説明

極低温装置から出た食品の熱分布を定めるための方法、および対応する冷却装置

【課題】極低温装置を去る食品の熱分布を定めるための方法、および対応する冷却装置を提供する。
【解決手段】本発明は、極低温冷却装置を去る製品の熱分布を定めるための方法に関する。この方法は、装置の作動パラメータのための有効値および/または有効値の範囲を定める工程(18)と、調整パラメータおよび装置の作動の特性量を含む完全な組の作動パラメータを得るために、装置の作動をシミュレートする工程(20)であって、製品の表面における少なくとも1つの温度と中心における少なくとも1つの温度とを含む処理済みの製品(A)の熱分布をもたらすシミュレートする工程と、各シミュレーションについて、装置の作動マップを得るために変更可能な組の作動パラメータの確立値のすべてのためにシミュレーション工程(20)を自動的に繰返すためのサイクル(30)とよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温装置から出た製品、特に食品の熱分布を定める(予想)ための方法、および対応する冷却装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、食品の深冷凍のための装置に適合する。
【背景技術】
【0003】
食品の深冷凍のための公知の装置は、例えば、冷凍するための製品が設置されるコンベヤベルトがまっすぐ通る極低温深冷凍チャンバーまたはトンネルを備えており、コンベヤは、深冷凍トンネルを連続的に或いは次々に走行する。
【0004】
このような極低温チャンバーは、深冷凍されるべき製品との接触により直接に熱交換する低温の不活性流体を使用している。
【0005】
従来、低温用のキャリアとして使用される流体は、ドライアイス(-80℃)、液体空気または液体窒素(−196℃)である。ドライアイスによれば、コールドチェインを破壊する恐れなしに新鮮な或いは深冷凍された製品を輸送し得る。液体空気および液体窒素によれば、食品の個々の深冷凍、または(アイスクリームなどの種類の)脆い、変形可能な、或いは粘着性の製品の硬化を行ない得る。
【0006】
装置の作動パラメータ組は、レシピとして一般に知られており、実験で定められる。レシピは、装置を所定の生産量用に設定するための設定パラメータと、作動に特有の、特に製品の出口温度の大きさとを備えている。
【0007】
チャンバーと、製品の装填量とで構成される系統を調べると、去るときの製品の温度に影響することができる幾つかのパラメータがあり、すなわち、所定の装填量レベルでは、チャンバー内の滞留時間の変化を伴う生産率と、温度分布に影響を及ぼす流体の流量と、製品が入る際の温度と、チャンバーの対流分布と、充填レベルとがある。
【0008】
従って、この系統は、多可変性系統であり、パラメータを定めるための既存の方法は、複雑な計算を必要とする。
【0009】
レシピを定めるのに使用される方法は、一般に、設定パラメータと、装置の作動に特有の大きさとよりなる完全な組の作動パラメータを得るためにチャンバーおよび製品の熱力学的および物理的特性に基づいておよび設定パラメータに基づいて装置の作動を自動的にシミュレートする工程を備えている。
【0010】
このシミュレーション工程は、後に破壊試験および試行により有効化され且つ調整される1つまたはそれ以上の作動レシピを定めるために、手動で繰返されて操作者の経験に基づいて経験的にパラメータのうちの幾つかを更新する。
【0011】
従って、従来の決定方法を使用して定められたレシピが、経験を積んだ操作者および破壊試行を必要とすることは明らかである。
【0012】
かくして、レシピの限定数が定められ、そして生産条件が変化する場合、装置の使用者は、非常に僅かな自主性を有するだけでよく、そして破壊試験により有効化された経験的補正に絞るに違いない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、極低温装置を去る製品、特に食品の熱分布を定める(予想する)ための方法を提案することによりこれらの問題を取除こうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的で、本発明の課題は、製品が、特に食品が入口と出口との間で通過し、極低温冷却流体を使用している処理チャンバーを備えている極低温冷却装置から出た製品、特に食品の熱分布を定めるための方法であって、
更新可能な組の作動パラメータを形成する装置の作動パラメータのための有効値および/または有効値の範囲を定める工程と、
設定パラメータと、装置の作動に特有の大きさとよりなる完全な組の作動パラメータを得るために、チャンバーおよび製品の熱力学的および物理的特性に基づいて装置の作動をシミュレートする工程であって、これらの製品の少なくとも表面温度と心温度とを含む処理済みの製品の熱分布を送出するシミュレートする工程と、
各シミュレーションについて、装置の作動のマップを形成する完全な組の作動パラメータを得るように、更新可能な組における作動パラメータの確立値すべてのためにシミュレーション工程を自動的に繰返すサイクルと、を備えている製品の熱分布を定めるための方法である。
【0015】
他の特徴によれば、
前記シミュレーション工程は、前記処理チャンバー内の温度の熱分布を送出す。
【0016】
前記自動繰返すサイクルは、前記作動マップを形成するように前記シミュレーション工程により送出された各完全な組の作動パラメータをデータ構造に記録する工程を備えている。
【0017】
前記自動繰返すサイクルは、各反復において、前記更新可能な組の作動パラメータのうちの1つまたは幾つかの作動パラメータを自動的に更新する工程を伴う。
【0018】
前記更新可能な組を定める前記工程は、前記方法を実施するのに有効なハードウエア手段により有効値の前記範囲の大きさを自動的に制限するようになっている。
【0019】
この方法は、更に
1組のデータ値を形成する作動パラメータのためのデータ値および/またはデータ値の範囲を定める工程と、
設定パラメータと、装置の作動に特有の大きさとよりなり、前記組のデータ値を備えている1つまたはそれ以上の完全な組の作動パラメータを得るために、前記組のデータ値を装置の前記作動マップと自動的に比較する工程とを備えている。
【0020】
前記組のデータ値を定める前記工程は、物理的測定値に基づいて少なくとも1つのデータ値を自動的に定めるようになっている。
【0021】
前記自動比較工程は、前記組のデータ値を備えている少なくとも1つの完全な組の作動パラメータを送出すために前記マップを形成する作動パラメータの完全な組間の補間を伴う。
【0022】
この方法は、更に、前記自動比較工程により送出された完全な組の作動パラメータの中から最適な完全な組の作動パラメータを自動的に定める工程を備えている。
【0023】
本発明の他の課題は、製品が入口と出口との間で通過し、冷却流体を使用している処理チャンバーを備えていて、少なくとも、データ記憶手段と関連された作動を制御するための手段を備えている、製品の熱冷却のための装置において、前記記憶手段は、前記装置の作動のマップを備えており、このマップは、前述のような方法を使用して定められ、前記装置は、前述のような作動パラメータを定めるための方法を実施するように設計されていることを特徴とする製品の熱冷却のための装置である。
【0024】
この装置の更に他の特徴によれば、
この装置は、更に、方法の実施中に定められるような組のデータ値のすべてまたは幾つかを定めるように作動パラメータを測定する手段を備えている。
【0025】
この装置は、方法の実施中に定められるような組のデータ値のすべてまたは幾つかを定めるための人間―機械インターフェース手段を備えている。
【0026】
本発明は、添付図面を参照して例としてのみ行なわれる下記の説明を読むことから良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本発明による方法を使用して作動パラメータが定められる食品を処理するための従来の装置を示している。
【0028】
この装置は、食品Aを任意の源から供給管路5により移送された極低温の流体4の存在下にすることによって食品Aを冷凍するための従来型の極低温チャンバーまたはトンネル2を備えている。
【0029】
例えば、チャンバー2は直角平行六面体の形状を有している。
先に述べたように、使用される極低温流体4は、例えば、ドライアイスまたは液体窒素でもよく、チャンバー2に種々の箇所で注入される。
このチャンバー2は、食品Aをチャンバー2に導入したり、そこから取り出したりし、次々に或いは連続的に作動する従来型のコンベヤ6と関連されている。
【0030】
前述の実施の形態では、装置は、作動パラメータを測定する手段8を備えており、この手段は、食品Aの温度の変化の推定値を得るように、1つがチャンバー2の入口に、1つが出口に位置決めされた2つの赤外線センサ8a、8bの形態で製造されている。
【0031】
更に、装置は、その温度を制御するための手段10を備えている。
この手段は、極低温流体4の流量を制御するためのモジュール12を備えている。例えば、制御モジュール12は、極低温流体4を供給する供給管路5に配置された従来型の電気作動式弁または比例弁の系統よりなる。
【0032】
本発明によれば、この装置は、また、その作動を制御するための手段10に、作動パラメータを定めるための人間―機械インターフェースモジュール14と、この場合、ハードディスク型の記憶ユニット15で構成されたデータ記憶手段と、センサ8a、8b、モジュール14およびユニット15に接続された補正モジュール16とを備えている。
【0033】
この装置は、幾つかの設定パラメータを有しており、つまり、チャンバー内の温度分布、チャンバー2内の食品の滞留時間、またはコンベヤ6が走行する速度および食品Aが入る際の温度を有している。
【0034】
有利には、この装置は、また、ガスの流れおよびチャンバー2内の雰囲気の換気を制御するガス換気装置を備えており、手段10はこれらを監視することができる。
【0035】
例えば、換気装置は、ガスを速度上昇させる特別目的のファンと、ガスの再循環を制御するファンと、空気入口とガス出口との間の均衡を制御するファンおよび移動ドアの組合せとより構成されている。
【0036】
このような実施の形態では、作動パラメータは、また、換気装置、中間隔壁の制御などに関する設定パラメータを含む。
また、前記の装置は、食品Aの流出心および/または表面温度、流体4の消費または食品Aのエンタルピーの変化のような装置の作動に特性の大きさを有している。
【0037】
図2Aおよび2Bを参照して、本発明による方法の一般的なフローチャートを以下に説明する。
【0038】
この方法は、まず第1に、更新可能な組の作動パラメータを形成する作動パラメータのための有効値および/または有効値範囲を定める工程18を有している。
【0039】
かくして、操作者は、更新可能な組を形成する装置の作動パラメータのうちの幾つかのための有効範囲を手動で定め得る。例えば、この工程は、+90℃ないし-5℃に及ぶ処理されるべき食品Aのための初期温度範囲と、+90℃ないし-50℃に及ぶ食品のための最終の安定化温度範囲と、-20℃ないし-140℃に及ぶチャンバー調整温度範囲と、200秒ないし400秒に及ぶチャンバー2内の食品Aの滞留時間と、50%ないし60%に及ぶコンベヤベルト6のための装填量レベルとを手動で定めることができる。
【0040】
また、工程18は、更新可能な組における各パラメータの有効範囲を包含するための工程間隔を定めることができる。
【0041】
工程18中に有効範囲が定められるための作動パラメータは、装置の設定パラメータ、および作動に特有の、特にチャンバー2を去る食品Aの温度に特有の大きさであってもよい。
【0042】
装置の作動パラメータのうちの幾つか、例えば、食品Aの性質および装置の性質、つまり、例えば、食品Aのエンタルピー容量、チャンバー2の寸法、または使用される極低温流体4の性質から得られる作動パラメータは、自動的に固定され、変化不可能である。
【0043】
有利には、方法を実施するのに有効な計算人に応じて、工程18は、行われるべき計算の量を制限するように、有効値の範囲の大きさを自動的に制限するように設計される。
【0044】
例えば、この自動的制限は、本発明の方法を実施するプロセッサの利用可能な時間および処理速度に基づいて、および更新可能な組に基づいて行なわれる。
【0045】
もちろん、或る作動パラメータは、この工程18中、変化不可能な値に固定されてもよい。
この方法は、次いで、設定パラメータと装置の作動に特有の大きさとよりなる完全な組の作動パラメータを得るために、チャンバー2および処理されるべき食品Aの熱力学的および物理的特性に基づいておよび設定パラメータに基づいて装置の作動をシミュレートする工程20を備えている。
【0046】
この工程20は、公知のように、特に処理されるべき食品および処理チャンバー2の模型化に基づいた数的シミュレーション計算を含んでいる。この工程20は、コンピュータ、中央ネットワークなどのような自動計算装置により行われる。
【0047】
特に、装置のための設定パラメータと、食品Aおよびチャンバー2の熱力学的および物理的特性に基づいて、装置の作動に特有の大きさ、特に、チャンバー2を去る食品Aの温度の予想値を得ることが可能である。
【0048】
前記の実施の形態では、このシミュレーション工程20は、チャンバー2内の温度の分布を送り出し、これに基づいて、処理された食品の熱分布、従って、それらの表面温度およびそれらの心温度(これらすべてから、製品内の平均温度を推定することが可能である)を送り出す。
【0049】
このシミュレーション工程20の完了で送出される結果は、メモリ記録工程22中、作動パラメータのすべて、つまり、設定パラメータおよび作動に特有の大きさを照合するマトリックスまたは任意の他のデータ構造の形態で記録される。
【0050】
この方法は、次いで、工程18において定められたような更新可能な組のために許容される組合せすべてが実施されたかどうかを定めるために作動パラメータを試験する工程24を備えている。
【0051】
作動パラメータすべたが有効範囲内にあれば、この方法は、次いで、工程18中に定められた増大間隔および有効範囲に基づいて作動パラメータを1つずつ更新する工程26を伴う。
【0052】
かくして、この方法は、シミュレーション工程20と、記録工程22と、試験工程24と、更新工程26とを備えていて、シミュレーション工程20を自動的に繰返すサイクル30を備えている。このサイクル30によれば、シミュレーション工程20は、工程18中に定められた更新可能な組内に含まれる作動パラメータの許容可能な値の組合せすべてについて自動的に行なわれる。
【0053】
自動繰返しサイクル30は、試験工程24が、組合せすべてがシミュレーション工程20により実施されたことを検出すると、中断される。例えば、試験工程24は、更新可能な組の作動パラメータすべてがそれらの極値に達したことを検出する。
【0054】
かくして、自動繰返しサイクル30の終了時に得られる完全な組の作動パラメータが、データ構造におけるメモリに記憶され、そして可なりの数の作動時点を列挙している作動マップを形成する。
【0055】
計算手段および繰返しサイクル30を行なうのに必要とされる時間を鑑みて、背景作業として方法のこれらの工程を行なうのが好ましい。
例えば、これらの工程は、熱冷却装置と同時に作動マップが送出されるように、装置が供給者から命令されるときに実施される。
【0056】
もちろん、異なる作動マップが、各装置および処理されるべき各種類の製品に対して異なることが必要である。従って、前述のような方法によれば、或る種類の製品ための装置の作動マップを自動的に得て、このマップを調べることによって作動条件の変化に適合させるために操作者が1組の再循環パラメータに対してどの補正を行なうべきかを用意に手動で定めることができるようにすることが可能である。
【0057】
また、このような補正の決定は、図2Bを参照して述べた方法の第2の部分を使用して自動的に行なわれてもよい。
方法のこの部分は、図2Aを参照して述べた部分の直後に実施されてもよいし、或いは例えば、作動パラメータの調整を必要とする熱冷却装置が使用されるべきである場合に、後で実施されてもよい。
方法のこの第2の部分は、1組のデータ値を形成するために装置の作動パラメータのためのデータ値またはデータ値の範囲を定める工程40を含んでいる。
例えば、この工程40中、操作者は、例えば、コンベヤベルトの充填レベルまたはチャンバー2における滞留時間のような装置の作動パラメータのためのデータ値またはデータ値の範囲を手動で定める。
【0058】
この工程40中、操作者は、例えば、更新したくない作動パラメータのための厳密なデータ値と、変化させたい作動パラメータのための広い値の範囲とを定めてもよい。
有利には、或るデータ値は、実験測定値により定められる。例えば、処理される必要がある製品の初期温度を測定するために赤外線センサが使用されることができる。
【0059】
この方法は、次いで、1組のデータ値を含む1つまたはそれ以上の完全な組の作動パラメータを得るために、工程40中に定められた組のデータ値を、自動繰返しサイクル30の終了時に送出された作動マップと自動的に比較する工程42を含んでいる。
【0060】
この自動比較工程42は、1組のデータ値に基づいて作動マップを備えたデータ構造を編集することに基づいており、コンピュータ、計算方法およびニューラルネットワークのような従来のデータベース処理手段により実施される。
有利には、この工程42は、データ値すべてを含む完全な組の作動パラメータを生じるように作動マップを構成するマトリックス間の補間を伴う。
従って、本発明の方法は、工程42の完了時に、1組のデータ値を含む1組またはそれ以上の組の作動パラメータを送出す。
【0061】
有利には、この方法は、最後に、比較工程42の終了時に送出される1組またはそれ以上の組の作動パラメータに基づいて最適な組の作動パラメータを自動的に定める工程44を備えている。
例えば、この工程44は、作動パラメータの完全な組のうちの1つが他の組を上回って有利であるかどうかを定めるように効率、コストまたはエネルギ消費に関する情報を考慮するようになっている。
【0062】
かくして、本発明の方法のこの第2部分によれば、作動条件の変化に合うように適合されることができる1組の作動パラメータを自動的に定めることが可能である。
【0063】
例えば、何らかの理由で、チャンバー2に入る食品の温度が予期値のより高いなら、操作者は、工程42、有利には44の完了時に、特定されるような食費の入口およびで出口温度と、処理操作の実施に合わされた流体の流量とを含む完全な組の作動パラメータを得るように、食品の入口および出口温度のための厳密なデータ値と、チャンバー2に注入されるべき流体の流量についての幅広いデータ値とを定めることができる。
【0064】
本発明の方法は、コンピュータのような算出装置により実行される1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムまたは任意の他の適当なソフトウエア手段により実施されることができる。
【0065】
詳細には、本発明の方法は、2つの異なるコンピュータプログラムにより実施されることができ、第1のプログラムは、更新可能な組の作動パラメータを定める工程19と、シミュレーション工程20を繰返すためのサイクル30とを含む図2Aを参照して述べた方法の第1の部分を実施するようになっているコード命令を備えている。このようなプログラムによれば、以上で定められるような作動マップを自動的に得ることが可能である。
【0066】
次いで、作動パラメータを定めるための第2のコンピュータプログラムは、少なくとも1組のデータ値を定める工程40と、データ値すべてを含む1つまたはそれ以上の完全な組の作動パラメータを送出すように、1組のデータ値を作動マップと自動的に比較する工程42とを実施するようになっているコード命令を備えている。従って、このプログラムは、前述の工程44を実施することもできる。
【0067】
これらの2つのコンピュータプログラムは、離れていて相互に独立した場所で行なわれることができ、例えば、第1のプログラムは、装置を製造する場所で行なわれ、第2のプログラムは、装置が使用されている場所で行なわれる。
【0068】
かくして、本発明の方法は、図1を参照して述べた装置のような食品熱冷却用の装置により実施されることができる。
【0069】
この装置では、ユニット15は、図2Aを参照して述べたような本発明の方法により得られる、例えば、データベースの形態の作動マップへの接近を許容する。
【0070】
この装置では、人間―機械インターフェースモジュール14によれば、操作者により1組のデータ値を定める工程40を行うことができる。
【0071】
前述の実施の形態では、1組のデータ値を定める工程40は、また、データ値を形成する食品Aの入口および出口温度の推定値をそれぞれ送出すセンサ8a、8bを介して行なわれる。
【0072】
補正モジュール16または変更例として、ユニット15を介して接近可能な記憶支持体に記憶されたコンピュータプログラムは、自動比較工程42および有利には、完全な組の最適な作動パラメータを自動的に定める工程44を実施するようになっている。
【0073】
かくして、本発明の方法を実施することにより、データ値すべてを含む少なくとも1組の作動パラメータを得ることが可能である。
【0074】
次いで、補正モジュール16は、特に装置設定パラメータに対して行われるべき補正をさだめるように、この組のパラメータを装置に使用されたパラメータと比較する。
更に、補正は、モジュール16によって、例えば極低温流体4の流量を制御するモジュール12に自動的に適用されてもよい。
【0075】
従って、本発明の方法の第1の部分により得られ、本発明の方法の第2の部分を実施するようになっている作動マップにより、1組のデータ値に一致するために行なわれるべき補正を容易に且つ自動的に定めることが可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】冷却装置を示すブロック図である。
【図2A】本発明の方法の第1の部分のフローチャートである。
【図2B】本発明の方法の第2の部分のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(A)が、特に食品が入口と出口との間で通過し、極低温冷却流体(4)を使用している処理チャンバー(2)を備えている極低温冷却装置から出た製品(A)、特に食品の熱分布を定めるための方法であって、
更新可能な組の作動パラメータを形成する装置の作動パラメータのための有効値および/または有効値の範囲を定める工程(18)と、
設定パラメータと、装置の作動に特有の大きさとよりなる完全な組の作動パラメータを得るために、チャンバー(2)および製品(A)の熱力学的および物理的特性に基づいて装置の作動をシミュレートする工程(20)であって、これらの製品の少なくとも表面温度と心温度とを含む処理済みの製品の熱分布を送出するシミュレートする工程(20)と、
各シミュレーションについて、装置の作動のマップを形成する完全な組の作動パラメータを得るように、更新可能な組における作動パラメータの確立値すべてのためにシミュレーション工程(20)を自動的に繰返すサイクル(30)と、を具備している製品(A)の熱分布を定めるための方法。
【請求項2】
前記シミュレーション工程(20)は、前記処理チャンバー(2)内の温度の熱分布を送出すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自動的に繰返すサイクル(30)は、前記作動マップを形成するように前記シミュレーション工程(20)により送出された各完全な組の作動パラメータをデータ構造に記録する工程(22)を備えていることを特徴とする請求項1および2のうちのいずれか1つの項に記載の方法。
【請求項4】
前記自動的に繰返すサイクル(30)は、各反復において、前記更新可能な組の作動パラメータのうちの1つまたは幾つかの作動パラメータを自動的に更新する工程(26)を含むことを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1つの項に記載の方法。
【請求項5】
更新可能な組を定める前記工程(18)は、この方法を実施するのに有効なハードウエア手段に従って有効値の前記範囲の大きさを自動的に規定するようになっていることを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれか1つの項に記載の方法。
【請求項6】
1組のデータ値を形成する作動パラメータのためのデータ値および/またはデータ値の範囲を定める工程(40)と、
設定パラメータと、装置の作動に特有の大きさとよりなり、前記組のデータ値を備えている1つまたはそれ以上の完全な組の作動パラメータを得るために、前記組のデータ値を装置の前記作動マップと自動的に比較する工程(42)と、を更に具備していることを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれか1つの項に記載の方法。
【請求項7】
組のデータ値を定める前記工程(40)は、物理的測定値に基づいて少なくとも1つのデータ値を自動的に定めるようになっていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記自動的に比較する工程(42)は、前記組のデータ値を備えている少なくとも1つの完全な組の作動パラメータを送出すために前記マップを形成する作動パラメータの完全な組間の補間を含むことを特徴とする請求項6および7のうちの一方の項に記載の方法。
【請求項9】
前記自動的に比較する工程(42)により送出された完全な組の作動パラメータの中から最適な完全な組の作動パラメータを自動的に定める工程(44)を更に具備していることを特徴とする請求項6ないし8のうちのいずれか1つの項に記載の方法。
【請求項10】
製品(A)が入口と出口との間で通過し、冷却流体(4)を使用する処理チャンバー(2)を具備していて、少なくとも、データ記憶手段(15)と関連された作動を制御するための手段(10)を備えている、製品(A)の熱冷却のための装置において、前記記憶手段(15)は、前記装置の作動のマップを備えており、このマップは、請求項1ないし5のうちのいずれか1つの項に記載のような方法を使用して定められ、この装置は、請求項6ないし9のうちのいずれか1つの項に記載のような作動パラメータを定めるための方法を実施するように設計されていることを特徴とする製品(A)の熱冷却のための装置。
【請求項11】
請求項6ないし9のうちのいずれか1つの項に記載のような方法の実施中に定められるような組のデータ値のすべてまたは幾つかを定めるように作動パラメータを測定する手段(8)を更に具備していることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
請求項6ないし9のうちのいずれか1つの項に記載のような方法の実施中に定められるような組のデータ値のすべてまたは幾つかを定めるための人間―機械インターフェース手段(14)を具備している特徴とする請求項10および11のうちのいずれか一方の項に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2007−504432(P2007−504432A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530338(P2006−530338)
【出願日】平成16年5月7日(2004.5.7)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001122
【国際公開番号】WO2004/106821
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】