説明

標的ハイブリダイゼーション検出のための、プローブおよびクランプのバイナリー組成物ならびに方法

【課題】プローブおよびクランプのバイナリー組成物は、標的ハイブリダイゼーション検出のための方法を実行する。
【解決手段】プローブがエキソヌクレアーゼ切断のための基質である場合、組成物は、リアルタイム測定および終点測定によって、PCR産物の定量化および検出を提供する。プローブが増幅プライマーである場合、組成物はPCR産物の標識および検出のための改良された方法を提供する。プローブおよびクランプは、蛍光色素、消光剤、ハイブリダイゼーション安定化部分、化学発光色素、およびアフィニティーリガンドを用いて標識され得る。クランプは、2−アミノエチルグリシンPNAのような核酸アナログであり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して核酸ハイブリダイゼーションの分野に関し、より詳細には核酸増幅の組成物および方法に関する。
【0002】
(参考文献)
【0003】
【化2】

【0004】
【化3】

【0005】
【化4】

【0006】
【化5】

【0007】
【化6】

【背景技術】
【0008】
(背景)
核酸ハイブリダイゼーションアッセイは、遺伝疾患の診断、ヒトの同定、微生物の同定、起源試験、ウイルス学、およびDNA配列決定における多様な適用を有する、現代生物学における重要なクラスの技術を含む。プライマー伸長反応は、多くの核酸ハイブリダイゼーションアッセイおよび増幅方法の重要な成分である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅方法は、クローニング、遺伝子発現の分析、DNA配列決定、遺伝子マッピング、薬物発見などにおける進歩を可能にしてきた(Gilliland,1990;Bevan,1992;Green,1991;McPherson,1995)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
Watson/Crickおよび非Watson/Crick塩基対によってハイブリダイズする2以上の鎖の核酸および核酸アナログ分子の特異性およびアフィニティーは、効率的な核酸ハイブリダイゼーションアッセイの重要なパラメーターである。ハイブリダイゼーションを改善するかまたは安定化する共有結合された標識または部分が所望される。
【0010】
核酸ハイブリダイゼーションアッセイの別の重要な局面は、ハイブリダイゼーション事象の検出を容易にするために使用される方法である。蛍光法は、放射性同位体に対して多くの利点を有し、ここで標的ポリヌクレオチドまたはプローブまたはプライマーのいずれかが蛍光色素によって容易にかつ安全に標識され得る。標識されたプローブおよびプライマー、またはそれらの官能性等価物のコストを低くする方法が、非常に所望される。核酸ハイブリダイゼーションアッセイの特異性、親和性、および検出におけるさらなる改善のための必要性が存在したままである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(要旨)
本発明は、核酸ハイブリダイゼーションアッセイにおいて有用であるプローブおよびクランプの新規なバイナリー組成物、ならびにこのような組成物を使用する方法に関する。
【0012】
第1の局面において、本発明は、プローブおよびクランプのバイナリー組成物を含み、このプローブは、標的特異的部分およびクランプ特異的部分を含む。この標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に対して配列特異的に結合し得る。クランプは、プローブ特異的部分および標識を含む。プローブのクランプ特異的部分およびクランプのプローブ特異的部分は、プローブおよびクランプのバイナリー組成物において二本鎖構造を形成する。あるいは、プローブのクランプ特異的部分およびクランプの2つのプローブ特異的部分は、三重鎖構造を形成する。
【0013】
【化7】

【0014】
核酸ハイブリダイゼーションアッセイの間、標的ポリヌクレオチド配列が検出され得、バイナリー組成物上の標識の検出によってサンプル中で定量され得る。プローブのクランプ特異的部分は、アッセイの検出段階の間、クランプのプローブ特異的部分に結合される。
【0015】
クランプは、オリゴヌクレオチドまたは核酸アナログであり得る。核酸アナログは、ヌクレオチド間結合、糖、または核酸塩基部分の改変体から構成され得る。好ましいクランプは、以下:
【0016】
【化8】

の構造を有する、2−アミノエチルグリシン、PNA、(Nielsen,1991)であり、ここでBは核酸塩基または核酸塩基アナログである。
【0017】
プローブは、核酸塩基アナログを含むオリゴヌクレオチドまたは核酸アナログ、糖アナログ、および/またはヌクレオチド間アナログであり得る。
【0018】
第2の局面において、バイナリー組成物中のプローブまたはクランプは、1つ以上の標識を有する。このプローブ標識は、5’末端、3’末端、核酸塩基、ヌクレオチド間結合、または糖を含むがこれらに限定されない部位で結合され得る。このクランプ標識は、末端、核酸塩基、ヌクレオチド間結合、糖、アミノ基、スルフィド基、およびカルボキシル基を含む部位において結合され得る。この標識として、ハイブリダイゼーション安定化部分、蛍光色素、蛍光消光剤、化学発光色素、アミノ酸、およびアフィニティーリガンドが挙げられ得る。
【0019】
第3の局面において、プローブおよびクランプのバイナリー組成物で標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法が提供される。この方法において、プローブの標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、そして標識されたクランプはプローブにハイブリダイズする。(i)標的ポリヌクレオチド配列でプローブの標的特異的部分をハイブリダイズする工程;(ii)プローブのクランプ特異的部分でクランプのプローブ特異的部分をハイブリダイズする工程;および(iii)バイナリープローブを検出する工程、が標的ポリヌクレオチドを検出するために実施される。
【0020】
第4の局面において、プローブおよびクランプのバイナリー組成物でポリメラーゼ連鎖反応産物を検出するための方法が提供される。この方法において、プローブは蛍光色素または消光剤を含み、そしてクランプは蛍光色素または消光剤を含み、その結果、バイナリー組成物は1つの蛍光色素および1つの消光剤を含む。プローブがクランプにハイブリダイズされる場合、バイナリー組成物はほとんど自己消光する。この方法は、(i)標的ポリヌクレオチド配列でプローブの標的特異的部分をハイブリダイズする工程;(ii)プローブのクランプ特異的部分でクランプのプローブ特異的部分をハイブリダイズする工程;(iii)5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼ(Lawyer,1989)、PCRプライマー、およびヌクレオシド5’トリホスフェートで標的を増幅する工程、(iv)ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性によってプローブを切断する工程、および(v)蛍光色素を検出する工程、を介して実施される。本発明の1つの目的は、リアルタイムでまたは標的の増幅の終了点で発光した蛍光をモニターすることによって標識を検出することである。
【0021】
第5の局面において、プライマーおよび標識されたクランプのバイナリー組成物でポリメラーゼ連鎖反応産物を標識するための方法が提供される。この方法において、プライマーは、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合し得る標的特異的部分、ならびにクランプ特異的部分を有する。このクランプは、標識、およびプライマーのクランプ特異的部分に配列特異的に結合し得るプライマー特異的部分を含む。標識は検出可能な蛍光色素であり得る。プライマーのクランプ特異的部分およびクランプのプライマー特異的部分は、プライマーおよびクランプのバイナリー組成物中の二本鎖構造を形成する。あるいは、プライマーのクランプ特異的部分およびクランプの2つのプライマー特異的塩基対部分は、プライマーおよびクランプのバイナリー組成物中の三重鎖構造を形成する。標的ポリヌクレオチドは、DNAポリメラーゼ、プライマーおよびクランプの1つ以上のバイナリー組成物、1つ以上の対向鎖プライマー、およびヌクレオシド5’トリホスフェートで増幅され、ここで1つ以上の標識されたポリメラーゼ連鎖反応産物が生じる。
【0022】
第6の局面において、ポリメラーゼ連鎖反応産物を検出するための方法が提供され、ここで標的ポリヌクレオチドは、3’末端において標的特異的部分を含み、5’末端においてホモピリミジン配列部分を含むプライマーで増幅される。標的の5’末端と同じホモピリミジン配列および1つ以上の標識を含むクランプがPCR混合物中に存在する。このプライマーのホモピリミジン配列は、増幅され、PCR産物の末端部分を形成する。クランプは、PCR産物によるハイブリダイゼーションによって二重鎖または三重鎖構造を形成し、標識が検出される。この標識は蛍光色素であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで、本発明の好ましい実施形態への参照が詳細になされ、これらの例は、添付の図面に例示される。本発明を好ましい実施形態に関して記載するが、それらは、本発明をこれらの実施形態に制限する意図ではないことが理解される。反対に、本発明は、代替物、改変物および等価物を含むことを意図し、これらは、添付の請求項によって規定されるように、本発明内に含まれ得る。
【0024】
(I.定義)
他であることが記載されていなければ、本明細書で用いられるとき、以下の用語および語句は、以下の意味を有することが意図される:
用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、2本鎖および1本鎖のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、それらのαアノマー形態などを含む、ヌクレオチドモノマーまたはそのアナログのポリマーを意味する。通常、これらのモノマーは、ホスホジエステル結合で連結されており、ここで用語「ホスホジエステル結合」は、結合する対イオン、例えば、H+、NH4+、Na+を含む、ホスホジエステル結合またはそのリン酸アナログを含む結合をいう。代表的には、ポリヌクレオチドは、数モノマーユニット、例えば、5−40から、数千モノマーユニットまでのサイズの範囲にある。ポリヌクレオチドが、例えば「ATGCCTG」のような文字の配列によって表されるときは常に、これらのヌクレオチドは、左から右に5’から3’への順であること、そして他であることが記載されていなければ、「A」はデオキシアデノシン、「C」はデオキシシチジン、「G」はデオキシグアノシン、および「T」はデオキシチミジンを示すことが理解される。
【0025】
「ヌクレオシド」は、1’位でペントースに結合した、プリン、デアザプリン、またはピリミジン核酸塩基(nucleobase)、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、デアザアデニン、デアザグアノシンなどからなる化合物をいう。このヌクレオシド塩基がプリンまたは7−デアザプリンであるとき、ペントースは、プリンまたはデアザプリンの9位で核酸塩基に結合し、そしてこの核酸塩基がピリミジンであるとき、ペントースは、ピリミジンの1位で核酸塩基に結合する。
【0026】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドのリン酸エステル、例えば、3リン酸エステルをいい、ここで、エステル化の最も一般的な部位は、ペントースのC−5位置に結合したヒドロキシル基である。ヌクレオチドは、3つの部分:糖、リン酸、および核酸塩基から構成される(Blackburn、1996)。2重らせんの一部分であるとき、ヌクレオチドはまた「塩基」または「塩基対」と呼ばれる。最も一般的に天然に存在する核酸塩基、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、シトシン(C)、およびチミン(T)は、ワトソン/クリック塩基対合を行う水素結合官能基をもつ。
【0027】
用語「ワトソン/クリック塩基対合」は、配列特異的水素結合(例えば、AはTおよびUと対合し、そしてGはCと対合する)によって一緒に結合する、ヌクレオチドおよびそのアナログの特異的な対のパターンをいう。
【0028】
用語「核酸アナログ」は、モノマーヌクレオチドアナログ単位から作られる核酸のアナログをいい、そして核酸に関連するいくつかの特性および性質を持っている。核酸アナログは、改変された(i)核酸塩基部分、例えば、C−5−プロピンピリミジン、プソイドイソシチジンおよびイソグアノシン、(ii)糖部分、例えば、2’−O−アルキルリボヌクレオチド、および/または(iii)ヌクレオチド間部分、例えば、3’−N−ホスホルアミデートを有し得る(Englisch、1991)。糖部分およびヌクレオチド間部分が、2−アミノエチルグリシンアミド骨格ポリマーで置換されたアナログのクラスは、ペプチド核酸PNAである(Nielsen、1991)。
【0029】
「標的」は、プライマーまたはプローブによるハイブリダイゼーションのための配列を含むポリヌクレオチドをいう。
【0030】
「付着部位」は、リンカーが付着するプローブまたはクランプ上の部位をいう。 「リンカー」は、プローブまたはクランプを標識に結合する鎖を含む1つ以上の原子をいう。
【0031】
本明細書で用いるとき「キメラ」は、1つ以上のヌクレオチドおよび1つ以上のヌクレオチドアナログユニットを含むオリゴヌクレオチドをいう。
【0032】
「低級アルキル」、「低級アルキレン」および「低級置換アルキレン」は、1−12の炭素原子からなる、直鎖基、分岐基、または環状基をいう。
【0033】
「標識」は、オリゴヌクレオチドまたは核酸アナログに共有結合した成分をいう。1つの好ましいクラスの標識は、蛍光、化学的発光、および電気化学的発光のような手段によって、分子の検出のための信号を提供する(Kricka、11992)。別の好ましいクラスの標識は、二重らせんのハイブリダイゼーションを増大し、安定化し、またはそれに影響するために供される、ハイブリダイゼーション安定化成分(例えば、インターカレーター、マイナーグルーブ結合剤、および架橋官能基)である。なお別の好ましいクラスの標識が、特異的または非特異的捕獲手段によって分子の分離または固定化を行うために供される(Andrus、1995)。
【0034】
「検出」は、共有結合した検出標識の性質を基に分子を検出、観察または測定することをいう。検出標識は、制限されずに、フルオレセインおよびローダミン誘導体のような蛍光色素、シアニン色素(Kubista、1997)およびエネルギー移動色素(Clegg、1992;Cardullo、1988)を含む。
【0035】
「プローブ」は、標的特異的部分およびクランプ特異的部分を有し得るオリゴヌクレオチドまたは核酸アナログをいう。
【0036】
「クランプ」は、プローブ特異的部分を有するオリゴヌクレオチドまたは核酸アナログをいう。クランプは、標識、例えば、蛍光色素または消光剤を保有し得、そして蛍光色素または消光剤部分を保有するプローブにハイブリダイズするとき、蛍光エネルギー移動を行う。このクランプはまた、マイナーグルーブ結合剤またはインターカレーターのような、標的ポリヌクレオチドとのバイナリープローブ組成物の結合を安定化するための他の標識を保有し得る。
【0037】
「プライマー」は、特定の標的核酸に選択的にアニーリングし、そしてその後、プライマーが5’から3’方向に伸長するプライマー伸長反応の開始点として供され得るプローブをいう。
【0038】
用語「プライマー伸長反応」は、標的/プライマー2重らせんと、付加されたヌクレオチドが、標的の対応するヌクレオチドに相補的であるようにプライマーの3’末端へのヌクレオチドの付加を生じるヌクレオチドとの間の反応をいう。
【0039】
用語「5’→3’ヌクレアーゼ活性」は、ホスホジエステル結合で核酸を切断する酵素活性をいう。この活性は、エンド(内部のホスホジエステル結合で切断する)またはエキソ(核酸鎖の5’末端に最も近いホスホジエステル結合で切断する)のいずれかであり得る。
【0040】
用語「自己消光」は、分子間のエネルギー移動効果をいい、例えば、蛍光色素および消光剤は、蛍光発色団から消光剤へのエネルギー移動を可能にし、蛍光色素による蛍光の減少を生じる形態でプローブ上に結合されることをいう。
【0041】
用語「終点分析」は、データ収集を反応が終了するときのみに行う方法をいう。エキソヌクレアーゼアッセイの終点分析は、PCRが終了するとき蛍光色素信号測定を行う。結果は、PCR熱サイクリングの開始から終了までの蛍光色素信号の蛍光変化(好ましくは、任意の内部コントロール信号を減じる)を報告する。 用語「リアルタイム分析」は、PCRの間の周期的モニタリングをいう。エキソヌクレアーゼアッセイのリアルタイム分析は、サイクルからサイクルへの蛍光色素信号変化(好ましくは、任意の内部コントロール信号を減じる)を測定する。 (II.バイナリー組成物の設計および合成)
(A.プローブおよびプライマー)
プローブまたはプライマーは、標的に対して配列特異的にハイブリダイズし得る任意の構造であり得る。好ましくは、プローブおよびプライマーは、オリゴヌクレオチドおよび核酸アナログである。一般に、本発明のバイナリー組成物の設計および合成は従来の教示に従う。好ましくは、オリゴヌクレオチドおよび核酸アナログは、ホスホルアミダイト化学(Beaucage、1992;Caruthers、1993)を用いる、自動化された、固相DNA合成機上で合成される。このオリゴヌクレオチド合成のホスホルアミダイト法は、その効率的かつ迅速なカップリング、および開始ヌクレオチドモノマーの安定性のために好ましい方法である。代表的には、合成は、固体支持体に結合した生長するポリヌクレオチド鎖を用いて実施され、その結果、液相中の過剰の試薬は、濾過により容易に除去され、それによってサイクル間の精製工程の必要性を排除し得る。
【0042】
DNAホスホルアミダイトヌクレオシドモノマーは、Perkin−Elmer Co.(Foster City、CA)から入手され得、そして2’−OMe RNAモノマーは、Glen Research(Sterling、VA)から得られ得る。核酸塩基保護基は、DNAおよび2’−OMe RNAヌクレオシドの両方に対して、ベンゾイル(AbzおよびCbz)およびジメチルホルムアミジン(Gdmf)であり得る。非ヌクレ
オシドのPEOリンカーは、以下の構造を持つホスホルアミダイトシンソン(synthon)として取り込まれ得る。
【0043】
【化9】

【0044】
0.2μモルスケールにおける合成の各カップリングサイクルには、アセトニトリル中の0.1Mホスホルアミダイトヌクレオシドの40μl(約3.5mg)を、アセトニトリル中の0.5M 5−Hテトラゾールの120μlと同時に加える。カップリング時間は、DNAホスホルアミダイトについては25秒、そして2’−OMe RNAホスホルアミダイトおよびPEOホスホルアミダイトについては4分である。
【0045】
合成の完了後、オリゴヌクレオチドは、MeOH:t−BuNH2:H2O(1:1:2)の混合物を用いる処理(Woo、1993)、またはApplied
Biosystems Model 394 DNA/RNA合成機のUsers Manualに記載のように濃水酸化アンモニウムを室温にて1時間用いる処理により、支持体から切断され得る。塩基保護基は、85℃で1時間または65℃で3時間、この混合物を加熱することにより除去され得る。オリゴヌクレオチドは、逆相HPLC、アニオン交換HPLC、キャピラリーゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、およびその他の従来技法(Andrus、1995)により分析および精製され得る。
【0046】
プローブおよびクランプのバイナリー組成物を設計することでは、好ましくは、以下の一般的ガイドラインに従う:(i)プローブは長さが6−100ヌクレオチドである、(ii)標的核酸配列がPCRアンプリコン内に位置する場合、プローブ配列は、プローブがPCRプライマー間の配列上の位置でハイブリダイズするようであるべきである;および(iii)プローブ/クランプの親和性(Tm、融解温度)は、プローブ/標的と同じまたはそれより高くあるべきである(Clegg、1992;Cardullo、1988;Livak、1995)。
【0047】
プローブが、蛍光色素および/または消光剤を含む標識を含む場合、好ましくは、この色素および/または消光剤は、プローブおよびクランプのバイナリー組成物中で十分緊密であり、その結果、この蛍光色素からの蛍光は、消光剤によって実質的に消光される(図1)。この蛍光色素および/または消光剤は:(i)プローブおよびクランプの内部部位、(ii)内部部位、そして他方はプローブまたはクランプの末端、または(iii)プローブまたはクランプの末端に付着され得る。
【0048】
(B.クランプ)
クランプは:(i)バイナリー組成物のプローブのクランプ特異的部分に配列特異的なハイブリダイゼーションを行い、そして(ii)1つ以上の標識を保持し得る、任意の構造であり得る。好ましくは、クランプは:(i)高親和性、(ii)高特異性、(iii)高溶解性、(iv)非伸長性、(v)化学的安定性、および(vi)増幅の非妨害性を有する。好ましくは、クランプは、オリゴヌクレオチドまたは核酸アナログ、例えばPNAを含む。このプローブおよびクランプは、ワトソン/クリックおよびその他の塩基対合相互作用(Froehler、1997;Rumney、1995)により結合して、2重らせんまたは3重らせん構造のいずれかを形成し得る(図2)。このクランプは、1つ以上の共有結合された標識を有する。このバイナリー組成物のクランプとプローブとの間の親和性は、核酸ハイブリダイゼーションアッセイ条件に耐えるに十分強い。
【0049】
好ましい実施形態では、クランプは、ポリメラーゼによっては伸長しない。クランプ中の非伸長性の糖修飾の例は、3’リン酸、3’アセチル、2’−3’ジデオキシ、および3’アミノ、2’−3’デヒドロを含む。このクランプは、エチレンオキシまたはポリエチレンオキシのような、非塩基対合、非ヌクレオシドリンカーを含み得る。好ましくは、バイナリー組成物中のクランプは、6−50ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチドアナログからなる。
【0050】
特に好ましいクランプは、天然のホスホジエステル−デオキシリボース骨格がペプチド様単位であるN−(2−アミノエチル)−グリシンによって置換された核酸アナログである、ペプチド−核酸オリゴマー(PNA)(Nielsen、1991)を含む。本発明のPNAクランプは、ワトソン/クリック塩基対合によって、プローブのクランプ特異的部分中の相補的配列と塩基対合し得る。PNAのプローブへの結合は、PNAの平行または逆平行配向(逆平行2重らせんがかなりより安定(Egholm、1993)であるが)のいずれかで生じ得る。PNAクランプが、2つのプローブ特異的配列、またはプライマー特異的配列と3重らせん構造を形成するように設計されたバイナリー組成物では、ヒンジ領域は、プローブの3’末端にあるか、またはプローブの5’末端側であるかのいずれかであり得る(図13)。
【0051】
クランプのプローブ特異的部分中の反復配列、およびプローブのクランプ特異的部分中のそれらの相補物は、それらの:(i)高親和性、(ii)高特異性、および(iii)高溶解性のために好適である。2重らせん形成性クランプのプローブ特異的部分中の特に好ましい反復配列は(CAG)nであり、ここで3塩基配列が1〜10回繰り返される(
Boffa、1995;Wittung、1997)。3重らせん形成性クランプのプローブ特異的部分中の好ましい反復配列は、このプローブ配列(CAG)nに結合する(T
CC)nおよびアナログである。
【0052】
PNAクランプは、市販の試薬を用いて市販の自動化合成機上で従来法を用いて合成され得る(Dueholm、1994;Vinayak、1997;Van der Laan、1997)。
【0053】
(C.プローブおよびクランプのバイナリー組成物中の核酸アナログ)
プローブおよびクランプは、核酸塩基、糖、および/またはヌクレオチド内部分への改変を保持する種々の核酸アナログを含み得る。
【0054】
好ましい核酸塩基アナログ改変は、C−5−アルキルピリミジン類、2−チオピリミジン、2,6−ジアミノプリン、C−5−プロピンピリミジン、7−デアザプリン、イソシチジン、プソイドイソシチジン、イソグアノシン、4(3H)−ピリミドン、ヒポキサンチン、8−オキソプリン類およびユニバーサル塩基(Meyer、1994)を含むがこれらに限定されない。
【0055】
1つ以上のヌクレオシド中の好ましい糖アナログ改変は、2’−改変または3’−改変を含むがこれらに限定されず、ここで2’−または3’−位置は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリロキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、メトキシエチル、アルコキシ、フェノキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、フルオロ、クロロおよびブロモであり得る。
【0056】
その他の好ましい糖アナログ改変は、4’−α−アノマーヌクレオチド類、1’−α−アノマーヌクレオチド類、2’−分岐基−リボヌクレオチド類、および2’−O−分岐基−リボヌクレオチド類を含む。以下の構造は、いくつかの好ましい2’−糖改変を例示する。
【0057】
【化10】

【0058】
1つ以上のヌクレオチドの間の好ましいヌクレオチド間アナログは、以下を含むが、これらに限定されない:(i)ヌクレオチド間結合における酸素の、硫黄、炭素、または窒素による置換、および(ii)サルフェート、カルボキシレート、アミドのヌクレオチド間リン酸ジエステル結合。他の好ましいヌクレオチド間アナログは、以下を含む;2−アミノエチルグリシン(PNA)、2’−5’−結合、逆方向3’−3’結合、逆方向5’−5’結合、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、非架橋N−置換ホスホルアミデート、アルキル化ホスホトリエステルの分枝構造、および3’−N−ホスホルアミデート。
【0059】
(D.標識プローブおよびクランプ)
バイナリー組成物のプローブおよびクランプ上での標識は、検出の簡易化、親和性の増大、およびハイブリダイゼーションの安定化を含む種々の機能に貢献する。オリゴヌクレオチドおよび核酸アナログに標識を連結するための方法は、周知である(Hermanson、1996)。標識は、オリゴヌクレオチドおよび核酸アナログの場合では;(i)末端、例えば、プローブの5’および3’末端、(ii)ヌクレオチド間結合、(iii)糖類、および(iv)核酸塩基基を含む種々の連結部位で連結され得る。
【0060】
標識、例えば蛍光色素は、標識および/またはモノマー(例えば、ホスホルアミダイトヌクレオシド)の適切な機能付与によって、オリゴヌクレオチドまたは核酸アナログに結合され得る。核酸およびアナログへの、標識の結合方法の詳細な記載は、文献において多数見出され得る(Theisen、1992;Andrus、1995;Hermanson、1996;Ju、1995)。蛍光色素および/または消光剤を、オリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシルに共有結合的に結合する1つの方法は、蛍光色素と、消光剤ホスホラミダイトモノマーの結合によるものである(Theisen、1992)。これらのモノマーは、自動合成機上のアセトニトリル溶液中に導入され、そして最後に、モノマーが支持体に結合したオリゴヌクレオチドにカップリングされる。あるいは、オリゴヌクレオチドの核酸塩基部分は、支持体から切断され、そして脱保護された後に、内部的に標識され得る。第3の方法は、核酸塩基上の求核性反応性基(例えば、アミノまたはチオール)が、活性エステルまたは標識上の他の活性基にカップリングし得ることである。例として、シチジンまたはチミンの5−位に結合したアミノリンカーは、カルボキシ−FAM色素のNHS−エステルにカップリングし、オリゴヌクレオチド内の任意の所定のヌクレオチドの位置でのオリゴヌクレオチドの標識において、アミド結合を形成し得る(Ruth、1990;Meyer、1994)。オリゴヌクレオチドの5’末端もまた、このような様式において標識され得る(Andrus、1995)。ホスフェートおよびホスフェートアナログもまた、同様の方法によって標識され得る(Agrawal、1990)。固相合成支持体は、3’標識されたオリゴヌクレオチドを与えるために、標識(例えば、蛍光色素)を備える(Woo、1996;Mullah、1997;Mullah、1998)。プローブの3’末端ヌクレオチドは、さらにブロックされ得、そして核酸ポリマーによって伸展不可能にされ得る。このような3’ブロッキングは、ホスフェート基の化学的結合によって都合よく行われる(Horn、1986;PhosphaLinkとして市販、PE Biosystems)。
【0061】
PNAクランプは、オリゴヌクレオチドに関する上記と同様の活性化エステル法(NHS−)、および他の簡便な方法によって、カルボキシルおよびアミノ末端で、ならびに核酸塩基で標識され得る。
【0062】
ハイブリダイゼーション安定化部分には、以下が挙げられるがこれらに限定されない:マイナーグルーブ結合剤、インターカレーター、ポリ−リジンおよびスペルミンのようなポリカチオン、ならびに架橋官能基。ハイブリダイゼーション安定化部分は、塩基対の安定性またはハイブリダイゼーションの速度(すなわち、親和性)を増大し得る。ハイブリダイゼーション安定化部分は、完全に相補的なプローブ(Watson/Crick塩基対形成の1つ以上のミスマッチを含む)と標的配列との間の熱的溶解温度、Tmにおける
大きな差によって体現化される塩基対形成の特異性の増加に役立つ。好ましいマイナーグルーブ結合剤には、Hoechst 33258、CDPI1-3、MGB1、ネトロプシ
ンおよびジスタマイシンが挙げられる(Blackburn、1996)。マイナーグルーブ結合剤の例は、以下の構造;
【0063】
【化11】

(ここで、Lは、プローブおよびクランプの標識のためのリンカーまたは結合部位である
)を有するCDPI3(Kutyavin、1996;Lukhtanov、1995)である。
【0064】
マイナーグルーブ結合剤(例えば、CDPI1-3、MGB1(図11))のカルボキシル基は、アミノ基とカップリングするためのNHSエステルとして活性化され得るか、または自動合成によって直接標識するためのホスホルアミダイトとして活性化され得る。プローブおよびクランプのバイナリー組成物において、プローブまたはクランプに標識される場合、マイナーグルーブ結合剤は、いくつかまたは実質的に大部分の標的配列への、ハイブリダイゼーションの親和性および特異性を増加し得る(Blackburn、1996、p.337−46)(図6)。
【0065】
プローブおよびクランプの標識に有用な蛍光色素には、以下が挙げられる;FAM、TET、HEX、JOE、TAMRA、ROX、VIC、NED、ジクロロ−フルオレセイン、ジクロロ−ローダミン、およびシアニン(Bergot、1994、Menchen、1993)。消光剤には、以下が挙げられる;TAMRA、ROX、DABCYL、DABSYL、マラカイトグリーン、およびシアニン。シアニンは、以下の構造を有し得る;
【0066】
【化12】

(ここで、R1またはR2は、H、低級アルキル、低級アルキレン、置換された低級アルキレン、フェニル、またはアリールであり;Xは、S、O、NH、またはN−Rであり;R3は、ニトロ、ハロ、スルホネート、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキル、またはトリハロメチルであり、そしてn=1〜2である)(Kubista、1997)。プローブまたはクランプの標識のための結合部位は、R1、R2、またはR3であり得る。
【0067】
別の好ましい標識のクラスは、化学発光化合物を含む。以下の構造を有する化学発光色素が、特に好ましい;
【0068】
【化13】

(ここで、R1は、水素またはハロゲンであり;R2は、ホスフェート、ガラクトシド、グルコシド、グルクロニド、トリアルキルシリルオキシ、アシルオキシ、または水素であり;R3は、メチル、エチル、および低級アルキルであり、そしてLは、バイナリー組成物
へのリンカーである)(Bronstein、1994;Bronstein、1990)。親和性リガンドには、以下が挙げられる:ビオチン、ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン、コレステロール、ポリエチレンオキシ、およびペプチド。
【0069】
蛍光色素には、以下が挙げられる:6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,4’,1,4−テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシローダミン(JOE)、2’−クロロ−5’−フルオロ−7’,8’−縮合フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(NED)および2’−クロロ−7’−フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(VIC)(図9)。5−カルボキシ異性体もまた、有用である。蛍光色素部分の他の実施形態は、シアニン色素、ダンシル誘導体などである。
【0070】
別の好ましい標識のクラスは、消光剤部分を含む。以下を含むがこれらに限定されない消光剤が、特に好ましい:(i)以下からなる群より選択されるローダミン色素:テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラプロパノ−6−カルボキシローダミン(ROX)、および(ii)DABSYL、DABCYL、ニトロチアゾールブルー(NTB)を含むシアニン色素、アントラキノン、マラカイトグリーン、ニトロチアゾール、およびニトロイミダゾール化合物など(図10)。
【0071】
本発明のフルオレセイン(左)およびローダミン(右)誘導体は、以下の一般式および番号系を有し得(ここで、Lはリンカーである)、そして番号の位置の1つ以上で置換され得る。
【0072】
【化14】

【0073】
(III.プローブおよびクランプのバイナリー組成物を使用する方法)
本発明のプローブおよびクランプのバイナリー組成物は、このプローブが相補的標的にハイブリダイズする任意のハイブリダイゼーションアッセイで使用され得る(図2)。
【0074】
増幅なしのハイブリダイゼーションは、非標識プローブおよび蛍光標識クランプのバイナリー組成物からの蛍光によって、検出および測定され得る(図4)。この方法は、以下を包含する:i)プローブおよびクランプのバイナリー組成物を標的にハイブリダイズする工程、ii)結合していない組成物を洗浄または除去する工程、およびiii)結合した組成物/標的二重鎖から蛍光を検出および測定する工程。
【0075】
特定の好ましい実施形態において、このプローブおよびクランプのバイナリー組成物は標識され得、その結果、単一クランプ配列は、経済性、便利性、および簡易化された販売および取扱いのための多くの異なるプローブ配列にハイブリダイズするために、選択され得る。単一クランプ特異的部分は、標的特異的な異なる部分を含む多くのプローブに取り込まれ得る。次いで、単一の相補的なクランプ配列は、多くの核酸ハイブリダイゼーションアッセイに貢献し得る。例えば、2μモルの規模で調製された標識クランプは、100,000より多くのアッセイ(アッセイあたり、約10pモルが必要である)を提供し得る。標識クランプと共に組成物中で使用される場合、非標識プローブは、費用および単純性の利点を有する。標識プローブは、高価かつ骨が折れるため、プローブおよびクランプのバイナリー組成物のこの汎用性のある有用性は、非常に望ましい特徴である。さらに、単一反応容器中の標的サンプルの複数の遺伝子座は、各々の配列が、異なるかつスペクトル的に分解できる蛍光色素で標識されている複数の組成物でプローブすることでアッセイされ得る。反応容器内の蛍光色素部分からのそれぞれの発光スペクトルは、別個の発光の寄与が分解され得るように、十分に重ならないようにしなくてはならない。別個のピークは、定量化され得、標的配列(すなわち、増幅産物)の相対量と関連する。
【0076】
特に好ましい実施形態において、本発明のプローブおよびクランプは、PCRの間の増殖産物のリアルタイムの測定を提供する定量法および薬剤において使用され得る(Holland、1991;Higuchi、1992;Higuchi、1993;Gelfand、1993;Livak、1996)。蛍光色素−消光剤プローブ(Livak、1995)を使用するエキソヌクレアーゼアッセイ(Taqman(登録商標))は、PCRを実施するために必要であるサンプルプロセシングなしで、閉管系におけるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の直接検出を与える。Taqmanアッセイにおいて、プライマーの伸張を実行し、そしてポリヌクレオチドを増幅するポリメラーゼもまた、5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性によって、標的へアニールされたプローブを変位(displace)および切断する。Taqman型のアッセイにおいて、このプローブは自己消光し、蛍光色素および消光部位を含む。スペクトルの重なりは、プローブがインタクトな場合、効率的なエネルギー移動(FRET)を可能とする(Clegg、1992)。標的にハイブリダイズされる場合、このプローブはPCRの間に切断され、存在する標的プローブハイブリッドの量に比例した蛍光シグナルを放出する(Livak、1996;Livak、1998)。
【0077】
Taqman型のアッセイにおいて、適切なエキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼは、増幅の間にバイナリー組成物のプローブを実質的に切断し、消光色素から蛍光色素を分離する。本発明の自己消光するプローブおよびクランプのバイナリー組成物において、このプローブがクランプにハイブリダイズされる場合、蛍光色素の消光剤への接近は、蛍光色素の蛍光の消光を引き起こす(図3)。プローブがクランプにハイブリダイズされない場合、蛍光色素の蛍光は、消光されない(図1)。このプローブのクランプ特異的部分は、切断後も、クランプのプローブ特異的部分への結合を維持する(図8)。
【0078】
特定のプローブおよびクランプのバイナリー組成物についての蛍光色素−消光剤の対は、蛍光色素の発光スペクトルが消光剤の吸収に重なるように選択される。このプローブは、蛍光色素または消光剤のいずれかで標識され、次いで、このクランプがもう片方で標識され得る。この消光剤は、この蛍光色素からのシグナルがもはや消光されないように、切断時に、蛍光色素に対して近位から放出される。蛍光の増加は、PCR産物のコピー数の増加に伴って、直接および比例的に関連して起きる(図8)。リアルタイムアッセイまたは終点アッセイの使用によって、PCR産物の検出および定量化は、切断され自己消光した蛍光プローブの蛍光の増加を測定することで、得られ得る。プローブおよび異なる色素からなる2つ以上の自己消光バイナリー組成物は、標的ポリヌクレオチドの異なる部位に、同時的または経時的にハイブリダイズされ得る。
【0079】
この様式において、ハイブリダイゼーション現象は、蛍光によって検出および測定され得る。このハイブリダイゼーション現象は、可逆的であり、代表的には塩基対化を融解または分裂する条件(例えば、変性剤または加熱)によって影響され得る。特定の標的配列の存在または非存在は、サンプル中で検出され得る。
【0080】
自己消光バイナリー組成物は、例えば、マイナーグルーブ結合剤のようなハイブリダイゼーション安定化部分でさらに標識され得る(図5)。マイナーグルーブ結合剤は、標的とプローブとの間の結合の、特異性および親和性を増加し得る。
【0081】
明らかに、これらの方法は、多数の独立して検出可能な標識(例えば、スペクトル分解可能な(例えば、単一反応におけるいくつかの標的核酸の同時の検出および増幅をモニターするため)発光スペクトルを有する蛍光色素)を含むように一般化され得、その結果、多数の検出シグナルがモニターされる。このような複数標識系は、単一容器内で起こる複数プローブ実験および複数増幅の分析を必要とする適用において有利である。このような系において、標識が蛍光色素である場合、各々の色素は、スペクトル分解によって同定され得、従って複数標的同定を可能にする(Livak、1996;Menchen、1993;Bergot、1994)。
【0082】
自己消光蛍光色素−消光剤部分を有するプローブおよびクランプのバイナリー組成物は、種々の核酸増幅法と組み合わせて使用され得る。本発明の系で使用され得る例示的な増幅模式図は、PCR、リガーゼ連鎖反応(Barany、1991)のようなリガーゼに基づく増幅スキーム、Q−βレプリカーゼ、および鎖置換増幅スキーム(Walker、1992)を含む。
【0083】
プライマーおよび標識クランプのバイナリー組成物は、PCRによって標的配列を増幅し、標識PCR産物を産生するために使用され得る(図6および7)。得られたPCR産物の標識は、ハイブリダイゼーションによって、プライマーのクランプ特異的部分に結合され得る。これらの方法に従って、非標識プライマーが使用され得、このプライマーは、5’蛍光色素標識プライマーのような標識プライマーよりも、調製のために有意に費用が低く、そして労働集約的でない。非標識プライマーの各々は、プライマー特異的配列TCCTCCTTTTを含み、保存性配列クランプに結合するための、5’末端にAAAGGAGGA−3’のような保存性のクランプ特異的配列およびそのアナログを有し得る。あるいは、この非標識
プライマーは、増幅時にPCR産物の部分となる保存性ホモピリミジン配列を5’末端に有し得る。標識クランプは、同様のホモピリミジン配列を有し、PCR産物の3’末端にホモプリン相補配列を有する、検出可能な二重鎖または三重鎖構造を特異的に形成する(図7)。従って、標識クランプの単一合成は、多くの標識PCR実験に十分であり得る。
【0084】
(IV.実施例)
本発明はさらに、以下の実施例の考慮によって、明白にされる。この実施例は、本発明の純粋な例示であると意図され、いかなる様式においてもその範囲を限定するように意図されない。
【0085】
(実施例1.標識プローブの合成)
A. 5’蛍光色素−プローブ
【0086】
【化15】

BAK−ヒト血小板膜糖タンパク質IIbについての遺伝子中のBak多型性(Lyman,1990)。
GTT1−グルタチオンS−トランスフェラーゼ、θクラスについてのヒト遺伝子(Pemble,1994)
B. 3’消光剤−プローブ
【0087】
【化16】

C. 5’消光剤−2’−O−メチルRNA/DNAキメラプローブ
【0088】
【化17】

D. 3’蛍光色素、5−プロピニル含有プローブ
【0089】
【化18】

E. 2,6−ジアミノプリン(DAP)含有プローブ
【0090】
【化19】

F. 2−チオピリミジン含有プローブ
【0091】
【化20】

【0092】
【化21】

【0093】
プローブを、Model 394 DNA/RNA合成機において0.2μmolのスケールで合成した。5’蛍光色素を、延長された120秒のカップリング時間で、蛍光色素ホスホルミダイト(アセトニトリル中で、0.1M)として付着させた。5’蛍光色素標識オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム中で、65℃で2時間脱保護した。3’消光剤プローブを、以下の構造、および他の構造的改変体を有する消光剤支持体を用いて、合成した(Mullah,1997;Mullash,1998)。この標識を、固体支持体Sについての付着部位およびオリゴヌクレオチド合成の開始のためのDMT保護ヒドロキシ部位を有するリンカーに付着させた。この固体支持体は、コントロールドポアガラスまたはポリスチレンであり得る。合成が完了した後、エステル結合を切断し、以下の構造を有する固体支持体から3’標識オリゴヌクレオチドを分離する。
【0094】
【化22】

【0095】
(実施例2. PNAクランプの合成)
PNAの自動合成を、ABI Model 394 DNA/RNA合成機または433Aペプチド合成機(Perkin−Elmer Co.)を用いて、合成機製造業者の使用説明書およびEdholm,1993に記載の一般的手順に従って行った。
【0096】
PNAクランプを、以前に報告された(Dueholm,1994)ように、基本的に2〜5μmolのスケールで合成した。PNAのカルボキシ末端リジンを、t−Boc−lys(Fmoc)を用いてプレロードしたMBHA固体支持体上で、調製した。カルボキシ末端アミドを有するPNAを、MBHA支持体上に直接的にか、またはt−Boc T PNAモノマーを用いてプレロードしたMBHA支持体上のいずれかで合成した。すべての樹脂を、0.1〜0.25mmole/gまでロードした。内部リジン残基(K)を、内部標識を必要とせず、かつt−Boc−lys(Fmoc)を用いて調製される配列番号(SEQ.ID.Nos.)23のクランプの調製を除いて、t−Boc−lys(clbz)として結合した。ピペリジン洗浄を、代表的にキャッピング工程の後に行ったが、t−Boc−lys(Fmoc)をPNAアセンブリに組み込んだ場合には、この洗浄を排除した。チミンT、シチジンC、およびプソイドイソシチジンJ核酸塩基を有する代表的なPNA構造の一部を示す(図12)。スペーサーO、2−[2−(2−アミノエトキシ)]酢酸を、Fmoc−アミノ保護シントンとして結合する。1以上のスペーサーO単位は、三重らせんを形成するクランプにおける可撓性の、非塩基対合のヒンジ領域として作用する(図13)。PNAの合成を、MBHA(メチルベンズヒドリラミン)リンカー、高荷重型ポリスチレン支持体上で、工程の循環によって、2〜50μmolのスケールで実施し得る。このサイクルを、Boc−PNAモノマー付加の各々について実施し(Koch,1997;Dueholm,1994)、そして以下の表に要約する。
【0097】
【表1】

DIEA ジイソプロピルエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
HATU 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール−テトラメチルウラニウム(tetramethyluronium)ヘキサフルオロホスフェートDCM ジクロロメタン
DMA ジメチルホルムアミド
(表.Model433A合成機におけるPNA合成サイクル)
PNAの合成を、標準合成技術ならびに核酸塩基(Abz、Cbz、Gibu、T)および一級アミノ(MMT、FmocまたはBoc)保護基を用いて行った。3mlの反応容器を440μlの総反応容積を有する5μmoleスケールで使用する。合成の終りで、このPNAをTFMSA(トリフルオロメタンスルホン酸)を用いて室温で1時間切断させ、続いて、粗PNAのエーテル沈殿をする。
【0098】
(実施例3. PNA/DNAキメラクランプの合成)
PNA/DNAキメラの自動合成を、Applied Biosystems Model 394 DNA/RNA合成機または433Aペプチド合成機を用いて、使用説明書およびUhlmann、1996;Van der laan、1997;Vinayak、1997に記載される一般的手順に従って行った。
【0099】
PNA/DNAキメラ合成のために使用した支持体は、ヒドロキシメチル安息香酸リンカーを有する非膨潤性の高架橋型ポリスチレンビーズである(Vinayak、1997)。キメラ合成のためのPNAモノマーは、一級アミノ保護ためにモノメトキシトリチル(MMT)基を使用する。第1工程において、このモノマー、HATUおよびDIPEA(各々を、DMF/アセトニトリル(1/1)中に溶解する)を、反応カートリッジに同時に送達する。16分後、キャッピング試薬を送達する。PNAの一級アミノ酸官能基が転位および環化する傾向を最小にするために、アミノ末端を最後のMMT基の除去の後アセチル化する。DNA部位およびPNA部位を連結するため、およびキメラ合成、切断、脱保護、および精製のための他の手順のための試薬は、記載される(Van der laan、1997)。このアプローチにおいて、このキメラを、単一のカートリッジ中でかつ単一の合成機において、連続して作製し得る。
【0100】
(実施例4.クランプの標識)
A. 消光剤−PNAクランプ
【0101】
【化23】

B. 蛍光色素−PNAクランプ
【0102】
【化24】

C. MGB、標識−PNAクランプ
【0103】
【化25】

D. 消光剤およびマイナーグルーブ結合剤標識2’−O−メチルRNAクランプ
【0104】
【化26】

E. 5−プロピニル含有PNAクランプ
【0105】
【化27】

PNA配列は、左にアミノ末端、右にカルボキシ末端を書いた。
2’−O−メチルRNA配列は、左に5’、右に3’を書いた。
【0106】
クランプ配列(配列番号19〜21、22、23、28、29、31〜37))を、プローブの3’末端で配列:AAAGGAGGA−3’をクランプするように設計した。クランプ配列番号25、27、38、40および24、26、30、39は、それぞれAAGGAGGAおよびAGGAGGAのより短い配列に、結合する。クランプ配列番号22〜26、28、29、35〜39は、このプローブの5’末端に対して方向付けられたヒンジ領域およびこのプローブの3’末端に相補的な末端を含むが、クランプ配列番号19〜21、31〜34は、プローブの3’末端で方向付けられたヒンジ領域およびこのプローブの5’末端に対して相補的な末端を有する(図13)。クランプ配列番号19および22は、PNA対DNAの最も安定な配向の代表である。PNA/DNAハイブリッドは、PNAのアミノ末端をDNAの3’末端と対合し、かつPNAのカルボキシ末端をDNAの5’末端と対合にする場合、逆平行の配向にある。PNAクランプのWatson−Crick塩基対合部分のアミノ末端((C)−TTTCCTCCT−(N))は、このプローブの3’末端に対して逆平行の配向で存在する。PNAクランプのHoogsteen塩基対合部分のカルボキシ末端((N)−TTTJJTJJTC−(C))は、このプローブの3’末端に対して平行の配向にある。これらの配向は、(PNA)2/DNA三重鎖において、最も安定であることが示されている(Egholm、1995,Egholm、1993)。クランプ配列番号27、30、40は、プローブと二重鎖構造を形成するが、クランプ配列番号19〜26、28、29、31〜39、41、42は、プローブと三重鎖構造を形成する。
【0107】
報告されようなクランプについてのすべての標識反応は、2μmolの合成的調製物に関する反応である。内部標識およびアミノ末端標識の前に、Fmoc保護基をDMF:ピペリジン(4:1)を用いる室温で3時間の支持体結合保護PNAの処理によって、リジン(K)側鎖から除去した。アミノ末端t−Boc基を、TFA:メタクレゾール(19:1)を用いる支持体結合PNAの10分間の処置によって除去した。この支持体を徹底的にDMFおよびDCMで洗浄し、続いて、脱保護した。カルボキシ末端標識および内部標識を、リジン側鎖に付着させた。カルボキシ末端標識を、両方の末端の標識化を同時に行ったクランプ配列番号21を除き、アミノ末端脱保護および標識の前に行った。PNAを、カルボキシ末端に、MGB1およびCDPI3を用いて標識し、そしてアミノ末端にはNTBおよびTAMRAを用いて標識した。
【0108】
(TAMRAおよびNTB標識)
標識を、100μlのDMFまたはNMP中に溶解したTAMRAまたはNTBの5mgのNHSエステルおよび10μlのDIEAを支持体結合PNAに添加し、そして、2〜18時間(代表的に終夜)反応させることにより、行った。この支持体をDMFおよび引き続いてDCMを用いる標識の後、切断の前に洗浄した。
【0109】
(MGB1標識)
MGB1のカルボン酸(Gong、1997)(5mg、0.010mmole)を、100μlDMF中に溶解し(図11)、そして0.95当量のHATU(DMF中0.2m)および5μlのDIEAの添加によって活性化した。この活性化MGB1溶液を、支持体結合PNAに添加し、そして室温で1時間カップリングさせた。次いで、この樹脂をDMFおよびDCM中で洗浄し、続いて、切断した。
【0110】
(CDPI標識)
CDPI3(図11)を、Fmoc−CDPI(Lukhtanov、1995)の3つの継続的なカップリングによってPNAに付着させ、CDPI3標識PNAを得た。Fmoc(5mg、0.012mmole)で保護した、CDPIモノマー単位、1,2−ジヒドロ−(3H)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキシレートを、100μlのNMP中に溶解し、そして0.95当量のHATU(DMF中0.2M)および2当量のDIEA(DMF中0.4m)によって活性化した。室温で1時間後、活性化Fmoc−CDPI溶液を、この支持体結合PNAに添加し、そして室温でもう1時間カップリングさせた。樹脂を、20mlのDMFを用いるカップリングの後洗浄した。Fmocを、室温で、ピペリジン:DMF(1:4)を用いる10分間の樹脂支持体処置によって除去した。このカップリングサイクルおよび脱保護サイクルを、合計3回の手動のカップリングのすべてについて、さらに2回繰り返した。
【0111】
(実施例5. プローブおよびクランプのハイブリダイゼーションの速度)
3つのクランプ(配列番号19,20,21)のプローブ(配列番号1)へのハイブリダイゼーションの速度を、消光の関数として測定した。ハイブリダイゼーションおよびクランプ消光剤NTBによる消光の際のプローブのFAM色素からの蛍光強度[F]の減少を、60℃でABI Model 7700上で測定した。当量の、クランプ(100nM)およびプローブ(100nM)を、95℃で1分間混合し、60℃に冷却し、そして[F]を29分間測定した(図14)。プローブの消光の有意な加速を、4倍過剰のクランプ(400nM)を用いて達成した(ここで、消光を、15秒以内に3つのクランプの各々を用いて実質的に完了させた)(図15)。
【0112】
(実施例6. プローブおよびクランプのバイナリー組成物を用いるエキソヌクレアーゼ/増幅アッセイ)
以下の試薬を混合し、そして25μlをPCRのために各々のサンプル容器に分配した:Tris−HCl、グリセロール、10mm MgCl2、dATP、dCTP、ジアザdGTP、dUTP、0.1u/μlのAmplitaq Gold DNAポリメラーゼ、Amperase UNGおよび受動的参照物を含む12.5μl Universal PCR Master Mix (PE Biosystems, P/N 4304437)
900nM(最終濃度):GTT1順方向標的プライマー:
5’GCAAATATAAGGTCCCTGACTACTGGTA3’ (配列番号44)
900nM(最終濃度):GTT1逆方向標的プライマー:
5’GTGCTGCCATGCCAGGTACT3’ (配列番号45)
100nM プローブおよび400 nM クランプ組成物
10μl(約20ng) ゲノム標的DNA
標的サンプルを熱サイクリング条件(50℃にて2分間で開始し、95℃で10分維持し、次いで95℃で15秒の変性ならびに60℃での1分間のアニーリングならびに伸張の40サイクルによって増幅させた。熱サイクリングおよびリアルタイム蛍光検出を、ABI PRISMTM7700配列検出システム(Perkin−Elmer Co.)において行った。好ましい終点検出システムは、ABI PRISMTM7200Sequence Detection Systemである。
【0113】
エキソヌクレアーゼアッセイの結果を、2つのパラメーター(Rn値およびCt値)を用いて分析し得る。Rn値は、PCRの間の蛍光における増大、すなわちより正確には、蛍光色素の蛍光とPCR実験の終りでの受動的蛍光参照色素の蛍光との比(すなわち、Rn(標的)=標的プローブの発光強度÷受動的参照の発光強度)である。Ct値すなわち闘サイクル数は、この蛍光比がバックグラウンドから区別可能であるPCRサイクルの数である。所与の蛍光色素および標的の固定濃度に関して、RnおよびCt値の両方は、消光剤の効果を反映する。用語ΔRnとは、バックグラウンドまたは初期の蛍光の減算を伴うPCRの間の蛍光の増大である。
【0114】
PCRの産物を、プローブおよびクランプのバイナリー組成物の切断のリアルタイムの検出を用いて測定した。BAK標的を、プローブおよびクランプのバイナリー組成物(ABI Model 7700(図16)において400nMのクランプ(配列番号19、20、21)、100nMのプローブ(配列番号1))の存在下で引き続いて増幅させた。蛍光の変化(ΔRn)を、増幅サイクルに対してプロットした。蛍光の変化がバックグラウンドから区別可能であるサイクル(Ct)は、標的配列の存在を示す。バックグラウンドの蛍光が減算されない場合、3つのクランプの消光効率の差異(Rn)が、著しい(図17)。2つのNTB標識を有するクランプ(配列番号21)は、クランプ(配列番号19)より良好に消光する。3つのリジン標識を有するクランプ(配列番号20)は、1つのリジンを有するクランプ(配列番号19)より良好に消光する。
【0115】
GTT1標的を、連続して、1)プローブおよびクランプのバイナリー組成物:100nM プローブ(配列番号2)および400nM クランプ(配列番号20、21)、および2)蛍光色素および消光剤を有するTaqmanプローブ:
5’FAM−CCTGCAGGCCCGTGCCCGT−TAMRA3’ 配列番号43の存在下で増幅した。リアルタイムのPCR検出をバックグラウンド蛍光の減算(ΔRn)(図18)を用いて、およびバックグラウンド蛍光の減算を使用せずに(Rn)(図19)、ABI Model 7700において測定した。CTにおける有意な差異は、バ
イナリープローブ/クランプ組成物とTaqmanプローブとを比較する場合、測定されなかった。
【0116】
すべての刊行物およびすべての特許出願は、個々の刊行物または特許出願の各々が参考として援用されことを詳細にかつ個々に示されるかのように同程度まで、本明細書中で参考として援用される。
【0117】
少数の実施形態のみを、詳細に記載してきたが、分子生物学および化学の分野の当業者は、多くの改変が、好ましい実施形態においてその技術から逸脱することなく可能であることを明白に、理解する。すべてのこのような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0118】
(発明の要旨)
本発明は以下を提供する。
(1) 標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするためのバイナリー組成物であって、上記バイナリー組成物は、以下:
標的特異的部分およびクランプ特異的部分を含むプローブであって、ここで、上記標的特異的部分が、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、プローブ;および
プローブ特異的部分、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含むクランプであって、ここで、上記プローブ特異的部分が、上記プローブの上記クランプ特異的部分に配列特異的に結合することが可能であり、そして上記クランプは、上記標的ポリヌクレオチドに配列特異的に結合することが不可能である、クランプ、
を含み、
ここで、上記標識の検出の間、上記プローブの上記クランプ特異的部分は、上記クランプの上記プローブ特異的部分に結合したままである、
バイナリー組成物。
(2) 項目1に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記プローブの上記クランプ特異的部分および上記クランプの上記プローブ特異的な塩基対部分が二重鎖を形成する、バイナリー組成物。
(3) 項目1に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記プローブの上記クランプ特異的部分および上記クランプの上記プローブ特異的な塩基対部分が三重鎖を形成する、バイナリー組成物。
(4) 上記プローブが6〜100のヌクレオチドを含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(5) 上記プローブの上記クランプ特異的部分がプリンヌクレオチドを含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(6) 上記クランプの上記プローブ特異的部分がピリミジン核酸塩基アナログを含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(7) 上記クランプが6〜50のヌクレオチドアナログを含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(8) 上記クランプ配列が(CAG)n(ここで、n=1〜10)を含む、項目1に記
載のバイナリー組成物。
(9) 項目1に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記クランプ配列が、(TCC)nおよび上記プローブ配列(GGA)n(ここで、n=1〜10)に結合する核酸アナログを含む、バイナリー組成物。
(10) 項目1に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記プローブが、以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログからなる群から選択される核酸アナログを含む、バイナリー組成物。
(11) 項目10に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記核酸塩基アナログが、以下:C−5−アルキルピリミジン、2,6−ジアミノプリン、2−チオピリミジン、C−5−プロピンピリミジン、7−デアザプリン、イソシチジン、プソイドイソシチジン、イソグアノシン、4(3H)−ピリミドン、ヒポキサンチン、8−オキソプリン、および万能塩基からなる群から選択される、バイナリー組成物。
(12) 項目10に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記糖アナログが、以下:2’−O−アルキル−リボヌクレオチド、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、2’−O−アリル−リボヌクレオチド、2’−アリルリボヌクレオチド、2’−ハロ−リボヌクレオチド、2’−O−メトキシエチル−リボヌクレオチド、2’−分枝基−リボヌクレオチド、2’−O−分枝基−リボヌクレオチド、4’−α−アノマーヌクレオチド、および1’−α−アノマーヌクレオチドからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(13) 項目10に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記ヌクレオチド間アナログが、以下:2−アミノエチルグリシン(PNA)、2’−5’−結合、逆方向3’−3’結合、逆方向5’−5’結合、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、非架橋N−置換ホスホルアミデート、アルキル化ホスホトリエステル分枝構造、および3’−N−ホスホルアミデートからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(14) 上記クランプが、非塩基対の、非ヌクレオシドリンカーを含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(15) 上記クランプが、1つ以上の2−アミノエチルグリシン(PNA)モノマー単位を含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(16) 項目1に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記クランプが、以下:末端、核酸塩基、ヌクレオチド間結合、糖、アミノ基、スルフィド基、およびカルボキシル基からなる部位に付着される1つ以上の標識を有する、バイナリー組成物。
(17) 上記プローブが1つ以上の標識を含む、項目1に記載のバイナリー組成物。
(18) 項目17に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記標識が以下:5’末端、3’末端、核酸塩基、ヌクレオチド間結合、および糖からなる群から選択される部位に付着される、バイナリー組成物。
(19) 項目1および17に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記クランプ標識および上記プローブ標識が、以下:ハイブリダイゼーション安定化部分、蛍光色素、蛍光消光剤、化学発光色素、アミノ酸、およびアフィニティーリガンドからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(20) 項目19に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記ハイブリダイゼーション安定化部分が、以下:マイナーグルーブ結合剤、インターカレーター、および架橋官能基からなる群から選択される、バイナリー組成物。
(21) 項目20に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記マイナーグルーブ結合剤が、以下:Hoechst 33258、CDPI1-3、MGB1、ネトロプシン
、およびジスタマイシンからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(22) 項目19に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記蛍光色素が、以下:FAM、TET、HEX、JOE、TAMRA、ROX、VIC、NED、4,7−ジクロロ−フルオレセイン、4,7−ジクロロ−ローダミン、およびシアニンからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(23) 項目19に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記蛍光消光剤が、以下:TAMRA、NTB、ROX、DABCYL、DABSYL、マラカイトグリーン、およびシアニンからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(24) 項目19に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記化学発光色素が、以下の構造を有する化学発光前駆体からなる群から選択され:
【0119】
【化101】

ここで、R1は、水素またはハロゲンであり;R2は、ホスフェート、ガラクトシド、グルコシド、グルクロニド、トリアルキルシリルオキシ、アシルオキシ、または水素であり;R3は、メチル、エチル、低級アルキルであり;そしてLはリンカーである、バイナリー
組成物。
(25) 項目19に記載のバイナリー組成物であって、ここで、上記リガンドが、以下:ビオチン、ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン、コレステロール、ポリエチレンオキシ、およびペプチドからなる群から選択される、バイナリー組成物。
(26) 標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするためのバイナリー組成物であって、以下:
標的特異的部分およびクランプ特異的部分を含むプローブであって、ここで、上記標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、プローブ;および
2つのプローブ特異的部分、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含むクランプであって、ここで、上記2つのプローブ特異的部分は、上記プローブの上記クランプ特異的部分に配列特異的に結合し、三重鎖を形成し得る、クランプ、
を含む、バイナリー組成物。
(27) 標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするためのバイナリー組成物であって、以下:
標的特異的部分およびクランプ特異的部分を含むプローブであって、ここで、上記標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、プローブ;および
プローブ特異的部分、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含むクランプであって、ここで、上記プローブ特異的部分は、上記プローブの上記クランプ特異的部分に配列特異的に結合することが可能であり、そして上記クランプは、上記標的ポリヌクレオチドに配列特異的に結合することが不可能である、クランプ、
を含み、
ここで上記標識の1つは、上記標的の上記プローブへの結合を安定化するハイブリダイゼーション安定化部分である、
バイナリー組成物。
(28) 標的ポリヌクレオチド配列を検出するための方法であって、以下の工程:
プローブおよびクランプのバイナリー組成物を提供する工程であって、上記プローブおよびクランプのバイナリー組成物が、以下:
標的特異的部分およびクランプ特異的部分を含み、ここで、上記標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、プローブ;および
プローブ特異的部分、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含み、ここで、上記プローブ特異的部分は、上記プローブの上記クランプ特異的部分に配列特異的に結合することが可能であり、そして上記クランプは、上記標的ポリヌクレオチドに配列特異的に結合することが不可能である、クランプ;
を含む、工程;
上記プローブの上記標的特異的部分を、上記標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる工程;
上記クランプの上記プローブ特異的部分を上記プローブの上記クランプ特異的部分にハイブリダイズさせる工程;ならびに
上記バイナリープローブを検出する工程、
を包含する、方法。
(29) ポリメラーゼ連鎖反応生成物を検出するための方法であって、以下の工程:
プローブおよびクランプのバイナリー組成物を提供する工程であって、上記プローブおよびクランプのバイナリー組成物が、以下:
標的特異的部分、クランプ特異的部分および1つ以上の標識を含み、ここで上記標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、プローブ;および
プローブ特異的部分、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含み、ここで、上記プローブ特異的部分は、上記プローブの上記クランプ特異的部分に配列特異的に結合することが可能であり、そして上記クランプは、上記標的ポリヌクレオチドに配列特異的に結合することが不可能である、クランプ;
を含む、工程;
上記プローブの上記標的特異的部分を、上記標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズさせる工程;
上記クランプの上記プローブ特異的部分を上記プローブの上記クランプ特異的部分にハイブリダイズさせる工程;ならびに
エキソヌクレアーゼ活性、PCRプライマー、およびヌクレオシド5’トリホスフェートを有するDNAポリメラーゼを用いて、上記標的を増幅する工程、
上記ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性により、上記プローブを切断する工程、ならびに
上記標識を検出する工程、
を包含する、方法。
(30) 項目29に記載の方法であって、ここで上記標識が、リアルタイムでか、または標的増幅の終点で、発せられる蛍光をモニターすることによって検出される、方法。
(31) ポリメラーゼ連鎖反応生成物を標識するための方法であって、以下の工程:
標的特異的部分およびクランプ特異的部分を含み、ここで上記標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、プライマー;および
プライマー特異的部分、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含み、ここで、上記プライマー特異的部分は、上記プライマーの上記クランプ特異的部分に配列特異的に結合し得る、クランプ;
を提供する工程;ならびに
DNAポリメラーゼ、1つ以上のバイナリープライマーおよびクランプの組成物、1つ以上の対向鎖プライマー、およびヌクレオシド5’トリホスフェートを用いて、上記標的を増幅する工程であって、
ここで、1つ以上の標識ポリメラーゼ連鎖反応生成物が生じる、工程
を包含する、方法。
(32) 上記標識が検出可能な蛍光色素である、項目31に記載の方法。
(33) ポリメラーゼ連鎖反応生成物を検出するための方法であって、以下の工程:
3’末端に標的特異的部分および5’末端にホモピリミジン配列部分を含み、ここで上記標的特異的部分は、標的ポリヌクレオチド配列に配列特異的に結合することが可能である、1つ以上のプライマー;および上記ホモピリミジン配列、1つ以上の標識、ならびに以下:核酸塩基アナログ、糖アナログ、およびヌクレオチド間アナログから選択される少なくとも1つの核酸アナログを含むクランプ、を提供する工程;
DNAポリメラーゼ、1つ以上の対向鎖プライマー、およびヌクレオシド5’トリホスフェートを用いて、上記標的を増幅する工程;ならびに
上記標識を検出する工程であって、
ここで、上記クランプの上記ホモピリミジン配列が、上記ポリメラーゼ連鎖反応生成物の3’末端で、上記ホモピリミジン配列の相補体に結合する、工程
を包含する、方法。
(34) 上記標識が検出可能な蛍光色素である、項目33に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は、ハイブリダイズした蛍光色素(F)−プローブおよび消光剤(Q)−クランプのバイナリー組成物ならびにハイブリダイズしていない蛍光色素(F)−プローブおよび消光剤(Q)−クランプのバイナリー組成物を示す。
【図2】図2は、バイナリープローブおよび三重鎖組成物(上)ならびにバイナリープローブおよび二重鎖組成物(下)の、標的ポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションを示す。
【図3】図3は、蛍光色素−標識プローブおよび消光剤−クランプの組成物の、標的ポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションを示す。
【図4】図4は、プローブおよび蛍光色素−標識クランプの、標的ポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーションを示す。
【図5】図5は、蛍光色素−標識プローブの、消光剤/マイナーグルーブ結合剤(MGB)−標識クランプに対するハイブリダイゼーション、およびプローブの、標的ポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーション(標的に結合するプローブのMGBによる安定化)を示す。
【図6】図6は、非標識プライマーおよび蛍光色素−標識クランプの、PCR標的に対するハイブリダイゼーションを示す。
【図7】図7は、標的ポリヌクレオチドの、5’ホモプリン配列を用いた増幅、およびPCR産物の3’ホモプリン配列に結合する、三重鎖を形成する蛍光標識クランプを示す。
【図8】図8は、エキソヌクレアーゼアッセイを示し、このアッセイによって、三重らせんを形成する自己消光バイナリープローブ、ならびにクランプの組成物1(蛍光色素および消光剤を含む)、ならびに標的プライマー2aおよび2bが、標的ポリヌクレオチド3にハイブリダイズされる。増幅の重合段階の間、プライマー2aおよび2bは、ポリメラーゼ酵素を用いて伸長され、それによって伸長されたプライマー4aおよび4bを形成する。プライマー伸長反応の間、ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性は、蛍光色素−プローブフラグメント5およびクランプ特異的プローブフラグメント6を有する消光剤標識クランプを含む、プローブフラグメントを形成するように、プローブ1を切断するように作用する。
【図9】図9は、フルオレセイン蛍光色素の構造:FAM、TET、HEX、JOE、VIC、NEDを示し、ここで、Lはリンカーである。
【図10】図10は、消光剤の構造:TAMRA、ROX、DABCYL、DABSYL、NTBを示す。
【図11】図11は、マイナーグルーブ結合剤の構造:MGBI、Fmoc−CDPI、CDPI3を示す。
【図12】図12は、モノマー単位:T、C、プソイドイソシトシンJ、およびエチレンオキシスペーサーOを含むPNAクランプを示す。
【図13】図13は、プローブおよびクランプのバイナリー組成物を示す。三重鎖を形成するクランプ(配列番号19、配列番号22)を標識なしで示す。
【図14】図14は、時間に対する、プローブおよびクランプのバイナリー組成物のハイブリダイゼーションの速度、すなわち蛍光強度[F]を示す。100nMのクランプ(配列番号19、20、21)、100nMのプローブ(配列番号1)、60℃;ABIモデル7700。
【図15】図15は、プローブおよびクランプのバイナリー組成物のハイブリダイゼーションの速度、すなわち時間に対する蛍光強度[F]を示す。400nMのクランプ(配列番号19、20、21)、100nMのプローブ(配列番号1)、60℃;ABIモデル7700。
【図16】図16は、BAK標的のリアルタイムPCR検出(サイクル数に対するΔRn、CTの測定、バックグラウンド蛍光を引いた場合)を示す。プローブおよびクランプのバイナリー組成物:400nMのクランプ(配列番号19、20、21)、100nMのプローブ(配列番号1)。
【図17】図17は、BAK標的のリアルタイムPCR検出(サイクル数に対するRn、CTの測定、バックグラウンド蛍光を引かない場合)を示す。プローブおよびクランプのバイナリー組成物:400nMのクランプ(配列番号19、20、21)、100nMのプローブ(配列番号1)。
【図18】図18は、GTT1標的のリアルタイムPCR検出(サイクル数に対するΔRn、CTの測定、バックグラウンド蛍光を引いた場合)を示す。プローブおよびクランプのバイナリー組成物:400nMのクランプ(配列番号20、21)、100nMのプローブ(配列番号2)。Taqmanプローブ:5’FAM−CCTGCAGGCCCGTGCCCGT−TAMRA3’。
【図19】図19は、GTT1標的のリアルタイムPCR検出(サイクル数に対するΔRn、CTの測定、バックグラウンド蛍光を引かない場合)を示す。プローブおよびクランプのバイナリー組成物:400nMのクランプ(配列番号20、21)、100nMのプローブ(配列番号2)。Taqmanプローブ:5’FAM−CCTGCAGGCCCGTGCCCGT−TAMRA3’(配列番号43)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載のバイナリー組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−17882(P2009−17882A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195452(P2008−195452)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【分割の表示】特願2005−47966(P2005−47966)の分割
【原出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】