説明

構造物形成装置、構造物の製造方法及び構造物

【課題】微細かつ高精度な形状を有するシート状の構造物を形成することができる、構造物形成装置、構造物の製造方法及び構造物を提供すること。
【解決手段】構造物形成装置は、ローラと、保持部材と、照射ユニットと、巻取リールとを具備する。前記ローラは、回転可能に設けられ、前記回転の軸方向に長さを有し、エネルギー線を透過可能である。前記保持部材は、前記ローラとの間に、前記軸方向に長さを有するスリット領域を形成するように前記ローラに対向して配置され、少なくとも前記スリット領域で、前記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持可能である。前記照射ユニットは、前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成する。前記巻取リールは、前記形成された構造物を巻き取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、エネルギー線を材料に照射して硬化させることにより形成された構造物、構造物形成装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された光学フィルムの製造方法では、押出機に取り付けられたダイスからフィルム状に押し出された溶融状態のポリカーボネート樹脂でなるフィルムが、表面に彫刻形状が設けられた成形ロールと、弾性ロールとの間に挟み込まれる。これにより、その形成ロールの表面の彫刻形状が、フィルムに転写される(例えば、特許文献1の明細書段落[0033]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−90859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように成形ロールを用いたフィルムの製造方法では、成形ロールが持つ彫刻形状がフィルムに転写されるので、そのフィルムに転写される形状の細かさ及び精度には限界がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、微細かつ高精度な形状を有するシート状の構造物を形成することができる、構造物形成装置、構造物の製造方法及び構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本技術に係る構造物形成装置は、ローラと、保持部材と、照射ユニットと、巻取リールとを具備する。
前記ローラは、回転可能に設けられ、前記回転の軸方向に長さを有し、エネルギー線を透過可能である。
前記保持部材は、前記ローラとの間に、前記軸方向に長さを有するスリット領域を形成するように前記ローラに対向して配置され、少なくとも前記スリット領域で、前記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持可能である。
前記照射ユニットは、前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成する。
前記巻取リールは、前記形成された構造物を巻き取る。
【0007】
本技術では、ローラと保持部材との間に形成されたスリット領域に材料が保持された状態で、ローラ及び巻取リールが回転し、かつ、スリット領域にエネルギー線が照射されることにより、シート状の構造物が形成され排出されていく。つまり、この構造物形成装置は、従来のような成形ロールによる方法でなく、ラピッドプロトタイピングによる造形技術によって、シート状の構造物を形成するので、微細かつ高精度な形状を持つシート状の構造物を形成することができる。
【0008】
前記構造物形成装置は、前記ローラ及び前記保持部材の間にベースフィルムを供給する供給リールをさらに具備してもよい。これにより、ベースフィルム上に構造物を形成することができる。
【0009】
前記巻取リールは、前記ベースフィルム上に形成された前記構造物を、前記ベースフィルムとともに巻き取ってもよい。これにより、ベースフィルム及びこれに付着した構造物のロールを形成することができる。
【0010】
前記照射ユニットは、前記エネルギー線としてレーザービームを発生する第1の光源を有してもよい。これにより、ラピッドプロトタイピングのうち光造形技術により構造物を形成することができる。
【0011】
前記照射ユニットは、前記光源から発生した前記レーザービームを前記軸方向に走査する走査機構を有してもよい。
【0012】
前記保持部材は、前記レーザービームを透過可能な材質を有してもよい。また、前記照射ユニットは、前記保持部材を介して前記スリット領域で保持された前記材料に前記レーザービームを照射するための第2の光源を有してもよい。これにより、第1の光源からのレーザービームの照射による材料の第1の硬化層と、第2の光源からのレーザービームの照射による材料の第2の硬化層とを含む構造物を形成することができる。したがって、複雑な形状を持つ構造物を形成することができる。
【0013】
前記材料は光硬化性樹脂であり、光吸収剤を含んでいてもよい。この場合、前記照射ユニットは、前記レーザービームのパワーを制御することにより、前記スリット領域において形成される、前記レーザービームの光軸方向における構造物の深さを連続的に制御する制御部を含んでもよい。これにより、複雑な形状を持つ構造物を形成することができる。
【0014】
前記構造物形成装置は、前記スリット領域に前記材料を供給する供給機構をさらに具備してもよい。供給機構が材料をスリット領域に供給することで、人手によらず材料の供給が可能となる。
【0015】
前記構造物形成装置は、前記スリット領域から出力された前記構造物に付着した未硬化の材料を除去する除去ユニットをさらに具備してもよい。これにより、巻取リールは、未硬化の材料を含まないきれいな構造物を巻き取って収容することができる。
【0016】
例えば、前記除去ユニットは、前記未硬化の材料を真空作用により吸引するノズルを有してもよい。
【0017】
前記除去ユニットは、メッシュ材を有する、前記ローラ及び前記巻取リールの間の前記構造物の移送路上に回転可能に設けられた、前記スリット領域から出力された前記構造物にテンションを与えるパイプ状のメッシュローラを有してもよい。また、前記ノズルは、前記メッシュローラ内に配置され、前記メッシュローラの前記メッシュ材を介して前記未硬化の材料を吸引してもよい。これにより、メッシュローラにより構造物が移送されながら、ノズルがそのメッシュローラを介して未硬化の材料を吸引して除去することができる。また、ノズルがメッシュローラ内に配置されているため、除去ユニットの省スペース化を実現することができる。
【0018】
前記保持部材は、前記レーザービームを透過可能な材質を有してもよい。この場合、前記構造物形成装置は、除去ユニットと、移送機構とを具備してもよい。
前記除去ユニットは、前記スリット領域から出力された前記構造物に付着した未硬化の材料を除去する。前記移送機構は、前記除去ユニットにより前記未硬化の材料が除去された前記構造物に、前記保持部材から出射した前記レーザービームを入射させるように、前記未硬化の材料が除去された前記構造物を前記巻取リールまで移送する。
これにより、ローラから出射されスリット領域及び保持部材を透過したレーザービームのエネルギーを利用して、未硬化材料の除去後の構造物の後硬化処理を行うことができる。
前記構造物形成装置は、前記移送機構で移送される前記構造物への、前記レーザービームの入射を補助する反射部材または導光部材をさらに具備してもよい。これにより、構造物を形成するためのレーザービームのエネルギーの使用効率を高めることができる。
本技術に係る構造物の製造方法は、回転可能に設けられた、前記回転の軸方向に長さを有する、エネルギー線を透過可能なローラと、前記ローラに対向して配置された保持部材との間に形成された、前記軸方向に長さを有するスリット領域で、記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持することを含む。
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物が形成される。
巻取リールにより、前記形成された構造物が巻き取られる。
【0019】
本技術に係る構造物は、上記の製造方法により製造された構造物である。
【発明の効果】
【0020】
以上、本技術によれば、微細かつ高精度な形状を有するシート状の構造物を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本技術の一実施形態に係る構造物形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示した構造物形成装置の側面図である。
【図3】図3は、本技術の第2の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【図4】図4は、本技術の第3の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【図5】図5は、本技術の第4の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【図6】図6は、本技術の第5の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【図7】図7は、本技術の第7の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【図8】図8は、例えば図5または6で示した構造物形成装置により形成された、2層構造の構造物の例を示す斜視図である。
【図9】図9は、図8に示した一方向に長い構造物が縦横に配置された形状を有するシート状の構造物である。
【図10】図10は、構造物形成装置で形成することができる、別の例に係る構造物を示す斜視図である。
【図11】図11は、構造物形成装置で形成することができる、さらに別の例に係る構造物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
【0024】
(構造物形成装置の構成)
図1は、本技術の一実施形態に係る構造物形成装置の構成を示す模式図である。図2は、図1に示した構造物形成装置100の側面図である。
【0025】
構造物形成装置100は、エネルギー線としてのレーザービームLBを照射する照射ユニット10と、このレーザービームLBが入射されるローラ22と、このローラ22に対向して配置されたパイプ部材24とを備える。また、構造物形成装置100は、巻取リール40と、パイプ部材24と巻取リール40との間に配置された複数のテンションローラ31,32,33と、これらのテンションローラ31,32,33のうちテンションローラ32の近傍に配置された洗浄ノズル35(図2参照)とを備える。
【0026】
照射ユニット10は、レーザービームLBを発生するレーザー光源11と、レーザー光源11から発生したレーザービームを反射させるポリゴンミラー13と、ポリゴンミラー13により反射させられたレーザービームの等角運動を等速運動に変換して出射するfθレンズ15とを有する。ポリゴンミラー13は、図中、例えば上下方向(Z軸方向)に沿った回転軸を中心に回転し、レーザービームLBを、ローラ22の長さ方向(Y軸方向)に沿って走査する。この場合、少なくともポリゴンミラー13は走査機構として機能する。ポリゴンミラー13に代えてガルバノミラーが設けられていてもよい。
【0027】
ローラ22は、図示しないモータに接続されて回転駆動されるようになっている。このローラ22は、回転の軸方向(Y軸方向)に沿った長さを有する。ローラ22は、実質的に中実の円柱形状を有する。ローラ22の少なくともレーザービームLBを透過させる部分を形成する材質は、ガラス、アクリル等の透明な材質でなる。パイプ部材24、各テンションローラ31,32,33及び巻取リール40も、ローラ22と同様な方向に沿った回転軸を中心に回転可能に設けられている。
【0028】
パイプ部材24は、ローラ22とパイプ部材24との間に隙間23を形成するように、ローラ22に対向して配置されている。パイプ部材24の直径は、ローラ22の直径に比べ大きく形成されている。ローラ22及びパイプ部材24間の隙間23には、レーザービームLBで硬化可能な液体の材料Rが保持されるようになっている。材料Rは、その表面張力により隙間23に保持される。パイプ部材24は、ローラ22との間で材料Rを保持する保持部材として機能する。
【0029】
液体の材料Rとしては、このレーザービームLBにより硬化する樹脂材料が用いられる。レーザービームLBが紫外線であれば、材料Rとして紫外線硬化樹脂が用いられる。レーザービームLBは、可視光や赤外線でもよく、それに応じて樹脂材料も適宜選択され得る。
【0030】
その隙間23内には、それらの回転軸方向に長さを有する(1次元状の)スリット領域が形成される。つまり、その隙間23の幅(レーザービームの光軸方向(図2の例ではX軸方向)の幅)のうち最も狭い幅の領域を含む領域がスリット領域である。スリット領域には、レーザービームLBがローラ22側から入射されるように、ローラ22及びパイプ部材24の位置が設定されているとともにレーザーの光学系が設定されている。
【0031】
なお、照射ユニット10は、レーザービームLBの焦点を絞るための光学系を有していてもよい。この場合、レーザービームLBはスリット領域で焦点を結ぶように、その光学系が設計される。
【0032】
スリット領域のX軸方向の幅が、典型的には1mm程度、あるいは1mmより小さくなるように、ローラ22及びパイプ部材24が相対的に配置されている。この値は、材料Rの種類、形成対象となる構造物の精度等による。隙間23で保持される材料RのZ軸方向での深さは、ローラ22及びパイプ部材24の材質、材料Rの種類、隙間23のX軸方向の幅等による。
【0033】
パイプ部材24の全部または一部は、上記ローラ22と同様に例えばガラスやアクリル等の透明な材質により構成されていてもよいし、レーザービームLBを透過させない材質で構成されていてもよい。
【0034】
fθレンズ15から出射したレーザービームLBは、図2に示すように、典型的には、ローラ22の側方から実質的に水平に入射し、ローラ22内でローラ22の直径に相当する光路を経てスリット領域に入射する。
【0035】
巻取リール40は、図示しないモータに接続されて回転駆動されるようになっており、後述するように、レーザービームLBの照射によりスリット領域で硬化した材料である硬化物R’(構造物)(図2中、黒の太線で示す。)を巻き取っていく。
【0036】
テンションローラ31,32,33は、スリット領域から出力された硬化物R’を、巻取リール40まで移送させる移送路を形成する。テンションローラ31,32,33は、その硬化物R’に適切なテンションを与えることで、硬化物R’の移送力によって回転する。テンションローラ31,32,33のうち少なくとも1つにモータが接続されてもよい。
【0037】
ローラ22及び巻取リール40をそれぞれ駆動するモータはそれぞれ別々のモータでなくてもよい。つまり、1つのモータに伝達機構等を介してそれらローラ22及び巻取リール40が駆動されてもよい。また、各テンションローラ31,32,33のうち少なくとも1つがモータに接続され、回転駆動されてもよい。
【0038】
洗浄ノズル35は、例えばエタノール、メタノール等を含む洗浄液を吐出する。これにより、例えば硬化物R’に付着した未硬化の材料Rを除去する。洗浄ノズル35の配置は、適宜変更可能である。洗浄ノズル35は、未硬化の材料Rを除去する除去ユニットとして機能する。
【0039】
(構造物形成装置の動作)
以上のように構成された構造物形成装置100の動作を説明する。
【0040】
ローラ22とパイプ部材24間の隙間23に、図示しない材料供給ユニット(供給機構)から材料Rが供給される。材料供給ユニットからの材料の供給量または供給流量は、材料Rの種類、当該隙間23の容積、硬化物R’の移送速度等(ローラ22の回転速度等)により適宜設定される。
【0041】
ローラ22及び巻取リール40が同期するように等速で回転する。ポリゴンミラー13が例えばモータにより等速で回転している状態で、レーザー光源11からレーザービームLBが出射される。また、図示しないレーザードライバーがレーザー光源11に変調駆動信号を出力することにより、そのレーザーパワーのON/OFFが制御される。
【0042】
レーザードライバーは、形成対象となるシート状の構造物の3次元データを保持した、図示しないコンピュータに接続されている。コンピュータは、その3次元データに基づいて、レーザードライバーに制御信号を出力することにより、レーザードライバーは変調駆動信号をレーザー光源11に出力する。
【0043】
これにより、シート状の任意の形状の硬化物R’がスリット領域で形成される。形成された硬化物R’は、ローラ22の回転の動力及びこのローラ22の回転により引きずられて回転するパイプ部材24によって、また、巻取リール40の回転の動力によって、スリット領域から出力されていく。その硬化物R’である構造物は、テンションローラ31,32,33による移送路を介して巻取リール40に巻き取られていく。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る構造物形成装置100は、従来のような成形ロールによる方法でなく、ラピッドプロトタイピングによる造形技術によって、シート状の構造物を形成するので、微細かつ高精度な形状を持つシート状の構造物を形成することができる。
【0045】
また、形成された構造物が巻取式で巻き取られるので、構造物を、高速かつ大量に生産可能となり、コストを低減できる。
【0046】
また、本実施形態では、1次元状(ローラ22及びパイプ部材24の回転軸方向)のスリット領域で保持された材料RにレーザービームLBが照射されることにより、1次元規制液面法による構造物の形成技術を実現することができる。また、このような1次元規制液面法を実現するために、本実施形態では、ローラ22と円形のパイプ部材24とにより1次元状の幅の狭いスリット領域が形成されている。これにより、スリット領域で形成された硬化物R’が、ローラ22及びパイプ部材24のそれぞれの表面から効果的に剥離されていく。
【0047】
本実施形態では、洗浄ノズル35が設けられているので、巻取リール40は、未硬化の材料Rを含まないきれいな構造物を巻き取って収容することができる。
【0048】
[第2の実施形態]
【0049】
図3は、本技術の第2の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。これ以降の説明では、図1等に示した実施形態に係る構造物形成装置100が含む部材や機能等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0050】
この構造物形成装置200は、ローラ間の隙間23に材料を保持する一対のローラ222及び224と、当該隙間23にベースフィルムFを供給する供給リール50とを備える。
【0051】
供給リール50はその回転のために駆動されてもよいし、巻取リール40の回転駆動力によって駆動されてもよい。ベースフィルムFは、PET(Polyethylene erephthalate)、PVA(Polyvinyl alcohol)等が用いられる。供給リール50は、図3中、白の矢印で示すように、ベースフィルムFにバックテンションをかけている。
【0052】
各ローラ222及び224は実質的に同じサイズを有する。各ローラ222及び224のうち少なくとも一方がレーザービームLBを透過させる部分を有する。これにより、一対のローラ222及び224間の隙間23のスリット領域にレーザービームLBが入射する。なお、図3の例では、レーザービームLBはローラ222の右側からこのローラ222に入射しているが、左側のローラ224からこのローラ224に入射して透過され、スリット領域に入射してもよい。
【0053】
一対のローラ222及び224のうち少なくとも一方は、その回転のために駆動されてもよいし、巻取リール40の回転駆動力によって駆動されてもよい。
【0054】
巻取リール40は、ベースフィルムF上に形成された構造物(硬化物R’)とともに、このベースフィルムFも巻き取る。
【0055】
本実施形態では、一対のローラ222及び224と巻取リール40との間に、1つのテンションローラ34が設けられている。これにより、ローラ222及び224と巻取リール40との間の構造物の移送路が形成されている。テンションローラ34の近傍には、洗浄ノズル35が配置されている。
【0056】
このような構造物形成装置200によれば、ベースフィルムF上に構造物を形成することができ、ベースフィルムFがキャリアとして機能することができる。
【0057】
[第3の実施形態]
【0058】
図4は、本技術の第3の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【0059】
本実施形態に係る構造物形成装置300は、第1の実施形態におけるパイプ部材24等の代わりとして、回転しない保持部材60を備えている。この場合、ローラ22及び保持部材60の間の隙間23に材料Rが保持され、その隙間23にスリット領域が形成される。保持部材60は、少なくとも、ローラ22に対向する面である、実質的に平面状に形成された、材料Rの保持面61を有する。また、本実施形態では、ベースフィルムFを供給する供給リール50を備える。
【0060】
また、本実施形態では、樹脂材料Rに光吸収剤が含まれている場合には、構造物形成装置300は、グレースケール露光(グレートーン露光)を行うことができる。具体的には、レーザードライバーがレーザー光源11のレーザーパワーを可変に制御することにより、スリット領域において形成される、レーザービームLBの光軸方向における構造物の深さを連続的に制御することができる。つまり、図4に示すように、構造物形成装置300は、シート状構造物の領域に応じて連続的に厚さの異なるレンズアレイRLのような形状をベースフィルムF上に形成することができる。この場合、レーザードライバーは、制御部として機能する。
【0061】
図4に示したようなレンズアレイRLを形成する場合、レーザーパワーが大きいほど、材料Rが硬化する深度が大きくなるので、1つのレンズの形成につき、レーザーパワーが小→大→小へと滑らかに制御されればよい。
【0062】
光吸収剤としては、公知のあらゆる材料が用いられる。例えば紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等が用いられればよい。
【0063】
本実施形態では、保持部材60の保持面61は平面としたが曲面としてもよい。この場合、ローラ22の表面の曲がり方と同じ方向に曲がるような、つまり保持部材60の表面に凹面が形成されるような曲面が保持部材60に形成されていてもよい。
【0064】
[第4の実施形態]
【0065】
図5は、本技術の第4の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【0066】
本実施形態に係る構造物形成装置400は、材料Rを保持する一対のローラ222及び224と、第1のレーザー光源111及び第2のレーザー光源112とを備える。また、構造物形成装置400は、ベースフィルムFの供給リール50も備える。
【0067】
第1のレーザー光源111からのレーザービームLB1は、ローラ222側から照射され、第2のレーザー光源112からのレーザービームLB2は、ローラ224側から照射される。各レーザービームLB1及びLB2の光軸は実質的に平行となっているが、これは非平行とされてもよい。
【0068】
このような構成によれば、第1のレーザー光源111からのレーザービームLB1の照射による材料の硬化層と、第2のレーザー光源112からのレーザービームLB2の照射による材料の硬化層とを含む2層の構造物を形成することができる。これにより、複雑な形状を持つ構造物を形成することができる。なお、図5では、2層のレンズアレイRL2が形成されているが、構造物の形状は任意である。
【0069】
[第5の実施形態]
【0070】
図6は、本技術の第5の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。本実施形態に係る構造物形成装置500では、図5に示した構造物形成装置400と比べ、ベースフィルムFが供給されない点で異なる。
【0071】
[第6の実施形態]
【0072】
本技術の第6の実施形態に係る構造物形成装置は、図示しないが、例えば図1、3及び4に示した実施形態に係る構造物形成装置において、巻取リール40により巻き取られた構造物を巻き戻し、前に形成された第1の硬化層上(または、ベースフィルムFの、第1の硬化層が形成された面とは反対側の面上)に第2の硬化層を形成することもできる。第2の硬化層が形成される時には、この場合、巻取リール40の向きが、第1の硬化層が形成された時における巻取リール40の向きとは逆向き(軸方向で逆向き)になるように、巻取リール40がセットされればよい。
【0073】
[第7の実施形態]
【0074】
図7は、本技術の第7の実施形態に係る構造物形成装置を示す模式図である。
【0075】
本実施形態に係る構造物形成装置600と、図2に示した構造物形成装置100との異なる点は、図2におけるテンションローラ31が、メッシュローラ86に代わり、また、レーザービームLBの反射機構70が備えられた点にある。
【0076】
メッシュローラ86の一部または全部は、メッシュ材により構成されており、多数の孔が形成されている。また、メッシュローラ86は回転可能なパイプ状に形成され、テンションローラの機能も有する。メッシュローラ86の内部には、構造物に付着した未硬化の材料Rを、メッシュローラ86のメッシュ材を介して、真空作用により吸引するバキュームノズル87が配置されている。
【0077】
本実施形態によれば、メッシュローラ86により硬化物R’(構造物)が移送されながら、ノズルがそのメッシュローラ86を介して、硬化物R’に付着した未硬化の材料Rを除去することができる。また、バキュームノズル87がメッシュローラ86内に配置されているため、バキュームノズル87及びメッシュローラ86を含む除去ユニット80の省スペース化を実現することができる。
【0078】
本実施形態では、バキュームノズル8を、メッシュローラ86の軸方向(Y軸方向)に沿って移動させる移動機構が設けられていてもよい。バキュームノズルは複数設けられていてもよい。あるいは、複数のノズルが一体となって構成された、1つまたは複数のノズルユニットがメッシュローラ86内に設けられていてもよい。洗浄ノズル35はなくてもよい。
【0079】
パイプ部材24は、スリット領域に照射されたレーザービームLBを透過させる、ガラスやアクリル等の透明な材質を有する。構造物を移送させる各テンションローラ32,33で構成される移送機構は、除去ユニット80等により未硬化の材料Rが除去された構造物に、パイプ部材24から出射したレーザービームが入射可能な位置で、この構造物を移送させる。これにより、スリット領域及びパイプ部材24を透過したレーザービームのエネルギーを利用して、未硬化材料の除去後の構造物の後硬化処理を行うことができる。
【0080】
反射機構70は、各テンションローラ32,33で移送される構造物への、レーザービームの入射を補助する機能を有する。反射機構70は、例えば3つの反射板(反射部材)71、72、73を有し、これらの反射板71、72、73は、パイプ部材24から出射されたレーザービームを囲むように設けられている。2つの反射板71、72は、パイプ部材24と、移送機構(32、33)で移送される構造物との間に配置され、1つの反射板73は、移送機構(32及び33)で移送される構造物の背後に配置されている。反射機構70は、ボックス形状を有していてもよい。
【0081】
パイプ部材24から出射されたレーザービームは、まず、反射板73で反射される。反射板73で反射されたレーザービームの一部は構造物に入射し、また、レーザービームの他の一部は、さらに2つの反射板71及び72間での何度か反射され、再度、構造物に入射する。これにより、構造物を形成するためのレーザービームのエネルギーの使用効率を高めることができる。
【0082】
反射板71、72、73の代わりに導光部材(ここでは、部材の内部を光が通ることが可能に構成された部材を意味する。)が設けられていてもよい。
【0083】
[構造物の例]
【0084】
(例1)
図8は、例えば図5または6で示した構造物形成装置400、500により形成された、2層構造の構造物の例を示す斜視図である。
【0085】
この構造物は、グレースケール露光により形成された構造物であり、上下対称形状を有しており、上層部101及び下層部102を含む2層構造を有している。構造物の1単位(1セル)は、2つの円錐部105及び107と、これらの間に接続されたブリッジ部106とを有する。そして上層部101の円錐部105と、下層部の円錐部107とが連結されている。この構造物は、レーザービームのY軸方向(図2等参照)に沿った1回のスキャンで形成されるサイズの構造物である。
【0086】
(例2)
図9は、図8に示した一方向に長い構造物が縦横に配置された繊維形状を有するシート状の構造物である。なお、図9では、図8に示した1セルの構造物の円錐部105等の形状を角柱で簡単に示している。
【0087】
図5及び6で示した構造物形成装置400、500は、このようなシート状の複雑な形状の構造物を、連続して高速かつ大量に形成することができる。
【0088】
(例3)
図10は、構造物形成装置400、500で形成することができる、別の例に係る構造物を示す斜視図である。この構造物は、図9に示した構造物と似ているが、縦方向の構造物及び横方向の構造物が、それぞれのブリッジ部106同士でつながっている点で、図9に示した構造物とは異なる。
【0089】
(例4)
図11は、構造物形成装置400、500で形成することができる、さらに別の例に係る構造物を示す斜視図である。この構造物は、複数のマイクロ流路103と、これらマイクロ流路103の長手方向に沿って配列された複数のフィン104とを備える熱交換デバイスとして利用され得る。
【0090】
[その他の実施形態]
【0091】
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0092】
上記各実施形態において、例えばローラ22及びパイプ部材24(保持部材60)のうち少なくとも一方の表面に、フッ素コーティング等の表面処理が施されていてもよい。ローラ222及び224も同様である。これにより、スリット領域から出力される硬化物R’がそれらローラ22及びパイプ部材24から容易に剥がれることができる。
【0093】
巻取リール40は、硬化物R’を、図示しないセパレーターシートとともに巻き取ることも可能である。なお、このセパレーターシートは、上記ベースフィルムFとは異なるものである。
【0094】
図5及び6に示した実施形態に係る構造物形成装置400及び500は、第1のレーザー光源111からのレーザービームLB1の照射によりベース部としての硬化物を形成することができ、このベース部の硬化物をベースフィルムFの代わりとすることができる。この場合、第2のレーザー光源112からのレーザービームLB2により、そのベース部上に、任意形状の硬化層が形成される。
【0095】
上記各実施形態に係る構造物形成装置は、レーザー光源は1つまたは2つであったが、3つ以上設けられていてもよい。この場合、例えば3つ(あるいは2つでもよい)以上の、異なる光軸角度をそれぞれ有するレーザービームが、同じ1つのローラ(22等)側からスリット領域に入射してもよい。あるいは、スリット領域の両側から、複数の光軸角度を有するレーザービームがそれぞれスリット領域に入射してもよい。
【0096】
図7に示した構造物形成装置600において、レーザービームの反射機構70が設けられない装置、または、除去ユニット80が設けられない装置が構成されてもよい。
【0097】
図7に示した反射機構70において、反射板71及び72の間の、レーザービームの入口等に偏光板が設けられていてもよい。この場合、この偏光板に入射するレーザービームは偏光光とされ、その入射光を透過させ、一旦この入口を介して反射板71及び72間に入射されたレーザービームが、入口から出射されないようにしてもよい。
【0098】
上記各実施形態では、エネルギー線により硬化する材料は、図示しない材料供給ユニットから供給されたが、人手により供給されてもよい。
【0099】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
【0100】
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)回転可能に設けられ、前記回転の軸方向に長さを有し、エネルギー線を透過可能なローラと、
前記ローラとの間に、前記軸方向に長さを有するスリット領域を形成するように前記ローラに対向して配置され、少なくとも前記スリット領域で、前記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持可能な保持部材と、
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成する照射ユニットと、
前記形成された構造物を巻き取る巻取リールと
を具備する構造物形成装置。
(2)(1)に記載の構造物形成装置であって、
前記ローラ及び前記保持部材の間にベースフィルムを供給する供給リールをさらに具備する構造物形成装置。
(3)(2)に記載の構造物形成装置であって、
前記巻取リールは、前記ベースフィルム上に形成された前記構造物を、前記ベースフィルムとともに巻き取る
構造物形成装置。
(4)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の構造物形成装置であって、
前記照射ユニットは、前記エネルギー線としてレーザービームを発生する第1の光源を有する
構造物形成装置。
(5)(4)に記載の構造物形成装置であって、
前記照射ユニットは、前記光源から発生した前記レーザービームを前記軸方向に走査する走査機構を有する
構造物形成装置。
(6)(4)または(5)に記載の構造物形成装置であって、
前記保持部材は、前記レーザービームを透過可能な材質を有し、
前記照射ユニットは、前記保持部材を介して前記スリット領域で保持された前記材料に前記レーザービームを照射するための第2の光源を有する
構造物形成装置。
(7)(4)から(6)のうちいずれか1つに記載の構造物形成装置であって、
前記材料は光硬化性樹脂であり、光吸収剤を含み、
前記照射ユニットは、前記レーザービームのパワーを制御することにより、前記スリット領域において形成される、前記レーザービームの光軸方向における構造物の幅を連続的に制御する制御部を含む
構造物形成装置。
(8)(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の構造物形成装置であって、
前記スリット領域に前記材料を供給する供給機構をさらに具備する構造物形成装置。
(9)(1)から(8)のうちいずれか1つに記載の構造物形成装置であって、
前記スリット領域から出力された前記構造物に付着した未硬化の材料を除去する除去ユニットをさらに具備する構造物形成装置。
(10)(9)に記載の構造物形成装置であって、
前記除去ユニットは、前記未硬化の材料を真空作用により吸引するノズルを有する
構造物形成装置。
(11)(10)に記載の構造物形成装置であって、
前記除去ユニットは、メッシュ材を有する、前記ローラ及び前記巻取リールの間の前記構造物の移送路上に回転可能に設けられた、前記スリット領域から出力された前記構造物にテンションを与えるパイプ状のメッシュローラを有し、
前記ノズルは、前記メッシュローラ内に配置され、前記メッシュローラの前記メッシュ材を介して前記未硬化の材料を吸引する
構造物形成装置。
(12)(4)に記載の構造物形成装置であって、
前記保持部材は、前記レーザービームを透過可能な材質を有し、
前記構造物形成装置は、
前記スリット領域から出力された前記構造物に付着した未硬化の材料を除去する除去ユニットと、
前記除去ユニットにより前記未硬化の材料が除去された前記構造物に、前記保持部材から出射した前記レーザービームを入射させるように、前記未硬化の材料が除去された前記構造物を前記巻取リールまで移送する移送機構と
をさらに具備する構造物形成装置。
(13)(12)に記載の構造物形成装置であって、
前記移送機構で移送される前記構造物への、前記レーザービームの入射を補助する反射部材または導光部材をさらに具備する
構造物形成装置。
(14)回転可能に設けられた、前記回転の軸方向に長さを有する、エネルギー線を透過可能なローラと、前記ローラに対向して配置された保持部材との間に形成された、前記軸方向に長さを有するスリット領域で、記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持し、
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成し、
巻取リールにより、前記形成された構造物を巻き取る
構造物の製造方法。
(15)回転可能に設けられた、前記回転の軸方向に長さを有する、エネルギー線を透過可能なローラと、前記ローラに対向して配置された保持部材との間に形成された、前記軸方向に長さを有するスリット領域で、記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持し、
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成し、
巻取リールにより、前記形成された構造物を巻き取る
方法により製造された構造物。
【符号の説明】
【0101】
10…照射ユニット
22、222、224…ローラ
23…隙間
24…パイプ部材
40…巻取リール
50…供給リール
60…保持部材
70…反射機構
71、72、73…反射板
100、200、300、400、500、600…構造物形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられ、前記回転の軸方向に長さを有し、エネルギー線を透過可能なローラと、
前記ローラとの間に、前記軸方向に長さを有するスリット領域を形成するように前記ローラに対向して配置され、少なくとも前記スリット領域で、前記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持可能な保持部材と、
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成する照射ユニットと、
前記形成された構造物を巻き取る巻取リールと
を具備する構造物形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の構造物形成装置であって、
前記ローラ及び前記保持部材の間にベースフィルムを供給する供給リールをさらに具備する構造物形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の構造物形成装置であって、
前記巻取リールは、前記ベースフィルム上に形成された前記構造物を、前記ベースフィルムとともに巻き取る
構造物形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の構造物形成装置であって、
前記照射ユニットは、前記エネルギー線としてレーザービームを発生する第1の光源を有する
構造物形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の構造物形成装置であって、
前記照射ユニットは、前記光源から発生した前記レーザービームを前記軸方向に走査する走査機構を有する
構造物形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の構造物形成装置であって、
前記保持部材は、前記レーザービームを透過可能な材質を有し、
前記照射ユニットは、前記保持部材を介して前記スリット領域で保持された前記材料に前記レーザービームを照射するための第2の光源を有する
構造物形成装置。
【請求項7】
請求項4に記載の構造物形成装置であって、
前記材料は光硬化性樹脂であり、光吸収剤を含み、
前記照射ユニットは、前記レーザービームのパワーを制御することにより、前記スリット領域において形成される、前記レーザービームの光軸方向における構造物の幅を連続的に制御する制御部を含む
構造物形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の構造物形成装置であって、
前記スリット領域に前記材料を供給する供給機構をさらに具備する構造物形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の構造物形成装置であって、
前記スリット領域から出力された前記構造物に付着した未硬化の材料を除去する除去ユニットをさらに具備する構造物形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の構造物形成装置であって、
前記除去ユニットは、前記未硬化の材料を真空作用により吸引するノズルを有する
構造物形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の構造物形成装置であって、
前記除去ユニットは、メッシュ材を有する、前記ローラ及び前記巻取リールの間の前記構造物の移送路上に回転可能に設けられた、前記スリット領域から出力された前記構造物にテンションを与えるパイプ状のメッシュローラを有し、
前記ノズルは、前記メッシュローラ内に配置され、前記メッシュローラの前記メッシュ材を介して前記未硬化の材料を吸引する
構造物形成装置。
【請求項12】
請求項4に記載の構造物形成装置であって、
前記保持部材は、前記レーザービームを透過可能な材質を有し、
前記構造物形成装置は、
前記スリット領域から出力された前記構造物に付着した未硬化の材料を除去する除去ユニットと、
前記除去ユニットにより前記未硬化の材料が除去された前記構造物に、前記保持部材から出射した前記レーザービームを入射させるように、前記未硬化の材料が除去された前記構造物を前記巻取リールまで移送する移送機構と
をさらに具備する構造物形成装置。
【請求項13】
請求項12に記載の構造物形成装置であって、
前記移送機構で移送される前記構造物への、前記レーザービームの入射を補助する反射部材または導光部材をさらに具備する
構造物形成装置。
【請求項14】
回転可能に設けられた、前記回転の軸方向に長さを有する、エネルギー線を透過可能なローラと、前記ローラに対向して配置された保持部材との間に形成された、前記軸方向に長さを有するスリット領域で、記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持し、
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成し、
巻取リールにより、前記形成された構造物を巻き取る
構造物の製造方法。
【請求項15】
回転可能に設けられた、前記回転の軸方向に長さを有する、エネルギー線を透過可能なローラと、前記ローラに対向して配置された保持部材との間に形成された、前記軸方向に長さを有するスリット領域で、記エネルギー線のエネルギーにより硬化する材料を保持し、
前記ローラを介して、前記スリット領域に選択的に前記エネルギー線を照射して前記材料を硬化させることでシート状の構造物を形成し、
巻取リールにより、前記形成された構造物を巻き取る
方法により製造された構造物。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−59983(P2013−59983A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201503(P2011−201503)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】