説明

標的化共刺激ポリペプチドおよび癌を処置するための使用方法

腫瘍または腫瘍関連新生血管系を標的とし、かつ、腫瘍浸潤T細胞機能を増強する組成物が提供される。これらの組成物としては、T細胞結合ドメイン、および腫瘍/腫瘍関連新生血管系標的化ドメインを含む融合タンパク質が含まれる。融合タンパク質は場合により、ペプチド/ポリペプチドリンカードメインおよび二量体化および多量体化を媒介するドメインを含んでもよい。このT細胞結合ドメインは共刺激分子である。融合タンパク質を用いて免疫応答を増強する方法が提供される。開示されている組成物の治療的使用は、腫瘍免疫の誘導を含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)第二の融合相手に直接融合されるか、あるいは(ii)第二の融合相手と融合されているリンカーペプチドまたはポリペプチド配列と融合されていてもよい、T細胞共刺激ポリペプチドまたはその断片および/もしくは変異体を含んでなる第一の融合相手を含んでなる融合タンパク質であって、
該共刺激分子またはその共刺激断片および/または変異体がT細胞の抗原特異的増殖を増大させるか、T細胞によるサイトカイン産生を増強するか、T細胞の分化またはエフェクター機能を刺激するか、またはT細胞の生存を促進し、かつ
第二の融合相手が、該融合タンパク質を、腫瘍細胞、腫瘍血管系または免疫応答の活性化に関与する組織に標的化するポリペプチドを含んでなる、融合タンパク質。
【請求項2】
共刺激ポリペプチドがB7ファミリー共刺激分子またはその断片および/もしくは変異体を含んでなる、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
共刺激分子がB7ファミリー共刺激分子の可溶性断片を含んでなる、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
共刺激分子がB7ファミリー共刺激分子の細胞外ドメインを含んでなる、請求項3に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
共刺激分子がB7−DC、B7−1、B7−2、B7−H5、ならびにその断片および/または変異体からなる群から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
共刺激分子が変異型共刺激分子またはその断片であり、
共刺激分子またはその断片が野生型共刺激分子の変異体であり、
変異型共刺激分子またはその断片が1以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入を含んでなる、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
B7−DCポリペプチドがネズミB7−DCである、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
B7−DCポリペプチドがヒトB7−DCである、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
B7−DCポリペプチドが非ヒト霊長類B7−DCである、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
1以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入が、B7−DCのA’、B、C、C’、C’’、D、E、FもしくはG鎖またはそのいずれかの組合せにある、請求項6に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
第二の融合相手が、腫瘍または腫瘍関連新生血管系上の抗原と結合するポリペプチドを含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
第二の融合相手が、腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原と結合するポリペプチドを含んでなる、請求項11に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原が、α−アクチニン−4、Bcr−Abl融合タンパク質、Casp−8、β−カテニン、cdc27、cdk4、cdkn2a、coa−1、dek−can融合タンパク質、EF2、ETV6−AML1融合タンパク質、LDLR−フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、HLA−A2、HLA−A11、hsp70−2、KIAAO205、Mart2、Mum−1、2および3、ネオ−PAP、ミオシンクラスI、OS−9、pml−RARα融合タンパク質、PTPRK、K−ras、N−ras、トリオースリン酸イソメラーゼ、Bage−1、Gage3、4、5、6、7、GnTV、Herv−K−mel、Lage−1、Mage−A1、2、3、4、6、10、12、Mage−C2、NA−88、NY−Eso−1/Lage−2、SP17、SSX−2およびTRP2−Int2、MelanA(MART−I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP−1、TRP−2、MAGE−1、MAGE−3、BAGE、GAGE−1、GAGE−2、p15(58)、CEA、RAGE、NY−ESO(LAGE)、SCP−1、Hom/Mel−40、PRAME、p53、H−Ras、HER−2/neu、BCR−ABL、E2A−PRL、H4−RET、IGH−IGK、MYL−RAR、エプスタイン・バーウイルス抗原、EBNA、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)抗原E6およびE7、TSP−180、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、p185erbB2、p180erbB−3、c−met、nm−23H1、PSA、TAG−72−4、CA 19−9、CA 72−4、CAM 17.1、NuMa、K−ras、β−カテニン、CDK4、Mum−1、p16、TAGE、PSMA、PSCA、CT7、テロメラーゼ、43−9F、5T4、791Tgp72、α−フェトタンパク質、13HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15−3(CA 27.29\BCAA)、CA 195、CA 242、CA−50、CAM43、CD68\KP1、CO−029、FGF−5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp−175、M344、MA−50、MG7−Ag、MOV18、NB\70K、NY−CO−1、RCAS1、SDCCAG16、TA−90(Mac−2結合タンパク質\シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLPおよびTPSからなる群から選択される、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
第二の融合相手が、腫瘍関連新生血管系に特異的であるか、または正常な血管系に比べて腫瘍新生血管系で高く発現される抗原と結合するポリペプチドを含んでなる、請求項11に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
抗原が、VEGF/KDR、Tie2、血管細胞接着分子(VCAM)、エンドグリンおよびαβインテグリン/ビトロネクチンからなる群から選択される、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
第二の融合相手が、ケモカインまたはケモカイン受容体またはその可溶性断片を含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
第二の融合相手が、CXCR2、CXCR4、CCR2およびCCR7からなる群から選択されるケモカイン受容体の可溶性断片を含んでなり、
該可溶性断片がケモカインと結合する、請求項16に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
第二の融合相手が、CXC、CC、CX3CおよびCケモカインからなる群から選択されるケモカインまたはその断片を含んでなる、請求項17に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
リンカーペプチドまたはポリペプチドが柔軟なペプチドまたはポリペプチドを含んでなり、該ペプチドまたはポリペプチドが2以上のアミノ酸を含んでなり、かつ、
該ペプチドまたはポリペプチドが、Gly−Ser、Gly−Ser−Gly−Ser、Ala−Ser、Gly−Gly−Gly−Ser、(Gly−Ser)、(Gly−Ser)および(Gly−Ser)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
リンカーペプチドまたはポリペプチドが、ヒト免疫グロブリンのヒンジ領域を含んでなり、場合により、Fcドメイン、C1領域またはC領域からなる群から選択される免疫グロブリンのさらなる領域をさらに含んでなる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
融合タンパク質の二量体化または多量体化を媒介してホモ二量体、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体を形成するドメインをさらに含んでなる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
二量体化または多量体化を媒介するドメインが、相手の融合タンパク質上のシステインと分子間ジスルフィド結合を形成することができる1以上のシステイン、コイルドコイルドメイン、酸パッチ、ジンクフィンガードメイン、カルシウムハンドドメイン、C1領域、C領域、ロイシンジッパードメイン、SH2(srcホモロジー2)ドメイン、SH3(srcホモロジー3)ドメイン、PTB(ホスホチロシン結合)ドメイン、WWドメイン、PDZドメイン、14−3−3ドメイン、WD40ドメイン、EHドメイン、Limドメイン、イソロイシンジッパードメイン、および受容体二量体対の二量体化ドメインからなる群から選択される、請求項21に記載の融合タンパク質。
【請求項23】
二量体化または多量体化ドメインが第一の融合相手、第二の融合相手またはリンカーペプチドもしくはポリペプチド内に含まれる、請求項22に記載の融合タンパク質。
【請求項24】
二量体化または多量体化ドメインが第一の融合相手、第二の融合相手またはリンカーペプチドもしくはポリペプチドから分離され、その中には含まれない、請求項22に記載の融合タンパク質。
【請求項25】
第一および第二の融合タンパク質を含んでなる二量体タンパク質であって、該第一および第二の融合タンパク質が請求項1〜27のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含んでなり、該第一および第二の融合タンパク質が共有結合または非共有結合により互いに結合されて二量体を形成する、二量体タンパク質。
【請求項26】
二量体がホモ二量体である、請求項25に記載の二量体タンパク質。
【請求項27】
二量体がヘテロ二量体である、請求項25に記載の二量体タンパク質。
【請求項28】
2つを超える融合タンパク質を含んでなる多量体タンパク質であって、該融合タンパク質のそれぞれが請求項1〜24のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含んでなり、該融合タンパク質が共有結合または非共有結合により互いに結合されて多量体を形成する、多量体タンパク質。
【請求項29】
多量体がホモ多量体である、請求項28に記載の多量体タンパク質。
【請求項30】
多量体がヘテロ多量体である、請求項29に記載の多量体タンパク質。
【請求項31】
融合タンパク質がジスルフィド結合によりともに結合されている、請求項25〜30のいずれか一項に記載の二量体または多量体タンパク質。
【請求項32】
ジスルフィド結合がリンカーペプチド配列内のシステインの間で形成されている、請求項31に記載の二量体または多量体タンパク質。
【請求項33】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする核酸配列を含んでなる、単離された核酸分子。
【請求項34】
請求項33に記載の核酸を含んでなる、ベクター。
【請求項35】
前記核酸配列が発現制御配列に機能的に連結されている、請求項34に記載のベクター。
【請求項36】
請求項35に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
【請求項37】
抗原またはワクチンの免疫原性を増強するために抗原またはワクチンとともに用いられる医薬組成物であって、
a)請求項1〜24のいずれか一項に記載の単離された融合タンパク質、二量体タンパク質または多量体タンパク質と、
b)薬学上および免疫学上許容される賦形剤または担体と
を含んでなる、医薬組成物。
【請求項38】
腫瘍に対するT細胞免疫応答を誘導するのに有用な免疫原組成物であって、
(a)免疫応答が望まれる抗原の供給源;
(b)請求項1〜32のいずれか一項に記載の融合タンパク質、二量体タンパク質または多量体タンパク質;
(c)任意で、免疫刺激剤またはアジュバント;および
(d)(a)、(b)および任意選択の(c)のための、薬学上および免疫学上許容される賦形剤または担体
を含んでなる、免疫原組成物。
【請求項39】
T細胞を、請求項1〜32のいずれか一項に記載の融合タンパク質、二量体タンパク質または多量体ポリペプチドと接触させることを含んでなる、T細胞を刺激するための方法。
【請求項40】
哺乳類に前記融合タンパク質を投与することを含んでなる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
それを必要とする哺乳類に哺乳類のT細胞を活性化するのに有効な量の、請求項1〜32のいずれか一項に記載の融合タンパク質、二量体タンパク質もしくは多量体タンパク質またはそれらをコードする核酸を投与することにより、被験体において腫瘍浸潤T細胞の活性化を増強するための方法。
【請求項42】
それを必要とする哺乳類に哺乳類のT細胞を活性化するのに有効な量の、請求項1〜32のいずれか一項に記載の融合タンパク質、二量体タンパク質もしくは多量体タンパク質またはそれらをコードする核酸を投与することにより、被験体において腫瘍浸潤T細胞集団を増やすための方法。
【請求項43】
それを必要とする哺乳類に哺乳類のT細胞を活性化するのに有効な量の、請求項1〜32のいずれか一項に記載の融合タンパク質、二量体タンパク質もしくは多量体タンパク質またはそれらをコードする核酸を投与することにより、有効な抗腫瘍T細胞応答を刺激または増大させるための方法。
【請求項44】
哺乳類被験体において抗原またはワクチンに対する免疫応答を増強するための方法であって、哺乳類に、抗原またはワクチンと組み合わせて、請求項1〜32のいずれか一項に記載の融合タンパク質、二量体タンパク質もしくは多量体タンパク質またはそれらをコードする核酸を、被験体のT細胞を活性化するのに有効な量で投与することを含んでなる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−500652(P2012−500652A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525157(P2011−525157)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/054969
【国際公開番号】WO2010/027827
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511049439)アンプリミューン、インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】AMPLIMMUNE, INC.
【Fターム(参考)】