検出センサ
【課題】外部機器からの設定情報の設定ミスを抑制することが可能な検出センサ及びセンサシステムを提供する。
【解決手段】検出領域における物理量変化を検出する検出手段と、自己の設定情報が設定される設定情報メモリと、前記設定情報メモリに設定されている自己の設定情報に基づく動作を実行する実行手段と、前記自己の設定情報に加えて、その自己の設定情報に対応する設定項目、自己の機種情報及び自己のバージョン情報のうちいずれか1つを含む伝送信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする検出センサ。
【解決手段】検出領域における物理量変化を検出する検出手段と、自己の設定情報が設定される設定情報メモリと、前記設定情報メモリに設定されている自己の設定情報に基づく動作を実行する実行手段と、前記自己の設定情報に加えて、その自己の設定情報に対応する設定項目、自己の機種情報及び自己のバージョン情報のうちいずれか1つを含む伝送信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出センサに関し、特に、外部機器からの設定情報を設定(複製)する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示すように、マスタユニットと複数台のセンサユニットとを入出力コネクタで連結し、マスタユニットで設定された感度設定等の設定情報を、各センサユニットに送信して設定を行う、いわゆるコピー機能を有するものがある。このような構成であれば、同じ設定作業を、各センサユニットごとに行う必要がなく設定作業を効率的に行うことができるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−294097公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のセンサシステムでは、マスタユニットに対してそれぞれ異なる機種のセンサユニットが接続されてコピー機能が実行されることがある。センサユニットは、機種などによってその設定項目が異なることがあり、このような場合には、正規の設定が行えないとして、コピー機能の実行がされないようになっていた。しかし、これでは、作業者は実際に他のセンサユニットからの設定情報が各センサユニットに正規に設定されたかどうかを知ることができず、設定ミスの状態でセンサユニットの動作が実行されるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、外部機器からの設定情報の設定ミスを抑制することが可能な検出センサを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明の検出センサは、検出領域における物理量変化を検出する検出手段と、自己の設定情報が設定される設定情報メモリと、前記設定情報メモリに設定されている自己の設定情報に基づく動作を実行する実行手段と、前記自己の設定情報に加えて、その自己の設定情報に対応する設定項目、自己の機種情報及び自己のバージョン情報のうちいずれか1つを含む伝送信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の検出センサにおいて、前記伝送信号には、禁止機能を実行させるかどうかを指示する禁止指示情報が含まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1〜2の発明>
このように、設定情報を送信可能な検出センサを備えることで、各センサへの設定ミスを抑制可能なセンサシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係る圧力センサの斜視図
【図2】圧力センサの電気的な構成を示したブロック図(制御装置との接続状態)
【図3】圧力センサの電気的な構成を示したブロック図(圧力センサ同士の接続状態)
【図4】圧力センサのCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャート
【図5】圧力センサのCPUが実行するコピー送信ルーチンを示すフローチャート
【図6】圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【図7】伝送信号のデータ構造と自己設定項目との関係を示した模式図
【図8】実施形態2の圧力センサのCPUが実行するコピー送信ルーチンを示すフローチャート
【図9】圧力センサのCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャート
【図10】伝送信号のデータ構造と対応機器情報との関係を示した模式図
【図11】実施形態3の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図(圧力センサ同士の接続状態)
【図12】実施形態4の圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【図13】参考例1の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図
【図14】参考例2の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図
【図15】実施形態5の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図
【図16】実施形態6の圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【図17】実施形態7の圧力センサのCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャート
【図18】圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1〜図7を参照しつつ説明する。
1.圧力センサの外観構成
本実施形態の圧力センサ(本発明の「検出センサ」に相当)10は、例えば、真空成形を行う際に、図示しないキャビティ(本発明の「検出領域」に相当)内の真空度を測定するために使用されるものである。図1に示すように、圧力センサ10は前後に長い箱型のセンサ本体部11を備えている。センサ本体部11の前面には、測定結果や検出用閾値などの自己設定情報などが表示される表示手段としての第1表示部12a及び第2表示部12b(本発明の「第1報知手段、第2報知手段」に相当)、後述するモード切り替えを行うためのモード切換スイッチ13、表示部12a,12bの表示内容を切り替えるためのアップダウンスイッチ14が備えられている。なお、第1表示部12aは主として自己設定情報が表示され、第2表示部12bは主として第1表示部12aに表示されている自己設定情報に対応する設定項目が表示される。
【0011】
一方、センサ本体部11の後面には、後述するように上位機器としての制御装置30(本発明の「外部機器」に相当)や他の圧力センサ10と接続するための接続コネクタ15と、圧力導入ポート16とが並んで配置されている。圧力導入ポート16には、チューブ(図示せず)が継ぎ手を介して接続されるようになっており、同チューブ、圧力導入ポート16を通じてセンサ本体部11内にキャビティ内の内圧が取り込まれるようになっている。
【0012】
2.圧力センサの電気的構成
次に、圧力センサ10の電気的な構成について図2を参照して説明する。なお、同図は、圧力センサ10を、制御装置30に接続した状態が示されている。
【0013】
同図で符号17は、圧力検出部(本発明の「検出手段」に相当)であり、半導体ダイヤフラムを用いた感圧素子から構成され、CPU18とともにセンサ本体部11内に格納されている。そして、圧力検出部17は圧力導入ポート16を通じてキャビティ内の内圧が取り込まれると、その圧力値の大きさに応じたアナログ信号としての検出信号Saを出力し、図示しないA/D変換器によってA/D変換されてCPU18に与えられる。
【0014】
CPU18には、メモリ19(本発明の「設定情報メモリ」に相当)が接続されており、このメモリ19には、例えば、検出用の第1閾値及び第2閾値、検出動作の実行タイミングのタイマ値、応答速度、表示部12a,12bの表示切替スピード、省エネモードの設定など、各種の自己設定情報が記憶されている記録領域が確保されている。
【0015】
CPU18は、後述する検出モード時には、上記メモリ19に設定されているタイマ値に応じた実行タイミングで繰り返し上記検出信号Saを読み込んで、検出圧力値と、メモリ19に設定されている検出用の第1閾値及び第2閾値とをそれぞれ比較する。そして、メモリ19に設定されている応答速度に応じた出力タイミングでその比較結果に応じた出力信号を出力する。これが、本発明でいう「自己の設定情報に基づく動作」の一例である。従って、CPU18は本発明の「実行手段」として機能する。
【0016】
具体的には、検出圧力値と第1閾値との大小比較結果に基づく出力信号Sbを第1出力回路20を介して出力し、検出圧力値と第2閾値との大小比較結果に基づく出力信号Sc(本発明の「検出結果に基づく出力信号」に相当)を第2出力回路21(本発明の「出力手段」に相当)を介して出力する。
【0017】
また、接続コネクタ15には、4つの接続端子が備えられており、そのうち2つは電源供給用の電源端子15a,グランド端子15bであり、他の2つは、ぞれぞれ第1出力回路20及び第2出力回路21の出力側に接続された外部接続端子15c,15dである。
【0018】
更に、外部接続端子15d(本発明の「外部接続端子」に相当)には、入力回路22(本発明の「受信手段」に相当)が共通接続されている。この入力回路22は、本来的には、制御機器30からのコマンド信号Sdを入力するために設けられたものである。具体的には、第2出力回路21と入力回路22とはそれぞれ開閉スイッチ21a,22a(本発明の「選択手段」に相当)が内蔵されている。
【0019】
そして、CPU18は、例えば、後述する検出モード時において、上記実行タイミングごとに、第2出力回路21の開閉スイッチ21aを閉動作(第2出力回路21の出力動作を有効化)させる一方で入力回路22の開閉スイッチ22aを開動作(入力回路22の入力動作を無効化)させて検出動作(検出圧力値と閾値との比較動作)を実行し、出力信号Sb,Scをそれぞれ出力する。一方、各実行タイミングの合間に、第2出力回路21の開閉スイッチ21aを開動作(第2出力回路21の出力動作を無効化)させるつつ入力回路22の開閉スイッチ22aを閉動作(入力回路22の入力動作を有効化)させて外部接続端子15dの電位レベルに基づきコマンド信号Sdを受けているかどうかを判断し、受けているときにはそのコマンド信号Sdを外部接続端子15d及び入力回路22を介して入力するようになっている。入力回路22は、本実施形態では、後述するように他の圧力センサ10からの設定情報を入力するコピーモード時にも利用される。
【0020】
なお、コマンド信号Sdには、例えば、ゼロアジャスト指令信号、オートリファレンス指令信号、オートティーチング指令信号などがある。コマンド信号Sdがゼロアジャスト指令信号である場合には、そのときの検出圧力値を基準レベルとしてメモリ19に記憶し、それ以降の検出動作では、検出圧力値から上記基準レベルを減算した相対圧力値を表示部12aに表示させる、いわゆるゼロアジャスト機能を実行する。
【0021】
コマンド信号Sdがオートリファレンス指令信号である場合には、測定対象の装置の元圧の変動分だけ第1閾値及び第2閾値をシフトして補正する、いわゆるオートリファレンス機能を実行する。コマンド信号Sdがオートティーチング指令信号である場合には、そのときの検出圧力値に基づき第1閾値及び第2閾値を再設定する、いわゆるオートティーチング機能を実行する。
【0022】
また、CPU18には、上記表示部12a,12bと操作部23とが接続されている。表示部12a,12bは例えば液晶パネルを備えて構成され、モード切換時には各種のモード(検出モード、コピーモード、設定情報入力モードなど)を示す文字・記号が例えば表示部12bに表示される。また、検出モード時には現時点の検出圧力値や、第1閾値及び第2閾値などが表示部12aに表示され、後述するコピーモード時には設定情報が入力されたかどうかを示す文字・記号等が表示部12a,12bのいずれかに表示される。また、表示部12bには、表示部12aに表示された設定情報(検出圧力値や閾値など)に対応する設定項目名を示す文字・記号が表示されることもある。
【0023】
操作部23は、前述のモード切換スイッチ13やアップダウンスイッチ14での操作に応じた信号をCPU18に与える。モード切換スイッチ13を「設定情報入力モード」に切り替えることで、現在設定されている各設定情報の値が表示部12aに表示され、それに対応する設定項目名を示す文字・記号が表示部12bに表示され、アップダウンスイッチ14を操作して表示部12aの表示値を所望の値に変えて確定操作(例えばアップダウンスイッチ14を同時に押下)を行うことで、その表示値を設定情報としてメモリ19に設定することができる。従って、モード切換スイッチ13、アップダウンスイッチ14、操作部23が本発明の「操作手段」として機能する。
【0024】
3.圧力センサのCPUの制御内容について
(1)検出モード
圧力センサ10は、通常の検出動作を行うときには、図2に示すように、制御機器30にコネクタ接続される。具体的には、制御機器30にも接続コネクタ31が設けられ、ここに4つの接続端子が備えられており、そのうち2つは電源回路33に連なる電源端子31a,グランド端子31bであり、4線のコネクタケーブル32によって、圧力センサ10の電源端子15a,グランド端子15bに電気的に接続される。これにより、電源回路36から各圧力センサ10に電源が投入されることになる。
【0025】
他の2つの接続端子31c,31dは、CPU34に連なると共に、やはりコネクタケーブル32によって圧力センサ10の外部接続端子15c,15dにそれぞれ電気的に接続される。接続端子31cには、圧力センサ10の第1出力回路20からの出力信号Sbが入力されCPU34に取り込まれる。接続端子31d(本発明の「外部機器の接続端子」に相当)は、通常は、圧力センサ10の第2出力回路21からの出力信号Scが入力されてそれがCPU34に取り込まれ、コマンド出力時には、図示しない入出力切替回路によってコマンド信号Sdが出力される。
【0026】
そして、圧力センサ10は、制御機器30にコネクタ接続されることで電源投入されると、CPU18は、図4のフローチャートに示す制御を実行する。本実施形態では、電源投入時は検出モードになっており、前述した検出動作等の一連の動作を繰り返す検出モードを実行する(S1)。即ち、現在設定されているタイマ値に応じた実行タイミングごとに、検出信号Saを読み込んで、検出圧力値と、現在設定されている検出用の第1閾値及び第2閾値との比較動作を行い、現在設定されている応答速度に応じた出力タイミングでその比較結果に応じた出力信号Sb,Scを第1出力回路20及び第2出力回路21を有効化させて出力する。これにより、制御機器30は、上記実行タイミングごとに出力信号Sb,Scを受けることになる。
【0027】
そして、この検出動作及び出力動作の後に次の実行タイミングまでの間に、第2出力回路21の出力動作を無効化させつつ入力回路22の入力動作を有効化させて制御機器30からコマンド信号Sdを受けているかを確認し、受けている場合にはコマンド信号を取得し、コマンド信号Sdに対応した機能を実行する。
【0028】
(2)コピーモード
さて、他の圧力センサ10に既に設定された設定情報を取得したい場合には、図3に示すように、圧力センサ10同士をコネクタケーブル35を介してコネクタ接続する。具体的には、両圧力センサ10の電源端子15a同士、グランド端子15b同士がそれぞれ電気的に接続されている。また、一方の圧力センサ10の外部接続端子15cが他方の圧力センサ10の外部接続端子15dに、一方の圧力センサ10の外部接続端子15dが他方の圧力センサ10の外部接続端子15cにそれぞれクロス接続されている。
【0029】
ここで、本実施形態の圧力センサ10は、上記モード切換スイッチ13、アップダウンスイッチ14の操作によって、コピー元として機能させたい場合にはマスターモードに、コピー先として機能させたいときにスレーブモードに選択的に切り替えることができるようになっている。従って、モード切換スイッチ13、アップダウンスイッチ14及び操作部23は、本発明の「切替手段」としても機能する。同図では、右側の圧力センサ10aがマスターモードに切り替えられ、左側の圧力センサ10bがスレーブモードに切り替えられている。
【0030】
図4において、各圧力センサ10のCPU18は、S2で、各実行タイミング間においてコピーモードへの切替操作の割り込みがあるかどうかを判断し、割り込みがなければ(S2で「N」)そのまま検出モードを繰り返し実行する一方で、割り込みがあれば(S2で「Y」)検出モードの実行を中止し、コピーモードに移行する。まず、S3で現在マスターモードかスレーブモードかを判断する。圧力センサ10aはマスターモードに切り替えられているから(S3で「Y」)、コピー送信を実行する(S4)。
【0031】
(マスターモード)
図5に示すように、CPU18は、S11で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。次いで、S12でコピーモードパルスSeを、第1出力回路20から外部接続端子15cを介して出力する。これにより、このコピーモードパルスSeは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。
【0032】
そして、CPU18は、S13で、既に有効化されている入力回路22を介して後述するアンサーバック信号Sfを受けたか否かを判断し、アンサーバック信号Sfを受けるまで待機し(S13で「N」)、受けたとき(S13で「Y」)に第1出力回路20を介してメモリ19に設定されている自己の設定情報(圧力センサ10bから見れば外部設定情報)を含む伝送信号Dを出力する(S14)。従って、第1出力回路20は本発明の「送信手段」に相当する。これにより、伝送信号Dは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。
【0033】
(スレーブモード)
一方、図4に戻り、圧力センサ10bは、スレーブモードに切り替えられているから(S3で「N」)、コピー受信を実行する(S5)。図6に示すように、圧力センサ10bのCPU18は、S21で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。
【0034】
次いで、S22でこの入力回路22に上記したコピーモードパルスSeが入力されているかどうかを判断し、入力があれば(S22で「Y」)、S23でアンサーバック信号Sfを第1出力回路20から出力する。これにより、このアンサーバック信号Sfがマスターモードの圧力センサ10aの入力回路22に与えられることになる。そして、S24で、このマスターモードの圧力センサ10aの第1出力回路20から送信されてくる伝送信号Dを入力回路22を介して受信する。
【0035】
ここで、本実施形態では、圧力センサ10aから送信される伝送信号Dは、図7に示すように、複数の設定情報と、それぞれの設定項目と、圧力センサ10aの機種情報とが含まれている。一方、圧力センサ10bの上記メモリ19は、上記各種の設定情報を記憶した記憶領域内において、それらの設定情報がそれぞれに対応する設定項目と対応付けられて記憶されている。また、メモリ19には、圧力センサ10b自身の機種情報が記憶された領域が確保されている。従って、メモリ19は本発明の「対応機種情報メモリ」にも相当する。
【0036】
そして、圧力センサ10bのCPU18は、図6のS25で、伝送信号Dに含まれる圧力センサ10aの機種情報と、自己のメモリ19に記憶されている自己の機種情報とが一致するかどうかを判断する。ここで、CPU18は、機種情報が一致すると判断された場合は(S25で「Y」)、例えば表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])を表示する。
【0037】
それと共に、CPU18は、次述するような設定項目のマッチングを試みることなく、自己のメモリ19に記憶された各種の設定情報に予め付けられた順番と、伝送信号Dに含まれる各種の外部設定情報の受信する順番とが同一設定項目に対する設定情報同士で一致しているため、そのまま受信する順に外部設定情報を、同一順位の自己設定情報に対して書き込み更新していくコピー動作が実行される(S26)。
【0038】
一方、CPU18は、S25で機種情報が一致しないと判断した場合、S27で伝送信号Dに含まれる各外部設定項目と、圧力センサ10b自身が有する自己設定項目とのマッチングを試みる。機種が異なれば、それぞれで設定可能な設定項目は異なることがある。例えば、図7に示すように、圧力センサ10bの自己設定項目には、第3設定項目はない。しかし、第1設定項目、第2設定項目など、一致する項目もある。
【0039】
そこで、CPU18は、一部の設定項目についてコピー動作(本発明でいう「正規の設定」に相当)が実行可能であるとして(S27で「Y」)、やはり表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])を表示し、一致している第1設定項目、第2設定項目についてのみコピー動作を実行する(S26)。なお、すべての設定項目についてコピー動作が実行可能な場合と、一部の設定項目についてコピー動作が実行可能な場合とで、表示部12a,12bでの表示パターンを異ならせる構成であってもよい。
【0040】
一方、CPU18は、一致する設定項目がないと判断した場合には、表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行不能であることを示す文字・記号(例えば「ERR])を表示する(S28)。以上により、CPU18は、本発明の「判断手段」、「制御手段」としても機能する。その後、モード切換スイッチ13によって再び検出モードに切り替えられると、圧力センサ10bのCPU18は、新たに更新設定された設定情報に基づく検出動作等を繰り返し実行する。
【0041】
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、機種情報のマッチングや設定項目のマッチングにより、設定情報のコピー動作を正常に行えるかどうかを判断し、不能の場合には、表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行不能であることを示す文字・記号(例えば「ERR])が表示される。従って、作業者はこの報知動作に基づき正規の設定がされていないことを知ることができ、設定ミスを抑制できる。
【0042】
(2)また、本実施形態によれば、圧力センサ10が本来的に有する第2出力回路21と、それに連なる外部接続端子15dに共通接続した入力回路22とを選択的に有効化させることで、共通の外部接続端子15dを利用して出力信号Scの出力と、伝送信号Dの受信を行うことができる。従って、伝送信号Dの送受信のために専用の通信手段を設ける必要がない。
【0043】
しかも、本実施形態では、入力回路22は検出モード時にコマンド信号Sdを入力するために予め設けられたものである。従って、基本的には新たなハード構成を追加せずに伝送信号Dの送受信を行うことができる。
【0044】
(3)また、1つの圧力センサ10がコピー元としてのマスター、コピー先としてのスレーブのいずれにも切り替えることができる。
【0045】
(4)圧力センサ10同士をコネクタケーブル35を介してコネクタ接続することにより各接続端子を電気的に接続する構成であるから、例えば接続配線を各接続端子に繋げて電気的に接続する構成に比べて接続作業が簡単になる。
【0046】
(5)各圧力センサ10は、他の検出センサからのデータ受信により設定情報の設定を行うだけでなく、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14の操作によって直接設定することもできる。
【0047】
<実施形態2>
図8〜図10は実施形態2を示す。前記実施形態との相違は、主として、伝送信号Dのデータ構造や、コピーモード時におけるCPU18のコピー送信ルーチン及びコピー受信ルーチンの内容にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0048】
(マスターモード)
マスターモードの圧力センサ10aのCPU18は、図8に示すコピー送信ルーチンを実行する。S31で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。次いで、S32でコピーモードパルスSeを、第1出力回路20から外部接続端子15cを介して出力する。これにより、このコピーモードパルスSeは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。
【0049】
そして、CPU18は、S32で、既に有効化されている入力回路22を介してアンサーバック信号Sfを受けたか否かを判断し、アンサーバック信号Sfを受けるまで待機し(S33で「N」)、受けたとき(S33で「Y」)に第1出力回路20を介してメモリ19に設定されている自己の設定情報(圧力センサ10bから見れば外部設定情報)と照合用のCRCデータを含む伝送信号Dを出力する(S34)。
【0050】
ここで、この伝送信号は、図10に示すように、設定項目はなく、各種の設定情報と、圧力センサ10a自身の機種情報及びバージョン情報と上記CRCデータが含まれる。そして、この伝送信号Dは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。この伝送信号Dの送信動作は、入力回路22に後述する受信完了信号を受けるまで繰り返し実行される(S35)。
【0051】
(スレーブモード)
スレーブモードの圧力センサ10bのCPU18は、図9に示すコピー受信ルーチンを実行する。S41で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。次いで、S42でこの入力回路22に上記したコピーモードパルスSeが入力されているかどうかを判断し、入力があれば(S42で「Y」)、S43でアンサーバック信号Sfを第1出力回路20から出力する。これにより、このアンサーバック信号Sfがマスターモードの圧力センサ10aの入力回路22に与えられることになる。
【0052】
そして、S44で、このマスターモードの圧力センサ10aの第1出力回路20から送信されてくる伝送信号Dを入力回路22を介して受信する。ここで、CPU18は、これらのデータの受信が終了したかどうかを判断する入力検知手段として機能し、受信が終了したときには表示部12a,12bのいずれかにその旨を示す文字・記号等を表示させる。
【0053】
次に、S45で、受信した伝送信号Dに含まれる設定情報をCRC変換し、S46で、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが一致するかどうかを判断する。このとき、CPU18は、本発明の「正常受信検知手段」として機能する。そして、一致すれば(S46で「Y」)、マスターモードの圧力センサ10aから伝送信号Dを正常に受信できたものとして表示部12a,12bのいずれかにその旨を示す文字・記号等(例えば「OK」)を表示させる(S47)とともに、第1出力回路20を介して受信完了信号(本発明の「正常取得完了信号」に相当)を出力する。このとき、第1出力回路20は本発明の「応答手段」として機能する。なお、圧力センサ10bは、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが一致しないときにエラー信号を第1出力回路20を介して圧力センサ10aに与え、圧力センサ10aのCPU18は、図8のS35で上記エラー信号を受けたときは、自己設定情報及びCRCデータ等を含む伝送信号Dを再度送信(S34)し、エラー信号を受けなくなったときにコピー送信実行ルーチンを終了する構成であってもよい。
【0054】
ここで、圧力センサ10bのメモリ19には、図10に示すように、自己への設定情報の正常なコピー動作が可能な対応機器情報(対応機種及びバージョン)を記憶した記憶領域が確保されている。また、各対応機種及びバージョンに対応付けて、数値に関する設定情報の補正係数が記憶されている。そして、圧力センサ10bのCPU18は、図9のS60で伝送信号Dに含まれた圧力センサ10aの機種が、圧力センサ10bの機種と一致するかどうかを判断する。ここで、機種及びバージョンが一致する場合、または、それらが一致しなくても圧力センサ10aの機種及びバージョンが、上記対応機器情報に含まれるものであれば、圧力センサ10aは対応機器であると判断し(S60で「Y」)、S61で例えば表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])を表示する。
【0055】
それとともに、CPU18は、自己のメモリ19に記憶された各種の設定情報に予め付けられた順番と、伝送信号Dに含まれる各種の外部設定情報の受信する順番とが同一設定項目に対する設定情報同士で一致しているため、そのまま受信する順に外部設定情報を、同一順位の自己設定情報に対して書き込み更新していくコピー動作が実行される(S61)。
【0056】
また、本実施形態では、圧力センサ10aの機種やバージョンが異なる対応機器である場合には、閾値など数値に関する外部設定情報については圧力センサ10aの機種及びバージョンに対応してメモリ19に記憶された補正係数を乗じてメモリ19に書き込み更新する。その後、モード切換スイッチ13によって再び検出モードに切り替えられると、圧力センサ10bのCPU18は、新たに更新設定された設定情報に基づく検出動作等を繰り返し実行する。
【0057】
一方、CPU18は、S60で圧力センサ10aの機種及びバージョンが、上記対応機器情報に含まれていない場合(S60で「N」)には、圧力センサ10aは対応機器でないと判断し、表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行不能であることを示す文字・記号(例えば「ERR])を表示する(S62)。
【0058】
また、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが不一致の場合(S46で「N」)には、その旨を示すエラー信号を第1出力回路20から出力する。これを入力回路22を介して受信したマスターモードの圧力センサ10aは、その第1出力回路20を介して伝送信号Dを送信する。そして、所定回数(本実施形態では、例えば3回)連続して不一致の場合(S48で「Y」)に、S49で表示部12a,12bにエラーを示す文字・記号等(例えば「ERR」)を表示させる。このとき、表示部12a,12bは本発明の「第2報知手段」として機能する。
【0059】
以上の構成によれば、表示部12a,12bの表示によって、伝送信号Dの受信が終了したかどうか、また、マスターモードの圧力センサ10aからの伝送信号Dを正常に取得することができたかどうかを知ることができる。
【0060】
また、圧力センサ10aと圧力センサ10bとで機種やバージョンが異なる場合、例えばデータ形式上、正規の設定は可能であっても、数値情報についてはオーダや単位が異なる場合があるが、本実施形態では、予め定めた補正係数によって自己に適した単位などの数値に補正して設定できる。
【0061】
<実施形態3>
図11は実施形態3を示す。前記実施形態1との相違は、出力手段の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0062】
図11に示すように、本実施形態の各圧力センサ40(40a,40b)では、実施形態1の圧力センサ10(10a,10b)に対して、上記第2出力回路21がなく、代わりに圧力検出部17からの検出信号Sa(本発明の「出力信号」に相当)を増幅してアナログ信号として出力するアナログ出力回路41(本発明の「出力手段」に相当)が設けられており、この出力側と、入力回路22の入力側が外部接続端子15dに共通接続されている。そして、入力回路22の入力動作を有効化させるときには、その開閉スイッチ22aを閉動作させる一方で、アナログ出力回路41の増幅度を低下させて外部接続端子15dへの影響が実質的にないようにする。アナログ出力回路41の出力動作を有効化させるときには、その増幅度を復帰させる一方、入力回路22の開閉スイッチ22aを開動作させる。
【0063】
このような構成であっても、上記実施形態1,2のCPU18の制御の実行により、マスターモードの圧力センサ40aから圧力センサ40bへの設定情報のコピーを行うことができ、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0064】
<実施形態4>
図12は実施形態4を示す。実施形態1と同じ部分については同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0065】
上記実施形態1〜3では、電源投入時点では検出モードに初期設定されている構成としたが、これに限らず、図12に示すような構成であってもよい。即ち、電源投入時点で、各圧力センサ10は、マスターモードに切り替えられている場合(S3で「Y」)には、自動でコピーモードに移行し、所定時間の間、強制的にコピー送信を実行する。そして、所定時間経過後(S50で「Y」)、検出モードに移行する。
【0066】
一方、スレーブモードに切り替えられている場合(S3で「N」)には、やはり自動でコピーモードに移行し、所定時間の間、強制的にコピー受信を実行する。そして、所定時間経過後(S50で「Y」)、検出モードに移行する。
【0067】
このような構成であれば、2つの圧力センサ10a,10bを予めマスターモード、スレーブモードにそれぞれ切り替えておいて、コネクタケーブル35を介してコネクタ接続することで電源投入され、自動で設定情報のコピーを行うことができる。
【0068】
<参考例1>
図13は参考例1を示す。なお、実施形態1と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0069】
上記各実施形態の圧力センサ10,40は、2出力タイプであったが、本実施形態の圧力センサ50は、上記第2出力回路と同様の出力回路51(本発明の「出力手段」に相当)を1つ備えた、1出力タイプであり、この出力回路51の出力側が、入力回路22の入力側と外部接続端子15dにて共通接続されている。また、上記の操作部23及び表示部12a,12bを備えていない。
【0070】
設定情報を設定及びその変更をするには、図13に示すように、接続コネクタ15に、制御機器52(本発明の「外部機器」に相当)の接続コネクタ53をコネクタ接続して、この制御機器52から設定情報を取得する。
【0071】
そして、このコネクタ接続によって、制御機器52の電源回路54に連なる電源供給用端子53a,53bを介して圧力センサ50に電源が投入され、自動でコピーモードに移行する。コピーモードでは、CPU18は、出力回路51の開閉スイッチ51aを開動作させて出力動作を無効化するとともに、入力回路22の開閉スイッチ22aを閉動作させて入力動作を有効化する。そして、制御機器52のCPU55から接続端子53dを介して送信されてくる伝送信号Dを入力回路22を介して取得し、メモリ19に設定する。
【0072】
その後、電源投入から所定時間経過後に自動で検出モードに移行し、今度は出力回路51の出力動作を有効化させて検出動作ごとに出力信号Scを同じく外部接続端子15dを介して制御機器52側に出力する。
【0073】
このような構成であっても、検出モード時の出力信号Scの出力と、コピーモード時の伝送信号Dの入力とを、共通の外部接続端子15dを通じて行うことができ、伝送信号Dの専用の通信手段を設ける必要がない。
【0074】
<参考例2>
図14は参考例2を示す。なお、実施形態1,5と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0075】
この圧力センサ60は、実施形態1の第1出力回路と同様の出力回路63と、コマンド入力回路61と、設定情報入力回路62とを備えており、これらの入力回路61,62の入力側が外部接続端子15dに共通接続されている。
【0076】
制御機器52とコネクタ接続することで、圧力センサ60に電源が投入され、これにより自動でコピーモードに移行する。コピーモードでは、CPU18は、コマンド入力回路61の開閉スイッチ61aを開動作させてその入力動作を無効化するとともに、設定情報入力回路62の開閉スイッチ62aを閉動作させてその入力動作を有効化する。そして、制御機器52のCPU55から接続端子53dを介して送信されてくる伝送信号Dをコマンド入力回路62を介して取得し、メモリ19に設定する。
【0077】
その後、電源投入から所定時間経過後に自動で検出モードに移行し、今度はコマンド入力回路51のみの入力動作を有効化させて、検出動作の実行タイミングの合間に、制御機器52からのコマンド信号Sdを同じく外部接続端子15dを介して入力する。
【0078】
ここで、伝送信号Dを入力するための設定情報入力回路62は、その入力信号のパルス幅等を読み取るなどの構成が必要であるのに対して、外部からのコマンド信号Sd(例えば、ゼロアジャスト指令信号、オートリファレンス指令信号、オートティーチング指令信号など)を入力するためのコマンド入力回路61は入力信号のハイローレベルだけを検知するといった簡単な構成にすることも可能である。しかも、設定情報の取得はそれほど頻繁に行われるものでもない。そこで、本実施形態では、設定情報入力回路62と、コマンド入力回路62とを別々の回路として、設定情報の取得時(電源投入時)だけコマンド入力回路62の入力動作を有効化させる構成とした。
【0079】
<実施形態5>
図15は実施形態5を示す。なお、実施形態1と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0080】
本実施形態は、3台以上(本実施形態では4台)の圧力センサ70を備え、一の圧力センサ70aに設定された設定情報を、次の圧力センサ70bへ、更に次の圧力センサ70cへと順次コピーしていく構成である。
【0081】
各圧力センサ70は、圧力検出部17、CPU18,メモリ19、第1出力回路20、第2出力回路21、入力回路22を備えて構成されている。第1出力回路20の出力が外部接続端子15cに接続され、第2出力回路21の出力側と入力回路22の入力側とが外部接続端子15dに共通接続されている。そして、CPU18の制御によって第2出力回路21の出力動作と入力回路22の入力動作とが選択的に有効化される。なお、各圧力センサ70は図示しない電源供給手段によってそれぞれ電源投入される。
【0082】
そして、各圧力センサ70について、第1出力回路20に連なる外部接続端子15cを他の圧力センサ70の外部接続端子15dに電気的に接続し、第2出力回路21及び入力回路22に連なる外部接続端子15dを上記他の圧力センサ70とは異なる他の圧力センサ70に接続する。これにより、各圧力センサ70は、一方の圧力センサ70からの信号を外部接続端子15dを介して入力可能であり、かつ、第1出力回路20からの信号を他方の圧力センサ70へと出力可能に接続されることになる。
【0083】
このような構成において、例えば、1台目の圧力センサ70aのメモリ19に既に設定情報が設定されており、この設定情報を2〜4台目の圧力センサ70b〜70dにコピーした場合、まず、図15のように4台の圧力センサ70を接続し、それら全てを操作部23(図15では省略)によってコピーモードに設定する。次いで、1台目の圧力センサ70aをマスターモードに設定し、2台目の圧力センサ70bをスレーブモードに設定する。すると、1台目の圧力センサ70aは、第1出力回路20から伝送信号Dを出力し、これを、2台目の圧力センサ70bが、有効化した入力回路22を介して取得してメモリ19に設定する。
【0084】
その後、今度は2台目の圧力センサ70bをマスターモードに切り替えると、上記と同様に、2台目の圧力センサ70bが第1出力回路20から伝送信号Dを出力し、これを、3台目の圧力センサ70cが、有効化した入力回路22を介して取得してメモリ19に設定する。以後、同じようにして、3台目の圧力センサ70cをマスターモードに切り替えることで、伝送信号Dが4台目の圧力センサ70dにコピーされる。そして、4台目の圧力センサ70dからの伝送信号Dを、1台目の圧力センサ70aを受けることで当該1台目の圧力センサ70aは、正常にコピーが終了したことを認識でき、この認識結果を表示部12(図15では省略)に表示させる。このとき、4台目の圧力センサ70dからの伝送信号Dと、既にメモリ19に記憶されているコピー元としての設定情報と照合し、この照合結果に応じて表示パターンを表示部12に表示させる構成であってもよい。
【0085】
なお、2〜4台目の圧力センサ70b〜70dについては、設定情報データを自己のメモリ19に設定したことを条件に自動でスレーブモードからマスターモードへと移行する構成であってもよい。
【0086】
<実施形態6>
図16は実施形態6を示す。なお、実施形態1と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
本実施形態の圧力センサ10には、他の外部機器からの伝送信号Dの外部設定情報に基づきメモリ19にコピーされた自己設定情報を、上記操作部23での操作によっては変更設定できないようにする、いわゆるキーロック機能が備えられている。圧力センサ10は、このキーロック機能が実行された状態では、例えば現在設定されている各設定情報の値は表示部12aに表示するものの、アップダウンスイッチ14を操作してもその表示値が変更されないようにCPU18が禁止動作を指示する。なお、その他の方法として、CPU18は、アップダウンスイッチ14の操作によって表示部12aの表示値の変更を可能としつつ、確定操作を受け付けないようにして、メモリ19にコピーされた自己設定情報を書き換え更新しないようにする構成であってもよい。従って、CPU18は、本発明の「禁止手段」としても機能する。
【0087】
また、圧力センサ10は、例えばモード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14を同時に所定時間長押しするという特殊な操作によって上記キーロック機能を実行させ、再び同じような特殊な操作によってキーロック機能を解除できるようになっている。そして、図3でマスターモードの圧力センサ10aは、キーロック機能が実行された状態になっているときには、図5のS14において、キーロック機能の実行を示すキーロック有効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。一方、圧力センサ10aは、キーロック機能が解除された状態になっているときには、S14において、キーロック機能の解除を示すキーロック無効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。
【0088】
一方、スレーブモードの圧力センサ10bでは、CPU18は、図16に示すように、S25で機種情報が一致すると判断した場合(S25で「Y」)、または、S27で一部の設定項目が一致すると判断した場合、S70で伝送信号Dにキーロック有効化情報が含まれているかどうかを判断する。CPU18は、キーロック有効化情報が含まれていなければ(S70で「N」)、S26でコピー動作の実行及びコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])の表示動作を実行するが、キーロック機能は実行しない。
【0089】
これに対して、CPU18は、キーロック有効化情報が含まれていれば(S70で「Y」)、S71でコピー動作、及び、コピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])の表示動作を実行した後に、上記キーロック機能を有効化させる。これにより、圧力センサ10bにおいては、操作部23にて上記の特殊な操作をしない限り、コピーされた自己設定情報を安易に変更設定できないようになる。
このような構成であれば、コピー機能の実行によりメモリ19にコピーされた自己設定情報を、作業者が安易に設定変更できないようにすることができる。なお、本実施形態で説明したキーロック機能を、上記実施形態2〜7に適用できることは言うまでもない。
【0090】
<実施形態7>
図17,図19は実施形態7を示す。本実施形態の各圧力センサ10も、上記実施形態6と同様に、キーロック機能を備えている。各圧力センサ10は、例えば操作部23での所定の操作によって、キーロック送信モードと通常送信モードとを選択的に設定できるようになっている。
図17に示すように、各圧力センサ10に電源が投入されると、CPU18は、S80でキーロック機能の有効・無効情報を含めてメモリ19に記憶された各データを読み込む。
【0091】
(マスターモード)
CPU18は、圧力センサ10がマスターモードに切り替えられている場合(S81で「Y」)には、S82で自己の圧力センサ10がキーロック送信モードに設定されているかどうかを判断する。CPU18は、キーロック送信モードに設定されていると判断したときには(S82で「Y」)、S83でキーロック機能の実行を示すキーロック有効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。具体的には、CPU18は、基本的に前述した図5と同様の処理を実行し、同図のS14においてキーロック有効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。
【0092】
一方、CPU18は、通常送信モードに設定されていると判断したときには(S82で「N」)、S84でキーロック機能の解除を示すキーロック無効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。具体的には、CPU18は、基本的に前述した図5と同様の処理を実行し、同図のS14においてキーロック無効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。
そして、CPU18は、S85で送信モード(キーロック送信モード、通常送信モード)解除されるまで上記S81〜S85の処理を繰り返し実行する。図3では、マスターモードの圧力センサ10aのCPU18がこれらの処理を実行することになる。
【0093】
その後、圧力センサ10aにおいて、例えば検出モードに切り替えられるなど送信モードが解除されたときには、CPU18は、自己のメモリ19に設定されたキーロック機能の有効・無効情報を読み出して、それがキーロック機能の有効化を指示するものであれば(S86で「Y」)、圧力センサ10a自身においてキーロック機能を実行させて検出モードに移行する(S87,S88)。一方、それがキーロック機能の無効化を指示するものであれば(S86で「N」)、圧力センサ10a自身においてキーロック機能を実行せずに検出モードに移行する(S88)。
【0094】
(スレーブモード)
CPU18は、圧力センサ10がスレーブモードに切り替えられている場合(S81で「N」)には、S89で図18に示すコピー受信ルーチンを実行する。ここでの処理は、基本的には前述した図9に示すコピー受信ルーチンと同じである。異なるのは次の点である。即ち、CPU18は、S41で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させた後、S42でこの入力回路22に上記したコピーモードパルスSeが入力されているかどうかを判断する。そして、所定時間内にコピーモードパルスSeの入力があれば(S42で「Y」、S90で「N」)、S43でアンサーバック信号Sfを第1出力回路20から出力する。これに対して、CPU18は、所定時間内にコピーモードパルスSeの入力がなければ(S42で「N」、S90で「Y」)、図17のS86へと進む。
【0095】
このような処理によって、スレーブモードの圧力センサ10bは、電源投入されると、S42でコピーモードパルスSeの入力を待ち、所定時間内に入力がなければ、圧力センサ10bのCPU18は、自己のメモリ19に設定されたキーロック機能の有効・無効情報を読み出す。まだコピー受信が一度も実行されていないときは、キーロック機能の有効・無効情報はキーロック機能の無効化を指示するものとなっており、キーロック機能は実行されない(S86で「N」)。
これに対して、CPU18は、S42でコピーモードパルスSeの入力が所定時間内にあれば、圧力センサ10aからの伝送信号Dのデータ受信を行い(S44)、正規の設定が不能であれば「エラー」表示を行い(S49,S62)、正規の設定が可能であれば「OK」表示をするとともにコピー動作を実行する(S61)。
【0096】
ここで、CPU18は、S44で受信した伝送信号Dにキーロック有効化情報が含まれているときには、その情報をメモリ19に書き込む。そして、表示部12a,12bのいずれかに「エラー」表示または「OK」表示がされた(S49.S61,S62)後、圧力センサ10bに電源が再投入されると、CPU18は、再び図17のS80から処理を再開し、キーロック機能の有効・無効情報を含めてメモリ19に記憶された各データを読み込む。そして、CPU18は、所定時間内にコピーモードパルスSeの入力がなくS89のコピー受信ルーチンを抜けると、S86で、上記S80で読み出されたキーロック機能の有効・無効情報に基づきキーロック機能を実行するかどうかを決定する。ここでは、上述したように、電源再投入前に伝送信号Dに含まれていたキーロック有効化情報がメモリ19に書き込まれているので、このキーロック有効化情報から、圧力センサ10a自身にキーロック機能を実行させて検出モードに移行する(S87,S88)。
このような構成であれば、コピー機能の実行によりメモリ19にコピーされた自己設定情報を、作業者が安易に設定変更できないようにすることができる。なお、本実施形態で説明したキーロック機能を、上記実施形態1〜7に適用できることは言うまでもない。
【0097】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態1では、第1出力回路20及び第2出力回路21は、いずれも検出圧力値と閾値との大小比較結果に応じた出力信号を出力する構成であったが、これに限らず、圧力検出部17からA/D変換された検出信号Saをそのまま出力する構成であってもよい。
【0098】
(2)上記各実施形態では、出力回路と入力回路などの選択的な有効化をさせるために、それぞれに開閉スイッチを内蔵した構成としたが、に限らず、両回路の共通接続点に選択スイッチを設ける構成であっても勿論よい。
【0099】
(3)上記実施形態では、報知手段として液晶パネルからなる表示部12a,12bとしたが、これに限らず、例えばLEDからなる表示灯を設けてこの点灯パターンで報知する構成であってもよい。また、報知できるものであれば、ブザーなどの発音手段などであってもよい。
【0100】
(4)上記参考例1において、操作部23及び表示部12を設けて、マスターモードとスレーブモードとの切り替えを可能とし、マスターモードに切り替えられた圧力センサ10と、スレーブモードに切り替えられた圧力センサ10とをコネクタ接続し、マスターモードの圧力センサ10では、出力回路51の出力動作を有効化させてそれによって自己の伝送信号Dを出力し、スレーブモードの圧力センサ10は、入力回路22の入力動作を有効化させて上記伝送信号Dを外部接続端子15dを介して入力してメモリ19に設定する構成であってもよい。
【0101】
(5)上記実施形態2では、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが3回連続して不一致であった場合に、所定のエラー動作を行う構成としたが、これに限らず、1回の不一致、或いは、3回以外の複数回の不一致でエラー動作を行う構成であってもよい。
【0102】
(6)上記各実施形態において、圧力センサ10〜70に、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14の操作によって、自己の設定情報の中から、コピー動作を実行する設定情報を予め指定する構成としてもよい。これにより、マスターモードに設定された圧力センサにおいては、指定された設定情報のみを伝送信号Dに含めて送信するようにでき、また、スレーブモードに設定された圧力センサにおいては、指定された設定情報の中でコピーが可能なもののみにコピー動作を実行させるようにすることができる。このとき、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14は、本発明の「指定手段」として機能する。
【0103】
(7)更に、メモリ19に各自己設定情報の初期設定情報を記憶する記憶領域を確保して、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14の操作により、CPU18がメモリ19に設定されている各自己設定情報を初期設定情報にリセットする構成であってもよい。このとき、メモリ19は本発明の「初期設定情報メモリ」に相当し、CPU18は「リセット手段」として機能する。
【0104】
(8)上記実施形態の圧力センサ10〜70は、圧力に関する数値(例えば閾値、検出値など)を、「rPa」「bar」「mbar」「mmHg」「atm」など各種の単位系で表示部12aに、その表示値の単位を表示部12bにそれぞれ選択的に表示できる。ここで、本実施形態においてメモリ19に設定される、圧力に関する数値系の外部設定情報は、各単位系の数値そのものではなく、各係数(1ではない)を乗じることで各単位系の数値となる基礎数値とした。従って、例えば圧力センサ10aから伝送される伝送信号Dに含まれる数値に関する外部設定情報も上記基礎数値とすることで、この基礎数値に基づきメモリ19への設定を行うことで正規の設定を容易に行うことができる。
【0105】
(9)実施形態1に対して、伝送信号Dに機種情報を含めず、機種情報によるマッチング(図6でS25)を行わずに、直接設定項目のマッチング(同図でS27)を行う構成であってもよい。
【0106】
(10)上記実施形態2では、機種情報及びバージョン情報の両方のマッチングを行う構成であったが、これに限らず、機種情報及びバージョン情報のいずれか一方のみについて、伝送信号Dに含めるとともに対応機器情報として記憶しておいて、機種情報及びバージョン情報のいずれか一方についてのみマッチングを試みる構成であってもよい。
【0107】
(11)上記実施形態6では、外部機器(他の圧力センサ10a)からの伝送信号Dに含まれるキーロック有効化情報に基づいて圧力センサ10b側でキーロック機能を実行させる構成としたが、これに限らず、コピー動作が実行されたときは、常にキーロック機能を実行状態とする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
10,40,50,60,70…圧力センサ(検出センサ)
12a,12b…第1表示部、第2表示部(第1報知手段、第2報知手段)
13…モード切換スイッチ(操作手段、切替手段、指定手段)
14…アップダウンスイッチ(操作手段、切替手段、指定手段)
15d…外部接続端子
17…圧力検出部(検出手段)
18…CPU(実行手段、判断手段、制御手段、正常受信検知手段、リセット手段、禁止手段、解除手段)
19…メモリ(設定情報メモリ、対応機種情報メモリ、補正情報メモリ、初期設定情報メモリ)
20…第1出力回路(送信手段、応答手段)
21…第2出力回路(出力手段)
21a,22a,61a,62a…開閉スイッチ(選択手段)
22…入力回路(受信手段)
23…操作部(操作手段、切替手段、解除手段)
30,52…制御装置(外部機器)
31d…接続端子(外部機器の接続端子)
41…アナログ出力回路(出力手段)
51…出力回路(出力手段)
52…制御機器(設定情報出力外部機器)
61…コマンド入力回路(コマンド入力手段)
62…設定情報入力回路(設定情報入力手段)
Sa…検出信号(出力信号)
Sc…出力信号(出力信号)
D…設定情報データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出センサに関し、特に、外部機器からの設定情報を設定(複製)する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示すように、マスタユニットと複数台のセンサユニットとを入出力コネクタで連結し、マスタユニットで設定された感度設定等の設定情報を、各センサユニットに送信して設定を行う、いわゆるコピー機能を有するものがある。このような構成であれば、同じ設定作業を、各センサユニットごとに行う必要がなく設定作業を効率的に行うことができるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−294097公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のセンサシステムでは、マスタユニットに対してそれぞれ異なる機種のセンサユニットが接続されてコピー機能が実行されることがある。センサユニットは、機種などによってその設定項目が異なることがあり、このような場合には、正規の設定が行えないとして、コピー機能の実行がされないようになっていた。しかし、これでは、作業者は実際に他のセンサユニットからの設定情報が各センサユニットに正規に設定されたかどうかを知ることができず、設定ミスの状態でセンサユニットの動作が実行されるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、外部機器からの設定情報の設定ミスを抑制することが可能な検出センサを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明の検出センサは、検出領域における物理量変化を検出する検出手段と、自己の設定情報が設定される設定情報メモリと、前記設定情報メモリに設定されている自己の設定情報に基づく動作を実行する実行手段と、前記自己の設定情報に加えて、その自己の設定情報に対応する設定項目、自己の機種情報及び自己のバージョン情報のうちいずれか1つを含む伝送信号を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の検出センサにおいて、前記伝送信号には、禁止機能を実行させるかどうかを指示する禁止指示情報が含まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1〜2の発明>
このように、設定情報を送信可能な検出センサを備えることで、各センサへの設定ミスを抑制可能なセンサシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係る圧力センサの斜視図
【図2】圧力センサの電気的な構成を示したブロック図(制御装置との接続状態)
【図3】圧力センサの電気的な構成を示したブロック図(圧力センサ同士の接続状態)
【図4】圧力センサのCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャート
【図5】圧力センサのCPUが実行するコピー送信ルーチンを示すフローチャート
【図6】圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【図7】伝送信号のデータ構造と自己設定項目との関係を示した模式図
【図8】実施形態2の圧力センサのCPUが実行するコピー送信ルーチンを示すフローチャート
【図9】圧力センサのCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャート
【図10】伝送信号のデータ構造と対応機器情報との関係を示した模式図
【図11】実施形態3の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図(圧力センサ同士の接続状態)
【図12】実施形態4の圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【図13】参考例1の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図
【図14】参考例2の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図
【図15】実施形態5の圧力センサの電気的な構成を示したブロック図
【図16】実施形態6の圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【図17】実施形態7の圧力センサのCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャート
【図18】圧力センサのCPUが実行するコピー受信ルーチンを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1〜図7を参照しつつ説明する。
1.圧力センサの外観構成
本実施形態の圧力センサ(本発明の「検出センサ」に相当)10は、例えば、真空成形を行う際に、図示しないキャビティ(本発明の「検出領域」に相当)内の真空度を測定するために使用されるものである。図1に示すように、圧力センサ10は前後に長い箱型のセンサ本体部11を備えている。センサ本体部11の前面には、測定結果や検出用閾値などの自己設定情報などが表示される表示手段としての第1表示部12a及び第2表示部12b(本発明の「第1報知手段、第2報知手段」に相当)、後述するモード切り替えを行うためのモード切換スイッチ13、表示部12a,12bの表示内容を切り替えるためのアップダウンスイッチ14が備えられている。なお、第1表示部12aは主として自己設定情報が表示され、第2表示部12bは主として第1表示部12aに表示されている自己設定情報に対応する設定項目が表示される。
【0011】
一方、センサ本体部11の後面には、後述するように上位機器としての制御装置30(本発明の「外部機器」に相当)や他の圧力センサ10と接続するための接続コネクタ15と、圧力導入ポート16とが並んで配置されている。圧力導入ポート16には、チューブ(図示せず)が継ぎ手を介して接続されるようになっており、同チューブ、圧力導入ポート16を通じてセンサ本体部11内にキャビティ内の内圧が取り込まれるようになっている。
【0012】
2.圧力センサの電気的構成
次に、圧力センサ10の電気的な構成について図2を参照して説明する。なお、同図は、圧力センサ10を、制御装置30に接続した状態が示されている。
【0013】
同図で符号17は、圧力検出部(本発明の「検出手段」に相当)であり、半導体ダイヤフラムを用いた感圧素子から構成され、CPU18とともにセンサ本体部11内に格納されている。そして、圧力検出部17は圧力導入ポート16を通じてキャビティ内の内圧が取り込まれると、その圧力値の大きさに応じたアナログ信号としての検出信号Saを出力し、図示しないA/D変換器によってA/D変換されてCPU18に与えられる。
【0014】
CPU18には、メモリ19(本発明の「設定情報メモリ」に相当)が接続されており、このメモリ19には、例えば、検出用の第1閾値及び第2閾値、検出動作の実行タイミングのタイマ値、応答速度、表示部12a,12bの表示切替スピード、省エネモードの設定など、各種の自己設定情報が記憶されている記録領域が確保されている。
【0015】
CPU18は、後述する検出モード時には、上記メモリ19に設定されているタイマ値に応じた実行タイミングで繰り返し上記検出信号Saを読み込んで、検出圧力値と、メモリ19に設定されている検出用の第1閾値及び第2閾値とをそれぞれ比較する。そして、メモリ19に設定されている応答速度に応じた出力タイミングでその比較結果に応じた出力信号を出力する。これが、本発明でいう「自己の設定情報に基づく動作」の一例である。従って、CPU18は本発明の「実行手段」として機能する。
【0016】
具体的には、検出圧力値と第1閾値との大小比較結果に基づく出力信号Sbを第1出力回路20を介して出力し、検出圧力値と第2閾値との大小比較結果に基づく出力信号Sc(本発明の「検出結果に基づく出力信号」に相当)を第2出力回路21(本発明の「出力手段」に相当)を介して出力する。
【0017】
また、接続コネクタ15には、4つの接続端子が備えられており、そのうち2つは電源供給用の電源端子15a,グランド端子15bであり、他の2つは、ぞれぞれ第1出力回路20及び第2出力回路21の出力側に接続された外部接続端子15c,15dである。
【0018】
更に、外部接続端子15d(本発明の「外部接続端子」に相当)には、入力回路22(本発明の「受信手段」に相当)が共通接続されている。この入力回路22は、本来的には、制御機器30からのコマンド信号Sdを入力するために設けられたものである。具体的には、第2出力回路21と入力回路22とはそれぞれ開閉スイッチ21a,22a(本発明の「選択手段」に相当)が内蔵されている。
【0019】
そして、CPU18は、例えば、後述する検出モード時において、上記実行タイミングごとに、第2出力回路21の開閉スイッチ21aを閉動作(第2出力回路21の出力動作を有効化)させる一方で入力回路22の開閉スイッチ22aを開動作(入力回路22の入力動作を無効化)させて検出動作(検出圧力値と閾値との比較動作)を実行し、出力信号Sb,Scをそれぞれ出力する。一方、各実行タイミングの合間に、第2出力回路21の開閉スイッチ21aを開動作(第2出力回路21の出力動作を無効化)させるつつ入力回路22の開閉スイッチ22aを閉動作(入力回路22の入力動作を有効化)させて外部接続端子15dの電位レベルに基づきコマンド信号Sdを受けているかどうかを判断し、受けているときにはそのコマンド信号Sdを外部接続端子15d及び入力回路22を介して入力するようになっている。入力回路22は、本実施形態では、後述するように他の圧力センサ10からの設定情報を入力するコピーモード時にも利用される。
【0020】
なお、コマンド信号Sdには、例えば、ゼロアジャスト指令信号、オートリファレンス指令信号、オートティーチング指令信号などがある。コマンド信号Sdがゼロアジャスト指令信号である場合には、そのときの検出圧力値を基準レベルとしてメモリ19に記憶し、それ以降の検出動作では、検出圧力値から上記基準レベルを減算した相対圧力値を表示部12aに表示させる、いわゆるゼロアジャスト機能を実行する。
【0021】
コマンド信号Sdがオートリファレンス指令信号である場合には、測定対象の装置の元圧の変動分だけ第1閾値及び第2閾値をシフトして補正する、いわゆるオートリファレンス機能を実行する。コマンド信号Sdがオートティーチング指令信号である場合には、そのときの検出圧力値に基づき第1閾値及び第2閾値を再設定する、いわゆるオートティーチング機能を実行する。
【0022】
また、CPU18には、上記表示部12a,12bと操作部23とが接続されている。表示部12a,12bは例えば液晶パネルを備えて構成され、モード切換時には各種のモード(検出モード、コピーモード、設定情報入力モードなど)を示す文字・記号が例えば表示部12bに表示される。また、検出モード時には現時点の検出圧力値や、第1閾値及び第2閾値などが表示部12aに表示され、後述するコピーモード時には設定情報が入力されたかどうかを示す文字・記号等が表示部12a,12bのいずれかに表示される。また、表示部12bには、表示部12aに表示された設定情報(検出圧力値や閾値など)に対応する設定項目名を示す文字・記号が表示されることもある。
【0023】
操作部23は、前述のモード切換スイッチ13やアップダウンスイッチ14での操作に応じた信号をCPU18に与える。モード切換スイッチ13を「設定情報入力モード」に切り替えることで、現在設定されている各設定情報の値が表示部12aに表示され、それに対応する設定項目名を示す文字・記号が表示部12bに表示され、アップダウンスイッチ14を操作して表示部12aの表示値を所望の値に変えて確定操作(例えばアップダウンスイッチ14を同時に押下)を行うことで、その表示値を設定情報としてメモリ19に設定することができる。従って、モード切換スイッチ13、アップダウンスイッチ14、操作部23が本発明の「操作手段」として機能する。
【0024】
3.圧力センサのCPUの制御内容について
(1)検出モード
圧力センサ10は、通常の検出動作を行うときには、図2に示すように、制御機器30にコネクタ接続される。具体的には、制御機器30にも接続コネクタ31が設けられ、ここに4つの接続端子が備えられており、そのうち2つは電源回路33に連なる電源端子31a,グランド端子31bであり、4線のコネクタケーブル32によって、圧力センサ10の電源端子15a,グランド端子15bに電気的に接続される。これにより、電源回路36から各圧力センサ10に電源が投入されることになる。
【0025】
他の2つの接続端子31c,31dは、CPU34に連なると共に、やはりコネクタケーブル32によって圧力センサ10の外部接続端子15c,15dにそれぞれ電気的に接続される。接続端子31cには、圧力センサ10の第1出力回路20からの出力信号Sbが入力されCPU34に取り込まれる。接続端子31d(本発明の「外部機器の接続端子」に相当)は、通常は、圧力センサ10の第2出力回路21からの出力信号Scが入力されてそれがCPU34に取り込まれ、コマンド出力時には、図示しない入出力切替回路によってコマンド信号Sdが出力される。
【0026】
そして、圧力センサ10は、制御機器30にコネクタ接続されることで電源投入されると、CPU18は、図4のフローチャートに示す制御を実行する。本実施形態では、電源投入時は検出モードになっており、前述した検出動作等の一連の動作を繰り返す検出モードを実行する(S1)。即ち、現在設定されているタイマ値に応じた実行タイミングごとに、検出信号Saを読み込んで、検出圧力値と、現在設定されている検出用の第1閾値及び第2閾値との比較動作を行い、現在設定されている応答速度に応じた出力タイミングでその比較結果に応じた出力信号Sb,Scを第1出力回路20及び第2出力回路21を有効化させて出力する。これにより、制御機器30は、上記実行タイミングごとに出力信号Sb,Scを受けることになる。
【0027】
そして、この検出動作及び出力動作の後に次の実行タイミングまでの間に、第2出力回路21の出力動作を無効化させつつ入力回路22の入力動作を有効化させて制御機器30からコマンド信号Sdを受けているかを確認し、受けている場合にはコマンド信号を取得し、コマンド信号Sdに対応した機能を実行する。
【0028】
(2)コピーモード
さて、他の圧力センサ10に既に設定された設定情報を取得したい場合には、図3に示すように、圧力センサ10同士をコネクタケーブル35を介してコネクタ接続する。具体的には、両圧力センサ10の電源端子15a同士、グランド端子15b同士がそれぞれ電気的に接続されている。また、一方の圧力センサ10の外部接続端子15cが他方の圧力センサ10の外部接続端子15dに、一方の圧力センサ10の外部接続端子15dが他方の圧力センサ10の外部接続端子15cにそれぞれクロス接続されている。
【0029】
ここで、本実施形態の圧力センサ10は、上記モード切換スイッチ13、アップダウンスイッチ14の操作によって、コピー元として機能させたい場合にはマスターモードに、コピー先として機能させたいときにスレーブモードに選択的に切り替えることができるようになっている。従って、モード切換スイッチ13、アップダウンスイッチ14及び操作部23は、本発明の「切替手段」としても機能する。同図では、右側の圧力センサ10aがマスターモードに切り替えられ、左側の圧力センサ10bがスレーブモードに切り替えられている。
【0030】
図4において、各圧力センサ10のCPU18は、S2で、各実行タイミング間においてコピーモードへの切替操作の割り込みがあるかどうかを判断し、割り込みがなければ(S2で「N」)そのまま検出モードを繰り返し実行する一方で、割り込みがあれば(S2で「Y」)検出モードの実行を中止し、コピーモードに移行する。まず、S3で現在マスターモードかスレーブモードかを判断する。圧力センサ10aはマスターモードに切り替えられているから(S3で「Y」)、コピー送信を実行する(S4)。
【0031】
(マスターモード)
図5に示すように、CPU18は、S11で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。次いで、S12でコピーモードパルスSeを、第1出力回路20から外部接続端子15cを介して出力する。これにより、このコピーモードパルスSeは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。
【0032】
そして、CPU18は、S13で、既に有効化されている入力回路22を介して後述するアンサーバック信号Sfを受けたか否かを判断し、アンサーバック信号Sfを受けるまで待機し(S13で「N」)、受けたとき(S13で「Y」)に第1出力回路20を介してメモリ19に設定されている自己の設定情報(圧力センサ10bから見れば外部設定情報)を含む伝送信号Dを出力する(S14)。従って、第1出力回路20は本発明の「送信手段」に相当する。これにより、伝送信号Dは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。
【0033】
(スレーブモード)
一方、図4に戻り、圧力センサ10bは、スレーブモードに切り替えられているから(S3で「N」)、コピー受信を実行する(S5)。図6に示すように、圧力センサ10bのCPU18は、S21で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。
【0034】
次いで、S22でこの入力回路22に上記したコピーモードパルスSeが入力されているかどうかを判断し、入力があれば(S22で「Y」)、S23でアンサーバック信号Sfを第1出力回路20から出力する。これにより、このアンサーバック信号Sfがマスターモードの圧力センサ10aの入力回路22に与えられることになる。そして、S24で、このマスターモードの圧力センサ10aの第1出力回路20から送信されてくる伝送信号Dを入力回路22を介して受信する。
【0035】
ここで、本実施形態では、圧力センサ10aから送信される伝送信号Dは、図7に示すように、複数の設定情報と、それぞれの設定項目と、圧力センサ10aの機種情報とが含まれている。一方、圧力センサ10bの上記メモリ19は、上記各種の設定情報を記憶した記憶領域内において、それらの設定情報がそれぞれに対応する設定項目と対応付けられて記憶されている。また、メモリ19には、圧力センサ10b自身の機種情報が記憶された領域が確保されている。従って、メモリ19は本発明の「対応機種情報メモリ」にも相当する。
【0036】
そして、圧力センサ10bのCPU18は、図6のS25で、伝送信号Dに含まれる圧力センサ10aの機種情報と、自己のメモリ19に記憶されている自己の機種情報とが一致するかどうかを判断する。ここで、CPU18は、機種情報が一致すると判断された場合は(S25で「Y」)、例えば表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])を表示する。
【0037】
それと共に、CPU18は、次述するような設定項目のマッチングを試みることなく、自己のメモリ19に記憶された各種の設定情報に予め付けられた順番と、伝送信号Dに含まれる各種の外部設定情報の受信する順番とが同一設定項目に対する設定情報同士で一致しているため、そのまま受信する順に外部設定情報を、同一順位の自己設定情報に対して書き込み更新していくコピー動作が実行される(S26)。
【0038】
一方、CPU18は、S25で機種情報が一致しないと判断した場合、S27で伝送信号Dに含まれる各外部設定項目と、圧力センサ10b自身が有する自己設定項目とのマッチングを試みる。機種が異なれば、それぞれで設定可能な設定項目は異なることがある。例えば、図7に示すように、圧力センサ10bの自己設定項目には、第3設定項目はない。しかし、第1設定項目、第2設定項目など、一致する項目もある。
【0039】
そこで、CPU18は、一部の設定項目についてコピー動作(本発明でいう「正規の設定」に相当)が実行可能であるとして(S27で「Y」)、やはり表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])を表示し、一致している第1設定項目、第2設定項目についてのみコピー動作を実行する(S26)。なお、すべての設定項目についてコピー動作が実行可能な場合と、一部の設定項目についてコピー動作が実行可能な場合とで、表示部12a,12bでの表示パターンを異ならせる構成であってもよい。
【0040】
一方、CPU18は、一致する設定項目がないと判断した場合には、表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行不能であることを示す文字・記号(例えば「ERR])を表示する(S28)。以上により、CPU18は、本発明の「判断手段」、「制御手段」としても機能する。その後、モード切換スイッチ13によって再び検出モードに切り替えられると、圧力センサ10bのCPU18は、新たに更新設定された設定情報に基づく検出動作等を繰り返し実行する。
【0041】
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、機種情報のマッチングや設定項目のマッチングにより、設定情報のコピー動作を正常に行えるかどうかを判断し、不能の場合には、表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行不能であることを示す文字・記号(例えば「ERR])が表示される。従って、作業者はこの報知動作に基づき正規の設定がされていないことを知ることができ、設定ミスを抑制できる。
【0042】
(2)また、本実施形態によれば、圧力センサ10が本来的に有する第2出力回路21と、それに連なる外部接続端子15dに共通接続した入力回路22とを選択的に有効化させることで、共通の外部接続端子15dを利用して出力信号Scの出力と、伝送信号Dの受信を行うことができる。従って、伝送信号Dの送受信のために専用の通信手段を設ける必要がない。
【0043】
しかも、本実施形態では、入力回路22は検出モード時にコマンド信号Sdを入力するために予め設けられたものである。従って、基本的には新たなハード構成を追加せずに伝送信号Dの送受信を行うことができる。
【0044】
(3)また、1つの圧力センサ10がコピー元としてのマスター、コピー先としてのスレーブのいずれにも切り替えることができる。
【0045】
(4)圧力センサ10同士をコネクタケーブル35を介してコネクタ接続することにより各接続端子を電気的に接続する構成であるから、例えば接続配線を各接続端子に繋げて電気的に接続する構成に比べて接続作業が簡単になる。
【0046】
(5)各圧力センサ10は、他の検出センサからのデータ受信により設定情報の設定を行うだけでなく、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14の操作によって直接設定することもできる。
【0047】
<実施形態2>
図8〜図10は実施形態2を示す。前記実施形態との相違は、主として、伝送信号Dのデータ構造や、コピーモード時におけるCPU18のコピー送信ルーチン及びコピー受信ルーチンの内容にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0048】
(マスターモード)
マスターモードの圧力センサ10aのCPU18は、図8に示すコピー送信ルーチンを実行する。S31で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。次いで、S32でコピーモードパルスSeを、第1出力回路20から外部接続端子15cを介して出力する。これにより、このコピーモードパルスSeは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。
【0049】
そして、CPU18は、S32で、既に有効化されている入力回路22を介してアンサーバック信号Sfを受けたか否かを判断し、アンサーバック信号Sfを受けるまで待機し(S33で「N」)、受けたとき(S33で「Y」)に第1出力回路20を介してメモリ19に設定されている自己の設定情報(圧力センサ10bから見れば外部設定情報)と照合用のCRCデータを含む伝送信号Dを出力する(S34)。
【0050】
ここで、この伝送信号は、図10に示すように、設定項目はなく、各種の設定情報と、圧力センサ10a自身の機種情報及びバージョン情報と上記CRCデータが含まれる。そして、この伝送信号Dは、スレーブモードの圧力センサ10bの外部接続端子15dに与えられることになる。この伝送信号Dの送信動作は、入力回路22に後述する受信完了信号を受けるまで繰り返し実行される(S35)。
【0051】
(スレーブモード)
スレーブモードの圧力センサ10bのCPU18は、図9に示すコピー受信ルーチンを実行する。S41で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させる。次いで、S42でこの入力回路22に上記したコピーモードパルスSeが入力されているかどうかを判断し、入力があれば(S42で「Y」)、S43でアンサーバック信号Sfを第1出力回路20から出力する。これにより、このアンサーバック信号Sfがマスターモードの圧力センサ10aの入力回路22に与えられることになる。
【0052】
そして、S44で、このマスターモードの圧力センサ10aの第1出力回路20から送信されてくる伝送信号Dを入力回路22を介して受信する。ここで、CPU18は、これらのデータの受信が終了したかどうかを判断する入力検知手段として機能し、受信が終了したときには表示部12a,12bのいずれかにその旨を示す文字・記号等を表示させる。
【0053】
次に、S45で、受信した伝送信号Dに含まれる設定情報をCRC変換し、S46で、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが一致するかどうかを判断する。このとき、CPU18は、本発明の「正常受信検知手段」として機能する。そして、一致すれば(S46で「Y」)、マスターモードの圧力センサ10aから伝送信号Dを正常に受信できたものとして表示部12a,12bのいずれかにその旨を示す文字・記号等(例えば「OK」)を表示させる(S47)とともに、第1出力回路20を介して受信完了信号(本発明の「正常取得完了信号」に相当)を出力する。このとき、第1出力回路20は本発明の「応答手段」として機能する。なお、圧力センサ10bは、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが一致しないときにエラー信号を第1出力回路20を介して圧力センサ10aに与え、圧力センサ10aのCPU18は、図8のS35で上記エラー信号を受けたときは、自己設定情報及びCRCデータ等を含む伝送信号Dを再度送信(S34)し、エラー信号を受けなくなったときにコピー送信実行ルーチンを終了する構成であってもよい。
【0054】
ここで、圧力センサ10bのメモリ19には、図10に示すように、自己への設定情報の正常なコピー動作が可能な対応機器情報(対応機種及びバージョン)を記憶した記憶領域が確保されている。また、各対応機種及びバージョンに対応付けて、数値に関する設定情報の補正係数が記憶されている。そして、圧力センサ10bのCPU18は、図9のS60で伝送信号Dに含まれた圧力センサ10aの機種が、圧力センサ10bの機種と一致するかどうかを判断する。ここで、機種及びバージョンが一致する場合、または、それらが一致しなくても圧力センサ10aの機種及びバージョンが、上記対応機器情報に含まれるものであれば、圧力センサ10aは対応機器であると判断し(S60で「Y」)、S61で例えば表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])を表示する。
【0055】
それとともに、CPU18は、自己のメモリ19に記憶された各種の設定情報に予め付けられた順番と、伝送信号Dに含まれる各種の外部設定情報の受信する順番とが同一設定項目に対する設定情報同士で一致しているため、そのまま受信する順に外部設定情報を、同一順位の自己設定情報に対して書き込み更新していくコピー動作が実行される(S61)。
【0056】
また、本実施形態では、圧力センサ10aの機種やバージョンが異なる対応機器である場合には、閾値など数値に関する外部設定情報については圧力センサ10aの機種及びバージョンに対応してメモリ19に記憶された補正係数を乗じてメモリ19に書き込み更新する。その後、モード切換スイッチ13によって再び検出モードに切り替えられると、圧力センサ10bのCPU18は、新たに更新設定された設定情報に基づく検出動作等を繰り返し実行する。
【0057】
一方、CPU18は、S60で圧力センサ10aの機種及びバージョンが、上記対応機器情報に含まれていない場合(S60で「N」)には、圧力センサ10aは対応機器でないと判断し、表示部12a,12bのいずれかにコピーが実行不能であることを示す文字・記号(例えば「ERR])を表示する(S62)。
【0058】
また、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが不一致の場合(S46で「N」)には、その旨を示すエラー信号を第1出力回路20から出力する。これを入力回路22を介して受信したマスターモードの圧力センサ10aは、その第1出力回路20を介して伝送信号Dを送信する。そして、所定回数(本実施形態では、例えば3回)連続して不一致の場合(S48で「Y」)に、S49で表示部12a,12bにエラーを示す文字・記号等(例えば「ERR」)を表示させる。このとき、表示部12a,12bは本発明の「第2報知手段」として機能する。
【0059】
以上の構成によれば、表示部12a,12bの表示によって、伝送信号Dの受信が終了したかどうか、また、マスターモードの圧力センサ10aからの伝送信号Dを正常に取得することができたかどうかを知ることができる。
【0060】
また、圧力センサ10aと圧力センサ10bとで機種やバージョンが異なる場合、例えばデータ形式上、正規の設定は可能であっても、数値情報についてはオーダや単位が異なる場合があるが、本実施形態では、予め定めた補正係数によって自己に適した単位などの数値に補正して設定できる。
【0061】
<実施形態3>
図11は実施形態3を示す。前記実施形態1との相違は、出力手段の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0062】
図11に示すように、本実施形態の各圧力センサ40(40a,40b)では、実施形態1の圧力センサ10(10a,10b)に対して、上記第2出力回路21がなく、代わりに圧力検出部17からの検出信号Sa(本発明の「出力信号」に相当)を増幅してアナログ信号として出力するアナログ出力回路41(本発明の「出力手段」に相当)が設けられており、この出力側と、入力回路22の入力側が外部接続端子15dに共通接続されている。そして、入力回路22の入力動作を有効化させるときには、その開閉スイッチ22aを閉動作させる一方で、アナログ出力回路41の増幅度を低下させて外部接続端子15dへの影響が実質的にないようにする。アナログ出力回路41の出力動作を有効化させるときには、その増幅度を復帰させる一方、入力回路22の開閉スイッチ22aを開動作させる。
【0063】
このような構成であっても、上記実施形態1,2のCPU18の制御の実行により、マスターモードの圧力センサ40aから圧力センサ40bへの設定情報のコピーを行うことができ、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0064】
<実施形態4>
図12は実施形態4を示す。実施形態1と同じ部分については同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0065】
上記実施形態1〜3では、電源投入時点では検出モードに初期設定されている構成としたが、これに限らず、図12に示すような構成であってもよい。即ち、電源投入時点で、各圧力センサ10は、マスターモードに切り替えられている場合(S3で「Y」)には、自動でコピーモードに移行し、所定時間の間、強制的にコピー送信を実行する。そして、所定時間経過後(S50で「Y」)、検出モードに移行する。
【0066】
一方、スレーブモードに切り替えられている場合(S3で「N」)には、やはり自動でコピーモードに移行し、所定時間の間、強制的にコピー受信を実行する。そして、所定時間経過後(S50で「Y」)、検出モードに移行する。
【0067】
このような構成であれば、2つの圧力センサ10a,10bを予めマスターモード、スレーブモードにそれぞれ切り替えておいて、コネクタケーブル35を介してコネクタ接続することで電源投入され、自動で設定情報のコピーを行うことができる。
【0068】
<参考例1>
図13は参考例1を示す。なお、実施形態1と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0069】
上記各実施形態の圧力センサ10,40は、2出力タイプであったが、本実施形態の圧力センサ50は、上記第2出力回路と同様の出力回路51(本発明の「出力手段」に相当)を1つ備えた、1出力タイプであり、この出力回路51の出力側が、入力回路22の入力側と外部接続端子15dにて共通接続されている。また、上記の操作部23及び表示部12a,12bを備えていない。
【0070】
設定情報を設定及びその変更をするには、図13に示すように、接続コネクタ15に、制御機器52(本発明の「外部機器」に相当)の接続コネクタ53をコネクタ接続して、この制御機器52から設定情報を取得する。
【0071】
そして、このコネクタ接続によって、制御機器52の電源回路54に連なる電源供給用端子53a,53bを介して圧力センサ50に電源が投入され、自動でコピーモードに移行する。コピーモードでは、CPU18は、出力回路51の開閉スイッチ51aを開動作させて出力動作を無効化するとともに、入力回路22の開閉スイッチ22aを閉動作させて入力動作を有効化する。そして、制御機器52のCPU55から接続端子53dを介して送信されてくる伝送信号Dを入力回路22を介して取得し、メモリ19に設定する。
【0072】
その後、電源投入から所定時間経過後に自動で検出モードに移行し、今度は出力回路51の出力動作を有効化させて検出動作ごとに出力信号Scを同じく外部接続端子15dを介して制御機器52側に出力する。
【0073】
このような構成であっても、検出モード時の出力信号Scの出力と、コピーモード時の伝送信号Dの入力とを、共通の外部接続端子15dを通じて行うことができ、伝送信号Dの専用の通信手段を設ける必要がない。
【0074】
<参考例2>
図14は参考例2を示す。なお、実施形態1,5と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0075】
この圧力センサ60は、実施形態1の第1出力回路と同様の出力回路63と、コマンド入力回路61と、設定情報入力回路62とを備えており、これらの入力回路61,62の入力側が外部接続端子15dに共通接続されている。
【0076】
制御機器52とコネクタ接続することで、圧力センサ60に電源が投入され、これにより自動でコピーモードに移行する。コピーモードでは、CPU18は、コマンド入力回路61の開閉スイッチ61aを開動作させてその入力動作を無効化するとともに、設定情報入力回路62の開閉スイッチ62aを閉動作させてその入力動作を有効化する。そして、制御機器52のCPU55から接続端子53dを介して送信されてくる伝送信号Dをコマンド入力回路62を介して取得し、メモリ19に設定する。
【0077】
その後、電源投入から所定時間経過後に自動で検出モードに移行し、今度はコマンド入力回路51のみの入力動作を有効化させて、検出動作の実行タイミングの合間に、制御機器52からのコマンド信号Sdを同じく外部接続端子15dを介して入力する。
【0078】
ここで、伝送信号Dを入力するための設定情報入力回路62は、その入力信号のパルス幅等を読み取るなどの構成が必要であるのに対して、外部からのコマンド信号Sd(例えば、ゼロアジャスト指令信号、オートリファレンス指令信号、オートティーチング指令信号など)を入力するためのコマンド入力回路61は入力信号のハイローレベルだけを検知するといった簡単な構成にすることも可能である。しかも、設定情報の取得はそれほど頻繁に行われるものでもない。そこで、本実施形態では、設定情報入力回路62と、コマンド入力回路62とを別々の回路として、設定情報の取得時(電源投入時)だけコマンド入力回路62の入力動作を有効化させる構成とした。
【0079】
<実施形態5>
図15は実施形態5を示す。なお、実施形態1と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0080】
本実施形態は、3台以上(本実施形態では4台)の圧力センサ70を備え、一の圧力センサ70aに設定された設定情報を、次の圧力センサ70bへ、更に次の圧力センサ70cへと順次コピーしていく構成である。
【0081】
各圧力センサ70は、圧力検出部17、CPU18,メモリ19、第1出力回路20、第2出力回路21、入力回路22を備えて構成されている。第1出力回路20の出力が外部接続端子15cに接続され、第2出力回路21の出力側と入力回路22の入力側とが外部接続端子15dに共通接続されている。そして、CPU18の制御によって第2出力回路21の出力動作と入力回路22の入力動作とが選択的に有効化される。なお、各圧力センサ70は図示しない電源供給手段によってそれぞれ電源投入される。
【0082】
そして、各圧力センサ70について、第1出力回路20に連なる外部接続端子15cを他の圧力センサ70の外部接続端子15dに電気的に接続し、第2出力回路21及び入力回路22に連なる外部接続端子15dを上記他の圧力センサ70とは異なる他の圧力センサ70に接続する。これにより、各圧力センサ70は、一方の圧力センサ70からの信号を外部接続端子15dを介して入力可能であり、かつ、第1出力回路20からの信号を他方の圧力センサ70へと出力可能に接続されることになる。
【0083】
このような構成において、例えば、1台目の圧力センサ70aのメモリ19に既に設定情報が設定されており、この設定情報を2〜4台目の圧力センサ70b〜70dにコピーした場合、まず、図15のように4台の圧力センサ70を接続し、それら全てを操作部23(図15では省略)によってコピーモードに設定する。次いで、1台目の圧力センサ70aをマスターモードに設定し、2台目の圧力センサ70bをスレーブモードに設定する。すると、1台目の圧力センサ70aは、第1出力回路20から伝送信号Dを出力し、これを、2台目の圧力センサ70bが、有効化した入力回路22を介して取得してメモリ19に設定する。
【0084】
その後、今度は2台目の圧力センサ70bをマスターモードに切り替えると、上記と同様に、2台目の圧力センサ70bが第1出力回路20から伝送信号Dを出力し、これを、3台目の圧力センサ70cが、有効化した入力回路22を介して取得してメモリ19に設定する。以後、同じようにして、3台目の圧力センサ70cをマスターモードに切り替えることで、伝送信号Dが4台目の圧力センサ70dにコピーされる。そして、4台目の圧力センサ70dからの伝送信号Dを、1台目の圧力センサ70aを受けることで当該1台目の圧力センサ70aは、正常にコピーが終了したことを認識でき、この認識結果を表示部12(図15では省略)に表示させる。このとき、4台目の圧力センサ70dからの伝送信号Dと、既にメモリ19に記憶されているコピー元としての設定情報と照合し、この照合結果に応じて表示パターンを表示部12に表示させる構成であってもよい。
【0085】
なお、2〜4台目の圧力センサ70b〜70dについては、設定情報データを自己のメモリ19に設定したことを条件に自動でスレーブモードからマスターモードへと移行する構成であってもよい。
【0086】
<実施形態6>
図16は実施形態6を示す。なお、実施形態1と同じ部分は同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
本実施形態の圧力センサ10には、他の外部機器からの伝送信号Dの外部設定情報に基づきメモリ19にコピーされた自己設定情報を、上記操作部23での操作によっては変更設定できないようにする、いわゆるキーロック機能が備えられている。圧力センサ10は、このキーロック機能が実行された状態では、例えば現在設定されている各設定情報の値は表示部12aに表示するものの、アップダウンスイッチ14を操作してもその表示値が変更されないようにCPU18が禁止動作を指示する。なお、その他の方法として、CPU18は、アップダウンスイッチ14の操作によって表示部12aの表示値の変更を可能としつつ、確定操作を受け付けないようにして、メモリ19にコピーされた自己設定情報を書き換え更新しないようにする構成であってもよい。従って、CPU18は、本発明の「禁止手段」としても機能する。
【0087】
また、圧力センサ10は、例えばモード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14を同時に所定時間長押しするという特殊な操作によって上記キーロック機能を実行させ、再び同じような特殊な操作によってキーロック機能を解除できるようになっている。そして、図3でマスターモードの圧力センサ10aは、キーロック機能が実行された状態になっているときには、図5のS14において、キーロック機能の実行を示すキーロック有効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。一方、圧力センサ10aは、キーロック機能が解除された状態になっているときには、S14において、キーロック機能の解除を示すキーロック無効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。
【0088】
一方、スレーブモードの圧力センサ10bでは、CPU18は、図16に示すように、S25で機種情報が一致すると判断した場合(S25で「Y」)、または、S27で一部の設定項目が一致すると判断した場合、S70で伝送信号Dにキーロック有効化情報が含まれているかどうかを判断する。CPU18は、キーロック有効化情報が含まれていなければ(S70で「N」)、S26でコピー動作の実行及びコピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])の表示動作を実行するが、キーロック機能は実行しない。
【0089】
これに対して、CPU18は、キーロック有効化情報が含まれていれば(S70で「Y」)、S71でコピー動作、及び、コピーが実行可能であることを示す文字・記号(例えば「OK])の表示動作を実行した後に、上記キーロック機能を有効化させる。これにより、圧力センサ10bにおいては、操作部23にて上記の特殊な操作をしない限り、コピーされた自己設定情報を安易に変更設定できないようになる。
このような構成であれば、コピー機能の実行によりメモリ19にコピーされた自己設定情報を、作業者が安易に設定変更できないようにすることができる。なお、本実施形態で説明したキーロック機能を、上記実施形態2〜7に適用できることは言うまでもない。
【0090】
<実施形態7>
図17,図19は実施形態7を示す。本実施形態の各圧力センサ10も、上記実施形態6と同様に、キーロック機能を備えている。各圧力センサ10は、例えば操作部23での所定の操作によって、キーロック送信モードと通常送信モードとを選択的に設定できるようになっている。
図17に示すように、各圧力センサ10に電源が投入されると、CPU18は、S80でキーロック機能の有効・無効情報を含めてメモリ19に記憶された各データを読み込む。
【0091】
(マスターモード)
CPU18は、圧力センサ10がマスターモードに切り替えられている場合(S81で「Y」)には、S82で自己の圧力センサ10がキーロック送信モードに設定されているかどうかを判断する。CPU18は、キーロック送信モードに設定されていると判断したときには(S82で「Y」)、S83でキーロック機能の実行を示すキーロック有効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。具体的には、CPU18は、基本的に前述した図5と同様の処理を実行し、同図のS14においてキーロック有効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。
【0092】
一方、CPU18は、通常送信モードに設定されていると判断したときには(S82で「N」)、S84でキーロック機能の解除を示すキーロック無効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。具体的には、CPU18は、基本的に前述した図5と同様の処理を実行し、同図のS14においてキーロック無効化情報を含めた伝送信号Dを出力する。
そして、CPU18は、S85で送信モード(キーロック送信モード、通常送信モード)解除されるまで上記S81〜S85の処理を繰り返し実行する。図3では、マスターモードの圧力センサ10aのCPU18がこれらの処理を実行することになる。
【0093】
その後、圧力センサ10aにおいて、例えば検出モードに切り替えられるなど送信モードが解除されたときには、CPU18は、自己のメモリ19に設定されたキーロック機能の有効・無効情報を読み出して、それがキーロック機能の有効化を指示するものであれば(S86で「Y」)、圧力センサ10a自身においてキーロック機能を実行させて検出モードに移行する(S87,S88)。一方、それがキーロック機能の無効化を指示するものであれば(S86で「N」)、圧力センサ10a自身においてキーロック機能を実行せずに検出モードに移行する(S88)。
【0094】
(スレーブモード)
CPU18は、圧力センサ10がスレーブモードに切り替えられている場合(S81で「N」)には、S89で図18に示すコピー受信ルーチンを実行する。ここでの処理は、基本的には前述した図9に示すコピー受信ルーチンと同じである。異なるのは次の点である。即ち、CPU18は、S41で第2出力回路21の出力動作を無効化させる一方で入力回路22の入力動作を有効化させた後、S42でこの入力回路22に上記したコピーモードパルスSeが入力されているかどうかを判断する。そして、所定時間内にコピーモードパルスSeの入力があれば(S42で「Y」、S90で「N」)、S43でアンサーバック信号Sfを第1出力回路20から出力する。これに対して、CPU18は、所定時間内にコピーモードパルスSeの入力がなければ(S42で「N」、S90で「Y」)、図17のS86へと進む。
【0095】
このような処理によって、スレーブモードの圧力センサ10bは、電源投入されると、S42でコピーモードパルスSeの入力を待ち、所定時間内に入力がなければ、圧力センサ10bのCPU18は、自己のメモリ19に設定されたキーロック機能の有効・無効情報を読み出す。まだコピー受信が一度も実行されていないときは、キーロック機能の有効・無効情報はキーロック機能の無効化を指示するものとなっており、キーロック機能は実行されない(S86で「N」)。
これに対して、CPU18は、S42でコピーモードパルスSeの入力が所定時間内にあれば、圧力センサ10aからの伝送信号Dのデータ受信を行い(S44)、正規の設定が不能であれば「エラー」表示を行い(S49,S62)、正規の設定が可能であれば「OK」表示をするとともにコピー動作を実行する(S61)。
【0096】
ここで、CPU18は、S44で受信した伝送信号Dにキーロック有効化情報が含まれているときには、その情報をメモリ19に書き込む。そして、表示部12a,12bのいずれかに「エラー」表示または「OK」表示がされた(S49.S61,S62)後、圧力センサ10bに電源が再投入されると、CPU18は、再び図17のS80から処理を再開し、キーロック機能の有効・無効情報を含めてメモリ19に記憶された各データを読み込む。そして、CPU18は、所定時間内にコピーモードパルスSeの入力がなくS89のコピー受信ルーチンを抜けると、S86で、上記S80で読み出されたキーロック機能の有効・無効情報に基づきキーロック機能を実行するかどうかを決定する。ここでは、上述したように、電源再投入前に伝送信号Dに含まれていたキーロック有効化情報がメモリ19に書き込まれているので、このキーロック有効化情報から、圧力センサ10a自身にキーロック機能を実行させて検出モードに移行する(S87,S88)。
このような構成であれば、コピー機能の実行によりメモリ19にコピーされた自己設定情報を、作業者が安易に設定変更できないようにすることができる。なお、本実施形態で説明したキーロック機能を、上記実施形態1〜7に適用できることは言うまでもない。
【0097】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態1では、第1出力回路20及び第2出力回路21は、いずれも検出圧力値と閾値との大小比較結果に応じた出力信号を出力する構成であったが、これに限らず、圧力検出部17からA/D変換された検出信号Saをそのまま出力する構成であってもよい。
【0098】
(2)上記各実施形態では、出力回路と入力回路などの選択的な有効化をさせるために、それぞれに開閉スイッチを内蔵した構成としたが、に限らず、両回路の共通接続点に選択スイッチを設ける構成であっても勿論よい。
【0099】
(3)上記実施形態では、報知手段として液晶パネルからなる表示部12a,12bとしたが、これに限らず、例えばLEDからなる表示灯を設けてこの点灯パターンで報知する構成であってもよい。また、報知できるものであれば、ブザーなどの発音手段などであってもよい。
【0100】
(4)上記参考例1において、操作部23及び表示部12を設けて、マスターモードとスレーブモードとの切り替えを可能とし、マスターモードに切り替えられた圧力センサ10と、スレーブモードに切り替えられた圧力センサ10とをコネクタ接続し、マスターモードの圧力センサ10では、出力回路51の出力動作を有効化させてそれによって自己の伝送信号Dを出力し、スレーブモードの圧力センサ10は、入力回路22の入力動作を有効化させて上記伝送信号Dを外部接続端子15dを介して入力してメモリ19に設定する構成であってもよい。
【0101】
(5)上記実施形態2では、変換後のCRCデータと、受信したCRCデータとが3回連続して不一致であった場合に、所定のエラー動作を行う構成としたが、これに限らず、1回の不一致、或いは、3回以外の複数回の不一致でエラー動作を行う構成であってもよい。
【0102】
(6)上記各実施形態において、圧力センサ10〜70に、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14の操作によって、自己の設定情報の中から、コピー動作を実行する設定情報を予め指定する構成としてもよい。これにより、マスターモードに設定された圧力センサにおいては、指定された設定情報のみを伝送信号Dに含めて送信するようにでき、また、スレーブモードに設定された圧力センサにおいては、指定された設定情報の中でコピーが可能なもののみにコピー動作を実行させるようにすることができる。このとき、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14は、本発明の「指定手段」として機能する。
【0103】
(7)更に、メモリ19に各自己設定情報の初期設定情報を記憶する記憶領域を確保して、モード切換スイッチ13及びアップダウンスイッチ14の操作により、CPU18がメモリ19に設定されている各自己設定情報を初期設定情報にリセットする構成であってもよい。このとき、メモリ19は本発明の「初期設定情報メモリ」に相当し、CPU18は「リセット手段」として機能する。
【0104】
(8)上記実施形態の圧力センサ10〜70は、圧力に関する数値(例えば閾値、検出値など)を、「rPa」「bar」「mbar」「mmHg」「atm」など各種の単位系で表示部12aに、その表示値の単位を表示部12bにそれぞれ選択的に表示できる。ここで、本実施形態においてメモリ19に設定される、圧力に関する数値系の外部設定情報は、各単位系の数値そのものではなく、各係数(1ではない)を乗じることで各単位系の数値となる基礎数値とした。従って、例えば圧力センサ10aから伝送される伝送信号Dに含まれる数値に関する外部設定情報も上記基礎数値とすることで、この基礎数値に基づきメモリ19への設定を行うことで正規の設定を容易に行うことができる。
【0105】
(9)実施形態1に対して、伝送信号Dに機種情報を含めず、機種情報によるマッチング(図6でS25)を行わずに、直接設定項目のマッチング(同図でS27)を行う構成であってもよい。
【0106】
(10)上記実施形態2では、機種情報及びバージョン情報の両方のマッチングを行う構成であったが、これに限らず、機種情報及びバージョン情報のいずれか一方のみについて、伝送信号Dに含めるとともに対応機器情報として記憶しておいて、機種情報及びバージョン情報のいずれか一方についてのみマッチングを試みる構成であってもよい。
【0107】
(11)上記実施形態6では、外部機器(他の圧力センサ10a)からの伝送信号Dに含まれるキーロック有効化情報に基づいて圧力センサ10b側でキーロック機能を実行させる構成としたが、これに限らず、コピー動作が実行されたときは、常にキーロック機能を実行状態とする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
10,40,50,60,70…圧力センサ(検出センサ)
12a,12b…第1表示部、第2表示部(第1報知手段、第2報知手段)
13…モード切換スイッチ(操作手段、切替手段、指定手段)
14…アップダウンスイッチ(操作手段、切替手段、指定手段)
15d…外部接続端子
17…圧力検出部(検出手段)
18…CPU(実行手段、判断手段、制御手段、正常受信検知手段、リセット手段、禁止手段、解除手段)
19…メモリ(設定情報メモリ、対応機種情報メモリ、補正情報メモリ、初期設定情報メモリ)
20…第1出力回路(送信手段、応答手段)
21…第2出力回路(出力手段)
21a,22a,61a,62a…開閉スイッチ(選択手段)
22…入力回路(受信手段)
23…操作部(操作手段、切替手段、解除手段)
30,52…制御装置(外部機器)
31d…接続端子(外部機器の接続端子)
41…アナログ出力回路(出力手段)
51…出力回路(出力手段)
52…制御機器(設定情報出力外部機器)
61…コマンド入力回路(コマンド入力手段)
62…設定情報入力回路(設定情報入力手段)
Sa…検出信号(出力信号)
Sc…出力信号(出力信号)
D…設定情報データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域における物理量変化を検出する検出手段と、
自己の設定情報が設定される設定情報メモリと、
前記設定情報メモリに設定されている自己の設定情報に基づく動作を実行する実行手段と、
前記自己の設定情報に加えて、その自己の設定情報に対応する設定項目、自己の機種情報及び自己のバージョン情報のうちいずれか1つを含む伝送信号を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする検出センサ。
【請求項2】
前記伝送信号には、禁止機能を実行させるかどうかを指示する禁止指示情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
【請求項1】
検出領域における物理量変化を検出する検出手段と、
自己の設定情報が設定される設定情報メモリと、
前記設定情報メモリに設定されている自己の設定情報に基づく動作を実行する実行手段と、
前記自己の設定情報に加えて、その自己の設定情報に対応する設定項目、自己の機種情報及び自己のバージョン情報のうちいずれか1つを含む伝送信号を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする検出センサ。
【請求項2】
前記伝送信号には、禁止機能を実行させるかどうかを指示する禁止指示情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−3785(P2012−3785A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219513(P2011−219513)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【分割の表示】特願2005−314470(P2005−314470)の分割
【原出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【分割の表示】特願2005−314470(P2005−314470)の分割
【原出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】
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