説明

枕型マッサージ機

【課題】 被施療者が寝姿勢で首から肩にかかる部分の効果的なマッサージを受けることができる枕型マッサージ機を提供する。
【解決手段】 被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体20と、枕本体20に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、施療ユニット40,50を、被施療者の施療部位に応じて、枕本体20の左右方向の中心を挟んで右、左に夫々複数配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の首から肩にかかる範囲をマッサージすることのできる枕型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者が寝姿勢で首から肩にかかる部分のマッサージを受けることができる枕型のマッサージ機が提案されている。
例えば、特許文献1では、枕の内部に左右一対のエアバックを具え、該エアバックの膨張、収縮によって施療指を動作させるようにした枕型マッサージ機が開示されている。
施療指は、エアバックの膨張、収縮によって傾動する板体に取り付けられており、板体の傾動によって、板体が傾動して、施療部位を斜め左右から押圧刺激することによってマッサージが施される。
エアバックの膨張量や、膨張、収縮のスピードやタイミングを調節することによって、施療指の移動量や移動速度を変えることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−346843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施療指の移動量や移動速度を変えることによって、施療指による押圧刺激の強さや時間を調整することはできるが、施療指は板体に固定されているため、施療指が移動する軌道は変えることができず、同じ場所しかマッサージすることができなかった。
また、施療指の移動量の最大範囲は、エアバックの最大膨張量によって決定されるから、最大移動量を大きく採るには、エアバック自体を大きくする必要があった。
さらに、配備される施療指は、左右に夫々1つずつであり、同時に複数の部位を刺激することはできなかった。また、複数の部位を異なるタイミングでマッサージすることもできなかった。
【0005】
本発明の目的は、被施療者が寝姿勢で頭部から肩までの範囲の効果的なマッサージを受けることができる枕型マッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の第1の枕型マッサージ機は、
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
施療ユニットを、被施療者の施療部位に応じて、枕本体の左右方向の中心を挟んで右、左に夫々複数配置したものである。
施療ユニットのエアバック及び/又は施療指の左右間隔は、施療部位毎に異なるようにすることが望ましい。
施療ユニットのエアバック及び/又は施療指は、左右間隔を任意に変更可能とすることが望ましい。
施療ユニットのエアバックは、多段一気室又は蛇腹形状に構成することが望ましい。特に、施療部位が首である施療ユニットのエアバックを、多段一気室又は蛇腹形状に構成することが望ましい。
【0007】
また、本発明の第2の枕型マッサージ機は、
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
左右方向に対向する施療ユニットの施療指の左右間隔を、施療部位毎に異なるようにしたものである。
【0008】
さらに、本発明の第3の枕型マッサージ機は、
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
施療ユニットは、エアバック及び/又は施療指の左右間隔を任意に変更可能としたものである。
【0009】
本発明の第4の枕型マッサージ機は、
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
エアバックは、多段一気室又は蛇腹形状に構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の枕型マッサージ機によれば、施療ユニットを、被施療者の施療部位に応じて、枕本体の右、左に夫々複数配置しているから、首だけでなく、肩、又は、首と肩との間等、複数の施療部位にマッサージを施すことができる。
【0011】
また、施療部位は、首と肩では異なるから、本発明の第2の枕型マッサージ機によれば、施療ユニットの施療指の左右間隔を施療部位毎に変えたことによって、施療指が施療部位に最適な押圧刺激をできるようにすることができる。
【0012】
さらに、本発明の第3の枕型マッサージ機によれば、施療ユニットのエアバックの左右間隔を任意に変更することによって、被施療者が支持板の傾動角度を好みに応じて変えることができ、押圧刺激の強さを調整できる利点がある。
また、被施療者が、施療指の左右間隔を任意に変更可能とすることによって、好みに応じた施療部位にマッサージを受けることができる。
【0013】
本発明の第4の枕型マッサージ機によれば、支持板を傾動させるエアバックを多段一気室又は蛇腹形状とすることにより、横断面積が小さいエアバックでも支持板の傾動角度を大きく採ることができ、施療ユニットの小型化を達成できる。また、エアバックの膨張、収縮に必要な空気の量、時間も横断面積が大きいエアバックに比べて小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の枕型マッサージ機(10)に、被施療者が寝姿勢で頭部から肩までの範囲を当てて、マッサージを受けている状態を示す側面図である。図2は、枕型マッサージ機(10)の枕本体(20)を断面して示す図である。
図1及び図2に示すように、枕型マッサージ機(10)は、被施療者の頭部から肩までの範囲が当たる枕本体(20)と、該枕本体(20)内に収容された施療ユニット(40)(50)(図2参照)と、施療ユニット(40)(50)のエアバック(43)(53)に圧縮空気を送給するエアポンプ(12)とを、連結ホース(13)によって連繋して構成される。エアポンプ(12)は、作動時に騒音を発するため、枕本体(20)の外部に配置できるようにしている。なお、騒音が低ければ、エアポンプ(12)は、枕本体(20)の内部に配置することも可能である。
【0015】
図3は、枕型マッサージ機(10)の斜視図である。なお、構造をわかりやすくするために、カバー(18)を透明にして示している。
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体(20)は、スポンジや樹脂等の比較的弾力性のある材料から構成することができる。枕本体(20)は、肩側の略中央に凹み(22)が形成されており、該凹み(22)には施療ユニット(40)(50)が収容されている。枕本体(20)は、全体がカバー(18)で覆われている。
枕本体(20)は、肩側に近い部分が上方に湾曲しつつ盛り上がっており、被施療者の首近傍が施療ユニット(40)(50)に当たりやすいように構成されている。
【0016】
施療ユニット(40)(50)は、図3に示すように、枕本体(20)の凹み(22)の底面に接着等により取り付けられた基台(30)上に配置される。基台(30)には、左右方向中央の前後両端に上向きに軸受(32)(32)が突設されており、軸受(32)(32)にはヒンジ軸(34)が挿通されている。
【0017】
施療ユニットは、被施療者の首を押圧刺激する首施療ユニット(40)と、被施療者の肩を押圧刺激する肩施療ユニット(50)から構成することができる。図示の実施例では、首施療ユニット(40)と肩施療ユニット(50)を枕本体(20)の左右方向中心に対称に2基ずつ配置している。
施療ユニット(40)(50)は夫々、図3乃至図5に示すように、ヒンジ軸(34)を挟んだ両側に左右対称に配備されている。
施療ユニット(40)(50)は、支持板(42)(52)と、該支持板(42)(52)の上面から上向きに突設された施療指(44)(54)、支持板(42)(52)と基台(30)との間に配備されたエアバック(43)(53)から構成されている。
支持板(42)(52)は、一端がヒンジ軸(34)に軸支されており、基台(30)に対して傾動可能となっている。支持板(42)(52)は、後述するエアバック(43)(53)を安定して取り付けることができるように、エアバック(43)(53)の取り付けられる部分を幅広に形成することが望ましい。また、支持板(42)(52)が傾動したときに、支持板(42)(52)どうしが干渉しないように、支持板(42)の先端の一部に切欠き(48)を形成することが望ましい。これらにより、エアバック(43)(53)を支持板(42)(52)に安定して取り付けることができる幅を確保しつつ、施療ユニット(40)(50)の大型化を阻止できる。
また、支持板(42)(52)が被施療者の頭や首に直接当たらないようにするために、図5に示すように、支持板(42)(52)は、頭側、即ち、図5の紙面上側を、ヒンジ軸(34)に近い側を凹んだ形状(49)とすることが望ましい。
【0018】
施療指(44)(54)は、ゴムや樹脂等から構成することができる。施療指(44)(54)は、図4に示すように先細の円柱形のものや、複数の突起を有する形状を例示できる。施療指(44)(54)は、支持板(42)(52)に複数取り付けることもできる。また、施療ユニット(40)(50)毎に施療指(44)(54)の形状を変えてもよい。
首施療ユニット(40)は、支持板(42)の傾動により、施療指(44)が被施療者の首を挟み揉むように押圧刺激することが望ましい。従って、施療指(44)の間隔は、肩施療ユニット(50)の施療指(54)の間隔よりも広くしておくことが望ましい。施療指(44)の間隔を広く採ることによって、支持板(42)が傾動したときに、施療指(44)が首を下側から突き上げるのではなく、斜め横方向から挟み込む感じで揉みほぐすことができる。
肩施療ユニット(50)は、支持板(52)の傾動により、施療指(54)が被施療者の肩のツボを指圧することが望ましい。従って、施療指(54)は、肩のツボに合わせて取付位置を調整しておくことが望ましい。
【0019】
エアバック(43)(53)は、基台(30)と支持板(42)(52)との間に配備され、エアポンプ(12)からの圧縮空気の供給を受けて膨張し、支持板(42)(52)を傾動させる。
首施療ユニット(40)は、被施療者の首をマッサージするユニットであるから、支持板(42)を大きく傾動させる必要がある。このため、エアバック(43)は、図6又は図7に示すように、ヒンジ軸(34)に近い位置に設けることが望ましい。図6では、エアバック(43)をヒンジ軸(34)に近い側に設けており、図7では、支持板(42)の長さ方向略中央に設けている。
肩施療ユニット(50)は、被施療者の肩をマッサージするユニットであり、首施療ユニット(40)に比べて、小さな傾動角度でも押圧刺激を得ることができるから、支持板(52)の傾動角度は小さくてよい。従って、エアバック(53)は、図7に示すように、支持板(52)の長さ方向の略中央に設けたり、図8に示すように、ヒンジ軸(34)から遠い、支持板(52)の自由端側に設けることが望ましい。
【0020】
図6乃至図8に示すように、施療ユニット(40)(50)のエアバック(43)(53)が収縮している状態から、エアポンプ(12)によって、エアバック(43)(53)に圧縮空気を送給すると、エアバック(43)(53)が膨張し、支持板(42)(52)が傾動する。これによって、施療指(44)(54)が上方向に移動し、被施療者の施療部位を押圧刺激する。
図6乃至図8を比較すると、エアバック(43)(53)の配置位置がヒンジ軸(34)に近いほど(図6)、エアバック(43)(53)の膨張量に対する支持板(42)(52)の傾動角度を大きくできることがわかる。
【0021】
図9は、枕型マッサージ機(10)の制御系のブロック図である。図9に示すように、枕型マッサージ機(10)の適所に配置又は枕型マッサージ機(10)に無線、有線で接続された操作手段(62)と、該操作手段(62)からの操作命令を受信し、エアポンプ(12)を制御する制御回路(60)、エアポンプ(12)、電磁バルブ(15)(16)、及び、エアポンプ(12)から圧縮空気の送給を受けて膨張、収縮する首施療用エアバック(40)、肩施療用エアバック(50)から構成されている。
操作手段(62)は、枕型マッサージ機(10)の電源のオン、オフや、首施療用エアバック(40)、肩施療用エアバック(50)の膨張、収縮を行なう操作ボタン、両エアバック(43)(53)を予め設定されたプログラムに沿って動作させるプログラム選択ボタン等を有しており、操作命令を制御回路(60)に送信する。なお、操作手段(62)に表示部を設けておき、動作状況や選択されたプログラムの種類、進行状況等を表示するようにしてもよい。
【0022】
制御回路(60)は、操作手段(62)からの操作命令を受けて、エアポンプ(12)及び電磁バルブ(15)(16)を制御する。制御回路(60)には、操作手段(62)からの操作命令に対応した種々のプログラムが記憶されている。首施療用エアバック(43)と肩施療用エアバック(53)の膨張、収縮を行なう場合のタイミングチャート図として、図10を例示することができる。なお、タイミングチャート図10の詳細については後述する。
【0023】
エアポンプ(12)は、制御回路(60)からの動作命令を受けて、圧縮空気をエアバック(43)(53)に送給する。圧縮空気は、エアポンプ(12)内又は連結ホース(13)に設けられた電磁バルブ(15)(16)を経由して、エアバック(43)(53)に送られる。
【0024】
上記枕型マッサージ機(10)において、図1に示すように、被施療者が、頭部から肩を枕本体(20)に当てて寝転んだ状態で、操作手段(62)を操作し、首施療の動作命令を行なうと、電磁バルブ(15)が開いて、エアポンプ(12)から首施療用エアバック(40)に圧縮空気が送給され、首施療用エアバック(40)が膨張する(図6等参照)。これにより、被施療者の首が斜め横方向左右から施療指(44)によって押圧刺激されるマッサージを施すことができる。電磁バルブ(15)から排気を行なうと、首施療用エアバック(43)は収縮し、押圧刺激力が解かれる。首施療用エアバック(43)の膨張、収縮を繰り返すことにより、マッサージが繰り返される。
また、操作手段(62)を操作し、肩施療の動作命令を行なうと、電磁バルブ(16)が開いて、エアポンプ(12)から肩施療用エアバック(53)に圧縮空気が送給され、肩施療用エアバック(53)が膨張する(図8等参照)。これにより、被施療者の肩が施療指(54)によって押圧刺激されるマッサージが施される。電磁バルブ(16)から排気を行なうと、肩施療用エアバック(53)は収縮し、押圧刺激力が解かれる。肩施療用エアバック(53)の膨張、収縮を繰り返すことにより、マッサージが繰り返される。
首施療用エアバック(43)と肩施療用エアバック(54)は、夫々独立して、膨張、収縮させてもよいし、交互、又は、同時に膨張、収縮させてもよい。
エアバック(43)(53)の膨張している時間を長くすると、揉み効果や指圧効果の高いマッサージを施すことができ、エアバック(43)(53)の膨張、収縮の間隔を短くすると、叩き効果の高いマッサージを施すことができる。
【0025】
図10は、エアバック(43)(53)の膨張、収縮の間隔の一例を示すタイミングチャート図である。図10に示すように、首の施療を行なう首施療用エアバック(43)と、肩の施療を行なう肩施療用エアバック(54)の膨張、収縮の間隔は、首施療用エアバック(43)の方が長く、肩施療用エアバック(54)の方が短くなるようにすることが望ましい。首施療用エアバック(43)の膨張(T1)、収縮(T2)の間隔を長くすることにより、施療指(44)が首をゆっくりと押圧刺激するマッサージを施すことができる。肩施療用エアバック(53)の膨張(T3)、収縮(T4)の間隔を短くすることにより、施療指(54)が肩を叩くような感覚のマッサージを施すことができる。
なお、エアバック(43)(53)の膨張(T1、T3)と収縮(T2、T4)の間隔は、電磁バルブ(15)(16)の開閉時間を制御回路(60)で制御することによって、調整することができる。
【0026】
図11と図12、図13と図14は、夫々エアバック(43)(53)を多段一気室構造とした実施例を示している。図11及び図12に示すエアバック(43)(53)は、圧縮空気が充填される空気室(71)を2段重ねたものであり、図13及び図14に示すエアバック(43)(53)は、空気室を4段重ねたものであり、夫々空気室どうしが連通した構造となっている。空気室を重ねた構成とすることにより、エアバック(43)(53)の横断面積が小さくても、十分な高さを採ることができる。この構成は、特に、支持板(42)の傾動角度を大きく採る必要のある首施療ユニット(40)に適用することが有効である。多段一気室構造に代えて蛇腹構造としても同様の効果を得ることができる。
なお、空気室どうしを連通させずに、各空気室を独立させ、空気室毎にエアポンプ(12)から圧縮空気を送給可能な構成としてもよい。この場合、圧縮空気を供給する空気室の数を変えることにより、支持板の傾動角度を変えたり、施療指の押圧刺激強さの調節を行なうことができる。
【0027】
図15乃至図17は、施療指(44)(54)の間隔を可変とすることのできる構造の一例を示している。図に示すように、支持板(42)(52)には、長手方向に長孔(73)が開設されており、支持板(42)(52)の裏面には、長孔(73)に沿って複数の小突起(74)(74)が等間隔に形成されている。
施療指(44)(54)は、底面に長孔(73)を貫通する支持棒(76)と、該支持棒(76)の先端から横方向に突設された爪片(77)(77)を具える。
施療指(44)(54)が支持板(42)(52)に取り付けられた状態から、施療指(44)(54)を爪片(77)(77)が長孔(73)と平行となるように90度回転させ、この状態で、所望の位置まで施療指(44)(54)を移動させて、爪片(77)(77)が長孔(73)に対して垂直になるまで回転させることにより、施療指(44)(54)は支持板(42)(52)に固定できる。施療指(44)(54)は、爪片(77)(77)が、支持板(42)(52)の裏面の小突起(74)(74)に当たるので移動は阻止される。
上記のように、施療指(44)(54)の間隔を可変とすることにより、被施療者の所望の位置に施療指(44)(54)を当てることができ、マッサージ効果を高めることができる。
【0028】
図18乃至図20は、エアバック(43)(53)の間隔を可変とした構造の一例である。図に示すように、基台(30)には、長手方向に長孔(73)が開設されており、基台(30)の裏面には、長孔(73)に沿って複数の小突起(74)(74)が等間隔に形成されている。
エアバック(43)(53)は、底面に長孔(73)を貫通する支持棒(76)と、該支持棒(76)の先端から横方向に突設された爪片(77)を具える。なお、図に示すように、支持棒(76)及び爪片(77)は、エアバック(43)(53)に圧縮空気を送給する連結ホース(13)の一部を兼ねることもできる。
エアバック(43)(53)が基台(30)に取り付けられた状態から、エアバック(43)(53)を爪片(77)が長孔(73)と平行となるように90度回転させ、この状態で、所望の位置までエアバック(43)(53)を移動させて、爪片(77)が長孔(73)に対して垂直になるまで回転させることにより、エアバック(43)(53)は基台(30)に固定できる。エアバック(43)(53)は、爪片(77)が、基台(30)の裏面の小突起(74)に当たるので移動は阻止される。
上記のように、エアバック(43)(53)の間隔を可変とすることにより、支持板(42)(52)の傾動角度や、押圧刺激強さを所望に応じて変更でき、マッサージ効果を高めることができる。
【0029】
図21は、枕型マッサージ機(10)を使用したときに、施療ユニット(40)(50)による施療位置が、枕本体(20)の滑り等によってズレてしまわないように、ズレ止め部材(79)を具えた枕型マッサージ機(10)を開示している。
ズレ止め部材(79)は、図22に示すように、基台(30)から肩側に向けて延びる板状体や布状体を例示できる。ズレ止め部材(79)は、図21に示すように、枕本体(20)の肩側から突出するように配置され、カバー(18)から露出するようにしておく。なお、図示のズレ止め部材(79)は、基台(30)にヒンジを介して回動自在に連結されている。
上記構成によれば、被施療者が寝転んだときに、ズレ止め部材(79)が被施療者の背中に当たって、施療ユニット(40)(50)及び枕本体(20)がズレてしまうことはないので、被施療者は、同じ施療部位に施療指(44)(54)によるマッサージを受けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、被施療者の首だけでなく肩にもマッサージを施すことができ、施療効果の高い枕型マッサージ機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の枕型マッサージ機の全体側面図である。
【図2】本発明の枕型マッサージ機の枕本体の一部を断面して示す図である。
【図3】枕本体のカバーを透過して示す斜視図である。
【図4】施療ユニットの斜視図である。
【図5】施療ユニットの平面図である。
【図6】エアバックをヒンジ軸に近い位置に取り付けた実施例を示す施療ユニットの正面図である。
【図7】エアバックを支持板の中央に取り付けた実施例を示す施療ユニットの正面図である。
【図8】エアバックを支持板の自由端側に取り付けた実施例を示す施療ユニットの正面図である。
【図9】制御系のブロック図である。
【図10】エアバックの膨張、収縮のタイミングチャート図である。
【図11】2段一気室エアバックを膨張させた状態を示す施療ユニットの正面図である。
【図12】2段一気室エアバックを収縮させた状態を示す施療ユニットの正面図である。
【図13】4段一気室エアバックを膨張させた状態を示す施療ユニットの正面図である。
【図14】4段一気室エアバックを収縮させた状態を示す施療ユニットの正面図である。
【図15】施療指の間隔を変更できる施療ユニットの平面図である。
【図16】施療指の間隔を変更できる施療ユニットの正面図であり、一部を断面して示している。
【図17】施療指の間隔を変更できる施療ユニットの底面図である。
【図18】エアバックの間隔を変更できる施療ユニットの平面図である。
【図19】エアバックの間隔を変更できる施療ユニットの正面図であり、一部を断面して示している。
【図20】エアバックの間隔を変更できる施療ユニットの底面図である。
【図21】ズレ止め部材を具える枕本体の斜視図であって、カバーを透過して示している。
【図22】ズレ止め部材を基台に取り付けた施療ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
(10) 枕型マッサージ機
(20) 枕本体
(40) 首施療ユニット
(42) 支持板
(43) エアバック
(44) 施療指
(50) 肩施療ユニット
(52) 支持板
(53) エアバック
(54) 施療指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
施療ユニットを、被施療者の施療部位に応じて、枕本体の左右方向の中心を挟んで右、左に夫々複数配置したことを特徴とする枕型マッサージ機。
【請求項2】
施療ユニットのエアバック及び/又は施療指の左右間隔は、施療部位毎に異なる請求項1に記載の枕型マッサージ機。
【請求項3】
施療ユニットのエアバック及び/又は施療指は、左右間隔を任意に変更可能である請求項1又は請求項2に記載の枕型マッサージ機。
【請求項4】
施療ユニットのエアバックは、多段一気室又は蛇腹形状である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の枕型マッサージ機。
【請求項5】
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
左右方向に対向する施療ユニットの施療指の左右間隔を、施療部位毎に異なるようにしたことを特徴とする枕型マッサージ機。
【請求項6】
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
施療ユニットは、エアバック及び/又は施療指の左右間隔を任意に変更可能としたことを特徴とする枕型マッサージ機。
【請求項7】
被施療者の頭部から肩までの範囲を支持する枕本体と、
枕本体に取り付けられるエアバックと、エアバックの上面に当接し、枕本体の左右方向中心側で軸支された支持板と、該支持板の上面に配置され、被施療者の施療部位を押圧刺激する施療指とを含む施療ユニットを、支持板の一端が枕本体の左右方向中心に傾動可能に支持され、施療ユニットが枕本体の左右方向の中心を挟んで対称となるように配置した枕型マッサージ機において、
枕本体から被施療者の肩側に向けて枕本体及び施療ユニットのズレを防止するズレ止め部材を具えることを特徴とする枕型マッサージ機。
【請求項8】
支持板を傾動可能に軸支する基台を具え、ズレ止め部材は、基台にヒンジを介して回動自在に連結されている請求項7に記載の枕型マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−325790(P2006−325790A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151913(P2005−151913)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】