椅子用ストレッチ補助具、椅子用つぼ押し具、および椅子
【課題】座りながらストレッチ運動を行なう場合に使いやすい握り部を提供する。張り地等の汚れを防止する。
【解決手段】椅子用ストレッチ補助具1は、椅子への取付部と、椅子から突出し、着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部1bとを備えている。また、椅子用つぼ押し具3は、椅子への取付部と、着座者のつぼを刺激する突起17を備えている。椅子は、椅子用ストレッチ補助具1と、椅子用ストレッチ補助具1が取り付けられる第1の被取付部と、椅子用つぼ押し具3と、椅子用つぼ押し具3が取り付けられる第2の被取付部を備えている。第1の被取付部と第2の被取付部は共通のものであり、椅子用つぼ押し具3の取付部は、椅子用ストレッチ補助具1の取付部と一緒に取り付けられている。
【解決手段】椅子用ストレッチ補助具1は、椅子への取付部と、椅子から突出し、着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部1bとを備えている。また、椅子用つぼ押し具3は、椅子への取付部と、着座者のつぼを刺激する突起17を備えている。椅子は、椅子用ストレッチ補助具1と、椅子用ストレッチ補助具1が取り付けられる第1の被取付部と、椅子用つぼ押し具3と、椅子用つぼ押し具3が取り付けられる第2の被取付部を備えている。第1の被取付部と第2の被取付部は共通のものであり、椅子用つぼ押し具3の取付部は、椅子用ストレッチ補助具1の取付部と一緒に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子用ストレッチ補助具、椅子用つぼ押し具、および椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子に座りながら身体の一部を伸ばしたり捻ったりするストレッチ運動を行なう場合、着座者は椅子の背もたれ等の端部を掴むことで身体を支えていた。例えば、職場で事務仕事を行なっている最中に小休止してストレッチ運動を行なう場合には、座っている事務用椅子の背もたれの端部を掴んでいた。また、一般的な事務用椅子では、着座者の身体を面で支持している。なお、一般的な事務用椅子として、例えば特開平5−293022号公報に開示されている事務用椅子がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−293022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背もたれの端部は身体からの距離が近く、ストレッチ運動を行ないながら掴む場所としては不適切である。また、椅子の背もたれはストレッチ運動時に掴むことを想定したものではないため、必ずしも掴み易いものとは言えない。さらに、通常、背もたれは張り地等で覆われており、ストレッチ運動時に掴むことでその部分の張り地等が汚れることがある。また、一般的な事務用椅子では、着座者の身体を面で支持しているので、座りながら指圧効果を得ることができない。
【0005】
本発明は、座りながらストレッチ運動を行なう場合に使いやすい握り部を設けることができ、且つ張り地等の汚れを防止する椅子用ストレッチ補助具を提供することを目的とする。また、本発明は、座ることで指圧効果を得ることができる突起を設けることが可能な椅子用つぼ押し具を提供することを目的とする。さらに、本発明は、座りながらのストレッチ運動を行なうのに適した椅子、座ることで指圧効果を得ることができる椅子、座りながらのストレッチ運動を行なうのに適し且つ座ることで指圧効果を得ることができる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具は、椅子への取付部と、椅子から突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部とを備えるものである。したがって、椅子に取り付けて使用される。椅子に取り付けることで、当該椅子に握り部を設けることができる。着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことができる。
【0007】
また、請求項2記載の椅子用ストレッチ補助具は、取付部が、椅子の座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けられるものである。したがって、座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けられて使用される。
【0008】
また、請求項3記載の椅子用ストレッチ補助具は、取付部が、椅子の肘掛けに代えて肘掛けの被取付部に取り付けられるものである。したがって、肘掛けの代わりに座に取り付けられて使用される。
【0009】
また、請求項4記載の椅子用ストレッチ補助具は、握り部に着座者のつぼを刺激する突起が設けられているものである。したがって、握り部を掴むと突起が掌のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0010】
また、請求項5記載の椅子用つぼ押し具は、椅子への取付部と、着座者のつぼを刺激する突起を備えるものである。したがって、椅子に取り付けて使用される。椅子に取り付けることで、当該椅子につぼ刺激用の突起を設けることができる。椅子用つぼ押し具を取り付けた椅子に腰かけると、突起が着座者のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0011】
また、請求項6記載の椅子用つぼ押し具は、椅子の身体支持面に被されるシート状部材を備え、突起はシート状部材に設けられているものである。したがって、着座者の支持面に被されて使用される。ここで、着座者の支持面としては、例えば座の上面、背もたれの前面、ヘッドレストの前面等である。
【0012】
また、請求項7記載の椅子用つぼ押し具は、身体支持面のサイズに応じて伸縮可能なサイズ調整部を備えるものである。したがって、サイズ調整部を伸縮させると、椅子用つぼ押し具の長さが変化し、椅子用つぼ押し具を取り付ける身体支持面のサイズに合わせて長さ調整可能になる。
【0013】
また、請求項8記載の椅子用つぼ押し具は、取付部が、椅子の座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けられるものである。したがって、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けられて使用される。
【0014】
また、請求項9記載の椅子は、請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、椅子用ストレッチ補助具の取付部が取り付けられる被取付部を備えるものである。したがって、着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を備えた椅子が提供される。着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことができる。
【0015】
また、請求項10記載の椅子は、請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、椅子用つぼ押し具の取付部が取り付けられる被取付部を備えるものである。したがって、着座者のつぼを刺激することができる突起を備えた椅子が提供される。椅子に腰かけることでつぼ押し具の突起が着座者のつぼに当って刺激する。
【0016】
また、請求項11記載の椅子は、請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、椅子用ストレッチ補助具が取り付けられる第1の被取付部と、請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、椅子用つぼ押し具が取り付けられる第2の被取付部を備えるものである。したがって、着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部と、着座者のつぼを刺激することができる突起を備えた椅子が提供される。
【0017】
また、請求項12記載の椅子は、第1の被取付部と第2の被取付部が共通のものであり、椅子用つぼ押し具の取付部は、椅子用ストレッチ補助具の取付部と一緒に取り付けられるものである。したがって、椅子用つぼ押し具と椅子用ストレッチ補助具とを一緒に取り付けることができる。
【0018】
さらに、請求項13記載の椅子は、前面に着座者の頭のつぼを刺激する突起が設けられているヘッドレストを備えるものである。したがって、着座者が頭をヘッドレストの前面に載せると、突起が頭のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0019】
また、請求項14記載の椅子は、突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形したものである。したがって、着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことができる。
【0020】
また、請求項15記載の椅子は、着座者のつぼを刺激する突起を、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形したものである。したがって、椅子に腰かけると、突起が着座者のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0021】
さらに、請求項16記載の椅子は、突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形すると共に、着座者のつぼを刺激する突起を、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形したものである。したがって、腰かけることで指圧効果を得ることができると共に、着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことも可能になる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具では、椅子に取り付けるだけで、当該椅子を、座りながらのストレッチ運動を行なうのに適したものにすることができる。握り部は椅子から突出しているので、身体から適度に離れた位置に配置され、着座者にとって掴み易いものとなる。また、握り部は掴みやすいものであり、手が滑る等して外れ難く、ストレッチ運動がし易くなる。さらに、座や背もたれ等を直接掴むことにはならないので、張り地等を汚し難くなる。また、椅子から取り外すことで元の椅子に戻すことができる。
【0023】
また、請求項2記載の椅子用ストレッチ補助具では、椅子の座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けて使用することができる。
【0024】
また、請求項3記載の椅子用ストレッチ補助具では、肘掛けの被取付部を利用して椅子に取り付けることができるので、ストレッチ補助具専用の被取付部をわざわざ椅子に設ける必要がなく、製造コストの増加を抑えることができる。
【0025】
また、請求項4記載の椅子用ストレッチ補助具では、ストレッチ運動を行ないながら掌のつぼを刺激して指圧効果も一緒に得ることができる。
【0026】
また、請求項5記載の椅子用つぼ押し具では、椅子に取り付けるだけで当該椅子を指圧効果を得ることができるものにすることができる。また、椅子から取り外すことで元の椅子に戻すことができる。
【0027】
また、請求項6記載の椅子用つぼ押し具では、着座者のつぼを刺激することができる位置に突起を設けることが容易になる。
【0028】
また、請求項7記載の椅子用つぼ押し具では、身体支持面のサイズに合わせてシート状部材の長さを調整することができるので、サイズ別にシート状部材を造る必要がなくなり、製造コストの増加を抑えることができると共に、汎用性を高めることができる。
【0029】
また、請求項8記載の椅子用つぼ押し具では、椅子の座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けて使用することができる。
【0030】
また、請求項9記載の椅子では、椅子用ストレッチ補助具が取り付けられているので、座りながらストレッチ運動を行なうのに適した椅子を提供することができる。
【0031】
また、請求項10記載の椅子では、椅子用つぼ押し具が取り付けられているので、座って体重を掛けるだけで指圧効果を得ることができる。
【0032】
また、請求項11記載の椅子では、座りながらストレッチ運動を行なうのに適し、且つ座って体重を掛けるだけで指圧効果を得ることができる椅子を提供することができる。
【0033】
また、請求項12記載の椅子では、つぼ押し具とストレッチ補助具とを一緒に取り付けることができるので、取り付け、取り外し作業が容易になると共に、共通化による部品コストの低減を図ることができる。
【0034】
また、請求項13記載の椅子では、座りながら頭のつぼを刺激することができる。
【0035】
また、請求項14記載の椅子のように、突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良く、請求項15記載の椅子のように、着座者のつぼを刺激する突起を、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良い。また、請求項16記載の椅子のように、そのような握り部と突起の両方を設けても良い。握り部や突起を一体成形しておくことで、別々に形成して取り付ける場合に比べて製造コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の椅子の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】同椅子の背もたれの被取付部につぼ押し具およびストレッチ補助具を取り付ける様子を示す分解斜視図である。
【図3】同椅子の座の被取付部につぼ押し具およびストレッチ補助具を取り付ける様子を示す座の底面図である。
【図4】椅子用ストレッチ補助具を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図5】座又は背もたれに取り付けるタイプの椅子用つぼ押し具を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】脚羽根に取り付けるタイプの椅子用つぼ押し具を示し、(A)は平面図、(B)は斜視図である。
【図7】ヘッドレストを示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図8】本発明の椅子の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の椅子の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の椅子の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の椅子の第5の実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の椅子の第6の実施形態を示す斜視図である。
【図13】同椅子の座の被取付部にストレッチ補助具を取り付ける様子を示す座の底面図である。
【図14】椅子用ストレッチ補助具の他の実施形態を示す平面図である。
【図15】椅子用つぼ押し具の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1〜図3に本発明を適用した椅子の第1の実施形態を示す。本実施形態では、事務用椅子に適用しているが、適用可能な椅子は事務用椅子に限るものではない。椅子は、ストレッチ補助具1と、ストレッチ補助具1が取り付けられる第1の被取付部2と、つぼ押し具3と、つぼ押し具3が取り付けられる第2の被取付部4を備えている。本実施形態では、第1の被取付部2と第2の被取付部4は共通のもの(以下、被取付部5という)であり、つぼ押し具3の取付部3aは、ストレッチ補助具1の取付部1aと一緒に取り付けられている。
【0039】
本実施形態では、共通の被取付部5を椅子の座6と背もたれ7に設けると共に、つぼ押し具3のみを取り付ける第2の被取付部4を脚羽根8に設けている。被取付部4,5は、ストレッチ補助具1やつぼ押し具3を取り付けようとする位置に設けられている。
【0040】
背もたれ7に設ける共通の被取付部5は、例えば背もたれ7の裏面に設けられている。ただし、必ずしも裏面に設ける必要はなく、裏面以外の場所、例えば側面、上面等に設けても良い。本実施形態では裏面の左右両側部の上部近傍に被取付部5がそれぞれ設けられている。また、本実施形態では、ストレッチ補助具1及びつぼ押し具3を取り付ける手段として2本のねじ9を使用しているので、被取付部5には2つのねじ孔10が設けられている。なお、図2,3では、ねじ9の記載を省略している。
【0041】
座6に設ける共通の被取付部5は、例えば座6の下面に設けられている。ただし、必ずしも下面に設ける必要はなく、下面以外の場所、例えば側面、後面、前面等に設けても良い。本実施形態では、座6の下部はアウタシェル11によって構成されているので、アウタシェル11の下面に被取付部5を設けている。また、背もたれ7に左右一対の被取付部5が設けられているのと同様に、座6にも左右一対の被取付部5が設けられている。具体的には、アウタシェル11の下面の左右両側部のほぼ中央位置に被取付部5が設けられている。なお、アウタシェル11の当該位置には一般に肘掛け21を取り付けるための被取付部が設けられているので、本実施形態では、この肘掛け21用の被取付部をそのまま利用して被取付部5としている。即ち、座6に肘掛け21を取り付ける代わりに、ストレッチ補助具1及びつぼ押し具3を取り付けるようにしている。肘掛け21を取り付けるためには例えば3本のねじが使用されるので、肘掛け21用の被取付部には3つのねじ孔10が設けられている。しかしながら、本実施形態では、ストレッチ補助具1及びつぼ押し具3の取付手段として2本のねじ9を使用するので、3つのねじ孔10のうち、外側に設けられた2つのねじ孔10を使用する。ただし、ストレッチ補助具1およびつぼ押し具3の取付手段として3本のねじ9を使用しても良い。なお、図3には、片方の肘掛け21を座6に取り付けている様子を2点鎖線で示しているが、これは説明の便宜のためであり、左右の肘掛け21に代えてストレッチ補助具1とつぼ押し具3を取り付けるものである。
【0042】
脚羽根8に設ける第2の被取付部4は、例えば脚羽根8の上面に設けられている。ただし、必ずしも上面に設ける必要はなく、上面以外の場所、例えば側面、下面等に設けても良い。本実施形態では、2本の脚羽根8の先端部の上面を第2の被取付部4にしている。第2の被取付部4には取付ピン13(図6)が挿入可能な小孔14が設けられている。
【0043】
図4に椅子用ストレッチ補助具1を示す。ストレッチ補助具1は、椅子への取付部1aと、椅子から突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部1bとを備えている。本実施形態のストレッチ補助具1は、金属製の丸パイプをU字形状に曲げることで形成されている。ただし、このような形状の丸パイプに限るものではない。また、丸パイプに代えて、角パイプ等を使用しても良く、さらには中空のパイプに代えて中実の棒状部材を使用しても良い。また、金属製のものに限らず、例えば樹脂製、木製等であっても良い。
【0044】
握り部1bは着座者が容易に握ることが可能な長さを有している。なお、握り部1bに手の形状に対応したグリップ等を設けるようにしても良い。また、本実施形態では、ストレッチ補助具1の両端が取付部1aとなっている。両端の取付部1aには取付用のねじ9を通す小孔15がそれぞれ設けられている。図2および図3に示すように、小孔15にねじ9を通して対応する被取付部5のねじ孔10にねじ込むことで、取付部1aは被取付部5にねじ止めされる。ストレッチ補助具1を取り付けた状態では、握り部1bが座6又は背もたれ7の側面から突出してリング状となり、リング状の部分に手の指又は甲を差し入れることで握り部1bをしっかりと掴むことができる。
【0045】
椅子用ストレッチ補助具1の取付位置は、着座者がストレッチ運動を行なう場合に利用できる位置であれば特に制限されるものではないが、例えば椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のいずれかに取り付けられることが好ましい。即ち、ストレッチ補助具1の取付部1aが、椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のいずれかに取り付けられるものであることが好ましい。本実施形態では、左右一対の被取付部5が座6のアウタシェル11と背もたれ7にそれぞれ設けられている点は上述の通りであり、座6と背もたれ7の両方に左右一対のストレッチ補助具1が取り付けられている。ただし、座6と背もたれ7の両方にストレッチ補助具1を取り付ける必要はなく、いずれか一方にのみ取り付けるようにしても良い。また、ヘッドレスト16に取り付けるようにしても良く、この場合、座6とヘッドレスト16の両方にストレッチ補助具1を取り付けても、背もたれ7とヘッドレスト16の両方にストレッチ補助具1を取り付けても、座6と背もたれ7とヘッドレスト16の全てにストレッチ補助具1を取り付けても良い。
【0046】
椅子用つぼ押し具3の取付位置は、突起17によって着座者のつぼを刺激できる位置であれば特に制限されるものではないが、例えば椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のいずれかに取り付けられることが好ましい。即ち、つぼ押し具3の取付部3aが、椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のいずれかに取り付けられるものであることが好ましい。なお、本実施形態のヘッドレスト16は、詳しくは後述するように突起17を有しているので、ヘッドレスト16にはつぼ押し具3を取り付ける必要はない。
【0047】
図5に、座6又は背もたれ7に取り付けられる椅子用つぼ押し具3を示す。つぼ押し具3は、椅子への取付部3aと、着座者のつぼを刺激する突起17を備えている。本実施形態のつぼ押し具3は、椅子の身体支持面18に被されるシート状部材19を備えており、突起17はシート状部材19に設けられている。
【0048】
シート状部材19は、例えば樹脂製のシートであり、両端の取付部3aを座6又は背もたれ7の表側から裏側に回り込ませて左右の被取付部5に取り付けることができる長さと柔軟性を有している。本実施形態では、つぼ押し具3全体をシート状部材19で構成し、その両端が取付部3aとなっている。ただし、このような構成に限るものではなく、例えばシート状部材19の両端に取付部3aとなる小片等を設けるようにしても良い。また、シート状部材19は樹脂製のものに限らず、例えばゴム製のもの、布製のもの、皮製のもの、メッシュ状のもの等でも良い。さらに、シート状部材19の突起17が設けられている領域と両端の取付部3aとの間には複数の薄肉部19aが形成されており、座6又は背もたれ7の両側部の形状に沿ったシート状部材19の曲げを容易にしている。本実施形態では、薄肉部19aは波線状に形成されている。ただし、波線状に限るものではなく、例えば直線状、ジグザグ状、その他の線状でも良い。さらに本実施形態では、薄肉部19aを左右に4本ずつ設けているが、設ける数は4本ずつに限るものではない。両端の取付部3aには取付用のねじ9を通す小孔20がそれぞれ2箇所ずつ設けられている。各取付部3aは座6又は背もたれ7の被取付部5とストレッチ補助具1の取付部1aとの間に挟み込まれ、ストレッチ補助具1の取付部1aと一緒に被取付部5に取り付けられる。即ち、座6用のつぼ押し具3と背もたれ7用のつぼ押し具3はストレッチ補助具1と一緒に取り付けられている。
【0049】
シート状部材19が被される身体支持面18は着座者を支える面であり、例えば座6の場合には上面、背もたれ7の場合には前面、ヘッドレスト16の場合には前面等である。本実施形態では、座6用のつぼ押し具3の場合は座6の上面に、背もたれ7用のつぼ押し具3の場合は背もたれ7の前面にそれぞれシート状部材19が被され、被されている領域即ち着座者に当る領域に多数の突起17が設けられている。突起17はシート状部材19と一体成形されている。ただし、突起17をシート状部材19とは別に形成し、シート状部材19に取り付けるようにしても良い。突起17の形状は、つぼを押すことができる形状であれば特に限定されるものではない。また全ての突起17を同一形状・同一の大きさにしても良いが、複数の形状・複数の大きさの突起17を組み合わせて使用しても良い。本実施形態では、座6用のつぼ押し具3は着座者の大腿部に突起17が当るように、背もたれ7用のつぼ押し具3は着座者の背中の上半部に突起17が当るように配置されて身体支持面18に被されている。ただし、つぼ押し具3の配置はこれらに限るものではない。例えば、背もたれ7用のつぼ押し具3を着座者の背中の下半部(腰部)に突起17が当るように配置することも可能である。
【0050】
図6に脚羽根8に取り付けられるつぼ押し具3を示す。このつぼ押し具3は円弧状に湾曲した平面形状の板状部材であり、表側面には着座者のつぼを刺激する突起17が多数設けられている。また、つぼ押し具3の裏面の両端の取付部3aには取付ピン13が設けられている。取付ピン13を脚羽根8に設けられた被取付部4の小孔14に挿入することで、2本の脚羽根8の先端の間に架け渡すようにしてつぼ押し具3が取り付けられる。なお、つぼ押し具3が架け渡されるようにして取り付けられる脚羽根8の本数は2本に限るものではなく、例えば3本、4本以上の間に架け渡すようにして取り付けても良く、さらには全て(本実施形態では5本)の脚羽根8の間に架け渡すようにして、換言すると放射状に配置された各脚羽根8の全周にわたって取り付けても良い。
【0051】
本実施形態の椅子はヘッドレスト16を備えている。図7にヘッドレスト16を示す。ヘッドレスト16は例えば樹脂製の弾力性を有する板状部材であり、その前面16aには着座者の頭のつぼを刺激する突起17が多数設けられている。ただし、ヘッドレスト16は樹脂製のものに限るものではなく、他の材料によって形成されていても良い。ヘッドレスト16は平板状のものでも良いが、頭部を包み込みように湾曲するものであっても良い。また、ヘッドレスト16は板状部材に限るものではない。ヘッドレスト16には取付ステー16bが設けられており、取付ステー16bの下端を背もたれ7の裏面に例えばねじ止めすることでヘッドレスト16が背もたれ7に取り付けられる。
【0052】
ストレッチ補助具1、つぼ押し具3、ヘッドレスト16は、通常の椅子に後付け可能であり、着脱可能である。
【0053】
使用者が座6に座り、背もたれ7及びヘッドレスト16に寄り掛かると、着座者の大腿部、背中、後頭部のつぼがつぼ押し具3又はヘッドレスト16の突起17によって適度に刺激され、指圧効果を得ることができると共に、癒やされてリラックスすることができる。また、着座者が脚羽根8に取り付けたつぼ押し具3に足を載せると、足裏のつぼが突起17によって適度に刺激され、指圧効果を得ることができると共に、癒やされてリラックスすることができる。
【0054】
また、着座者は、ストレッチ補助具1の握り部1bを掴みながら身体をひねったり伸ばしたりしてストレッチ運動を行うことができる。握り部1bはしっかり掴みやすいものであり、身体を支えるのが容易である。したがって、椅子の座6や背もたれ7を直接掴む場合のように手が滑って外れることが起き難い。また、張り地を掴むものではないので、張り地を汚し難い。
【0055】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0056】
例えば、上述の説明では、一つの椅子にストレッチ補助具1と、つぼ押し具3と、突起17を有するヘッドレスト16とを取り付けているが、これら全てを一緒に取り付ける必要はなく、これらのうちのいずれか一つのみを取り付けても良く、あるいはこれらのうちのいずれか二つを組み合わせて取り付けても良い。例えば、図8に示すように、ストレッチ補助具1のみを取り付けるようにしても良く、又は、例えば図9又は図10に示すように、つぼ押し具3のみを取り付けるようにしても良く、又は、例えば図11に示すように、ヘッドレスト16のみを取り付けるようにしても良い。また、つぼ押し具3のみを取り付ける場合には、例えば図9に示すように、座6用のつぼ押し具3と背もたれ7用のつぼ押し具3のみを取り付けるようにしても良く、あるいは、例えば図10に示すように、脚羽根8用のつぼ押し具3のみを取り付けるようにしても良い。さらには、特に図示はしていないが、座6用のつぼ押し具3のみを取り付けても良く、又は、背もたれ7用のつぼ押し具3のみを取り付けても良い。また、ストレッチ補助具1についても、座6用のストレッチ補助具1のみを取り付けても良く、背もたれ7用のストレッチ補助具1のみを取り付けても良い。ストレッチ補助具1およびつぼ押し具3の組み合わせは適宜可能である。
【0057】
また、例えば図12及び図13に示すように、ストレッチ補助具1を座6と背もたれ7の両方にわたる長さの手摺状のものとしても良い。この例のストレッチ補助具1の握り部1bは例えば金属製の丸パイプであり、座6および背もたれ7の形状および配置に合わせて曲げられており、座6又は背もたれ7との間に握り部1bを掴むのに適した間隔をあけて配置されている。ただし、このような形状の丸パイプに限るものではない。また、丸パイプに代えて、角パイプ等を使用しても良く、さらには中空のパイプに代えて中実の棒状部材を使用しても良い。また、金属製のものに限らず、例えば樹脂製、木製等であっても良い。下端が取付部1aとなっている支持部材1cは握り部1bの座6に対向する位置に固着されている。取付部1aには取付用のねじ9を通す小孔15が3箇所に設けられている。この取付部1aは肘掛け21の取付部21aと同じものとなっており、肘掛け21に代えてストレッチ補助具1を被取付部5に取り付けることができる。
【0058】
また、例えば図12及び図13に示すように、つぼ押し具3を球状のものとしても良い。この例では、手摺状のストレッチ補助具1と2本の脚羽根8に球状のつぼ押し具3を取り付けている。この例のつぼ押し具3は球状の弾性体3cの表面に多数の突起17を形成したものである。球状の弾性体3cの底部には取付部3aとしてのピン(図示省略)が設けられており、ストレッチ補助具1に設けられている第2の被取付部4又は脚羽根8に設けられている被取付部4に形成された孔(図示省略)にピンを挿入することでつぼ押し具3が取り付けられている。ただし、ストレッチ補助具1の取り付け手段としては、必ずしもピンと孔によるものではなく、他の手段によって取り付けるようにしても良い。また、必ずしもストレッチ補助具1と脚羽根8の両方に球状のつぼ押し具3を取り付ける必要はなく、いずれか一方でも良い。また、この例では、握り部1bの座6の前端に対応する位置および背もたれ7の上端に対応する位置に球状のつぼ押し具3を取り付けていたが、取付位置はこれらの位置に限るものではなく、他の位置に取り付けるようにしても良い。さらに、左右の握り部1bに球状のつぼ押し具3を2個ずつ取り付けていたが、取り付ける個数は2個ずつに限るものではなく、1個ずつでも良く、あるいは3個以上ずつでも良い。また、2本の脚羽根8につぼ押し具3を取り付けていたが、つぼ押し具3を取り付ける脚羽根8の本数は2本に限るものではなく、1本又は3本以上でも良い。さらに、ストレッチ補助具1および脚羽根8以外の部材、例えば座6の側面や背もたれ7の側面等につぼ押し具3を取り付けるようにしても良い。
【0059】
また、上述の説明では、椅子の座6や背もたれ7の左右に対となるストレッチ補助具1を取り付けるようにしていたが、左右のいずれか一方にのみストレッチ補助具1を取り付けるようにしても良い。また、座6の左右のいずれか一方にのみストレッチ補助具1を取り付けた場合には、図3に示すように、他方に肘掛け21を取り付けるようにしても良い。
【0060】
また、上述の説明では、肘掛け21を取り付ける被取付部を被取付部5として利用して座6用のストレッチ補助具1を取り付けるようにしていたが、座6用のストレッチ補助具1を取り付けるための専用の被取付部5を肘掛け21用の被取付部とは別に設け、この専用の被取付部5に座6用のストレッチ補助具1を取り付けるようにしても良い。即ち、ストレッチ補助具1と肘掛け21の両方を併用するようにしても良い。
【0061】
また、上述の説明では、ストレッチ補助具1とつぼ押し具3とを共通の被取付部5に一緒に取り付けるようにしていたが、ストレッチ補助具1用の被取付部(第1の被取付部2)とつぼ押し具3用の被取付部(第2の被取付部4)とを別々に設け、ストレッチ補助具1とつぼ押し具3とを別々に取り付けるようにしても良い。即ち、ストレッチ補助具1が取り付けられる第1の被取付部2とつぼ押し具3が取り付けられる第2の被取付部4を別々に設けても良い。
【0062】
また、上述の説明では、ストレッチ補助具1やつぼ押し具3の取付手段としてねじ9を使用していが、ねじ9に限るものではない。例えば、つぼ押し具3を袋状に作成し、椅子の背もたれ7あるいは座6に被せるようにして取り付けることも可能である。
【0063】
また、上述の説明のヘッドレスト16は突起17を有するものであるが、このようなヘッドレスト16に代えて、突起17を有していない通常のヘッドレストにストレッチ補助具1を取り付けるようにしても良い。また、突起17を有していない通常のヘッドレストにつぼ押し具3を取り付けるようにしても良い。
【0064】
また、例えば図14に示すように、握り部1bに着座者のつぼを刺激する突起17を設けるようにしても良い。この場合には、ストレッチ運動を行ないながら掌のつぼを刺激して指圧効果も一緒に得ることができる。
【0065】
また、身体支持面18のサイズに応じて伸縮可能なサイズ調整部22を設けても良い。この例を図15に示す。この例では、シート状部材19の両端にサイズ調整部22を設けている。ただし、サイズ調整部22としてはこれに限るものではなく、例えば薄肉部19aをゴム状に設けることでサイズ調整部22としても良い。本実施形態のサイズ調整部22は例えば伸縮可能なゴム状部材で形成されている。ただし、サイズ調整を可能にするものであればゴム状部材に限るものではない。取付部3aは、サイズ調整部22に形成されている。サイズ調整部22を設けることで、身体支持面18のサイズに合わせてシート状部材19の長さを調整することができるので、身体支持面18のサイズ別にシート状部材19を作る必要がなくなり、製造コストの増加を抑えることができると共に、汎用性を高めることができる。
【0066】
さらに、上述の説明では、ストレッチ補助具1とつぼ押し具3を椅子とは別体にして取り付け・取り外しを可能にしていたが、ストレッチ補助具1やつぼ押し具3を椅子と一体的に設けるようにしても良い。即ち、握り部1bを椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良く、突起17を椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良い。また、握り部1bを座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のうち少なくともいずれか一つに一体成形すると共に、突起17を座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良い。握り部1bや突起17を一体成形することで、別々に形成して取り付ける場合に比べて、製造コストを安くすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 椅子用ストレッチ補助具
1a 椅子用ストレッチ補助具の取付部
1b 椅子用ストレッチ補助具の握り部
2 第1の被取付部
3 椅子用つぼ押し具
3a 椅子用つぼ押し具の取付部
4 第2の被取付部
5 共通の被取付部
6 座
7 背もたれ
8 脚羽根
16 ヘッドレスト
17 突起
18 身体支持面
19 シート状部材
21 肘掛け
22 サイズ調整部
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子用ストレッチ補助具、椅子用つぼ押し具、および椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子に座りながら身体の一部を伸ばしたり捻ったりするストレッチ運動を行なう場合、着座者は椅子の背もたれ等の端部を掴むことで身体を支えていた。例えば、職場で事務仕事を行なっている最中に小休止してストレッチ運動を行なう場合には、座っている事務用椅子の背もたれの端部を掴んでいた。また、一般的な事務用椅子では、着座者の身体を面で支持している。なお、一般的な事務用椅子として、例えば特開平5−293022号公報に開示されている事務用椅子がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−293022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背もたれの端部は身体からの距離が近く、ストレッチ運動を行ないながら掴む場所としては不適切である。また、椅子の背もたれはストレッチ運動時に掴むことを想定したものではないため、必ずしも掴み易いものとは言えない。さらに、通常、背もたれは張り地等で覆われており、ストレッチ運動時に掴むことでその部分の張り地等が汚れることがある。また、一般的な事務用椅子では、着座者の身体を面で支持しているので、座りながら指圧効果を得ることができない。
【0005】
本発明は、座りながらストレッチ運動を行なう場合に使いやすい握り部を設けることができ、且つ張り地等の汚れを防止する椅子用ストレッチ補助具を提供することを目的とする。また、本発明は、座ることで指圧効果を得ることができる突起を設けることが可能な椅子用つぼ押し具を提供することを目的とする。さらに、本発明は、座りながらのストレッチ運動を行なうのに適した椅子、座ることで指圧効果を得ることができる椅子、座りながらのストレッチ運動を行なうのに適し且つ座ることで指圧効果を得ることができる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具は、椅子への取付部と、椅子から突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部とを備えるものである。したがって、椅子に取り付けて使用される。椅子に取り付けることで、当該椅子に握り部を設けることができる。着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことができる。
【0007】
また、請求項2記載の椅子用ストレッチ補助具は、取付部が、椅子の座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けられるものである。したがって、座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けられて使用される。
【0008】
また、請求項3記載の椅子用ストレッチ補助具は、取付部が、椅子の肘掛けに代えて肘掛けの被取付部に取り付けられるものである。したがって、肘掛けの代わりに座に取り付けられて使用される。
【0009】
また、請求項4記載の椅子用ストレッチ補助具は、握り部に着座者のつぼを刺激する突起が設けられているものである。したがって、握り部を掴むと突起が掌のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0010】
また、請求項5記載の椅子用つぼ押し具は、椅子への取付部と、着座者のつぼを刺激する突起を備えるものである。したがって、椅子に取り付けて使用される。椅子に取り付けることで、当該椅子につぼ刺激用の突起を設けることができる。椅子用つぼ押し具を取り付けた椅子に腰かけると、突起が着座者のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0011】
また、請求項6記載の椅子用つぼ押し具は、椅子の身体支持面に被されるシート状部材を備え、突起はシート状部材に設けられているものである。したがって、着座者の支持面に被されて使用される。ここで、着座者の支持面としては、例えば座の上面、背もたれの前面、ヘッドレストの前面等である。
【0012】
また、請求項7記載の椅子用つぼ押し具は、身体支持面のサイズに応じて伸縮可能なサイズ調整部を備えるものである。したがって、サイズ調整部を伸縮させると、椅子用つぼ押し具の長さが変化し、椅子用つぼ押し具を取り付ける身体支持面のサイズに合わせて長さ調整可能になる。
【0013】
また、請求項8記載の椅子用つぼ押し具は、取付部が、椅子の座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けられるものである。したがって、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けられて使用される。
【0014】
また、請求項9記載の椅子は、請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、椅子用ストレッチ補助具の取付部が取り付けられる被取付部を備えるものである。したがって、着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を備えた椅子が提供される。着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことができる。
【0015】
また、請求項10記載の椅子は、請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、椅子用つぼ押し具の取付部が取り付けられる被取付部を備えるものである。したがって、着座者のつぼを刺激することができる突起を備えた椅子が提供される。椅子に腰かけることでつぼ押し具の突起が着座者のつぼに当って刺激する。
【0016】
また、請求項11記載の椅子は、請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、椅子用ストレッチ補助具が取り付けられる第1の被取付部と、請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、椅子用つぼ押し具が取り付けられる第2の被取付部を備えるものである。したがって、着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部と、着座者のつぼを刺激することができる突起を備えた椅子が提供される。
【0017】
また、請求項12記載の椅子は、第1の被取付部と第2の被取付部が共通のものであり、椅子用つぼ押し具の取付部は、椅子用ストレッチ補助具の取付部と一緒に取り付けられるものである。したがって、椅子用つぼ押し具と椅子用ストレッチ補助具とを一緒に取り付けることができる。
【0018】
さらに、請求項13記載の椅子は、前面に着座者の頭のつぼを刺激する突起が設けられているヘッドレストを備えるものである。したがって、着座者が頭をヘッドレストの前面に載せると、突起が頭のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0019】
また、請求項14記載の椅子は、突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形したものである。したがって、着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことができる。
【0020】
また、請求項15記載の椅子は、着座者のつぼを刺激する突起を、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形したものである。したがって、椅子に腰かけると、突起が着座者のつぼに当たり、指圧効果を得ることができる。
【0021】
さらに、請求項16記載の椅子は、突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形すると共に、着座者のつぼを刺激する突起を、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形したものである。したがって、腰かけることで指圧効果を得ることができると共に、着座者は握り部を掴みながらストレッチ運動を行うことも可能になる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具では、椅子に取り付けるだけで、当該椅子を、座りながらのストレッチ運動を行なうのに適したものにすることができる。握り部は椅子から突出しているので、身体から適度に離れた位置に配置され、着座者にとって掴み易いものとなる。また、握り部は掴みやすいものであり、手が滑る等して外れ難く、ストレッチ運動がし易くなる。さらに、座や背もたれ等を直接掴むことにはならないので、張り地等を汚し難くなる。また、椅子から取り外すことで元の椅子に戻すことができる。
【0023】
また、請求項2記載の椅子用ストレッチ補助具では、椅子の座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けて使用することができる。
【0024】
また、請求項3記載の椅子用ストレッチ補助具では、肘掛けの被取付部を利用して椅子に取り付けることができるので、ストレッチ補助具専用の被取付部をわざわざ椅子に設ける必要がなく、製造コストの増加を抑えることができる。
【0025】
また、請求項4記載の椅子用ストレッチ補助具では、ストレッチ運動を行ないながら掌のつぼを刺激して指圧効果も一緒に得ることができる。
【0026】
また、請求項5記載の椅子用つぼ押し具では、椅子に取り付けるだけで当該椅子を指圧効果を得ることができるものにすることができる。また、椅子から取り外すことで元の椅子に戻すことができる。
【0027】
また、請求項6記載の椅子用つぼ押し具では、着座者のつぼを刺激することができる位置に突起を設けることが容易になる。
【0028】
また、請求項7記載の椅子用つぼ押し具では、身体支持面のサイズに合わせてシート状部材の長さを調整することができるので、サイズ別にシート状部材を造る必要がなくなり、製造コストの増加を抑えることができると共に、汎用性を高めることができる。
【0029】
また、請求項8記載の椅子用つぼ押し具では、椅子の座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けて使用することができる。
【0030】
また、請求項9記載の椅子では、椅子用ストレッチ補助具が取り付けられているので、座りながらストレッチ運動を行なうのに適した椅子を提供することができる。
【0031】
また、請求項10記載の椅子では、椅子用つぼ押し具が取り付けられているので、座って体重を掛けるだけで指圧効果を得ることができる。
【0032】
また、請求項11記載の椅子では、座りながらストレッチ運動を行なうのに適し、且つ座って体重を掛けるだけで指圧効果を得ることができる椅子を提供することができる。
【0033】
また、請求項12記載の椅子では、つぼ押し具とストレッチ補助具とを一緒に取り付けることができるので、取り付け、取り外し作業が容易になると共に、共通化による部品コストの低減を図ることができる。
【0034】
また、請求項13記載の椅子では、座りながら頭のつぼを刺激することができる。
【0035】
また、請求項14記載の椅子のように、突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部を、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良く、請求項15記載の椅子のように、着座者のつぼを刺激する突起を、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良い。また、請求項16記載の椅子のように、そのような握り部と突起の両方を設けても良い。握り部や突起を一体成形しておくことで、別々に形成して取り付ける場合に比べて製造コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の椅子の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】同椅子の背もたれの被取付部につぼ押し具およびストレッチ補助具を取り付ける様子を示す分解斜視図である。
【図3】同椅子の座の被取付部につぼ押し具およびストレッチ補助具を取り付ける様子を示す座の底面図である。
【図4】椅子用ストレッチ補助具を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図5】座又は背もたれに取り付けるタイプの椅子用つぼ押し具を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】脚羽根に取り付けるタイプの椅子用つぼ押し具を示し、(A)は平面図、(B)は斜視図である。
【図7】ヘッドレストを示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図8】本発明の椅子の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の椅子の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の椅子の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の椅子の第5の実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の椅子の第6の実施形態を示す斜視図である。
【図13】同椅子の座の被取付部にストレッチ補助具を取り付ける様子を示す座の底面図である。
【図14】椅子用ストレッチ補助具の他の実施形態を示す平面図である。
【図15】椅子用つぼ押し具の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1〜図3に本発明を適用した椅子の第1の実施形態を示す。本実施形態では、事務用椅子に適用しているが、適用可能な椅子は事務用椅子に限るものではない。椅子は、ストレッチ補助具1と、ストレッチ補助具1が取り付けられる第1の被取付部2と、つぼ押し具3と、つぼ押し具3が取り付けられる第2の被取付部4を備えている。本実施形態では、第1の被取付部2と第2の被取付部4は共通のもの(以下、被取付部5という)であり、つぼ押し具3の取付部3aは、ストレッチ補助具1の取付部1aと一緒に取り付けられている。
【0039】
本実施形態では、共通の被取付部5を椅子の座6と背もたれ7に設けると共に、つぼ押し具3のみを取り付ける第2の被取付部4を脚羽根8に設けている。被取付部4,5は、ストレッチ補助具1やつぼ押し具3を取り付けようとする位置に設けられている。
【0040】
背もたれ7に設ける共通の被取付部5は、例えば背もたれ7の裏面に設けられている。ただし、必ずしも裏面に設ける必要はなく、裏面以外の場所、例えば側面、上面等に設けても良い。本実施形態では裏面の左右両側部の上部近傍に被取付部5がそれぞれ設けられている。また、本実施形態では、ストレッチ補助具1及びつぼ押し具3を取り付ける手段として2本のねじ9を使用しているので、被取付部5には2つのねじ孔10が設けられている。なお、図2,3では、ねじ9の記載を省略している。
【0041】
座6に設ける共通の被取付部5は、例えば座6の下面に設けられている。ただし、必ずしも下面に設ける必要はなく、下面以外の場所、例えば側面、後面、前面等に設けても良い。本実施形態では、座6の下部はアウタシェル11によって構成されているので、アウタシェル11の下面に被取付部5を設けている。また、背もたれ7に左右一対の被取付部5が設けられているのと同様に、座6にも左右一対の被取付部5が設けられている。具体的には、アウタシェル11の下面の左右両側部のほぼ中央位置に被取付部5が設けられている。なお、アウタシェル11の当該位置には一般に肘掛け21を取り付けるための被取付部が設けられているので、本実施形態では、この肘掛け21用の被取付部をそのまま利用して被取付部5としている。即ち、座6に肘掛け21を取り付ける代わりに、ストレッチ補助具1及びつぼ押し具3を取り付けるようにしている。肘掛け21を取り付けるためには例えば3本のねじが使用されるので、肘掛け21用の被取付部には3つのねじ孔10が設けられている。しかしながら、本実施形態では、ストレッチ補助具1及びつぼ押し具3の取付手段として2本のねじ9を使用するので、3つのねじ孔10のうち、外側に設けられた2つのねじ孔10を使用する。ただし、ストレッチ補助具1およびつぼ押し具3の取付手段として3本のねじ9を使用しても良い。なお、図3には、片方の肘掛け21を座6に取り付けている様子を2点鎖線で示しているが、これは説明の便宜のためであり、左右の肘掛け21に代えてストレッチ補助具1とつぼ押し具3を取り付けるものである。
【0042】
脚羽根8に設ける第2の被取付部4は、例えば脚羽根8の上面に設けられている。ただし、必ずしも上面に設ける必要はなく、上面以外の場所、例えば側面、下面等に設けても良い。本実施形態では、2本の脚羽根8の先端部の上面を第2の被取付部4にしている。第2の被取付部4には取付ピン13(図6)が挿入可能な小孔14が設けられている。
【0043】
図4に椅子用ストレッチ補助具1を示す。ストレッチ補助具1は、椅子への取付部1aと、椅子から突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部1bとを備えている。本実施形態のストレッチ補助具1は、金属製の丸パイプをU字形状に曲げることで形成されている。ただし、このような形状の丸パイプに限るものではない。また、丸パイプに代えて、角パイプ等を使用しても良く、さらには中空のパイプに代えて中実の棒状部材を使用しても良い。また、金属製のものに限らず、例えば樹脂製、木製等であっても良い。
【0044】
握り部1bは着座者が容易に握ることが可能な長さを有している。なお、握り部1bに手の形状に対応したグリップ等を設けるようにしても良い。また、本実施形態では、ストレッチ補助具1の両端が取付部1aとなっている。両端の取付部1aには取付用のねじ9を通す小孔15がそれぞれ設けられている。図2および図3に示すように、小孔15にねじ9を通して対応する被取付部5のねじ孔10にねじ込むことで、取付部1aは被取付部5にねじ止めされる。ストレッチ補助具1を取り付けた状態では、握り部1bが座6又は背もたれ7の側面から突出してリング状となり、リング状の部分に手の指又は甲を差し入れることで握り部1bをしっかりと掴むことができる。
【0045】
椅子用ストレッチ補助具1の取付位置は、着座者がストレッチ運動を行なう場合に利用できる位置であれば特に制限されるものではないが、例えば椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のいずれかに取り付けられることが好ましい。即ち、ストレッチ補助具1の取付部1aが、椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のいずれかに取り付けられるものであることが好ましい。本実施形態では、左右一対の被取付部5が座6のアウタシェル11と背もたれ7にそれぞれ設けられている点は上述の通りであり、座6と背もたれ7の両方に左右一対のストレッチ補助具1が取り付けられている。ただし、座6と背もたれ7の両方にストレッチ補助具1を取り付ける必要はなく、いずれか一方にのみ取り付けるようにしても良い。また、ヘッドレスト16に取り付けるようにしても良く、この場合、座6とヘッドレスト16の両方にストレッチ補助具1を取り付けても、背もたれ7とヘッドレスト16の両方にストレッチ補助具1を取り付けても、座6と背もたれ7とヘッドレスト16の全てにストレッチ補助具1を取り付けても良い。
【0046】
椅子用つぼ押し具3の取付位置は、突起17によって着座者のつぼを刺激できる位置であれば特に制限されるものではないが、例えば椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のいずれかに取り付けられることが好ましい。即ち、つぼ押し具3の取付部3aが、椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のいずれかに取り付けられるものであることが好ましい。なお、本実施形態のヘッドレスト16は、詳しくは後述するように突起17を有しているので、ヘッドレスト16にはつぼ押し具3を取り付ける必要はない。
【0047】
図5に、座6又は背もたれ7に取り付けられる椅子用つぼ押し具3を示す。つぼ押し具3は、椅子への取付部3aと、着座者のつぼを刺激する突起17を備えている。本実施形態のつぼ押し具3は、椅子の身体支持面18に被されるシート状部材19を備えており、突起17はシート状部材19に設けられている。
【0048】
シート状部材19は、例えば樹脂製のシートであり、両端の取付部3aを座6又は背もたれ7の表側から裏側に回り込ませて左右の被取付部5に取り付けることができる長さと柔軟性を有している。本実施形態では、つぼ押し具3全体をシート状部材19で構成し、その両端が取付部3aとなっている。ただし、このような構成に限るものではなく、例えばシート状部材19の両端に取付部3aとなる小片等を設けるようにしても良い。また、シート状部材19は樹脂製のものに限らず、例えばゴム製のもの、布製のもの、皮製のもの、メッシュ状のもの等でも良い。さらに、シート状部材19の突起17が設けられている領域と両端の取付部3aとの間には複数の薄肉部19aが形成されており、座6又は背もたれ7の両側部の形状に沿ったシート状部材19の曲げを容易にしている。本実施形態では、薄肉部19aは波線状に形成されている。ただし、波線状に限るものではなく、例えば直線状、ジグザグ状、その他の線状でも良い。さらに本実施形態では、薄肉部19aを左右に4本ずつ設けているが、設ける数は4本ずつに限るものではない。両端の取付部3aには取付用のねじ9を通す小孔20がそれぞれ2箇所ずつ設けられている。各取付部3aは座6又は背もたれ7の被取付部5とストレッチ補助具1の取付部1aとの間に挟み込まれ、ストレッチ補助具1の取付部1aと一緒に被取付部5に取り付けられる。即ち、座6用のつぼ押し具3と背もたれ7用のつぼ押し具3はストレッチ補助具1と一緒に取り付けられている。
【0049】
シート状部材19が被される身体支持面18は着座者を支える面であり、例えば座6の場合には上面、背もたれ7の場合には前面、ヘッドレスト16の場合には前面等である。本実施形態では、座6用のつぼ押し具3の場合は座6の上面に、背もたれ7用のつぼ押し具3の場合は背もたれ7の前面にそれぞれシート状部材19が被され、被されている領域即ち着座者に当る領域に多数の突起17が設けられている。突起17はシート状部材19と一体成形されている。ただし、突起17をシート状部材19とは別に形成し、シート状部材19に取り付けるようにしても良い。突起17の形状は、つぼを押すことができる形状であれば特に限定されるものではない。また全ての突起17を同一形状・同一の大きさにしても良いが、複数の形状・複数の大きさの突起17を組み合わせて使用しても良い。本実施形態では、座6用のつぼ押し具3は着座者の大腿部に突起17が当るように、背もたれ7用のつぼ押し具3は着座者の背中の上半部に突起17が当るように配置されて身体支持面18に被されている。ただし、つぼ押し具3の配置はこれらに限るものではない。例えば、背もたれ7用のつぼ押し具3を着座者の背中の下半部(腰部)に突起17が当るように配置することも可能である。
【0050】
図6に脚羽根8に取り付けられるつぼ押し具3を示す。このつぼ押し具3は円弧状に湾曲した平面形状の板状部材であり、表側面には着座者のつぼを刺激する突起17が多数設けられている。また、つぼ押し具3の裏面の両端の取付部3aには取付ピン13が設けられている。取付ピン13を脚羽根8に設けられた被取付部4の小孔14に挿入することで、2本の脚羽根8の先端の間に架け渡すようにしてつぼ押し具3が取り付けられる。なお、つぼ押し具3が架け渡されるようにして取り付けられる脚羽根8の本数は2本に限るものではなく、例えば3本、4本以上の間に架け渡すようにして取り付けても良く、さらには全て(本実施形態では5本)の脚羽根8の間に架け渡すようにして、換言すると放射状に配置された各脚羽根8の全周にわたって取り付けても良い。
【0051】
本実施形態の椅子はヘッドレスト16を備えている。図7にヘッドレスト16を示す。ヘッドレスト16は例えば樹脂製の弾力性を有する板状部材であり、その前面16aには着座者の頭のつぼを刺激する突起17が多数設けられている。ただし、ヘッドレスト16は樹脂製のものに限るものではなく、他の材料によって形成されていても良い。ヘッドレスト16は平板状のものでも良いが、頭部を包み込みように湾曲するものであっても良い。また、ヘッドレスト16は板状部材に限るものではない。ヘッドレスト16には取付ステー16bが設けられており、取付ステー16bの下端を背もたれ7の裏面に例えばねじ止めすることでヘッドレスト16が背もたれ7に取り付けられる。
【0052】
ストレッチ補助具1、つぼ押し具3、ヘッドレスト16は、通常の椅子に後付け可能であり、着脱可能である。
【0053】
使用者が座6に座り、背もたれ7及びヘッドレスト16に寄り掛かると、着座者の大腿部、背中、後頭部のつぼがつぼ押し具3又はヘッドレスト16の突起17によって適度に刺激され、指圧効果を得ることができると共に、癒やされてリラックスすることができる。また、着座者が脚羽根8に取り付けたつぼ押し具3に足を載せると、足裏のつぼが突起17によって適度に刺激され、指圧効果を得ることができると共に、癒やされてリラックスすることができる。
【0054】
また、着座者は、ストレッチ補助具1の握り部1bを掴みながら身体をひねったり伸ばしたりしてストレッチ運動を行うことができる。握り部1bはしっかり掴みやすいものであり、身体を支えるのが容易である。したがって、椅子の座6や背もたれ7を直接掴む場合のように手が滑って外れることが起き難い。また、張り地を掴むものではないので、張り地を汚し難い。
【0055】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0056】
例えば、上述の説明では、一つの椅子にストレッチ補助具1と、つぼ押し具3と、突起17を有するヘッドレスト16とを取り付けているが、これら全てを一緒に取り付ける必要はなく、これらのうちのいずれか一つのみを取り付けても良く、あるいはこれらのうちのいずれか二つを組み合わせて取り付けても良い。例えば、図8に示すように、ストレッチ補助具1のみを取り付けるようにしても良く、又は、例えば図9又は図10に示すように、つぼ押し具3のみを取り付けるようにしても良く、又は、例えば図11に示すように、ヘッドレスト16のみを取り付けるようにしても良い。また、つぼ押し具3のみを取り付ける場合には、例えば図9に示すように、座6用のつぼ押し具3と背もたれ7用のつぼ押し具3のみを取り付けるようにしても良く、あるいは、例えば図10に示すように、脚羽根8用のつぼ押し具3のみを取り付けるようにしても良い。さらには、特に図示はしていないが、座6用のつぼ押し具3のみを取り付けても良く、又は、背もたれ7用のつぼ押し具3のみを取り付けても良い。また、ストレッチ補助具1についても、座6用のストレッチ補助具1のみを取り付けても良く、背もたれ7用のストレッチ補助具1のみを取り付けても良い。ストレッチ補助具1およびつぼ押し具3の組み合わせは適宜可能である。
【0057】
また、例えば図12及び図13に示すように、ストレッチ補助具1を座6と背もたれ7の両方にわたる長さの手摺状のものとしても良い。この例のストレッチ補助具1の握り部1bは例えば金属製の丸パイプであり、座6および背もたれ7の形状および配置に合わせて曲げられており、座6又は背もたれ7との間に握り部1bを掴むのに適した間隔をあけて配置されている。ただし、このような形状の丸パイプに限るものではない。また、丸パイプに代えて、角パイプ等を使用しても良く、さらには中空のパイプに代えて中実の棒状部材を使用しても良い。また、金属製のものに限らず、例えば樹脂製、木製等であっても良い。下端が取付部1aとなっている支持部材1cは握り部1bの座6に対向する位置に固着されている。取付部1aには取付用のねじ9を通す小孔15が3箇所に設けられている。この取付部1aは肘掛け21の取付部21aと同じものとなっており、肘掛け21に代えてストレッチ補助具1を被取付部5に取り付けることができる。
【0058】
また、例えば図12及び図13に示すように、つぼ押し具3を球状のものとしても良い。この例では、手摺状のストレッチ補助具1と2本の脚羽根8に球状のつぼ押し具3を取り付けている。この例のつぼ押し具3は球状の弾性体3cの表面に多数の突起17を形成したものである。球状の弾性体3cの底部には取付部3aとしてのピン(図示省略)が設けられており、ストレッチ補助具1に設けられている第2の被取付部4又は脚羽根8に設けられている被取付部4に形成された孔(図示省略)にピンを挿入することでつぼ押し具3が取り付けられている。ただし、ストレッチ補助具1の取り付け手段としては、必ずしもピンと孔によるものではなく、他の手段によって取り付けるようにしても良い。また、必ずしもストレッチ補助具1と脚羽根8の両方に球状のつぼ押し具3を取り付ける必要はなく、いずれか一方でも良い。また、この例では、握り部1bの座6の前端に対応する位置および背もたれ7の上端に対応する位置に球状のつぼ押し具3を取り付けていたが、取付位置はこれらの位置に限るものではなく、他の位置に取り付けるようにしても良い。さらに、左右の握り部1bに球状のつぼ押し具3を2個ずつ取り付けていたが、取り付ける個数は2個ずつに限るものではなく、1個ずつでも良く、あるいは3個以上ずつでも良い。また、2本の脚羽根8につぼ押し具3を取り付けていたが、つぼ押し具3を取り付ける脚羽根8の本数は2本に限るものではなく、1本又は3本以上でも良い。さらに、ストレッチ補助具1および脚羽根8以外の部材、例えば座6の側面や背もたれ7の側面等につぼ押し具3を取り付けるようにしても良い。
【0059】
また、上述の説明では、椅子の座6や背もたれ7の左右に対となるストレッチ補助具1を取り付けるようにしていたが、左右のいずれか一方にのみストレッチ補助具1を取り付けるようにしても良い。また、座6の左右のいずれか一方にのみストレッチ補助具1を取り付けた場合には、図3に示すように、他方に肘掛け21を取り付けるようにしても良い。
【0060】
また、上述の説明では、肘掛け21を取り付ける被取付部を被取付部5として利用して座6用のストレッチ補助具1を取り付けるようにしていたが、座6用のストレッチ補助具1を取り付けるための専用の被取付部5を肘掛け21用の被取付部とは別に設け、この専用の被取付部5に座6用のストレッチ補助具1を取り付けるようにしても良い。即ち、ストレッチ補助具1と肘掛け21の両方を併用するようにしても良い。
【0061】
また、上述の説明では、ストレッチ補助具1とつぼ押し具3とを共通の被取付部5に一緒に取り付けるようにしていたが、ストレッチ補助具1用の被取付部(第1の被取付部2)とつぼ押し具3用の被取付部(第2の被取付部4)とを別々に設け、ストレッチ補助具1とつぼ押し具3とを別々に取り付けるようにしても良い。即ち、ストレッチ補助具1が取り付けられる第1の被取付部2とつぼ押し具3が取り付けられる第2の被取付部4を別々に設けても良い。
【0062】
また、上述の説明では、ストレッチ補助具1やつぼ押し具3の取付手段としてねじ9を使用していが、ねじ9に限るものではない。例えば、つぼ押し具3を袋状に作成し、椅子の背もたれ7あるいは座6に被せるようにして取り付けることも可能である。
【0063】
また、上述の説明のヘッドレスト16は突起17を有するものであるが、このようなヘッドレスト16に代えて、突起17を有していない通常のヘッドレストにストレッチ補助具1を取り付けるようにしても良い。また、突起17を有していない通常のヘッドレストにつぼ押し具3を取り付けるようにしても良い。
【0064】
また、例えば図14に示すように、握り部1bに着座者のつぼを刺激する突起17を設けるようにしても良い。この場合には、ストレッチ運動を行ないながら掌のつぼを刺激して指圧効果も一緒に得ることができる。
【0065】
また、身体支持面18のサイズに応じて伸縮可能なサイズ調整部22を設けても良い。この例を図15に示す。この例では、シート状部材19の両端にサイズ調整部22を設けている。ただし、サイズ調整部22としてはこれに限るものではなく、例えば薄肉部19aをゴム状に設けることでサイズ調整部22としても良い。本実施形態のサイズ調整部22は例えば伸縮可能なゴム状部材で形成されている。ただし、サイズ調整を可能にするものであればゴム状部材に限るものではない。取付部3aは、サイズ調整部22に形成されている。サイズ調整部22を設けることで、身体支持面18のサイズに合わせてシート状部材19の長さを調整することができるので、身体支持面18のサイズ別にシート状部材19を作る必要がなくなり、製造コストの増加を抑えることができると共に、汎用性を高めることができる。
【0066】
さらに、上述の説明では、ストレッチ補助具1とつぼ押し具3を椅子とは別体にして取り付け・取り外しを可能にしていたが、ストレッチ補助具1やつぼ押し具3を椅子と一体的に設けるようにしても良い。即ち、握り部1bを椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良く、突起17を椅子の座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良い。また、握り部1bを座6、背もたれ7、ヘッドレスト16のうち少なくともいずれか一つに一体成形すると共に、突起17を座6、背もたれ7、ヘッドレスト16、脚羽根8のうち少なくともいずれか一つに一体成形しても良い。握り部1bや突起17を一体成形することで、別々に形成して取り付ける場合に比べて、製造コストを安くすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 椅子用ストレッチ補助具
1a 椅子用ストレッチ補助具の取付部
1b 椅子用ストレッチ補助具の握り部
2 第1の被取付部
3 椅子用つぼ押し具
3a 椅子用つぼ押し具の取付部
4 第2の被取付部
5 共通の被取付部
6 座
7 背もたれ
8 脚羽根
16 ヘッドレスト
17 突起
18 身体支持面
19 シート状部材
21 肘掛け
22 サイズ調整部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子への取付部と、椅子から突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部とを備えることを特徴とする椅子用ストレッチ補助具。
【請求項2】
前記取付部は、前記椅子の座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けられるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具。
【請求項3】
前記取付部は、前記椅子の肘掛けに代えて前記肘掛けの被取付部に取り付けられるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具。
【請求項4】
前記握り部に着座者のつぼを刺激する突起が設けられていることを特徴とする請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具。
【請求項5】
椅子への取付部と、着座者のつぼを刺激する突起を備えることを特徴とする椅子用つぼ押し具。
【請求項6】
前記椅子の身体支持面に被されるシート状部材を備え、前記突起は前記シート状部材に設けられていることを特徴とする請求項5記載の椅子用つぼ押し具。
【請求項7】
前記身体支持面のサイズに応じて伸縮可能なサイズ調整部を備えることを特徴とする請求項6記載の椅子用つぼ押し具。
【請求項8】
前記取付部は、前記椅子の座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けられるものであることを特徴とする請求項5記載の椅子用つぼ押し具。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、前記椅子用ストレッチ補助具の前記取付部が取り付けられる被取付部を備えることを特徴とする椅子。
【請求項10】
請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、前記椅子用つぼ押し具の前記取付部が取り付けられる被取付部を備えることを特徴とする椅子。
【請求項11】
請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、前記椅子用ストレッチ補助具が取り付けられる第1の被取付部と、請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、前記椅子用つぼ押し具が取り付けられる第2の被取付部を備えることを特徴とする椅子。
【請求項12】
前記第1の被取付部と前記第2の被取付部は共通のものであり、前記椅子用つぼ押し具の前記取付部は、前記椅子用ストレッチ補助具の前記取付部と一緒に取り付けられていることを特徴とする請求項11記載の椅子。
【請求項13】
前面に着座者の頭のつぼを刺激する突起が設けられているヘッドレストを備えることを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載の椅子。
【請求項14】
突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部が、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形されていることを特徴とする椅子。
【請求項15】
着座者のつぼを刺激する突起が、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形されていることを特徴とする椅子。
【請求項16】
突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部が、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形されていると共に、着座者のつぼを刺激する突起が、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形されていることを特徴とする椅子。
【請求項1】
椅子への取付部と、椅子から突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部とを備えることを特徴とする椅子用ストレッチ補助具。
【請求項2】
前記取付部は、前記椅子の座、背もたれ、ヘッドレストのいずれかに取り付けられるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具。
【請求項3】
前記取付部は、前記椅子の肘掛けに代えて前記肘掛けの被取付部に取り付けられるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具。
【請求項4】
前記握り部に着座者のつぼを刺激する突起が設けられていることを特徴とする請求項1記載の椅子用ストレッチ補助具。
【請求項5】
椅子への取付部と、着座者のつぼを刺激する突起を備えることを特徴とする椅子用つぼ押し具。
【請求項6】
前記椅子の身体支持面に被されるシート状部材を備え、前記突起は前記シート状部材に設けられていることを特徴とする請求項5記載の椅子用つぼ押し具。
【請求項7】
前記身体支持面のサイズに応じて伸縮可能なサイズ調整部を備えることを特徴とする請求項6記載の椅子用つぼ押し具。
【請求項8】
前記取付部は、前記椅子の座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のいずれかに取り付けられるものであることを特徴とする請求項5記載の椅子用つぼ押し具。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、前記椅子用ストレッチ補助具の前記取付部が取り付けられる被取付部を備えることを特徴とする椅子。
【請求項10】
請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、前記椅子用つぼ押し具の前記取付部が取り付けられる被取付部を備えることを特徴とする椅子。
【請求項11】
請求項1から4のいずれか一つに記載の椅子用ストレッチ補助具と、前記椅子用ストレッチ補助具が取り付けられる第1の被取付部と、請求項5から8のいずれか一つに記載の椅子用つぼ押し具と、前記椅子用つぼ押し具が取り付けられる第2の被取付部を備えることを特徴とする椅子。
【請求項12】
前記第1の被取付部と前記第2の被取付部は共通のものであり、前記椅子用つぼ押し具の前記取付部は、前記椅子用ストレッチ補助具の前記取付部と一緒に取り付けられていることを特徴とする請求項11記載の椅子。
【請求項13】
前面に着座者の頭のつぼを刺激する突起が設けられているヘッドレストを備えることを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載の椅子。
【請求項14】
突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部が、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形されていることを特徴とする椅子。
【請求項15】
着座者のつぼを刺激する突起が、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形されていることを特徴とする椅子。
【請求項16】
突出し着座者がストレッチ運動時に掴むことが可能な握り部が、座、背もたれ、ヘッドレストのうち少なくともいずれか一つに一体成形されていると共に、着座者のつぼを刺激する突起が、座、背もたれ、ヘッドレスト、脚羽根のうち少なくともいずれか一つに一体成形されていることを特徴とする椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−172450(P2010−172450A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17668(P2009−17668)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】
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