説明

椎骨間プロテーゼ配置器具

本発明は、椎骨間プロテーゼ配置器具に関し、この器具は、隣接する脊椎骨の間に椎間板プロテーゼを正確に配置することを容易にするために使用され得る。上記の器具(10)は、上記の椎骨間に挿入するための形状である端部(24)を備えて形成された、対向する顎12を有する。上記の顎は、上記椎骨を伸延するように互いから離れるように移動され得、それによって、上記椎骨間に上記プロテーゼが入るのが可能になる。上記顎はまた、対向する表面を有し、上記対向する表面は、それらの表面の間に上記プロテーゼを取り囲んで上記プロテーゼを適所に誘導するための形状である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎骨間プロテーゼ配置器具に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の型の椎骨間プロテーゼが、公知である。例は、Waldemar Link GmbH & Coによって商標LINK(登録商標)SB Chariteの下で販売されているもの、ならびにEP 0 560 140に記載されるもの、EP 0 560 141に記載されるもの(両方とも、Waldemar Link GmbH & Co)、およびZA 2002/7517に記載されるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
椎骨間プロテーゼ(例えば、上記のうちの1つ)を椎骨間空間中に配置するために使用され得る器具を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明によって、椎骨間プロテーゼ配置器具が提供される。この器具は、隣接する椎骨の間に挿入するための形状である端部を有する対向する顎を備え、この隣接する脊椎の間に上記プロテーゼは配置されるべきであり、上記顎は、上記椎骨の伸延を引き起こすように互いから離れるように移動可能であり、かつ上記顎は、対向する表面を有し、この対向する表面は、この対向する表面間に上記プロテーゼを取り囲んで上記伸延された椎骨の間の適所に上記プロテーゼを誘導するような形状である。
【0005】
好ましい実施形態において、上記顎の端部は、上記顎の残りの部分に対して比較的に鋭利であり、それにより、上記端部を、伸延前に上記椎骨間に挿入することが可能になる。上記顎の対向する表面は、スロットを備え得、このスロットにおいて、上記プロテーゼにより保有されかつ逆方向に突出するフィンが、滑動可能に受容可能であり、上記スロットは、上記椎骨中に形成される対向するスロット中に上記フィンを誘導するために使用する際に役立つ。
【0006】
上記顎は、それらの顎を互いから離れるように移動させるために作動可能なハンドルを有する、ハサミ型機構、鉗子型機構、またはトング型機構により保有され得る。好ましくは、上記顎は、互いに対して傾斜しており、上記ハンドルは、上記スロットに対して傾斜しており、これらの特徴によって、上記プロテーゼを上記顎の間にまず挿入することが可能になる。
【0007】
上記顎は、例えば、それらの顎の端部に向かう方向で互いに対して傾斜しており得、それらの端部から離れた位置でのそれらの顎の間の最大間隔は、上記プロテーゼをそれらの顎の間に挿入するために充分である。
【0008】
さらに本発明に従って、上記に要約されたような器具と、上記顎を通して上記椎骨間の適所へと上記プロテーゼを駆動するために作動可能な道具との組み合わせが、提供される。
【0009】
本発明の他の特徴が、添付の特許請求の範囲に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(好ましい実施形態の説明)
例示される椎骨間プロテーゼ配置器具10は、アーム14により保有される一対の顎12を有し、これらのアーム14は、1つのヒンジ点15を有するハサミ型機構の一部を形成し、かつ上記顎から離れたその端部にはハンドル16を備える。上記顎は、対向する表面18を有する。この対向する表面18は、内側に突出するリブ20と、横方向スロット22とを備えて形成され、この横方向スロット22は、図2において観察されるように上記顎の高さに延びる。その自由端において、上記顎12は、曲線状の末端部26を有する比較的鋭利な端部またはブレード24を備える。
【0011】
図1および図2から明らかであるように、上記ハンドル14は、上記顎に対して傾斜している。上記ハンドル16の適切な操作によって、例示している場合では、上記ハンドルを互いから離れるように移動させると、上記顎を互いから離すように旋回するように作用することが理解される。本発明はまた、二重ヒンジ配置が提供されることによって、上記ハンドルを互いに向かって移動させると、上記顎が互いから離れるように旋回する、実施形態を想定する。
【0012】
例としてのみ、本出願人の国際特許出願PCT/IB03/04051の明細書に対する参照がなされる。この明細書は、対向するプレートを有する椎骨間プロテーゼを記載しており、この対向するプレートは、それらのプレートが関節をなし得る中心コアの反対側の面上に位置する。上記プレートは、突出するフィンを有し、この突出するフィンは、上記プロテーゼを配置する間に、隣接する椎骨の対向する表面中に、その目的のために作製されたスロット中に位置し、この隣接する椎骨の間に、そのプロテーゼが設置される。
【0013】
図1〜図4に示される器具は、そのようなプロテーゼの配置において使用するために設計される。上記プロテーゼは、図5において数字30によって示される。上記プレートは、数字32によって示され、上記コアは、数字34によって示され、上記フィンは、数字36によって示される。図5はまた、2つの隣接する椎骨38の部分を示し、この図において、上記フィンを受容するスロット40を形成するように、切断がなされている。
【0014】
上記プロテーゼ30を配置するために、上記椎骨を伸延すること、すなわち、上記椎骨を、その間にプロテーゼを侵入するために充分な距離だけ離すことが、必要である。これを達成するために、上記顎12の端部24が、上記椎骨間に挿入され、その顎中のスロット22は、スロット40と整列する。その後、上記ハンドル14が、上記顎を(従って、上記椎骨を)互いに離れさせるように操作され得る。その後、上記プロテーゼ30は、上記顎の間の隙間に滑動されて、その隙間の中に取り囲まれ、上記フィン36が上記スロット22の中に入る。その後、上記プロテーゼは、上記顎間の隙間を通って下向きに滑動される。この移動全体を通して、上記プロテーゼは、上記スロット22におけるフィン36の誘導によって誘導される。上記プロテーゼは、上記の顎間の隙間をずっと移動し、最終的には、上記端部24を過ぎて、上記椎骨間に位置し、上記フィンが上記スロット40の中に入る。
【0015】
従って、上記スロット22は、上記フィンを上記スロット40中へと誘導するように作用することが、理解される。
【0016】
図4を参照すると、上記顎は、その端部24に向かう方向で互いに対して傾斜していることが留意される。上部(すなわち、端部24から離れている顎の端部)における顎の間の隙間42は、この位置にて顎の間に上記プロテーゼをまず挿入するために充分である。従って、代替的な配置手順において、上記プロテーゼをまず上記隙間42に配置し、その後、そのプロテーゼを下向きに駆動し、上記顎を離すようにハンドルを操作する代わりに、上記顎(従って、上記椎骨)を互いから離れるようにさせることが、可能である。図5における数字44は、上記配置手順の間に上記プロテーゼを保持および配置するために使用される道具を示す。この器具の上端を叩いて、必要な場合に上記プロテーゼを下向きに駆動することが可能である。
【0017】
上記手順は、組み合わされ得、その結果、椎骨の初期伸延が、ハンドル14の操作によって達成され、その椎骨の間に上記プロテーゼを収容するために必要な距離まで後に伸延することは、上記プロテーゼを叩くかまたは他の方法で下向きに駆動することによって達成されることもまた、理解される。
【0018】
上記器具10は、椎骨間に上記プロテーゼを挿入するのを容易にし、かつそのプロテーゼが適所へと正確に誘導された結果、そのフィン36がスロット40中に適切に位置するのを確実にするように、作用する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、ここで、単なる例示として、添付の図面を参照して、より詳細に記載される。
【図1】図1は、本発明に従う器具の斜視図を示す。
【図2】図2は、図1において観察される器具の一部の側面図を示す。
【図3】図3は、図2における線3−3での断面を示す。
【図4】図4は、図2における矢印4の方向における上記器具の図を示す。
【図5】図5は、使用時の上記器具を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎骨間プロテーゼ配置器具であって、
隣接する椎骨の間に挿入するための形状である端部を有する対向する顎を備え、該隣接する脊椎の間に該プロテーゼは配置されるべきであり、該顎は、該椎骨の伸延を引き起こすように互いから離れるように移動可能であり、かつ該顎は、対向する表面を有し、該対向する表面は、該対向する表面間に該プロテーゼを取り囲んで該伸延された椎骨の間の適所に該プロテーゼを誘導するような形状である、器具。
【請求項2】
請求項1に記載の器具であって、前記顎の端部は、該顎の残りの部分に対して比較的に鋭利である、器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の器具であって、前記顎の対向する表面は、スロットを備え、該スロットにおいて、前記プロテーゼにより保有されかつ逆方向に突出するフィンが、滑動可能に受容可能であり、該スロットは、前記椎骨中に形成される対向するスロット中に該フィンを誘導するために使用する際に役立つ、器具。
【請求項4】
請求項3に記載の器具であって、前記顎の対向する表面は、内側に突出するリブを備えて形成され、前記スロットは、該リブ中に形成される、器具。
【請求項5】
請求項2〜4のうちのいずれか1項に記載の器具であって、前記顎は、該顎を互いから離れるように移動させるために作動可能なハンドルを有する、ハサミ型機構、鉗子型機構、またはトング型機構により保有される、器具。
【請求項6】
請求項5に記載の器具であって、前記ハンドルは、前記スロットに対して傾斜している、器具。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の器具であって、前記顎は、互いに対して傾斜している、器具。
【請求項8】
請求項7に記載の器具であって、前記顎は、該顎の端部に向かう方向で互いに対して傾斜しており、該端部から離れた位置での該顎の間の最大間隔は、前記プロテーゼを該顎の間に挿入するために充分である、器具。
【請求項9】
請求項8に記載の器具と、前記顎を通して前記椎骨間の適所へと前記プロテーゼを駆動するために作動可能な道具との組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−516438(P2006−516438A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502360(P2006−502360)
【出願日】平成16年1月26日(2004.1.26)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000171
【国際公開番号】WO2004/066884
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505284817)スピナルモーション, インコーポレイテッド (8)
【出願人】(505105316)
【Fターム(参考)】