梱包箱
【課題】保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易、かつ、コストを抑制した、キャスターを備えた画像形成装置用の梱包箱を提供する。
【解決手段】梱包箱は、キャスターを備えた画像形成装置Aをパレット100上に載置して梱包するときに用いられ、この梱包箱には、画像形成装置Aと、パレット100上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材300と、スロープ部材300が載置される傾斜面を備え、スロープ部材300と床面との空隙を埋める傾斜クッション部材200とが同梱されて上蓋が被せられる。スロープ部材300の上端及びスペーサ210を介した傾斜クッション部材200の上端が、上蓋104に当接する。
【解決手段】梱包箱は、キャスターを備えた画像形成装置Aをパレット100上に載置して梱包するときに用いられ、この梱包箱には、画像形成装置Aと、パレット100上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材300と、スロープ部材300が載置される傾斜面を備え、スロープ部材300と床面との空隙を埋める傾斜クッション部材200とが同梱されて上蓋が被せられる。スロープ部材300の上端及びスペーサ210を介した傾斜クッション部材200の上端が、上蓋104に当接する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機等のOA機器を始めとするキャスターを有する装置(200kg〜400kg程度)をパレットから荷降しするときに用いるスロープ部材を同梱した梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器の1つとして、トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機が広く用いられている。このような複合機では、通常、露光プロセスにて感光体のような像担持体上に静電潜像を形成し、現像プロセスにて該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、転写プロセスにて該可視トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、或いは一旦中間転写ベルト等の中間転写体に1次転写し該中間転写体から記録媒体に2次転写し、定着プロセスにてこのように記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させることができる。
【0003】
このような複合機を含む、例えば体積が1立方メートル程度の大きさのOA機器の多くは、相当の重量となる場合が多いので、JIS(日本工業規格:Japanese Industrial Standards)で規定されるパレット(輸送や物流などに使う荷物を載せる台になるすのこ)に載置されて梱包され、フォークリフトを用いて保管されたり搬送されたりする。このため、このパレットは、フォークリフトの爪が入るように150mm程度の高さがある。また、このようなOA機器の多くには、パレットから降ろした後の移動のためのキャスターが、OA機器の底面に4つ程度設けられている。納入先においては、パレット上で荷解きして、パレットの高さに合わせたスロープをパレットの端面に設置して、OA機器のキャスターを転がしてスロープ上を移動させて、OA機器をパレットから床面に降ろすことが多く行なわれる。
【0004】
このようなスロープを形成する部材は、OA機器に同梱することが好ましく、その一方、パレットの大きさには制約があるため、スロープを形成する部材の長さが制約されるという問題がある。特開2007−238166号公報(特許文献1)は、このような問題を解決する梱包箱を開示する。
【0005】
この梱包箱は、パレット上に搭載されキャスターを有する機器を梱包する梱包箱であって、中芯とその中芯の片面または両面に接着した表面材とからなる段ボールを2枚以上重ねた積層段ボールを折り曲げて斜面部、背面部、底面部を形成し側断面が略直角三角形のスロープ部材に用いる積層段ボールを、この梱包箱に同梱する。さらに、このようなスロープ部材に用いる積層段ボールを、梱包箱の外箱から切り取る。
【0006】
このようにすると、スロープ部材に段ボールを用い、積層段ボールとして梱包箱内に同梱すると、梱包箱のサイズアップを必要としない範囲でスロープ部材用積層段ボールを収納できる。さらに、スロープ部材用積層段ボールを外箱から切り取り折り曲げて使用しても、従来の梱包箱と同じ外形寸法の梱包箱になるため、トラックやコンテナにこの梱包箱を積載する場合、従来の梱包箱と同じ積載効率を得ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2007−238166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなOA機器は、製造メーカの工場で製造されて、パレットに載置されて梱包され、出荷まで保管される。この保管時においては、保管効率を向上させるために、OA機器を梱包した状態での重量が300kg程度のパレットを3段程度に積み上げられることが行なわれる。ここで、3段に積み上げたときには、最下段には300kg×2段分に相当する力が加わる。この力を梱包用段ボールで受けることになるのであるが、安全率を5倍とすると、30kNもの力が最下段の梱包箱にかかる。このため、梱包箱がこの力に耐え得るようにするためには(30kNの耐圧強度を得るためには)、非常に強固な段ボールを使用した梱包箱とする必要があったり、梱包箱を二重にする必要があったりする。
【0009】
一方、特許文献1に開示された梱包箱は、30kNもの力に耐え得るような非常に強固な段ボールを使用した梱包箱ではない。特許文献1は、スロープを形成する部材(場合によっては補強部材を含めて)を、梱包箱に同梱することを開示する。しかしながら、スロープを梱包箱に同梱することとスロープの補強とに言及していたとしても、パレット上に梱包されたOA機器が多段積みされるときの梱包箱の補強という観点でスロープを形成する部材を梱包箱に同梱することを検討したものではない。したがって、梱包箱自体の強度はさほど強くない。このため、特許文献1に開示された梱包箱では、スロープの補強はできたとしても梱包箱を補強できないので、OA機器を梱包したパレットを多段積みすると、最下段のOA機器が破損する等の問題点がある。なお、非常に強固な段ボールを使用して30kNに耐えうる梱包箱を形成する場合又は梱包箱を二重にする場合には、梱包箱のコストが非常に高価になったり、梱包箱の外形寸法が大きくなったりする。
【0010】
そこで本発明は、キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降し時に用いるスロープ部材を同梱し、かつ、梱包コストを抑制できる、キャスター付き装置の梱包箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は以下に示す梱包箱を提供する。
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接するように構成される梱包箱。
【0012】
この発明に係る梱包箱によると、装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材が装置に同梱される。パレット上面に載置されたこのスロープ部材の上端は、上蓋に当接している。このため、スロープ部材が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、このスロープ部材がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。このため、他の梱包部材が強固でなくとも、梱包箱を二重構造にしなくても、保管時の多段積みを許容できる。強固な梱包部材を用いることなく梱包箱を二重構造にすることなく装置を梱包できるので、梱包コストが抑制できる。なお、スロープ部材の長さが短くてパレット上面に載置されたこのスロープ部材の上端が上蓋に当接しない場合には、上蓋にスロープ部材の上端が当接するように、スロープ部材の下端に長さ調整用のスペーサが嵌めこむこともできる。さらに、このような場合に、スロープ部材の上端にスペーサが嵌めこまれ、スペーサの上端が上蓋に当接するようにすることもできる(スロープ部材の上部又は/及び下部に長さ調整用のスペーサが嵌めこまれる)。
【0013】
上述した課題を解決するため本発明は以下に示す別の梱包箱を提供する。
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材と、前記床面に置かれて前記スロープ部材が載置される傾斜面を備え前記スロープ部材と前記床面との空隙を埋める傾斜クッション部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記傾斜クッション部材の上端が、前記上蓋に当接するように構成される梱包箱。
【0014】
この発明に係る梱包箱によると、装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材とスロープ部材と床面との空隙を埋める傾斜クッション部材が装置に同梱される。パレット上面に載置されたこの傾斜クッション部材の上端は、上蓋に当接している。このため、傾斜クッション部材が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、この傾斜クッション部材がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。このため、他の梱包部材が強固でなくとも、梱包箱を二重構造にしなくても、保管時の多段積みを許容できる。強固な梱包部材を用いることなく梱包箱を二重構造にすることなく装置を梱包できるので、梱包コストが抑制できる。なお、傾斜クッション部材の長さが短くてパレット上面に載置されたこの傾斜クッション部材の上端が上蓋に当接しない場合には、上蓋に傾斜クッション部材の上端が当接するように、傾斜クッション部材の下端に長さ調整用のスペーサが嵌めこむこともできる。さらに、このような場合に、傾斜クッション部材の上端にスペーサが嵌めこまれ、スペーサの上端が上蓋に当接するようにすることもできる(傾斜クッション部材の上部又は/及び下部に長さ調整用のスペーサが嵌めこまれる)。
【0015】
また、前記傾斜クッション部材の上端に加えて、前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接するように構成することができる。
【0016】
この発明に係る梱包箱によると、パレット上面に載置された傾斜クッション部材の上端及びスロープ部材の上端は、上蓋に当接している。このため、傾斜クッション部材及びスロープ部材が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、これらの傾斜クッション部材及びスロープ部材がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。
【0017】
さらに、前記傾斜クッション部材と前記スロープ部材とが、前記装置を挟んで対向するように配置されるように構成できる。
【0018】
この発明に係る梱包箱によると、傾斜クッション部材及びスロープ部材が、装置を挟んで対向してパレット上面及び上蓋に当接している。このため、バランスよくパレット上面と上蓋との間を支えることができる。
【0019】
さらに、前記傾斜クッション部材の上端が、スペーサを介して、前記上蓋に当接するように構成できる。
【0020】
この発明に係る梱包箱によると、傾斜クッション部材が短い場合であっても、スペーサにより、傾斜クッション部材の上端を上蓋に当接させることができる。
【0021】
さらに、前記梱包箱は、周囲を覆う中空四角柱形状の外箱をさらに含み、前記外箱は、その上端に前記上蓋が当接するように前記装置に被せられるように構成できる。
【0022】
この発明に係る梱包箱によると、傾斜クッション部材の上端、スロープ部材の上端及び外箱は、上蓋に当接している。このため、傾斜クッション部材、スロープ部材及び外箱が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、これらの傾斜クッション部材、スロープ部材及び外箱がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。
【0023】
なお、前記装置は、画像形成装置とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によると、キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降し時に用いるスロープ部材を同梱し、かつ、梱包コストを抑制できる、キャスター付き装置の梱包箱を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。以下の説明では、本実施形態に係る梱包箱により梱包されるOA機器(キャスター付き装置)は、その一例として画像形成装置であるとする。
【0026】
<第1の実施の形態>
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱について説明する。梱包箱の説明にあたり、この梱包箱で梱包される画像形成装置について説明する。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、画像形成装置Aの正面図であって、図2はその画像形成装置Aの側面図である。図1及び図2に示す画像形成装置Aは、画像読取装置Sを備えた複写機であるが、ファクシミリ機の機能及びコンピュータ等から供給される画像情報に応じてプリントするプリンタ機能も併せ持つ複合機と言えるのである。以下においては、記録媒体は記録紙として説明する。
【0027】
図1の画像形成装置Aは、画像形成を行なう画像形成部B及びその下の記録紙収容カセットC1〜C4を有する記録紙カセット部CSを含んでいる。画像読取装置Sは画像形成を行なう画像形成部Bの上方に位置している。画像読取装置Sには原稿自動搬送装置ADF及び操作パネルPAが搭載されている。
【0028】
原稿自動搬送装置ADFは開閉可能で、画像読取装置Sの原稿載置台であるガラス板g1上に配置される原稿を覆うカバーを兼ねている。操作パネルPAには、複写画像形成やファクシミリ送信等の指示を行なうスタートキー、画像形成枚数等を設定するテンキー等のキー群Ke等のほか、液晶表示部Dも搭載されている。液晶表示部Dは、ユーザによるキー操作を反映表示したり、ユーザへの指示メニューを表示したり、画像形成を行なう画像形成部B等からの情報を表示したりすること等に用いられる。
【0029】
画像読取装置Sは、原稿台ガラスg1上に静止配置される原稿の画像を光学的に読み取ることができるほか、原稿自動搬送装置ADFにてその原稿載置トレイa1から搬送され、原稿排出トレイa2へ排出され、その途中で画像読取装置Sの原稿流し撮り用ガラス板g2に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取ることもできる。
【0030】
画像読取装置Sで読み取られた画像のデータは画像形成を行なう画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供されるか、或いはファクシミリ送信に供される。図示省略のコンピュータ等から送信されてくる画像データは、画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供される.
【0031】
画像形成部Bは、電子写真方式により記録紙上にトナー画像を形成するものである。本実施の形態に係る画像形成装置Aにおける画像形成部Bは、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kを中間転写ベルト4に沿って配列し、各画像形成部により形成されるトナー像を中間転写ベルト4に1次転写し、中間転写ベルト4上に重ねて1次転写された多重トナー像をいずれかのカセットから供給される記録紙Pに2次転写し、定着装置7で定着させてカラー画像を得ることができる、所謂タンデム型のフルカラータイプである。トナー画像が定着された記録紙Pは排出トレイTに排出される。
【0032】
画像形成部Bは、モノクロ画像を形成することもできるし、いずれか2つ又は3つの画像形成部を用いて画像形成することもできる。なお、画像形成装置Aは、4サイクル型カラータイプであっても、そもそもモノクロタイプであっても構わない。
【0033】
画像形成部Bには、上述の通り、中間転写ベルト4を有しており、この中間転写ベルト4は、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられ、駆動ローラ31がベルト駆動部により駆動されることで図中反時計方向(図中矢印方向)に回転することができる。
【0034】
ローラ32上の中間転写ベルト4に当接して、中間転写ベルト4上の2次転写残トナー等を清掃するクリーナが臨んでいる。駆動ローラ31上の中間転写ベルト4に当接して、2次転写ローラ5が臨んでいる。
【0035】
2次転写ローラ5は、中間転写ベルト4との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト4の回転に従動して、或いは、このニップ部に送り込まれる記録紙Pの移動に従動して回転する。2次転写ローラ5には、2次転写バイアス電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0036】
2次転写ローラ5の下方には、タイミングローラ6が配置されており、さらにその下方に、既述の記録紙収容カセット群がある。2次転写ローラ5の上方には既述の定着装置7が配置されている。
【0037】
中間転写ベルト4を巻き掛けた駆動ローラ31及びローラ32の間には、中間転写ベルト4に沿って、ローラ32から駆動ローラ31に向けて、既述のイエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kが、この順序で配置されている。
【0038】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、ドラム型の感光体11を備えており、この感光体11の周囲に、帯電器、画像露光装置、現像器、1次転写ローラ2、感光体11上の1次転写残トナー等を除去清掃するクリーニング装置等がこの順序で配置されている。
【0039】
各画像形成部においては、例えば感光体11、帯電器、現像器及びクリーニング装置を含む、イメージングユニットIUが形成されている。各イメージングユニットIUは複写機本体(画像形成部Bの本体)に対し着脱可能である。このイメージングユニットIUは上述のように構成されるとともに、梱包時には現像剤がイメージングユニットIUに同梱されることが多い(ただし、現像剤は使用状態にセットされていない)。
【0040】
1次転写ローラ2は、中間転写ベルト4を間にして感光体11に対向しており、中間転写ベルト4の走行に従動回転する。1次転写ローラ2には、感光体11上に形成されるトナー像を中間転写ベルト4へ1次転写するための1次転写バイアスを1次転写バイアス電源から印加できる。
【0041】
露光装置は、画像読取装置Sや図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施す。各画像形成部における感光体11は、ここでは負帯電性の有機感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて回転駆動される。各画像形成部における帯電器には、図示省略の帯電電源から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
【0042】
各画像形成部における現像器は、本実施の形態においては、負帯電性トナーを採用するもので、感光体11上に形成される静電潜像を、図示省略の現像バイアス電源から現像バイアス電圧が印加される現像ローラで反転現像することができる。
【0043】
画像形成部Bでは、上述の通り、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
【0044】
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを中間転写ベルト4に1次転写する。すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が所定方向に回転駆動され、帯電器にて表面が一様に所定電位に帯電せしめられた感光体11の帯電域に画像露光装置からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像器の現像バイアスが印加された現像ローラにて現像されて可視イエロートナー像となり、この可視イエロートナー像が1次転写ローラ2にて中間転写ベルト4上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ2には図示省略の電源装置から1次転写バイアス電圧が印加される。
【0045】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいて可視マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、シアン画像形成部Cにおいて可視シアントナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、ブラック画像形成部Kにおいて可視ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写される。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの可視トナー像は、これらが中間転写ベルト4上に重ねて転写されるタイミングで形成される。中間転写ベルト4上に形成された多重トナー像は、中間転写ベルト4の回動により2次転写ローラ5へ向け移動する。
【0046】
一方、記録紙Pがいずれかの記録紙収容カセットから図示省略の記録紙供給ローラにて引き出され、タイミングローラ6へ供給され、待機している。タイミングローラ6のところで待機する記録紙Pは、中間転写ベルト4にて送られてくる多重トナー像に合わせて中間転写ベルト4と2次転写ローラ5とのニップ部へ供給されるようにタイミングローラ6が記録紙Pを搬送開始することにより、このニップ部へ送り込まれ、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ5にて多重トナー像が記録紙P上に2次転写される。
【0047】
その後、記録紙Pは定着装置7に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録紙Pに定着され、トレイTへ排出される。中間転写ベルト4上に残留する2次転写残トナー等は、クリーナにより除去清掃され、各画像形成部において感光体11上に残留する1次転写残トナー等はクリーニング装置の感光体11に接触するクリーニングブレードにより除去清掃される。以上のようにして画像形成される。
【0048】
このような構造及び動作を行なう画像形成装置Aの重量は、200kg〜400kg程度と重いものである。このため、画像形成装置Aには、その移動のために、キャスターCAを備える。キャスターCAは、画像形成装置Aの底面に4つ設けられている。画像形成装置Aの底面部は略四角形となっており、キャスターCAは、底面の4つある角近辺にそれぞれ1つずつ取り付けられている。このキャスターCAは、車輪と、その車輪を受ける軸受けと、軸受けの支持部材と、車輪が床面で360度回転自在(前方、後方、右側方及び左側方)に動けるように、支持部材を保持する回転部とから構成される。さらに、キャスターCAには車輪が回転しないように固定するレバーがあり、設置場所へ画像形成装置Aを移動する場合には、そのレバーを車輪の固定が解除される位置へ移動させる。設置場所への画像形成装置Aの移動が完了した場合には、そのレバーを車輪が固定される位置へ移動させる。このようにすることにより、画像形成装置Aが不用意に床面を移動することを抑制できる。
【0049】
[梱包形態]
上述したような画像形成装置Aの梱包形態について説明する。図3は、図1及び図2に示した画像形成装置Aの梱包形態を示す分解斜視図である。
【0050】
図3に示すように、この画像形成装置Aは、JIS規格のパレット100上に載置されて、付属品であるイメージングユニットIUや傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210やスロープ部材300とともに、外箱103が上方から被せられて、さらに上蓋104が上方から載せられた状態で、細い平板状の樹脂バンド(図示せず)が2〜4本程度かけられる。なお、画像形成装置Aには、ほこり除けのビニル袋500が被せられている。
【0051】
画像形成装置AのキャスターCAが、例えばパレット100を構成するすのこ板の隙間に入り込まないようにするために、パレット100上には、平板101が載置された上に画像形成装置Aが載置される。さらに、例えば補強のために、キャスターCAが平板101に当接する部分には、少なくともキャスターCAの取り付け間隔よりも長い幅の平板102が載置されている。
【0052】
画像形成装置Aの側方(図3の左側)には、傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210が梱包されている。この傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210についての詳細は後述する。画像形成装置Aの側方(図3の右側)には、イメージングユニットIU及びそのスペーサ400が梱包されている。
【0053】
イメージングユニットIUは、上述したように、感光体11、現像器(使用状態にセットされていない現像剤を含む)、クリーニング装置を含んで構成される。イメージングユニットIUは、IU用のスペーサ400により挟持されている。なお、スペーサ400は、例えば段ボール(以下、段ボールには古紙で製造された段ボールも含む)で構成された四角柱の組み合わせで構成されていたり、発泡性の樹脂(以下、発泡性の樹脂には、低発泡性の樹脂も硬質樹脂も含む)で構成されていたりする。
【0054】
イメージングユニットIUの側方(図3の右側)には、スロープ部材300が梱包されている。このスロープ部材300についての詳細は後述する。
【0055】
画像形成装置A、傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210、イメージングユニットIU及びそのスペーサ400、スロープ部材300が、パレット100上(より詳しくは平板101及び平板102の上)に載置された状態で、上方から外箱103が被せられる。
【0056】
さらに、複雑な形状の操作パネルPA及び原稿自動搬送装置ADFを保護するためのスペーサ410〜460が、画像形成装置Aの所定の位置にセットされる。なお、これらのスペーサ410〜460も、例えば段ボールで構成された四角柱の組み合わせで構成されていたり、発泡性の樹脂で構成されていたりする。
【0057】
図4に、傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210の斜視図を示す。この図4は、図3の部分的な拡大図である。図4に示すように、2つの傾斜クッション部材200は、それぞれ傾斜部201及びスペーサ210への嵌合部202を備える。傾斜部201は、パレット100の高さとスロープ部材300の長さとで決定される傾斜角θで構成される。この傾斜角θは、sinθが(パレット100の高さ)/(スロープ部材300の長さ)で与えられる。
【0058】
スペーサ210は、例えば、t10mm〜20mm程度の厚みの合板(以下、木材を含む)で形成された平板211と、同じ程度の厚みの合板で形成された中空四角柱状の柱部材とで構成され、平板211の一方の面の左右端に柱部材が設けられている。柱部材には、2つの角材213により長合板212と長合板214とが接合され、それらが平板211に接合されている。このような構成のため、柱部材には中空部215が形成される。この中空部215の大きさは、傾斜クッション部材200の嵌合部202の大きさに合致している。すなわち、傾斜クッション部材200の嵌合部202を柱部材の中空部215に嵌合させることにより、傾斜クッション部材200と柱部材とが一体的になり、垂直方向の力を受け止めることができる。
【0059】
なお、スペーサ210の素材は、木材に限定されるものではなく、例えば発泡性の樹脂、段ボール等であってもよい。また、傾斜クッション部材200の素材は、木材、発泡性の樹脂、段ボール等である。これらの部材についての大きさ(厚み)や材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度(残り1/3程度は外箱103等で受け止める)を、後述するスロープ部材300とともに受けることができるようにすればよい。
【0060】
図5に、スロープ部材300の斜視図を示す。この図5は、図3の部分的な拡大図である。図5に示すように、このスロープ部材300は、例えば、t10mm〜20mm程度の厚みの合板で形成された平板である。このスロープ部材300についての厚みや材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度を、上述した傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210とともに受けることができるようにすればよい。
【0061】
図4における傾斜クッション部材200と柱部材とを嵌合させた場合の高さ方向の寸法と、図5におけるスロープ部材300の高さ方向の寸法とは等しい。これらを含めた梱包状態の側面図を図6に示す。図6に示すように、傾斜クッション部材200と柱部材とを嵌合させた場合の高さ方向の寸法はH(mm)であって、スロープ部材300の高さ方向の寸法もH(mm)である。
【0062】
図6に示すように、パレット100上に載置された平板101上に、傾斜クッション部材200のスペーサ210が載置され、スペーサ210の柱部材の中空部215に傾斜クッション部材200の嵌合部202が嵌合して一体化している(垂直上方からの力を一体的に受け止めるという意味で一体化している)。また、パレット100上に載置された平板101上に、スロープ部材300が載置されている。図5及び図6に示すように、スロープ部材300の高さ方向の寸法はH(mm)である。
【0063】
図6に示すように、上蓋104の内側下面は、外箱103(高さ方向の寸法はH(mm))に被せられて当接しているとともに、スペーサ210に嵌合された傾斜クッション部材200の端面203に当接し、かつ、スロープ部材300の端面に当接している。このため、上蓋104は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支える。残りの10kN程度を外箱103で支えることになるので、外箱103に非常に強固な段ボールを用いる必要や梱包箱を二重にする必要がなくなる。すなわち、梱包箱に要求される耐圧強度が低くても構わないため、梱包箱は一重構造かつ通常の段ボール製で構成することが可能となる。このため、省資源化と、それに伴うコストダウンが可能となる。さらに、梱包箱が二重構造から一重構造になると、梱包箱のサイズが前後方向及び左右方向で約20mm程度それぞれ小さくなり、小サイズ化の効果も得ることができる。
【0064】
[梱包箱の使用形態]
画像形成装置Aは、製造メーカの工場で完成されると、図6に示す梱包形態で出荷を待つ。このとき、3段程度に積み上げられて倉庫に保管される。図6に示すように、最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支えられている。最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104には、上方の2つのパレットに載置された梱包物から、(安全率を5倍として)最大30kNの力が加わる。
【0065】
垂直上方から最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104にかかる30kNの力のうちの20kN程度は、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支えられる。10kN程度は、外箱103で支えられる。このため、3段程度に積み上げられて倉庫に保管されている場合において、最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104にたとえ30kNの力がかかっても、最下段のパレット100に載置された画像形成装置Aが破損することを抑制できる。
【0066】
出荷が決まると、パレット100の空間にフォークリフトの爪を挿入して、トラックに積載して、納入先まで輸送される。納入先においては、パレット100上で荷解きされる。具体的には、2〜4本程度の樹脂バンドを切断して、上蓋104を取り外して、スペーサ410〜460と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とを取出して、外箱103を取外す。さらに、イメージングユニットIUを取出す。画像形成装置Aに被せられたビニル袋500を取外す。
【0067】
取り出した傾斜クッション部材200をパレット100の側方において、その上にスロープ部材300を載置する。このときの状態を図7に示す。すなわち、パレット100の高さに合わせた傾斜クッション部材200をパレット100の端面に設置されてその上に載置されたスロープ部材300によりスロープが形成されている。画像形成装置AのキャスターCAを転がして、画像形成装置Aをスロープ上で移動させて、画像形成装置Aをパレット100から床面に降ろすことができる。なお、図7においては、キャスターCAのレバーを解除したり、車輪を90度回転させたりする必要がある。
【0068】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱によると、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0069】
<第2の実施の形態>
以下に、本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱について、図8を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、傾斜クッション部材200を、第1の実施の形態と異なる構造のスペーサ210で支える。以下、この点について詳しく説明する。
【0070】
図8に示すように、傾斜クッション部材200は第1の実施の形態と同じであって、この傾斜クッション部材200をスペーサ220が垂直方向に支持する。スペーサ220は、例えば、t10mm〜20mm程度の厚みの合板で形成された中空四角柱状の2本の垂直方向の柱部材と、それらを連結する2本の水平方向の柱部材とで構成されている。垂直方向の柱部材には、2つの角材213により長合板212と長合板214とが接合されている。水平方向の柱部材は、垂直方向の柱部材と同じ構成であっても構わないし、角材であっても構わない。このような構成のため、垂直方向の柱部材には中空部215が形成される。この中空部215の大きさは、傾斜クッション部材200の嵌合部202の大きさに合致している。すなわち、傾斜クッション部材200の嵌合部202を垂直方向の柱部材の中空部215に嵌合させることにより、傾斜クッション部材200と垂直方向の柱部材とが一体的になり、垂直方向の力を受け止めることができる。このとき、2本の水平方向の柱部材が2本の垂直方向の柱部材を連結しているので、垂直方向の力を強固に受け止めることができる。
【0071】
さらに、傾斜クッション部材200と垂直方向の柱部材とを嵌合させた場合の高さ方向の寸法はH(mm)である。スロープ部材300の高さ方向の寸法もH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材300とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材300とで支えることができる。
【0072】
なお、スペーサ220の素材は、木材に限定されるものではなく、例えば発泡性の樹脂、段ボール等であってもよい。これらの部材についての構造(水平方向の柱部材の間隔等)や大きさ(厚み)や材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度(残り1/3程度は外箱103等で受け止める)を、スロープ部材300とともに受けることができるようにすればよい。
【0073】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0074】
<第3の実施の形態>
以下に、本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱について、図9を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、傾斜クッション部材200を、第1の実施の形態と異なる構造のスペーサ230で支える。以下、この点について詳しく説明する。
【0075】
図9に示すように、傾斜クッション部材200は第1の実施の形態と同じであって、この傾斜クッション部材200をスペーサ230が垂直方向に支持する。スペーサ230は、例えば、段ボールで形成された中空円筒形状の2本の円柱部材231と、t10mm〜20mm程度の厚みの合板で形成された蓋部材232及び底部材233とで構成されている。円柱部材231の内径の大きさは、傾斜クッション部材200の嵌合部202の大きさに合致している。すなわち、傾斜クッション部材200の嵌合部202を中空の円柱部材231に嵌合させることにより、傾斜クッション部材200と円柱部材231とが一体的になり、垂直方向の力を受け止めることができる。また、蓋部材232の幅は端面203の幅に(嵌合するように)合致し、底部材233の幅は円柱部材231の外径に(嵌合するように)合致している。底部材233に円柱部材231を嵌合して、円柱部材231に傾斜クッション部材200を嵌合して、傾斜クッション部材200を蓋部材232に嵌合させるので、垂直方向の力を強固に受け止めることができる。
【0076】
さらに、底部材233に円柱部材231を嵌合して、円柱部材231に傾斜クッション部材200を嵌合して、傾斜クッション部材200を蓋部材232に嵌合させた場合の高さ方向の寸法はH(mm)である。スロープ部材300の高さ方向の寸法もH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ230と、スロープ部材300とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ230と、スロープ部材300とで支えることができる。
【0077】
なお、スペーサ230の素材は、木材やダンボールに限定されるものではなく、例えば発泡性の樹脂等であってもよい。これらの部材についての大きさ(円柱部材の内径や厚み等)や材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度(残り1/3程度は外箱103等で受け止める)を、スロープ部材300とともに受けることができるようにすればよい。また、蓋部材232又は底部材233は、単なる四角柱(角材等)であっても構わない。
【0078】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0079】
<第4の実施の形態>
以下に、本発明の第4の実施の形態に係る梱包箱について、図10を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、スロープ部材320が、第1の実施の形態のスロープ部材300と異なる。以下、この点について詳しく説明する。
【0080】
図10に示すように、スロープ部材320は、第1の実施の形態に係るスロープ部材300である平板321に傾斜側面322を立設したものである。傾斜側面322は、傾斜クッション部材200の傾斜角と同じ傾斜角θである。このスロープ部材320の高さ方向の寸法はH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材320とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材320とで支えることができる。
【0081】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0082】
なお、荷降し時に、本実施の形態に係るスロープ部材320を表裏逆に用いて、傾斜側面322をガイドレールとして用いても構わない。このようにすると、荷降し時に、キャスターCAがスロープ部材320から逸脱することを抑制できる。
【0083】
<第5の実施の形態>
以下に、本発明の第5の実施の形態に係る梱包箱について、図11を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、スロープ部材330が、第1の実施の形態のスロープ部材300と異なる。以下、この点について詳しく説明する。
【0084】
図11に示すように、スロープ部材330は、第1の実施の形態に係るスロープ部材300をキャスターCAが十分に通過できるだけの幅の2枚の平板331にしたものである。このスロープ部材330の高さ方向の寸法(平板331の長さ)はH(mm)である。このため、上蓋104は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材330とで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材330とで支えることができる。
【0085】
なお、本実施の形態に係るスロープ部材330は小さいので、梱包時の自由度を向上させることができる。
【0086】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0087】
<第6の実施の形態>
以下に、本発明の第6の実施の形態に係る梱包箱について、図12を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、スロープ部材340が、第1の実施の形態のスロープ部材300と異なる。以下、この点について詳しく説明する。
【0088】
図12に示すように、スロープ部材340は、第5の実施の形態に係るスロープ部材330の平板331に、ガイド板341を立設したものである。このスロープ部材340の高さ方向の寸法はH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材340とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材340とで支えることができる。なお、ガイド板332により、垂直方向の力を強固に受けることができるとともに、荷降し時に、キャスターCAがスロープ部材340から逸脱することを抑制できる。
【0089】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0090】
なお、本実施の形態に係るスロープ部材340は、平板331に、ガイド板341を追加するのではなく、断面がコの字型の一体構造物としても構わない。
【0091】
<その他の変形例>
上述した実施の形態においては、上蓋104が、外箱103と、傾斜クッション部材及びスペーサと、スロープ部材とで支えられている。しかしながら、(1)上蓋104が、外箱103と、スロープ部材とで支えられていても(傾斜クッション部材及びスペーサが欠如)、(2)上蓋104が、外箱103と、傾斜クッション部材及びスペーサとで支えられていても(スロープ部材が欠如)、(3)上蓋104が、外箱103と、長さH(mm)であってスロープにもなる傾斜クッション部材とで支えられていても(スロープ部材及びスペーサが欠如)、構わない。また、スペーサは、傾斜クッション部材又はスロープ部材の上部にあっても(この場合には、上蓋104にスペーサが当接)下部にあっても(この場合には、上蓋104に傾斜クッション部材又はスロープ部材が当接)構わない。これらの組み合わせは、画像形成装置の自重、積載段数等に基づいて、適宜決定される。さらに、外箱103は上蓋104に当接しないで、鉛直上方からの力を外箱103が支えないものであっても構わない。このようにすると、強固でない段ボールで大きな面積の外箱を形成することができ、梱包コストを低減することができる。
【0092】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱に梱包される画像形成装置の構成の概要を示す正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の側面図である。
【図3】図1の画像形成装置の梱包形態を示す分解斜視図である。
【図4】図3の傾斜クッション部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図5】図3のスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図6】図3の梱包形態の側面図である。
【図7】パレットから荷降しする場合の側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱における傾斜クッション部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱における傾斜クッション部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る梱包箱におけるスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る梱包箱におけるスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る梱包箱におけるスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0094】
A 画像形成装置
B 画像形成部
D 液晶表示部
S 画像読取装置
CA キャスター
CS 記録紙カセット部
PA 操作パネル
2 1次転写ローラ
4 中間転写ベルト
5 2次転写ローラ
6 タイミングローラ
7 定着装置
11 感光体
31 駆動ローラ
32 ローラ
100 パレット
101、102 平板
103 外箱
104 上蓋
200 傾斜クッション部材
210、220、230、400 スペーサ
300、320、330、340 スロープ部材
500 ビニル袋
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機等のOA機器を始めとするキャスターを有する装置(200kg〜400kg程度)をパレットから荷降しするときに用いるスロープ部材を同梱した梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器の1つとして、トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機が広く用いられている。このような複合機では、通常、露光プロセスにて感光体のような像担持体上に静電潜像を形成し、現像プロセスにて該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、転写プロセスにて該可視トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、或いは一旦中間転写ベルト等の中間転写体に1次転写し該中間転写体から記録媒体に2次転写し、定着プロセスにてこのように記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させることができる。
【0003】
このような複合機を含む、例えば体積が1立方メートル程度の大きさのOA機器の多くは、相当の重量となる場合が多いので、JIS(日本工業規格:Japanese Industrial Standards)で規定されるパレット(輸送や物流などに使う荷物を載せる台になるすのこ)に載置されて梱包され、フォークリフトを用いて保管されたり搬送されたりする。このため、このパレットは、フォークリフトの爪が入るように150mm程度の高さがある。また、このようなOA機器の多くには、パレットから降ろした後の移動のためのキャスターが、OA機器の底面に4つ程度設けられている。納入先においては、パレット上で荷解きして、パレットの高さに合わせたスロープをパレットの端面に設置して、OA機器のキャスターを転がしてスロープ上を移動させて、OA機器をパレットから床面に降ろすことが多く行なわれる。
【0004】
このようなスロープを形成する部材は、OA機器に同梱することが好ましく、その一方、パレットの大きさには制約があるため、スロープを形成する部材の長さが制約されるという問題がある。特開2007−238166号公報(特許文献1)は、このような問題を解決する梱包箱を開示する。
【0005】
この梱包箱は、パレット上に搭載されキャスターを有する機器を梱包する梱包箱であって、中芯とその中芯の片面または両面に接着した表面材とからなる段ボールを2枚以上重ねた積層段ボールを折り曲げて斜面部、背面部、底面部を形成し側断面が略直角三角形のスロープ部材に用いる積層段ボールを、この梱包箱に同梱する。さらに、このようなスロープ部材に用いる積層段ボールを、梱包箱の外箱から切り取る。
【0006】
このようにすると、スロープ部材に段ボールを用い、積層段ボールとして梱包箱内に同梱すると、梱包箱のサイズアップを必要としない範囲でスロープ部材用積層段ボールを収納できる。さらに、スロープ部材用積層段ボールを外箱から切り取り折り曲げて使用しても、従来の梱包箱と同じ外形寸法の梱包箱になるため、トラックやコンテナにこの梱包箱を積載する場合、従来の梱包箱と同じ積載効率を得ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2007−238166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなOA機器は、製造メーカの工場で製造されて、パレットに載置されて梱包され、出荷まで保管される。この保管時においては、保管効率を向上させるために、OA機器を梱包した状態での重量が300kg程度のパレットを3段程度に積み上げられることが行なわれる。ここで、3段に積み上げたときには、最下段には300kg×2段分に相当する力が加わる。この力を梱包用段ボールで受けることになるのであるが、安全率を5倍とすると、30kNもの力が最下段の梱包箱にかかる。このため、梱包箱がこの力に耐え得るようにするためには(30kNの耐圧強度を得るためには)、非常に強固な段ボールを使用した梱包箱とする必要があったり、梱包箱を二重にする必要があったりする。
【0009】
一方、特許文献1に開示された梱包箱は、30kNもの力に耐え得るような非常に強固な段ボールを使用した梱包箱ではない。特許文献1は、スロープを形成する部材(場合によっては補強部材を含めて)を、梱包箱に同梱することを開示する。しかしながら、スロープを梱包箱に同梱することとスロープの補強とに言及していたとしても、パレット上に梱包されたOA機器が多段積みされるときの梱包箱の補強という観点でスロープを形成する部材を梱包箱に同梱することを検討したものではない。したがって、梱包箱自体の強度はさほど強くない。このため、特許文献1に開示された梱包箱では、スロープの補強はできたとしても梱包箱を補強できないので、OA機器を梱包したパレットを多段積みすると、最下段のOA機器が破損する等の問題点がある。なお、非常に強固な段ボールを使用して30kNに耐えうる梱包箱を形成する場合又は梱包箱を二重にする場合には、梱包箱のコストが非常に高価になったり、梱包箱の外形寸法が大きくなったりする。
【0010】
そこで本発明は、キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降し時に用いるスロープ部材を同梱し、かつ、梱包コストを抑制できる、キャスター付き装置の梱包箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は以下に示す梱包箱を提供する。
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接するように構成される梱包箱。
【0012】
この発明に係る梱包箱によると、装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材が装置に同梱される。パレット上面に載置されたこのスロープ部材の上端は、上蓋に当接している。このため、スロープ部材が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、このスロープ部材がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。このため、他の梱包部材が強固でなくとも、梱包箱を二重構造にしなくても、保管時の多段積みを許容できる。強固な梱包部材を用いることなく梱包箱を二重構造にすることなく装置を梱包できるので、梱包コストが抑制できる。なお、スロープ部材の長さが短くてパレット上面に載置されたこのスロープ部材の上端が上蓋に当接しない場合には、上蓋にスロープ部材の上端が当接するように、スロープ部材の下端に長さ調整用のスペーサが嵌めこむこともできる。さらに、このような場合に、スロープ部材の上端にスペーサが嵌めこまれ、スペーサの上端が上蓋に当接するようにすることもできる(スロープ部材の上部又は/及び下部に長さ調整用のスペーサが嵌めこまれる)。
【0013】
上述した課題を解決するため本発明は以下に示す別の梱包箱を提供する。
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材と、前記床面に置かれて前記スロープ部材が載置される傾斜面を備え前記スロープ部材と前記床面との空隙を埋める傾斜クッション部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記傾斜クッション部材の上端が、前記上蓋に当接するように構成される梱包箱。
【0014】
この発明に係る梱包箱によると、装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材とスロープ部材と床面との空隙を埋める傾斜クッション部材が装置に同梱される。パレット上面に載置されたこの傾斜クッション部材の上端は、上蓋に当接している。このため、傾斜クッション部材が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、この傾斜クッション部材がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。このため、他の梱包部材が強固でなくとも、梱包箱を二重構造にしなくても、保管時の多段積みを許容できる。強固な梱包部材を用いることなく梱包箱を二重構造にすることなく装置を梱包できるので、梱包コストが抑制できる。なお、傾斜クッション部材の長さが短くてパレット上面に載置されたこの傾斜クッション部材の上端が上蓋に当接しない場合には、上蓋に傾斜クッション部材の上端が当接するように、傾斜クッション部材の下端に長さ調整用のスペーサが嵌めこむこともできる。さらに、このような場合に、傾斜クッション部材の上端にスペーサが嵌めこまれ、スペーサの上端が上蓋に当接するようにすることもできる(傾斜クッション部材の上部又は/及び下部に長さ調整用のスペーサが嵌めこまれる)。
【0015】
また、前記傾斜クッション部材の上端に加えて、前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接するように構成することができる。
【0016】
この発明に係る梱包箱によると、パレット上面に載置された傾斜クッション部材の上端及びスロープ部材の上端は、上蓋に当接している。このため、傾斜クッション部材及びスロープ部材が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、これらの傾斜クッション部材及びスロープ部材がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。
【0017】
さらに、前記傾斜クッション部材と前記スロープ部材とが、前記装置を挟んで対向するように配置されるように構成できる。
【0018】
この発明に係る梱包箱によると、傾斜クッション部材及びスロープ部材が、装置を挟んで対向してパレット上面及び上蓋に当接している。このため、バランスよくパレット上面と上蓋との間を支えることができる。
【0019】
さらに、前記傾斜クッション部材の上端が、スペーサを介して、前記上蓋に当接するように構成できる。
【0020】
この発明に係る梱包箱によると、傾斜クッション部材が短い場合であっても、スペーサにより、傾斜クッション部材の上端を上蓋に当接させることができる。
【0021】
さらに、前記梱包箱は、周囲を覆う中空四角柱形状の外箱をさらに含み、前記外箱は、その上端に前記上蓋が当接するように前記装置に被せられるように構成できる。
【0022】
この発明に係る梱包箱によると、傾斜クッション部材の上端、スロープ部材の上端及び外箱は、上蓋に当接している。このため、傾斜クッション部材、スロープ部材及び外箱が、パレット上面及び上蓋に当接して、パレット上面と上蓋との間を支える。保管時に多段積みされても、これらの傾斜クッション部材、スロープ部材及び外箱がパレット上面と上蓋との間を支えているので、上段から受ける垂直下方の力に抗することができる。
【0023】
なお、前記装置は、画像形成装置とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によると、キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降し時に用いるスロープ部材を同梱し、かつ、梱包コストを抑制できる、キャスター付き装置の梱包箱を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。以下の説明では、本実施形態に係る梱包箱により梱包されるOA機器(キャスター付き装置)は、その一例として画像形成装置であるとする。
【0026】
<第1の実施の形態>
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱について説明する。梱包箱の説明にあたり、この梱包箱で梱包される画像形成装置について説明する。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、画像形成装置Aの正面図であって、図2はその画像形成装置Aの側面図である。図1及び図2に示す画像形成装置Aは、画像読取装置Sを備えた複写機であるが、ファクシミリ機の機能及びコンピュータ等から供給される画像情報に応じてプリントするプリンタ機能も併せ持つ複合機と言えるのである。以下においては、記録媒体は記録紙として説明する。
【0027】
図1の画像形成装置Aは、画像形成を行なう画像形成部B及びその下の記録紙収容カセットC1〜C4を有する記録紙カセット部CSを含んでいる。画像読取装置Sは画像形成を行なう画像形成部Bの上方に位置している。画像読取装置Sには原稿自動搬送装置ADF及び操作パネルPAが搭載されている。
【0028】
原稿自動搬送装置ADFは開閉可能で、画像読取装置Sの原稿載置台であるガラス板g1上に配置される原稿を覆うカバーを兼ねている。操作パネルPAには、複写画像形成やファクシミリ送信等の指示を行なうスタートキー、画像形成枚数等を設定するテンキー等のキー群Ke等のほか、液晶表示部Dも搭載されている。液晶表示部Dは、ユーザによるキー操作を反映表示したり、ユーザへの指示メニューを表示したり、画像形成を行なう画像形成部B等からの情報を表示したりすること等に用いられる。
【0029】
画像読取装置Sは、原稿台ガラスg1上に静止配置される原稿の画像を光学的に読み取ることができるほか、原稿自動搬送装置ADFにてその原稿載置トレイa1から搬送され、原稿排出トレイa2へ排出され、その途中で画像読取装置Sの原稿流し撮り用ガラス板g2に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取ることもできる。
【0030】
画像読取装置Sで読み取られた画像のデータは画像形成を行なう画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供されるか、或いはファクシミリ送信に供される。図示省略のコンピュータ等から送信されてくる画像データは、画像形成部Bへ送られ、そこでの画像形成に供される.
【0031】
画像形成部Bは、電子写真方式により記録紙上にトナー画像を形成するものである。本実施の形態に係る画像形成装置Aにおける画像形成部Bは、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kを中間転写ベルト4に沿って配列し、各画像形成部により形成されるトナー像を中間転写ベルト4に1次転写し、中間転写ベルト4上に重ねて1次転写された多重トナー像をいずれかのカセットから供給される記録紙Pに2次転写し、定着装置7で定着させてカラー画像を得ることができる、所謂タンデム型のフルカラータイプである。トナー画像が定着された記録紙Pは排出トレイTに排出される。
【0032】
画像形成部Bは、モノクロ画像を形成することもできるし、いずれか2つ又は3つの画像形成部を用いて画像形成することもできる。なお、画像形成装置Aは、4サイクル型カラータイプであっても、そもそもモノクロタイプであっても構わない。
【0033】
画像形成部Bには、上述の通り、中間転写ベルト4を有しており、この中間転写ベルト4は、駆動ローラ31とこれに対向するローラ32に巻き掛けられ、駆動ローラ31がベルト駆動部により駆動されることで図中反時計方向(図中矢印方向)に回転することができる。
【0034】
ローラ32上の中間転写ベルト4に当接して、中間転写ベルト4上の2次転写残トナー等を清掃するクリーナが臨んでいる。駆動ローラ31上の中間転写ベルト4に当接して、2次転写ローラ5が臨んでいる。
【0035】
2次転写ローラ5は、中間転写ベルト4との間にニップ部を形成し、中間転写ベルト4の回転に従動して、或いは、このニップ部に送り込まれる記録紙Pの移動に従動して回転する。2次転写ローラ5には、2次転写バイアス電源から2次転写バイアスを印加することができる。
【0036】
2次転写ローラ5の下方には、タイミングローラ6が配置されており、さらにその下方に、既述の記録紙収容カセット群がある。2次転写ローラ5の上方には既述の定着装置7が配置されている。
【0037】
中間転写ベルト4を巻き掛けた駆動ローラ31及びローラ32の間には、中間転写ベルト4に沿って、ローラ32から駆動ローラ31に向けて、既述のイエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kが、この順序で配置されている。
【0038】
Y、M、C、Kの各画像形成部は、ドラム型の感光体11を備えており、この感光体11の周囲に、帯電器、画像露光装置、現像器、1次転写ローラ2、感光体11上の1次転写残トナー等を除去清掃するクリーニング装置等がこの順序で配置されている。
【0039】
各画像形成部においては、例えば感光体11、帯電器、現像器及びクリーニング装置を含む、イメージングユニットIUが形成されている。各イメージングユニットIUは複写機本体(画像形成部Bの本体)に対し着脱可能である。このイメージングユニットIUは上述のように構成されるとともに、梱包時には現像剤がイメージングユニットIUに同梱されることが多い(ただし、現像剤は使用状態にセットされていない)。
【0040】
1次転写ローラ2は、中間転写ベルト4を間にして感光体11に対向しており、中間転写ベルト4の走行に従動回転する。1次転写ローラ2には、感光体11上に形成されるトナー像を中間転写ベルト4へ1次転写するための1次転写バイアスを1次転写バイアス電源から印加できる。
【0041】
露光装置は、画像読取装置Sや図示省略のパーソナルコンピュータ等から提供される画像情報に応じて、レーザービームを用いて感光体11に画像露光を施す。各画像形成部における感光体11は、ここでは負帯電性の有機感光体であり、図示省略の感光体駆動モータにて回転駆動される。各画像形成部における帯電器には、図示省略の帯電電源から所定のタイミングで帯電電圧を印加できる。
【0042】
各画像形成部における現像器は、本実施の形態においては、負帯電性トナーを採用するもので、感光体11上に形成される静電潜像を、図示省略の現像バイアス電源から現像バイアス電圧が印加される現像ローラで反転現像することができる。
【0043】
画像形成部Bでは、上述の通り、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1又は2以上を用いて画像を形成することができる。
【0044】
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを中間転写ベルト4に1次転写する。すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体11が所定方向に回転駆動され、帯電器にて表面が一様に所定電位に帯電せしめられた感光体11の帯電域に画像露光装置からイエロー画像用の画像露光が施され、感光体11上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像器の現像バイアスが印加された現像ローラにて現像されて可視イエロートナー像となり、この可視イエロートナー像が1次転写ローラ2にて中間転写ベルト4上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ2には図示省略の電源装置から1次転写バイアス電圧が印加される。
【0045】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいて可視マゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、シアン画像形成部Cにおいて可視シアントナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写され、ブラック画像形成部Kにおいて可視ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト4に転写される。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの可視トナー像は、これらが中間転写ベルト4上に重ねて転写されるタイミングで形成される。中間転写ベルト4上に形成された多重トナー像は、中間転写ベルト4の回動により2次転写ローラ5へ向け移動する。
【0046】
一方、記録紙Pがいずれかの記録紙収容カセットから図示省略の記録紙供給ローラにて引き出され、タイミングローラ6へ供給され、待機している。タイミングローラ6のところで待機する記録紙Pは、中間転写ベルト4にて送られてくる多重トナー像に合わせて中間転写ベルト4と2次転写ローラ5とのニップ部へ供給されるようにタイミングローラ6が記録紙Pを搬送開始することにより、このニップ部へ送り込まれ、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ5にて多重トナー像が記録紙P上に2次転写される。
【0047】
その後、記録紙Pは定着装置7に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録紙Pに定着され、トレイTへ排出される。中間転写ベルト4上に残留する2次転写残トナー等は、クリーナにより除去清掃され、各画像形成部において感光体11上に残留する1次転写残トナー等はクリーニング装置の感光体11に接触するクリーニングブレードにより除去清掃される。以上のようにして画像形成される。
【0048】
このような構造及び動作を行なう画像形成装置Aの重量は、200kg〜400kg程度と重いものである。このため、画像形成装置Aには、その移動のために、キャスターCAを備える。キャスターCAは、画像形成装置Aの底面に4つ設けられている。画像形成装置Aの底面部は略四角形となっており、キャスターCAは、底面の4つある角近辺にそれぞれ1つずつ取り付けられている。このキャスターCAは、車輪と、その車輪を受ける軸受けと、軸受けの支持部材と、車輪が床面で360度回転自在(前方、後方、右側方及び左側方)に動けるように、支持部材を保持する回転部とから構成される。さらに、キャスターCAには車輪が回転しないように固定するレバーがあり、設置場所へ画像形成装置Aを移動する場合には、そのレバーを車輪の固定が解除される位置へ移動させる。設置場所への画像形成装置Aの移動が完了した場合には、そのレバーを車輪が固定される位置へ移動させる。このようにすることにより、画像形成装置Aが不用意に床面を移動することを抑制できる。
【0049】
[梱包形態]
上述したような画像形成装置Aの梱包形態について説明する。図3は、図1及び図2に示した画像形成装置Aの梱包形態を示す分解斜視図である。
【0050】
図3に示すように、この画像形成装置Aは、JIS規格のパレット100上に載置されて、付属品であるイメージングユニットIUや傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210やスロープ部材300とともに、外箱103が上方から被せられて、さらに上蓋104が上方から載せられた状態で、細い平板状の樹脂バンド(図示せず)が2〜4本程度かけられる。なお、画像形成装置Aには、ほこり除けのビニル袋500が被せられている。
【0051】
画像形成装置AのキャスターCAが、例えばパレット100を構成するすのこ板の隙間に入り込まないようにするために、パレット100上には、平板101が載置された上に画像形成装置Aが載置される。さらに、例えば補強のために、キャスターCAが平板101に当接する部分には、少なくともキャスターCAの取り付け間隔よりも長い幅の平板102が載置されている。
【0052】
画像形成装置Aの側方(図3の左側)には、傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210が梱包されている。この傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210についての詳細は後述する。画像形成装置Aの側方(図3の右側)には、イメージングユニットIU及びそのスペーサ400が梱包されている。
【0053】
イメージングユニットIUは、上述したように、感光体11、現像器(使用状態にセットされていない現像剤を含む)、クリーニング装置を含んで構成される。イメージングユニットIUは、IU用のスペーサ400により挟持されている。なお、スペーサ400は、例えば段ボール(以下、段ボールには古紙で製造された段ボールも含む)で構成された四角柱の組み合わせで構成されていたり、発泡性の樹脂(以下、発泡性の樹脂には、低発泡性の樹脂も硬質樹脂も含む)で構成されていたりする。
【0054】
イメージングユニットIUの側方(図3の右側)には、スロープ部材300が梱包されている。このスロープ部材300についての詳細は後述する。
【0055】
画像形成装置A、傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210、イメージングユニットIU及びそのスペーサ400、スロープ部材300が、パレット100上(より詳しくは平板101及び平板102の上)に載置された状態で、上方から外箱103が被せられる。
【0056】
さらに、複雑な形状の操作パネルPA及び原稿自動搬送装置ADFを保護するためのスペーサ410〜460が、画像形成装置Aの所定の位置にセットされる。なお、これらのスペーサ410〜460も、例えば段ボールで構成された四角柱の組み合わせで構成されていたり、発泡性の樹脂で構成されていたりする。
【0057】
図4に、傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210の斜視図を示す。この図4は、図3の部分的な拡大図である。図4に示すように、2つの傾斜クッション部材200は、それぞれ傾斜部201及びスペーサ210への嵌合部202を備える。傾斜部201は、パレット100の高さとスロープ部材300の長さとで決定される傾斜角θで構成される。この傾斜角θは、sinθが(パレット100の高さ)/(スロープ部材300の長さ)で与えられる。
【0058】
スペーサ210は、例えば、t10mm〜20mm程度の厚みの合板(以下、木材を含む)で形成された平板211と、同じ程度の厚みの合板で形成された中空四角柱状の柱部材とで構成され、平板211の一方の面の左右端に柱部材が設けられている。柱部材には、2つの角材213により長合板212と長合板214とが接合され、それらが平板211に接合されている。このような構成のため、柱部材には中空部215が形成される。この中空部215の大きさは、傾斜クッション部材200の嵌合部202の大きさに合致している。すなわち、傾斜クッション部材200の嵌合部202を柱部材の中空部215に嵌合させることにより、傾斜クッション部材200と柱部材とが一体的になり、垂直方向の力を受け止めることができる。
【0059】
なお、スペーサ210の素材は、木材に限定されるものではなく、例えば発泡性の樹脂、段ボール等であってもよい。また、傾斜クッション部材200の素材は、木材、発泡性の樹脂、段ボール等である。これらの部材についての大きさ(厚み)や材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度(残り1/3程度は外箱103等で受け止める)を、後述するスロープ部材300とともに受けることができるようにすればよい。
【0060】
図5に、スロープ部材300の斜視図を示す。この図5は、図3の部分的な拡大図である。図5に示すように、このスロープ部材300は、例えば、t10mm〜20mm程度の厚みの合板で形成された平板である。このスロープ部材300についての厚みや材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度を、上述した傾斜クッション部材200及びそのスペーサ210とともに受けることができるようにすればよい。
【0061】
図4における傾斜クッション部材200と柱部材とを嵌合させた場合の高さ方向の寸法と、図5におけるスロープ部材300の高さ方向の寸法とは等しい。これらを含めた梱包状態の側面図を図6に示す。図6に示すように、傾斜クッション部材200と柱部材とを嵌合させた場合の高さ方向の寸法はH(mm)であって、スロープ部材300の高さ方向の寸法もH(mm)である。
【0062】
図6に示すように、パレット100上に載置された平板101上に、傾斜クッション部材200のスペーサ210が載置され、スペーサ210の柱部材の中空部215に傾斜クッション部材200の嵌合部202が嵌合して一体化している(垂直上方からの力を一体的に受け止めるという意味で一体化している)。また、パレット100上に載置された平板101上に、スロープ部材300が載置されている。図5及び図6に示すように、スロープ部材300の高さ方向の寸法はH(mm)である。
【0063】
図6に示すように、上蓋104の内側下面は、外箱103(高さ方向の寸法はH(mm))に被せられて当接しているとともに、スペーサ210に嵌合された傾斜クッション部材200の端面203に当接し、かつ、スロープ部材300の端面に当接している。このため、上蓋104は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支える。残りの10kN程度を外箱103で支えることになるので、外箱103に非常に強固な段ボールを用いる必要や梱包箱を二重にする必要がなくなる。すなわち、梱包箱に要求される耐圧強度が低くても構わないため、梱包箱は一重構造かつ通常の段ボール製で構成することが可能となる。このため、省資源化と、それに伴うコストダウンが可能となる。さらに、梱包箱が二重構造から一重構造になると、梱包箱のサイズが前後方向及び左右方向で約20mm程度それぞれ小さくなり、小サイズ化の効果も得ることができる。
【0064】
[梱包箱の使用形態]
画像形成装置Aは、製造メーカの工場で完成されると、図6に示す梱包形態で出荷を待つ。このとき、3段程度に積み上げられて倉庫に保管される。図6に示すように、最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支えられている。最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104には、上方の2つのパレットに載置された梱包物から、(安全率を5倍として)最大30kNの力が加わる。
【0065】
垂直上方から最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104にかかる30kNの力のうちの20kN程度は、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とで支えられる。10kN程度は、外箱103で支えられる。このため、3段程度に積み上げられて倉庫に保管されている場合において、最下段のパレット100に載置された梱包物の上蓋104にたとえ30kNの力がかかっても、最下段のパレット100に載置された画像形成装置Aが破損することを抑制できる。
【0066】
出荷が決まると、パレット100の空間にフォークリフトの爪を挿入して、トラックに積載して、納入先まで輸送される。納入先においては、パレット100上で荷解きされる。具体的には、2〜4本程度の樹脂バンドを切断して、上蓋104を取り外して、スペーサ410〜460と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材300とを取出して、外箱103を取外す。さらに、イメージングユニットIUを取出す。画像形成装置Aに被せられたビニル袋500を取外す。
【0067】
取り出した傾斜クッション部材200をパレット100の側方において、その上にスロープ部材300を載置する。このときの状態を図7に示す。すなわち、パレット100の高さに合わせた傾斜クッション部材200をパレット100の端面に設置されてその上に載置されたスロープ部材300によりスロープが形成されている。画像形成装置AのキャスターCAを転がして、画像形成装置Aをスロープ上で移動させて、画像形成装置Aをパレット100から床面に降ろすことができる。なお、図7においては、キャスターCAのレバーを解除したり、車輪を90度回転させたりする必要がある。
【0068】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱によると、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0069】
<第2の実施の形態>
以下に、本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱について、図8を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、傾斜クッション部材200を、第1の実施の形態と異なる構造のスペーサ210で支える。以下、この点について詳しく説明する。
【0070】
図8に示すように、傾斜クッション部材200は第1の実施の形態と同じであって、この傾斜クッション部材200をスペーサ220が垂直方向に支持する。スペーサ220は、例えば、t10mm〜20mm程度の厚みの合板で形成された中空四角柱状の2本の垂直方向の柱部材と、それらを連結する2本の水平方向の柱部材とで構成されている。垂直方向の柱部材には、2つの角材213により長合板212と長合板214とが接合されている。水平方向の柱部材は、垂直方向の柱部材と同じ構成であっても構わないし、角材であっても構わない。このような構成のため、垂直方向の柱部材には中空部215が形成される。この中空部215の大きさは、傾斜クッション部材200の嵌合部202の大きさに合致している。すなわち、傾斜クッション部材200の嵌合部202を垂直方向の柱部材の中空部215に嵌合させることにより、傾斜クッション部材200と垂直方向の柱部材とが一体的になり、垂直方向の力を受け止めることができる。このとき、2本の水平方向の柱部材が2本の垂直方向の柱部材を連結しているので、垂直方向の力を強固に受け止めることができる。
【0071】
さらに、傾斜クッション部材200と垂直方向の柱部材とを嵌合させた場合の高さ方向の寸法はH(mm)である。スロープ部材300の高さ方向の寸法もH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材300とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材300とで支えることができる。
【0072】
なお、スペーサ220の素材は、木材に限定されるものではなく、例えば発泡性の樹脂、段ボール等であってもよい。これらの部材についての構造(水平方向の柱部材の間隔等)や大きさ(厚み)や材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度(残り1/3程度は外箱103等で受け止める)を、スロープ部材300とともに受けることができるようにすればよい。
【0073】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0074】
<第3の実施の形態>
以下に、本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱について、図9を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、傾斜クッション部材200を、第1の実施の形態と異なる構造のスペーサ230で支える。以下、この点について詳しく説明する。
【0075】
図9に示すように、傾斜クッション部材200は第1の実施の形態と同じであって、この傾斜クッション部材200をスペーサ230が垂直方向に支持する。スペーサ230は、例えば、段ボールで形成された中空円筒形状の2本の円柱部材231と、t10mm〜20mm程度の厚みの合板で形成された蓋部材232及び底部材233とで構成されている。円柱部材231の内径の大きさは、傾斜クッション部材200の嵌合部202の大きさに合致している。すなわち、傾斜クッション部材200の嵌合部202を中空の円柱部材231に嵌合させることにより、傾斜クッション部材200と円柱部材231とが一体的になり、垂直方向の力を受け止めることができる。また、蓋部材232の幅は端面203の幅に(嵌合するように)合致し、底部材233の幅は円柱部材231の外径に(嵌合するように)合致している。底部材233に円柱部材231を嵌合して、円柱部材231に傾斜クッション部材200を嵌合して、傾斜クッション部材200を蓋部材232に嵌合させるので、垂直方向の力を強固に受け止めることができる。
【0076】
さらに、底部材233に円柱部材231を嵌合して、円柱部材231に傾斜クッション部材200を嵌合して、傾斜クッション部材200を蓋部材232に嵌合させた場合の高さ方向の寸法はH(mm)である。スロープ部材300の高さ方向の寸法もH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ230と、スロープ部材300とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ230と、スロープ部材300とで支えることができる。
【0077】
なお、スペーサ230の素材は、木材やダンボールに限定されるものではなく、例えば発泡性の樹脂等であってもよい。これらの部材についての大きさ(円柱部材の内径や厚み等)や材質の選定については、30kNの垂直上方からの力の2/3程度(残り1/3程度は外箱103等で受け止める)を、スロープ部材300とともに受けることができるようにすればよい。また、蓋部材232又は底部材233は、単なる四角柱(角材等)であっても構わない。
【0078】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0079】
<第4の実施の形態>
以下に、本発明の第4の実施の形態に係る梱包箱について、図10を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、スロープ部材320が、第1の実施の形態のスロープ部材300と異なる。以下、この点について詳しく説明する。
【0080】
図10に示すように、スロープ部材320は、第1の実施の形態に係るスロープ部材300である平板321に傾斜側面322を立設したものである。傾斜側面322は、傾斜クッション部材200の傾斜角と同じ傾斜角θである。このスロープ部材320の高さ方向の寸法はH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材320とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材320とで支えることができる。
【0081】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0082】
なお、荷降し時に、本実施の形態に係るスロープ部材320を表裏逆に用いて、傾斜側面322をガイドレールとして用いても構わない。このようにすると、荷降し時に、キャスターCAがスロープ部材320から逸脱することを抑制できる。
【0083】
<第5の実施の形態>
以下に、本発明の第5の実施の形態に係る梱包箱について、図11を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、スロープ部材330が、第1の実施の形態のスロープ部材300と異なる。以下、この点について詳しく説明する。
【0084】
図11に示すように、スロープ部材330は、第1の実施の形態に係るスロープ部材300をキャスターCAが十分に通過できるだけの幅の2枚の平板331にしたものである。このスロープ部材330の高さ方向の寸法(平板331の長さ)はH(mm)である。このため、上蓋104は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材330とで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材330とで支えることができる。
【0085】
なお、本実施の形態に係るスロープ部材330は小さいので、梱包時の自由度を向上させることができる。
【0086】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0087】
<第6の実施の形態>
以下に、本発明の第6の実施の形態に係る梱包箱について、図12を参照して説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ構成についての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、梱包対象である画像形成装置は同じである。本実施形態に係る梱包箱は、スロープ部材340が、第1の実施の形態のスロープ部材300と異なる。以下、この点について詳しく説明する。
【0088】
図12に示すように、スロープ部材340は、第5の実施の形態に係るスロープ部材330の平板331に、ガイド板341を立設したものである。このスロープ部材340の高さ方向の寸法はH(mm)である。このため、上蓋104の内側下面は、外箱103と、傾斜クッション部材200及びスペーサ210と、スロープ部材340とに当接して、これらで支えられている。このようにすると、画像形成装置Aを梱包したパレット100(重量300kg程度)を3段程度に積み上げられたときに最下段にかかる30kNの力のうちの2/3程度を傾斜クッション部材200及びスペーサ220と、スロープ部材340とで支えることができる。なお、ガイド板332により、垂直方向の力を強固に受けることができるとともに、荷降し時に、キャスターCAがスロープ部材340から逸脱することを抑制できる。
【0089】
以上のようにして、本実施の形態に係る梱包箱においても、第1の実施の形態と同様に、キャスターを備えた画像形成装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられ、非常に強固な段ボール製の梱包箱や二重構造の梱包箱を用いることなく、保管時に多段積みが可能で、パレットからの荷降しが容易であって、かつ、梱包コストを抑制できる。
【0090】
なお、本実施の形態に係るスロープ部材340は、平板331に、ガイド板341を追加するのではなく、断面がコの字型の一体構造物としても構わない。
【0091】
<その他の変形例>
上述した実施の形態においては、上蓋104が、外箱103と、傾斜クッション部材及びスペーサと、スロープ部材とで支えられている。しかしながら、(1)上蓋104が、外箱103と、スロープ部材とで支えられていても(傾斜クッション部材及びスペーサが欠如)、(2)上蓋104が、外箱103と、傾斜クッション部材及びスペーサとで支えられていても(スロープ部材が欠如)、(3)上蓋104が、外箱103と、長さH(mm)であってスロープにもなる傾斜クッション部材とで支えられていても(スロープ部材及びスペーサが欠如)、構わない。また、スペーサは、傾斜クッション部材又はスロープ部材の上部にあっても(この場合には、上蓋104にスペーサが当接)下部にあっても(この場合には、上蓋104に傾斜クッション部材又はスロープ部材が当接)構わない。これらの組み合わせは、画像形成装置の自重、積載段数等に基づいて、適宜決定される。さらに、外箱103は上蓋104に当接しないで、鉛直上方からの力を外箱103が支えないものであっても構わない。このようにすると、強固でない段ボールで大きな面積の外箱を形成することができ、梱包コストを低減することができる。
【0092】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る梱包箱に梱包される画像形成装置の構成の概要を示す正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の側面図である。
【図3】図1の画像形成装置の梱包形態を示す分解斜視図である。
【図4】図3の傾斜クッション部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図5】図3のスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図6】図3の梱包形態の側面図である。
【図7】パレットから荷降しする場合の側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る梱包箱における傾斜クッション部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る梱包箱における傾斜クッション部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る梱包箱におけるスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る梱包箱におけるスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る梱包箱におけるスロープ部材の梱包形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0094】
A 画像形成装置
B 画像形成部
D 液晶表示部
S 画像読取装置
CA キャスター
CS 記録紙カセット部
PA 操作パネル
2 1次転写ローラ
4 中間転写ベルト
5 2次転写ローラ
6 タイミングローラ
7 定着装置
11 感光体
31 駆動ローラ
32 ローラ
100 パレット
101、102 平板
103 外箱
104 上蓋
200 傾斜クッション部材
210、220、230、400 スペーサ
300、320、330、340 スロープ部材
500 ビニル袋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接することを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材と、前記床面に置かれて前記スロープ部材が載置される傾斜面を備え前記スロープ部材と前記床面との空隙を埋める傾斜クッション部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記傾斜クッション部材の上端が、前記上蓋に当接することを特徴とする梱包箱。
【請求項3】
前記傾斜クッション部材の上端に加えて、前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接することを特徴とする請求項2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記傾斜クッション部材と前記スロープ部材とが、前記装置を挟んで対向するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の梱包箱。
【請求項5】
前記傾斜クッション部材の上端が、スペーサを介して、前記上蓋に当接することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項6】
前記梱包箱は、周囲を覆う中空四角柱形状の外箱をさらに含み、
前記外箱は、その上端に前記上蓋が当接するように前記装置に被せられる請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項7】
前記装置は、画像形成装置である請求項1から請求項6のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項1】
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接することを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
キャスターを備えた装置をパレット上に載置して梱包するときに用いられる梱包箱であって、
前記梱包箱には、前記装置と、前記装置が載置されたパレット上面から床面への傾斜平面を形成するスロープ部材と、前記床面に置かれて前記スロープ部材が載置される傾斜面を備え前記スロープ部材と前記床面との空隙を埋める傾斜クッション部材とが同梱されて、上蓋が被せられ、
前記パレット上面に載置された前記傾斜クッション部材の上端が、前記上蓋に当接することを特徴とする梱包箱。
【請求項3】
前記傾斜クッション部材の上端に加えて、前記パレット上面に載置された前記スロープ部材の上端が、前記上蓋に当接することを特徴とする請求項2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記傾斜クッション部材と前記スロープ部材とが、前記装置を挟んで対向するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の梱包箱。
【請求項5】
前記傾斜クッション部材の上端が、スペーサを介して、前記上蓋に当接することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項6】
前記梱包箱は、周囲を覆う中空四角柱形状の外箱をさらに含み、
前記外箱は、その上端に前記上蓋が当接するように前記装置に被せられる請求項1から請求項5のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項7】
前記装置は、画像形成装置である請求項1から請求項6のいずれかに記載の梱包箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−70191(P2010−70191A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236053(P2008−236053)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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