説明

梱包用物品緩衝装置及びその組み立て方法

【課題】廃棄処分や資源の問題を起すことが少なく、輸送コストや保管コストを低減できる梱包用物品緩衝装置を提供する。
【解決手段】物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝する装置について、物品を要所で支えるために、立体的に形成された中空構造の緩衝体17と、物品を梱包する箱11に収まる大きさを有し、物品を支えるべき位置に上記緩衝体を配置するために、緩衝体の取り付け口部16を形成したシート状の基板13と、物品を梱包する際に緩衝体17を基板13に取り付けるために、基板13に設けた係合部とそれと係合するように緩衝体17に設けた係合相手部とから成る係合手段18を具備して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝する梱包用物品緩衝装置とその組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特に、生活用品や家電製品など或る程度大きさを有する商品は、生産工場から出荷される際などに個々の商品ごとに梱包され、梱包時には緩衝材を用いて商品を衝撃から保護する対策が講じられる。緩衝材として、従来は、いわゆる発泡スチロール又はそれと同効のプラスチック成形品が多用されていたが、廃棄処分上の問題や、資源の問題などが叫ばれるようになり、そうした問題を起こすことの少ない緩衝材を求めて、開発と研究が行なわれてきた。現在は、段ボールなどの紙製品から成る緩衝材が多く使用されるようになっている。
【0003】
例えば、特開平5−51068号は上記のゴミ問題や資源問題の解決を目指し、また、折り畳んで保管・輸送できる段ボール製の折り畳み式緩衝材を提案している。しかし、これを特定の商品について使用するには、当然のことながら、段ボールから成る本体部材と補助部材を折り曲げて、所定の形態に組み立てなければならない。上記緩衝材の組み立て作業は、注文を受けている緩衝材の製造業者が実施するのが普通であり、その結果、緩衝材は製造業者から完成品として発注元に輸送されることになる。しかし、上記緩衝材の完成品は体積ばかり大きく軽量であるから空気を運んでいるようなものであるが、占有体積が厖大であるため輸送のコストが負担であり、また、倉庫等の保管コストについても同様である。これらのコストは緩衝材の製造業者が負担することが多いため、緩衝材のコストを押し上げ、利幅を減少させるという不都合がある。
【0004】
特開2006−248563号は、パルプモールド緩衝材と他の緩衝部材とを一体に組み合わせることで全体としての緩衝性能を高めることを目的としているが、パルプモールドという構造上組立が不要なだけで、体積ばかり大きく軽量であり空気を運ぶように輸送コストが掛かることは、前記折り畳み式緩衝材と何等変わるところがない。また、従来のものに共通したもう一つの問題は、折り畳み式緩衝材にしてもパルプモールド緩衝材にしても、特定の商品に適用するものであり、モデルチェンジの都度、緩衝材の形状や構造の変更を迫られるという点である。商品のモデルチェンジに応じて、金型装置全体を作り直すことは緩衝材製造業者にとって大きな負担であり、コストにも反映するが、未だ改善のきざしはない。
【0005】
【特許文献1】特開平5−51068号
【特許文献2】特開2006−248563号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、廃棄処分や資源の問題を起すことが少なく、輸送コストや保管コストを低減できる梱包用物品緩衝装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、商品のモデルチェンジに応じて、金型装置全体を作り直さずに済むようにすることである。また、本発明の他の課題は、物品を箱に梱包する際に緩衝体を基板にごく簡単な手段で取り付けることによって完成する、梱包用物品緩衝装置及びその組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝する装置について、物品を要所で支えるために、立体的に形成された中空構造の緩衝体と、物品を梱包する箱に収まる大きさを有し、物品を支えるべき位置に上記緩衝体を配置するために、緩衝体の取り付け口部を形成したシート状の基板と、物品を梱包する際に緩衝体を基板に取り付けるために、基板に設けた係合部とそれと係合するように緩衝体に設けた係合相手部とから成る係合手段を具備して構成するという手段を講じたものである。
【0008】
本発明の装置は、物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝するもので、いわゆる梱包又は包装の技術分野に属し、一種のパッキングとして機能するものである。そのために、物品を要所で支えるべく立体的に形成された中空構造の緩衝体を具備する。この緩衝体は、中空構造のものであるから体積を取るが、緩衝装置全体として見れば小さく、後述する基板とは別にまとめて輸送することができるので、従来品のように体積ばかり多く取るというほどのことはない。
【0009】
上述の基板は、物品を梱包する箱に収まる大きさを有し、物品を支えるべき位置に上記緩衝体を配置するために、緩衝体の取り付け口部を形成したシート状の構成を有する。基板は、物品を梱包する箱に動かぬように固定される方が望ましいが、梱包時に物品との関係で固定可能であり、また、箱の内部の形状とほぼ同じでやや小さいものであれば箱に収めたときに動くことは無いから、特別の固定手段は不要である。しかし、箱の内部の形状よりも小さい基板の場合等条件によっては、箱に接着したり係合させたりという固定手段を取り得る。
【0010】
上記本発明の装置は、さらに、基板を平板のまま輸送し、物品を梱包する際に緩衝体を基板に取り付けるために、基板に設けた係合部とそれと係合するように緩衝体に設けた係合相手部とから成る係合手段を具備して構成される。緩衝体を基板に取り付ける手段が、係合部と係合相手部による係合となるので、緩衝材製造業者でなくても、例えば発注元において物品を箱に梱包する際に、緩衝体を基板に、いわゆるワンタッチ的な作業でごく簡単に取り付けることができる。
【0011】
上記緩衝体は物品と箱の間に配置して外側面で箱に接触し、内側面で物品に接触し、上記内側面は物品の形態に適合した形態を有し、かつ、係合相手部としてスリットが緩衝体の長手方向の両端部に形成されており、また、係合部としてスリットに差し込まれる舌状片が基板側の取り付け口部の長手方向又は基板の紙目方向の両端部に形成されていることが望ましい。紙目方向は紙抄き工程上或いは紙の構造上生じるもので、平行には曲げやすく直角には曲げにくい方向であり、段ボールの場合波の山又は谷に沿った方向が紙目方向に当たる。係合相手部のスリットを緩衝体の変形が少ない長手方向の両端部に形成することによって、緩衝体は確実に基板に取り付けられるようになる。
【0012】
また、緩衝体と基板とは共に段ボール紙を材料とし、緩衝体は、原紙から抜き型を用いてブランクを打ち抜くとともに折り曲げて立体的に形成され、かつ、緩衝体の周辺部を縁取るように設けられた囲み枠を有し、緩衝体を基板の外側から取り付け口部にて内方へ挿入し、係合部と係合相手部とが係合したときに囲み枠が基板の裏面に接触し、緩衝体が安定する構成を有していることが望ましい。これによって、緩衝体を基板の裏面から取り付け口部に嵌めたときに囲み枠が基板の裏面に接触するストッパーとなる。また、係合手段は基板の表面側にて係合するので、裏面側の囲み枠との間で基板を挟む状態となり、構造的安定性が高められる。なお、本発明においては、段ボール紙等の材料を打ち抜く刃を基盤に配置した装置を抜き型といい、打ち抜いたブランクを成型ないし要部を圧着する装置を金型装置というものとし、抜き型は金型装置に取り付けて使用する。
【0013】
物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝する装置を組み立てる方法として、物品を要所で支えるために、立体的に形成された中空構造の緩衝体を重ねて輸送するとともに、物品を梱包する箱に収まる大きさを有し、物品を支えるべき位置に上記緩衝体を配置するために、緩衝体の取り付け口部を形成したシート状の基板は平板のまま重ねて輸送するものとし、輸送された緩衝体と基板を重ねた状態から分離し、基板に設けた係合部とそれと係合するように緩衝体に設けた係合相手部とから成る係合手段の係合によって一体に組み立てるように構成することができる。この点は、組み立てを発注元の段階で行えることが特徴的であるので組み立て方法と記載したが、かさ張らないことに着目すると輸送方法又は保管方法としても特徴があるので、後者を特徴とする発明として捕えても良い。
【0014】
本発明の梱包用物品緩衝装置は上記のような方法によって組み立てることにより、緩衝体を基板に嵌め合わせるだけで完成する。よって、基板に緩衝体を接着した従来の製品形態で輸送する必要がないので、従来の製品形態では無駄な空間になっていた緩衝体による基板間の空間がなくなり、基板を重ねて輸送することができることから輸送効率は格段に向上し、また、倉庫等での保管において無駄な空間を占有することもない。さらに、折り曲げや接着などの作業が不要であるから、組み立て方法の根本的な変換が可能となる。特に組み立てるというほどの手間が掛からないので、例えば、緩衝材の製造業者側にて従来行われてきた作業を不要とし、物品を箱に梱包する作業の一部として、簡単に組み立てられるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、廃棄処分や資源の問題を起すことが少なく、基板を平板のまま輸送可能とすること等により占有体積を減少させて輸送コストや保管コストを低減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、緩衝装置の部品に想到する緩衝体を交換することで、物品の形態変化に対応することができるのでの商品のモデルチェンジに応じて、金型装置全体を作り直さずに済むという効果を奏する。また、本発明によれば、物品を箱に梱包する際に緩衝体を基板に係合というごく簡単な手段で取り付けることによって梱包用物品緩衝装置が完成するので、緩衝材の業者によらなくても組み立てられ、緩衝材製造業者に掛かる負担を軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る梱包用物品緩衝装置10の一例を示す正面図であり、11は物品Pを梱包する際に使用する箱であり、蓋12とともに使用される。蓋12については図7、図8を参照のこと。箱11は底面と周囲4面から成る一般的な形態のもので、緩衝装置10を収納できる大きさ、形状を有しており、段ボール紙又はその他任意のシート状の材料から形成されている。
【0017】
物品Pを梱包する箱11には、箱11の内部に収まる大きさ、形状(平面形状)を有する基板13が収められている。基板13はシート状のもので、図示の例では、物品Pの前後の部分13A、13Bに分かれた2個のものから構成され、箱11の底面に配置する底部分14a、14bと、箱11の内面に配置する側部分15a、15bを有している。側部分15a、15bは、底部分14a、14bの辺部にて折り曲げられ、立ち上げられている。図示の例の場合、基板13は段ボール紙材製であり、物品Pによって前後方向へ押し付け得るので前後2部分13A、13Bに分割したもので、その必要がない場合は1枚構造の基板も使用される。
【0018】
基板13は、箱11に収めたときにその底面と内側に段ボール紙材厚程度の余裕をもって収まるように設けられていることが望ましい。図示の例の基板13は、箱11の内部に収められる大きさ、形状を有しており、物品Pを支えている状態では、箱11の内面に押さえ付けられるような固定状態になるので動く恐れは無い。しかし、箱11の内部で動く恐れがある場合には、前述のように箱に接着したり或いは係合させたり、という公知の固定手段を取ること、或いは上記の1枚構造とすることも可能である。
【0019】
上記の基板13には、物品Pを支えるべき位置に緩衝体17を配置するために、緩衝体17の取り付け口部16が形成されている(図3参照)。緩衝体17は物品Pと箱11の間に配置されるが、位置により異なる物品Pの形態と箱11の内面との間のスペースに適合した形態を有するものから成る。そこで、取り付け口部16及び緩衝体17について、個々の取り付け口部及び緩衝体を区別する必要があるときには、便宜上、符号16、17に個別の補助符号a、b、c、d、e、fを付けて区別し(図1、図2、図6)、構造説明においては区別の必要も少ないので符号16、17で代表させる(図3〜図5)。
【0020】
ちなみに、取り付け口部16a〜16d及び緩衝体17a〜17dは物品Pの後部に当たるため基板13Aにあり、取り付け口部16e、16f及び緩衝体17e、17fは物品Pの後部に当たるため基板13Bにある(但し物品の前後は便宜上のものである)。緩衝体17cは物品Pの突起tが収まる空所を設けるため、他のもの17a、17b、17dよりも丈高に形成されており、緩衝体17fは曲面から成る物品Pの先端部を押さえるため、3箇所で接触するように3面から成る凹んだ形状に形成されている。
【0021】
上記緩衝体17は、物品Pを要所で支えるために、立体的に形成された中空構造のものである。図示の緩衝体17は物品Pと箱11の間に配置して、外側面で箱11の内面に接触し、内側面では物品P(の外周面)に接触するものであり、従って、内側面は物品Pの形態に適合した形態を有している。そして、本発明の装置10は、基板13を平板のまま輸送し、物品Pを梱包する際に緩衝体17を基板13に取り付けるために、基板13に設けた係合部18aそれと係合するように緩衝体17に設けた係合相手部18bとから成る係合手段18を具備している(図3参照)。図示の例において上記係合部18aは、取り付け口部16の長手方向でありかつ基板の紙目方向(段ボールの場合波の山又は谷方向)の両端部に形成されており、従って、係合により変形しにくくなっている。
【0022】
図示の例では、係合相手部18bとしてスリットが緩衝体17の長手方向の両端部に形成されており、また、スリットに差し込まれる係合部18aとして舌状片が基板側の取り付け口部16の長手方向の両端部に内向きに形成されている。また、緩衝体17はその周辺部を縁取るように設けられた囲み枠19を有し、緩衝体17を基板13の外側から取り付け口部16にて内方へ挿入し、係合部18aと係合相手部18bとが係合したときに囲み枠19が基板13の裏面に接触し、安定するように構成されている。
【0023】
緩衝体17と基板13とは共に段ボール紙を素材としているが、緩衝体17の具体的構造例を示すと図4のとおりである。図4は、段ボール紙から抜き型を用いて所要の形態に打ち抜いた緩衝体17のブランクを示しており、これらを折り曲げて立体的に形成されている。図4から明らかなように、実線部を山折りし、一点鎖線部を谷折りするとともに、囲み枠19の重なり部分を接着することにより、図3又は図4Aに示された緩衝体17が形成される。
【0024】
上記構成において、囲み枠19は、緩衝体17を基板13の裏面から取り付け口部16に嵌めたときに、基板13の裏面に接触するストッパーとなる(図5C参照。)。係合手段18は基板13の表面側にて係合するので、係合手段18と裏面側の囲み枠19との間にて基板13をあたかも表裏から挟むようにして、構造的安定性を高めている。また、本発明の装置10に物品Pを梱包したときに、緩衝体17は、物品Pと箱11の間にあって両方から押されたような状態にあり、その囲み枠19は箱11の内面と基板13の裏面との間に挟まれて安定している。
【0025】
先に、本実施形態では箱11とともに蓋12を使用することに言及した(図7及び図8参照)。本発明では、このような場合、蓋12にも梱包用物品緩衝装置10を適用することができるので、その例について説明する。図7及び図8に示した緩衝体20は、蓋12を構成するいわゆる外フラップ12Aの内側の、内フラップ12Bの部分を利用して形成されている。具体的には図4に例示したのと同様に段ボール紙を折り曲げ、中空に形成したもので、物品Pの上面と蓋12に相当する外フラップの内面との間に固定される。この緩衝体20は内フラップ12Bでもあるから箱11への固定手段は不要であるが、図4の緩衝体10のように別部品とした場合には、内フラップを残してその裏面との間に固定しても良い。
【0026】
組み立て方法
このように構成された本発明の緩衝装置10については、物品Pを要所で支えるために、立体的に形成された中空構造の緩衝体17、20を重ねて輸送するとともに、物品Pを梱包する箱11に収まる大きさを有し、物品Pを支えるべき位置に上記緩衝体17、20を配置するために、緩衝体17、20の取り付け口部16を形成したシート状の基板13を平板のまま重ねて輸送し、輸送された緩衝体17、20と基板13を重ねた状態から分離し、基板13に設けた係合部18aとそれと係合するように緩衝体17、20に設けた係合相手部18bとから成る係合手段18の係合によって一体に組み立てる。緩衝体17、20を基板13に取り付ける工程はごく簡単であるから、緩衝材製造業者でなくても、容易かつ正確に行なうことができる。なお、緩衝体17の囲み枠19と基板裏面等は接着しても良い。
【0027】
なお、緩衝材製造業者においては、図6に示した平板状のままの基板13を重ねるとともに、緩衝体17、20を同形のもの同士重ねることが可能である。よって、図2に示した完成状態での梱包時と比較して、荷姿を著しく小型化することができ、輸送時及び保管時の占有体積が著しく減少する。図7に示した基板13は一枚の段ボールから成るものであり、従来は、輸送時基板に取り付けた緩衝体の内で最も厚みの大きいもの、本実施形態のものでいえば緩衝体17cの厚さ分の空所が必要であるから占有体積が大きかったのに比較して、緩衝体17cの厚さ分だけ従来よりも多く重ねることができることになり、輸送コスト及び保管コストの著しい削減を見込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る梱包用物品緩衝装置の使用時の一例を示す上面説明図である。
【図2】同上の装置の組立状態を示す平面説明図である。
【図3】同上の装置における要部を示す斜視図である。
【図4】同上の装置に使用する緩衝体の一例を示すもので、Aはブランクの展開平面図、B組立時の平面図である。
【図5】同上の装置を示すもので、Aは基板のみの平面図、B基板に緩衝体を嵌め込んだ状態の平面図、Cは図5Bの縦断面図である。
【図6】同上の装置における基板の荷姿を示す平面説明図である。
【図7】同上の装置の全体を示す斜視図である。
【図8】同上の装置の全体を示す断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 梱包用物品緩衝装置
11 箱
12 蓋
12A 外フラップ、12B 内フラップ
13 基板、13A 前部分、13B 後部分
14a、14b 底部分
15a、15b 側部分
16 取り付け口部
17、20 緩衝体
18 係合手段、18a 係合部、18b 係合相手
19 囲み枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝する装置であって、
物品を要所で支えるために、立体的に形成された中空構造の緩衝体と、
物品を梱包する箱に収まる大きさを有し、物品を支えるべき位置に上記緩衝体を配置するために、緩衝体の取り付け口部を形成したシート状の基板と、
物品を梱包する際に緩衝体を基板に取り付けるために、基板に設けた係合部とそれと係合するように緩衝体に設けた係合相手部とから成る係合手段を
具備して構成された梱包用物品緩衝装置。
【請求項2】
緩衝体は物品と箱の間に配置して外側面で箱に接触し、内側面で物品に接触し、上記内側面は物品の形態に適合した形態を有し、かつ、係合相手部としてスリットが緩衝体の長手方向の両端部に形成されており、また、係合部としてスリットに差し込まれる舌状片が基板側の取り付け口部の長手方向又は基板の紙目方向の両端部に形成されている請求項1記載の梱包用物品緩衝装置。
【請求項3】
緩衝体と基板とは共に段ボール紙を素材とし、緩衝体は打ち抜いたブランクを折り曲げて立体的に形成され、かつ、緩衝体の周囲を縁取るように設けられた囲み枠を有し、緩衝体を基板の外側から取り付け口部にて内方へ挿入し、係合部と係合相手部とが係合したときに囲み枠が基板の裏面に接触し、緩衝体が安定する構成を有している請求項1記載の梱包用物品緩衝装置。
【請求項4】
物品を箱に梱包する際に物品を要所で支え、物品に及ぶ外力を緩衝する装置を組み立てる方法であって、
物品を要所で支えるために、立体的に形成された中空構造の緩衝体を重ねて輸送するとともに、物品を梱包する箱に収まる大きさを有し、物品を支えるべき位置に上記緩衝体を配置するために、緩衝体の取り付け口部を形成したシート状の基板は平板のまま重ねて輸送するものとし、
輸送された緩衝体と基板を重ねた状態から分離し、基板に設けた係合部とそれと係合するように緩衝体に設けた係合相手部とから成る係合手段の係合によって一体に組み立てるように構成された梱包用物品緩衝装置の組み立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−28352(P2013−28352A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164610(P2011−164610)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(392017381)
【Fターム(参考)】