説明

植物抽出組成物

本発明は、レモンバームの葉またはその一部を含む第一の組成物;エゾウゴキまたはその一部を含む第二の組成物;エンバクまたはその一部を含む第三の組成物;ブラックホアハウンドまたはその一部を含む第四の組成物;甘草の根またはその一部を含む第五の組成物;およびキャッツクローの根またはその一部を含む第六の組成物を含むキットに関する。さらに、本発明は、薬剤として使用するためのキット、ヒト、ウマ、ウシ、ブタおよびペット等の哺乳類の障害の治療に使用するためのキット、ヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息、またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療に使用するためのキット、ならびにヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息、またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療のためのキットの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、6個の植物成分を含むキットに関する。さらに、本発明は、薬剤として使用するためのキット、ヒト、ウマ、ウシ、ブタおよびペット等の哺乳類の障害の治療に使用するためのキット、ヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息、またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療に使用するためのキット、およびヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息、またはウマの尾およびたてがみの湿疹治療のためのキットの使用に関し、ループスおよび尾およびたてがみの湿疹は、ヒトまたはウマそれぞれにおける完全な代謝異常として特徴づけられる病気である。ループスは、ループスエリテマトーデス、疣贅型ループス、尋常性ループス、乾癬および湿疹のようないくつかの自己免疫疾患に対する一般名である。夏季性掻痒または芳香性掻痒(sweet-itching)としても公知である尾およびたてがみの湿疹は、ウマの間では一般的な病気である。ヒトまたはウマにおける代謝異常は、ヒトの皮膚またはウマの尾またはたてがみの部位に局在化された結合組織において、ホモトキシン(homotoxin)の蓄積で生じることが考えられる。しかしながら、内部器官のような体の他の部分でもそれ自体が現れる。
【0002】
ループスに罹っているヒト患者の皮膚は、光に対してとても敏感である。重傷の場合、直接的な光の曝露は、避けるべきであり、最終的には患者の社会的隔離を導く。さらに、ループスに罹っている患者は、炎症の進行性の攻撃のために、肝臓または腎臓の活動が不十分になることが知られる。
【0003】
尾およびたてがみの湿疹に罹っているウマは、病気に冒された場所で継続的な痒みを感じる。この痒みを軽減するために、ウマは、病気に冒された荒れた表面の場所をひっかく。しかしながら、このひっかくことが、病気に冒された場所の重度の炎症に導き、最終的には、ウマはもはや正常に機能することができない。
【0004】
ループスならびに尾およびたてがみの湿疹は、何年にも渡って公知の病気であるが、本当に有効な治療が未だに見つかっていない。現時点で使用される治療は、症状、すなわち炎症に焦点が当てられているが、病気それ自体を治療しない。
【0005】
本発明の目的は、ループスならびに尾およびたてがみの湿疹治療に使用するための本当に有効な薬剤を提供することである。
【0006】
第一の態様として、本発明は、
レモンバーム(学名 Melissa Officinalis)の葉またはその一部を含む第一の組成物;
エゾウゴキ(学名 Eleutherococcus senticosus)またはその一部を含む第二の組成物;
エンバク(学名 Avena sativa)またはその一部を含む第三の組成物;
ブラックホアハウンド(学名 Ballota Nigra)またはその一部を含む第四の組成物;
甘草(学名 Glycyrrhiza glabra/中国名 gan cao)の根またはその一部を含む第五の組成物;および
キャッツクロー(学名 Uncaria Tomentosa)の根またはその一部を含む第六の組成物
を含むキットに関する。
【0007】
レモンバームの葉中の医薬的に活性な化合物の一つは、ローズマリー酸である。さらに、エゾウゴキの医薬的に活性な化合物は、ポリフェノールフラクションに存在すると考えられる。さらに、ブラックホアハウンドの一部の医薬的に活性な化合物の一つは、カフェイン酸である。さらに、甘草の根の医薬的に活性な化合物は、サポニンフラクションに存在すると考えられ、キャッツクローの根の医薬的に活性な化合物は、アルカロイドフラクションに存在すると考えられる。
【0008】
他の哺乳類もそれで治療され得るが、上記組成物のキットは、とりわけ、ループスを患うヒトならびに尾およびたてがみの湿疹を患うウマの治療に適する。患者に該組成物キットを投与することにより、細網内皮系の遮断を高めて、バイオフィードバックを回復させる。これにより患者全体の健康状態の改善に導く。患者の健康状態を改善するために、体の結合組織にあるホモトキシンを分解すると考えられる。これにより、結合組織のホモトキシンの蓄積を停止し、皮膚および他の器官の炎症を食い止める。全体的な患者の健康状態を改善するために、上記キットは、例えば、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症および喘息のようなループス以外の他の病気に罹っているヒトの患者にも有用である。
【0009】
該キットの好ましい態様として、
第一の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のレモンバームの葉またはその一部を含み;
第二の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のエゾウゴキまたはその一部を含み;
第三の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のエンバクまたはその一部を含み;
第四の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のブラックホアハウンドまたはその一部を含み;
第五の組成物は、100〜1000mgの単位投与量の甘草の根またはその一部を含み;
第六の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のキャッツクローの根またはその一部を含む。
【0010】
本発明の第二の態様は、
レモンバームの葉またはその一部を含む第一の組成物;
エゾウゴキまたはその一部を含む第二の組成物;
エンバクまたはその一部を含む第三の組成物;
カバ(学名 Piper methysticum)の根またはその一部を含む第四の組成物;
甘草の根またはその一部を含む第五の組成物;
キャッツクローの根またはその一部を含む第六の組成物
を含むキットに関する。
【0011】
レモンバームの葉中の医薬活性化合物の一つは、ローズマリー酸である。さらに、エゾウゴキの医薬活性化合物は、ポリフェノールフラクションに存在すると考えられる。さらに、カバの根中の最も重要な医薬活性化合物の一つは、ほとんど樹脂である。さらに、甘草の根の医薬活性化合物は、サポニンフラクションに存在し、キャッツクローの根の医薬活性化合物はアルカロイドフラクション存在すると考えられる。
【0012】
上記キットは、とりわけ、ウマの治療に適しているが、他の哺乳類にもそれで治療されうる。キットの組成物を投与することは、細網内皮系の遮断作用を高め、バイオフィードバックを回復すると考えられる。これによりウマの全体の健康状態の改善に導く。その健康状態を改善するために、痒みを引き起こすホモトキシンを分解する。これにより、ホモトキシンを尾およびたてがみの範囲の結合組織で蓄積するのを防ぎ、痒みの軽減もしくは消失を引き起こす。
【0013】
本発明のキットの好ましい態様として、
第一の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のレモンバームの葉またはその一部を含み;
第二の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のエゾウゴキまたはその一部を含み;
第三の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のエンバクまたはその一部を含み;
第四の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のカバまたはその一部を含み;
第五の組成物は、100〜1000mgの単位投与量の甘草の根またはその一部を含み;
第六の組成物は、100〜1000mgの単位投与量のキャッツクローの根またはその一部を含む。
【0014】
上記キットの好ましい態様として、組成物は、医薬的に許容される担体を含む。
【0015】
さらに組成物は、カプセル剤または錠剤の形態であるのが好ましいけれど、液体またはサシェット(sachet)でも使用され得る。
【0016】
本発明の第三の態様として、薬剤として使用するための上述したキットに関する。
【0017】
本発明の第四の態様として、ヒト、ウマ、ウシ、ブタおよびペット等の哺乳類の障害の治療に使用するための上述したキットに関する。
【0018】
本発明の第五の態様として、ヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療に使用するための上述したキットに関する。
【0019】
本発明の最後の態様として、ヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療における上述したキットの使用に関する。
【0020】
本発明は、以下の実施例で記載される。これらの実施例は、説明の目的で与えられ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0021】
(実施例)
実施例1
ループスエリテマトーデスに罹ったスペイン人の女性患者を本発明のキットで処置した。処置前の患者は、肝臓機能が悪く、光にとても敏感であった。光に曝すと皮膚にいくつかの炎症を引き起こした。5ヶ月間、該患者を本発明の組成物キットで処置した。
女性は、210mgのレモンバームの葉を含む2個のカプセルを1日3回;
250mgのエゾウゴキを含む2個のカプセルを1日3回;
250mgのエンバクを含む2個のカプセルを1日3回;
150mgのブラックホアハウンドの抽出物を含むカプセルを1日3回;
250mgの甘草の根の一部を含む2個のカプセルを1日3回;および
350mgのキャッツクローの根の一部を含む1個のカプセルを1日3回投与された。
6ヶ月後、患者は、日光に曝しても、皮膚の炎症は全く起こらなかった。さらに、MRI画像で肝臓の形を撮ると、それらは肝臓の機能が悪いことを示す灰色点が消失していることを示した。
【0022】
実施例2
尾およびたてがみの湿疹に罹った102頭のウマ(98頭のFjords、2頭のIcelander および2頭のHalf ling)のグループを本発明の組成物キットで処置した。処置前のウマは、尾およびたてがみの範囲に、いくつかの感染があった。1〜6ヶ月間と異なる期間、ウマは、
210mgのレモンバームの葉を含む2個のカプセルを1日3回;
250mgのエゾウゴキを含む2個のカプセルを1日3回;
250mgのエンバクを含む2個のカプセルを1日3回;
300mgのカバの根の一部を含む2個のカプセルを1日3回;
250mgの甘草の根の一部を含む2個のカプセルを1日3回;
350mgのキャッツクローの根の一部を含む1個のカプセルを1日3回投与された。
6ヶ月以内に、すべてのウマの状態は良くなった。79頭のウマは、もはや尾およびたてがみの湿疹がなくなった。12頭のウマは改善を示したけれど、尾およびたてがみの湿疹は完全に治癒しなかった。11頭のウマは全く改善を示さなかった。疾病は、処置の効果を消失させる生物学的な境界を越えて、これらの11頭のウマに影響すると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レモンバーム(Melissa Officinalis)の葉またはその一部を含む第一の組成物;
エゾウゴキ(Eleutherococcus senticosus)またはその一部を含む第二の組成物;
エンバク(Avena sativa)またはその一部を含む第三の組成物;
ブラックホアハウンド(Ballota Nigra)またはその一部を含む第四の組成物;
甘草(Glycyrrhiza glabra/gan cao)の根またはその一部を含む第五の組成物;および
キャッツクロー(Uncaria Tomentosa)の根またはその一部を含む第六の組成物
を含むキット。
【請求項2】
第一の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のレモンバームの葉またはその一部を含み;
第二の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のエゾウゴキまたはその一部を含み;
第三の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のエンバクまたはその一部を含み;
第四の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のブラックホアハウンドまたはその一部を含み;
第五の組成物が、100〜1000mgの単位投与量の甘草の根またはその一部を含み;
第六の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のキャッツクローの根またはその一部を含む
請求項1に記載のキット。
【請求項3】
レモンバーム(Melissa Officinalis)の葉またはその一部を含む第一の組成物;
エゾウゴキ(Eleutherococcus senticosus)またはその一部を含む第二の組成物;
エンバク(Avena sativa)またはその一部を含む第三の組成物;
カバ(Piper methysticum)またはその一部を含む第四の組成物;
甘草(Glycyrrhiza glabra/gan cao)またはその一部を含む第五の組成物;
キャッツクロー(Uncaria Tomentosa)の根またはその一部を含む第六の組成物
を含むキット。
【請求項4】
第一の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のレモンバームの葉またはその一部を含み;
第二の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のエゾウゴキまたはその一部を含み;
第三の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のエンバクまたはその一部を含み;
第四の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のカバまたはその一部を含み;
第五の組成物が、100〜1000mgの単位投与量の甘草の根またはその一部を含み;
第六の組成物が、100〜1000mgの単位投与量のキャッツクローの根またはその一部をとして含む
請求項3に記載のキット。
【請求項5】
組成物が、医薬的に許容される担体を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のキット。
【請求項6】
組成物が、カプセル剤または錠剤の形態である、請求項1〜5に記載のキット。
【請求項7】
薬剤として使用するための請求項1〜6に記載のキット。
【請求項8】
ヒト、ウマ、ウシ、ブタおよびペット等の哺乳類の障害の治療に使用するための請求項1〜6のいずれかに記載のキット。
【請求項9】
ループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、ヒトの喘息、またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療に使用するための請求項1〜6のいずれかに記載のキット。
【請求項10】
ヒトのループス、多発性硬化症、関節リウマチ、リウマチ、骨粗鬆症、喘息、またはウマの尾およびたてがみの湿疹の治療のための請求項1〜6に記載のキットの使用。

【公表番号】特表2007−517829(P2007−517829A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548249(P2006−548249)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000191
【国際公開番号】WO2005/067951
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506234871)
【氏名又は名称原語表記】Leendert Taal
【出願人】(506234860)
【氏名又は名称原語表記】Anita Monique Taal−Vlas
【Fターム(参考)】