説明

検査装置

【課題】低コストで、しかもガーディング点特定作業を正確、かつ短時間で行う。
【解決手段】回路基板21上の任意の検査対象体22についてのガーディング候補点を特定可能に構成され、各電気部品の部品情報および各電気部品間の配線情報が記憶された記憶部5と、検査対象体22の部品番号を入力する操作部6と、検査対象体22の部品番号および配線情報に基づき回り込み回路LP1〜LP3を探索する回り込み回路探索処理、回り込み回路LP1〜LP3が複数あるときに部品情報に基づいて各回り込み回路LP1〜LP3のインピーダンスを算出するインピーダンス算出処理、および探索された各回り込み回路LP1〜LP3に複数の電気部品が含まれているときに電気的諸元から求まる各電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点を特定するガーディング候補点特定処理を実行する処理部8とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に実装されている複数の電気部品のうちの任意の1つを検査対象体とする電気的特性検査時においてその検査対象体についてのガーディング点を特定可能に構成された検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の検査装置として、本願発明者は、特開平2−103475号公報に回路基板検査装置を既に開示している。この検査装置では、ガーディングしようとするガード対象部品となる素子(以下、検査対象体ともいう)の例えばHighピンのピン番がキーボードから入力されると、CPUは、まず、その測定ピンと同一のライン上にある、すなわちその測定ピンに電気的に接続されている他の素子の情報を第1のメモリ(被検査プリント基板に実装されている電気部品の情報が記憶されているメモリ)からピックアップして、それを例えば第2のメモリに記憶させる処理を行う。次いで、CPUは、ピックアップされた各素子のインピーダンスを計算する。続いて、CPUは、各素子をインピーダンスの低い順に並べ替えた上で、そのリストをピンコネクションチャートとしてCRTに表示させる。このように各素子をインピーダンスの低い順に並べ替えるのは、一般にインピーダンスの低い素子の方が検査対象体に対する回り込みの影響が大きいと考えられることによる。したがって、オペレータは、CRTに表示されているガード候補ピン(以下、ガーディング候補点ともいう)を例えば上位のものから順にグランド電位に落として、このガーディング候補点を含む回り込み経路への電流の流入を阻止した状態で検査対象体のインピーダンス測定を行い、そのインピーダンスが正確な値に近くなったときに、そのガーディング候補点を正式にガードピン(ガーディング点)として登録する。この結果、ガードピン設定(ガーディング点特定)作業がより短時間のうちに行われる。
【特許文献1】特開平2−103475号公報(第3頁、第1,3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した従来の検査回路では、検査対象体に対する各回り込み経路(検査対象体と並列関係にある回り込み回路)の影響を測定対象体の測定ピンに電気的に接続されている他の素子自体のインピーダンスに基づいて簡易的に判別している。しかしながら、検査対象体に対する各回り込み回路の影響については、他の素子を含む回り込み回路全体のインピーダンスに基づいて判別するのが正確であり、また正確な情報に基づいて判別できる結果、より短時間でガーディング点を特定することができる。したがって、経路(回り込み回路)全体のインピーダンスに基づいて、ガーディング候補点を並べ替えるのが好ましい。
【0004】
また、上記した従来の検査回路では、検査対象体に電気的に接続されている他の電気部品の測定ピンをガーディング候補点として表示している。しかしながら、検査対象体に対して影響を与える各回り込み経路(検査対象体と並列関係にある回り込み回路)中には、複数の素子(電気部品)が通常含まれていて、ガーディング候補点となるべき点がそれぞれに複数存在している。この場合、各回り込み経路において、その中のいずれのガーディング候補点を最終的なガーディング点として選択したとしても、各回り込み経路への電流の流入を阻止することはできるものの、その一方で、いずれのガーディング候補点を最終的なガーディング点として選択するかに応じて、ガーディング点の電位をガーディング用の電位(上記の従来例ではグランド電位)に維持するためにガーディング回路(ガーディング部)によってガーディング点を経由して回り込み経路に供給される電流の電流値が大きく変化する。この場合、回り込み経路への供給電流の電流値を低く抑えることで、例えば定格出力電流の小さい安価な電子部品を使用してガーディング回路を構成できるため、ガーディング回路のコストを低減できる点で好ましい。したがって、回り込み経路への供給電流の電流値を考慮して、この供給電流が最も低くなるガーディング候補点を出力する(表示させる)ようにするのがより好ましい。
【0005】
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、低コストで、しかもガーディング点特定作業を正確、かつ短時間で行い得る検査装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の検査装置は、回路基板に実装されている複数の電気部品のうちの任意の1つを検査対象体とする電気的検査時において当該検査対象体についてのガーディング候補点を特定可能に構成された検査装置であって、前記複数の電気部品についての部品番号、電気的諸元、および一対の端子の各端子番号を含む部品情報、並びに前記各電気部品間の配線情報が記憶された記憶部と、前記検査対象体の前記部品番号を入力する操作部と、前記検査対象体の前記部品番号および前記配線情報に基づいて当該検査対象体と並列関係にある回り込み回路を探索する回り込み回路探索処理、前記探索した回り込み回路が複数あるときに前記部品情報に基づいて当該各回り込み回路のインピーダンスを算出するインピーダンス算出処理、および前記探索した各回り込み回路に複数の前記電気部品が含まれているときに前記電気的諸元から求まる当該各電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点を特定するガーディング候補点特定処理を実行する処理部とを備えている。
【0007】
また、請求項2記載の検査装置は、請求項1記載の検査装置において、前記処理部は、前記ガーディング候補点特定処理において、前記各回り込み回路について前記検査対象体の前記各端子に接続されている2つの電気部品のうちのインピーダンスの小さい一方の電気部品が接続されている当該端子を電流計接続点として特定すると共に、前記一方の電気部品における前記検査対象体に非接続の端子を前記ガーディング候補点として特定する。
【0008】
また、請求項3記載の検査装置は、請求項2記載の検査装置において、前記電流計接続点に所定の電流を供給する電流供給部と、前記検査対象体の両端間電圧を測定する電圧測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている。
【0009】
また、請求項4記載の検査装置は、請求項2記載の検査装置において、前記検査対象体における前記一方の電気部品に非接続の端子に所定の電流を供給する電流供給部と、前記電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、前記検査対象体の両端間電圧を測定する電圧測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている。
【0010】
また、請求項5記載の検査装置は、請求項2記載の検査装置において、前記検査対象体における前記一方の電気部品に非接続の端子に所定の電圧を供給する電圧供給部と、前記電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている。
【0011】
また、請求項6記載の検査装置は、請求項2記載の検査装置において、前記電流計接続点に所定の電圧を供給する電圧供給部と、前記電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている。
【0012】
また、請求項7記載の検査装置は、請求項1から6のいずれかに記載の検査装置において、前記処理部は、前記各回り込み回路についての前記ガーディング候補点を当該各回り込み回路の前記インピーダンスの小さい順に並べ替える並べ替え処理を実行する。
【0013】
また、請求項8記載の検査装置は、請求項1から6のいずれかに記載の検査装置において、前記処理部は、前記各回り込み回路についての前記ガーディング候補点を当該各回り込み回路の前記インピーダンスの大きさに基づいて並べ替えて出力する出力処理を実行する。
【0014】
また、請求項9記載の検査装置は、請求項8記載の検査装置において、前記処理部は、前記出力処理において前記並べ替えた結果を表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の検査装置では、処理部が、検査対象体と並列関係にある回り込み回路を探索すると共に、回り込み回路が複数あるときに、探索した回り込み回路のインピーダンスを算出し、さらに探索した各回り込み回路に複数の電気部品が含まれているときに電気的諸元から求まる電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点を回り込み回路毎に特定する。したがって、この検査装置によれば、例えば、インピーダンスが最も小さい回り込み回路のガーディング候補点を選択することで、検査対象体の検査に対して一層多くの影響を与える回り込み回路のガーディング候補点を正確、かつ短時間で特定することができる。また、この特定したガーディング候補点にガーディング電圧を供給することにより、この特定したガーディング候補点を含む回り込み回路への所定の電流の流入(回り込み)を阻止できるため、検査対象体の電気的特性をより正確、かつ短時間で測定することができ、ひいては回路基板に対する検査を正確、かつ短時間で実行することができる。
【0016】
また、探索した各回り込み回路に複数の電気部品が含まれているときに、電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点を特定することにより、ガーディング候補点にガーディング電圧を供給する(ガーディング候補点をガーディング電圧に維持する)ガーディング部の負荷がより軽くなる点をガーディング候補点として特定することができる。このため、例えば定格出力電流(定格シンク/ソース電流)の小さい安価な電子部品(一例として演算増幅器)を用いてガーディング部を構成できる結果、ガーディング部のコストを低減することができ、ひいては検査装置全体のコストを低減することができる。
【0017】
請求項2記載の検査装置によれば、処理部が、ガーディング候補点特定処理において、各回り込み回路について検査対象体の各端子に接続されている2つの電気部品のうちのインピーダンスの小さい一方の電気部品が接続されている検査対象体の端子を電流計接続点として特定すると共に、一方の電気部品における検査対象体に非接続の端子をガーディング候補点として特定することにより、ガーディング候補点にガーディング電圧を供給する(ガーディング候補点をガーディング電圧に維持する)ガーディング部の負荷が最も軽くなる点、つまりガーディング点を含む回り込み回路へのガーディング部からの供給電流の電流値を常に最小にできる点をガーディング候補点として特定することができる。
【0018】
請求項3記載の検査装置によれば、電流計接続点に所定の電流を供給する電流供給部と、検査対象体の両端間電圧を測定する電圧測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、その入力端子が電流計接続点に接続されると共にその出力端子がガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えたことにより、処理部によって特定された各回り込み回路の電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、他の装置を別途用意することなく、検査装置単体で、電流供給部から検査対象体に対して所定の電流を供給し、かつ検査対象体の電気的特性の測定に与える影響のより大きな回り込み回路へのこの所定の電流の回り込みを防止しつつ、この所定の電流の電流値と電圧測定部で測定した検査対象体の両端間電圧とに基づいて、所定の電流の供給時における検査対象体の電気的特性を測定することができる。また、電流供給部で生成された所定の電流をより多く検査対象体に供給することができる結果、電流供給部によって生成された定電流がすべて検査対象体に流れるとみなしたとしても、検査対象体の電気的特性をより正確に測定することができる。このため、検査対象体に流れる電流を測定するための電流計を備えることなく簡易に構成することができる結果、検査装置のコストを十分に低減することができる。
【0019】
請求項4記載の検査装置によれば、検査対象体における一方の電気部品に非接続の端子に所定の電流を供給する電流供給部と、電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、検査対象体の両端間電圧を測定する電圧測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、その入力端子が電流計接続点に接続されると共にその出力端子がガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えたことにより、処理部によって特定された各回り込み回路の電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、他の装置を別途用意することなく、検査装置単体で、電流供給部から検査対象体に対して所定の電流を供給し、かつ検査対象体の電気的特性の測定に与える影響のより大きな回り込み回路へのこの所定の電流の回り込みを防止しつつ、電流測定部で測定した電流の電流値と電圧測定部で測定した検査対象体の両端間電圧に基づいて、所定の電流の供給時における検査対象体の電気的特性を測定することができる。
【0020】
請求項5記載の検査装置によれば、検査対象体における一方の電気部品に非接続の端子に所定の電圧を供給する電圧供給部と、電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、その入力端子が電流計接続点に接続されると共にその出力端子がガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えたことにより、処理部によって特定された各回り込み回路の電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、他の装置を別途用意することなく、検査装置単体で、電圧供給部から検査対象体に対して所定の電圧を供給(印加)し、かつ検査対象体の電気的特性の測定に与える影響のより大きな回り込み回路への電流の回り込みを防止しつつ、電流測定部で測定した電流の電流値と電圧供給部から供給されている所定の電圧の電圧値とに基づいて、電圧計(電圧測定部)を用いない簡易な構成でありながら、所定の電圧供給時(印加時)における検査対象体の電気的特性を確実に測定することができる。
【0021】
請求項6記載の検査装置によれば、電流計接続点に所定の電圧を供給する電圧供給部と、電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、その入力端子が電流計接続点に接続されると共にその出力端子がガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えたことにより、処理部によって特定された各回り込み回路の電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、他の装置を別途用意することなく、検査装置単体で、電圧供給部から検査対象体に対して所定の電圧を供給(印加)し、かつ検査対象体の電気的特性の測定に与える影響のより大きな回り込み回路への電流の回り込みを防止しつつ、電流測定部で測定した電流の電流値と電圧供給部から供給されている所定の電圧の電圧値とに基づいて、電圧計(電圧測定部)を用いない簡易な構成でありながら、所定の電圧供給時(印加時)における検査対象体の電気的特性を確実に測定することができる。
【0022】
請求項7記載の検査装置によれば、処理部が各回り込み回路についてのガーディング候補点を各回り込み回路のインピーダンスの小さい順に並べ替える並べ替え処理を実行することにより、検査対象体への影響のより大きな回り込み回路に含まれているガーディング候補点を明確に特定することができる。
【0023】
請求項8および9記載の検査装置によれば、処理部が各回り込み回路についてのガーディング候補点をインピーダンスの大きさに基づいて並べ替えて、例えば表示部に表示させるなどして出力することにより、この出力されるガーディング候補点を確認する(表示させる場合には視認する)ことができ、これにより、ガーディング候補点を明確に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る検査装置の最良の形態について説明する。
【0025】
最初に、検査装置1の構成について説明する。
【0026】
検査装置1は、図1に示すように、電流供給部2、ガーディング部3、電圧測定部4、記憶部5、操作部6、表示部7、および処理部8を備え、所定の電流(例えば定電流I1)の供給時における検査対象体22の電気的特性を測定可能に構成されている。電流供給部2は、処理部8の制御下で、所定の電流(例えば、電流値が既知の定電流I1)を生成する定電流回路として構成されている。また、電流供給部2は、生成した定電流I1を出力プローブ11とリターンプローブ12との間に出力する。ガーディング部3は、一例として、同図に示すように、演算増幅器3aを用いたボルテージフォロワ回路で構成されている。この構成により、ガーディング部3は、入力端子(演算増幅器3aの非反転端子)に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子(演算増幅器3aの出力端子)から出力する機能を有している。また、ガーディング部3は、その入力端子が出力プローブ11に接続されて、出力プローブ11から出力される電圧V1と同じ電圧値のガーディング電圧V2をガーディングプローブ13に出力する。
【0027】
電圧測定部4は、一対の電圧検出プローブ14,15間の電位差(電圧V3)を検出すると共に、検出した電圧V3の電圧値D1を出力する。記憶部5は、例えばROMおよびRAM等の半導体メモリで構成されて、回路基板21に実装されている複数の電気部品すべてについての部品番号Dp、電気的諸元、および一対の端子の各端子番号を含む部品情報D2、並びに各電気部品間の配線情報D3を記憶する。ここで、配線情報D3とは、いわゆるネットリストとして機能するものであり、すべての電気部品のすべての端子の各々にどの電気部品のどの端子が配線パターンのみを介して接続(直接接続)されているかを示す接続情報である。また、記憶部5は、処理部8の動作を規定するプログラム、および電流供給部2が生成する定電流I1の既知の電流値を記憶する。
【0028】
操作部6は、例えばキーボードで構成されて、回路基板に実装されている複数の電気部品のうちの任意の1つを検査対象体22として、この検査対象体22の部品番号Dpを入力可能に構成されている。また、操作部6は、処理部8に対して検査対象体22の電気的特性(例えばインピーダンスZ)を測定させるための測定指示Dmを入力可能に構成されている。表示部7は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)を用いて構成されて、処理部8によって出力された出力情報Do(例えば電流計接続点やガーディング候補点となる端子番号)を視認可能に表示する。なお、LCDに代えて、CRTなどで表示部7を構成することもできる。また、プリンタなどの印字装置を用いて表示部7を構成することもできる。処理部8は、CPUや内部メモリ(いずれも図示せず)を備えて構成されて、記憶部5に記憶されているプログラムに従い、後述するガーディング候補点出力処理(回り込み回路探索処理、インピーダンス算出処理、ガーディング候補点特定処理、および出力処理)を実行する。また、処理部8は、操作部6から測定指示Dmを入力したときには、測定処理を実行して、検査対象体22のインピーダンスZを測定する。
【0029】
次に、検査装置1の動作について、処理部8によるガーディング候補点出力処理および測定処理を中心にして説明する。
【0030】
検査装置1では、操作部6に対する操作により、操作部6から処理部8に検査対象体とする電気部品(検査対象体22)の部品番号Dp(一例として「P0」)が入力されたときには、処理部8は、図3に示すガーディング候補点出力処理を実行する。
【0031】
このガーディング候補点出力処理では、処理部8は、まず、回り込み回路探索処理を実行して、検査対象体22の部品番号Dp(「P0」)と、記憶部5に記憶されている部品情報D2および配線情報D3とに基づいて、検査対象体22と並列関係にある(並列接続されている)回り込み回路を探索する(ステップ101)。なお、ガーディング候補点出力処理の理解を容易にするため、以下では、一例として、図1に示すように、回路基板に実装されている電気部品は抵抗のみであるとして説明する。また、同図において、各抵抗のシンボルの下側に付した数値は抵抗値を現している。なお、以下に参照する図5〜7でも同様とする。この回り込み回路探索処理では、処理部8は、部品番号Dp(「P0」)によって特定された検査対象体22としての抵抗(以下、「抵抗P0」ともいう)の一対の端子(端子番号P0−1,P0−2)のうちの一方の端子(例えば端子番号P0−1)が一端となり、他方の端子(例えば端子番号P0−2)が他端となる回り込み回路の回路数を配線情報D3に基づいてすべて探索する。また、処理部8は、回り込み回路を探索する都度、探索した回り込み回路についての回路情報(例えば、端子番号P0−1から端子番号P0−2に向けて順次直列に接続されている複数の電気部品の部品番号およびその端子番号を特定可能な記号をこの順に並べたもの)と、その回り込み回路を特定する識別情報とを組にして記憶部5の所定領域に順次記憶させる。本例では、一例として、電気部品の部品番号およびその端子番号を特定可能な記号として、各電気部品の部品番号(「P0」,「P1」,「P2」,・・)と、端子番号を示す数値(1または2)とを、記号「−」で結合したものを用いる。
【0032】
この際に、処理部8は、検査対象体22(一例として抵抗P0)に対して他の電気部品(抵抗P1〜P9)が図1に示すように接続されている場合、回り込み回路探索処理を実行することにより、まず、検査対象体22(抵抗P0)の一方の端子(端子番号P0−1)に接続されている端子(端子番号P1−1)を探索し、次いで、この端子(端子番号P1−1)を有する抵抗P1の他の端子(端子番号P1−2)に接続されている端子(端子番号P2−1)を探索し、続いて、この端子(端子番号P2−1)を有する抵抗P2の他の端子(端子番号P2−2)に接続されている端子(端子番号P3−1)を探索するという処理を、検査対象体22の他方の端子(端子番号P0−2)に到達するまで繰り返す。これにより、処理部8は、抵抗P1を含む回り込み回路については、図2に示すように、その回路情報「P0−1,P1−1,P1−2,P2−1,P2−2,P3−1,P3−2,P0−2」を識別情報「LP1」と共に記憶部5の所定領域に記憶する。同様にして、処理部8は、抵抗P4を含む回り込み回路についての回路情報「P0−1,P4−1,・・・,P5−2,P0−2」を識別情報「LP2」と共に記憶部5の所定領域に記憶し、抵抗P6を含む回り込み回路についての回路情報「P0−1,P6−1,・・・,P9−2,P0−2」を識別情報「LP3」と共に記憶部5の所定領域に記憶する。
【0033】
次いで、処理部8は、回り込み回路探索処理において探索した回り込み回路の回路数をカウントする(ステップ102)。この結果、回路数が0個のとき(回り込み回路が存在しないとき)には、処理部8は、インピーダンス算出処理(ステップ103)およびガーディング候補点特定処理(ステップ104)を実行せずに出力処理(ステップ105)に移行して、出力情報Doとして例えば「ガーディング不要」の文字列を示す情報を表示部7に出力して、表示部7に「ガーディング不要」の文字を表示させた後に、ガーディング候補点出力処理を終了する。
【0034】
一方、ステップ102でのカウントの結果、回路数が複数個のときには、処理部8は、インピーダンス算出処理(ステップ103)およびガーディング候補点特定処理(ステップ104)を実行した後に出力処理(ステップ105)に移行し、各回り込み回路についてのガーディング候補点(ガーディングプローブ13を接続する端子)および電流計接続点(出力プローブ11を接続する端子)をインピーダンス順に表示部7に表示させて、ガーディング候補点出力処理を終了する。他方、回路数が1個のときには、処理部8は、インピーダンス算出処理(ステップ103)を実行せずに、ガーディング候補点特定処理(ステップ104)を実行した後に出力処理(ステップ105)に移行し、1つの回り込み回路についてのガーディング候補点を表示部7に表示させて、ガーディング候補点出力処理を終了する。
【0035】
本例では、上記したように識別情報(LP1,LP2,LP3)が付された3つの回り込み回路(以下、「回り込み回路LP1」、「回り込み回路LP2」、「回り込み回路LP3」ともいう)が存在しているため、処理部8は、ステップ102でのカウント後に、インピーダンス算出処理を実行する(ステップ103)。このインピーダンス算出処理では、処理部8は、回り込み回路探索処理において探索した各回り込み回路LP1,LP2,LP3についての全体としてのインピーダンスを、各回り込み回路LP1,LP2,LP3の回路情報(図2参照)と記憶部5に記憶されている部品情報D2とに基づいて算出し、算出したインピーダンスを各回り込み回路に対応させて図2に示すように記憶部5に記憶させる。
【0036】
具体的に、回り込み回路LP1を例に挙げて説明すると、処理部8は、図2に示す回り込み回路LP1の回路情報に基づいて、検査対象体22の一方の端子(端子番号P0−1)と他方の端子(端子番号P0−2)との間に、抵抗P1,P2,P3がこの順に直列に接続されて回り込み回路LP1が構成されていると判別する。次いで、処理部8は、部品情報D2の中から各抵抗P1,P2,P3についての電気的諸元(本例ではそれぞれ抵抗値100Ω,100Ω,200Ω)を読み出し、抵抗P1,P2,P3の各抵抗値を加算することにより、回り込み回路LP1のインピーダンス(抵抗値:400Ω)を算出する。続いて、処理部8は、算出した回り込み回路LP1のインピーダンスを、図2に示すように、回り込み回路LP1に対応させて(識別情報LP1に対応させて)、記憶部5に記憶させる。また、処理部8は、他の回り込み回路LP2,LP3についても同様にしてインピーダンスを算出して記憶部5に記憶させる。本例では、抵抗P4,P5の各抵抗値が400Ω,100Ωであり、抵抗P6,P7,P8,P9の各抵抗値が5Ω,5Ω,8Ω,10Ωであるため、回り込み回路LP2,LP3の各インピーダンスとして、500Ωおよび28Ωをそれぞれ記憶部5に記憶させる。
【0037】
次いで、処理部8は、ガーディング候補点特定処理を実行する(ステップ104)。このガーディング候補点特定処理では、処理部8は、まず、各回り込み回路LP1,LP2,LP3について、複数の電気部品(本例では抵抗)でそれぞれ構成されているか否かを判別する。この結果、回り込み回路が1つの抵抗で構成されているときには、この回り込み回路に対してはガーディング候補点の設定を行うことができない。このため、処理部8は、ガーディング候補点特定処理の結果として、「候補点なし」を示す情報を回り込み回路の識別番号に対応させて記憶部5に記憶させる。
【0038】
一方、回り込み回路が複数の抵抗で構成されているときには、この回り込み回路に対してはガーディング候補点の設定が可能である。このため、処理部8は、電流計接続点およびガーディング候補点の特定を行い、特定した電流計接続点の情報(出力プローブ11を接続する端子番号)およびガーディング候補点の情報(ガーディングプローブ13を接続する端子番号)を回り込み回路に対応させて記憶部5に記憶させる。
【0039】
具体的に、回り込み回路LP1を例に挙げて説明すると、処理部8は、図2に示す回り込み回路LP1の回路情報に基づき、検査対象体22の各端子(端子番号P0−1,P0−2)に接続されている2つの電気部品(抵抗P1,P3)のうちのインピーダンスの小さい一方の電気部品(本例では抵抗P1)が接続されている端子(端子番号P0−1)を電流計接続点として特定する。次いで、処理部8は、上記のインピーダンスの小さい一方の電気部品(抵抗P1)における検査対象体22に非接続の(接続されていない)端子(端子番号P1−2)をガーディング候補点として特定する。続いて、処理部8は、電流計接続点の情報(端子番号P0−1)およびガーディング候補点の情報(端子番号P1−2)を、図2に示すように回り込み回路LP1の識別情報(「LP1」)に対応させて記憶部5に記憶させる。
【0040】
また、処理部8は、他の回り込み回路LP2,LP3についても同様にして、電流計接続点およびガーディング候補点の特定を行う。本例では、回り込み回路LP2については、抵抗P5の方が抵抗P4よりもインピーダンスが小さいため、処理部8は、検査対象体22の端子(端子番号P0−2)を電流計接続点として、また抵抗P5の端子(端子番号P5−1)をガーディング候補点としてそれぞれ特定して、これらの情報を、図2に示すように回り込み回路の識別情報LP2に対応させて記憶部5に記憶させる。また、回り込み回路LP3については、抵抗P6の方が抵抗P9よりもインピーダンスが小さいため、処理部8は、検査対象体22の端子(端子番号P0−1)を電流計接続点として、また抵抗P6の端子(端子番号P6−2)をガーディング候補点としてそれぞれ特定して、これらの情報を、図2に示すように回り込み回路の識別情報LP3に対応させて記憶部5に記憶させる。
【0041】
最後に、処理部8は、出力処理を実行する(ステップ105)。この出力処理では、処理部8は、まず、各回り込み回路についての電流計接続点およびガーディング候補点についての情報を記憶部5から読み出すと共に、各回り込み回路のインピーダンスの大きさに基づいて並べ替える(本例ではインピーダンスの小さい順に並べ替える)並べ替え処理を実行する。次いで、処理部8は、並べ替えられた電流計接続点およびガーディング候補点についての情報をインピーダンスと共に、検査対象体22の情報も含めて出力情報Doとして表示部7に出力する。これにより、表示部7には、図4に示すように、インピーダンスの小さい順(回り込み回路LP3,LP1,LP2の順)に、すなわち、検査対象体22の電気的特性を測定する際の定電流I1の流入(回り込み)の大きい順に、各回り込み回路LP1〜LP3についての電流計接続点、ガーディング候補点およびインピーダンスが、検査対象体22の情報と共に表示される。なお、ガーディング候補点が存在しない回り込み回路については、この回り込み回路を抜かして並べ替えを行う。これにより、処理部8は、ガーディング候補点出力処理を完了する。なお、本例のように、電流計接続点およびガーディング候補点についての情報をインピーダンスと共に出力する構成においては、出力されたインピーダンスを比較することにより、電流の回り込みの大きい回り込み回路についての電流計接続点およびガーディング候補点を容易に特定することができる。このため、インピーダンスも併せて出力する構成では、上記の並べ替え処理を実行しない構成を採用することもできる。また、インピーダンスに基づく並べ替え処理を実行する構成では、並べ替えを小さい順および大きい順のいずれで実行するのかを予め規定しておくか、または「小さい順」または「大きい順」を示す文字や記号を併せて出力することにより、並べられた電流計接続点およびガーディング候補点の列の先端側および後端側のいずれが最もインピーダンスの小さい回り込み回路についてのものなのかを認識できるため、インピーダンスを出力(表示)しない構成を採用することもできる。
【0042】
なお、ステップ102でのカウントの結果、回路数が1個のときには、複数のときとは異なり、インピーダンス順での並べ替えは不要である。このため、処理部8は、インピーダンス算出処理(ステップ103)を実行せずに、ガーディング候補点特定処理(ステップ104)を実行した後に出力処理(ステップ105)に移行し、この1つの回り込み回路についてのガーディング候補点を表示部7に表示させて、ガーディング候補点出力処理を終了する。
【0043】
次に、検査装置1を使用して検査対象体22の電気的特性を測定する測定処理について説明する。
【0044】
上記したように、表示部7には、インピーダンスの低い順で、各回り込み回路についての電流計接続点およびガーディング候補点がインピーダンスと共に表示されている。このため、オペレータは、検査対象体22の電気的特性を測定する際に、表示部7に表示されている情報に基づき、1番目の電流計接続点(端子番号P0−1)およびガーディング候補点(端子番号P6−2)の組を選択することにより、定電流I1の流入(回り込み)の最も大きいと考えられる回り込み回路、つまりガーディング電圧V2を供給(印加)すべきガーディング候補点(ガーディング点)を含む回り込み回路(本例では回り込み回路LP3)を容易に特定することができる。
【0045】
オペレータは、このインピーダンスの最も小さい回り込み回路LP3に対応する電流計接続点(検査対象体22の一方の端子)に出力プローブ11を接続し、検査対象体22の他方の端子にリターンプローブ12を接続する。また、ガーディングプローブ13をガーディング候補点に接続し、一対の電圧検出プローブ14,15を検査対象体22の各端子に接続する。本例では、インピーダンスの最も小さい回り込み回路は回り込み回路LP3であるから、図1に示すように、この回り込み回路LP3についてのガーディング候補点(端子番号P6−2)にガーディングプローブ13を接続する。また、本例では、検査装置1には電流計は存在しないが、電流供給部2が電流値については既知の定電流I1を生成して検査対象体22に供給し、この定電流I1がすべて検査対象体22に流れるものとして検査対象体22の電気的特性を測定する構成のため、電流供給部2が一種の電流計として機能している。このため、図1に示すように、電流供給部2の出力プローブ11を電流計接続点(端子番号P0−1)に接続する。一方、電流供給部2が電流値については未知の定電流I1を生成して検査対象体22に供給する構成では、出力プローブ11および演算増幅器3aの接続点と電流供給部2との間、または電流供給部2とグランド電位との間に電流計を接続する。
【0046】
次いで、オペレータが、操作部6を操作して測定指示Dmを処理部8に出力する。これにより、処理部8は、電流供給部2に対して定電流I1の出力を開始させる。また、処理部8は、検査対象体22の電気的特性(インピーダンスZ)を測定する測定処理を開始する。一方、電圧測定部4は、電流計接続点(端子番号P0−1)への定電流I1に起因して検査対象体22の両端に発生する電圧V3を電圧検出プローブ14,15を介して検出し、検出した電圧V3の電圧値D1を処理部8に出力する。このため、処理部8は、この電圧V3の電圧値D1と、定電流I1の既知の電流値とに基づいて、検査対象体22(抵抗P0)のインピーダンスZ(抵抗値)を算出し、算出したインピーダンスZを出力情報Doとして表示部7に出力する。これにより、検査対象体22のインピーダンスZを測定する測定処理が完了する。
【0047】
この際に、ガーディングプローブ13を介してガーディング候補点(端子番号P6−2)に供給されているガーディング電圧V2は、出力プローブ11の電圧V1と同一の電圧値となるようにガーディング部3によって維持されている。したがって、抵抗P6の両端子が同電位となり、これにより、回り込み回路LP3への定電流I1の流入(回り込み)が阻止される。このようにして、各回り込み回路LP1〜LP3のうちで最もインピーダンスが小さいために検査対象体22についての電気的特性の測定に際して最も影響を与える可能性の高い回り込み回路LP3への定電流I1の流入(回り込み)が阻止されることにより、定電流I1の一部が電流I2,I4として他の回り込み回路LP1,LP2に若干は流入するものの、回り込み回路LP3にも流入するのと比較して、回り込み回路LP1〜LP3全体への定電流I1の分流が大幅に低減されている。このため、上記の測定処理において、検査対象体22に流れる電流I3が定電流I1と等しいとして検査対象体22のインピーダンスZを測定したときであっても、ある程度正確にインピーダンスZが測定される。
【0048】
また、処理部8が、回り込み回路LP3についての電流計接続点を端子番号P0−1に特定すると共に、ガーディング候補点を抵抗P6の端子(端子番号P6−2)に特定したことにより、電流計接続点を検査対象体22の他の端子番号P0−2に特定すると共にガーディング候補点を抵抗P9の端子(端子番号P9−1)に特定するのと比較して、ガーディング部3の負荷が低減される。具体的には、ガーディング部3がガーディング候補点(端子番号P6−2)の電圧をガーディング電圧V2(=V1)に維持する際に、ガーディング部3からガーディング候補点(端子番号P6−2)を介して回り込み回路LP3に供給される電流I5が流れる経路に位置している抵抗(つまりガーディング部3の負荷)は、後者のときには、抵抗P6,P7,P8であってその合計抵抗値が18Ωとなる。これに対して、前者のときには、抵抗P7,P8,P9であってその合計抵抗値が23Ωとなる。このため、ガーディング部3の負荷が低減されている。
【0049】
なお、引き続き、ガーディング電圧V2を供給する回り込み回路を変更して検査対象体22の電気的特性を測定するときには、表示部7の表示内容(図4参照)に基づき、2番目の電流計接続点(端子番号P0−1)およびガーディング候補点(端子番号P1−2)の組を選択して、出力プローブ11、リターンプローブ12およびガーディングプローブ13の接続位置を変更する。この場合、電流計接続点(端子番号P0−1)は、回り込み回路LP3のときと変わらないため、出力プローブ11およびリターンプローブ12はその状態のままに維持する。一方、ガーディングプローブ13は新たなガーディング候補点(端子番号P1−2)に接続し直す。また、さらにガーディング電圧V2を供給する回り込み回路を変更するときには、表示部7の表示内容(図4参照)に基づき、3番目の電流計接続点(端子番号P0−2)およびガーディング候補点(端子番号P5−1)の組を選択して、出力プローブ11、リターンプローブ12およびガーディングプローブ13の接続位置を変更する。この場合には、出力プローブ11およびリターンプローブ12の接続位置を入れ換える。また、ガーディングプローブ13については新たなガーディング候補点(端子番号P5−1)に接続し直す。
【0050】
これらいずれの場合においても、表示部7の表示内容(図4参照)に基づいて、電流計接続点およびガーディング候補点を選択して、出力プローブ11、リターンプローブ12およびガーディングプローブ13の接続点を特定することにより、ガーディング部3の負荷を軽減しつつ、ガーディングプローブ13によってガーディング電圧V2が供給される回り込み回路への定電流I1の流入を阻止した状態で、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる。
【0051】
このように、この検査装置1によれば、処理部8が、検査対象体22と並列関係にある回り込み回路LP1〜LP3を探索すると共に、回り込み回路が複数あるときに探索した回り込み回路LP1〜LP3のインピーダンスを部品番号Dpに基づいて算出し、探索した各回り込み回路LP1,LP2,LP3に複数の電気部品が含まれているときに電気的諸元から求まる電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点(P1−2,P5−1,P6−2)を回り込み回路LP1,LP2,LP3毎に特定することにより、例えばインピーダンスが最も小さい回り込み回路LP3のガーディング候補点(端子番号P6−2)を選択することで、検査対象体22の検査に対して一層多くの影響を与える回り込み回路LP3のガーディング候補点(端子番号P6−2)を正確、かつ短時間で特定することができる。したがって、この特定したガーディング候補点(端子番号P6−2)にガーディング電圧V2を供給することにより、この特定したガーディング候補点(端子番号P6−2)を含む回り込み回路LP3への定電流I1の流入(回り込み)を阻止できるため、検査対象体22の電気的特性(インピーダンスZ)をより正確、かつ短時間で測定することができ、ひいては回路基板21に対する検査を正確、かつ短時間で実行することができる。
【0052】
また、この検査装置1によれば、探索した各回り込み回路に複数の電気部品が含まれているときに、処理部8が、電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点を特定することにより、ガーディング候補点にガーディング電圧V2を供給する(ガーディング候補点をガーディング電圧V2に維持する)ガーディング部3の負荷がより軽くなる点をガーディング候補点として特定することができる。このため、例えば定格出力電流(定格シンク/ソース電流)の小さい安価な電子部品(一例として演算増幅器)を使用してガーディング部3を構成できる結果、ガーディング部3のコストを低減することができ、ひいては検査装置1全体のコストを低減することができる。
【0053】
また、この検査装置1によれば、処理部8が、ガーディング候補点特定処理において、各回り込み回路LP1〜LP3について検査対象体22の各端子(端子番号P0−1,P0−2で示される各端子)に接続されている2つの電気部品のうちのインピーダンスの小さい一方の電気部品が接続されている検査対象体22の端子を電流計接続点として特定すると共に、一方の電気部品における検査対象体22に非接続の端子をガーディング候補点として特定することにより、オペレータは、ガーディング候補点にガーディング電圧V2を供給するガーディング部3の負荷が最も軽くなる点、つまりガーディング候補点を含む回り込み回路へのガーディング部3からの供給電流(電流I5)の電流値を常に最小にできる点をガーディング候補点として特定することができる。
【0054】
また、この検査装置1によれば、電流計接続点に所定の電流(一例として電流値が既知の定電流I1)を供給する電流供給部2と、検査対象体22の両端間電圧を測定する電圧測定部4と、入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、その入力端子が電流計接続点に接続されると共にその出力端子がガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部3とを備えたことにより、処理部8によって特定された各回り込み回路LP1〜LP3の電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、他の装置を別途用意することなく、検査装置1単体で、電流供給部2から検査対象体22に対して定電流I1を供給し、かつ検査対象体22のインピーダンスZの測定に与える影響のより大きな回り込み回路へのこの定電流I1の流入(回り込み)を防止しつつ、この定電流I1の電流値と電圧測定部4で測定した検査対象体22の両端間電圧(電圧V3)とに基づいて、検査対象体22に所定の電流(一例として定電流)の供給時におけるインピーダンスZを測定することができる。また、電流供給部2で生成された定電流I1をより多く検査対象体22に供給することができる結果、電流供給部2によって生成された定電流I1が検査対象体22に流れる電流であるとみなしたとしても、検査対象体22のインピーダンスZをより正確に測定することができる。したがって、検査対象体22に流れる電流I3を測定するための電流計を備えることなく簡易に構成することができる結果、検査装置1のコストを十分に低減することができる。
【0055】
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、検査装置1では、上記したように、電流供給部2によって生成される定電流I1の電流値が既知であるとして、この既知の電流値等を用いて検査対象体22のインピーダンスZを算出することで、電流計を不要とする構成を採用しているが、電流供給部2によって生成される定電流I1の電流値が未知のときには、例えば、図1に示す検査装置1において、電流供給部2の出力プローブ11側に電流供給部2と直列に電流計を配設する構成や、電流供給部2のグランド電位側に電流供給部2と直列に電流計を配設する構成を採用することもできる。この構成では、この電流計を用いて、電流計接続点(端子番号P0−1)に流れる電流の電流値を測定する。
【0056】
また、上記した検査装置1では、電流供給部2を電流計として用いたり、電流供給部2側に電流計を配設したりして、電流計接続点としての検査対象体22の一方の端子(端子番号P0−1)側に電流供給部2(および電流計)を配設する構成を採用しているが、図5に示す検査装置1Aのように、検査対象体22の他方の端子(本発明における一方の電気部品に非接続の端子:端子番号P0−2)側に電流供給部2を接続する構成を採用することもできる。以下、検査装置1Aの構成について同図を参照して説明する。なお、検査装置1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0057】
検査装置1Aは、電流供給部2、ガーディング部3、電圧測定部4、記憶部5、操作部6、表示部7、処理部8および電流計(電流測定部)9を備えている。この場合、電流計9は、リターンプローブ12とグランド電位との間に配設されている。また、電流計9は、リターンプローブ12(電流計接続点)を流れる電流の電流値D4を検出して処理部8に出力する。ガーディング部3は、その入力端子がリターンプローブ12に接続されている。一方、検査装置1Aの検査対象となる回路基板21は、図1に示す回路基板21と同一のものであるが、説明の理解を容易にするため、回り込み回路LP3以外の回り込み回路LP1,LP2については記載を省略している。
【0058】
この検査装置1Aにおいても、検査対象体22を回路基板21の抵抗P0としたときには、回路基板21が同じであるため、処理部8がガーディング候補点出力処理を行うことにより、検査装置1と同様にして、電流計接続点およびガーディング候補点の情報が図4に示すように表示部7に表示される。このため、オペレータは、表示部7に表示されている情報に基づき、定電流I1の流入(回り込み)の最も大きいと考えられる回り込み回路(インピーダンスが最小となる回り込み回路)、つまりガーディング電圧V2を供給すべき回り込み回路LP3についての電流計接続点およびガーディング候補点を正確、かつ短時間で特定することができる。
【0059】
また、オペレータは、表示部7に表示されている電流計接続点およびガーディング候補点のうちの、インピーダンスの最も小さい回り込み回路LP3に対応する電流計接続点(端子番号P0−1)に電流計9の接続されたリターンプローブ12を接続し、ガーディング候補点(端子番号P6−2)にガーディングプローブ13を接続し、さらに検査対象体22における電流計9が接続される端子(電流計接続点)とは異なる端子(端子番号P0−2)に出力プローブ11を接続する。これにより、検査装置1と同様にして、ガーディング候補点(端子番号P6−2)には、ガーディング部3から電流計接続点の電圧V4と同一電圧のガーディング電圧V2が供給されるため、この特定したガーディング候補点を含む回り込み回路LP3への定電流I1の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる。また、図5に示すように、検査装置1Aにおいても、検査装置1と同様にして、回り込み回路LP3における電流I5が流れる経路に位置している抵抗(ガーディング部3の負荷)は、抵抗P7,P8,P9であってその合計抵抗値が23Ωとなるため、ガーディング部3の負荷を低減することができる。
【0060】
なお、引き続き、ガーディング電圧V2を供給する回り込み回路を変更して検査対象体22の電気的特性を測定するときには、表示部7の表示内容(図4参照)に基づき、次の電流計接続点にリターンプローブ12を接続し、それに対応する次のガーディング候補点にガーディングプローブ13を接続し、さらに電流計接続点となっていない検査対象体22の他の端子に出力プローブ11を接続する。これにより、上記した回り込み回路LP3のときと同様にして、ガーディング候補点を含む回り込み回路への定電流I1の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる
【0061】
また、上記の検査装置1,1Aでは、所定の電流(定電流I1)を流した状態で検査対象体22の電気的特性を測定しているが、図6,7に示す検査装置1B,1Cのように、所定の電圧(定電圧)を印加した状態で検査対象体22の電気的特性を測定する構成を採用することもできる。なお、検査装置1B,1Cの検査対象となる回路基板21は、図1に示されている回路基板21と同一であるが、説明の理解を容易にするため、図6,7においては、回り込み回路LP3以外の回り込み回路LP1,LP2については記載を省略している。
【0062】
まず、検査装置1Bについて説明する。なお、検査装置1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。この検査装置1Bは、図6に示すように、電圧供給部10、ガーディング部3、記憶部5、操作部6、表示部7、処理部8および電流計9を備えている。この場合、電圧供給部10は、処理部8の制御下で、電圧値が既知の定電圧V5を生成する。また、電圧供給部10には、出力プローブ11が接続されている。
【0063】
検査装置1Bにおいても、検査対象体22を回路基板21の抵抗P0としたときには、回路基板21が同じであるため、処理部8がガーディング候補点出力処理を行うことにより、検査装置1と同様にして、電流計接続点およびガーディング候補点の情報が図4に示すように表示部7に表示される。このため、オペレータは、表示部7に表示されている情報に基づき、電流I6の流入(回り込み)の最も大きいと考えられる回り込み回路、つまりガーディング電圧V2を供給すべき回り込み回路LP3についての電流計接続点およびガーディング候補点を正確、かつ短時間で特定することができる。
【0064】
また、オペレータは、表示部7に表示されている電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、検査装置1Aと同様にして、特定した電流計接続点(例えば、端子番号P0−1)にリターンプローブ12を接続し、特定したガーディング候補点(例えば、端子番号P6−2)にガーディングプローブ13を接続し、さらに検査対象体22における電流計9が接続される端子(電流計接続点)とは異なる端子(端子番号P0−2)に出力プローブ11を接続する。これにより、検査装置1Aと同様にして、この特定したガーディング候補点を含む回り込み回路(一例として回り込み回路LP3)への電流I6の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる。また、図6に示すように、検査装置1Bにおいても検査装置1Aと同様にして、回り込み回路LP3における電流I5が流れる経路に位置している抵抗(ガーディング部3の負荷となる抵抗P7,P8,P9)の合計抵抗値を大きくできる結果、ガーディング部3の負荷を低減することができる。
【0065】
なお、引き続き、ガーディング電圧V2を供給する回り込み回路を変更して検査対象体22の電気的特性を測定するときには、上記した検査装置1Aと同様にして、次の電流計接続点にリターンプローブ12を接続し、それに対応する次のガーディング候補点にガーディングプローブ13を接続し、さらに電流計接続点となっていない検査対象体22の他の端子に出力プローブ11を接続する。これにより、上記した回り込み回路LP3のときと同様にして、ガーディングプローブ13を接続したガーディング候補点を含む回り込み回路への電流I6の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる
【0066】
次に、検査装置1Cについて説明する。なお、検査装置1Bと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。この検査装置1Cは、図7に示すように、電圧供給部10、ガーディング部3、記憶部5、操作部6、表示部7、処理部8および電流計9を備えている。この場合、電流計9は、一例として、電圧供給部10に対して直列に接続されている。また、出力プローブ11は、電流計9に接続されている。また、ガーディング部3の入力端子は、出力プローブ11に接続されている。また、リターンプローブ12は、グランドに接続されている。
【0067】
検査装置1Cにおいても、検査対象体22を回路基板21の抵抗P0としたときには、回路基板21が同じであるため、処理部8がガーディング候補点出力処理を行うことにより、検査装置1と同様にして、電流計接続点およびガーディング候補点の情報が図4に示すように表示部7に表示される。このため、オペレータは、表示部7に表示されている情報に基づき、電流I6の流入(回り込み)の最も大きいと考えられる回り込み回路、つまりガーディング電圧V2を供給すべき回り込み回路LP3についての電流計接続点およびガーディング候補点を正確、かつ短時間で特定することができる。
【0068】
また、オペレータは、表示部7に表示されている電流計接続点およびガーディング候補点についての情報に基づき、特定した電流計接続点(例えば、端子番号P0−1)に出力プローブ11を接続し、特定したガーディング候補点(例えば、端子番号P6−2)にガーディングプローブ13を接続し、さらに検査対象体22における電流計9が接続される端子(電流計接続点)とは異なる端子(端子番号P0−2)にリターンプローブ12を接続する。これにより、検査装置1と同様にして、ガーディング候補点(端子番号P6−2)には、ガーディング部3から電流計接続点の電圧V5と同一電圧のガーディング電圧V2が供給されるため、この特定したガーディング候補点(端子番号P6−2)を含む回り込み回路(一例として回り込み回路LP3)への電流I6の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる。また、図7に示すように、検査装置1Cにおいても検査装置1Aと同様にして、回り込み回路LP3における電流I5が流れる経路に位置している抵抗(ガーディング部3の負荷となる抵抗P7,P8,P9)の合計抵抗値を大きくできる結果、ガーディング部3の負荷を低減することができる。
【0069】
なお、引き続き、ガーディング電圧V2を供給する回り込み回路を変更して検査対象体22の電気的特性を測定するときには、上記した検査装置1と同様にして、次の電流計接続点に出力プローブ11を接続し、それに対応する次のガーディング候補点にガーディングプローブ13を接続し、検査対象体22における電流計9が接続される端子(電流計接続点)とは異なる端子にリターンプローブ12を接続することにより、上記した回り込み回路LP3のときと同様にして、ガーディングプローブ13を接続したガーディング候補点を含む回り込み回路への電流I6の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる。
【0070】
また、上記の各検査装置1,1A,1B,1Cに関して、回路基板に実装されている電気部品が抵抗のみの例を挙げて説明したが、コンデンサやコイルのときにも、電流供給部2が交流定電流を定電流I1として生成し、また電圧供給部10が交流定電圧を定電圧として生成することにより、ガーディングプローブ13を接続したガーディング候補点を含む回り込み回路への電流の流入(回り込み)を阻止しつつ、検査対象体22のインピーダンスZを測定することができる。
【0071】
また、上記の各検査装置1,1A,1B,1Cでは、処理部8が、特定した電流接続点およびガーディング候補点の情報を表示部7に出力(表示)する構成を採用したが、出力先は表示部7に限定されず、例えば、外部インターフェース回路を設けて装置外部の他の機器に出力させる構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】検査装置1および回路基板21の構成を示す構成図である。
【図2】ガーディング候補点出力処理によって特定される回り込み回路および各回り込み回路についての回路情報等を示す説明図である。
【図3】ガーディング候補点出力処理のフローチャートである。
【図4】表示部7に表示される検査対象体22(抵抗P0)に対する電流計接続点、ガーディング候補点(単に「候補点」と表示する)および各回り込み回路のインピーダンスを示す説明図である。
【図5】検査装置1Aおよび回路基板21の構成を示す構成図である。
【図6】検査装置1Bおよび回路基板21の構成を示す構成図である。
【図7】検査装置1Cおよび回路基板21の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0073】
1,1A,1B,1C 検査装置
2 電流供給部
3 ガーディング部
4 電圧測定部
5 記憶部
6 操作部
7 表示部
8 処理部
21 回路基板
22 検査対象体
D2 部品情報
D3 配線情報
Dp 部品番号
LP1〜LP3 回り込み回路
Z インピーダンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に実装されている複数の電気部品のうちの任意の1つを検査対象体とする電気的検査時において当該検査対象体についてのガーディング候補点を特定可能に構成された検査装置であって、
前記複数の電気部品についての部品番号、電気的諸元、および一対の端子の各端子番号を含む部品情報、並びに前記各電気部品間の配線情報が記憶された記憶部と、
前記検査対象体の前記部品番号を入力する操作部と、
前記検査対象体の前記部品番号および前記配線情報に基づいて当該検査対象体と並列関係にある回り込み回路を探索する回り込み回路探索処理、前記探索した回り込み回路が複数あるときに前記部品情報に基づいて当該各回り込み回路のインピーダンスを算出するインピーダンス算出処理、および前記探索した各回り込み回路に複数の前記電気部品が含まれているときに前記電気的諸元から求まる当該各電気部品のインピーダンスに基づいてガーディング候補点を特定するガーディング候補点特定処理を実行する処理部とを備えている検査装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記ガーディング候補点特定処理において、前記各回り込み回路について前記検査対象体の前記各端子に接続されている2つの電気部品のうちのインピーダンスの小さい一方の電気部品が接続されている当該端子を電流計接続点として特定すると共に、前記一方の電気部品における前記検査対象体に非接続の端子を前記ガーディング候補点として特定する請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記電流計接続点に所定の電流を供給する電流供給部と、
前記検査対象体の両端間電圧を測定する電圧測定部と、
入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記検査対象体における前記一方の電気部品に非接続の端子に所定の電流を供給する電流供給部と、
前記電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、
前記検査対象体の両端間電圧を測定する電圧測定部と、
入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている請求項2記載の検査装置。
【請求項5】
前記検査対象体における前記一方の電気部品に非接続の端子に所定の電圧を供給する電圧供給部と、
前記電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、
入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている請求項2記載の検査装置。
【請求項6】
前記電流計接続点に所定の電圧を供給する電圧供給部と、
前記電流計接続点を流れる電流を測定する電流測定部と、
入力端子に印加されている電圧と同じ電圧を出力端子から出力する機能を有し、当該入力端子が前記電流計接続点に接続されると共に当該出力端子が前記ガーディング候補点に接続可能に構成されたガーディング部とを備えている請求項2記載の検査装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記各回り込み回路についての前記ガーディング候補点を当該各回り込み回路の前記インピーダンスの小さい順に並べ替える並べ替え処理を実行する請求項1から6のいずれかに記載の検査装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記各回り込み回路についての前記ガーディング候補点を当該各回り込み回路の前記インピーダンスの大きさに基づいて並べ替えて出力する出力処理を実行する請求項1から6のいずかに記載の検査装置。
【請求項9】
表示部を備え、
前記処理部は、前記出力処理において前記並べ替えた結果を表示部に表示させる請求項8記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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