植え込み可能なセンサのための送達器具
孔を有するテザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システム。システムはコネクタを備え、コネクタは、上面、下面、コネクタから基端方向に延びるレール、およびテザー保持特徴部を受け入れて、開口に平行な平面における植え込み可能な医療器具に対するコネクタの相対移動を低減する寸法の開口を含む。テザーは、テザー保持特徴部の孔に嵌入できる寸法を有する。テザーは、テザーがテザー保持特徴部の孔内にあるときに、コネクタの下面を植え込み可能な医療器具の近傍に保持するように、コネクタの上面に対して作用する。テザー保持特徴部を含む植え込み可能な医療器具を送達するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植え込み可能な医療器具を体内に固定するための医療器具および方法に関する。より詳細には、本発明は、送達および展開の間、植え込み可能な医療器具を着脱可能に連結するための送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するための、かつ/または治療的機能を提供するための、患者の体内に植え込むことができる医療器具が知られている。例えば、体温、血圧、負荷、流量、化学的特性、電気的特性、磁性的特性等、様々な特性を監視するために、センサまたはトランスデューサを体内に留置することができる。さらに、薬物送達、心臓ペーシング、除細動、電気刺激等、1つまたは複数の治療的機能を実施する医療器具を植え込むこともできる。
【0003】
特に重要なパラメータの1つが血圧である。1つまたは複数の植え込み可能な圧力感知モジュールを心調律管理(CRM)装置とともに使用して、CRM装置の設定の最適化を容易にすることができる。そのようなシステムでは、圧力感知モジュールを経静脈的に標的血管(例えば、肺動脈)へ送達し、様々な固定法を使用して血管内に固定する。感知モジュールを正確に留置することは、所望のパラメータの正確かつ高精度な測定における重要な要因の一つである。さらに、いくつかの状況では、植え込み可能なセンサモジュールを、最初に展開した後に配置し直す、あるいは、センサを患者から完全に除去することが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、植え込み可能な医療器具を患者の体内に正確に送達および展開するための装置および方法が必要とされている。特に、センサを所望の植え込み部位で正確に展開しやすくするために、植え込み可能なセンサと着脱可能に係合するための機構が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、孔を有するテザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムである。該システムは、上面と、下面と、コネクタから基端方向に延びるレールと、テザー保持特徴部を受け入れて、開口に平行な平面における植え込み可能な医療器具に対するコネクタの相対移動を低減する寸法の開口とを有するコネクタを含む。テザーは、テザー保持特徴部の孔と嵌合する寸法である。テザーは、テザーがテザー保持特徴部の孔内にあるときには、コネクタの下面を植え込み可能な医療器具の近傍に保持するように、コネクタの上面に対して作用する。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、テザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムである。該システムは、コネクタを植え込み可能な医療器具に対して着脱可能に連結するように、テザー保持特徴部とテザー保持特徴部に嵌入可能な寸法のテザーとを受け入れる寸法を有した開口を備えるコネクタを含む。
【0007】
別の実施形態では、本発明は、テザー保持特徴部を含む植え込み可能な医療器具を送達する方法である。該方法は、テザー保持特徴部をコネクタの開口へ挿入することを含む。テザーをテザー保持特徴部に挿入することによって、コネクタが、植え込み可能な医療器具に対して着脱可能に連結される。植え込み可能な医療器具が、患者の体内に配置される。植え込み可能な医療器具に連結されたアンカーを展開する。テザーをテザー保持特徴部の孔を通して摺動させることによって、コネクタを、植え込み可能な医療器具から解放する。次いでコネクタを取り外す。
【0008】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかとなろう。したがって、図面および詳細な説明は、例示的な性質のものであって限定的な性質のものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による、図示された実施形態では植え込み可能なセンサアセンブリである植え込み可能な医療器具を、心臓の肺動脈内の植え込み部位へ送達するための送達システムの概略図。
【図2】図1の送達システムの先端部の一部破断斜視図。
【図3】図1の送達システムの内側部材および保持要素の先端部の部分断面図。
【図4】図1の送達システムの内側部材および保持要素の先端部の部分断面図。
【図5】図1の送達システムの内側部材および保持要素の先端部の部分断面図。
【図6】本発明の別の実施形態による、植え込み可能なセンサの送達システムの先端部の一部破断図。
【図7】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図8】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図9】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図10】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図11】本発明の別の実施形態による、植え込み可能な医療器具のための送達システムの先端部を示す図。
【図12】本発明の別の実施形態による、植え込み可能な医療器具のための送達システムの先端部を示す図。
【図13】本発明のさらに別の実施形態による、植え込み可能な医療器具のための送達システムの先端部を示す図。
【図14A】本発明の一実施形態による、図11〜13の送達システムと併せて使用するように適合された内側部材を示す図。
【図14B】本発明の一実施形態による、図11〜13の送達システムと併せて使用するように適合された内側部材を示す図。
【図15】図11〜13の送達システムを使用する例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は様々な改変形態および代替形態に修正可能であるが、図面の例を使用して特定の実施形態を示しており、以下で詳細な説明を行う。しかし、本発明は、説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれるすべての改変物、均等物、および代替物を包含するものである。
【0011】
図1は、図示された実施形態では植え込み可能なセンサアセンブリ12である植え込み可能な医療器具を、心臓20の肺動脈16内の標的植え込み部位に送達するための、本発明の一実施形態による送達システム10を示す。図示されているように、心臓20は一般に、上大静脈22、右心房24、右心室26、心室中隔28、右心室流出路30、左心室32および左心房34を含む。図示されているように、右心室流出路30は肺動脈16へとつながっており、肺動脈16は肺動脈弁38によって右心室26と隔てられている。
【0012】
送達システム10は、患者の体外の場所から標的植え込み部位まで患者の脈管を通って進むことができる寸法(すなわち、長さおよび直径)を有する。図示された実施形態では、送達システム10は、植え込み可能なセンサアセンブリ12を主肺動脈16内へ送達するために、上大静脈22から心臓20に入り、右心房24および右心室流出路30を通って延びる。このような実施形態では、当技術分野で知られている方法により、送達システム10を経静脈的に心臓20まで進ませることができる。例えば、良く知られているように、送達システム10は、皮膚を切開して、左鎖骨下静脈、腋窩静脈、左内頚静脈または左外頚静脈、左腕頭静脈へと進ませて、患者の脈管系に挿入することができ、あるいは大腿アプローチによって挿入することができる。様々な実施形態において、送達システム10を使用して、植え込み可能なセンサアセンブリ12を肺動脈16の分枝(例えば、右肺動脈または左肺動脈、図示せず)へ送達することができる。別の実施形態では、送達システム10を使用して、植え込み可能なセンサアセンブリを患者の脈管系の他の領域へ送達することができる。
【0013】
図1に示すように、送達システム10は、可撓性の長尺状外側カテーテル40、外側カテーテル40内に配設された可撓性の長尺状内側部材44、および内側部材44内に配設され、センサアセンブリ12と着脱可能に係合する可撓性の長尺状保持要素48を含む。外側カテーテル40は、基端56および先端60を含む。外側カテーテル40は、内側部材44が中に配設される少なくとも1つのルーメン(図1には図示せず)を含むことが理解されよう。以下で詳細に説明するように、送達システム10、および本発明の他の実施形態は、センサアセンブリ12の植え込み部位について正確な制御を有利に実施する。さらに、本発明の送達システムによって、医師は、必要または所望に応じて、センサアセンブリ12を配置し直し、展開し直すことができる。
【0014】
センサアセンブリ12を標的植え込み部位で展開するために、外側カテーテル40および内側部材44は互いに対して相対移動可能であり、保持要素48は内側部材44に対して相対移動可能である。図示された実施形態では、送達システム10は、外側カテーテル40の基端56上にある制御機構64を含み、制御機構64は、少なくとも内側部材44に対して動作可能に連結される。制御機構64は、医師が少なくとも外側カテーテル40と内側部材44との間の相対移動を制御することができるように動作可能であり、いくつかの実施形態では、センサアセンブリ12を送達および展開するための保持要素48も制御することができるように動作可能である。制御機構64は、二重カテーテルシステムの内側カテーテルと外側カテーテルとの間の相対的な長手方向移動および/または回転動作を制御するための、既知のまたは後に開発された、機構または構造を含むことができる。例示的な一実施形態では、制御機構64は、医師が内側部材44を外側カテーテル40内で摺動させることができるように、内側部材44に対して動作可能に連結されたサムホイールを含む。
【0015】
外側カテーテル40は、患者の脈管系の標的植え込み部位にアクセスするための、当分野で既知のまたは後に開発された、任意のカテーテルとすることができる。外側カテーテル40の、材料を含む特定の設計および構造は、患者、特に植え込み可能なセンサアセンブリ12の選択された植え込み部位の要求事項に基づいて、決定されることが理解されよう。一実施形態では、外側カテーテル40は、肺動脈16またはその分枝にアクセスするように構成されたカテーテルである。一実施形態では、バルーンカテーテルを静脈系へと挿入して肺動脈16から心臓20へと流入する血流の中に入れる、スワンガンツ法を使用して、外側カテーテル40を、肺動脈内に配置されたガイドワイヤ上を通って肺動脈16へと進入させることができる。
【0016】
図1に示すように、センサアセンブリ12は、植え込み可能なセンサ70およびセンサ70に連結されたアンカー74を含む。以下でより詳細に説明するが、アンカー74は、センサアセンブリ12を送達システム10を介して所望の植え込み部位へと経静脈的に送達するための収束形態と、アンカー74が肺動脈16の内面76と係合する、図1に示す拡張形態とをとるように構成された、拡張可能な構造体である。
【0017】
センサ70は、1つまたは複数の生理学的測定値の測定を含むことができる、1つまたは複数の指定の機能を実施するように構成することができる。センサ70は、例えば、血圧、体温、血液または流体の流量、負荷、体内の電気的、化学的、または磁性的特性など、既知の生理学的パラメータを測定するように構成することができる。測定しようとする特定のパラメータ、したがってセンサアセンブリ12の植え込み部位は、患者の個別の治療上の必要性に基づいて決定される。例示的な一実施形態では、センサ70は、肺動脈16の血圧を測定するように構成することができる(図1に示す)。一実施形態では、センサ70はさらに、血圧データを保存するように、かつ/または、別の植え込まれた器具(例えば、ペースメーカなどの心調律管理器具、図示せず)および/もしくは患者の体外にある器具(例えば、モニタまたはプログラマ)に送信するように適合させてもよい。
【0018】
様々な実施形態において、センサ70は、外部器具または別の植え込み式医療器具(例えば、ペースメーカおよび/または除細動器)などの他の器具と、無線通信回線を介して通信するように構成される。様々なタイプの無線通信回路が当分野で知られており、使用することのできる無線通信の特定のタイプおよび/または様式は制限されない。例えば、超音波、音波通信、無線周波数通信等を使用することができる。一実施形態では、センサ70は、音響テレメトリ用に構成された音響送信機/受信機を含む。
【0019】
図2は、内側部材44の一部を切り欠いた、送達システム10の先端部の斜視図であり、センサアセンブリ12を送達するための保持要素48に対して着脱可能に連結された植え込み可能なセンサアセンブリ12をさらに示す。図2に示すように、外側カテーテル40は、内側部材44を摺動可能に受け入れる寸法を有するルーメン84を含み、先端側開口部88にて終端する。図2にさらに示すように、内側部材44は、先端側開口部96を有し、かつ、送達中にセンサアセンブリ12のアンカー74を収束形態に維持するようにセンサアセンブリ12を受け入れる寸法の内径および長さを有する、シースの形態の先端部92を含む。
【0020】
図2にさらに示すように、保持要素48は、先端106を有する本体102、先端106から先端側に延びる複数の変形可能なジョー部材110、および本体102上で摺動可能に配設された管状作動部材114(本体102を図示するため、破断図で示す)を含む。ジョー部材110は、センサ70の一部分と着脱可能に係合するためのセンサ係合構造として機能する。以下でより詳細に説明するが、ジョー部材110は、変形していない状態では径方向外側に元々付勢されており、作動部材114は、ジョー部材110をセンサアセンブリ12上に締め付けることによってセンサアセンブリ12と係合するように、ジョー部材110を径方向内側に付勢するように構成されている。
【0021】
図示された実施形態では、センサ70はその基端においてハブ116を含む。図示されているように、ハブ116は、保持要素48とセンサ70の能動的連結を促すようにジョー部材110と嵌合するように構成されている。別の実施形態では、センサ12に異なる係合特徴を含むことができる。別の実施形態では、ハブ116または他の係合特徴を省略することもできる。
【0022】
様々な実施形態では、保持要素48は、様々なセンサ係合構造を含むことができる。例えば、一実施形態では、保持要素48は先端にフックを有する長尺状テザーを含むことができ、フックはセンサ70上の開口またはループと係合するように構成される。別の実施形態では、さらに他のセンサ係合構造を組み込むことができる。さらに別の実施形態では、保持要素48は、単純に中実のまたは管状の構造であり(すなわち、ジョー部材110および作動部材114がない)、保持要素48を使用して、センサアセンブリ12を先端側に押すことができ、かつ/またはセンサアセンブリ12の基端側への移動を阻止することができる。
【0023】
内側部材44および保持要素48は、植え込み部位(例えば、図1に示す肺動脈16内の部位)から外側カテーテル40の基端56またはその付近まで基端側に延びるような寸法とされる。さらに、図2に示すように、外側カテーテル40を内側部材44に対して基端側に引き込むこと、あるいは、内側部材44を(その中に保持されたセンサアセンブリ12とともに)外側カテーテル40に対して先端側に前進させることができ、外側カテーテル40と干渉させずに内側部材44の先端側開口部96からセンサアセンブリ12を展開することができる。
【0024】
外側カテーテル40は、選択された植え込み可能なセンサアセンブリ12(または他の植え込み可能な器具)を収容することができる寸法を有し、センサアセンブリ12を上記のような経皮的アクセス部位を介して所望の植え込み部位へと経静脈的に送達するために十分な長さを有することが理解されよう。様々な例示的な実施形態において、外側カテーテル40は、サイズが6フレンチから20フレンチのガイドカテーテルとすることができる。例えばセンサアセンブリ12が肺動脈16内に植え込まれるように構成されるいくつかの実施形態では、外側カテーテル40のサイズは10フレンチから16フレンチとすることができる。
【0025】
内側部材44は、外側カテーテル40と実質的に同じまたは同一の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、内側部材44は、カテーテル等の分野では既知の、編み組み式の複合材の管から実質的に作製することができる。いくつかの実施形態では、内側部材44の先端部92は、例えば低デュロメータのPebaxなど、比較的低いデュロメータの材料から作製することができる。別の実施形態では、先端部92の内面は、内側部材44とセンサアセンブリ12が過度の摩擦を生じずに相対移動しやすくするために、生体適合性の潤滑性コーティングを含むことができる。
【0026】
保持要素48の形成材料として選択される材料は特に重要ではない。いくつかの実施形態では、本体102および/または作動部材114は、金属(例えば、ステンレス鋼)またはポリマー材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、ジョー部材110は、例えばニチノールまたは他の多くの形状記憶合金またはポリマーなど、形状記憶特性および/または超弾性特性を示す材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、保持要素48は、その先端または先端付近に、放射線不透過性マーカーを含むことができる。
【0027】
図3〜5は、本発明の一実施形態による、内側部材44からのセンサアセンブリ12の展開を示す、内側部材44および保持要素48の先端部の部分断面図である。図2に示すように、外側カテーテル40は、内側部材44に対して基端側に既に引き込まれていることが理解されよう。図3に示すように、センサアセンブリ12は、収束形態のアンカー74とともに、当初は完全に内側部材44の先端部92の内部に保持されている。図3にさらに示すように、保持要素48の作動部材114は、少なくとも一部がジョー部材110上に配置され、これによりジョー部材110をセンサ70の基端側ハブ116上に締め付けている。しかし、上記で説明したように、別の実施形態では、ジョー部材110は、センサアセンブリ12の他の係合特徴と係合することができる。あるいは、係合特徴を省略することもでき、ジョー部材110は、センサアセンブリ12の他の部分(例えば、センサ70のハウジングまたはアンカー74の一部分)と係合してもよい。
【0028】
図4では、センサアセンブリ12(または少なくともアンカー74)を内側部材44の先端部92から解放するように、内側部材44がセンサアセンブリ12に対して基端側に動かされている。内側部材44をそのように配置すると、アンカー74が標的血管(例えば肺動脈、図1を参照)の内面と摩擦係合するために拡張形態へと拡張し、センサアセンブリ12をその中に固定することができる。アンカー74は、既知の心血管ステントと同様のステント様構造を有する自己拡張アンカーとすることができる。あるいは、アンカー74は、他の手段によって(例えば、バルーンによって)拡張可能であってもよい。様々な実施形態において、アンカー74は、本発明の譲受人に譲渡された係属中の、2005年8月31日に出願された「DEVICES AND METHODS FOR POSITIONING AND ANCHORING IMPLANTABLE SENSOR DEVICES」という名称の米国特許出願第11/216,738号明細書、および2006年9月15日に出願された「ANCHOR FOR AN IMPLANTABLE SENSOR」という名称の米国仮特許出願第60/844,821号に開示されている、任意のアンカー構造とすることもできる。これら係属中の出願の内容はいずれも、参照によってその全体が本願明細書の一部を構成する。
【0029】
図4に示すように、保持要素48は、アンカー74を内側部材44の先端部92から展開した後もセンサアセンブリ12に連結した状態に維持することができる。これにより、センサアセンブリ12を、標的血管内部の別の場所、または所望であれば、患者の脈管系の別の領域に配置し直すことができる。例えば、センサ70が適切に機能していること、および/または選択された植え込み部位が適切であることを確認するために、センサ70に様々な診断的検査を実施することが望ましい場合がある。これに代えて、またはこれに加えて、医師は、保持要素48を解放する前に、センサアセンブリ12が植え込み部位に十分に固定されていることを確認したいと考える場合がある。特に、アンカー74が、本発明の譲受人に譲渡された係属中の「ANCHOR FOR AN IMPLANTABLE SENSOR」という名称の米国仮特許出願第60/844,821号に開示された再配置可能なアンカー構造の1つである場合、内側部材44を定位置に保持しながら、アンカー74を含むセンサアセンブリ12を、保持要素48上で基端側に引っ張って、内側部材44の先端部92内に引き込むことができる。次いで、上述したように、内側部材44をその中に保持されたセンサアセンブリ12とともに標的血管内に配置し直すことができ、センサアセンブリ12を展開し直すことができる。あるいは、内側部材44を外側カテーテル40内に再び引き込むことができ(図2参照)、送達システム全体を異なる標的植え込み部位に再度配置することができ、または患者体内から完全に除去することができる。
【0030】
図5は保持要素48との連結を解除した後のセンサアセンブリ12を示す。図5に示すように、作動部材114を基端側に引き込むと、ジョー部材110は、変形していない形態に戻り、ハブ116から係脱することができる。
【0031】
図6は、本発明の別の実施形態による、植え込み可能なセンサの送達システム210の先端部、および該送達システム210に連結された植え込み可能なセンサアセンブリ212の一部破断図である。図6に示すように、送達システム210は、長尺状外側カテーテル240、長尺状内側部材244、および長尺状保持要素248を含む。図6にさらに示すように、上述のセンサアセンブリ12と同様に、センサアセンブリ212は、センサ要素270およびアンカー部274を含む。図示された実施形態では、センサ270は、内側部材244と着脱可能に係合され、かつ該内側部材244に受け入れられる、基端部275を含む。
【0032】
図示されているように、外側カテーテルは、内側部材244を摺動可能に受け入れる寸法を有するルーメン284を含み、先端側開口部288において終端する。外側カテーテル240は、上述の外側カテーテル40と実質的に同じ構造とすることができる。図示された実施形態では、外側カテーテル240は、必要に応じて非外傷性チップを有することができる、放射線不透過性の端部289を含む。別の実施形態では、放射線不透過性部分289は省略される。
【0033】
図6にさらに示すように、内側部材244は概ね管状をなし、ソケット294を含む先端部292を含む。ソケット294は、先端側開口部296を備え、センサ270の少なくとも一部分(すなわち、図示された実施形態では基端部275)を受け入れて、これと摩擦係合することができる寸法の内径および長さを有する。したがって、上述の内側部材44の先端部92とは異なり、先端部292は、センサアセンブリ212全体、特にセンサアセンブリ212のアンカー部分274を受け入れる寸法にはなっていない。むしろ、図6に示された実施形態では、アンカー部分274は、外側カテーテル240によって、送達用の収束形態にて保持されている。外側カテーテル240および/または内側部材244は、その基端(図示せず)または基端付近に、上記で送達システム10に関して説明したものと同様または同一の制御機構を含むことができる。
【0034】
一実施形態では、センサ基端部275は、ソケット294内に締まり嵌めによって保持されてもよい。そのような実施形態では、ソケット294の内径は、送達中にセンサ270が確実に十分な摩擦係合をするように、センサ基端部275の外径より小さい、約0.0508ミリメートル(0.002インチ)から約0.1016ミリメートル(0.004インチ)の寸法とすることができる。別の実施形態では、比較的弱い接着剤を使用して、センサ基端部275をソケット294内で着脱可能に保持することができる。
【0035】
図示されているように、保持要素248は、概ね管状の内側部材244内に配設されており、上述の保持要素48と同様に、センサアセンブリ212と着脱可能に係合するように適合されている。したがって、保持要素248は、上述の保持要素48と実質的に同じまたは同一の設計および/または機能のものとすることができることが理解されよう。例えば、一実施形態では、保持要素248は、保持要素48と同じセンサ係合構造(例えば、変形可能なジョー部材)を有することができる。同様に、センサ270、またはいくつかの実施形態ではセンサアセンブリ212の別の部分は、センサ70のハブ116と同様の係合特徴を含むことができることが、さらに理解されよう。さらに別の実施形態では、保持要素248は、先端側機構(保持要素48のジョー部材110など)を含まないこともでき、医師が単純にセンサアセンブリ212を先端側に押すこと、あるいは、センサアセンブリ212の基端側への移動を阻止することができる。つまり、送達および展開中に、センサアセンブリ212を着脱可能に係合および保持することのできる任意の構造または機構を、保持要素248に組み込むことができる。
【0036】
図7〜10は、本発明の一実施形態による、植え込み可能なセンサアセンブリの送達システム210を使用して展開されているセンサアセンブリ212を示す。この説明のためにのみ、図7〜10にはアンカー274を図示していない。しかし、図7〜10に示すセンサアセンブリ212には、アンカー74に関して上述したものと同様または同一の自己拡張式アンカーとすることができるアンカー274も含まれ得ることに留意されたい。
【0037】
図7に示すように、先端部292は、外側カテーテル240に対して先端側に移動させることができる。これは、(例えば、外側カテーテル240および内側部材244の一方または両方に対して動作可能に連結された制御機構を使用して)外側カテーテル240を定位置に維持し、内側部材244を先端側に前進させることによって達成することができる。これに代えて、またはこれに加えて、外側カテーテル240を基端側に引き込みながら、内側部材244を定位置に維持してもよい。いずれの場合も、センサ270の基端部275を内側部材244のソケット294内に保持したまま、センサアセンブリ212を先端側開口部288から外へ展開することができる。外側カテーテル240の先端側開口部288から展開されると、次いで、アンカー274(図示せず)が、拡張され得る、または自己拡張することが理解されよう。
【0038】
図8〜9は、保持要素248をセンサ270に対して着脱可能に連結したままで、センサアセンブリ212をソケット294の先端側開口部296から先端側に移動させた状態にある、送達システム210を示す。そのような移動は、例えば、保持要素248を使用してセンサアセンブリ212を定位置に維持し、(例えば、内側部材244に連結されたサムホイール(図示せず)などの制御機構を操作することによって)内側部材244を同時に引き込むことによって、達成することができる。これに代えて、またはこれに加えて、特にアンカー(図示せず)がまだ標的血管組織としっかりと係合していない場合には、保持要素248、したがってセンサアセンブリ212を、先端側方向へ押しながら、内側部材244を定位置に維持してもよい。図9に示すように、いくつかの実施形態では、保持要素をセンサ270に連結したままで、内側部材244を外側カテーテル240内に完全に引き込むこともできる。
【0039】
図10は、保持要素248がセンサアセンブリ212から完全に係脱され、連結を解除され、かつ一部が内側部材244および外側カテーテル240内に再び引き込まれた状態にある、送達システム210を示す。図示された実施形態では、保持要素248は、上記の保持要素48と実質的に同様のものとして示されており、複数の先端側ジョー部材410を含む内側本体部材402、およびジョー部材410をセンサ270と係合させるために本体部材402上に配設された外側作動部材414を含む。しかし、この場合も、使用される特定の展開方法の要求事項に応じて、センサアセンブリ212を着脱可能に係合および保持することのできる任意の構造または機構を、保持要素248に組み込むことができる。
【0040】
上記で説明したように、外側カテーテル240、内側部材244、および/または保持要素248は、様々な実施形態において、上述の外側カテーテル40、内側部材44、および保持要素48と実質的に同じまたは同一の構造とすることができる。いくつかの実施形態では、ソケット294を含む先端部292のすべてまたは一部は、内側部材244の他の部分と比較して相対的に低いデュロメータ硬度の材料、例えば低デュロメータのPebaxなどから作製することができる。そのような構成は、過度の力を必要とせずにセンサ270をソケット294から解放できるようにしながらも、センサ基端部275のソケット294内での能動的係合を促すのに有利である。
【0041】
図11は、本発明のさらに別の実施形態による、送達システム1100の先端の斜視図である。図示された実施形態では、送達システム1100は、植え込み可能な医療器具1105、コネクタ1110、テザー1112、およびテザー保持特徴部1114を含む。一実施形態では、植え込み可能な医療器具1105は、センサアセンブリである。コネクタ1110は、本体部分1115、下面1116、上面1117、開口1118、およびレール1120を含む。レール1120は、コネクタ本体部分1115から基端方向に延びる。同様に、テザー1112は、植え込み可能な医療器具1105から基端方向に延びる。
【0042】
図11に示す実施形態では、本体部分1115は、側面部品1122および横断部品1124を含む。側面部品1122はテザー保持特徴部1114の両側にあり、基端側に延びてレール1120を形成する。別の実施形態では、レール1120は、溶接または他の方法で側面部品1122に接合される。横断部品1124は側面部品1122同士の間を延び、したがって、図11に示すように梯子形状を形成する。側面部品1122および横断部品1124の構成は、コネクタ1110に開口1118を形成する。一実施形態では、横断部品1124および側面部品1122は、平坦なリボンワイヤから形成される。一実施形態では、平坦なリボンワイヤの幅は約0.254ミリメートル(0.010インチ)であり厚さは約0.127ミリメートル(0.005インチ)である。別の実施形態では、横断部品1124および側面部品1122は、円形ワイヤから形成される。一実施形態では、円形ワイヤの直径は、約0.1778ミリメートル(0.007インチ)である。別の実施形態では、コネクタ1110は、平坦なリボンワイヤおよび円形ワイヤの任意の組み合わせから製造される。一実施形態では、ワイヤは、ステンレス鋼またはニチノールで構成される。
【0043】
開口1118は、テザー保持特徴部1114を受け入れ、かつ、開口1118に平行な平面において植え込み可能な医療器具1105に対してコネクタ1110が相対移動することを低減するように、寸法が設定される。一実施形態では、開口1118の長さは約1.016センチメートル(0.40インチ)であり、幅は約0.508センチメートル(0.20インチ)である。図11に示すように、テザー保持特徴部1114は開口1118内でぴったりとは嵌まらず、その代わりに、コネクタ1110の長手方向軸X−Xに平行な方向に、ある程度動くことができる。別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は、開口1118内にぴったりと嵌まる。さらに別の実施形態では、開口1118によって、コネクタ1110は長手方向軸X−Xに平行な方向以外に動くことができ、またはそれに加えて長手方向軸X−Xに平行な方向にも動くことができる。
【0044】
テザー1112は、テザー保持特徴部1114内に挿入されて示されている。テザー1112は、実質的に剛体のワイヤ、実質的に可撓性のワイヤ、縫合糸、またはテザー保持特徴部1114に嵌入可能な寸法の他の任意の長尺状部材を含むことができる。一実施形態では、テザー1112は、304グレードのステンレス鋼を含む。図11に示すように、テザー保持特徴部1114はそれぞれ、孔1126および開口部1128を有する。孔1126およびテザー1112は、テザー1112が孔1126内で摺動することができる寸法とされる。一実施形態では、孔1126とテザー1112は締まり嵌めで嵌合する。一実施形態では、テザー1112の直径は約0.254ミリメートル(0.010インチ)であり孔の直径は約0.254ミリメートル(0.010インチ)である。別の実施形態では、テザー1112は孔1126内で緩く摺動する。一実施形態では、開口部1128の寸法は約0.1016ミリメートル(0.004インチ)である。一実施形態では、テザー保持特徴部1114は、植え込み可能な医療器具1105と一体的に形成される。別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は、植え込み可能な医療器具1105に連結される。一実施形態では、テザー保持特徴部1114は、植え込み可能な医療器具1105に溶接される。一実施形態では、テザー保持特徴部はチタンを含む。
【0045】
一実施形態では、開口部1128によって、テザー1112を孔1126内で摺動させるのではなく、テザー1112を開口部1128からテザー保持特徴部1114内に挿入することができる。この実施形態では、テザー1112を開口部1128を介して孔1126内へと押し込むように所定量の力を加えると、開口部112は、テザー1112の挿入は可能にするが、テザー1112が開口部1128を通ってテザー保持特徴部1114から脱出することを妨げる。別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は閉じている(すなわち、開口部1128を含まない)。
【0046】
テザー1112は、テザー保持特徴部1114内に位置しているときには、コネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持するように、コネクタ1110の上面1117に対して作用する。図11に示す実施形態では、テザー1112はコネクタ1110の下面1116を、植え込み可能な医療器具1105の上面1130に近接するように付勢する。別の実施形態では、テザー1112がコネクタ1110の下面1116を植え込み可能な医療器具1105の上面1130に近接するように付勢するのではなく、コネクタ1110は、植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持され、該植え込み可能な医療器具1105に緩く連結される。別の実施形態では、テザー1112は、コネクタ1110を、植え込み可能な医療器具1105の他のいずれかの面の近傍に保持する。
【0047】
図12は、テザー1112をテザー保持特徴部1114から取り外した後の送達システム1100を示す。図12に示すように、テザー1112をコネクタ1110から基端方向Yに摺動させると、コネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105から分離することができる。
【0048】
図13は、送達システム1100の別の実施形態の斜視図である。図13に示す実施形態では、コネクタ1110はプレート1140を含む。レール1120は、プレート1140から基端側に延びている。プレート1140は開口1118を含み、植え込み可能な医療器具1105はテザー保持特徴部1114を含む。テザー保持特徴部1114は、孔1126および開口部1128を含むが、図11〜12に関して説明したように、別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は開口部1128を含まない。テザー1112、テザー保持特徴部1114、およびコネクタ1110は、図11および12に関して説明したように、コネクタ1110の下面1116を植え込み可能な医療器具1105の上面1130の近傍に維持するように作用する。一実施形態では、プレート1140は、ステンレス鋼またはニチノールで構成される。一実施形態では、プレート1140の厚さは約9.347ミリメートル(約0.368インチ)である。一実施形態では、開口1118の長さは約9.855ミリメートル(約0.388インチ)であり、幅は約2.21ミリメートル(約0.087インチ)である。一実施形態では、開口の長さは約7.163ミリメートル(約0.282インチ)であり、幅は約1.168ミリメートル(約0.046インチ)である。
【0049】
別の実施形態では、送達システム1100は、任意の数のテザー保持特徴部1114および開口1118を含む。例えば、図11および12に示すコネクタ1110は1つの開口1118を有することができ、植え込み可能な医療器具1105は1つのテザー保持特徴部1114を有することができる。あるいはコネクタ1110は複数の開口1118を有することができ、植え込み可能な医療器具1105は複数のテザー保持特徴部1114を有することができる。同様に、プレート1140は、任意の数の開口1118を含むことができ、植え込み可能な医療器具1105は任意の数のテザー保持特徴部1114を含むことができる。別の実施形態では、開口1118の数はテザー保持特徴部1114の数とは異なる。別の実施形態では、コネクタ1110は、テザー保持特徴部1114と嵌合する任意の形状を有し、テザー1112を使用して、植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持することができる。
【0050】
図14A〜Bは、本発明の一実施形態による内側部材1150を、植え込み可能な医療器具1105、コネクタ1110、およびテザー1112と併せて示す。内側部材1150は、レールルーメン1152、テザールーメン1154、および前端面1156を含む。レールルーメン1152は、レール1120を摺動可能に受け入れる寸法を有し、テザールーメン1154はテザー1112を摺動可能に受け入れる寸法を有する。前端面1156は、植え込み可能な医療器具1105を患者体内の所望の位置に配置するように、植え込み可能な医療器具1105の後端面1158に対して作用する。一実施形態では、前端面1156と後端面1158の間には隙間がある。一実施形態では、隙間は約6.35ミリメートル(0.25インチ)である。一実施形態では、レール1120が内側部材1150に対して動かないようにするために、レール1120は内側部材1150に連結される。一実施形態では、レール1120は、基端(図示せず)において内側部材1150に連結される。一実施形態では、レール1120は、内側部材1150の基端(図示せず)まで延びる。別の実施形態では、レール1120は内側部材1150の長さの一部分に延びている。さらに別の実施形態では、コネクタ1110はレール1120を含まず、その代わりに、内側部材1150に連結される。
【0051】
図14Bに示す端面図では、内側部材1150が実質的に中実であり、レールルーメン1152およびテザールーメン1154を含む。別の実施形態では、内側部材1150は追加のルーメンを含むことができ、またはレール1120およびテザー1112を受け入れる実質的に中空の部材を含むことができる。一実施形態では、内側部材1150は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)の内張り、304Vステンレス鋼の編み組み、およびPebaxおよび/またはNylonの外側カバーを有するカテーテルを含む。
【0052】
図15は、本発明の一実施形態による、送達システム1110の例示的な使用方法1500を示す。テザー保持特徴部1114を、コネクタ1110の開口1118内へ挿入する(ブロック1510)。テザー1112をテザー保持特徴部1114の孔1126に挿入し、それによりコネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持する(ブロック1520)。植え込み可能な医療器具1105を患者の体内に配置する(ブロック1530)。植え込み可能な医療器具1105に連結されたアンカーを展開して、植え込み可能な医療器具1105を患者の体内の所望の位置に保持する(ブロック1540)。一実施形態では、アンカーは、本願または上記で援用した「ANCHOR FOR AN IMPLANTABLE SENSOR」という名称の米国仮特許出願第60/844,821号に開示されたアンカー構造の形態を有する。テザー1112をテザー保持特徴部1114の孔1126から摺動させ、それによりコネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105から解放する(ブロック1550)。コネクタ1110を本体から取り外す(ブロック1560)。一実施形態では、本方法はさらに、植え込み可能な医療器具1105を摺動可能に受け入れる寸法を有する内側ルーメンを備えた長尺状カテーテルを介して、植え込み可能な医療器具1105を送達することを含む。
【0053】
上記で説明した例示的な実施形態には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変および付加を行うことが可能である。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を示しているが、本発明の範囲には、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および上記のすべての特徴を必ずしも含まない実施形態も含まれる。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に含まれる、そのような代替形態、改変形態、および変形形態、ならびにそれらの均等物をすべて包含するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、植え込み可能な医療器具を体内に固定するための医療器具および方法に関する。より詳細には、本発明は、送達および展開の間、植え込み可能な医療器具を着脱可能に連結するための送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
1つまたは複数の生理学的パラメータを監視するための、かつ/または治療的機能を提供するための、患者の体内に植え込むことができる医療器具が知られている。例えば、体温、血圧、負荷、流量、化学的特性、電気的特性、磁性的特性等、様々な特性を監視するために、センサまたはトランスデューサを体内に留置することができる。さらに、薬物送達、心臓ペーシング、除細動、電気刺激等、1つまたは複数の治療的機能を実施する医療器具を植え込むこともできる。
【0003】
特に重要なパラメータの1つが血圧である。1つまたは複数の植え込み可能な圧力感知モジュールを心調律管理(CRM)装置とともに使用して、CRM装置の設定の最適化を容易にすることができる。そのようなシステムでは、圧力感知モジュールを経静脈的に標的血管(例えば、肺動脈)へ送達し、様々な固定法を使用して血管内に固定する。感知モジュールを正確に留置することは、所望のパラメータの正確かつ高精度な測定における重要な要因の一つである。さらに、いくつかの状況では、植え込み可能なセンサモジュールを、最初に展開した後に配置し直す、あるいは、センサを患者から完全に除去することが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、植え込み可能な医療器具を患者の体内に正確に送達および展開するための装置および方法が必要とされている。特に、センサを所望の植え込み部位で正確に展開しやすくするために、植え込み可能なセンサと着脱可能に係合するための機構が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、孔を有するテザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムである。該システムは、上面と、下面と、コネクタから基端方向に延びるレールと、テザー保持特徴部を受け入れて、開口に平行な平面における植え込み可能な医療器具に対するコネクタの相対移動を低減する寸法の開口とを有するコネクタを含む。テザーは、テザー保持特徴部の孔と嵌合する寸法である。テザーは、テザーがテザー保持特徴部の孔内にあるときには、コネクタの下面を植え込み可能な医療器具の近傍に保持するように、コネクタの上面に対して作用する。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、テザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムである。該システムは、コネクタを植え込み可能な医療器具に対して着脱可能に連結するように、テザー保持特徴部とテザー保持特徴部に嵌入可能な寸法のテザーとを受け入れる寸法を有した開口を備えるコネクタを含む。
【0007】
別の実施形態では、本発明は、テザー保持特徴部を含む植え込み可能な医療器具を送達する方法である。該方法は、テザー保持特徴部をコネクタの開口へ挿入することを含む。テザーをテザー保持特徴部に挿入することによって、コネクタが、植え込み可能な医療器具に対して着脱可能に連結される。植え込み可能な医療器具が、患者の体内に配置される。植え込み可能な医療器具に連結されたアンカーを展開する。テザーをテザー保持特徴部の孔を通して摺動させることによって、コネクタを、植え込み可能な医療器具から解放する。次いでコネクタを取り外す。
【0008】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかとなろう。したがって、図面および詳細な説明は、例示的な性質のものであって限定的な性質のものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による、図示された実施形態では植え込み可能なセンサアセンブリである植え込み可能な医療器具を、心臓の肺動脈内の植え込み部位へ送達するための送達システムの概略図。
【図2】図1の送達システムの先端部の一部破断斜視図。
【図3】図1の送達システムの内側部材および保持要素の先端部の部分断面図。
【図4】図1の送達システムの内側部材および保持要素の先端部の部分断面図。
【図5】図1の送達システムの内側部材および保持要素の先端部の部分断面図。
【図6】本発明の別の実施形態による、植え込み可能なセンサの送達システムの先端部の一部破断図。
【図7】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図8】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図9】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図10】図6の植え込み可能なセンサアセンブリの送達システムを使用して展開されているセンサアセンブリを示す斜視図。
【図11】本発明の別の実施形態による、植え込み可能な医療器具のための送達システムの先端部を示す図。
【図12】本発明の別の実施形態による、植え込み可能な医療器具のための送達システムの先端部を示す図。
【図13】本発明のさらに別の実施形態による、植え込み可能な医療器具のための送達システムの先端部を示す図。
【図14A】本発明の一実施形態による、図11〜13の送達システムと併せて使用するように適合された内側部材を示す図。
【図14B】本発明の一実施形態による、図11〜13の送達システムと併せて使用するように適合された内側部材を示す図。
【図15】図11〜13の送達システムを使用する例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は様々な改変形態および代替形態に修正可能であるが、図面の例を使用して特定の実施形態を示しており、以下で詳細な説明を行う。しかし、本発明は、説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれるすべての改変物、均等物、および代替物を包含するものである。
【0011】
図1は、図示された実施形態では植え込み可能なセンサアセンブリ12である植え込み可能な医療器具を、心臓20の肺動脈16内の標的植え込み部位に送達するための、本発明の一実施形態による送達システム10を示す。図示されているように、心臓20は一般に、上大静脈22、右心房24、右心室26、心室中隔28、右心室流出路30、左心室32および左心房34を含む。図示されているように、右心室流出路30は肺動脈16へとつながっており、肺動脈16は肺動脈弁38によって右心室26と隔てられている。
【0012】
送達システム10は、患者の体外の場所から標的植え込み部位まで患者の脈管を通って進むことができる寸法(すなわち、長さおよび直径)を有する。図示された実施形態では、送達システム10は、植え込み可能なセンサアセンブリ12を主肺動脈16内へ送達するために、上大静脈22から心臓20に入り、右心房24および右心室流出路30を通って延びる。このような実施形態では、当技術分野で知られている方法により、送達システム10を経静脈的に心臓20まで進ませることができる。例えば、良く知られているように、送達システム10は、皮膚を切開して、左鎖骨下静脈、腋窩静脈、左内頚静脈または左外頚静脈、左腕頭静脈へと進ませて、患者の脈管系に挿入することができ、あるいは大腿アプローチによって挿入することができる。様々な実施形態において、送達システム10を使用して、植え込み可能なセンサアセンブリ12を肺動脈16の分枝(例えば、右肺動脈または左肺動脈、図示せず)へ送達することができる。別の実施形態では、送達システム10を使用して、植え込み可能なセンサアセンブリを患者の脈管系の他の領域へ送達することができる。
【0013】
図1に示すように、送達システム10は、可撓性の長尺状外側カテーテル40、外側カテーテル40内に配設された可撓性の長尺状内側部材44、および内側部材44内に配設され、センサアセンブリ12と着脱可能に係合する可撓性の長尺状保持要素48を含む。外側カテーテル40は、基端56および先端60を含む。外側カテーテル40は、内側部材44が中に配設される少なくとも1つのルーメン(図1には図示せず)を含むことが理解されよう。以下で詳細に説明するように、送達システム10、および本発明の他の実施形態は、センサアセンブリ12の植え込み部位について正確な制御を有利に実施する。さらに、本発明の送達システムによって、医師は、必要または所望に応じて、センサアセンブリ12を配置し直し、展開し直すことができる。
【0014】
センサアセンブリ12を標的植え込み部位で展開するために、外側カテーテル40および内側部材44は互いに対して相対移動可能であり、保持要素48は内側部材44に対して相対移動可能である。図示された実施形態では、送達システム10は、外側カテーテル40の基端56上にある制御機構64を含み、制御機構64は、少なくとも内側部材44に対して動作可能に連結される。制御機構64は、医師が少なくとも外側カテーテル40と内側部材44との間の相対移動を制御することができるように動作可能であり、いくつかの実施形態では、センサアセンブリ12を送達および展開するための保持要素48も制御することができるように動作可能である。制御機構64は、二重カテーテルシステムの内側カテーテルと外側カテーテルとの間の相対的な長手方向移動および/または回転動作を制御するための、既知のまたは後に開発された、機構または構造を含むことができる。例示的な一実施形態では、制御機構64は、医師が内側部材44を外側カテーテル40内で摺動させることができるように、内側部材44に対して動作可能に連結されたサムホイールを含む。
【0015】
外側カテーテル40は、患者の脈管系の標的植え込み部位にアクセスするための、当分野で既知のまたは後に開発された、任意のカテーテルとすることができる。外側カテーテル40の、材料を含む特定の設計および構造は、患者、特に植え込み可能なセンサアセンブリ12の選択された植え込み部位の要求事項に基づいて、決定されることが理解されよう。一実施形態では、外側カテーテル40は、肺動脈16またはその分枝にアクセスするように構成されたカテーテルである。一実施形態では、バルーンカテーテルを静脈系へと挿入して肺動脈16から心臓20へと流入する血流の中に入れる、スワンガンツ法を使用して、外側カテーテル40を、肺動脈内に配置されたガイドワイヤ上を通って肺動脈16へと進入させることができる。
【0016】
図1に示すように、センサアセンブリ12は、植え込み可能なセンサ70およびセンサ70に連結されたアンカー74を含む。以下でより詳細に説明するが、アンカー74は、センサアセンブリ12を送達システム10を介して所望の植え込み部位へと経静脈的に送達するための収束形態と、アンカー74が肺動脈16の内面76と係合する、図1に示す拡張形態とをとるように構成された、拡張可能な構造体である。
【0017】
センサ70は、1つまたは複数の生理学的測定値の測定を含むことができる、1つまたは複数の指定の機能を実施するように構成することができる。センサ70は、例えば、血圧、体温、血液または流体の流量、負荷、体内の電気的、化学的、または磁性的特性など、既知の生理学的パラメータを測定するように構成することができる。測定しようとする特定のパラメータ、したがってセンサアセンブリ12の植え込み部位は、患者の個別の治療上の必要性に基づいて決定される。例示的な一実施形態では、センサ70は、肺動脈16の血圧を測定するように構成することができる(図1に示す)。一実施形態では、センサ70はさらに、血圧データを保存するように、かつ/または、別の植え込まれた器具(例えば、ペースメーカなどの心調律管理器具、図示せず)および/もしくは患者の体外にある器具(例えば、モニタまたはプログラマ)に送信するように適合させてもよい。
【0018】
様々な実施形態において、センサ70は、外部器具または別の植え込み式医療器具(例えば、ペースメーカおよび/または除細動器)などの他の器具と、無線通信回線を介して通信するように構成される。様々なタイプの無線通信回路が当分野で知られており、使用することのできる無線通信の特定のタイプおよび/または様式は制限されない。例えば、超音波、音波通信、無線周波数通信等を使用することができる。一実施形態では、センサ70は、音響テレメトリ用に構成された音響送信機/受信機を含む。
【0019】
図2は、内側部材44の一部を切り欠いた、送達システム10の先端部の斜視図であり、センサアセンブリ12を送達するための保持要素48に対して着脱可能に連結された植え込み可能なセンサアセンブリ12をさらに示す。図2に示すように、外側カテーテル40は、内側部材44を摺動可能に受け入れる寸法を有するルーメン84を含み、先端側開口部88にて終端する。図2にさらに示すように、内側部材44は、先端側開口部96を有し、かつ、送達中にセンサアセンブリ12のアンカー74を収束形態に維持するようにセンサアセンブリ12を受け入れる寸法の内径および長さを有する、シースの形態の先端部92を含む。
【0020】
図2にさらに示すように、保持要素48は、先端106を有する本体102、先端106から先端側に延びる複数の変形可能なジョー部材110、および本体102上で摺動可能に配設された管状作動部材114(本体102を図示するため、破断図で示す)を含む。ジョー部材110は、センサ70の一部分と着脱可能に係合するためのセンサ係合構造として機能する。以下でより詳細に説明するが、ジョー部材110は、変形していない状態では径方向外側に元々付勢されており、作動部材114は、ジョー部材110をセンサアセンブリ12上に締め付けることによってセンサアセンブリ12と係合するように、ジョー部材110を径方向内側に付勢するように構成されている。
【0021】
図示された実施形態では、センサ70はその基端においてハブ116を含む。図示されているように、ハブ116は、保持要素48とセンサ70の能動的連結を促すようにジョー部材110と嵌合するように構成されている。別の実施形態では、センサ12に異なる係合特徴を含むことができる。別の実施形態では、ハブ116または他の係合特徴を省略することもできる。
【0022】
様々な実施形態では、保持要素48は、様々なセンサ係合構造を含むことができる。例えば、一実施形態では、保持要素48は先端にフックを有する長尺状テザーを含むことができ、フックはセンサ70上の開口またはループと係合するように構成される。別の実施形態では、さらに他のセンサ係合構造を組み込むことができる。さらに別の実施形態では、保持要素48は、単純に中実のまたは管状の構造であり(すなわち、ジョー部材110および作動部材114がない)、保持要素48を使用して、センサアセンブリ12を先端側に押すことができ、かつ/またはセンサアセンブリ12の基端側への移動を阻止することができる。
【0023】
内側部材44および保持要素48は、植え込み部位(例えば、図1に示す肺動脈16内の部位)から外側カテーテル40の基端56またはその付近まで基端側に延びるような寸法とされる。さらに、図2に示すように、外側カテーテル40を内側部材44に対して基端側に引き込むこと、あるいは、内側部材44を(その中に保持されたセンサアセンブリ12とともに)外側カテーテル40に対して先端側に前進させることができ、外側カテーテル40と干渉させずに内側部材44の先端側開口部96からセンサアセンブリ12を展開することができる。
【0024】
外側カテーテル40は、選択された植え込み可能なセンサアセンブリ12(または他の植え込み可能な器具)を収容することができる寸法を有し、センサアセンブリ12を上記のような経皮的アクセス部位を介して所望の植え込み部位へと経静脈的に送達するために十分な長さを有することが理解されよう。様々な例示的な実施形態において、外側カテーテル40は、サイズが6フレンチから20フレンチのガイドカテーテルとすることができる。例えばセンサアセンブリ12が肺動脈16内に植え込まれるように構成されるいくつかの実施形態では、外側カテーテル40のサイズは10フレンチから16フレンチとすることができる。
【0025】
内側部材44は、外側カテーテル40と実質的に同じまたは同一の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、内側部材44は、カテーテル等の分野では既知の、編み組み式の複合材の管から実質的に作製することができる。いくつかの実施形態では、内側部材44の先端部92は、例えば低デュロメータのPebaxなど、比較的低いデュロメータの材料から作製することができる。別の実施形態では、先端部92の内面は、内側部材44とセンサアセンブリ12が過度の摩擦を生じずに相対移動しやすくするために、生体適合性の潤滑性コーティングを含むことができる。
【0026】
保持要素48の形成材料として選択される材料は特に重要ではない。いくつかの実施形態では、本体102および/または作動部材114は、金属(例えば、ステンレス鋼)またはポリマー材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、ジョー部材110は、例えばニチノールまたは他の多くの形状記憶合金またはポリマーなど、形状記憶特性および/または超弾性特性を示す材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、保持要素48は、その先端または先端付近に、放射線不透過性マーカーを含むことができる。
【0027】
図3〜5は、本発明の一実施形態による、内側部材44からのセンサアセンブリ12の展開を示す、内側部材44および保持要素48の先端部の部分断面図である。図2に示すように、外側カテーテル40は、内側部材44に対して基端側に既に引き込まれていることが理解されよう。図3に示すように、センサアセンブリ12は、収束形態のアンカー74とともに、当初は完全に内側部材44の先端部92の内部に保持されている。図3にさらに示すように、保持要素48の作動部材114は、少なくとも一部がジョー部材110上に配置され、これによりジョー部材110をセンサ70の基端側ハブ116上に締め付けている。しかし、上記で説明したように、別の実施形態では、ジョー部材110は、センサアセンブリ12の他の係合特徴と係合することができる。あるいは、係合特徴を省略することもでき、ジョー部材110は、センサアセンブリ12の他の部分(例えば、センサ70のハウジングまたはアンカー74の一部分)と係合してもよい。
【0028】
図4では、センサアセンブリ12(または少なくともアンカー74)を内側部材44の先端部92から解放するように、内側部材44がセンサアセンブリ12に対して基端側に動かされている。内側部材44をそのように配置すると、アンカー74が標的血管(例えば肺動脈、図1を参照)の内面と摩擦係合するために拡張形態へと拡張し、センサアセンブリ12をその中に固定することができる。アンカー74は、既知の心血管ステントと同様のステント様構造を有する自己拡張アンカーとすることができる。あるいは、アンカー74は、他の手段によって(例えば、バルーンによって)拡張可能であってもよい。様々な実施形態において、アンカー74は、本発明の譲受人に譲渡された係属中の、2005年8月31日に出願された「DEVICES AND METHODS FOR POSITIONING AND ANCHORING IMPLANTABLE SENSOR DEVICES」という名称の米国特許出願第11/216,738号明細書、および2006年9月15日に出願された「ANCHOR FOR AN IMPLANTABLE SENSOR」という名称の米国仮特許出願第60/844,821号に開示されている、任意のアンカー構造とすることもできる。これら係属中の出願の内容はいずれも、参照によってその全体が本願明細書の一部を構成する。
【0029】
図4に示すように、保持要素48は、アンカー74を内側部材44の先端部92から展開した後もセンサアセンブリ12に連結した状態に維持することができる。これにより、センサアセンブリ12を、標的血管内部の別の場所、または所望であれば、患者の脈管系の別の領域に配置し直すことができる。例えば、センサ70が適切に機能していること、および/または選択された植え込み部位が適切であることを確認するために、センサ70に様々な診断的検査を実施することが望ましい場合がある。これに代えて、またはこれに加えて、医師は、保持要素48を解放する前に、センサアセンブリ12が植え込み部位に十分に固定されていることを確認したいと考える場合がある。特に、アンカー74が、本発明の譲受人に譲渡された係属中の「ANCHOR FOR AN IMPLANTABLE SENSOR」という名称の米国仮特許出願第60/844,821号に開示された再配置可能なアンカー構造の1つである場合、内側部材44を定位置に保持しながら、アンカー74を含むセンサアセンブリ12を、保持要素48上で基端側に引っ張って、内側部材44の先端部92内に引き込むことができる。次いで、上述したように、内側部材44をその中に保持されたセンサアセンブリ12とともに標的血管内に配置し直すことができ、センサアセンブリ12を展開し直すことができる。あるいは、内側部材44を外側カテーテル40内に再び引き込むことができ(図2参照)、送達システム全体を異なる標的植え込み部位に再度配置することができ、または患者体内から完全に除去することができる。
【0030】
図5は保持要素48との連結を解除した後のセンサアセンブリ12を示す。図5に示すように、作動部材114を基端側に引き込むと、ジョー部材110は、変形していない形態に戻り、ハブ116から係脱することができる。
【0031】
図6は、本発明の別の実施形態による、植え込み可能なセンサの送達システム210の先端部、および該送達システム210に連結された植え込み可能なセンサアセンブリ212の一部破断図である。図6に示すように、送達システム210は、長尺状外側カテーテル240、長尺状内側部材244、および長尺状保持要素248を含む。図6にさらに示すように、上述のセンサアセンブリ12と同様に、センサアセンブリ212は、センサ要素270およびアンカー部274を含む。図示された実施形態では、センサ270は、内側部材244と着脱可能に係合され、かつ該内側部材244に受け入れられる、基端部275を含む。
【0032】
図示されているように、外側カテーテルは、内側部材244を摺動可能に受け入れる寸法を有するルーメン284を含み、先端側開口部288において終端する。外側カテーテル240は、上述の外側カテーテル40と実質的に同じ構造とすることができる。図示された実施形態では、外側カテーテル240は、必要に応じて非外傷性チップを有することができる、放射線不透過性の端部289を含む。別の実施形態では、放射線不透過性部分289は省略される。
【0033】
図6にさらに示すように、内側部材244は概ね管状をなし、ソケット294を含む先端部292を含む。ソケット294は、先端側開口部296を備え、センサ270の少なくとも一部分(すなわち、図示された実施形態では基端部275)を受け入れて、これと摩擦係合することができる寸法の内径および長さを有する。したがって、上述の内側部材44の先端部92とは異なり、先端部292は、センサアセンブリ212全体、特にセンサアセンブリ212のアンカー部分274を受け入れる寸法にはなっていない。むしろ、図6に示された実施形態では、アンカー部分274は、外側カテーテル240によって、送達用の収束形態にて保持されている。外側カテーテル240および/または内側部材244は、その基端(図示せず)または基端付近に、上記で送達システム10に関して説明したものと同様または同一の制御機構を含むことができる。
【0034】
一実施形態では、センサ基端部275は、ソケット294内に締まり嵌めによって保持されてもよい。そのような実施形態では、ソケット294の内径は、送達中にセンサ270が確実に十分な摩擦係合をするように、センサ基端部275の外径より小さい、約0.0508ミリメートル(0.002インチ)から約0.1016ミリメートル(0.004インチ)の寸法とすることができる。別の実施形態では、比較的弱い接着剤を使用して、センサ基端部275をソケット294内で着脱可能に保持することができる。
【0035】
図示されているように、保持要素248は、概ね管状の内側部材244内に配設されており、上述の保持要素48と同様に、センサアセンブリ212と着脱可能に係合するように適合されている。したがって、保持要素248は、上述の保持要素48と実質的に同じまたは同一の設計および/または機能のものとすることができることが理解されよう。例えば、一実施形態では、保持要素248は、保持要素48と同じセンサ係合構造(例えば、変形可能なジョー部材)を有することができる。同様に、センサ270、またはいくつかの実施形態ではセンサアセンブリ212の別の部分は、センサ70のハブ116と同様の係合特徴を含むことができることが、さらに理解されよう。さらに別の実施形態では、保持要素248は、先端側機構(保持要素48のジョー部材110など)を含まないこともでき、医師が単純にセンサアセンブリ212を先端側に押すこと、あるいは、センサアセンブリ212の基端側への移動を阻止することができる。つまり、送達および展開中に、センサアセンブリ212を着脱可能に係合および保持することのできる任意の構造または機構を、保持要素248に組み込むことができる。
【0036】
図7〜10は、本発明の一実施形態による、植え込み可能なセンサアセンブリの送達システム210を使用して展開されているセンサアセンブリ212を示す。この説明のためにのみ、図7〜10にはアンカー274を図示していない。しかし、図7〜10に示すセンサアセンブリ212には、アンカー74に関して上述したものと同様または同一の自己拡張式アンカーとすることができるアンカー274も含まれ得ることに留意されたい。
【0037】
図7に示すように、先端部292は、外側カテーテル240に対して先端側に移動させることができる。これは、(例えば、外側カテーテル240および内側部材244の一方または両方に対して動作可能に連結された制御機構を使用して)外側カテーテル240を定位置に維持し、内側部材244を先端側に前進させることによって達成することができる。これに代えて、またはこれに加えて、外側カテーテル240を基端側に引き込みながら、内側部材244を定位置に維持してもよい。いずれの場合も、センサ270の基端部275を内側部材244のソケット294内に保持したまま、センサアセンブリ212を先端側開口部288から外へ展開することができる。外側カテーテル240の先端側開口部288から展開されると、次いで、アンカー274(図示せず)が、拡張され得る、または自己拡張することが理解されよう。
【0038】
図8〜9は、保持要素248をセンサ270に対して着脱可能に連結したままで、センサアセンブリ212をソケット294の先端側開口部296から先端側に移動させた状態にある、送達システム210を示す。そのような移動は、例えば、保持要素248を使用してセンサアセンブリ212を定位置に維持し、(例えば、内側部材244に連結されたサムホイール(図示せず)などの制御機構を操作することによって)内側部材244を同時に引き込むことによって、達成することができる。これに代えて、またはこれに加えて、特にアンカー(図示せず)がまだ標的血管組織としっかりと係合していない場合には、保持要素248、したがってセンサアセンブリ212を、先端側方向へ押しながら、内側部材244を定位置に維持してもよい。図9に示すように、いくつかの実施形態では、保持要素をセンサ270に連結したままで、内側部材244を外側カテーテル240内に完全に引き込むこともできる。
【0039】
図10は、保持要素248がセンサアセンブリ212から完全に係脱され、連結を解除され、かつ一部が内側部材244および外側カテーテル240内に再び引き込まれた状態にある、送達システム210を示す。図示された実施形態では、保持要素248は、上記の保持要素48と実質的に同様のものとして示されており、複数の先端側ジョー部材410を含む内側本体部材402、およびジョー部材410をセンサ270と係合させるために本体部材402上に配設された外側作動部材414を含む。しかし、この場合も、使用される特定の展開方法の要求事項に応じて、センサアセンブリ212を着脱可能に係合および保持することのできる任意の構造または機構を、保持要素248に組み込むことができる。
【0040】
上記で説明したように、外側カテーテル240、内側部材244、および/または保持要素248は、様々な実施形態において、上述の外側カテーテル40、内側部材44、および保持要素48と実質的に同じまたは同一の構造とすることができる。いくつかの実施形態では、ソケット294を含む先端部292のすべてまたは一部は、内側部材244の他の部分と比較して相対的に低いデュロメータ硬度の材料、例えば低デュロメータのPebaxなどから作製することができる。そのような構成は、過度の力を必要とせずにセンサ270をソケット294から解放できるようにしながらも、センサ基端部275のソケット294内での能動的係合を促すのに有利である。
【0041】
図11は、本発明のさらに別の実施形態による、送達システム1100の先端の斜視図である。図示された実施形態では、送達システム1100は、植え込み可能な医療器具1105、コネクタ1110、テザー1112、およびテザー保持特徴部1114を含む。一実施形態では、植え込み可能な医療器具1105は、センサアセンブリである。コネクタ1110は、本体部分1115、下面1116、上面1117、開口1118、およびレール1120を含む。レール1120は、コネクタ本体部分1115から基端方向に延びる。同様に、テザー1112は、植え込み可能な医療器具1105から基端方向に延びる。
【0042】
図11に示す実施形態では、本体部分1115は、側面部品1122および横断部品1124を含む。側面部品1122はテザー保持特徴部1114の両側にあり、基端側に延びてレール1120を形成する。別の実施形態では、レール1120は、溶接または他の方法で側面部品1122に接合される。横断部品1124は側面部品1122同士の間を延び、したがって、図11に示すように梯子形状を形成する。側面部品1122および横断部品1124の構成は、コネクタ1110に開口1118を形成する。一実施形態では、横断部品1124および側面部品1122は、平坦なリボンワイヤから形成される。一実施形態では、平坦なリボンワイヤの幅は約0.254ミリメートル(0.010インチ)であり厚さは約0.127ミリメートル(0.005インチ)である。別の実施形態では、横断部品1124および側面部品1122は、円形ワイヤから形成される。一実施形態では、円形ワイヤの直径は、約0.1778ミリメートル(0.007インチ)である。別の実施形態では、コネクタ1110は、平坦なリボンワイヤおよび円形ワイヤの任意の組み合わせから製造される。一実施形態では、ワイヤは、ステンレス鋼またはニチノールで構成される。
【0043】
開口1118は、テザー保持特徴部1114を受け入れ、かつ、開口1118に平行な平面において植え込み可能な医療器具1105に対してコネクタ1110が相対移動することを低減するように、寸法が設定される。一実施形態では、開口1118の長さは約1.016センチメートル(0.40インチ)であり、幅は約0.508センチメートル(0.20インチ)である。図11に示すように、テザー保持特徴部1114は開口1118内でぴったりとは嵌まらず、その代わりに、コネクタ1110の長手方向軸X−Xに平行な方向に、ある程度動くことができる。別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は、開口1118内にぴったりと嵌まる。さらに別の実施形態では、開口1118によって、コネクタ1110は長手方向軸X−Xに平行な方向以外に動くことができ、またはそれに加えて長手方向軸X−Xに平行な方向にも動くことができる。
【0044】
テザー1112は、テザー保持特徴部1114内に挿入されて示されている。テザー1112は、実質的に剛体のワイヤ、実質的に可撓性のワイヤ、縫合糸、またはテザー保持特徴部1114に嵌入可能な寸法の他の任意の長尺状部材を含むことができる。一実施形態では、テザー1112は、304グレードのステンレス鋼を含む。図11に示すように、テザー保持特徴部1114はそれぞれ、孔1126および開口部1128を有する。孔1126およびテザー1112は、テザー1112が孔1126内で摺動することができる寸法とされる。一実施形態では、孔1126とテザー1112は締まり嵌めで嵌合する。一実施形態では、テザー1112の直径は約0.254ミリメートル(0.010インチ)であり孔の直径は約0.254ミリメートル(0.010インチ)である。別の実施形態では、テザー1112は孔1126内で緩く摺動する。一実施形態では、開口部1128の寸法は約0.1016ミリメートル(0.004インチ)である。一実施形態では、テザー保持特徴部1114は、植え込み可能な医療器具1105と一体的に形成される。別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は、植え込み可能な医療器具1105に連結される。一実施形態では、テザー保持特徴部1114は、植え込み可能な医療器具1105に溶接される。一実施形態では、テザー保持特徴部はチタンを含む。
【0045】
一実施形態では、開口部1128によって、テザー1112を孔1126内で摺動させるのではなく、テザー1112を開口部1128からテザー保持特徴部1114内に挿入することができる。この実施形態では、テザー1112を開口部1128を介して孔1126内へと押し込むように所定量の力を加えると、開口部112は、テザー1112の挿入は可能にするが、テザー1112が開口部1128を通ってテザー保持特徴部1114から脱出することを妨げる。別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は閉じている(すなわち、開口部1128を含まない)。
【0046】
テザー1112は、テザー保持特徴部1114内に位置しているときには、コネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持するように、コネクタ1110の上面1117に対して作用する。図11に示す実施形態では、テザー1112はコネクタ1110の下面1116を、植え込み可能な医療器具1105の上面1130に近接するように付勢する。別の実施形態では、テザー1112がコネクタ1110の下面1116を植え込み可能な医療器具1105の上面1130に近接するように付勢するのではなく、コネクタ1110は、植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持され、該植え込み可能な医療器具1105に緩く連結される。別の実施形態では、テザー1112は、コネクタ1110を、植え込み可能な医療器具1105の他のいずれかの面の近傍に保持する。
【0047】
図12は、テザー1112をテザー保持特徴部1114から取り外した後の送達システム1100を示す。図12に示すように、テザー1112をコネクタ1110から基端方向Yに摺動させると、コネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105から分離することができる。
【0048】
図13は、送達システム1100の別の実施形態の斜視図である。図13に示す実施形態では、コネクタ1110はプレート1140を含む。レール1120は、プレート1140から基端側に延びている。プレート1140は開口1118を含み、植え込み可能な医療器具1105はテザー保持特徴部1114を含む。テザー保持特徴部1114は、孔1126および開口部1128を含むが、図11〜12に関して説明したように、別の実施形態では、テザー保持特徴部1114は開口部1128を含まない。テザー1112、テザー保持特徴部1114、およびコネクタ1110は、図11および12に関して説明したように、コネクタ1110の下面1116を植え込み可能な医療器具1105の上面1130の近傍に維持するように作用する。一実施形態では、プレート1140は、ステンレス鋼またはニチノールで構成される。一実施形態では、プレート1140の厚さは約9.347ミリメートル(約0.368インチ)である。一実施形態では、開口1118の長さは約9.855ミリメートル(約0.388インチ)であり、幅は約2.21ミリメートル(約0.087インチ)である。一実施形態では、開口の長さは約7.163ミリメートル(約0.282インチ)であり、幅は約1.168ミリメートル(約0.046インチ)である。
【0049】
別の実施形態では、送達システム1100は、任意の数のテザー保持特徴部1114および開口1118を含む。例えば、図11および12に示すコネクタ1110は1つの開口1118を有することができ、植え込み可能な医療器具1105は1つのテザー保持特徴部1114を有することができる。あるいはコネクタ1110は複数の開口1118を有することができ、植え込み可能な医療器具1105は複数のテザー保持特徴部1114を有することができる。同様に、プレート1140は、任意の数の開口1118を含むことができ、植え込み可能な医療器具1105は任意の数のテザー保持特徴部1114を含むことができる。別の実施形態では、開口1118の数はテザー保持特徴部1114の数とは異なる。別の実施形態では、コネクタ1110は、テザー保持特徴部1114と嵌合する任意の形状を有し、テザー1112を使用して、植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持することができる。
【0050】
図14A〜Bは、本発明の一実施形態による内側部材1150を、植え込み可能な医療器具1105、コネクタ1110、およびテザー1112と併せて示す。内側部材1150は、レールルーメン1152、テザールーメン1154、および前端面1156を含む。レールルーメン1152は、レール1120を摺動可能に受け入れる寸法を有し、テザールーメン1154はテザー1112を摺動可能に受け入れる寸法を有する。前端面1156は、植え込み可能な医療器具1105を患者体内の所望の位置に配置するように、植え込み可能な医療器具1105の後端面1158に対して作用する。一実施形態では、前端面1156と後端面1158の間には隙間がある。一実施形態では、隙間は約6.35ミリメートル(0.25インチ)である。一実施形態では、レール1120が内側部材1150に対して動かないようにするために、レール1120は内側部材1150に連結される。一実施形態では、レール1120は、基端(図示せず)において内側部材1150に連結される。一実施形態では、レール1120は、内側部材1150の基端(図示せず)まで延びる。別の実施形態では、レール1120は内側部材1150の長さの一部分に延びている。さらに別の実施形態では、コネクタ1110はレール1120を含まず、その代わりに、内側部材1150に連結される。
【0051】
図14Bに示す端面図では、内側部材1150が実質的に中実であり、レールルーメン1152およびテザールーメン1154を含む。別の実施形態では、内側部材1150は追加のルーメンを含むことができ、またはレール1120およびテザー1112を受け入れる実質的に中空の部材を含むことができる。一実施形態では、内側部材1150は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)の内張り、304Vステンレス鋼の編み組み、およびPebaxおよび/またはNylonの外側カバーを有するカテーテルを含む。
【0052】
図15は、本発明の一実施形態による、送達システム1110の例示的な使用方法1500を示す。テザー保持特徴部1114を、コネクタ1110の開口1118内へ挿入する(ブロック1510)。テザー1112をテザー保持特徴部1114の孔1126に挿入し、それによりコネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105の近傍に保持する(ブロック1520)。植え込み可能な医療器具1105を患者の体内に配置する(ブロック1530)。植え込み可能な医療器具1105に連結されたアンカーを展開して、植え込み可能な医療器具1105を患者の体内の所望の位置に保持する(ブロック1540)。一実施形態では、アンカーは、本願または上記で援用した「ANCHOR FOR AN IMPLANTABLE SENSOR」という名称の米国仮特許出願第60/844,821号に開示されたアンカー構造の形態を有する。テザー1112をテザー保持特徴部1114の孔1126から摺動させ、それによりコネクタ1110を植え込み可能な医療器具1105から解放する(ブロック1550)。コネクタ1110を本体から取り外す(ブロック1560)。一実施形態では、本方法はさらに、植え込み可能な医療器具1105を摺動可能に受け入れる寸法を有する内側ルーメンを備えた長尺状カテーテルを介して、植え込み可能な医療器具1105を送達することを含む。
【0053】
上記で説明した例示的な実施形態には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変および付加を行うことが可能である。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を示しているが、本発明の範囲には、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および上記のすべての特徴を必ずしも含まない実施形態も含まれる。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に含まれる、そのような代替形態、改変形態、および変形形態、ならびにそれらの均等物をすべて包含するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔を有するテザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムであって、
上面、下面、コネクタから基端方向に延びるレール、および開口を有するコネクタであって、前記開口は、テザー保持特徴部を受け入れ、かつ、該開口に平行な平面における植え込み可能な医療器具に対するコネクタの相対移動を低減する寸法を有する、コネクタと、
前記テザー保持特徴部の孔と嵌合する寸法のテザーと
を含み、前記テザーは、テザー保持特徴部の孔内にあるときに、コネクタの下面を植え込み可能な医療器具の近傍に保持するように、コネクタの上面に対して作用する、送達システム。
【請求項2】
前記レールが、前記コネクタから基端側に延びる複数のレールからなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コネクタが、横断部品および複数の側面部品を含み、該複数の側面部品が前記複数のレールと一体的に形成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コネクタが平坦なリボンワイヤで構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記平坦なリボンワイヤの幅が約0.254ミリメートル(0.010インチ)であり、厚さが約0.127ミリメートル(0.005インチ)である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コネクタが円形ワイヤで構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記円形ワイヤの直径が約0.1778ミリメートル(0.007インチ)である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コネクタがプレートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コネクタが複数の開口を含み、前記植え込み可能な医療器具が複数のテザー保持特徴部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記テザー保持特徴部が開口部を含み、該開口部は、該開口部を通して前記テザーを前記孔に挿入できるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記テザー保持特徴部が閉じており、前記テザーを前記孔内へ摺動させる必要がある、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記テザーと前記テザー保持特徴部とが締まり嵌めで嵌合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記テザーと前記テザー保持特徴部とが緩く嵌合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
テザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムであって、該送達システムがコネクタを備え、該コネクタは、植え込み可能な医療器具に対してコネクタを着脱可能に連結するように、テザー保持特徴部および該テザー保持特徴部と嵌合する寸法のテザーを受け入れる寸法の開口を有する、送達システム。
【請求項15】
前記コネクタから基端方向に延びるレールをさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コネクタの後端面の近傍にある前端面を有する内側部材をさらに含み、該内側部材が、前記植え込み可能な医療器具を押すように構成されており、かつ、前記テザーを摺動可能に受け入れる寸法を有するテザールーメン、および前記レールを摺動可能に受け入れる寸法を有するレールルーメンを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記レールが前記内側部材に連結された基端を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記レールが複数のレールを含み、前記内側部材が複数のレールルーメンを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
テザー保持特徴部を含む植え込み可能な医療器具を送達する方法であって、
前記テザー保持特徴部をコネクタの開口に挿入する工程と、
前記テザー保持特徴部にテザーを挿入することにより、前記コネクタを前記植え込み可能な医療器具に対して解放可能に連結する工程と、
前記植え込み可能な医療器具を患者の体内に配置する工程と、
前記植え込み可能な医療器具に連結されたアンカーを展開する工程と、
前記テザーに前記テザー保持特徴部の孔内を摺動させることにより、前記コネクタを前記植え込み可能な医療器具から解放する工程と、
前記コネクタを除去する工程と
を含む方法。
【請求項20】
前記植え込み可能な医療器具を摺動可能に受け入れる寸法を有する内部ルーメンを備えた長尺状カテーテルを介して、前記植え込み可能な医療器具を送達する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
孔を有するテザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムであって、
上面、下面、コネクタから基端方向に延びるレール、および開口を有するコネクタであって、前記開口は、テザー保持特徴部を受け入れ、かつ、該開口に平行な平面における植え込み可能な医療器具に対するコネクタの相対移動を低減する寸法を有する、コネクタと、
前記テザー保持特徴部の孔と嵌合する寸法のテザーと
を含み、前記テザーは、テザー保持特徴部の孔内にあるときに、コネクタの下面を植え込み可能な医療器具の近傍に保持するように、コネクタの上面に対して作用する、送達システム。
【請求項2】
前記レールが、前記コネクタから基端側に延びる複数のレールからなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コネクタが、横断部品および複数の側面部品を含み、該複数の側面部品が前記複数のレールと一体的に形成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コネクタが平坦なリボンワイヤで構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記平坦なリボンワイヤの幅が約0.254ミリメートル(0.010インチ)であり、厚さが約0.127ミリメートル(0.005インチ)である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コネクタが円形ワイヤで構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記円形ワイヤの直径が約0.1778ミリメートル(0.007インチ)である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コネクタがプレートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コネクタが複数の開口を含み、前記植え込み可能な医療器具が複数のテザー保持特徴部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記テザー保持特徴部が開口部を含み、該開口部は、該開口部を通して前記テザーを前記孔に挿入できるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記テザー保持特徴部が閉じており、前記テザーを前記孔内へ摺動させる必要がある、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記テザーと前記テザー保持特徴部とが締まり嵌めで嵌合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記テザーと前記テザー保持特徴部とが緩く嵌合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
テザー保持特徴部を含む、植え込み可能な医療器具のための送達システムであって、該送達システムがコネクタを備え、該コネクタは、植え込み可能な医療器具に対してコネクタを着脱可能に連結するように、テザー保持特徴部および該テザー保持特徴部と嵌合する寸法のテザーを受け入れる寸法の開口を有する、送達システム。
【請求項15】
前記コネクタから基端方向に延びるレールをさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コネクタの後端面の近傍にある前端面を有する内側部材をさらに含み、該内側部材が、前記植え込み可能な医療器具を押すように構成されており、かつ、前記テザーを摺動可能に受け入れる寸法を有するテザールーメン、および前記レールを摺動可能に受け入れる寸法を有するレールルーメンを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記レールが前記内側部材に連結された基端を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記レールが複数のレールを含み、前記内側部材が複数のレールルーメンを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
テザー保持特徴部を含む植え込み可能な医療器具を送達する方法であって、
前記テザー保持特徴部をコネクタの開口に挿入する工程と、
前記テザー保持特徴部にテザーを挿入することにより、前記コネクタを前記植え込み可能な医療器具に対して解放可能に連結する工程と、
前記植え込み可能な医療器具を患者の体内に配置する工程と、
前記植え込み可能な医療器具に連結されたアンカーを展開する工程と、
前記テザーに前記テザー保持特徴部の孔内を摺動させることにより、前記コネクタを前記植え込み可能な医療器具から解放する工程と、
前記コネクタを除去する工程と
を含む方法。
【請求項20】
前記植え込み可能な医療器具を摺動可能に受け入れる寸法を有する内部ルーメンを備えた長尺状カテーテルを介して、前記植え込み可能な医療器具を送達する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【公表番号】特表2010−527264(P2010−527264A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508489(P2010−508489)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/062229
【国際公開番号】WO2008/144191
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/062229
【国際公開番号】WO2008/144191
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】
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