椅子
【課題】座が支持リンクを介して下降動する椅子において、構造の単純化を図る。
【解決手段】椅子は支持ベース6と座2とを備えている。座2は、変形容易な合成樹脂製インナーシェルと、その下方に配置した合成樹脂製アウターシェル2bとを備えており、両者はねじ止めやスナップ係合によって一体になっている。アウターシェル2bには左右一対ずつの軸受け部9,15が一体に形成されており、軸受け部9,15に支持リンク7,14の上部が左右横長の連結軸10,16で連結されている。フロント支持リンク7の下端は支持ベース6に第1支軸8で連結されており、リア支持リンク14の下端部は駆動軸42で揺動フレーム11に連結されている。
【解決手段】椅子は支持ベース6と座2とを備えている。座2は、変形容易な合成樹脂製インナーシェルと、その下方に配置した合成樹脂製アウターシェル2bとを備えており、両者はねじ止めやスナップ係合によって一体になっている。アウターシェル2bには左右一対ずつの軸受け部9,15が一体に形成されており、軸受け部9,15に支持リンク7,14の上部が左右横長の連結軸10,16で連結されている。フロント支持リンク7の下端は支持ベース6に第1支軸8で連結されており、リア支持リンク14の下端部は駆動軸42で揺動フレーム11に連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、座の構成部材に合成樹脂製のインナーシェルとアウターシェルが備えられた椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば事務用等のロッキング椅子において、座を合成樹脂製のインナーシェルとアウターシェルとが備えられた構成として、インナーシェルの上面にクッションを張ることが広く行われている(例えば特許文献1,2)。
【0003】
座を構成するインナーシェルとアウターシェルとのうち、インナーシェルはクッション性を高めることを主眼に製造されていて撓み変形し易くなっているが、アウターシェルは高い強度を保持させて強度メンバーとして機能させることが可能である。そして、アウターシェルを部材の取付けに兼用することが行われており、その例として従来は、特許文献1,2に記載されているように、肘掛け装置を取付けたり昇降操作用レバーを取付けたりしている。
【特許文献1】特開平11−056516号公報
【特許文献2】特開平11−309040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
座はその下方に配置された部材に取付けられているが、例えば座が背もたれの後傾動に連動して後傾しつつ後退するシンクロタイプの椅子では、座と揺動フレームとの間に金属製の中間部材(中間金具)を配置して、中間部材を左右横長の支軸にて座と揺動フレームとに連結し、座は中間部材に固定していることが多い。この場合もアウターシェルを設けることがあり、この場合のアウターシェルはカバーとしての意味合いが強い。しかし、中間部材とアウターシェルとを併設するのは不経済になる場合がある。
【0005】
他方、本願出願人は、人が座に深く腰掛けなくてもランバーサポート機能が発揮される椅子として、特願2005−237660号において、人が着座すると座が下降してこの座の下降に連動して背もたれの全体又はランバーサポート部が前進動するという画期的な椅子を提案しており、着座によって座を下降させる手段の一例として、座を前後一対ずつの後傾式支持リンクで支持することを開示したが、この場合も、例えば部材を共通化できると好ましい。
【0006】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、座を支軸で支持してなる椅子において、座の好適な取付け構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、座と背もたれとを備えており、前記座は、その下方に配置したシートサポート材に左右横長の連結軸で連結されている、という椅子を対象とするものであり、請求項1の発明では、前記座は、樹脂製のインナーシェルとその下方に配置された樹脂製のアウターシェルとを備えており、インナーシェルにはクッションが張られている一方、前記アウターシェルには、前記連結軸が嵌まる軸受け部を一体に設けている。
【0008】
請求項2の発明は請求項1を具体化したものであり、この発明では、椅子は、請求項1に加えて更に、脚支柱の上端に固定した支持ベースと、前記支持ベースに後傾動自在に連結された揺動フレームと、前記揺動フレームの後傾動を弾性的に支持するロッキング用ばねとを備えている。
【0009】
そして、請求項2では、前記背もたれは揺動フレームに取付けられている一方、前記シートサポート材は前後に隔てて左右一対ずつ配置されたフロント支持リンクとリア支持リンクであり、フロント支持リンクは前記支持ベースに後傾動可能に連結され、リア支持リンクは揺動フレーム又は支持ベースに後傾動可能に連結されており、このため、人が着座すると背もたれは後傾せずに座のみが後退しつつ下降することが許容されている。
【発明の効果】
【0010】
本願発明では、シートサポート材で座を支持するにおいて、座を構成するアウターシェルに形成した軸受け部に連結軸が貫通しているため、中間金具のような別の部材を必要とせず、このため、コストを抑制し得る。更に述べると、金属板製の中間部材(中間金具)を使用すると、板金加工に手間がかかるが、アウターシェルは樹脂製品であって軸受け部は一体成形されるため、加工の手間を格段に省くことができるのである。また、アウターシェルにカバーとしての機能も発揮させ得るため体裁も良くすることが可能である。
【0011】
更に、アウターシェルでインナーシェルを支持するにおいて、インナーシェルのうち周囲を除いた部分とアウターシェルとの間に空間を空けることにより、着座によってインナーシェルを沈むように撓み変形(伸び変形)させてクッション性を高めることも可能であり、このようにアウターシェルを高機能・多機能化させることができる。
【0012】
請求項2のように構成すると、座は支持リンクによってスムースに後退動するため、先願発明のように着座によって背もたれのランバーサポート部が前進動する椅子に適用すると、着座によってランバーサポート部(背もたれ)を的確に前進させることができる。また、着座によって背もたれが前進しない構成も採用可能であり、この場合も、着座した人は背もたれに近づくように移動するため、自動的に深掛けさせる傾向を呈する利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は事務用等の回転椅子に適用している。
【0014】
(1).椅子の概略
まず、主として図1〜図7に基づいて椅子の概略を説明する。図1は椅子の全体的な斜視図、図2のうち(A)は椅子の正面図、(B)は椅子の側面図、図3は椅子の背面図、図4は椅子の部分平面図、図5は座の支持手段を示す一部破断分離側面図、図6は図5のVI−VI視分離平面図、図7のうち(A)はベースの部分斜視図、(B)は支持リンク機構を構成する部材の分離斜視図、(C)は座を取り付けた状態での図5のVIIC-VIIC 視断面図である。
【0015】
椅子は、脚1と座2と背もたれ3とを備えている。脚1は、水平状に延びる枝足4の群と脚支柱(ガスシリンダ)5とを備えており、脚支柱5の上端には上向きに開口した金属板製のベース6が取り付けられている。図5や図7(C)に示すように、座2は、上面にクッションが張られた合成樹脂製の座インナーシェル(座板)2aと、その下方に配置したアウターシェル2bとを備えており、座インナーシェル2aの上面にはクッション2cを張っている。座インナーシェル2aとアウターシェル2bとは平面視でほぼ重なり合う形状になっている。
【0016】
図示していないが、インナーシェル2aはその左右両側縁の複数箇所(例えば前後2箇所ずつで合計4箇所)がアウターシェル2bにねじ止めによって固定されている(勿論、係合爪を利用して取付けも可能である。)また、インナーシェル2aとアウターシェル2bとの間には、ねじによる取付け箇所を除いた大部分に隙間が空いている。このため、インナーシェル2aは着座荷重によって下向き凹状に沈み込み変形することが許容されている。
【0017】
図7(C)に明瞭に示すように、座2の前寄り部分は、左右のフロントリンク7と左右横長の第1支軸8とを介してベース6に連結されている。座インナーシェル2aの前部には、フロント支持リンク7を左右両側から挟む左右一対ずつのフロント軸受け部9が一体に形成されており、フロント軸受け部9とフロント支持リンク7はフロント連結軸10によって相対回動可能に連結されている。座2は正面視で上向き凹状に緩く凹んでいる。
【0018】
ベース6の左右両側には、側面視後傾姿勢でかつベース6の後方に延びる左右一対の揺動フレーム11が配置されており、左右揺動フレーム11の後端に背面視略四角形のバックフレーム12が固定されている(バックフレーム12は請求項1に記載した背支持体の一例である。)。この場合、図11や図15に示すように、揺動フレーム11の後端にボス部11cを設けて、このボス部11cをバックフレーム12に設けた穴(図示せず)に嵌め込んでいる。
【0019】
なお、揺動フレーム11とバックフレーム12とを総称して背支持フレームと呼ぶことも可能である。また、揺動フレーム11とバックフレーム12とは一体構造とすることも可能であり、更に、バックフレーム12は背支柱と言い換えることも可能である。
【0020】
揺動フレーム11は、その前端部を中心にして後傾動するようにベース6の後部に第2支軸13で連結されている。そして、座2の後部と揺動フレーム11とは左右一対のリア支持リンク14を介して相対回動可能に連結されている。人が着座していないニュートラル状態でフロント支持リンク7及びリア支持リンク14を側面視でやや後傾姿勢になっており、このため、人が着座すると支持リンク7,14が後傾し、これに伴って座2は側面視での姿勢を殆ど変えることなく下降しつつ後退する(或いは斜め後方にスライドする)。なお、両支持リンク7,14は金属製とするのが好ましい。
【0021】
座インナーシェル2aの後部には、リア支持リンク14を左右から挟む左右一対のリア軸受け部15が一体に形成されており、リア軸受け部15とリア支持リンク14とは左右長手のリア連結軸16で連結されている。フロント支持リンク7とリア支持リンク14とは平行リンク機構になっている。リア支持リンク14と揺動フレーム11との関係については後述する。
【0022】
フロント連結軸10とリア連結軸16とは軸受け部9,15に左右外側からの挿入によって嵌まっているため、支持リンク7,14は抜け不能に保持されている。図7(C)に示すように、フロント連結軸10はボルト(六角穴付きソケットボルト)を代用しており、樹脂製又は金属製のブッシュ10aを介して軸受け部9に嵌め込んでおり、更に、奥側の軸受け部9の奥側に設けたポケット部9aにナット10bを嵌め込んで、このナット10bにフロント連結軸10をねじ込み固定している。リア連結軸16の箇所も同じ構造である。
【0023】
フロント軸受け部9及びリア軸受け部15とも、アウターシェル2bのうち左右両端寄りの部位に配置されている。これは、座2のインナーシェル2a及びアウターシェル2bの端部に着座荷重が大きなモーメントとして作用することを防止するためであり、端的には、座2を安定良く支持するためである。他方、支持ベース6の左右横幅は座2の左右横幅寸法よりは相当に小さく(例えば1/2.5〜1/3。)。そこで、前後の支持リンク7,14は、正面視で支持ベース6に取り付く部分から斜め上向きに延びるように略角状の形態になっている。
【0024】
背もたれ3は、柔軟性を持った樹脂製の背もたれ板17のみで構成されている。従って、本実施形態では背もたれ3と背もたれ板17とは同義になる。背もたれ板17の前面と後面とには多数の縦長リブ18,19が略等しい間隔で形成されている。背もたれ板17は上下各部位とも平面視で前向き凹状に緩く湾曲している。また、非着座状態において背もたれ板17の下端は座2の近くに位置しており、かつ、背もたれ板17の下部は側面視で前向き凸状に緩い曲率で湾曲したランバーサポート部17aになっている。
【0025】
背もたれ板17は、その上端部はバックフレーム12に離反不能に取り付けられており、他方、ランバーサポート部17aの頂点部は第5連動リンク20に連結され、ランバーサポート部17aの下端部は第4連動リンク21に連結されており、座2が下降及び後退するとランバーサポート部17aは大きく前進動する。第4連動リンク21及び第5連動リンク20は、座2の下降動を背もたれ板3におけるランバーサポート部17aの前進動に変換する連動装置の一部を構成している。
【0026】
図6に示す符号22は、第1支軸8と揺動フレーム11とを同期して連動させるための連結金具である。詳細は省略するが、連結金具22の後端には左右横長の軸が取付けられており、この軸が左右の揺動フレーム11に嵌め込まれている。
【0027】
(2).ベースの周辺部の詳細
まず、主として図5〜図7に基づいてベース6を中心にした部分の構成を説明する。既述のとおりベース6は上向きに開口した箱状に形成されており、その内部でかつ後部に補強ブラケット25が固着されており、ベース6と補強ブラケット25とに固着したブッシュ26(図5参照)に脚支柱5の上端を嵌着している。
【0028】
ベース6の左右側板の前部には、第1支軸8が略前後方向にスライド自在に嵌まる側面視角形の長穴27が空いている。長穴27には樹脂製のブッシュ28が空いている。ブッシュ28には軸受け体(スライダー)29が外側から回転不能でスライド自在に嵌まっており、左右の軸受け体29に第1支軸8が嵌まっており、第1支軸8はビス30で軸受け体29に固定されている。軸受け体29は金属製又は樹脂製である。
【0029】
ベース6の内部には左右2個のロッキング用ばね(圧縮コイルばね)31が前後方向に延びる姿勢で配置されており、軸8には前ばね受け32が後方から嵌め込まれており、他方、前記補強ブラケット25には、固定式後部ばね受け33を支える受け壁25aが形成されている。操作ロッド34に設けたハンドル34a(図2(A)参照)を回転操作するとロッキング用ばね31の初期弾性力が変化する。
【0030】
フロント支持リンク7は水平状の筒状部7aを備えており、筒状部7aに既述の軸受け体29が嵌まり込んでいる。図7(B)に示すように、軸受け体29は、ブッシュ28に回転不能でスライド自在に嵌まる角形部29aと、フロント支持リンク7の筒部7aに回転可能に入り込む小径円筒部29bとを備えている。また、小径円筒部29bの付け根箇所には、小径円筒部29bと間隔を空けた状態で外向きに延びる一対のストッパー部29cが形成されている。
【0031】
一対のストッパー部29cは軸心を挟んだ両側に配置されており、フロント支持リンク7の筒状部7aには、ストッパー部29cがある程度の角度(例えば50〜55度程度)だけ回動することを許容する円弧状溝35(図7(C)参照)が形成されている。そして、軸受け体29の小径円筒部29bに、戻し用ばね36を嵌め込んでいる。戻し用ばね36はねじりばねであり、放射方向に延びる一端36aは一つのストッパー部29cに当接し、軸心方向に延びる他端36bはフロント支持リンク7の筒状部7aに形成したストッパー穴37に嵌め入れている。ストッパー穴37は戻し用ばね36の他端部36bが円周方向に移動しないように非環状に形成されている。
【0032】
人が着座するとフロント支持リンク7は戻し用ばね36の弾性力に抗して後傾動し、人が椅子から立つと、フロント支持リンク7は戻し用ばね36の弾性力によって元の姿勢に復帰する。本実施形態のように戻し用ばね36をフロント支持リンク7に内蔵すると、コンパクト化すると共に、組み立てが容易になる利点がある。勿論、フロント支持リンク7及び座2をニュートラル状態に戻すためのばね手段の配置場所や種類は必要に応じて任意に選択できる。例えば圧縮コイルばねを座2の下面とベース6との間に配置するといったことも可能である。
【0033】
支持リンク7,14は正面視で斜め外向きに傾斜した姿勢で上向きに延びている。これは、ベース6の左右幅寸法が座2の左右幅寸法よりも相当に小さいことから、座2を安定した状態に支持するためである。座2はその左右両端に近い部分が支持リンク7,14で支持されているため、人が着座すると下向き凹状に撓み変形することが許容されている。この撓み変形によって座2にクッション性が付与されている。
【0034】
例えば図6に示すように、揺動フレーム11はブッシュ38を介してベース6の側板に嵌まっている。第2支軸13は、ビスやスナップリング(図示せず)によって揺動フレーム11に抜け不能に保持されている。揺動フレーム11の前端部には、外向きに開口した前後長手の張り出し部11aが形成されている。この張り出し部11aは肘掛け装置(図示せず)を取り付けるためのものである。なお、揺動フレーム11はアルミダイキャスト製品のような金属製である。勿論、板金製品や樹脂成形品を採用することも可能である。更に、左右の揺動フレーム11をその後端において一体に連結すること(すなわち、左右の揺動フレーム11を一体品に製造すること)も可能である。
【0035】
(3).連動装置の詳細
次に、連動装置の詳細を図8〜図14に基づいて説明する。図8は連動装置を構成する部材の分離斜視図、図9は連動装置を構成する部材を中心にした一部破断分離平面図、図10のうち(A)は連動装置を構成する部材の一部破断分離平面図、(B)は(A)のB−B視分離断面図、(C)はばねを組み込んだ状態での(A)のC−C視断面図、図11は連動装置を構成する部材を中心とした平断面図、図12は連動装置を構成する部材を中心とした一部破断分離側面図、図13のうち(A)は図11のXIII-XIII 視断面図、(B)は図11のXIIIB-XIIIB 視断面図、(C)は図11のXIIIC-XIIIC 視断面図、(D)は(C)のD−D視断面図、図14は連動装置の動きを示す縦断側面図である。
【0036】
例えば図8に示すように、本実施形態の連動装置は、上向きに開口した金属製で箱状の受け部材41と、左右のリア支持リンク14に相対回転不能に嵌まった角形の駆動軸42と、駆動軸42に相対回転不能に嵌まった左右一対の第1連動リンク43と、第1連動リンク43に第1ピン45を介して連結された第2連動リンク46と、第2連動リンク46に第2ピン47を介して連結された第3連動リンク48と、第3連動リンク48の上下中途部に相対回動可能に連結された第4連動リンク21と、第3連動リンク48の上端部に相対回動可能に連結された第5連動リンク20とを備えている。
【0037】
第4連動リンク21と第5連動リンク20とは既述している。本実施形態では、第1〜第5連動リンクによって連動リンク機構が構成されている。第2連動リンク46は金属板製で天板46aと左右の側板46bとを備えており、天板46aの下方には連動用ばね49が配置されている。この連動用ばね49も連動装置の一部を構成している。以下、各構成部材の詳細を説明する。
【0038】
例えば図8や図13(A)に示すように、受け部材41は、左右の張り出し部41aが高くなっていて正断面視で段違い状の形状になっており、左右の張り出し部41aを揺動フレーム11の内向き張り出し部11bにビス50(或いはボルト)で固定している。また、受け部材41を構成する左右側板41bの前端部は丸穴が空いた軸受け部41b′になっており、この軸受け部41b′にブッシュ52を介してリア支持リンク14の小径筒部14aが相対回転可能に嵌め入れられている。
【0039】
リア支持リンク14は、外観においてはフロント支持リンク7と似ているが、下記のような特有の構造を持っている。まず、例えば図13(D)に明示するようにリア支持リンク14には既述の駆動軸42が相対回転不能に嵌まっており、駆動軸42はビス53によってリア支持リンク14に抜け不能に保持されている。次に、リア支持リンク14は、揺動フレーム11に形成した円弧状の上向き凹所54に重なる重合部14bを備えており、この重合部14bに、揺動フレーム11に当接して回動範囲を規制するストッパー部14cが形成されている。
【0040】
次に、第1連動リンク43を説明する。第1連動リンク43の先端部には、第1連動ピン45に嵌まる切り開き溝43aが形成されている。また、第1連動リンク43の片面には、樹脂製の保護部材55が重なっている。例えば図10(A)に示すように、保護部材55は第1連動リンク43に被さっており、かつ、第1連動リンク43の切り開き溝43aに対応して先端部は二股状になっている。このため、第1連動リンク43と第2連動リンク46とが連動して回動するに際して金属音が発生することはない。
【0041】
第1連動リンク43は駆動軸42に嵌まる角穴が空いているが、図10(B)に示すように、保護部材55には、駆動軸42に上方から嵌合する下向き溝56が形成されている。従って、保護部材55は着脱が容易である。なお、第1連動リンク43は溶接等によって駆動軸42にずれ不能に固定しておくのが好ましい。
【0042】
例えば図11や図13(B)から容易に理解できるように、第2連動リンク46の後端部は受け部材41に支軸57で連結されている。また、第2連動リンク46を構成する左右側板46bは前向き延長部46cを有しており、前向き延長部46cに形成した長穴58に第1ピン45がスライド自在に嵌まっている。なお、長穴58には袋状の樹脂製ブッシュ46dが装着されている(例えば図10(B)参照。図面によってはブッシュ46dを省略しているものもある。)。
【0043】
第1ピン45に第1連動リンク43の切り開き溝43aが嵌まっているのは既述のとおりである。第1連動リンク43が下向きに回動すると、第2連動リンク46は支軸57を中心にして、前端部が下方に移動するように前傾動(下向き回動)する。なお、図13(B)から理解できるように、第1連動リンク43は、受け部材41の底面に当たることで回動範囲が規制されている。
【0044】
第2連動リンク46の天板46aには下向き片59が切り起こしによって形成されており、下向き片59と一方の側板46bとにピン60を介して筒体61を取り付け、筒体61に連動用ばね49が外側から嵌まっている(なお、図9及び図10(A)と図8とでは、下向き片59を形成するための穴の位置を左右逆に表示している。)。連動用ばね49はねじりばねであり、一端部49aと他端部49bとはともにコイルの接線方向に延びている。そして、例えば図13(B)に明示するように、連動用ばね49の一端部49aは第2連動リンク46の天板46aに下方から当接している。
【0045】
他方、第3連動リンク48は、前記した支軸57によって受け部材41における左右側板41bの後部に連結されており、かつ、第3連動リンク48の下端には前向き突出部48aが形成されており、連動用ばね49の他端部49bが第3連動リンク48の前向き突出部48aに上方から当接している。また、図13(B)に明示するように、第3連動リンク48の前向き突出部48aには下向きに開口した凹所62が形成されており、第2連動リンク46の左右側板46bに架け渡したストッパーピン63に凹所62が嵌まっている。
【0046】
例えば図14に示すよう、第4連結リンク21の後端は第3連動リンク64の上下中途部にピン64で連結されており、また、第4連動リンク21の前端は、背もたれ板17の下端部のうち左右中心線寄りに設けたブラケット部65にピンで連結されている。第5連動リンク20の左右中間部には後ろ向きブラケット部67を一体に形成しており、この後ろ向きブラケット部67が第3連動リンク48の上端部にピン68で連結されている。更に、第5連動リンク20の左右両端には前向きブラケット部69が一体に形成されており、この前向きブラケット部69と背もたれ板17に後ろ向き突設したサイドブラケット部70とがピン71で連結されている。
【0047】
第2連動リンク46が下向きに回動すると、第3連動リンク48は支軸59を中心にして前傾動する。そして、第3連動リンク48の前向き突出部48aは連動用ばね49で押さえられているに過ぎないため、前傾動した第3連動リンク48は連動用ばね49の弾性に抗して独自に後傾動(戻り回動)し得る。また、第3連動リンク48は前傾動せずに、第2連動リンク46のみが下向きに回動することも可能である。
【0048】
(4).操作レバーの補足説明
次に、図1〜図3に戻って、操作レバーを補足説明しておく。座2を構成するアウターシェル2bのうち着座から見て左左側部(右側部でも良い)には、脚支柱5のロックを解除するための昇降用レバー74を取付けている。また、着座者を基準にして右側のリア連結軸16には、背もたれ3の後傾動を規制するロッキングロック装置を操作するためのロッキング用レバー75を取付けており、他方、着座者を基準にして左側のリア連結軸16には、ランバーサポート部3aの前進動を規制するランバーロック装置を操作するためのランバー用バー76を取付けている。
【0049】
詳細は省略するが、各レバー74,75,76にはチューブに挿入されたワイヤーの端部が連結されている。背もたれ3は、例えば、人がもたれ掛かっていないニュートラル状態から最大後傾状態まで全ストロークの範囲で自在に後傾し得るフルフリー状態と、ニュートラル状態から全ストロークの半分程度までの範囲で傾動し得るセミフリー状態と、ニュートラル状態で後傾不能なロック状態との三態様に切り替えできる。また、ランバーサポート部17aは前進可能な状態と前進しない状態との2つの態様に切り替えられる。
【0050】
(5).まとめ
図14から理解できるように、人が着座すると前後の支持リンク7,14が後傾動して座2は下降しつつ後退し、すると、リア支持リンク14の後傾動に連動して駆動軸42が回転することによって第1連動リンク43が後傾動し、第1連動リンク43の回動が第2連動リンク46及び連動用ばね49を介して第35連動リンク48に伝達され、第3連動リンク48が前傾する。これにより、背もたれ板17のランバーサポート部17aが前進動する。本実施形態は、座2の後退寸法は50mm程度、ランバーサポート部17aの前進寸法は50〜100mm程度に設定している(勿論この数値は一例であり、必要に応じて任意に設定できる。)。
【0051】
揺動フレーム11及びバックフレーム12は人が着座しただけでは後傾しないため、背もたれ板17の上端部は前後移動不能に保持されている。そして、第4連動リンク21及び第5連動リンク20が回動することにより、背もたれ板17のランバーサポート部17aが前進動することが可能ならしめられている(ランバーサポート部17aの前進動に際して背もたれ3の上端を下向きスライド又は前進させることも可能である。)。
【0052】
そして、アウターシェル2bに形成した軸受け部9,15に支持リンク7,14を連結するものであるため、別途金具を設ける必要がなくて経済的である。着座した人が背もたれ3にもたれ掛かると、背もたれ3(及び座2)はロッキング用ばね36を押し縮めながら後傾する。
【0053】
なお、本実施形態のように座が下降動する場合、座の下降動に対して抵抗を付与するダンパー手段を設けるのが好ましい。例えば第1連動リンク43や第2連動リンク46等の連動リンクの回動に抵抗を付与することが挙げられる。駆動軸42に例えばロータリーダンパーで抵抗を付与することも可能である。これにより、座2をストンを下降させずにじんわりと下降させることができる。なお、ダンパーは、座2の下降時には強い抵抗が作用して座の上昇時(戻り時)には抵抗が小さくなる構造のものが好ましく、従って、オイルダンパーが適している。更に、本実施形態のように連結軸16にレバー75,76を取り付けると、レバー75,76の取付け構造を単純化できる利点がある。
【0054】
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、支持ベースに受けた支持部と座のアウターシェルと連結軸で連結することも可能である(この場合、座を支持ベースに対して後傾動及び/又は前後動し得る状態に連結して座を背もたれにシンクロさせることも可能である)。
【0055】
アウターシェルに左右一対の軸受け部を設けている場合、1本の連結軸を左右軸受け部に通すことも可能である。軸受け部の態様は必要に応じて任意に設定することができ、例えば中央部と左右両側部との3箇所に1セットの軸受け部群を形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態に係る椅子の全体的な斜視図である。
【図2】(A)椅子の正面図、(B)は椅子の側面図である。
【図3】椅子の背面図である。
【図4】椅子の部分平面図である。
【図5】座の支持手段を示す一部破断分離側面図である。
【図6】図5のVI−VI視分離平面図である。
【図7】(A)はベースの部分斜視図、(B)は第1リンク機構を構成する部材の分離斜視図、(C)は座を取り付けた状態での図5のVIIC-VIIC 視断面図である。
【図8】連動装置を構成する部材の分離斜視図である。
【図9】連動装置を構成する部材を中心にした一部破断分離平面図である。
【図10】(A)は連動装置を構成する部材の一部破断分離平面図、(B)は(A)のB−B視分離断面図、(C)はばねを組み込んだ状態での(A)のC−C視断面図である。
【図11】連動装置を構成する部材を中心とした平断面図である。
【図12】連動装置を構成する部材を中心とした一部破断分離側面図である。
【図13】(A)は図11のXIII-XIII 視断面図、(B)は図11のXIIIB-XIIIB 視断面図、(C)は図11のXIIIC-XIIIC 視断面図、(D)は(C)のD−D視断面図である。
【図14】連動装置の動きを示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 脚
2 座
3 背もたれ
6 ベース
7,14 シートサポート材の一例としての支持リンク
8 第1支軸
9 フロント軸受け部
10 フロント連結軸
11 揺動フレーム
12 バックフレーム
13 第2支軸
15 リア軸受け部
16 リア連結軸
17 背もたれ板
【技術分野】
【0001】
本願発明は、座の構成部材に合成樹脂製のインナーシェルとアウターシェルが備えられた椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば事務用等のロッキング椅子において、座を合成樹脂製のインナーシェルとアウターシェルとが備えられた構成として、インナーシェルの上面にクッションを張ることが広く行われている(例えば特許文献1,2)。
【0003】
座を構成するインナーシェルとアウターシェルとのうち、インナーシェルはクッション性を高めることを主眼に製造されていて撓み変形し易くなっているが、アウターシェルは高い強度を保持させて強度メンバーとして機能させることが可能である。そして、アウターシェルを部材の取付けに兼用することが行われており、その例として従来は、特許文献1,2に記載されているように、肘掛け装置を取付けたり昇降操作用レバーを取付けたりしている。
【特許文献1】特開平11−056516号公報
【特許文献2】特開平11−309040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
座はその下方に配置された部材に取付けられているが、例えば座が背もたれの後傾動に連動して後傾しつつ後退するシンクロタイプの椅子では、座と揺動フレームとの間に金属製の中間部材(中間金具)を配置して、中間部材を左右横長の支軸にて座と揺動フレームとに連結し、座は中間部材に固定していることが多い。この場合もアウターシェルを設けることがあり、この場合のアウターシェルはカバーとしての意味合いが強い。しかし、中間部材とアウターシェルとを併設するのは不経済になる場合がある。
【0005】
他方、本願出願人は、人が座に深く腰掛けなくてもランバーサポート機能が発揮される椅子として、特願2005−237660号において、人が着座すると座が下降してこの座の下降に連動して背もたれの全体又はランバーサポート部が前進動するという画期的な椅子を提案しており、着座によって座を下降させる手段の一例として、座を前後一対ずつの後傾式支持リンクで支持することを開示したが、この場合も、例えば部材を共通化できると好ましい。
【0006】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、座を支軸で支持してなる椅子において、座の好適な取付け構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、座と背もたれとを備えており、前記座は、その下方に配置したシートサポート材に左右横長の連結軸で連結されている、という椅子を対象とするものであり、請求項1の発明では、前記座は、樹脂製のインナーシェルとその下方に配置された樹脂製のアウターシェルとを備えており、インナーシェルにはクッションが張られている一方、前記アウターシェルには、前記連結軸が嵌まる軸受け部を一体に設けている。
【0008】
請求項2の発明は請求項1を具体化したものであり、この発明では、椅子は、請求項1に加えて更に、脚支柱の上端に固定した支持ベースと、前記支持ベースに後傾動自在に連結された揺動フレームと、前記揺動フレームの後傾動を弾性的に支持するロッキング用ばねとを備えている。
【0009】
そして、請求項2では、前記背もたれは揺動フレームに取付けられている一方、前記シートサポート材は前後に隔てて左右一対ずつ配置されたフロント支持リンクとリア支持リンクであり、フロント支持リンクは前記支持ベースに後傾動可能に連結され、リア支持リンクは揺動フレーム又は支持ベースに後傾動可能に連結されており、このため、人が着座すると背もたれは後傾せずに座のみが後退しつつ下降することが許容されている。
【発明の効果】
【0010】
本願発明では、シートサポート材で座を支持するにおいて、座を構成するアウターシェルに形成した軸受け部に連結軸が貫通しているため、中間金具のような別の部材を必要とせず、このため、コストを抑制し得る。更に述べると、金属板製の中間部材(中間金具)を使用すると、板金加工に手間がかかるが、アウターシェルは樹脂製品であって軸受け部は一体成形されるため、加工の手間を格段に省くことができるのである。また、アウターシェルにカバーとしての機能も発揮させ得るため体裁も良くすることが可能である。
【0011】
更に、アウターシェルでインナーシェルを支持するにおいて、インナーシェルのうち周囲を除いた部分とアウターシェルとの間に空間を空けることにより、着座によってインナーシェルを沈むように撓み変形(伸び変形)させてクッション性を高めることも可能であり、このようにアウターシェルを高機能・多機能化させることができる。
【0012】
請求項2のように構成すると、座は支持リンクによってスムースに後退動するため、先願発明のように着座によって背もたれのランバーサポート部が前進動する椅子に適用すると、着座によってランバーサポート部(背もたれ)を的確に前進させることができる。また、着座によって背もたれが前進しない構成も採用可能であり、この場合も、着座した人は背もたれに近づくように移動するため、自動的に深掛けさせる傾向を呈する利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は事務用等の回転椅子に適用している。
【0014】
(1).椅子の概略
まず、主として図1〜図7に基づいて椅子の概略を説明する。図1は椅子の全体的な斜視図、図2のうち(A)は椅子の正面図、(B)は椅子の側面図、図3は椅子の背面図、図4は椅子の部分平面図、図5は座の支持手段を示す一部破断分離側面図、図6は図5のVI−VI視分離平面図、図7のうち(A)はベースの部分斜視図、(B)は支持リンク機構を構成する部材の分離斜視図、(C)は座を取り付けた状態での図5のVIIC-VIIC 視断面図である。
【0015】
椅子は、脚1と座2と背もたれ3とを備えている。脚1は、水平状に延びる枝足4の群と脚支柱(ガスシリンダ)5とを備えており、脚支柱5の上端には上向きに開口した金属板製のベース6が取り付けられている。図5や図7(C)に示すように、座2は、上面にクッションが張られた合成樹脂製の座インナーシェル(座板)2aと、その下方に配置したアウターシェル2bとを備えており、座インナーシェル2aの上面にはクッション2cを張っている。座インナーシェル2aとアウターシェル2bとは平面視でほぼ重なり合う形状になっている。
【0016】
図示していないが、インナーシェル2aはその左右両側縁の複数箇所(例えば前後2箇所ずつで合計4箇所)がアウターシェル2bにねじ止めによって固定されている(勿論、係合爪を利用して取付けも可能である。)また、インナーシェル2aとアウターシェル2bとの間には、ねじによる取付け箇所を除いた大部分に隙間が空いている。このため、インナーシェル2aは着座荷重によって下向き凹状に沈み込み変形することが許容されている。
【0017】
図7(C)に明瞭に示すように、座2の前寄り部分は、左右のフロントリンク7と左右横長の第1支軸8とを介してベース6に連結されている。座インナーシェル2aの前部には、フロント支持リンク7を左右両側から挟む左右一対ずつのフロント軸受け部9が一体に形成されており、フロント軸受け部9とフロント支持リンク7はフロント連結軸10によって相対回動可能に連結されている。座2は正面視で上向き凹状に緩く凹んでいる。
【0018】
ベース6の左右両側には、側面視後傾姿勢でかつベース6の後方に延びる左右一対の揺動フレーム11が配置されており、左右揺動フレーム11の後端に背面視略四角形のバックフレーム12が固定されている(バックフレーム12は請求項1に記載した背支持体の一例である。)。この場合、図11や図15に示すように、揺動フレーム11の後端にボス部11cを設けて、このボス部11cをバックフレーム12に設けた穴(図示せず)に嵌め込んでいる。
【0019】
なお、揺動フレーム11とバックフレーム12とを総称して背支持フレームと呼ぶことも可能である。また、揺動フレーム11とバックフレーム12とは一体構造とすることも可能であり、更に、バックフレーム12は背支柱と言い換えることも可能である。
【0020】
揺動フレーム11は、その前端部を中心にして後傾動するようにベース6の後部に第2支軸13で連結されている。そして、座2の後部と揺動フレーム11とは左右一対のリア支持リンク14を介して相対回動可能に連結されている。人が着座していないニュートラル状態でフロント支持リンク7及びリア支持リンク14を側面視でやや後傾姿勢になっており、このため、人が着座すると支持リンク7,14が後傾し、これに伴って座2は側面視での姿勢を殆ど変えることなく下降しつつ後退する(或いは斜め後方にスライドする)。なお、両支持リンク7,14は金属製とするのが好ましい。
【0021】
座インナーシェル2aの後部には、リア支持リンク14を左右から挟む左右一対のリア軸受け部15が一体に形成されており、リア軸受け部15とリア支持リンク14とは左右長手のリア連結軸16で連結されている。フロント支持リンク7とリア支持リンク14とは平行リンク機構になっている。リア支持リンク14と揺動フレーム11との関係については後述する。
【0022】
フロント連結軸10とリア連結軸16とは軸受け部9,15に左右外側からの挿入によって嵌まっているため、支持リンク7,14は抜け不能に保持されている。図7(C)に示すように、フロント連結軸10はボルト(六角穴付きソケットボルト)を代用しており、樹脂製又は金属製のブッシュ10aを介して軸受け部9に嵌め込んでおり、更に、奥側の軸受け部9の奥側に設けたポケット部9aにナット10bを嵌め込んで、このナット10bにフロント連結軸10をねじ込み固定している。リア連結軸16の箇所も同じ構造である。
【0023】
フロント軸受け部9及びリア軸受け部15とも、アウターシェル2bのうち左右両端寄りの部位に配置されている。これは、座2のインナーシェル2a及びアウターシェル2bの端部に着座荷重が大きなモーメントとして作用することを防止するためであり、端的には、座2を安定良く支持するためである。他方、支持ベース6の左右横幅は座2の左右横幅寸法よりは相当に小さく(例えば1/2.5〜1/3。)。そこで、前後の支持リンク7,14は、正面視で支持ベース6に取り付く部分から斜め上向きに延びるように略角状の形態になっている。
【0024】
背もたれ3は、柔軟性を持った樹脂製の背もたれ板17のみで構成されている。従って、本実施形態では背もたれ3と背もたれ板17とは同義になる。背もたれ板17の前面と後面とには多数の縦長リブ18,19が略等しい間隔で形成されている。背もたれ板17は上下各部位とも平面視で前向き凹状に緩く湾曲している。また、非着座状態において背もたれ板17の下端は座2の近くに位置しており、かつ、背もたれ板17の下部は側面視で前向き凸状に緩い曲率で湾曲したランバーサポート部17aになっている。
【0025】
背もたれ板17は、その上端部はバックフレーム12に離反不能に取り付けられており、他方、ランバーサポート部17aの頂点部は第5連動リンク20に連結され、ランバーサポート部17aの下端部は第4連動リンク21に連結されており、座2が下降及び後退するとランバーサポート部17aは大きく前進動する。第4連動リンク21及び第5連動リンク20は、座2の下降動を背もたれ板3におけるランバーサポート部17aの前進動に変換する連動装置の一部を構成している。
【0026】
図6に示す符号22は、第1支軸8と揺動フレーム11とを同期して連動させるための連結金具である。詳細は省略するが、連結金具22の後端には左右横長の軸が取付けられており、この軸が左右の揺動フレーム11に嵌め込まれている。
【0027】
(2).ベースの周辺部の詳細
まず、主として図5〜図7に基づいてベース6を中心にした部分の構成を説明する。既述のとおりベース6は上向きに開口した箱状に形成されており、その内部でかつ後部に補強ブラケット25が固着されており、ベース6と補強ブラケット25とに固着したブッシュ26(図5参照)に脚支柱5の上端を嵌着している。
【0028】
ベース6の左右側板の前部には、第1支軸8が略前後方向にスライド自在に嵌まる側面視角形の長穴27が空いている。長穴27には樹脂製のブッシュ28が空いている。ブッシュ28には軸受け体(スライダー)29が外側から回転不能でスライド自在に嵌まっており、左右の軸受け体29に第1支軸8が嵌まっており、第1支軸8はビス30で軸受け体29に固定されている。軸受け体29は金属製又は樹脂製である。
【0029】
ベース6の内部には左右2個のロッキング用ばね(圧縮コイルばね)31が前後方向に延びる姿勢で配置されており、軸8には前ばね受け32が後方から嵌め込まれており、他方、前記補強ブラケット25には、固定式後部ばね受け33を支える受け壁25aが形成されている。操作ロッド34に設けたハンドル34a(図2(A)参照)を回転操作するとロッキング用ばね31の初期弾性力が変化する。
【0030】
フロント支持リンク7は水平状の筒状部7aを備えており、筒状部7aに既述の軸受け体29が嵌まり込んでいる。図7(B)に示すように、軸受け体29は、ブッシュ28に回転不能でスライド自在に嵌まる角形部29aと、フロント支持リンク7の筒部7aに回転可能に入り込む小径円筒部29bとを備えている。また、小径円筒部29bの付け根箇所には、小径円筒部29bと間隔を空けた状態で外向きに延びる一対のストッパー部29cが形成されている。
【0031】
一対のストッパー部29cは軸心を挟んだ両側に配置されており、フロント支持リンク7の筒状部7aには、ストッパー部29cがある程度の角度(例えば50〜55度程度)だけ回動することを許容する円弧状溝35(図7(C)参照)が形成されている。そして、軸受け体29の小径円筒部29bに、戻し用ばね36を嵌め込んでいる。戻し用ばね36はねじりばねであり、放射方向に延びる一端36aは一つのストッパー部29cに当接し、軸心方向に延びる他端36bはフロント支持リンク7の筒状部7aに形成したストッパー穴37に嵌め入れている。ストッパー穴37は戻し用ばね36の他端部36bが円周方向に移動しないように非環状に形成されている。
【0032】
人が着座するとフロント支持リンク7は戻し用ばね36の弾性力に抗して後傾動し、人が椅子から立つと、フロント支持リンク7は戻し用ばね36の弾性力によって元の姿勢に復帰する。本実施形態のように戻し用ばね36をフロント支持リンク7に内蔵すると、コンパクト化すると共に、組み立てが容易になる利点がある。勿論、フロント支持リンク7及び座2をニュートラル状態に戻すためのばね手段の配置場所や種類は必要に応じて任意に選択できる。例えば圧縮コイルばねを座2の下面とベース6との間に配置するといったことも可能である。
【0033】
支持リンク7,14は正面視で斜め外向きに傾斜した姿勢で上向きに延びている。これは、ベース6の左右幅寸法が座2の左右幅寸法よりも相当に小さいことから、座2を安定した状態に支持するためである。座2はその左右両端に近い部分が支持リンク7,14で支持されているため、人が着座すると下向き凹状に撓み変形することが許容されている。この撓み変形によって座2にクッション性が付与されている。
【0034】
例えば図6に示すように、揺動フレーム11はブッシュ38を介してベース6の側板に嵌まっている。第2支軸13は、ビスやスナップリング(図示せず)によって揺動フレーム11に抜け不能に保持されている。揺動フレーム11の前端部には、外向きに開口した前後長手の張り出し部11aが形成されている。この張り出し部11aは肘掛け装置(図示せず)を取り付けるためのものである。なお、揺動フレーム11はアルミダイキャスト製品のような金属製である。勿論、板金製品や樹脂成形品を採用することも可能である。更に、左右の揺動フレーム11をその後端において一体に連結すること(すなわち、左右の揺動フレーム11を一体品に製造すること)も可能である。
【0035】
(3).連動装置の詳細
次に、連動装置の詳細を図8〜図14に基づいて説明する。図8は連動装置を構成する部材の分離斜視図、図9は連動装置を構成する部材を中心にした一部破断分離平面図、図10のうち(A)は連動装置を構成する部材の一部破断分離平面図、(B)は(A)のB−B視分離断面図、(C)はばねを組み込んだ状態での(A)のC−C視断面図、図11は連動装置を構成する部材を中心とした平断面図、図12は連動装置を構成する部材を中心とした一部破断分離側面図、図13のうち(A)は図11のXIII-XIII 視断面図、(B)は図11のXIIIB-XIIIB 視断面図、(C)は図11のXIIIC-XIIIC 視断面図、(D)は(C)のD−D視断面図、図14は連動装置の動きを示す縦断側面図である。
【0036】
例えば図8に示すように、本実施形態の連動装置は、上向きに開口した金属製で箱状の受け部材41と、左右のリア支持リンク14に相対回転不能に嵌まった角形の駆動軸42と、駆動軸42に相対回転不能に嵌まった左右一対の第1連動リンク43と、第1連動リンク43に第1ピン45を介して連結された第2連動リンク46と、第2連動リンク46に第2ピン47を介して連結された第3連動リンク48と、第3連動リンク48の上下中途部に相対回動可能に連結された第4連動リンク21と、第3連動リンク48の上端部に相対回動可能に連結された第5連動リンク20とを備えている。
【0037】
第4連動リンク21と第5連動リンク20とは既述している。本実施形態では、第1〜第5連動リンクによって連動リンク機構が構成されている。第2連動リンク46は金属板製で天板46aと左右の側板46bとを備えており、天板46aの下方には連動用ばね49が配置されている。この連動用ばね49も連動装置の一部を構成している。以下、各構成部材の詳細を説明する。
【0038】
例えば図8や図13(A)に示すように、受け部材41は、左右の張り出し部41aが高くなっていて正断面視で段違い状の形状になっており、左右の張り出し部41aを揺動フレーム11の内向き張り出し部11bにビス50(或いはボルト)で固定している。また、受け部材41を構成する左右側板41bの前端部は丸穴が空いた軸受け部41b′になっており、この軸受け部41b′にブッシュ52を介してリア支持リンク14の小径筒部14aが相対回転可能に嵌め入れられている。
【0039】
リア支持リンク14は、外観においてはフロント支持リンク7と似ているが、下記のような特有の構造を持っている。まず、例えば図13(D)に明示するようにリア支持リンク14には既述の駆動軸42が相対回転不能に嵌まっており、駆動軸42はビス53によってリア支持リンク14に抜け不能に保持されている。次に、リア支持リンク14は、揺動フレーム11に形成した円弧状の上向き凹所54に重なる重合部14bを備えており、この重合部14bに、揺動フレーム11に当接して回動範囲を規制するストッパー部14cが形成されている。
【0040】
次に、第1連動リンク43を説明する。第1連動リンク43の先端部には、第1連動ピン45に嵌まる切り開き溝43aが形成されている。また、第1連動リンク43の片面には、樹脂製の保護部材55が重なっている。例えば図10(A)に示すように、保護部材55は第1連動リンク43に被さっており、かつ、第1連動リンク43の切り開き溝43aに対応して先端部は二股状になっている。このため、第1連動リンク43と第2連動リンク46とが連動して回動するに際して金属音が発生することはない。
【0041】
第1連動リンク43は駆動軸42に嵌まる角穴が空いているが、図10(B)に示すように、保護部材55には、駆動軸42に上方から嵌合する下向き溝56が形成されている。従って、保護部材55は着脱が容易である。なお、第1連動リンク43は溶接等によって駆動軸42にずれ不能に固定しておくのが好ましい。
【0042】
例えば図11や図13(B)から容易に理解できるように、第2連動リンク46の後端部は受け部材41に支軸57で連結されている。また、第2連動リンク46を構成する左右側板46bは前向き延長部46cを有しており、前向き延長部46cに形成した長穴58に第1ピン45がスライド自在に嵌まっている。なお、長穴58には袋状の樹脂製ブッシュ46dが装着されている(例えば図10(B)参照。図面によってはブッシュ46dを省略しているものもある。)。
【0043】
第1ピン45に第1連動リンク43の切り開き溝43aが嵌まっているのは既述のとおりである。第1連動リンク43が下向きに回動すると、第2連動リンク46は支軸57を中心にして、前端部が下方に移動するように前傾動(下向き回動)する。なお、図13(B)から理解できるように、第1連動リンク43は、受け部材41の底面に当たることで回動範囲が規制されている。
【0044】
第2連動リンク46の天板46aには下向き片59が切り起こしによって形成されており、下向き片59と一方の側板46bとにピン60を介して筒体61を取り付け、筒体61に連動用ばね49が外側から嵌まっている(なお、図9及び図10(A)と図8とでは、下向き片59を形成するための穴の位置を左右逆に表示している。)。連動用ばね49はねじりばねであり、一端部49aと他端部49bとはともにコイルの接線方向に延びている。そして、例えば図13(B)に明示するように、連動用ばね49の一端部49aは第2連動リンク46の天板46aに下方から当接している。
【0045】
他方、第3連動リンク48は、前記した支軸57によって受け部材41における左右側板41bの後部に連結されており、かつ、第3連動リンク48の下端には前向き突出部48aが形成されており、連動用ばね49の他端部49bが第3連動リンク48の前向き突出部48aに上方から当接している。また、図13(B)に明示するように、第3連動リンク48の前向き突出部48aには下向きに開口した凹所62が形成されており、第2連動リンク46の左右側板46bに架け渡したストッパーピン63に凹所62が嵌まっている。
【0046】
例えば図14に示すよう、第4連結リンク21の後端は第3連動リンク64の上下中途部にピン64で連結されており、また、第4連動リンク21の前端は、背もたれ板17の下端部のうち左右中心線寄りに設けたブラケット部65にピンで連結されている。第5連動リンク20の左右中間部には後ろ向きブラケット部67を一体に形成しており、この後ろ向きブラケット部67が第3連動リンク48の上端部にピン68で連結されている。更に、第5連動リンク20の左右両端には前向きブラケット部69が一体に形成されており、この前向きブラケット部69と背もたれ板17に後ろ向き突設したサイドブラケット部70とがピン71で連結されている。
【0047】
第2連動リンク46が下向きに回動すると、第3連動リンク48は支軸59を中心にして前傾動する。そして、第3連動リンク48の前向き突出部48aは連動用ばね49で押さえられているに過ぎないため、前傾動した第3連動リンク48は連動用ばね49の弾性に抗して独自に後傾動(戻り回動)し得る。また、第3連動リンク48は前傾動せずに、第2連動リンク46のみが下向きに回動することも可能である。
【0048】
(4).操作レバーの補足説明
次に、図1〜図3に戻って、操作レバーを補足説明しておく。座2を構成するアウターシェル2bのうち着座から見て左左側部(右側部でも良い)には、脚支柱5のロックを解除するための昇降用レバー74を取付けている。また、着座者を基準にして右側のリア連結軸16には、背もたれ3の後傾動を規制するロッキングロック装置を操作するためのロッキング用レバー75を取付けており、他方、着座者を基準にして左側のリア連結軸16には、ランバーサポート部3aの前進動を規制するランバーロック装置を操作するためのランバー用バー76を取付けている。
【0049】
詳細は省略するが、各レバー74,75,76にはチューブに挿入されたワイヤーの端部が連結されている。背もたれ3は、例えば、人がもたれ掛かっていないニュートラル状態から最大後傾状態まで全ストロークの範囲で自在に後傾し得るフルフリー状態と、ニュートラル状態から全ストロークの半分程度までの範囲で傾動し得るセミフリー状態と、ニュートラル状態で後傾不能なロック状態との三態様に切り替えできる。また、ランバーサポート部17aは前進可能な状態と前進しない状態との2つの態様に切り替えられる。
【0050】
(5).まとめ
図14から理解できるように、人が着座すると前後の支持リンク7,14が後傾動して座2は下降しつつ後退し、すると、リア支持リンク14の後傾動に連動して駆動軸42が回転することによって第1連動リンク43が後傾動し、第1連動リンク43の回動が第2連動リンク46及び連動用ばね49を介して第35連動リンク48に伝達され、第3連動リンク48が前傾する。これにより、背もたれ板17のランバーサポート部17aが前進動する。本実施形態は、座2の後退寸法は50mm程度、ランバーサポート部17aの前進寸法は50〜100mm程度に設定している(勿論この数値は一例であり、必要に応じて任意に設定できる。)。
【0051】
揺動フレーム11及びバックフレーム12は人が着座しただけでは後傾しないため、背もたれ板17の上端部は前後移動不能に保持されている。そして、第4連動リンク21及び第5連動リンク20が回動することにより、背もたれ板17のランバーサポート部17aが前進動することが可能ならしめられている(ランバーサポート部17aの前進動に際して背もたれ3の上端を下向きスライド又は前進させることも可能である。)。
【0052】
そして、アウターシェル2bに形成した軸受け部9,15に支持リンク7,14を連結するものであるため、別途金具を設ける必要がなくて経済的である。着座した人が背もたれ3にもたれ掛かると、背もたれ3(及び座2)はロッキング用ばね36を押し縮めながら後傾する。
【0053】
なお、本実施形態のように座が下降動する場合、座の下降動に対して抵抗を付与するダンパー手段を設けるのが好ましい。例えば第1連動リンク43や第2連動リンク46等の連動リンクの回動に抵抗を付与することが挙げられる。駆動軸42に例えばロータリーダンパーで抵抗を付与することも可能である。これにより、座2をストンを下降させずにじんわりと下降させることができる。なお、ダンパーは、座2の下降時には強い抵抗が作用して座の上昇時(戻り時)には抵抗が小さくなる構造のものが好ましく、従って、オイルダンパーが適している。更に、本実施形態のように連結軸16にレバー75,76を取り付けると、レバー75,76の取付け構造を単純化できる利点がある。
【0054】
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、支持ベースに受けた支持部と座のアウターシェルと連結軸で連結することも可能である(この場合、座を支持ベースに対して後傾動及び/又は前後動し得る状態に連結して座を背もたれにシンクロさせることも可能である)。
【0055】
アウターシェルに左右一対の軸受け部を設けている場合、1本の連結軸を左右軸受け部に通すことも可能である。軸受け部の態様は必要に応じて任意に設定することができ、例えば中央部と左右両側部との3箇所に1セットの軸受け部群を形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態に係る椅子の全体的な斜視図である。
【図2】(A)椅子の正面図、(B)は椅子の側面図である。
【図3】椅子の背面図である。
【図4】椅子の部分平面図である。
【図5】座の支持手段を示す一部破断分離側面図である。
【図6】図5のVI−VI視分離平面図である。
【図7】(A)はベースの部分斜視図、(B)は第1リンク機構を構成する部材の分離斜視図、(C)は座を取り付けた状態での図5のVIIC-VIIC 視断面図である。
【図8】連動装置を構成する部材の分離斜視図である。
【図9】連動装置を構成する部材を中心にした一部破断分離平面図である。
【図10】(A)は連動装置を構成する部材の一部破断分離平面図、(B)は(A)のB−B視分離断面図、(C)はばねを組み込んだ状態での(A)のC−C視断面図である。
【図11】連動装置を構成する部材を中心とした平断面図である。
【図12】連動装置を構成する部材を中心とした一部破断分離側面図である。
【図13】(A)は図11のXIII-XIII 視断面図、(B)は図11のXIIIB-XIIIB 視断面図、(C)は図11のXIIIC-XIIIC 視断面図、(D)は(C)のD−D視断面図である。
【図14】連動装置の動きを示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 脚
2 座
3 背もたれ
6 ベース
7,14 シートサポート材の一例としての支持リンク
8 第1支軸
9 フロント軸受け部
10 フロント連結軸
11 揺動フレーム
12 バックフレーム
13 第2支軸
15 リア軸受け部
16 リア連結軸
17 背もたれ板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と背もたれとを備えており、前記座は、その下方に配置したシートサポート材に左右横長の連結軸で連結されている、
という椅子であって、
前記座は、樹脂製のインナーシェルとその下方に配置された樹脂製のアウターシェルとを備えており、インナーシェルにはクッションが張られている一方、前記アウターシェルには、前記連結軸が嵌まる軸受け部を一体に設けている、
椅子。
【請求項2】
更に、脚支柱の上端に固定した支持ベースと、前記支持ベースに後傾動自在に連結された揺動フレームと、前記揺動フレームの後傾動を弾性的に支持するロッキング用ばねとを備えており、前記背もたれは揺動フレームに取付けられている一方、前記シートサポート材は前後に隔てて左右一対ずつ配置されたフロント支持リンクとリア支持リンクであり、フロント支持リンクは前記支持ベースに後傾動可能に連結され、リア支持リンクは揺動フレーム又は支持ベースに後傾動可能に連結されており、このため、人が着座すると背もたれは後傾せずに座のみが後退しつつ下降することが許容されている、
請求項1に記載した椅子。
【請求項1】
座と背もたれとを備えており、前記座は、その下方に配置したシートサポート材に左右横長の連結軸で連結されている、
という椅子であって、
前記座は、樹脂製のインナーシェルとその下方に配置された樹脂製のアウターシェルとを備えており、インナーシェルにはクッションが張られている一方、前記アウターシェルには、前記連結軸が嵌まる軸受け部を一体に設けている、
椅子。
【請求項2】
更に、脚支柱の上端に固定した支持ベースと、前記支持ベースに後傾動自在に連結された揺動フレームと、前記揺動フレームの後傾動を弾性的に支持するロッキング用ばねとを備えており、前記背もたれは揺動フレームに取付けられている一方、前記シートサポート材は前後に隔てて左右一対ずつ配置されたフロント支持リンクとリア支持リンクであり、フロント支持リンクは前記支持ベースに後傾動可能に連結され、リア支持リンクは揺動フレーム又は支持ベースに後傾動可能に連結されており、このため、人が着座すると背もたれは後傾せずに座のみが後退しつつ下降することが許容されている、
請求項1に記載した椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−80091(P2008−80091A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354783(P2006−354783)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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