説明

検定システム

【課題】固相の表面積の増加、拡散距離の低下、および固相間の励起光源に対する光学的結合ならびに固相と検出物との結合の強化により反応速度および感度が向上した改善された光学的分析システムを提供するものである。
【解決手段】液体サンプルを検定するための装置であって、その中の液体流のために適合された実質的に均一の断面寸法の中空の光透過性導管手段;および 導管手段の一部の内側から放射する電磁線を定量するように、導管に対して適切に配置された定量性検出システムとを、組み合わせて含む上記装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学的および生化学的検定に関し、さらに詳しくは蛍光分析のための改善さ
れた光学的装置および方法に関する。
試験下のサンプルおよび1種以上の試薬のアリコートを高い特異的反応で様々に反応さ
せてリガンド/結合複合体たとえば抗原/抗体または類似の複合体を形成し、次いでサン
プルからの予め決められた部分の力価についてサンプルを調べるために観察するという検
定がよく知られている。代表的なものとしては、抗体を用いてこの抗体と特異的な抗原の
存在について検定するが、しかしこのような検定はハプテンたとえばホルモン、アルカロ
イド、ステロイド、抗原、抗体、核酸およびそのフラグメントの量を決めることにまで広
げられ、ここで使用される用語“リガンド/結合”は広い意味に理解されるべきである。
【0002】
感受性免疫検定は、一般には複合体の標識化成分をたとえば試薬中に混入し、非複合化
標識試薬を次いで複合化試薬から分離するトレーサー技術を使用する。複合化物はその後
標識物からのシグナルを観察することにより定量することができる。放射性同位元素、蛍
光および化学ルミネッセント分子、比色標識物および他のマーカーを用いて複合体の成分
または一部を標識化しそして適当な装置を使用して標識物からの輻射線を検定しそして測
定する。
【0003】
結合複合体の少なくとも一の成分を複合体の形成に先立って最初に固体支持体へ結合す
るような検定では、支持体にこの成分を結合するために必要とされる時間が一般に長いた
め基本的問題が生じる。蛍光分析、たとえば普通の96凹部微量滴定板において実施され
るようなものは固相に成分を結合するために何時間という程度の時間を必要とし、これに
もかかわらず加熱、振盪等のような手段も講じる。リガンドと結合または被覆するために
利用可能に作られた固相の表面積が増加すると、結合の遅れはかなり減るということはわ
かるであろう。したがって、このような固相分析(たとえば微量滴定凹部分析、ディップ
スティック分析等)に関連する先行技術もまた固相として小さな粒子またはビーズを使用
することを示している。
【0004】
充填された粒子ベッドを通してサンプルを流すと、検定されるサンプルリガンドと粒子
の表面に固定化された結合体との間の反応を促進する。たぶん幾つかの要因がこの強化さ
れた反応性:低下する拡散距離、乱流のためのサンプルの定期的攪拌および暴露される表
面積が高いための反応容量における結合部位の高密度に寄与するであろう。
【背景技術】
【0005】
公知の粒子分析は、機械的フィルターを介して通過させることにより凝集したビーズを
非凝集したビーズから分離する定量的または半定量的スライド凝集および技術を含むよく
知られたビーズ凝集試験を含む。別の公知の粒子分析は特許文献1に開示されており、
これはその上に固定化されたリガンドを有する調節された多孔度の粒子を懸濁
液中でインキュベートして洗浄するものである。洗浄は粒子の沈降および再懸濁を含むこ
とができる。得られた蛍光度を濃縮または懸濁粒子からのいずれかから読み取ることがで
きる。さらに別の公知分析で、粒子を膜またはフィルターに結合させ次いでサンプルをこ
れに通して注入する。この技術は酵素比色検出に制限されると考えられる。粒子を水性懸
濁液中でインキュベートする場合、サンプルにおける遊離リガンドが横断しなければなら
ない平均拡散距離および複合体の形成が完了するまでに必要な時間が非常に大きくなると
いう傾向がある。
【特許文献1】米国特許第4,780,423号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
それ故、本発明の原則的目的は、固相の表面積の増加、拡散距離の低下、および固相間
の励起光源に対する光学的結合ならびに固相と検出物との結合の強化により反応速度およ
び感度が向上した改善された光学的分析システムを提供するものである。本発明の別の目
的は、サンプルと検出物との間の望ましい強化をもたらす新規フローセルを提供するもの
である。さらに本発明の別の目的は、少量のサンプルを必要としそして特に全血の分析に
適するような検定システムを提供すること;リガンド/結合反応を、フローセルの光学的
システムから容易に挿入および取り外し可能である使い捨てアイテム内に制限するような
分析システムを提供すること;および分析されるサンプル部分以外の所望の複合体の成分
の全てを前もって準備するような分析システムを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、一部は明らかであり一部は以後明らかになるであろう。一般に、
本発明の前述のそして別の目的は励起すると電磁線を放出する予定の標識物(tagまたはla
bel)を用いて、液体サンプルを検出するためのシステムにより達成され、該システムは液
体流れを通すのに適する中空の光透過性導管手段と、該導管手段に設けられた光透過性物
質の一つ以上の分かれた多孔性塊状物とを含み、光透過性物質の塊状物の多孔度はサンプ
ルの液体流れがその中を流れることを許すように選択され、それぞれのリガンド/結合複
合体、たとえば特異的結合リガンドの少なくとも一部は各塊状物の表面に予備被覆する等
のようにして固定化されてなるものである。
【0008】
一実施態様において、塊状物は、好ましくは実質的に光透過性の、特に形成された複合
体が蛍光標識物を含む場合、蛍光を励起するのに必要な輻射線および励起された蛍光の両
方とも透過する複数の粒子を含む。粒子は一般に特定の範囲内の直径の寸法のビーズであ
り、焼結等により予備形成される。これに代わり、導管手段に設けられた流動性多孔質バ
リヤー手段に対し付着することにより塊状物を形成することができる。後者の場合、バリ
ヤー手段を導管手段内に設けこれにより室の少なくとも一つの壁を画成し、該バリヤー手
段の多孔度は前記範囲より十分小さくこれにより導管手段を通る液体流れに混入している
粒子がバリヤー手段により捕捉されそして付着して室に多孔性塊状物を形成する。
【0009】
本発明の好ましい実施態様は、これを通る導管手段がレンズ手段の光学軸を横断して伸
びそしてその焦点領域を通過する中空の管状通路を形成する集束光学レンズ手段を含む。
一般的には、レンズ手段は複数のレンズを含み、そして導管手段はこれらレンズの一つを
通って伸びる。励起すると電磁線を放出する予定の標識物またはラベルを用いてシステム
を使用する場合、レンズ手段は励起および放出輻射線の両方ともを集めることができるに
違いない。
【0010】
したがって、本発明は、構成品、要素の組み合わせおよび部品の配置を有する装置、お
よび幾つかの工程とこのような工程の一つ以上とその他のものそれぞれとの関係を含む方
法を含むものであり、全ては以下の詳細な記載に例示したものおよび請求の範囲に示され
る出願の範囲である。
【0011】
本発明の性質および目的をさらに十分理解するために、添付の図面と関連する以下の詳
細な説明を参照すべきであり、幾つかの図面中同じ数字は同じ部分を示すために用いられ
ている。
【0012】
図1は、本発明の原理を具体化する分析装置の横断面模式図であり;
図2は、本発明のフローセルの一実施態様の概略横断面図であり;
図3は、図2のフローセルの横断面図であり;
図4は、図2の変形フローセルの概略的横断面図であり;
図5は、本発明の別の変形フローセルの概略的横断面図であり;
図6は、図5の変形フローセルの概略的横断面図であり;
図7は、図5の別の変形フローセルの概略的横断面図であり;
図8は、本発明のさらに別のフローセルの実施態様の概略的な横断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1では、液体サンプルを分析するための例示的装置20を示し、これは励起線を提供す
るための光源22、励起線により刺激された光を検知するための光検知器24、たとえば二色
性ミラーまたは半透明ミラーのようなビームスプリッター手段26およびコリメーター手段
28を含む光学システムを使用する。図1、図2および図3の実施態様は、説明の容易性の
ために、蛍光免疫検定法の関係で特に使用することについて記載しているがしかしこれに
限定されるべきではないことは理解されるべきである。ここで使用する用語“光”とは、
可視スペクトルならびに赤外線および紫外線付近の波長も含むものと理解されるであろう
。同様に、用語“励起”とは、蛍光の励起、照射によるような偏光されるかたまたはされ
ない化学薬品による化学ルミネッセンスの励起、クロモゲンからの光の反射による放出等
を含むものと理解されるであろう。
【0014】
光学システムの前述の要素は一般に相互に固定された光学的関係でフレーム(図示せず
)に設けられており、これは後にさらに十分に記載される。さらに、本発明は特に図2お
よび図3で拡大形で示されているフローセル30を含み、この実施態様では、一般にガラス
、高分子量ポリマーまたは類似物で作られる固体集束レンズ33を含む複合レンズシステム
として示される集束光学レンズ手段32から形成される。レンズ33は、レンズ32の光学軸を
横断する方向に向かう細長い中空チャンネルまたは液体流れを案内する導管34を有しそし
てレンズ33を通る一般に円形断面の管状通路からなることを特徴とする。このような円筒
形導管状の反応室36の少なくとも一部はレンズ手段32の焦点領域に設けられている。
【0015】
すなわち、たとえばそれ自体でまたは適切な標識物を介して励起したたとえば蛍光を発
光することができるリガンドを含む液体が室34を横断しそしてレンズ手段32により室34上
へ集められた励起輻射線によりここで適切に励起されて発光すると仮定する。この蛍光発
光を次いでレンズ手段により検出器24へ向かわせ、ここでたとえば検出器が電気的な場合
、適当な電気信号が起きて蛍光を調べるために評価することができる。
【0016】
より良い信号−リガンド比を提供するために、図4で示す実施態様は寸法が決められそ
してレンズ手段32の焦点領域に隣接する導管34に設けられた機械的流動性多孔質バリヤー
またはスクリーン38を含み、これにより導管を通る流れ中にある予め決められたサイズの
粒子またはビーズ40の輸送を阻止する。このようなビーズは励起輻射線および励起した蛍
光の両方に対し実質的に透過性であり、そのためにはポリメチルメタクリレート、スチレ
ン−ジビニルベンゼンコポリマー等で形成されている。ビーズ40は、ビーズの表面の少な
くとも一部に設けられた抗原/抗体複合体たとえば特異的結合リガンドたとえば抗原とこ
れに対する抗体の少なくとも一部で被覆されている。
【0017】
スクリーン38のメッシュまたは多孔度は、サンプル液体とその構成成分を自由に流すが
被覆ビーズの流れを阻止するように選択され、これによりビーズ40の塊状物をスクリーン
に対しそしてレンズ手段32の焦点領域において付着させる。ビーズの粒径は最小であるよ
うに選択されるが、しかしながらビーズの塊状物がスクリーン38に対し付着する場合サン
プル構成成分は付着塊状物を未だに自由に通過させるようにする。一般に、サンプルとし
て全血に十分に作用するビーズ径は50−250μmの範囲、好ましくは約98μmであ
る。もちろん、ビーズ径はある程度サンプルの性質による(たとえば、血液、食物、尿、
プロセス流れ等)。もちろん、メッシュ径はシステムで使用されるべきビーズの直径範囲
によるが、しかし一般には、直径約98μmのビーズに対してメッシュ径約50μmが適
当である。すなわち、サンプル液体が導管34を流れるとこれは被覆されたビーズ40の付着
した塊状物を通らなければならないので、その結果、検定部分がビーズ上の皮膜と複合化
するために通らなければならない拡散距離が非常に小さくなる。この小さな拡散距離は、
付着した塊状物を通るサンプルの長く湾曲した通路およびビーズの高い表面/容量比と組
み合わせてサンプルからの検定部分の非常に有効な捕捉を可能にする。本発明のこの特性
は、拡散時間が拡散距離の二乗により減少するので重要である。また完全な固相が付着し
た塊状物中に非常に少量(たとえば、直径0.18cmの代表的導管に対し約0.02c
)含まれ、そしてレンズ32中に“浸漬”されすなわち励起および検出システムの間
に高い開口数の光学的結合を提供する。蛍光シグナルは四番目の力である開口数により増
加されるので、高い開口数の光学的結合が非常に重要である。
【0018】
図4に示す本発明の操作において、多数のビーズ40は好ましくは吸着または他の公知の
固定化技術によりビーズ表面に固定化された適当なリガンドとともに予め添加され、そし
て懸濁する液体中に懸濁される。ビーズが普通は懸濁する液体中に安定な懸濁液を容易に
は形成しない場合、これらをボルテクサー(図示せず)または同様のミキサーに入れ、懸
濁液中のビーズを撹拝により水性に維持するようにしてもよい。ビーズ懸濁液の所望の部
分をポンプ(図示せず)によりボルテクサーから吸い出し、導管34へ注入し、ここでビー
ズの流れをスクリーン38により阻止し、反応室36内にビーズ40の付着物または塊状物を作
る。検定されるサンプル溶液のアリコートを次いで導管34に通して流し、そして反応室36
中のビーズ40の塊状物はビーズの表面上にリガンド/結合複合体を形成する効果がある。
よく知られているように、競合型分析については、サンプル溶液をフローセルに流す前に
、一般にサンプル溶液を最初に標識試薬で処理し、インキュベートする。検定がサンドイ
ッチ型検定の場合、サンプル溶液をフローセルに通し、次いで標識化抗体をセルヘ通し、
そしてビーズ塊状物に洗浄工程を行う。当該技術でよく知られているように、標識化され
た一般に蛍光の成分は、競合型またはサンドイッチ型検定のいずれが実施されるかにより
、固定化リガンドに対する補体もしくは結合体またはその類似物のいずれかでよい。標識
物(Tagまたはlabel)は一般に蛍光染料たとえばフルオレスセイン染料、アクリジン染料等
であり、すべて当該技術でよく知られている。いずれのケースにおいても、得られたリガ
ンド/結合複合体は複合体に対し結合する所望の染料部分を含む。ビーズ塊状物に洗浄用
緩衝液を通して洗浄後、いずれの未反応物質および特にいずれの遊離染料成分も洗い出し
て、ビーズ上に固定化されているような染料部分のみを残す。次いで、光源22を活性化し
て励起光ビーム23(破線で示す)を発生させ、次いでこれをコリメーターレンズ28により
鏡26へ向けさせ、コリメートされたビームをレンズ手段32へ反射させる。後者の焦点を合
わせて、反応室36におけるビーズ40の塊状物を位置させている焦点領域へ励起ビームを集
め、そして励起輻射線がビーズ40の上の蛍光運搬体を励起して蛍光にする。この蛍光をレ
ンズ32を通して伝達し、ビームスプリッターミラー26を介して容易に検出することができ
る。測定を行ったのち、ビーズ40の塊状物を導管34を通って簡単にフラッシュ−バックす
ることにより反応室36から直ちに除くことができる。
【0019】
こうして記載したように、予め添加されたビーズの懸濁液またはプールから反応室を充
填する技術は明らかに自動化を受け入れることができ、その際、特異的検定に対する成分
、たとえば予め添加されたビーズ、サンプル溶液、標識試薬等は、それぞれの貯蔵容器か
ら物質の流れを調節する適当なバルブにより選択可能である。しかしながら、本発明はま
たビーズ塊状物および試薬を直ちに使い捨て可能にする持ち運び自由のシステムにも簡単
に適用可能である。
【0020】
たとえば、導管34を図3に示し、ここではレンズの光学軸を横断するレンズ手段32の焦
点領域を通って簡単に通路とするが、一方、図5に示す実施態様において、導管34は同様
にレンズ33を通るように設けられた均一直径の細長い孔34Aおよび孔34Aよりやや小さい均
一直径を有する細長い光透過性管42とからなり、管42は孔に挿入したり取り外したりする
ことができる。スクリーン38は管42内に設けられているので、後者はレンズの焦点領域に
隣接して孔34A内に位置することができる。
【0021】
図6に示すように、本発明のフローセルのさらに別の実施態様において、導管34は同様
にレンズ33を通る均一直径の細長い孔34Aおよび孔34Aのものよりやや小さい均一直径を有
する細長い光透過性管42Aとからなり、これにより管42は孔へ挿入したり取り外したりす
ることができる。スクリーン38Aおよび38Bは相互に間隔をあけて管42内に設けられ、これ
により管内部に反応室44を画成するすることができる。図5の実施態様におけるように、
反応室44はレンズの焦点領域に隣接する孔34A内に位置することができる。室44の中には
特定範囲の直径に寸法が決められた複数のビーズ40が含まれ、スクリーンのメッシュがビ
ーズ直径の範囲より十分小さいので後者は室44においてスクリーンにより捕捉され実質的
にレンズ焦点領域に配置可能に多孔性塊状物を形成する。図6の実施態様におけるビーズ
は室44に設ける前に所望の特定の結合リガンドを予め塗布しておくのが好ましい。
【0022】
図5および図6の実施態様の両方において、管42は孔34または34Aに直ちに挿入したり
取り外し可能であり、それゆえこのケースは“使い捨て可能”であると考えられることが
わかるであろう。特に、図6に示す“使い捨て司能”は、密封容器に検査により予め添加
され充填されるのに適し配布および使用に便利である。図5および図6の実施態様の両方
において、レンズ32および管42Aの両方を形成する物質は、そのそれぞれの屈折率が実質
的に適合するように選択される。管42Aおよびレンズ32の間の最適光学結合をもたらすた
めに、屈折率−適合液体を管の周囲で管と孔34Aの内壁の間の間隔に設けることが好まし
い。
【0023】
図6の実施態様のビーズ塊状物40を、たとえば図5のビーズ塊状物を作りだすめに使用
したのと同じ技術、すなわち導管42にビーズ懸濁液を流したとえば38Bのようなスクリー
ンに対向して付着させ、次いで別のスクリーンをビーズ塊状物を捕らえるために据えつけ
ることにより形成される。これに代わり、多孔性ビーズ塊状物はまた焼結または接着剤に
より相互に軽く接着した複数のビーズから形成されてもよい。たとえば、ビーズ塊状物は
、自立しているかまたは多孔性支持体を塗布するかもしくは一対の多孔性支持体の間にサ
ンドイッチを形成することによりビーズの厚い層をもたらすことにより形成することがで
き、この厚い層は、得られる塊状物の多孔度を実質的に減らさないであろう少量の接着剤
を含む。硬化後、皮膜を適当な特異的反応性リガンドで予め塗布し、皮膜の小さい円形を
打ち抜き、そして適当な寸法の管42へ挿入する。これに代わり、所望の多孔度の高分子量
ポリマー物質のシートが市販されており、多孔性構造体内に必要なリガンドを固定化する
ための処理後、これを打ち抜き、管42へ挿入するための所望の円形を作ることができる。
すなわち、複数個のビーズ塊状物を準備し、各々を異なったリガンドで塗布する。得られ
た複数個のビーズ塊状物を、図7に示すように一本の管42に置き、これにより幾つかの異
なったリガンドについて別々にしかしほぼ同時に管を通るサンプル流れを検定する。
【0024】
図8に示すように、導管34を浅く細長いチャンネル34Bまたは断面半円形カットの半管
状部分として部分的に形成するかまたはレンズの光学軸に垂直にそしてレンズ手段32の焦
点領域を通過して伸びるレンズ33の平面48へ型作りを行う。導管34の残りは、プレート50
に設けられた半円形断面の別の半管状の細長いチャンネル34Cにより形成される。後者は
一般にヒンジ52により表面48に隣接するレンズ32に接続し、これによりプレート50を回転
して同軸関係にチャンネル34Cおよび34Bを適合させ、実質的に円形断面の組合せ導管を形
成することができる。好ましい実施態様において、チャンネル34Cの内側表面は高度に反
射性の皮膜54が設けられている。
【0025】
ここに含まれる本発明の範囲から逸脱することなく上記方法および装置において一定の
変化を行うことができるので、上記記載に含まれるかまたは添付の図面に含まれる全ての
事柄は説明におけるもので限定するものではないと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の原理を具体化する分析装置の横断面模式図である。
【図2】図2は、本発明のフローセルの一実施態様の概略横断面図である。
【図3】図3は、図2のフローセルの横断面図である。
【図4】図4は、図2の変形フローセルの概略的横断面図である。
【図5】図5は、本発明の別の変形フローセルの概略的横断面図である。
【図6】図6は、図5の変形フローセルの概略的横断面図である。
【図7】図7は、図5の別の変形フローセルの概略的横断面図である。
【図8】図8は、本発明のさらに別のフローセルの実施態様の概略的な横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプルを検定するための装置であって、
その中の液体流のために適合された実質的に均一の断面寸法の中空の光透過性導管手段
;および
導管手段の一部の内側から放射する電磁線を定量するように、導管に対して適切に配置
された定量性検出システム
とを、組み合わせて含む上記装置。
【請求項2】
励起したとき電磁線を放出する標識物を用いた液体サンプルを検定するための装置であっ
て、
電磁線を集束するレンズ手段であって、そして当該レンズ手段の焦点領域を通りレンズ
手段の光軸を横断して伸びる導管手段を有するレンズ手段であって、導管手段は液体流れ
を許容するものであり;そして
粒子径の関数としてその流動性多孔質バリヤー中を通る粒子の通路を制限するために導
管手段において焦点領域に隣接して設けられた流動性多孔質バリヤー
とを含む装置。
【請求項3】
リガンド/結合複合体から放出される輻射線の検出により液体サンプルを検定する方法で
あって、該方法が次の工程:
特定範囲の直径に寸法が決められた複数の粒子を準備し;
粒子の懸濁液を、レンズ手段の焦点領域を通ってレンズ手段の光軸を横断して伸びる導
管手段に流し;
前記直径範囲より小さい直径の孔を有する多孔質バリヤー手段により導管手段を通る粒
子の流れを阻止し、これにより粒子が上記導管手段内で付着し;
粒子の付着を処理するが、少なくとも液体サンプルを流すことを含み、これにより粒子
の表面上にリガンド/結合複合体を作りだし;
複合体を刺激してこれにより特徴的輻射線をここから起こさせ;
レンズ手段により上記特徴的輻射線に焦点を合わせ;そして
特徴的輻射線の放出を検出する
ことからなる方法。
【請求項4】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−258824(P2006−258824A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143443(P2006−143443)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【分割の表示】特願2005−227435(P2005−227435)の分割
【原出願日】平成5年7月23日(1993.7.23)
【出願人】(503344229)サピダイン・インストゥルメンツ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】