説明

樹脂成型体

【課題】 生分解性樹脂が微生物によって生分解される際に、生分解性の阻害を抑制する共に、塗装被膜の機械特性が優れた新規な樹脂成型体を提供する。
【解決手段】 生分解性樹脂からなる成型基体11と、成型基体11の表面に形成された塗装被膜12とからなり、塗装被膜12は、石油系塗料と天然素材との混合物を塗布して形成されてなる。天然素材は、石油系塗料に含まれる合成樹脂よりも生分解速度が速いので、成型基体11の生分解を阻害せず、生分解後の残存量を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
生分解性樹脂を用いた樹脂成形体に係り、特に生分解性樹脂からなる樹脂基体の表面に塗装被膜を有する樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
資源保護および環境保護の高まりの下、電気製品や容器等では、寿命の尽きた後や不要となった場合に、焼却やリサイクル(再利用)や、リユース(再使用)等の処理を考慮した製品の開発が行われるようになってきた。
【0003】
一方、従来の石油を原料とした、ポリエチレン、ポリスチレン等のプラスチックは、軽量、高強度、長寿命という優れた特長を有している。このようなプラスチックは、焼却処理の際に高熱を発し焼却炉にダメージを与え、ダイオキシン等の有害物を発生するため、これまでは主として埋め立てによる処理が行われてきた。しかし、プラスチック容器は重量に対して嵩が多いため、処理のための多大なる空間を必要とする。さらに、従来のプラスチックは土中ではほとんど分解しないため、露出したプラスチックが美観を損ね、また、野生生物に悪影響を与える等の環境破壊の問題が生じている。このように従来のプラスチックについては、使用後の処理についてまではほとんど考慮されていなかった。
【0004】
近年、従来のプラスチックよりも土中や水中で極めて分解速度の速い生分解性樹脂の開発が行われている。生分解性樹脂は、土中や水中の微生物の分解能力により分解されるプラスチックをいい、例えば、微生物に完全に分解された場合には水と二酸化炭素に変換されるものをいう。生分解性樹脂として、例えば、デンプンから合成されるポリラクチド、すなわちポリ乳酸や、ポリ(ε−カプロラクトン)等が挙げられる。生分解性樹脂は、その樹脂材料と応用製品の開発が現在盛んに行われている。
【0005】
生分解性樹脂の成型品の表面に装飾や塗装を施す手法が提案されている(例えば、特許文献1または2参照。)。特許文献1では、生分解性樹脂の成型基体の表面に接着剤を塗布し、さらにその上に、金属箔等の装飾材料を貼付け、その表面に保護被膜を形成した工芸品が開示されている。また、特許文献2では、生分解性樹脂と和紙からなり、その表面に生分解性塗料を塗布した達磨が開示されている。
【特許文献1】特開2004−148806号公報
【特許文献2】特開2004−41526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の石油を原料としたプラスチックの成型品にアクリルなどの石油系塗装材料を塗布することで、美観や、剥離、キズに対する保護性が向上することが知られている。また、生分解性樹脂の成型品の表面に石油系塗装材料を塗布することは可能であるが、成型品の生分解速度を低下させるおそれがある。また、石油系塗装材料は生分解せずに土中に残存してしまう。
【0007】
本発明の目的は、生分解性樹脂が微生物によって生分解される際に、生分解性の阻害を抑制する共に、塗装被膜の機械特性が優れた新規な樹脂成型体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、生分解性樹脂からなる成型基体と、前記成型基体の表面に形成された塗装被膜とからなり、前記塗装被膜は、石油系塗料と天然素材との混合物を塗布して形成されてなる樹脂成型体が提供される。
【0009】
本発明によれば、生分解性樹脂からなる成型基体の表面を覆う塗装被膜に天然素材が含まれているので、天然素材が生分解して塗装被膜に細孔が形成され、その細孔を介して微生物が成型基体に達して、成型基体が生分解性される。したがって、塗装被膜は成型基体の生分解性の阻害することがない。また、塗装被膜には石油系塗装材料が含まれるので塗装被膜の機械特性、例えば、硬度や、成型基体との密着性が向上する。
【0010】
天然素材は、植物由来の天然素材でもよく動物由来の天然素材でもよい。植物由来の天然素材としては、特に限定されないが、塗装材料として好適なものは、例えば、植物単体や、植物からの抽出物、例えば汁、ヤニが挙げられる。また、動物由来の天然素材としては、塗装材料として好適なものは、獣脂、蜜ろう、にかわ、卵白等が挙げられる。また、石油系塗料は、石油を原料とする合成樹脂を含む塗料である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生分解性樹脂が微生物によって生分解される際に、生分解性の阻害を抑制する共に、塗装被膜の機械特性が優れた新規な樹脂成型体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る樹脂成形体の要部を示す断面図である。図1を参照するに、樹脂成形体10は、生分解性樹脂からなる成型基体11と、成型基体11の表面の少なくとも一部を覆う塗装被膜12からなる。
【0014】
樹脂成形体11は、特にその形状や用途は限定されないが、例えば、パソコンや携帯電話機等の電子装置の筐体や、容器、フィルム、シート、袋等である。
【0015】
生分解性樹脂としては、生分解性ポリエステル樹脂が挙げられる。生分解性ポリエステル樹脂の代表的な樹脂はポリ乳酸である。ポリ乳酸は、乳酸のホモポリマーである。その他、生分解性ポリエステル樹脂として、グリコール酸、グリセリン酸、3−ヒドロキシ酪酸、酒石酸、およびクエン酸等のヒドロキシカルボン酸、コハク酸、およびアジピン酸等の多価カルボン酸、ラクトン、およびこれらのモノマーの共重合体からなるポリエステルが挙げられる。
【0016】
また、他の生分解性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートカーボネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリアジペートテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレートが挙げられる。
【0017】
また、生分解性樹脂としては、デンプン、セルロース、キトサン、プルラン等の多糖類系高分子材料、ポリビニルアルコールが挙げられる。セルロースでは、例えば、セルロールアセテート(酢酸セルロース)、セルローストリアセテート等が挙げられる。
【0018】
上述した生分解性樹脂のうち、高強度で電子装置等の筐体に好適な樹脂として、ポリ乳酸、ポリ乳酸アロイ、ポリ乳酸セルロース、ポリビニルアルコール、セルロールアセテートが挙げられる。
【0019】
塗装被膜12は天然素材と石油系塗料を含む塗料から形成されたものである。天然素材は石油系塗料よりも微生物により生分解速度が極めて速い。塗装被膜12が天然素材を含むことにより生分解性を高め、かつ、生分解しきれずに残存する残渣量を低減することができる。また、塗装被膜12に含まれる天然素材が生分解することで、塗装被膜12に細孔が形成され、土中や水中等の自然界の微生物が成型基体11に達し易くなる。そのため、塗装被膜12は成型基体11の生分解性を阻害せず、あるいは阻害を抑制できる。
【0020】
天然素材は、植物由来の天然素材でもよく動物由来の天然素材でもよい。植物由来の天然素材としては、特に限定されないが、例えば、植物単体や、植物からの抽出物、例えば汁、ヤニが挙げられる。このようなものとしては、例えば、漆、松ヤニ、アラビヤゴム、天然ゴム等が挙げられる。また、動物由来の天然素材としては、獣脂、蜜ろう、にかわ、卵白等が挙げられる。
【0021】
また、石油系塗料は、後述する製造方法において詳述するが、石油由来の合成樹脂が含まれている。このような合成樹脂は生分解速度が天然素材の生分解性速度よりも極めて遅い。
【0022】
次に、本実施の形態に係る樹脂成型体の製造方法を説明する。
【0023】
最初に、生分解性樹脂を含む樹脂組成物を調製する。樹脂組成物は、上述した生分解性樹脂に、本発明の目的を損なわない程度に、可塑剤、耐電防止剤、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤等の各種添加剤、改質剤、充填剤を添加することができる。樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、例えば溶融混練機を用いて製造できる。溶融混練機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー等が挙げられる。樹脂組成物の材料の総てを一括して溶融混練してもよく、また、顔料等の無機粉末を添加する場合は、生分解性樹脂の配合量の一部と無機粉末を予め予備混練し、さらに、予備混練物と残りの生分解性樹脂と他の材料を溶融混練してもよい。
【0024】
次いで、樹脂組成物を使用して、所望の形状の成型基体11に成型する。成型基体11の形状は特に制限はなく、例えば、上述した筐体、容器、フィルム、シート等が挙げられる。筐体や容器は、例えば射出成型法、圧縮成型法、押出成型法等を用いることができる。フィルムやシートは、例えば真空成型法、圧縮成型法、溶融延伸法等を用いることができる。
【0025】
また、成型基体11とは別に塗料を調製する。塗料材料は、石油由来の合成樹脂、天然素材、顔料、硬化剤および有機溶剤等であり、合成樹脂と顔料と少量の有機溶媒とを混練・分散し、さらに有機溶媒を添加して最終的な固形分に調合して塗料を形成する。また、粘度が低い場合は、単に混合・撹拌すればよい。
【0026】
合成樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、フェノール樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂およびメラミン樹脂等のアミノ樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、天然素材としては、上述した材料が用いられる。
【0027】
顔料のうち、着色顔料としては、アゾ、キナクリドン、フタロシアニン等の有機顔料や、酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。また、他の顔料としては、塗料の増量剤として使用される、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の体質顔料が挙げられる。なお、顔料は樹脂組成物の必須の材料ではない。
【0028】
次いで、成型基体の表面に塗料を塗布する。この塗布法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、例えば、刷毛塗り法、ロールコーター法、エアスプレー法、エアレススプレー法等が挙げられる。さらに、塗装被膜を室温あるいは加熱して乾燥させる。この工程(塗装および乾燥)は繰り返し行ってもよい。これにより、より機械強度の優れる塗装被膜を形成できる。また、乾燥後に塗装被膜の表面をサンドペーパにより平滑化した後でさらに塗装を行ってもよい。以上により塗装被膜12が形成された成型基体11からなる樹脂成型体10が完成する。
次に本実施の形態に係る樹脂成型体の試験例を説明する。
【0029】
[試験例1]
本試験例では、成型基体として生分解性を有する樹脂であるポリ乳酸からなる試験片に、天然素材を含む塗装被膜を塗布し、塗装被膜の硬度、試験片と塗装被膜との密着性、および塗装被膜の耐久性の試験を行った。
【0030】
試験片はポリ乳酸からなる板(縦150mm×横70mm×厚さ3mm、東レ社製、商品名PHF−6)を用いた。また塗料は次に示す塗料A〜塗料Fを用いた。塗料A〜塗料Fの天然素材として、漆、松ヤニ、天然ゴムを使用し、石油系塗料としてアクリル系塗料、エポキシ系塗料を使用した。以下、塗料A〜塗料Fの配合を以下に示す。塗料A〜塗料Fの天然素材と石油系塗料との混合率(%)を天然素材(重量)/石油系塗料(重量)×100とした。混合比を0%〜100%の範囲で10%毎とした。
【0031】
[塗料A]
漆 天然漆100%(中国四川省城口産 播与漆行社)
アクリル系塗料 ユニ2000(ミカサペイント社製商品名)、成分:アクリル樹脂30重量%、有機溶媒70%
[塗料B]
漆(塗料Aと同じ)
エポキシ系塗料 ボンデ88(ミカサペイント社製商品名)、成分:エポキシ樹脂30重量%、有機溶媒70%
[塗料C]
松ヤニ ロジン(ハリマ化成社商品名)、成分:松ヤニ100%
アクリル系塗料(塗料Aと同じ)
[塗料D]
松ヤニ(塗料Cと同じ)
エポキシ系塗料(塗料Bと同じ)
[塗料E]
天然ゴム MG−10S(レヂテックス社製商品名)、成分:MG−S(天然ゴムのメチルメタクリレートグラフト重合体)50%、有機溶媒50%
アクリル系塗料(塗料Aと同じ)
[塗料F]
天然ゴム(塗料Eと同じ)
エポキシ系塗料(塗料Bと同じ)
塗料A〜塗料Fは、それぞれの天然素材と石油系塗料とを撹拌機により撹拌して天然素材を溶解した。そして、溶解後の塗料を試験片にスプレー法により塗布し、60℃および160℃でそれぞれ30分、120分乾燥させた。このようにして、サンプルA〜Fを形成した。次いで、次に示す各試験を行った。以下に各試験法について説明する。
【0032】
(1)硬度試験法
硬度試験をJIS K 5400塗膜一般試験方法の8.4.2手かき法試験に準じて、三菱鉛筆社製の鉛筆UNI(商品名)を試験片の塗装被膜の面に対して45度の角度をつけて1kg重の荷重で押し付け、30mmの長さに亘って引っ掻いた。次いで、塗装被膜の表面にキズがついたか否かを目視により判定した。キズがついた鉛筆の濃度を硬度とした。この硬度が「H」以上の場合を合格と判断した。
【0033】
(2)密着性試験
試験片の表面に1mm×1mmのマスをカッターにより100個形成した。次いで、接着テープ(パーマセル社製のP.781(商品名))を貼付けて、次いで接着テープを剥離し、塗装被膜の欠けや剥がれが認められないマスを数えた。このようなマスが80個(80/100で示す。)以上の場合を合格と判断した。
【0034】
(3)耐久性試験
高温多湿の環境下に保存して耐久性試験を行った。具体的には、60℃、90%RHの環境下に240時間保存した。
【0035】
図2〜図7は、それぞれサンプルA〜Fの塗装被膜の試験結果を示す図である。
【0036】
図2〜図7を参照するに、天然素材が少ない塗装被膜、すなわち、混合率の低い塗装被膜のサンプルは、硬度、密着性、および耐久性が総て良好であることが分かる。また、天然素材が多い塗装被膜、すなわち、混合率の高い塗装被膜のサンプルは、硬度、密着性、および耐久性が低下傾向にあるが、総て合格であることが分かる。したがって、図2〜図7に示す試験結果によれば、ポリ乳酸からなる成型基体の表面に、天然素材と石油系塗料との混合物を塗料として塗布した塗装被膜(試験片1−2〜1−10、2−2〜2−10、3−2〜3−10、4−2〜4−10、5−2〜5−10、6−2〜6−10)が、硬度、密着性、および耐久性の点で、石油系塗料のみの試験例(試験片1−1、2−1、3−1、4−1、5−1、6−1)とほぼ同等であり、優れていることが分かった。また、塗装被膜は、天然素材を含むので、微生物によって生分解されて塗装被膜に細孔が形成され、塗装被膜が成型基体の生分解性を阻害せず、あるいは阻害が抑制されることが期待される。よって、生分解性が良好で、塗装被膜の機械特性が優れた樹脂成型体が実現できる。
【0037】
また、本願発明者等は、混合比が10%〜90%の範囲では、塗装被膜の生分解速度は、混合比が100%の場合と、ほぼ同等であると推察している。さらに本試験例では行っていないが、混合比が1%でも、塗装被膜の生分解が生じることを推察している。したがって、混合比が1%〜90%の範囲の塗装被膜は本発明の効果を生じると期待される。
【0038】
図8は本実施の形態の変形例に係る樹脂成形体の要部を示す断面図である。図8を参照するに、樹脂成型体20は、生分解性樹脂からなる成型基体11と、成型基体11の表面を覆う接着層21と、接着層21を覆う塗装被膜12からなる。樹脂成型体20は、接着層21を有する以外は図1に示す樹脂成型体と同様の構成を有する。樹脂成型体20は、接着層21を設けることで、接着層21を介して成型基体11と塗装被膜12との密着性を高めることができる。接着層21は、例えば、二液型弾性接着剤、一液常温速硬化形接着剤、二液常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤、反応型アクリル系接着剤、エマルジョン接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、樹脂系溶剤型接着剤、フェノール樹脂系接着剤等の接着剤を成型基体の表面に塗布・乾燥して形成されたものである。
【0039】
接着層21は、例えば厚さ10μm程度に形成され、接着層の塗布方法は、上述した塗装被膜の塗布方法を用いることができる。
【0040】
本変形例の樹脂成型体20では、塗装被膜12が実質的に天然素材の塗料のみからなる場合であっても、塗装被膜12の強度や塗装被膜12の密着性を向上することができる。特に、従来、生分解性樹脂からなる成型基体に天然素材の塗装被膜を形成した場合、塗装被膜の機械強度が石油系塗料の塗装被膜よりも劣っていた。しかし、接着層を設けることで強固な天然素材の塗装被膜を形成することができる。
【0041】
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂成形体の要部を示す断面図である。
【図2】サンプルAの塗装被膜特性を示す図である。
【図3】サンプルBの塗装被膜特性を示す図である。
【図4】サンプルCの塗装被膜特性を示す図である。
【図5】サンプルDの塗装被膜特性を示す図である。
【図6】サンプルEの塗装被膜特性を示す図である。
【図7】サンプルFの塗装被膜特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の変形例に係る樹脂成形体の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10,20 樹脂成型体
11 成型基体
12 塗装被膜
21 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性樹脂からなる成型基体と、
前記成型基体の表面に形成された塗装被膜とからなり、
前記塗装被膜は、石油系塗料と天然素材との混合物を塗布して形成されてなる樹脂成型体。
【請求項2】
前記天然素材は前記石油系塗料に含まれる合成樹脂よりも生分解速度が大きいことを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
【請求項3】
前記成型基体との塗装被膜との間に接着層を有することを特徴とする請求項1または2記載の樹脂成型体。
【請求項4】
生分解性樹脂からなる成型基体と、
前記成型基体の表面に形成された接着層と、
前記接着層の表面に形成された塗装被膜とからなり、
前記塗装被膜は、天然素材からなる塗料を主成分とする樹脂成型体。
【請求項5】
前記天然素材は、植物から得られる汁およびヤニ、獣脂、蜜ろう、にかわ、および卵白からなる群のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の樹脂成型体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−77273(P2007−77273A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266896(P2005−266896)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】