説明

梱包体

【課題】少ない部品点数で異形のインクリボンユニットを確実に固定することができる梱包体を提供する。
【解決手段】本発明に係る梱包体は、印画紙が巻き取られた印画紙ロール2と、繰り出しロール31、これと平行に配置された巻き取りロール32、及び前記繰り出しロール31に巻き取られたインクリボンを有するインクリボンユニット3と、印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する収納箱1と、収納箱に収納され、印画紙ロールとインクリボンユニットとを仕切る仕切り部材と、を備え、仕切り部材は、印画紙ロールを軸方向の両端部において挟む一対の板状の狭持部41と、両狭持部を連結する板状の連結部43とを有し、連結部は、印画紙ロールの径方向に、収納箱内を、印画紙ロール及びインクリボンユニットがそれぞれ配置される第1及び第2の収納領域に仕切り、しかも、軸方向から傾斜するように延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納箱に収納した梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール状の製品の梱包形態としては、例えば、特許文献1に記載のものなど、種々のものが提案されている。このように、ロール状製品自体の梱包形態は、多岐に亘り、最近では、ロール状製品に加え、付属物も同時に梱包する試みがなされている。例えば、ロール状製品の一つである印画紙ロールについては、これに印画を行うインクリボンユニットも同じ収納箱に梱包することで、ユーザの利便性を向上している。
【特許文献1】特開平7−69341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなインクリボンユニットは、インクリボンが巻き取られた繰り出しロールと、これに平行に配置された巻き取りロールとがセットになったものであり、未使用時には、繰り出しロールの径が大きい一方、巻き取りロールの径が小さくなっている。すなわち、径の異なる2つのロールが平行に配置された異形の形状をなしているため、収納箱内での固定が難しいという問題があった。例えば、立方体または直方体といった対向する面が平行な形状を有する内容物は、比較的簡単な固定具や仕切り材で収納箱内に固定することができるが、上記のような異形の内容物では、固定のための部材が複雑になったり、隙間を埋めるために余分な部材が必要になるため、部品点数が多くなるという問題も有している。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、少ない部品点数で異形のインクリボンユニットを確実に固定することができる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の梱包体は、上記問題を解決するためになされたものであり、印画紙が巻き取られた印画紙ロールと、繰り出しロール、これと平行に配置された巻き取りロール、及び前記繰り出しロールに巻き取られたインクリボンを有するインクリボンユニットと、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する収納箱と、前記収納箱内を、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットがそれぞれ配置される第1及び第2の収納領域に仕切る仕切り部材と、を備え、前記インクリボンユニットは、前記繰り出しロール及び巻き取りロールの軸方向が、第2収納領域の底面と平行となるように配置され、前記仕切り部材は、前記第2収納領域の底面と垂直な方向から傾斜するように、延びている。
【0006】
この構成によれば、仕切り部材によって、収納箱内が、印画紙ロールが配置される第1収納領域と、インクリボンユニットが収納される第2収納領域に仕切られる。そして、第2収納領域においては、繰り出しロール及び巻き取りロールの軸方向が、第2収納領域の底面と平行となるように配置されるとともに、
仕切り部材は、第2収納領域の底面と垂直な方向から傾斜するように、延びている。これにより、第2の収納領域は、底面と垂直な方向において、一方から他方にいくにしたがって、容積が狭くなるように構成されている。そのため、インクリボンユニットの収納に当たっては、径の大きい繰り出しロール側を容積の大きい側に配置し、径の小さい巻き取りロール側を容積の小さい側に配置することで、収納することができる。したがって、径の異なるロールを有するインクリボンユニットに適合したスペースを作ることができ、インクリボンユニットを確実に固定することができる。
【0007】
また、仕切り部材は、印画紙ロールとインクリボンユニットとを仕切るのにすぎないため、隙間を埋めるような特別な部材は不要であり、部品点数を少なくすることができ、ひいてはコストダウンを図ることができる。なお、第2収納領域の底面は、必ずしも、収納箱の下面側を意味するのではなく、いずれの面であってもよく、例えば、収納箱の側面に対応する面を第2収納領域の底面として定義することもできる。また、印画紙ロールの配置方向は、特には限定されないが、例えば、軸方向が第2収納領域の底面と垂直となるように配置すると、安定して配置することができる。
【0008】
本発明に係る第2の梱包体は、上記問題を解決するためになされたものであり、印画紙が巻き取られた少なくとも2個の印画紙ロールと、繰り出しロール、これと平行に配置された巻き取りロール、及び前記繰り出しロールに巻き取られたインクリボンを有する少なくとも2個のインクリボンユニットと、前記各印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する収納箱と、前記収納箱内を、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットがそれぞれ配置される第1及び第2の収納領域に仕切る仕切り部材と、を備え、前記インクリボンユニットは、前記繰り出しロール及び巻き取りロールの軸方向が、第2収納領域の底面と平行となるように配置され、少なくとも2個の前記インクリボンユニットは、一方のインクリボンユニットにおける前記巻き取りロールと繰り出しロールとの径の差により生ずる段差に、他方のインクリボンユニットの巻き取りロールが嵌るように配置され、さらに、前記2個の巻き取りロールを挟んで前記2個の繰り出しロールが対向するように、配置されている。
【0009】
この構成によれば、2個以上の印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する場合、一方のインクリボンユニットにおける巻き取りロールと繰り出しロールとの径の差により生ずる段差に、他方のインクリボンユニットの巻き取りロールが嵌るように配置され、さらに、2個の巻き取りロールを挟んで前記2個の繰り出しロールが対向するように、配置される。このような配置により、異形のインクリボンユニットにおいて、径の小さい巻き取りロール同士が隣接して繰り出しロールとの径の差を互いに埋めることができる。その結果、収納箱内に無駄なスペースが形成されるのを防止でき、さらにスペースを埋めるための余分な部材も不要になる。
【0010】
上記第1及び第2の梱包体において、仕切り部材は、種々の形態にできる。例えば、第1及び第2の領域の境界のみに配置されるような形態にすることができる。この場合、仕切り部材が収納箱内で動かないようにするための固定手段を設けることが好ましい。また、仕切り部材は、例えば、印画紙ロールを軸芯が第2収納領域の底面と垂直となるように配置した上で、印画紙ロールを軸方向の両端部において挟む一対の板状の狭持部と、両狭持部を連結する板状の連結部とを備え、連結部が、第1及び第2領域の境界を構成するように、仕切り部材を形成することができる。このようにすると、挟持部により、印画紙ロールを軸方向から挟むことができるため、挟持部に他の固定手段を施すことで、印画紙ロールを固定することができる。これにより、収納箱内での印画紙ロールの移動、振動などを防止することができるほか、仕切り部材自体の移動なども防止することができる。
【0011】
例えば、印画紙ロールが、軸芯部分に円筒状の軸芯空間を有している場合、各狭持部に、印画紙ロール側に突出し、軸芯空間に嵌合する軸固定部材を設けると、印画紙ロールをしっかりと固定することができる。このように、印画紙ロールの内部に嵌合する部材を用いて固定することができるので、省スペース化が可能になる。
【0012】
仕切り部材は、種々の態様があるが、例えば、第1の梱包体の場合、一方の狭持部の中間部に、連結部の一端部を連結し、他方の狭持部の端部またはその近傍に連結部の他端部を連結することで構成することができ、こうすることで、連結部を軸方向から傾斜して配置することができる。或いは、次のように構成することもできる。すなわち、仕切り部材を、展開したときに、一方の狭持部、連結部、及び他方の狭持部がこの順で並ぶように一体的に形成し、連結部を、狭持部よりも幅の狭い帯状に形成する。そして、連結部の延びる方向に沿って一方の狭持部に形成された切り込みによって、連結部が、一方の狭持部の中間部まで延長するようにし、この中間部において連結部を折り曲げ可能とする。この構成によれば、仕切り部材を一枚の板材などによって、一体的に形成することができ、コストの低減及び製造の簡易化を図ることができる。なお、中間部とは、必ずしも、狭持部の中央を指すのではなく、両端部の間の任意の位置を指す。
【0013】
第2の梱包体においても、同様の仕切り部材を用いることができる。但し、第2の梱包体では、2個のインクリボンユニットが互いに隙間を埋めるように配置されるため、必ずしも連結部を傾斜させる必要はなく、第1及び第2の領域の間を、第2収納領域の底面から垂直に延びるように形成することができる。なお、仕切り部材を一枚の板材などによって形成する場合には、上述したように、連結部が一方の挟持部の中間部まで延長するように形成することができる。連結部が印画紙ロールの軸方向に真っ直ぐに延びる場合には、連結部を他方の挟持部の中間部にも延長することができる。
【0014】
また、各挟持部の少なくとも一方は、収納箱において、前記印画紙ロールの軸心の端部が対向する面と、ほぼ同じ大きさに形成することができる。このようにすると、挟持部が、収納箱の内壁面に嵌って固定されるため、挟持部が収納箱内で移動するのを防止でき、ひいては印画紙ロールの移動、及び連結部の移動も防止することができる。
【0015】
また、インクリボンユニットにおける軸方向の端部の少なくとも一方と、収納箱の内壁面との間に形成される隙間に、隙間材を配置することができる。特に、第2の梱包体は、印画紙ロールを2個以上収納し、この印画紙ロールを基準に収納箱が設計されることが多いため、インクリボンユニットと収納箱の内壁面との間には、隙間が生じる可能性がある。この場合、上記のように隙間材を配置することで、隙間を埋めることができ、インクリボンユニットの収納箱内での移動を防止することができる。隙間材は、軸方向の両端部に配置してもよいし、一方の端部のみに配置することもできる。このような隙間材は、第1の梱包体においても使用することができ、この場合、第2収納領域の形状に合わせた隙間材を準備し、これをインクリボンユニットの軸方向の一方または両方の端部に配置すればよい。
【0016】
なお、本発明で用いられる印画紙ロール及びインクリボンユニットは、画像の形成のほか、文字の印刷も可能である。また、ロール状に形成されているのであれば、印画紙ロールの材料、大きさは特には限定されず、またインクリボンも特には限定されない。

本発明に係る第3の梱包体は、上記問題を解決するためになされたものであり、印画紙が巻き取られた印画紙ロールと、繰り出しロール、これと平行に配置された巻き取りロール、及び前記繰り出しロールに巻き取られたインクリボンを有するインクリボンユニットと、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する収納箱と、前記収納箱に収納され、前記印画紙ロールとインクリボンユニットとを仕切る仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、前記印画紙ロールを軸方向の両端部において挟む一対の板状の狭持部と、前記両狭持部を連結する板状の連結部とを有し、前記連結部は、前記印画紙ロールの径方向に、前記収納箱内を、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットがそれぞれ配置される第1及び第2の収納領域に仕切り、しかも、前記軸方向から傾斜するように延びている。
【0017】
この構成によれば、仕切り部材の連結部が、収納箱内を、印画紙ロール及びインクリボンユニットが、当該印画紙ロールの径方向に並ぶように仕切っており、さらに連結部は、印画紙ロール軸方向から傾斜するように延びている。したがって、インクリボンユニットの収納される第2の収納領域は、軸方向の一方から他方にいくにしたがって、面積が狭くなるように構成されている。そのため、インクリボンユニットの収納に当たっては、径の大きい繰り出しロール側を印画紙ロールの軸方向の一方側に配置し、径の小さい巻き取りロール側を他方側に配置することで、収納することができる。したがって、径の異なるロールを有するインクリボンユニットに適合したスペースを作ることができ、インクリボンユニットを確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る梱包体によれば、少ない部品点数で異形のインクリボンユニットを確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る梱包体の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はこの梱包体から内容物を取り出して分解した状態を示す斜視図、図2は図1の梱包体の断面図である。
【0020】
図1に示すように、この梱包体は、直方体状の紙製の収納箱1に、印画紙ロール2と、これに印画を行うインクリボンユニット3とを梱包したものである。また、収納箱1には、印画紙ロール2及びインクリボンユニット3を仕切る仕切り部材4が収納されており、この仕切り部材4によって、図2に示すように、収納箱1の左側(第1収納領域)に印画紙ロール2が配置され、右側(第2収納領域)にインクリボンユニット3が配置されている。
【0021】
印画紙ロール2は、公知のものであり、円筒状の軸芯21に印画紙が巻き取られたものであり、全体として円筒状に形成されている。梱包時には印画紙の保護のため、印画紙ロール2を軟らかい樹脂製の袋22に収納した後に、収納箱1に収容される。このとき、印画紙ロール2は、軸芯21が上下方向を向くように収納箱1に配置される。また、図2に示すように、軸芯21の長さは、収納箱1の高さとほぼ同じになっている。
【0022】
一方、インクリボンユニットも公知のものであり、図2に示すように、インクリボンが巻き取られた繰り出しロール31と、これと平行に配置された巻き取りロール32を有している。これらのロール31,32は、軸方向の端部を互いに連結する連結部材33によって固定されている。このような構成により、インクリボンユニット3は、径の異なる2つのロール31,32が並ぶ異形の形状をなしており、梱包時には印画紙ロール2と同様に、樹脂製の袋33に収納された後、収納箱1に収容される。
【0023】
次に、仕切り部材について図3も参照しつつ説明する。図3は仕切り部材の展開図である。同図に示すように、仕切り部材4は、厚紙で板状に形成されており、矩形状の一対の狭持部41、42と、これを連結する帯状の連結部43とで構成されている。各狭持部41、42は、それぞれ収納箱1の上面及び下面とほぼ同じ大きさの矩形状に形成されており、図2に示すように、印画紙ロール2の軸方向の各端面に接して、ロール2を上下から挟むように配置される。ここでは、収納箱1の上側及び下側に配置される挟持部をそれぞれ、第1挟持部41,及び第2挟持部42と称することとし、第1挟持部41が収納箱1の下面11と接し、第2挟持部42が収納箱1の上面42と接する。
【0024】
図2及び図3に示すように、第1挟持部41上には、左側に印画紙ロール1が配置され、境界Zの右側にインクリボンユニット3が配置される。より詳細には、図3に示すように、第1挟持部41の幅方向Y(同図の上下方向)の長さが、印画紙ロール2の直径Dと対応している。一方、第1挟持部41の長さ方向X(図の左右方向)の長さは、印画紙ロール2の直径Dと、繰り出しロール31の直径dとの合計長さより若干長く設計されている。第2挟持部42も、第1挟持部41と同じ大きさであり、図3に示すように展開図にした場合には、同図の右側に印画紙ロール1が配置される。また、両挟持部41,42において、印画紙ロール1が配置される位置には、軸芯21を固定するための貫通孔47、48が形成されており、後述する軸固定部材によって印画紙ロール1が各挟持部41,42に固定される。なお、上記第1挟持部41において、インクリボンユニット3が配置される部分が、第2収納領域の底面を構成する。
【0025】
また、第1挟持部41には、右側の端部から長さ方向Xに延びる一対の切り込み44が形成されている。この切り込みは、連結部を延長するように延びており、これによって、連結部43は、第1狭持部の中間まで延びている。そして、その端部が、上述した境界Zとなっている。このように、連結部43は、切り込み44によって、第1挟持部41の右端部を折り目とするのではなく、長さ方向Xの中間、つまり境界Zを折り目として折り曲げ可能になっている。なお、第2挟持部42においても、左端部からわずかに切り込み45が形成されており、連結部43は、第2挟持部42の左端部からわずかに入った位置Nを折り目として折り曲げられる。
【0026】
こうして、仕切り部材4は、上述した折り目Z,Nでコ字状に折り曲げられ、図2に示すように、収納箱1内に配置される。これにより、収納箱1には、連結部43を挟んで左側の第1収納領域15に印画紙ロール2が配置され、右側の第2収納領域16にインクリボンユニット3が配置される。このとき、連結部43の下側の折り目Zが、第1挟持部41の中間に形成されているため、第2収納領域16は、正面視で下から上にいくにしたがって幅が狭くなっている。このため、インクリボンユニット3は、各ロール31,32の軸が印画紙ロール2の軸芯21と直交するようにした上で、径の大きい繰り出しロール31を下に、径の小さい巻き取りロール32側を上に向くように配置することで、収納される。
【0027】
一方、第1収納領域15に収納される印画紙ロール2は、次に説明する軸固定具によって固定されている。軸固定部材5は、狭持部41,42の貫通孔47,48にそれぞれ嵌合する円筒状の本体部51と、その軸方向の一端部から径方向に突出するフランジ部52とで構成されている。そして、図2に示すように、各軸固定部材5は、各狭持部41,42のロール2とは反対側の面から貫通孔47,48に挿入され、ロール側に突出するように取り付けられる。このとき、フランジ部52が貫通孔47,48の周縁に係合するため、軸固定部材5は狭持部41,42から抜けることなく固定される。こうして、組み立てられた仕切り部材4、印画紙ロール2、インクリボンユニット3を収納箱1に収納すると、本実施形態に係る梱包体が完成する。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、連結部43の下側の折り目Zを第1挟持部41の中間に設けているため、インクリボンユニット3が収納される第2収納領域16は、下から上にいくにしたがって幅が狭くなっている。すなわち、径の異なるロールを有するインクリボンユニット3に適合した収納スペースを作ることができるため、インクリボンユニット3を確実に固定することができる。また、印画紙ロール2とインクリボンユニット3とを仕切る仕切り部材4は、上記のように一対の狭持部41,42と連結部43とで構成されているにすぎないため、隙間を埋めるような特別な部材は不要であり、部品点数を少なくすることができ、ひいてはコストダウンを図ることができる。
【0029】
この実施形態において、仕切り部材の構成は、種々の構成が可能であり、仕切り部材を収納箱に入れたときに、正面視で連結部が斜め方向に延び、第2収納領域が一方から他方へ向かって狭くなるように構成されていれば、その他の構成は、特には限定されない。上記実施形態では、仕切り部材4を一体的に形成しているが、これを別個に作成して連結してもよい。この場合、例えば、連結部を別体で形成し、狭持部の中間部に、揺動自在に連結することもできる。また、仕切り部材を単にコ字状に折り曲げた板状の部材としてもよく、このときに、中間に配置される連結部が斜めに延びるようになっていればよい。

(第2実施形態)
次に、本発明に係る梱包体の第2実施形態について説明する。図4は、この実施形態に係る梱包体の組み立てを示す斜視図、図5は仕切り部材の展開図、図6は梱包体の断面図、図7は図6のA−A線断面図である。
図4に示すように、この梱包体は、収納箱1に、2個の印画紙ロール2と、2個のインクリボンユニット3とを収納したものであり、印画紙ロール2及びインクリボンユニット3は、第1実施形態で示したものと同じであるので、同一符号を付す。収納箱1には、仕切り部材6が収納され、この仕切り部材6によって、収納箱1は、印画紙ロール2が収納される第1収納領域15と、インクリボンユニット2が収納される第2収納領域16とに仕切られる(図6参照)。また、この収納箱1の中には、インクリボンユニット3と収納箱1の内壁面との隙間を埋める隙間材7が配置されている。

次に、仕切り部材6について図5も参照しつつ説明する。図5に示すように、仕切り部材6は、厚紙で板状に形成されており、印画紙ロール2の下面側に配置される第1狭持部61と、印画紙ロール2の上面側に配置される第2狭持部62と、これら狭持部61,62を連結する幅の狭い連結部63とで構成されている。第1狭持部61は、折り目Mを介して連結された2枚の狭持部片、つまり第1狭持部611片及び第2狭持部片612から構成され、使用時には、これら狭持部片611,612が折り畳まれ、重ね合わされた状態で印画紙ロール2の下面に配置される(図4参照)。そして、第1狭持部片611は、連結部63に連結されている。両狭持部片611,612は、外形が、収納箱1の下面とほぼ同じ大きさに形成されているが、第2狭持部62は、それよりも小さく形成されている。
【0030】
図5に示すように、第1挟持部片611上には、Y方向(同図の上下方向)に延びる境界Zの右側に2個の印画紙ロール1が配置され、左側にインクリボンユニット3が配置される。より詳細には、両挟持部片611のY方向の長さが、2個の印画紙ロール2の直径Dの合計長さと対応している。一方、第1挟持部片611のX方向(図の左右方向)の長さは、印画紙ロール2の直径Dと、繰り出しロール31の直径dとの合計長さより若干長く設計されている。
【0031】
第2挟持部62は、図4に示すように、第1挟持部61における第1収納領域の上方に配置され、印画紙ロール2の上面を覆う。したがって、第2挟持部62の大きさは、X方向が印画紙ロールの直径Dとほぼ同じであり、Y方向が2個の印画紙ロール2の直径Dの合計長さとほぼ同じになる。また、両挟持部61,62において、印画紙ロール2が配置される位置には、第1実施形態と同様に、貫通孔6111,6121,621が形成されており、軸固定部材5によって印画紙ロール1が各挟持部61,62に固定される。
【0032】
また、第1挟持部片611には、連結部63側(左側)の端部から長さ方向Xに延びる二対の切り込み6115が形成されており、中央の2つの切り込み6115は、左側の端部同士がY方向に延びる切り込み6114で連結されている。このような切り込みにより、図4に示すように、連結部63の下端には2つの脚部631が形成され、第1挟持部片611の中間部まで延びて折り目L(境界Z)と連結している。一方、第1挟持部片611の端部には、3つの突部6112,6113が形成され、第2収納領域の底面を構成している。なお、連結部63の右側の端部は、折り目Nを介して第2挟持部62の端部に連結されている。
【0033】
こうして、仕切り部材4は、上述した折り目L及び第2挟持部62の端部の折り目Nでコ字状に折り曲げられ、図4に示すように、収納箱1内に配置される。このとき、第1実施形態と異なり、連結部63は、ほぼ垂直方向に延び、第1及び第2収納領域15,16とも、直方体形状に形成される。図6に示すように、第2収納領域16では、一方のインクリボンユニット3が、繰り出しロール31を下側に向け、巻き取りロール32を上側に向けて配置される。このとき、上側の巻き取りロール32と、繰り出しロール31との径の差により、インクリボンユニット3には段差が形成される。この段差に、他方のインクリボンユニット3の繰り出しロール31が嵌め込まれる。すなわち、他方のインクリボンユニット3は、巻き取りロール32を下側に向け、繰り出しロール31を上側に向けて配置される。このような配置により、第2収納領域16では、上下方向に隙間なく、2個のインクリボンユニット3が収納される。
【0034】
図7に示すように、インクリボンユニット3の軸方向の長さは、第1挟持部片611のY方向の長さよりも短い。そのため、軸方向の両端部と、収納箱1の内壁面との隙間には、隙間材7が配置される。図4及び図7に示すように、隙間材7は、帯状の厚紙を折り曲げて一体的に形成されたものであり、一対の充填材71と、これを接続する接続部72とで構成されている。各充填材71は、折り曲げられて直方体状に形成され、インクリボンユニット3の軸方向の端部と収納箱1の内壁面との間に配置されており、収納箱1の高さとほぼ同じ高さを有する。接続部72は、充填材71の下端部同士を連結するものであり、第1挟持部片611のY方向の長さとほぼ同じであり、3つの突部6112,6113を跨ぐように配置される。このように、隙間材7を一体的に形成する場合には、充填材71を接続する接続部72が必要となるが、本実施形態では、第1挟持部片611の中央の突部6113は、接続部72を支持し、下方に折れ曲がるのを防止している。
【0035】
上記のように構成された各部材により、この梱包体は、図4に示すように、組み立てられる。すなわち、仕切り部材6を折り曲げて、第1及び第2収納領域を形成し、第1収納領域15に2個の印画紙ロール2を配置した後、軸固定部材5によって、印画紙ロール2を仕切り部材6に固定する。続いて、隙間材7の充填材71の間に2個のインクリボンユニットを上述したように収納し、これを仕切り部材6の第2収納領域15に配置する。こうして組み立てられた部材を収納箱1に収納すると、梱包体が完成する。
【0036】
以上のように本実施形態によれば、仕切り部材6により、直方体状の第2収納領域16を形成し、一方のインクリボンユニット3における巻き取りロール32と繰り出しロール31との径の差により生ずる段差に、他方のインクリボンユニット3の巻き取りロール32が嵌るように配置し、さらに、2個の巻き取りロール32を挟んで2個の繰り出しロール31が対向するように、配置している。このような配置により、異形のインクリボンユニット3において、径の小さい巻き取りロール32同士が隣接して繰り出しロール31との径の差を互いに埋めることができる。その結果、収納箱1内に無駄なスペースが形成されるのを防止でき、さらにスペースを埋めるための余分な部材も不要になる。
【0037】
また、第1実施形態と同様に、この実施形態においても、仕切り部材6の構成は、種々の構成が可能であり、少なくとも2個のインクリボンユニット3が互いの段差を埋めるように配置できる第2収納領域が形成されればよい。
【0038】
また、隙間材7は、上述したもののほか、例えば、図8及び図9に示すような形状にすることができる。図8は隙間材の使用状態を示す図であり、図9は隙間材の展開図である。
【0039】
図9に示すように、この隙間材7は、一対の充填材71と、これを接続する帯状の接続部72とで構成されている。各充填材71は、接続部72の両端部に折り曲げ可能に連結される矩形状の中央部711と、その両側に折り曲げ可能に連結される矩形状の一対の側面部712とで構成されている。中央部711及び側面部712はともに、収納箱1の高さとほぼ同じ長さとなっている。図8に示すように、収納箱1に収容するには、中央部711は、水平に配置される接続部72に対して垂直に折り曲げ、さらに各側面部712を中央部711に対して直角に折り曲げる。このとき、各側面部712は、接続部72とは反対側、つまり梱包体の外方に向くように折り曲げる。これにより、充填材71は、インクリボンユニット3の両端部と、収納箱1との間を埋めるように平面視略矩形となる。こうして、図8に示すように、隙間材7を収納箱1に配置し、両充填材71の間に、インクリボンユニット3を収納すれば、インクリボンユニット3を収納箱1内の所定の位置に保持することができる。
【0040】
なお、図4では、仕切り部材6の第1狭持部61に3つの突部6112,6113を設けているが、そのうちの中央の突部6113は、必ずしも設けなくてもよく、図8に示すように、省略することもできる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。上述した例では、1個または2個のインクリボンユニットを収納する場合について説明したが、3個以上のインクリボンユニットを収納する場合には、第1及び第2実施形態の梱包体を適宜組み合わせて収納すればよい。
【0042】
また、印画紙ロール2を狭持部に固定するための手段は、上述した軸固定部材5以外の構成でもよく、挟持部に印画紙ロールが固定できるのであれば、特には限定されない。印画紙ロール2は、第2収納領域の底面に対し、軸方向が垂直となるように配置しているが、これに限定されず、固定用の部材を設ければ、第2収納領域の底面と軸とが平行になるように配置することもできる。また、上記の説明では、印画紙ロール2に軸芯21を設けているが、このような軸芯21は必ずしも必要ではなく、軸芯を設けずに印画紙を巻き取ってロール状にした、いわゆるコアレスの印画紙ロールを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態に係る梱包体を分解した状態を示す斜視図である。
【図2】図1の梱包対の断面図である。
【図3】仕切り部材の展開図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る梱包体を分解した状態を示す斜視図である。
【図5】仕切り部材の展開図である。
【図6】図4の梱包体の断面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】図4に示す梱包体の他の例を示す斜視図である。
【図9】図8で用いる隙間材の展開図である。
【符号の説明】
【0044】
1 収納箱
2 印画紙ロール
3 インクリボンユニット
4 仕切り部材
41 第1挟持部
42 第2挟持部
43 連結部
6 仕切り部材
61 第1狭持部
62 第2狭持部
7 隙間材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印画紙が巻き取られた印画紙ロールと、
繰り出しロール、これと平行に配置された巻き取りロール、及び前記繰り出しロールに巻き取られたインクリボンを有するインクリボンユニットと、
前記印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する収納箱と、
前記収納箱内を、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットがそれぞれ配置される第1及び第2の収納領域に仕切る仕切り部材と、を備え、
前記インクリボンユニットは、前記繰り出しロール及び巻き取りロールの軸方向が、第2収納領域の底面と平行となるように配置され、
前記仕切り部材は、前記第2収納領域の底面と垂直な方向から傾斜するように、延びている、梱包体。
【請求項2】
印画紙が巻き取られた少なくとも2個の印画紙ロールと、
繰り出しロール、これと平行に配置された巻き取りロール、及び前記繰り出しロールに巻き取られたインクリボンを有する少なくとも2個のインクリボンユニットと、
前記各印画紙ロール及びインクリボンユニットを収納する収納箱と、
前記収納箱内を、前記印画紙ロール及びインクリボンユニットがそれぞれ配置される第1及び第2の収納領域に仕切る仕切り部材と、を備え、
前記インクリボンユニットは、前記繰り出しロール及び巻き取りロールの軸方向が、第2収納領域の底面と平行となるように配置され、
少なくとも2個の前記インクリボンユニットは、一方のインクリボンユニットにおける前記巻き取りロールと繰り出しロールとの径の差により生ずる段差に、他方のインクリボンユニットの巻き取りロールが嵌るように配置され、さらに、前記2個の巻き取りロールを挟んで前記2個の繰り出しロールが対向するように、配置されている、梱包体。
【請求項3】
前記印画紙ロールは、軸芯が、前記第2収納領域の底面と垂直となるように配置され、
前記仕切り部材は、前記印画紙ロールを軸方向の両端部において挟む一対の板状の狭持部と、前記両狭持部を連結する板状の連結部とを有し、
前記連結部は、前記第1及び第2領域の境界を構成する、請求項1または2に記載の梱包体。
【請求項4】
前記印画紙ロールは、軸芯部分に円筒状の軸芯空間を有しており、
前記各狭持部には、前記印画紙ロール側に突出し、前記軸芯空間に嵌合する軸固定部材がそれぞれ設けられている、請求項3に記載の梱包体。
【請求項5】
前記仕切り部材は、展開したときに、一方の狭持部、連結部、及び他方の狭持部がこの順で並ぶように一体的に形成され、
前記連結部は、前記狭持部よりも幅の狭い帯状に形成され、
前記連結部は、当該連結部の延びる方向に沿って前記一方の狭持部に形成された切り込みによって、当該一方の狭持部の中間部まで延長されており、当該中間部において折り曲げ可能となっている、請求項3または4に記載の梱包体。
【請求項6】
前記各挟持部の少なくとも一方は、前記収納箱において、前記印画紙ロールの軸心の端部が対向する面と、ほぼ同じ大きさに形成されている、請求項3から5のいずれかに記載の梱包体。
【請求項7】
前記インクリボンユニットにおける軸方向の端部の少なくとも一方と、前記収納箱の内壁面との間に形成される隙間に隙間材が配置されている、請求項3から6のいずれかに記載の梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−173337(P2009−173337A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90504(P2008−90504)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】