説明

椅子型マッサージ機によるストレッチ方法

【課題】フットレストを具えた椅子型マッサージ機により、脚部のストレッチを行う。
【解決手段】リクライニング可能な座部12及び背凭れ部13、該座部の前部に位置する支持軸20を中心に回動して上下動可能なフットレスト2を具え、該フットレストは脹ら脛及び/又は足先をマッサージするエアーバッグ61、62、63、64を具え、座部12、背凭れ部13及びフットレスト2のリクライニング機構の制御及びエアーバッグの制御を行う制御部を具えた椅子型マッサージ機を用い、フットレスト2のエアーバッグを膨らませて脹ら脛及び/又は足先を固定した状態でフットレスト2を回動昇降させて脚のストレッチを行うのに先だって、座部12をその前部が持ち上がる様に、且つ背凭れ部13を後傾する様にリクライニングさせておくことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットレスト及び該フットレストに、脹ら脛及び/又は足先にマッサージを施すエアーバッグを具えた椅子型マッサージ機による、ストレッチ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フットレストを具えた椅子型マッサージ機において、フットレストに収納した下腿部を拘束した状態で背凭れ部を後傾させたり、フットレストを回動による昇降運動をさせて、上半身や脚部のストレッチを行うことが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−210270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の場合、脚部をストレッチする際の座部の状態は、被施療者が椅子型マッサージ機に乗り込む際の状態、即ち、座部は椅子型マッサージを設置する床面と略平行な状態であるから、リラックス感に欠ける。
又、被施療者の体重は、座部に対しては床面に対して略垂直な方向に作用するから、被施療者の体重をストレッチに寄与させる効果は少ない。
又、フットレストには、脹ら脛レスト部と足先レスト部を具え、被施療者の下腿部の長さに応じて、足先レスト部と座部の間隔を調整可能としたものがあるが、足先レスト部と座部の間隔を拡げようとしても、フットレストの回動昇降運動の際の下降時に、足先レスト部が床面に当たってしまい、足先レスト部を伸ばすことができない場合が生じる。
又、足先レスト部が床面上の異物に衝突したり、該異物を噛み込むトラブルを生じる危険がある。
本発明は上記問題を解決できる、椅子型マッサージ機によるストレッチ方法を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1は、リクライニング可能な座部(12)及び背凭れ部(13)、該座部の前端近傍を中心に回動して昇降可能なフットレスト(2)を具え、該フットレストは脹ら脛及び/又は足先をマッサージするエアーバッグ(61)(62)、(63)(64)を具え、座部(12)、背凭れ部(13)及びフットレスト(2)のリクライニング装置の制御及びエアーバッグ拡縮の制御を行う制御部を具えた椅子型マッサージ機による、ストレッチ方法であって、
フットレスト(2)のエアーバッグを膨らませて脹ら脛及び/又は足先を固定した状態でフットレスト(2)を回動昇降させて被施療者の脚のストレッチを行うのに先だって、座部(12)をその前部が持ち上がる様に、且つ背凭れ部(13)を後傾する様にリクライニングさせておくことを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1のストレッチ方法において、椅子型マッサージ機のフットレスト(2)は脹ら脛レスト部(3)と足先レスト部(4)からなり、座部(12)に対して足先レスト部(4)が接近離間可能且つ位置決め可能に配備されている。
【0007】
請求項3は、請求項1又は2に記載のストレッチ方法において、椅子型マッサージ機を設置する床面Fに対して、座部(12)を25°乃至35°傾くまでリクライニングさせた状態でフットレスト(2)を回動昇降させる。
【0008】
請求項4の椅子型マッサージ機を用いたストレッチ方法は、リクライニング可能な座部(12)、該座部に対してリクライニング可能な背凭れ部(13)び該座部上の左右に被施療者の腰を挟み付け可能な腰用エアーバッグ(65)(65)を具え、
腰用エアーバッグ(65)(65)によって被施療者の腰部を固定した状態で、座部の前部を持ち上げるリクライニングと、リセット状態である元位置への復帰を繰り返す。
【発明の効果】
【0009】
本発明のストレッチ方法は、椅子型マッサージ機(1)を、座部(12)をその前部が持ち上がる様に、且つ背凭れ部(13)を後傾する様にリクライニングさせた状態で着座して行うから、座部(12)が床面に対して略平行状態、且つ背凭れ部(13)が起立した状態の場合に較べて、被施療者は、背凭れ部(13)に凭れて後傾したリラックス姿勢で脚部のストレッチを受けることができる。
又、座部(12)の前部が持ち上がった状態で脚部のストレッチを行うから、被施療者の体重は座部(12)に対して常に後向きに作用し、脚部に対して後ろ向きの力が作用する。このため、脚部に対するストレッチ効果を高めることができる。
本発明において、座部(12)と足先レスト部(4)との間隔を調整可能とし、座部(12)と足先レスト部(4)との間隔を拡げた場合、座部(12)をリクライニングして前部を大きく持ち上げた状態、即ち、フットレスト(2)と床面Fとの間に大きいスペースを生じさせた状態で、フットレスト(2)の回転昇降による脚部のストレッチを行うことになり、フットレスト(2)が床面Fに当たったり、床面上の異物に衝突したり、異物を噛み込むことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】椅子型マッサージ機の正面図である。
【図2】同上のマッサージ機に被検者が着座して、フットレストだけを上昇させた状態の側面図である。
【図3】図2の状態から座部及び背凭れ部をリクライニングさせた状態の側面図である。
【図4】各リクライニング駆動装置のリセット状態の説明図である。
【図5】座部と背凭れ部のリクライニングさせた状態の各リクライニング装置の説明図であ。
【図6】フットレストを折畳み式とした他の実施例の椅子型マッサージ機の説明図である。
【図7】同上の椅子型マッサージ機のフットレフトを畳んだ状態の説明図である。
【図8】腰用エアーバックを具えた椅子型マッサージ機の概略説明図である。
【図9】同上の椅子型マッサージ機の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図3に示す如く、椅子型マッサージ機(1)は、床面に載置されるベース部(11)上に、座部(12)、該座部の後方に背凭れ部(13)、座部(12)の左右両側に肘掛け(14)(14)、座部(12)の前端縁に、フットレスト(2)が配備されている。
【0012】
図4に示す如く、座部(12)はその後部に位置する支持軸(15)を中心に回動して前部が昇降可能に配備され、背凭れ部(13)は、上記支持軸(15)を中心に起伏可能に配備されている。
フットレスト(2)は座部(12)の前端部に、該座部に追従して昇降し且つ後記の如く、座部(12)に対して回動して昇降可能に配備されている。
【0013】
座部(12)、背凭れ部(13)にはエアーバッグ式、揉み玉式等の公知のマッサージ装置(図示せず)が設けられている。
図1に示す如く、両肘掛け(14)(14)の対向する内面に、拡縮して被施療者の腰をマッサージし、或いは膨らんだ状態を維持して、被施療者の腰を左右から挟圧して固定するエアーバッグ(65)(65)が配備される。
【0014】
フットレスト(2)は、図1、図4、図5に示すように、間隔を存して上下2段に配備された脹ら脛レスト部(3)、足先レスト部(4)、及び座部(12)の左右両側に配備され両レスト部(3)(4)を座部(12)に前後に揺動可能に支持するリンク機構(22)(22)からなる。
脹ら脛レスト部(3)は被施療者の脹ら脛をマッサージする機能を有し、足先レスト部(4)は被施療者の足先をマッサージする機能を有している。
脹ら脛レスト部(3)と足先レスト部(4)には被施療者の両下腿を挿入する凹み部(5)(5)が左右隣り合わせに形成されている。
【0015】
図1に示す如く、脹ら脛レスト部(3)は、左右の側壁(31)(31)、中央部の中空仕切り壁(32)及び後壁(33)(33)とによって、被施療者の脹ら脛が挿入される上下及び前面の開口した凹み部上部(51)(51)が形成されている。
凹み部上部(51)(51)は、上から下へ幅が少し狭くなっている。
各凹み部上部(51)(51)の左右の壁面に、押圧マッサージ手段(6)であるエアバッグ(61)(62)が配備されている。
【0016】
足先レスト部(4)は、左右の側壁(41)(41)、中央部の中空仕切り壁(42)及び後壁(43)(43)によって、被施療者の足先(足首より先の部分)が挿入される上側及び前面の開口した凹み部下部(52)(52)が形成されている。
凹み部下部(52)(52)の下側は、被施療者の足裏を支える足裏受け部(53)(53)により閉じられている。
凹み部下部(52)(52)の左右幅は、前記凹み部上部(51)(51)の左右幅より狭くなっている。これは脹ら脛と足先の太さの違いから当然のことである。
【0017】
各凹み部下部(52)(52)の左右の壁面に、押圧マッサージ手段(6)であるエアバッグ(63)(64)が配備されている。
尚、エアバッグ(61)(62)、(63)(64)に対するエアー配管及びエア供給源の説明は省略する。
【0018】
図4、図5に示す如く、前記リンク機構(22)は、座部(12)の前端部にて上下且つ前後に位置する2つの支点(20)(21)を中心に、前後方向に回動可能に垂下した前リンク(23)と、後リンク(24)からなり、前リンク(23)に前記脹ら脛レスト部(3)が固定され、該前リンク(23)の下端と後リンク(24)の下端が足先レスト部(4)に枢支連結されている。
【0019】
座部(12)の下方に、座部(12)、背凭れ部(13)、フットレスト(2)を夫々独立してリクライニング動作させる、座部リクライニング駆動装置(6)、背凭れ部リクライニング駆動装置(7)、フットレストリクライニング駆動装置(8)が配備される。
【0020】
各リクライニング駆動装置(6)(7)(8)はモータによってシリンダからロッドを出没させて、相手部材を傾動させる公知の構成であり、詳細説明は省略する。
フットレストリクライニング駆動装置(8)は、前記リンク機構(22)の後リンク(24)の回動中心(21)を中心に回動可能に配備されたレバー(82)に、自身のロッド(81)を枢支連結し、該レバー(82)を介して後リンク(24)を押圧可能に構成されている。
【0021】
図4は、椅子型マッサージ機のリセット位置を示し、座部(12)は床面Fに対して平行又は後部が少し低く傾斜した状態、即ち、略平行状態、背凭れ部(13)は少し後傾状態、フットレスト(2)の脹ら脛レスト部(3)及び足先レスト部(4)の後壁(33)(33)、(43)(43)は、床面Fに対して略垂直状態となっている。
図5は、座部(12)、背凭れ部(13)及びフットレスト(2)をリクライニングさせた状態を示している。
フットレスト(2)は、リンク機構(22)の作用により、脹ら脛レスト部(3)に対して足先レスト部(4)の開き角度が、リセット状態より大きくなっている。
【0022】
上記椅子型マッサージ機の各エアバッグ及び各リクライニング駆動装置は、制御部(図示せず)を、リモートコントローラ等の操作部(図示せず)の各種動作ボタンを操作することにより、必要なリクライニング装置を動作させ、又、必要なエアーバッグを拡縮させて、所望の姿勢で所望の部位にマッサージを施したり、各種マッサージコースを選択できる。
これらマッサージやマッサージコースの制御方法については、種々の提案がなされて公知であるので、説明は省略する。
【0023】
次に、座部(12)に着座して背凭れ部(13)に凭れ、下腿部をフットレスト(2)に挿入した被施療者の脚部をストレッチするストレッチコースについて説明する。
図3に示す如く、座部(12)及び背凭れ部(13)をリクライニングさせ、座部(12)を床面に対して略30°傾ける。この30°の角度は、絶対的なものではなく、体験上、25°乃至35°であれば、着座したときのリラックス感、以下に説明するストレッチについても、良好な体感を得ることができる。
【0024】
座部(12)のリクライニングに伴ってフットレスト(2)も持ち上がって、フットレスト(2)と床面Fとの間に大きなスペースが存在する。このときのフットレスト(2)のポジションを、脚部ストレッチ開始ポジションとする。
【0025】
実施例の場合、座部(12)と背凭れ部(13)は別個のリクライニング駆動装置(6)(7)で動作するから、背凭れ部(13)は、座部(12)対する角度が、初期状態(リセット状態)、即ち、被施療者が椅子型マッサージ機に乗り込む際の状態における座部(12)と背凭れ部(13)の成す角度と同じ或いはこれより開く様にリクライニングする様に制御する。
【0026】
足先レスト部(4)の夫々のエアバッグ(63)(64)を膨らませて、足先をフットレスト(2)に固定した状態で、フットレスト(2)を座部(12)の前端部の互いに接近した2つの支点(20)(21)を中心に、即ち、座部(12)の前端部の近傍を中心に図3の矢印Aで示す如く、回動して昇降させる。
このとき、フットレスト(2)は前記脚部ストレッチ開始ポジションより下がることはなく、座部(12)の坐り面の延長上より上位置となることがない様に制御される。
フットレスト(2)の昇降において、フットレスト(2)が下降するとき、足先がフットレスト(2)に固定されている被施療者の下腿部が引っ張られて脚部のストレッチがなされる。
【0027】
実施例の様に、フットレスト(2)が上昇するとき、脹ら脛レスト部(3)に対して足先レスト部(4)の開きが大きくなる場合、足先を足先レスト部(4)に固定していると、足の甲を伸ばす力が作用するので、ストレッチ効果が高まる。
しかも、本発明では、フットレスト(2)を回動昇降させるとき、座部(12)はリクライニングして前部が大きく持ち上がった状態であるから、被施療者の体重は座部(12)に対して後向きに掛かって、被施療者の大腿部には後側に引っ張り力が作用するので、被施療者の脚部を一層効果的にストレッチできる。
又、実施例では、背凭れ部(13)も図4のリセット状態に較べ後傾して、座部(12)となす角度がリセット状態と同じ或いはこれより開く様にしているので、体重を背凭れ部(13)でしっかりと受け止めることができ、体全体をリラックスした状態に保つことができ、リラックスしながら脚部を効果的にストレッチできる。
ストレッチコースの所要時間は制御部によってタイマー設定されている。
【0028】
上記実施例では、被施療者の足先だけをフットレスト(2)に固定したが、脹ら脛レスト部(3)のエアーバッグ(61)(62)によって、脹ら脛もフットレスト(2)に固定してもよい。
更に、脹ら脛だけをフットレスト(2)を固定しても実施できる。
但し、膝から遠い足先を固定した方が、より効果的である。
【0029】
実施例では制御部は、上記脚部ストレッチコースを終了し、或いは脚部ストレッチコースのコース途中から他のコースへ移行する際に、フットレスト(2)を前記した脚部ストレッチコースの開始ポジション(脚部ストレッチ開始ポジション)に自動的に戻す様に制御する。
これは、脚部ストレッチコースをコース途中で終了したり、或いはコース途中で他のコースに移行する場合、フットレスト(2)のポジションが一定せず、次のコースでの着座姿勢が安定しないとマッサージやストレッチの際に、違和感を感じることがあり、フットレスト(2)を脚部ストレッチコースの開始ポジションに戻すと、この問題を解決できる。
【0030】
尚、フットレスト(2)の脹ら脛レスト部(3)と足先レスト部(4)の間隔を、被施療者の下腿部の長さに対応して調整可能とするなどして、座部(12)と足先レスト部(4)との間隔を調整可能とする構成を採用することができる。
本発明の様に、座部(12)をリクライニングして前部を大きく持ち上げた状態、即ち、フットレスト(2)と床面Fとの間に大きいスペースを生じさせた状態で、フットレスト(2)の回転昇降による脚部のストレッチを行う場合、フットレスト(2)の足先レスト部(4)と座部(12)との間隔を拡げても、座部(12)の前部を持ち上げた状態で脚部ストレッチコースを開始するので、フットレスト(2)が床面Fに当たったり、床面上の異物に衝突したり、異物を噛み込むことを防止できる。
【0031】
図6、図7は、フットレスト(2)を折り畳んて座部(12)の下方に収納でき、且つアキレス腱のストレッチが可能な椅子型マッサージ機を示している。
フットレスト(2)は、前記同様にして脹ら脛レスト部(3)と足先レスト部(4)からなるが、脹ら脛レスト部(3)は座部(12)上の支点(20)を中心に回転して座部(12)の下方に潜込み可能である。
足先レスト部(4)は脹ら脛レスト部(3)の下端に位置する連結部(40)を中心に回動可能に支持されている。
実施例では、足先レスト部(4)には、床面を転動するローラ(図示せず)が取り付けられている。
【0032】
図7に示す如く、脹ら脛レスト部(3)に連繋したフットレスト引込み装置(80)によって、脹ら脛レスト部(3)を支点(20)を中心に回転させて座部(12)の下方に引き込むと、足先レスト部(4)もこれに追従して座部(12)の下方に引き込まれて収納される。
このとき、脹ら脛レスト部(3)に対して足先レスト部(4)は90°以下の角度のV字状を成すので、つま先が脛側に曲がってアキレス腱が伸ばされ、アキレス腱のストレッチが成される。
尚、脹ら脛レスト部(3)や足先レスト部(4)には、図1の実施例のようにエアーバッグ(61)(62)(63)(64)が配設されており、このアキレス腱のストレッチをする場合、これらのエアーバッグ(61)(62)(63)(64)、特に足先レスト部(4)のエアーバッグ(63)(64)を膨張させ、足先が動かぬ様に固定している。
尚、脹ら脛レスト部(3)と足先レスト部(4)の連結部(40)は、脹ら脛レスト部(3)の傾き角度に無関係に、足先レスト部(4)が床面に平行に移動可能な様に、例えば、長孔と該長孔(何れも図示せず)に嵌まる軸によって構成されている。
【0033】
図8、図9は、マッサージ機の肘掛け(14)(14)の内面に配備した腰用エアーバッグ(65)(65)によって、被施療者の腰部を左右両側から挟圧固定して、腰部のストレッチを併用する説明図であって、図8はマッサージ機のリセット状態、図9は使用状態を示している。
【0034】
被施療者の腰部を固定してのストレッチ方法について説明する。
被施療者の腰を腰用エアーバッグ(65)(65)で固定した状態で、座部(12)をリセット状態から25乃至35°リクライニングさせてからリセット状態に戻す。これを繰り返す。
腰の位置がずれないので腰部の曲げ伸ばしが繰り返されて、腰部のストレッチ運動となる。
【0035】
上記腰部のストレッチ方法において、座部(12)をリクライニングさせる際に、背凭れ部(13)もリクライニング、即ち、後傾させてもよい。
椅子型マッサージ機(1)は、リセット状態では、背凭れ部(13)が起立しフットレスト(2)が床面Fに対して略垂直状態となっており、このとき被施療者は、上半身が起き上がって脚部は大腿部から足先までが下向きとなった状態である。
座部(12)及び背凭れ部(13)をリクライニングさせると、被施療者の上半身が後傾して全身が後方へ仰け反るような姿勢となる。その結果、被施療者は特に上半身が後方へ反らされて背筋が伸ばされ、ストレッチされる。この時、腰用エアーバッグ(65)(65)で腰部を肘掛け(14)(14)に固定しておけば、全身のストレッチ効果を奏することができる。フットレスト(2)に被施療者の脹ら脛及び/又は足先を固定しておけば、更にストレッチ効果が高まる。
【0036】
又、座部(12)がリセット状態に戻る際に、背凭れ部(13)を後方へリクライニングし、フットレスト(2)を下げる方向にリクライニングさせてもよい。この場合、脚部に対しても前述したストレッチがなされる。脚部をフットレスト(2)に固定しておけば、脚部に引っ張り力が作用するので、脚部はもとより全身に対してのストレッチ効果を高めることができる。
【0037】
更に、上記したストレッチ運動に、座部(12)や背凭れ部(13)に配備したマッサージ装置によって、マッサージを併用することもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 椅子型マッサージ機
11 ベース部
12 座部
13 背凭れ部
14 肘掛け
2 フットレスト
3 脹ら脛レスト部
4 足先レスト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクライニング可能な座部及び背凭れ部、該座部の前部近傍を中心に回動して昇降可能なフットレストを具え、該フットレストは脹ら脛及び/又は足先をマッサージするエアーバッグを具え、座部、背凭れ部及びフットレストのリクライニング装置の制御及びエアーバッグ拡縮の制御を行う制御部を具えた椅子型マッサージ機を用いたストレッチ方法であって、
フットレストのエアーバッグを膨らませて脹ら脛及び/又は足先を固定した状態でフットレストを回動昇降させて被施療者の脚のストレッチを行うのに先だって、座部をその前部が持ち上がる様に、且つ背凭れ部を後傾する様にリクライニングさせておくことを特徴とする、椅子型マッサージ機を用いたストレッチ方法。
【請求項2】
椅子型マッサージ機のフットレストは脹ら脛レスト部と足先レスト部からなり、座部に対して足先レスト部が接近離間可能且つ位置決め可能に配備されている、請求項1に記載の椅子型マッサージ機を用いたストレッチ方法。
【請求項3】
椅子型マッサージ機を設置する床面Fに対して、座部を25°乃至35°傾くまでリクライニングさせた状態でフットレストを回動昇降させる、請求項1又は2に記載の椅子型マッサージ機を用いたストレッチ方法。
【請求項4】
リクライニング可能な座部、該座部に対してリクライニング可能な背凭れ部び該座部上の左右に被施療者の腰部を挟み付け可能な腰用エアーバッグを具え、
腰用エアーバッグによって被施療者の腰部を固定した状態で、座部の前部を持ち上げるリクライニングとリセット状態である元位置への復帰を繰り返す、椅子型マッサージ機を用いたストレッチ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−92488(P2011−92488A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250087(P2009−250087)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】