説明

染毛剤組成物

【課題】毛髪を均一に染色することができる染毛剤組成物の提供。
【解決手段】酸化染料前駆体を含有する染毛剤組成物であって、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、(A)炭酸塩 0.75〜5質量%、(B)ユビキノン 0.0001〜1質量%、(C)アミノ変性シリコーン 0.01〜2質量%、及び(D)キレート剤 0.25〜5質量%を含有する染毛剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
染毛剤は、数十年前より普及している。特に、酸化染毛剤は、染色を長期間持続させる場合には、好ましい方法である。髪の色を4〜5レベル明るくする場合には、ブリーチでは明るい色彩が得られないので、ブリーチよりも酸化染毛処理が行われる。
【0003】
しかしながら、酸化染毛においては、髪の物理化学的状態により、得られる色が異なるという問題がある。すなわち、髪がより健康な状態である根元の部分で得られる髪の色と、髪が光や大気、洗髪等の環境の影響でよりダメージを受けた毛先部分で得られる髪の色が異なる。染毛は、毛髪の根元から毛先までの髪全体を均一に染色することを目的に行われるので、このことは大きな問題となる。また、このような問題は、髪の明るさ、すなわち、元の髪の色より明るい色にする場合には、より重大である。
【0004】
特許文献1には、コエンザイムQ10を含有する酸化染毛剤組成物が記載されている。また、特許文献2には、オルガノシロキサン化合物を含有する酸化染毛剤組成物が記載されている。しかしながら、何れの特許文献にも、髪を均一に明るくすることについては記載されていない。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1232741号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1166750号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、毛髪を均一に染色することができる染毛剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、酸化染料前駆体が酸化剤により染色物質を形成する酸化染毛剤組成物において、炭酸塩、ユビキノン、アミノ変性シリコーン及びキレート剤を特定の割合で組み合わせて用いることにより、毛髪を均一に染色できることを見出した。
【0007】
本発明は、酸化染料前駆体を含有する染毛剤組成物であって、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、(A)炭酸塩 0.75〜5質量%、(B)ユビキノン 0.0001〜1質量%、(C)アミノ変性シリコーン 0.01〜2質量%、及び(D)キレート剤 0.25〜5質量%を含有する染毛剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の染毛剤組成物は、毛髪を均一に染色することができる。特に、髪の色を明るくする場合に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で用いる成分(A)の炭酸塩としては、1価カチオンとの炭酸塩で水溶性のものが好ましい。かかる炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。これらのうち、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムが好ましく、特に、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムが好ましい。
【0010】
成分(A)の炭酸塩は、1種以上を用いることができ、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、0.75〜5質量%含有され、好ましくは0.8〜3質量%、特に好ましくは0.9〜2質量%含有される。この範囲内であると、毛髪を均一に明るく染色することができる。
【0011】
成分(B)のユビキノンは、次の一般式(1)
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、pは1〜10の数を示す)
で表されるものである。
式中、pが10であるユビキノン10は、コエンザイムQ10としても知られているもので、特に好ましい。
【0014】
成分(B)のユビキノンは、1種以上を用いることができ、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、0.0001〜1質量%含有され、好ましくは0.0005〜0.75質量%、特に好ましくは0.001〜0.5質量%含有される。この範囲内であると、毛髪を均一に明るく染色することができる。
【0015】
本発明で用いる成分(C)のアミノ変性シリコーンは、分子中に第1級、第2級、第3級及び/又は第4級窒素原子を有するシリコーン化合物である。アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコーン、ポリシリコン−9、クオタニウム−80、シリコンクオタニウム−18等が挙げられる。
【0016】
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有していればよく、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコーンのどちらでもよい。例えば、好ましいアミノ変性シリコーンとしては、以下の一般式(2)で表されるものが挙げられる。
【0017】
【化2】

【0018】
〔式中、R0は水酸基、水素原子又はRを示し、AはR、基−R′−(NHCH2CH2)nNH2、基OR又は水酸基を示し、Rは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、R′は炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、nは0〜3の数を示し、q及びrはその和が数平均で10以上1000未満、好ましくは30以上1000未満、更に好ましくは40以上800未満となる数を示す。アミノ当量は200g/mol〜3万g/mol、好ましくは400g/mol〜1万g/mol、更に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。〕
【0019】
アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、粘度600mm2/s、アミノ当量1700g/mol)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、粘度700mm2/s、アミノ当量6400g/mol)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、粘度1200mm2/s、アミノ当量1800g/mol)、KF8003(GE東芝シリコーン社、粘度1850mm2/s、アミノ当量2000g/mol)、KF867(GE東芝シリコーン社、粘度1300mm2/s、アミノ当量1700g/mol)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、アミノ当量1800g/mol)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。また、アミノ変性シリコーンオイルは、エマルションの形で配合してもよい。アミノ変性シリコーンのエマルションは、機械的乳化(アミノ変性シリコーンと水との高剪断機械混合)、化学的乳化(アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化)、若しくはこれらの組み合わせによって、又は乳化重合によっても調製することができる。
またアミノ変性シリコーンとしては、例えば、欧州特許出願公開第640643号公報に記載されているものが好ましく、特に、次の一般式(3)で表されるアミノプロピルジメチルポリシロキサン/ポリエチルオキサゾリン共重合体が好ましい。
【0020】
【化3】

【0021】
(式中、m及びnはそれぞれ20〜10000の数を示し、好ましくは50〜7000、特に好ましくは100〜5000である。xは1〜5の数を示し、好ましくは3である。yは5〜30の数を示す。R1は炭素数1〜12のアルキル基又はアリル基を示し、特にメチル基、エチル基、ベンジル基が好ましい。Y-はアニオンを示す)
【0022】
欧州特許出願公開第640643号公報、第12〜13頁に記載されているオルガノポリシロキサンA−1、A−2、A−3が好ましく、INCI名でポリシリコン−9として知られているものが最も好ましい。
【0023】
成分(C)のアミノ変性シリコーンは、1種以上を用いることができ、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、0.01〜2質量%含有され、好ましくは0.03〜1.5質量%、特に好ましくは0.05〜1質量%含有される。この範囲内であると、毛髪を均一に明るく染色することができる。
【0024】
成分(D)のキレート剤としては、特に制限されずに使用することができる。エチレンジアミン4酢酸(EDTA)又はその塩が好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。
成分(D)のキレート剤は、1種以上を用いることができ、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、0.25〜5質量%含有され、好ましくは0.3〜3質量%、特に好ましくは0.5〜2質量%含有される。この範囲内であると、毛髪を均一に明るく染色することができる。
【0025】
本発明の組成物は、展色物質としても知られている酸化染料前駆体を含有する。酸化染料前駆体は、特に限定されずに使用することができる。例えば、2,5−ジアミノトルエン、2−n−プロピル−p−フェニレンジアミン、2−エチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2−(2,5−ジアミノフェニル)エタノール、1−アミノ−4−ビス(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−アミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4−アミノジフェニルアミン、2−アミノ−5−N,N−ジエチルアミノトルエン、4−アミノ−N−エチル−N−イソプロピルアニリン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、1−β−ヒドロキシエチル−2,5−ジアミノ−4−クロロベンゼン、1−β−ヒドロキシエチル−2,5−ジアミノ−4−メチルベンゼン、2−メトキシ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、1−アミノ−4−β−メトキシエチルアミノベンゼン、1−ジメチルアミノ−4−アミノベンゼン、1−ヒドロキシ−2,5−ジアミノ−4−メチルベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノイソプロピルベンゼン、1−アミノ−4−β−ヒドロキシプロピルアミノベンゼン、又はこれらの水溶性塩、4−ヒドロキシ−2−メチルアニリン、4−アミノ−2−メチルフェノール等のフェニレンジアミン及びその誘導体;2,4,5,6−テトラアミノピリミジン及びその低級アルキル誘導体等のテトラアミノピリミジン類;4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、5−ヒドロキシ−2,4,6−トリアミノピリミジン等のトリアミノヒドロキシピリミジン類;2,6−ジヒドロキシ−4,5−ジアミノピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン、4,6−ジヒドロキシ−2,5−ジアミノピリミジン又はこれらの水溶性塩等のモノ又はジアミノジヒドロキシピリミジン類;4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、2,6−ジクロロ−4−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,6−ジブロモ−4−アミノフェノール、2−アミノフェノール又はこれらの水溶性塩等のアミノフェノール誘導体;1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール、3,4−ジアミノ−5−ヒドロキシピラゾール、3,5−ジアミノピラゾール、3,5−ジアミノピラゾール−1−カルボキサミド、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール、1−フェニル−2−メチルピラゾール、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール−1−メタノール、1−メチル−4,5−ジアミノピラゾール、1−メチルエチル−4,5−ジアミノピラゾール、1−フェニルメチル−4,5−ジアミノピラゾール、1−メチル−4,5−ジアミノピラゾール、1−(4−メチルフェニル)メチル−4,5−ジアミノピラゾール、1−メチル−3−フェニル−4,5−ジアミノピラゾール又はその水溶性塩等のピラゾール誘導体などが挙げられる。
【0026】
酸化染料前駆体又はその水溶性塩は、1種以上を用いることができ、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、塩基として、0.01〜5質量%、特に0.05〜4質量%、更に0.1〜3質量%含有されるのが、毛髪に適切な色彩を与えるために好ましい。
【0027】
本発明の組成物は、髪を明るくするために好適なものであり、酸化染料前駆体は低濃度であるのが好ましく、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、塩基として、0.01〜0.5質量%、特に0.05〜0.25質量%含有されるのがより好ましい。
【0028】
本発明の組成物は、さらに、カップリング剤を含有するのが好ましい。カップリング剤としては、例えば、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−アミノ−4−クロロフェノール、5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール、3−アミノフェノール、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−アミノベンゼン、3−N,N−ジメチルアミノフェノール、2,6−ジヒドロキシ−3,5−ジメトキシピリジン、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2−アミノ−4(β−ヒドロキシエチル)アミノアニソール、5−アミノ−3−メチルフェノール、6−アミノ−3−メチルフェノール、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2−ジメチルアミノ−5−アミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、1,3−ジアミノベンゼン、1−アミノ−3−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1−アミノ−3−〔ビス(2’−ヒドロキシエチル)アミノ〕ベンゼン、α−ナフトール、4,6−ジクロロレゾルシノール、1,3−ジアミノトルエン、1−ヒドロキシナフタレン、4−ヒドロキシ−1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、4−ヒドロキシ−1,2−メチルジオキシベンゼン、2,4−ジアミノ−3−クロロフェノール、2,6−ジヒドロキシエチルアミノトルエン、5−アミノ−2−メトキシフェノール、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン又はこれらの水溶性塩等が挙げられる。
【0029】
本発明の染毛剤組成物において、酸化染料前駆体の反応相手としてのカップリング剤は、1種以上を用いることができ、酸化染料前駆体とほぼ同じモル割合で用いるのが好ましい。カップリング剤は、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、塩基として、0.01〜5質量%、特に0.05〜4質量%、更に0.1〜3質量%含有されるのが、毛髪に適切な色彩を与えるために好ましい。
【0030】
本発明の組成物は、髪を明るくするために好適なものであり、カップリング剤は低濃度であるのが好ましく、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、塩基として、0.01〜0.5質量%、特に0.05〜0.25質量%含有されるのがより好ましい。
【0031】
酸化染料前駆体のカップリング剤に対する質量割合は、1:8〜8:1、特に1:5〜5:1、更に1:2〜2:1であるのが好ましく、1:1が最も好ましい。
【0032】
本発明の染毛剤組成物は、さらに、1種又は2種以上の直接染料を含有することができ、アニオン性、カチオン性、中性の直接染料を用いることができる。
カチオン性直接染料としては、例えば、ベーシックブルー6、ベーシックブルー7、ベーシックブルー9、ベーシックブルー26、ベーシックブルー41、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン4、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ナチュラルブラウン7、ベーシックグリーン1、ベーシックオレンジ31、ベーシックレッド2、ベーシックレッド12、ベーシックレッド22、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット2、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット14、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87等が挙げられる。
【0033】
アニオン性直接染料としては、アシッドブラック1、アシッドブルー1、アシッドブルー3、フードブルー5、アシッドブルー7、アシッドブルー9、アシッドブルー74、アシッドオレンジ3、アシッドオレンジ6、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ10、アシッドレッド1、アシッドレッド14、アシッドレッド18、アシッドレッド27、アシッドレッド50、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド87、アシッドレッド88、アシッドレッド92、アシッドレッド155、アシッドレッド180、アシッドバイオレット9、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドイエロー1、アシッドイエロー23、アシッドイエロー3、フードイエローNo.8、D&CブラウンNo.1、D&CグリーンNo.5、D&CグリーンNo.8、D&CオレンジNo.4、D&CオレンジNo.10、D&CオレンジNo.11、D&CレッドNo.21、D&CレッドNo.27、D&CレッドNo.33、D&CバイオレットNo.2、D&CイエローNo.7、D&CイエローNo.8、D&CイエローNo.10、FD&CレッドNo.2、FD&CレッドNo.40、FD&CレッドNo.4、FD&CイエローNo.6、FD&CブルーNo.1、フードブラック1、フードブラック2、ディスパースブラック9、ディスパースバイオレット1、又はこれらのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0034】
これらのアニオン性直接染料のうち、アシッドレッド52、D&CバイオレットNo.2、D&CレッドNo.33、D&CオレンジNo.4、D&CレッドNo.27、D&CイエローNo.10及びこれらの塩が好ましく、特に、アシッドレッド52、D&CバイオレットNo.2、D&CレッドNo.33、D&CオレンジNo.4、D&CイエローNo.10及びこれらの塩が好ましい。
【0035】
中性染料(HC染料)、いわゆるニトロ染料は、濃淡をつけるために、本発明の組成物中に含有することができる。
好ましい中性染料としては、例えば、HCブルーNo.2、HCブルーNo.4、HCブルーNo.5、HCブルーNo.6、HCブルーNo.7、HCブルーNo.8、HCブルーNo.9、HCブルーNo.10、HCブルーNo.11、HCブルーNo.12、HCブルーNo.13、HCブラウンNo.1、HCブラウンNo.2、HCグリーンNo.1、HCオレンジNo.1、HCオレンジNo.2、HCオレンジNo.3、HCオレンジNo.5、HCレッドBN、HCレッドNo.1、HCレッドNo.3、HCレッドNo.7、HCレッドNo.8、HCレッドNo.9、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、HCレッドNo.13、HCレッドNo.54、HCレッドNo.14、HCバイオレットBS、HCバイオレットNo.1、HCバイオレットNo.2、HCイエローNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.5、HCイエローNo.6、HCイエローNo.7、HCイエローNo.8、HCイエローNo.9、HCイエローNo.10、HCイエローNo.11、HCイエローNo.12、HCイエローNo.13、HCイエローNo.14、HCイエローNo.15、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、ピクラミン酸、1,2−ジアミノ−4−ニトロベンゾール、1,4−ジアミノ−2−ニトロベンゾール、3−ニトロ−4−アミノフェノール、1−ヒドロキシ−2−アミノ−3−ニトロベンゾール、2−ヒドロキシエチルピクラミン酸等が挙げられる。
【0036】
本発明の組成物は、1種以上の中性直接染料を含有するのが好ましい。
直接染料は、1種以上を用いることができ、その合計が、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、0.001〜5質量%、特に0.01〜3質量%、更に0.05〜2質量%含有されるのが好ましい。
【0037】
また、本発明の組成物は、髪を明るくするために好適なものであり、直接染料は低濃度であるのが好ましく、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、0.001〜0.2質量%含有されるのがより好ましい。
【0038】
本発明の組成物は、溶液、分散液、エマルション、クリーム、ゲル等の何れの形態にもすることができる。このような組成物は、染毛剤組成物に通常用いられる成分を用いて製造することができる。本発明の組成物は、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤や、アニオン性ゲル化剤、カチオン性ゲル化剤、両性ゲル化剤、非イオン性ゲル化剤;脂肪酸;アンモニア、モノエタノールアミン等のアルカリ化剤;香料、安定化剤、有機溶剤、コンディショニング剤等を含有することができる。
【0039】
このようにして得られる本発明の染毛剤組成物は、酸化剤を含有する組成物と混合して、染毛に用いられる。塗布前にこれらを混合し、毛髪に塗布する。その後、室温〜45℃、好ましくは30〜45℃の温度で15〜45分間処理した後、洗い流す。
【0040】
本発明の染毛剤組成物と、酸化剤組成物は、1:3〜3:1の質量割合、特に1:2〜2:1、さらに1:1の質量割合で混合するのが好ましい。酸化剤としては、過酸化水素が好ましく、2〜12質量%濃度で用いるのが好ましい。酸化剤としては、過酸化尿素、過酸化メラミン等の他の過酸化物を使用することもできる。
【0041】
過酸化物と混合した使用直前の染毛剤組成物は、pH5〜12、特にpH6〜11、さらにpH6.8〜10であるのが好ましい。
【0042】
本発明の染毛剤組成物は、酸化剤を含有する酸化剤組成物と別々に包装した染毛用キットとして適用することができる。
【実施例】
【0043】
実施例1
以下に示す組成の染毛剤組成物を、常法により製造した。
(成分)
ステアリルアルコール 12.0(質量%)
ステアリン酸モノエタノールアミド 4.0
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0
プロピレングリコールステアレートSE 4.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
オレイン酸 2.0
1,2−プロパンジオール 1.5
エチレンジアミン4酢酸ナトリウム 0.5
亜硫酸ナトリウム 1.0
炭酸水素アンモニウム 0.95
アスコルビン酸 0.2
香料 0.4
アンモニア(25%) 1.0
塩化アンモニウム 0.5
ポリシリコン−9 0.15
コエンザイムQ10 0.001
2,5−ジアミノトルエン硫酸塩 0.015
3−アミノフェノール 0.001
2−メチルレゾルシノール 0.005
4−ヒドロキシ−2−メチルアニリン 0.01
レゾルシノール 0.005
水 残部
合計 100
【0044】
得られた組成物を、過酸化水素を12質量%含有する水溶液からなる酸化ローションと、1:1の質量割合で混合した。この混合物を、カラーレベル6の毛髪に塗布した。40℃で30分間処理した後、毛髪を水とシャンプーで1度洗った。つやのある、レベル10以上の明るい色が得られた。また、毛髪の根元は、中央や毛先と同じ色であった。
これに対し、炭酸水素アンモニウム、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム、ポリシリコン−9及びコエンザイムQ10を含有しない組成物を用いた場合には、染色が均一ではなく、毛髪の根元部分は、中央や毛先と比べ非常に暗い色であった。
【0045】
また、カラーレベル6の2種の毛髪トレスを用いて、他の試験を行った。一方のトレスには、染毛を行う前に、市販されているパーマネントキットを用いて、パーマネント処理を行った。他方は、処理しないで用いた。両方のトレスに、上記実施例で得られた染毛剤組成物を用いて染毛を行った。また、比較として、炭酸水素アンモニウム、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム、ポリシリコン−9及びコエンザイムQ10を含有しない組成物を調製し、同様に処理を行った。
比較組成物を用いた場合には、パーマネント処理を行ったトレスと、未処理のトレスで、色の違いが大きかったが、本発明の組成物を用いた場合には、これらのトレスの間での違いが認められなかった。
このように、本発明の染毛剤組成物は、髪全体を均一に染毛することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化染料前駆体を含有する染毛剤組成物であって、酸化剤を含有する組成物と混合する前の全組成中に、(A)炭酸塩 0.75〜5質量%、(B)ユビキノン 0.0001〜1質量%、(C)アミノ変性シリコーン 0.01〜2質量%、及び(D)キレート剤 0.25〜5質量%を含有する染毛剤組成物。
【請求項2】
成分(A)の炭酸塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素アンモニウムから選ばれるものである請求項1記載の染毛剤組成物。
【請求項3】
成分(B)のユビキノンが、次の一般式(1)
【化1】

(式中、pは1〜10の数を示す)
で表されるものである請求項1又は2記載の染毛剤組成物。
【請求項4】
成分(C)のアミノ変性シリコーンが、分子中に第1級、第2級、第3級及び/又は第4級窒素原子を有するシリコーン化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の染毛剤組成物。
【請求項5】
成分(C)のアミノ変性シリコーンが、アモジメチコーン、ポリシリコン−9、クオタニウム−80及びシリコンクオタニウム−18から選ばれるものである請求項4記載の染毛剤組成物。
【請求項6】
成分(D)のキレート剤が、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)又はその塩である請求項1〜5のいずれか1項記載の染毛剤組成物。
【請求項7】
さらに、カップリング剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の染毛剤組成物。
【請求項8】
さらに、アニオン性染料、カチオン性染料及び中性染料から選ばれる直接染料を含有する請求項1〜7のいずれか1項記載の染毛剤組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の染毛剤組成物を、酸化剤組成物と、1:3〜3:1の質量割合で混合し、これを毛髪に塗布し、室温〜45℃の温度で15〜45分間処理した後、洗い流すことを特徴とする染毛方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項記載の染毛剤組成物と、酸化剤を含有する酸化剤組成物とを別々に包装してなる染毛用キット。

【公開番号】特開2008−266335(P2008−266335A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108483(P2008−108483)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】