説明

樹脂被覆金属板

【課題】 加工前印刷された樹脂被覆金属板の缶内面側に被覆された樹脂が成形加工時やレトルト処理時に欠陥を生じることなく、耐食性に優れる食缶用樹脂被覆金属板とその製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリエステル樹脂を少なくとも片面に被覆した金属板において、製缶加工前印刷、バーニッシュ焼付等の熱処理後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)が0.3以上、または固有粘度(IV)が0.3以上かつ引張り伸びが20%以上であることを特徴とする加工前印刷用樹脂被覆金属板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷焼付および/またはヴァーニッシュ焼付後に製缶加工が行われる食品用金属缶に使用される金属板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食缶に用いられる金属缶用素材であるブリキ、ティンフリースチールおよびアルミ合金板は、一回あるいは複数回の塗装が施されている。この塗装を施すことは、塗料の焼付工程が煩雑であるばかりでなく、多大な焼付時間を必要とし経済的でないだけでなく、多量の溶剤を排出するため、公害面からも排出溶剤を特別な焼却炉に導き焼却しなければならないという問題を有していた。これらの問題を解決するため、熱可塑性樹脂を被覆した金属板が検討され、例えば飲料缶や食缶の一部に素材として使用されている。
【0003】
食缶の場合は製缶後に印刷した紙を缶外面に被覆することが多かったが、近年、缶外面の意匠性を高める目的で成形前の金属板に直接印刷を施した後、製缶加工が行われるようになってきた。この様な用途に使用される金属板には、印刷下地として金属板の色を隠蔽する目的で缶外面側にあたる面に白色の顔料を含んだ樹脂を被覆した金属板の要求が高まっている。また、食缶は飲料缶と異なり、開缶はフルオープンとなることが多いので、内容物が良く映えるようにする目的で白色の顔料を含んだ樹脂を被覆した面を缶内面側にする要求が高まっている。
これに対し、二軸延伸フィルムを用い、X線回折法によりポリエステル樹脂の配向結晶を制御する方法が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−127306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷焼付および/またはヴァーニッシュ焼付を施した金属板を、絞り加工や張り出し加工する場合、焼付の熱処理で金属板に被覆したポリエステル樹脂の加工性が劣化し、成形加工時に微細な亀裂を生じる問題を生じる。特に、白色の顔料を含んだ樹脂は削れたり疵付きやすい問題がある。その結果、缶外面側の印刷仕上がり性が損なわれたり、缶内面側は腐食が進行し内容物のフレーバー性の低下や保存性の低下をきたすだけでなく、顕著な硫化黒変(FeS、SnS)が発生し、食品缶詰としての商品価値を失ってしまう。
【0005】
本発明者らは種々の検討を重ねた結果、印刷焼付および/またはヴァーニッシュ焼付後のポリステル樹脂の加工性は樹脂の配向結晶によらず、樹脂の分子量(固有粘度)により決まることを新たに見出したものである。
【0006】
本発明の目的は、印刷焼付および/またはヴァーニッシュ焼付後に製缶加工される樹脂被覆金属板の缶内面側に被覆された樹脂が製缶加工やレトルト処理時に欠陥を生じることなく、優れた耐食性を有する食缶用樹脂被覆金属板を提供することである。特に、樹脂被覆金属板の缶内面側に被覆された白色の顔料を含んだ樹脂が印刷焼付および/またはヴァーニッシュ焼付後の製缶加工やレトルト処理時に欠陥を生じることなく、耐食性に優れ、開缶時に内容物が映える食缶用樹脂被覆金属板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下の手段を用いている。
(1)ポリエステル樹脂を少なくとも片面に被覆した金属板において、製缶加工を行う前の印刷焼付および/またはバーニッシュ焼付の後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)が0.3以上であることを特徴とする樹脂被覆金属板。
(2)ポリエステル樹脂を少なくとも片面に被覆した金属板において、製缶加工を行う前の印刷焼付および/またはバーニッシュ焼付の後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の引っ張り伸びが20%以上であることを特徴とする(1)記載の樹脂被覆金属板。(3)ポリエステル樹脂が白色顔料を0以上5質量%以下含有した表層、白色顔料を5以上30質量%以下含有した中間層、白色顔料を0以上5質量%以下含有した金属板接着面層の3層からなるポリエステル樹脂からなることを特徴とする(1)または(2)記載の印刷用樹脂被覆金属板。
(4)ポリエステル樹脂が白色顔料を0以上5質量%以下含有した表層、白色顔料を5以上30質量%以下含有した金属板接着面層の2層からなるポリエステル樹脂からなることを特徴とする(1)または(2)記載の樹脂被覆金属板。
(5)白色顔料が二酸化チタン、硫酸バリウムおよび酸化亜鉛であることを特徴とする(3)または(4)記載の樹脂被覆金属板。
(6)ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体であることを特徴とする(1)(2)(3)(4)(5)のいずれかに記載の樹脂被覆金属板。
(7)ポリエステル樹脂がポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート共重合体であることを特徴とする(1)(2)(3)(4)(5)のいずれかに記載の樹脂被覆金属板。
【発明の効果】
【0008】
本発明により得られた樹脂被覆金属板は、印刷後の意匠性、耐食性に優れており、食缶用の安価な素材として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
本発明者らは各種ポリエステル樹脂を用いて試験を繰り返した結果、印刷焼付やバーニッシュ焼付等の熱処理でエステル結合部の加水分解を生じ、ポリエステル樹脂が低分子量化することで、樹脂の加工性が著しく劣化し、製缶加工時に樹脂被膜に欠陥を生じることを新たに見出した。ポリエステル樹脂の分子量の評価指標として固有粘度(IV)、製缶加工後の缶内面樹脂皮膜の健全性を評価する指標として実施例記載の方法を用い、固有粘度(IV)が樹脂皮膜の健全性に及ぼす影響を検討した。
【0010】
結果を図1に示すが、焼付後のポリエステル樹脂の加工性を確保し、製缶加工時に樹脂皮膜欠陥を生じさせないためには、実施例に記載の試験条件で熱処理後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)を0.3以上とする必要があり、0.5以上であることが好ましい。ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は高過ぎても樹脂皮膜、樹脂被覆鋼板の生産性が劣化し経済的でないため1.0以下とすることが好ましい。ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)が樹脂皮膜欠陥の生成に及ぼす作用機構は必ずしも明確ではないが、固有粘度の低下によりポリエステル樹脂の耐衝撃性が劣化し、製缶加工時の衝撃で樹脂皮膜に皮膜欠陥を生じるものと考えられる。
【0011】
製缶加工時、絞り加工および張り出し加工の条件(ダイスの肩R、クリアランス、皺押さえ圧力)によっては、缶体の一部分の金属板が局部的に引っ張られ、元板厚の85%程度まで薄くなる、つまり金属板が最大で約18%程度延伸される場合がある。この様な製缶加工条件で樹脂皮膜に欠陥を生じさせないためには、ポリエステル樹脂が金属板の延伸に追従する必要があり、引っ張り伸びが20%以上となるポリエステル樹脂を選択する必要を生じる。
【0012】
本発明のポリエステル樹脂は特に限定されるものではなく、2種類以上のホモポリマーまたは共重合ポリマーをブレンドしたポリエステル樹脂、加工性や耐衝撃性を向上させる目的で各種エラストマーを1種類または2種類以上ブレンドしたポリエステル系樹脂、意匠性のため各種顔料を添加したポリエステル樹脂、食品の取り出し性向上のため各種ワックスをプレンドしたポリエステル樹脂でも良いが、加工性、加工後密着性、コストの点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体樹脂、耐疵付性が良好で薄膜化が可能となるポリエチレンナフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート/ナフタレート共重合体樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は単層に限定する必要はなく、異なるポリエステル樹脂を多層化しても良い。ポリエステル樹脂の厚みは、薄過ぎると成形加工時に欠陥が入り易くなり、厚過ぎても経済的でないため、10〜40μm が好ましい。樹脂被覆金属板の製造方法は特に限定するものではなく、Tダイから押し出した樹脂を金属板に直接圧着する方法やTダイ法やインフレーション法で製膜したフィルムを加熱した金属板に圧着する方法が考えられる。
【0013】
本発明の樹脂被覆金属板は、例えば図2に示すような構成が好ましい。白色顔料を含有しないか、5質量%以下含有するポリエステル樹脂からなる表層1と、白色顔料を5〜30質量%含有するポリエステル樹脂からなる中間層2と、及び白色顔料を含有しないか、5質量%以下含有するポリエステル樹脂からなる金属板接着面層3の3層からなるポリエステル樹脂5を金属板4の少なくとも片面に被覆したものである。本発明によれば、加工時に被覆した樹脂表層の白色顔料は欠陥の起点となりやすいため、表層1の白色顔料の含有量を0以上5質量%以下とすることで、被覆したポリエステル樹脂の加工による欠陥を減少させることが可能である。また、被覆した樹脂の金属板接着面層3は白色顔料の含有量を0以上5質量%以下とすることで、金属板との接着面に白色顔料が露出する確率が低く、ポリエステル樹脂と金属板表面が直接接触することでその密着性が高く、加工時に剥離せずに耐食性が維持される。さらに、中間層には白色顔料を5〜30質量%含有させることで隠蔽性と被覆した樹脂の加工性の両立が可能である。3層樹脂被覆金属板の製造方法は特に限定するものではないが、2種3層、3種3層のTダイから押し出した樹脂を直接金属板に圧着する方法や、2種3層、3種3層のTダイ法やインフレーション法で製膜した3層ポリエステルフィルムを金属板に熱圧着する方法が考えられる。
【0014】
本発明に用いる白色顔料は様々なものが使用可能である。例えば、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン、硫酸バリウム、パーライト、炭酸カルシウム、タルク、炭酸バリウム、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム、マイカ、酸化亜鉛などが挙げられる。ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタンと硫酸バリウムは隠蔽性に優れており、酸化亜鉛は食品に含まれる硫化物による鋼板の硫化黒変を抑制する効果があるため特に好ましい。また、これらの白色顔料の粒径は、0.05〜2μmの範囲にあることが好ましく、0.1〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。白色顔料の粒径が0.05μm未満の場合、体積当たりの表面積が増加する影響で水分の吸着が多くなり、ポリエステル樹脂の加水分解や白色顔料同士の凝集を生じ、隠蔽性の斑や欠陥の起点となる可能性が高くなる。また、白色顔料の粒径が2μm超の場合、フィルムの引っ張り伸びが低下し、加工時に樹脂皮膜の欠陥を生じ易くなる。
【0015】
3層ポリエステル樹脂の場合、表層1、中間層2、金属板接着面層3の厚さは特に限定されるものではなく、同じ厚さの組み合わせでも、異なる厚さの組み合わせでもよいが、隠蔽性を向上させるために中間層2の厚さは9〜28μmの範囲とし、表層1及び金属接着面層3の厚さは0.5〜10μmの範囲とすることが好ましい。さらに、ポリエステル系樹脂は必要に応じて、各種添加剤を加えても良い。また、ポリエステル樹脂と金属板の接着力を高める目的で、ポリエステルフィルムの金属板接着面にコロナ放電処理等を行ってもよく、接着プライマーを使用してもよい。
【0016】
食缶外面に意匠性を付与する目的で、ポリエステルフィルムの表面側または金属板接着面側に着色した熱硬化性樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムを食缶の外面側になる面に被覆してもよい。熱硬化性樹脂は特に限定されるものではなく、ポリエステル・アミノ系、エポキシ・アミノ系、アクリル・アミノ系、アクリル・エポキシ系、エポキシエステル系等の1種類または2種類以上のブレンドでもよく、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。熱硬化性樹脂のコーティング面を金属板接着面側とする場合、加工後、レトルト処理後の金属板との接着性が十分に確保できるような熱硬化性樹脂を選択することが好ましく、金属板の表面処理の種類や被覆方法と条件により適した選択がされる。熱硬化性樹脂の着色方法は特に限定されるものではなく、顔料の添加、染色等の従来方法を使用でき、色の組み合わせも限定されるものではない。顔料、染料は様々なものが使用可能であるが、高級感のあるゴールド色となる黄鉛、亜鉛黄などの黄色系顔料が特に好ましい。また、熱硬化性樹脂のコーティング方法も特に限定されるものではなく、従来方法を使用できる。
【0017】
本発明の樹脂被覆金属板は少なくとも片面にポリエステル樹脂が被覆されており、食缶の外面側になる面に本発明のポリエステル樹脂、または本発明以外の樹脂が被覆されてもよく、本発明以外の樹脂は単層または二層以上でもよく、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。また、食缶の外面側になる面に各種の樹脂塗料を塗装しても良い。
【0018】
本発明に用いる金属板はアルミ合金板や各種表面処理鋼板、例えば冷間圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛系めっき、錫めっき、ニッケルめっき、クロムめっき、電解クロム酸処理、クロム酸処理、リン酸処理、シリケート処理、シランカップリング処理等の一種または二種以上行ったものを用いることができる。
本発明の樹脂被覆金属板を用いた缶は、熱処理後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)が0.3以上であるポリエステル樹脂を被覆した面が、缶内面側(内容物側)となるように加工される。
【実施例】
【0019】
以下、実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明する。
表1に示す構成となる缶内面用ポリエステルフィルムと缶外面用フィルムを245℃に加熱した厚さ0.18mmの鋼帯に圧着ロールを用いて熱圧着後に水冷させて、表1の構成となる加工前印刷用樹脂被覆鋼板を製造した。得られた加工前印刷用樹脂被覆鋼板は、印刷焼付を想定した160℃で10分間の熱処理を3回とバーニッシュ焼付を想定した200℃で10分間の熱処理を1回行った。印刷焼付およびバーニッシュ焼付後の樹脂被覆鋼板は、直径158mmの円板を打抜き、常法に従い本発明の樹脂被覆面を缶内面とした浅い絞りカップを得た。この絞り工程における絞り比は1.56であった。次いで、この絞りカップを再絞り成形を行った。この再絞り工程における絞り比は1.23であった。このようにして、カップ径82mm、カップ高さ52mmのDRD缶を得た。このDRD缶の缶底を常法に従い、エキスパンションリング加工した。この缶底加工したDRD缶の缶内面側樹脂皮膜の健全性を評価した。また、缶底加工したDRD缶を125℃で90分間のレトルト処理を行い、缶内面側樹脂皮膜の健全性を評価した。
【0020】
<熱処理後ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)測定>
熱処理後の樹脂被覆金属板を用い、30℃の18%の塩酸水溶液で金属板を溶解し、樹脂皮膜を単離。樹脂皮膜を流水中で十分に洗浄後、少なくとも24時間の真空乾燥に供して、固有粘度測定用サンプルとした。このサンプル200mgを110℃に加熱したフェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶液(重量比1:1)に溶解し、ウベロ−デ型粘度計を用いて30℃で比粘度を測定した。固有粘度は下記の数1から求めた。
【0021】
【数1】

K’ : ハギンスの恒数 (=0.33)
C : 濃度 (g/100ml)
ηSP : 比粘度 [=(溶液の落下時間−溶媒の落下時間)/溶媒の落下時間]
【0022】
<熱処理後ポリエステル樹脂の引っ張り伸び測定>
熱処理後の樹脂被覆金属板を用い、30℃の18%の塩酸水溶液で金属板を溶解し、樹脂皮膜を単離。樹脂皮膜を流水中で十分に洗浄後、少なくとも24時間の真空乾燥に供して、引っ張り伸び測定用サンプルとした。このサンプルを5mm×100mmに切断し、通常の引張試験機を用い、チャック間距離20mm、引張速度20mm/min.の速度で引張り試験を行い、下記の数2からフィルムの引っ張り伸びを求めた。
【0023】
【数2】

【0024】
実施例1〜5の缶内面樹脂皮膜の健全性は、缶底加工後もレトルト処理後も非常に良好であった。一方、比較例1〜5の缶内面樹脂皮膜の健全性は、缶底加工後もレトルト処理後も不十分であった。
【0025】
【表1】

注)
PET/IA11:ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート11モル%共重合体(融点226℃)
PET/NDCA:ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート11モル%共重合体(融点226℃)
TiO2 =X%:二酸化チタン=含有量(X質量%)
【0026】
【表2】

注)缶内面樹脂被膜の健全性の評価
缶に1%食塩水を充填し、缶を陽極として、+6Vの電圧をかけた時に流れる電流値を測定した。
◎:0.01mA未満
○:0.01mA以上1.0mA未満
△:1.0mA以上10.0mA未満
×:10.0mA以上
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)が樹脂皮膜の健全性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図2】樹脂被覆金属板の断面図である。 (a)片面樹脂被覆金属板の断面図 (b)両面樹脂被覆金属板の断面図
【符号の説明】
【0028】
1 表層
2 中間層
3 金属板接着面層
4 金属板
5 缶内面用樹脂
6 缶外面用樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル樹脂を少なくとも片面に被覆した金属板において、製缶加工を行う前の印刷焼付および/またはバーニッシュ焼付の後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の固有粘度(IV)が0.3以上であることを特徴とする樹脂被覆金属板。
【請求項2】
ポリエステル樹脂を少なくとも片面に被覆した金属板において、製缶加工を行う前の印刷焼付および/またはバーニッシュ焼付の後に金属板から剥離させた該ポリエステル樹脂の引っ張り伸びが20%以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆金属板。
【請求項3】
ポリエステル樹脂が白色顔料を0以上5質量%以下含有した表層、白色顔料を5以上30質量%以下含有した中間層、白色顔料を0以上5質量%以下含有した金属板接着面層の3層からなるポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂被覆金属板。
【請求項4】
ポリエステル樹脂が白色顔料を0以上5質量%以下含有した表層、白色顔料を5以上30質量%以下含有した金属板接着面層の2層からなるポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂被覆金属板。
【請求項5】
白色顔料が二酸化チタン、硫酸バリウムおよび酸化亜鉛であることを特徴とする請求項3または4記載の樹脂被覆金属板。
【請求項6】
ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の樹脂被覆金属板。
【請求項7】
ポリエステル樹脂がポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート共重合体であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の樹脂被覆金属板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−15648(P2006−15648A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196854(P2004−196854)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】