検査装置及び方法
【課題】簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行う。
【解決手段】コントローラ11は、ステージ13に載置された検査対象物2に対して、赤外線照明部14により赤外線照明を照射させて、その赤外線照明の照射が終了した直後に、加熱された検査対象物2を赤外線画像センサ16により撮影させることで、検査対象物2の表面上の細い針のような形状からなるウイスカ3は、周囲よりもはやく温度が高くなるので、その周囲に比べて先に温度が高くなっているウイスカ3を検出して、ウイスカ3の発生の有無を検出する。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカ3の検査を行うことができる。本発明は、検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行うウイスカ検査装置に適用することができる。
【解決手段】コントローラ11は、ステージ13に載置された検査対象物2に対して、赤外線照明部14により赤外線照明を照射させて、その赤外線照明の照射が終了した直後に、加熱された検査対象物2を赤外線画像センサ16により撮影させることで、検査対象物2の表面上の細い針のような形状からなるウイスカ3は、周囲よりもはやく温度が高くなるので、その周囲に比べて先に温度が高くなっているウイスカ3を検出して、ウイスカ3の発生の有無を検出する。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカ3の検査を行うことができる。本発明は、検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行うウイスカ検査装置に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面に施された金属メッキから、内部の応力により金属の分子が押し出されてヒゲ状に成長した金属結晶であるウイスカが、電気部品又は電気部品周辺の部材で発生すると、電気ショートなどの原因となることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
そのため、電気部品(金属部品)には、ウイスカの有無を確認する検査を行う必要がある。ウイスカの検査には、走査電子顕微鏡のような特殊な観察装置を用いて、観察者が検査対象物としての金属部品を観察することで、ウイスカを探す方法が一般的である。
【0004】
このような観察装置によるウイスカの検査に用いられる機器が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−140704号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】(社) 電子情報技術産業協会 情報システム部 、“ウイスカにご注意ください”、[online]、平成14年1月16日、[平成21年12月4日検索]、インターネット,“http://it.jeita.or.jp/infosys/info/whisker/020115.html”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような、観察者が観察装置を操作して、観察している金属部品からウイスカを探す方法であると、めっき後の金属部品は一般的にざらついた表面を持ち、照明による光る箇所や光らない箇所が混在しているため、そこからウイスカを見つけることは容易ではなく、長時間の慎重な観察が要求される。
【0008】
その結果、多大な人手と時間を要することとなり、かつウイスカの検査自体も確実ではないという問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の検査装置は、検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行う検査装置において、前記検査対象物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された前記検査対象物の表面上の前記ウイスカを前記加熱に対する熱応答の差に基づいて検出する検出手段と、前記検出手段による前記ウイスカの検出結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】図1のコントローラによる照明及び撮影の制御を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【図4】図3のコントローラによる照明、撮影、及びステージ移動の制御を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【図6】図5のコントローラによる照明及び撮影の制御を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【0015】
ウイスカ検査装置1は、金属部品などの検査対象物2の表面に発生したウイスカ3の検査を行う検査装置である。図1に示すように、ウイスカ検査装置1は、コントローラ11と、暗箱12、ステージ13、赤外線照明部14、対物レンズ15、赤外線画像センサ16、画像処理ユニット17、及び検査結果出力部18を含むようにして構成される。
【0016】
コントローラ11は、ウイスカ検査装置1の各部の動作を制御する。このコントローラ11により制御される赤外線照明部14及び赤外線画像センサ16は、検査対象物2が載置されたステージ13とともに暗箱12内に配置される。すなわち、ステージ13、赤外線照明部14、及び赤外線画像センサ16は、暗箱12内に配置されているため、ウイスカ3の検査を行うに際して、外部からの光が、遮断されている環境で検査が行われる。
【0017】
赤外線照明部14は、暗箱12内のステージ13の上方の所定の位置に配置されて固定される。赤外線照明部14は、コントローラ11の制御にしたがって、赤外線照明を、ステージ13上に載置された検査対象物2の上方から照射して、検査対象物2を加熱する。
【0018】
検査対象物2は、赤外線照明部14から照射される赤外線照明により加熱されると、その温度が上昇することになる。このとき、検査対象物2の表面にウイスカ3が発生している場合、そのウイスカ3も、赤外線照明部14により加熱されることになる。
【0019】
赤外線画像センサ16は、暗箱12内のステージ13の上方の所定の位置に配置されて固定される。また、赤外線画像センサ16の検査対象物2側の面には、対物レンズ15が装着される。赤外線画像センサ16は、コントローラ11の制御にしたがって、検査対象物2から発せられる赤外線を、対物レンズ15を介して検出(撮影)し、その赤外線の強度に応じた画像信号を、画像処理ユニット17に出力する。
【0020】
画像処理ユニット17は、赤外線画像センサ16から出力された画像信号に対して、所定の画像処理を行う。この画像処理により得られる赤外線画像に関する情報は、検査結果として、検査結果出力部18に供給される。検査結果出力部18は、画像処理ユニット17から供給された検査結果を出力する。
【0021】
また、コントローラ11は、赤外線照明部14による検査対象物2に対する赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による検査対象物2の撮影を制御するが、その制御のタイミングは、図2のタイミングチャートに示すようになる。
【0022】
図2においては、図中の上側には、赤外線照明部14による検査対象物2に対する赤外線照明の照射のタイミングチャート、図中の下側には、赤外線画像センサ16による検査対象物2の撮影のタイミングチャートが図示されている。なお、図2において、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。また、以下の説明では、赤外線照明部14による照明が行われる状態を照明オン状態と称し、照明が行われていない状態を照明オフ状態と称する。同様にして、赤外線画像センサ16による撮影が行われている状態を撮影オン状態と称し、撮影が行われていない状態を撮影オフ状態と称する。
【0023】
図2のタイミングチャートに示すように、コントローラ11は、時刻t1からt2までの間を照明オン状態に制御して、赤外線照明部14から赤外線照明を照射させて、検査対象物2を、その表面上のウイスカ3とともに加熱する。その後、コントローラ11は、照明オン状態から照明オフ状態に遷移させて赤外線照明が消灯した後、時刻t3からt4までの間を撮影オン状態に制御して、赤外線画像センサ16により検査対象物2を撮影させる。
【0024】
すなわち、赤外線照明中に、検査対象物2の撮影を行うと、検査対象物2から発せられる赤外線を正確に検出(撮影)できないため、コントローラ11は、時刻t2において赤外線照明の照射が終了してから(照明オフ状態)、その直後に、時刻t3において検査対象物2の撮影を開始する(撮影オン状態)ように制御している。
【0025】
以上のようなタイミングで、検査対象物2に対する照明と撮影が行われる。検査対象物2は、赤外線照明で照明されると、その温度が上昇することになるが、照明時間が短時間であれば、その温度上昇は限られたものとなる。しかし、その表面に発生したウイスカ3は、細い針のような形状をしているため、検査対象物2よりも温度上昇がはやいという特性がある。従って、赤外線照明部14によって、適切な強度と照明時間に調整された赤外線照明を照射することにより、検査対象物2の温度上昇が1度から2度程度以下であるのに対して、ウイスカ3の温度を数十度上昇させることが可能となる。
【0026】
そうすると、ウイスカ3は、検査対象物2の他の部分と比べて、顕著な赤外線を発することとなり、赤外線に感度のある赤外線画像センサ16により撮影すると、その赤外線画像では、ウイスカ3の存在する場所だけが、その周辺の暗い部分の中に光っている点として示される。従って、例えば、画像処理ユニット17は、赤外線画像を構成する各画素について、それらの画素の輝度値が、あらかじめ定められた所定の閾値以上となるか否かを判定し、閾値以上になると判定された部分についてはウイスカ3が存在すると判定する。この判定結果は、検査結果として検査結果出力部18に供給され、出力されることで、ユーザに通知される。
【0027】
また、検査結果出力部18は、検査結果として赤外線画像を表示する場合、全体として黒い部分からなる画像の中のウイスカ3の存在する該当位置を、ウイスカ3の存在を示す点、あるいはマークなどにより表示することで、ウイスカ3の存在を通知することができる。しかし、この場合、ウイスカ3の存在の有無は確認できるものの、そのウイスカ3が検査対象物2のどの部分に存在するのかがわかりにくい。そこで、別の照明条件(例えば赤外線照明部14からの赤外線照明を弱くした照明)で、ウイスカ3の検査前に、赤外線画像センサ16によって、あらかじめ検査対象物2を検査時と同じ位置から撮影しておくようにする。そして、画像処理ユニット17は、あらかじめ撮影しておいた検査対象物2の画像と、検査結果としての赤外線画像(ウイスカ3の画像)とを合成する所定の画像処理を行う。これにより、検査対象物2のどの部分にウイスカ3が存在しているかを表す画像(検査対象物2の画像にウイスカ3の画像を重ね合わせた画像)を生成して、表示することが可能である。その結果、ユーザは、検査対象物2のどの部分にウイスカ3が存在しているかを確実に判断することができる。
【0028】
以上のように、第1の実施の形態であるウイスカ検査装置1においては、赤外線照明部14により赤外線照明が検査対象物2に照射され、その赤外線照明の照射が終了した直後に、赤外線画像センサ16により加熱された検査対象物2が撮影されるので、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。すなわち、ウイスカ3は、細い針のような形状からなるため、加熱されると周囲よりもはやく温度が高くなる特性を有しており、その特性(加熱に対する熱応答の差)を利用して、短時間の加熱の直後に赤外線による撮影を行うことで、周囲に比べて先に温度が高くなっているウイスカ3を検出して、その発生の有無を確認することができる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0029】
また、以上のように取得される赤外線画像においては、検査対象物2のウイスカ3以外の弱い赤外線を発する部分に対応する暗い画像の中で、ウイスカ3から発せられる赤外線に対応する部分の画像のみが明るくなるため、対物レンズ15の倍率が低くても容易にウイスカ3を検出することができる。また、対物レンズ15の倍率が低い場合には、一般的に開口数が小さくてよいため、その場合においては、焦点深度が深く、立体形状となる検査対象物2を検査するのに好適である。
【0030】
なお、図2のタイミングチャートに示した照明オフ状態の期間であっても、完全に赤外線照明部14からの赤外線照明の照射を終了する必要はなく、検査の障害にならない程度の照明の強度に調整されているのであれば、赤外線照明部14からの赤外線照明を継続していても特に問題はない。なお、この状態で取得した画像と検出結果とを合成して表示すれば、ユーザは検査対象物2のどの部分にウイスカ3が存在しているかを確実に判断できる。この場合、予め合成用の画像を取得する必要がない。
【0031】
図3は、本発明の第2の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。なお、図中、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0032】
図3のウイスカ検査装置31は、図1のウイスカ検査装置1と比較して、検査結果出力部18の代わりに、パーソナルコンピュータ32と接続している点が異なる。また、図3のコントローラ11は、赤外線照明部14及び赤外線画像センサ16の制御の他、パーソナルコンピュータ32からの指示に従ってステージ13の駆動を制御する。
【0033】
パーソナルコンピュータ32では、あらかじめキャリブレーション操作により、取り込める検査対象物2の画像の範囲が設定される。パーソナルコンピュータ32は、設定された範囲に基づいて、検査対象物2の全体を取り込むために必要な(ステージ13の)移動量を求めて、コントローラ11に出力する。コントローラ11は、パーソナルコンピュータ32から出力された移動量にしたがって、ステージ13の駆動を制御する。すなわち、コントローラ11は、先に述べた、赤外線照明部14による赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による検査対象物2の撮影の制御の他に、ステージ13の駆動を制御することになり、その制御のタイミングは、図4のタイミングチャートに示すようになる。
【0034】
図4においては、図2で説明した照明と撮影のタイミングチャートに加えて、ステージ13の移動のタイミングチャートが図示されている。以下の説明では、ステージ13の移動が行われる状態をステージ移動オン状態と称し、ステージ13の移動が行われていない状態をステージ移動オフ状態と称する。
【0035】
図4に示すように、コントローラ11は、時刻t1からt2までの間を、照明オン状態(撮影オフ状態、ステージ移動オフ状態)に制御し、時刻t3からt4までの間を、撮影オン状態(照明オフ状態、ステージ移動オフ状態)に制御する。これらの制御により、検査対象物2の表面上ある領域におけるウイスカ3の検査結果が、画像処理ユニット17に出力される。その後(照明と撮影がともにオフ状態)、コントローラ11は、時刻t5からt6までの間、パーソナルコンピュータ32から供給される移動量にしたがって、ステージ13を駆動して、赤外線画像センサ16に対する検査対象物2の位置を変更して、検査対象物2の表面上の次の領域におけるウイスカ3の検査が行えるようにする(ステージ移動オン状態)。
【0036】
このようにして、ステージ13を移動させた後、コントローラ11は、時刻t7からt8までの間を、照明オン状態とし、時刻t9からt10までの間を、撮影オン状態となるように制御することで、画像処理ユニット17には、検査対象物2の表面上の次の領域におけるウイスカ3の検査結果が出力される。そして、以降同様にして、照明、撮影、ステージ移動が繰り返されることにより、検査対象物2の表面の各領域についての検査が行われ、検査対象物2の表面の全体についての検査が行われることになる。例えば、画像処理ユニット17は、各撮影で得られた赤外線画像のそれぞれを、撮影位置に応じて接続することで、1枚の検査対象物2の全体の赤外線画像を生成することが可能となる。パーソナルコンピュータ32は、画像処理ユニット17により生成された赤外線画像をモニタ(不図示)に表示したり、赤外線画像のデータを記録したりする。
【0037】
なお、検査によりウイスカ3が検出されたと判定された位置については、その位置に対応するステージ13の位置情報(移動量)を記録しておくことにより、検査終了後、再度その位置にステージ13を移動させて、検出されたウイスカ3の確認を行うといったことも可能である。
【0038】
以上のように、第2の実施の形態であるウイスカ検査装置31においては、検査対象物2の表面上の検査位置に応じてステージ13を移動させながら、赤外線照明部14により赤外線照明が検査対象物2に照射され、その赤外線照明の照射が終了した直後に、赤外線画像センサ16により加熱された検査対象物2が撮影されるので、検査対象物2の全体について、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0039】
図5は、本発明の第3の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。なお、図中、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0040】
図5のウイスカ検査装置51は、図1のウイスカ検査装置1と比較して、暗箱12及びステージ13が取り除かれ、検査対象物2がユーザにより保持される点が異なる。また、赤外線画像センサ16に装着された対物レンズ15には、光学フィルタ61が装着され、この赤外線画像センサ16からの出力は、モニタ52に直接出力される点でも異なる。
【0041】
ウイスカ検査装置51において、赤外線照明部14からの赤外線照明は、ユーザの手により保持された検査対象物2に照射される。赤外線画像センサ16には、光学フィルタ61が装着されているが、この光学フィルタ61は、赤外線以外の光を遮断するものである。従って、赤外線画像センサ16には、赤外線のみが入射することになる。また、この光学フィルタ61を設けることにより、先に述べたような暗箱12が不要となる。
【0042】
そして、検査対象物2から発せられる赤外線のみが光学フィルタ61を透過して、赤外線画像センサ16により検出され、その赤外線の強度に応じた画像信号が、モニタ52に出力される。モニタ52には、赤外線画像センサ16から出力された画像信号に対応する赤外線画像が表示される。
【0043】
また、コントローラ11は、赤外線照明部14による赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による赤外線画像の撮影を制御するが、その制御のタイミングは、図6のタイミングチャートに示すようになる。
【0044】
すなわち、コントローラ11は、時刻t1からt2、時刻t5からt6、時刻t9からt11、時刻t13からt14、・・・の間は、照明オン状態に制御し、時刻t3からt4、時刻t7からt8、時刻t11からt12、時刻t15からt16、・・・の間は、撮影オン状態に制御する。これにより、ウイスカ検査装置51では、赤外線照明部14による赤外線照明が一定時間行われた直後に、赤外線画像センサ16による撮影が開始される動作が検査終了まで繰り返される。
【0045】
モニタ52には、赤外線画像が、赤外線画像センサ16による撮影のタイミングに合わせて連続的に表示される。従って、ウイスカ検査装置51による検査を行っているユーザは、保持している検査対象物2の検査すべき表面の全てを検査できるように、その検査対象物2を回転などさせながら、赤外線画像センサ16により撮影させて、その赤外線画像をモニタ52により確認する。モニタ52に表示される赤外線画像では、先に述べたように、ウイスカ3が明るい点として表示されるので、ユーザは、明るい点が現われたら、ウイスカが存在すると判断する。そして、この検査によりウイスカが存在すると判断された検査対象物2については、必要に応じて、ユーザの目視や、顕微鏡などの観察装置によりウイスカの確認及び観察が詳細に行われ、検査結果が報告される。
【0046】
以上のように、第3の実施の形態であるウイスカ検査装置51においては、赤外線照明部14により赤外線照明が検査対象物2に照射され、その赤外線照明の照射が終了した直後に、赤外線画像センサ16により加熱された検査対象物2が撮影される動作が繰り返されるが、ユーザは、検査対象物2を保持し、その検査対象物2の赤外線画像を表示するモニタ52を確認しつつ、回転などさせながら検査するので、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0047】
なお、第3の実施の形態では、暗箱12が不要であると説明したが、外部から入射する光、すなわち、例えば、ウイスカ検査装置51による検査を行っている部屋の照明などには、検査に影響が出るほどの赤外線が含まれていないものとする。
【0048】
また、モニタ52に表示される赤外線画像では、ウイスカ3による赤外線以外がまったく表示されていないと、ウイスカ3が検査対象物2上のどの場所にあるかわかりにくいため、照明オフの期間であっても、検査対象物2が暗く見える程度に照明を残すことで、ユーザは目視によりウイスカ3及び検査対象物2を確認することができる。
【0049】
図7は、本発明の第4の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。なお、図中、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0050】
図7のウイスカ検査装置71は、図1のウイスカ検査装置1と比較して、図5のウイスカ検査装置51と同様に、暗箱12及びステージ13が取り除かれ、検査対象物2がユーザにより保持されるが、さらに、各部の制御を行うコントローラ11も取り除かれている。また、光学フィルタ61が、赤外線画像センサ16の対物レンズ15に装着されるだけでなく、光学フィルタ81が、赤外線照明部14に装着される。
【0051】
ウイスカ検査装置71において、赤外線画像センサ16に装着された光学フィルタ61は、赤外域の特定の波長(以下、波長Aという)の光のみを透過させる干渉フィルタである。一方、赤外線照明部14に装着された光学フィルタ81は、波長Aの光のみを遮断し、それ以外の赤外域の光を含む波長の光を透過させる干渉フィルタである。波長Aの光のみを遮断した赤外線照明であっても、検査対象物2、特にウイスカ3を加熱することは可能である。
【0052】
このような構成であると、赤外線照明部14から照射される赤外線照明が、赤外線画像センサ16による検査対象物2の赤外線画像の撮影に影響を及ぼさないため、照明と撮影を同時に行うことができる。そのため、図7のウイスカ検査装置71では、コントローラ11が設けられておらず、検査を開始してから終了するまでの間、照明と撮影が常に行われることになる。
【0053】
以上のように、第4の実施の形態であるウイスカ検査装置71においては、赤外線照明部14による検査対象物2への赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による加熱された検査対象物2の撮影が同時に行われるが、光学フィルタ61により赤外域の波長Aの光だけが透過され、光学フィルタ81により赤外域の波長Aの光だけが遮断されるので、赤外線照明が検査対象物2の赤外線画像の撮影に影響を及ぼさずに、検査を行うことができる。また、検査対象物2はユーザにより保持され、ユーザは、モニタ52に表示される赤外線画像を確認しつつ、回転などさせながら検査するので、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0054】
なお、第4の実施の形態では、検査対象物2の温度が高くなり過ぎないように、赤外線照明の照明強度を調整することなどは必要となるが、その場合には、ユーザが手動で調整するか、あるいは調整用の機器を設ければよい。
【0055】
このように、本発明によれば、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、検査対象物2を加熱する手段して、赤外線照明を照射する赤外線照明部14を設けた場合を例示したが、他の加熱手段を用いることができる。すなわち、赤外線照明部14は、検査対象物2を加熱するために設けられたものであるため、検査対象物2を加熱するという目的を達成することができる他の加熱手段を採用することができる。他の加熱手段としては、赤外線の他、可視光や紫外線でも可能であり、赤外線照明部14の代わりに、例えば、白色照明光を照射可能な照明部を設けたり、あるいは弱い温風を出力する温風出力部を設けたり、電磁波を照射する電磁波出力部を設けたりすることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、検査対象物2に発生したウイスカ3を検出する手段として、検査対象物2から発せられる赤外線を検出する赤外線画像センサ16を設けた場合を例示したが、他の検出手段を設けることができる。すなわち、赤外線照明部14は、検査対象物2に発生したウイスカ3を検出するために設けられたものであるため、検査対象物2に発生したウイスカ3を検出するという目的を達成することができる他の検出手段を採用することができる。
【0058】
なお、ウイスカは、温まりやすい特性を有する反面、冷めやすいという特性もあるので、検査対象物2に赤外線照明を照射して加熱した後、赤外線照明部14を消灯した後は、時間をおかずに迅速に撮影を行うことが望ましい。また、ウイスカ3が発する赤外線は、検査対象物2のウイスカ3以外の部分(周辺の部分)が発する赤外線よりも、強度が強いとはいえ、その強度は微弱であるので、赤外線画像センサ16は、赤外線に対して十分な感度を有するものを使用することで、より精度の高い検査を行うことができる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1,31,51,71 ウイスカ検査装置, 2 検査対象物, 3 ウイスカ, 11 コントローラ, 12 暗箱, 13 ステージ, 14 赤外線照明部, 15 対物レンズ, 16 赤外線画像センサ, 17 画像処理ユニット, 18 検査結果出力部, 32 パーソナルコンピュータ, 52 モニタ, 61,81 光学フィルタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面に施された金属メッキから、内部の応力により金属の分子が押し出されてヒゲ状に成長した金属結晶であるウイスカが、電気部品又は電気部品周辺の部材で発生すると、電気ショートなどの原因となることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
そのため、電気部品(金属部品)には、ウイスカの有無を確認する検査を行う必要がある。ウイスカの検査には、走査電子顕微鏡のような特殊な観察装置を用いて、観察者が検査対象物としての金属部品を観察することで、ウイスカを探す方法が一般的である。
【0004】
このような観察装置によるウイスカの検査に用いられる機器が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−140704号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】(社) 電子情報技術産業協会 情報システム部 、“ウイスカにご注意ください”、[online]、平成14年1月16日、[平成21年12月4日検索]、インターネット,“http://it.jeita.or.jp/infosys/info/whisker/020115.html”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような、観察者が観察装置を操作して、観察している金属部品からウイスカを探す方法であると、めっき後の金属部品は一般的にざらついた表面を持ち、照明による光る箇所や光らない箇所が混在しているため、そこからウイスカを見つけることは容易ではなく、長時間の慎重な観察が要求される。
【0008】
その結果、多大な人手と時間を要することとなり、かつウイスカの検査自体も確実ではないという問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の検査装置は、検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行う検査装置において、前記検査対象物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された前記検査対象物の表面上の前記ウイスカを前記加熱に対する熱応答の差に基づいて検出する検出手段と、前記検出手段による前記ウイスカの検出結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】図1のコントローラによる照明及び撮影の制御を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【図4】図3のコントローラによる照明、撮影、及びステージ移動の制御を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【図6】図5のコントローラによる照明及び撮影の制御を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。
【0015】
ウイスカ検査装置1は、金属部品などの検査対象物2の表面に発生したウイスカ3の検査を行う検査装置である。図1に示すように、ウイスカ検査装置1は、コントローラ11と、暗箱12、ステージ13、赤外線照明部14、対物レンズ15、赤外線画像センサ16、画像処理ユニット17、及び検査結果出力部18を含むようにして構成される。
【0016】
コントローラ11は、ウイスカ検査装置1の各部の動作を制御する。このコントローラ11により制御される赤外線照明部14及び赤外線画像センサ16は、検査対象物2が載置されたステージ13とともに暗箱12内に配置される。すなわち、ステージ13、赤外線照明部14、及び赤外線画像センサ16は、暗箱12内に配置されているため、ウイスカ3の検査を行うに際して、外部からの光が、遮断されている環境で検査が行われる。
【0017】
赤外線照明部14は、暗箱12内のステージ13の上方の所定の位置に配置されて固定される。赤外線照明部14は、コントローラ11の制御にしたがって、赤外線照明を、ステージ13上に載置された検査対象物2の上方から照射して、検査対象物2を加熱する。
【0018】
検査対象物2は、赤外線照明部14から照射される赤外線照明により加熱されると、その温度が上昇することになる。このとき、検査対象物2の表面にウイスカ3が発生している場合、そのウイスカ3も、赤外線照明部14により加熱されることになる。
【0019】
赤外線画像センサ16は、暗箱12内のステージ13の上方の所定の位置に配置されて固定される。また、赤外線画像センサ16の検査対象物2側の面には、対物レンズ15が装着される。赤外線画像センサ16は、コントローラ11の制御にしたがって、検査対象物2から発せられる赤外線を、対物レンズ15を介して検出(撮影)し、その赤外線の強度に応じた画像信号を、画像処理ユニット17に出力する。
【0020】
画像処理ユニット17は、赤外線画像センサ16から出力された画像信号に対して、所定の画像処理を行う。この画像処理により得られる赤外線画像に関する情報は、検査結果として、検査結果出力部18に供給される。検査結果出力部18は、画像処理ユニット17から供給された検査結果を出力する。
【0021】
また、コントローラ11は、赤外線照明部14による検査対象物2に対する赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による検査対象物2の撮影を制御するが、その制御のタイミングは、図2のタイミングチャートに示すようになる。
【0022】
図2においては、図中の上側には、赤外線照明部14による検査対象物2に対する赤外線照明の照射のタイミングチャート、図中の下側には、赤外線画像センサ16による検査対象物2の撮影のタイミングチャートが図示されている。なお、図2において、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。また、以下の説明では、赤外線照明部14による照明が行われる状態を照明オン状態と称し、照明が行われていない状態を照明オフ状態と称する。同様にして、赤外線画像センサ16による撮影が行われている状態を撮影オン状態と称し、撮影が行われていない状態を撮影オフ状態と称する。
【0023】
図2のタイミングチャートに示すように、コントローラ11は、時刻t1からt2までの間を照明オン状態に制御して、赤外線照明部14から赤外線照明を照射させて、検査対象物2を、その表面上のウイスカ3とともに加熱する。その後、コントローラ11は、照明オン状態から照明オフ状態に遷移させて赤外線照明が消灯した後、時刻t3からt4までの間を撮影オン状態に制御して、赤外線画像センサ16により検査対象物2を撮影させる。
【0024】
すなわち、赤外線照明中に、検査対象物2の撮影を行うと、検査対象物2から発せられる赤外線を正確に検出(撮影)できないため、コントローラ11は、時刻t2において赤外線照明の照射が終了してから(照明オフ状態)、その直後に、時刻t3において検査対象物2の撮影を開始する(撮影オン状態)ように制御している。
【0025】
以上のようなタイミングで、検査対象物2に対する照明と撮影が行われる。検査対象物2は、赤外線照明で照明されると、その温度が上昇することになるが、照明時間が短時間であれば、その温度上昇は限られたものとなる。しかし、その表面に発生したウイスカ3は、細い針のような形状をしているため、検査対象物2よりも温度上昇がはやいという特性がある。従って、赤外線照明部14によって、適切な強度と照明時間に調整された赤外線照明を照射することにより、検査対象物2の温度上昇が1度から2度程度以下であるのに対して、ウイスカ3の温度を数十度上昇させることが可能となる。
【0026】
そうすると、ウイスカ3は、検査対象物2の他の部分と比べて、顕著な赤外線を発することとなり、赤外線に感度のある赤外線画像センサ16により撮影すると、その赤外線画像では、ウイスカ3の存在する場所だけが、その周辺の暗い部分の中に光っている点として示される。従って、例えば、画像処理ユニット17は、赤外線画像を構成する各画素について、それらの画素の輝度値が、あらかじめ定められた所定の閾値以上となるか否かを判定し、閾値以上になると判定された部分についてはウイスカ3が存在すると判定する。この判定結果は、検査結果として検査結果出力部18に供給され、出力されることで、ユーザに通知される。
【0027】
また、検査結果出力部18は、検査結果として赤外線画像を表示する場合、全体として黒い部分からなる画像の中のウイスカ3の存在する該当位置を、ウイスカ3の存在を示す点、あるいはマークなどにより表示することで、ウイスカ3の存在を通知することができる。しかし、この場合、ウイスカ3の存在の有無は確認できるものの、そのウイスカ3が検査対象物2のどの部分に存在するのかがわかりにくい。そこで、別の照明条件(例えば赤外線照明部14からの赤外線照明を弱くした照明)で、ウイスカ3の検査前に、赤外線画像センサ16によって、あらかじめ検査対象物2を検査時と同じ位置から撮影しておくようにする。そして、画像処理ユニット17は、あらかじめ撮影しておいた検査対象物2の画像と、検査結果としての赤外線画像(ウイスカ3の画像)とを合成する所定の画像処理を行う。これにより、検査対象物2のどの部分にウイスカ3が存在しているかを表す画像(検査対象物2の画像にウイスカ3の画像を重ね合わせた画像)を生成して、表示することが可能である。その結果、ユーザは、検査対象物2のどの部分にウイスカ3が存在しているかを確実に判断することができる。
【0028】
以上のように、第1の実施の形態であるウイスカ検査装置1においては、赤外線照明部14により赤外線照明が検査対象物2に照射され、その赤外線照明の照射が終了した直後に、赤外線画像センサ16により加熱された検査対象物2が撮影されるので、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。すなわち、ウイスカ3は、細い針のような形状からなるため、加熱されると周囲よりもはやく温度が高くなる特性を有しており、その特性(加熱に対する熱応答の差)を利用して、短時間の加熱の直後に赤外線による撮影を行うことで、周囲に比べて先に温度が高くなっているウイスカ3を検出して、その発生の有無を確認することができる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0029】
また、以上のように取得される赤外線画像においては、検査対象物2のウイスカ3以外の弱い赤外線を発する部分に対応する暗い画像の中で、ウイスカ3から発せられる赤外線に対応する部分の画像のみが明るくなるため、対物レンズ15の倍率が低くても容易にウイスカ3を検出することができる。また、対物レンズ15の倍率が低い場合には、一般的に開口数が小さくてよいため、その場合においては、焦点深度が深く、立体形状となる検査対象物2を検査するのに好適である。
【0030】
なお、図2のタイミングチャートに示した照明オフ状態の期間であっても、完全に赤外線照明部14からの赤外線照明の照射を終了する必要はなく、検査の障害にならない程度の照明の強度に調整されているのであれば、赤外線照明部14からの赤外線照明を継続していても特に問題はない。なお、この状態で取得した画像と検出結果とを合成して表示すれば、ユーザは検査対象物2のどの部分にウイスカ3が存在しているかを確実に判断できる。この場合、予め合成用の画像を取得する必要がない。
【0031】
図3は、本発明の第2の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。なお、図中、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0032】
図3のウイスカ検査装置31は、図1のウイスカ検査装置1と比較して、検査結果出力部18の代わりに、パーソナルコンピュータ32と接続している点が異なる。また、図3のコントローラ11は、赤外線照明部14及び赤外線画像センサ16の制御の他、パーソナルコンピュータ32からの指示に従ってステージ13の駆動を制御する。
【0033】
パーソナルコンピュータ32では、あらかじめキャリブレーション操作により、取り込める検査対象物2の画像の範囲が設定される。パーソナルコンピュータ32は、設定された範囲に基づいて、検査対象物2の全体を取り込むために必要な(ステージ13の)移動量を求めて、コントローラ11に出力する。コントローラ11は、パーソナルコンピュータ32から出力された移動量にしたがって、ステージ13の駆動を制御する。すなわち、コントローラ11は、先に述べた、赤外線照明部14による赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による検査対象物2の撮影の制御の他に、ステージ13の駆動を制御することになり、その制御のタイミングは、図4のタイミングチャートに示すようになる。
【0034】
図4においては、図2で説明した照明と撮影のタイミングチャートに加えて、ステージ13の移動のタイミングチャートが図示されている。以下の説明では、ステージ13の移動が行われる状態をステージ移動オン状態と称し、ステージ13の移動が行われていない状態をステージ移動オフ状態と称する。
【0035】
図4に示すように、コントローラ11は、時刻t1からt2までの間を、照明オン状態(撮影オフ状態、ステージ移動オフ状態)に制御し、時刻t3からt4までの間を、撮影オン状態(照明オフ状態、ステージ移動オフ状態)に制御する。これらの制御により、検査対象物2の表面上ある領域におけるウイスカ3の検査結果が、画像処理ユニット17に出力される。その後(照明と撮影がともにオフ状態)、コントローラ11は、時刻t5からt6までの間、パーソナルコンピュータ32から供給される移動量にしたがって、ステージ13を駆動して、赤外線画像センサ16に対する検査対象物2の位置を変更して、検査対象物2の表面上の次の領域におけるウイスカ3の検査が行えるようにする(ステージ移動オン状態)。
【0036】
このようにして、ステージ13を移動させた後、コントローラ11は、時刻t7からt8までの間を、照明オン状態とし、時刻t9からt10までの間を、撮影オン状態となるように制御することで、画像処理ユニット17には、検査対象物2の表面上の次の領域におけるウイスカ3の検査結果が出力される。そして、以降同様にして、照明、撮影、ステージ移動が繰り返されることにより、検査対象物2の表面の各領域についての検査が行われ、検査対象物2の表面の全体についての検査が行われることになる。例えば、画像処理ユニット17は、各撮影で得られた赤外線画像のそれぞれを、撮影位置に応じて接続することで、1枚の検査対象物2の全体の赤外線画像を生成することが可能となる。パーソナルコンピュータ32は、画像処理ユニット17により生成された赤外線画像をモニタ(不図示)に表示したり、赤外線画像のデータを記録したりする。
【0037】
なお、検査によりウイスカ3が検出されたと判定された位置については、その位置に対応するステージ13の位置情報(移動量)を記録しておくことにより、検査終了後、再度その位置にステージ13を移動させて、検出されたウイスカ3の確認を行うといったことも可能である。
【0038】
以上のように、第2の実施の形態であるウイスカ検査装置31においては、検査対象物2の表面上の検査位置に応じてステージ13を移動させながら、赤外線照明部14により赤外線照明が検査対象物2に照射され、その赤外線照明の照射が終了した直後に、赤外線画像センサ16により加熱された検査対象物2が撮影されるので、検査対象物2の全体について、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0039】
図5は、本発明の第3の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。なお、図中、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0040】
図5のウイスカ検査装置51は、図1のウイスカ検査装置1と比較して、暗箱12及びステージ13が取り除かれ、検査対象物2がユーザにより保持される点が異なる。また、赤外線画像センサ16に装着された対物レンズ15には、光学フィルタ61が装着され、この赤外線画像センサ16からの出力は、モニタ52に直接出力される点でも異なる。
【0041】
ウイスカ検査装置51において、赤外線照明部14からの赤外線照明は、ユーザの手により保持された検査対象物2に照射される。赤外線画像センサ16には、光学フィルタ61が装着されているが、この光学フィルタ61は、赤外線以外の光を遮断するものである。従って、赤外線画像センサ16には、赤外線のみが入射することになる。また、この光学フィルタ61を設けることにより、先に述べたような暗箱12が不要となる。
【0042】
そして、検査対象物2から発せられる赤外線のみが光学フィルタ61を透過して、赤外線画像センサ16により検出され、その赤外線の強度に応じた画像信号が、モニタ52に出力される。モニタ52には、赤外線画像センサ16から出力された画像信号に対応する赤外線画像が表示される。
【0043】
また、コントローラ11は、赤外線照明部14による赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による赤外線画像の撮影を制御するが、その制御のタイミングは、図6のタイミングチャートに示すようになる。
【0044】
すなわち、コントローラ11は、時刻t1からt2、時刻t5からt6、時刻t9からt11、時刻t13からt14、・・・の間は、照明オン状態に制御し、時刻t3からt4、時刻t7からt8、時刻t11からt12、時刻t15からt16、・・・の間は、撮影オン状態に制御する。これにより、ウイスカ検査装置51では、赤外線照明部14による赤外線照明が一定時間行われた直後に、赤外線画像センサ16による撮影が開始される動作が検査終了まで繰り返される。
【0045】
モニタ52には、赤外線画像が、赤外線画像センサ16による撮影のタイミングに合わせて連続的に表示される。従って、ウイスカ検査装置51による検査を行っているユーザは、保持している検査対象物2の検査すべき表面の全てを検査できるように、その検査対象物2を回転などさせながら、赤外線画像センサ16により撮影させて、その赤外線画像をモニタ52により確認する。モニタ52に表示される赤外線画像では、先に述べたように、ウイスカ3が明るい点として表示されるので、ユーザは、明るい点が現われたら、ウイスカが存在すると判断する。そして、この検査によりウイスカが存在すると判断された検査対象物2については、必要に応じて、ユーザの目視や、顕微鏡などの観察装置によりウイスカの確認及び観察が詳細に行われ、検査結果が報告される。
【0046】
以上のように、第3の実施の形態であるウイスカ検査装置51においては、赤外線照明部14により赤外線照明が検査対象物2に照射され、その赤外線照明の照射が終了した直後に、赤外線画像センサ16により加熱された検査対象物2が撮影される動作が繰り返されるが、ユーザは、検査対象物2を保持し、その検査対象物2の赤外線画像を表示するモニタ52を確認しつつ、回転などさせながら検査するので、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0047】
なお、第3の実施の形態では、暗箱12が不要であると説明したが、外部から入射する光、すなわち、例えば、ウイスカ検査装置51による検査を行っている部屋の照明などには、検査に影響が出るほどの赤外線が含まれていないものとする。
【0048】
また、モニタ52に表示される赤外線画像では、ウイスカ3による赤外線以外がまったく表示されていないと、ウイスカ3が検査対象物2上のどの場所にあるかわかりにくいため、照明オフの期間であっても、検査対象物2が暗く見える程度に照明を残すことで、ユーザは目視によりウイスカ3及び検査対象物2を確認することができる。
【0049】
図7は、本発明の第4の実施の形態であるウイスカ検査装置の構成の例を示すブロック図である。なお、図中、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0050】
図7のウイスカ検査装置71は、図1のウイスカ検査装置1と比較して、図5のウイスカ検査装置51と同様に、暗箱12及びステージ13が取り除かれ、検査対象物2がユーザにより保持されるが、さらに、各部の制御を行うコントローラ11も取り除かれている。また、光学フィルタ61が、赤外線画像センサ16の対物レンズ15に装着されるだけでなく、光学フィルタ81が、赤外線照明部14に装着される。
【0051】
ウイスカ検査装置71において、赤外線画像センサ16に装着された光学フィルタ61は、赤外域の特定の波長(以下、波長Aという)の光のみを透過させる干渉フィルタである。一方、赤外線照明部14に装着された光学フィルタ81は、波長Aの光のみを遮断し、それ以外の赤外域の光を含む波長の光を透過させる干渉フィルタである。波長Aの光のみを遮断した赤外線照明であっても、検査対象物2、特にウイスカ3を加熱することは可能である。
【0052】
このような構成であると、赤外線照明部14から照射される赤外線照明が、赤外線画像センサ16による検査対象物2の赤外線画像の撮影に影響を及ぼさないため、照明と撮影を同時に行うことができる。そのため、図7のウイスカ検査装置71では、コントローラ11が設けられておらず、検査を開始してから終了するまでの間、照明と撮影が常に行われることになる。
【0053】
以上のように、第4の実施の形態であるウイスカ検査装置71においては、赤外線照明部14による検査対象物2への赤外線照明の照射と、赤外線画像センサ16による加熱された検査対象物2の撮影が同時に行われるが、光学フィルタ61により赤外域の波長Aの光だけが透過され、光学フィルタ81により赤外域の波長Aの光だけが遮断されるので、赤外線照明が検査対象物2の赤外線画像の撮影に影響を及ぼさずに、検査を行うことができる。また、検査対象物2はユーザにより保持され、ユーザは、モニタ52に表示される赤外線画像を確認しつつ、回転などさせながら検査するので、検査対象物2の他の部分よりも温度上昇のはやいウイスカ3だけを検出することが可能となる。これにより、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0054】
なお、第4の実施の形態では、検査対象物2の温度が高くなり過ぎないように、赤外線照明の照明強度を調整することなどは必要となるが、その場合には、ユーザが手動で調整するか、あるいは調整用の機器を設ければよい。
【0055】
このように、本発明によれば、簡便に、かつ確実にウイスカの検査を行うことができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、検査対象物2を加熱する手段して、赤外線照明を照射する赤外線照明部14を設けた場合を例示したが、他の加熱手段を用いることができる。すなわち、赤外線照明部14は、検査対象物2を加熱するために設けられたものであるため、検査対象物2を加熱するという目的を達成することができる他の加熱手段を採用することができる。他の加熱手段としては、赤外線の他、可視光や紫外線でも可能であり、赤外線照明部14の代わりに、例えば、白色照明光を照射可能な照明部を設けたり、あるいは弱い温風を出力する温風出力部を設けたり、電磁波を照射する電磁波出力部を設けたりすることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、検査対象物2に発生したウイスカ3を検出する手段として、検査対象物2から発せられる赤外線を検出する赤外線画像センサ16を設けた場合を例示したが、他の検出手段を設けることができる。すなわち、赤外線照明部14は、検査対象物2に発生したウイスカ3を検出するために設けられたものであるため、検査対象物2に発生したウイスカ3を検出するという目的を達成することができる他の検出手段を採用することができる。
【0058】
なお、ウイスカは、温まりやすい特性を有する反面、冷めやすいという特性もあるので、検査対象物2に赤外線照明を照射して加熱した後、赤外線照明部14を消灯した後は、時間をおかずに迅速に撮影を行うことが望ましい。また、ウイスカ3が発する赤外線は、検査対象物2のウイスカ3以外の部分(周辺の部分)が発する赤外線よりも、強度が強いとはいえ、その強度は微弱であるので、赤外線画像センサ16は、赤外線に対して十分な感度を有するものを使用することで、より精度の高い検査を行うことができる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1,31,51,71 ウイスカ検査装置, 2 検査対象物, 3 ウイスカ, 11 コントローラ, 12 暗箱, 13 ステージ, 14 赤外線照明部, 15 対物レンズ, 16 赤外線画像センサ, 17 画像処理ユニット, 18 検査結果出力部, 32 パーソナルコンピュータ, 52 モニタ, 61,81 光学フィルタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行う検査装置において、
前記検査対象物を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された前記検査対象物の表面上の前記ウイスカを前記加熱に対する熱応答の差に基づいて検出する検出手段と、
前記検出手段による前記ウイスカの検出結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記加熱手段による前記検査対象物の加熱と、前記検出手段による前記検査対象物の検出のタイミングを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記加熱手段による前記検査対象物の加熱が終了した直後に、前記検出手段による前記ウイスカの検出を開始するようにタイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記検出手段は、画像センサであり、
前記検出手段による検出結果に対応する画像を構成する各画素について、それらの画素の輝度値があらかじめ定められた所定の閾値以上となるか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記検出手段による検出結果に対応する画像を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記画像または、あらかじめ取得しておいた前記検査対象物の画像と、前記検出手段による検出結果に対応する前記ウイスカの画像とを合成する画像処理手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記画像処理手段による合成により得られた画像を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記加熱手段により加熱された前記検査対象物の表面の各領域ごとに、前記検出手段による前記ウイスカの検出結果が得られるように、前記検査対象物を載置したステージの駆動を制御する制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検出手段には、前記加熱手段による加熱により前記検査対象物から発せられる特定の波長の光以外の光を遮断するフィルタが取り付けられており、
前記検出手段は、前記フィルタを透過してくる、前記検査対象物から発せられる前記特定の波長の光を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項7】
前記加熱手段には、特定の波長の光のみを遮断する第1のフィルタが取り付けられ、前記検出手段には、前記特定の波長の光のみを透過させる第2のフィルタが取り付けられており、
前記加熱手段は、前記特定の波長の光以外の波長の光により、前記検査対象物を加熱し、
前記検出手段は、前記特定の波長の光以外の波長の光により加熱された前記検査対象物から発せられる前記特定の波長の光を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項8】
前記加熱手段は、赤外線照明により前記検査対象物を加熱し、
前記検出手段は、前記加熱手段により加熱された前記検査対象物から発せられる赤外線を検出する
ことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行う検査装置の検査方法において、
前記検査対象物を加熱し、
加熱された前記検査対象物の表面上の前記ウイスカを前記加熱に対する熱応答の差に基づいて検出し、
前記ウイスカの検出結果を出力する
ステップを含むことを特徴とする検査方法。
【請求項1】
検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行う検査装置において、
前記検査対象物を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された前記検査対象物の表面上の前記ウイスカを前記加熱に対する熱応答の差に基づいて検出する検出手段と、
前記検出手段による前記ウイスカの検出結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記加熱手段による前記検査対象物の加熱と、前記検出手段による前記検査対象物の検出のタイミングを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記加熱手段による前記検査対象物の加熱が終了した直後に、前記検出手段による前記ウイスカの検出を開始するようにタイミングを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記検出手段は、画像センサであり、
前記検出手段による検出結果に対応する画像を構成する各画素について、それらの画素の輝度値があらかじめ定められた所定の閾値以上となるか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記検出手段による検出結果に対応する画像を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記画像または、あらかじめ取得しておいた前記検査対象物の画像と、前記検出手段による検出結果に対応する前記ウイスカの画像とを合成する画像処理手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記画像処理手段による合成により得られた画像を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記加熱手段により加熱された前記検査対象物の表面の各領域ごとに、前記検出手段による前記ウイスカの検出結果が得られるように、前記検査対象物を載置したステージの駆動を制御する制御手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検出手段には、前記加熱手段による加熱により前記検査対象物から発せられる特定の波長の光以外の光を遮断するフィルタが取り付けられており、
前記検出手段は、前記フィルタを透過してくる、前記検査対象物から発せられる前記特定の波長の光を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項7】
前記加熱手段には、特定の波長の光のみを遮断する第1のフィルタが取り付けられ、前記検出手段には、前記特定の波長の光のみを透過させる第2のフィルタが取り付けられており、
前記加熱手段は、前記特定の波長の光以外の波長の光により、前記検査対象物を加熱し、
前記検出手段は、前記特定の波長の光以外の波長の光により加熱された前記検査対象物から発せられる前記特定の波長の光を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項8】
前記加熱手段は、赤外線照明により前記検査対象物を加熱し、
前記検出手段は、前記加熱手段により加熱された前記検査対象物から発せられる赤外線を検出する
ことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
検査対象物の表面に発生したウイスカの検査を行う検査装置の検査方法において、
前記検査対象物を加熱し、
加熱された前記検査対象物の表面上の前記ウイスカを前記加熱に対する熱応答の差に基づいて検出し、
前記ウイスカの検出結果を出力する
ステップを含むことを特徴とする検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−232112(P2011−232112A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101501(P2010−101501)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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