説明

樹脂塗工・注入システム

【課題】複合材料用に樹脂を塗工・注入するためのシステムに関し、個々の繊維トウに樹脂を制御可能なシステムを提供する。
【解決手段】樹脂4を1以上の繊維トウ2に塗工し、繊維トウに樹脂を注入するための塗工・注入システム10であって、各々の繊維トウはそれぞれの繊維スピードで移動する。この塗工・注入システムは、それぞれ1つの繊維トウに樹脂を堆積させるように構成された1以上のノズル12を含む堆積・注入システム11を有す。このシステムはさらに、それぞれ1つの繊維トウの繊維スピードに関連して各々のノズルを通る樹脂の流速を制御するように構成されたコントローラー14を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に複合材料用に樹脂を塗工・注入するためのシステムに関し、より具体的には個々の繊維トウに樹脂を制御可能に塗工・注入するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂を注入した繊維の複合材料は、部分的にはその軽量及び高強度特性のために自動車、航空機、及び風力エネルギーのような種々多様な産業でますます多く使用されている。複雑な複合部材及び/又は繊維パターンを形成することが望ましいであろう。しかし、現在の製造法では通例繊維プリフォームとその後の樹脂注入、又は「プリプレグ」といわれる予め含浸した繊維トウを使用する。これらの方法にはいずれも欠点がある。
【0003】
現在、ローラー内の孔を通ってボアから外面に向かって樹脂が流れるローラーを含むシステムを用いて繊維トウのアレイに注入する試みがなされている。しかし、これらのシステムでは個々のトウの注入の制御ができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7413694号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、個々のトウの樹脂注入の制御が可能な改良されたシステムを提供することが望ましいであろう。加えて、そのシステムで、複雑な複合部材の形成のための乾燥繊維トウのアレイに対するリアルタイムのインライン注入が容易になれば望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡単にいうと、本発明の1つの態様は、1以上の繊維トウに樹脂を塗工し、それらの繊維トウに樹脂を注入するための塗工・注入システムに関する。これらの繊維トウは各々がそれぞれの繊維スピードで移動する。この塗工・注入システムは、それぞれ1つの繊維トウに樹脂を堆積させるように構成された1以上のノズルを含む堆積・注入システムを有する。塗工・注入システムはさらに、各々のノズルを通る樹脂の流速をそれぞれ1つの繊維トウの繊維スピードに関連して制御するように構成されたコントローラーを含んでいる。
【0007】
本発明の別の態様は、多数の繊維トウに樹脂を塗工し、それらの繊維トウに樹脂を注入するための塗工・注入システムに関する。これらの繊維トウは各々がそれぞれの繊維供給速度で移動する。この塗工・注入システムは複数のノズルを含む堆積・注入システムを有しており、各々のノズルは少なくとも1つの繊維トウに樹脂を堆積させるように構成されている。塗工・注入システムはさらに、それぞれ1つの繊維トウに対する樹脂の幅及び樹脂の厚さの少なくとも1つの測定データに基づくフィードバックを使用して、各々のノズルを通る樹脂の流速をそれぞれ1つの繊維トウの繊維スピードに関連して制御するように構成されたコントローラーを含んでいる。
【0008】
本発明の上記及びその他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めばより良く理解されるであろう。全図面を通じて類似の数字は類似の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、繊維配置システムに組み込まれた樹脂塗工・注入システムを側面図で概略的に示す。
【図2】図2は、図1に示した繊維配置システムのための繊維トウのアレイの一例を平面図で概略的に示す。
【図3】図3は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用するノズルのアレイの一例を概略的に示す。
【図4】図4は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用する堆積・注入システムのためのノズル構成の一例を図解する。
【図5】図5は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用する堆積・注入システムのための別の構成例を図解する。
【図6】図6は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用する堆積・注入システムのためのもう1つ別の構成例を図解する。
【図7】図7は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用する注入エンハンサーのための1つの構成例を図解する。
【図8】図8は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用する注入エンハンサーのための別の構成例を図解する。
【図9】図9は、図1の樹脂塗工・注入システムに使用する注入エンハンサーのためのもう1つ別の構成例を図解する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、1以上の繊維トウ2に樹脂4を塗工し、これらの繊維トウに樹脂を注入するためのシステム10を一般に説明する。本発明が特定の樹脂又は繊維の種類に限定されることはない。しかし、1つの非限定例において、樹脂はエポキシ樹脂であり、トウは炭素繊維からなる。配列の一例を図1に示した樹脂塗工・注入システム10は繊維配置システム30に組み込んで複合材製造機100を形成することができる。この配列により、部分に特定の要件に基づいて各々のトウに対する樹脂塗工(従って注入)速度を制御しつつ乾燥繊維トウのアレイのリアルタイムのインライン注入が可能になる。その結果得られる機械100は、非限定例として軽量高強度の航空機及び自動車部品が挙げられる複合構造体を製作するのに使用することができる。
【0011】
樹脂塗工・注入システム10を詳細に記載する前に、背景状況を提供するために一例の繊維配置システム30の態様について説明する。図1に示した配列例の場合、繊維配置システム30は多数の繊維トウ2を供給する分配手段32を含んでおり、各々繊維トウはそれぞれの繊維スピードで移動する。より具体的には、分配手段32は、各々のトウ2を別々に供給して、そのトウ2が異なる速度で供給され得るように構成されている。例えば、繊維スピードは、ある場合には1以上の繊維トウがゼロであり得、一方他のトウは移動する。1つの非限定例において、分配手段32は多数のスプール32からなる。図を簡略化するために、1つのスプール32のみが図1に示されている。トウのアレイ内の各々のトウ2は当初それぞれ1つのスプール32に巻かれている。図1の配列例の場合、各々のトウ2はそれぞれのアイレット34を通過する。図を簡略化するために、1つのアイレット34のみが図1に示されている。しかし、通例、1つのアイレット34にはアレイ内の各々のトウ2が提供される。次に、トウ2は幅調節ローラー36を通って進む。図2は、ローラー36上に配置された繊維トウ2のアレイの一例を平面図として概略的に示す。ローラー36は通例、それぞれ1つの繊維トウ2を受領して案内する多数のノッチ(図には示してない)を含んでおり、これらはローラーから出て行くトウ幅を調節するような形状をしている。かかる調節は、その幅にわたるトウ全体の適正な注入、並びに繊維配置ヘッドにおけるトウ取扱い装置のための適正なトウサイズを確保する助けになる。図2のアレイの一例は8つのトウからなるが、本発明が特定のアレイサイズ又はトウの数に限定されることはなく、特定の用途の場合は8未満のトウを含んでいてもよいし、他の用途では8より多くのトウを含んでいてもよい。
【0012】
繊維トウ2は幅ローラー36から塗工・注入システム10に移動する。図1に示されているように、塗工・注入システム10は、それぞれ1つの繊維トウ2に樹脂4を堆積させるように構成された1以上のノズル12を含む堆積システム11を有している。ノズル12のアレイの一例を図3に示す。図3の配列の場合、各々の繊維トウ2に対して1つのノズルが設けられている。本発明が特定の配列のノズルに限定されることはない。堆積・注入システム11の別の態様については、図4−6を参照して以下に述べる。
【0013】
図1に示されているように、塗工・注入システム10はさらに、各々のノズル12を通る樹脂の流速を制御して、それぞれ1つの繊維トウ2の繊維スピードに基づいて所望の樹脂含量が得られるように構成されたコントローラー14を含んでいる。コントローラー14は図1に示されているように繊維配置システム30と情報を交換して、いかなる配列に対しても注入を最適化することができる。塗工・注入システム10及び繊維配置システム30に別個のコントローラーを使用してもよいが、この制御の一体化は必要である。幾つかの実施形態において、コントローラー14は1以上のプロセッサーを含み得る。本発明は、本発明のプロセッシングタスクを実行する特定のプロセッサーに限定されるものではないことに留意されたい。用語「プロセッサー」は、本明細書で使用される場合、本発明のタスクを実行し、本発明における機械及び電気装置を制御するのに必要な演算、又は計算を実行することができるあらゆる機械を指して意味する。用語「プロセッサー」は、当業者には理解されるように、構造化された入力を受け入れ、及び/又は所定の規則に従って入力を処理して出力を生成することができるあらゆる機械を意味している。
【0014】
図1に示されているように、塗工・注入システム10はさらに、樹脂4による繊維トウ2の注入を増強する注入エンハンサー19を含み得る。堆積・注入システム11の別の態様については図7−9を参照して後述する。
【0015】
特定の実施形態の場合、コントローラー14はさらに、それぞれ1つの繊維トウ2に対する樹脂幅及び/又は樹脂厚さの測定データに基づくフィードバックを使用して各々のノズル12を通る樹脂の流速を制御するように構成されている。図3に示されている構成例の場合、塗工・注入システム10はさらに、樹脂幅と樹脂厚さの少なくとも1つをモニターするための1以上のセンサー16を含んでいる。図3では図を簡略化するために1つのセンサー16のみが示されているが多数のセンサー16を使用してもよく、1つの非限定例においては各々の繊維トウ2に対して1つのセンサー16が設けられる。センサーの例としては光学又は接触センサーがある。
【0016】
図3に示した構成例の場合、堆積システム11はさらに1以上のコンピューター制御されたポンプ18を含んでいる。図解した実施形態の場合、各々のポンプ18はそれぞれ1つのノズル12に樹脂4を供給するように構成されている。より具体的には、図解した例の場合各々のノズル12に対して別個のポンプ18が設けられている。指摘したように、各々のポンプ18はコントローラー14によって制御される。他の構成においては、少なくとも1つのポンプ18が多数のバルブ(図には示してない)をを備えて、ポンプ18から多数のノズル12への樹脂の流れを制御してもよい。例えば、各々ポンプ18を使用して多数のノズル12に樹脂を送ることができる。1つの非限定例において、ポンプ18は容量型ポンプである。特定の例においては、漏れの殆どない容量型ポンプを使用する。ポンプ(複数でもよい)18はチューブ又はパイプ(図には示してない)によりノズル12に接続することができる。
【0017】
特定の実施形態の場合、コントローラー14はさらに、それぞれの繊維トウ2に対する繊維供給速度信号を受け取り、少なくとも部分的にそのそれぞれ1つの繊維トウの繊維供給速度信号に基づいてポンプ18を制御するように構成されている。特定の実施形態の場合、繊維トウは異なる繊維供給速度を有しており、その結果コントローラー14はそれぞれのポンプ18に異なる制御信号を塗工する。繊維スピードはある場合には1以上の繊維トウでゼロであってもよい。1つの非限定例において、繊維供給速度信号は計量ローラー(図には示してない)から読み取られる。計量ローラーは図1のスプール32に隣接して、又はトウ経路に沿った他のところにあることができる。
【0018】
堆積・注入システム11の具体的な構成は用途によって変化し得る。しかし、図4−6は堆積・注入システム11の3つの構成例を示している。図4に示した配置の場合、ノズル12は繊維トウ2の片面1,3のみに樹脂を堆積させるように構成されている。より具体的には、図解した配置の場合、ノズル12は繊維トウ2の上面1のみに樹脂4を堆積させるように構成されている。図4に示されているように、堆積・注入システム11の例はさらに、繊維トウ2の供給経路に対して実質的に横断する方向で互いに平行に配向された多数のロッド17を含んでいる。示されているように、ノズル12はロッド17の間に配置されており、ロッド17は繊維トウ2をノズル12に押し付けるように構成されている。ロッド14の材料の例には硬質のコーティングを有する硬化鋼その他の金属があり、ロッドは抗力(drag)及びその結果の繊維の張力並びに摩耗を制限するために平滑でなければならない。ロッドに対するノズルの位置は、繊維の張力を所望の値に制限しつつ注入を達成するのに必要とされる圧力と滞留時間が得られるように最適化することができる。
【0019】
図5及び6に示した構成の場合、ノズル12は繊維トウ2の上面と下面1,3の両方に樹脂を堆積させるように構成されている。図5に示した構成の場合、堆積・注入システム11はさらに繊維トウ2の供給経路に対して実質的に横断する方向に配向されたロッド17を含んでいる。示されているように、ノズル12は二列に配置され、ロッド17はその二列のノズル12の後ろに配置されている。図解した配列の場合、第1の列のノズル12は繊維トウ4の下面3に樹脂4を堆積させるように構成され、第2の列のノズル12は繊維トウの上面1に樹脂を堆積させるように構成されている。他の構成においては、第1の列のノズルがトウの上面に樹脂を堆積させることができ、第2の列のノズルがトウの下面に樹脂を堆積させることができる。示されているように、ロッド17は繊維トウ2をノズル12に押し付けるように構成されている。これらの配列の場合、トウの各面からの注入深さは片面注入のときのおおよそ半分であることができる。
【0020】
図6に示した構成の場合、堆積・注入システム11はさらに繊維トウ2の供給経路に対して実質的に横断する方向で互いに平行に配向された多数のロッド17を含んでいる。より具体的には、図解した配列は2つのロッド17を含んでいる。示されているように、ノズル12はその2つのロッド17の間に二列で配置されている。図解した配列の場合、第1の列のノズル12は繊維トウの下面3に樹脂4を堆積させるように構成され、第2の列のノズル12は繊維トウ2の上面1に樹脂を堆積させるように構成されている。他の構成においては、第1の列のノズルがトウの上面に樹脂を堆積させることができ、第2の列のノズルがトウの下面に樹脂を堆積させることができる。示されているように、ロッド17は繊維トウ2をノズル12に押し付けるように構成されている。この構成により、図5の配列と比較して、上流のノズルの円弧に沿って追加の接触長さが得られる。この追加の接触長さは改良された注入を促進することになる。
【0021】
図7−9は注入エンハンサーの3つの構成例を図解する。しかし、注入エンハンサー19の具体的な構成は用途に基づいて変化し得る。図7に示した配列の場合、注入エンハンサー19は一対のプラテン22を含んでいる。示されているように、繊維トウ2はプラテン22の間に延びている。プラテン22は樹脂を繊維トウ2中に押し込むことによりトウ中への樹脂の注入を増強するのが有利である。
【0022】
図8に示した構成の場合、注入エンハンサー19は繊維トウ2の供給経路に対して実質的に横断する方向で互いに平行に配向された複数のロッド24を含んでいる。ロッド24は硬質のコーティングを有する硬化鋼その他の金属で形成することができ、ロッドは抗力及びその結果の繊維の張力並びに摩耗を制限するために平滑でなければならない。ロッドに対するノズルの位置は、繊維の張力を所望の値に制限しつつ注入を達成するのに必要とされる圧力と滞留時間が得られるように最適化することができる。示されているように、繊維トウ2は第1のロッドの下、ロッドの間、そして第2のロッドの上を延びていて、これらのロッドが樹脂を少なくとも部分的に繊維トウ中に押し込むようになっている。また、ロッド24は図9に示されているように構成してもよい。図9の配列は図8と類似しているが、繊維トウは第1のロッドの上、ロッドの間、そして第2のロッドの下を延びていて、これらのロッドが樹脂を少なくとも部分的に繊維トウ中に押し込むようになっている。図7−9に示した配列により、増強されるトウの長さと結果として得られる抗力との間の様々なトレードオフが提供される。
【0023】
図1に図解した配列例の場合、塗工・注入システム10はさらに樹脂を堆積させる前に繊維トウ2を加熱するように構成された熱源26を含んでいる。1つの非限定例において、堆積・注入システム11は、トウに対する樹脂の濡れを増強するために加熱マニホルド28内に配置される。加熱マニホルド28は、例えば図4に示されており、他の実施形態の堆積・注入システム11でも含むことができる。熱源26は接触により繊維トウを加熱してもよいし、或いはトウが通過する周囲を加熱することにより間接的にトウを加熱してもよい。輻射熱も使用できる。熱源26の非限定例としては石英灯、小さいチャンネルの強制熱気、又は加熱ローラーがある。
【0024】
注入エンハンサー19を通過した後、この樹脂を注入した繊維トウ2は、図1に図解した繊維配置システム30の場合冷却モジュール38に供給される。冷却モジュール38の非限定例として、空気冷却器及びOhio州Cincinnatiに営業所を有するITW Air ManagementによりVortex Coolersという商標名で販売されている冷却器がある。特定の実施形態の場合、冷却モジュールは樹脂が注入されたトウを約40F〜約70Fの範囲の温度に冷却する。図1に示した構成の場合、冷却された、樹脂が注入された繊維トウ2は次に、樹脂を注入した繊維構造体(図には示してない)を形成するべく予め含浸した繊維として使用するために、マンドレル40に巻き取られる。
【0025】
有利なことに、樹脂塗工・注入システム10を繊維配置システム30に組み込むことにより、トウの開始点(start)、停止点(stop)、添加点(add)及び落下点(drop)を必要とする複雑な形状を有するにもかかわらず最新型の複合構造体を製作することができる。結果として得られる、本発明のインラインの樹脂塗工・注入システムを利用する繊維配置システムでは、従来の繊維配置システムより改良された制御を伴ってより低いコストでこれらの複雑な複合構造体を製作することができる。
【0026】
本発明の幾つかの特徴のみを本明細書で例示し説明して来たが、当業者には多くの修正と変更が明らかであろう。従って、特許請求の範囲は本発明の真の思想の範囲内に入るかかる修正と変更を全て包含するものと了解されたい。
【符号の説明】
【0027】
1 繊維トウの上面
2 繊維トウ
3 繊維トウの下面
4 樹脂
10 樹脂塗工・注入システム
11 堆積・注入システム
12 ノズル
14 コントローラー
16 センサー
17 ロッド
18 コンピューター制御されたポンプ
19 注入エンハンサー
22 プラテン
24 ロッド
26 熱源
28 加熱マニホルド
30 繊維配置システム
32 分配手段
34 アイレット
36 幅調節ローラー
38 冷却モジュール
40 マンドレル
100 複合材製造機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の繊維トウ(2)に樹脂(4)を塗工し、それらの繊維トウに樹脂を注入するための塗工・注入システム(10)であって、各々の繊維トウはそれぞれの繊維スピードで移動し、
それぞれ1つの繊維トウに樹脂を堆積させるように構成された1以上のノズル(12)を含む堆積・注入システム(11)と、各々のノズルを通る樹脂の流速をそれぞれ1つの繊維トウの繊維スピードに関連して制御するように構成されたコントローラー(14)とを含んでなる、前記塗工・注入システム。
【請求項2】
コントローラーがさらに、それぞれ1つの繊維トウに対する樹脂の幅及び樹脂の厚さの少なくとも1つの測定データに基づくフィードバックを使用して各々のノズルを通る樹脂の流速を制御するように構成されており、塗工・注入システムがさらに、樹脂の幅及び樹脂の厚さの少なくとも1つをモニターするための1以上のセンサー(16)を含んでいる、請求項1記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項3】
コントローラーがさらに、それぞれ1つの繊維トウに対する樹脂の幅及び樹脂の厚さの少なくとも1つの測定データに基づくフィードバックを使用して各々のノズルを通る樹脂の流速を制御するように構成されており、堆積・注入システム(11)がさらに1以上のコンピューター制御されたポンプ(18)を含んでおり、各々のポンプがそれぞれ1つのノズルに樹脂を供給するように構成されており、各々のポンプがコントローラーにより制御される、請求項1記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項4】
ノズルが繊維トウ(2)の一面(1,3)のみに樹脂を堆積させるように構成されており、堆積・注入システム(11)がさらに繊維トウ(2)の供給経路に対して実質的に横断する方向で互いに平行に配向された複数のロッド(17)を含んでおり、1以上のノズル(12)が前記複数のロッドの間に配置されており、ロッドが繊維トウをノズルに押し付けるように構成されている、請求項1記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項5】
ノズルが繊維トウ(2)の上面及び下面(1,3)の両方に樹脂を堆積させるように構成されており、堆積・注入システムが複数のノズル(12)及び繊維トウ(2)の供給経路に対して実質的に横断する方向に配向された1つのロッド(17)を含んでおり、ノズルが二列に配置され、ロッドがその二列のノズルの後ろに配置されており、第1の列のノズルが繊維トウの1つの面(1,3)に樹脂(4)を堆積させるように構成されており、第2の列のノズルが繊維トウの他の面に樹脂を堆積させるように構成されており、ロッドが繊維トウをノズルに押し付けるように構成されている、請求項1記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項6】
堆積・注入システム(11)がさらに複数のノズル(12)及び繊維トウ(2)の供給経路に対して実質的に横断する方向で互いに平行に配向された複数のロッド(17)を含んでおり、ノズルが2つのロッドの間に二列で配置されており、第1の列のノズルが繊維トウの1つの面(1,3)に樹脂(4)を堆積させるように構成されており、第2の列のノズルが繊維トウの他の面に樹脂を堆積させるように構成されており、ロッドが繊維トウをノズルに押し付けるように構成されている、請求項5記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項7】
さらに、繊維トウに樹脂を注入するための注入エンハンサー(19)を含んでおり、注入エンハンサー(19)が一対のプラテン(22)を含んでおり、繊維トウ(2)がこれらのプラテンの間を通って延びる、請求項1記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項8】
さらに、繊維トウに樹脂を注入するための注入エンハンサー(19)を含んでおり、注入エンハンサー(19)が繊維トウ(2)の供給経路に対して実質的に横断する方向で互いに平行に配向された複数のロッド(24)を含んでおり、繊維トウが第1のロッドの下、ロッドの間、及び第2のロッドの上を通って延びており、ロッドが樹脂を少なくとも部分的に繊維トウ中に押し込む、請求項1記載の塗工・注入システム(10)。
【請求項9】
複数の繊維トウ(2)に樹脂(4)を塗工し、それらの繊維トウに樹脂を注入するための塗工・注入システム(10)であって、各々の繊維トウはそれぞれの繊維供給速度で移動し、
複数のノズル(12)を含み、各々のノズルが少なくとも1つの繊維トウに樹脂を堆積させるように構成されている堆積・注入システム(11)、
それぞれ1つの繊維トウに対する樹脂の幅及び樹脂の厚さの少なくとも1つの複数の測定データに基づくフィードバックを使用してそれぞれ1つの繊維トウの繊維スピードに関連して各々のノズルを通る樹脂の流速を制御するように構成されているコントローラー(14)、並びに
各々のポンプが1以上のノズルに樹脂を供給するように構成されており、各々のポンプがコントローラーにより制御される、1以上のコンピューター制御されたポンプ(18)
を含んでなる、前記塗工・注入システム。
【請求項10】
コントローラー(14)がさらに、繊維トウ(2)に対する複数の繊維供給速度信号を受け取り、少なくとも部分的にそれぞれ1つの繊維トウに対する繊維供給速度信号に基づいてポンプ(18)を制御するように構成されており、2以上の繊維トウが異なる繊維供給速度を有していて、コントローラーは異なる制御信号をそれぞれのポンプ(18)に塗工するようになっており、少なくとも1つのポンプが複数のバルブを備えていて、ポンプからそれぞれの複数のノズルへの樹脂の流れを制御し、塗工・注入システムがさらに繊維トウに樹脂を注入するための注入器(19)を含んでいる、請求項9記載の塗工・注入システム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−79310(P2011−79310A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220117(P2010−220117)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】