐体を含み、前記センサ本体は、前記各センサを前記支持線へ前記既知の間隔で連結するためのコネクタを含み、前記各センサは、前記既知の間隔付近の前記材料の温度を監視するように構成される温度センサを含む電気構造物をさらに含み、前記電気構造物は、前記ストリング軸に沿った前記既知の間隔の前記各センサに対応する電子識別コードと、前記実時間温度および前記識別コードを操作システムへ選択的に通信するための送信デバイスと、をさらに含む、センサストリング。
【請求項33】
注入される構造物の少なくとも1つの状態を測定する方法であって、前記注入される構造物は、硬化性材料を成形構造物の中へ導入し、前記成形構造物内の前記材料を硬化プロセスによって成形される固形物へと凝固させることによって製造される、成形される固形物であり、前記方法は、
第1の範囲および反対側の第2の範囲を有する成形構造物であって、前記第1の範囲と第2の範囲との間で構造物軸に沿って延在する、成形構造物を提供するステップと、
第1の端と第2の端との間でストリング軸に沿って延在する支持線と、前記第1の端と第2の端との間で前記支持線に連結される複数のセンサとを有する、少なくとも1つのセンサストリングを備える、監視するためのシステムであって、前記複数のセンサのうちの各センサは、前記第1の端と第2の端との間で前記支持線に沿って設定位置に装着され、前記各センサは、センサ本体およびセンサ筐体を含み、前記センサ本体は、前記各センサを、前記支持線に前記設定位置で連結するためのコネクタを含み、前記各センサは、前記関連付けられた硬化性材料の前記設定位置付近の温度を監視するように構成される温度センサを含む電気構造物を含み、前記電気構造物は、前記軸に沿った前記センサの前記設定位置に対応する識別コードをさらに含み、前記システムは、前記実時間温度と前記識別コードとを選択的に通信するための送信デバイスをさらに含む、システムを提供するステップと、
前記第1の端は前記第1の範囲の付近にあり、前記ストリング軸は前記第2の範囲に向かって延在する、前記成形構造物の中へ、前記少なくとも1つのストリングを位置付けるステップと、
前記硬化性材料を前記成形構造物の中へ注入し、それによって、前記ストリングが、前記硬化性材料によって少なくとも部分的に封入されるステップと、
前記注入するステップの後に前記複数のセンサの前記各センサによって検出される前記温度を監視するステップと、
前記各センサの前記温度を、前記各センサと、および前記各センサの前記設定位置と、関連付けるステップと、
前記複数のセンサの前記関連付けられた温度および位置を組み合わせるステップと、
前記注入される構造物の前記少なくとも1つの状態を判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項34】
前記成形構造物は、地盤内に円筒穴を含み、前記構造物軸は、前記穴と同軸上にある、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記円筒穴は、ドリルで掘削される穴であり、前記第1の範囲は、前記穴の開口部である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記成形構造物は、概して水平に延在し、前記構造物軸は、概して水平な軸である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記支持線は通信回線であり、前記コネクタは、前記電気構造物を前記通信回線へ電子的に連結するための電気コネクタであり、前記選択的通信は前記通信回線を通り、前記方法は、各前記少なくとも1つのセンサストリングの前記第1の端を、操作システムへ接続するステップをさらに含み、前記操作システムは、監視するステップ、関連付けるステップ、および組み合わせるステップを実行する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記硬化プロセスが完了した後、前記複数のセンサの前記実時間温度を監視するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−519898(P2013−519898A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553949(P2012−553949)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/024569
【国際公開番号】WO2011/103039
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512214041)パイル ダイナミクス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】