説明

検査用の平行平板、光記録媒体用の対物レンズの検査方法

【課題】光記録媒体用の対物レンズの検査において、低コストで、煩雑な作業を必要とすることなく、検査の信頼性を確保する。
【解決手段】光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された光記録媒体用の対物レンズを検査するにあたり、該対物レンズにより集光された光の光路に光記録媒体の保護層の代わりとなる検査用の平行平板を挿入して検査する光記録媒体用の対物レンズの検査方法であって、検査用の平行平板として、プラスチック材質からなり、複屈折が40nm以下、または吸水率が0.1%以下のものを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査用の平行平板および光記録媒体用の対物レンズの検査方法に関し、より詳しくは、光源から出射された光を光記録媒体に収束させて情報の記録および再生の少なくとも一方を行う光ピックアップ装置に使用される光記録媒体用の対物レンズを検査するときに光記録媒体の保護層の代わりに用いられる検査用の平行平板と、該平行平板を用いて検査する光記録媒体用の対物レンズの検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音声情報や映像情報、あるいはコンピュータ用のデータ情報等を記録するためにDVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)やCD(コンパクトディスク)等の光記録媒体が利用されている。また、近年では、次世代光ディスクと呼ばれるBD(ブルーレイディスク)の躍進も目覚ましい。これらの光記録媒体へのデータの記録・再生は、光ピックアップ装置に搭載された対物レンズにより光源からの光を光記録媒体へ集光することにより行われる。
【0003】
光記録媒体の分野においては、取り扱う情報量の急激な増加に伴い、光記録媒体の高密度化の要望が高まっている。光記録媒体の高密度化には、使用光の波長を短くすること、および光ピックアップ装置に用いられるピックアップ用の対物レンズの開口数(以下、NAともいう)を大きくすることが有効であることは知られている。CD用の対物レンズのNAの規格は0.45であり、DVD用の対物レンズのNAの規格は0.60であり、BD用の対物レンズのNAの現在の規格は0.85である。
【0004】
一方、光記録媒体において情報が記録される記録層は、所定の厚みを有する透光性の保護層により被覆されている。例えば、CDの保護層の厚みは1.2mm、DVDの保護層の厚みは0.6mm、BDの保護層の厚みは0.1mmが現在の規格とされている。光記録媒体の保護層の厚みが変わると、収差量が変化するため、光記録媒体用の対物レンズの設計、検査において、光記録媒体の保護層の存在を無視することはできない。一般に、対物レンズの検査においては、対物レンズによる収束光の光路に、光記録媒体の保護層の代用となる検査用の平行平板を挿入して検査することになる。
【0005】
特許文献1には、上記平行平板としてカバーガラスを用いて、光ピックアップ装置の球面収差を測定する球面収差測定装置が記載されている。この球面収差測定装置では、光源からの光を球面収差補償素子を介した後に対物レンズに入射させ、対物レンズにより集光された光をカバーガラスに対して収束させる。特許文献1には、カバーガラスの厚み誤差によって発生する球面収差を補正するように、球面収差補償素子を構成する2つのレンズ要素の間隔を変えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−251783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、上記カバーガラスとして、光記録媒体の保護層(光透過層)と同じ厚み、同じ屈折率を有するものを用いることが記載されている。しかしながら、現在、光記録媒体の保護層として多用されているポリカーボネートは、複屈折が大きいこと、および、吸水率が大きいという性質を有する。大きな複屈折を有する平行平板を用いた場合には、偏光の影響を大きく受けることになり、透過光の波面の位相が不揃いとなり、その結果として、平行平板を透過した収束光のビーム形状が変化する虞がある。このような複屈折による影響は、BDのように高NAの光学系ほど大きなものとなる。また、吸水率が高いと、環境の変化の影響を受けやすく、吸湿により屈折率変化、寸法変化が生じ、場合によっては、そりが生じて形状が変化したり、吸湿と乾燥の長期繰り返しのサイクルによりクラックが生じたりする虞もある。以上のことから、信頼性の高い検査を行うためには、ポリカーボネートは好適な材質とは言えない。
【0008】
そこで、複屈折が小さく、吸水率が小さい材質としてガラスを用いることが考えられる。しかし、上述したように、BDの保護層の厚みは0.1mmと非常に薄く、これと同等の厚みの平行平板をガラス材質で作製すると、割れやすいため取り扱いが煩雑であり、また、高コストになるという不具合が生じる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低コストで、煩雑な作業を必要とすることなく、検査の信頼性を確保可能な検査用の平行平板および光記録媒体用の対物レンズの検査方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の検査用の平行平板は、光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された対物レンズを検査するために、該対物レンズにより集光された光の光路に光記録媒体の保護層の代わりに挿入される検査用の平行平板であって、プラスチック材質からなり、複屈折が40nm以下であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第1の検査用の平行平板においては、吸水率が0.1%以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の第2の検査用の平行平板は、光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された対物レンズを検査するために、該対物レンズにより集光された光の光路に光記録媒体の保護層の代わりに挿入される検査用の平行平板であって、プラスチック材質からなり、吸水率が0.1%以下であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第2の検査用の平行平板においては、複屈折が40nm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の第1および第2の検査用の平行平板においては、複屈折が25nm以下であることが好ましい。
【0015】
本発明の上記検査用の平行平板においては、シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーからなることが好ましい。
【0016】
本発明の第1の光記録媒体用の対物レンズの検査方法は、光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された光記録媒体用の対物レンズを検査するにあたり、該対物レンズにより集光された光の光路に光記録媒体の保護層の代わりとなる検査用の平行平板を挿入して検査する光記録媒体用の対物レンズの検査方法であって、検査用の平行平板として、プラスチック材質からなり、複屈折が40nm以下の平行平板を使用することを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第1の光記録媒体用の対物レンズの検査方法においては、検査用の平行平板として、吸水率が0.1%以下の平行平板を使用することが好ましい。
【0018】
本発明の第2の光記録媒体用の対物レンズの検査方法は、光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された光記録媒体用の対物レンズを検査するにあたり、該対物レンズにより集光された光の光路に光記録媒体の保護層の代わりとなる検査用の平行平板を挿入して検査する光記録媒体用の対物レンズの検査方法であって、検査用の平行平板として、プラスチック材質からなり、吸水率が0.1%以下の平行平板を使用することを特徴とするものである
【0019】
本発明の第2の光記録媒体用の対物レンズの検査方法においては、検査用の平行平板として、複屈折が40nm以下の平行平板を使用することが好ましい。
【0020】
本発明の第1および第2の光記録媒体用の対物レンズの検査方法においては、検査用の平行平板として、複屈折が25nm以下の平行平板を使用することが好ましい。
【0021】
本発明の上記光記録媒体用の対物レンズの検査方法においては、検査用の平行平板が、シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーからなることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1の検査用の平行平板は、プラスチック材質からなるため、耐衝撃性が高く、取り扱いが容易であるため、煩雑な作業が必要なく、成型性に優れ、低コストに構成できる。また、本発明の第1の検査用の平行平板は、複屈折が40nm以下と小さな値であるため、偏光の影響を非常に小さなものにでき、検査の信頼性を確保することができる。
【0023】
本発明の第2の検査用の平行平板によれば、プラスチック材質からなるため、耐衝撃性が高く、取り扱いが容易であるため、煩雑な作業が必要なく、成型性に優れ、低コストに構成できる。また、本発明の第2の検査用の平行平板は、吸水率が0.1%以下であるため、環境による影響を非常に小さなものにでき、検査の信頼性を確保することができる。
【0024】
本発明の第1の光記録媒体用の対物レンズの検査方法によれば、プラスチック材質からなり、複屈折が40nm以下と小さな値の検査用の平行平板を用いて検査するため、低コストで平行平板を構成でき、平行平板を取り扱う作業が容易となるので煩雑な作業が必要なく、また、偏光の影響を非常に小さなものにでき、検査の信頼性を確保することができる。
【0025】
本発明の第2の光記録媒体用の対物レンズの検査方法によれば、プラスチック材質からなり、吸水率が0.1%以下と小さな値の検査用の平行平板を用いて検査するため、低コストで平行平板を構成でき、平行平板を取り扱う作業が容易となるので煩雑な作業が必要なく、また、環境による影響を非常に小さなものにでき、検査の信頼性を確保することができる。
【0026】
本発明において、検査用の平行平板の複屈折を25nm以下とした場合は、偏光の影響をさらに小さなものにでき、検査の信頼性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態にかかる検査装置の概略構成図
【図2】複屈折の値を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、光記録媒体に光を収束させて情報の記録および再生の少なくとも一方を行う光ピックアップ装置に使用される光記録媒体用の対物レンズを検査する検査方法と、該検査方法で用いられる平行平板に関するものである。図1は、本発明の一実施形態にかかる光記録媒体用の対物レンズを検査するための検査装置の概略構成図である。
【0029】
図1に示す検査装置100は、フィゾー型の干渉計を用いて被検体であるレンズ1を検査するものである。なお、図1では各部材を保持する保持具の図示は省略している。図1に示すように、検査装置100においては、レンズ1と、検査用の平行平板2と、反射ミラー3とが順に配置されており、また、レンズ1の検査用の平行平板2と反対側の光路にはレンズ1に近い方から順に、参照面を有する基準板4と、ビームスプリッタ5と、コリメータレンズ6と、検査用光源7とが配置されている。ビームスプリッタ5により形成される折れ曲がり光路には撮像素子9が配置されており、撮像素子9は演算部10に接続され、演算部10は表示部11に接続されている。
【0030】
例えば、光記録媒体としてブルーレイディスクを用いる場合は、検査用光源7は、波長405nmの光を出射する半導体レーザを用いることができる。検査用光源7を出射した光は、コリメータレンズ6により平行光に変換される。この平行光のうち、ビームスプリッタ5を透過し、基準板4を透過した光は、レンズ1に入射して集光される。
【0031】
レンズ1は、光ピックアップ装置に搭載される光記録媒体用の対物レンズである。レンズ1は、光ピックアップ装置において、光源から出射された光を光記録媒体の情報が記録される記録層に集光するように作用するものである。光記録媒体の記録層は所定の厚みを有する透光性の保護層により被覆されているため、レンズ1は、光源から出射された光を保護層を介して光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計されている。したがって、検査の際も保護層を考慮する必要があり、対物レンズにより集光された光の光路に保護層の代わりとなる検査用の平行平板2を挿入して検査を行う。なお、検査用の平行平板2の詳細構成については後述する。
【0032】
反射ミラー3は、凹面ミラーであり、レンズ1および検査用の平行平板2を透過した光を反射して同じ光路を逆向きに進行させるためのものである。よって、基準板4を透過してレンズ1で集光されて検査用の平行平板2を透過した光は、最もビーム径が小さくなる集光点を形成した後、発散光となって反射ミラー3に入射するが、反射ミラー3により反射されて逆向きに進行し、同じ集光点を通った後、検査用の平行平板2を透過し、レンズ1を出射して平行光となる。レンズ1を出射した平行光は基準板4を透過し、ビームスプリッタ5に入射し、ビームスプリッタ5で反射された光は撮像素子9に入射する。
【0033】
一方、検査用光源7から出射し、コリメータレンズ6とビームスプリッタ5を経由して基準板4に入射した光の一部は、基準板4の参照面で反射されて、レンズ1を経由することなくビームスプリッタ5に再入射し、ビームスプリッタ5で反射された光は撮像素子9に入射する。
【0034】
レンズ1を経由した光と、基準板4の参照面で反射された光とは干渉して干渉縞を形成し、形成された干渉縞は撮像素子9により観測することができる。撮像素子9は例えばCCD(Charge Coupled Device)等からなり、干渉縞を電気信号に変換して演算部10に出力する。演算部10では、干渉縞の解析を行い、解析結果を表示部11に出力する。演算部10では、レンズ1と検査用の平行平板2からなる光学系の収差、例えば軸上波面収差のRMS等を算出する。表示部11は例えばモニタ等からなり、干渉縞の画像や、演算部10で算出された収差の値等を表示する。
【0035】
なお、図1に示す検査装置100では、集光点とレンズ1の間に検査用の平行平板2を配置するようにしているが、この代わりに、レンズ1により集光された光が集光点を通った後の光路、例えば、集光点と反射ミラー3の間に検査用の平行平板2を配置するようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、フィゾー型の干渉計を用いた検査装置を例にとり説明したが、本発明の検査においては、別のタイプの干渉計を用いてもよく、あるいは、干渉計以外の手段を用いて検査してもよい。
【0037】
次に、検査用の平行平板2について詳細に説明する。本実施形態で用いる検査用の平行平板2は、プラスチック材質からなる。プラスチックは、ガラスに比べ、軽く、耐衝撃性が高く、成型性に優れ、低コストであるという利点を有する。しかし、プラスチックは材質によっては、射出成型法や溶融押出法等で成型すると、成型時にポリマーの鎖が配向し、大きな複屈折が生じることがある。大きな複屈折が存在すると、偏光の影響が大きくなり、検査用の平行平板2を透過した光の波面が不揃いとなり、その結果として、ビーム形状が変化する虞がある。
【0038】
そこで、本実施形態で用いる検査用の平行平板2には、複屈折が40nm以下のものを選択する。より好ましくは、複屈折が25nm以下のものを検査用の平行平板2として選択する。また、環境の影響を低減するため、本実施形態で用いる検査用の平行平板2には、吸水率が0.1%以下のものを選択する。より好ましくは、吸水率が0.01%より小さいものを検査用の平行平板2として選択する。
【0039】
検査用の平行平板2に好適な材質としては、例えば、シクロオレフィンポリマーや、シクロオレフィンコポリマーを用いることができる。シクロオレフィンポリマーの具体例としてはゼオネックス(登録商標、日本ゼオン株式会社製)、シクロオレフィンコポリマーの具体例としてはアペル(登録商標、三井化学株式会社社製)を挙げることができる。
【0040】
なお、シクロオレフィンコポリマ−よりもシクロオレフィンポリマ−の方が波長405nm程度の光に対する耐光性があるので、検査用光源7に波長405nm程度の半導体レ−ザを用いた場合には、検査用の平行平板2の材質として、シクロオレフィンコポリマ−よりもシクロオレフィンポリマ−を選択する方がより好ましい。
【0041】
下表に、実施例1、実施例2としてそれぞれ、ゼオネックスの1種であるゼオネックス330Rと、アペルの1種であるアペル5014MLの複屈折と吸水率を示し、同表に、比較例として、現在、光記録媒体の保護層の材質として多用されているポリカーボネートの1種であるパンライトAD5503(パンライト:登録商標、帝人化成株式会社製)の複屈折と吸水率を示す。
【0042】
【表1】

【0043】
なお、上表の複屈折の値は、各材質で図2に示すような外径5.0mm、厚さ1.0mmの円板20を成型し、この円板20の中心Oで厚み方向に測定される複屈折に換算したときの値である。図2に示す円板20は、その外周の一部がゲート21と接続されており、この接続部が材料を流入させて作製される際の射出位置22となるものである。複屈折は、遅相軸方向の光と進相軸方向の光の位相差として検出されるが、ここでは、測定光の波長(405nm)で規格化して長さの単位で換算して表している。
【0044】
上表に示すように、比較例のパンライトAD5503は、複屈折が非常に大きく、吸水率も比較的大きな値を持つのに対して、実施例1、実施例2のゼオネックス330R、アペル5014MLは複屈折が小さく、吸水率も小さい。
【0045】
このように、複屈折が小さな材質を用いることにより偏光の影響を軽減できるので、信頼性の高い検査を行うことができる。また、吸水率が低い材質を用いることにより、環境の変化による影響を軽減できるので、信頼性の高い検査を行うことができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、検査用の平行平板2として、複屈折と吸水率がともに規定値以下のものを用いたが、必ずしも複屈折と吸水率の両方の条件を満たすものでなくともよく、複屈折と吸水率のいずれか一方が上記規定値以下であれば、現在光記録媒体の保護層として多用されている材質より高い信頼性で検査を行うことができる。
【0047】
なお、検査用の平行平板2が、光記録媒体の保護層とは異なる材質からなり、異なる屈折率を有する場合は、両者の屈折率差に起因した収差が発生するため、この収差を補正するように厚みを設定した検査用の平行平板2を用いることが好ましい。
【0048】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例は、光記録媒体としてブルーレイディスクを想定したものであるが、光記録媒体として、CD、DVD、LDや他の短波長光用光記録媒体、例えば、いわゆるAOD(HD−DVD)ディスク等を用いる場合も本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 レンズ
2 検査用の平行平板
3 反射ミラー
4 基準板
5 ビームスプリッタ
6 コリメータレンズ
7 検査用光源
9 撮像素子
10 演算部
11 表示部
100 検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して前記光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された対物レンズを検査するために、該対物レンズにより集光された光の光路に前記保護層の代わりに挿入される検査用の平行平板であって、
プラスチック材質からなり、複屈折が40nm以下であることを特徴とする検査用の平行平板。
【請求項2】
光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して前記光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された対物レンズを検査するために、該対物レンズにより集光された光の光路に前記保護層の代わりに挿入される検査用の平行平板であって、
プラスチック材質からなり、吸水率が0.1%以下であることを特徴とする検査用の平行平板。
【請求項3】
複屈折が40nm以下であることを特徴とする請求項2記載の検査用の平行平板。
【請求項4】
複屈折が25nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の検査用の平行平板。
【請求項5】
シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の検査用の平行平板。
【請求項6】
光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して前記光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された光記録媒体用の対物レンズを検査するにあたり、該対物レンズにより集光された光の光路に前記保護層の代わりとなる検査用の平行平板を挿入して検査する光記録媒体用の対物レンズの検査方法であって、
前記平行平板として、プラスチック材質からなり、複屈折が40nm以下の平行平板を使用することを特徴とする光記録媒体用の対物レンズの検査方法。
【請求項7】
光源から出射された光を光記録媒体の透光性の保護層を介して前記光記録媒体の所定の位置に集光させるように設計された光記録媒体用の対物レンズを検査するにあたり、該対物レンズにより集光された光の光路に前記保護層の代わりとなる検査用の平行平板を挿入して検査する光記録媒体用の対物レンズの検査方法であって、
前記平行平板として、プラスチック材質からなり、吸水率が0.1%以下の平行平板を使用することを特徴とする光記録媒体用の対物レンズの検査方法。
【請求項8】
前記平行平板として、複屈折が40nm以下の平行平板を使用することを特徴とする請求項7記載の光記録媒体用の対物レンズの検査方法。
【請求項9】
前記平行平板として、複屈折が25nm以下の平行平板を使用することを特徴とする請求項6または7記載の光記録媒体用の対物レンズの検査方法。
【請求項10】
前記平行平板が、シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマーからなることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項記載の光記録媒体用の対物レンズの検査方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−244649(P2010−244649A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94540(P2009−94540)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】