説明

植生ボード、その製造方法およびそれを利用した自然緑化システム

本発明は、炭化コルクを利用し製作された植生ボードと、その製造方法およびこれを利用した自然緑化システムに関するものである。
本発明は、前面は凹凸面となっており後面は滑らかな平面である炭化コルク材料の本体;上記本体の前面に凹みが形成され、植物の種播種や根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝;および上記の植生用溝に植生される植物;を含み、表面に植物を植生し壁面を緑化するように使用される。本発明によると炭化コルク材料の植生ボードを使用するため、難燃材質で維持保守管理が容易で、悪臭吸収効果があり、壁体の施工時に熱伝導率が低くて冷暖房の省エネ効果が大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁面緑化に使用される植生ボード、その製造方法およびこれを利用した自然緑化システムに関するもので、より詳細には難燃材質で維持保守管理が容易で、悪臭吸収効果があり、熱伝導率が低いため冷暖房の省エネ効果があるだけでなく、リサイクルの可能な環境に優しい製品で、水分調節機能があり持続的な水分露出にも腐食や腐敗されない炭化コルクを利用して表面を凸凹の質感が感じられるように加工、斜線に穴を形成し草、苔、花または木のような植物を植生させて、これを壁面に付着し壁面緑化に使用するように製作された植生ボードとその製造方法およびこれを利用した自然緑化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、住居環境の改善に関する関心が高まるにつれ、マンションや建物など各種建築物の外壁はもちろん、建物の玄関や事務所、マンションのリビングルームおよびベランダなどのような室内壁面を緑化しようとする努力が絶えず試されている。
【0003】
もっとも古典的な壁面緑化方法は土や植木鉢につたを植えて壁面に這い纏わらせる方法があるが、この方法は植栽可能な植物の種類が限られ、室内で適用し難い問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために壁面に突出型植木鉢を設置し、この植木鉢に各種の草花を植栽するか、または植物の成長が可能な植生煉瓦を使用する方法が紹介されているが、設置方法が煩わしくコストも多くかかるため、まだ広まっていないのが実情である。
【0005】
また、建築物の外壁に固定される支持台、上記支持台に固定され内側に不織布が設置されるプラントボックス、上記外壁に一方が固定され他方はプラントボックスにかかる固定具、そして上記プラントボックスの不織布の内部に満たされる軽量土で構成される壁面緑化施工構造が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
このような構造は室内外壁面の一部または全部に各種の草花や灌木、つた類の植物をいろいろ植栽し生活空間を美麗に装飾できる効果があるが、上記プラントボックスの内部に満たされた軽量土が植物の生長に必要な水分を含んだ状態で時間が経過すると、その重さによりプラントボックス自体が壁面から離脱することや下に垂れる可能性が非常に高い。したがって、壁面を効果的に緑化するためには、何よりも植物が根をおろす植栽層をどのような素材で形成するかが一番重要な課題といえる。
【0007】
それだけでなく、このような壁面緑化システムでは短期間内に全面緑化が可能であることが要求されていて、持続的に多様な植物生育に適合した素材が必要である。またこのように壁面緑化に使われる素材はそれ自体重さと、水の吸収時に荷重で垂れる恐れがあることを考慮すれば最大限に軽量にする必要があるし、それ自体が美麗な景観を提供し植物が枯死や冬季のような休眠期にも自然な景観を外部に提供しなければならない。
【0008】
またこのような壁面緑化システムは、各種支持台のような結着構造物が外部に露出されないことで外観が良好に維持され、防音効果もあることが望ましい。
【0009】
そして、壁面に容易く装着可能な付着施工性が容易で、切断などの加工がしやすく、虫や各種の菌類に強くなければならない。これは換気不足な室内地域に設置される場合、抗菌性が優秀な特性をもつことによって各種カビのような菌類が繁殖せずきれいな状態が維持できる。また室内外で長期間使える耐久性が必要で、熱変形や化学反応に敏感でなく多様な外部条件を満たせることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20−0402616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記のような従来の問題点を解消するためであり、その目的は、難燃材質で維持保守管理が容易く、悪臭吸収効果があり、熱伝導率が低くて冷暖房の省エネ効果があるのみならず、リサイクルができる環境に優しい製品で、水分の調節機能があって持続的な水分露出にも腐食や腐敗されない植生ボードとその製造方法を提供することである。
【0012】
そして本発明の他の目的は、炭化コルクを利用して表面を凸凹の質感が感じられるように加工し、斜線に穴を形成して草、苔、花または木のような植物を植生させ、これを壁面に付着し壁面緑化に使用するようになった植生ボードを用いて、室外壁面に植物を植生させることができるのはもちろん、室内でも外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出できるようになった自然緑化システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するための本発明は、表面に植物を植生させ壁面緑化に使用される植生ボードにおいて、前面は凹凸面となっており後面はなめらかな平面で構成された炭化コルク材料の本体;上記本体の前面に凹みが形成され、植物の種播種や根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝;および上記植生用溝に植生される植物;を含み、表面に植物を植生し壁面を緑化するように使用されるものである。
【0014】
したがって本発明は植生ボード自体が難燃材質の炭化コルクで構成されることにより、維持保守管理が容易く、悪臭吸収効果があり、壁体施工時に熱伝導率が低く冷暖房の省エネ効果がある。それだけでなく、このような植生ボードはいつでもリサイクルができる環境に優しい製品で、水分調節機能があって持続的な水分露出にも腐食や腐敗されることなく最適の壁体緑化に使用可能である。
【0015】
上記のような目的を達成するために本発明は、表面に植物を植生し壁面緑化に用いられる植生ボードの製造方法において、コルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕する段階;上記粉砕されたコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮をプレスにいれ、加熱および加圧し粉砕された粒子の硬い外皮部分を燃焼させて活性炭に形成させ、内皮部分の天然ワックス成分を利用して粒子を互いに接着させる段階;および前面は凹凸面となっており後面はなめらかな平面となり、前面には凹みが形成され、植物の種播種や根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝が形成された炭化コルク材料の植生ボードに成形する段階;を含むことである。
【0016】
これを通じてコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕した粒子を圧縮、加熱および塑性成形させて形成した炭化コルク材料で植生ボードの製作ができ、その表面を凸凹の質感が感じられるように加工した後、斜線に穴を形成し草、苔、花または木のような植物を植生させ、これを壁面に付着することで外観の優秀な壁面緑化ができる。
【0017】
本発明は上記のような目的を達成するために、壁面に植物を植生させ緑化するようになった自然緑化システムにおいて、前面は凹凸面となっており後面はなめらかな平面となり、前面には植物の種播種や植物の根が容易に活着できる凹んだ空間である植生用溝を形成した炭化コルク材料の植生ボード;上記植生ボードの後面一部または全部を被せる防水膜;上記植生ボードと防水膜を壁面に固定する支持手段;および上記植生用溝に植生される植物;を含み、表面に植物を植生し壁面を緑化するものである。
【0018】
したがって炭化コルク材料の植生ボードを用いて壁面に付着し、草、苔、花または木のような植物を植生させて壁面緑化に使用するため、室外の垂直壁面または岩壁のような不規則な壁面に植物を自然に植生できることはもちろん、室内でも外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出できる。
【0019】
本発明は上記のような目的を達成するために、壁面に植物を植生させ緑化するようになった自然緑化システムにおいて、一定大きさの空間を内側に形成し、上記空間を防水板で分割し、前面には透明ガラスが設置された水槽を形成し、後面には機械室を形成したボックス型のケーシング;上記ケーシングの内部で防水板の水槽側全面に支持手段を使って付着され、表面は凹凸面で植物の種播種や植物の根が容易に活着できる炭化コルク材料の植生ボード;および上記機械室に位置され水槽に入った水を吸入する回水管を備え、上記回水管を通じて流入された水をこし異物を取り除くフィルタを備え、上記フィルタを通過した水を再び水槽側に排出させ水槽内の水を循環させるポンピング手段;を含んで、上記植生ボードの表面に植物を植生させ水槽内の壁面を緑化するものである。これにより炭化コルク材料の植生ボードを水槽壁面の片方に付着し、草、苔、花または木のような植物を植生させて水槽内部を緑化するため、室内でも外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出できる。
【0020】
本発明は上記のような目的を達成するために、壁面に植物を植生させ緑化するようになった自然緑化システムにおいて、一定大きさの空間を内側に形成し、上記空間を第1および第2防水板で分割し、中央には透明ガラスが設置された水槽を形成し、その両側に各々第1および第2機械室を形成したボックス型のケーシング;上記ケーシングの内部で水槽側背面壁体に支持手段を使って付着され、表面は凹凸面となり植物の種播種や植物の根が容易に活着できる炭化コルク材料の植生ボード;上記第1機械室に位置され、水槽に入った水を吸入する第1回水管を備え、上記第1回水管を通じて流入された水をこし異物を取り除く第1フィルタを備え、上記第1フィルタを通過した水を水槽の植生ボードの上部側に供給し、植生ボードと植物に水分を提供する第1ポンプ;および上記第2機械室に位置され、水槽に入った水を吸入する第2回水管を備え、上記第2回水管を通じて流入された水をこし異物を取り除く第2フィルタを備え、上記第2フィルタを通過した水を再び水槽側に排出させ水槽内の水を循環させる第2ポンプ;を含み、上記植生ボードの表面に植物を植生させ水槽内の壁面を緑化するものである。したがって、炭化コルク材料の植生ボードを水槽壁面の片方に付着し、草、苔、花または木のような植物を植生させて水槽内部を緑化するため、室内でも外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるとコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕した粒子を圧縮、加熱および塑性成形させて形成した炭化コルク材料の植生ボードを使用するため、植生ボード自体が難燃材質で維持保守管理が容易く、悪臭吸収効果があり、壁体施工時に熱伝導率が低くて冷暖房の省エネ効果がある。
【0022】
それだけでなくこのような植生ボードはいつでもリサイクルができる環境に優しい製品で、水分調節機能があり持続的な水分露出にも腐食や腐敗されることなく最適の壁体緑化に使用可能である。
【0023】
そして本発明によると炭化コルク植生ボードを用い、表面を凸凹の質感が感じられるように加工し、斜線に穴を形成し草、苔、花または木のような植物を植生させ、これを壁面に付着し壁面緑化に使用するため、室外の垂直壁面または岩壁のような不規則な壁面に植物を自然に植生できることはもちろん、室内でも外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出できる優秀な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に従って植生ボードを示した外観斜視図である。
【図2】(a)および(b)は本発明に従って、炭化コルクで構成された植生ボードを示した写真である。
【図3】(a)は本発明に従って植生ボードを利用し、室外の垂直壁体に壁面緑化をした自然緑化システムを示した外観斜視図であり、(b)は本発明に従って植生ボードを利用し、室外の人工滝の岩盤に壁面緑化をした自然緑化システムを示した外観斜視図である。
【図4】(a)は本発明に従い、自然緑化システムで植生ボードを壁面に固定させる支持手段を示した断面図であり、(b)は本発明に従い、自然緑化システムで植生ボードに水を供給する構造を示した説明図である。
【図5】(a)は本発明に従って自然緑化システムを利用し、壁面緑化した状態を示した写真であり、(b)は従来技術に従って自然緑化システムを利用し、壁面緑化した状態を示した写真であり、(c)は従来の別の自然緑化システムを利用し、壁面緑化した状態を示した写真である。
【図6】(a)は本発明に従って自然緑化システムを利用し、室内にスタンド型水槽インテリアを構成した分解斜視図であり、(b)は(a)の平断面図である。
【図7】(a)は本発明に従って自然緑化システムを利用し、室内にスリム型水槽インテリアを構成した分解斜視図であり、(b)は(a)の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の望ましい実施例を図面を参照し、より詳細に説明する。
【0026】
本発明による植生ボード(1)は図1および図2に図示するように、炭化コルク(CARBONIZED CORK BOARD)の板型本体(10)を備えるが、このような炭化コルク本体(10)はコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕した粒子を圧縮、加熱および塑性成形させた資材である。
【0027】
このような炭化コルク本体(10)は抗菌性が優秀で、カビや小さい虫、蟻が生息し難い。このような炭化コルク本体(10)は下記のような物理的特性を有する。
【0028】
使用限界温度:−180℃〜130℃
【0029】
水蒸気伝導性:2,000.10〜8g.cm/h.cm.mm.Hg
【0030】
水蒸気に対する耐久性:4〜5g/24h.m.mm.Hg
【0031】
温度に対して長さの変動率:3×10−5〜4×10−5(温度間隔:20〜100℃)
【0032】
曲げ強度:1.7〜2.5kg/m
【0033】
使用制限圧力:25,000kg/m
【0034】
水平張力強度による破壊点:4kg/cm以上
【0035】
熱拡散性:0.0005〜0.00073m/h
【0036】
比熱:20℃の温度で0.45〜0.50Kcal/kg℃
【0037】
耐水性:湿気による腐敗現象発生しない。
【0038】
沸騰水または塩化水素、酸で作用分解されない。
【0039】
変形:0.5kg/cmに100日後3%、密度の高い炭化コルクほど変形が少ない。
【0040】
上記のような炭化コルク本体(10)は、その前面(10a)は凹凸面となり後面(10b)はなめらかな平面となっている構造で、望ましい大きさは500mm×500mm×50Tで、重量:2kg以下(500mm×500mm基準)で、壁体(60)荷重:1m×1m面積あたり8kg以下、主成分:天然コルク(炭化)、活性炭で、100%天然の環境に優しい製品でリサイクルが可能である。
【0041】
このような植生ボード(1)の前面(10a)は植物(30)が植栽される面として、水分吸収力を高め、自然な美観を形成し、植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できるようにするために凹凸に処理される。
【0042】
また上記本体(10)の前面(10a)には凹みが形成され、植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝(20)が多数形成されるが、このような植生用溝(20)は望ましく本体(10)の斜線に形成される。またこのような本体(10)の植生用溝(20)には草または木、苔などの植物(30)が植生される。
【0043】
また本発明は望ましくも上記本体(10)の背面は、本体(10)内の水と植物の根が後方に透過されないように、PVC材料またはビニール材料を含んだ防水膜(35)が接着剤で一体に付着されたものである。
【0044】
すなわち背面は水と植物の根が透過されない素材、例えばPVC、ビニールまたは繊維素など多様な素材を含む防水膜(35)が位置されるが、このような防水膜(35)としては難燃材質でありながら、水は透過されず空気を透過させる素材がもっとも理想的である。
【0045】
このような防水膜(35)はシリコンまたはボンドを含む接着剤を利用して、本体(10)と一体に接着させることで耐久力を向上させ、施工時に本体(10)の結着を容易にし、施工される建築物の外壁面に水分の伝達を塞ぐことで建築物の外壁を保護できる。
【0046】
上記本体(10)は前面に水分貯蔵能力を最大に増加させ、植物(30)の生長に必要な有機成分を提供するために用土(未図示)が固着されるが、このような用土は本体(10)の前面(10a)に撒布し凸凹に加工された溝の合間に挟まれるようにした後、水を噴射すると溝の合間に固着される。このような用土として泥炭(ピートモス)が望ましい。
【0047】
すなわち本発明の植生ボード(1)は現場の状況によって、例えば乾燥した環境または、潅水設備施設が容易ではないため自然的な水分供給にだけ依存するところに施工される場合、水分貯蔵能力を最大に増加させるために凹凸表面の前面には泥炭(ピートモス)など、植物(30)の生長に必要な有機成分を提供して水分貯蔵能力をもつ用土を固着させる。
【0048】
このような用土は粉形態や小さい固まり形態のもので、本体(10)の裏表面に撒布のあと表面に水を噴射すると、凸凹に加工された溝の合間に挟まれ固着される。このように用土を固着させれば外部から人為的、物理的な力が加わらない限り、例えば真空掃除機で吸い取る場合以外は、自然的な要因である強い風や雨などによる流失率はほぼなくなる。
【0049】
上記のように構成されている本発明の植生ボード(1)は100%天然素材なので火災時に有毒ガスの発生がなく、特に湿気による腐敗現象がない。また化学反応や腐敗現象がないため半永久的に使用できて重量が軽い軽量構造物であり、カッターナイフなどで切断可能な施工性がとても良好である。
【0050】
以下、本発明による植生ボード(1)の製造方法に関してより詳細に説明する。
【0051】
本発明による植生ボード(1)の製造方法は、コルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕して金属の金型に入れ圧縮のあと、熱気または過熱蒸気で加熱および加圧し塑性成形して作ることになる。
【0052】
このとき、炭化コルクで構成された植生ボード(1)の成形は他の接着剤を使用せず、加熱時に生成されるコルク自体の天然ワックスで成形されるため、耐薬品性、防湿性、弾力性、組織の不変性などが維持され優秀な防塵、防音効果とともに人体に無害な製品になる。
【0053】
先ず、コルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕する段階において、この時は炭化コルクに成形された後に適切な空隙を維持するために粉砕粒子は1cm〜3cm程度が望ましい。
【0054】
その次には、このように粉砕されたコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮をプレス(金型)に入れ、加熱および加圧し粉砕された粒子の硬い外皮部分を燃焼させて活性炭に形成させ、内皮部分の天然ワックス成分を利用し粒子を互いに密着させる段階になる。
【0055】
このようにプレスを利用して加熱および加圧する段階では、一般的なコルク製品の製造時には軟らかくふんわりとした特性を有するかしわの内皮部分を使用するが、本発明の植生ボード(1)の製造時には抗菌作用と浄化作用の役割のために硬い外皮部分も一緒に使用する。
【0056】
すなわち、プレスで加熱および加圧加工時に粉砕されたコルク木の硬い外皮部分は、燃焼および炭化され炭に、すなわち活性炭に変わり、植生ボード(1)で活性炭の役割をすることになる。このような活性炭は水の硝酸塩を吸収する役割をし、水の硝酸塩の濃度を低めて水の浄化作用をするのに望ましい。またこのような活性炭は周辺の悪臭吸収など一般的な炭の機能もする。
【0057】
上記かしわの外皮部分の比率は内皮比率より高くないのが望ましい。外皮比率が多くなるほど、配合過程で内皮の固まり等とくまなく混合されなければならない。万一くまなく混合されない場合、硬い外皮部分からは高熱を加えても天然ワックス成分が出てこないため、板材に成形される場合、凝集力が非常に弱くて人為的に接着剤を配合しない限り、耐久性のある板材にできあがり難いため望ましくない。
【0058】
また繊維質を形成する軟らかい内皮部分からは加熱および加圧時、天然ワックス成分が流れ出て接着成分の役割をするので、別途に接着剤を塗らなくても適当な気孔を形成する100%天然新環境素材の炭化コルクが製造される。
【0059】
このようにプレスで加熱および加圧され炭化コルクに製造されたコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮の粒子らは、前面では凹凸面となって後面はなめらかな平面となり、前面には凹みが形成され植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝(20)が形成された形態に成形される段階を経て、図1、図2(a)および図2(b)に示すように炭化コルク材料の植生ボード(1)に製造される。
【0060】
このように炭化コルク板材型の植生ボード(1)に成形する段階で、その厚さは1cm〜30cmの範囲が望ましい。万一1cm以下で薄すぎる場合には苔などの小さい着生植物の他には、適正な土の深さが形成されないことで植物(30)が根付き難く、30cm以上の場合には荷重が大きくなり施工時に下部に垂れる恐れがあって、垂れを防ぐために金属の枠中に固定させることもできるが、これは施工単価の上昇要因となるので好ましくない。
【0061】
上記のような製造方法を通じて得られた本発明の植生ボード(1)は、良質のコルク粒子を炭化させ形成されたもので、外部衝撃と吸収性が優秀で防音および吸音効果が非常に優秀である。また熱の伝導率が低いため断熱効果も優れていて、100%天然素材なので火災時に有毒ガスの発生がなく、特に抗菌性が優秀で湿気による腐敗現象がない。
【0062】
そして本発明による植生ボード(1)の製造方法において、その背面に水と植物の根が後方に透過されないように、PVC材料またはビニール材料を含む防水膜(35)を接着材(未図示)で付着させる段階をさらに含むか、上記植生ボード(1)の前面(10a)に水分貯蔵能力を最大に増加させ、植物(30)の生長に必要な有機性分を提供するように泥炭(ピートモス)からなる用土(未図示)を固着させる段階をさらに含むことができる。このような場合、用土は凸凹に多数の溝が形成された前面に撒布し溝の合間に分散させた後、水を噴射することで接着剤無しで固着できる。
【0063】
以下、本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)に関して、図面を参照しより詳細に説明する。
【0064】
本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)は、図3(a)および図3(b)に示すように炭化コルク材料の植生ボード(1)を用いる。
【0065】
このような植生ボード(1)は図1に示すようにコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕し、金属の金型にいれ圧縮の後、熱気または過熱蒸気で加熱および加圧して塑性成形し製作されたもので、その前面(10a)は凹凸面となって、後面(10b)は滑らかな平面となり、前面(10a)には植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できる凹んだ空間である植生用溝(20)を形成したものである。
【0066】
またこのような植生ボード(1)の前面(10a)に形成された溝は、水分貯蔵能力を最大に増加させ、植物(30)の生長に必要な有機成分を提供するように泥炭(ピートモス)と植物の種子や粉砕した苔を配合撒布し固着させるが、これにより上記植生用溝(20)に植えられた花、苔または木などの植物(30)が容易く活着し育つことができる。
【0067】
このような植生ボード(1)の後面一部または全部を被せる防水膜(35)が備えられ、上記植生ボード(1)と防水膜(35)を壁体(60)に固定する支持手段(50)を備える。
【0068】
このような支持手段(50)は、例えば図4(a)に示すように植生ボード(1)と防水膜(35)を貫通して壁体(60)に固定させるアンカーボルトか、または上記植生ボード(1)と防水膜(35)を壁体(60)に付着させるボンドまたはシリコンを含む接着剤で、植生ボード(1)と防水膜(35)を壁体(60)に一体で固定させるものである。
【0069】
このように構成された本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)は植生ボード(1)の表面に植物(30)を植生し壁面を緑化するが、例えば図3(a)に示すように上記植生ボード(1)に同一な規格を多数順次に積層し垂直壁全面に支持手段(50)で固定させることができる。
【0070】
そして例えば図3(b)に示すように、互いに異なる規格を不規則に切断し、人工滝のような岩壁(65)に支持手段(50)を使って固定し、植生用溝(20)に植物(30)を植生できる。
【0071】
したがって、本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)は、炭化コルク植生ボード(1)を利用し草、苔、花または木のような植物(30)を植生させ、これを壁面に付着し壁面緑化に使用するため、室外の垂直壁体(60)または岩壁(65)のような不規則な壁面に植物(30)を自然に植生させることができる。
【0072】
また本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)は図4(b)に示すように水供給システム(70)が具備できるが、これは自然に水供給ができない室内あるいは渇水地域に設置されると効果的に活用できる。
【0073】
このような水供給システム(70)は水を貯蔵する水槽(72)を備え、上記水槽(72)から植生ボード(1)に水を供給するためのポンプ(75)を有する。このようなポンプ(75)には、植生ボード(1)の上部側に延長され端部には噴射ノズル(77)が備わった配水管(80)が繋がり、上記ポンプ(75)を一定時間の周期でオン・オフ作動させるタイマー(82)も含むことができる。このような水供給システム(70)を利用し、上記植生ボード(1)に水供給ができれば、水供給のできない室内あるいは渇水地域でも効果的に壁面緑化ができるようになる。
【0074】
本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)と従来の壁面緑化システムの比較写真が図5(a)、図5(b)および図5(c)に示されている。
【0075】
すなわち、図5(a)に示すように本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(100)は、壁体(60)に施工後直ちに全面緑化が可能で、支持手段のような固定構造物の外部露出はまったく無い。そして冬季のように植物(30)が休眠にはいる季節にも植生ボード(1)が外部に露出されてもナチュラルな景観を提供する。また植生ボード(1)自体の熱伝道度が低くて壁面の施工時に冷暖房の省エネ効果が大きく、超軽量性で、炭化コルク素材の特性上、害虫や菌類の生息が難しい。したがって建物外壁の保護効果と耐久力向上の効果が大きい。
【0076】
一方、図5(b)に示すような従来の壁面緑化システム(100’)は、壁体の施工後直ちに全面緑化はできるが、結着構造物が外部に露出され美観を害する。また冬季のように植物の休眠期には結着構造物がありのまま外部に露出されることにより、外観がナチュラルではなく不良にみえる。また熱伝道度が高くて冷暖房の省エネ効果が少なく、植生ボード自体が荷重を多く受けるため鉄フレームを使わねばならないので施工原価が大きく上昇する。
【0077】
そして図5(c)に示すようなまた別の従来の壁面緑化システム(100”)は、壁体に植木鉢を付着させた形態に人為的な感じを与えるうえ、施工後直ちに全面緑化が不可能である。それだけでなくこのような植木鉢には苔などの多様な植物群を植生させることが不可能なため、壁体緑化に非効果的である。
【0078】
一方、本発明による植生ボードを利用した自然緑化システムは、室内でも外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出することができる。
【0079】
すなわち図6(a)に示すように本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(200)は、一種のスタンド型水槽インテリア製品として構成できる。
【0080】
このような場合、本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(200)は、一定大きさの空間を内側に形成したケーシング(210)を備えるが、このようなケーシング(210)は空間を防水板(212)で前後分割し、前面には透明ガラス(215)が設置された水槽(220)を形成し、後面には機械部品が内蔵される機械室(230)を形成するボックス型の構造である。
【0081】
このようなケーシング(210)はその内部に防水板(212)の水槽(220)側全面に支持手段を使って炭化コルク材料の植生ボード(1)が付着されるが、その表面は凹凸面となっており植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できるものである。
【0082】
そして上記機械室(230)には図6(b)に示すようにポンピング手段(250)が位置されるが、このようなポンピング手段(250)は水槽(220)に入った水を吸入する回水管(256)を備え、上記回水管(256)を通じて流入された水をこし異物を取り除くフィルタ(260)を有する。また上記ポンピング手段(250)はフィルタ(260)を通過した水を再び水槽(220)側に排出させ、水槽(220)内の水を循環させるものである。
【0083】
このようなポンピング手段(250)は上記フィルタ(260)を通過した水を水槽(220)の植生ボード(1)上部側に供給し、植生ボード(1)と植物(30)に水分を提供する第1ポンプ(252)と、上記フィルタ(260)を通過した水を回水管(256)の水槽(220)反対側に形成された吐出口(264)を通じて水槽(220)内に供給し、水槽(220)の吐出口(264)から回水管(256)へ向いた一方向の水の流れを提供する第2ポンプ(254)で構成できる。
【0084】
すなわち上記ポンピング手段(250)は第1ポンプ(252)を通じて、水槽(220)の植生ボード(1)上部側に水を供給し植生ボード(1)と植物(30)に水分を提供するが、このような第1ポンプ(252)の排出管(268)にはその端部に噴射ノズル(268a)が具備され、植生ボード(1)の上部から広い面積に水分供給できる。
【0085】
また上記ポンピング手段(250)は第2ポンプ(254)を通じてフィルタ(260)を通過した水を、回水管(256)の水槽(220)反対側に形成された吐出口(264)から水槽(220)内に供給し、水槽(220)の吐出口(264)から回水管(256)へ向いて水槽(220)を横切り一方向に水の流れが形成できる。これにより水槽(220)内に充分な酸素が供給され、魚が住める空間が備わる。
【0086】
また上記ケーシング(210)は水槽(220)上部側に蛍光灯を含む照明手段(280)を備え、水槽(220)内部を光で照らすことができる。それだけでなく、本発明は水槽(220)内部に酸素を供給するための酸素供給ポンプ(未図示)なども具備できる。
【0087】
そして本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(300)は、上記とは異なる構造で室内において外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出できる。
【0088】
すなわち図7(a)に示すように、本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(300)は、一種のスリム型水槽インテリア製品として構成できる。
【0089】
このような場合、本発明による植生ボードを利用した自然緑化システム(300)は、一定大きさの空間を内側に形成したケーシング(310)を具備し、上記ケーシング(310)の空間を左右両側で第1および第2防水板(312a)(312b)で分割し、中央には透明ガラス(315)が設置された水槽(320)を形成し、その両側に各々第1および第2機械室(330a)(330b)を形成したボックス型の構造になる。このようなケーシング(310)の内部には水槽(320)側の背面壁体に支持手段(未図示)を使って炭化コルク材料の植生ボード(1)が付着される。
【0090】
このような植生ボード(1)は表面が凹凸面となっており、植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できるもので草、苔、花または木のような植物(30)が植生される。
【0091】
そして図7(b)に示すように、上記第1機械室(330a)には第1ポンプ(352)が設置されるが、第1ポンプ(352)は水槽(320)に入った水を吸入する第1回水管(356a)を備え、上記第1回水管(356a)を通じて流入された水をこし異物を取り除く第1フィルタ(360a)を備え、上記第1フィルタ(360a)を通過した水を水槽(320)の植生ボード(1)の上部側に供給し、植生ボード(1)と植物(30)に水分を提供するようになる。
【0092】
また上記第2機械室(330b)には第2ポンプ(354)が位置されるが、第2ポンプ(354)は水槽(320)に入った水を吸入する第2回水管(356b)を備え、上記第2回水管(356b)を通じて水をこし異物を取り除く第2フィルタ(360b)を備え、上記第2フィルタ(360b)を通過した水を再び水槽(320)側に排出させ水槽(320)内の水を循環させる。
【0093】
このような構造で上記第2ポンプ(354)は水槽(320)側に水を排出させる配水管(380)の吐出口(364)が水槽(320)の中央側に形成されることにより、水槽(320)の中央から両側へ向いた両方向の水の流れが形成されるようにする。このような構造によって水槽(320)内に充分な酸素が供給され、魚が住める空間が備わるのである。
【0094】
また上記ケーシング(310)は水槽(320)上部側に蛍光灯を含む照明手段(未図示)を備え、水槽(320)の内部を光で照明できることはもちろん、水槽(320)内部に酸素を供給するための酸素供給ポンプ(未図示)なども具備できる。
【0095】
上記のように本発明は、コルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕した粒子を圧縮、加熱および塑性成形させて形成した炭化コルク材料の植生ボード(1)を製作し、これを利用して壁面緑化に使用するため、植生ボード(1)自体が難燃材質で、維持保守管理が容易く、悪臭吸収効果があり、壁面施工時に熱伝導率が低くて冷暖房の省エネ効果がある。
【0096】
それだけでなく、このような植生ボード(1)はいつでもリサイクルができる環境にやさしい製品で、水分調節機能があり持続的な水分露出にも腐食や腐敗されることなく最適の壁体緑化に使用可能である。
【0097】
そして本発明は炭化コルク植生ボード(1)を利用し、表面を凸凹の質感が感じられるように加工し、斜線に穴を形成し草、苔、花または木のような植物(30)を植生させ、これを壁面に付着し壁面緑化に使用するため、室外の垂直壁体(60)または岩壁(65)のような不規則な壁面に植物(30)を自然に植生させることができる。また、室内でも水槽(220)(320)内部に設置し、外観が美麗でナチュラルなインテリア小品として演出可能である。
【0098】
本発明は、上記において図面を参照し特定実施例に関して詳細に説明したが、本発明はこのような特定構造に限定されるものではない。当業界の通常知識を有する者であれば、以下の特許請求範囲に記載された本発明の技術思想および権利範囲を外れることなく、本発明の実施例を多様に修正または変更することができる。例えば、植生ボードが特定の形状と大きさをもつように加工し、これを壁がけの小品や花がけ用品に形態を変形し使用できるが、そのような単純な実施例の修正または設計変更した構造等全て、本発明の権利範囲内に属することを予め明らかにする。
【符号の説明】
【0099】
1…本発明による植生ボード、
10…本体、10a…前面、
10b…後面、30…植物、
35…防水膜、50…支持手段、
60…壁体、65…岩壁、
70…水供給システム、72…水槽、
75…ポンプ、77…噴射ノズル、
80…配水管、82…タイマー、
100、200、300…本発明の自然緑化システム、
100’、100”…従来の壁面緑化システム、
210、310…ケーシング、212…防水板、
215、315…透明ガラス、220、320…水槽、
230…機械、250…ポンピング手段、
252…第1ポンプ、254…第2ポンプ、
256…回水管、260…フィルタ、
264…吐出口、268…排出管、
268a…噴射ノズル、312a、312b…第1および第2防水板、
330a、330b…第1および第2機械室、352…第1ポンプ、
354…第2ポンプ、356a…第1回水管、
356b…第2回水管、360a…第1フィルタ、
360b…第2フィルタ、380…配水管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に植物を植生し壁面緑化に使用される植生ボードにおいて、
前面(10a)は凹凸面となっており、後面(10b)は滑らかな表面の炭化コルク材料の本体(10);
前記本体(10)の前面(10a)に凹みが形成され、植物(30)の種播種や根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝(20);および
前記植生用溝(20)に植生される植物(30);を含み、表面に植物(30)を植生し、壁面を緑化するように使用されることを特徴とする植生ボード(1)。
【請求項2】
前記本体(10)は、その背面に本体(10)内の水と植物の根が後方に透過されないようにPVC材料またはビニール材料を含む防水膜(35)が接着剤で一体に付着されたことを特徴とする請求項1記載の植生ボード(1)。
【請求項3】
前記本体(10)は、コルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を粉砕した粒子を圧縮、加熱および塑性成形させたものであることを特徴とする請求項1記載の植生ボード(1)。
【請求項4】
前記本体(10)は、前面(10a)に水分貯蔵能力を最大に増加させ、植物(30)の生長に必要な有機成分を提供する泥炭(ピートモス)と植物の種子や粉砕した苔を配合撒布し、凸凹に加工された溝の合間に位置させた後、水を噴射し固着させたものであることを特徴とする請求項3記載の植生ボード(1)。
【請求項5】
表面に植物を植生し、壁面緑化に使用される植生ボードの製造方法において、
コルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮を1cm〜3cmの粒子に粉砕する段階;
前記粉砕されたコルクオークの樹皮およびコルク用かしわの内皮および外皮をプレスに入れ、加熱および加圧して粉砕された粒子の硬い外皮部分を燃焼させて活性炭に形成させ、内皮部分の天然ワックス成分を使い粒子を互いに接着させる段階;および
前面は凹凸面となっており後面はなめらかな平面となり、前面には凹みが形成され植物(30)の種播種や根が容易に活着できる空間を形成する植生用溝(20)が形成された炭化コルク材料の植生ボード(1)に成形する段階;を含むことを特徴とする植生ボード(1)の製造方法。
【請求項6】
前記植生ボード(1)の背面に水と植物の根が後方に透過されないように、PVC材料またはビニール材料を含む防水膜(35)を接着剤で付着させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の植生ボード(1)の製造方法。
【請求項7】
前記植生ボード(1)の前面(10a)に水分貯蔵能力を最大に増加させ、植物(30)の生長に必要な有機成分を提供するよう、泥炭(ピートモス)と植物の種子や粉砕した苔を配合撒布し凸凹に加工された溝の合間に分散させた後、水を噴射し固着させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の植生ボード(1)の製造方法。
【請求項8】
壁面に植物を植生させ緑化するようになった自然緑化システムにおいて、
前面(10a)は凹凸面となっており後面(10b)は滑らかな平面となり、前面には植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できる、凹んだ空間である植生用溝(20)を形成した炭化コルク材料の植生ボード(1);
前記植生ボード(1)の後面(10b)一部または全部を被せる防水膜(35);
前記植生ボード(1)と防水膜(35)を壁面に固定する支持手段(50);および
前記植生用溝(20)に植生される植物(30);を含み、表面に植物(30)を植生して壁面を緑化することを特徴とする自然緑化システム(100)。
【請求項9】
前記植生ボード(1)はその前面に水分貯蔵能力を最大に増加させ、植物(30)の生長に必要な有機成分を提供するように泥炭(ピートモス)と植物の種子や粉砕した苔を配合撒布し、凸凹に加工された溝の合間に分散させた後、水を噴射して固着させたものであることを特徴とする請求項8記載の自然緑化システム(100)。
【請求項10】
前記支持手段(50)は前記の植生ボード(1)と防水膜(35)を貫通し壁面に固定させるアンカーボルト、または前記の植生ボード(1)と防水膜(35)を壁面に付着させるボンドまたはシリコンを含む接着剤で構成されることを特徴とする請求項8記載の自然緑化システム(100)。
【請求項11】
水を貯蔵する水槽(72);前記水槽(72)から植生ボード(1)に水を供給するためのポンプ(75);前記ポンプ(75)に繋がり植生ボード(1)の上部側に延長され、端部には噴射ノズル(77)が備わった配水管(80);および前記ポンプ(75)を一定時間の周期でオン・オフ作動させるタイマー(82);を有する水供給システム(70)をさらに含み、前記植生ボード(1)に水供給ができるように構成されたものであることを特徴とする請求項8記載の自然緑化システム(100)。
【請求項12】
壁面に植物を植生させ緑化するようになっている自然緑化システムにおいて、
一定大きさの空間を内側に形成し、前記空間を防水板(212)で分割し、前面には透明ガラス(215)が設置された水槽(220)を形成し、後面には機械室(230)を形成したボックス型のケーシング(210);
前記ケーシング(210)の内部で防水板(212)の水槽(220)側全面に支持手段を使い付着され、表面は凹凸面となっており植物(30)の種播種や植物(30)の根が容易に活着できる炭化コルク材料の植生ボード(1);および
前記機械室(230)に位置され水槽(220)に入った水を吸入する回水管(256)を備え、前記回水管(256)から流入された水をこし異物を取り除くフィルタ(260)を備え、前記フィルタ(260)を通過した水を再び水槽(220)側に排出させ水槽(220)内の水を循環させるポンピング手段(250);を含み、前記植生ボード(1)の表面に植物(30)を植生させ水槽(220)内の壁面を緑化することを特徴とする自然緑化システム(200)。
【請求項13】
前記ポンピング手段(250)は前記フィルタ(260)を通過した水を水槽(220)の植生ボード(1)上部側に供給し植生ボード(1)と植物(30)に水分を提供する第1ポンプ(252)と、前記フィルタ(260)を通過した水を回水管(256)の水槽(220)反対側に形成された吐出口(264)を通じて水槽(220)内に供給し、水槽(220)の吐出口(264)から回水管(256)へ向いた一方向の水の流れを提供する第2ポンプ(254)を含むものであることを特徴とする請求項12記載の自然緑化システム(200)。
【請求項14】
前記ケーシング(210)は水槽(220)上部側に蛍光灯を含む照明手段(280)を備えて、水槽(220)の内部を光で照明することを特徴とする請求項12記載の自然緑化システム(200)。
【請求項15】
壁面に植物を植生させて緑化するようになっている自然緑化システムにおいて、
一定大きさの空間を内側に形成し、前記空間を第1および第2防水板(312a)(312b)で分割し、中央には透明ガラス(315)が設置された水槽(320)を形成し、その両側に各々第1および第2機械室(330a)(330b)を形成したボックス型のケーシング(310);
前記ケーシング(310)内部で水槽(320)側の背面壁体に支持手段を使って付着され、表面は凹凸面となっており植物(30)の種播種や植物の(30)根が容易に活着できる炭化コルク材料の植生ボード(1);
前記第1機械室(330a)に位置され、水槽(320)に入った水を吸入する第1回水管(356a)を備え、前記第1回水管(356a)を通じて流入された水をこし異物を取り除く第1フィルタ(360a)を備え、前記第1フィルタ(360a)を通過した水を水槽(320)の植生ボード(1)上部側に供給し、植生ボード(1)と植物(30)に水分を提供する第1ポンプ(352);および
前記第2機械室(330b)に位置され水槽(320)に入った水を吸入する第2回水管(356b)を備え、前記第2回水管(356b)を通じて流入された水をこし異物を取り除く第2フィルタ(360b)を備え、前記第2フィルタ(360b)を通過した水を再び水槽(320)側に排出させ、水槽(320)内の水を循環させる第2ポンプ(354);を含み、前記植生ボード(1)の表面に植物(30)を植生させ水槽(320)内の壁面を緑化することを特徴とする自然緑化システム(300)。
【請求項16】
前記第2ポンプ(354)は水槽(320)側に水を排出させる配水管(380)の吐出口(364)が水槽(320)の中央側に形成され、水槽(320)の中央から両側へ向いた両方向の水の流れが形成されるようにしたことを特徴とする請求項15記載の自然緑化システム(300)。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−527235(P2012−527235A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511765(P2012−511765)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003211
【国際公開番号】WO2010/134777
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511284133)
【氏名又は名称原語表記】KIM, Jun−Seon
【住所又は居所原語表記】604−404, Seongwon Apt. Soman Maeul, Haengsin 2−dong, Deogyang−gu, Goyang−si Gyeonggi−do 412−730 Republic of Korea
【出願人】(511284144)
【氏名又は名称原語表記】YEON, Kyu−Saeng
【住所又は居所原語表記】507, Jeongwon Office, 21−12 Sinsa−dong, Eunpyeong−gu Seoul 122−080 Republic of Korea
【Fターム(参考)】