案内システム及び案内方法
【課題】この発明は、各座席に対応づけられている各表示器が表示している表示パターンにより車掌や乗客は、各座席の予約状況や利用状況などを確認できる。
【解決手段】この発明は、各座席に対応づけられている各表示器は、列車内サーバからの予約情報と着席確認装置による着席状況の検知結果とに基づいて、表示パターンを変更するようにしたものである。
【解決手段】この発明は、各座席に対応づけられている各表示器は、列車内サーバからの予約情報と着席確認装置による着席状況の検知結果とに基づいて、表示パターンを変更するようにしたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、指定席が設けられている列車に設置され、当該列車内での各指定席の位置案内や各座席の利用状況などを案内する案内システム及び案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、新幹線、特急列車等では、駅の発着毎に車掌が巡回して乗車券、特急券、及び指定席券等の検札を行うことで、指定席列車への乗車、及び着席確認などを行っている。また、乗客は、指定券面上の表示を見て座席を探して座っている。
このため、以下のような問題点がある。
【0003】
(1)車掌は、駅発着毎に列車内を巡回する必要があり、手間や人件費がかかる。
【0004】
(2)車掌は、乗車後の巡回のタイミングを検討する必要がある。
【0005】
(3)車掌は、乗客が寝ている場合等も検札の際は起こす必要がある。
【0006】
(4)指定席や列車違い等で着席していても、検札時や正規乗客が来た場合でしか気づかない。
【0007】
(5)乗客は、指定席券には列車番号や座席番号の情報しか表示されていないので、指定席がどこであるかを分かりづらい。
【特許文献1】特開昭64−79857号公報
【特許文献2】特開2001−97218号公報
【特許文献3】特開平7−262414号公報
【特許文献4】特開平3−217999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、列車内での検札などの業務効率が煩雑であり、さらに、乗客は指定席の位置などが分かりずらいという問題点を解決するもので、列車内の車掌の業務効率を向上させ、かつ、乗客の利便性を向上させることが可能な案内システムと案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の案内システムは、列車内の座席に関する情報を案内するシステムであって、着席確認装置と表示装置と列車内サーバと携帯端末とを具備し、前記着席確認装置は、各座席に設けられ、座席に人物が着席しているか否かを検知するセンサを有し、前記表示装置は、前記着席確認装置の前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として前記列車内サーバへ送信する第1のネットワークインターフェースを有し、前記列車内サーバは、前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信する第2のネットワークインターフェースと、前記第2のネットワークインターフェースにより受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報として記憶するデータベースと、前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記携帯端末へ更新情報を送信する第1の無線通信インターフェースとを有し、前記携帯端末は、前記列車内サーバから座席情報の更新情報を受信するための第2の無線通信インターフェースと、前記第2の無線通信インターフェースにより受信する更新情報により更新される座席情報を記憶するデータ記憶部と、前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示する表示部とを有する。
【0010】
この発明の案内方法は、列車内の座席に関する情報を案内する方法であって、前記列車内における各座席に設けられる着席確認装置が、座席に人物が着席しているか否かを検知し、前記着席確認装置が接続されている表示装置が、前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として当該列車内に設置されている列車内サーバへ送信し、前記列車内サーバが、前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信し、前記表示装置から受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報としてデータベースに記憶し、前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記座席情報の更新内容を示す更新情報を当該列車内の座席情報を表示するための携帯端末へ送信し、前記携帯端末が、前記列車内サーバからの前記更新情報を受信し、前記受信した更新情報によりデータ記憶部に記憶される座席情報を更新し、前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、列車内の車掌の業務効率を向上させ、かつ、乗客の利便性を向上させることが可能な案内システムと案内方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る案内システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、この案内システムは、列車内システムと列車外システムとからなっている。上記列車内システムは、各列車に設けられるシステムである。上記列車外システムは、鉄道会社などの各交通機関に設けられるシステムであり、例えば、各駅に設置された各駅務機器の動作状況、各列車の運行状況、各列車における座席指定席の予約情報などの鉄道会社全体のデータを管理するシステムである。
【0013】
まず、上記列車内システムについて説明する。
上記列車内システムは、列車内サーバ11、リーダライタ12、表示装置13、着席確認装置14、及び携帯端末15等により構成されている。
上記列車内サーバ11は、列車の車掌室内などに設置される。上記列車内サーバ11は、LANケーブルを介してリーダライタ12、表示装置13、及び着席確認装置14等と接続され、無線通信インターフェースを介して上記携帯端末15に無線で接続される。さらに、上記列車内サーバ11は、無線通信等により列車外に設置されている後述するセンタサーバ21との通信が可能となっている。また、上記列車内サーバ11は、列車内の各座席の予約状況、着席情報、乗車情報等の座席情報を記録するデータベース11aを有している。
【0014】
上記リーダライタ12は、乗客が所持する乗車券、特急券、指定席券等の記録内容を読取るものである。例えば、乗車券、特急券、指定席券などが無線カードで構成される場合、上記リーダライタ12は、無線カードとの無線通信を行う無線カード用のリーダライタで構成される。また、乗車券、特急券、指定席券などが磁気券に構成される場合、上記リーダライタ12は、磁気券に記録されている磁気情報を読み取るリーダライタで構成される。なお、以下の説明では、無線カードを乗車券、特急券、指定席券などとして利用される場合について説明する。
【0015】
上記表示装置13は、座席の列ごとに設けられ、座席ごとの表示器13a、13bを有している。各表示器13a、13bは、対応する座席の状態を示す表示を行う。
上記着席確認装置14は、各座席に設けられる。上記着席確認装置14は、座席に人間が着席しているか否かを検知するセンサ等により構成される。上記着席確認装置14は、例えば、重さ検知センサ、温度検知センサ、赤外線センサ等により座席に人間が着席しているか否かを検知するようになっている。
【0016】
上記携帯端末15は、車掌(係員)が利用する携帯可能な端末であるとする。上記携帯端末15は、上記電車内サーバ11との無線通信が可能となっている。上記携帯端末15は、表示部、操作部等のユーザインターフェースを有している。上記携帯端末15は、上記表示部に列車内の各座席に対する予約状況及び着席状況を表示する機能を有している。
【0017】
次に、上記列車内サーバ11の構成について説明する。
図2は、上記列車内サーバ11の構成を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、列車内サーバ11は、制御部31、表示部32、操作部33、LANインターフェース34、無線通信インターフェース35、メモリ部36、大容量記憶装置37、及び外部通信インターフェース38などから構成される。
【0018】
上記制御部31は、列車内サーバ11及び当該列車内サーバ11に接続される各機器を制御するものである。上記表示部32は、ディスプレイ装置により構成され、列車内の乗車状況、着席状況、及び予約状況などを表示する。上記操作部33は、テンキー等のキーボードにより構成され、車掌により操作指示などが入力される。
【0019】
上記LANI/F34は、列車内のLANに接続するインターフェースである。このLANI/F34により列車内サーバ11は、当該列車内に設けられたリーダライタ12、表示装置13などに接続される。上記無線通信I/F35は、無線アンテナおよび無線通信制御部により構成され、上記携帯端末15との無線通信を行うインターフェースである。上記メモリ部36は、RAM、ROM等により構成される。このメモリ部36には、制御プログラムや制御データ等が記憶されているとともに、作業用のデータを一時的に記憶する記憶装置である。
【0020】
上記大容量記憶装置37は、ハードディスクドライブや記憶媒体のリーダ装置により構成される。この大容量記憶装置37は、当該列車内の座席情報、当該列車の各座席に対する予約状況、着席状況などが記録されるデータベース11aを有している。上記外部通信インターフェース38は、上記センタサーバ21との通信を行うためのインターフェースである。例えば、センタサーバ21との通信を無線通信により実現する場合、上記外部通信インターフェース38は、アンテナ及び無線通信制御部等で構成される無線通信インターフェースで構成される。
【0021】
なお、図2に示す構成例では、列車内サーバ11に表示部32が設けられている構成としたが、車掌室内などに設置される表示装置を外部機器として接続するようにしても良い。この場合、車掌室内などに設置される表示装置は、座席情報を表示することにより、各座席の利用状況を監視する監視盤として機能する。
【0022】
次に、上記携帯端末15の構成について説明する。
図3は、上記携帯端末15の構成を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、携帯端末15は、制御部41、表示部42、操作部43、メモリ部44、アンテナ部46、通信制御部47、データ記憶部48、及び発券部49などから構成されている。
【0023】
上記制御部41は、携帯端末15全体を制御するものである。上記表示部42は、ディスプレイ装置により構成される。この表示部42には、列車内の各座席における乗車状況、着席状況、及び予約状況などを表示される。また、乗客に対して指定席券等を発券する場合、表示部42は、発券金額や操作案内などが表示される。上記操作部43は、テンキー等のキーボードにより構成され、車掌により操作指示などが入力される。また、タッチパネル内蔵の表示装置を用いて上記表示部42と上記操作部43とを構成しても良い。
【0024】
上記メモリ部44は、RAM、ROM等のメモリにより構成される。このメモリ部44は、作業用のデータを一時的に記憶したり、制御プログラムや制御データ等が予め記憶されてるものである。上記アンテナ部46は、上記無線通信制御部47に接続され、上記無線通信制御部47の制御に基づいて電波の送受信を行う。上記アンテナ部46と上記無線通信制御部47とは、上記列車内サーバ11との無線通信を行うインターフェースとして機能するものである。
また、上記アンテナ部46と上記無線通信制御部47とは、乗客が乗車券、特急券、あるいは指定席券等として機能する無線カードを所持している場合、乗客が所持する無線カードとの無線通信を行うようにしても良い。上記データ記憶部48は、当該列車の座席情報、運賃表、あるいは、複数の列車の運行時間、運行区間等を示す運行テーブルなどが記憶されている。上記発券部49は、乗客の申し出等に基づいて座席指定券などの発券処理を行う。
【0025】
次に、上記リーダライタ12の構成について説明する。
図4は、リーダライタ12の外観構成を示す図であり、図5は、リーダライタ12の内部構成を概略的に示すブロック図である。図5に示すように、リーダライタ12、制御部51、表示部52、磁気券処理部53、LANインターフェース54、無線通信インターフェース55、メモリ部56、及びデータ記憶部57などから構成されている。
【0026】
上記制御部51は、リーダライタ12全体を制御するものである。上記表示部52は、ディスプレイ装置により構成され、図4に示すように、リーダライタ12の正面に設けられる。この表示部52には、列車内の各座席における乗車状況、着席状況、及び予約状況などを表示される。また、乗客の所持している指定席券等の情報を取得した場合、表示部52には、当該指定席券の列車での位置を示す情報などが表示されされる。上記磁気券処理部53は、磁気券の記録内容を読取る磁気読取装置などにより構成され、図4に示すように、リーダライタ12の正面に設置される。上記磁気券処理部53は、乗客が乗車券、特急券、あるいは指定席券等として機能する磁気券を所持している場合、乗客が所持する磁気券を受け入れて、乗客が所持している磁気券の内容を読取るようになっている。
【0027】
上記LANI/F54は、列車内のLANに接続するインターフェースである。このLANI/F54によりリーダライタ12は、当該列車内に設けられた列車内サーバ11あるいは表示装置13などに接続される。上記無線通信I/F55は、無線アンテナおよび無線通信制御部により構成される。この無線通信I/Fは、乗客が乗車券、特急券、あるいは指定席券等として機能する無線カードを所持している場合、乗客が所持する無線カードとの無線通信を行って、乗客が所持している無線カードの内容を読取るようになっている。また、上記無線通信I/F55は、上記携帯端末15との無線通信を行うようにしても良い。
【0028】
上記メモリ部56は、RAM、ROM等のメモリにより構成される。このメモリ部56は、作業用のデータを一時的に記憶したり、制御プログラムや制御データ等が予め記憶されてるものである。上記データ記憶部57は、列車内の各座席に関する情報などが記憶される。例えば、上記データ記憶部57には、上記列車内サーバ11から供給される各座席の予約状況及び上記着席確認装置14により検知される各座席の着席状況などの情報が記憶される。
【0029】
次に、上記表示装置13の構成について説明する。
図6は、上記表示装置13の構成を概略的に示すブロック図である。図6に示すように、表示装置13は、制御部61、LANインターフェース62、表示制御部63a、表示器13a、表示制御部63b、表示器13b、及びメモリ部64などから構成されている。なお、上記表示装置13には、上記表示器13a、13bとともに、報知手段として機能するスピーカなどの音声出力装置を設けても良い。
【0030】
上記制御部61は、表示装置13全体を制御するものである。上記表示制御部63a、63bは、それぞれ表示器13a、13bに接続されている。上記表示器13a、13bは、それぞれ座席に対応して設けられる。例えば、表示器13a、13bは、表示ランプで構成され、上記表示制御部63a、63bは、上記表示器13a、13bを点滅させたり、点滅間隔の制御を行う。
また、上記表示器13は、複数の色を表示できるもので構成しても良い。この場合、上記表示制御部63a、63bは、上記表示器13a、13bの表示色を制御、点滅等の表示制御を行う。上記メモリ部64は、RAM、ROM等のメモリにより構成される。このメモリ部64は、作業用のデータを一時的に記憶したり、制御プログラムや制御データ等が予め記憶されてるものである。
また、上記制御部61には、上記表示器13a、13bが対応する各座席に設置されている着席確認装置14に接続されている。これにより、上記制御部61は、上記着席確認装置14からの各座席における着席状態の検知結果を受信するようになっている。
【0031】
次に、上記列車外システムについて説明する。
図7は、列車外システムの構成例を示す図である。上記列車外システムは、図1及び図7に示すように、センタサーバ21、各駅に設けられる駅務機器システム22、及び監視装置23などから構成されている。上記センタサーバ21は、各駅に設置された各駅務機器の動作状況、各列車の運行状況、各列車における座席指定席の予約情報などの鉄道会社全体のデータを管理するシステムである。上記駅務機器システム22は、各駅に設置される駅務機器から構成されるシステムである。上記監視装置23は、例えば、各駅の駅員室内などに設置され、上記センタサーバ21が保持しているデータの表示などを行う装置である。
【0032】
上記駅務機器システム22の構成について説明する。
図7には、駅務機器システムの構成例が示されている。図7に示すように、駅務機器システム22は、例えば、発券機71、係員窓口用発券機72、精算機73、及び改札機74などの駅ごとの各駅務機器からなるシステムである。
【0033】
上記発券機71は、利用者の操作により乗車券、特急券、座席指定券などの券を発券するものである。例えば、乗車券、特急券、座席指定券などの券として磁気券が利用される場合、上記発券機71は、乗車券、特急券、座席指定券などの情報を記録した磁気券を発券する。また、乗車券、特急券、座席指定券などの券として無線カードが利用される場合、上記発券機71は、乗車券、特急券、座席指定券などの情報を記録した無線カードを発行する。なお、利用者が無線カードを所持している場合には、利用者が所持している無線カードに乗車券、特急券、座席指定券などの情報を記録するようにしても良い。
【0034】
上記係員窓口用発券機72は、利用者の申し出に応じて駅係員が操作することにより乗車券、特急券、座席指定券などの券を発券するものである。なお、乗車券、特急券、座席指定券などとして利用される記録媒体は、上記発券機71と同様に、磁気券であっても良いし、無線カードであっても良い。上記精算機73は、駅構内等に設けられ、乗り越しなどの精算処理を行う機器である。上記改札機74は、駅の改札口に設けられ、利用者が所持する券による入場判定あるいは出場判定を行う機器である。
【0035】
また、各駅務機器は、ネットワークを介してセンタサーバ21に接続されている。各駅務機器は、処理内容を示す情報を上記センタサーバ21へ出力したり、上記センタサーバ21からのデータを受信するようになっている。例えば、座席指定券を発券する際、上記発券機71及び係員窓口用発券機72は、上記センタサーバ21に指定する列車における空席状況を問い合わせ、センタサーバ21から供給される当該列車内の空席から座席の予約を行う。
また、利用者あるいは係員により空席から予約する座席が指定された場合、発券機71及び係員窓口用発券機72は、センタサーバ21に指定された座席を示す情報を通知し、センタサーバ21は、通知された座席の予約を確定するようになっている。この結果、センタサーバ21には、列車全体の予約情報が蓄積される。
【0036】
次に、上記センタサーバ21の構成について説明する。
図7には、センタサーバ21の構成例がブロック図により示されている。上記センタサーバ21は、駅務機器システムの管理などを行うものである。すなわち、上記センタサーバ21は、各駅務機器の動作状況、全路線における全列車の運行状態あるいは各列車の指定席の予約状況などを管理している。また、上記センタサーバ21は、全列車における各座席の予約情報を記録しているデータベース21aを有しているものである。
【0037】
上記センタサーバ21は、図7に示すように、制御部81、表示部82、外部通信インターフェース83、ネットワークインターフェース84、メモリ部85、及び大容量記憶装置86などから構成される。
上記制御部31は、センタサーバ21全体の制御を司るものである。上記表示部32は、ディスプレイ装置により構成される。上記外部通信インターフェース83は、上記列車内サーバ11との通信を行うインターフェースである。この外部通信インターフェースによりセンタサーバ21から上記列車内サーバ11へデータが供給される。上記ネットワークI/F84は、各駅務システム内の各駅務機器、及び監視盤23等と接続するインターフェースである。このネットワークI/F84により上記センタサーバ21は、各駅務機器からの処理状況を示す情報を受信する。
【0038】
また、上記発券機71あるいは係員窓口用発券機72が座席指定券を発券する場合、上記センタサーバ21と上記発券機71あるいは係員窓口用発券機72とは、上記ネットワークI/F84を介して予約状況の問い合わせ処理や座席予約の確定処理を行う。上記メモリ部85は、RAM、ROM等により構成される。このメモリ部85には、制御プログラムや制御データ等が記憶されているとともに、作業用のデータを一時的に記憶する記憶装置である。
【0039】
上記大容量記憶装置86は、ハードディスクドライブや大容量の記憶媒体のリーダ装置により構成される。この大容量記憶装置86は、各駅務機器から受信した処理状況を示す情報などが記憶される。また、大容量記憶装置86は、各列車における座席の予約情報が記憶されているデータベース21aを有している。このデータベース21aには、列車番号等の各列車を示す情報に対応して、各列車内の予約可能な各座席の予約状況を示す情報が記録されるものである。上記データベース21aに記憶されている座席の予約情報は、上記発券機71あるいは上記係員窓口発券機72にて座席指定券を発券するごとに更新される。また、上記データベース21aに記憶されている座席の予約情報は、列車を示す列車番号等により特定される列車の列車内サーバ11へ送信されるものである。
【0040】
次に、上記のように構成される案内システムにおいて、利用者が座席指定券を購入してから列車に乗車するまでの全体処理の流れを概略的に説明する。
まず、上記発券機71または上記係員窓口用発券機71は、座席指定券を発券する際、上記センタサーバ21とのデータ通信により座席の予約を確定してから座席指定券を発券する。これにより、上記センタサーバ21には、データベース21aに列車ごとの予約情報が記憶される。
【0041】
次に、各列車には、センタサーバ21から予約情報が通知される。列車内サーバ11では、上記センタサーバ21から受信した予約情報をデータベース11aに記憶するとともに、列車内に設置されている表示装置13へ対応する座席の予約情報を通知する。これにより、各表示装置13は、対応づけられている座席の予約情報を保持するとともに、予約情報と上記着席確認装置14からの検知結果とに応じて表示器による表示パターンの制御を行う。この表示パターンの制御について後で詳細に説明する。
【0042】
一方、上記座席指定券を購入した利用者が列車の乗車すると、列車内に設置されたリーダライタ12は、利用者(乗客)が所持している座席指定券に記憶されている情報を読み取る。上記リーダライタ12では、座席指定券から情報を読み取ると、座席指定券の座席の位置を示す案内を表示するとともに、列車内サーバ11へ乗車した乗客を示す情報を通知する。なお、座席指定券は、無線カードであっても良いし、磁気券であっても良い。また、座席位置の案内が不要な乗客は、リーダライタ12で座席指定券を読取らせることなく、当該座席指定券の座席へ行っても良い。
【0043】
上記列車内サーバ11は、リーダライタ12から乗客が乗車した旨の通知を受けると、当該座席の表示器へ乗客が乗車したことを示す情報を通知する。これにより、各表示装置13は、当該座席に対応する表示器にて予約している乗客が乗車してきたことを表示する。上記座席指定券を所持する乗客が指定席に着席すると、表示装置13は、着席確認装置14からの検知結果に基づいて人物が着席したことを判断する。
これにより人物が着席したことを判断すると、表示装置13は、人物が座席に着席したことを示す情報を上記列車内サーバ11へ通知する。上記列車内サーバ11では、上記データベース11aに記憶している予約情報と各着席確認装置14により検知される着席状況とに基づいて各座席の状態を示す情報を保持している。これにより、列車内サーバ11の表示部32には、車掌の操作に基づいて、各座席の予約状況及び利用状況(着席状況)が表示される。
【0044】
また、車掌が所持している携帯端末15は、上記列車内サーバ11との通信により各座席の予約状況及び利用状況が記憶される。これにより、車掌は、携帯端末15を携帯し、携帯端末15の表示部42に表示される予約状況及び利用状況を確認する。また、車内で乗客が座席指定券を要望した場合、車掌は、上記携帯端末15を用いて座席指定券を発券する。この場合、携帯端末15の表示部42に表示される予約状況及び利用状況を確認しつつ、空いている座席の指定券を発券する。
これにより座席指定券を発券する際、上記携帯端末15は、上記列車内サーバ11へ座席指定券を発券する座席を示す情報を通知する。この通知を受信すると、上記列車内サーバ11では、上記携帯端末15から通知された情報に基づいて上記データベース11aに記憶している予約情報を更新する。
また、列車内サーバ11は、予約情報などを更新した際に、上記センタサーバ21へ通知するようになっている。また、上記列車内サーバ11は、利用状況(着席状況)あるいは乗車確認等の情報を上記センタサーバ11へ通知するようにしても良い。
【0045】
次に、上記列車内システムが設置された列車内での動作例について詳細に説明する。
以下の動作例では、特急列車の指定席に乗車する場合を想定し、乗車券、特急券、座席指定券等として無線カードを用いるものとして説明する。なお、乗車券、特急券、座席指定券等として磁気券を用いた場合も磁気券の記録内容を読取ることにより、以下に説明する動作例と同様な動作を実現可能である。
【0046】
まず、列車内サーバ11の動作について説明する。
図8は、列車内サーバ11の動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、列車内サーバ11の制御部31は、外部通信I/F38によりセンタサーバ21からの当該列車に対する座席の予約状況を示す予約情報を受信する(ステップS1)。センタサーバ21から予約情報を受信すると、制御部31は、受信した予約情報を座席情報の一部として上記データベース11aに記録する(ステップS2)。上記データベース11aに列車の各座席の予約情報を記録すると、制御部31は、上記LANI/F34により各表示装置13へ対応する各座席の予約情報を含む座席情報を送信するとともに、無線通信I/F35により携帯端末15へ全座席の座席情報を送信する(ステップS3)。これにより、各表示装置13では、それぞれ対応する座席の座席情報を受信してメモリ部64に保持する。同様に、携帯端末15では、列車内の全座席の座席情報を受信してデータ記憶部48に保持する。
【0047】
上記データベース11aに座席情報が記憶されている状態において車掌が操作部33により座席情報の表示を指示した場合、制御部31は、車掌による操作に応じて座席情報を表示部32に表示する(ステップS4)。上記表示部32に表示する座席情報は、列車内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良いし、各車両ごとに車両内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良い。また、上記操作部33に対する操作に基づいて特定の座席に対する座席情報を表示部32に表示するようにしても良い。
【0048】
また、上記データベース11aに座席情報を記録した状態でセンタサーバ21から予約情報を更新するための更新情報を受信した場合(ステップS5、YES)、制御部31は、受信した更新情報に従ってデータベース11aに記録されている予約情報を更新する(ステップS6)。上記データベース11aを更新すると、制御部31は、予約情報を更新した座席に対応する表示装置を判断する。この判断により制御部31は、上記LANI/F34により予約情報が更新された座席に対応する表示装置に更新情報を送信するとともに、制御部31は、上記無線通信I/F35により更新情報を携帯端末15へ送信する(ステップS7)。これにより、予約情報が更新された座席に対応する各表示装置13及び携帯端末15は、予約情報を更新する。
【0049】
また、例えば、リーダライタ12が列車に乗車した乗客の座席指定券を読み取った場合、リーダライタ12は、当該座席指定券の乗客が乗車したことを示す情報を列車内サーバ11へ送信する。すなわち、上記データベース11aに座席情報を記録した状態でリーダライタ12から乗車が確認されたことを示す情報(更新情報)を受信した場合(ステップS8、YES)、制御部31は、受信した更新情報に従ってデータベース11aに記録されている座席情報を更新する(ステップS9)。この場合、データベース11aには、乗車が確認された座席の情報として当該座席の乗客が乗車済みであることを示す情報が追加記録(更新)される。
【0050】
上記データベース11aを更新すると、制御部31は、乗客の乗車が確認された座席に対応する表示装置13を判断する。この判断により制御部31は、上記LANI/F34により乗客の乗車が確認されたことを示す情報を当該座席に対応する表示装置13に送信するとともに、制御部31は、上記無線通信I/F35により乗客の乗車が確認された座席の情報を携帯端末15へ送信する(ステップS10)。これにより、乗客の乗車が確認された座席に対応する各表示装置13及び携帯端末15は、乗客の乗車が確認された座席の情報を受信する。
【0051】
また、例えば、表示装置13は、着席確認装置14からの検知結果に基づいて当該座席の着席状況の変化を検知した際、列車内サーバ11へ着席状況を示す情報(着席しているか否かを示す情報)を通知する。すなわち、上記データベース11aに座席情報を記録した状態で表示装置13から着席状況を示す情報(更新情報)を受信した場合(ステップS11、YES)、制御部31は、受信した着席状況を示す情報に基づいてデータベース11aを更新する(ステップS12)。つまり、制御部31は、上記データベース11aの座席情報における着席状況を示す情報を更新する。上記データベース11aを更新すると、制御部31は、上記無線通信I/F35により更新情報を携帯端末15へ送信する(ステップS13)。
【0052】
また、例えば、車掌が携帯端末15により列車内で座席指定券を発券する場合、上記携帯端末15は、列車内サーバ11との通信を行って発券する座席の予約を確定する。すなわち、上記携帯端末15からの要求に応じて座席の予約を確定した場合(ステップS14、YES)、制御部31は、上記データベース11aに記憶されている、予約を確定した座席に対応する予約情報を予約有りであることを示す情報(更新情報)に更新する(ステップS15)。上記データベース11aの予約情報を更新すると、制御部31は、予約情報を更新した座席に対応する表示装置13を判断する。この判断により制御部31は、上記LANI/F34により予約情報が更新された座席に対応する表示装置13に更新情報を送信する(ステップS16)。これにより予約情報が更新された座席に対応する各表示装置13は、予約情報を更新する。
【0053】
上記のように、列車内サーバ11は、センタサーバ21から供給される予約情報に基づいて、予約情報、着席状況、及び乗車確認情報などからなる各座席に対する座席情報をデータベース11aに記憶しておき、上記センタサーバ21、上記リーダライタ12、上記表示装置13及び上記携帯端末15から座席情報の更新情報を受信するごとに、データベース11aを更新するとともに、各機器へ通知するようにしたものである。これにより、列車内サーバ11では、常に、列車内の全座席に対する予約情報、着席情報及び乗車確認情報等の座席情報を管理できる。
【0054】
次に、リーダライタ12の動作について説明する。
図9は、リーダライタ12の動作を説明するためのフローチャートである。
利用者(乗客)が列車に乗車すると、乗車した車両の入口付近に設置されているリーダライタ12の制御部51は、無線通信インターフェース55により乗客が所持する無線カード(券)から乗車券、特急券、座席指定券等の情報を読取る(ステップS21)。これにより乗客が所持している無線カードから情報を読取ると、制御部51は、乗客が所持している無線カードが当該列車の乗車券であるか否かを判断する(ステップS22)。この判断により乗客が所持している券が当該列車の乗車券でないと判断した場合、制御部51は、乗車した列車が間違であることを上記表示部52により報知する(ステップS23)。これにより、誤って間違った列車に乗車してしまった場合でも、乗客は、直に、当該列車を降りることが可能となる。
【0055】
また、上記判断により乗客が所持している券が当該列車の乗車券であると判断した場合、制御部51は、当該乗客が所持している無線カードから読取った情報に基づいて座席予約があるか否かを判断する(ステップS24)。この判断により座席予約なしと判断した場合、制御部51は、座席予約が無しであることを上記表示部52により報知する(ステップS25)。この際、表示部52により座席予約無しで乗車可能な自由席の車両などを案内するようにしても良い。これにより、座席予約無しの自由席利用の乗客にも、自由席車両を案内することができる。
【0056】
また、上記判断により座席予約があると判断した場合、制御部51は、乗客から読取った座席指定券の情報に基づいて、予約席の車両及び座席の位置を判断する。予約席の車両及び座席の位置を判断すると、制御部51は、車両及び座席の位置を示す案内を上記表示部52に表示する(ステップS26)。また、予約席の車両及び位置を判断した際、上記制御部51は、列車内サーバ11へ乗客の乗車を確認した旨を通知する(ステップS27)。
【0057】
上記のように、乗客が列車の乗車した際に、リーダライタ12にて乗客が所持している券の情報を読取り、乗客が座席指定券を所持している場合には、予約している座席の車両及び位置を案内表示するようにしたものである。これにより、乗客が乗車した際に、予約している座席が何処にあるかを認識できる。
また、乗客が所持している券から読取った情報を列車内サーバ11に通知することにより、上記列車内サーバ11側では、どの客が乗車したかを確認することが可能となる。
なお、リーダライタによる座席等の案内を省略して、乗客の乗車確認だけを行うようにしても良い。この場合、リーダライタでの座席位置の案内等は行われないが、当該座席に対応する表示器には、予約している乗客が乗車していることを示す表示内容が表示される。
【0058】
次に、表示装置13及び着席確認装置14による動作について説明する。
表示装置13は、各表示器13a、13bが対応するそれぞれの座席の座席情報に応じて表示内容(表示パターン)が変更される。図10は、予約情報、着席状況、及び乗車確認情報等からなる座席情報に応じた表示パターンの例を示す図である。なお、以下の説明では、表示器13aにおける表示例について説明するが、表示器13bについても同様に表示制御される。
【0059】
図10に示すように、予約無し、かつ、着席無しの座席に対応する表示器13aは、予約無しの座席であることが示す表示パターン(パターン1)を表示する。上記パターン1の表示としては、例えば、表示器13aを消灯する(点灯しない)。つまり、上記パターン1は、表示器13aに対応する座席が予約されていない座席であり、かつ、着席している人物もいないことを示す。このようなパターン1の表示により、車掌は、予約無しの座席に誰も着席していないことを直に確認できる。また、乗客は、誰も着席していない予約無しの座席を直に確認できるため、列車内で指定席を取りたい場合に、乗客は、どの座席の指定席を取りたいかを車掌に伝えやすくなる。
【0060】
また、予約無し、かつ、着席有りの座席に対応する表示器13aは、予約無しの座席に人が着席していることを示す表示パターン(パターン2)を表示する。上記パターン2の表示としては、例えば、長い間隔で表示器13aが点滅する。つまり、上記パターン2は、表示器13aに対応する座席が予約されていない座席であるにもかかわらず、人物が着席していることを示す。このようなパターン2の表示により、車掌は、予約無しの座席に人物が着席していることが直に確認でき、不正に指定席に着席している人物や間違った座席に着席している人物に注意を促すことが容易になる。また、間違った席に着席した乗客に対しても、間違っている座席に着席していることを直に知らせることができ、指定席の間違いによるトラブルなどが防止できる。
【0061】
また、予約有り、かつ、着席有りの座席に対応する表示器13aは、予約されている座席に人物が着席していることを示す表示パターン(パターン3)を表示する。上記パターン3の表示としては、例えば、連続して表示器13aを点灯させる。つまり、上記パターン3は、表示器13aに対応する座席が予約されている座席であり、かつ、人物が着席していることを示す。このようなパターン3の表示により、車掌及び乗客は、当該座席が予約されている座席であることを直に確認できる。
【0062】
また、予約有り、かつ、着席無しの座席に対応する表示器13aは、予約されている座席に人物が着席していないことを示す表示パターン(パターン4またはパターン5)を表示する。ここで、上記リーダライタ12等により列車への当該乗客の乗車が確認できた場合、上記表示器13aは、乗車した乗客がまだ着席していないことを示す表示パターン(パターン4)を表示し、列車への当該乗客の乗車が確認できていない場合、上記表示器13aは、単に、予約されている座席に乗客が着席していないことを示す表示パターン(パターン5)を表示するものとする。
【0063】
上記パターン4の表示としては、例えば、短い間隔で表示器13aを点滅させる。つまり、上記パターン4は、表示器13aに対応する座席の指定券を所持する乗客が列車に乗車しているが、その乗客が着席していないことを示す。このようなパターン4の表示により、乗客は、自分が所持している座席指定券の座席を発見しやすくなり、車掌は、乗客からの座席の問合せに対して対応しやすくなる。
上記パターン5の表示としては、例えば、連続して表示器13aを点灯させる。つまり、上記パターン5は、誰も着席していないが、表示器13aに対応する座席が予約されている座席であることを示す。このようなパターン5の表示により、車掌及び乗客は、予約されている座席であることが直に確認できる。
【0064】
また、図10に示す例では、表示器13aにおける各パターン1〜5として、点灯なし、連続点灯、長い間隔での点滅、及び、短い間隔での点滅などを例として示したが、各パターン1〜5は、上記のような表示パターンに限定されるものではない。例えば、表示器13a、13bを複数の色が表示できるもので構成すれば、各パターン1〜5を異なる色で表現するようにしても良し、色と点灯及び点滅の組み合わせで各パターン1〜5を表現するようにしても良い。さらに、表示器を文字や記号等が表示できるもので構成すれば、文字や記号などで各パターン1〜5を表現するようにしても良い。さらに、上記表示装置13に報知手段としてスピーカなどの音声出力装置が設けられる場合、上記表示器による種々のパターンの表示とともに音声による案内を行うようにしても良い。
【0065】
図11は、表示装置13の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、表示装置13による表示器13aの表示制御について説明するが、表示器13bについても同様に制御されるものである。
上記各表示装置13には、対応する座席の座席情報が予め列車内サーバ11から供給される(ステップS31)。表示装置13の制御部61は、列車内サーバ11から供給された座席情報をメモリ部64内に保持する。
【0066】
上記座席情報を保持した表示装置13の制御部61は、まず、表示器13aに対応する座席が予約されているか否かを判断する(ステップS32)。この判断により座席が予約されていないと判断した場合(ステップS32、NO)、制御部61は、着席確認装置14の出力により対応する座席の着席状況を判断する(ステップS33)。この判断により着席している人間が存在しないと判断した場合(ステップS33、NO)、上記制御部61は、予約無し、かつ、着席無しを示すパターン1を表示器13aにより表示する(ステップS34)。
【0067】
また、上記ステップS32の判断により座席が予約されていないと判断し(ステップS32、NO)、かつ、上記ステップS33の判断により着席している人間が存在すると判断した場合(ステップS33、YES)、上記制御部61は、予約無し、かつ、着席有りを示すパターン2を表示器13aにより表示する(ステップS35)。
【0068】
また、上記ステップS32の判断により座席が予約されていると判断した場合(ステップS32、YES)、制御部61は、着席確認装置14の出力により対応する座席の着席状況を判断する(ステップS36)。この判断により着席している人間が存在すると判断した場合(ステップS36、YES)、上記制御部61は、予約有り、かつ、着席有りを示すパターン3を表示器13aにより表示する(ステップS37)。
【0069】
また、上記ステップS32の判断により座席が予約されていると判断し(ステップS32、YES)、かつ、上記ステップS36の判断により着席している人間が存在しないと判断した場合(ステップS36、NO)、上記制御部61は、列車内サーバ11あるいはリーダライタ12からの情報により当該座席を予約している乗客の列車への乗車が確認されているか否かを判断する(ステップS38)。
この判断により列車への乗車が確認されている場合(ステップS38、YES)、制御部61は、予約有り、着席無し、かつ、列車への乗車確認済みであることを示すパターン4を表示器13aにより表示する(ステップS39)。
【0070】
また、上記ステップS38の判断により列車への乗車が確認されていないと判断した場合(ステップS38、NO)、制御部61は、予約有り、着席無し、かつ、列車への乗車確認無しであることを示すパターン5を表示器13aにより表示する(ステップS40)。
【0071】
上記制御部61は、上記パターン1〜5の何れかのパターンを上記表示器13aにより表示すると、列車内サーバ11への表示状態を通知する(ステップS41)。その後、上記制御部61は、上記着席確認装置14による検知結果の変化(ステップS42)、及び、列車内サーバ11からの予約状態の変化の通知(ステップS43)があるまで上記表示器13aの表示状態を保持する。
【0072】
すなわち、上記制御部61は、上記着席確認装置14により着席状態の変化が検知された場合(ステップS42、YES)、上記ステップS32へ戻り、上記のような処理を実行する。また、上記制御部61は、上記列車内サーバ11から表示器13aが対応する座席の予約情報の変更が通知された場合(上記ステップS43、YES)、上記ステップS32へ戻り、上記のような処理を実行する。
【0073】
上記のように、各座席に対応づけられている各表示器は、列車内サーバからの予約情報と着席確認装置による着席状況の検知結果とに基づいて、表示パターンを変更する。これにより、各座席に対応づけられている各表示器が表示している表示パターンにより車掌や乗客は、各座席の予約状況や利用状況などを確認できる。
【0074】
また、上記例では、着席確認装置にて乗客の着席状況を確認するようにしているが、各座席に座席指定券に記録されている情報を読み取る券リーダを設置し、この券リーダにて座席指定券の情報を読み取った際に、乗客の乗車を確認するようにしても良い。この場合、各座席には、券リーダが設置され、さらに、この券リーダにて読取った記録内容が当該座席の座席指定券であることが確認された場合に、着席を確認する。このようにすることで、確実に座席指定券を所持している乗客の乗車(及び着席)を確認できる。
【0075】
次に、上記携帯端末15の動作について説明する。
図12は、携帯端末15の動作例を説明するためのフローチャートである。
上記携帯端末15は、上述したように、車掌が携帯するものであり、座席情報の表示機能、及び乗車券、特急券、座席指定券等の発券機能を有している。
上記携帯端末15は、上記列車内サーバ11との通信が可能となっており、データベース11aの座席情報が更新されるごとに列車内サーバ11から座席情報が携帯端末15へ供給される(ステップS51)。上記携帯端末15の制御部41は、列車内サーバ11から座席情報を受信するごとに(ステップS51、YES)、上記データ記憶部48に記憶している座席情報を更新する(ステップS52)。
【0076】
上記データ記憶部48に座席情報が記憶されている状態において車掌が操作部43により座席情報の表示を指示した場合(ステップS53、YES)、制御部41は、上記データ記憶部43に記憶している座席情報を表示部42に表示する(ステップS54)。車掌の指示に基づいて上記表示部32に表示する座席情報は、列車内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良いし、各車両ごとに車両内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良い。また、上記操作部33に対する操作に基づいて特定の座席に対する座席情報を表示部32に表示するようにしても良い。
【0077】
また、上記操作部43により発券する操作を指示した場合(ステップS55、YES)、上記制御部41は、上記操作部43にて入力される乗車区間等の条件と上記データ記憶部48に記憶している座席情報とに基づいて予約可能な空席を検索する。この検索の結果に基づいて、上記制御部41は、予約可能な空席と判断した座席の情報を表示部42に表示する(ステップS56)。なお、予約可能な席がない場合、表示部42には、予約可能な空席がない旨表示される。
【0078】
上記表示部42に空席が表示されると、車掌は、表示された空席から予約すべき座席を乗客の希望に応じて指定する(ステップS57)。すると、上記制御部41は、上記列車内サーバ11に指定された座席の予約の問い合わせを行う(ステップS58)。
この問合せに対して列車内サーバ11から座席の予約が確定した旨の通知を受けた場合(ステップS59、YES)、上記制御部41は、発券部49により予約が確定された座席の座席指定券を発行する発券処理を行う(ステップS60)。これにより座席指定券を発券すると、上記制御部41は、上記データ記憶部48に記憶している座席情報のうち発券した座席に対応する予約情報を予約有りを示す情報に更新する(ステップS61)。
【0079】
上記のように、携帯端末15では、列車内サーバ11から供給されるデータに基づいて上記データ記憶部48に記憶されている座席情報を更新しておき、車掌による操作に応じて表示部42に各座席の座席情報を表示する。これにより、車掌が携帯する携帯端末15に列車内の全座席の座席情報(座席の利用状況)を表示することができ、車掌は携帯端末を携帯することにより列車内の何処にいても全座席の利用状況を知ることができる。利用者は、列車内を巡回する車掌に申し出ることにより各座席の状況を知ることができる。
【0080】
また、上記携帯端末15では、列車内サーバ11から供給されるデータに基づいて上記データ記憶部48に記憶されている座席情報を更新しておき、車掌による操作に応じて指定席の空席状況を表示し、利用者の申し出に応じて座席指定券を発券する。これにより、列車内で空席状況に応じて簡単に座席指定券を発券でき、利便性が向上する。
【0081】
次に、上述した実施の形態の変形例について説明する。図13は、変形例を実現させるための構成例を示す図である。図13に示す構成例では、図1に示す構成以外に、列車内の各座席に振動を発生させる振動装置91が設置され、列車内サーバ11に時間監視部92が設けられる。なお、図13に示す構成例において、図1に示す構成との同一箇所には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14は、列車内サーバ11と振動装置91との構成を概略的に示すブロックである。なお、図2に示す列車内サーバ11の構成と同様な箇所については、同一符号を付し、説明を省略する。
【0082】
まず、各座席に設置される振動装置91は、図14に示すように、制御部101、LANインターフェース102、振動部103、及び操作部104を有している。上記制御部101は、振動装置91全体の制御を司るものである。上記LANI/F102は、LANに接続するためのインターフェースである。このLANI/F102により、当該振動装置91は、上記列車内サーバ11との通信が可能となっている。上記振動部103は、座席に着席している人に伝わる振動を発生させるものである。上記振動部103は、上記制御部101の制御に基づいて振動動作を行う。上記操作部104は、振動のオンオフを切り換えたり、振動を発生させる時間を設定したりするスイッチなどで構成される。
【0083】
また、上記列車内サーバ11に設けられる時間監視部92は、時間を計時するタイマ111、列車の運行情報(各駅の発車時間、当該座席の乗客降車駅を示す情報等)が記録されるテーブル112、及び、座席ごとに設定された設定情報(振動の開始時間、乗客の降車駅など)が記録されるタイマテーブル113などで構成される。
【0084】
次に、変形例の動作について説明する。
図15は、変形例の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、座席に着席している利用者は、振動による知らせが必要な場合、操作部104により振動を発生させる時間を設定する(ステップS71)。この際、駅を指定するようにしても良し、時間を指定するようにしても良い。例えば、時間を指定する場合、指定された時間に振動を発生するように設定される。また、駅を指定する場合、指定駅の到着時刻の所定時間前(例えば、3分前)に振動を発生させるように設定される。また、座席指定席に乗車している利用者に対しては、到着の何分前に振動を発生させるかを指定するようにしても良い。例えば、到着10分前と設定すれば、乗客が降車する到着の10分前に振動を発生するようにできる。
【0085】
ここでは、一例として、座席指定席に乗車している利用者が、到着の10分前に設定したものとして説明する。すなわち、利用者が到着の10前と設定すると、制御部101は、当該座席を示す情報とともに到着の10前(指定時間)に振動の発生が設定された旨を列車内サーバ11へ送信する(ステップS72)。すると、列車内サーバ11の制御部31は、座席を示す情報と上記データベース11aに記録されている座席情報とに基づいて当該座席の乗客が降車する駅を判断する(ステップS73)。
【0086】
これにより降車駅を判断すると、上記制御部31は、当該座席を示す情報、指定時間、及び、降車駅を示す情報を上記時間監視部92へ供給する。上記時間監視部92では、運行テーブル112に基づいて降車駅の到着時間を判定し(ステップS74)、さらに、到着時間の10分前の時間を判定する(ステップS75)。これにより時間を判定すると、時間監視部92では、座席を示す情報に対応して、振動を発生させる時間をタイマテーブル113に記録する(ステップS76)。この際、タイマテーブル113には、座席を示す情報に対応して、降車駅名、到着時間、及び、指定時間等を記憶しておく。
【0087】
上記タイマテーブル113に振動開始時間を設定すると、上記時間監視部92は、タイマ111により上記タイマテーブル113に記録している時間に達したか否かを時間監視する(ステップS77)。また、上記時間監視中に到着時間が変更された場合、上記時間監視部92は、振動を発生させる時間(指定時間)を変更するようにしても良い。このような時間監視により上記タイマテーブル113に記録している時間に達したと判断した場合、上記時間監視部92は、制御部31により振動装置91へ振動の開始を指示する(ステップS78)。この指示を振動制御91が受信すると、上記制御部101は、上記振動部103により振動動作を行う(ステップS79)。
【0088】
上記のように、乗客が振動の発生時間を設定し、この設定された時間などに基づいて座席に着席している人物に振動を伝えるようにしたため、乗客は振動によって到着時間等を知ることが可能となり、寝過ごしなどで乗り越してしまうことを防止でき、乗客の利便性が向上する。
また、車掌も寝過ごして乗り越してしまうような人物を起こしたりする手間がかからないため、業務効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】この発明の実施の形態に係る案内システムの全体構成を示す図。
【図2】列車内サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】携帯端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】リータライタの外観構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】リーダライタの構成を概略的に示すブロック図である。
【図6】表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】列車外システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】列車内サーバの動作例を説明するためのフローチャート。
【図9】リーダライタの動作例を説明するためのフローチャート。
【図10】表示器の表示パターンの表示例を説明するための図。
【図11】表示装置の動作例を説明するためのフローチャート。
【図12】携帯端末の動作例を説明するためのフローチャート。
【図13】本実施の形態の変形例に係る案内システムの全体構成を概略的に示す図。
【図14】列車内サーバと振動装置との構成例を概略的に示すブロック図。
【図15】乗客への振動による案内を行う例を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0090】
11…列車内サーバ、11a…データベース、12…リーダライタ、13…表示装置、13a、13b…表示器(表示手段)、14…着席確認装置、15…携帯端末、21…センタサーバ、21a…データベース、22…駅務機器、31、41、51、61、81、101…制御部、32、42、52…表示部、33、43…操作部、34、54、62…LANインターフェース、35…無線通信インターフェース、36、44、56、64…メモリ部、38…外部通信インターフェース、48、57…データ記憶部、49…発券部、53…磁気券処理部(読取手段)、55…無線通信インターフェース(読取手段)、91…振動装置(振動手段)、92…時間監視部(監視手段)、111…タイマ、112…運行テーブル、113…タイマテーブル
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、指定席が設けられている列車に設置され、当該列車内での各指定席の位置案内や各座席の利用状況などを案内する案内システム及び案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、新幹線、特急列車等では、駅の発着毎に車掌が巡回して乗車券、特急券、及び指定席券等の検札を行うことで、指定席列車への乗車、及び着席確認などを行っている。また、乗客は、指定券面上の表示を見て座席を探して座っている。
このため、以下のような問題点がある。
【0003】
(1)車掌は、駅発着毎に列車内を巡回する必要があり、手間や人件費がかかる。
【0004】
(2)車掌は、乗車後の巡回のタイミングを検討する必要がある。
【0005】
(3)車掌は、乗客が寝ている場合等も検札の際は起こす必要がある。
【0006】
(4)指定席や列車違い等で着席していても、検札時や正規乗客が来た場合でしか気づかない。
【0007】
(5)乗客は、指定席券には列車番号や座席番号の情報しか表示されていないので、指定席がどこであるかを分かりづらい。
【特許文献1】特開昭64−79857号公報
【特許文献2】特開2001−97218号公報
【特許文献3】特開平7−262414号公報
【特許文献4】特開平3−217999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、列車内での検札などの業務効率が煩雑であり、さらに、乗客は指定席の位置などが分かりずらいという問題点を解決するもので、列車内の車掌の業務効率を向上させ、かつ、乗客の利便性を向上させることが可能な案内システムと案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の案内システムは、列車内の座席に関する情報を案内するシステムであって、着席確認装置と表示装置と列車内サーバと携帯端末とを具備し、前記着席確認装置は、各座席に設けられ、座席に人物が着席しているか否かを検知するセンサを有し、前記表示装置は、前記着席確認装置の前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として前記列車内サーバへ送信する第1のネットワークインターフェースを有し、前記列車内サーバは、前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信する第2のネットワークインターフェースと、前記第2のネットワークインターフェースにより受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報として記憶するデータベースと、前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記携帯端末へ更新情報を送信する第1の無線通信インターフェースとを有し、前記携帯端末は、前記列車内サーバから座席情報の更新情報を受信するための第2の無線通信インターフェースと、前記第2の無線通信インターフェースにより受信する更新情報により更新される座席情報を記憶するデータ記憶部と、前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示する表示部とを有する。
【0010】
この発明の案内方法は、列車内の座席に関する情報を案内する方法であって、前記列車内における各座席に設けられる着席確認装置が、座席に人物が着席しているか否かを検知し、前記着席確認装置が接続されている表示装置が、前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として当該列車内に設置されている列車内サーバへ送信し、前記列車内サーバが、前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信し、前記表示装置から受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報としてデータベースに記憶し、前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記座席情報の更新内容を示す更新情報を当該列車内の座席情報を表示するための携帯端末へ送信し、前記携帯端末が、前記列車内サーバからの前記更新情報を受信し、前記受信した更新情報によりデータ記憶部に記憶される座席情報を更新し、前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、列車内の車掌の業務効率を向上させ、かつ、乗客の利便性を向上させることが可能な案内システムと案内方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る案内システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、この案内システムは、列車内システムと列車外システムとからなっている。上記列車内システムは、各列車に設けられるシステムである。上記列車外システムは、鉄道会社などの各交通機関に設けられるシステムであり、例えば、各駅に設置された各駅務機器の動作状況、各列車の運行状況、各列車における座席指定席の予約情報などの鉄道会社全体のデータを管理するシステムである。
【0013】
まず、上記列車内システムについて説明する。
上記列車内システムは、列車内サーバ11、リーダライタ12、表示装置13、着席確認装置14、及び携帯端末15等により構成されている。
上記列車内サーバ11は、列車の車掌室内などに設置される。上記列車内サーバ11は、LANケーブルを介してリーダライタ12、表示装置13、及び着席確認装置14等と接続され、無線通信インターフェースを介して上記携帯端末15に無線で接続される。さらに、上記列車内サーバ11は、無線通信等により列車外に設置されている後述するセンタサーバ21との通信が可能となっている。また、上記列車内サーバ11は、列車内の各座席の予約状況、着席情報、乗車情報等の座席情報を記録するデータベース11aを有している。
【0014】
上記リーダライタ12は、乗客が所持する乗車券、特急券、指定席券等の記録内容を読取るものである。例えば、乗車券、特急券、指定席券などが無線カードで構成される場合、上記リーダライタ12は、無線カードとの無線通信を行う無線カード用のリーダライタで構成される。また、乗車券、特急券、指定席券などが磁気券に構成される場合、上記リーダライタ12は、磁気券に記録されている磁気情報を読み取るリーダライタで構成される。なお、以下の説明では、無線カードを乗車券、特急券、指定席券などとして利用される場合について説明する。
【0015】
上記表示装置13は、座席の列ごとに設けられ、座席ごとの表示器13a、13bを有している。各表示器13a、13bは、対応する座席の状態を示す表示を行う。
上記着席確認装置14は、各座席に設けられる。上記着席確認装置14は、座席に人間が着席しているか否かを検知するセンサ等により構成される。上記着席確認装置14は、例えば、重さ検知センサ、温度検知センサ、赤外線センサ等により座席に人間が着席しているか否かを検知するようになっている。
【0016】
上記携帯端末15は、車掌(係員)が利用する携帯可能な端末であるとする。上記携帯端末15は、上記電車内サーバ11との無線通信が可能となっている。上記携帯端末15は、表示部、操作部等のユーザインターフェースを有している。上記携帯端末15は、上記表示部に列車内の各座席に対する予約状況及び着席状況を表示する機能を有している。
【0017】
次に、上記列車内サーバ11の構成について説明する。
図2は、上記列車内サーバ11の構成を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、列車内サーバ11は、制御部31、表示部32、操作部33、LANインターフェース34、無線通信インターフェース35、メモリ部36、大容量記憶装置37、及び外部通信インターフェース38などから構成される。
【0018】
上記制御部31は、列車内サーバ11及び当該列車内サーバ11に接続される各機器を制御するものである。上記表示部32は、ディスプレイ装置により構成され、列車内の乗車状況、着席状況、及び予約状況などを表示する。上記操作部33は、テンキー等のキーボードにより構成され、車掌により操作指示などが入力される。
【0019】
上記LANI/F34は、列車内のLANに接続するインターフェースである。このLANI/F34により列車内サーバ11は、当該列車内に設けられたリーダライタ12、表示装置13などに接続される。上記無線通信I/F35は、無線アンテナおよび無線通信制御部により構成され、上記携帯端末15との無線通信を行うインターフェースである。上記メモリ部36は、RAM、ROM等により構成される。このメモリ部36には、制御プログラムや制御データ等が記憶されているとともに、作業用のデータを一時的に記憶する記憶装置である。
【0020】
上記大容量記憶装置37は、ハードディスクドライブや記憶媒体のリーダ装置により構成される。この大容量記憶装置37は、当該列車内の座席情報、当該列車の各座席に対する予約状況、着席状況などが記録されるデータベース11aを有している。上記外部通信インターフェース38は、上記センタサーバ21との通信を行うためのインターフェースである。例えば、センタサーバ21との通信を無線通信により実現する場合、上記外部通信インターフェース38は、アンテナ及び無線通信制御部等で構成される無線通信インターフェースで構成される。
【0021】
なお、図2に示す構成例では、列車内サーバ11に表示部32が設けられている構成としたが、車掌室内などに設置される表示装置を外部機器として接続するようにしても良い。この場合、車掌室内などに設置される表示装置は、座席情報を表示することにより、各座席の利用状況を監視する監視盤として機能する。
【0022】
次に、上記携帯端末15の構成について説明する。
図3は、上記携帯端末15の構成を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、携帯端末15は、制御部41、表示部42、操作部43、メモリ部44、アンテナ部46、通信制御部47、データ記憶部48、及び発券部49などから構成されている。
【0023】
上記制御部41は、携帯端末15全体を制御するものである。上記表示部42は、ディスプレイ装置により構成される。この表示部42には、列車内の各座席における乗車状況、着席状況、及び予約状況などを表示される。また、乗客に対して指定席券等を発券する場合、表示部42は、発券金額や操作案内などが表示される。上記操作部43は、テンキー等のキーボードにより構成され、車掌により操作指示などが入力される。また、タッチパネル内蔵の表示装置を用いて上記表示部42と上記操作部43とを構成しても良い。
【0024】
上記メモリ部44は、RAM、ROM等のメモリにより構成される。このメモリ部44は、作業用のデータを一時的に記憶したり、制御プログラムや制御データ等が予め記憶されてるものである。上記アンテナ部46は、上記無線通信制御部47に接続され、上記無線通信制御部47の制御に基づいて電波の送受信を行う。上記アンテナ部46と上記無線通信制御部47とは、上記列車内サーバ11との無線通信を行うインターフェースとして機能するものである。
また、上記アンテナ部46と上記無線通信制御部47とは、乗客が乗車券、特急券、あるいは指定席券等として機能する無線カードを所持している場合、乗客が所持する無線カードとの無線通信を行うようにしても良い。上記データ記憶部48は、当該列車の座席情報、運賃表、あるいは、複数の列車の運行時間、運行区間等を示す運行テーブルなどが記憶されている。上記発券部49は、乗客の申し出等に基づいて座席指定券などの発券処理を行う。
【0025】
次に、上記リーダライタ12の構成について説明する。
図4は、リーダライタ12の外観構成を示す図であり、図5は、リーダライタ12の内部構成を概略的に示すブロック図である。図5に示すように、リーダライタ12、制御部51、表示部52、磁気券処理部53、LANインターフェース54、無線通信インターフェース55、メモリ部56、及びデータ記憶部57などから構成されている。
【0026】
上記制御部51は、リーダライタ12全体を制御するものである。上記表示部52は、ディスプレイ装置により構成され、図4に示すように、リーダライタ12の正面に設けられる。この表示部52には、列車内の各座席における乗車状況、着席状況、及び予約状況などを表示される。また、乗客の所持している指定席券等の情報を取得した場合、表示部52には、当該指定席券の列車での位置を示す情報などが表示されされる。上記磁気券処理部53は、磁気券の記録内容を読取る磁気読取装置などにより構成され、図4に示すように、リーダライタ12の正面に設置される。上記磁気券処理部53は、乗客が乗車券、特急券、あるいは指定席券等として機能する磁気券を所持している場合、乗客が所持する磁気券を受け入れて、乗客が所持している磁気券の内容を読取るようになっている。
【0027】
上記LANI/F54は、列車内のLANに接続するインターフェースである。このLANI/F54によりリーダライタ12は、当該列車内に設けられた列車内サーバ11あるいは表示装置13などに接続される。上記無線通信I/F55は、無線アンテナおよび無線通信制御部により構成される。この無線通信I/Fは、乗客が乗車券、特急券、あるいは指定席券等として機能する無線カードを所持している場合、乗客が所持する無線カードとの無線通信を行って、乗客が所持している無線カードの内容を読取るようになっている。また、上記無線通信I/F55は、上記携帯端末15との無線通信を行うようにしても良い。
【0028】
上記メモリ部56は、RAM、ROM等のメモリにより構成される。このメモリ部56は、作業用のデータを一時的に記憶したり、制御プログラムや制御データ等が予め記憶されてるものである。上記データ記憶部57は、列車内の各座席に関する情報などが記憶される。例えば、上記データ記憶部57には、上記列車内サーバ11から供給される各座席の予約状況及び上記着席確認装置14により検知される各座席の着席状況などの情報が記憶される。
【0029】
次に、上記表示装置13の構成について説明する。
図6は、上記表示装置13の構成を概略的に示すブロック図である。図6に示すように、表示装置13は、制御部61、LANインターフェース62、表示制御部63a、表示器13a、表示制御部63b、表示器13b、及びメモリ部64などから構成されている。なお、上記表示装置13には、上記表示器13a、13bとともに、報知手段として機能するスピーカなどの音声出力装置を設けても良い。
【0030】
上記制御部61は、表示装置13全体を制御するものである。上記表示制御部63a、63bは、それぞれ表示器13a、13bに接続されている。上記表示器13a、13bは、それぞれ座席に対応して設けられる。例えば、表示器13a、13bは、表示ランプで構成され、上記表示制御部63a、63bは、上記表示器13a、13bを点滅させたり、点滅間隔の制御を行う。
また、上記表示器13は、複数の色を表示できるもので構成しても良い。この場合、上記表示制御部63a、63bは、上記表示器13a、13bの表示色を制御、点滅等の表示制御を行う。上記メモリ部64は、RAM、ROM等のメモリにより構成される。このメモリ部64は、作業用のデータを一時的に記憶したり、制御プログラムや制御データ等が予め記憶されてるものである。
また、上記制御部61には、上記表示器13a、13bが対応する各座席に設置されている着席確認装置14に接続されている。これにより、上記制御部61は、上記着席確認装置14からの各座席における着席状態の検知結果を受信するようになっている。
【0031】
次に、上記列車外システムについて説明する。
図7は、列車外システムの構成例を示す図である。上記列車外システムは、図1及び図7に示すように、センタサーバ21、各駅に設けられる駅務機器システム22、及び監視装置23などから構成されている。上記センタサーバ21は、各駅に設置された各駅務機器の動作状況、各列車の運行状況、各列車における座席指定席の予約情報などの鉄道会社全体のデータを管理するシステムである。上記駅務機器システム22は、各駅に設置される駅務機器から構成されるシステムである。上記監視装置23は、例えば、各駅の駅員室内などに設置され、上記センタサーバ21が保持しているデータの表示などを行う装置である。
【0032】
上記駅務機器システム22の構成について説明する。
図7には、駅務機器システムの構成例が示されている。図7に示すように、駅務機器システム22は、例えば、発券機71、係員窓口用発券機72、精算機73、及び改札機74などの駅ごとの各駅務機器からなるシステムである。
【0033】
上記発券機71は、利用者の操作により乗車券、特急券、座席指定券などの券を発券するものである。例えば、乗車券、特急券、座席指定券などの券として磁気券が利用される場合、上記発券機71は、乗車券、特急券、座席指定券などの情報を記録した磁気券を発券する。また、乗車券、特急券、座席指定券などの券として無線カードが利用される場合、上記発券機71は、乗車券、特急券、座席指定券などの情報を記録した無線カードを発行する。なお、利用者が無線カードを所持している場合には、利用者が所持している無線カードに乗車券、特急券、座席指定券などの情報を記録するようにしても良い。
【0034】
上記係員窓口用発券機72は、利用者の申し出に応じて駅係員が操作することにより乗車券、特急券、座席指定券などの券を発券するものである。なお、乗車券、特急券、座席指定券などとして利用される記録媒体は、上記発券機71と同様に、磁気券であっても良いし、無線カードであっても良い。上記精算機73は、駅構内等に設けられ、乗り越しなどの精算処理を行う機器である。上記改札機74は、駅の改札口に設けられ、利用者が所持する券による入場判定あるいは出場判定を行う機器である。
【0035】
また、各駅務機器は、ネットワークを介してセンタサーバ21に接続されている。各駅務機器は、処理内容を示す情報を上記センタサーバ21へ出力したり、上記センタサーバ21からのデータを受信するようになっている。例えば、座席指定券を発券する際、上記発券機71及び係員窓口用発券機72は、上記センタサーバ21に指定する列車における空席状況を問い合わせ、センタサーバ21から供給される当該列車内の空席から座席の予約を行う。
また、利用者あるいは係員により空席から予約する座席が指定された場合、発券機71及び係員窓口用発券機72は、センタサーバ21に指定された座席を示す情報を通知し、センタサーバ21は、通知された座席の予約を確定するようになっている。この結果、センタサーバ21には、列車全体の予約情報が蓄積される。
【0036】
次に、上記センタサーバ21の構成について説明する。
図7には、センタサーバ21の構成例がブロック図により示されている。上記センタサーバ21は、駅務機器システムの管理などを行うものである。すなわち、上記センタサーバ21は、各駅務機器の動作状況、全路線における全列車の運行状態あるいは各列車の指定席の予約状況などを管理している。また、上記センタサーバ21は、全列車における各座席の予約情報を記録しているデータベース21aを有しているものである。
【0037】
上記センタサーバ21は、図7に示すように、制御部81、表示部82、外部通信インターフェース83、ネットワークインターフェース84、メモリ部85、及び大容量記憶装置86などから構成される。
上記制御部31は、センタサーバ21全体の制御を司るものである。上記表示部32は、ディスプレイ装置により構成される。上記外部通信インターフェース83は、上記列車内サーバ11との通信を行うインターフェースである。この外部通信インターフェースによりセンタサーバ21から上記列車内サーバ11へデータが供給される。上記ネットワークI/F84は、各駅務システム内の各駅務機器、及び監視盤23等と接続するインターフェースである。このネットワークI/F84により上記センタサーバ21は、各駅務機器からの処理状況を示す情報を受信する。
【0038】
また、上記発券機71あるいは係員窓口用発券機72が座席指定券を発券する場合、上記センタサーバ21と上記発券機71あるいは係員窓口用発券機72とは、上記ネットワークI/F84を介して予約状況の問い合わせ処理や座席予約の確定処理を行う。上記メモリ部85は、RAM、ROM等により構成される。このメモリ部85には、制御プログラムや制御データ等が記憶されているとともに、作業用のデータを一時的に記憶する記憶装置である。
【0039】
上記大容量記憶装置86は、ハードディスクドライブや大容量の記憶媒体のリーダ装置により構成される。この大容量記憶装置86は、各駅務機器から受信した処理状況を示す情報などが記憶される。また、大容量記憶装置86は、各列車における座席の予約情報が記憶されているデータベース21aを有している。このデータベース21aには、列車番号等の各列車を示す情報に対応して、各列車内の予約可能な各座席の予約状況を示す情報が記録されるものである。上記データベース21aに記憶されている座席の予約情報は、上記発券機71あるいは上記係員窓口発券機72にて座席指定券を発券するごとに更新される。また、上記データベース21aに記憶されている座席の予約情報は、列車を示す列車番号等により特定される列車の列車内サーバ11へ送信されるものである。
【0040】
次に、上記のように構成される案内システムにおいて、利用者が座席指定券を購入してから列車に乗車するまでの全体処理の流れを概略的に説明する。
まず、上記発券機71または上記係員窓口用発券機71は、座席指定券を発券する際、上記センタサーバ21とのデータ通信により座席の予約を確定してから座席指定券を発券する。これにより、上記センタサーバ21には、データベース21aに列車ごとの予約情報が記憶される。
【0041】
次に、各列車には、センタサーバ21から予約情報が通知される。列車内サーバ11では、上記センタサーバ21から受信した予約情報をデータベース11aに記憶するとともに、列車内に設置されている表示装置13へ対応する座席の予約情報を通知する。これにより、各表示装置13は、対応づけられている座席の予約情報を保持するとともに、予約情報と上記着席確認装置14からの検知結果とに応じて表示器による表示パターンの制御を行う。この表示パターンの制御について後で詳細に説明する。
【0042】
一方、上記座席指定券を購入した利用者が列車の乗車すると、列車内に設置されたリーダライタ12は、利用者(乗客)が所持している座席指定券に記憶されている情報を読み取る。上記リーダライタ12では、座席指定券から情報を読み取ると、座席指定券の座席の位置を示す案内を表示するとともに、列車内サーバ11へ乗車した乗客を示す情報を通知する。なお、座席指定券は、無線カードであっても良いし、磁気券であっても良い。また、座席位置の案内が不要な乗客は、リーダライタ12で座席指定券を読取らせることなく、当該座席指定券の座席へ行っても良い。
【0043】
上記列車内サーバ11は、リーダライタ12から乗客が乗車した旨の通知を受けると、当該座席の表示器へ乗客が乗車したことを示す情報を通知する。これにより、各表示装置13は、当該座席に対応する表示器にて予約している乗客が乗車してきたことを表示する。上記座席指定券を所持する乗客が指定席に着席すると、表示装置13は、着席確認装置14からの検知結果に基づいて人物が着席したことを判断する。
これにより人物が着席したことを判断すると、表示装置13は、人物が座席に着席したことを示す情報を上記列車内サーバ11へ通知する。上記列車内サーバ11では、上記データベース11aに記憶している予約情報と各着席確認装置14により検知される着席状況とに基づいて各座席の状態を示す情報を保持している。これにより、列車内サーバ11の表示部32には、車掌の操作に基づいて、各座席の予約状況及び利用状況(着席状況)が表示される。
【0044】
また、車掌が所持している携帯端末15は、上記列車内サーバ11との通信により各座席の予約状況及び利用状況が記憶される。これにより、車掌は、携帯端末15を携帯し、携帯端末15の表示部42に表示される予約状況及び利用状況を確認する。また、車内で乗客が座席指定券を要望した場合、車掌は、上記携帯端末15を用いて座席指定券を発券する。この場合、携帯端末15の表示部42に表示される予約状況及び利用状況を確認しつつ、空いている座席の指定券を発券する。
これにより座席指定券を発券する際、上記携帯端末15は、上記列車内サーバ11へ座席指定券を発券する座席を示す情報を通知する。この通知を受信すると、上記列車内サーバ11では、上記携帯端末15から通知された情報に基づいて上記データベース11aに記憶している予約情報を更新する。
また、列車内サーバ11は、予約情報などを更新した際に、上記センタサーバ21へ通知するようになっている。また、上記列車内サーバ11は、利用状況(着席状況)あるいは乗車確認等の情報を上記センタサーバ11へ通知するようにしても良い。
【0045】
次に、上記列車内システムが設置された列車内での動作例について詳細に説明する。
以下の動作例では、特急列車の指定席に乗車する場合を想定し、乗車券、特急券、座席指定券等として無線カードを用いるものとして説明する。なお、乗車券、特急券、座席指定券等として磁気券を用いた場合も磁気券の記録内容を読取ることにより、以下に説明する動作例と同様な動作を実現可能である。
【0046】
まず、列車内サーバ11の動作について説明する。
図8は、列車内サーバ11の動作例を説明するためのフローチャートである。
まず、列車内サーバ11の制御部31は、外部通信I/F38によりセンタサーバ21からの当該列車に対する座席の予約状況を示す予約情報を受信する(ステップS1)。センタサーバ21から予約情報を受信すると、制御部31は、受信した予約情報を座席情報の一部として上記データベース11aに記録する(ステップS2)。上記データベース11aに列車の各座席の予約情報を記録すると、制御部31は、上記LANI/F34により各表示装置13へ対応する各座席の予約情報を含む座席情報を送信するとともに、無線通信I/F35により携帯端末15へ全座席の座席情報を送信する(ステップS3)。これにより、各表示装置13では、それぞれ対応する座席の座席情報を受信してメモリ部64に保持する。同様に、携帯端末15では、列車内の全座席の座席情報を受信してデータ記憶部48に保持する。
【0047】
上記データベース11aに座席情報が記憶されている状態において車掌が操作部33により座席情報の表示を指示した場合、制御部31は、車掌による操作に応じて座席情報を表示部32に表示する(ステップS4)。上記表示部32に表示する座席情報は、列車内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良いし、各車両ごとに車両内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良い。また、上記操作部33に対する操作に基づいて特定の座席に対する座席情報を表示部32に表示するようにしても良い。
【0048】
また、上記データベース11aに座席情報を記録した状態でセンタサーバ21から予約情報を更新するための更新情報を受信した場合(ステップS5、YES)、制御部31は、受信した更新情報に従ってデータベース11aに記録されている予約情報を更新する(ステップS6)。上記データベース11aを更新すると、制御部31は、予約情報を更新した座席に対応する表示装置を判断する。この判断により制御部31は、上記LANI/F34により予約情報が更新された座席に対応する表示装置に更新情報を送信するとともに、制御部31は、上記無線通信I/F35により更新情報を携帯端末15へ送信する(ステップS7)。これにより、予約情報が更新された座席に対応する各表示装置13及び携帯端末15は、予約情報を更新する。
【0049】
また、例えば、リーダライタ12が列車に乗車した乗客の座席指定券を読み取った場合、リーダライタ12は、当該座席指定券の乗客が乗車したことを示す情報を列車内サーバ11へ送信する。すなわち、上記データベース11aに座席情報を記録した状態でリーダライタ12から乗車が確認されたことを示す情報(更新情報)を受信した場合(ステップS8、YES)、制御部31は、受信した更新情報に従ってデータベース11aに記録されている座席情報を更新する(ステップS9)。この場合、データベース11aには、乗車が確認された座席の情報として当該座席の乗客が乗車済みであることを示す情報が追加記録(更新)される。
【0050】
上記データベース11aを更新すると、制御部31は、乗客の乗車が確認された座席に対応する表示装置13を判断する。この判断により制御部31は、上記LANI/F34により乗客の乗車が確認されたことを示す情報を当該座席に対応する表示装置13に送信するとともに、制御部31は、上記無線通信I/F35により乗客の乗車が確認された座席の情報を携帯端末15へ送信する(ステップS10)。これにより、乗客の乗車が確認された座席に対応する各表示装置13及び携帯端末15は、乗客の乗車が確認された座席の情報を受信する。
【0051】
また、例えば、表示装置13は、着席確認装置14からの検知結果に基づいて当該座席の着席状況の変化を検知した際、列車内サーバ11へ着席状況を示す情報(着席しているか否かを示す情報)を通知する。すなわち、上記データベース11aに座席情報を記録した状態で表示装置13から着席状況を示す情報(更新情報)を受信した場合(ステップS11、YES)、制御部31は、受信した着席状況を示す情報に基づいてデータベース11aを更新する(ステップS12)。つまり、制御部31は、上記データベース11aの座席情報における着席状況を示す情報を更新する。上記データベース11aを更新すると、制御部31は、上記無線通信I/F35により更新情報を携帯端末15へ送信する(ステップS13)。
【0052】
また、例えば、車掌が携帯端末15により列車内で座席指定券を発券する場合、上記携帯端末15は、列車内サーバ11との通信を行って発券する座席の予約を確定する。すなわち、上記携帯端末15からの要求に応じて座席の予約を確定した場合(ステップS14、YES)、制御部31は、上記データベース11aに記憶されている、予約を確定した座席に対応する予約情報を予約有りであることを示す情報(更新情報)に更新する(ステップS15)。上記データベース11aの予約情報を更新すると、制御部31は、予約情報を更新した座席に対応する表示装置13を判断する。この判断により制御部31は、上記LANI/F34により予約情報が更新された座席に対応する表示装置13に更新情報を送信する(ステップS16)。これにより予約情報が更新された座席に対応する各表示装置13は、予約情報を更新する。
【0053】
上記のように、列車内サーバ11は、センタサーバ21から供給される予約情報に基づいて、予約情報、着席状況、及び乗車確認情報などからなる各座席に対する座席情報をデータベース11aに記憶しておき、上記センタサーバ21、上記リーダライタ12、上記表示装置13及び上記携帯端末15から座席情報の更新情報を受信するごとに、データベース11aを更新するとともに、各機器へ通知するようにしたものである。これにより、列車内サーバ11では、常に、列車内の全座席に対する予約情報、着席情報及び乗車確認情報等の座席情報を管理できる。
【0054】
次に、リーダライタ12の動作について説明する。
図9は、リーダライタ12の動作を説明するためのフローチャートである。
利用者(乗客)が列車に乗車すると、乗車した車両の入口付近に設置されているリーダライタ12の制御部51は、無線通信インターフェース55により乗客が所持する無線カード(券)から乗車券、特急券、座席指定券等の情報を読取る(ステップS21)。これにより乗客が所持している無線カードから情報を読取ると、制御部51は、乗客が所持している無線カードが当該列車の乗車券であるか否かを判断する(ステップS22)。この判断により乗客が所持している券が当該列車の乗車券でないと判断した場合、制御部51は、乗車した列車が間違であることを上記表示部52により報知する(ステップS23)。これにより、誤って間違った列車に乗車してしまった場合でも、乗客は、直に、当該列車を降りることが可能となる。
【0055】
また、上記判断により乗客が所持している券が当該列車の乗車券であると判断した場合、制御部51は、当該乗客が所持している無線カードから読取った情報に基づいて座席予約があるか否かを判断する(ステップS24)。この判断により座席予約なしと判断した場合、制御部51は、座席予約が無しであることを上記表示部52により報知する(ステップS25)。この際、表示部52により座席予約無しで乗車可能な自由席の車両などを案内するようにしても良い。これにより、座席予約無しの自由席利用の乗客にも、自由席車両を案内することができる。
【0056】
また、上記判断により座席予約があると判断した場合、制御部51は、乗客から読取った座席指定券の情報に基づいて、予約席の車両及び座席の位置を判断する。予約席の車両及び座席の位置を判断すると、制御部51は、車両及び座席の位置を示す案内を上記表示部52に表示する(ステップS26)。また、予約席の車両及び位置を判断した際、上記制御部51は、列車内サーバ11へ乗客の乗車を確認した旨を通知する(ステップS27)。
【0057】
上記のように、乗客が列車の乗車した際に、リーダライタ12にて乗客が所持している券の情報を読取り、乗客が座席指定券を所持している場合には、予約している座席の車両及び位置を案内表示するようにしたものである。これにより、乗客が乗車した際に、予約している座席が何処にあるかを認識できる。
また、乗客が所持している券から読取った情報を列車内サーバ11に通知することにより、上記列車内サーバ11側では、どの客が乗車したかを確認することが可能となる。
なお、リーダライタによる座席等の案内を省略して、乗客の乗車確認だけを行うようにしても良い。この場合、リーダライタでの座席位置の案内等は行われないが、当該座席に対応する表示器には、予約している乗客が乗車していることを示す表示内容が表示される。
【0058】
次に、表示装置13及び着席確認装置14による動作について説明する。
表示装置13は、各表示器13a、13bが対応するそれぞれの座席の座席情報に応じて表示内容(表示パターン)が変更される。図10は、予約情報、着席状況、及び乗車確認情報等からなる座席情報に応じた表示パターンの例を示す図である。なお、以下の説明では、表示器13aにおける表示例について説明するが、表示器13bについても同様に表示制御される。
【0059】
図10に示すように、予約無し、かつ、着席無しの座席に対応する表示器13aは、予約無しの座席であることが示す表示パターン(パターン1)を表示する。上記パターン1の表示としては、例えば、表示器13aを消灯する(点灯しない)。つまり、上記パターン1は、表示器13aに対応する座席が予約されていない座席であり、かつ、着席している人物もいないことを示す。このようなパターン1の表示により、車掌は、予約無しの座席に誰も着席していないことを直に確認できる。また、乗客は、誰も着席していない予約無しの座席を直に確認できるため、列車内で指定席を取りたい場合に、乗客は、どの座席の指定席を取りたいかを車掌に伝えやすくなる。
【0060】
また、予約無し、かつ、着席有りの座席に対応する表示器13aは、予約無しの座席に人が着席していることを示す表示パターン(パターン2)を表示する。上記パターン2の表示としては、例えば、長い間隔で表示器13aが点滅する。つまり、上記パターン2は、表示器13aに対応する座席が予約されていない座席であるにもかかわらず、人物が着席していることを示す。このようなパターン2の表示により、車掌は、予約無しの座席に人物が着席していることが直に確認でき、不正に指定席に着席している人物や間違った座席に着席している人物に注意を促すことが容易になる。また、間違った席に着席した乗客に対しても、間違っている座席に着席していることを直に知らせることができ、指定席の間違いによるトラブルなどが防止できる。
【0061】
また、予約有り、かつ、着席有りの座席に対応する表示器13aは、予約されている座席に人物が着席していることを示す表示パターン(パターン3)を表示する。上記パターン3の表示としては、例えば、連続して表示器13aを点灯させる。つまり、上記パターン3は、表示器13aに対応する座席が予約されている座席であり、かつ、人物が着席していることを示す。このようなパターン3の表示により、車掌及び乗客は、当該座席が予約されている座席であることを直に確認できる。
【0062】
また、予約有り、かつ、着席無しの座席に対応する表示器13aは、予約されている座席に人物が着席していないことを示す表示パターン(パターン4またはパターン5)を表示する。ここで、上記リーダライタ12等により列車への当該乗客の乗車が確認できた場合、上記表示器13aは、乗車した乗客がまだ着席していないことを示す表示パターン(パターン4)を表示し、列車への当該乗客の乗車が確認できていない場合、上記表示器13aは、単に、予約されている座席に乗客が着席していないことを示す表示パターン(パターン5)を表示するものとする。
【0063】
上記パターン4の表示としては、例えば、短い間隔で表示器13aを点滅させる。つまり、上記パターン4は、表示器13aに対応する座席の指定券を所持する乗客が列車に乗車しているが、その乗客が着席していないことを示す。このようなパターン4の表示により、乗客は、自分が所持している座席指定券の座席を発見しやすくなり、車掌は、乗客からの座席の問合せに対して対応しやすくなる。
上記パターン5の表示としては、例えば、連続して表示器13aを点灯させる。つまり、上記パターン5は、誰も着席していないが、表示器13aに対応する座席が予約されている座席であることを示す。このようなパターン5の表示により、車掌及び乗客は、予約されている座席であることが直に確認できる。
【0064】
また、図10に示す例では、表示器13aにおける各パターン1〜5として、点灯なし、連続点灯、長い間隔での点滅、及び、短い間隔での点滅などを例として示したが、各パターン1〜5は、上記のような表示パターンに限定されるものではない。例えば、表示器13a、13bを複数の色が表示できるもので構成すれば、各パターン1〜5を異なる色で表現するようにしても良し、色と点灯及び点滅の組み合わせで各パターン1〜5を表現するようにしても良い。さらに、表示器を文字や記号等が表示できるもので構成すれば、文字や記号などで各パターン1〜5を表現するようにしても良い。さらに、上記表示装置13に報知手段としてスピーカなどの音声出力装置が設けられる場合、上記表示器による種々のパターンの表示とともに音声による案内を行うようにしても良い。
【0065】
図11は、表示装置13の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、表示装置13による表示器13aの表示制御について説明するが、表示器13bについても同様に制御されるものである。
上記各表示装置13には、対応する座席の座席情報が予め列車内サーバ11から供給される(ステップS31)。表示装置13の制御部61は、列車内サーバ11から供給された座席情報をメモリ部64内に保持する。
【0066】
上記座席情報を保持した表示装置13の制御部61は、まず、表示器13aに対応する座席が予約されているか否かを判断する(ステップS32)。この判断により座席が予約されていないと判断した場合(ステップS32、NO)、制御部61は、着席確認装置14の出力により対応する座席の着席状況を判断する(ステップS33)。この判断により着席している人間が存在しないと判断した場合(ステップS33、NO)、上記制御部61は、予約無し、かつ、着席無しを示すパターン1を表示器13aにより表示する(ステップS34)。
【0067】
また、上記ステップS32の判断により座席が予約されていないと判断し(ステップS32、NO)、かつ、上記ステップS33の判断により着席している人間が存在すると判断した場合(ステップS33、YES)、上記制御部61は、予約無し、かつ、着席有りを示すパターン2を表示器13aにより表示する(ステップS35)。
【0068】
また、上記ステップS32の判断により座席が予約されていると判断した場合(ステップS32、YES)、制御部61は、着席確認装置14の出力により対応する座席の着席状況を判断する(ステップS36)。この判断により着席している人間が存在すると判断した場合(ステップS36、YES)、上記制御部61は、予約有り、かつ、着席有りを示すパターン3を表示器13aにより表示する(ステップS37)。
【0069】
また、上記ステップS32の判断により座席が予約されていると判断し(ステップS32、YES)、かつ、上記ステップS36の判断により着席している人間が存在しないと判断した場合(ステップS36、NO)、上記制御部61は、列車内サーバ11あるいはリーダライタ12からの情報により当該座席を予約している乗客の列車への乗車が確認されているか否かを判断する(ステップS38)。
この判断により列車への乗車が確認されている場合(ステップS38、YES)、制御部61は、予約有り、着席無し、かつ、列車への乗車確認済みであることを示すパターン4を表示器13aにより表示する(ステップS39)。
【0070】
また、上記ステップS38の判断により列車への乗車が確認されていないと判断した場合(ステップS38、NO)、制御部61は、予約有り、着席無し、かつ、列車への乗車確認無しであることを示すパターン5を表示器13aにより表示する(ステップS40)。
【0071】
上記制御部61は、上記パターン1〜5の何れかのパターンを上記表示器13aにより表示すると、列車内サーバ11への表示状態を通知する(ステップS41)。その後、上記制御部61は、上記着席確認装置14による検知結果の変化(ステップS42)、及び、列車内サーバ11からの予約状態の変化の通知(ステップS43)があるまで上記表示器13aの表示状態を保持する。
【0072】
すなわち、上記制御部61は、上記着席確認装置14により着席状態の変化が検知された場合(ステップS42、YES)、上記ステップS32へ戻り、上記のような処理を実行する。また、上記制御部61は、上記列車内サーバ11から表示器13aが対応する座席の予約情報の変更が通知された場合(上記ステップS43、YES)、上記ステップS32へ戻り、上記のような処理を実行する。
【0073】
上記のように、各座席に対応づけられている各表示器は、列車内サーバからの予約情報と着席確認装置による着席状況の検知結果とに基づいて、表示パターンを変更する。これにより、各座席に対応づけられている各表示器が表示している表示パターンにより車掌や乗客は、各座席の予約状況や利用状況などを確認できる。
【0074】
また、上記例では、着席確認装置にて乗客の着席状況を確認するようにしているが、各座席に座席指定券に記録されている情報を読み取る券リーダを設置し、この券リーダにて座席指定券の情報を読み取った際に、乗客の乗車を確認するようにしても良い。この場合、各座席には、券リーダが設置され、さらに、この券リーダにて読取った記録内容が当該座席の座席指定券であることが確認された場合に、着席を確認する。このようにすることで、確実に座席指定券を所持している乗客の乗車(及び着席)を確認できる。
【0075】
次に、上記携帯端末15の動作について説明する。
図12は、携帯端末15の動作例を説明するためのフローチャートである。
上記携帯端末15は、上述したように、車掌が携帯するものであり、座席情報の表示機能、及び乗車券、特急券、座席指定券等の発券機能を有している。
上記携帯端末15は、上記列車内サーバ11との通信が可能となっており、データベース11aの座席情報が更新されるごとに列車内サーバ11から座席情報が携帯端末15へ供給される(ステップS51)。上記携帯端末15の制御部41は、列車内サーバ11から座席情報を受信するごとに(ステップS51、YES)、上記データ記憶部48に記憶している座席情報を更新する(ステップS52)。
【0076】
上記データ記憶部48に座席情報が記憶されている状態において車掌が操作部43により座席情報の表示を指示した場合(ステップS53、YES)、制御部41は、上記データ記憶部43に記憶している座席情報を表示部42に表示する(ステップS54)。車掌の指示に基づいて上記表示部32に表示する座席情報は、列車内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良いし、各車両ごとに車両内の全座席に対する座席情報を一覧表示するようにしても良い。また、上記操作部33に対する操作に基づいて特定の座席に対する座席情報を表示部32に表示するようにしても良い。
【0077】
また、上記操作部43により発券する操作を指示した場合(ステップS55、YES)、上記制御部41は、上記操作部43にて入力される乗車区間等の条件と上記データ記憶部48に記憶している座席情報とに基づいて予約可能な空席を検索する。この検索の結果に基づいて、上記制御部41は、予約可能な空席と判断した座席の情報を表示部42に表示する(ステップS56)。なお、予約可能な席がない場合、表示部42には、予約可能な空席がない旨表示される。
【0078】
上記表示部42に空席が表示されると、車掌は、表示された空席から予約すべき座席を乗客の希望に応じて指定する(ステップS57)。すると、上記制御部41は、上記列車内サーバ11に指定された座席の予約の問い合わせを行う(ステップS58)。
この問合せに対して列車内サーバ11から座席の予約が確定した旨の通知を受けた場合(ステップS59、YES)、上記制御部41は、発券部49により予約が確定された座席の座席指定券を発行する発券処理を行う(ステップS60)。これにより座席指定券を発券すると、上記制御部41は、上記データ記憶部48に記憶している座席情報のうち発券した座席に対応する予約情報を予約有りを示す情報に更新する(ステップS61)。
【0079】
上記のように、携帯端末15では、列車内サーバ11から供給されるデータに基づいて上記データ記憶部48に記憶されている座席情報を更新しておき、車掌による操作に応じて表示部42に各座席の座席情報を表示する。これにより、車掌が携帯する携帯端末15に列車内の全座席の座席情報(座席の利用状況)を表示することができ、車掌は携帯端末を携帯することにより列車内の何処にいても全座席の利用状況を知ることができる。利用者は、列車内を巡回する車掌に申し出ることにより各座席の状況を知ることができる。
【0080】
また、上記携帯端末15では、列車内サーバ11から供給されるデータに基づいて上記データ記憶部48に記憶されている座席情報を更新しておき、車掌による操作に応じて指定席の空席状況を表示し、利用者の申し出に応じて座席指定券を発券する。これにより、列車内で空席状況に応じて簡単に座席指定券を発券でき、利便性が向上する。
【0081】
次に、上述した実施の形態の変形例について説明する。図13は、変形例を実現させるための構成例を示す図である。図13に示す構成例では、図1に示す構成以外に、列車内の各座席に振動を発生させる振動装置91が設置され、列車内サーバ11に時間監視部92が設けられる。なお、図13に示す構成例において、図1に示す構成との同一箇所には、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14は、列車内サーバ11と振動装置91との構成を概略的に示すブロックである。なお、図2に示す列車内サーバ11の構成と同様な箇所については、同一符号を付し、説明を省略する。
【0082】
まず、各座席に設置される振動装置91は、図14に示すように、制御部101、LANインターフェース102、振動部103、及び操作部104を有している。上記制御部101は、振動装置91全体の制御を司るものである。上記LANI/F102は、LANに接続するためのインターフェースである。このLANI/F102により、当該振動装置91は、上記列車内サーバ11との通信が可能となっている。上記振動部103は、座席に着席している人に伝わる振動を発生させるものである。上記振動部103は、上記制御部101の制御に基づいて振動動作を行う。上記操作部104は、振動のオンオフを切り換えたり、振動を発生させる時間を設定したりするスイッチなどで構成される。
【0083】
また、上記列車内サーバ11に設けられる時間監視部92は、時間を計時するタイマ111、列車の運行情報(各駅の発車時間、当該座席の乗客降車駅を示す情報等)が記録されるテーブル112、及び、座席ごとに設定された設定情報(振動の開始時間、乗客の降車駅など)が記録されるタイマテーブル113などで構成される。
【0084】
次に、変形例の動作について説明する。
図15は、変形例の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、座席に着席している利用者は、振動による知らせが必要な場合、操作部104により振動を発生させる時間を設定する(ステップS71)。この際、駅を指定するようにしても良し、時間を指定するようにしても良い。例えば、時間を指定する場合、指定された時間に振動を発生するように設定される。また、駅を指定する場合、指定駅の到着時刻の所定時間前(例えば、3分前)に振動を発生させるように設定される。また、座席指定席に乗車している利用者に対しては、到着の何分前に振動を発生させるかを指定するようにしても良い。例えば、到着10分前と設定すれば、乗客が降車する到着の10分前に振動を発生するようにできる。
【0085】
ここでは、一例として、座席指定席に乗車している利用者が、到着の10分前に設定したものとして説明する。すなわち、利用者が到着の10前と設定すると、制御部101は、当該座席を示す情報とともに到着の10前(指定時間)に振動の発生が設定された旨を列車内サーバ11へ送信する(ステップS72)。すると、列車内サーバ11の制御部31は、座席を示す情報と上記データベース11aに記録されている座席情報とに基づいて当該座席の乗客が降車する駅を判断する(ステップS73)。
【0086】
これにより降車駅を判断すると、上記制御部31は、当該座席を示す情報、指定時間、及び、降車駅を示す情報を上記時間監視部92へ供給する。上記時間監視部92では、運行テーブル112に基づいて降車駅の到着時間を判定し(ステップS74)、さらに、到着時間の10分前の時間を判定する(ステップS75)。これにより時間を判定すると、時間監視部92では、座席を示す情報に対応して、振動を発生させる時間をタイマテーブル113に記録する(ステップS76)。この際、タイマテーブル113には、座席を示す情報に対応して、降車駅名、到着時間、及び、指定時間等を記憶しておく。
【0087】
上記タイマテーブル113に振動開始時間を設定すると、上記時間監視部92は、タイマ111により上記タイマテーブル113に記録している時間に達したか否かを時間監視する(ステップS77)。また、上記時間監視中に到着時間が変更された場合、上記時間監視部92は、振動を発生させる時間(指定時間)を変更するようにしても良い。このような時間監視により上記タイマテーブル113に記録している時間に達したと判断した場合、上記時間監視部92は、制御部31により振動装置91へ振動の開始を指示する(ステップS78)。この指示を振動制御91が受信すると、上記制御部101は、上記振動部103により振動動作を行う(ステップS79)。
【0088】
上記のように、乗客が振動の発生時間を設定し、この設定された時間などに基づいて座席に着席している人物に振動を伝えるようにしたため、乗客は振動によって到着時間等を知ることが可能となり、寝過ごしなどで乗り越してしまうことを防止でき、乗客の利便性が向上する。
また、車掌も寝過ごして乗り越してしまうような人物を起こしたりする手間がかからないため、業務効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】この発明の実施の形態に係る案内システムの全体構成を示す図。
【図2】列車内サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】携帯端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】リータライタの外観構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】リーダライタの構成を概略的に示すブロック図である。
【図6】表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】列車外システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】列車内サーバの動作例を説明するためのフローチャート。
【図9】リーダライタの動作例を説明するためのフローチャート。
【図10】表示器の表示パターンの表示例を説明するための図。
【図11】表示装置の動作例を説明するためのフローチャート。
【図12】携帯端末の動作例を説明するためのフローチャート。
【図13】本実施の形態の変形例に係る案内システムの全体構成を概略的に示す図。
【図14】列車内サーバと振動装置との構成例を概略的に示すブロック図。
【図15】乗客への振動による案内を行う例を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0090】
11…列車内サーバ、11a…データベース、12…リーダライタ、13…表示装置、13a、13b…表示器(表示手段)、14…着席確認装置、15…携帯端末、21…センタサーバ、21a…データベース、22…駅務機器、31、41、51、61、81、101…制御部、32、42、52…表示部、33、43…操作部、34、54、62…LANインターフェース、35…無線通信インターフェース、36、44、56、64…メモリ部、38…外部通信インターフェース、48、57…データ記憶部、49…発券部、53…磁気券処理部(読取手段)、55…無線通信インターフェース(読取手段)、91…振動装置(振動手段)、92…時間監視部(監視手段)、111…タイマ、112…運行テーブル、113…タイマテーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車内の座席に関する情報を案内する案内システムであって、
着席確認装置と表示装置と列車内サーバと携帯端末とを具備し、
前記着席確認装置は、
各座席に設けられ、座席に人物が着席しているか否かを検知するセンサを有し、
前記表示装置は、
前記着席確認装置の前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として前記列車内サーバへ送信する第1のネットワークインターフェースを有し、
前記列車内サーバは、
前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信する第2のネットワークインターフェースと、
前記第2のネットワークインターフェースにより受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報として記憶するデータベースと、
前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記携帯端末へ更新情報を送信する第1の無線通信インターフェースと、を有し、
前記携帯端末は、
前記列車内サーバから座席情報の更新情報を受信するための第2の無線通信インターフェースと、
前記第2の無線通信インターフェースにより受信する更新情報により更新される座席情報を記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示する表示部と、を有する、
ことを特徴とする案内システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、
さらに、当該列車内における座席の予約の問合せに対して前記列車内サーバから座席の予約が確定した旨の通知を受けた場合に、予約が確定した座席の指定券を発券する発券部を有し、
前記列車内サーバのデータベースは、前記発券部により発券した座席の予約状況が予約有りに更新される、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、
さらに、操作指示が入力される操作部と、
前記操作部により予約可能な座席の表示が指示された場合、前記データ記憶部に記憶されている座席情報に基づいて検索される予約可能な座席を前記表示部に表示し、前記操作部により前記表示部に表示された予約可能な座席の指定券の発券が指示された場合に、前記列車内サーバに対して当該座席の予約の問合せを行う制御部と、を有する、
ことを特徴とする前記請求項2に記載の案内システム。
【請求項4】
列車内の座席に関する情報を案内する案内方法であって、
前記列車内における各座席に設けられる着席確認装置が、座席に人物が着席しているか否かを検知し、
前記着席確認装置が接続されている表示装置が、前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として当該列車内に設置されている列車内サーバへ送信し、
前記列車内サーバが、
前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信し、
前記表示装置から受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報としてデータベースに記憶し、
前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記座席情報の更新内容を示す更新情報を当該列車内の座席情報を表示するための携帯端末へ送信し、
前記携帯端末が、
前記列車内サーバからの前記更新情報を受信し、
前記受信した更新情報によりデータ記憶部に記憶される座席情報を更新し、
前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示部に表示する、
ことを特徴とする案内方法。
【請求項1】
列車内の座席に関する情報を案内する案内システムであって、
着席確認装置と表示装置と列車内サーバと携帯端末とを具備し、
前記着席確認装置は、
各座席に設けられ、座席に人物が着席しているか否かを検知するセンサを有し、
前記表示装置は、
前記着席確認装置の前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として前記列車内サーバへ送信する第1のネットワークインターフェースを有し、
前記列車内サーバは、
前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信する第2のネットワークインターフェースと、
前記第2のネットワークインターフェースにより受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報として記憶するデータベースと、
前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記携帯端末へ更新情報を送信する第1の無線通信インターフェースと、を有し、
前記携帯端末は、
前記列車内サーバから座席情報の更新情報を受信するための第2の無線通信インターフェースと、
前記第2の無線通信インターフェースにより受信する更新情報により更新される座席情報を記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示する表示部と、を有する、
ことを特徴とする案内システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、
さらに、当該列車内における座席の予約の問合せに対して前記列車内サーバから座席の予約が確定した旨の通知を受けた場合に、予約が確定した座席の指定券を発券する発券部を有し、
前記列車内サーバのデータベースは、前記発券部により発券した座席の予約状況が予約有りに更新される、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、
さらに、操作指示が入力される操作部と、
前記操作部により予約可能な座席の表示が指示された場合、前記データ記憶部に記憶されている座席情報に基づいて検索される予約可能な座席を前記表示部に表示し、前記操作部により前記表示部に表示された予約可能な座席の指定券の発券が指示された場合に、前記列車内サーバに対して当該座席の予約の問合せを行う制御部と、を有する、
ことを特徴とする前記請求項2に記載の案内システム。
【請求項4】
列車内の座席に関する情報を案内する案内方法であって、
前記列車内における各座席に設けられる着席確認装置が、座席に人物が着席しているか否かを検知し、
前記着席確認装置が接続されている表示装置が、前記センサによる検知結果を座席の着席状況を示す情報として当該列車内に設置されている列車内サーバへ送信し、
前記列車内サーバが、
前記表示装置からの座席の着席状況を示す情報を受信し、
前記表示装置から受信した座席の着席状況を示す情報を当該列車内の座席の予約状況を示す情報とともに座席情報としてデータベースに記憶し、
前記データベースに記憶されている座席情報が更新された場合、前記座席情報の更新内容を示す更新情報を当該列車内の座席情報を表示するための携帯端末へ送信し、
前記携帯端末が、
前記列車内サーバからの前記更新情報を受信し、
前記受信した更新情報によりデータ記憶部に記憶される座席情報を更新し、
前記データ記憶部に記憶されている座席情報を表示部に表示する、
ことを特徴とする案内方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−273509(P2008−273509A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105090(P2008−105090)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【分割の表示】特願2002−179423(P2002−179423)の分割
【原出願日】平成14年6月20日(2002.6.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【分割の表示】特願2002−179423(P2002−179423)の分割
【原出願日】平成14年6月20日(2002.6.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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