説明

椅子式マッサージ機

【課題】エアバッグを具えた椅子式のマッサージにおいて、被施療者の芯体を大きく捩るストレッチ運動を可能とする。
【解決手段】被施療者8の尻81及び大腿部を載せる座部11、被施療者8の背中を支える背もたれ部12、被施療者8の頭83を支える枕部13を有する椅子部1と、座部11、背もたれ部12、枕部13の夫々に椅子部1の左右中心に対して対称位置に配備した複数のエアバッグ2、21、3、31、4、41と、それらエアバッグの膨縮を行う給排気装置6とからなる。座部11と背もたれ部12のエアバッグ2、21、3、31を交互に膨らませ、枕部13の左右のエアバッグを4、41は、座部11及び背もたれ部12のエアバッグとは左右逆側のエアバッグが膨らむ様に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグの拡縮によってマッサージを行う椅子式マッサージ機に関し、詳しくは、椅子部の左右の対称位置に複数個づつ配備したエアバッグの膨縮を制御することにより、被施療者の体全体を捩るストレッチ運動が可能な椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子式マッサージ機において、座部と背もたれ部を有する椅子部の左右中心に対して、背もたれ部の左右の対称位置に夫々複数のエアバッグを配備し、互いに左右の対称位置にないエアバッグを膨縮させて、体を捩る様な動きを作用させるものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−152384
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記マッサージ機は、椅子部に腰掛けた被施療者の肩から腰に掛けて作用する様にエアバッグが配備されているだけであり、被施療者の肩から腰に掛けての小さな捻り運動に留まり、体全体を捩る様なストレッチ運動を行うことは出来なかった。
本発明は、エアバッグの位置とその膨縮の制御に工夫を施すことにより、体全体を捩るストレッチ運動ができるマッサージ機を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の椅子式マッサージ機は、被施療者(8)の尻(81)及び大腿部を載せる座部(11)、被施療者(8)の背中を支える背もたれ部(12)、被施療者(8)の頭(83)及び/又は肩を支える枕部(13)を有する椅子部(1)と、
座部(11)、背もたれ部(12)、枕部(13)の夫々に椅子部(1)の左右中心に対して対称位置に配備した複数のエアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)と、
エアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)の膨縮を行う給排気装置(6)と、
枕部(13)の左右のエアバッグを(4)(41)を交互に膨らませ、座部(11)と背もたれ部(12)のエアバッグ(2)(21)、(3)(31)は、枕部(13)のエアバッグ(4)(41)とは左右逆側のエアバッグが膨らむ様に給排気装置(6)を制御する制御部(7)とからなる。
【0006】
請求項2は、請求項1の椅子式マッサージ機において、枕部(13)上のエアバッグ(4)(41)は、被施療者(8)の後頭部の高さ位置に対応して配備され、夫々のエアバッグ(4)(41)の内側には該エアーバック(4)(41)とは夫々独立して膨張可能でエアーバック(4)(41)より膨らみ高さが低い補助エアバッグ(4a)(41a)が配備されて、4つのエアバッグ(4)(4a)(41a)(41)が横並びに位置している。
【0007】
請求項3は、請求項2の椅子式マッサージ機において、制御部(7)は、枕部(13)の両内側の補助エアバッグ(4a)(41a)を膨らませておき、外側の一方のエアバッグ(4)又は(41)が膨らむとき、反対側の補助エアバッグ(41a)又は(4a)を縮める様に制御する。
【0008】
請求項4は、請求項2又は3の椅子式マッサージ機において、椅子部(1)に正しく坐った状態の被施療者(8)を正面側から見ると、枕部(13)上の内側の2つの補助エアバッグ(4a)(41a)は、被施療者(8)の頭(83)にほぼ隠れる大きさと位置にあり、外側の2つのエアバッグ(4)(41)は、膨らんだ際に被施療者(8)の後頭部の左側或いは右側を押すことができる位置にある。
【0009】
請求項5は、請求項1乃至4の椅子式マッサージ機において、背もたれ部(12)上のエアバッグ(3)(31)は座部(11)に接近して枕部(13)からは大きく離れ、且つ両エアバッグ(3)(31)は背もたれ部(12)の外側寄りに位置している。
【0010】
請求項6は、請求項1乃至5の何れかに記載の椅子式式マッサージ機において、枕部(13)には、膨らんで首を支える首用のエアバッグ(5)を具えている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の椅子式マッサージ機は、被施療者(8)の背中を支える背もたれ部(12)と被施療者(8)の頭(83)及び/又は肩を支える枕部(13)に加えて、被施療者(8)の尻(81)及び大腿部を載せる座部(11)にも、左右の対称位置にエアバッグを具えているから、被施療者(8)の下半身も左右交互に椅子部(1)から持ち上げることができる。このため、被施療者(8)の腰(82)から下の部分と、頭(83)及び/又は肩の部分とでは左右逆方向に持ち上がる様にエアバッグの膨縮を制御して、被施療者(8)の体全体を大きく捩る様なストレッチ運動が可能となる。
【0012】
請求項2の椅子式マッサージ機は、枕部(13)の両外側のエアバッグ(4)(41)を縮め、両内側の補助エアバッグ(4a)(41a)を膨らませて、枕部(13)から頭を少し持ち上げた状態で椅子部(1)に坐ることができるから、エアバッグの膨縮の繰り返によるマッサージを受ける際に、楽な姿勢を取ることができる。
【0013】
請求項3、4の椅子式マッサージ機は、枕部(13)上の左右の何れか一方の外側エアバッグ(4)が膨らむとき、反対側の内側の補助エアバッグ(41a)が縮むから、膨らんだ側の外側エアバッグ(4)で後頭部の端側が押されると、頭は中心を大きく横移動させることなく、スムーズに頭の向きを変えることができる、即ち、スムーズに首を捩ることができる。これによって、首から上の捻り運動を安定して行うことができる。
【0014】
枕部(13)の補助エアバッグ(4a)(41a)を省略した場合、左右一方のエアバッグ(4)又は(41)が膨らんで、他方のエアバッグ(41)又は(4)が縮むとすれば、頭(83)には、膨らんだエアバッグ側から縮んだエアバッグ側へ横移動する力が強く働き、頭(83)を捩るというよりは頭(83)を横揺れさせるだけで、首を捩ることを含むストレッチ運動に大きく寄与させることはできない。
【0015】
請求項5の椅子式マッサージ機は、枕部(13)のエアバッグ(4)(41)は、背もたれ部(12)のエアバッグ(3)(31)からは大きく離れているから、被施療者(8)の腰(82)から下の部分と、頭(83)及び/又は肩の部分とでは左右逆方向に持ち上がる様にエアバッグの膨縮を繰り返すとき、被施療者の体を一層大きく捩ることができる。
【0016】
請求項6の椅子式マッサージ機は、枕部(13)の首用のエアバッグ(5)を膨らませて、首を安定して支えることができるので首を中心とした頭(83)の捻り運動を安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の椅子式マッサージ機の一例を示している。
該椅子式マッサージ機は、椅子部(1)と、椅子部(1)上に配備した9個のエアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)(4a)(41a)(5)と、
エアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)(4a)(41a)(5)の膨縮を行う給排気装置(6)と、
該給排気装置(6)を制御する制御部(7)とによって構成される。
【0018】
椅子部(1)は、被施療者(8)の尻(81)及び大腿部を載せる座部(11)と、被施療者(8)の背中を支えるリクライニング式の背もたれ部(12)と、背もたれ部(12)の上端に位置し被施療者(8)の頭(83)及び/又は肩を支える枕部(13)を有する。背もたれ部(12)は、左右両側に肘掛け(14)を突設している。
実施例の椅子式マッサージ機は座部(11)の前方下部に足載せ台(15)を具えている。
以下の説明で、被施療者(8)が椅子部(1)に正しい姿勢で腰掛けた状態、即ち、背中を背もたれ部(12)に向け、椅子部(1)に腰掛けて正面を向いた状態で、被施療者(8)の右手側を「右」、左手側を「左」とする。
【0019】
座部(11)、背もたれ部(12)及び枕部(13)上に、夫々椅子部(1)の左右の中心に対して左右対称的にエアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)が配備されている。
座部(11)のエアバッグ(以下、「座部エアバッグ」)(2)(21)は、座部(11)の大部分を占める大型のエアバッグ(20)を左右中心で2分割して2つの独立したエアバッグ(2)(21)として形成されている。両座部エアバッグ(2)(21)は、夫々被施療者(8)の尻(81)の片側と同じ側の大腿部を載せることができる。
【0020】
背もたれ部(12)のエアバッグ(以下、「背もたれ部エアバッグ」)(3)(31)は、座部(11)に接近し、枕部(13)からは大きく離れて、背もたれ部(12)の左右両端寄りに配備されいる。該両エアバッグ(3)(31)は背もたれ部(12)の下端近くから被施療者(8)の腰(82)の少し上部まで延びる縦長を呈しており、夫々被施療者(8)の腰(82)の右或いは左側を押圧可能である。
【0021】
枕部(13)上のエアバッグ(以下、「枕部エアバッグ」)(4)(41)は、被施療者(8)の頭(83)の高さ位置に対応し、間隔を開けて配備されている。
両枕部エアバッグ(4)(41)の夫々の内側には補助エアバッグ(4a)(41a)が夫々枕部エアーバッグ(4)(41)に対して独立して膨縮可能に配備されており、4つのエアバッグ(4)(4a)(41a)(41)が横並びに位置している。
両枕部エアバッグ(4)(41)は両内側の補助エアバッグ(4a)(41a)よりも、膨らみ高さが高い。言い換えると、両補助エアーバッグ(4a)(41a)の膨らみ高さの方が両枕部エアーバッグ(4)(41)の膨らみ高さより低い。
【0022】
枕部エアバッグ(4)(41)と補助エアバッグ(4a)(41a)の大きさと位置を更に詳しく説明すると、内側の両補助エアバッグ(4a)(41a)は、枕部(13)の左右中心寄りに位置し、椅子部(1)に正しく腰掛けた被施療者(8)を正面から見ると、両補助エアバッグ(4a)(41a)は被施療者(8)の頭(83)に隠れてしまう程度の大きさである。
外側の両枕部エアバッグ(4)(41)の一方は膨らんだときに後頭部の左寄りにに、他方は後頭部の右寄りに当たる位置にあり、被施療者(8)に対して正面側から見ると、両枕部エアバッグ(4)(41)の一部は頭(83)に隠れるが、大部分はそれらからはみ出して見える。但し、実際には、各エアバッグは図示しないカバーで覆われており、目視できない。
【0023】
実施例では上記枕部(13)の両補助エアバッグ(4a)(41a)の下方に、被施療者(8)の首を支える横長小型の首用エアバッグ(5)が配備されている。
【0024】
前記椅子部(1)内には、図5に示す如く、エアバッグの膨縮を行う給排気装置(6)とその制御部(7)が配備される。
給排気装置(6)は、ポンプ(60)と夫々該ポンプと前記各エアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)(4a)(41a)(5)を連繋する、第1至第5の5系統のエア配管(61)(62)(68)(66)とによって構成される。
制御部(7)は第1乃至第5の各エア配管(61)(62)(63)(68)(66)に設けた電磁バルブ(64)(64a)(65)(65a)(67)の開閉を制御する。
【0025】
図5において、給排気装置(6)と制御部(7)を説明するが、図5のエアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)(4a)(41a)(5)の配置は、椅子部(1)の背部から見た状態を示している。
【0026】
第1エア配管(61)は、右側座部エアバッグ(2)、右側背もたれ部エアバッグ(3)及び左側枕部エアバッグ(41)とポンプ(60)とを連繋し、ポンプ(60)側に第1電磁バルブ(64)を具えている。
【0027】
第2エア配管(62)は、左側座部エアバッグ(21)、左側背もたれ部エアバッグ(31)及び右側枕部エアバッグ(4)とポンプ(60)とを連繋し、ポンプ(60)側に第2電磁バルブ(64a)を具えている。
【0028】
第3エア配管(63)は、枕部(13)の右側補助エアバッグ(4a)とポンプ(60)とを連繋し、第3電磁バルブ(65)を具えている。
【0029】
第4エア配管(68)は、枕部(13)の左側補助エアバッグ(41a)とポンプ(60)とを連繋し、第4電磁バルブ(65a)を具えている。
【0030】
第5エア配管(66)は、前記首用エアバッグ(5)とポンプ(60)とを連繋し、第5電磁バルブ(67)を具えている。
【0031】
尚、上記各電磁バルブ(64)(64a)(65)(65a)(67)は、夫々閉じるとバルブより上流側を大気に開放する様に構成されている。
【0032】
次に、椅子部(1)に腰掛けた被施療者(8)にストレッチ運動を施す各エアバッグの制御について説明する。
基本的には、第1、第2のエア配管(61)(62)上の第1、第2電磁バルブ(64)(64a)は開閉が逆になる様に切り替える。第3、第4のエア配管(63)(68)の第3、第4電磁バルブ(65)(65a)も開閉が逆になる様に、且つ第1、第2電磁バルブ(64)(64a)とは開閉が左右逆となる様に、該第1、第2電磁バルブ(64)(64a)の切替えのタイミングに一致して切り替える。
【0033】
ストレッチ運動の手順を説明する。
椅子部(1)に坐った被施療者に対して、最初は、両座部エアバッグ(2)(21)、両側背もたれ部エアバッグ(3)(31)及び両枕部エアバッグ(4)(41)を縮め、枕部(13)の両補助エアバッグ(4a)(41a)を膨らませて、被施療者(8)の頭を両補助エアバッグ(4a)(41a)で支える状態とする(図2参照)。
次に、第3電磁バルブ(65)を閉じて右側補助エアバッグ(4a)を縮め、同時に第1電磁バルブ(64)を開いて右側座部エアバッグ(2)、右側背もたれ部エアバッグ(3)及び左側枕部エアバッグ(41)を膨らませる(図3a、b、c参照)。
被施療者(8)の頭は、膨らんだ左側枕部エアバッグ(41)に押されて、右向きとなり、右側背もたれ部エアバッグ(3)と右側座部エアバッグ(2)の膨張により、被施療者の腰(82)の右側、尻(81)の右側及び右側の大腿部が持ち上がる。
【0034】
次に、第3電磁バルブ(65)を開いて右側補助エアバッグ(4a)を膨らませ、同時に第1電磁バルブ(64)を閉じて右側座部エアバッグ(2)、右側背もたれ部エアバッグ(3)及び左側枕部エアバッグ(41)を縮めて、図2の状態に戻す。
【0035】
次に、第4電磁バルブ(65a)を閉じて左側補助エアバッグ(41a)を縮め、同時に第2電磁バルブ(64a)を開いて左側座部エアバッグ(21)、左側背もたれ部エアバッグ(31)及び右側枕部エアバッグ(4)を膨らませる(図4a、b、c参照)。
被施療者(8)の頭(83)は、膨らんだ右側枕部エアバッグ(4)に押されて、左向きとなり、左側背もたれ部エアバッグ(31)と左側座部エアバッグ(21)の膨張により、被施療者の腰(82)の左側、尻(81)の左側及び左側の大腿部が持ち上がる。
【0036】
次に、第4電磁バルブ(65a)を開いて左側補助エアバッグ(41a)を膨らませ、同時に第2電磁バルブ(64a)を閉じて左側座部エアバッグ(21)、左側背もたれ部エアバッグ(31)及び右側枕部エアバッグ(4)を縮めて、図2の状態にする。
上記動作を繰り返す。
【0037】
上記の如く、背もたれ部(12)上の左右のエアバッグ(3)(31)と枕部(13)上のエアバッグ(4)(41)に加えて、被施療者(8)の尻(81)及び大腿部を載せる座部(11)にも、左右の対称位置にエアバッグ(2)(21)を具えているから、被施療者(8)の下半身も左右交互に椅子部(1)から持ち上げることができる。しかも、被施療者(8)の腰(82)から下の部分と、頭(83)とでは左右逆方向に持ち上がる様にエアバッグの膨縮を制御するから、被施療者(8)の体全体を大きく捩る様なストレッチ運動が可能となる。
【0038】
実施例の椅子式マッサージ機は、枕部(13)上の左右の何れか一方の枕部エアバッグ(4)が膨らむとき、反対側の内側の補助エアバッグ(41a)が縮む。このため、膨らんだ側の枕部エアバッグ(4)で後頭部の端側が押されると、頭(83)は中心を大きく横移動させることなく、スムーズに頭の向きを変えることができる、即ち、スムーズに首を捩ることができる。これによって、首から上の捻り運動を安定して行うことができる。
【0039】
枕部(13)の補助エアバッグ(4a)(41a)を省略した場合、図6に示す如く、左右の枕部エアバッグ(42)(43)は、被施療者(8)の頭(83)を安定して支えるには、枕部(13)の左右中心寄りに配備しなければならない。
一方の枕部エアバッグ(42)が膨らんで、他方の枕部エアバッグ(43)が縮むとき、頭(83)には、膨らんだエアバッグ(42)側から縮んだエアバッグ(43)側へ横移動する力が強く働き、頭(83)即ち、首を捩るというよりは頭(83)を横揺れさせるだけで、首を捩ることを含むストレッチ運動に大きく寄与させることはできない。
【0040】
第5エア配管(65)の第5電磁バルブ(67)は、必要に応じて開閉させればよいが、ストレッチ運動の場合は、常開として、首用エアバッグ(5)を常に膨らませて、被施療者(8)の首の位置を安定させておくことが望ましい。
【0041】
尚、実施例では、枕部(13)上には、被施療者(8)の頭(83)を支えるための枕部エアバッグ(4)(41)と補助エアバッグ(4a)(41a)を配備したが、被施療者(8)の左右の肩を支える位置にエアバッグを配備して、前記同様のストレッチ効果を得ることができる。この場合、肩上のエアバッグは左右1個づつで十分である。
【0042】
又、枕部エアバッグ(4)(41)を被施療者(8)の後頭部から肩まで支える様に縦長として、頭と肩を一緒に持ち上げる様にもできる。
【0043】
又、各電磁バルブの開閉の制御によっては、ストレッチ運動ではなく、エアバッグの膨縮の繰り返しによる、単なる押圧マッサージを受ける様にすることも勿論可能である。
【0044】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0045】
例えば、上記実施例では、エアバッグ(2)(3)(41)を共通の第1電磁バルブ(64)で制御し、エアバッグ(21)(31)(4)を共通の第2電磁バルブ(64a)で制御しているが、各エアバッグを夫々別個の電磁バルブで制御することもできる。このようにすれば、各エアバッグによる多様なマッサージを受けることができる。
【0046】
又、補助エアバッグ(4a)(41a)を頭の形状に沿うように互いに上方へゆくほど広がる様に配置すれば、マッサージの際に一層安定して頭を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】椅子部の正面側からの斜視図である。
【図2】枕部上の膨らんだ両補助エアバッグで被施療者の頭を支持した状態の説明図である。
【図3】a図は枕部の左側の2つのエアバッグが膨らんだ状態の説明図、b図は背もたれ部の右側のエアバッグが膨らんだ状態の説明図、c図は座部の右側のエアバッグが膨らんだ状態の説明図である。
【図4】a図は枕部の右側の2つのエアバッグが膨らんだ状態の説明図、b図は背もたれ部の左側のエアバッグが膨らんだ状態の説明図、c図は座部の左側のエアバッグが膨らんだ状態の説明図である。
【図5】給排気装置の配管図である。
【図6】枕部のエアバッグが左右1個づつの場合において、一方のエアバッグが膨らんだときに頭に横方向の力が加わる説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 椅子部
11 座部
12 背もたれ部
13 枕部
2 右側座部エアバッグ
21 左側座部エアバッグ
3 右側背もたれ部エアバッグ
31 左側背もたれ部エアバッグ
4 枕部右エアバッグ
4a 右側補助エアバッグ
41 枕部左エアバッグ
41a 左側補助エアバッグ
5 首用エアバッグ
6 給排気装置
7 制御部
である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者(8)の尻(81)及び大腿部を載せる座部(11)、被施療者(8)の背中を支える背もたれ部(12)、被施療者(8)の頭(83)及び/又は肩を支える枕部(13)を有する椅子部(1)と、
座部(11)、背もたれ部(12)、枕部(13)の夫々に椅子部(1)の左右中心に対して対称位置に配備した複数のエアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)と、
エアバッグ(2)(21)(3)(31)(4)(41)の膨縮を行う給排気装置(6)と、
枕部(13)の左右のエアバッグを(4)(41)を交互に膨らませ、座部(11)と背もたれ部(12)のエアバッグ(2)(21)、(3)(31)は、枕部(13)のエアバッグ(4)(41)とは左右逆側のエアバッグが膨らむ様に給排気装置(6)を制御する制御部(7)と
からなる、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
枕部(13)上のエアバッグ(4)(41)は、被施療者(8)の後頭部の高さ位置に対応して配備され、夫々のエアバッグ(4)(41)の内側には該エアーバック(4)(41)とは夫々独立して膨張可能でエアーバック(4)(41)より膨らみ高さが低い補助エアバッグ(4a)(41a)が配備されて、4つのエアバッグ(4)(4a)(41a)(41)が横並びに位置している、請求項1に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
制御部(7)は、枕部(13)の両内側の補助エアバッグ(4a)(41a)を膨らませておき、外側の一方のエアバッグ(4)又は(41)が膨らむとき、反対側の補助エアバッグ(41a)又は(4a)を縮める様に制御する、請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
椅子部(1)に正しく坐った状態の被施療者(8)を正面側から見ると、枕部(13)上の内側の2つの補助エアバッグ(4a)(41a)は、被施療者(8)の頭(83)にほぼ隠れる大きさと位置にあり、外側の2つのエアバッグ(4)(41)は、膨らんだ際に被施療者(8)の後頭部の左側或いは右側を押すことができる位置にある、請求項2又は3に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
背もたれ部(12)上のエアバッグ(3)(31)は座部(11)に接近して枕部(13)からは大きく離れ、且つ該両エアバッグ(3)(31)は背もたれ部(12)の外側寄りに位置している、請求項1乃至4の何れかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項6】
枕部(13)には、膨らんで首を支える首用のエアバッグ(5)を具えている、請求項1乃至5の何れかに記載の椅子式マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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