説明

検体試験方法及びシステム

【課題】表示部、ユーザ・インタフェース、プロセッサ、メモリ、及びユーザ・インタフェース・ボタンを有する検体測定機器を操作する例示的方法を本願明細書に記載及び図示する。
【解決手段】当該方法は、検体測定機器で検体を測定するステップ、検体を表す値を表示するステップ、値と共にフラグを付随させるためにフラグを選択するようユーザに促すステップ、及び検体測定機器のメモリ内に値と共に札具を保存するためにユーザ・インタフェース・ボタンの一つのみを1回押すステップにより達成しうる。一実施形態において、試験機器はグルコース測定器であり、試験される検体はグルコースである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願へのクロスリファレンス)
本発明は、検体試験方法及びシステムに関し、2008年1月18日付け公開米国特許出願US61/021995号、2008年1月18日付け公開米国特許出願US61/022042号、及び2008年6月6日付け公開米国特許出願US61/059473号の優先権を主張し、参照により本願明細書に採り入れるものとする。
【背景技術】
【0002】
グルコース・モニタリングは糖尿病の個人にとって日常生活の現実である。このようなモニタリングの正確さは、糖尿病を有する人物の健康及び究極的には生活の質に顕著に影響しうる。一般的に、糖尿病患者は、血糖値をモニタして制御するために、血液のグルコース値を1日に数回測定する。正確かつ定期的に血液のグルコース値を試験できないと、循環器疾患、腎臓疾患、神経損傷及び失明を含む糖尿病に関連する合併症を発生する可能性がある。個人が少量の血液試料でグルコース値を試験できる数多くの電子機器が、現在入手可能である。そのようなグルコース測定器の一つは、Lifescan社製品OneTouch(登録商標)Profile型グルコース測定器である。
【0003】
グルコース・モニタリングに加えて、糖尿病の個人は、例えば不規則な食物消費やエクササイズ等による逆効果を受けないよう、しばしば生活様式全般を厳しく管理しなければならない。さらに、特定の糖尿病の個人を扱う医師は、効果的な治療又は糖尿病管理のための治療変更を行うために、当該個人の生活様式における詳細な情報を必要とする。現在、糖尿病を有する個人の生活様式をモニタリングする方法の一つには、個人が自己の生活様式のログブックを紙で維持することがある。別のやり方としては、個人が自己の生活様式について事実の記憶を単に信頼し、次いで毎回往訪時にこの詳細を医師に伝達することである。
【0004】
前述の生活様式情報を記録する方法は元々困難であり、時間を要し、不正確でありうる。紙のログブックは個人によって必ずしも常に持ち運ばれず、必用なときに正確に完成していない場合がある。このような紙のログブックは小さく、そのため生活様式イベントの詳細な記載を必用とする詳細情報の記入は困難である。さらに、手書きのノートからの情報を手作業でレビューして解釈なければならない医師に問われたときに、個人は自己の生活様式についての重要な事実を忘れることがしばしばある。構成要素の情報を抜粋し分離する分析は、紙のログブックでは提供しえない。同様に、情報を視覚的に単純化し要約することもない。データベース又は他の電子システム等の二次的なデータ・ストレージ・システムへのデータ入力においては、この二次的なデータ・ストレージに、生活様式データを含む情報を書き写す必用がある。データ記録が困難であることから、適切な情報をさかのぼって入力することが助長され、不正確で不完全な記録が発生する。
【0005】
さらに、糖尿病の個人は、診断及び治療のために、グルコース値モニタリング装置及び投薬等の自己に関する複数の機器を維持しなければならないことがよくある。そのため、自己の生活様式の記録を紙で持ち運ぶことは望ましくない重荷の追加であり、これへのデータの記入は非常に時間を浪費する。
【0006】
現在、個人のグルコース値を測定して濃度を記録し、他のコンピュータの分析のために呼び出してアップロード可能なポータブル電子機器が数多くある。このような機器の一つにはRoche Diagnostic社製Accu−Check(商標)Complete(商標)システムがあり、限られた生活様式データを保存する機能を提供している。しかしながら、Accu−Check(商標)Complete(商標)システムは、計測器に保存される生活様式変数の限られた選択のみを許容している。以前に測定器に入力された数値からのインテリジェントなフィードバックはなく、当該計測器を頻用しないユーザに対して、ユーザ・インタフェースが直感的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明者らは、個人が自己の身につけて保持しなければならない機器の数を増やすことのない、生活様式の記録及び分析のための電子機器の需要を認識してきた。また、このような機器は、他の機器よりも直感的かつ容易に使用でき、これにより個人が自己の生活様式に関連する情報の記録を促進するものでなければならない。生活様式データとは、個人の肉体的状態に影響するか又はこれを表している、いかなる定量的情報をも意味すると解釈すべきである。生活様式データの例には、当該個人における食物消費、肉体的努力(例えばエクササイズ)、医薬摂取及び健康チェックがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
後述する観点及び一態様によれば、ディスプレイ、ユーザ・インタフェース、プロセッサ、メモリ及びユーザ・インタフェース・ボタンを有する検体測定機器を操作する方法が提供される。当該方法は、検体測定機器を用いて検体を測定するステップ、検体を表す数値を表示するステップ、数値にフラグを付随させるためにユーザにフラグの選択を促すステップ、機器のメモリに数値と共にフラグを保存するためにユーザ・インタフェース・ボタンの一つのみを1回押すステップにより達成しうる。
【0009】
一実施形態において、促すステップは、当該ユーザ・インタフェース・ボタンの選択を促すためにユーザ・インタフェース・ボタンの一つを表すアイコンをディスプレイ上で繰り返して点滅するステップを含む。
【0010】
一実施形態において、アイコンは、第1の三角形及び第1の三角形よりも小さな領域を有する第2の三角形からなる群から選ばれるアイコンを含む。
【0011】
一実施形態において、方法は、さらに、ユーザ・インタフェース・ボタンの一つを除く全てのユーザ・インタフェース・ボタンを停止するステップを含む。
【0012】
一実施形態において、ユーザ・インタフェース・ボタンは、上方、下方、及び入力ボタンを含む。
【0013】
一実施形態において、ユーザ選択可能なフラグは食前フラグ又は食後フラグを含む。
【0014】
一実施形態において、ユーザ選択可能なフラグは食後フラグを含む。
【0015】
一実施形態において、促すステップは、測定するステップが完了したときはいつもユーザに促すステップを含む。
【0016】
一実施形態において、測定するステップが検体の数値が所定範囲外であることを示すときにはいつもユーザに促すステップを含む。
【0017】
一実施形態において、押すステップは、選択されたフラグと共に測定するステップの完了において日付及び時刻をメモリ中に保存するステップを含む。
【0018】
一実施形態において、検体測定機器はグルコース測定器を含む。
【0019】
一実施形態において、測定するステップは、測定機器が備えるストリップ・ポートに試験ストリップを差し込むステップと、試験ストリップのための校正パラメータを入力することなく試験ストリップの試験部位上に血液試料を置くステップを含む、
【0020】
一実施形態において、測定するステップは、測定機器が備えるストリップ・ポートに試験ストリップを差し込むステップと、機器のユーザ・インタフェース・ボタンを介して試験ストリップのための校正パラメータを入力するステップと、試験ストリップの試験部位上に血液試料を置くステップを含む。
【0021】
一実施形態において、差し込むステップは、ストリップ・ポートにストリップが完全に差し込まれたときに測定機器の電源を投入するステップを含む。
【0022】
一実施形態において、複数のユーザ選択可能なフラグの一つは、少なくとも一つのコメント・タイトル、複数のコメント、コメント・ページ番号、ノー・コメント、食物不十分、食物過剰、穏やかなエクササイズ、精力的なエクササイズ、投薬、ストレス、病気、低血糖状態、月経、休暇、及びこれらの組み合わせから基本的になる群から選ばれる。
【0023】
一実施形態において、複数のメニューが表示される。
【0024】
一実施形態において、複数のメニューの一つは、最後の結果、全ての結果、結果の平均、及びセットアップに対するプロンプトを含む。
【0025】
一実施形態において、複数のメニューは、全ての結果の平均、食前の平均、及び食後の平均に対するプロンプトの表示を含む。
【0026】
後述の観点及び一態様によれば、ディスプレイ、ユーザ・インタフェース、プロセッサ、メモリ及びユーザ・インタフェース・ボタンを有する検体測定機器を操作する方法が提供される。当該方法は、検体測定機器を用いて検体を測定するステップと、検体を表す数値を表示するステップと、測定するステップが完了したときはいつも数値にフラグを付随させるためにユーザにフラグを選択するよう促すステップと、選択されたボタン以外の全てのユーザ・インタフェース・ボタンの起動を無視するステップと、機器のメモリ内の選択されたボタンの起動に際して、フラグに数値を付随させるステップを含む方法。
【0027】
一実施形態において、促すステップは、当該ユーザ・インタフェース・ボタンの選択を示唆するために、選択されたユーザ・インタフェース・ボタンを表すアイコンをディスプレイ上で繰り返し点滅するステップを含む。
【0028】
これら及び他の実施形態、特徴及び利点は、最初に簡潔に記載される添付図面と組み合わせて以下のより詳細な発明の記載を参照して解釈するときに、当業者であれば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
添付図面は、本願明細書に取り入れられて本願明細書の一部を構成しており、本発明の現状での好適な実施形態を示し、上述の一般的な記載及び以下の詳細な記載と共に、本発明の特徴を説明するために供する(図中、同じ数字は同じ要素を表す)。
【図1】一実施形態に係る、検体測定機器の平面図の例である。
【図2】一実施形態に係る、検体測定機器の主要な内部構成要素を示すブロック図の例である。
【図3】一実施形態に係る、検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図4】一実施形態に係る、検体測定機器上の単一ユーザのユーザ・インタフェース・ボタンのみがアクティブであるときに、検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図5】一実施形態に係る、検体の数値が所定範囲外であるときに、ユーザが入力を促されるか又は問い合わせを受ける、検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図6】一実施形態に係る、フラグ、検体数値、測定の日付及び時刻が検体測定機器内のメモリに保存される、検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図7】一実施形態に係る、検体測定機器内のストリップ・ポートに試験ストリップを差し込んだ後に、検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図8】一実施形態に係る、検体測定機器内のストリップ・ポートに試験ストリップを差し込んだ後の検体測定機器の操作、及び試験ストリップの校正パラメータの確認又は校正のいずれかを行う方法を示すフローチャートの例である。
【図9】一実施形態に係る、検体測定機器内のストリップ・ポートに試験ストリップを差し込み、これにより検体測定機器の電源を投入した後の検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図10】一実施形態に係る、ユーザ・インタフェース・ボタンの一つ以外が無視される、検体測定機器を操作する方法を示すフローチャートの例である。
【図11】一実施形態に係る、検体測定機器を操作する方法及び検体測定機器により行われるアクションを示すフローチャートの例である。
【図12】一実施形態に係る、検体測定機器を操作する方法において用いるユーザ・インタフェース画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な記載は、図面を参照して読むことが妥当であり、異なる図面でも同様の要素には同一の番号を付している。図面には縮尺は不要であり、選択された実施形態を説明するものであって、本発明の範囲を限定する意図はない。詳細な記載は、限定のためではなく例示のためであり、本発明の原理を示している。本願の記載は、当業者であれば本発明を製作して使用しうることは明白であり、現状で本発明を実施する最良の形式と思われるものを含む本発明の様々な実施形態、適用、変形、代替、及び使用を記載している。
【0031】
図1に、個人の血液中のグルコース値を試験する検体測定機器100を示す。検体測定機器100は、データ入力、メニュー案内、及びコマンド実行のためのユーザ・インタフェース・ボタン(106、108、110)を備えてもよい。データは、個人の日常的生活様式に関連している、検体濃度及び/又は情報を表す数値を含みうる。情報は日常的生活様式に関連しており、食物摂取、投薬使用、健康チェックの発生及び個人の一般的健康状態並びにエクササイズ・レベルを含みうる。検体測定機器100は、ディスプレイ104も備えてもよい。ディスプレイ104は測定されたグルコース値を報告し、生活様式に関連する情報の入力を容易にするために用いうる。
【0032】
検体測定機器100は、第1のユーザ・インタフェース・ボタン106、第2のユーザ・インタフェース・ボタン108、及び第3のユーザ・インタフェース・ボタンを備えてもよい。ユーザ・インタフェース・ボタン106、108、及び110は、試験機器内に保存されるデータの入力及び分析を容易にし、ユーザはディスプレイ104上に表示されるユーザ・インタフェースを通じて操作することができる。ユーザ・インタフェース・ボタン106、108、及び110は、第1のマーキング107、第2のマーキング109、及び第3のマーキング111を備え、これらはディスプレイ104上においてユーザ・インタフェース・ボタンをキャラクタに対応させている。
【0033】
検体測定機器100は試験ストリップ10をストリップ・ポート112に差し込むか、第1のユーザ・インタフェース・ボタン106を押して短時間ホールドするか、又はデータポート113経由でデータ・トラフィックが検出されるときに、電源投入が可能である。検体測定機器100は、試験ストリップ10を外すか、第1のユーザ・インタフェース・ボタン106を押して短時間ホールドするか、メイン・メニュー画面からメニュー・オフ・オプションを操作して選択するか、又は所定の時間にどのボタンも押さなければ、電源切断が可能である。ディスプレイ104は、適宜バックライトを備えうる。
【0034】
データポート113は、接続リード線が付けられた適切なコネクタを受け入れ、これにより検体測定機器100はパーソナル・コンピュータ等の外部機器に連動することが可能である。データポート113は、例えば有線又は無線の形態におけるシリアル又はパラレル等の、データ転送(シリアル又はパラレル)が可能な任意のポートでありうる。パーソナル・コンピュータは、適切なソフトウェアを稼動し、セットアップ情報(例えば、現在の時刻、日付、及び言語)の入力及び変更が可能であり、検体測定機器100により収集されたデータの解析を実施しうる。加えて、パーソナル・コンピュータは、進んだ解析機能が実施可能な場合があり、及び/又は進歩した診断及び治療のために他のコンピュータ(すなわちインターネット経由)にデータを転送してもよい。検体測定機器100をローカル又はリモート・コンピュータと接続することにより、ヘルスケア提供者による進歩した治療が容易になる。
【0035】
図2を参照すると、検体測定機器100の例示的な内部レイアウトが示されている。検体測定機器100はプロセッサ200を備えてもよく、これは本願明細書に記載及び図示のいくつかの実施形態においては32ビットRISCマイクロプロセッサである。本願明細書に記載及び図示の他の実施形態において、プロセッサ200は、好適には米国テキサス州ダラス、Texas Instruments社製超低電力マイクロプロセッサMSP430型ファミリーから選ばれる。プロセッサは、I/Oポート214を介してメモリ202と双方向接続しており、これは本願明細書に記載及び図示のいくつかの実施形態においてEEPROMである。プロセッサ200は、I/Oポート214を介して、データポート113、ユーザ・インタフェース・ボタン106、108、及び110、並びにディスプレイ・ドライバ236とも接続している。データポート113はプロセッサ200に接続可能であり、これによりメモリ202とパーソナル・コンピュータ等の外部機器との間でのデータ転送が可能である。ユーザ・インタフェース・ボタン106、108、及び110はプロセッサ200と直接接続される。プロセッサ200は、ディスプレイ・ドライバ236を介してディスプレイ104を制御する。
【0036】
本願明細書に記載及び図示の実施形態において、検体測定機器100は、ストリップ・ポート112に差し込まれる試験ストリップ10に付けられた血液中のグルコース値測定に用いられる電子回路を提供する、特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)204を備えてもよい。アナログ電圧は、アナログ・インタフェース205を経由してASIC204へ、及びあしC204から通過することができる。アナログ・インタフェース205からのアナログ信号は、A/D変換器216によりデジタル信号に変換可能である。プロセッサ200は、さらに、コア208、ROM210(コンピュータ・コードを含む)、RAM212、及びクロック218を含む。一実施形態において、プロセッサ200は、例えば検体測定後の期間等のようなディスプレイ・ユニットによる検体の数値の表示の際に、単一のボタンを除く全てのユーザ・インタフェース・ボタンを無効化するように構成(又はプログラム)される。代替の実施形態において、プロセッサ200は、ディスプレイ・ユニットによる検体の数値の表示の際に、単一のボタンを除く全てのユーザ・インタフェース・ボタンからの入力を無視するように構成(又はプログラム)される。
【0037】
図3は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法300は、ステップ302、204、306、及び308を含む。ステップ302において、検体測定機器は検体を測定する。ステップ304において、検体測定機器は当該検体を表す数値を表示する。ステップ306において、検体測定機器は表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ308において、一つのユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値は検体測定機器のメモリ内へ保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、検体測定機器はディスプレイ、ユーザ・インタフェース、プロセッサ、メモリ及びユーザ・インタフェース・ボタンを備えてもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、促すステップは、当該ユーザ・インタフェース・ボタンの選択を促すために、ユーザ・インタフェース・ボタンの一つを表すアイコンをディスプレイ上で繰り返し点滅するステップを含む。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、アイコンは、第1の三角形及び第1の三角形よりも小さな領域を有する第2の三角形からなる群から選ばれてもよい。
【0038】
図4は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器上の一つのユーザ・インタフェース・ボタンのみがアクティブであるときに、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法400は、ステップ402、4040、406、408、及び410を含む。ステップ402において、検体測定機器は検体を測定する。ステップ404において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ406において、検体測定機器は表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ408において、検体測定機器は一つ以外の全てのユーザ・インタフェース・ボタンを停止する。ステップ410において、アクティブなユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、ユーザ・インタフェース・ボタンは「上」ボタン、「下」ボタン、及び「入力」又は「OK」ボタンを備えてもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、ユーザ選択可能なフラグは、食前フラグ又は食後フラグを含んでもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、測定するステップの完了時につねにプロンプトが用いられてもよい。
【0039】
図5は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体の数値が所定の範囲外であるときはユーザが促されるか又は問い合わせを受ける、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法500は、ステップ502、504、506、及び508を含む。ステップ502において、検体測定機器は検体を測定する。ステップ504において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ506において、検体測定機器は、表示された数値が所定の範囲外であるときに、表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ508において、一つのユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。
【0040】
図6は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、フラグ、検体の数値、測定の日付及び時刻が検体測定機器のメモリ内に保存される、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法600は、ステップ602、604、606、及び608を含む。ステップ602において、検体測定機器は検体を測定する。ステップ604において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ606において、検体測定機器は表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促すか又は問い合わせる。ステップ608において、一つのユーザ・インタフェース・ボタンが押されることにより、フラグ、表示された数値、測定完了時点の日付及び時刻が検体測定機器のメモリ内に保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、検体測定機器はグルコース測定器を含む。本願明細書に用いるように、用語「促す」はユーザによる入力を待機することを含んでもよい。用語「問い合わせる」は、メッセージを表示してユーザによる入力を待機することを含んでもよい。
【0041】
図7は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器のストリップ・ポート113内に試験ストリップ10を差し込んだ後の、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法700は、ステップ702、704、706、708、及び710を含む。ステップ702において、試験ストリップ10が検体測定機器のストリップ・ポートに差し込まれる。ステップ704において、試験ストリップ10の校正パラメータ確認を入力することなく、試験ストリップ10の試験部分(ストリップ・ポート112から遠位側の部分)に血液が付けられる。ステップ706において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ708において、検体測定機器は表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ710において、一つのユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、測定するステップは、検体測定機器のストリップ・ポートに試験ストリップ10を差し込むステップ、次いで試験ストリップ10の校正パラメータを入力することなく試験ストリップ10の試験部分に血液試料を付けるステップを含んでもよい。
【0042】
図8は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器のストリップ・ポートに試験ストリップ10を差し込み、試験ストリップ10の校正パラメータを入力するか又は確認のいずれかをした後に、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法800は、ステップ802、804、806、808、及び810を含む。ステップ802において、試験ストリップ10が検体測定機器のストリップ・ポートに差し込まれる。ステップ804において、試験ストリップ10の校正パラメータの入力又は確認の後に、試験ストリップの試験部分に血液が付けられる。ステップ806において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ808において、検体測定機器は表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ810において、一つのユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、測定するステップは、検体測定機器のストリップ・ポートに試験ストリップ10を差し込むステップ、当該機器のユーザ・インタフェース・ボタンを介して試験ストリップ10のための校正パラメータを入力するステップ、及び試験ストリップ10の試験部分に血液試料を付けるステップを含んでもよい。
【0043】
図9は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器のストリップ・ポート内に試験ストリップ10を差し込み、これにより検体測定機器を起動した後に、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法900は、ステップ902、904、906、908、及び910を含む。ステップ902において、試験ストリップ10が検体測定機器のストリップ・ポートに差し込まれ、これにより機器を起動する。ステップ904において、試験ストリップ10の校正パラメータを入力も確認もすることなく、試験ストリップ10の試験部位に血液が付けられる。ステップ906において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ908において、検体測定機器は表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ910において、一つのユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、差し込むステップは、ストリップがストリップ・ポート内に十分に差し込まれるときに検体測定機器を起動するステップを含んでもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、複数のユーザ選択可能なフラグの一つは、コメント・タイトル、複数のコメント、コメント・ページ番号、ノー・コメント、血液不十分、血液過剰、穏やかなエクササイズ、精力的なエクササイズ、投薬、ストレス、病気、低血糖状態、月経、休暇、及びこれらの組み合わせの少なくとも一つを基本的に含む群から選ばれてもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、複数のメニューが表示されてもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、複数のメニューの一つは、最後の結果、全ての結果、結果の平均、及びセットアップに対するプロンプトを含んでもよい。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、複数のメニューの他のものは、全ての結果の平均、食前の平均、及び食後の平均に対するプロンプトの表示を含んでもよい。
【0044】
図10は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、一つ以外のユーザ・インタフェース・ボタンが無視される、検体測定機器を操作する方法を例示するフロー図である。方法1000は、ステップ1002、1004、1006、1008、及び1010を含む。ステップ1002において、検体測定機器は検体を測定する。ステップ1004において、検体測定機器は検体を表す数値を表示する。ステップ1006において、検体測定機器は、測定完了時につねに、表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ1008において、検体測定機器は一つ以外のユーザ・インタフェース・ボタンの起動を無視する。ステップ1010において、一つの無視されないユーザ・インタフェース・ボタンが1回押されることにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。本願明細書に記載及び図示の任意の実施形態において、促すステップは、一つのユーザ・インタフェース・ボタンの選択を促すために、一つのユーザ・インタフェース・ボタンを表すアイコンをディスプレイ上で繰り返し点滅するステップを含んでもよい。
【0045】
図11は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器を操作する方法及び検体測定機器により行われる動作を例示するフロー図である。方法1100は、ステップ1102、1104、1106、1108、1110、1112、1114、1116、1118、及び1120を含む。ステップ1102において、ユーザは検体測定機器のストリップ・ポートに試験ストリップ10を差し込む。ステップ1104において、検体測定機器は起動する。ステップ1106において、検体測定機器LCDチェック画面を表示する。ステップ1108において、検体測定機器は試料の塗布を促すよう表示する。ステップ1110において、ユーザは試験ストリップ10に試料を付ける。ステップ1112において、検体測定機器はカウントダウン画面を表示する。ステップ1114において、検体測定機器は検体を表す数値を表示し、表示された数値に伴うフラグを選択するようユーザに促す。ステップ1116において、ユーザが食後フラグを選択することにより、フラグ及び表示された数値が検体測定機器のメモリ内に保存される。ステップ1118において、検体測定機器は食後フラグの確認を表示する。ステップ1120において、ユーザからの相互作用がなければ、検体測定機器は所定の時間後に停止する。
【0046】
図12は、本願明細書に記載及び図示の一実施形態に係る、検体測定機器を操作する方法の期間に表示される、一連のユーザ・インタフェース画面を示す図である。方法1200は、画面1202、1204、1206、1208、1210、1212、1214、1216、1218、1220、及び1122を含む。画面1202及び1204において、ユーザは検体測定機器のストリップ・ポートに差し込まれた試験ストリップ10に試料を付けるよう促される。画面1202において、一滴の血液を象徴するアイコンが表示され、一方、画面1204においては一滴の血液を象徴するアイコンはない。画面1202及び1204は交互に表れ、血液の滴が点滅する印象が与えられる。試料が試験ストリップ10に付けられると、画面1206、1208、1210、1212、及び1214が連続して表示される。1206から1214までの画面は、期間にして約5秒間となるカウントダウンを提供する。画面1216及び1218において、検体測定機器は検体を表す数値を表示し、表示された数値に伴う食後フラグを選択するようユーザに促す。画面1216及び1218は交互に表れ、食後プロンプト1215の隣にあるアイコン1217及び1219を点滅する印象を与える。アイコン1217及び1219の点滅は食後プロンプト1215、及び同様のアイコンを含むユーザ・インタフェース・ボタンへの注意を喚起する。画面1216及び1218は食事フラグ確認ウィンドウ1213を含み、これは食事フラグが選択されていないときには空白である。画面1220及び1222において、検体測定機器は検体を表す数値を表示し、表示された数値に食後フラグが伴うことをユーザに示す。画面1220及び1222は交互に表れ、食後プロンプト1215の隣にあるアイコン1223及び1225を点滅する印象を与える。アイコン1223及び1225の点滅は食後プロンプト1215、及び同様のアイコンを含むユーザ・インタフェース・ボタンへの注意を喚起する。画面1220及び1222は食事フラグ確認ウィンドウ1221を含んでもよく、ユーザが食後フラグを選択した後に表示される。画面1218又は1218が表示されるときに、点滅するアイコン1217及び1219に対応するユーザ・インタフェース・ボタンをユーザが選択すると、画面1220又は1222が表示される。画面1220又は1222が表示されるときに、点滅するアイコン1223及び1225に対応するユーザ・インタフェース・ボタンをユーザが選択すると、画面1216又は1218が表示される。このようにして、ユーザは食後フラグの起動(画面1220及び1222のように)と食後フラグの停止(画面1216及び1218のように)との間で切り替えが可能である。
【0047】
結論として、本願明細書に記載及び図示の試験機器及び方法は、個人の血液グルコース試験及び生活様式の正確な記録を維持することに伴う障害を顕著に低減する。本願発明の様々な実施形態は、血液のグルコース値だけでなく、個人の予後に影響すると考えられる他の情報を記録する簡便かつ効率的な方法を提供することにより、糖尿病の個人に対する頻繁なモニタリングを促進すると思われる。本願明細書に記載のやり方でグルコース及び生活様式情報のログを取ることにより、本願明細書に記載及び図示の試験機器及び方法は効率的な記録保存システムを提供する。
【0048】
特定の変形及び図示の図面の形式で本発明を記載してきたが、当業者であれば本発明は記載の変形又は図面に限定されないことを認識するだろう。加えて、上述の方法及びステップはある順序であるイベントが発生することを示すものであり、当業者であれば、あるステップの順番を変更してもよく、そのような変更は本発明の変形に係ることを認識するだろう。加えて、ステップのうちのあるものは、上述のように連続的であると同様に、可能であれば並列プロセスにおいて同時に実施されてもよい。従って、本開示の範囲内又は特許請求の範囲に見られる本発明の等価物である、本発明の変形が存在する範囲であれば、本発明はそのような変形も同様に包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ、ユーザ・インタフェース、プロセッサ、メモリ及びユーザ・インタフェース・ボタンを有する検体測定機器を操作する方法であって、
前記検体測定機器を用いてユーザの体液中検体を測定するステップと、
前記検体を表す数値を表示するステップと、
前記検体の前記数値にフラグを付随させるためにユーザにフラグを選択するよう促すか又は問い合わせるステップと、
前記機器の前記メモリに前記数値を伴う前記フラグを保存するために前記ユーザ・インタフェース・ボタンの一つだけを1回押すステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記促すステップは、当該ユーザ・インタフェース・ボタンの選択を示唆するために、前記ユーザ・インタフェース・ボタンの一つを表すアイコンを前記ディスプレイ上で繰り返し点滅するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アイコンは第1の三角形を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、前記ユーザ・インタフェース・ボタンの一つを除く全てのユーザ・インタフェース・ボタンを無効化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ・インタフェース・ボタンは上方、下方、及び入力ボタンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユーザ選択可能な前記フラグは、食前フラグ及び食後フラグからなる群から選ばれるフラグを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ユーザ選択可能な前記フラグは食後フラグを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記促すステップは、測定するステップが完了したときはいつもユーザに促すステップを必ず含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記促すステップは、測定するステップが検体の数値が所定範囲外であることを示すときにはいつもユーザに促すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記押すステップは、前記選択されたフラグと共に前記測定するステップの完了において日付及び時刻をメモリ中に保存するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記検体測定機器はグルコース測定器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記測定するステップは、前記測定機器が備えるストリップ・ポートに試験ストリップを差し込むステップと、前記試験ストリップのための校正パラメータを入力することなく前記試験ストリップの試験部位上に血液試料を置くステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記測定するステップは、
前記測定機器が備えるストリップ・ポートに試験ストリップを差し込むステップと、
前記機器の前記ユーザ・インタフェース・ボタンを介して前記試験ストリップのための校正パラメータを入力するステップと、
前記試験ストリップの試験部位上に血液試料を置くステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記差し込むステップは、前記ストリップ・ポートに前記ストリップが完全に差し込まれたときに前記測定機器の電源を投入するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ユーザ選択可能な前記フラグは、コメント・タイトル、複数のコメント、コメント・ページ番号、ノー・コメント、食物不十分、食物過剰、穏やかなエクササイズ、精力的なエクササイズ、投薬、ストレス、病気、低血糖状態、月経、休暇、及びこれらの組み合わせの少なくとも一つを基本的に含む群から選ばれる、請求項4に記載の方法。
【請求項16】
さらに、複数のメニューを表示して選択するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のメニューの一つは、最後の結果、全ての結果、結果の平均、及びセットアップに対するプロンプトを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のメニューの他のものは、全ての結果の平均、食前の平均、及び食後の平均に対するプロンプトの表示を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ディスプレイ、ユーザ・インタフェース、プロセッサ、メモリ及びユーザ・インタフェース・ボタンを有する検体測定機器を操作する方法であって、
前記検体測定機器を用いてユーザの体液中検体を測定するステップと、
前記検体を表す数値を表示するステップと、
前記測定するステップが完了したときはいつも前記検体の前記数値にフラグを付随させるためにユーザにフラグを選択するよう促すステップと、
選択されたボタン以外の全てのユーザ・インタフェース・ボタンの起動を無視するステップと、
前記機器の前記メモリ内の前記選択されたボタンの起動に際して、前記フラグに前記数値を付随させるステップと、を含む方法。
【請求項20】
前記促すステップは、当該ユーザ・インタフェース・ボタンの選択を示唆するために、選択されたユーザ・インタフェース・ボタンを表すアイコンを前記ディスプレイ上で繰り返し点滅するステップを含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−178546(P2009−178546A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−6344(P2009−6344)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(502328710)ライフスキャン・スコットランド・リミテッド (70)
【住所又は居所原語表記】Beechwood Park North,Inverness IV2 3ED
【Fターム(参考)】