説明

染毛用又は脱色用第1剤組成物

【課題】第2剤との混合性に優れ、毛髪への塗布時の伸びが良好であり、また濯ぎ時の指通りに優れ、更には高温での安定性に優れる染毛用第1剤組成物の提供。
【解決手段】(A)直鎖脂肪族アルコール、(B)非イオン界面活性剤、(C)アルカリ剤、及び(D)水を含有し、を含有し、成分(A)における炭素数18〜30である化合物に対する炭素数16である化合物の重量比率(A)C16/(A)C18-30が0.1以下であり、かつ、成分(B)における炭素数16のアルキル基を有する化合物の重量比率(B)C16/(B)が0.9〜1である、酸化剤組成物と混合して使用する染毛用又は脱色用第1剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2剤との混合性、毛髪への伸び、感触に優れ、かつ高温安定性に優れる染毛用又は脱色用第1剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の脱色や染色には、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含有する第2剤よりなる二剤型の永久染毛剤や脱色剤が広く利用されている(特許文献1等)。このような二剤型の染毛剤又は脱色剤は、使用直前に混合して毛髪に適用される。
【0003】
しかし、従来の二剤型染毛剤又は脱色剤では、特に第1剤がクリームである場合、第2剤との混合性が十分でないと共に毛髪へ塗布する際の伸びが悪く、染まり具合にムラを生じやすい傾向があること、及び高温で長期間保存した場合、安定性が不十分であることに問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2001-206829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、第2剤との混合性に優れ、毛髪への塗布時の伸びが良好であり、また濯ぎ時の指通りに優れ、更には高温で長期間保存した場合の安定性に優れる染毛用第1剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、直鎖脂肪族アルコールの炭素数と非イオン界面活性剤の炭素数を異なるものとし、かつ当該直鎖脂肪族アルコールとして融点の高いものを使用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D)
(A)直鎖脂肪族アルコール
(B)非イオン界面活性剤
(C)アルカリ剤
(D)水
を含有し、成分(A)における炭素数18〜30である化合物に対する炭素数16である化合物の重量比率(A)C16/(A)C18-30が0.1以下であり、かつ、成分(B)における炭素数16のアルキル基を有する化合物の重量比率(B)C16/(B)が0.9〜1である、酸化剤組成物と混合して使用する染毛用又は脱色用第1剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の染毛用第1剤組成物は、第2剤との混合性に優れ毛髪への塗布時の伸びが良好であり、また濯ぎ時の指通りに優れ、更には高温で長期間保存した場合の安定性に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
〔成分(A):直鎖脂肪族アルコール〕
成分(A)の直鎖脂肪族アルコールは、炭素数18〜30である化合物に対する炭素数16である化合物の重量比率(A)C16/(A)C18-30が0.1以下となる範囲で使用されるが、第2剤との良好な混合性・塗布時の伸び及び高温での安定性の点から、当該重量比率が0〜0.08、特に0〜0.06となることが好ましい。炭素数18〜30である直鎖脂肪族アルコールとしては直鎖アルカノールが好ましく、例えばステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、2種以上を併用することもできる。特にステアリルアルコール及びベヘニルアルコールが好ましい。
【0010】
成分(A)の含有量は、本発明の第1剤組成物中の1〜20重量%が好ましく、更には3〜15重量%、特に4〜10重量%が好ましい。
【0011】
〔成分(B)〕
成分(B)の非イオン界面活性剤は、炭素数16のアルキル基を有する化合物の重量比率(B)C16/(B)が0.9〜1となる範囲で使用されるが、第2剤との良好な混合性・塗布時の伸びの点から、当該重量比率が0.92〜1、特に0.94〜1となることが好ましい。
【0012】
成分(B)は、高温安定性の点から、HLBが3〜10である化合物の重量比率(B)HLB=3-10/(B)が1/3以下とされることが好ましく、更には1/4以下、特に1/5以下とされることが好ましい。また、HLBが3未満の化合物とHLBが10より大きい化合物とを併用することが好ましい。なお、ここでのHLBは、デイビスの方法による計算値を示す。
【0013】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル系、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセライド系、ソルビタン脂肪酸エステル系、脂肪酸モノエタノールアミド系、脂肪酸ジエタノールアミド系、アルキルポリグリコシド等の糖系が挙げられる。
【0014】
成分(B)の含有量は、高温での長期保存下での安定性の点から、本発明の第1剤組成物中の0.1〜10重量%が好ましく、更には0.5〜5重量%、特に1〜4重量%が好ましい。
【0015】
〔成分(C):アルカリ剤〕
成分(C)のアルカリ剤としては、アンモニアのほか、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール、1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン等の有機アミン類、炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリが挙げられる。これらのアルカリ剤は、2種以上を併用してもよく、アンモニア、炭酸塩の併用が好ましい。またこれらアルカリ剤の含有量は、十分な脱色・染毛効果の点、及び毛髪損傷や頭皮刺激の低減の点から、本発明の第1剤組成物中の0.05〜15重量%が好ましく、更には0.1〜10重量%、特に0.2〜8重量%が好ましい。
【0016】
〔成分(D):水〕
成分(D)の水の含有量は、本発明の第1剤組成物中の45〜85重量%が好ましい。
【0017】
〔成分(E):カチオン界面活性剤〕
本発明の第1剤組成物には、更に、(E)カチオン界面活性剤を含有させることができる。成分(E)は、組成物の安定性の点から、ジ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤のモノ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤に対する重量比率(E)di/(E)monoが0.05〜0.5が好ましく、更には0.1〜0.4、特に0.15〜0.35が好ましい。
【0018】
モノ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、N-ステアリル-N,N,N-トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(合計3モル付加)等が挙げられる。ジ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、ジイソステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ[(2-ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド、ジ[(2-ステアロイルアミノ)プロピル]ジメチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。
【0019】
成分(E)の含有量は、組成物の安定性及び感触の向上の点から、本発明の第1剤組成物中の0.1〜5重量%が好ましく、更には0.5〜4重量%、特に0.5〜3重量%が好ましい。ここで、成分(E)の成分(B)に対する重量比率(E)/(B)は、組成物の安定性及び感触の向上の点から、0.5以下が好ましく、更には0.4以下、特に0.4〜0.1であることが好ましい。
【0020】
〔成分(F):カチオン性ポリマー〕
更に、本発明の第1剤組成物には、成分(F)として、カチオン性ポリマーを含有させることができる。カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリル酸共重合物、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社,カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられ、なかでもカチオン性モノマーが全モノマー中の70重量%以上であるモノマーから得られたホモポリマー又はコポリマーが好ましい。かかるカチオン性モノマーとしては、ジメチルジアリルアンモニウム塩が好ましく、当該モノマーから得られたホモポリマー及びコポリマーとしては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体(ポリクオタニウム-6,例えばマーコート100;ONDEO Nalco社)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム-22,例えばマーコート280,同295;ONDEO Nalco社)等が挙げられ、なかでもマーコート280、同295が好ましい。
【0021】
成分(F)は、2種以上を併用することもでき、またその含有量は、髪の感触の点から、本発明の第1剤組成物中の0.01〜10重量%が好ましく、更には0.1〜5重量%、特に0.3〜3重量%が好ましい。
【0022】
〔成分(G):シリコーン類〕
更に、本発明の第1剤組成物には、髪本来の潤いを損なわず、優れた使用感を付与するために、更に成分(G)としてシリコーン類を含有することが好ましい。シリコーン類としては、ポリシロキサン類、変性シリコーン類(アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等)、環状ポリシロキサンが挙げられるが、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンが好ましく、特にジメチルポリシロキサンとアミノ変性シリコーンを併用することがより好ましい。
【0023】
ジメチルポリシロキサンとしては、特に、数平均重合度1000以上、更には1500以上、特に2000以上20000未満の高重合シリコーンが好ましい。数平均重合度が1000以上である高重合シリコーンの市販品の具体例としては、SH200-1,000,000cs(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、TSF451-100MA(GE東芝シリコーン社)、BY11-026(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合シリコーンの低粘度シリコーンによる希釈溶液)、KF9008(信越シリコーン社;高重合シリコーンの環状シリコーンによる希釈溶液)、BY22-050A(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合シリコーンのカチオンエマルション)、BY22-060(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合シリコーンを低粘度シリコーンで希釈した溶液のカチオンエマルション)、BY22-020(東レ・ダウコーニング・シリコーン社;高重合シリコーンを流動パラフィンで希釈した溶液のカチオンエマルション)、KM904(信越シリコーン社;高重合シリコーンを低粘度シリコーンで希釈した溶液のカチオンエマルション)等が挙げられる。
【0024】
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有するシリコーン類であればよく、例えば、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコーンなどがある。アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、KF8003(GE東芝シリコーン社)、KF867(GE東芝シリコーン社)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。また、アミノ変性シリコーンオイルは、エマルションの形で配合してもよい。アミノ変性シリコーンのエマルションは、機械的乳化(アミノ変性シリコーンと水との高剪断機械混合)、化学的乳化(アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化)、若しくはこれらの組み合わせによって、又は乳化重合によっても調製することができる。
【0025】
成分(G)の含有量は、十分な効果とベタつきの抑制の点から、本発明の第1剤組成物中の0.1〜15重量%が好ましく、更には1〜10重量%、特に2〜7重量%が好ましい。
【0026】
本発明の組成物が、脱色用第1剤である場合には、染料は含有せず、染毛用第1剤である場合には、酸化染料中間体又は直接染料を含有する。
【0027】
〔酸化染料中間体〕
酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知のプレカーサー及びカプラーを用いることができる。プレカーサーとしては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、2-クロロ-パラフェニレンジアミン、N-メトキシエチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2-(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラフェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルアミン、1,3-ビス(N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)アミノ)-2-プロパノール、PEG-3,3,2′-パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、2-アミノメチル-4-アミノフェノール、2-(2-ヒドロキシエチルアミノメチル)-4-アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-アセタミドフェノール、3,4-ジアミノ安息香酸、5-アミノサリチル酸、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ヒドロキシピリミジン、4,5-ジアミノ-1-(4′-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヒドロキシエチルピラゾールとこれらの塩等が挙げられる。
【0028】
また、カプラーとしては、例えばメタフェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4-ジアミノ-5-メチルフェネトール、2,4-ジアミノ-5-(2-ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4-ジメトキシ-1,3-ジアミノベンゼン、2,6-ビス(2-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4-ジアミノ-5-フルオロトルエン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2-メチル-5-アミノフェノール、2-メチル-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、2-クロロ-3-アミノ-6-メチルフェノール、2-メチル-4-クロロ-5-アミノフェノール、N-シクロペンチル-メタアミノフェノール、2-メチル-4-メトキシ-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2-メチル-4-フルオロ-5-アミノフェノール、レゾルシン、2-メチルレゾルシン、4-クロロレゾルシン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、4-ヒドロキシインドール、5-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4-メチレンジオキシフェノール、2-ブロモ-4,5-メチレンジオキシフェノール、3,4-メチレンジオキシアニリン、1-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-メチルアミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジンとこれらの塩等が挙げられる。
【0029】
プレカーサーとカプラーは、それぞれ2種以上を併用してもよく、その含有量は、それぞれ本発明の第1剤組成物中の0.01〜8重量%、特に0.1〜5重量%が好ましい。
【0030】
〔直接染料〕
直接染料としては、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、アシッドオレンジ3等が挙げられ、ニトロ染料としては、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HCブルーNo.2、HCオレンジNo.1、HCレッドNo.1、HCイエローNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.5、HCレッドNo.3、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン等が挙げられ、分散染料としては、ディスパーズバイオレット1、ディスパーズブルー1、ディスパーズブラック9等が挙げられ、塩基性染料としては、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド76、ベーシックレッド51、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31等が挙げられる。
【0031】
直接染料は、2種以上を併用してもよく、酸化染料中間体と併用してもよい。またその含有量は、本発明の第1剤組成物中の0.001〜5重量%、特に0.01〜3重量%が好ましい。
【0032】
〔媒体〕
本発明の第1剤組成物には、媒体として、成分(D)の水及び必要により有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、エタノール、2-プロパノール等の低級アルカノール類、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
【0033】
〔pH〕
本発明の第1剤組成物のpH(25℃)は、8〜12、特に9〜11が好ましい。pH調整剤としては、前記のアルカリ剤のほか、塩酸、リン酸等の無機酸;クエン酸、グリコール酸、乳酸等の有機酸;リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の無機酸塩又は有機酸塩;塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
【0034】
〔他の任意成分〕
本発明の染毛剤組成物には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、炭化水素類、動植物油脂、高級脂肪酸類、有機溶剤、浸透促進剤、天然又は合成の高分子、エーテル類、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、蛋白誘導体、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0035】
〔剤型等〕
本発明の第1剤組成物の剤型は、例えば、乳液状、クリーム状等の形態とすることができる。そして、現在広く利用されている酸化型染毛剤又は脱色剤と同様に、過酸化水素等の酸化剤を含有する第2剤と組み合わせた二剤型として、又は脱色力向上のため、更に第3剤として過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等)等の造粒物からなる粉末状酸化剤を組み合わせてなる三剤型として提供される。本発明の第1剤組成物と組み合わせる第2剤の剤型は、例えば、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、ムース状などとすることができ、エアゾール形態とすることもできる。本発明の第1剤組成物と第2剤(三剤型の場合は更に第3剤)を混合し、毛髪に塗布したときに液だれしにくいような粘度になることが望ましく、25℃、ヘリカルスタンド付きB型回転粘度計(B8R型粘度計,TOKIMEC社)で測定した粘度が2000〜10万mm2/sが好ましい。ここで、粘度は、ローターT-Cを用い、10rpm、1分間回転させた後の値とする。
【0036】
第2剤に使用される酸化剤としては、過酸化水素、及び過酸化水素発生剤である過酸化尿素、過酸化メラミン、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等が挙げられ、特に過酸化水素が好ましい。酸化剤の含有量は、十分な脱色・染毛効果、及び毛髪損傷や頭皮刺激の低減の点から、過酸化水素換算量として、第2剤組成物中の0.1〜12重量%が好ましく、更には0.5〜9重量%、特に1〜6重量%が好ましい。
【0037】
〔処理法〕
本発明の第1剤組成物を用いて毛髪を染色又は脱色処理するには、例えば本発明の第1剤を酸化剤を含有する第2剤(三剤型の場合は更に第3剤)と混合した後、15〜45℃の温度で毛髪に適用し、3〜45分間、好ましくは5〜30分間の作用時間をおいた後毛髪を洗浄し、乾燥すればよい。この場合、まず染毛剤又は脱色剤組成物を水で軽く洗い流した後、アニオン界面活性剤を含有するシャンプーを用いて洗髪し、次いで水洗すると、カチオン性ポリマーは適度に流出し、シリコーン類は適度に毛髪に残留し、良好なコンディショニング効果を示す。シャンプーとしては、ラウリルエトキシ(1〜3)硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤を5〜20重量%程度含有する一般的な水性シャンプーが好適である。
【実施例】
【0038】
実施例1及び比較例1〜2
表1に示すヘアカラー第1剤(クリーム状)を調製し、その「高温安定性」、並びに表2に示すヘアカラー第2剤と共に使用したときの、「第2剤との混合性」、「混合液の伸び」及び「髪の感触」について、下記基準に従って評価した。
【0039】
〔評価方法〕
・「高温安定性」
第1剤をガラス容器に充填し、50℃(夏の倉庫内の温度に相当)、1ヶ月間保存後の乳化状態を観察した。乳化状態が均一な場合を「○」、分離がある場合を「×」とした。
【0040】
・「第2剤との混合性」(混合比:1剤/2剤=1/1.5)
第1剤(40g)と第2剤(60g)を容積150mlのプラスチック容器に入れ、20回振とうしたときの混合液の状態を観察した。混合液が均一な乳化状態の場合を「○」、第1剤の部分的な塊があり均一でない場合を「×」とした。
【0041】
・「混合液の伸び」
パネラー10名により、上記混合液を用いてヘアカラーを施術し、毛髪への塗布時の伸びを評価した。伸びが良く塗り易い場合を「○」、伸ばし難い場合を「×」とし、「○」と評価したパネラーの数を評価点とした。
【0042】
・「髪の感触」
パネラー10名により、ヘアカラー施術後、乾燥状態の髪の感触を評価した。柔らかく、滑らかな場合を「○」、パサつく場合を「×」とし、「○」と評価したパネラーの数を評価点とした。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
実施例2
下記処方の染毛用第1剤組成物(クリーム状)を調製した。
この第1剤組成物は、高温安定性に優れると共に、表2に示す第2剤組成物と組み合わせて使用したときの混合性、毛髪への塗布時の伸び及び処理後の髪の感触に優れるものであった。
【0046】
(重量%)
パラアミノフェノール 0.9
メタアミノフェノール 0.2
トルエン-2,5-ジアミン 0.5
レゾルシン 0.5
オルトアミノフェノール 0.1
5-アミノオルトクレゾール 0.1
プロピレングリコール 5.0
アスコルビン酸 0.4
無水亜硫酸ナトリウム 0.4
エデト酸四ナトリウム二水塩 0.1
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
塩化ジアルキル(12〜18)ジメチルアンモニウム 0.2
ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(HLB=2.0) 0.8
ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル(HLB=14.5) 1.8
ステアリルアルコール 6.0
ベヘニルアルコール 0.2
ジメチコン−アミノエチルアミノプロピル・メチルポリ
シロキサン共重合体混合物 3.0
塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド
共重合体(50/50) 0.2
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸
共重合体(80/20) 1.0
カモミラエキス 0.01
海藻エキス 0.01
ローヤルゼリーエキス 0.01
炭酸水素アンモニウム 0.3
モノエタノールアミン 3.0
強アンモニア水(28%) 3.0
香料 0.5
精製水 残量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D)
(A)直鎖脂肪族アルコール
(B)非イオン界面活性剤
(C)アルカリ剤
(D)水
を含有し、成分(A)における炭素数18〜30である化合物に対する炭素数16である化合物の重量比率(A)C16/(A)C18-30が0.1以下であり、かつ、成分(B)における炭素数16のアルキル基を有する化合物の重量比率(B)C16/(B)が0.9〜1である、酸化剤組成物と混合して使用する染毛用又は脱色用第1剤組成物。
【請求項2】
成分(B)におけるHLB=3〜10である化合物の重量比率(B)HLB=3-10/(B)が1/3以下である請求項1記載の第1剤組成物。
【請求項3】
更に、(E)カチオン界面活性剤を含有し、成分(B)に対する成分(E)の重量比率(E)/(B)が0.5以下である請求項1又は2記載の第1剤組成物。
【請求項4】
成分(E)におけるモノ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤に対するジ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤の重量比率(E)di/(E)monoが0.05〜0.5である請求項3記載の第1剤組成物。
【請求項5】
更に、(F)カチオン性ポリマーを含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の第1剤組成物。
【請求項6】
更に、(G)シリコーン類を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の第1剤組成物。

【公開番号】特開2006−76914(P2006−76914A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262155(P2004−262155)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】