説明

機器の盗難防止装置

【課題】機器に故障などが生じたときであっても、運転履歴や故障についての情報を容易かつ確実に読み出すことを可能として利便性を向上させると共に、機器を盗難から防止するようにした機器の盗難防止装置を提供する。
【解決手段】機器(芝刈り機)の盗難防止装置において、認証用のデータを記憶する電子キーと、機器に設けられ、機器の運転履歴と故障のうち少なくともいずれかについての情報を記憶するメモリとを備えると共に、電子キーから認証用のデータが出力されるとき、予め記憶された照合用のデータを用いて電子キーが正規のキーか否か認証し(S302,S304)、その認証を実行するとき、メモリに記憶されている情報を電子キーに複製させる(S310,S316)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は機器の盗難防止装置に関し、より詳しくは移動体または作業機からなる機器の盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両(移動体。具体的には小型電動車や四輪自動車など)を電子キーを用いて盗難から防止する装置は種々提案されており、その例として下記の特許文献1記載の技術を挙げることができる。特許文献1記載の技術にあっては、車両に取り付けられた盗難防止装置を電子キーで起動させ、車両の傾斜を感知して盗難状態と判断されるとき、ホーンを鳴動させると共に、イグニッション回路への動作電源の供給を遮断するように構成される。
【0003】
ところで、上記した移動体または芝刈り機などの作業機からなる機器において、運転履歴や故障についての情報(データ)を機器(正確には機器に設けられる記憶装置(メモリ))に記憶させる技術は広く知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2記載の技術にあっては、機器の作業が終了あるいは故障が発生したとき、運転履歴や故障に関する情報を記憶装置に記憶させると共に、記憶された情報に基づいて故障原因の特定などを行うように構成される。
【特許文献1】特開平10−16714号公報(段落0037〜0039、図5など)
【特許文献2】特開2007−244207号公報(段落0024,0040,0048、図3など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2記載の技術の如く、運転履歴などについての情報を機器に記憶させるように構成すると、機器に故障などが生じた場合、例えば機器本体を修理が行われる店舗まで運搬し、そこで情報を読み出して故障の原因を特定するなどの作業が必要となり、煩瑣であった。また、機器の記憶装置自体に故障が発生した場合、記憶された情報を読み出すことができないという不都合も生じ得る。
【0005】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、機器に故障などが生じたときであっても、運転履歴や故障についての情報を容易かつ確実に読み出すことを可能として利便性を向上させると共に、機器を盗難から防止するようにした機器の盗難防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、移動体または作業機からなる機器の盗難防止装置において、操作者に携行自在な、認証用のデータを記憶する電子キーと、前記機器に設けられ、前記電子キーから前記認証用のデータが出力されるとき、予め記憶された照合用のデータを用いて前記電子キーが正規のキーか否か認証する認証手段と、前記機器に設けられ、前記機器の運転履歴と故障のうち少なくともいずれかについての情報を記憶する記憶手段とを備えると共に、前記認証手段は、前記認証を実行するとき、前記記憶手段に記憶されている情報を前記電子キーに複製させる如く構成した。
【0007】
請求項2に係る機器の盗難防止装置にあっては、前記認証手段は、前記電子キーが正規のキーと認証されるとき、前記情報を複製させる一方、前記電子キーが正規のキーと認証されないとき、前記情報の複製を中止させる如く構成した。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る機器の盗難防止装置にあっては、電子キーと、電子キーから認証用のデータが出力されるとき、照合用のデータを用いて電子キーが正規のキーか否か認証する認証手段と、機器に設けられ、機器の運転履歴と故障のうち少なくともいずれかについての情報を記憶する記憶手段とを備えると共に、認証手段は、認証を実行するとき、前記情報を電子キーに複製させるように構成したので、機器に故障などが生じたときであっても、運転履歴や故障についての情報を容易かつ確実に読み出すことが可能となり、利便性を向上させることができると共に、機器を盗難から防止することができる。
【0009】
具体的には、運転履歴などについての情報を複製させて機器の記憶手段と電子キーの両方に記憶させるように構成したので、機器に故障などが生じたとき、電子キーを修理が行われる店舗に送るだけで(換言すれば、機器本体を店舗まで運搬することなく)、電子キーから情報を容易に読み出すことが可能となる。これにより、機器の修理を行う整備担当者(サービスマン)は、読み出された情報に基づいて故障原因を特定でき、迅速な対応(より具体的には、故障した部品の発注から到着までのリードタイムの短縮など)が図れ、よって利便性を向上させることができる。
【0010】
尚、上記した機器に故障などが生じた場合に限らず、例えば定期的な点検の際に操作者(ユーザ)が電子キーを店舗に送るようにすれば、整備担当者は電子キーの情報から部品の劣化状況を推定し、それに基づいて適切なメンテナンスを行うことも可能となる。
【0011】
また、運転履歴などについての情報を電子キーに複製させるように構成したので、例えば機器の記憶手段自体が故障した場合であっても、電子キーから情報を確実に読み出すことができ、従来技術の如く、情報を読み出せずに故障原因を特定することができないという不都合が生じることはない。
【0012】
また、電子キーから認証用のデータが出力されるとき、照合用のデータを用いて電子キーが正規のキーか否か認証する認証手段を備えるように構成したので、機器を盗難から防止することができる。
【0013】
請求項2に係る機器の盗難防止装置にあっては、認証手段は、電子キーが正規のキーと認証されるとき、情報を複製させる一方、正規のキーと認証されないとき、情報の複製を中止させるように構成したので、上記した効果に加え、運転履歴などについての情報が正規の電子キーに確実に複製されると共に、正規のキー以外の(正規のキーではない)電子キーに情報が誤って複製されるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面に即してこの発明に係る機器の盗難防止装置を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、この発明の実施例に係る機器の盗難防止装置を示し、芝刈り機に搭載された状態を示す。図1はその芝刈り機の側面図、図2は平面図である。
【0016】
図1および図2において、符号10は芝刈り機(作業機。機器)を示す。芝刈り機10は、2個の前輪12Fと2個の後輪12Rの計4個の車輪と、ハンドルバー14とを備えた非乗車型の自走式芝刈り機である。4個の車輪12F,12Rで支持されたフレーム上において、エンジンカバー16の内部には、汎用の内燃機関(以下「エンジン」という)18が収容される。エンジン18は、操作者(作業者)P(図1にのみ示す)によって手動操作自在なリコイルスタータ20を備える。
【0017】
図1に示すように、エンジン18のクランク軸22は、ベルト24を介して後輪駆動軸26に接続される。後輪駆動軸26は、ギヤ機構28を介して後輪12Rに接続される。また、後輪駆動軸26の途中には、後輪用電磁クラッチ30が配置され、後輪12Rへのエンジン出力の伝達を断接する。
【0018】
クランク軸22の先端には、芝刈り用のブレード32が取り付けられる。また、クランク軸22においてブレード32とベルト24の間には、ブレード用電磁クラッチ34が配置され、ブレード32へのエンジン出力の伝達を断接する。芝刈り機10の後部には、グラスバック36が搭載され、ブレード32で刈り取られた芝が収集される。
【0019】
ハンドルバー14の先端付近には、走行レバー38と、走行レバー38が操作者Pによって芝刈り機10の進行方向前方に傾倒されているときにオン信号を出力する走行スイッチ40が配置される。また、走行レバー38にはブレードスイッチ42が配置される。ブレードスイッチ42は、操作者Pによって一度押されたときにオン信号を出力し、再度押されたときにオン信号の出力を終了する。
【0020】
図3は、図1に示すエンジン18を拡大して示す拡大断面図である。
【0021】
エンジン18は1個の気筒(シリンダ)46を備え、その内部にピストン48が往復動自在に収容される。エンジン18の燃焼室50を臨む位置には吸気バルブ52と排気バルブ54が配置され、燃焼室50と吸気路56あるいは排気路58の間を開閉する。エンジン18は、具体的には空冷4サイクルの単気筒OHV型エンジンで、例えば163ccの排気量を備える。
【0022】
ピストン48はクランク軸22に連結される。また、クランク軸22の一端にはフライホイール60が取り付けられると共に、フライホイール60の先端側には前記したリコイルスタータ20が取り付けられる。尚、クランク軸22の他端には、図示は省略するが、前述したブレード用電磁クラッチ34を介してブレード32が取り付けられる。
【0023】
フライホイール60の内側には複数個の永久磁石62が固定されると共に、クランクケース64側には永久磁石62に対向するように発電コイル(オルタネータ)66が取り付けられる。発電コイル66は、リコイルスタータ20の操作やピストン48の往復運動に応じてクランク軸22が回転させられるとき、その回転に同期した出力(交流電流)を生じる。
【0024】
発電コイル66で発電された交流電流は、図示しない処理回路を介して直流電流に変換された後、後述する制御ECUや認証ECU、点火回路(図示せず)などに動作電源として供給される。尚、エンジン18は、リコイルスタータ20によって始動させられるため、バッテリを備えない、即ち、バッテリレスタイプの汎用の内燃機関である。
【0025】
また、吸気路56にはスロットルボディ68が配置される。スロットルボディ68には、スロットルバルブ70と、スロットルバルブ70を駆動する電動モータ72が収容される。スロットルバルブ70の上流側には、キャブレタアセンブリ(図示せず)が設けられ、燃料タンク(図1,2に符号74で示す)から供給されるガソリン燃料を噴射して混合気を生成する。生成された混合気は、スロットルバルブ70、吸気路56および吸気バルブ52を通って燃焼室50に吸入される。
【0026】
電動モータ72の付近にはスロットル開度センサ76が配置され、スロットルバルブ70の開度(スロットル開度)θTHに応じた信号を出力する。また、フライホイール60の付近には電磁ピックアップからなるクランク角センサ78が配置され、所定クランク角度ごとにパルス信号を出力する。
【0027】
図4は、上記したエンジン18が搭載された芝刈り機10の盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図4において、符号80は盗難防止装置を示す。盗難防止装置80は、認証用のデータ(後述)などを記憶する電子キー82と、芝刈り機10に設けられてエンジン18などの動作を制御する制御ECU(電子制御ユニット)84と、芝刈り機10に設けられて電子キー82の認証などを行う認証ECU(電子制御ユニット。認証手段)86とを備える。尚、制御ECU84と認証ECU86は共に、図1,2に示す如く、芝刈り機10の適宜位置、具体的には、エンジンカバー16の内部であってリコイルスタータ20の近傍に配置される。
【0029】
制御ECU84は、CPU84a、メモリ(具体的には不揮発性メモリからなるEEPROM)84b、カウンタ(図示せず)などを備えたマイクロコンピュータからなる。制御ECU84には、スロットル開度センサ76とクランク角センサ78の出力が入力される。制御ECU84は、クランク角センサ78の出力パルスをカウントしてエンジン回転数NEを検出(算出)する。また、制御ECU84は、検出されたエンジン回転数NEおよびスロットル開度θTHに基づき、エンジン回転数NEが予め設定された目標回転数(例えば2000rpm)に一致するように電動モータ72の通電指令値を算出すると共に、算出した通電指令値を電動モータ72に出力してその駆動を制御する。
【0030】
制御ECU84にはさらに、走行スイッチ40を介して操作者Pからの走行指示(オン信号)が入力されると共に、ブレードスイッチ42を介して操作者Pからのブレード駆動指示(オン信号)が入力される。制御ECU84は、操作者Pから走行指示が入力されると、後輪用電磁クラッチ30を結合させてエンジン18の回転出力を後輪12Rに伝達させ、よって芝刈り機10を自走させる。また、制御ECU84は、操作者Pからブレード駆動指示が入力されると、ブレード用電磁クラッチ34を結合させてエンジン18の回転出力をブレード32に伝達させ、ブレード32を回転させる(芝刈り可能とする)。
【0031】
認証ECU86は、制御ECU84と同様、CPU86a、照合用のデータ(後述)などを記憶するメモリ(具体的には不揮発性メモリからなるEEPROM。記憶手段)86bと、カウンタ(図示せず)などを備えたマイクロコンピュータからなる。認証ECU86はさらに、電子キー82に記憶された認証用のデータを読み込むと共に、芝刈り機10の運転状態を示す情報(具体的には、芝刈り機10の運転履歴と故障についての情報(サービスデータ)。後述)を電子キー82に書き込むリーダ/ライタ(読み込み/書き込み装置)86cと、電子キー82の認証の結果(適否)などを操作者Pに報知するLED(発光ダイオード。報知ランプ)86dとを備える。
【0032】
上記の如く構成された認証ECU86は、制御ECU84にシリアル通信ライン88を介して通信自在に接続される。また、制御ECU84と認証ECU86には、前記した発電コイル66が電力線90を介して接続され、発電コイル66で生じた動作電源が供給される。
【0033】
電子キー82は、CPU82aと、認証用のデータ(具体的には、電子キー82を携行している操作者Pを識別する識別情報(ユーザID)や芝刈り機10の機種などを識別する識別情報(製品ID))などを記憶する不揮発性のメモリ82bと、認証用のデータなどを近距離無線通信(RFID(Radio Frequency Identification))でリーダ/ライタ86cと送受信(入出力)するアンテナ82cとを備えたICカードからなる。電子キー82であるICカードは、樹脂材から製作されてその内部に前記したCPU82aなどが内蔵されると共に、図1に示す如く、操作者Pに携行自在とされる。
【0034】
ここで、電子キー82と認証ECU86のリーダ/ライタ86cとの通信動作のうち、認証動作について詳説する。認証ECU86に発電コイル66から動作電源が供給されている状態において、電子キー82がリーダ/ライタ86cに操作者Pによって近接されると(かざされると)、リーダ/ライタ86cは電子キー82に向けて電磁波を出力(発信)する。
【0035】
リーダ/ライタ86cから電磁波が出力されると、電子キー82は、内蔵されたコイル(図示せず)の電磁誘導によって発電し、CPU82aなどが起動させられる。即ち、電子キー82は、内部に電池などの電源を備えず、リーダ/ライタ86cからの電磁波による電磁誘導によって動作電源が供給される。
【0036】
電子キー82は、動作電源が供給されると、メモリ82bに記憶された認証用のデータをCPU82a、アンテナ82cを介してリーダ/ライタ86cに出力する。認証ECU86は、電子キー82から認証用のデータが出力されるとき、メモリ86bに予め記憶された照合用のデータを用いて電子キー82が正規のキーか否かの認証を実行する。この照合用のデータは、前述した認証用のデータと同一のもの、即ち、ユーザIDや製品IDである。
【0037】
従って、認証ECU86における認証は、電子キー82の認証用のデータと照合用のデータとを比較することで行われる。具体的には、認証用のデータと照合用のデータを比較して一致するか否か判断し、一致するときはリーダ/ライタ86cにかざされた電子キー82が芝刈り機10に対して正規のキーであると判断する一方、一致しないとき(不一致のとき)は電子キー82が正規の電子キーではないと判断する。
【0038】
尚、認証ECU86は、上記した認証を実行するとき、運転履歴などについての情報をリーダ/ライタ86cを介して電子キー82のメモリ82bに複製させる(書き込む)ように構成されるが、それについては後に説明する。
【0039】
このように、電子キー82は、認証ECU86のリーダ/ライタ86cと接触させずにかざすだけで認証用のデータや運転履歴などの情報の入出力(通信)を行うことが可能な、非接触型(ワイヤレスタイプ)のICカードである。
【0040】
上記した如く、認証用のデータなどは非接触型のICカードからなる電子キー82とリーダ/ライタ86cとで送受信されるため、電子キーと認証ECUを有線の通信手段で接続して送受信するときに生じる不具合、具体的には通信用ケーブルの断線によってデータを送受信することができないなどの不具合を回避することができる。
【0041】
盗難防止装置80の説明を続けると、盗難防止装置80は、図4に示す如く、前記した認証ECU86などに加え、電子キー82に記憶された情報を読み出して解析する解析装置92を備える。解析装置92は、芝刈り機10から独立して設けられ、例えば芝刈り機10の修理が行われる店舗(芝刈り機10の販売店など。図示せず)に設置される。
【0042】
解析装置92は、芝刈り機10の運転履歴などに関する情報の解析に用いられる端末機器94と、端末機器94に接続されるリーダ/ライタ96とを備える。端末機器94は、具体的にはパーソナルコンピュータからなり、CPU94aと、メモリ94bと、操作者Pによって操作自在なキーボードやマウス(図示せず)などからなる入力部94cと、ディスプレイ(画面)からなる表示部94dなどを備える。また、端末機器94には図示しない電源(例えば商用電源)が接続され、動作電源が供給される。
【0043】
リーダ/ライタ96は、認証ECU86のリーダ/ライタ86cと同様、電子キー82が近接されるとき(かざされるとき)、電子キー82に向けて電磁波を出力して電子キー82に動作電源を供給すると共に、電子キー82に記憶される認証用のデータや運転履歴などの情報を読み込む。
【0044】
端末機器94は、通信回線100およびインターネット(WEB。公衆通信網)102を介して情報システムサーバ104にアクセス自在となるように構成される。情報システムサーバ104には、芝刈り機10を構成する部品(例えばエンジン18や認証ECU86など)の仕様や価格、在庫の数量などからなる部品データが格納される。即ち、情報システムサーバ104には、芝刈り機10を構成する部品が故障したとき、その部品を発注するのに必要なデータとして、仕様や在庫の数量などの部品データが格納される。
【0045】
次いで上記の如く構成された芝刈り機(機器)の盗難防止装置80の動作について説明する。
【0046】
図5は、盗難防止装置80の動作、具体的には盗難防止装置80を構成する認証ECU86の動作を示すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムは、所定の周期(例えば100msec)ごとに実行される。
【0047】
以下説明すると、先ずS10において、フラグSTのビットが0にセットされているか否か判断する。フラグSTのビットは後述するステップで設定され、そのビット(初期値0)が0にセット(リセット)されているときは今回のプログラムループがエンジン18が始動されてから初回のプログラムループであることを示す一方、1にセットされているときは2回目以降のプログラムループであることを示す。
【0048】
初回のプログラムループではS10で肯定されてS12に進み、芝刈り機10が運転された回数を示す運転回数カウンタCNTの値を1つインクリメントし、S14に進み、フラグSTのビットを1にセットする。これにより、次回以降のプログラムループではS10で否定され、S12およびS14の処理をスキップする。
【0049】
次いでS16に進み、制御ECU84に入出力される芝刈り機10の運転パラメータをメモリ86bに保存(記憶)させる。この運転パラメータは、具体的には、スロットル開度センサ76の出力に基づいて検出されるスロットル開度θTH、クランク角センサ78の出力に基づいて検出されるエンジン回転数NE、電動モータ72の通電指令値、走行スイッチ40の走行指示(オン信号)、ブレードスイッチ42のブレード駆動指示(オン信号)などである。
【0050】
図6は、図5のS16の運転パラメータ保存処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
【0051】
先ずS100において、現在の(最新の)芝刈り機10の運転パラメータを制御ECU84からシリアル通信ライン88を介して入力させてメモリ86bに保存させる。次いでS102に進み、第1の所定時間前(例えば1分前)に保存された運転パラメータをメモリ86bから消去させる。尚、第1の所定時間前の運転パラメータがメモリ86bに保存されていない場合、換言すれば、エンジン18が始動されてから第1の所定時間経過していない場合、S102の処理はスキップされる(実行されない)ものとする。
【0052】
このように、メモリ86bには、所定の周期(具体的には100msec)ごとに運転パラメータが収集(入力)されて時系列データ(詳しくは、第1の所定時間(1分間)の時系列データ)が保存される。
【0053】
図5の説明に戻ると、次いでS18に進み、保存された運転パラメータに異常が発生しているか否かを判断、詳しくは芝刈り機10を構成する部品(例えばエンジン18)に故障などが生じ、それによって運転パラメータに異常が発生しているか否か判断する。S18の処理は、具体的には、運転パラメータと運転パラメータに対応して設定される閾値とを比較することで行われる。前記閾値は、芝刈り機10を構成する部品に故障などが発生していると判断可能な値とされる。
【0054】
従って、S18の処理においては、運転パラメータが閾値の範囲を超えるとき、運転パラメータに異常が発生している(芝刈り機10に故障が発生している)と判断する一方、閾値の範囲内のときは運転パラメータに異常が発生していない(芝刈り機10に故障が発生していない)と判断する。
【0055】
S18で否定されるときはS20に進み、保存された運転パラメータのうちのスロットル開度θTHが所定のアイドル開度(スロットル全閉付近に設定される)か否か判断する。S20で肯定されるときはS22に進み、エンジン18がアイドル開度で運転される累積(通算)時間(以下、「アイドル運転時間T1」という)を計測するアイドル運転時間タイマをスタートさせると共に、その値をメモリ86bに保存させる、即ち、アイドル運転時間T1を計測して保存させる。
【0056】
一方、S20で否定されるときはS24に進んでスロットル開度θTHが所定の全開開度(スロットル全開付近に設定される)か否か判断する。S24で肯定されるときはS26に進み、エンジン18が全開開度で運転される累積時間(全開運転時間T2)を計測する全開運転時間タイマをスタートさせ、その値をメモリ86bに保存させる。
【0057】
S24で否定、即ち、スロットル開度θTHがアイドル開度と全開開度のいずれでもなく、スロットルバルブ70が部分開状態(パーシャル開度)であるときはS28に進み、エンジン18がパーシャル開度で運転される累積時間(パーシャル運転時間T3)を計測するパーシャル運転時間タイマをスタートさせると共に、その値をメモリ86bに保存させる。尚、上記した処理によってスタートさせられたアイドル運転時間タイマ、全開運転時間タイマおよびパーシャル運転時間タイマは、他のタイマがスタートさせられた時点で計測を中止するものとする。即ち、エンジン18が運転されている間は3つのタイマのうち1つのタイマが動作しているものとする。
【0058】
上記したS22,S26またはS28の処理後、S30に進み、芝刈り機10が使用(運転)された総時間を示す総運転時間TAを算出してその値をメモリ86bに保存させる。具体的には、前記したアイドル運転時間T1、全開運転時間T2およびパーシャル運転時間T3を加算して得た和を総運転時間TAとして保存させてプログラムを終了する。
【0059】
他方、S18で肯定されるときはS32に進み、異常が発生していると判断された後の運転パラメータを「異常時運転パラメータ」としてメモリ86bに保存(記憶)させる。
【0060】
図7は、図5のS32の異常時運転パラメータ保存処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
【0061】
先ずS200において、芝刈り機10の運転パラメータを制御ECU84からシリアル通信ライン88を介して入力させてメモリ86bに保存させる。次いでS202に進み、運転パラメータに異常が生じてから第2の所定時間(例えば1分)経過したか否か判断する。尚、この判断は、運転パラメータに異常が発生したときに図示しない別のプログラムでカウンタ(アップカウンタ)をスタートさせ、そのカウンタ値が第2の所定時間に達したか否か確認することによって行われる。
【0062】
S202で否定されるときはS200の処理を繰り返す一方、肯定されるときはプログラムを終了する。即ち、異常発生後の運転パラメータを収集(入力)して時系列データ(詳しくは、第2の所定時間(1分間)の時系列データ)を異常時運転パラメータ(フリーズデータ)として保存させる。
【0063】
図5の説明に戻ると、次いでS34に進み、異常時運転パラメータに基づいて芝刈り機10の異常(故障)の種類を推定し、推定される異常(故障)の種類を示すエラーコードをメモリ86bに保存させる。
【0064】
このように、メモリ84bには、芝刈り機10の運転履歴についての情報(具体的には、運転パラメータ、アイドル運転時間T1、全開運転時間T2、パーシャル運転時間T3および総運転時間TA)と、故障についての情報(異常時運転パラメータおよびエラーコード)とが記憶される。尚、芝刈り機10の運転履歴の情報のうち、運転パラメータは直近の複数回分(例えば直近5回の運転分)が記憶される。
【0065】
図8は、同様に芝刈り機の盗難防止装置80の動作、具体的には認証ECU86の動作を示すフロー・チャートである。図8に示すプログラムは、図5の処理と平行して行われると共に、エンジン18が始動されたとき、1回だけ実行される。
【0066】
操作者Pによってリコイルスタータ20が操作される、正確には、図1に示す如く、操作者Pによって電子キー82が認証ECU86のリーダ/ライタ86c付近にかざされつつリコイルスタータ20が操作される(引かれる)と、エンジン18が始動されると共に、発電コイル66が発電を開始し、認証ECU86に動作電源が供給される。
【0067】
認証ECU86に動作電源が供給されて起動させられると、先ずS300においてリーダ/ライタ86cから電子キー82に向けて電磁波を出力して電子キー82に動作電源を供給し、S302に進み、電子キー82から出力される認証用のデータと照合用のデータとを用いて電子キー82の認証を行う。
【0068】
S304に進み、S302の処理においてリーダ/ライタ86cにかざされた電子キー82が芝刈り機10に対して正規のキーであったか否か判断し、肯定されるときはS306に進み、報知ランプ86dを点灯させて電子キー82が正規の電子キーと認証されたことを操作者Pに報知する。
【0069】
次いでS308に進んでメモリ86bに記憶された運転履歴と故障についての情報に異常時運転パラメータが含まれていないか否か判断する。S308で肯定されるときはS310に進み、メモリ86bに記憶されている運転履歴などについての情報(具体的には、運転パラメータ、アイドル運転時間T1、全開運転時間T2、パーシャル運転時間T3および総運転時間TA)を電子キー82に複製(コピー)させる、具体的には、情報(データ)をリーダ/ライタ86cから出力して電子キー82のメモリ82bに書き込む。そしてS312に進み、エンジン18を通常運転させてプログラムを終了する。
【0070】
一方、S308で否定されるときはS314に進み、報知ランプ86dを点滅させ、前回の芝刈り機10の運転中に異常時運転パラメータがメモリ86bに記憶されたことを操作者Pに報知する。即ち、操作者Pに対し、芝刈り機10に故障などが生じたため、芝刈り機10の点検(修理)を行うように促す。このように、報知ランプ86dは、芝刈り機10に故障が発生している旨を操作者Pに報知する機能も有する。
【0071】
次いでS316に進み、メモリ86bに記憶されている運転履歴についての情報と故障についての情報(具体的には、異常時運転パラメータとエラーコード)を電子キー82に複製させ、S318に進んで点火カットなどを行ってエンジン18の運転を停止させる。即ち、芝刈り機10に異常が生じているときは動作させないようにする。
【0072】
他方、S304で否定されるときはS320に進み、運転履歴などの情報を電子キーに複製するのを中止させる。このように、電子キー82が正規のキーと認証されるとき、情報を複製させる一方(S310,S316)、電子キー82が正規のキーと認証されないとき、情報の複製を中止させる、別言すれば、情報の複製を行わないようにした(S320)。S320の処理の後はS322に進み、点火カットなどを行ってエンジン18の運転を停止させ、芝刈り機10を盗難から防止する。
【0073】
尚、S322において、電子キー82が正規のキーでないと認証されるときにエンジン18の運転を停止させるように構成したが、それに代えて、エンジン18の運転を停止させず、例えばエンジン18の回転数Neの上限値を制限する、具体的にはエンジン18の回転数をアイドリング回転数より僅かに大きい値(別言すれば、ブレード32で芝刈り可能な回転数より小さい値)が上限となるように構成しても良い。これにより、芝刈り機10のブレード32を回転させて芝刈り作業を行うことはできないものの、芝刈り機10を低速で移動させることは可能になるため、操作者Pが電子キー82を紛失した場合にも対応することができる。
【0074】
次いで盗難防止装置80の動作のうち、解析装置92の動作について説明する。尚、報知ランプ86dが前述した処理によって点滅して芝刈り機10の異常が確認されるとき(あるいは芝刈り機10の定期的な点検のとき)、電子キー82は操作者Pによって解析装置92が設置される店舗(換言すれば、整備担当者などによって芝刈り機10の修理が行われる店舗)に送られるものとする。
【0075】
図9は、解析装置92の動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、解析装置92の端末機器94において電子キー82がリーダ/ライタ96にかざされるとき、実行される。
【0076】
電子キー82がリーダ/ライタ96にかざされ、電磁波によって電子キー82に動作電源が供給されると、電子キー82から認証用のデータと運転履歴などに関する情報が出力され、S400においてその認証用のデータと運転履歴などについての情報をリーダ/ライタ96を介して読み込む。次いでS402に進み、読み込んだ認証用のデータと運転履歴などについての情報を表示部94dに表示させる。
【0077】
図10は、運転履歴に関する情報などが表示された表示部94dを示す説明図である。
【0078】
図10に示す如く、表示部94dには、運転履歴に関する情報、具体的には、ユーザID、製品ID、サービスデータとして総運転時間TA、アイドル運転時間T1、全開運転時間T2、パーシャル運転時間T3、運転回数(運転回数カウンタCNT)、運転パラメータ、(芝刈り機10に故障などが生じたときの)エラーコードおよび異常時運転パラメータが表示される。
【0079】
運転履歴に関する情報などが表示部94dに表示されると、それに基づいて芝刈り機10の故障原因が整備担当者によって特定(推定)される。整備担当者は特定された故障原因に基づいて端末機器94の入力部94c、通信回線100およびインターネット102を介して情報システムサーバ104にアクセスして対応する、具体的には、情報システムサーバ104に格納される部品データを参照しつつ故障した部品の発注などの作業を行う。
【0080】
尚、上記したような芝刈り機10に故障が生じた場合に限らず、例えば定期的な点検の際に操作者Pが電子キー82を店舗に送り、その電子キー82から得られる情報に基づいて整備担当者が芝刈り機10を構成する部品(エンジン18など)の劣化状況を推定し、それに基づいて適切なメンテナンスを行うようにしても良い。
【0081】
以上の如く、この発明の実施例にあっては、移動体または作業機からなる機器(芝刈り機)10の盗難防止装置80において、操作者Pに携行自在な、認証用のデータを記憶する電子キー82と、前記機器に設けられ、前記電子キーから前記認証用のデータが出力されるとき、予め記憶された照合用のデータを用いて前記電子キーが正規のキーか否か認証する認証手段(認証ECU86。S302,S304)と、前記機器に設けられ、前記機器の運転履歴と故障のうち少なくともいずれかについての情報(具体的には、運転パラメータ、アイドル運転時間T1、全開運転時間T2、パーシャル運転時間T3、総運転時間TA、異常時運転パラメータおよびエラーコードなど)を記憶する記憶手段(メモリ86b)とを備えると共に、前記認証手段は、前記認証を実行するとき、前記記憶手段に記憶されている情報を前記電子キー82に複製させる(S310,S316)如く構成した。
【0082】
これにより、芝刈り機10に故障などが生じたときであっても、運転履歴や故障についての情報を容易かつ確実に読み出すことが可能となり、利便性を向上させることができると共に、芝刈り機10を盗難から防止することができる。具体的には、運転履歴などについての情報を複製させて芝刈り機10のメモリ86bと電子キー82のメモリ82bの両方に記憶させるように構成したので、芝刈り機10に故障などが生じたとき、電子キー82を修理が行われる店舗に送るだけで(換言すれば、芝刈り機10本体を店舗まで運搬することなく)、電子キー82から情報を容易に読み出すことが可能となる。従って、芝刈り機10の修理を行う整備担当者は、読み出された情報に基づいて故障原因を特定でき、迅速な対応(より具体的には、故障した部品の発注から到着までのリードタイムの短縮など)が図れ、よって利便性を向上させることができる。
【0083】
また、運転履歴などについての情報を電子キー82に複製させるように構成したので、例えば芝刈り機10のメモリ86b自体が故障した場合であっても、電子キー82から情報を確実に読み出すことができ、従来技術の如く、情報を読み出せずに故障原因を特定することができないという不都合が生じることはない。
【0084】
また、電子キー82から認証用のデータが出力されるとき、照合用のデータを用いて電子キー82が正規のキーか否か認証する認証ECU86を備えるように構成したので、芝刈り機10を盗難から防止することができる。
【0085】
また、前記認証手段(認証ECU86)は、前記電子キー82が正規のキーと認証されるとき、前記情報を複製させる(S304,S310,S316)一方、前記電子キーが正規のキーと認証されないとき、前記情報の複製を中止させる(S304,S320)如く構成した。これにより、運転履歴などについての情報が正規の電子キー82に確実に複製されると共に、正規のキー以外の(正規のキーではない)電子キーに情報が誤って複製されるのを防止することができる。
【0086】
尚、上記において、盗難防止装置80を備える機器として作業機である芝刈り機10を例に挙げて説明したが、それに限られるものではなく、例えば耕運機、発電機、除雪機、運搬機などの作業機であっても良く、さらには四輪自動車や二輪自動車、小型電動車などの移動体であっても良く、その意味から、請求項1において「移動体または作業機からなる機器の盗難防止装置」と記載した。
【0087】
また、芝刈り機10にあっては、バッテリを備えずに発電コイル66から認証ECU86などへ動作電源が供給されるように構成(即ち、バッテリレスとなるように構成)したが、発電コイル66に代えてバッテリを備えるように構成し、そのバッテリから認証ECU86などへ動作電源が供給されるようにしても良い。
【0088】
また、電子キー82と認証ECU86のリーダ/ライタ86c(またはリーダ/ライタ96)において近距離無線通信を用いてデータの送受信を行うように構成したが、それに限られるものではなく、他の無線通信手段や有線の通信手段を介してデータの送受信を行うように構成しても良い。
【0089】
また、電子キー82をICカードからなるように構成したが、例えば上記した電子キー82と同様の機能を携帯電話に設け、その携帯電話からインターネット102を介して電子メールなどで店舗の端末機器94に情報を直接送信するように構成しても良い。それにより、芝刈り機10の運転履歴などの情報を端末機器94に早期に送信でき、利便性をより一層向上させることができる。
【0090】
また、エンジン18の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の実施例に係る機器の盗難防止装置を示し、芝刈り機に搭載された状態における芝刈り機の側面図である。
【図2】図1に示す芝刈り機の平面図である。
【図3】図1に示す内燃機関(エンジン)を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図1に示す芝刈り機の盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す芝刈り機の盗難防止装置の動作、具体的には盗難防止装置を構成する認証ECUの動作を示すフロー・チャートである。
【図6】図5の運転パラメータ保存処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
【図7】図5の異常時運転パラメータ保存処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
【図8】図1に示す芝刈り機の盗難防止装置の動作、具体的には盗難防止装置を構成する認証ECUの動作を示す、図5と同様なフロー・チャートである。
【図9】図4に示す解析装置、具体的には解析装置の端末機器の動作を示すフロー・チャートである。
【図10】図4に示す端末機器の表示部に表示された運転履歴に関する情報などを示す説明図である。
【符号の説明】
【0092】
10 芝刈り機(機器。作業機)、80 盗難防止装置、82 電子キー、86 認証ECU(認証手段)、86b メモリ(記憶手段)、P 操作者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体または作業機からなる機器の盗難防止装置において、操作者に携行自在な、認証用のデータを記憶する電子キーと、前記機器に設けられ、前記電子キーから前記認証用のデータが出力されるとき、予め記憶された照合用のデータを用いて前記電子キーが正規のキーか否か認証する認証手段と、前記機器に設けられ、前記機器の運転履歴と故障のうち少なくともいずれかについての情報を記憶する記憶手段とを備えると共に、前記認証手段は、前記認証を実行するとき、前記記憶手段に記憶されている情報を前記電子キーに複製させることを特徴とする機器の盗難防止装置。
【請求項2】
前記認証手段は、前記電子キーが正規のキーと認証されるとき、前記情報を複製させる一方、前記電子キーが正規のキーと認証されないとき、前記情報の複製を中止させることを特徴とする請求項1記載の機器の盗難防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−18163(P2010−18163A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180558(P2008−180558)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】