説明

染料固着剤を含む陰イオン性液状洗剤

界面活性剤として、線状アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、並びにエーテルカルボキシレート及び/またはベタインのうちの一種またはそれ以上の成分、及び非イオン性界面活性剤を含み、かつ染料固着剤として、ジアリル−ジメチル−アンモニウムクロライドのホモポリマーもしくはコポリマー、またはシアナミド類とアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、またはシアナミド類とアルデヒド及びモノアミンとの反応生成物、またはモノアミン及び/またはポリアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、またはポリアミンとシアナミド類及びアミド硫酸との反応生成物を含む、液状洗剤及び洗浄剤が特許請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一種もしくは二種以上の染料固着剤を含む、繊維材料用の液状洗剤及び洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、繊維材料用の洗剤では、粉末状洗剤の他に、液状洗剤が非常に重要な製品群を構成している。
【0003】
液状洗剤は、主成分として界面活性剤を含む。この際、近代の洗剤では、通常複数種の界面活性剤が同時に使用される。これに関連しては陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組み合わせが有用であることが判明している。
【0004】
通常、陰イオン性界面活性剤としては、線状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、脂肪アルコールスルフェート(FAS)、第二級アルカンスルホネート(SAS)及び一部では脂肪アルコールエーテルスルフェート(FAES)が使用される。非イオン性界面活性剤としては、長鎖の合成アルコール、例えばオキソアルコールのエトキシレートまたは天然の脂肪アルコールのエトキシレートが使用される。
【0005】
更に別の本質的な構成分としては、ポリカルボキシレートなどのビルダー、及びエタノール、グリセリンまたはプロパンジオールなどの可溶化剤が使用される。
【0006】
更に、一般的に、洗剤助剤という概念にまとめることができ、それゆえ気泡制御剤、黒ずみ防止剤、ソイルリリースポリマー、酵素、蛍光増白剤、色移り防止剤及び染料固着剤などの様々な有効物質群を包含する、添加剤構成分が低使用濃度で含まれる。
【0007】
染料固着剤は、染色した繊維材料の色あせを防止するものである。このような色あせは、特に木綿及び木綿混布製の色濃く染色された繊維材料を繰り返し洗浄すると起こる。高品質の染色された繊維材料では、色あせは、長い間使用するうちに起こる。
【0008】
これに対し、染色された繊維材料の染料の固着が弱い場合、すなわち繊維材料が“色滲み”する場合には、染料固着剤は、同時に色移り防止剤としても機能して、一緒に洗浄されている他の色に染色されているかまたは白色の繊維材料の着色を防ぐ。
【0009】
残念なことに、液状洗剤中の染料固着剤の使用は、実際では、非イオン性調合物に、すなわち陰イオン性界面活性剤を含まない調合物に限定される。その理由は、陰イオン性界面活性剤と染料固着剤との間には相溶性が無く、そのためこれらの成分の凝集、沈殿または相の分離が起こるからである。
【0010】
他方で、洗剤調合物が、できる限り良好な洗浄力を有すべき場合には、陰イオン性界面活性剤を無しで済ませることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、一種もしくはそれ以上の染料固着剤を、陰イオン性界面活性剤と組み合わせて含み、そしてこれらの成分の潜在的な非相溶性にもかかわらず、物理的及び化学的に安定している、繊維材料用の液状洗剤調合物及び洗浄剤調合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、陰イオン界面活性剤としての線状アルキルベンゼンスルホネート及び/またはオレフィンスルホネート及び/またはアルキルスルフェートを、アルキルエーテルカルボキシレート及び/またはベタイン類、及び非イオン性界面活性剤と組み合わせて含む界面活性剤系によって上記の目的を達成できることがここに見出された。
【0013】
本発明の対象は、
a1) アルキルベンゼンスルホネート、
a2) オレフィンスルホネート、
a3) アルキルスルフェート、またはこれらの混合物、
b1) エーテルカルボキシレート、及び/または
b2) ベタイン、
c) 非イオン性界面活性剤、及び
d) ジアリル−ジメチル−アンモニウムクロライドのホモポリマーもしくはコポリマー、または
シアナミド類とアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、または
シアナミド類とアルデヒド及びモノアミンとの反応生成物、または
モノアミン及び/またはポリアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、または
ポリアミンとシアナミド類及びアミド硫酸との反応生成物、
の群から選択される染料固着剤、
を含む液状洗剤及び洗浄剤である。
【0014】
個々の成分について以下に説明する。
【0015】
a1) アルキルベンゼンスルホネート
そのアルキル基は、分枝状かまたは線状であることができ、そして場合によってはヒドロキシル基で置換されていてもよく、そして不飽和(=アルケニル)であることもできる。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約13の線状アルキル鎖を含み、カチオンはナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムもしくはマグネシウム、及びこれらの混合物である。
【0016】
マイルドな界面活性剤系のためには、マグネシウムがカチオンとして好ましく、これに対し標準的な洗浄用途にはナトリウムが好ましい。
【0017】
a2)オレフィンスルホネートは、C8-C24-、好ましくはC14-C16-α-オレフィンを三酸化硫黄でスルホン化し、次いで中和することによって得られるものである。この製造方法を原因として、これらのオレフィンスルホネートは、比較的少量のヒドロキシアルカンスルホネート及びアルカンジスルホネートを含み得る。α−オレフィンスルホネートの具体的な混合物は、米国特許第3,332,880号明細書に記載されている。
【0018】
a3) アルキルスルフェートは、式ROSO3Mで表される水溶性の塩または酸であり、式中、Rは、C10-C24-炭化水素残基、好ましくはC10-C20-アルキルまたはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12-C18アルキル-またはヒドロキシアルキル基である。
【0019】
Mは、水素またはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)またはアンモニウムもしくは置換されたアンモニウム、例えばメチル−、ジメチル−及びトリメチル−アンモニウムカチオン、アルカノールアンモニウム、例えばトリエタノールアンモニウム、及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム−及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される第四級アンモニウムカチオンである。
【0020】
低い洗浄温度(例えば約50℃以下)には、C12-C16アルキル鎖が好ましく、他方、高い洗浄温度(例えば約50℃以上)にはC16-C18アルキル鎖が好ましい。
【0021】
上記の成分a1、a2及びa3は、各々単独でまたは組み合わせで、合計で3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7〜17重量%、中でも特に好ましくは7〜15重量%の濃度で使用される。
【0022】
b1) エーテルカルボキシレートは、好ましくは、以下の一般式を有するものである。
【0023】
R-(O-CH2 - CH2)n-O-CH2 -COOX
式中、Rは、n-アルキル-、iso-アルキル-、シクロアルキル-、アルキルアリール-、アリールアルキル-、及び/またはアリール-であることができる。R基は、好ましくは、8〜18個の炭素原子を含み、そして脂肪アルコール、チーグラーアルコール、オキソアルコール、ゲルベアルコール及びアルキルフェノールから誘導される。この際好ましいものは、C8-〜C18-アルキルエーテルカルボキシレート、及びオクチル−、ノニル−もしくはトリブチル−フェノールエーテルカルボン酸である。
【0024】
特に好ましいR基は、C8-アルキル-、C12/14-アルキル-、iso-C13-アルキル-、
C14/15-オキソアルキル -、C16/18-アルキル-、ラウリル-、オレイル-及び/または獣脂肪アルキルである。指数nは1〜20、好ましくは1〜15、特に好ましくは1〜12、中でも特に好ましくは2〜10である。
【0025】
Xは、水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及び/またはアルカノールアンモニウム、特にトリエタノールアンモニウムを表す。
【0026】
b2) ベタイン類は、カルボベタイン類や、スルホベタイン類であることができる。好ましいものは、カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類、特にC8-〜C18-アルキル−ジメチル−カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類、C8-〜C18-アルキルアミドプロピル−ジメチル−カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類、及びC8-〜C18-アルキル−ジポリエトキシ−カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類である。
【0027】
更に別の好適なベタイン類は、例えば、クロロ酢酸もしくはそれの塩の代わりにクロロプロピオン酸もしくはそれの塩を合成に使用した、上に挙げた化合物に類似するN−カルボキシエチル−アンモニウムベタイン類である。これの例は、アルカリ塩またはモノ−、ジ−もしくはトリアルキルアンモニウム塩としてのC12-C18-アルキル−アミノプロピオン酸塩及びC12-C18-アルキル−イミノジプロピオン酸塩である。
【0028】
好ましいスルホベタインの一つは、C12-C18-アルキル−ジメチル−スルホプロピル−ベタインである。
【0029】
本発明の液状洗剤では、上記のエーテルカルボキシレート及び/またはベタイン類は1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の量で使用することができる。
【0030】
非イオン性界面活性剤としては、特に、C8-〜C22-アルキル基を有する長鎖及び脂肪族の合成または天然のアルコールのエトキシレートが挙げられる。これらは、約1〜約25モルのエチレンオキシドを含むことができる。上記脂肪族アルコールのアルキル鎖は、線状もしくは分枝状、第一級もしくは第二級でそして飽和もしくは不飽和であることができる。
【0031】
好ましいものは、アルコール1モル当たり約2〜約18モルのエチレンオキシドを有するC10-〜C18-アルコールの縮合生成物である。これらのアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭い同族体分布(“狭範エトキシレート”(Narrow Range Ethoxylate))またはエチレンオキシドの広い同族体分布(“広範エトキシレート”(Broad Range Ethoxylates))を有することができる。特に好ましいものは、6〜10モルのEOを有するC9-C11オキソアルコール及び5〜9モルのEOを有するC12/C14-脂肪アルコールである。中でも特に好ましいものは、C11-オキソアルコール-8EO-エトキシレート、及びC12/14-脂肪アルコール-7EO-エトキシレートである。オキシエチル化されたアルコールは、好ましくは10〜15、特に11〜14のHLB値を有する。使用濃度は、一般的に5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%、中でも特に好ましくは16〜23重量%である。
【0032】
陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との質量比は、一般的に1:4〜4:1、好ましくは1:2〜2:1、特に好ましくは0.8:1〜1.5:1である。
【0033】
本発明の液状洗浄剤中に配合し得る染料固着剤は非イオン性または陽イオン性である。これらを以下に記載する。
【0034】
染料固着剤として使用し得る重縮合物は、シアナミド類とアルデヒド及びアンモニウム塩及び/またはモノアミンとの反応によって(例えば染料固着剤FFM3)、あるいはモノアミン及び/またはポリアミンとエピクロロヒドリンとの反応によって(例えば染料固着剤FFM2及びFFM4)、あるいはポリアミンとシアナミド類及びアミド硫酸との反応によって(例えば染料固着剤FFM1)得られる。
【0035】
使用されるモノアミンは、第一級、第二級または第三級アミンであることができる。これらは、脂肪族アミン、例えばジアルキルアミン、特にジメチルアミン、環状脂肪族アミン、例えばシクロヘキシルアミン及び芳香族アミン、例えばアニリンであることができる。しかし、使用されるアミンは、これと同時に、脂肪族、環状脂肪族または芳香族置換基を有することもできる。更に、複素環式化合物、例えばピリジンを使用することもできる。
【0036】
この際、ポリアミンという用語には、例えばジアミン、トリアミン、テトラアミン等々や、類似のN−アルキル−ポリアミンまたはN,N−ジアルキル−ポリアミンが包含される。これの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、へキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン及びより高級のポリアミンである。
【0037】
特に好ましいポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びジメチルアミノプロピルアミンである。
【0038】
アンモニウム塩は、アンモニアの塩、特に塩化アンモニウム、または上記のアミンもしくはポリアミンと様々な無機もしくは有機酸との塩、または第四級アンモニウム塩である。
【0039】
シアナミド類は、シアナミドまたはジシアンジアミドであることができる。
【0040】
該染料固着剤の合成に使用することができるアルデヒドは、例えば、脂肪族アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド; ジアルデヒド、例えばグリオキサール; 不飽和アルデヒド、例えばアクロレイン、クロトンアルデヒド、及び芳香族アルデヒド、例えばベンズアルデヒドである。特に好ましいものは、脂肪族アルデヒド、特にホルムアルデヒドである。
【0041】
更に、染料固着剤としては、ジアリル−ジメチル−アンモニウム−クロライド(DADMAC)に基づくホモポリマー及びコポリマーを使用することができる(例えば、染料固着剤FFM5、FFM6、及びFFM7)。
【0042】
DADMACに基づくコポリマーは、更に別の成分として、他のビニル性モノマー、例えばビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、ビニルアセテート、(メタ)アクリル酸(もしくはエステル)、アクリルアミド、スチレン、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパン−スルホン酸(AMPS)等々を含む。
【0043】
DADMACに基づくホモポリマーは、Dodigen(R) 3954、Dodigen 4033及びGenamin(R) PDAC(クラリアント社)の商品名で入手することもできる。
【0044】
染料固着剤は、該液状洗剤中に、一般的に0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%の量で使用される。
【0045】
本発明の液状洗剤は、好ましくは液状であり、そして最大で500mPasの粘度を有する。しかし、これらは、高粘性であるがなお流動性のあるゲルや、または塗ることができるペースト状であることもできる。
【0046】
特に好ましい態様の一つでは、本発明の洗剤及び洗浄剤は、溶剤としてプロパンジオール、グリセリンまたはエタノールを、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の濃度で含む。
【0047】
更に別の特に好ましい態様の一つでは、該調合物のpH値は、酸性もしくはアルカリ性物質の添加によって、5〜12の値に調節される。酸性物質は、例えば、無機もしくは有機酸、例えば硫酸、ホスホン酸、クエン酸であることができる。アルカリ性物質は、例えば苛性ソーダ溶液、苛性カリ溶液及びソーダである。酸性乃至中性の液状洗剤は、例えばウール用洗剤であり、中性乃至僅かにアルカリ性の液状洗剤は、例えば軽質洗剤であり、そしてアルカリ性洗剤は、所謂、重質洗剤である。
【0048】
本発明の界面活性剤−染料固着剤の組み合わせを含む液状洗剤及び洗浄剤は、この主の剤に慣用の更に別の構成分を追加的に含むことができる。これらについては以下に記載する。
【0049】
本発明の洗剤調合物の総界面活性剤量は、10〜70重量%、好ましくは10〜55重量%、中でも特に好ましくは20〜50重量%であることができる。
更に別の陰イオン性界面活性剤:
更に別の陰イオン性界面活性剤としては、スルフェート、スルホネート、カルボキシレート、ホスフェート及びこれらの混合物が挙げられる。この際、好適なカチオンは、アルカリ金属、例えばナトリウムもしくはカリウム、またはアルカリ土類金属、例えばカルシウムもしくはマグネシウム、並びにアンモニウム、置換されたアンモニウム化合物(モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウムカチオンを包含する)、及びこれらの混合物である。
【0050】
以下に挙げるような、アルカンスルホネート、アルキルエステルスルホネート及びアルキルエーテルスルフェートの種の陰イオン性界面活性剤が特に好ましい:
第二級アルカンスルホネートにおいては、そのアルキル基は、飽和もしくは不飽和で分枝状もしくは直鎖状であることができ、そして場合によってはヒドロキシル基で置換されていてもよい。
【0051】
スルホ基は、炭素鎖の任意の位置に存在することができるが、鎖始端及び鎖終端の第一級メチル基はスルホ基を持たない。
【0052】
好ましい第二級アルカンスルホネートは、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約20、特に好ましくは約13〜17の線状アルキル鎖を含む。カチオンは、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウムである。異なるカチオンの混合物も使用できる。
【0053】
中でも特に好ましいものは、第二級C13-17-アルカンスルホネートNa塩であり、これは、例えば、Hostapur(R)SAS(クラリアント)、Leuna-アルカンスルホネートもしくはEmulgator E30(Leuna-Tenside GmbH)またはMarlon(R) PS (Sasol)の商品名で入手することができる。
【0054】
第二級アルカンスルホネートの他に、第一級アルカンスルホネートも本発明の洗剤中に使用することができる。好ましいアルキル鎖、カチオン及び使用濃度は、上記の第二級アルカンスルホネートのものと同じである。
【0055】
アルキルエステルスルホネートは、中でも、ガス状のSO3でスルホン化されたC8-C20-カルボン酸(すなわち脂肪酸)の線状エステルである。適当な原料は、天然の脂肪、例えば獣脂、ヤシ油及びパーム油であるが、合成して得られるものでもよい。
【0056】
特に洗剤用途向けの好ましいアルキルエステルスルホネートは、次式で表される化合物である。
【0057】
【化1】

式中、R1は、C8-C20-炭化水素残基、好ましくはアルキルを意味し、そしてRは、C1-C6炭化水素残基、好ましくはアルキルを意味する。Mは、アルキルエステルスルホネートと水溶性の塩を形成するカチオンを表す。好適なカチオンは、ナトリウム、カリウム、リチウムまたはアンモニウムカチオン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。R1は、好ましくは、C10-C16-アルキルを意味し、そしてRは、メチル、エチルまたはイソプロピルを意味する。特に好ましいものは、R1がC10-C16-アルキルを意味する、メチルエステルスルホネートである。
【0058】
アルキルエーテルスルフェートは、式RO(A)m SO3Mで表される水溶性の塩または酸であり、式中、Rは、置換されていないC10-C24-アルキル-またはヒドロキシアルキル基、好ましくはC12-C20-アルキル-またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12-C18-アルキル-またはヒドロキシアルキル基を意味する。
【0059】
Aは、エトキシまたはプロポキシ単位であり、mは0よりも大きい数、好ましくは約0.5〜約6の数、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、そしてMは、水素原子またはカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、または置換されたアンモニウムカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの具体例は、メチル−、ジメチル−、トリメチルアンモニウムカチオン、及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される第四級アンモニウムカチオンである。例としては、C12-〜C18-脂肪アルコールエーテルスルフェートが挙げられ、この際、EOの含有量は、脂肪アルコールエーテルスルフェート1モル当たり1、2、2.5、3または4モルであり、そしてMは、ナトリウムまたはカリウムである。それらの強い発泡性の故に、アルキルエーテルスルフェートの使用濃度は使用目的に依存する。機械的洗浄のための洗剤では、人手による洗浄のための洗剤より低い濃度で使用される。実施の際の濃度は1〜20重量%である。本発明では、1〜10重量%、特に1〜5重量%の濃度が好ましい。
【0060】
更に、陰イオン性界面活性剤としては、アシルアミノカルボン酸の塩; アルカリ性媒体中で脂肪酸塩化物をサルコシン酸ナトリウムと反応させることによって生成されるアシルサルコシネート; 脂肪酸塩化物をオリゴペプチドと反応させることによって得られる脂肪酸−タンパク質縮合生成物; アルキルスルファミドカルボン酸の塩; アルキル−もしくはアルケニルグリセリンスルフェート、例えばオレイルグリセリン−スルフェート、アルキルフェノールエーテルスルフェート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、イセチオネート、例えばアシルイセチオネート、N−アシルタウリド、アルキルスクシネート、スルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に、飽和もしくは不飽和C12-C18-モノエステル)及びスルホスクシネートのジエステル(特に飽和もしくは不飽和C12-C18-ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリサッカライドのスルフェート、例えばアルキルポリグリコシドのスルフェート、分枝状第一級アルキルスルフェートも挙げられる。
【0061】
石鹸: 石鹸とは、長鎖の天然脂肪酸の塩である。液状洗剤中の石鹸のための脂肪酸としては、特に、主としてC12-及びC14-脂肪酸の混合物であるヤシ脂肪酸が使用される。しかし、オレイン酸、大豆脂肪酸、獣脂肪酸、ステアリン酸、ベヘン酸またはこれらの混合物などの長鎖脂肪酸も使用することができる。ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、またはモノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム塩の形で上記の脂肪酸を石鹸として使用することができる。液状洗剤に特に好ましいものは、ヤシ脂肪酸、大豆脂肪酸、オレイン酸、及びこれら同士のまたは場合により他の脂肪酸との混合物のカリウム塩、アンモニウム塩、またはモノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム塩である。
【0062】
上述のものの他に追加的に使用できる非イオン性界面活性剤:
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとを縮合することによって形成される疎水性基本部とエチレンオキシドとの縮合生成物:
これらの化合物の疎水性部は、好ましくは、約1500〜約1800の分子量を有する。この疎水性部へのエチレンオキシドの付加により、水溶性が向上される。その生成物は、縮合生成物の総重量の約50%のポリオキシエチレン含有率まで液状であり、これは、約40モルまでのエチレンオキシドとの縮合に相当する。この生成物群の商業的に入手可能な例は、BASFのPluronic(R)ブランド及びClariant GmbHの(R)Genapol PFブランドである。
【0063】
プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物と、エチレンオキシドととの縮合生成物:
これらの化合物の疎水性単位は、エチレンジアミンと過剰のプロピレンオキシドとの反応生成物からなり、そして一般的に約2500〜3000の分子量を有する。この疎水性単位に、約40〜約80重量%のポリオキシエチレンの含有率及び約5000〜11000の分子量までエチレンオキシドを付加する。この化合物群の商業的に入手可能な例は、BASFの(R)Tetronicブランド及びClariant GmbHの(R)Genapol PNブランドである。
【0064】
アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、ポリプロピレンオキシド縮合物及びポリブチレンオキシド縮合物:
これらの化合物は、線状もしくは分枝状のどちらでもよいC6-〜C20-アルキル基を有するアルキルフェノールとアルケンオキシドとの縮合生成物を包含する。好ましいものは、アルキルフェノール1モル当たり約5〜25モルのアルケンオキシドを有する化合物である。この種の界面活性剤で商業的に入手可能なものは、例えば、Igepal(R)CO-630、Triton(R)X-45、X-114、X-100及びX102、並びにClariant GmbHの(R)Arkopal-Nブランドである。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールアルコキシレート、例えばアルキルフェノールエトキシレートとも称される。
【0065】
半極性非イオン性界面活性剤:
非イオン性化合物のこのカテゴリーは、それぞれ約8〜約18個の炭素原子数のアルキル基を有する、水溶性アミンオキシド、水溶性ホスフィンオキシド及び水溶性スルホキシドを包含する。半極性非イオン性界面活性剤は、次式で表されるアミンオキシドでもある。
【0066】
【化2】

式中、Rは、炭素原子数が約8〜約22の鎖長を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルキルフェノール基であり、R2は、炭素原子数が約2〜3のアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基またはこれらの混合物であり、R1基は、それぞれ、炭素原子数が約1〜約3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、またはエチレンオキシド単位数が約1〜約3のポリエチレンオキシド基であり、そしてxは0〜約10の数を意味する。各R1基は、酸素原子もしくは窒素原子を介して互いに結合して環を形成することができる。
【0067】
特に好ましいアミンオキシドは、C8-C18-アルキル−ジメチル−アミンオキシド及びC8-C12-アルコキシエチル−ジヒドロキシエチル−アミンオキシド及びC8-C18-脂肪酸アミドアルキル−ジメチル−アミンオキシドである。アミンオキシドは、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の使用濃度で使用することができる。
脂肪酸アミド:
脂肪酸アミドは次式を有するものである。
【0068】
【化3】

式中、Rは、炭素原子数が約7〜約21、好ましくは約9〜約17のアルキル基であり、そしてR1基は、それぞれ、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ヒドロキシアルキルまたは (C2H4O)xHを意味し、xは約1〜約3の範囲である。好ましいものは、C8-C20-脂肪酸アミド、特に対応するモノエタノールアミド、ジエタノールアミド及びイソプロパノールアミドである。これらは、0.5〜5重量%、特に0.5〜3重量%の濃度で使用することができる。
【0069】
更に別の好適な非イオン性界面活性剤は、アルキル−もしくはアルケニルオリゴグリコシド、並びにそれぞれ脂肪アルキル基中に8〜20個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸ポリグリコールエステルまたは脂肪アミンポリグリコールエステル、アルコキシル化されたトリグリカミド、混合エーテルまたは混合ホルミル、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシド、脂肪酸−N−アルキルグルカミド、ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシド、及びタンパク質加水分解物である。
双性イオン性界面活性剤:
両性もしくは双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、カルボベタイン類、スルホベタイン類、アミノグリシネート、及び両性イミダゾリニウム化合物である。
【0070】
本発明の液状洗剤中で使用するのに好ましい双性イオン性界面活性剤は、カルボキシメチルアンモニウムベタイン類、特にC8-〜C18-アルキル−ジメチル−カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類、C8-〜C18-アルキルアミドプロピル−ジメチル−カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類、及びC8-〜C18-アルキル−ジポリエトキシ−カルボキシメチル−アンモニウムベタイン類である。
【0071】
更に別のベタイン類は、例えば、クロロ酢酸もしくはそれの塩の代わりにクロロプロピオン酸もしくはそれの塩を合成に使用した、上に挙げた化合物に類似するN−カルボキシエチル−アンモニウムベタイン類である。これの例は、アルカリ塩またはモノ−、ジ−もしくはトリアルキルアンモニウム塩としてのC12-C18-アルキル−アミノプロピオン酸塩及びC12-C18-アルキル−イミノジプロピオン酸塩である。好ましいスルホベタインの一つは、C12-C18-アルキル−ジメチル−スルホプロピル−ベタインである。イミダゾリンに基づく両性界面活性剤は、Miranol(R)及びSteinapon(R)の商品名で販売されている。好ましいものは、1−(カルボキシ−メチルオキシエチル)−1−(カルボキシメチル)−2−ラウリル−イミダゾリニウムのナトリウム塩である。双性イオン性界面活性剤は、共界面活性剤として使用される。それの使用濃度は、1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%である。
【0072】
本発明に含まれ得る更に別の洗剤成分には、水の硬度を低下させるための無機ビルダー及び/または有機ビルダーが挙げられる。
【0073】
無機ビルダーには、例えば、ポリホスフェートのアルカリ塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、例えばトリポリホスフェート、ピロホスフェート及びガラス様のポリマー性メタホスフェート、ホスホネート、シリケート、カーボネート(重炭酸塩も含む)及びセスキカーボネート、及び以下に記載するようなアルミノシリケートのアルカリ塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩などが挙げられる。
アルミノシリケートビルダー、特に式Naz[(AlO2)z(SiO2)y]・xH2Oのゼオライト、式中、z及びyは少なくとも6の整数を意味し、yに対するzの比率は1.0〜約0.5であり、そしてxは約15〜約264の整数を意味する。
【0074】
アルミノシリケートに基づく好適なイオン交換体は商業的に入手することができる。これらのアルミノシリケートは、結晶性かまたは非晶質の構造であることができ、そして天然に生ずるものかまたは合成して製造することができる。合成結晶性アルミノシリケートに基づく好ましいイオン交換体は、ゼオライトA、ゼオライトP(B)及びゼオライトXの名称で入手することができる。好ましいものは、粒径が0.1〜10μmのアルミノシリケートである。
【0075】
適当な有機系ビルダーには、ポリカルボキシル化合物、例えばエーテルポリカルボキシレート及びオキシジスクシネートなどが挙げられる。同様に、米国特許第4,663,071号明細書に記載の“TMS/TDS”ビルダーも挙げられる。
【0076】
他の好適なビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、マレイン酸無水物とエチレンもしくはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸のアルカリ塩、アンモニウム塩もしくは置換されたアンモニウム塩、例えばエチレンジアミン−テトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸、並びにポリカルボン酸、例えばメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、並びにこれらの可溶性の塩などが挙げられる。
【0077】
好ましい有機系ビルダーは、アクリル酸及び/またはマレイン酸に基づくポリカルボキシレート、例えばSokalan(R) CPブランド(BASF)もしくはAcusol(R)ブランド(Rhom and Haas)、並びにクエン酸イオンに基づくビルダー、例えばクエン酸及びこれの可溶性の塩、特にナトリウム塩である。
【0078】
更に別の好適なビルダーは、3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート及びこれと類似の化合物である。
【0079】
リンに基づくビルダーは、アルカリ金属ホスフェート、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、及びオルトリン酸ナトリウムである。好ましくは、ホスホネート、例えばエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート(HEDP)及び他の公知のホスホネートが本発明に使用される。
【0080】
上記の界面活性剤系及び染料固着剤を含む本発明の液状洗剤は、更に、洗浄作用を強化するか、洗浄する繊維材料の手入れに役立つか、または洗剤組成物の使用性を変える慣用の助剤を含むことができる。好適な助剤としては、例えば、酵素、特にプロテアーゼ類、リパーゼ類、セルラーゼ類、アミラーゼ類及びマンナナーゼ類; 酵素安定剤; 気泡強化剤; 気泡防止剤、例えばシリコーンオイルまたはパラフィン; 腐食保護剤; 色移り防止剤; 蛍光増白剤; UV吸収剤; 漂白剤; 保存料; アルカリ; ハイドロトロープ化合物; 酸化防止剤; 溶剤もしくは可溶化剤、例えばエタノール、グリセリン、プロパンジオール; 分散剤; 再付着防止剤; 黒ずみ防止剤; 柔軟剤; 耐電防止剤; 染料及び香料などが挙げられる。
【0081】
染料:
染料という用語には、水溶性の染料ばかりではなく、不溶性の有色顔料も包含される。しかし、水溶性染料が液状洗剤中に好ましく使用される。これには、酸性染料、直接染料及び反応性染料の部類が挙げられる。これらの部類には、例えば、アゾ染料、金属錯体染料及び多環式染料の代表物を分類することができる。
【0082】
香油及び香料:
フレグランス及び香油としては、個々の香料、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素のタイプの合成物を使用することができる。好ましくは、一緒になって心地よい香気を与える様々な香料の混合物が使用される。
【0083】
また、香油は、揮発性の低い天然の香料混合物や精油を含むこともできる。
【0084】
蛍光増白剤:
これには、特にジアミノスチルベンやジスチリルビフェニルの種の増白剤などが挙げられる。
【0085】
色移り防止剤:
これには、ポリアミン−N−オキシド、例えばポリ−(4−ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ−(4−ビニルピリジン−ベタイン)、ポリビニルピロリドンや、N−ビニルピリロドンとN−ビニルイミダゾール、場合により及び他のモノマーとのコポリマー、ポリビニルイミダゾール、更にはシクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体などが挙げられる。
【0086】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、透明であるかまたは少なくとも半透明乃至若干濁った状態であることに特徴がある。重要なことは、これらの調合物が安定しており、凝集しないということである。これらは、染料保持作用及び色移り防止作用、柔軟効果、防しわ効果、及び機械的な磨耗に対する保護を供する。
【実施例】
【0087】
比較例1〜4は、陰イオン性界面活性剤と染料固着剤(FFM)との非相溶性と、安定した陰イオン性液状洗剤の調製の問題点を実証する。
【0088】
例1及び2は、陰イオン性界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホネート及びポリマー性染料固着剤(FFM)に基づく本発明による安定した液状洗剤調合物を記載する。
【0089】
以下の陰イオン性界面活性剤を試験に使用した。
【0090】
【表1】

【0091】
比較例1:
陰イオン性界面活性剤と染料固着剤との非相溶性:
5%もしくは15%(有効物質)の陰イオン性界面活性剤含有率を有しそして染料固着剤含有率が1%(有効物質)の水溶液を調製し、そして視覚評価した(表1及び2参照)。pH値は調節しなかった。参照品として、染料固着剤を含まない界面活性剤溶液を使用した。
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
比較例2:
陰イオン性界面活性剤と染料固着剤との非相溶性
5%または15%(有効物質)の陰イオン界面活性剤含有率を有しそして染料固着剤を1%(有効物質)の含有率で含む水溶液を調製した。一般的に洗剤はアルカリ性pHであるため、pH値を9に調節した。これらの溶液を視覚評価した(表3及び4参照)。参照品として、同様にpH値を9に調節した、染料固着剤を含まない界面活性剤溶液を使用した。
【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
比較例3:
線状アルキルベンゼンスルホネートとFFM5及びFFM7との非相溶性
アルキルベンゼンスルホネートの6.3%濃度水溶液(有効物質)を調製した。この有効物質含有率は、染料固着剤を含む安定した界面活性剤混合物と同じである(例1及び2参照)。この溶液に、FFM5またはFFM7を1%(有効物質)の量で加えた。
【0098】
【表6】

線状アルキルベンゼンスルホネート/アルキルエーテルカルボキシレートまたはベタイン/非イオン性界面活性剤の界面活性剤系に基づく、染料固着剤を含む安定した陰イオン性液状洗剤の例
【0099】
例1:
総界面活性剤含有率が26%(有効物質)の陰イオン性液状洗剤調合物を調製した。
【0100】
陰イオン性界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホネート及びアルキルエーテルカルボキシレートを、非イオン性界面活性剤としてはC12/14-アルキル-7EO-エトキシレートを、そして染料固着剤としてはFFM5を使用した。
【0101】
【表7】

【0102】
例2:
総界面活性剤含有率が26%(有効物質)の陰イオン性液状洗剤調合物を調製した。
【0103】
陰イオン性界面活性剤としては線状アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルエーテルカルボキシレートもしくはベタインを、非イオン性界面活性剤としてはC12/14-アルキル-7EO-エトキシレートを、そして染料固着剤としてはFFM7を使用した。
【0104】
【表8】

【0105】
【表9】

【0106】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a1) アルキルベンゼンスルホネート、
a2) オレフィンスルホネート、
a3) アルキルスルフェート、またはこれらの混合物、
b1) エーテルカルボキシレート及び/または
b2) ベタイン、
c) 非イオン性界面活性剤、
及び
d) 次のもの、すなわち
ジアリル−ジメチル−アンモニウムクロライドのホモポリマーもしくはコポリマー、または
シアナミド類とアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、または
シアナミド類とアルデヒド及びモノアミンとの反応生成物、または
モノアミン及び/またはポリアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、または
ポリアミンとシアナミド類及びアミド硫酸との反応生成物、
の群から選択される染料固着剤、
を含む液状洗剤及び洗浄剤。
【請求項2】
成分a1、a2もしくはa3の一種またはそれ以上を3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7〜17重量%、中でも特に好ましくは7〜15重量%の量で含む、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項3】
エーテルカルボキシレート及び/またはベタインを1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、特に5〜15重量%の量で含む、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項4】
非イオン性界面活性剤を5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%、中でも特に好ましくは16〜23重量%の量で含む、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤として、HLB値が10〜15、好ましくは11〜14の合成もしくは天然アルコールのエトキシレートを含む、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項6】
陰イオン性界面活性剤:非イオン性界面活性剤との質量比が、1:4〜4:1、好ましくは1:2〜2:1、中でも特に好ましくは0.8:1〜1.5:1である、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項7】
界面活性剤系の総界面活性剤含有率が10〜70重量%、好ましくは10〜55重量%、中でも特に好ましくは20〜45重量%である、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項8】
半透明乃至若干濁った状態であることを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項9】
染料保持作用及び/または色移り防止作用を、染色された繊維材料に供することを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項10】
染料固着剤がカチオン性ポリマーであることを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項11】
繊維材料に柔軟効果を供することを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項12】
繊維材料に防しわ効果を供することを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項13】
繊維材料に、機械的磨耗に対する保護を供することを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項14】
溶剤として、プロパンジオール、グリセリンまたはエタノールを1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量で含むことを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。
【請求項15】
5〜12のpH値に調節されていることを特徴とする、請求項1の洗剤及び洗浄剤。

【公表番号】特表2008−517120(P2008−517120A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537182(P2007−537182)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011179
【国際公開番号】WO2006/045481
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】