説明

果実の梱包及び輸送のためのライナー

本発明は、容器のためのライナー及び前記ライナーを利用して果実又は野菜を梱包及び輸送する方法を提供するものであり、前記容器は果実又は野菜を梱包、輸送及び陳列するためのもので、前記ライナーはベース及び少なくとも4つの側壁を有しており、少なくとも1つの側壁は取外し可能な部分を有し、この取外し可能な部分は前記容器の上部にわたり移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
ここに記載の発明は、概して果実又は野菜の梱包、輸送及び販売用の容器のためのライナーに関する。特に、本発明はバナナの梱包、輸送及び販売のためのライナーに向けられているが、本発明の範囲は必ずしもそれに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
背景技術
多くの果実及び野菜は簡単に凹みが付き、そのような凹みは通常損傷の開始点である。現在のところ、果実及び野菜の梱包及び輸送の間における損傷を最小限にするために、大量の紙及びプラスチック材料が梱包過程で使用される。従って、果実及び野菜の梱包に関する大きな問題は、それらの果実及び野菜が目的地の市場に最良の状態で届けられるよう、凹まないように保護するために使用される材料の量である。
【0003】
梱包の過程で果実又は野菜を保護するために使用された材料の多くは、最終的には廃棄される。現在使用されている材料のいくつかはリサイクル可能であるが、全ての材料がリサイクル可能というわけではない。したがって、資源消費量を減らすために、使用される梱包材料の量を減少させる必要がある。さらには、浪費及び環境への衝撃を減らすために、使用材料は十分にリサイクル可能にしなければならない。梱包材料の大量消費によって、果実及び野菜に支払われる実際の価格という観点からだけでなく、環境に対する費用という観点においても、消費者に対する最終的な費用が増加する。
【0004】
さらに、多くの果実及び野菜は凹み易い傾向があること、及び消費者はより高品質の果実及び野菜を要求していることから、凹みを最小限にするために、生産者、卸業者及び小売業者を含めた業界の多くの人々は、果実及び野菜が最初に梱包された容器が、輸送されて小売のために陳列される容器でもあることを望んでいる。
【0005】
同じ容器が小売及び輸送に使用されることが望まれているものの、多くの小売業者は、見栄えが重要なことから自分の好みの陳列容器で果実及び野菜を見せることを好む。チェリーやレディフィンガーバナナのような果実を含め、市場でニッチな場所を有する生産物にとって、見栄えは特に重要である。
【0006】
レディフィンガーバナナは、生産量が小さいため、及びそのすばらしい香りからと考える人もいるが、他の多くの栽培バナナよりも高価格を要求されており、他方、チェリーも生産量が小さいために高価格を要求されている。加えて、チェリーは輸送中で簡単に凹む。したがって、そのような生産物は、良い状態で小売市場に届けられるだけでなく、適切に陳列されることが特に重要である。
【0007】
したがって、果実及び野菜の梱包と輸送のための容器用ライナー、及び販売の陳列としても随意にできるライナーを提供できれば好都合であり、少なくとも上述のデメリットの幾つかは解消され、有益な又は商業的な選択を提供するであろう。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
第一の実施形態において、本発明は容器のためのライナーを提供するものであり、この容器は果実又は野菜の梱包及び輸送のためのものであり、このライナーは、
a)ベースと、
b)少なくとも、4つの側壁とを有し、
少なくとも1つの側壁は取外し可能な部分を有し、この取外し可能な部分は容器の上部にわたり移動可能になっている。
【0009】
第二の実施形態において、本発明は果実及び野菜を梱包し輸送する方法を提供するものであり、この方法は、
a)ライナーを容器内で位置決めする段階と、ここでこのライナーは
i)ベースと、
ii)少なくとも4つの側壁とを有し、少なくとも1つの側壁は取外し可能な部分を有しており、
b)果実又は野菜をライナー内に梱包する段階と、
c)輸送前に取外し可能な部分を容器の上部にわたり移動する段階と、
d)輸送後に取外し可能な部分を容器の上部から移動して、果実及び野菜の梱包を解いて陳列することが出来るようにする段階と、を有している。
【0010】
果実及び野菜を梱包して輸送する容器は、目的に適した容器であればいかなる種類の容器も可能である。加えて、容器は陳列目的にも適する。好適な実施形態においては、容器は、3つの段階、すなわち梱包、輸送及び陳列の全てに使用することのできる単体の容器である。容器は、したがって、ボックス、トレー又はクレートであることが可能であり、このボックス、トレー又はクレートは、ベースと少なくとも4つの側壁とを有し、ベースと側壁とは空洞を規定する。容器は、複数の容器が積み重ね可能であるように適合されることが望ましい。
【0011】
容器は、木、ボール紙、又はプラスチックを含む、既知の適切な材料から作られる。特に、好適な実施形態においては、容器はプラスチックで作られる。
【0012】
ライナーのベース及び側壁は、果実又は野菜を位置決めするための空洞を規定し、ライナーが、果実及び野菜の梱包、輸送及び随意の陳列のための容器内で位置決めされると、果実又は野菜はライナーの空洞内に配置される。ライナーは、それによって、梱包及び輸送の間において、果実又は野菜を保護するように働く。
【0013】
ライナーのベースは、容器のベース及び側壁によって規定される空洞内にぴったり嵌るとともに容器のベースを十分に覆ういかなる大きさのものでも可能である。同様に、ライナーの少なくとも4つの側壁は、ライナーの側壁が容器のベースと側壁とによって規定される空洞内にぴったり嵌るとともに容器の側壁を十分に覆ういかなる大きさのものでも可能である。
【0014】
上で特徴付けられた第一の実施形態に関し、取外し可能な部分はライナーのベース及び側壁によって限定された空洞への開口部を覆うように、取外し可能な部分は容器の上部にわたり移動可能である。取外し可能な部分はライナー内に果実又は野菜を十分に覆うことが望ましい。取外し可能な部分は、したがって、輸送の間において果実又は野菜をさらに保護する。
【0015】
取外し可能な部分は、取外しができるが、リバーシブルかリバーシブルでないかのどちらでもよい。取外し可能な部分は、既知の適切な方法であればいかなる方法によっても、ライナーの側壁と取付け可能である。取外し可能な部分は、したがって、取外し可能な部分が容易に取り外せるように、ステッチをすることによってライナーの側壁に取付け可能である。簡易なタッキングステッチ又はパラレルチェーンステッチは、取外し可能な部分を容易に取外すことのできるステッチの例である。
【0016】
特に望ましい実施形態においては、取外し可能な部分は、ミシン目を介してライナーの側壁に取付けられ、これによって、取外し可能な部分を側壁から引き裂くことによって容易に取外すことができ、果実又は野菜の梱包を解いて陳列することができる。このように、果実又は野菜は、輸送された同じ容器で陳列することができ、それによって、果実又は野菜の扱いを最小限にするとともにそれらの損傷を最小限にすることもできる。
【0017】
さらなる実施形態においては、ライナーの2つの側壁はそれぞれ取外し可能にすることができる。各取外し可能な部分は、ライナーのベース及び側壁によって規定された空洞への開口部を十分に覆うような大きさであり、それによって、輸送の間において果実又は野菜をライナー内で保護する。別の案としては、組み合わされた2つの取外し可能な部分が、ライナーのベース及び側壁によって規定された空洞への開口部を十分に覆うような大きさであり、それによって、輸送の間において果実又は野菜をライナー内で保護する。
【0018】
さらなる別の実施形態において、1つの取外し可能な部分がライナー内に配置された果実又は野菜の第1の層を覆うために使用され得る。果実又は野菜の第2の層は、この取外し可能な部分の上に置くことができ、果実又は野菜の2層間のクッションとして機能する。第2の取外し可能な部分は、果実又は野菜の第2の層と空洞への開口部とを十分に覆う大きさであり、これによって、輸送の間において果実又は野菜をライナー内で保護する。
【0019】
典型的には、ライナーは、果実及び野菜での使用に適した材料であればいかなる材料からでも作ることができる。ライナーは、比較的薄くて柔らかい材料で作られており、果実又は野菜に対してクッションになるの望ましい。したがって、ライナーは、紙、薄いボール紙、プラスチック材料又は布のような材料で作ることができる。特に、ライナーは布でできていることが望ましく、特に、果実又は野菜が呼吸をすることができる布が望ましい。
【0020】
ライナーによって果実又は野菜が呼吸できるということは重要であるが、果実又は野菜が輸送の間において乾燥しないということも重要である。したがって、ライナーは、果実又は野菜が呼吸をするとともに乾燥を促進しないような材料でできていることが望ましい。
【0021】
特に好適な実施形態において、ライナーは、水分を与えることが可能であるとともに水分を保持する材料から作られる。このように、水分を与えられたライナーは、容器に湿気を作り出し、ライナーが、果実及び野菜が呼吸をするような材料で作られていても、水分を与えられたライナーから生じた湿気は、果実及び野菜が輸送中に乾燥することを防止する。
【0022】
ライナーは、適切な流体であればどんな流体によっても水和させることができる。望ましいのは、ライナーは、水を使用することである。特に好適な実施形態においては、水和流体は、ジベレリンのようなエチレン化吸収剤又はエチレン化遅延剤を付加的に含む。
【0023】
ライナーは、果実又は野菜の梱包及び輸送の過程のいかなる時でも水分を与えることが可能である。したがって、ライナーを容器に配置する前に、ライナーに水分を与えることが可能であり、又は、ライナーを容器に配置した後に、ライナーに水分を与えることが可能である。ライナーを容器に配置した後、ライナーに水分を与えた場所がどこであれ、果実又は野菜をライナーに梱包する前又は後のいずれでもライナーに水分を与えることができる。
【0024】
環境に対する費用を減らすために、ライナーに使用される材料はリサイクル可能であることが望ましい。より好適な実施形態においては、ライナーはリサイクル可能な高分子材料から作られる。したがって、ライナーは、ポリプロピレンの布から作ることが可能である。ライナーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルから作ることも可能である。
【0025】
特に、より好適な実施形態においては、ライナーはポリエステルの繊維又はポリエステルのフリースから作られる。ポリエステルの繊維又はフリースは、バージンポリエステル、リサイクルされたPET、又はバージンポリエステルとリサイクルされたPETとの組み合わせから作ることが可能である。ライナーがバージンポリエステルとリサイクルされたPETとの組み合わせから作られていれば、ライナーがリサイクルされたPETをどのような比率で有していても、輸送の間において果実及び野菜を保護するために適したライナーとなる。
【0026】
ライナーを作るために使用される高分子の布の厚さは、梱包、輸送及び陳列される果実及び野菜に依存する。核果のような柔らかくてもろい生産物は、キャベツのようなより堅い生産物に比べてより厚い布、したがってよりクッション性のある布が必要である。
【0027】
高分子の布の厚さは、1平方メートルあたりのグラム数(gsm)で表される密度に直接関係する。高分子材料の密度は、約20gsmから約140gsmまで変わり得る。高分子材料の密度は、約40gsmから約120gsmまでの範囲にあるのが望ましい。さらに好適なのは、約50gsmから約110gsmまでの範囲である。高分子の布については、約100gsmの密度を有するのが特に望ましい。
【0028】
さらなるクッションが必要な場合、より厚い材料で作られるライナーを利用する案と別の案として、粗面化又はスカッフィングされた低密度の材料からライナーを作ることも可能である。材料の粗面化又はスカッフィング化によって、房状の外観を有するライナーとなる。材料は、表面の片面又は両面に対して粗面化又はスカッフィング化が可能であり、それによって、クッション性の向上したライナーを作ることができる。
【0029】
さらなる実施形態において、ライナーを作るために使用される材料の天然のクッション性は、積み重ねによって高めることができる。粗面化又は積み重ねによる材料によって得られるさらなるクッション性によって、ライナー内に配置される果実及び野菜の保護が強化されるだけでなく、バナナ及びマンゴーの幹から出るような樹液をより多く吸収するようになる。
【0030】
ライナーは、さらに、ライナーのベース及び側壁によって規定される空洞を複数の領域に分割する働きをする少なくとも1つの仕切り部材を有することができる。少なくとも1つの仕切り部材は、空洞を、大きさのほぼ等しい別々の領域又は不均等な別々の領域に分割することができる。
【0031】
ライナーが2つ又はそれ以上の仕切り部材を有する場合、各仕切り部材は、ライナーを同じ方向に区切るように方向を合わせることができ、又は、異なる方向に区切るように方向付けすることができる。より好適な実施形態においては、空洞がほぼ大きさの等しい3つの別々の領域に分割されるように、ライナーは2つの仕切り部材を有する。
【0032】
少なくとも1つの仕切り部材は、果実及び野菜での使用に適した材料であればいかなる材料からでも作ることができる。少なくとも1つの仕切り部材は、比較的薄くて柔らかい材料から作られているとともに果実又は野菜に対してクッション性を有することが望ましい。したがって、少なくとも1つの仕切り部材は、紙、薄いボール紙、プラスチック材料又は布のような材料から作ることが可能である。
【0033】
少なくとも1つの仕切り部材は、ライナーと同じ材料から作ることができるし、又は、ライナーの材料とは異なる材料から作ることができる。望ましいのは、少なくとも1つの仕切り部材は、ライナーと同じ材料から作られることである。さらに望ましいのは、少なくとも1つの仕切り部材は、布から作られることである。少なくとも1つの仕切り部材は、果実又は野菜が呼吸をすることができる布から作られることが望ましい。特に、好適な実施形態においては、少なくとも1つの仕切り部材は高分子の布から作られることである。
【0034】
少なくとも1つの仕切り部材は、ライナーに取付け可能であるが、リバーシブルかリバーシブルでないかのどちらでもよい。別の実施形態においては、少なくとも1つの仕切り部材は、ライナーと一体で形成されることが可能である。
【0035】
上で特徴付けられた第1の実施形態において、ライナーは、果実又は野菜を梱包して輸送するための容器にライナーを取付けることができる取付け方法をさらに有することができる。取付け方法は、ライナーが容器にリバーシブルに取付け可能なように、既知の適切な取付け方法であればいかなる方法でもよい。
【0036】
取付け方法は、つまみ、輪又は穴のような方法を有することができる。取付け方法の形式は、ライナーが取付けられる容器によって異なる。取付け方法は、ライナー上の適切な箇所であればいかなる箇所であっても可能である。
【0037】
より好適な実施形態においては、取付け方法は、少なくとも1つの穴を有し、それによって、少なくとも1つの穴は容器上の対応する突起部にぴったり嵌り、その結合はライナーを適切な位置に保つように働く。望まれるのは、穴が容器の対応する突起物にぴったり嵌ると、ライナーの側壁が開口を保ち、ライナー内の果実又は野菜を容易に梱包を解き又はしっかりと陳列できるように、少なくとも1つの穴が位置決めされることである。
【0038】
選択的に、ライナーは印刷物を添付することが可能である。印刷物は、適切な方法であればどんな方法によっても、ライナーに付けることが可能である。したがって、印刷物は、ライナーに直接印刷することが可能であり、又は粘着性のラベルによって取付けることが可能である。印刷物は、下記のいずれか1つ又はそれ以上のことに関する事項を含めることが可能である。すなわち、生産者、卸業者及び小売業者である。印刷物は、ライナー内の果実又は野菜に関する情報を含めることが可能である。
【0039】
本発明を容易に理解し実践できるようにするために、本発明の1つの又はそれ以上の実施形態が、例のみによって、添付の図面とともに、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図面の簡単な説明
【図1】図1は、輸送のために1箱のバナナを梱包するために現在使用されている材料を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態にしたがい、輸送のために1箱のバナナを梱包するために使用される材料を示している。
【図3A】図3Aは、プラスチックのクレートに位置決めされた本発明の実施形態にしたがったライナーの図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの実施形態の別の図である。
【図4】図4は、段ボール箱に位置決めされた本発明の実施形態にしたがったライナーの上面図である。
【図5】図5は、ライナーによって形成された空洞の上に折り畳まれた2つの側壁の取外し可能な部分を示す1つの実施形態にしたがったライナーの図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態のライナーのベースを示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態にしたがったライナーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
好適な実施形態の詳細な説明
まず、図1を参照し、バナナを梱包するための容器10が示されている。輸送中に果実を保護するために現在使用されている梱包材料の分量が示されている。この材料は、気泡クッション12、紙14及びプラスチックのシート16からなっており、単一の容器10を梱包するのに要する実際の分量が示されている。要求される材料の分量及び種類によって、果実を小売のために陳列するために、梱包材料の梱包を解いて除去することが必要である。
【0042】
本発明によって提供された梱包材料の削減を対比させるために、図2は、本発明の実施形態にしたがって、輸送用として単一の容器10のバナナを梱包するために使用される(折り畳まれた)ライナー18を示している。
【0043】
図3Aは、プラスチックのプレート20に位置決めされた本発明の実施形態にしたがったライナー18の図である。ライナー18は、ベース22、側壁24及び取外し可能な部分26からなっている。ライナーは、ライナー18内に梱包される果実又は野菜をさらに保護するために仕切り28をさらに有している。取外し可能な部分26を有する2つの側壁24は、穴30をさらに有している。使用にあたっては、穴30はクレート20の対応する突起物(図示されていない)にぴったり嵌り、その結合はライナーをクレート20内に保持するように働く。穴30と突起物との相互結合は、販売時に取外し可能な部分26を外すと果実又は野菜を陳列することができるように、取外し可能な部分26を有する側壁24を垂直に保持するようにも働く。
【0044】
図3Bは、図3Aのライナー18の別の図であり、対応する外観には番号が同様に付されている。
【0045】
図4は、段ボール箱10に位置決めされた本発明の実施形態にしたがったライナー18の上面図である。図3A及び図3Bの実施形態に対応した外観には、番号が同様に付されている。
【0046】
図5は、容器10内に位置決めされた1つの実施形態にしたがったライナー18の図である。ライナーの2つの側壁(図では見えない)は、ライナー18によって形成された空洞の上に折り重ねられた取外し可能な仕切り28を有している。取外し可能な仕切り28は、ライナー18内の果実及び野菜を輸送中において保護する。
【0047】
図6は、本発明の実施形態のライナー18の上面を示す図である。ライナー18は、ベース22及び4つの側壁24を有する。ベース22は、仕切り28によって3つの領域に分けられる。仕切り28は、ライナー18内に位置決めされた果実及び野菜を保護する働きをする。
【0048】
図7は、本発明の実施形態にしたがったライナー18の斜視図である。ライナー18は、ベース22及び側壁24を有する。側壁のうち、2つは取外し可能な部分26を有している。取外し可能な部分26は、ミシン目によって側壁24につながっている。ミシン目32によって、ライナー18の内容物が小売のために陳列できるように、取外し可能な部分26を輸送後に簡単に除去できるようになっている。
【0049】
ライナー18は、ライナー18を別々の領域に分けるために仕切り28をさらに有しており、ライナー18の内容物に対してさらに保護する。ライナー18は、輸送用にライナー18を容器(図示されていない)に結合するための手段を提供する穴30をさらに有している。使用にあたっては、穴30は容器の対応する突起物にぴったり嵌り、ライナー18の位置を保持するように働くとともにライナー18の側壁24を容器内に垂直に保持するようにも働き、ライナー18の内容物を陳列することを援助する。
【0050】
上述から分かるように、本発明は果実又は野菜用の容器のためのライナーを提供するものであり、ライナーは、梱包、輸送及び陳列の間において、果実又は野菜を保護する。ライナーは、大量の梱包材料を不要にするとともに、果実又は野菜を小売用に陳列するために梱包を解く必要もなくなる。加えて、本発明のライナーは、現在の梱包方法に代わり、低価格でリサイクルの十分可能な手段を提供するものである。
【0051】
上述の実施形態は、本発明の原理のみを示すものであり、様々な改良及び変形が当業者にとって可能である。本発明は、様々な方法及び他の実施形態で実施及び実行することが可能である。ここで使用されている専門用語は、記載の目的でなされたものであり、限定していると見なされてはならないということも理解すべきである。
【0052】
「有する」という用語及び「有している」のような変形の用語は、規定された単数又は規定された複数の整数値を示すためにここで用いられたおり、文脈又は用語を排他的に理解することを要求する使用でない限り、いかなる他の単数の整数値又は複数の整数値を排除するものではない。
【0053】
本明細書において引用されている刊行物に対するいかなる参照によっても、本開示がオーストラリアにおいて共通の一般的な知識をなしているとは認められないものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のためのライナーであって、前記容器は果実又は野菜を梱包及び輸送するためのものであり、前記ライナーは、
a)ベースと、
b)少なくとも4との側壁とを有し、少なくとも1つの側壁は取外し可能な部分を有しており、
この取外し可能な部分は前記容器の上部にわたり移動可能であるライナー。
【請求項2】
前記ライナーのベース及び側壁は、前記ライナーが果実又は野菜を梱包及び輸送をするための容器に位置決めされると、その野菜又は果実を位置決めするための空洞を規定する請求項1に記載のライナー。
【請求項3】
前記取外し可能な部分は、前記空洞の開口部を十分に覆う請求項2に記載のライナー。
【請求項4】
前記ライナーの2つの側壁は、それぞれ取外し可能な部分を有する請求項2に記載のライナー。
【請求項5】
前記2つの取外し可能な部分は、双方合わせて前記空洞の開口部を十分に覆う請求項4に記載のライナー。
【請求項6】
前記各取外し可能な部分は、ミシン目によって前記ライナーの側壁につながっている請求項1に記載のライナー。
【請求項7】
前記ライナーは、ポリプロピレンの布及びポリエステルの布から洗濯されたリサイクル可能な高分子材料から作られる請求項1から6のいずれか1項に記載のライナー。
【請求項8】
前記ライナーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のポリエステル布でできている請求項7に記載のライナー。
【請求項9】
前記高分子材料は、平方メートルあたり(gsm)約20と約140との間を有する厚さである請求項7又は8に記載のライナー。
【請求項10】
前記高分子材料は、約40と約120gsmを有する厚さである請求項9に記載のライナー。
【請求項11】
前記高分子材料は、約100gsmを有する厚さである請求項10に記載のライナー。
【請求項12】
前記高分子材料は、水分を与えること及び水分を保持することが可能な請求項7に記載のライナー。
【請求項13】
前記ライナーは、前記ライナーのベース及び側壁によって規定される前記空洞を別々の領域に分けるように働く少なくとも1つの仕切り部材をさらに有する請求項2から12のいずれか1項に記載のライナー。
【請求項14】
前記容器は、さらに果実又は野菜を陳列するためにも使用される請求項2から13のいずれか1項に記載のライナー。
【請求項15】
果実又は野菜を梱包及び輸送する方法であって、
a)ライナーを容器内に位置決めする段階と、ここで、前記ライナーは、
i)ベースと、
ii)少なくとも4つの側壁とを有しており、少なくとも1つの側壁は取外し可能な部分を有し、
b)果実又は野菜を前記ライナー内に梱包する段階と、
c)輸送前に前記取外し可能な部分を前記容器の上部にわたり移動させる段階と、
d)前記果実及び野菜の梱包を解き又は陳列することができるように、前記取外し可能な部分を前記容器の上部から動かす段階と、を有する方法。
【請求項16】
前記ライナーは、ポリプロピレンの布又はポリエステルの布から選択されたリサイクル可能な高分子材料からできている請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ライナーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のポリエステル布からできている請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記高分子材料は、平方メートルあたり(gsm)約20と約140との間を有する厚さである請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記高分子材料は、約40と約120gsmを有する厚さである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記高分子材料は、約100gsmを有する厚さである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記高分子材料に水分を与える段階をさらに有する請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記高分子材料に水分を与える段階は、前記ライナーを前記容器内に位置決めする前に行なうか又は前記ライナーを前記容器内に位置決めした後におこなう請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ライナーは、前記ライナーの前記ベース及び前記側壁によって規定される前記空洞を別々の領域に分けるように働く少なくとも1つの仕切り部材をさらに有する請求項15から22のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−521860(P2011−521860A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511938(P2011−511938)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000690
【国際公開番号】WO2009/146488
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510317368)エムティー アンクル グレイジング カンパニー (1)
【Fターム(参考)】