説明

機器ケースの防水構造

【課題】2つのケース部材を嵌め合わせてなる機器ケースの防水性を確実に発揮でき、組立作業性も良好な防水構造を提供する。
【解決手段】第1のケース部材21と第2のケース部材22とをリング状のパッキン部材7を介在させて嵌め合わせる機器ケース2の防水構造である。パッキン部材7の外周に、第1のケース部材21の内周面に沿って当接する第1の凸条部71と、第2のケース部材22の内周面に沿って当接する第2の凸条部72とを設ける。第1のケース部材21には、パッキン部材7の第1の凸条部71側が圧入される溝部23が形成され、第2のケース部材22には、パッキン部材7の第2の凸条部72側が圧入される溝部24が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器における機器ケースの防水構造、特に2つのケース部材の嵌め合わせ部を防水する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの電子機器ケースの多くは、合成樹脂製の表ケースと裏ケースとで構成され、両ケースの嵌め合わせ部にゴム製のOリングなどの防水パッキンを介在させた状態で、両ケースをその嵌め合わせ方向にネジ止めすることにより防水を図っている。
しかし、この防止構造は、ネジによるケースの締め付けでOリングなどの防水パッキンを圧縮して防水効果を得る構造であるので、次のような問題があった。
すなわち、ネジ止め部間の間隔が広いと、締め付け力が最も弱くなるネジ止め部間の中間部で十分な防水効果が得られなくなったり、Oリングなどの防水パッキンの反発力で両ケースの嵌め合わせ部に隙間が生じたりする不具合がある。また逆に、ネジ止め部を増やしてネジ止め部間の間隔を狭くすると、構造が複雑化するとともに部品点数や組立工数が増加するという不具合がある。
【0003】
このような不具合を解消する防水構造として、従来、特許文献1により提案された構造がある。
特許文献1に記載の防水構造は、その図面中の符号を参照すれば、嵌め合わせる2つのケース部材3・5のそれぞれに、側壁に沿って延在する凸部31・51を設けるとともに、防水パッキン7をその上下両面に前記凸部31・51をそれぞれ液密状態で受け入れる凹部71・72が形成された断面形状が略H形のパッキンにしたものである。すなわち、略H形のパッキン7にし、当該パッキンの上下両面の凹部71・72にケース部材3・5に設けられた凸部31・51を嵌入させることにより防水機能を果たすようにしたものである。
【0004】
また従来、特許文献2により提案された構造もある。
特許文献2に記載の防水構造は、その図面中の符号を参照すれば、嵌め合わせる2つのケース部材2・3の嵌め合わせ面の側壁の内周側と外周側を切り欠いた段部11・12を形成し、その間にゴムパッキン5を介在させるものである。すなわち、一方のケース部材(下カバー)2は、嵌め合わせ面となる側壁の上端部の外周面側を切り欠いて段部11を形成する。また、他方のケース部材(上カバー)3は、嵌め合わせ面となる側壁の下端部の内周面側を切り欠いて段部12を形成する。そして、一方のケース部材2側壁の切欠段部11内周面側と他方のケース部材3側壁の切欠段部12内周面側との間でゴムパッキン5を圧縮挟持するものである。
【特許文献1】特開2000−335624号公報
【特許文献2】特開2003−304079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の防水構造の場合、ケース部材3・5に設けられた凸部31・51が防水パッキン7の凹部71・72に液密状態で嵌入する構成であるので、当然、凹部71・72の幅よりも凸部31・51の幅が広くなっており、防水パッキン7を一方のケース部材3(5)に嵌着する際に、次のような問題がある。
すなわち、防水パッキン7の一方の凹部71(72)を一方のケース部材3(5)の凸部31(51)に嵌着する際に、防水パッキン7の他方の凹部72(71)が他方のケース部材5(3)の凸部51(31)に正対するように正確に装着したとしても、その他方のケース部材5(3)の凸部51(31)を防水パッキン7の他方の凹部72(71)に嵌入させることは容易ではなく、ケースの嵌め合わせ作業がスムーズに行えず、作業性が悪いという不都合がある。
【0006】
また、特許文献2に記載の防水構造の場合、防水パッキン5を一方のケース部材2の切欠段部11に載置した後、他方のケース部材3を被せ、2つのケース部材2・3の側壁(切欠段部11・12側壁)で防水パッキン5を圧縮挟持する構成であるので、次のような問題がある。
すなわち、ケースを嵌め合わせるために他方のケース部材3を被せる際に、両ケース部材2・3の位置合わせが不十分であると、他方のケース部材3の一方の切欠段部12側壁が防水パッキン5に引っ掛かり、ケースの嵌め合わせがスムーズに行えないという不都合がある。そして、ケースの嵌め合わせをスムーズに行うためには、特許文献2に実施例として記載されているように、他方のケース部材(上カバー)3にケース嵌め合わせ時の案内となる複数のリブ8を設ける必要があり、ケース構造が複雑化し、またケースの内容量も減少するという不都合がある。
【0007】
本発明の課題は、2つのケース部材を嵌め合わせてなる機器ケースの防水性を確実に発揮でき、組立作業性も良好な防水構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図2から図4に示すように、第1のケース部材21と第2のケース部材22とをリング状のパッキン部材7を介在させて嵌め合わせる機器ケース2の防水構造であって、前記パッキン部材7の外周に、前記第1のケース部材21の内周面に沿って当接する第1の凸条部71と、前記第2のケース部材22の内周面に沿って当接する第2の凸条部72とを設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、パッキン部材外周の第1の凸条部が第1のケース部材の内周面に沿って当接するとともに、パッキン部材外周の第2の凸条部が第2のケース部材の内周面に沿って当接するので、第1のケース部材の内周面と第2のケース部材の内周面に対してパッキン部材外周の第1の凸条部と第2の凸条部とでそれぞれ独立して確実に防水できる。
また、両ケース部材の間に2本の凸条部を外周に有するパッキン部材を介在させて嵌め合わせるだけなので、容易に組み立てできる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の機器ケースの防水構造であって、例えば図2から図4に示すように、前記第1のケース部材21には、前記パッキン部材7の前記第1の凸条部71側が圧入される溝部23が形成され、前記第2のケース部材22には、前記パッキン部材7の前記第2の凸条部72側が圧入される溝部24が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、第1のケース部材の溝部に、パッキン部材の第1の凸条部側が圧入され、第2のケース部材の溝部に、パッキン部材の第2の凸条部側が圧入される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の機器ケースの防水構造であって、例えば図5に示すように、前記パッキン部材7の内周側には、リング状の形状保持部材76が一体的に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、パッキン部材の内周側に一体的に設けられたリング状の形状保持部材により、パッキン部材の形状が保持されるので、両ケース部材に対する嵌め込み作業、具体的には両ケース部材の溝部への圧入作業が容易になる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の機器ケースの防水構造であって、例えば図6及び図7に示すように、前記パッキン部材7は、前記第1のケース部材21と第2のケース部材22の間に配置される中ケース部材26の外周側に一体的に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、パッキン部材は中ケース部材の外周側に一体的に設けられているので、中ケース部材により形状が保持され、第1及び第2の両ケース部材間への中ケース部材の組立作業と同時に、第1及び第2の両ケース部材に対するパッキン部材の嵌め込み作業、具体的には第1及び第2の両ケース部材の溝部への圧入作業が容易になる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の機器ケースの防水構造であって、例えば図6及び図7に示すように、前記中ケース部材26の外周面に周方向に沿って突出形成された断面T字状の突出部28の外周面に、前記パッキン部材7が装着されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、中ケース部材の外周面に突出形成された断面T字状の突出部により、パッキン部材が固定されて形状が保持されるので、パッキン部材の支持剛性に優れる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の機器ケースの防水構造であって、例えば図8及び図9に示すように、前記中ケース部材26の外周面に、前記パッキン部材7が一体的に設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、中ケース部材の外周面により、パッキン部材が固定されて形状が保持されるので、パッキン部材の支持剛性に優れるとともに、中ケース部材の内部スペースを広く取れる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1のケース部材の内周面と第2のケース部材の内周面に対してパッキン部材外周の第1の凸条部と第2の凸条部とでそれぞれ独立して確実に防水できて、両ケース部材の間に2本の凸条部を外周に有するパッキン部材を介在させて嵌め合わせるだけで良いことから、組立作業性にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は携帯電話機への適用例を示したもので、1は操作部側の機器ケース(下筐体)、11はその第1のケース部材、12は第2のケース部材であり、両ケース部材は嵌め合わせた状態で第2のケース部材12の外表面側から挿入されるネジにより固定されるようになっている。2は表示部側の機器ケース(上筐体)、21はその第1のケース部材、22は第2のケース部材であり、両ケース部材は嵌め合わせた状態で第1のケース部材21の外表面側から挿入されるネジにより固定されるようになっている。3はヒンジ部、4はメイン表示部の表示カバー、5はネジ穴隠し兼用のロゴシート(またはプレート)、6はネジ穴隠し用ブッシュである。
このような折畳み式携帯電話機は、操作部側の機器ケース1の第1及び第2の両ケース部材11・12の嵌め合わせ部に、後述するリング状のパッキン部材が介在されており、表示部側の機器ケース2の第1及び第2の両ケース部材21・22の嵌め合わせ部にも、同様にリング状のパッキン部材が介在されている。
なお、図示例は折畳み式携帯電話機であるが、折畳み式以外の携帯電話機であって良いことは勿論である。
【0022】
(実施形態1)
図2及び図3に示すように、表示部側の機器ケース2において、第1及び第2の両ケース部材21・22の内側の周囲には互いに一致する溝部23・24がそれぞれ形成されており、これら両溝部23・24の中にリング状のパッキン部材7が圧入されている。図2中、8はサブ表示部の表示カバーである。
パッキン部材7は、ゴムなどの軟質材でリング状に形成され、その外周には全周に亘って2本の凸条部71・72が形成されている。図示例では、第1の凸条部71側が第1のケース部材21の溝部23に圧入され、第2の凸条部72側が第2のケース部材22の溝部24に圧入される。なお、パッキン部材7の溝部23・24への圧入を容易にするためは、図示例のように、溝部23・24の開口部に面取りを施しておくのが望ましい。
【0023】
表示部側の機器ケース2は、図3の例では、第2のケース部材22の溝部24にパッキン部材7の第2の凸条部72側を圧入した後、パッキン部材7の第1の凸条部71側を第1のケース部材21の溝部23に圧入して、両ケース部材21・22を溝部23・24の周囲4箇所でネジ止めした防水構造により組み立てられる。
操作部側の機器ケース1も同様に第1及び第2の両ケース部材11・12の溝部に同様のパッキン部材7を介在させた防水構造により組み立てられる。
【0024】
その結果、表示部側の機器ケース2について、図4に示すように、パッキン部材7外周の第1の凸条部71側が第1のケース部材21の内周面、すなわち、圧入された溝部23内に沿って当接状態となる。そして、パッキン部材7外周の第2の凸条部72も第2のケース部材22の内周面、すなわち、圧入された溝部24内に沿って当接する。
つまり、第1及び第2の両ケース部材21・22の各々の溝部23・24内において、特にパッキン部材7の外周の第1及び第2の両凸条部71・72がともに圧入により圧縮変形された状態になる。
【0025】
従って、第1及び第2の両ケース部材21・22に対して、特にパッキン部材7の外周の第1及び第2の両凸条部71・72により、それぞれ独立して確実に防水できるものとなる。
しかも、両ケース部材21・22の間に2本の凸条部71・72を外周に有するパッキン部材7を介在させて嵌め合わせるだけであり、容易に組み立てできるものとなる。
なお、操作部側の機器ケース1についても同様の作用効果が得られる。
【0026】
(変形例)
図5はパッキン部材7の変形例を示すもので、外周に第1及び第2の両凸条部71・72を有するパッキン部材7の内周には、その形状保持部材を兼ねるリング状のガイド部材76が一体化して設けられている。
このガイド部材76は金属製でインサート成形によりパッキン部材7と一体化されている。
【0027】
このように、パッキン部材7の内周側に一体化して設けたリング状のガイド部材76により、パッキン部材7の形状が保持されて、第1及び第2の両ケース部材21・22に対するパッキン部材7の嵌め込み作業が容易に行える。すなわち、両ケース部材21・22の溝部23・24に対して、ガイド部材76のガイド機能によりパッキン部材7の第1及び第2の両凸条部71・72側の各々の圧入作業がともに容易になる。
なお、ガイド部材76は金属製に限らず硬質ゴム製または樹脂製でも良い。この場合、二色成形によりパッキン部材7と一体化させることが可能である。
また、インサート成形や二色成形に代えて、ガイド部材76の外周にパッキン部材7を装着するようにしても良い。
【0028】
(実施形態2)
この実施形態2は、図6及び図7に示すように、中ケース部材26の外周側にパッキン部材7を一体的に設けたものである。
中ケース部材26は、第1及び第2の両ケース部材21・22の間に配置される表示モジュールハウジングを兼ねたもので、中ケース部材26との間に図示しないメイン表示器(LCD)が配置される。図6中、27はサブ表示器(LCD)用切欠部である。
【0029】
この中ケース部材26の外周面には、図示のように、周方向に沿って突出した断面T字状の突出部(パッキン保持部)28が一体的に形成され、中ケース部材26の外周壁と合わせて断面がH形となるように形成されている。
そして、パッキン保持部(突出部)28にパッキン部材7が装着されている。図示例ではパッキン保持部28の外周面及び上下面にパッキン部材7の内周面が密着状態となっている。
なお、パッキン部材7は、中ケース部材26のパッキン保持部26に二色成形したり、またはパッキン保持部26に装着しても良い。
【0030】
このように、中ケース部材26によりパッキン部材7の形状が保持されて、第1及び第2の両ケース部材21・22間への中ケース部材26の組立作業と同時に、第1及び第2の両ケース部材21・22に対するパッキン部材7の嵌め込み作業が容易に行える。
すなわち、中ケース部材26を組み込んで第1及び第2の両ケース部材21・22を組み立てると同時に、その第1及び第2の両ケース部材21・22の溝部23・24に対して、中ケース部材26の外周壁と合わせて断面H形のパッキン保持部28とともに、この保持部28がガイド部材となってパッキン部材7の第1及び第2の両凸条部71・72側の各々の圧入作業が容易になる。
しかも、中ケース部材26の外周壁と合わせて断面H形の保持部28により、パッキン部材7が固定されて形状が保持されることから、前述した実施形態1やその変形例と較べて、パッキン部材7の支持剛性が格段にアップするものとなる。
なお、本実施形態においては、図示例のように、溝部23・24の開口部だけでなく、溝部23・24を形成するそれぞれの内側壁の中ケース部材26の収納側にも面取りを施しておくのが望ましい。
【0031】
(実施形態3)
この実施形態3は、図8及び図9に示すように、第2のケース部材22の本体平板部と外周壁との境界部をより角張った形状にして溝部24を第2のケース部材22の底面側(本体平板部の内面)に設け、中ケース26の外周壁の上下両端がそれぞれ溝部23・24に収まる構成にすると共に、中ケース26の外周面にパッキン部材7を一体的に設けたものである。
中ケース部材26は、図示のように、溝部24の内側壁に対応する部分で本体平板部が内側に突出する構成となっているが、外周壁はその上下両端がそれぞれ溝部23・24に収まる位置にあるので、内部スペースが大きく取れるものとなっている(図9参照)。
【0032】
そして、パッキン部材7は、中ケース部材26の外周壁の高さに合わせて幅広のものとなっており、幅方向一端部の外周面に第1の凸条部71、幅方向他端部の外周面に第2の凸条部72、幅方向中央部の外周面に第3の凸条部73が形成されている。すなわち、パッキン部材7の外表面には、3つの凸条部71・72・73が形成されており、ケースの組み立て時には、第1の凸条部71が第1のケース部材21の外周壁内面に当接し、第2の凸条部72と第3の凸条部73とが第2のケース部材22の外周壁内面に当接する構成となっている。
なお、パッキン部材7は、中ケース部材26の外周面に二色成形したり、または外周面に装着しても良い。
【0033】
以上の実施形態3によれば、前述した実施形態2と同様に、中ケース部材26を組み込んで第1及び第2の両ケース部材21・22を組み立てると同時に、その第1及び第2の両ケース部材21・22の溝部23・24に対して、中ケース部材26の外周壁とともに、その外周壁がガイド部材となってパッキン部材7の第1及び第2の両凸条部71・72側の各々の圧入作業が容易になる。
しかも、中ケース部材26の外周面でパッキン部材7を固定して形状を保持することにより、前述した実施形態1やその変形例と較べて、パッキン部材7の支持剛性が格段にアップするとともに、中ケース部材26の内部スペースを広く取れるものとなる。
また、パッキン部材7は、中ケース部材26の固定と防水の機能を有する第1及び第2の凸条部71・72に加えて第3の凸条部73を有しているので、第3の凸条部73が無い場合に第2の凸条部72まで進入し得る水の浸入を防止することができる。
【0034】
なお、第2及び第3の凸条部72・73は、何れも第2のケース部材22の外周壁内面に当接し、第2のケース部材22に対して防水しているものなので、第2のケース部材22に対する防水機能部としては凸条部72・73の何れか一方のみにし、他方の凸条部を設けない構成することも可能である。しかし、中ケース部材26の確実な固定やケースの組立作業中に中ケース部材26を第2のケース部材22に仮固定するなどの点を考慮すると、凸条部73を第2のケース部材22に対する防水機能部とする場合においても、中ケース部材26の外周面の凸条部72が設けられて位置には、周方向に非連続の凸条部或いは突起部を設けておくのが望ましい。
【0035】
また、以上の各実施形態においては、携帯電話機の機器ケースとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタルカメラやPDAやその他の電子機器の機器ケースであっても良い。
更に、ケース部材、溝部、パッキン部材の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
例えばパッキン部材については、実施形態3とは逆に、第3の凸条部を第1のケース部材に当接する側に設けたり、実施形態3に加えて第1のケース部材に当接する第4の凸条部を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用する電子機器の一例として折畳み式携帯電話機を開いた状態の機器ケース構成を示した斜視図である。
【図2】実施形態1の防水構造を示すもので、一方の機器ケースの分解斜視図である。
【図3】両ケース部材とパッキン部材の関係を示す要部の縦断面図で、パッキン部材を一方のケース部材に装着して他方のケース部材に装着する前の状態を示した図である。
【図4】図3の状態からパッキン部材を他方のケース部材にも装着して防水構造の組立状態を示した図である。
【図5】変形例の防水構造を示した要部の縦断面図である。
【図6】実施形態2の防水構造を示すもので、一方の機器ケースの分解斜視図である。
【図7】実施形態2の防水構造の組立状態を示した要部の縦断面図である。
【図8】実施形態3の防水構造を示すもので、一方の機器ケースの分解斜視図である。
【図9】実施形態3の防水構造の組立状態を示した要部の縦断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1・2 機器ケース
11・21 第1のケース部材
12・22 第2のケース部材
23・24 溝部
26 中ケース部材
28 突出部(パッキン保持部)
7 パッキン部材
71 第1の凸条部
72 第2の凸条部
73 第3の凸条部
76 ガイド部材(形状保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のケース部材と第2のケース部材とをリング状のパッキン部材を介在させて嵌め合わせる機器ケースの防水構造であって、
前記パッキン部材の外周に、前記第1のケース部材の内周面に沿って当接する第1の凸条部と、前記第2のケース部材の内周面に沿って当接する第2の凸条部とを設けたことを特徴とする機器ケースの防水構造。
【請求項2】
前記第1のケース部材には、前記パッキン部材の前記第1の凸条部側が圧入される溝部が形成され、
前記第2のケース部材には、前記パッキン部材の前記第2の凸条部側が圧入される溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機器ケースの防水構造。
【請求項3】
前記パッキン部材の内周側には、リング状の形状保持部材が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の機器ケースの防水構造。
【請求項4】
前記パッキン部材は、前記第1のケース部材と第2のケース部材の間に配置される中ケース部材の外周側に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の機器ケースの防水構造。
【請求項5】
前記中ケース部材は外周面に周方向に沿って突出した断面T字状の突出部を有し、当該突出部の外周面に前記パッキン部材が一体的に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の機器ケースの防水構造。
【請求項6】
前記パッキン部材は前記中ケース部材の外周面に一体的に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の機器ケースの防水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−261210(P2006−261210A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73091(P2005−73091)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】