説明

模造防止システム

品物の信憑性の検証と、品物に於けるいじり壊しの検出と、の方法と装置が開示される。アールエフアイデー(RFID)応答機は、付随集積回路がアンテナ共振回路の近くに位置付けられた時、該付随集積回路に結合されるアンテナ共振回路を有し、それにより該集積回路に無線周波問い会わせ信号を受信させ、そして応答させる。該アンテナ共振回路は、パッケージングの除去又はパッケージングのいじり壊し時、該回路が破壊されるよう、カプセル又は他の形の除去可能なパッケージングと集積化されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願はその開示が引用によりここに組み入れられる2008年4月25日出願の米国特許仮出願第61/125,519号の優先権を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に製品の模造又はいじり壊しの防止及び検出に関し、特に品物のいじり壊し、又は模造を示すために品物に付けられるアールエフアイデー(RFID)タグに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの高価な製品が市場でいじり壊し又は模造にさらされる。ワイン及び高級蒸留酒は特にこの様なアクションを受け易いが、それはそれらの品物が高い価値を有し、かつこの様ないじり壊し又は模造が検出し難いからである。いじり壊しや模造は顕著な商業的課題となり、収入損失、製品品質及び信憑性への消費者信頼性の低下のみならずブランド価値の減少に帰着する。それらの高いコストと消費者信用への信頼のために、ワイン及び蒸留酒製品は又製品のいじり壊し及び模造により引き起こされる負の市場効果に特に敏感である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許仮出願公開第61/125,519号明細書、2008年4月25日出願
【特許文献2】米国特許第7,119,693号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の1実施例に依れば、品物の信憑性を検証するシステムが提供される。該システムは、無線信号の形の問い合わせを送信する質問機(interrogator)と連携して使われるが、該品物に取り付けられ、検証信号で該問い合わせに応答するいじり壊し防止応答機(transponder)、又はタグを有する。該応答機はその構造によりいじり壊しを立証する。該応答機は2つの部品、すなわちアンテナ回路と、アールエフアイデー集積回路{“アールエフアイデー アイシー(RFID IC)”}の様な付随応答機集積回路と、を有する。該アンテナ回路とアールエフアイデー集積回路は直接接続よりむしろ電磁結合により相互に結合される。該電磁結合は、該2部品間の近い物理的近接性で達成される。該2部品は該品物の異なる部分内に組み入れられるが、該組み入れは、該品物がシールされる時は近接しているが、開き時は分離され、該開き過程で1つ又は両者が破壊されるのが好ましい様にされている。該応答機の両部品の破壊、又は該2部品の単なる分離、は該応答機の無能化に帰着する。
【0006】
該アンテナ回路は質問機からの無線周波信号に応答して共振するよう設計されるので、該アンテナ回路は該無線周波信号を再生する。該アンテナ回路は、誘導性か又は容量性か何れかのカップリング素子を有し、該素子は該応答機集積回路に近く近接して持って来られるよう設計される。該応答機集積回路はそれらが近接すると該アンテナ回路に結合するよう設計された一体型共振回路を有する。
【0007】
該集積回路は該質問機から該アンテナ回路を通して送られる信号に応答して検証信号を発生する。該検証信号は安全コードを運び、該コードは該アールエフアイデー集積回路内のデジタルメモリー内に記憶される。該安全コードはオプションで該品物に独特に組み合
わされてもよい。該品物の信憑性は該安全コードの解析を介して検証されてもよい。
【0008】
ワイン用パッケージングの領域で使用される時は、天然又は合成コルクの様なワイン蓋が使われ、該蓋は一端に取り付けられた該集積回路を有する。次いで中間のアンテナ共振回路は該蓋カバーに取り付けられ、該カバーは、該アンテナ共振回路が該アールエフアイデー集積回路に近接して位置付けられるよう、該ワイン蓋上に置かれる。
【0009】
該集積回路デジタルメモリーは更に製品情報を有し、該情報は該検証信号を介して運ばれてもよい。該検証信号は次いでセルラー電話又は手持ちデバイスの様な、アールエフアイデー質問機により受信され、デコードされる。該検証信号内で運ばれる情報はデコードされ、該アールエフアイデー質問機のユーザーに表示される。
【0010】
或る実施例では、品物に対応する安全コードはデータベース内に別に記憶される。該データベースは該アールエフアイデー質問機への通信リンクを備えている。該データベースは該安全コードの検証を通して該品物の信憑性を更に検証するよう問い合わせされ得る。或る実施例では、該データベースは該アールエフアイデー質問機内に実現されてもよい。該データベースは第2の遠隔のデータベースとの通信を通して新情報で周期的に更新されてもよい。
【0011】
或る実施例では、該安全コードは該集積回路デジタルメモリー内に暗号フォーマットで記憶されてもよい。次いで暗号キーが該問い合わせ信号内で提供される。該問い合わせ信号を受信すると、該集積回路は該提供された暗号キーが記憶された安全コードの解読用に動作するかどうかを検証する。仮に該暗号キーが該安全コードを適切に解読するよう動作すると、その場合のみ、該検証信号が発生される。
【0012】
本発明の他の特徴と利点は下記の詳細説明、付随する図面、そして附属する請求項から容易に明らかに成る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術のビン及び蓋の部分的斜視図である。
【図2】該蓋を封じる保護カプセルを有する、従来技術のビン及び蓋の部分的斜視図である。
【図3】本発明の実施例に依るストッパー及びカプセルの部分的に切り欠かれた組立分解線図である。
【図4】該カプセルの部分的に切り欠かれ、反転された線図である。
【図5】ビンネック及び蓋を囲むカプセルの線図である。
【図6】品物の信憑性を検証するシステムのブロック線図の略図である。
【図7】アールエフアイデー集積回路をプログラムする方法を図解するフローチャートである。
【図8】品物の信憑性を検証する方法の1実施例を図解するフローチャートである。
【図9】品物の信憑性を検証する方法の第2実施例を図解するフローチャートである。
【図10】もう1つの実施例に依るカプセル及びビン蓋の線図である。
【図11】もう1つの実施例に依るビン蓋の斜視図である。
【図12】もう1つの実施例に依るビン、ビン蓋及びカプセルの部分的に切り欠かれた線図である。
【実施例1】
【0014】
本発明は種々の形の実施例の可能性があり、本発明の1つ以上の現在の好ましい実施例が図で示され、この後説明されるが、それは本開示が本発明の例示と考えられ、本発明を該図解された特定の実施例に限定するよう意図されてないと言う理解を伴うものである。
【0015】
無線周波個体識別(“アールエフアイデー”)タグは、タグ製造コストが減じられ、アールエフアイデーシステムを実施する技術が益々広がり、経済的になるにつれ、一層普及しつつある。アールエフアイデータグは典型的に共振回路を有し、該回路は感じやすい電磁信号への露出に応じて共振する。該共振回路からの信号は、直接接続を経由して、又は誘導性又は容量性結合を通して電磁的に、集積回路へ運ばれる。運ばれた信号の検出時、該集積回路は応答電磁信号を送信することにより応答するが、該電磁信号はエンコードされた情報を有する。該エンコードされた情報は、該アールエフアイデータグが付けられた品物に対応する情報、独特な安全コード、又は他の情報を反映する。
【0016】
本発明の1側面に依れば、アールエフアイデーデバイスは製品の模造及び/又は製品のいじり壊し、を禁止するため有利に使われる。この様な応用の1例がワインビンの場合に行われる。図1は従来のワインビンの蓋を図解するが、該蓋ではストッパー110がビン100のネック部分内に挿入される。ストッパー110は、非コルク代替え材料が益々普通になりつつあるが、従来はコルクで作られて来た。この様な従来のワインビンのパッケージングではビン100のネック部分は次いで図2で図解される様に、カプセル200でカバーされる。歴史的に、カプセル200は鉛箔で作られることが多かった。最近は、アルミニウム箔又はシート又はポリマー材料が使われている。ともかく、カプセル200は、ストッパー110がビン100のネック内部の内部に固定されて留まっていることを保証するよう動作し、該蓋用の追加の保護を提供する。
【0017】
或る状況では、図1及び2の蓋の様な蓋でシールされたビンにパッケージされたワイン、蒸留酒又は他の材料に於けるいじり壊しを検出又は防止することは難しい。ビン100の中味を交換、希釈又は他の仕方のいじり壊しを行うために、カプセル200及びストッパー110が除去され得る。ストッパー110は次いでビン100のネック部分内に再挿入されるか、又は模造ストッパーと置き換えられる。模造ストッパーは元のストッパーに似せるよう容易に作られ得る。代わって、例え、該模造ストッパーが外観が異なっても、多くの消費者は外観の差を知らないかもしれず、とにかく該ストッパーはビン100が購入されたかなり後まで見られないことが多い。一旦ストッパーが再挿入されると、模造の取り換えカプセルが付けられる。ストッパーとカプセルは普通の容易に入手可能な材料で作られることが多いので、模造のストッパー及び/又はカプセルを作る負担は比較的軽い。
【0018】
図3は、アールエフアイデーデバイスがストッパー300及びその周りのカプセル320(部分的切り欠き図で図解される)の相互作用を通して実現される実施例の組立分解図である。特に、ストッパー300はその頂部端に設置されたアールエフアイデー集積回路(“アールエフアイデーアイシー”)を有する。図解された実施例で、アールエフアイデー集積回路310は受動的アールエフアイデーデバイスであり、該デバイスは応答電磁信号を放射することによりコード化された電磁信号に応答する。アールエフアイデー集積回路310はここでは“集積回路”として説明されるが、或る実施例では、アールエフアイ
デー集積回路310と呼ばれる構造体は抵抗性又は容量性構造体、又は個別共振構造体の様な追加部品を有してもよいことは理解されるよう、尤も、この様な追加部品は共通の基盤上の集積回路で実現されるのが好ましいが。
【0019】
受動的アールエフアイデー集積回路は、電磁信号が受信される効率を高める共振構造体と組み合わされてもよい。或る場合には、この様な共振構造体は、受信された電磁エネルギーを該アールエフアイデー集積回路へ導くために該アールエフアイデー集積回路へ直接接続される。代わりに、共振構造体は該アールエフアイデー集積回路に間接的に結合されてもよい。この場合、質問機から受信された電磁信号は中間のアンテナ共振構造体内に電流を誘起する。この電流は誘導式又は容量結合式の何れかで無線的に結合された構造体の部分を通過し、該アールエフアイデー集積回路内に集積されるか、又は該集積回路に接続されたもう1つの共振構造体へ進み、それによりその第2、集積共振構造体に電流を誘起する。中間のアンテナ共振構造体を有するこの様なデバイスの実施例は、その内容が引用によりここに組み入れられる特許文献2で説明されている。
【0020】
図3の実施例で、アールエフアイデー集積回路310はカプセル320上に又はその中に実現された共振構造体と相互作用出来る。共振構造体330は、図4で提供されるカプセル320の反転し、部分的に切り掛かれた図で更に図解される様に、カプセル320の頂部面の下側に実現される。共振構造体330は図3及び4ではカプセル320の下側に取り付けられるが、共振構造体330の他の配置も使われてもよいことは理解される。例えば、カプセル320が多層シートメディヤ基盤で形成される実施例では、共振構造体330は該カプセルが形成される材料の2つ以上の層の間に埋め込まれてもよい。
【0021】
共振構造体330を実現するために種々の構造体が使われてもよい。或る実施例では、共振構造体330はカプセル320上への導電性インクの沈殿(deposition)により形成されてもよい。他の実施例では、共振構造体330は、非導電性基盤上に堆積され、化学的又は物理的エッチング過程を介して共振構造体に形成された、銅又はアルミニウムの様な導電性材料で予め形成されてもよい。
【0022】
図5は該カプセル320を有する装置500を画いているが、該カプセルはストッパー300をカバーするようビン100のネック上に設置される。カプセル320のビン100上への設置を達成するために種々の技術が使われてもよい。該カプセル取り付け技術は該カプセルの組成に依る。例えば、1実施例に依れば、カプセル320は、時には収縮包装過程(shrink−wrap process)と呼ばれる、熱の印加時ビン100のネックの周りで収縮するシート素材ポリマー材料で形成されてもよい。
【0023】
カプセル320がビン100のネック上に位置付けられると、アールエフアイデー集積回路310は共振構造体330の近くに物理的に位置しているので、アールエフアイデー集積回路310及び共振構造体330が電磁的に結合される。装置500の1つの可能な応用に依れば、アールエフアイデー集積回路310はその時図7で図解される動作を経由してプログラムされてもよい。過程710で、アールエフアイデー集積回路310は最初に安全コードをプログラムされる。図解される方法では、該安全コードは装置500に独特に対応し、アールエフアイデー集積回路310内のデジタルメモリーに記憶される。コード化された電磁信号は共振構造体330に結合され、該構造体は今度は共振して第2信号を放射する。該第2信号はアールエフアイデー集積回路310内の一体化された共振回路への結合を通してアールエフアイデー集積回路310により受信され、デコードされる。アールエフアイデー集積回路310は次いで該安全コードデータを集積化された不揮発デジタルメモリー内に記憶する。
【0024】
過程720で、該安全コードは、別にデータベース内に記憶されるが、該データベース
は装置500の製造者又は独立した認証サービスプロバイダーの様な第3のパーテイにより維持されるのが好ましい。該安全コードは該データベース内で装置500に対応する製品情報と相関させられてもよい。ワインビンの場合、該製品情報はワインの種類、そのワイン醸造期、醸造業者名、該ワインが作られたぶどう園に関する歴史的情報、ボトラーに関する情報、鑑定会ノート、評価、該ワインと対とすべく示唆される食べ物、及び他の情報を含んでもよい。或る応用品では、該データベースは又該安全コードに対応して該製品の各販売を説明する追加情報で周期的に占められ、かくして該製品についての一連のタイトルの記録を提供する。該データベース内に記憶された該製品情報は該製品安全コードを参照することにより該データベースから後で呼び戻され得る。従って、該データベースから呼び戻された該製品情報は該製品の信憑性を確認するために逐次装置500自身と比較され得る。
【0025】
最後に、過程730で、アールエフアイデー集積回路310はオプションとして該製品情報データの幾つか又は全てで直接プログラムされ、該データはアールエフアイデー集積回路310内のデジタル不揮発性メモリー内に記憶される。製品情報データを直接アールエフアイデー集積回路310内に記憶することにより、装置500は、該データベースとの通信接続を求めること無しに該製品情報を呼び戻すために、アールエフアイデーを賦活されたデバイスによりローカルに質問され得る。一旦アールエフアイデー集積回路310がプログラムされると、該製品は販売及び/又は配布される(過程740)。
【0026】
使用時、アールエフアイデー集積回路310内に記憶された情報は、装置500の信憑性を検証するため及び/又は例えば購買時点で消費者に有用な情報の様な追加情報を提供するために使われてもよい。例えば、図6は本システムが利用される環境を画く。図8は図6のシステムが利用される方法の実施例を図解する。特に、過程800で、アールエフアイデー問い合わせ信号がアールエフアイデー質問機610から装置500へ送信される。該アールエフアイデー問い合わせ信号は、装置500内の共振構造体330内の応答を引き起こすよう同調した振幅及び周波数の様な特性を有する。
【0027】
アールエフアイデー質問機610は種々のデバイスを使って実現され得ると考えられる。例えば、或る実施例では、アールエフアイデー質問機610は、アールエフアイデー近接場通信特色(RFID near field communication feature)を有するセルラー電話であってもよい。他の実施例では、アールエフアイデー質問機610は購買時点の近くで小売商により提供される特定用途向けハードウエアデバイスであってもよい。とにかく、該アールエフアイデー問い合わせ信号は共振構造体330に第2信号を放射することにより応答させ、該第2信号はアールエフアイデー集積回路310内に一体の第2共振構造体内の応答を誘起する。
【0028】
過程810で、装置500は応答信号を放射することにより応答する。該応答信号は安全コードで、そしてオプションでは製品情報でエンコードされる。過程820で、該応答信号はアールエフアイデー質問機610により受信され、デコードされる。製品情報は該質問機により提供される電子ディスプレーを介して顧客に、或いはアールエフアイデー質問機610の他のユーザーに、提示されてもよい。かくして、該製品情報は可能性のある顧客に、製品を購入するかどうかに関する決定で役立つよう使われる。加えて、該アールエフアイデー集積回路内にプログラムされた該製品情報が該アールエフアイデー集積回路が取り付けられた現実の製品に対応するかどうかを該ユーザーが検証出来るので、該製品情報は追加レベルの信憑性検証を提供出来る。
【0029】
一旦該安全コードがアールエフアイデー質問機610により受信されると、該コードは装置500の信憑性を更に検証するため使われてもよい(過程830)。例えば、アールエフアイデー質問機610は無線データネットワーク620及びインターネット630経
由でデータベース640に問い合わせを送信出来る。データベース640は、インターネット630及び無線データネットワーク620を経由してアールエフアイデー質問機610へ検証情報を返すことにより応答する。該検証情報は該安全コードが正当かどうかに関する指示を有してもよい。該検証情報は、受領者が該製品の説明を、該安全コードが問い合わされた現実の製品と比較出来るように、該安全コードが元々割り当てられた製品の説明を含んでもよい。データベース640は又、該安全コードが元々組み合わされた製品に対応する製品情報を提供してもよい。データベース640により提供される該製品情報はアールエフアイデー集積回路310内に製品情報を記憶する代わりに使われてもよく、或いはアールエフアイデー集積回路310内に記憶された製品情報を補足してもよい。
【0030】
最後に、過程840で、アールエフアイデー質問機610は、装置500の信憑性、及び/又は他の説明を示す情報を表示する。例えば、アールエフアイデー質問機610は、検出された安全コードがデータベース640内で正当かどうかに関する指示を表示してもよい。アールエフアイデー質問機610は又その製品が交換、変更又はいじり壊しされたかどうかに関する決定を容易化するために、該安全コードが元々組み合わされた製品の説明を表示してもよい。
【0031】
もう1つの実施例に依れば、或る応用では、タグ内に記憶された情報へのアクセスを権限のある個人に限定し、かくして更に製品の権限無き複製を禁ずることが望ましい。図9はこの様な動作の1実施例を図解する。図6の装置を介して実現された図9の実施例では、アールエフアイデー集積回路310内に記憶された安全コードは、アールエフアイデー集積回路310が取り付けられる装置500の配布の前に暗号化されたデータとされる。過程900で、問い合わせ信号がアールエフアイデー質問機610から装置500へ送信される。
【0032】
過程910で、アールエフアイデー集積回路310は該問い合わせ信号により運ばれたデータを、暗号キーの抽出のためにデコードする。該暗号キーは、該キーの暗号化安全コードへの適用に依る様に、過程920でテストされる。もし、該問い合わせ信号が正しい暗号キーを含まないなら、アールエフアイデー集積回路310は更に進める応答を提供しない、930。もし該問い合わせ信号が正しい暗号キーを運んでいるなら、アールエフアイデー集積回路310は応答信号を放射する、過程940。該応答信号は暗号解読された安全コード、製品情報、或いはアールエフアイデー集積回路310内に記憶された他のデータ含んでもよい。過程950で、該応答信号はアールエフアイデー質問機610により受信され、デコードされ、表示される。
【0033】
アールエフアイデー集積回路310からのデータの送信を権限のあるユーザーからの問い合わせに限定することにより、予想模造者はアールエフアイデー集積回路310からのデータの回復と該データの模造製品への適用を更に禁じられる。
【0034】
図3−5はコルク又はストッパー型蓋の端部に位置付けられた中間的、一体型共振構造体の1実施例を図解したが、異なる応用のために他の構成が容易に使われ得ることは理解される。共振構造体の寸法、形そして配向は求められる蓋又はパッケージの種類、電磁信号周波数、質問機技術又は他の設計基準により変わる。例えば、図10は、なおワインのビンの応用の場合のもう1つの実施例を図解するが、そこでは拡大した共振構造体1030がカプセル1020の上又は中に提供される。共振構造体1030はカプセル1020の多数面に懸かり、或る環境では信号エネルギーのアールエフアイデー集積回路310への向上した結合を提供する可能性がある。
【0035】
図11及び12は代わりのビン蓋1100を有する更に進んだ実施例を図解する。ビン蓋1100は蓋1100の頂面上の凹んだ範囲1110内に位置付けられたアールエフア
イデー集積回路310を有する。凹んだ範囲1110は肩部部分1120により囲まれ、該肩部部分はアールエフアイデー集積回路310を衝撃又は破損から保護するよう作用する。図12はビン100の開いたネック内に挿入されるビン蓋1100を図解する。蓋1100とビンネック100はポリラミネート(polylaminate)カプセル1210でカバーされている。アールエフアイデー集積回路310と共振回路1200の間の容量性又は誘導性結合を可能にするために、共振回路1200はアールエフアイデー集積回路310に近接して、ポリラミネートカプセル1210の下側に取り付けられる。
【0036】
アールエフアイデー集積回路及び他の何等かに記憶されたデータの通信を通して可能となる安全及び信憑性検証に加えて、いじり壊し及び/又は模造は図3−12の実施例では、該アールエフアイデー集積回路との無線通信を可能とする該カプセル内のアンテナ共振回路の実現により、更に挫折させられる。容器蓋へのそれらの最初の取り付け後、カプセル320、1020及び1210の様なカプセルは壊れやすいので、それらは典型的にそれらの除去の過程中カットされるか、裂かれるか、延ばされるか又は他の仕方で損傷させられる。好ましくは該アンテナ構造体は、カプセルの除去時その破壊を促進する仕方で形成されるのがよい。例えば、該アンテナ構造体は、それが付けられるカプセル材料の変形又は切断時に構造完全性を僅かしか、又は全く提供しない導電インクの塗布で形成されてもよい。該アンテナ構造体は又、該アンテナ構造体が該カプセルの除去時切断されそうになるよう、該カプセル材料内に形成される縫い目、裂きタブ、パーフォレーション又は他の弱化ライン上に付けられてもよい。
【0037】
もし元のカプセルが続いて再度付けられるなら、そのカプセルの前の除去時に起こった損傷のためにいじり壊しは明らかである。もし除去されたカプセルが従来構造の新カプセルで置き換えられ、適当に構成されたアンテナ共振回路を欠くなら、組み合わせアールエフアイデー集積回路との無線通信は妨げられる。このアールエフアイデー機能の不能は同様にいじり壊しの発生を表す。適当にマッチングされ、正しく位置付けられた集積化共振回路を有する蓋カプセルの供給は多くの予想される模造者に利用出来なくなる。
【0038】
或る実施例がワイン及び蒸留酒のパッケージングの場合で図解されたが、ここで説明された本発明の側面は他の種類の品物及び/又は品物用パッケージングに容易に適用可能である。例えば、アンテナ共振構造体は、収縮包装又は他のパッケージングが付けられている品物について、該品物へのアクセスの前に除去されねばならない該プラスチック収縮包装又は他の種類のパッケージングに容易に適用され得る。更に、信憑性検証及び遠隔データベース機能の様なここで説明した他の側面は、該アールエフアイデー応答機がここに説明した2部分構造を使って実現されるかどうかに無関係に、種々の背景で容易に応用され得る。
【0039】
前記から、本発明の真の精神と範囲から離れることなく多くの他の変型及び変種がもたらされ得ることは観察されるだろう。ここで図解された特定の実施例に関する限定は意図されておらず、推量されるべきでないことは理解されるべきである。本開示は、附属する請求項により、該請求項の範囲に入る全てのこの様な変型をカバーするよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
品物の信憑性を検証するためのシステムであって、
誘起電流を作るために無線周波問い合わせ信号に応答して共振するよう構成されたアンテナ共振回路と、
該品物と組み合わされており、そして該アンテナ共振回路に結合される一体型共振回路であって、該一体型共振回路が該アンテナ共振回路に近接して位置付けられた時、該アンテナ共振回路内の電流が該一体型共振回路内に信号を誘起するように結合される該一体型共振回路を有する集積回路と、具備しており、
該信号は、該一体型共振回路が該アンテナ共振回路に近接していない位置にある時は、該一体型共振回路には誘起されず、又
安全コードを有する該集積回路内のデジタルメモリーと、
該一体型共振回路内に誘起された該信号に応答して該集積回路により発生され、該安全コードを有する無線周波検証信号と、を具備しており、
該品物の信憑性が該安全コードの解析を介して検証される、システム。
【請求項2】
該品物が飲料コンテナーであり、該システムが更に
該集積回路が取り付けられる外端を有するコンテナー蓋と、
該アンテナ共振回路が取り付けられる蓋カバーと、を具備する請求項1記載のシステム。
【請求項3】
該集積回路デジタルメモリーが、更に該品物を説明する製品情報を記憶するよう構成され、
該無線周波検証信号が該記憶された製品情報を運ぶ信号を有する請求項2記載のシステム。
【請求項4】
該安全コードが、遠隔のデータベース内に記憶される請求項1システム記載のシステム。
【請求項5】
該安全コードが、該品物と独特に組み合わされる請求項4記載のシステム。
【請求項6】
該無線周波問い合わせ信号を発生し、該無線周波検証信号を検出し、そして該無線周波検証信号内で受信した該安全コードを検証するために該遠隔のデータベースに問い合わせる、よう構成されたアールエフアイデー質問機を更に具備する請求項4記載のシステム。
【請求項7】
該アールエフアイデー(RFID)質問機が該遠隔のデータベースとの通信リンクを有するセルラー電話デバイスである請求項6記載のシステム。
【請求項8】
該アールエフアイデー質問機が該遠隔のデータベースとの通信リンクを有し、小売店内に配置された手持ちデバイスである請求項6記載のシステム。
【請求項9】
該アールエフアイデー質問機が小売店内に配置された手持ちデバイスであり、そして
該遠隔のデータベースが該アールエフアイデー質問機内に記憶される請求項6記載のシステム。
【請求項10】
該遠隔のデータベースが第2の遠隔のデータベース内に記憶された情報に基づき周期的に更新される請求項9記載のシステム。
【請求項11】
該無線周波検証信号が、更に、予め決められた問い合わせ情報を有する無線周波問い合わせ信号により該一体型共振回路内に誘起される信号に応答してのみ発生される請求項1
記載のシステム。
【請求項12】
該予め決められた問い合わせ情報が暗号キーであり、
該デジタルメモリー内の該安全コードが暗号化されており、そして
仮に該暗号キーが該安全コードを解読するよう動作する場合、そしてその場合のみ、該集積回路は該検証信号を発生するように構成されている請求項11記載のシステム。
【請求項13】
品物の信憑性を検証するためのシステムであって、
アールエフアイデー(RFID)質問機により発生された無線周波問い合わせ信号に応答するよう構成されたアールエフアイデー(RFID)応答機と、
該品物に付随する安全コードを有する該アールエフアイデー応答機内のデジタルメモリーと、
該安全コードを有しており、該無線周波問い合わせ信号に応答して該アールエフアイデー応答機により発生される無線周波検証信号と、
前に記憶された検証情報を有するデータベースと、を具備しており、
該アールエフアイデー質問機が、該安全コードを前に記憶された検証情報と比較することにより該品物の該信憑性を検証するために、該無線周波検証信号の受信時に該データベースに問い合わせるよう構成されているシステム。
【請求項14】
該データベースが該アールエフアイデー質問機内に記憶される請求項13記載のシステム。
【請求項15】
更に第2データベースを具備しており、該アールエフアイデー質問機が、該第2データベース内に記憶された情報に基づき該データベース内に記憶された情報を周期的に更新するよう構成される請求項14記載のシステム。
【請求項16】
品物に於けるいじり壊しを検出するための装置であって、
該品物に適用され、該品物の使用の前の除去用に構成された壊れ易いパッケージングと、
無線周波問い合わせ信号に応答して共振出来る、該壊れ易いパッケージングに取り付けられたアンテナ共振回路と、
該品物に組み合わされており、そして該アンテナ共振回路に結合された一体型共振回路であって、該一体型共振回路が該アンテナ共振回路に近接して位置付けられた時、該アンテナ共振回路内の電流が該一体型共振回路内に信号を誘起するよう結合された該一体型共振回路を有している集積回路と、を具備しており、該集積回路は更に該一体型共振回路内に誘起された該信号に応答して無線周波検証信号を作るよう構成されており、
該一体型共振回路が該アンテナ共振回路に近接しない位置にある時、又は該アンテナ共振回路が破損した時、該一体型共振回路には信号が誘起されず、
無線周波問い合わせ信号に応答した無線周波検証信号の作成の失敗がいじり壊しを示す、いじり壊しを検出する装置。
【請求項17】
該アンテナ共振回路が該壊れ易いパッケージング内に形成された弱化ラインに重畳する請求項16記載の装置。
【請求項18】
該弱化ラインが、引き裂きタブを有する請求項17記載の装置。
【請求項19】
該弱化ラインが、縫い目を有する請求項17記載の装置。
【請求項20】
該弱化ラインが、パーフォレーションを有する請求項17記載の装置。
【請求項21】
該アンテナ共振回路が、導電性インクを含む請求項16記載の装置。
【請求項22】
該導電性インクが、該壊れ易いパッケージング内に形成された弱化ライン上に付けられる請求項21記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−521322(P2011−521322A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506262(P2011−506262)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/002442
【国際公開番号】WO2009/131652
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(505279259)クロージヤー・システムズ・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (14)
【氏名又は名称原語表記】Closure Systems International, Inc.
【Fターム(参考)】