説明

梱包材

【課題】簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができる梱包材を提供する。
【解決手段】梱包材1は、収納部5にMicroSDカード50が収納される穴部3が形成された挿入体2が挿入されることによりMicroSDカード50を収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができる梱包材等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、SDカード(登録商標)、MicroSDカード(登録商標)等の可搬型記憶媒体の大容量化及び低価格化により、かかる可搬型記憶媒体は様々な用途で利用されるべく、一般市場に流通している。この可搬型記憶媒体が流通段階におかれる際には、当該可搬型記憶媒体を外部からの衝撃から保護し、正常な動作を確保する等の信頼性を維持するために、梱包材によって梱包されている。
【0003】
特許文献1では、弾性を有する合成樹脂により構成され、半導体メモリカードの収納時に係合部が弾性変形することにより嵌合保持する半導体メモリカードの収納ケースに関する発明が開示されている。
【0004】
特許文献2では、ポリ塩化ビニル樹脂により形成された電子記録媒体が抜け出るのを防止する搬送袋に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−101360号公報
【特許文献2】特開2002−205745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される収納ケースは、合成樹脂により構成されているため、専用の金型を製作し当該収納ケースを製造しなければならず、金型製作費用等の多大なコストや加工費がかかってしまう。また、特許文献2に開示される搬送袋は、ポリ塩化ビニル樹脂で形成されているため、可搬型記憶媒体を外部からの衝撃から十分に保護することができず、かかる可搬型記憶媒体の信頼性を維持することができない。
【0007】
そこで、本発明は上記各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができる梱包材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被梱包体が収納される穴部が形成された挿入体と、この挿入体が挿入される収納部が少なくとも一の面に形成された保持体とからなる梱包材であって、前記保持体と、前記一の面に載設される中間部材と、前記中間部材に載設される前面部材とによって囲まれる前記収納部に、前記挿入体が挿入されることにより当該挿入体を収納することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができ、容易に被梱包体を梱包材に梱包することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の梱包材であって、前記前面部材には、前記挿入体が挿入された際に、前記被梱包体の少なくとも一部が外部から視認できる窓部が形成されることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができ、容易に被梱包体を梱包材に梱包することができ、併せて、収納された被梱包体の種別を確認することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の梱包材であって、前記中間部材は、略L字形状であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、より簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができ、容易に被梱包体を梱包材に梱包することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、被梱包体が収納される穴部が形成された挿入体と、この挿入体が挿入される収納部が少なくとも一の面に形成された保持体とからなる梱包材であって、略矩形の基材の一対の辺を夫々折り線とし、当該各折り線から前記基材の外側方向に形成され、前記各折り線を介して前記基部の内側に折りたたまれる一対のフラップを有する取付部材と、前記保持体と、前記一の面に載置される前記取付部材によって囲まれる前記収納部に、前記挿入体が挿入されることにより当該挿入体を収納することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、極めて簡便な構成で、被梱包体の信頼性を維持することができ、容易に被梱包体を梱包材に梱包することができる。加えて、この梱包材には、前記前面部材と前記中間部材に代わって、一の部品である取付部材が適用されるため、梱包材の製造コストを抑えつつ、一の板状の部材という極めて簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の梱包材であって、前記梱包材は、板状の部材によって形成されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、梱包材の製造コストを抑えつつ、板状の部材という極めて簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の梱包材であって、前記穴部は、貫通穴であることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、穴部の深さを設定せずに梱包材を製造することができるため、梱包材の製造コストを抑えつつ、極めて簡便な構成で、被梱包体の信頼性を維持することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明における梱包材によれば、被梱包体が収納される挿入体が挿入される収納部が少なくとも一の面に形成されるため、簡便な構成で被梱包体の信頼性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係る梱包材に被梱包体が収納された状態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る挿入体に被梱包体が収納される状態を示す図である。
【図3】本実施形態に係る挿入体が保持体に挿入される状態を示す図である。
【図4】本実施形態に係る梱包材1を構成する各部材の形状を示す図である。
【図5】本実施形態に係る梱包材1の完成に至るまでの形状を段階的に示す組立図である。
【図6】本実施形態に係る梱包材1の完成に至るまでの形状を段階的に示す組立図である。
【図7】本実施形態における梱包材1の使用形態を示す概念図である。
【図8】中間部材の他の形状の一例を示す図である。
【図9】中間部材6及び前面部材7を取付部材で構成した例を示す図である。
【図10】取付部材が載設された梱包材を示す図である。
【図11】他の取付部材を示す図である。
【図12】挿入体の他の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
まず、図1〜図3を用いて、本実施形態に係る梱包材の使用状態について説明する。
【0024】
図1は本実施形態に係る梱包材に被梱包体が収納された状態を示す斜視図であって、図1(A)は外観斜視図、図1(B)は外観斜視図をP平面(図1(A)参照)で切断した場合であって矢印P´方向から看視した場合の内部構造を示す断面図である。図2は本実施形態に係る挿入体に被梱包体が収納される状態を示す図であり、図3は本実施形態に係る挿入体が保持体に挿入される状態を示す図である。
【0025】
図1(A)に示すように、梱包材1は、被梱包体の一例としてMicroSDカード50が収納される穴部3が形成された挿入体2と、この挿入体2が挿入される収納部5(図1(B)の点線部分参照)が少なくとも一の面に形成された保持体4とからなる。
【0026】
この収納部5は、詳しくは後述するが、保持体4と、保持体4の一の面に載設される中間部材6と、中間部材6に載設される前面部材7とによって囲まれる空間部に、挿入体2が挿入されることにより挿入体2を収納する。
【0027】
このMicroSDカード50が梱包材1に収納される過程について説明すると、まず、図2(A)に示すように、MicroSDカード50は、図2(A)の矢印方向に従って、挿入体2に形成された穴部3に挿入される(図2(B)参照)。そして、図3に示すように、MicroSDカード50が収納された挿入体2が、収納部5(上述した保持体4と、中間部材6と、前面部材7とによって囲まれる空間部)へ、図3の矢印方向に従って挿入される。
【0028】
なお、以下の説明の便宜上、図2に示すように、MicroSDカード50の横幅をY、縦幅をZと定義する。また、上記矢印の方向を、MicroSDカード50の挿入方向と定義する。
【0029】
次に、本実施形態に係る梱包材1の詳細について、図4と、図5及び図6を適宜対比して説明する。
【0030】
図4は、本実施形態に係る梱包材1を構成する各部材の形状を示す図であり、図5及び図6は、本実施形態に係る梱包材1の完成に至るまでの形状を段階的に示す組立図である。
【0031】
図4に示すように、梱包材1は、挿入体2、保持体4、中間部材6、及び前面部材7等とから構成される。
【0032】
挿入体2、保持体4、中間部材6、及び前面部材7(以下、梱包材1の構成部材全体として説明する場合には単に「構成部材」とする。)は、紙、上質紙、ボール紙やPET材等の薄型樹脂製板材等の折り曲げ自在の板状の部材(本願の板状の部材の一例)を素材とし、これら構成部材と略同じ形の金型(例えば、所謂ビク型等)により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図4における実線部分の切断が行われる。
【0033】
なお、このような板状の部材を形成する金型は、合成樹脂により構成される製品を形成する金型のようにキャビティ型及びコア型から構成される二枚構造ではなく、また、イジェクタピン等の機構を備える必要がないため、低価格で製作することができる。
【0034】
さらに、このような板状の部材を形成する金型は、合成樹脂により構成される製品を形成する金型のようにキャビティ型及びコア型が可動する駆動機構を備える必要がないため、低価格で製作することができる。
【0035】
なお、被梱包体としてMicroSDカード50が適用される場合にはMicroSDカード50の信頼性の維持の観点から、これら構成部材の厚さは、0.8mm以上の板状の部材を用いることが好ましい。
【0036】
挿入体2は、略矩形の板状の部材であり、MicroSDカード50が収納される穴部3が形成されている。MicroSDカード50が収納される機能に鑑みて、この穴部3の横幅3aはMicroSDカード50の横幅Yと略同じかそれよりも大きく、また、穴部3の縦幅3bはMicroSDカード50の縦幅Zと略同じかそれよりも大きくなっている。
【0037】
また、MicroSDカード50が収納される機能に鑑みて、穴部3の深さ(すなわち、挿入体2の厚み方向の距離)は、MicroSDカード50の厚さと略同じかそれよりも深いことが好ましい。
【0038】
この穴部3は、挿入体2を貫通する貫通穴とするようにしてもよい。これにより、穴部3の深さを設定せずに梱包材1を製造することができるため、梱包材1の製造コストを抑えつつ、極めて簡便な構成で、MicroSDカード50の信頼性を維持することができる。
【0039】
保持体4は、略矩形の板状の部材である。
【0040】
中間部材6は、略コの字型の板状の部材である。
【0041】
この保持体4の一の面には、詳しくは後述する収納部5が形成されるべく、中間部材6が載設される。ここで、保持体4の一の面に中間部材6が載設される状態を、図5を用いて説明する。
【0042】
図5は、保持体4の一の面に中間部材6が載設される状態を示す概念図である。
【0043】
図5に示すように、中間部材6は、保持体4の一の面(図5のハッチング部分を有する面)に載設される。本実施形態における載設の手段としては種々の形態を採用することができる。具体的には例えば、中間部材6を、図5のハッチング部分を有する面に無機系接着剤、有機系接着剤や両面テープ(ダブルフェース)等により接着する他、超音波溶着等の加工技術を用いて固定するようにしてもよい。
【0044】
図4の説明に戻り、前面部材7は、略矩形の板状の部材であり、窓部8が形成されている。そして、前面部材7は、詳しくは後述する収納部5が形成されるべく、中間部材6に載設される。ここで、前面部材7が中間部材6に載設される状態を、図6を用いて説明する。
【0045】
図6は、前面部材7が中間部材6に載設される状態を示す概念図である。
【0046】
図6に示すように、前面部材7は、中間部材6(図6のハッチング部分を有する面)に載設される。
【0047】
このようにして、梱包材1では、保持体4、中間部材6及び前面部材7によって囲まれる空間部が形成される。すなわち、保持体4と前面部材7は、コの字型の中間部材6を介して、対向する位置に配置されるため、中間部材6の内側部分(すなわちコの字型の形状に囲まれた部分)には空間部が形成されることとなる。本実施形態ではかかる空間部を収納部5と定義し、上述したように、挿入体2が挿入される。
【0048】
図4の説明に戻り、窓部8は、挿入体2が挿入された際に、MicroSDカード50の少なくとも一部が外部から視認できる貫通穴である。この窓部8の大きさは、挿入体2が挿入された際にMicroSDカード50が脱落しないような大きさに設定されている。具体的には、この窓部8の横幅8aが少なくともMicroSDカード50の横幅Yよりも小さく設定されるか、又は、窓部8の縦幅8bが少なくともMicroSDカード50の縦幅Zよりも小さく設定されるかの何れかの大きさが設定されるようになっている。
【0049】
次に、本実施形態における梱包材1の使用形態について図7を用いて説明する。
【0050】
図7は、本実施形態における梱包材1の使用形態を示す概念図である。
【0051】
図7に示すように、MicroSDカード50が収納された梱包材1は、例えば、保持体4の上記一の面と対向する面を、書籍又はパンフレット等の貼付対象物Sに貼付して使用されるようになっている。
【0052】
以上説明したように、本実施形態における梱包材1は、MicroSDカード50が収納される穴部3が形成された挿入体2と、この挿入体2が挿入される収納部5が少なくとも一の面に形成された保持体4とからなる梱包材1であって、保持体4と、前記一の面に載設される中間部材6と、中間部材6に載設される前面部材7とによって囲まれる収納部5に、挿入体2が挿入されることにより挿入体2を収納するように構成したため、簡便な構成でMicroSDカード50の信頼性を維持することができ、容易にMicroSDカード50を梱包材1に梱包することができる。
【0053】
また、前面部材7には、挿入体2が挿入された際に、MicroSDカード50の少なくとも一部が外部から視認できる窓部8が形成されるように構成したため、簡便な構成でMicroSDカード50の信頼性を維持することができ、容易にMicroSDカード50を梱包材1に梱包することができ、併せて、収納されたMicroSDカード50の種別を確認することができる。
【0054】
また、梱包材1は、板状の部材によって形成されるように構成したため、梱包材1の製造コストを抑えつつ、板状の部材という極めて簡便な構成でMicroSDカード50の信頼性を維持することができる。
【0055】
また、穴部3を、貫通穴としたため、穴部3の深さを設定せずに梱包材1を製造することができるため、梱包材1の製造コストを抑えつつ、極めて簡便な構成で、MicroSDカード50の信頼性を維持することができる。
【0056】
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
【0057】
また、本実施形態における梱包材1では被梱包体の一例としてMicroSDカード50を適用したが、穴部3及び窓部8等を、被梱包体の大きさに合わせて適宜変更することにより、例えばSDカード、スマートメディア(登録商標)等の可搬型記憶媒体のほか、DVDディスク等の記憶媒体にも適用することが可能である。
【0058】
また、構成部材は、それぞれ一枚の板状の部材を素材としたが、これに限定されることはなく、例えば、複数の板状の部材を積層することにより、単一の構成部材(挿入体2、保持体4、中間部材6、及び前面部材7)を構成するようにしてもよい。
【0059】
また、中間部材6の形状は上述したコの字型に限定されず、適宜変更することができる。
【0060】
ここで、中間部材の他の形状の一例について、図8を用いて説明する。
【0061】
図8は、中間部材の他の形状の一例を示す図である。
【0062】
図8に示すように、中間部材9は、一例として略L字型の形状とするようにしてもよい。かかる中間部材9においても、保持体4と前面部材7は、L字型の中間部材9を介して、対向する位置に配置されるため、中間部材9の内側部分(すなわちL字型の形状に囲まれた部分)には空間部が形成されることとなる。かかる空間部に挿入体2が挿入されることにより、上述した梱包材1と同様の作用及び効果を奏することが可能となる。
【0063】
また、上述した中間部材6及び前面部材7を一の部品で構成した取付部材(本願の取付部材の一例)とするようにしてもよい。
【0064】
ここで、中間部材6及び前面部材7を取付部材で構成した一例について図9及び図10を用いて説明する。
【0065】
図9は、中間部材6及び前面部材7を取付部材で構成した例を示す図であり、図9(A)は取付部材の展開図であり、図9(B)は取付部材の斜視図である。また、図10は、取付部材が載設された梱包材を示す図である。
【0066】
図9(A)に示すように、取付部材10(本願の取付部材の一例)は、上述した保持体4等と同様の素材が適用され、略矩形の基部11の1の辺を第1の折り線11aとし、この第1の折り線11aに第1のフラップ12が連設されている。また、第1の折り線11aに対向する辺を第2の折り線11bとし、この第2の折り線11bに第2のフラップ13が連設されている。
【0067】
第1の折り線11aは第1のフラップ12を、第2の折り線11bは第2のフラップ13を、それぞれ基部11の内側方向に折りたたむことを示す標識(目印)であり、例えば、ハーフカット等により形成されている。この第1の折り線11a及び第2の折り線11bによって、作業者は、第1のフラップ12及び第2のフラップ13を、所望の位置に容易に折り曲げることができる。
【0068】
このようにして折りたたまれた取付部材10は、保持体4に載設される。このようにして載設された取付部材10と保持体4は、第1のフラップ12及び第2のフラップ13を介して、対向する位置に配置されるため、折りたたまれた第1のフラップ12と第2のフラップ13が対向する空間には空間部が形成されることとなる。かかる空間部に挿入体2が挿入されることにより、上述した梱包材1と同様の作用及び効果を奏することが可能となる。
【0069】
なお、取付部材10が載設された梱包材1においては、図10に示すように、収納部は、当該収納部に挿入体2が挿入される方向(図10の矢印方向)に、開口部10a及び10bを有することとなる。この場合、挿入体2は、開口部10a又は10bの何れの方向からも挿入することができる。
【0070】
また、中間部材6及び前面部材7を一の部品で構成した他の取付部材の例について図11を用いて説明する。
【0071】
図11は、他の取付部材を示す図であり、図11(A)は他の取付部材の展開図であり、図11(B)は他の取付部材の斜視図である。
【0072】
図11(A)に示すように、取付部材20(本願の取付部材の一例)は、上述した保持体4等と同様の素材が適用され、略矩形の基部21の1の辺を第1の折り線21aとし、この第1の折り線21aに第1のフラップ22が連設されている。この第1のフラップ22は中間部材8と同様に略コの字型の形状を示している。そして、第1のフラップ22は、第1の折り線21aを介して、基部21の内側方向へ、折りたたまれる。
【0073】
なお、第1のフラップ22の形状は略コの字型に限られず、任意に選択することができる。具体的には例えば、略L字形状を示すようにしてもよい。
【0074】
このようにして折りたたまれた取付部材20は、保持体4に載設され、上述した取付部材10と同様の作用及び効果を奏する。
【0075】
また、挿入体2の形状は、上述した略矩形に限定されず、適宜変更することができる。
【0076】
ここで、挿入体の他の形状について、図12を用いて説明する。
【0077】
図12は、挿入体の他の形状を示す図であり、図12(A)は面取り部分を設けた挿入体を示す図であり、図12(B)は短辺部分を半円形状とした挿入体を示す図であり、図12(C)は取出穴及び突起部を設けた挿入体を示す図である。
【0078】
上述したように、挿入体2は、挿入体2の長手方向(例えば図3及び図12の矢印方向)を挿入方向として、収納部5へ挿入される。従って、挿入体2の短辺部分(図2の2a部分)が先に、収納部5へ当接するようになっている。
【0079】
従って、かかる短辺部分の形状を面取りし(図12(A)の30a及び30b)、又は、短辺部分を半円形状(図12(B)の31a)とすることにより、極めて容易に挿入体30又は31を収納部5へ挿入することができる。
【0080】
また、図12(C)に示すように、挿入体32の穴部33に、切り欠き部34を設けるようにしてもよい。かかる切り欠き部34を設けることによって、MicroSDカード50を取り出す際に、切り欠き部34に指を挿入することができるため、容易にMicroSDカード50を取り出すことができる。
【0081】
さらに、図12(C)に示すように、挿入体32の一の面に突起部35a及び35bを備えるようにしてもよい。
【0082】
突起部35a及び35bは、挿入体32の一の面に設けられた断面略三角形状の突起部分であり、その形状は任意に選択することができる。具体的には、例えば、挿入体32の一の面から鉛直方向に垂設される断面略矩形の壁状の部材(所謂リブの一種)の他、断面略円形状の突起物(所謂ボスの一種)、半球体の突起物等を適用することができる。
【0083】
かかる突起部35a及び35bによって、挿入体32が収納部5へ挿入された際に、挿入体32と収納部5の隙間(クリアランス)を小さくすることができるため、挿入体32が収納部5から脱落することを防止し、また、振動による挿入体32の破損を防止することができる。
【0084】
なお、上述した構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らないことはいうまでもなく、切り欠き部34のみ、又は、突起部35a及び35bのみを設けるようにしてもよい。
【0085】
また、上述したように前面部材7は、金型により打ち抜いて製作されるため、前面部材7の外延部(端面)には、バリ面(返り面)とダレ面が生じる。このバリ面は、外観上審美性を損なったり、梱包材1を開梱するユーザの手に引っかかる等、作業性の低下を招いてしまう。
【0086】
そこで、このバリ面を外観部に露出しないように、前面部材7を中間部材6へ載設する面に標識(例えば、印刷等の目印)を付すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 梱包材
2 挿入体
3 穴部
4 保持体
5 収納部
6 中間部材
7 前面部材
8 窓部
9 中間部材
10 取付部材
20 取付部材
50 MicroSDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包体が収納される穴部が形成された挿入体と、この挿入体が挿入される収納部が少なくとも一の面に形成された保持体とからなる梱包材であって、
前記保持体と、前記一の面に載設される中間部材と、前記中間部材に載設される前面部材とによって囲まれる前記収納部に、前記挿入体が挿入されることにより当該挿入体を収納することを特徴とする梱包材。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包材であって、
前記前面部材には、前記挿入体が挿入された際に、前記被梱包体の少なくとも一部が外部から視認できる窓部が形成されることを特徴とする梱包材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の梱包材であって、
前記中間部材は、略L字形状であることを特徴とする梱包材。
【請求項4】
被梱包体が収納される穴部が形成された挿入体と、この挿入体が挿入される収納部が少なくとも一の面に形成された保持体とからなる梱包材であって、
略矩形の基材の一対の辺を夫々折り線とし、当該各折り線から前記基材の外側方向に形成され、前記各折り線を介して前記基部の内側に折りたたまれる一対のフラップを有する取付部材と、
前記保持体と、前記一の面に載置される前記取付部材によって囲まれる前記収納部に、前記挿入体が挿入されることにより当該挿入体を収納することを特徴とする梱包材。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の梱包材であって、
前記梱包材は、板状の部材によって形成されることを特徴とする梱包材。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の梱包材であって、
前記穴部は、貫通穴であることを特徴とする梱包材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−246150(P2011−246150A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119727(P2010−119727)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】