説明

構造化された成形織物

抄紙機によって使用するための織物(28)であって、織物が、複数の緯糸と、複数の経糸と、緯糸と経糸との反復するパターンから生じる織られた織物とを含む。反復するパターンにおける緯糸のそれぞれは、始点において始まって、3つの隣接する経糸の上、1つの経糸の下、1つの経糸の上、3つの経糸の下、1つの経糸の上、1つの経糸の下を通る一続きを有しており、この一続きが反復している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、2004年1月30日に出願された米国特許出願第10/768550号明細書、"APPARATUS FOR AND PROCESS OF MATERIAL WEB FORMATION ON A STRUCTURED FABRIC IN A PAPER MACHINE"の一部継続出願である。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、抄紙機における構造化された繊維ウェブを形成する方法、特に、抄紙機において、構造化された成形織物において構造化された繊維ウェブを形成する方法及び装置に関する。
【0003】
2.関連技術の説明
湿式成形プロセスにおいて、クレッセントフォーマ構造における構造化された織物は、繊維ウェブ間がまだ濡れている間にウェブに三次元の表面を型押しする。このような発明は、国際公開第03/062528号パンフレットに開示されている。構造的な織物を通過して空気を除去することによって三次元構造を生ぜしめるために、濡れている間に繊維ウェブを成形するための吸引ボックスが開示されている。これは、三次元の表面を提供する繊維ウェブの部分の物理的な変位である。前記方法と同様に、通過空気乾燥(TAD)技術が、米国特許第4191609号に開示されている。TAD技術は、既に成形されたウェブがどのように移送され、型押し織物に成形されるかを開示している。変換は、15%よりも大きなシート固体レベルを有するウェブにおいて生じる。これは、繊維ウェブに低い密度のまくら領域を生じる。これらのまくら領域は、既に形成されたウェブがウェブの谷を埋めるように膨張させられるので、小さな坪量を有する。型押し織物における、パターンへの繊維ウェブの型押しは、繊維ウェブを成形するために型押し織物に真空を通過させることによって行われる。
【0004】
繊維ウェブが依然として濡れている間にウェブに三次元の表面を型押しするために、構造化された織物を使用して、湿式成形プロセスにおいて繊維ウェブを形成することが知られている。このような発明は、国際公開第03/062528号パンフレットに開示されている。耐力層及び彫刻層を有する成形織物を使用することが知られており、この場合、表面の輪郭を増大するためにシートを型押しする型押しナックルが形成されている。このような発明は、米国特許第5429686号明細書に開示されている。しかしながら、この特許は、通過空気乾燥(TAD)用途における、特にATMOS(R)抄紙機の、有効な脱水のために必要とされるシートにおけるまくらの形成を開示していない。米国特許第6237644号明細書は、経及び緯に向けられた少なくとも3本の糸の格子模様を成すように織られた織物の使用を開示している。この参照文献は、個別のパターンにおいて浅い凹みを提供するためにパターン織物の使用を開示している。繊維ウェブの部分の物理的な変位は、三次元の表面を提供するために利用される技術である。TAD技術は、米国特許第4191609号明細書に開示されている。TAD技術は、既に形成されたウェブがそのように移送され、かつ型押し織物に成形されるかを開示している。変換は、15%よりも大きなシート固体レベルを有するウェブにおいて生じる。これは、既に形成されたウェブが谷を埋めるように膨張させられるので、小さな坪量を有する繊維ウェブにおいて低い密度のまくら領域を生じる。繊維ウェブをパターンに型押しすることは、繊維ウェブを成形するために型押し織物に真空を通過させることによって行われる。
【0005】
図19〜図21に示されたM織り等の従来の織りパターンと、図22〜図24に示されたG織りとは、ポケットの浅い深さにより繊維ウェブに組み込まれることができる嵩の量を制限する従来の織物を示している。M織り及びG織りの折パターンは、それぞれ、ポケットの位置及び形状を規定するために働く、5×5パターンに基づく。これらの織物におけるポケットは、図19及び図22に、暗くなった領域として示されている。これらのポケットは、ポケットに進入することができる嵩が所望の量よりも少なく制限されるような形状及び深さを有する。
【0006】
この技術において必要とされることは、ティッシュ及びこのティッシュ上に形成されたタオリングにおける増大した厚さ、嵩、及び吸収度を提供する構造化された成形織物である。
【0007】
発明の概要
本発明は、織られた、構造化された織物を使用して、抄紙機において低い密度の高い坪量のまくら領域を有する構造化された繊維ウェブを製造する方法を提供する。
【0008】
本発明は、抄紙機によって使用するための織物の1つの形式にあり、織物は、複数の緯糸と、複数の経糸と、緯糸と経糸の繰り返すパターンによって生じる織られた織物とを含む。反復するパターンにおける緯糸は、始点において始まり、次いで3本の隣接する経糸の上を通り、1本の経糸の下を通り、1本の経糸の上を通り、3本の経糸の下を通り、1本の経糸の上を通り、1本の経糸の下を通る1続きを有しており、この1続き反復する。
【0009】
本発明の利点は、嵩高な薄織物を製造するために、成形織物が、3つの横方向の糸の上で浮く経糸と、3つの縦方向の糸の上で浮く緯糸とによって形成されたポケットを有しているということである。
【0010】
本発明の別の利点は、本発明が、嵩高な薄織物シートにおける改良された表面領域と、薄織物シートを形成する時の改良された機械性能とを生じるということである。
【0011】
本発明のさらに別の利点は、ATMOSTM概念を使用する高密度のまくら領域を備えた完全な形成であり、この場合、シートの形成は、構造化された織物において行われる。
【0012】
発明の前記特徴及び利点並びにその他の利点及び特徴、そしてそれを実施する形式は、より明らかになり、発明は、添付の図面に関連した発明の実施形態の以下の説明を参照することによってさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の方法の実施形態を使用する構造化されたウェブの形成を示す、概略的な断面図である。
【図2】従来の方法の構造化されたウェブの一部分の断面図である。
【図3】図1の機械において形成されるような、本発明の実施形態の構造化されたウェブの一部分の断面図である。
【図4】引き続いてプレス乾燥作業を行った、図2のウェブ部分を示す図である。
【図5】引き続いてプレス乾燥作業を行った、図3の本発明の繊維ウェブの一部分を示す図である。
【図6】本発明の形成区分の結果的な繊維ウェブを示す図である。
【図7】従来の方法の形成区分の結果的な繊維ウェブを示す図である。
【図8】本発明の繊維ウェブの水分除去を示す図である。
【図9】従来の構造化されたウェブの繊維ウェブの水分除去を示す図である。
【図10】本発明の繊維ウェブにおけるプレス箇所を示す図である。
【図11】従来の構造化されたウェブのプレス箇所を示す図である。
【図12】本発明の抄紙機の実施形態の概略的な断面図である。
【図13】本発明の抄紙機の別の実施形態の概略的な断面図である。
【図14】本発明の抄紙機の別の実施形態の概略的な断面図である。
【図15】本発明の抄紙機の別の実施形態の概略的な断面図である。
【図16】本発明の抄紙機の別の実施形態の概略的な断面図である。
【図17】本発明の抄紙機の別の実施形態の概略的な断面図である。
【図18】本発明の抄紙機の別の実施形態の概略的な断面図である。
【図19】M織り織物として知られる従来の織物を示す図である。
【図20】図19の織物の緯糸及び経糸の位置決めを示す概略図である。
【図21】図19及び図20の織物の経糸の経路を概略的に表す図である。
【図22】G織り織物として知られる従来の織物を示す図である。
【図23】図22の織物の緯糸及び経糸の位置決めを示す概略図である。
【図24】図22及び図23の織物の経糸の経路を概略的に表す図である。
【図25】図1の織物の織りパターンを示す図である。
【図26】図1及び図25の織物の緯糸を横切る時の経糸の概略図である。
【図27】図1及び図25〜図26の織物の経糸及び/又は緯糸の織りパターンを示す図である。
【図28】図1及び図25〜図27の織物の紙側の図である。
【図29】図1及び図25〜図29の織物の反対側の図である。
【図30】図1及び図25〜図29の織物の紙側に形成された押圧を示す図である。
【0014】
対応する参照符号は、複数の図面を通じて、対応する部材を示している。ここに示された例証は、発明の1つの好適な実施形態を1つの形式で示しており、このような例証は、発明の範囲をどのようにも制限すると解釈されるべきではない。
【0015】
発明の詳細な説明
ここで図面、特に図1を参照すると、成形織物26と構造化された織物28との間に繊維スラリ24を排出するヘッドボックス22を有する繊維ウェブ機械20が設けられている。ローラ30及び32は、張力が織物26に加えられるように、織物26を、スラリ24及び構造化された織物28に対して押し付けている。構造化された織物28は成形ローラ34によって支持されており、この成形ローラ34は、構造化された織物28及び成形織物26の速度と一致する表面速度で回転する。構造化された織物28は、山28aと谷28bを有しており、これらは、構造化された織物28において形成されるウェブ38に、対応する構造を提供する。構造化された織物28は方向Wに進行し、水分Mが繊維スラリ24から除去されながら、構造化された繊維ウェブ38が成形される。スラリ24から排出された水分Mは、成形織物26を通過し、容器36に収集される。繊維スラリ24における繊維は、ウェブ38が成形される時に、主に谷28bに集まる。
【0016】
構造化された織物28は、織機において織られた経糸と緯糸を有する。構造化された織物28は、平坦に織られているか、無端形式であってよい。構造化された織物28の最終的なメッシュ数は、95×120〜26×20である。トイレットペーパーを製造するためには、好適なメッシュ数は51×36以上であり、より好適には58×44以上である。ペーパータオルを製造するためには、好適なメッシュ数は42×31以下、より好適には36×30以下である。構造化された織物28は、4シェッド以上の繰返し、好適には5シェッド以上の繰返しの繰り返されたパターンを有してよい。構造化された織物28の経糸は、0.12mm〜0.70mmの直径を有しており、緯糸は、0.15〜0.60の直径を有している。山28aと谷28bとの間の差であるポケット深さは、約0.07mm〜0.60mmである。構造化された織物28において使用される糸は、あらゆる断面形状、例えば円形、だ円形、又は平坦形であってよい。構造化された織物28は、あらゆる色の、熱可塑性又は熱硬化性のポリマ材料から形成されていることができる。構造化された織物28は、所望の表面エネルギ、耐熱性、耐摩耗性及び/又は耐加水分解性を提供するために処理されることができる。ポリマ材料の、スクリーン印刷された模様等の、印刷された模様が、構造化された織物28に提供されることができ、これにより、ウェブ38に美観に優れたパターンを付与しかつウェブ38の品質を高めるための能力を向上させる。このような模様は、別の特許出願に記載されたSpectra(R)薄膜と同様の、エラストマ成形構造の形式であってよい。構造化された織物28は、形成される特定の製品に応じて、山28aにおいて、10%以上、好適には20%以上、より好適には30%の上面平坦接触面積を有する。山28aにおける構造化されたウェブ28における接触面積は、構造化された織物28の上面を研磨することによって増大されることができるか、又はエラストマ成形構造が、平坦な上面を有するように、構造化された織物上に形成されることができる。上面は、平坦度を高めるために高温カレンダ処理されてもよい。
【0017】
成形ローラ34は好適には中実である。水分は、成形織物26を通過するが、構造化された織物28を通過しない。これは、有利には、構造化された繊維ウェブ38を、従来技術よりも、より嵩高又はより吸収性のウェブに形成する。
【0018】
水分除去の従来の方法は、負圧によって、構造化された織物を通って水分を除去する。これは、図2に示されたような断面を生じる。従来の構造化されたウェブ40は、谷と山との間の寸法差に対応するポケット深さDを有する。測定Cが行われた箇所において谷が生じ、測定Aが行われた箇所において山が生じる。上面厚さAは従来技術の方法において形成される。従来技術の側壁寸法B及びまくら厚さCは、構造化された織物を通って吸い出される水分により生じる。従来技術において、寸法Bは寸法Aよりも小さく、寸法Cは寸法Bよりも小さい。
【0019】
これに対して、図3及び図5に示された構造化されたウェブ38は、説明のために、従来技術と同じポケット深さDを有する。しかしながら、側壁厚さB′及びまくら厚さC′は、ウェブ40の比較寸法を超えている。これは、低い一貫性において、構造化された織物28における構造ウェブ28の形成により生じ、水分の除去は従来技術とは反対方向に行われる。これは、より厚いまくら寸法C′を生じる。繊維ウェブ38が乾燥プレス作業を通過した後でさえも、図5に示されているように、寸法C′は実質的にAp′よりも大きい。有利には、本発明による生じる繊維ウェブは、従来技術と比較して、まくら領域においてより大きな坪量を有する。また、繊維同士の結合は、型押し作業において破壊されないので、これはウェブを谷内へ拡張させる。
【0020】
従来技術によれば、既に形成されたウェブは、構造化された織物内へ真空移送される。次いで、シートは、構造化された織物の輪郭を充填するために拡張しなければならない。そうする場合、繊維は離れなければならない。つまり、これらのまくら領域において坪量がより小さく、したがって、箇所A′において厚さがシートよりも小さい。
【0021】
ここで、図6〜図11を参照して、方法が、単純化された概略的な図面によって説明される。
【0022】
図6に示されているように、繊維スラリ24が、構造化された織物28の形状において固有の構造を備えたウェブ38に形成される。成形織物26は多孔質であり、形成中に水分を逃がす。さらに、図8に示されているように、水分は脱水織物82を通って除去される。織物82を通って水分を除去することは、形成ウェブにおいてまくら領域C′の圧縮を生じない。なぜならば、まくら領域C′は、構造化された織物28の構造内に存在するからである。
【0023】
図7に示された従来のウェブは、ツインワイヤフォーマにおける2つの慣用の形成織物の間のような慣用の成形織物を用いて形成され、平坦で均一な表面を特徴とする。この繊維ウェブは、湿式成形段階によって三次元構造が提供され、図2に示された繊維ウェブを生じる。慣用の押圧織物を用いる慣用の薄織物機械は、100%に近い接触面積を有する。本発明、又はTAD機械におけるような、構造化された繊維の通常の接触面積は、通常、慣用の機械のものよりも著しく小さく、形成される製品の特定のパターンに応じて、15〜30%である。
【0024】
図9及び図11において、従来のウェブ構造が示されており、この場合、水分が、構造化された織物を通って吸い出され、ウェブが、図7に示されているように成形され、まくら領域Cが、ウェブにおける繊維が構造内へ引き込まれるので、小さな坪量を有する。成形は、ウェブ40に圧力を加え、ウェブを、構造化された織物33の構造に従わせることによって行われることができる。これは、付加的に、繊維がまくら領域C内へ移動させられる時に繊維の裂断を生じる。引き続き、図11に示されているように、ヤンキードライヤ52において押圧することは、領域Cにおける坪量を減じる。これに対して、図8に示されているように、本発明において、水分は脱水織物82を通って引き出され、まくら領域C′を保存する。図10のまくら領域C′は、押圧されない領域であり、ヤンキードライヤ52に押圧されながら、構造化された織物28に支持されている。押圧される領域A′は、加えられる圧力のほとんどが転移される領域である。まくら領域C′は、例示された従来の構造のものよりも高い坪量を有する。
【0025】
本発明の増大した質量比、特にまくら領域におけるより大きな坪量は、圧縮された領域よりも多くの水分を支持し、図10及び図11に示されているように、従来技術と比べて、本発明の少なくとも2つの有利な態様を生じる。第1に、本発明は、ヤンキードライヤ52表面へのウェブの良好な転移を許容する。なぜならば、ウェブは、ヤンキードライヤ52と接触する繊維のより小さな質量により、従来達成可能であったよりも小さな全体シート固体含有量において、ヤンキー表面52と接触する部分において比較的小さな坪量を有するからである。より小さな坪量は、より少ない水分が、ヤンキードライヤ52との接触箇所において支持されていることを意味する。圧縮された領域はまくら領域よりも乾燥しており、これにより、より小さな全体ウェブ固体含有量で、ヤンキードライヤ52等の別の表面へのウェブの全体的な転移を許容する。第2に、構造は、従来のまくら領域において生じる、まくら領域の焼け又は燃焼なしに、ヤンキーフード54におけるより高い温度の使用を許容する。ヤンキーフード54温度は、しばしば350℃よりも高く、好適には450℃よりも高く、さらにより好適には550℃よりも高い。その結果、本発明は、従来技術よりも低い、ヤンキー押圧前の平均固体において作動することができ、システムの間、ヤンキーフードの能力のより完全な利用を行う。本発明により、ヤンキードライヤの前のウェブ38の固体含有量は、40%未満、35%未満、さらに25%未満で走行することができる。
【0026】
構造化された織物28を用いたウェブ38の形成により、織物28のポケットは完全に繊維で充填されている。
【0027】
したがって、ヤンキードライヤ52表面において、従来技術と比較して、ウェブ38は、約100%に達する、著しくより大きな接触領域を有する。なぜならば、ヤンキードライヤ52表面に接触する側において、ウェブ38はほぼ平坦であるからである。同時に、ウェブ38のまくら領域C′は、押圧されないままである。なぜならば、まくら領域は、構造化された織物28の谷によって保護されているからである(図10)。ウェブの25%を押圧するだけで、乾燥効率における良好な結果が得られた。
【0028】
図11に示されているように、ヤンキー表面52への従来のウェブ40の接触領域は、本発明により製造されたウェブ38の1つと比較して著しく小さい。
【0029】
従来のウェブ40のより小さな接触領域は、構造化された織物33の構造に従うウェブの成形により生じる。
【0030】
ヤンキードライヤ52表面に対する従来のウェブ40のより少ない接触面積により、乾燥効率が低い。
【0031】
ここで、さらに図12を参照すると、構造化された繊維ウェブ38が形成されるプロセスの実施形態が示されている。構造化された織物28は、三次元の構造化されたウェブ38を最新式の脱水システム50へ、吸引ボックス67を通り、次いでヤンキーローラ52へ搬送し、ヤンキーローラ52において、ウェブは、リール(図示せず)に巻き取られる前に、付加的な乾燥及びクレーピングのためにヤンキードライヤ52若しくはヤンキーローラ及びヤンキーフード若しくはフード区分54へ引き渡される。
【0032】
シュープレス56が構造化された織物28に隣接して配置されており、織物28をヤンキーローラ52の近傍の位置に保持している。構造化されたウェブ38は、ヤンキーローラ52と接触し、さらなる乾燥及びその後のクレーピングのために、ヤンキーローラの表面に引き渡される。
【0033】
真空ボックス58は、構造化された織物28に隣接して配置されており、−0.2bar〜−0.8bar、−0.4bar〜−0.6barの好適な作動レベルにおいて走行する公称20gsmのウェブにおいて15%〜20%の個体レベルを達成する。構造化された織物28によって支持されたウェブ38は、脱水織物82と接触し、真空ローラ60に向かって進行する。真空ローラ60は、−0.2〜−0.8barの真空レベル、少なくとも−0.4barの好適な作動レベルで作動する。脱水を改善するために、高温空気フード62が、選択的に真空ローラ60に取り付けられている。例えば、44mmの鋼厚さを備える商業用のヤンキー乾燥胴と、145m/sの空気吹付け速度を備える慣用のフードとが使用される場合、紙タオルの場合には1400m/minの製造速度が、またトイレットペーパーの場合には1700m/minの製造速度が使用される。
【0034】
選択的に、フード62の代わりに蒸気ボックスが装着されることができ、蒸気ボックスはウェブ38に蒸気を供給する。好適には、蒸気ボックスは、ウェブ38の水分再乾燥断面形状に影響するための区分化された設計を有する。真空ローラ60内の真空領域の長さは、200〜2500mm、好適には300〜1200mm、より好適には400〜800mmである。吸引ローラ60から出るウェブ38の固体レベルは、装着されたオプションに応じて、25%〜55%である。真空ボックス67及び高温空気供給部65は、真空ローラ60の後で且つヤンキーローラ52の前に、ウェブ38の固体を増大するために使用されることができる。ワイヤ変向ローラ69が、高温空気供給フードを備えた吸引ローラであることもできる。ローラ65は、800mm以上、好適には120mm以上のシュー長さと、2.5MPa未満の最大ピーク圧力とを備えたシュープレスを含む。ヤンキードライヤ52へのウェブ38の引き渡しを促進するためにより長いニップを形成するために、構造化された織物28に支持されたウェブ38は、シュープレス56に関連したプレスニップの前に、ヤンキーローラ若しくはヤンキードライヤ52の表面と接触させられることができる。さらに、接触は、構造化された織物28がプレス56を通過した後も維持されることができる。
【0035】
脱水織物82は、芯層に結合された透過性の織られた基礎織物を有していてよい。基礎織物は、縦方向の糸と、横方向の糸とを有する。縦方向の糸は、3本のマルチフィラメント撚り糸である。横方向の糸は、モノフィラメント糸である。縦方向の糸は、モノフィラメント糸であることもでき、構造は、典型的な多層設計であることができる。いずれの場合にも、基礎織物が、700gsm以下、好適には150gsm以下、より好適には135gsm以下の重量を有する微細な芯繊維を用いて、針で縫われる。芯繊維は、基礎構造を包囲しており、基礎構造に十分な安定性を提供する。針で縫うプロセスは、真っ直ぐに貫通するチャネルが形成されるようなものであることができる。シート接触面は、表面の平滑度sを改善するために加熱される。縦方向の糸は、数千の繊維を含んでよいマルチフィラメントである。基礎織物は、真っ直ぐな貫通排出チャネルを生じる針縫いプロセスによって芯層に結合される。
【0036】
脱水織物82の別の実施形態において、織物層と、少なくとも2つの芯層と、再濡れ防止層及び接着増とが含まれている。基礎織物は実質的に前記説明と同様である。芯層の少なくとも1つは、加熱時に繊維同士の結合を補うための低溶融二成分繊維を含む。基礎織物の一方の側には、再濡れ防止層が取り付けられており、この再濡れ防止層は、接着剤、溶融プロセス、又は針縫いによって基礎織物に取り付けられてよく、この場合、再濡れ防止層に含まれた材料は、基礎織物層及び芯層に結合される。再濡れ防止層は、エラストマ材料から形成されており、これにより、エラストマ膜を形成しており、このエラストマ膜は、貫通した開口を有している。
【0037】
芯層は、針縫いされ、これにより、脱水織物82を一緒に保持する。これは、有利には、貫通した多くの針縫いされた孔を備える芯層を残す。再濡れ防止層は、多孔質であり、貫通した水チャネル又は真っ直ぐな貫通穴を有する。
【0038】
脱水織物82のさらに別の実施形態において、脱水織物82の少なくとも一方の側に疎水性の層が付加された、前に説明されたものと実質的に同じ構造が提供される。疎水性の層は水を吸収しないが、水を穴に通過させる。
【0039】
脱水織物82のさらに別の実施形態において、基礎織物に、基礎織物の上側に配置された、ポリウレタン等のポリマから形成された格子が取り付けられている。格子は、例えば押出し成形技術又はスクリーン印刷技術等の様々な公知の方法を利用することによって基礎織物に配置されてよい。格子は、縦方向の糸と横方向の糸とに対して角度を成して基礎織物に配置されていてよい。この向き付けは、格子のいかなる部分も縦方向の糸と整合させられないようなものであり、その他の向きが使用されることもできる。格子は、均一な格子パターンを有することができ、この格子パターンは部分的に不連続であることができる。さらに、格子構造の相互結合部の間の材料は、実質的に真っ直ぐであるのではなく、湾曲した経路をたどっている。格子は、ポリマ又は特にポリウレタン等の合成物から形成されており、自然接着特性により基礎織物に自ら付着する。
【0040】
脱水織物82のさらに別の実施形態において、格子に接着された、縦方向の糸と横方向の糸とを有する透過性の基礎織物が含まれている。格子は、脱水織物82の前の実施形態に関して説明されたものと同じであってよい複合材料から形成されている。格子は、複合材料と縦方向の糸とから形成された複合構造である。縦方向の糸は、複合材料を所定のパターンに再流動させる、複合材料を再加熱するために使用される型において実質的に平行な列に配置される前に、複合材料で予め被覆されてよい。付加的な複合材料も、型に注入されてよい。次いで、複合層としても知られる格子構造が、透過性織物に格子を積層すること、複合材料で被覆された糸が透過性織物に対する所定の位置に保持された時にこの複合材料で被覆された糸を溶融させることを含む多くの技術のうちの1つによって、又は基礎織物への格子の再溶融させることによって、基礎織物に結合される。さらに、格子を透過性織物に取り付けるために接着剤が使用されてよい。
【0041】
芯層は、2つの層、すなわち上層及び下層を有していてよい。芯繊維は、基礎織物と複合層とに針で縫われ、これにより、少なくとも1つの外側芯層表面を有する脱水織物82を形成する。芯材料は、その性質上多孔質であり、付加的に、針縫いプロセスは、層を互いに結合するだけでなく、脱水織物82の構造内へ延びた又は構造を完全に貫通した多数の小さな孔をも形成する。
【0042】
脱水織物82は、5〜100立方フィート/分、好適には19立方フィート/分以上、より好適には35立方フィート/分以上の空気透過率を有する。脱水織物82における平均孔直径は、5〜75μm、好適には25μm以上、より好適には35μm以上である。疎水性の層は、合成ポリマ材料、羊毛、又はポリアミド、例えばナイロン6から形成されることができる。再濡れ防止層及び複合層は、基礎織物に積層された、合成ポリマ材料又はポリアミドから形成された薄いエラストマ透過膜から形成されてよい。
【0043】
芯層は、0.5dtex〜22dtexの繊維から形成されており、加熱時に層のそれぞれにおいて繊維同士の結合を補うために、低溶融二成分繊維を含んでいてよい。結合は、低温度で溶融可能な繊維、粒子及び/又は樹脂を使用することにより生じてよい。脱水織物は、2.0mm未満、又は1.50mm未満、又は1.25mm未満又は1.0mm未満の厚さであることができる。
【0044】
脱水織物82の好適な実施形態は、引用により本明細書に記載されたこととするPCT/EP/2004/053688及びPCT/EP2005/050198にも記載されている。
【0045】
ここで、さらに図13を参照すると、高温空気フード62の代わりにベルトプレス64が設けられていることを除いて、図12に示された発明と実質的に同じである、本発明のさらに別の実施形態が示されている。ベルトプレス64は、吸引ローラ60の周囲においてウェブ38を支持する構造化された織物28のシートに接触しない側に圧力を加えることができる透過性のベルト66を有している。ベルトプレス66の透過性ベルト若しくは織物66は、延長されたニッププレスベルト又はリンク織物としても知られており、ローラ60の吸引領域よりも長い押付け長さにわたって、60KN/mの織物張力で走行することができる。
【0046】
織物66の好適な実施形態及び所要の作動コンシレーションは、引用により本明細書に記載されたこととするPCT/EP/2004/053688及びPCT/EP2005/050198にも記載されている。
【0047】
前記引用文献は、別の実施形態において説明された脱水織物82及びプレス織物66のためにも完全に適用可能である。
【0048】
構造化された織物28に圧力が加えられるのに対し、ウェブ38における高い繊維密度まくら領域は、構造化された織物28のボディ内に含まれているので、ヤンキーニップに位置する時に圧力から保護される。
【0049】
ベルト66は、例えば強化ポリウレタン及び/又はスパイラルリンク織物から形成された特別の設計された延長ニッププレスベルト66である。ベルト66は、透過性であり、これにより、空気をベルトに通過させ、ベルトプレス66の水分除去能力を向上させる。水分は、脱水織物82から真空ローラ60内へウェブ38から引き込まれる。
【0050】
ベルト66は、50〜300KPaの範囲、好適には100KPaよりも大きな押圧の低いレベルを提供する。これにより、1.2mの直径を備える吸引ローラは、30KN/mよりも大きな、好適には60KN/mよりも大きな織物張力を有することができる。真空ローラ60によって間接的に支持されている、織物28に対する透過性ベルト66の押付け長さは、少なくともローラ60における吸引領域と同じ長さである。しかしながら、ベルト66の接触部分は、吸引領域よりも短いことができる。
【0051】
透過性ベルトは、例えばドリル穿孔、レーザ切断、エッチング、又は編み込みによって形成されてよい孔のパターンを有する。透過性のベルト66は、溝を備えない単一平面であってよい。1つの実施形態において、ベルト66の表面は溝を有しており、ベルトプレス64における透過性のベルト66の走行部分に沿って織物28と接触して配置されている。各溝は一群の孔と接続しており、ベルト66における空気の通過及び分配を提供する。空気は溝に沿って分配され、これは、ベルト66の表面がウェブ38に対して圧力をかける接触領域に隣接した開放領域を形成する。空気は、孔を通って透過性のベルト66に進入し、次いで、溝において合流し、織物28と、ウェブ38と、織物82とを通過する。孔の直径は、溝の長さよりも長くてもよい。溝は、概して矩形、三角形、台形、半円形又は半だ円形の断面形状を有していてよい。真空ローラ60に関連した透過性のベルト66の組み合わせは、シート固体を少なくとも15%だけ増大させるために示された組み合わせである。
【0052】
ベルト66の別の構造の例は、薄いスパイラルリンク織物の構造であり、この構造は、ベルト66内の強化構造であることができるか、又はスパイラルリンク織物自体がベルト66として働く。織物28内には、ウェブ38において反映される三次元構造が設けられている。ウェブ38は、より厚いまくら領域を有しており、このまくら領域は、構造化された織物28のボディ内に位置している時に押圧中に保護される。このように、ウェブ38にベルトプレスアセンブリ64によって提供される押圧は、ウェブ品質に不都合な影響を与えず、真空ローラ60の脱水率を増大させる。
【0053】
ここで、さらに真空ローラ60に関連したベルトプレス64の脱水能力を向上させるためにベルトプレス64内に配置された高温空気フード68が付加された、図13に示された実施形態と実質的に同じである図14を参照する。
【0054】
ここで、さらに図15を参照すると、図13に示された実施形態と実質的に同じであるが、構造化された織物28と遭遇するブーストドライヤ70を有する、本発明のさらに別の実施形態が示されている。ウェブ38は、ブーストドライヤ70の高温表面に曝され、構造ウェブ38はブーストドライヤ70の周囲に載置され、別の織物72は構造化された織物の上側に載置する。織物72の上側には、織物72と、全ての織物及びウェブ38に冷却及び圧力を加える冷却ジャケット76とに接触する、熱伝導性織物74が位置している。ここで再び、ウェブ38におけるより大きな繊維密度のまくら領域は、構造化された織物28のボディ内に含まれるので圧力から保護されている。このように、押圧プロセスはウェブ品質に不都合な影響を与えない。ブーストドライヤ70の乾燥率は、40kg/hrm2よりも高く、好適には500kg/hrm2よりも高い。ブーストドライヤ70の概念は、ドライヤの高温の表面に対してウェブ38を保持するために十分な圧力を提供し、気泡を回避することである。ナックルポイント織物28において形成される蒸気は織物28を通過し、織物72において凝縮される。織物72は、冷却ジャケットと接触する織物74によって冷却され、これは、織物の温度を蒸気の温度よりもはるかに低く低下させる。このように、蒸気が凝縮され、圧力の増大を回避し、これによりウェブ38の気泡化を回避する。凝縮された水は織物72によって捕捉され、織物72は脱水装置75によって脱水される。ブーストドライヤ70の寸法に応じて、真空ローラ60の必要性が排除されることができる。さらに、ブーストドライヤ70の寸法に応じて、ウェブ38はブーストドライヤ70の表面においてクレーピングされ、これによりヤンキードライヤ52の必要性を排除する。
【0055】
ここで、さらに図16を参照すると、図13に示された発明と実質的に同じ本発明のさらに別の実施形態が示されているが、空気プレス78が付加されており、この空気プレスは、ウェブ38がヤンキー52に引き渡される前にウェブを付加的に乾燥するための、HPTADと呼ばれる、高温空気と共に使用される4ローラ型クラスタープレスである。4ローラ型クラスタープレスは、主ローラと、通気ローラと、2つのキャップローラとを有している。このクラスタープレスの目的は、加圧されることができる密閉されたチャンバを提供することである。圧力チャンバは、例えば150℃以上で、慣用のTAD技術よりも著しく高い圧力、例えば1.5psiよりも高い圧力の高温空気を含んでおり、慣用のTADよりも著しく高い乾燥率を提供する。高圧の高温空気は、選択的な空気分散織物と、ウェブ38と、織物28とを通って通気ローラに進入する。空気分散織物は、ウェブ38が4つのキャップローラのうちの1つに従うことを阻止する。空気分散織物は極めて開放しており、織物28の透過率と等しい又はそれよりも高い透過率を有する。HPTADの乾燥率は、ウェブがHPTADに進入するときのウェブ38の固体含有量に依存する。好適な乾燥率は、慣用のTAD機械の乾燥率の少なくとも2倍である、少なくとも500kg/hr/m2である。
【0056】
HPTADの利点は、シート品質の著しい損失なしに改良されたシート脱水の領域において、寸法のコンパクトさ及びエネルギ効率である。さらに、HPTADは、発明の速度ポテンシャルを増大する、より高いヤンキー前固体を可能にする。さらに、HPTADのコンパクトな寸法は、既存の機械に容易に後から取り付けられることを可能にする。HPTADのコンパクトな寸法と、HPTADが閉鎖された系であることとは、HPTADが、エネルギ効率を増大するためにユニットとして容易に絶縁され且つ最適化されることができることを意味する。
【0057】
ここで、さらに図17を参照すると、本発明の別の実施形態が示されており、これは、2パスHPTAD80が付加されていることを除き、図13及び図16と実質的に同じである。この場合、図16に示された設計に対して、構造化されたウェブ38の滞在時間を二倍にするために、2つの通気されるローラが使用されている。選択的な粗いメッシュの織物が、前の実施形態におけるように使用されてよい。高温の加圧された空気は、織物28に支持されたウェブ38を通過し、2つの通気ローラへ達する。HPTADの構成及び寸法に応じて、2つ以上のHPTADが連続して配置されることができ、これらは、ローラ60の必要性を排除する。
【0058】
ここで、さらに図18を参照すると、慣用のツインワイヤフォーマ90が、前の実施例に示されたクレッセントフォーマの代わりに使用されてよい。形成ローラは、中実なローラ又は開放したローラであることができる。開放したローラが使用される場合、まくら領域における坪量を損失することを回避するために、構造化された織物を通って著しく脱水することを回避するために注意が払わなければならない。外側の成形織物93は、標準的な成形織物であるか、又は米国特許第6237644号明細書に開示されているようなものであることができる。内側の成形織物91は、外側の成形織物よりも著しく粗い、構造化された織物91でなければならない。ウェブが構造化されたワイヤ91と共存し、外側ワイヤ90によって連行されないことを保証するために、吸引ボックス92が必要とされる。ウェブ38は、真空装置を使用して、構造化された織物28に引き渡される。比際足は、定置の真空シュー又は真空補助式回転取上げローラ94であることができる。第2の構造化された織物28は、第1の構造化された織物91と少なくとも同じ粗さであるか、好適にはそれよりも粗い。この箇所からのプロセスは、前に説明されたプロセスと同じである。第1の構造化された織物から第2の構造化された織物へのウェブの位置合わせは完全ではなく、したがって、幾つかのまくらは、膨張プロセス中に僅かな坪量を失い、したがって、本発明の利点の幾つかを失う。しかしながら、この選択的なプロセスは、幾つかのシート特性を改善するために示された、異なる速度の引き渡しを行うことを可能にする。上述の脱水のためのあらゆる装置は、ツインワイヤフォーマ配列及び慣用のTADと一緒に使用されてよい。
【0059】
本発明におけるウェブ38の繊維分配は、従来技術のものとは逆であり、これは、構造化された織物ではなく、形成織物を通って水分を除去する結果である。低密度のまくら領域は、包囲する圧縮される領域よりも、比較的高い坪量を有し、これは、慣用のTADの紙とは逆である。これは、繊維の高い割合がプロセス中に圧縮されないままであることを可能にする。公称20gsmのウェブのために、バスケット法によって測定されたシート吸収率は、繊維1g当たり水12g以上であり、しばしば繊維1g当たり水15g以上を超える。シートのバルクは、10cm3/gm以上であり、好適には13cm3/gmである。トイレットペーパーのシートバルクは、カレンダの前に、13cm3/gm以上であることが予測される。
【0060】
吸収率を測定するバスケット法において、5gの紙がバスケット内に配置される。次いで、紙を含むバスケットが計量され、60秒間20℃の水の小さな容器内に導入される。60秒の浸漬時間の後、バスケットは水から取り出され、60秒間排水させられ、再び計量される。次いで、重量差が、紙の重量によって除され、紙に吸収及び保持されている繊維のグラム当たりの、保持された水分のグラム数を生ぜしめる。
【0061】
ウェブ38は、成形織物26と構造化された織物28との間においてヘッドボックス22が排出する繊維スラリ24から形成される。ウェブ38が形成されながら、ローラ34が回転子、織物26及び28を支持する。水分Mは、織物26を流過し、滴受け36に捕捉される。水分が構造化された織物28を通って除去される場合よりも、ウェブ38のまくら領域がより大きな坪量、ひいては厚さを保持することを可能にするために働くのが、この形式での水分除去である。十分な水分がウェブ38から除去され、織物26がウェブ38から除去され、ウェブ38は乾燥段階へ進行する。ウェブ38は、構造化された織物28のパターンと、存在するかもしれない織物26からのあらゆる帯状透過率効果とを保持する。
【0062】
再び図1を参照すると、織物26と、織られた構造化された織物28との間に繊維スラリ24を排出するヘッドボックス22を有する抄紙機20が示されている。ローラ30及び32は、織物26を、織物26に張力が提供されるように、スラリ24及び織られた構造化された織物28に対して押し付ける。織られた構造化された織物28は形成ローラ34によって支持されており、形成ローラ34は、構造化された織物28及び形成織物26の速度と一致する表面速度で回転する。構造化された織物28は、山28a及び谷28bを有しており、この山及び谷は、この織物の上に形成されるウェブ38に対応する構造を提供する。構造化された織物28は方向Wに走行し、水分Mは繊維スラリ24から除去されながら、構造化された繊維ウェブ38が成形される。スラリ24から除去された水分Mは形成織物26を通過し、滴受け36に収集される。繊維スラリ24における繊維は、ウェブ38が成形されながら主に谷28bに集まる。
【0063】
スラリ24がヘッドボックス22から出ると、スラリは約0.1〜0.5%の極めて低い稠性を有する。ウェブ38の稠性は、形成区分出口の最後において約7%に増大する。構造化された織物28は、ウェブ38を、ウェブ38が最初にヘッドボックス22によって織物28に配置されたところから、ヤンキードライヤまで搬送し、これにより、最大のバルク及び吸収性能力のための良く規定された紙構造を提供する。ウェブ38は、例外的な厚さ、バルク、及び吸収率を有しており、紙タオルを製造するために使用される慣用のTAD織物を用いる場合よりも30%高い。ヤンキードライヤへのウェブ38の優れた引き渡しは、60%〜75%のTADよりも高い含水量を有する、33〜37%の乾燥度で働くATMOSTMシステムを用いて生じる。ATMOSTM構成において乾燥損失は走行しない。なぜならば、構造化皿多織物28は、ポケット深さ(谷)を有しており、ナックル(山)を有しておらず、脱水織物と、ウェブ38と、構造化された織物28と、ベルトとの間の親密性の損失はなく、これは、ATMOSTMシステムを用いて所望の乾燥度を達成するためのキーである。
【0064】
ここで、さらに図25〜図27を参照すると、構造化された織物28は、織機においておられた経糸及び緯糸を有する。構造化された織物28は、平坦に又は無端に織られていてよい。構造化された織物28は、15〜40%、好適には25〜30%、最も好適には約28%の、ウェブ側における表面接触面積を有する。
【0065】
図25及び26に示されているように、反復するほとんど正方形のポケットが形成されている。なぜならば、織りパターンは、ポケットをより深く保持するからである。なぜならば、ポケットを実質的に包囲する接触レベルよりも低く形成された平面があるからである。山28aと谷28bとの差であると考えられることができるポケット深さは、本発明の織りパターンにより、実質的にポケットを横切って生じる。ポケットの境界は、構造化された織物28に形成された別の隣接するポケットの境界の部分と供給されている。このポケット深さ及びポケットの寸法は、ポケット体積を提供する。各ポケットは、1.0mm3〜3.0mm3の体積、1.5mm3〜2.5mm3の好適な体積、約2.0mm3の最も好適な体積、を有する。
【0066】
構造化された織物28において使用される糸は、あらゆる断面形状、例えば、円、だ円、平坦、又は正方形であってよい。構造化された織物28の糸は、あらゆる色の熱可塑性又は熱硬化性のポリマ材料から形成されていることができる。表面特徴42は、個々の経糸及び/又は緯糸の表面における、平坦化、突出、凹み又はその他の形状であってよい。このような表面特徴42は、構造化された織物28の織りの後に提供されてよい。例えば、上面は、平坦度を増大するために高温カレンダ処理されてよい。構造化された織物28の透過率は、300cfm〜1600cfm、好適には500cfm〜100cfm、最も好適には約750cfmである。
【0067】
図27に示された経糸パターンは、緯糸パターンの反映でもある。例えば、図26において、経糸1のための上から下へのパターンが、緯糸3のための左から右へのパターンと同じであることが分かる。経糸1は、緯糸1の上、緯糸2の下、緯糸3の上、緯糸4,5,6の下、緯糸7の上、緯糸8の下、緯糸9,10の上を通る。別の糸のパターンは、図25、図26、図27における情報から同じことにおいて説明される。
【0068】
構造化された織物28は、図25〜図27の10本の経糸及び緯糸によって示されている反復するパターンを有する。織物は、10×10のパターンのための開始点からオフセットを有する織りパターンを有すると考えることができる。図27に示された織りのいずれも、パターンのオフセットを実施するために選択されることができる。例えば、開始点を規定するものとして糸番号7を選択することは、それ自体からのゼロのオフセットを有しており、糸番号6は、3つの交差する糸によって右へオフセットされており、糸5は、開始位置から6つの位置だけオフセットされており、糸4は、9本の位置だけ右へオフセットされている。同様の形式で、糸3は2つオフセットされており、糸2は5つオフセットされており、糸1は8つオフセットされており、糸10は1つオフセットされており、糸9は4つオフセットされており、糸8は7つオフセットされている。パターンは反復しているので、オフセットは、いずれの糸からも測定されることができ、選択された糸がパターンのための始点となる。同様に、オフセットは負のオフセットとして説明されることができ、この負のオフセットは、パターンの左へのシフトとして考えられる。隣接する糸は、交差する糸から奇数の位置だけ互いにオフセットされている。また、隣接する糸は、偶数の交差する糸によってオフセットされている。前述のように、図27に示されている織りパターンは、パターンの緯糸方向又は経糸方向に等しく適用可能であるので、対称的な性質のパターンを形成する。
【0069】
本発明の織りのパターンは、有利には、100〜300ポケット毎平方インチ、好適には150〜300ポケット毎平方インチ、最も好適にはほぼ200ポケット毎平方インチのポケット密度を有する。各10×10糸反復パターンにおいて、少なくとも8つの完全なポケットが存在する。完全なポケットは、経糸1及び2が緯糸3及び4と交差するところ、経糸3及び4が緯糸7及び8と交差するところ、経糸4及び5が緯糸4及び5と交差するところ、経糸5及び6が緯糸1及び2と交差するところ、経糸6及び7が緯糸8及び9と交差するところ、経糸7及び8が緯糸5及び6と交差するところ、経糸8及び9が緯糸2及び3と交差するところ、経糸9及び10が緯糸9及び10と交差するところに存在する。図25及び図26に示されているように、反復するパターンの4つの側部のそれぞれの境界に沿って半分ポケットも存在し、この半分ポケットは、反復する模様におけるポケットの対応する半分と結合するために働く。
【0070】
構造化された織物28は、15〜40%、好適には25〜30%、最も好適には約28%の表面接触面積を有する。構造化された織物28の厚さは、0.03〜0,08インチ、好適には0.04〜0.06インチ、最も好適には0.05インチである。
【0071】
前述のように、ポケットは、これらのポケットのそれぞれを包囲する接触レベルよりも低い平面にあるので、従来技術のポケットよりも深い。図12〜図18に示されたような抄紙機における構造化された織物28の使用は、ATMOSTMシステムにおける成形位置に向けられているが、慣用のTAD、E−TADにおける引き渡し位置、又はMetso概念機械における位置における使用が見られてもよい。
【0072】
織りパターンの図が図28及び図29にも示されており、図30は、構造化された織物の上側の可能な型押しの図を示している。図20は、紙側織りの図であり、図29は、反対の構造化織物28の側の図である。図28及び図29は実質的に同じであるなぜならば、織りパターン対称的な性質であるからである。図30は、構造化された織物28の接触箇所を示す型押しを示している。緯糸は、経糸よりも盛り上がっており、これは、緯糸及び経糸の相対的な寸法と、糸の成形、又は使用中の構造化された織物28における張力等の使用要因を反映することができる。
【0073】
本発明は少なくとも1つの実施形態に関して説明されたが、本発明はさらにこの開示の精神及び範囲内で変更されることができる。したがって、本出願は、一般的原理を使用する発明のあらゆる変更、使用又は適応を網羅することが意図されている。さらに、本出願は、本発明が属する技術において知られている又は一般的な実用の範囲で、添付の請求項の範囲に当てはまる、本開示からのこのような逸脱を網羅することが意図されている。
【符号の説明】
【0074】
20 繊維ウェブ機械、 22 ヘッドボックス、 24 繊維スラリ、 26 成形織物、 28 構造化された織物、 28a 山、 28b 谷、 30,32 ローラ、 33 構造化された織物、 34 成形ローラ、 38 ウェブ、 40 ウェブ、 50 脱水システム、 52 ヤンキードライヤ、 54 ヤンキーフード、 56シュープレス、 60 真空ローラ、 62 フード、 64,66 ベルトプレス、 65 高温空気供給部、 66 透過性ベルト、 67 吸引ボックス、 69 ワイヤ変向ローラ、 70 ブーストドライバ、 72 織物、 74 別伝導性織物、 75 脱水装置、 78 空気プレス、 82 脱水織物、 90 ツインワイヤフォーマ、 91 成形織物、 92 吸引ボックス、 94 真空シュー又は真空補助式回転取上げローラ、 C′ まくら領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄紙機において、
ベルトプレスが設けられており、該ベルトプレスが、
外面を有するローラと、
第1の側を有する透過性のベルトとを有しており、該透過性のベルトが、前記外側ローラの一部分にわたって案内されており、前記透過性のベルトが、少なくとも約30KN/mの張力を有しており、前記第1の側が、少なくとも10%の接触面積を有しており、
前記ベルトプレスがさらに、前記ローラを横切る少なくとも1つの織物を有しており、該少なくとも1つの織物が、紙側と反対側とを有する織られた織物を含み、該織られた織物が、緯糸と経糸との反復する織りパターンを有しており、該反復するパターンが、1〜10の番号が付けられた10本の経糸と、1〜10の番号が付けられた10本の緯糸とを含んでおり、この場合、
緯糸1が、前記経糸1,3,7,9,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸1が、前記経糸2,4,5,6,8の前記反対側に位置しており、
緯糸2が、前記経糸4,6,7,8,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸2が、前記経糸1,2,3,5,9の前記反対側に位置しており、
緯糸3が、前記経糸1,3,4,5,7の前記紙側に位置しており、前記緯糸3が、前記経糸2,6,8,9,10の前記反対側に位置しており、
緯糸4が、前記経糸1,2,4,8,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸4が、前記経糸3,5,6,7,9の前記反対側に位置しており、
緯糸5が、前記経糸1,5,7,8,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸5が、前記経糸2,3,4,6,10の前記反対側に位置しており、
緯糸6が、前記経糸2,4,5,6,8の前記紙側に位置しており、前記緯糸6が、前記経糸1,3,7,9,10の前記反対側に位置しており、
緯糸7が、前記経糸1,2,3,5,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸7が、前記経糸4,6,7,8,10の前記反対側に位置しており、
緯糸8が、前記経糸2,6,8,9,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸8が、前記経糸1,3,4,5,7の前記反対側に位置しており、
緯糸9が、前記経糸3,5,6,7,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸9が、前記経糸1,2,4,8,10の前記反対側に位置しており、
緯糸10が、前記経糸2,3,4,6,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸10が、前記経糸1,5,7,8,9の前記反対側に位置していることを特徴とする、抄紙機。
【請求項2】
前記透過性ベルトが、少なくとも25%の開放面積を有することを特徴とする、請求項1記載の抄紙機。
【請求項3】
前記透過性ベルトの前記接触面積が、少なくとも25%であることを特徴とする、請求項1記載の抄紙機。
【請求項4】
さらに別の織物が設けられており、前記織られた織物と、前記別の織物とが、前記透過性ベルトと前記ローラとの間を走行し、前記別の織物が第1の側と第2の側とを有しており、前記別の織物の前記第1の側が、前記ローラの前記外面と少なくとも部分的に接触しており、前記別の織物の前記第2の表面が、繊維ウェブの第1の側と少なくとも部分的に接触しており、前記織られた織物が、第1の側と第2の側とを有しており、前記織られた織物の前記第1の側が、前記透過性ベルトの前記第1の側と少なくとも部分的に接触しており、前記織られた織物の前記第2の側が、繊維ウェブの第2の側と少なくとも部分的に接触していることを特徴とする、請求項1記載の抄紙機。
【請求項5】
前記別の織物が、透過性の脱水ベルト、少なくとも1つのベルト層を備えたフェルト、織られた織物、又はワイヤのうちの1つであることを特徴とする、請求項4記載の抄紙機。
【請求項6】
繊維ウェブが、ティッシュウェブであることを特徴とする、請求項5記載の抄紙機。
【請求項7】
ティッシュウェブが、前記織られた織物上に形成されることを特徴とする、請求項6記載の抄紙機。
【請求項8】
前記織られた織物が、複数のポケットを形成しており、該複数のポケットのそれぞれが、約1.0mm3〜約3.0mm3のポケット体積を有することを特徴とする、請求項1記載の抄紙機。
【請求項9】
前記複数のポケットが、前記織られた織物の表面において100〜300ポケット毎平方インチのポケット密度を有することを特徴とする、請求項8記載の抄紙機。
【請求項10】
前記織られた織物が、約0.03インチ〜約0.08インチの厚さを有することを特徴とする、請求項8記載の抄紙機。
【請求項11】
前記織られた織物が、300cfm〜1600cfmの透過率を有することを特徴とする、請求項10記載の抄紙機。
【請求項12】
前記反復するパターンが、少なくとも8つのポケットを有することを特徴とする、請求項1記載の抄紙機。
【請求項13】
抄紙機において繊維ウェブにプレス成形を受けさせる方法において、該方法が以下のステップ:
繊維ウェブを織られた織物上で搬送し、
透過性ベルトの一部分との繊維ウェブの接触面積に対して圧力を加え、前記接触面積が少なくとも10%であり、
透過性ベルトと繊維ウェブとに空気を通過させ、前記透過性ベルトが、少なくとも30kN/mの張力を有しており、前記織られた織物が、紙側と反対側とを有しており、前記紙側が少なくとも部分的に繊維ウェブの一部分と接触しており、前記織物が、緯糸と経糸との反復する織りパターンを有しており、該反復するパターンが、1〜10の番号が付けられた10本の経糸と、1〜10の番号が付けられた10本の緯糸とを含んでおり、この場合、
緯糸1が、前記経糸1,3,7,9,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸1が、前記経糸2,4,5,6,8の前記反対側に位置しており、
緯糸2が、前記経糸4,6,7,8,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸2が、前記経糸1,2,3,5,9の前記反対側に位置しており、
緯糸3が、前記経糸1,3,4,5,7の前記紙側に位置しており、前記緯糸3が、前記経糸2,6,8,9,10の前記反対側に位置しており、
緯糸4が、前記経糸1,2,4,8,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸4が、前記経糸3,5,6,7,9の前記反対側に位置しており、
緯糸5が、前記経糸1,5,7,8,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸5が、前記経糸2,3,4,6,10の前記反対側に位置しており、
緯糸6が、前記経糸2,4,5,6,8の前記紙側に位置しており、前記緯糸6が、前記経糸1,3,7,9,10の前記反対側に位置しており、
緯糸7が、前記経糸1,2,3,5,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸7が、前記経糸4,6,7,8,10の前記反対側に位置しており、
緯糸8が、前記経糸2,6,8,9,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸8が、前記経糸1,3,4,5,7の前記反対側に位置しており、
緯糸9が、前記経糸3,5,6,7,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸9が、前記経糸1,2,4,8,10の前記反対側に位置しており、
緯糸10が、前記経糸2,3,4,6,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸10が、前記経糸1,5,7,8,9の前記反対側に位置していることを特徴とする、抄紙機において繊維ウェブにプレス成形を受けさせる方法。
【請求項14】
前記透過性ベルトが、少なくとも25%の開放面積を有することを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記透過性ベルトの前記接触面積が、少なくとも25%であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項16】
繊維ウェブの前記接触面積が、前記部分から離れた面積よりも、前記透過性ベルトの前記部分によってより押圧される領域であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記透過性ベルトの前記部分が、開口、凹所及び溝を有さない概して平坦な面であり、前記透過性ベルトがローラ上を案内されることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記織られた織物上で繊維ウェブを形成するステップと、
繊維ウェブがヤンキードライヤへ引き渡されるまで前記織られた織物上において繊維ウェブを搬送するステップとを含むことを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項19】
前記緯糸及び前記経糸の少なくとも一方、成形された部分を有しており、該成形された部分が、突出部、凹所、又は平坦化された領域の少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記成形された部分が、平坦化された領域であることを特徴とする、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記緯糸及び前記経糸を使用して前記織られた織物が織られた後に前記平坦化された領域が形成されることを特徴とする、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記織られた織物が複数のポケットを形成しており、該複数のポケットのそれぞれが、約1.0mm3〜約3.0mm3のポケット体積を有することを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項23】
前記複数のポケットが、前記織物の表面において100〜300ポケット毎平方インチのポケット密度を有することを特徴とする、請求項22記載の方法。
【請求項24】
織物が、約0.03インチ〜約0.08インチの厚さを有することを特徴とする、請求項22記載の方法。
【請求項25】
織物が、300cfm〜1600cfmの透過率を有することを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記反復する織りパターンが、少なくとも8つのポケットを含むことを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項27】
抄紙機において使用するための押圧装置において、
透過性の第1の織物と、
透過性の第2の織物とが設けられており、紙ウェブが前記第1の織物と第2の織物との間に配置されており、
前記第1の織物と接触した圧力発生エレメントが設けられており、
前記第2の織物と接触した支持構造の支持面が設けられており、
前記第1の織物と前記支持面との間に差圧を提供する差圧装置が設けられており、該差圧装置が、前記第1の織物、紙ウェブ又は前記第2の織物のうちの少なくとも1つの作用するようになっており、紙ウェブが、機械的圧力を受け、紙ウェブから水分を排出させるための液圧を生じさせ、押圧装置が、空気が前記第1の織物と、紙ウェブと、前記第2の織物とを1つの方向に流過することができるように配置されており、
前記第1の織物が、複数の緯糸と、複数の経糸と、前記緯糸及び前記経糸の反復するパターンから前記第1の織物を生じる織られた織物とを含んでおり、前記反復するパターンにおける前記緯糸がそれぞれ、始点から出発して、次に3つの隣接する経糸の上、1つの経糸の下、1つの経糸の上、3つの経糸の下、1つの経糸の上、1つの経糸の下を通る一続きを有しており、該一続きが繰り返していることを特徴とする、抄紙機において使用するための押圧装置。
【請求項28】
前記第1の織物が、通過空気乾燥織物であることを特徴とする、請求項27記載の押圧装置。
【請求項29】
前記第1の織物が、三次元構造を有することを特徴とする、請求項27記載の押圧装置。
【請求項30】
前記第2の織物が、フェルト又は芯層のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項27記載の押圧装置。
【請求項31】
前記複数の緯糸が、第1の緯糸と、該第1の緯糸に隣接した第2の緯糸とを含んでおり、前記第2の緯糸の前記始点が、前記第1の緯糸の前記始点から奇数の経糸分だけずれていることを特徴とする、請求項27記載の押圧装置。
【請求項32】
前記複数の緯糸がさらに、前記第2の緯糸に隣接した第3の緯糸を含み、前記第3の緯糸の前記始点が、前記第1の緯糸の前記始点から偶数の経糸分だけずれていることを特徴とする、請求項31記載の押圧装置。
【請求項33】
前記複数の緯糸がさらに、第4の緯糸と、第5の緯糸と、第6の緯糸と、第7の緯糸と、第8の緯糸と、第9の緯糸と、第10の緯糸とを含み、各緯糸が、前後の数字の緯糸に隣接しており、各奇数の緯糸が、前記第1の緯糸から偶数の経糸分だけずれた始点を有することを特徴とする、請求項32記載の押圧装置。
【請求項34】
前記第2の緯糸の前記始点が、前記第1の緯糸の前記始点から第1の方向に3つの経糸だけずれていることを特徴とする、請求項33記載の押圧装置。
【請求項35】
前記第10の緯糸の前記始点が、前記第1の緯糸の前記始点から第2の方向に3つの経糸だけずれており、前記第2の方向が前記第1の方向と反対方向であることを特徴とする、請求項34記載の押圧装置。
【請求項36】
前記緯糸の前記始点が、以下のように前記第1の方向に前記第1の緯糸の前記始点からずれている:
オフセット
前記第1の緯糸 0
前記第2の緯糸 3
前記第3の緯糸 6
前記第4の緯糸 9
前記第5の緯糸 2
前記第6の緯糸 5
前記第7の緯糸 8
前記第8の緯糸 1
前記第9の緯糸 4
前記第10の緯糸 7
を特徴とする、請求項35記載の押圧装置。
【請求項37】
抄紙機において繊維ウェブを押圧し且つ乾燥させる方法において、該方法が、
圧力発生エレメントを用いて繊維ウェブを押圧するステップを含み、繊維ウェブが少なくとも第1の織物と第2の織物との間に位置し、
繊維ウェブと、前記第1の織物又は前記第2の織物の少なくとも一方とに同時に空気を通過させるステップを含み、前記第1の織物が、紙側及び反対側を有する織られた織物であり、前記紙側が繊維ウェブの一部分と少なくとも部分的に接触しており、前記織物が、緯糸と経糸との反復する織りパターンを有しており、該反復するパターンが、1〜10の番号が付けられた10本の経糸と、1〜10の番号が付けられた10本の緯糸とを含んでおり、この場合、
緯糸1が、前記経糸1,3,7,9,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸1が、前記経糸2,4,5,6,8の前記反対側に位置しており、
緯糸2が、前記経糸4,6,7,8,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸2が、前記経糸1,2,3,5,9の前記反対側に位置しており、
緯糸3が、前記経糸1,3,4,5,7の前記紙側に位置しており、前記緯糸3が、前記経糸2,6,8,9,10の前記反対側に位置しており、
緯糸4が、前記経糸1,2,4,8,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸4が、前記経糸3,5,6,7,9の前記反対側に位置しており、
緯糸5が、前記経糸1,5,7,8,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸5が、前記経糸2,3,4,6,10の前記反対側に位置しており、
緯糸6が、前記経糸2,4,5,6,8の前記紙側に位置しており、前記緯糸6が、前記経糸1,3,7,9,10の前記反対側に位置しており、
緯糸7が、前記経糸1,2,3,5,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸7が、前記経糸4,6,7,8,10の前記反対側に位置しており、
緯糸8が、前記経糸2,6,8,9,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸8が、前記経糸1,3,4,5,7の前記反対側に位置しており、
緯糸9が、前記経糸3,5,6,7,9の前記紙側に位置しており、前記緯糸9が、前記経糸1,2,4,8,10の前記反対側に位置しており、
緯糸10が、前記経糸2,3,4,6,10の前記紙側に位置しており、前記緯糸10が、前記経糸1,5,7,8,9の前記反対側に位置していることを特徴とする、抄紙機において繊維ウェブを押圧し且つ乾燥させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2010−528192(P2010−528192A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508757(P2010−508757)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052765
【国際公開番号】WO2008/141851
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】