説明

板状体の収納容器

【課題】強度を向上し、軽量化した板状体の収納容器を提供する。
【解決手段】本発明の収納容器10は、台座12の本体14を軽量なアルミニウム合金の金属材28によって構成し、本体14の底部の外側枠部材18を、アルミニウム合金よりもヤング率の高いステンレス鋼で構成する。台座12において、外側枠部材18のみをステンレス鋼とすることにより、重量物の積層体20を収納する容器として十分な強度が得られる。外側枠部材18のみがステンレス鋼であるので、台座の底面全体に鉄板が設けられた収納容器と比較して大幅な軽量化が図られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状体の収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ用ガラス基板、及び液晶ディスプレイ用ガラス基板等のFPD(Flat Panel Display)用ガラス基板は、ガラス基板とガラス基板との間に合紙を介装させた状態で複数枚積層される。そして、この積層体は、平積み用の収納容器(例えば、特許文献1参照)、又は縦積みの収納容器(例えば、特許文献2参照)に収納されて、ガラス板メーカーから、ガラス板の加工及びガラス板を用いた装置の組立等を行うガラス板使用メーカーにトラック等によって搬送される。
【0003】
ガラス板使用メーカーの倉庫に搬入された収納容器は、トラックから前記倉庫に設置された搬送用ローラコンベアに、フォークリフトによって載せ替えられる。そして、収納容器は、ローラコンベアによって加工及び組立工場に搬送される。加工及び組立工場においてガラス基板は、取出装置によって収納容器から1枚ずつ取り出される。この際、ガラス基板は、取出装置のガラス把持部によって吸着されて収納容器から取り出され、次に取出装置の合紙把持部によって合紙が取り出されるという動作が繰り返し行われる。
【0004】
特許文献1に開示された平積み用の収納容器(板状体梱包箱)は、板状体が水平状態で積層される台座を備えている。この台座は、複数のI型枠材を縦横に格子状に組み付けることにより構成されたフレーム構造体である。また、前記I型枠材は、収納容器の軽量化を目的として、アルミニウム合金からなる押し出し材によって製造されている。
【0005】
ところで、特許文献1の収納容器には、台座の底部に矩形状の下張り材が設けられており、この下張り材は鉄板である。この鉄板を下にして収納容器をローラコンベアに載せることにより、収納容器をローラコンベアによって円滑に搬送することができる。この鉄板は、台座の底部と略同じ面積を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−264786号公報
【特許文献2】特開2005−298062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の収納容器の下張り材である鉄板は、台座の底部と略同じ面積を有しているため、収納容器全体が鉄板によってかなりの重量物になるという問題があった。
【0008】
特に、第8世代と呼ばれる2160mm×2460mmサイズ以上の液晶ディスプレイ用ガラス基板を収納する収納容器に、このガラス基板のサイズと略同サイズの鉄板を設けると、鉄板の重量だけでも数百キロになる。すなわち、ガラス基板を搬送するトラックからみると、積載荷重のうち収納容器が占める荷重が増大するため、肝心のガラス基板を大量に搬送できないという問題があった。
【0009】
一方で、アルミニウム合金の金属材で構成された台座の強度を上げることは、ガラス基板の大型化によりガラス基板の積層体が重量物になること、及び前述したローラコンベアによる搬送時の耐磨耗性向上の観点から重要である。
【0010】
その対策として、アルミニウムの金属材の本数を増やして台座の強度を上げることが考えられる。しかしながら、この対策では、台座の部品点数が増大するとともに台座が重量物になるという問題があり、また、ローラ搬送時に、鉄のローラよりもヤング率が低いアルミニウム合金の表面が削られて早期に磨耗するという問題がある。
【0011】
このように、従来の収納容器は、強度を上げると重量物になり、軽量化を図ると強度が下がるという、相反する問題があった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、強度を上げるとともに軽量化を図ることができる板状体の収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記目的を達成するために、複数枚の板状体を水平状態に積層して収納する板状体の収納容器において、前記収納容器の台座は、格子状の本体と、前記台座の底部の外側枠部材とを有し、前記本体を構成する第1の金属材よりも、前記外側枠部材を構成する第2の金属材のヤング率が高いものである、板状体の収納容器を提供する。
【0014】
本発明によれば、収納容器の台座を第1の金属材によって構成し、台座の底部の外側枠部材を、第1の金属材よりもヤング率の高い第2の金属材で構成した。すなわち、台座の底部に設けられている外側枠部材に着目し、この外側枠部材のみを第2の金属材で構成することによって、十分な強度を得るものである。また、外側枠部材は、ローラコンベアによる搬送時にローラと接触するが、第1の金属材よりもヤング率の高い第2の金属材で作られているので、ローラによって容易に削られることを抑制し早期に磨耗しない。よって、収納容器の耐久性も向上する。更に、外側枠部材のみを第2の金属材としたので、台座の底面全体に鉄板が設けられた特許文献1の収納容器と比較して大幅な軽量化が図られる。更にまた、外側枠部材を第2の金属材とすることで、板状体の重量によって第1の金属材に生じる変位が、第1の金属材のみからなる台座と比較して大幅に減少する。この変位低減効果によって、第1の金属材と第2の金属材を含む台座の変位が第1の金属材のみからなる場合の台座と同等の変位となるように、第1の金属材の本数を削減することができるので、収納容器が更に軽量になる。
【0015】
本発明の板状体の収納容器は、前記第1の金属材がI型枠材であり、前記第2の金属材が角パイプであることが好ましい。
【0016】
本発明の板状体の収納容器は、前記第1の金属材がアルミニウム合金であり、前記第2の金属材がステンレス鋼であることが好ましい。
【0017】
本発明の板状体の収納容器は、前記第1の金属材がアルミニウム合金のI型枠材であり、前記第2の金属材がステンレス鋼の角パイプであることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、第1の金属材として比重約2.7のアルミニウム合金のI型枠材を使用し、第2の金属材として比重約7.7〜8.0のステンレス鋼の角パイプを使用することが好ましい。台座の本体部分を構成する第1の金属材としてアルミニウム合金を使用することにより、台座の軽量化が図られる。また、外側枠部材を構成するステレンスは、アルミニウム合金と比較して約3倍の強度がある。更に、ステンレス鋼の角パイプは市販の量産品を使用できるので、特注製品とするよりも収納容器の製造コストを抑えることができる。
【0019】
本発明の板状体の収納容器によれば、前記角パイプと、該角パイプの上方に位置する前記I型枠材とは、前記角パイプのナット挿入孔から該角パイプの内部空間部に装着されたブラインドナットに、前記I型金属材のボルト挿入孔から挿入されたボルトを締結することにより連結されることが好ましい。
【0020】
なお、本明細書において“上方”とは、台座からみて板状体が積層される方向を意味する。
【0021】
本発明は、また、アルミニウム合金のI型枠材と、ステンレス鋼の角パイプとの接続構造に関する。まず、ブラインドナットをナットツールのマンドレルに取り付け、このブラインドナットを、角パイプのナット挿入孔から角パイプの内部空間部に装着する。次に、ナットツールのトリガを引き、ブラインドナットを角パイプのナット挿入孔に固定する。次いで、I型金属材のボルト挿入孔から挿入されたボルトを、ブラインドナットに締結する。これにより、I型枠材で構成されている収納容器の本体に、角パイプで構成されている外側枠部材を容易に接続することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、収納容器の台座をアルミニウム合金等の第1の金属材によって構成し、台座の底部の外側枠部材を、第1の金属材よりもヤング率の高いステンレス鋼等の第2の金属材で構成したので、強度を上げるとともに軽量化を図ることができる板状体の収納容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態の収納容器において台座に対して受皿を上方に離間して示すとともに、台座に対して外側枠部材を下方に離間して示した説明図
【図2】本体の金属材と外側枠部材の金属材との連結構造を示した要部斜視図
【図3】収納体が3段積みされた状態を示す側面図
【図4】本体の金属材と外側枠部材の金属材との連結構造を示した縦断面図
【図5】実施の形態の収納容器の解析ケースを示した説明図
【図6】比較例のアルミニウム合金の金属材のみからなる本体を示した斜視図
【図7】台座の第1の変形例を示した縦断面図
【図8】台座の第2の変形例を示した縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面に従って本発明に係る板状体の収納容器の好ましい実施の形態について説明する。
【0025】
なお、以下に説明する実施の形態では、板状体として第8世代と呼ばれる2160mm×2460mmサイズの液晶ディスプレイ用ガラス基板を例示する。また、このFPD用ガラス基板が合紙を介して複数枚積層されたものを積層体と称する。更に、前記積層体が実施の形態の収納容器に収納された形態を収納体と称する。
【0026】
図1は、実施の形態の収納容器10を示す斜視図であり、収納容器10を構成する台座12に対して受皿16を上方に離間して示すとともに、台座12に対して外側枠部材18を下方に離間して示した説明図である。
【0027】
収納容器10は、所定の高さを有する、外径が矩形状の台座12によって構成される。この台座12は、フレーム構造体である本体14、本体14の上面に固定された受皿16、及び本体14の底部に固定された外側枠部材18から構成される。
【0028】
ガラス基板と合紙とからなる積層体20は、台座12の受皿16に水平状態に載置される。この積層体20には矩形状のシート(不図示)が被せられ、シートの4辺の縁部が固定部材によって台座12に固定される。この固定部材は、受皿16の側縁部に固定された板状のガラスストッパー22、22、及び前記合紙とシートを受皿16に向けて押さえ付けるL字形の横押さえ部材24、24…によって構成されている。これによって、積層体20が収納容器10に収納されて収納体26が構成される。
【0029】
台座12の本体14は、複数本の金属材(第1の金属材)28、28…をフレーム状に組み付けて構成したフレーム構造体である。金属材28の材質としては、アルミニウム合金、ステンレス鋼、SS鋼、又はSGHC鋼等を例示できるが、実施の形態では収納容器10の軽量化を図るため、アルミニウム合金(例えばA6063S−T5)を用いた。また、実施の形態における金属材28は、アルミニウムの押し出し成形により断面形状が略I型に成形された金属材である(図2参照)。これらの金属材28、28…を縦横に格子状に組み付けるとともに、この組み付け部材の格子面が略水平となるように組み付けることによって本体14が構成されている。なお、外側枠部材18については後述する。
【0030】
本体14の所定の側面には、不図示のフォークリフトの一対のフォークが挿入される開口部30、30が備えられている。また、台座12に固定された受皿16の表面には、振動を吸収可能な樹脂等の柔軟な上張り材(不図示)が設けられている。
【0031】
上記の如く形成された収納体26は、倉庫で段積みされて(鉛直方向に重ねて)保管される。収納体26を段積みするための構成を説明すると、本体14の上面及び底面の4隅部には、角筒状の嵌合部32、32がそれぞれ備えられている。これらの4つの嵌合部32に支柱34がそれぞれ挿入されて立設される。支柱34は、角柱状の胴部34Aと、角錐形状又は円錐形状のガイド部34Bとから構成される。したがって、この段積み構成によれば、まず、胴部34Aを本体14の上面の嵌合部32に挿入して、4本の支柱34を本体14の上面隅部に立設する。そして、4本の支柱34のガイド部34Bに、2段目の収納体26の本体14の底面に形成された嵌合部32を嵌合させる。これにより、収納体26、26が上下に2段積みされる。同様の手順で段積み台数を増やすことにより、例えば収納体26が図3の如く3段重ねに段積みされる。
【0032】
ところで、図1の如く台座12の底部に設けられた外側枠部材18は、本体14を構成するアルミニウム合金の金属材28よりもヤング率の高いステンレス鋼の4本の金属材(第2の金属材)36、36…を枠状に組み付けることによって構成されている。
【0033】
各々の金属材36は、本体14の外側枠を構成する4本の金属材28の下部に、図2に示すブラインドナット38とボルト40によって連結される。これにより、ステンレス鋼の4本の金属材36、36…からなる外側枠部材18が本体14の底面に構成される。なお、本体14と外側枠部材18の連結構造は、ブラインドナット38とボルト40による締結構造に限定されるものではなく、その他の方法によって連結してもよい。
【0034】
しかしながら、連結工数を簡略化する観点から見れば、ブラインドナット38とボルト40による締結構造が溶接よりも好ましい。また、溶接であると、溶接時に生じた熱により金属材28、36が変形して台座12の平面度が悪化し、ガラス基板の積載精度に悪影響を与えるので好ましくない。すなわち、台座12の平面度が悪化すると、積載されるガラス基板の全面に均等に荷重が加わらず、一部に荷重が集中し、その部分に応力が集中してガラス基板が損傷するおそれがあるからである。これに対して、ブラインドナット38とボルト40による締結構造では、前記平面度が悪化するような不具合は発生せず、ガラス基板の積載に好適である。
【0035】
ここで、ステンレス鋼の金属材36は、図2、図4の如く市販の量産品である角パイプが使用されている。また、ブラインドナット38とボルト40による金属材28と金属材36との連結手順は、まず、金属材36の上面に複数のナット挿入孔42、42…を金属材36に沿って開口し、これらのナット挿入孔42、42…から金属材36の内部空間部にブラインドナット38をそれぞれ装着する。次に、金属材28の下部フランジ28Aに開口されている複数のボルト挿入孔44、44…からボルト40をそれぞれ挿入し、これらのボルト40をブラインドナット38に締結する。以上により、I型金属材28で構成されている収納容器の本体14に、角パイプで構成されている外側枠部材18の金属材36を容易に連結することができる。なお、図2、図4では、金属材28の下部フランジ28Aと金属材36との間に板状のスペーサ37が介在されている。このスペーサ37には、ボルト40の挿入孔37Aと、ブラインドナット38のヘッド部を逃がすための凹条溝37Bが形成されている。このスペーサ37も金属材36と同様にステンレス鋼としてもよいが、スペーサ37は薄板で強度向上にそれほど貢献するものではない。よって、スペーサ37は、金属材28と同様に、ステンレス鋼よりも安価なアルミニウム合金とすることが好ましい。
【0036】
また、ブラインドナット38のナット挿入孔42への装着は、周知のポップナットツール(ポップリベット・ファスナー株式会社製)を使用して行われる。すなわち、ポップナットツールのマンドレルにブラインドナット38を取り付け、このブラインドナット38を、金属材36のナット挿入孔42から金属材36の内側の空間部に挿入する。次に、ポップナットツールのトリガを引き、ブラインドナット38を撓ませて金属材36のナット挿入孔42に固定する。以上でブラインドナット38がナット挿入孔42に装着される。
【0037】
このように、実施の形態の収納容器10は、台座12の本体14を軽量なアルミニウム合金の金属材28、28…によって構成し、本体14の底部の外側枠部材18を、アルミニウム合金(ヤング率69GPa)よりもヤング率の高いステンレス鋼(例えばヤング率が197GPaであるSUS304)で構成している。
【0038】
すなわち、台座12において、底部の外側枠部材18のみをステンレス鋼とすることにより、収納容器10は全体として重量物の積層体20を収納する容器として十分な強度を取得する。本件については後述する。また、外側枠部材18は、ローラコンベアによる搬送時にローラと接触する部材であるが、アルミニウム合金よりもヤング率の高いステンレス鋼であるため、ローラコンベアによる搬送時にローラによって容易に削られることはなく耐磨耗性に優れている。よって、収納容器10の耐久性が向上する。更に、外側枠部材18のみがステンレス鋼であるので、台座の底面全体に鉄板が設けられた特許文献1の収納容器と比較して大幅な軽量化が図られる。
【0039】
更にまた、外側枠部材18をステンレス鋼とすることで、積層体20の重量によってアルミニウム合金の本体14に生じる最大変位量が、アルミニウム合金のみからなる台座と比較して大幅に減少する。この最大変位量低減効果によって、アルミニウム合金のみからなる場合の台座と同等の最大変位量となるように、アルミニウム合金の金属材28の本数を削減することができる。よって、収納容器10がより一層軽量になる。この最大変位量低減については後述する。
【0040】
一方、金属材36は、前述の如くステンレス鋼の角パイプであり、市販の量産品であるので、特注製品とするよりも収納容器10の製造コストを抑えることができる。
【0041】
次に、前述した強度取得と最大変位量低減効果について説明する。
【0042】
本件は、解析ソフト(三次元フレーム構造解析ソフト:株式会社構造計画研究所製)によって台座12の変位量(撓み量)を求め、その際の本体14及び外側枠部材18の応力を算出したものである。
【0043】
(1)荷重条件
【0044】
【表1】

【0045】
(2)解析ケース
図5の如く、台座12の4隅部を支持した段積み状態。
【0046】
図5において破線は、台座12の変位を示しており、その最大変位量を(a)として示している。
【0047】
(3)実施例の解析結果
【0048】
【表2】

【0049】
(4)比較例(アルミニウム合金のみで台座を形成:総質量1853kg)
【0050】
【表3】

【0051】
上記(3)実施例はステンレス鋼からなる外側枠部材18とアルミニウム合金からなる本体14で台座12を構成した例であり、(4)比較例は外側枠部材18及び本体14の両者ともアルミニウム合金を用いて台座12を構成した例である。これらの解析結果から分かるように、台座12の外側枠部材18をステンレス鋼とすることにより、比較例の最大変位量aが、5.1mmであるのに対し、実施例の最大変位量aは3.7mmに減少した。このことから、実施例の構造で、かつ比較例と同等の最大変位量(5.1mm)となるように設計する場合、実施例の本体14の金属材28の本数を削減することができる。
【0052】
図6は、比較例のアルミニウム合金の金属材のみからなる本体14′を示した斜視図である。図1は、比較例の本体14′と同等の最大変位量となるように、金属材28の本数を削減した実施例の本体14が示されている。図6に示すように、比較例の本体14′は、多数本の金属材28、28…を使用して強度を確保している。これに対して、図1で示した実施例の本体14は、金属材28の本数を大幅に削減することができ、構造が簡素化されたことが分かる。よって、許容変位量が同じ場合、実施例の収納容器10がより一層軽量になる。
【0053】
なお、実施の形態では、外側枠部材18の金属材36をステンレス鋼としたが、これに限定されるものではない。すなわち、本体14を構成する金属材28よりも強度がある材料であればよい。
【0054】
図7は、本発明の第1の変形例である台座50を示した縦断面図であり、実施の形態の図4に対応する図面である。
【0055】
この台座50は、本体52の略I型金属材54の下部パイプ部56の下面にステンレス鋼の板材58をカシメによって接合し、台座50の下面のヤング率を高めたものである。この台座50は、ローラ搬送時に板材58がローラに接触するため、ローラに対する耐磨耗性を有する。金属材54は、アルミニウム合金である。
【0056】
図8は、本発明の第2の変形例である台座60を示した縦断面図であり、実施の形態の図4に対応する図面である。
【0057】
この台座60は、本体62の略I型金属材64の下部パイプ部66の下面に、ステンレス鋼の鋼板68をボルト70とブラインドナット72によって接合し、台座60の下面のヤング率を高めたものである。この台座60は、ローラ搬送時に鋼板68がローラに接触するため、ローラに対する耐磨耗性を有する。金属材64は、アルミニウム合金である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の利用例として第8世代のFPD用ガラス基板を例示したが、ガラス基板のサイズはこれに限定されるものではない。また、板状体としてはFPD用ガラス基板に限定されず、板状体であれば、樹脂板、金属板等の板状体についても本発明の板状体の収納容器を適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10…収納容器、12…台座、14…本体、14′…本体、16…受皿、18…外側枠部材、20…積層体、22…ガラスストッパー、24…横押さえ部材、26…収納体、28…金属材、28A…下部フランジ、30…開口部、32…嵌合部、34…支柱、34A…胴部、34B…ガイド部、36…金属材、37…スペーサ、37A…挿入孔、37B…凹条溝、38…ブラインドナット、40…ボルト、42…ナット挿入孔、44…ボルト挿入孔、50…台座、52…本体、54…金属材、56…下部パイプ部、58…板材、60…台座、62…本体、64…金属材、66…下部パイプ部、68…鋼板、70…ボルト、72…ブラインドナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の板状体を水平状態に積層して収納する板状体の収納容器において、
前記収納容器の台座は、格子状の本体と、前記台座の底部の外側枠部材とを有し、
前記本体を構成する第1の金属材よりも、前記外側枠部材を構成する第2の金属材のヤング率が高いことを特徴とする板状体の収納容器。
【請求項2】
前記第1の金属材がI型枠材であり、前記第2の金属材が角パイプである請求項1に記載の板状体の収納容器。
【請求項3】
前記第1の金属材がアルミニウム合金であり、前記第2の金属材がステンレス鋼である請求項1に記載の板状体の収納容器。
【請求項4】
前記第1の金属材がアルミニウム合金のI型枠材であり、前記第2の金属材がステンレス鋼の角パイプである請求項1に記載の板状体の収納容器。
【請求項5】
前記角パイプと、該角パイプの上方に位置する前記I型枠材とは、前記角パイプのナット挿入孔から該角パイプの内部空間部に装着されたブラインドナットに、前記I型金属材のボルト挿入孔から挿入されたボルトを締結することにより連結される請求項2に記載の板状体の収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−148552(P2011−148552A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274891(P2010−274891)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】