説明

機密保護製品の製造装置及び方法

本発明は、印刷方法、印刷装置及びそれにより得られる製品に関する。特に、本発明は、ホログラム、キネグラムなどのような、基材に適用される光学的可変画像又はデバイスに関する。とりわけ、本発明は、超顕微鏡的、ホログラフ的、電子ビーム、機械的に刻線された若しくは他の回析、又は直線の格子に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法、印刷装置及びそれにより得られる製品に関する。特に、本発明は、ホログラム、キネグラムなどのような、基材に適用される光学的可変画像又はデバイスに関する。とりわけ、本発明は、超顕微鏡的、ホログラフ的、電子ビーム、機械的に刻線された若しくは他の回析、又は直線の格子に関する。
【0002】
超顕微鏡的、ホログラフ的、キネグラフ的及び他の形態の光学的可変デバイスを含む回折格子パターンを、特に文書、紙幣、クレジットカード及び包装において、装飾用並びに機密保護(security)の目的のために使用することは、一般的になってきている。しかしながら、そのような一般的な使用にも関わらず、パターン及び画像の利用は、高価であり、1つの操作でパターン又は画像を製造し、第2の別個の操作により、パターン又は画像を意図される基材、文書又は物品に転写、接着又は積層することを伴い、その例は、紙幣、小切手、商品券、クレジット/デビットカード、商標保護及び非保護ラベルシステム(security brand protection and non-security label system)、並びに品物の包装である。
ホログラムのような三次元光回析パターンは、干渉光の2つのビームが互いに限定された角度で干渉する結果として感光性媒質にもたらされる。一方のビームは、参照ビームであり、他方は、物体と相互作用し、画像が記録される。得られるホログラムは、ホログラフ媒質の表面変化として記録される画像情報を有するように作製される。次に、より硬質な転写マスタープレートが、ホログラフ画像の複製を形成するために作製される。
手動又はコンピューターにより相互に相関させられた干渉光に曝されるフォトレジスト被覆フロートガラスプレートに基づく超顕微鏡的又はホログラフ的な光学的可変デバイスを、干渉縞の顕微鏡的パターンの形態で創作する多くの方法が存在する。これは、元の超顕微鏡的又はホログラフ的回析格子創作物をコピーすることによって製造される。超顕微鏡的構造を保持する転写プレートを使用して、ニッケルから金属マスターコピーを生成する。次に、続く世代のプレート又はシムを、電気鋳造により成長させることができる。
米国特許第4,913,858号は、ホログラフ回析パターン画像をプラスチックフィルム又は基材のプラスチック被覆に型押しする一つの方法を開示する。基材に、熱可塑特性を有する感熱材料の被覆を提供し、加熱シリンダー単独又は赤外線ヒーターと組み合わせて使用して被覆を加熱して軟くし、続いて型押しして回析格子を形成する。次に被覆表面を、回析格子に金属の被覆を付着することによって金属化する。そのような方法により得られた回析パターンは、格子を形成する型押ローラーに適用される過剰な圧力によって、又は感熱材料が過剰に加熱されると、被覆の一部が型押ローラーに接着することによる格子の歪みに起因する欠陥を生じる可能性がある。ホログラフ回析格子にとって、格子のあらゆる歪みは、明らかにホログラフ画像の品質に悪影響を与える。
米国特許第4,728,377号は、支持層、支持層を覆っている剥離被覆、剥離被覆に重なっており、剥離被覆よりも熱に対して感受性が少ない熱可塑性材料の1つ以上の層、及び熱可塑性層の表面に結合している金属箔の層を有する積層シート材料を開示する。回析格子を形成するために、ダイを箔に押して型を付ける。次に箔を接着剤で覆い、積層シートを反転し、加熱加圧板を使用して、回析格子が付着される品物に対して押し付け、ここで加圧板下のシート材料の領域のみが品物に接着し、剥離被覆の溶融によって支持層から分離する。支持層が基材から離れるとき、箔及び熱可塑性層が加圧板の端に沿って裂ける。
米国特許第5,087,510号は、レリーフパターン化ポリマー基材に無電界的に付着されたレリーフパターン化金属表面を有するホログラムを開示する。
これらの文献は、全て、鏡様光沢を提供するため、画像の可視性界を改善するために、金属の層を形成し、それに、表面レリーフパターンを、加熱型押部材を使用して型押しすることを記載する。個別な(discrete)金属化パターンが望ましい場合、表面全体を金属化し、続いて、酸のような適切なエッチング剤を使用して、不要な金属をエッチングする。その後、別個の操作によって、ホログラムを意図される文書又は物品に接着又は積層する。
ここで上記に記載された方法は、光沢効果を提供するために著しい量の金属付着を必要とし、付着された金属層のため、画像は基材の非金属化表面からしか見ることができない。
米国特許第5,549,774号は、シートを加熱ニッケル型押シムと高圧で接触させて押し付けることにより形成された型押パターンを有する透明又は不透明なフィルムシートの一面に、金属インクを付着すること、続いて、別個の操作によって、視覚情報を有する裏地シートを型押シートに結合することを開示する。
上記に記載したように、高圧及び熱の適用は、回析格子の完全性に悪影響を与える可能性がある。
裏地シートを、すなわちホログラムが適用される基材を型押フィルムシートに結合する別個の操作は、製造の速度を低下させ、型押フィルムシートと裏地シートとを、型押材料の不正確な位置づけを防ぐために注意深くそろえなければならず、更なる難題を作り出す可能性がある。
更に、米国特許第5,549,774号に記載されているフィルムシートに型押しをする高圧及び熱の適用は、製造の速度を著しく低下させる。製造者は、従来技術に関連する問題を克服することを長期間追求してきたが、ほとんど又は全く成功していない。
国際公開公報第2005/051675号は、透明なフィルム状製品に光学的可変デバイスを印刷する方法及び装置を開示する。対照的に、本発明は、下記に記載する独自の装置によって、紙、アルミニウム及び他のあらゆる種類の不透明基材に、1つの過程により、光学的可変デバイス及び他のレンズ、並びに彫刻構造を、複数の他の色と一緒に、通常のグラビア速度でインライン式に適用する印刷方法及び装置を提供する。
【0003】
有利なことに、本発明は、従来技術に関連する問題の1つ又はそれ以上を克服するか又は軽減せしめる。
【0004】
本発明の最初の態様によると、光学的可変画像を基材に形成する方法であって、
A)硬化性化合物又は組成物を基材の少なくとも一部に適用する工程;
B)硬化性化合物の少なくとも一部を光学的可変画像形成手段に接触させる工程;
C)硬化性化合物を硬化する工程;及び
D)場合により、金属インクを硬化化合物の少なくとも一部に付着させる工程
を含み、
光学的可変画像形成手段が、
a)透明な担体と
b)適用される光学的可変画像を運ぶ透明材料と、
c)ワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む
方法が提供される。
【0005】
有利なことに、本発明は、ホログラフ又は他の回析格子のような(超顕微鏡的な)光学的可変画像を、基材の表面に直接転写し、そして場合により金属化し、それを高い生産性及び低い費用で行う、製造方法を提供する。
【0006】
好ましい実施態様において、光学的可変画像形成手段は、
a)透明な石英シリンダーと、
b)石英シリンダーの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む。
【0007】
方法が機密保護製品を形成するのに使用される場合、それは、
A)ベース材料のシートを提供する工程であって、前記シートが上面と下面を有し、機密保護製品の構成要素である工程;
B)光学的可変画像をベース材料の上面の少なくとも一部に形成する工程;及び
C)金属インクを光学的可変画像の少なくとも一部に付着させる工程
を含むことができる。
【0008】
本発明の更なる態様によると、従来の印刷機と光学的可変画像を形成する方法とを一緒に使用して、基材に印刷するインライン式の方法であって、
A)光学的可変画像を基材の別個な部分に形成する工程;及び
B)金属インクを光学的可変画像の少なくとも一部に付着させる工程を含む方法が提供される。
更に、位置を合わせた光学的可変画像を、(超顕微鏡的)画像が適用される基材に直接形成することが有利である。
【0009】
本発明の更なる態様によると、印刷機及び光学的可変画像形成手段を含む(機密保護)製品を形成する装置であって、光学的可変画像形成手段が、
a)透明な担体と
b)適用される光学的可変画像を運ぶ透明材料と、
c)ワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む
装置が提供される。
【0010】
透明な担体は、好ましくはシリンダー又はプレートである。
【0011】
好ましい実施態様において、光学的可変画像形成手段は、
a)透明な石英シリンダーと、
b)石英シリンダーの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む。
【0012】
特に好ましい実施態様において、UVランプは、UV下塗りで被覆された紙又は他の不透明基材がその表面に光学的可変画像を保持する透明なシム/プレートと接触する地点である挟み領域にUV光線を偏光又は集中する一体型レンズを備えた水冷式石英シリンダーの中及びポリカーボネート又は同様の化合物から作製される透明なプラスチックシリンダーの上に、取り付けられている。これと同軸的に取り付けられているものは、自由回転している透明シリンダー又は側板の間の固定支承である。適用される光学的可変画像を運ぶ透明なシムが、このローラーに取り付けられている。異なる直径で異なる反復を処理するため又は画像の位置を合わせて印刷する系を有するため、代わりの画像を予め取り付けることができるように、幾つかのローラーを備えることができる。
【0013】
印刷機は、印刷される画像を運ぶ手段;インクを適用する手段;インクを乾燥又は硬化する手段;印刷された(機密保護)製品を運ぶ手段のうちの1つ以上のいずれかの供給系を含むことができる。
供給系は、シート又はウエブ供給系であることができる。
画像を運ぶ手段は、シリンダー又はプレートのセットを含むことができる。一つの実施態様では、グラビア印刷を使用し、画像を運ぶ手段は、複数のシリンダーを含み、それぞれ、使用されるそれぞれの着色インクに彫刻画像を運ぶ。色を付着する/適用するそれぞれのシリンダー又はプレートは、印刷ユニットと呼ばれる。任意の数の印刷ユニットが存在することができる。しかし、好ましくは1個から10個の間である。
印刷された秘密保護製品を運ぶ手段は、シートを積み重ねる又は最終リールを保持する送達系を含むことができる。
好ましい実施態様において、印刷機は、光学的可変画像を基材に転写する、インライン式の、光学的可変画像形成手段を含む。
【0014】
上記の方法は、全て、続いて着色インクでベース材料又は基材を印刷することを含むことができる。或いは、上記の方法は、全て、着色インクでベース材料又は基材を印刷する前工程を含むことができる。
【0015】
一つの実施態様において、ベース材料又は基材は紙である。
【0016】
本発明の更なる態様によると、ホログラフ回析格子を基材に形成する方法であって、
A)硬化性化合物と混合した金属インクを含む組成物を、基材の少なくとも一部に付着させる工程;
B)回析格子を組成物の少なくとも一部に形成する工程
を含む方法が提供される。
【0017】
本発明の更なる態様によると、ホログラフ回析格子を形成する方法であって、
A)ベース材料のシートを準備する工程;
B)剥離被覆をベース材料の少なくとも一部に付着させる工程;
C)硬化性化合物又は組成物を被覆ベース材料の少なくとも一部に付着させる工程;
D)回析格子を硬化性化合物又は組成物の少なくとも一部に形成する工程;
E)場合により、金属インクを回析格子の少なくとも一部に付着させる工程;及び
F)接着剤を金属インクの少なくとも一部に付着させる工程
を含む工程が提供される。
【0018】
本発明は、超顕微鏡的画像又はホログラフ回析格子のような光学的可変画像(OVI)を転写し、場合によりインクを印刷することによって、基材又はベース材料の少なくとも一面から見た場合、形成された超顕微鏡的な又はホログラフ的な回析格子パターン又は画像が現れる複合シートを形成する、方法を提供する。
最終パターン又は画像は、金属インクにより完全に印刷されていることができるか、又は画像若しくはパターンの部分的な金属化効果を可能にする程度のインク濃度を有することができ、それによって、機密保護製品、例えば、紙幣、パスポート、身分証明書、運転免許証又は他の確認書類のような身元確認書類、医薬品、服飾品、ソフトウエア、コンパクトディスク、タバコ及び偽造又は模造されやすい他の製品に使用される紙、金属又はフィルム基材に適用した場合、詐欺的転換、流用、すなわち1つの市場で販売されるべき製品を別の市場で販売すること又は模倣からこれらを保護するため、印刷物又はテキストを画像から容易に見ることができる。
超顕微鏡的画像、ホログラフ又は他の回析格子を、基材の表面に、特に位置を合わせて転写するか又は無作為に転写して後で追加の印刷ユニットにより更に位置合わせをすることができる。
一旦、画像/パターンが金属インクの重ね刷りにより可視化されると、画像/パターンは、最初に、光学的可変画像を形成する前に剥離被覆を付着され、そして紙又はフィルム製の基材を従来のように箔押しされる以外は、別の表面に再び転写されることはない。
金属インクは、基材に反射性の背景を提供する。好ましくは、十分なインクを従来の狭幅又は広幅ウエブ印刷機により一つの過程(one pass)で付着して、反射性の背景を提供する。印刷機は、好ましくは、超顕微鏡、ホログラフ又は他の回析格子のようなOVIを転写する装置をインライン式で含む。
インライン式は、本明細書において、一緒にボルト締めされた1つの同じ機械装置で1つの操作の直後に次の操作がある一過程の印刷として定義される。オフライン式(off-line)は、別の装置で実施される完全に別個の方法として定義される。
一つの実施態様において、基材は予備印刷されている。基材を予備印刷することは、他の専用化された印刷装置により別個にオフライン式で実施することができるか、又は本発明の装置によりインライン式で実施することができ、すなわち、彩色又は金属インクの少なくとも一部の上に光学的可変画像を形成する前に、彩色又は金属インクを光学的可変画像が形成される基材の上に付着させる。
【0019】
本発明の方法及び装置に使用するのに適している金属インクの例は、国際公開公報第2005/049745号に開示されている。
好ましくは、基材に付着したときの金属インクの厚さは、光の透過を可能にするのに十分な薄さとする。したがって、その金属インクは、回析格子パターン又は画像を基材の上面及び下面の両方から見ることができるように、超顕微鏡的又はホログラフ的な回析格子パターン又は画像にかかって基材に印刷することができる。
好ましくは、金属化画像又はパターンを有する基材が続いて印刷像及び/又はテキストの上を覆う場合、或いは基材に像及び/又はテキストが予備印刷され、その上に金属化画像又はパターンが付着される場合、これらの印刷された物は、基材を通して及び/又は金属インク被覆光学的可変画像若しくはデバイスを通して見ることができる。
好ましくは、金属化画像又は光学的可変デバイスの厚さは、光透過の範囲での光学濃度を提供する程度のものである。金属インク層の光学濃度は、以下の表のように設定したマクベス濃度計により測定することができる。
【0020】
【表1】

【0021】
好ましくは、光透過の百分率は、少なくとも30%である。より好ましくは、光透過の百分率は、少なくとも50%であり、最も好ましくは80%である。
装置は、基材を連続的に動かす手段、例えば基材供給機を含むことができる。基材は、任意のシート材料を含むことができる。基材は、不透明、実質的に透明又は半透明であることができ、本発明の方法には、不透明(非透明基材)が特に適している。基材は、紙、皮革、絹、綿、タイベック(Tyvek)のような布地、フィルム材料又はアルミニウムのような金属を含むことができる。基材は、1つ以上のシート又はウエブの形態であることができる。
基材は、成形型、織物、不織、注入成形、圧延、吹込成形、押出及び/又は二軸押出のものであることができる。
【0022】
基材は、紙、布地、人工繊維及びポリマー化合物を含むことができる。基材は、紙、木材パルプ又は綿又は木材無含有合成繊維から作られる紙、及び板紙を含む群から選択されるいずれか1つ以上を含むことができる。紙/板紙は、被覆、圧延又は機械的に光沢仕上げされていることができ、被覆、非被覆の、中身が綿又はデニムの成形型、タイベック、リネン、綿、絹、皮革、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンプロパフィルム、ポリ塩化ビニル、硬質PVC、セルロース、トリアセテート、アセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ナイロン、アクリル及びポリエーテルイミド板紙であることができる。ポリエチレンテレフタレート基材は、メリネックス型配向ポリプロピレンフィルム(DuPont Films Willimington Delawareから得た、製品ID Melinex HS-2)であることができる。
基材は、木材パルプ又は綿又は木材無含有合成繊維から作られる紙及び板紙を含むことができる。紙/板紙は、被覆、圧延又は機械的に光沢仕上げされていることができる。
基材に光学的可変画像を形成することは、硬化性化合物又は組成物を基材の少なくとも一部に付着させることを含むことができる。一般に被覆又はラッカーである組成物を、グラビア、フレキソ、インクジェット及びスクリーン印刷によって付着することができる硬化性ラッカーは、化学線、好ましくは紫外(U.V.)光線又は電子ビームにより硬化することができる。好ましくは、ラッカーはUV硬化される。UV硬化ラッカーは、Ciba Speciality Chemicalsから得ることができる。本明細書において使用される化学線又は電子ビームに暴露されるラッカーは、超顕微鏡的、ホログラフ的な回析格子画像又はパターン(OVI)の上層に記録を保持するために、画像形成シムから再び離されるときに凝固段階に達している必要がある。ラッカー組成物に特に適しているものは、工業用被覆及びグラフィックアートの放射線硬化産業において使用される化学薬品である。特に適しているものは、化学線に暴露されたラッカー層の重合を開始する1つ又は幾つかの光潜触媒を含有する組成物である。迅速な硬化及び固体状態への転換のために特に適しているものは、アクリレート、メタクリレート又は少なくとも1つのエチレン性不飽和基を含有するモノマー若しくは/及びオリゴマーのようなフリーラジカル重合に感受性のある1つ又は幾つかのモノマー及びオリゴマーを含む組成物である。
不飽和化合物は、1つ以上のオレフィン性二重結合を含むことができる。これらは、低(モノマー)又は高(オリゴマー)分子量であることができる。二重結合を含有するモノマーの例は、アルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアクリレート又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノメタクリレートであり、例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル若しくは2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート又はエチルメタクリレートである。シリコーンアクリレートも有益である。他の例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルのようなビニルエステル、イソブチルビニルエーテルのようなビニルエーテル、スチレン、アルキル−及びハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル又は塩化ビニリデンである。
【0023】
2つ以上の二重結合を含有するモノマーの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール又はビスフェノールAのジアクリレート、及び4,4′−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート若しくはテトラアクリレート、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート又はトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートである。
比較的高分子量(オリゴマー)の多不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、アクリレート−、ビニルエーテル−又はエポキシ基を含有するポリエステル、またポリウレタン及びポリエーテルである。不飽和オリゴマーの更なる例は、不飽和ポリエステル樹脂であり、それは通常マレイン酸、フタル酸及び1つ以上のジオールから調製され、約500〜3000の分子量を有する。加えて、ビニルエーテルモノマー及びオリゴマー、またポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエポキシ主鎖を有するマレエート末端基オリゴマーを用いることも可能である。特に適しているものは、国際公開公報第90/01512号に記載されているように、ビニルエーテル基を有するオリゴマーの組み合わせ及びポリマーの組み合わせである。しかし、ビニルエーテルとマレイン酸官能化モノマーとのコポリマーも適している。この種類の不飽和オリゴマーを、プレポリマーと呼ぶこともできる。
【0024】
特に適切な例は、エチレン性不飽和カルボン酸のエステル、及びポリオール又はポリエポキシド、並びにエチレン性不飽和基を鎖若しくは側基に有するポリマーであり、例えば、不飽和ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタン、及びそれらのコポリマー、(メタ)アクリル基を側鎖に含有するポリマー及びコポリマー、また1つ以上のそのようなポリマーの混合物である。
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、及びリノレン酸又はオレイン酸のような不飽和脂肪酸である。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
適切なポリオールは、芳香族、特に、脂肪族及び脂環式ポリオールである。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、またノボラック及びレゾールである。ポリエポキシドの例は、上記のポリオール、特に芳香族ポリオール及びエピクロロヒドリンに基づいたものである。他の適切なポリオールは、ポリマー鎖又は側鎖基にヒドロキシル基を含有するポリマー及びコポリマーであり、例は、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー又はポリヒドロキシアルキルメタクリレート若しくはそのコポリマーである。適切な更なるポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するオリゴエステルである。
脂肪族及び脂環式ポリオールの例は、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びソルビトールのような、好ましくは2〜12個のC原子を有するアルキレンジオールである。
ポリオールは、1つのカルボン酸により又は異なる不飽和カルボン酸により、部分的に又は全体的にエステル化されていることができ、部分エステルにおいて、遊離ヒドロキシル基は改質されている、例えば、他のカルボン酸によりエーテル化又はエステル化されていることができる。
エステルの例は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチルロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール改質トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びメタクリレート、グリセロールジアクリレート及びトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレート及びビスメタクリレート又はこれらの混合物である。
【0025】
また、重合性成分として適しているものは、同一又は異なる不飽和カルボン酸と、好ましくは2〜6つ、特に2〜4つのアミノ基を有する芳香族、脂環式及び脂肪族ポリアミンとのアミドである。そのようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチルエントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジ(β−アミノエトキシ)−又はジ(β−アミノプロポキシ)エタンである。他の適切なポリアミンは、好ましくは側鎖に追加のアミノ基を有するポリマー及びコポリマー、並びにアミノ末端基を有するオリゴアミドである。そのような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリレート及びN−〔(β−ヒドロキシエトキシ)エチル〕アクリルアミドである。
【0026】
適切な不飽和ポリエステル及びポリアミドは、例えば、マレイン酸から、及びジオール又はジアミンから誘導される。幾つかのマレイン酸を、他のジカルボン酸に代えることができる。それらを、エチレン性不飽和コモノマー、例えばスチレンと一緒に使用することができる。ポリエステル及びポリアミドを、ジカルボン酸から、及びエチレン性不飽和ジオール又はジアミンから、特に、例えば6〜20個のC原子の比較的長鎖を有するものから誘導することもできる。ポリウレタンの例は、飽和又は不飽和ジイソシアネートから、及び飽和又はそれぞれ不飽和のジオールから構成されるものである。
【0027】
側鎖に(メタ)アクリレート基を有するポリマーも同様に知られている。これらは、例えば、ノボラックに基づくエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であることができるか、又は(メタ)アクリル酸でエステル化されたビニルアルコール若しくはそのヒドロキシアルキル誘導体のホモ−若しくはコポリマーであることができるか、又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートでエステル化された(メタ)アクリレートのホモ−及びコポリマーであることができる。
側鎖にアクリレート又はメタクリレート基を有する他の適切なポリマーは、例えば、溶媒可溶性又はアルカリ可溶性ポリイミド前駆体、例えば、分子の主鎖又はエステル基に結合している光重合性側基を有するポリ(アミド酸エステル)化合物、すなわち欧州特許公報第624826号に記載のものである。そのようなオリゴマー又はポリマーは、場合により、感受性の高いポリイミド前駆体レジストを調製するために、多官能(メタ)アクリレートのような反応性希釈剤により配合することができる。
【0028】
重合性成分の例は、また、飽和又は不飽和多塩基酸無水物と、エポキシ化合物及び不飽和モノカルボン酸の反応の生成物との反応により得られる樹脂のような、少なくとも2つのエチレン性不飽和基及び少なくとも1つのカルボキシル官能基を分子構造内に有するポリマー又はオリゴマーであり、例えば、特開平10−301276に記載されている感光性化合物、並びにEB9696、UCB Chemicals;KAYARAD TCR1025、Nippon Kayaku Co.,LTD.、Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd.からのNK OLIGO EA-6340, EA-7440のような市販の生成物、又はカルボキシル基含有樹脂と、α,β−不飽和二重結合を有する不飽和化合物と、エポキシ基との間に形成された付加生成物(例えば、ACA200M、Daicel Industries, Ltd.)である。重合性成分の例として追加的な市販の製品は、Daicel Chemical Industries, Ltd.からのACA200、ACA210P、ACA230AA、ACA250、ACA300、ACA320である。
【0029】
光重合性化合物は、単独で又は任意の所望の混合物で使用される。ポリオール(メタ)アクリレートの混合物を使用することが好ましい。
【0030】
好ましい組成物は、少なくとも1つの遊離カルボン酸基を有する少なくとも1つの化合物を含み、前記化合物は、成分(a)又は結合ポリマーの対象である。
【0031】
希釈剤として、単又は多官能エチレン性不飽和化合物又は前記化合物の幾つかの混合物を、組成物の固形部分に基づいて70重量%まで上記の組成物に含めることができる。
本発明は、重合性成分として、水中に乳化又は溶解されている少なくとも1つのエチレン性不飽和光重合性化合物を含む組成物も提供する。
不飽和重合性成分は、非光重合性の膜形成成分と混合して使用することもできる。これらは、例えば、物理的な染色ポリマーであるか、又は有機溶媒、例えばニトロセルロース若しくはセルロースアセトブチレート中のその溶液であることができる。しかしこれらは、また、化学的及び/又は熱的に硬化されうる(熱硬化性)樹脂であることができ、例は、ポリイソシアネート、ポリエポキシド及びメラミン樹脂、並びにポリイミド前駆体である。熱硬化性樹脂の同時使用は、ハイブリッド系として知られている系における使用にとって重要であり、第1段階で光重合され、第2段階では、熱的後処理によって架橋される。
【0032】
光開始剤を配合物に組み込んでUV硬化プロセスを開始する。
光開始剤化合物は、例えば、Kurt Dietlikerにより“A compilation of photoinitiators commercially available for UV today”, Sita Technology Ltd., Edinburgh and London, 2002において、並びにJ.V. Crivello及びK Dietlikerにより“Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks and Paints; Photoinitiators for Free Radical, Cationic& Anionic Photopolymerization, Ed. 2, Vol. III, 1998, Sita Technology Ltd., Londonにおいて記載されている。
特定の場合において、2つ以上の光開始剤の混合物、例えば、カンファーキノン、ベンゾフェノン、下記式:
【0033】
【化1】

【0034】
〔式中、
65、R66及びR67は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロゲンアルキル、C〜Cアルコキシ、塩素又はN(C〜Cアルキル)であり;
68は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロゲンアルキル、フェニル、N(C〜Cアルキル)、COOCH、下記式:
【0035】
【化2】

【0036】
であり、そして
nは、2〜10である〕
で示されるベンゾフェノン誘導体との混合物の使用が有益でありうる。
【0037】
特定の例は、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4′−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、〔4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル〕−フェニルメタノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、3−メチル−4′−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4′−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、Lambertiから入手可能なESACURE TZT(登録商標)(2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物);
ケタール化合物、例えばベンジルジメチルケタール(IRGACURE(登録商標)651);アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、下記式:
【0038】
【化3】

【0039】
〔式中、
29は、水素又はC〜C18アルコキシであり;
30は、水素、C〜C18アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C18アルコキシ、−OCHCH−OR47、モルホリノ、C〜C18アルキル−S−、基HC=CH−、HC=C(CH)−、下記:
【0040】
【化4】

【0041】
であり;
a、b及びcは、1〜3であり;
nは、2〜10であり;
及びGは、互いに独立して、ポリマー単位の末端基、特に水素又はメチルであり;
47は、水素、下記:
【0042】
【化5】

【0043】
であり;
31は、水素、C〜C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ又は−O(CHCHO)−C〜C16アルキルであり;
32及びR33は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜C16アルコキシ若しくは−O(CHCHO)−C〜C16アルキル;又は非置換のフェニル若しくはベンジル;又はC〜C12アルキルで置換されているフェニル若しくはベンジルであるか;或いはR32及びR33は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し;
mは、1〜20であるが、但し、R31、R32及びR33が、全て一緒に、C〜C16アルコキシ又は−O(CHCHO)−C〜C16アルキルであることはない〕
で示されるアルファ−ヒドロキシケトン、アルファ−アルコキシケトン又はアルファ−アミノケトンである。
【0044】
例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン又はα−ヒドロキシアルキルフェニルケトン、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン(DAROCUR(登録商標)1173)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE(登録商標)184)、IRGACURE(登録商標)500(IRGACURE(登録商標)184とベンゾフェノンの混合物)、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)2959);2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)127);2−ベンジル−1−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−2−ジメチルアミノ−ブタン−1−オン;2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェノキシ〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、下記:
【0045】
【化6】

【0046】
Fratelli Lambertiから提供されるESACURE KIP and ONE、2−ヒドロキシ−1−{1−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル〕−1,3,3−トリメチル−インダン−5−イル}−2−メチル−プロパン−1−オンジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−又はα−アミノアセトフェノン、例は(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(IRGACURE(登録商標)907)、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン(IRGACURE(登録商標)369)、(4−モルホリノベンゾイル)−1−(4−メチルベンジル)−1−ジメチルアミノプロパン(IRGACURE(登録商標)379)、(4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノン−1;4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール、例は、ジメチルベンジルケタール、フェニルグリオキサル酸エステル及びその誘導体、例は、オキソ−フェニル−酢酸2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルエステル、二量体フェニルグリオキサル酸エステル、例は、オキソ−フェニル−酢酸1−メチル−2−〔2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−プロポキシ〕−エチルエステル(IRGACURE(登録商標)754);オキシムエステル、例は、1,2−オクタンジオン1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)(IRGACURE(登録商標)OXE01)、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチレンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE(登録商標)OXE02)、9H−チオキサンテン−2−カルボキシアルデヒド9−オキソ−2−(O−アセチルオキシム)、ペルエステル、例は、例えば欧州特許公報第126541号に記載されているベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル、モノアシルホスフィンオキシド、例は、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(DAROCUR(登録商標)TPO)、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステル;ビスアシルホスフィンオキシド、例は、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE(登録商標)819)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、ハロメチルトリアジン、例は、2−〔2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル〕−4,6−ビス−トリクロロエチル−〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−メトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−〔1,3,5〕トリアジン、2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−〔1,3,5〕トリアジン、2−メチル−4,6−ビス−トリクロロメチル−〔1,3,5〕トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/共開始剤系、例は、2−メルカプトベンゾチアゾールと組み合わせたオルト−クロロヘキサフェニル−ビスイミダゾール、フェロセニウム化合物又はチタノセン、例は、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン(IRGACURE(登録商標)784)である。更に、ホウ酸塩化合物を共開始剤として使用することができる。
【0047】
下記式:
【0048】
【化7】

【0049】
〔式中、
54は、水素、C〜C12アルキル又は下記:
【0050】
【化8】

【0051】
であり;
55、R56、R57、R58及びR59は、互いに独立して、水素、非置換C〜C12アルキル又はOH、C〜Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン若しくはCNで置換されているC〜C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は、場合により1個以上の酸素原子で中断されているか、或いはR55、R56、R57、R58及びR59は、互いに独立して、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ又はNR5253であり;
52及びR53は、互いに独立して、水素、非置換C〜C12アルキル又はOH若しくはSHで置換されているC〜C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は、場合により1〜4個の酸素原子で中断されているか、或いはR52及びR53は、互いに独立して、C〜C12アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル又はフェニルであり;そして
は、場合により1個以上の酸素原子で中断されているC〜C12アルキレンである〕
で示されるフェニルグリオキサレートである。
【0052】
例は、オキソ−フェニル酢酸2−〔2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−エトキシ〕−エチルエステル(IRGACURE(登録商標)754)である。光開始剤の更なる例は、Lambertから入手可能なEsacure 1001であり、これは、1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン
【0053】
【化9】

【0054】
である。
【0055】
光重合性組成物は、固形組成に基づいて、一般に0.05〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に0.01〜8重量%の光開始剤を含む。この量は、開始剤の混合物が用いられる場合は、添加された全ての光開始剤の合計を意味する。
【0056】
光開始剤に加えて、光重合性混合物は、多様な添加剤を含むことができる。その例には、熱抑制剤、光安定剤、蛍光増白剤、充填剤及び顔料、並びに白色及び着色顔料、染料、耐電防止剤、定着剤、湿潤剤、流動性助剤、潤滑剤、ロウ、接着防止剤、分散剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、例えば、タルク、石膏、ケイ酸、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、反応促進剤、増粘剤、マット剤、消泡剤、並びに例えばラッカー、インク及び被覆技術において慣用の他の補助剤が挙げられる。
【0057】
光重合を促進するために、添加剤として、アミン、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、オクチル−パラ−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−パラ−トルイジン又はミヒラーケトンを添加することが可能である。アミンの作用は、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンを添加することにより増強することができる。酸素捕捉剤として使用できるアミンの例は、置換N,N−ジアルキルアニリンであり、欧州特許公報第339841号に記載されている。他の促進剤、共開始剤及び自動酸化剤は、例えば、欧州特許公報第438123号、英国特許第2180358号及び特開平6−68309に記載されている、チオール、チオエーテル、ジスルフィト、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシド又はホスフィンである。
光重合は、スペクトル感度をシフトし又は広げる、更なる光増感剤又は共開始剤を(添加剤として)添加することにより促進することもできる。これらは、特に、芳香族化合物であり、例えば、ベンゾフェノン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クマリン及びフェノチアジン、及びこれらの誘導体、また、3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ローダニン、カンファーキノンであるが、同様にエオシン、ローダミン、エリトロシン、キサンテン、チオキサンテン、アクリジン、例は9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、シアニン及びメロシアニン染料である。
光増感剤として、例えば、上記に提示されたアミンを考慮することも可能である。
適切な光増感剤の例は、国際公開公報第06/008251号、第36頁30行目から第38頁8行目に開示されており、その開示は参照として本明細書に組み込まれる。
【0058】
結合剤を新規組成物に添加することもできる。これは、光重合性化合物が液体又は粘性物質である場合に特に好都合である。結合剤の量は、総固形分に対して、例えば2〜98重量%、好ましくは5〜95重量%、特に20〜90重量%であることができる。結合剤の選択は、適用分野、並びに水性及び有機溶媒系における現像能力、基材への接着力及び酸素に対する感度のようなその分野に必要とされる特性に応じて行われる。
適切な結合剤の例は、約2,000〜2,000,000、好ましくは5,000〜1,000,000の分子量を有するポリマーである。
アルカリ現像性結合剤の例は、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートのようなエチレン性不飽和カルボン酸を、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−8−イル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸のエステルから選択される1つ以上のモノマーと共重合させて得られる通常知られているコポリマーのような、側基としてカルボン酸官能基を有するアクリルポリマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ビニルピリジンのようなビニル芳香族化合物;アミド型不飽和化合物、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミドプロピル(メタ)アクリルアミド;並びにブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのようなポリオレフィン型化合物;メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、モノ−2−〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルスクシネート、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジアリルアミン、ポリスチレンマクロモノマー、又はポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーである。コポリマーの例は、アクリレート及びメタクリレートとアクリル酸又はメタクリル酸との、及びスチレン又は置換スチレン、フェノール樹脂、例えばノボラック、(ポリ)ヒドロキシスチレンとのコポリマー、並びにヒドロキシスチレンとアルキルアクリレート、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とのコポリマーである。コポリマーの好ましい例は、メチルメタクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/スチレンのコポリマー、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレートのコポリマー、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレンのコポリマー、メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシフェニルメタクリレートのコポリマーである。溶媒現像性結合剤ポリマーの例は、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(ベンジルメタクリレート−コ−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−メタクリル酸)、ポリ(ベンジルメタクリレート−コ−メタクリル酸);酢酸セルロール、セルロースアセトブチレート、メチルセルロース、エチルセルロースのようなセルロースエステル及びセルロースエーテル;ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマール、環化ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及びポリテトラヒドロフランのようなポリエーテル;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリル、メチルメタクリレート及び酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタム及びポリ(ヘキサメチレンアジパミド)のようなポリマー、ポリ(エチレングリコールテレフタレート)及びポリ(ヘキサメチレングリコールスクシネート)のようなポリエステル、並びにポリイミド結合剤樹脂である。
ポリイミド結合剤樹脂は、溶媒可溶性ポリイミド又はポリイミド前駆体、例えばポリ(アミド酸)のいずれかであることができる。
興味深いものは、結合剤ポリマーとして、メタクリレートとメタクリル酸のコポリマーを含む光重合性組成物である。更に興味深いものは、特開平10−171119に記載されているポリマー結合剤成分である。
【0059】
「二重硬化性」又は「重複硬化性」組成物を本出願に使用することもできる。
【0060】
前記組成物は、電子ビームによって、又はフリーラジカル発生光開始剤の存在下で電磁波により照射されたときに、効率的に硬化される。
【0061】
迅速な硬化及び固体状態への転換に特に適しているものは、エポキシ樹脂、グリシジルエーテル、ビニルエーテル、オキセタンのようなカチオン重合に感受性のあるモノマー及びオリゴマー、又はカチオン硬化性系においてホモ重合若しくは共重合される他のモノマー及びオリゴマーを1つ又は幾つか含む組成物である。
対応する組成物は、重合性成分として、例えばアルキル−若しくはアリール含有カチオンにより又はプロトンにより、カチオン的に重合されうる樹脂及び化合物を含む。その例には、環状エーテル、特にエポキシド及びオキセタン、またビニルエーテル及びヒドロキシ含有化合物が挙げられる。ラクトン化合物及び環状チオエーテル、並びにビニルチオエーテルを使用することもできる。更なる例には、アミノプラスチック樹脂又はフェノールレゾール樹脂が挙げられる。これらは、特に、メラミン、尿素、エポキシ、フェノール、アクリル、ポリエステル及びアルキド樹脂であるが、とりわけアクリル、ポリエステル又はアルキド樹脂とメラミン樹脂との混合物である。また含まれるものは、例えば、アクリル改質ポリエステル及びアルキド樹脂のような改質された表面被覆樹脂である。アクリル、ポリエステル及びアルキド樹脂という用語に含まれる樹脂の個々の種類の例は、例えば、Wagner, Sarx/Lackkunstharze (Munich, 1971), pages 86 to 123 and 229 to 238又はUllmann/Encyclopadie der techn. Chemie, 4th edition, volume 15 (1978), pages 613 to 628若しくはUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Verlag Chemie, 1991, Vol. 18, 360 ff., Vol. A19, 371 ff.に記載されている。表面被覆は、好ましくはアミノ樹脂を含む。その例には、エーテル化及び非エーテル化メラミン、尿素、グアニジン、並びにビウレット樹脂が挙げられる。特に重要なものは、例えばメチル化若しくはブチル化メラミン樹脂(N−メトキシメチル−若しくはN−ブトキシメチル−メラミン)又はメチル化/ブチル化グリコールウリルのようなエーテル化アミノ樹脂を含む表面被覆の硬化のための酸触媒である。
【0062】
例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のエポキシ樹脂のような、慣用のエポキシドを全て使用することが可能である。これらは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのエポキシ基を分子中に有する化合物である。その例は、脂肪族又は脂環式ジオール又はポリオールの、例えば、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン若しくは1,4−ジメチルロールシクロヘキサンの、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリンのグリシジルエーテル及びβ−メチルグリシジルエーテル;ジ−及びポリ−フェノールの、例えば、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシフェニル−2,2−プロパン、ノボラック、又は1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのグリシジルエーテルである。その例には、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルグリシジルエーテル、o−イクレシルグリシジルエーテル、ポリテトラヒドロフラングリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、C12/15アルキルグリシジルエーテル及びシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルが挙げられる。更なる例には、N−グリシジル化合物、例えばエチレン尿素、1,3−プロピレン尿素若しくは5−ジメチル−ヒダントインのグリシジル化合物、又は4,4′−メチレン−5,5′−テトラメチルジヒダントインのグリシジル化合物、又はトリグリシジルイソシアヌレートのような化合物が挙げられる。
これらの配合物に使用されるグリシジルエーテル成分の更なる例は、例えば、多価フェノールと、過剰量の、例えばエピクロロヒドリンのようなクロロヒドリンとの反応より得られる多価フェノールのグリシジルエーテル(例えば、2,2−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェノール)プロパン)のグリシジルエーテル)である。本発明に関連して使用することができるグリシジルエーテルエポキシドの更なる例は、例えば、米国特許第3,018,262号において及びLee and Nevilleにより“Handbook of Epoxy Resins”, McGraw-Hill Book Co., New York (1967)において記載されている。
また、例えば、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルのような、成分として適している多数の市販のグリシジルエーテルエポキシドが存在し、例えば、商標名EPON 828、EPON 825、EPON 1004及びEPON 1010(Shell)で得られるもの; DER-331、DER-332及びDER-334(Dow Chemical);フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、例えば、DEN-431, DEN-438(Dow Chemical);並びにレゾルシノールジグリシジルエーテル;アルキルグリシジルエーテル、例えば、C〜C10グリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 7、C12〜C14グリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 8、ブチルグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 61、クレシルグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 62、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 65、多官能グリシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 67、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 68、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 107、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 44、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 48、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、例は、HELOXY Modifier 84(HELOXYグリシジルエーテルは全てShellから入手)である。
また適しているものは、例えばスチレン−グリシジルメタクリレート又はメチルメタクリレート−グリシジルアクリレートのようなアクリル酸エステルのコポリマーを含むグリシジルエーテルである。その例には、1:1スチレン/グルシジルメタクリレート、1:1メチルメタクリレート/グリシジルアクリレート、62.5:24:13.5メチルメタクリレート/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレートが挙げられる。
グリシジルエーテル化合物のポリマーは、例えば、カチオン性硬化を損なわないのであれば、他の官能基を含むこともできる。
市販されている、他の適切なグリシジルエーテル化合物は、多官能液体及び固体ノボラックグリシジルエーテル樹脂、例えばPY 307、EPN 1179、EPN 1180、EPN 1179及びECN 9699である。
異なるグリシジルエーテル化合物の混合物も成分として使用できることが理解される。
グリシジルエーテルは、例えば、式XX:
【0063】
【化10】

【0064】
〔式中、
xは、1〜6の数であり、そして
50は、一価から多価のアルキル又はアリール基である〕で示される化合物である。
好ましいものは、例えば、
xが、1、2又は3の数であり;
x=1の場合、R50が、非置換若しくはC〜C12アルキル置換フェニル、ナフチル、アントラシル、ビフェニリル、C〜C20アルキル、又は1個以上の酸素原子で中断されているC〜C20アルキルであるか、或いは
x=2の場合、R50が、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、C〜C10シクロアルキレン、非置換若しくはハロ置換C〜C40アルキレン、1個以上の酸素原子で中断されているC〜C40アルキレン、又は下記:
【0065】
【化11】

【0066】
の基であるか、或いは
x=3の場合、R50が、下記:
【0067】
【化12】

【0068】
のラジカルであり;
zが、1〜10の数であり;そして
60が、C〜C20アルキレン、酸素又は下記:
【0069】
【化13】

【0070】
である〕
で示されるグリシジルエーテル化合物である。
【0071】
グリシジルエーテル(a1)は、例えば、式XXa:
【0072】
【化14】

【0073】
〔式中、
70は、非置換若しくはC〜C12アルキル置換フェニル;ナフチル;アントラシル;ビフェニリル;C〜C20アルキル、1個以上の酸素原子で中断されているC〜C20アルキル;又は下記式:
【0074】
【化15】

【0075】
の基であり;
50は、フェニレン、C〜C20アルキレン、1個以上の酸素原子で中断されているC〜C20アルキレン、又は下記:
【0076】
【化16】

【0077】
の基であり;そして
60は、C〜C20アルキレン又は酸素である〕
で示される化合物である。
【0078】
好ましいものは、式XXb:
【0079】
【化17】

【0080】
〔式中、
50は、フェニレン、C〜C20アルキレン、1個以上の酸素原子で中断されているC〜C20アルキレン、又は下記:
【0081】
【化18】

【0082】
の基であり;そして
60は、C〜C20アルキレン又は酸素である〕
で示されるグリシジルエーテル化合物である。
【0083】
重合性成分の更なる例は、分子1つあたり少なくとも2つの遊離アルコール及び/又はフェノールヒドロキシ基を含有する化合物と、適切なエピクロロヒドリンとの、アルカリ条件下での反応によって、或いは酸触媒の存在下での反応と続くアルカリ処理によって得られるポリグリシジルエーテル及びポリ(β−メチルグリシジル)エーテルである。異なるポリオールの混合物を使用することもできる。
そのようなエーテルは、非環式アルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び高級ポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオール及びポリ(オキシプロピレン)グリコール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロール−プロパン、ペンタエリトリトール及びソルビトールから、脂環式アルコール、例えば、レゾルシトール、キニトール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン及び1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ−3−エンから、並びに芳香族核を有するアルコール、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン及びp,p′−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ジフェニルメタンから、ポリ(エピクロロヒドリン)を用いて調製することができる。また、単核フェノール、例えば、レゾルシノール及びヒドロキシキノン、並びに多核フェノール、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)及び2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンから調製することができる。
ポリグリシジルエーテル及びポル(β−メチルグリシジル)エーテルの調製に適切な更なるヒドロキシ化合物は、アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クローラル及びフルフラールと、フェノール類、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−ジメチルフェノール、4−クロロフェノール及び4−tert−ブチルフェノールとの縮合により得られるノボラックである。
【0084】
ポリ(N−グリシジル)化合物は、例えば、少なくとも2個のアミノ水素原子を含有する、エピクロロヒドリンとアミンとの反応生成物、例えば、アニリン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ビス(4−メチルアミノフェニル)メタン及びビス(4−アミノフェニル)エーテル、スルホン及びスルホキシドの脱塩化水素化により得ることができる。更なる適切なポリ(N−グリシジル)化合物には、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N′−ジグリシジル誘導体、例えば、エチレン尿素及び1,3−プロピレン尿素、並びにヒダントイン、例えば5,5−ジメチルヒダントインが含まれる。
ポリ(S−グリシジル)化合物も適している。その例には、ジチオールのジ−S−グリシジル誘導体、例えば、エタン−1,2−ジチオール及びビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテルが挙げられる。
【0085】
グリシジル基又はβ−メチルグリシジル基が異なる種類のヘテロ原子に結合しているエポキシ樹脂も考慮され、例えば、4−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、サリチル酸又はp−ヒドロキシ安息香酸のグリシジルエーテル/グリシジルエステル、N−グリシジル−N′−(2−グリシジルオキシプロピル)−5,5−ジメチル−ヒダントイン及び2−グリシジルオキシ−1,3−ビス(5,5−ジメチル−1−グリシジルヒダントイン−3−イル)プロパンである。
【0086】
好ましいものは、ビスフェノールのジグリシジルエーテルである。その例には、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、例えば、ARALDIT GY 250、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル及びビスフェノールSのジグリシジルエーテルが挙げられる。特に好ましいものは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。
【0087】
技術的に重要な更なるグリシジル化合物は、カルボン酸、特にジ−及びポリ−カルボン酸のグリシジルエステルである。その例は、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、テトラ−及びヘキサ−ヒドロフタル酸、イソフタル酸、若しくはトリメリト酸の、又は二量体化脂肪酸のグリシジルエステルである。
【0088】
グリシジル化合物ではないポリエポキシドの例は、ビニルシクロヘキサン及びジシクロペンタジエンのエポキシド、3−(3′,4′−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−2,4−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸の3′,4′−エポキシシクロヘキシルメチルエステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ブタジエンジエポキシド又はイソプレンジエポキシド、エポキシド化リノール酸誘導体又はエポキシド化ポリブタジエンである。
【0089】
更なる適切なエポキシ化合物は、例えば、一酸化リモネン、エポキシド化ダイズ油、ビスフェノールA及びビスフェノールFエポキシ樹脂、例えば、ARALDIT GY 250 (A)、ARALDIT GY 282 (F)、ARADILT GY 285 (F)、並びにエポキシ基を含有する光硬化性シロキサンである。
【0090】
更なる適切なカチオン的に重合可能な又は架橋可能な成分を、例えば、米国特許第3,117,099号、米国特許第4,299,938号及び米国特許第4,339,567号においても見出すことができる。
【0091】
脂肪族エポキシドの群のうち、10、12、14又は16個の炭素原子から構成される非分岐鎖を有する単官能α−オレフィンエポキシドが特に適している。
【0092】
現在、多数の異なるエポキシ化合物が市販されているので、結合剤の特性は非常に広範囲に変わることができる。例えば組成物の意図される使用に応じて、一つの可能性のある変形は、異なるエポキシ化合物の混合物の使用、並びに柔軟剤及び反応性稀釈剤の添加である。
【0093】
例えば、適用が噴霧より実施される場合、エポキシ樹脂を溶媒で希釈して適用を促進することができるが、エポキシ化合物は、好ましくは溶媒のない状態で使用される。室温で粘性から固体である樹脂は、高温で適用することができる。
【0094】
また架橋性成分として適しているものは、全ての慣用のビニルエーテル、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式のビニルエーテルであり、また、ケイ素含有ビニルエーテルである。これらは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのビニルエーテル基を分子中に有する化合物である。本発明の組成物における使用に適しているビニルエーテルの例には、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、プロピレンカルボネートのプロペニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、テトラ−エチレングリコールジビニルエーテル、プルリオール−E200−ジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフランジビニルエーテル−290、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、(4−シクロヘキシル−メチレンオキシエテン)−グルタル酸メチルエステル及び(4−ブチルオキシエテン)−イソ−フタル酸エステルが挙げられる。
【0095】
ヒドロキシ含有化合物の例には、例えばポリカプロラクトン又はポリエステルアジペートポリオール、グリコール及びポリエーテルポリオールのようなポリエステルポリオール、ヒマシ油、ヒドロキシ官能ビニル及びアクリル樹脂、酢酸酪酸セルロースのようなセルロースエステル、並びにフェノキシ樹脂が挙げられる。
更なるカチオン的に硬化しうる配合物を、例えば、欧州特許公報第119425号において見出すことができる。
【0096】
架橋性成分としては、好ましいものは、脂環式エポキシド又はビスフェノールに基づくエポキシドである。
【0097】
したがって、組成物は、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエーテル、オキセタン化合物、ビニルエーテル、酸架橋性メラミン樹脂、酸架橋性ヒドロキシメチレン化合物及び酸架橋性アルコキシメチレン化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する。
【0098】
望ましい場合、組成物は、エチレン性不飽和モノマー、オリゴマー又はポリマーのようなフリーラジカル重合性成分を含有することもできる。
フリーラジカル的にもカチオン的にも同等に架橋することができる化合物の使用も可能である。そのような化合物は、例えば、ビニル基と脂環式エポキシ基の両方を含有する。その例は、特開平02−289611及び米国特許第6,048,953号に記載されている。
そのようなフリーラジカル重合性の物質の2個以上の混合物を使用することもできる。
結合剤を組成物に添加することもでき、このことは、光重合性化合物が液体又は粘性物質である場合に特に有益である。結合剤の量は、例えば、固形物全体に基づいて5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に40〜90重量%であることができる。不飽和化合物は、非光重合性の被膜形成成分と混合して使用することもできる。
【0099】
架橋性成分として使用されるアルキド樹脂は、多数の不飽和脂肪族化合物を含有し、少なくともその一部は多不飽和である。それらのアルキド樹脂の調製に好ましく使用される不飽和脂肪族化合物は、不飽和脂肪族モノカルボン酸、特に多不飽和脂肪族モノカルボン酸である。
単不飽和脂肪酸の例は、ミリストレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ガドレイン酸、エルカ酸及びリシノール酸である。好ましくは、脱水素化ヒマシ油脂肪酸及び/又はキリ油脂肪酸のような、共役二重結合を含有する脂肪酸が使用される。他の適切なモノカルボン酸には、テトラヒドロ安息香酸及び水素化若しくは非水素化アビエチン酸、又はそれらの異性体が含まれる。望ましい場合、当該のモノカルボン酸は、全体を又は一部をトリグリセリドの形態で、例えば植物油として、アルキド樹脂の調製に使用することができる。望ましい場合、そのようなモノカルボン酸又はトリグリセリドの2つ以上の混合物を、場合により1つ以上の飽和(シクロ)脂肪族又は芳香族モノカルボン酸、例えば、ピバル酸、2−エチル−ヘキサン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、4−tert−ブチル安息香酸、シクロペンタンカルボン酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2,4−ジメチル安息香酸、2−メチル安息香酸及び安息香酸の存在下で使用することができる。
望ましい場合、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、コハク酸、アジピン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、二量体化脂肪酸、シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレン−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、エンドイソピロピリデン−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸及びブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸のようなポリカルボン酸を、アルキド樹脂に組み込むこともできる。望ましい場合、当該のカルボン酸を無水物として、又はエステル、例えば1〜4個の炭素原子を有するアルコールのエステルの形態で使用することができる。
加えて、アルキド樹脂を、二価又は多価ヒドロキシル化合物から構成することができる。
適切な二価ヒドロキシル化合物の例は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサン−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール及び2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−プロパンジオールである。適切なトリオールの例は、グリセロール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンである。3つを越えるヒドロキシル基を有する適切なポリオールは、ペンタエリトリトール、ソルビトール及び当該化合物のエーテル化生成物であり、例えばジトリメチロールプロパン、並びにジ−、トリ−及びテトラ−ペンタエリトリトールである。好ましくは、3〜12個の炭素原子を有する化合物、例えば、グリセロール、ペンタエリトリトール及び/又はジペンタエリトリトールが使用される。
アルキド樹脂は、構成成分の直接エステル化により得ることができ、場合により、これらの成分の一部は既にエステルジオール又はポリエステルジオールに変換されている。不飽和脂肪酸を、アマニ油、マグロ油、脱水素化ヒマシ油、ヤシ油及び脱水素化ヤシ油のような乾性油の形態で使用することもできる。最終アルキド樹脂は、添加された他の酸及びジオールとのエステル交換により得られる。エステル交換は、115〜250℃の範囲の温度で、場合によりトルエン及び/又はキシレンのような溶媒の存在下で有利に実施される。反応は、触媒量のエステル交換触媒の存在下で有利に実施される。適切なエステル交換触媒の例には、p−トルエンスルホン酸のような酸、アミンのような塩基性化合物、又は酸化カルシウム、酸化亜鉛、オルトチタン酸テトライソプロピル、ジブチルスズオキシド及びトリフェニルベンジルホスホニウムクロリドのような化合物が挙げられる。
【0100】
架橋性成分の一部として使用されるビニルエーテル、アセタール及び/又はアルコキシシラン化合物は、好ましくは少なくとも2つのビニルエーテル、アセタール及び/又はアルコキシシラン基を含有し、150以上の分子量を有する。これらのビニルエーテル、アセタール及び/又はアルコキシシラン化合物は、例えば、ビニルエーテル、アセタール及び/又はアルコキシシラン基を含有し、加えて、最大1つの官能アミノ、エポキシ、チオール、イソシアネート、アクリル、水素化物又はヒドロキシル基を含有する市販されているビニルエーテル、アセタール及び/又はアルコキシシラン化合物と、アミノ、エポキシ、チオール、イソシアネート、アクリル、水素化物又はヒドロキシル基と反応することができる少なくとも2つの基を有する化合物との反応により得ることができる。その例としては、少なくとも2つのエポキシ、イソシアネート、ヒドロキシル及び/若しくはエステル基を有する化合物、又は少なくとも2つのエチレン性若しくはエチニレン性不飽和基を有する化合物を記述することができる。
重合性成分としては、好ましいものは、ビニルエーテル、アセタール及び/又はアルコキシシラン化合物が、付加により、アミノ、ヒドロキシル、チオール、水素化物、エポキシ及び/又はイソシアネート基のような反応性基を介してアルキド樹脂に共有結合している組成物である。そのために、化合物は、アルキド樹脂に存在する反応性基と付加物を形成することができる少なくとも1つの基を有さなければならない。
ビニルエーテル基をアルキド樹脂に組み込むためには、ビニルオキシアルキル化合物が使用され、そのアルキル基は、アルキド樹脂に存在する1つ以上の反応性基と付加物を形成することができる、ヒドロキシル、アミノ、エポキシ又はイソシアネート基のような反応性基により置換されている。
重合性成分としては、好ましいものは、アルキド樹脂に存在する酸化的に乾燥される基の数と、酸の存在下で反応性のある基の数との比率が、1/10〜15/1、特に1/3〜5/1の範囲である組成物である。単一の改質アルキド樹脂の代わりに、一つのアルキド樹脂が高度に改質され、他があまり改質されていないか又は全く改質されていない、複数個のアルキド樹脂を使用することも可能である。
【0101】
アルキド樹脂に共有結合することができるビニルエーテル化合物の例は、エチレングリコールモノビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−エチルヘキサンジオールモノビニルエーテル、ポリテトラヒドロフランモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル及びアミノプロピルビニルエーテルである。
【0102】
付加物は、例えば、ヒドロキシル基又はアミノ基を含有するビニルエーテル化合物を、過剰量のジイソシアネートと反応させ、続いて遊離イソシアネート基含有付加物を、アルキド樹脂の遊離ヒドロキシル基と反応させて形成することができる。好ましくは、最初にアルキド樹脂の遊離ヒドロキシル基を過剰量のポリイソシアネートと反応させ、次に遊離イソシアネート基をアミノ基−又はヒドロキシル基含有ビニルエーテル化合物と反応させる方法が使用される。ジイソシアネートの代わりに、ジエステルを使用することも可能である。アルキド樹脂に存在するヒドロキシル基と、過剰量のジエステルとのエステル交換、続く、残りのエステル基と、ヒドロキシ官能ビニルエーテル化合物又はアミノ官能ビニルエーテル化合物とのエステル交換又はアミド交換は、それぞれビニルエーテル官能アルキド樹脂を生じる。(メタ)アクリレート基を、アルキド樹脂の調製の際に、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のようなヒドロキシ官能(メタ)アクリレートエステルの存在下で調製を実施し、次に、そのように官能化されたアルキド樹脂を、マイケル反応によって、ビニルエーテル基含有化合物及び第一級アミノ基含有化合物と反応させ、続いて、非塩基性窒素原子を得るために、例えばイソシアネート化合物と反応させることによって、アルキド樹脂に組み込むことも可能である。
そのような反応の例は、例えば国際公開公報第99/47617号に記載されている。リシニン脂肪酸とジペンタエリトリトールとのエステル化、続く遊離ヒドロキシル基とジエチルマロネート及び4−ヒドロキシブチルビニルエーテルとの適切な比率でのエステル交換により、重合性成分としての使用に適切なビニルエーテル官能アルキド樹脂を生じる。
【0103】
フリーラジカル重合性成分が本発明の配合物に添加される場合、適切なフリーラジカル光開始剤又はそのような光開始剤の混合物を添加することも有益でありうる。
酸の作用下において、現像液中で、カチオン性又は酸触媒性の重合可能又は架橋可能な化合物の溶解度を増加する化合物である。
【0104】
光重合性混合物は、光開始剤に加えて、多様な添加剤を含むことができる。その例には、熱抑制剤、光安定剤、蛍光増白剤、充填剤及び顔料、並びに白色及び着色顔料、染料、耐電防止剤、定着剤、湿潤剤、流動性助剤、潤滑剤、ロウ、接着防止剤、分散剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、例えば、タルク、石膏、ケイ酸、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、反応促進剤、増粘剤、マット剤、消泡剤、並びに例えばラッカー、インク及び被覆技術において慣用の他の補助剤が挙げられる。
【0105】
光重合の促進は、更なる添加剤として、スペクトル感度をシフトし又は広げる光増感剤を加えることによって実施することもできる。これらは、特に、例えばベンゾフェノン、チオキサントン、また特にイソプロピルチオキサントン、フェノチアジン誘導体、アントラキノン及び3−アシルクマリン誘導体のような芳香族カルボニル化合物、テルフェニル、スチリルケトン、及び3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、カンファーキノン、またエオシン、ローダミン及びエリトロシン染料、並びに、例えば9−メチルアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブチルオキシアントラセン、9−メトキシアントラセン、9−アントラセンメタノール、特に9,10−ジメトキシ−2−エチル−アントラセン、9,10−ジブチルオキシアントラセン及び9,10−ジエトキシアントラセンのようなアントラセン誘導体である。更に適切な光増感剤が、例えば国際公開公報第98/47046号において記述されている。
適切な光増感剤の更なる例は、国際公開公報第06/008251号、第36頁30行目から第38頁8行目に開示されており、その開示は参照として本明細書に組み込まれる。
上記に記載されている増感剤は、当該技術において慣用であり、したがって、当該技術において慣用の量、好ましくは組成物に基づいて0.05〜5%の濃度、特に0.1〜2%の濃度で使用される。
本発明の組成物は、例えば、共開始剤としてカチオン性光開始剤、光酸形成剤及びフリーラジカル光開始剤のような更なる光開始剤(e)を、0.01〜15%、好ましくは0.1〜5%の量で追加的に含むことができる。
【0106】
例えば、アルキル−及びアリール−アミン供与体化合物のような電子供与体化合物を組成物において使用することも可能である。そのような化合物は、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、3−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾイン、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンゾニトリル及び1,2,4−トリメトキシベンゼンである。そのような供与体化合物は、好ましくは、配合物に基づいて約0.01〜5%の濃度、特に約0.05〜0.50%の濃度で使用される。
【0107】
カチオン性光開始剤及び酸形成剤の例は、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩であり、例えば、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−〔(2−ヒドロキシ−テトラデシルオキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート又はヘキサフルオロホスフェート(SarCat(登録商標)CD 1012; Sartomer)、トリルクミルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−イソブチルフェニル−4′−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(IRGACURE(登録商標)250, Ciba Specialty Chemicals)、4−オクチルオキシフェニル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート又はヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート又はヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4′−エトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4′−ドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4′−フェノキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートである。記述された全てのヨードニウム塩のうち、他のアニオンを有する化合物も当然のことながら適しており、例えば、商標名CYRACURE(登録商標)UVI-6990、CYRACURE(登録商標)UVI-6974(Union Carbide)、DEGACURE(登録商標)KI 85(Degussa)、SP-55、SP-150、SP-170(Asahi Denka)、GE UVE 1014(General Electric)、SarCat(登録商標)KI-85(=トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;Sartomer)、SarCat(登録商標)CD 1010(=混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート;Sartomer)、SarCat(登録商標)CD 1011(=混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;Sartomer)で入手可能な更なるスルホニウム塩;フェロセニウム塩、例えば、(η−イソプロピルベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)−鉄IIヘキサフルオロホスフェート、ニトロベンジルスルホネート、アルキル−及びアリール−N−スルホニルオキシイミド、及び更なる既知のアルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、1,2−ジスルホン、オキシムスルホネート、ベンゾイントシレート、トリルスルホニルオキシ−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、並びに更なる既知のベータ−ケトスルホン、ベータ−スルホニルスルホン、ビス(アルキルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチル−フェニル−スルホニル)−ジアゾメタン、ベンゾイル−トシル−ジアゾメタン、イミノスルホネート及びイミドスルホネート、及びトリクロロメチル−s−トリアジン及び他のハロアルキル基含有化合物である。更なる適切な追加の光潜酸(b1)の例には、国際公開公報第04/074242号、第38頁10行目から第41頁14行目に提示されているカチオン性光開始剤及び酸形成剤の例、並びに国際公開公報第04/074242号の実施例に開示されている化合物が挙げられ、その関連する開示は参照として本明細書に組み込まれる。
放射線への暴露の後に熱的な後硬化処理工程を続けることができる。
【0108】
前記の組成物は、電子ビームによって、又は光酸発生剤、特にイオニウム塩、特にスルホニウム及びヨードニウム塩のようなカチオン性光開始剤の存在下で電磁波により照射されたときに、効率的に硬化される。
【0109】
また、迅速な硬化及び固体状態への転換に適しているものは、光潜塩基による重縮合触媒に感受性のあるモノマー及びオリゴマーを1つ又は幾つか含む組成物である。光潜塩基は、特に、光潜第三級アミン又はアミジンである。
光潜塩基の例は、式I:
Z−A (I)〔式中、
Zは、感光性基であり;そして
Aは、Zに共有結合している、アミジン又はアミン塩基前駆体基である〕
で示される化合物を含む。
【0110】
化合物Z−Aの例は、下記式:
【0111】
【化19】

【0112】
〔式中、
101は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリル又はアントラキノニルであり、これは、非置換であるか又は置換基C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、CN、OR110、SR110、COOR112、ハロゲン若しくは構造(II):
【0113】
【化20】

【0114】
の置換基の1つ以上で置換されているか、或いは
101は、式(III):
【0115】
【化21】

【0116】
の置換基であり、
ここで、
113は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリル又はアントラキノニルであり、これは、非置換であるか又は置換基C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、CN、OR110、SR110、COOR111、COOR112、若しくはハロゲンの1つ以上で置換されており;
114は、水素であり;
115は、水素又はC〜Cアルキルであり;
102及びR103は、互いに独立して、水素又はC〜Cアルキルであり;
104及びR106は、一緒になって、非置換であるか又は1つ以上のC〜Cアルキル基で置換されている、C〜Cアルキレン架橋を形成するか;或いは
105及びR107は、一緒になって、非置換であるか又は1つ以上のC〜Cアルキル基で置換されている、C〜Cアルキレン架橋を形成し;
110、R111及びR112は、互いに独立して、水素若しくはC〜Cアルキルであるか;又は下記式:
【0117】
【化22】

【0118】
の化合物であり、
ここで、
Arは、式V又はVIII:
【0119】
【化23】

【0120】
の芳香族ラジカルであり、
Uは、N(R17)−であり;
Vは、Uの意味を有するか又は直接結合であり;
及びRは、互いに独立して、下記:
a)非置換であるか又はOH、C〜Cアルコキシ若しくはSHで置換されている、C〜C12アルキル、
b)下記式:
【0121】
【化24】

【0122】
のラジカル、
c)下記式:
【0123】
【化25】

【0124】
(式中、qは、0又は1である)のラジカル、
d)下記式:
【0125】
【化26】

【0126】
のラジカル、
e)非置換であるか又はC〜Cアルキルで置換されている、フェニル
であるか;或いは
及びRは、共に、非分岐鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキレン又はC〜Cオキサアルキレンであり、
Arは、非置換であるか若しくはハロゲン、OH、C〜C12アルキルで置換されているフェニルラジカルであるか、又はOH、ハロゲン、C〜C12アルコキシ、−COO(C〜Cアルキル)、−CO(OCHCHOCH若しくは−OCO(C〜Cアルキル)で置換されているC〜Cアルキルで置換されているフェニルラジカルであるか、又はC〜Cアルコキシ、−(OCHCHOH若しくは−(OCHCHOCHで置換されているフェニルラジカルであり、ここでnは1〜5であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルであり、これは、−OH、−C〜Cアルコキシ、−CN又は−COO(C〜Cアルキル)で置換されているか、或いはRは、C〜Cアルケニル又はフェニル−C〜Cアルキル−であり;
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルであり、これは、−OH、−C〜Cアルコキシ、−CN又は−COO(C〜Cアルキル)で置換されているか、或いはRは、C〜Cアルケニル又はフェニル−C〜Cアルキル−であるか、或いはR及びRは、共に、−O−又は−S−で中断されていることができるC〜Cアルキレンであり;
、R、R、R及びRは、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、又は基−OR17、−SR18、−N(R19)(R20)若しくは下記:
【0127】
【化27】

【0128】
であり、
Zは、−O−、−S−、−N(R11)−、−N(R11)−R12−N(R11)−又は下記:
【0129】
【化28】

【0130】
であり、
11は、C〜Cアルキルであり、
12は、非分岐鎖又は分岐鎖C〜C16アルキレンであり、これは1つ以上の−O−又は−S−で中断されていることができ、
13は、水素又はC〜Cアルキルであり;
14、R15及びR16は、それぞれ互いに独立して、水素又はC〜Cアルキルであるか、或いはR14及びR15は、共に、C〜Cアルキレンであり;
17は、水素、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキルであり、これは、−CN、−OH又は−COO(C〜Cアルキル)で置換されており;
18は、水素、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C12アルキルであり、これは、−OH、−CN、−COO(C〜Cアルキル)で置換されており;
19及びR20は、それぞれ互いに独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜C10アルコキシアルキル、C〜Cアルケニル、フェニル−C〜Cアルキル、フェニルであり、これは非置換であるか又はC〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシで置換されているか、或いはR19及びR20は、C〜Cアルカノイル又はベンゾイルであるか、或いはR19及びR20は、−O(CO−C〜C−OHであり、ここでoは、1〜15であるか、或いは
19及びR20は、共に、−O−、−N(R22)−若しくは−S−で中断されていることができる、C〜Cアルキレンであるか、又はR19及びR20は、共に、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ若しくは−COO(C〜Cアルキル)で置換されていることができる、C〜Cアルキレンであり;
22は、C〜Cアルキル、フェニル−C〜Cアルキル、−CHCH−COO(C〜Cアルキル)、−CHCHCN、−CHCH−COO(CHCHO)−H又は下記:
【0131】
【化29】

【0132】
であり、そして
qは、1〜8である〕
で示される化合物である。
光潜触媒に加えて、光重合性混合物は、多様な添加剤を含むことができる。その例には、熱抑制剤、光安定剤、蛍光増白剤、充填剤及び顔料、並びに白色及び着色顔料、染料、耐電防止剤、定着剤、湿潤剤、流動性助剤、潤滑剤、ロウ、接着防止剤、分散剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、例えば、タルク、石膏、ケイ酸、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、反応促進剤、増粘剤、マット剤、消泡剤、並びに例えばラッカー、インク及び被覆技術において慣用の他の補助剤が挙げられる。
光重合は、スペクトル感度をシフトさせ又は広げる、更なる光増感剤又は共開始剤を(添加剤として)添加することにより促進することもできる。これらは、特に、芳香族化合物であり、例えば、ベンゾフェノン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クマリン及びフェノチアジン、及びこれらの誘導体、また、3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ローダニン、カンファーキノンであるが、同様にエオシン、ローダミン、エリトロシン、キサンテン、チオキサンテン、アクリジン、例は9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、シアニン及びメロシアニン染料である。
【0133】
特に好ましいオリゴマー/ポリマー系は、工業界において慣用的であり、当業者に既知の結合剤である。
【0134】
この種類の塩基触媒結合剤の例は、下記である:
a)アルコキシシラン及び/又はアルコキシシロキサン側基を有するアクリルコポリマー(その例は、米国特許第4,772,672号、米国特許第4,444,974号又は欧州特許公報第1092757号に記載されているポリマー);
b)ヒドロキシル含有ポリアクリレート、ポリエステル及び/又はポリエーテルと、脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートとを含む2成分系;
c)官能ポリアクリレートと単官能化又は多官能化エポキシド成分とを含む2成分系(例えば欧州特許公報第898202号に記載されている、チオール、アミノ、カルボキシル及び/又は無水基を含有するポリアクリレート);
d)フッ素改質又はシリコーン改質ヒドロキシル含有ポリアクリレート、ポリエステル及び/又はポリエーテルと、脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートとを含む2成分系;
e)(ポリ)ケチミンと脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートとを含む2成分系;
f)(ポリ)ケチミンと、不飽和アクリル樹脂又はアセトアセテート樹脂又はα−アクリルアミドメチルグリコール酸メチルとを含む2成分系;
g)(ポリ)オキサゾリジンと、ポリアクリレート含有無水基又は不飽和アクリル樹脂又はポリイソシアネートとを含む2成分系;
h)エポキシ官能ポリアクリレートと、カルボキシル含有又はアミノ含有ポリアクリレートとを含む2成分系;
i)アリルグリシジルエーテルに基づくポリマー;
j)(ポリ)アルコール及び/又は(ポリ)チオールと、(ポリ)イソシアネートとを含む2成分系;
k)α,β−エチレン性不飽和カルボニル化合物と、活性CH基を含有するポリマーとを含む2成分系(活性CH基は、主鎖又は側鎖又は両方のいずれかに存在し、そのことは、例えば、(ポリ)マロネート基について欧州特許公報第161697号に記載されている)。活性CH基を含有する他の化合物は、(ポリ)アセトアセテート及び(ポリ)シアノアセテートである。
l)活性CH基を含有するポリマー(活性CH基は、主鎖又は側鎖又は両方のいずれかに存在する)又は(ポリ)アセトアセテート及び(ポリ)シアノアセテートのような活性CH基を含有するポリマーと、テレフタルアルデヒドのようなポリアルデヒド架橋剤とを含む2成分系。そのような系は、例えば、Urankar et al., Polym. Prepr. (1994), 35, 933に記載されている。
n)ブロックトイソシアネートと水素供与体とを含む2成分系又は1成分系。そのような系は、PCT欧州特許公報第2007/056917号に記載されており、この開示は参照として本明細書に組み込まれる。
o)チオールマイケル系。例は、F. CellesiらによりBiomaterials (2004), 25(21), 5115に記載されている。
【0135】
この塩基触媒結合剤の群の範囲内では、以下のものが特に好ましい:
b)ヒドロキシル含有ポリアクリレート、ポリエステル及び/又はポリエーテルと、脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートとを含む2成分系;
c)官能ポリアクリレートと単官能化又は多官能化エポキシド成分とを含む2成分系(例えば欧州特許公報第898202号に記載されている、チオール、アミノ、カルボキシル及び/又は無水基を含有するポリアクリレート);
m)(ポリ)アルコール及び/又は(ポリ)チオールと、(ポリ)イソシアネートとを含む2成分系;
n)α,β−エチレン性不飽和カルボニル化合物と、活性CH基を含有するポリマーとを含む2成分系(活性CH基は、主鎖又は側鎖又は両方のいずれかに存在する)。放射線への暴露の後に熱的後硬化処理工程を続けることができる。
【0136】
また、迅速な硬化及び固体状態への転換に適しているものは、前記の化学薬品の組み合わせから構成される組成物であり、多くの場合にハイブリッド硬化系と呼ばれる。触媒、充填剤、樹脂、プレポリマー以外の添加剤を加えて、硬化、硬化膜/層の特性及び画像形成シムからの分離を改善することもできる。
重合されるラッカー又は被覆は、粘性を有し、より一般には、超顕微鏡的、ホログラフ的な回析格子画像又はパターン(OVI)の深度より少しだけ大きい湿潤膜厚の効率的な、可能であれば一貫した転写を可能にする、使用される被覆又は印刷プロセスに適合するレオロジーを有する。一般に、湿潤被覆層は、0.1〜100μm、好ましくは1〜25μmで含まれる。
【0137】
多数の最も多様な種類の光源を使用することができる。点光源及び平面投光器(ランプ配列)の両方が適している。例は、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、中圧、超高圧、高圧及び低圧水銀放射器、可能であれば金属ハロゲン化物でドープされているもの(金属ハロゲンランプ)、マイクロ波励起金属蒸気ランプ、エキシマーランプ、超化学線蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、閃光電球、写真用投光ランプ、発光ダイオード(LED)、電子ビーム及びX線である。有利には、方法の工程c)で使用される放射線の線量は、例えば、1〜1000mJ/cmである。ランプが中圧水銀灯である場合、40〜450ワットの範囲の電力を有することができる。好ましくは、UVランプは、光学的可変画像を形成する手段である(プレート)の上又は(シリンダー)の中に配置される。
【0138】
UV光源は、ランプを含むことができる。ランプは、200〜450ワットの範囲の電力を有することができる。好ましくは、UVランプは、光学的可変画像を形成する手段である(プレート)の上又は(シリンダー)の中に配置される。
一つの実施態様において、印刷ラッカーの表面への超顕微鏡的、ホログラフ的な回析格子画像又はパターン(OVI)の転写速度は、硬化ランプの電力によって変わる。好ましくは、転写速度は、1時間あたり10メートルから20,000メートル、より好ましくは1時間あたり18,000メートルである。ラッカーと接触している間、超顕微鏡的又はホログラフ的な回析格子が、基材の上面に配置された紫外線硬化性ラッカーの表面に形成される。
金属インクを、従来の印刷機により、例えば、グラビア、輪転グラビア、フレキソ、リソグラフ、オフセット、凸版、凹版及び/若しくはスクリーンプロセス、又は他の印刷プロセスによって、基材に適用することができる。次に基材を、後の段階における続くオフライン式印刷のために巻き直すか、或いは、基材を、インライン式若しくはオフライン式で予備印刷することができるか、又は続いてインライン式で印刷することができる。
金属に基づくインクは、金属顔料粒子及び結合剤を含むことができる。
金属顔料粒子は、任意の適切な金属を含むことができる。適切な金属材料の非限定例には、アルミニウム、銀、銅、金、白金、スズ、チタン、パラジウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、ニオブ、ステンレススチール、ニクロム、クロム及びこれらの化合物、組み合わせ又は合金が挙げられる。粒子は、アルミニウム、金、銀、白金又は銅を含む群から選択されるいずれかの1つ以上を含むことができる。好ましくは、粒子は、アルミニウム、銀及び/又は銅フレークを含む。
【0139】
金属インクは、当業者に既知のいずれかの方法により調製することができる。好ましくは、DuPont Films Wilmington. Del.から得られたポリエチレンテレフタレート(製品ID Melinex HS-2)のような12ミクロン厚の透明担体フィルムの2メートル幅を、DuPontから得られたアクリル樹脂イソブチルメタクリレート(製品ID Elvacite 2045)でグラビア被覆し、次に熱風により乾燥する。第2操作において、アクリル被覆フィルムに、ロールツーロール真空チャンバによって、アルミニウムを蒸着被覆する。印刷アクリル被覆を覆う蒸発アルミニウム層の蒸着速度及び厚さは、製造の際に光学濃度を連続的にモニタリングすることによって正確に制御される。蒸着の動作範囲は、100〜500オングストローム厚の範囲であり、好ましい厚さは、190〜210オングストローム厚の範囲である。
光学濃度は、マクベス濃度計により測定して、0.2〜0.8の範囲であることができる。好ましくは、範囲は0.5〜0.8である。より好ましくは、光学濃度は、マクベス濃度計により測定して、0.7である。
金属層は、アルミニウム、ステンレススチール、ニクロム、金、銀、白金、又は真空蒸着により蒸発及び付着されうるか、スパッタリング若しくは電子ビーム蒸着により適用されうる他の任意の金属を含むことができる。好ましくは、金属層はアルミニウムを含む。
アルミニウム層は、酢酸エチルを含有する浴中でアクリル支持層を溶解し、アルミニウム層を担体フィルムから離すことによって、担体フィルムから取り外すことができる。次に、樹脂溶液中に粗フレークの形態で得られたアルミニウムを多段階遠心分離法により洗浄して、アクリル樹脂を除去する。粗アルミニウムフレークを酢酸エチルと混合し、高剪断混合法により崩壊させて、制御された粒径分布を生じる。平均粒子直径は、8〜15ミクロンの範囲であることができ、好ましい範囲は、Coulter LS130レーザー回析粒度計により測定して直径が9〜10ミクロンである。
超顕微鏡的又はホログラフ的な回析格子パターン又は画像が透明フィルム基材の第1及び第2表面の両方から、並びに紙基材の第1表面から明確に見られるために、好ましくは、アルミニウム又は他のフレークを、フレークが回析格子の輪郭に一致し、従うように、超顕微鏡的、ホログラフ的又は他の回析格子パターン又は画像の表面波の長さに合わせるように印刷する。
回析格子波長輪郭(contour)への、すなわち超顕微鏡的輪郭の頂点と頂点又は谷と谷の間の間隔へのフレークのこの整合を達成するために、特に配合された金属インクは、好ましくは、非常に低い結合剤含有量、高い顔料対結合剤比及び好ましくは9〜10ミクロンの範囲の非常に薄いアルミニウムフレークを有し、これは、超顕微鏡的又はホログラフ的な回析格子パターン又は画像の表面へのインクの良好な接着を維持することと一致する。
【0140】
結合剤は、ニトロセルロース、塩化ビニル、酢酸ビニルコポリマー、ビニル、アクリル、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート、テルペンフェノール、ポリオレフィン、シリコーン、セルロース、ポリアミド、ロジンエステル樹脂を含む群から選択されるいずれかの1つ以上を含むことができる。好ましい結合剤は、50%ニトロセルロース(ID ニトロセルロースDHL120/170及びニトロセルロースDLX30/50、Nobel Industriesから供給)50%ポリウレタン(ID Neorez U335、Aveciaから供給)である。溶媒は、エステル/アルコールブレンドであり、好ましくは、比率が20:1〜30:1の1規定の酢酸プロピルとエタノールである。
好ましい顔料と結合剤の比率は、重量に基づいて、1.5:1〜3.0:1の範囲、好ましくは2.5:1である。インクにおける金属顔料の含有量は、2重量%〜4重量%の範囲、好ましくは3重量%であることができる。
回析格子を形成する手段は、シム又はシームレスローラーを含むことができる。シム又はローラーは、例えばポリエステルのような任意の適切な透明材料から製造することができる。ポリエステルシムは、ポリエステルを紫外線硬化性ラッカーで被覆し、マスター画像を接触コピーし、紫外光線により転写画像を硬化することによって作製することができる。好ましい実施態様では、アクリルシートをUVラッカー/ワニスで被覆し、次に、画像を保持するニッケルシムを加圧下で湿潤アクリルシートに適用し、次に、ラッカー/ワニスを、透明アクリルシートを介して硬化する。必要なものは、硬化されたときに、ニッケルシムではなくアクリルに接着するUVラッカー/ワニスである。
UVラッカーは、Sartomer Europe製品のCRAYNOR(登録商標)のエポキシアクリレート(10〜60%)、1つ又は幾つかの、Sartomer Europeから入手可能なモノマーであるアクリレート(単官能及び多官能)(20〜90%)、1つ又は幾つかの、Darocure(登録商標)1173のような光開始剤(1〜15%)及びBYK ChemieからのBYK(登録商標)361のような均展剤(0.01〜1%)を含むことができる。
シームレスシリンダーは、ポリエステルを紫外線硬化性ラッカーで被覆し、マスター画像を接触コピーし、紫外光線により転写画像を硬化することによって作製することができる。
【0141】
本発明は、また、印刷における光学的可変デバイス及びパターンの生成及び使用のための継ぎ目のない転写シリンダーを製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、基材に格子を付与する伝達手段としてニッケルシムを使用する従来の型押系に関連する知覚できる接合線及び継ぎ目を不明瞭にするように構築された光学的可変回析及び他の超顕微鏡的格子を有するシリンダーを、製造する方法を対象とする。
【0142】
シリンダーを構築する好ましい方法は、ホログラム、電子ビーム直線格子又は他の回析超顕微鏡的格子のようなOVD格子構造を、20〜100ミクロンの範囲の厚さを有する透明な二軸配向ポリプロピレン(BOPP)のロールに型押しすることである。好ましくは、ホログラフ、他の格子構造又は非ホログラフ画像を、BOPPフィルムの表面に、硬質型押しによって、付与することができ、それは通常、15mm〜300mmの範囲のニッケルシムを用いる方法である。ニッケルシムを加熱し、格子構造をBOPPフィルムの表面に押し付ける。機械的に又は同様に刻線された菱形格子のような非ホログラフ画像又は構造は、エッチングされた画像であることができる。
【0143】
次に、シリンダーを、格子構造で被覆及び装飾するために使用される特別仕様のアセンブリに設置し、洗浄する。型押BOPPフィルムに要する長さは、シリンダーの表面積よりも僅かに大きい。低粘着性接着剤のテープをシリンダーの表面に適用し、型押表面がシリンダーの方に向くことを確かめながら、型押BOPPフィルムを、シリンダーの一端に沿って水平方向に接着する。次に、型押BOPPフィルムはテープの端を越えて折り返され、型押表面を上方を向ける。UV接着剤の一定量を、テープで留めた端の直下のローラーに沿って塗る。BOPPフィルムを折り返し、ニップの間を通し、フィルムの後端をニップで保持し、それにより、接着剤がフィルムの下側及びシリンダーの表面に広がる。被覆領域をUV光源の使用により硬化する。次にシリンダーを、BOPPフィルムが透明になるまで、ニップの残りの部分に通過させる。BOPPフィルムを、テープで留めなかった端から最初に剥がし、このとき画像は、UV接着剤によってロールに転写される。BOPPフィルム及びテープを取り外す。
【0144】
後縁を洗浄し、BOPPフィルムが後縁画像の最上面にテープで留められている又は画像が正確に並んでいることを確かめながら、上記の方法を繰り返す。この方法を、シリンダーが画像で覆われるまで繰り返す。シリンダーを取り外し、シリコーン注入成形装置に設置する。注入成形装置の外側注入成形は分割型である。これは、一旦注入成形されたシリンダー及びシリコーンを、取り出すことを可能にする。シリンダーを設置すると、シリンダー表面と装置の内壁との隙間にシリコーンを充填する。これは、付加硬化型シリコーンであり、室温加硫型(RTV)シリコーンではない。注入成形系は、透明なアクリルから作ることもでき、これも分割型注入成形であることができる。付加硬化型シリコーンを使用する代わりに、UV硬化型シリコーンを使用することができる。系がUVシリコーンで充填されると、透明なアクリル壁を通して硬化することができる。一旦硬化されると、注入成形体を分割し、硬化シリコーン表面を有するシリンダーを取り出す。ローラー及び硬化シリコーンを真空除去装置に設置する。真空を適用して、ローラーからシリコーンを取り除き、ローラーを取り出す。次に、シリコーン成形体を取り出し、第2分割注入成形装置の、注入成形転写マンドレルの位置に設置する。熱硬化樹脂を、シリコーンと注入成形マンドレルの間に充填し、樹脂を硬化する。樹脂が硬化されると、注入成形体を分割し、シリコーン及び硬化ローラーを取り外す。ローラー及び硬化シリコーンを上記に記載した真空除去装置に設置し、マンドレルを有する硬化樹脂を取り出す。
【0145】
ここで、硬化樹脂を有するマンドレルは、本発明の方法による格子の転写の準備が整う。
【0146】
加えて、方法の前半部分において、装飾されたシリンダーを、注入成形する前に、従来の軟質型押しに使用することもできる。本発明の方法を使用して格子を転写するのに使用されるUVと反応しないUV系を使用する場合、これもUV型押しに使用することができる。
【0147】
別の実施態様では、シリンダーを紫外線硬化性樹脂で被覆し、超顕微鏡的又はホログラフ的な回析格子パターン又は画像を有する透明な転写フィルムを、ニップを介して紫外線樹脂の表面に配置し、紫外光線で硬化する。次にシリンダーを上記に記載したように続いて注入成形し、超顕微鏡的又はホログラフ的な回析格子パターン又は画像を、基材の第1表面上の印刷紫外線硬化ラッカーの表面に直接転写することに使用できる。或いは、基材を、続いて、従来の印刷装置によりオフライン式で金属インクによって印刷することができる。
【0148】
基材の上面を、他の続く印刷を実施することができるように、別個に位置を合わせた、すなわち文書など又は文書などの所定の位置に既に存在する他の印刷と位置を合わせた、及び/又は画像/パターンと位置を合わせていない領域に、又は別個に位置を合わせた及び/若しくは位置を合わせていない縞に、又は基材表面全体に、金属インクで印刷することができる。次に基材を、ニップローラーから、超顕微鏡的、ホログラフ的又は他の回析格子パターン又は画像をシリンダーの表面に付着しているポリエステルシムの形態で有するシリンダーに、通すことができる。好ましい実施態様では、画像又はパターンは、超顕微鏡的パターン又は画像を有するシームレスシリンダーに保持されており、シリンダーの転写の正確性を改善することができる。次に超顕微鏡的な光学的可変画像又はホログラフ格子を、シム又はシームレスローラーの表面と暴露された紫外線ラッカーの表面とを接触させることによって、シム又はシームレスローラーから暴露された紫外線ラッカーに転写することができる。紫外線光源は、透明OVI形成手段の表面を介して暴露し、紫外光線への暴露によって、ラッカーを瞬時に硬化することができる。紫外線光源は、シリンダーの内部に配置され、印刷された紫外線ラッカーを介して硬化し、転写された超顕微鏡的な又はホログラフ的な回析格子を定着させる、200ワットから450ワットの範囲のランプであることができる。
【0149】
ここで、本発明の特定の実施態様が、添付の実施例及び図を参照して、単なる例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】図1は、金属インクで重ね刷りされた直接紫外線硬化性ラッカーを使用する本発明の光学的可変画像を作り出す方法の略図である。
【図1a】図1aは、内部に取り付けられたUVランプを有する石英管、冷却された駆動ローラー及びホログラフ画像を含有するシリコーン−ポリエステルベルトを含むベルト系を示す。
【図2】図2は、反転させた図1の方法の略図である。
【図3】図3は、紫外線硬化性金属インクを使用する本発明の超顕微鏡的、ホログラフ的又は他の回析格子を作り出す方法の略図である。
【図4】図4は、反転させた図3の方法の略図である。
【図5】図5は、型押ステーションをインライン式で加えた従来の印刷方法の略図である。
【図6】図6は、型押ステーションをインライン式で加えた従来の印刷方法の略図である。
【図7】図7は、図3、4及び6で示される略図の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の基材に位置を合わせて超顕微鏡的、ホログラフ的又は他の回析格子を形成する方法の略図の斜視図である。
【図9】図9は、格子を使用した超顕微鏡的、ホログラフ的又は他の回析格子を形成する方法の略図の斜視図である。
【図10】図10は、非型押基材に位置を合わせて回析格子を形成する略図の斜視図である。
【図11】図11は、位置を合わせないで回析格子を形成する方法の略図の斜視図である。
【図12】図12は、本発明の一つの実施態様の断面概略図である。
【図13】図13は、本発明の一つの実施態様の断面概略図である。
【0151】
実施例1:特別に配合された金属インクで重ね刷りされた直接紫外線硬化性ホログラフ印刷(フィルム)
図1を参照すると、紙、アルミニウム又は別の不透明基材(1)を、紫外線硬化性ラッカー(2)でその下面を印刷する。光学的可変デバイス若しくは他のレンズ又は彫刻構造を、光学的可変デバイス若しくは他のレンズ又は彫刻構造を有する透明シム(4)によりラッカー(2)の表面に注入成形(3)する。光学的可変デバイス若しくは他のレンズ又は彫刻構造画像をラッカーに付与し、シム(4)を介して配置したUVランプにより、偏光レンズ(8)、石英ローラー(6)及び透明なポリカーボネートローラー(5)を介して通常の加工速度で瞬時に硬化(6)する。光学的可変デバイス若しくは他のレンズ又は彫刻構造画像は、透明シム上の画像の複写である。金属インク(9)を、光学的可変デバイス若しくは他のレンズ又は彫刻構造を覆って印刷し、光学的可変デバイス若しくは他のレンズ又は彫刻構造を光反射性にする。更なる色(11)を、続いてインライン式で通常の印刷法の速度により従来のように印刷することができる。
【0152】
代替的な実施態様では、紙、アルミニウム及びあらゆる種類の他の不透明基材(1)をフィルム基材に代える。そのような材料は、実質的に透明であり、したがって、画像を両面から見ることができる。
【0153】
図1に示されている光学的可変画像形成手段(適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料を含む透明な石英シリンダー)の代わりに、図1aに示されているベルト系を使用することができる。
【0154】
ベルト系は、内部に取り付けられたUVランプを有する石英管、冷却された駆動ローラー及びホログラフ画像を含有するシリコーン−ポリエステルベルトを含む。シリコーン−ポリエステルベルトは、石英管と冷却した駆動ローラーの周りを回る。
【0155】
紙、アルミニウム又は別の不透明基材を、紫外線硬化性ラッカーでその下面を印刷する。光学的可変画像を、シリコーン−ポリエステルベルトを使用してラッカーに付与し、ここでニップローラーを、シリコーン−ポリエステルベルトとラッカー被覆基材との十分な接触を確実にするために使用する。
【0156】
実施例2:上記の実施例1の反転(フィルム)
図2に示されているように、紙、アルミニウム又は別の不透明基材(1)を、従来のように多数の着色インクで印刷する。次に、例えばCerutti R950プリンター(Cerrutti UK Long Hanborough Oxon.から入手可能)(11)を使用して、基材(1)を、紫外線硬化性ラッカー(2)で紙、アルミニウム又は別の不透明基材(1)の表面に印刷する。光学的可変デバイス及び他のレンズ、並びに彫刻構造を、光学的可変デバイス及び他のレンズ、並びに彫刻構造を有する透明シム(4)によりラッカー(2)の表面に注入成形し、光学的可変デバイス及び他のレンズ、並びに彫刻構造画像をラッカーに付与し、偏光レンズ(8)、石英ローラー(6)及び透明ポリカーボネートローラー(5)を介して通常の加工速度でUVランプにより瞬時に硬化(7)して、透明シム(4)に配置された画像の複写となる。金属インク(9)を、光学的可変デバイス及び他のレンズ、並びに彫刻構造を覆って印刷し、光学的可変デバイス及び他のレンズ、並びに彫刻構造を光反射性にする。
【0157】
代替的な実施態様では、基材に適用され、UV光源に暴露されるUV下塗りが予備硬化される。予備硬化は、完全ではないが、超顕微鏡的画像の回析パターン又は列を受け取るのに十分なほど安定している。次に予備硬化注入成形体を、追加的なUV光源に暴露し、完全に硬化する。前記の実施態様において、フリーラジカル型系のUV下塗りの代わりに、カチオン系を使用することができる。
【0158】
金属、並びにポリオレフィン及び他のプラスチックへの優れた接着に加えて、カチオン性のエポキシに基づいた化学は、多くの場合、例えば硬化に対する低い収縮、良好な柔軟性、配合物及び硬化フィルムにおける低い臭気のような他の利点を提供することができる。樹脂の低い毒性及び皮膚刺激性、酸素の非阻害性、改善された気体遮断性、良好な電気特性、高い化学及び溶媒抵抗性及び低い粘性は、印刷適性を助けることができる。
【0159】
代替的な実施態様では、紙、アルミニウム及びあらゆる種類の他の不透明基材(1)をフィルム基材に代える。そのような材料は、実質的に透明であり、したがって、画像を両面から見ることができる。
【0160】
図2に示されているように、フィルム基材(1)を、例えばCerutti R950プリンター(Cerrutti UK Long Hanborough Oxon.から入手可能)(8)を使用して、多数の着色インクで従来のように印刷する。次に基材(1)を紫外硬化性ラッカー(2)で印刷する。OVIを、OVIを有する透明ポリマーシム(4)でラッカー(2)の表面に注入成形し(3)、ホログラフ画像をラッカーに付与し、UVランプ(示されず)により瞬時に硬化して(5)、シムに配置されたOVIの複写となる。金属インク(6)を、OVIを覆って印刷し(7)、OVIを光反射性にし、OVIは、紙又は他の非フィルム基材の第1表面から、及びフィルム基材の両面から見ることができる。別の実施態様では、UV硬化性ラッカーを電子ビーム硬化性ラッカーに代え、UVランプを電子ビーム発光装置に代える。
【0161】
実施例3:直接UV(UV硬化性インク)
図3を参照すると、金属インクのUV硬化性変形物を、輪転グラビア、フレキソ、リソグラフ、スクリーンプロセス及び他の印刷法を含む標準の印刷及び被覆装置を使用して、任意の適合する基材表面に位置を合わせて及び/又は位置を合わせないで基材(1)に印刷する。型押シリンダーを金属化インク(2)と直接接触させる。液体状態の間にインクを、型押シリンダーを介して、UV光源(3)を使用してほぼ瞬時にフラッシュ硬化し、その間、型押シリンダーは金属インクと直接接触したままである。基材の表面張力は型押シムよりも大きいので、ダイ又はシリンダーは、インクを型押シムではなく基材に接着させ、硬化状態において、基材の表面に組み込まれている金属化インク内に、表面レリーフ特性、完全性、ホログラフ、回析若しくは他の超顕微鏡的構造又は微小構造特性及び効果を複製し、保持する。
【0162】
実施例4:上記の実施例3の反転
図4は、金属インクのUV硬化性変形物の使用を示す。UV型の型押エンジンを使用する。インクを、輪転グラビア/フレキソ法を含む標準印刷及び被覆装置を使用して、任意の適合する基材表面に位置を合わせて及び/又は位置を合わせないで印刷する(1)。型押シリンダーを金属化インク(2)と直接接触させる。液体状態の間にインクを、型押シリンダーを介して、UV光源(3)を使用して(ほぼ瞬時に)フラッシュ硬化し、その間、型押シリンダーは金属インクと直接接触したままである。基材の表面張力は型押シムよりも大きいので、ダイ又はシリンダーは、インクを型押シムではなく基材に接着させ、硬化状態において、基材の表面に組み込まれている金属化インク内に、表面レリーフ特性、完全性、ホログラフ、回析若しくは他の超顕微鏡的構造又は微小構造特性及び効果を複製し、保持する。
【0163】
実施例5:インライン式印刷
図5は、従来の印刷機である輪転グラビア、UVフレキソ印刷又は同様のものに、追加のステーションを加えることができ、それが型押ステーション(1)であることを示す。二軸押出BOPP、ポリオレフィン、ポリエステル及びセルロースのような未変性/未精製のフィルム/基材又は予備硬化/ラッカー塗りされたもののような任意の型押可能なフィルム(2)を使用する。基材を最初に型押しし(第1ステーション)(1)、次に、特別に配合した金属インクを使用して印刷して(第2ステーション)(3)、金属化効果を生じる。従来の印刷(4)を同じ印刷機で実施することもできる。インクが通常のインクのように配合されると、従来の印刷方法を利用することができる。金属インクの印刷は、ラインの途中のどこの箇所においても可能であり、型押しの直後である必要はない。符号機、例えば、マークを印刷操作者が認識することができるように、シート又はウエブにマークを付ける索引作成機(5)を、型押領域に設置し、型押ヘッドが、画像の特定領域を有する場合、印刷のための位置合わせを達成することができる。金属インクの印刷は、べた組、半透明などであることができ、得られる効果は、印刷機の一工程により、色の金属化、半金属化、非金属化及び通常の印刷を位置を合わせて又は位置を合わせないで達成できることである。特別に配合した金属インクをフィルムのいずれかの面に印刷することができるが、一般に、液体、グリース、溶媒、ラッカー、インクのような任意の充填剤又は任意の他の表面汚染物又は任意の種類の異物と接触したときに完全性を保つように、これを型押側で実施してホログラフ型押画像/パターンを包み込む。
【0164】
実施例6:二重インライン式印刷
例えば輪転グラビア又はUVフレキソ印刷のような従来の印刷機には、追加のステーションを加えることができ、これは型押ステーションである。現存する印刷ステーション(2)を利用する又は追加の印刷ステーション(2)を加えることによって、ホログラフ型押し可能な実質的に透明な被覆を、基材の全面、一部に印刷、被覆若しくは配置する(この被覆/ラッカーは、一般にニトロセルロースに基づき、溶媒が蒸発している)又は位置を合わせて印刷する(後で再度位置を合わせるには、続く型押及び/又は印刷/被覆ステーションを用いる)ことができる。これでこの領域は型押しの準備が整い、予備被覆/ラッカー塗りフィルム/基材の必要性がなくなる。
【0165】
図6は、最初に被覆/ラッカー塗りされ(第1ステーション)(2)、次に型押しされ(第2ステーション)(1)、次に第3の従来の輪転グラビア/フレキソ印刷ステーション(3)を使用して、特別に配合された金属化インクを基材/フィルムの型押面に印刷して、反射銀金属化効果を生じた基材が印刷されることを示す。次に他のインクの印刷を通常にように実施することができる(4)。特別に配合した金属化インクをフィルムのいずれかの面に印刷することができるが、一般に、液体、グリース、溶媒、ラッカー、インクのような任意の充填剤又は任意の他の表面汚染物又は任意の種類の異物と接触したときに完全性を保つように、これを型押側で実施してホログラフ型押画像/パターンを包み込む。
【0166】
実施例7:転写
図7は、インライン式で適用/被覆された若しくは意図的にフィルム/基材の設計/構造の一部である剥離被覆を有するか、又は型押しされておらず(図5/6/8のように)、次に金属インクが位置を合わせるか又は位置を合わせないで印刷され(1)、次に接着剤(2)が全体か又は型押画像の位置に合わせて適用され、次に、多様な基材(紙、板紙、フィルム)(3)に積層される、フィルムである。一旦接着剤がインライン式又はオフライン式で硬化されると、次にフィルムを剥がして(4)、型押及び金属領域を基材(5)に残し、次にこの転写領域を、適合するインクを使用するか又はインク基調を補助するため印刷受容性被覆を適用することによって、重ね刷りすることができ、ここでもこれはインライン式又はオフライン式で実施することができる。
【0167】
実施例8:オフライン式(位置を合わせた)印刷
図8は、低真空電子ビーム又はUV型押機を使用して基材に型押しする方法の概略図である。これは、基材(1)を、型押シリンダー(2)及びニップローラー(3)に通すことによって実施され、型押シリンダー(2)は、プラスチック製の型押シムを有するか又はホログラフ/回析若しくは彫刻画像(5)を直接シリンダー(4)に有する。画像(6)は、熱及び/又はUV硬化により多様な基材に型押しされる。位置合わせマーク(7)が型押シリンダー上にある場合、これも基材(8)に型押しされる。次に基材を、特別に配合された金属インクを使用して従来の印刷機により印刷する。特別に配合された金属インクをべた組で印刷して完全に金属化された効果を提供するか、又は異なる被覆重量で異なる種類の効果、すなわち半金属化(HRI効果)などを提供することができる。基材を全体的に印刷することができるか、又は位置合わせマーク(8)が基材に型押しされるので、特別に配合された金属インクを、型押画像及び通常の印刷画像に位置を合わせて別個な領域に印刷することができる。転写基材が型押しされる場合、配合金属インクを印刷した後、基材を、紙、板紙、フィルム及び金属箔の「転写金属化」に使用することができる。
【0168】
実施例9:位置を合わせた型押し
印刷及び/若しくはラッカー塗り領域又はその逆にホログラフ/回析型押領域/画像を位置合わせすることは、2つの方法を使用して実施することができる。
1.標準的な未変性型押可能フィルム/基材の利用
フィルムを、型押シリンダーを続く印刷シリンダーに若しくはその逆を電子的に位置合わせし、調整することによって、又は型押シム/シリンダーに組み込まれたホログラフ的、化学的、エッチングした若しくは彫刻した位置合わせマークによって(これによって白色/灰色の位置合わせマークが、フィルムが型押しされたときに生じる)、位置を合わせて型押しし、続いて印刷する/重ね刷りするか、又は予備印刷し、続いてインライン式、一列型又はオフライン式で印刷領域に位置を合わせて型押しすることができる。反射的又は透過的な電子的に制御された光電セルによる続く位置合わせ及び特定領域の印刷のため、ホログラフ/回析型押領域に反射性背景を与えるのに使用される金属インクを印刷する前の機械系構成のどこにでも、型押しステーションを位置させることができる。
【0169】
2.型押不能フィルム/基材におけるラッカー/被覆の利用
続く型押し及び印刷において通常は型押不能なフィルム/基材での透明な型押可能な被覆/ラッカーの使用を促進するため、透明な型押可能な被覆/ラッカーを、続く型押し及び印刷のためにフィルム/基材の全面を覆って印刷する。(図9を参照すること)。
【0170】
図10:続く位置を合わせた型押し及び印刷において通常は型押不能なフィルム/基材での透明な型押可能被覆/ラッカーの使用を可能にするため。インクジェットプリンター/エンコーダーの使用を、型押可能被覆/ラッカーの印刷に使用される印刷ステーション(1)に組み込み、一旦型押可能被覆/ラッカー領域が印刷されると(2)、インクジェットプリンター/エンコーダーは、印刷シリンダー/スリーブ/プレート(4)に組み込まれている位置合わせマーク(3)、ノッチ、空間などを登録し、一旦、位置合わせマークを検出する光電セルにより作動されると、インクジェットプリンター(5)は、電子/コンピューター制御され、後の位置合わせ及び型押可能被覆/ラッカー領域(2)への型押し(7)のため、及び続く下流の更なる印刷ステーション(8)への位置合わせのために、位置合わせマーク(6)をフィルム/基材に印刷する。
【0171】
実施例10:オフライン式(位置を合わせない)印刷
図11は、UV型押機使用した基材を型押しする方法の略図を示す。これは、基材(1)を、型押シリンダー(2)及びニップローラー(3)に通すことによって実施され、型押シリンダー(2)は、プラスチック製の型押シムを有するか又はホログラフ/回析若しくは彫刻画像(5)を直接シリンダー(4)に有し、熱及び加圧、及び/又はUV硬化を使用して、画像(6)を多様な基材に型押しする。次に基材を、特別に配合された金属インクを使用して従来の印刷機により印刷する。インクをべた組で印刷して完全に金属化された効果を提供するか、又は異なる被覆重量で異なる種類の効果、すなわち半金属化(HRI効果)などを提供することができる。基材を全体的に印刷することができる。転写基材が型押しされる場合、配合インクを印刷した後、基材を、紙、板紙、フィルム及び金属箔の「転写金属化」に使用することができる。
図12を参照すると、フィルム基材100、UV硬化性ラッカー102、及び第1表面108と第2表面110の両方を覆って印刷されている金属インク106のホログラフ的又は他の超顕微鏡的回析格子104を見ることができる。
【0172】
図13を参照すると、フィルム基材120、UV硬化性ラッカー122、及び第1表面128を介してしか見ることができない画像を覆って印刷されている金属インク126のホログラフ的又は他の超顕微鏡的回析格子124である。
【0173】
光学的可変画像又はデバイスの例は、ホログラム又は回析格子、モアレ格子などである。これらの光学的微細構造画像は、一連の構造化表面から構成されている。これらの表面は、一定又は無作為の間隔を空けている直線又は曲線の輪郭を有することができ、更には、直径はミクロンからミリメートルに変化することができる。パターンは、円形、直線形であるか又は均一のパターンを有さなくてもよい。例えば、フレネルレンズは、一方に微細構造化表面及び他方にパノ表面を有する。微細構造化表面は、光軸からの距離が増加すると傾斜度が変わる一連の溝から構成される。傾斜面の間に位置している勾配面は、通常フレネルレンズの光学性能に影響を与えない。
−収斂フレネルレンズは、コリメーター、集光器として又は有限共役により設計することができる。これらのレンズは、通常、球面収差が補正されている。これらを被覆して第2表面反射鏡として使用することもできる。
−発散フレネルレンズは、収斂レンズの反対であり、光線を分散する。これらを被覆して第1表面反射鏡として使用することができる。
−フレネル円柱レンズは、線形フレネル構造を有する。これは光を一方法に集め、その結果として点画像ではなく線画像をもたらす。
−両凸レンズは、全ての溝が複数の線画像を作り出す小さい半径を有する線形構造を有する。両凸レンズは、主に、映写幕及び印刷三次元画像に使用される。
ホログラム、キネグラム、直接書込などのような多様な回析格子構造の他に、他の構造を含めてこれらを増強することができる。
−平面格子構造に「隠れている」画像(隠れ印象)があり、裸眼には無光沢領域又はレンズ構造のように見える。構造に埋め込まれている情報は、テキスト(データ又は英数字コード)、ロゴ又は肖像であることができ、これらは、画像をレーザーペンで光らせ、リアルタイムに情報又は画像を投影させることによって明らかにすることができる。
−十分に確立された系であり、これらは、ダイアモンド切削工具を有する正確な刻線エンジンによって調製される平面格子である。格子は、多様な基材、例えばガラス、金属及びセラミックに刻線することができる。格子密度は、20〜1899本の溝/mmの範囲である。例えば、ラムスデン木材格子は、1インチ間隔で1,700,000本の等間隔の円形溝であり、第1回析パターンフィルム及び押箔のベースを形成する。
−UV光線(UV、VUV、FUV及びEUV)、並びに軟X線を回析するために視射角で使用される微細間隔溝を有する平面格子である。
−収差補正されたホログラフ曲線格子は、格子に基づく系においてコマのような光学収差を最小限にする。これらは、簡素で小型の高い処理能力のある分光写真器及び単色光器における、及び光ファイバー若しくは固体アレイ検出器列又はその両方を用いる回析系における必須の構成要素である。
−非常に短いレーザー光パルスを達成する一つの方法は、一対の特別の平面回析格子を使用してパルスの持続時間を圧縮することである。格子は、強力なレーザー光線に耐えるように熱的に安定した耐熱材料から作られる。超短レーザーパルスは、主に高速過渡事象の研究において使用される。
−光学的可変画像は、特殊な色効果を有する、例えば傾斜及び/又は回転させると色が変化するゼロ次回析微細構造であることもできる。ゼロ次回析微細構造を、紙幣、クレジットカード、パスポート、切符、文書保護、偽造防止、ブランド保護などのような多様な用途に機密保護デバイスとして使用することは、知られている。
【0174】
偽造の可能性は、熱又は光互変性線量、UV/IR蛍光染料、磁気ストライプなどをOVD下塗り又はインクに加えることによって更に減少する。
【0175】
本発明の方法により得られる製品は新規である。
【0176】
しがって、本発明は、また、本発明の方法を使用して得られる(秘密保護)製品に関する。
【0177】
本発明の好ましい実施態様において、(秘密保護)製品は、紙、アルミニウム又は別の不透明基材に基づいている。
【0178】
(秘密保護)製品は、好ましくは、紙幣、パスポート、身分証明書、運転免許証、コンパクトディスク又は包装である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機及び光学的可変画像形成手段を含む(機密保護)製品を形成する装置であって、光学的可変画像形成手段が、
a)透明な担体と
b)適用される光学的可変画像を運ぶ透明材料と、
c)ワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む装置。
【請求項2】
透明な担体が、シリンダー、ベルト又はプレートである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
光学的可変画像形成手段が、
a)透明な石英シリンダーと、
b)石英シリンダーの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含むか、又は
a)透明なポリエステルベルトと
b)ポリエステルベルトの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む、請求項1記載の装置。
【請求項4】
印刷機が、供給系;印刷される画像を運ぶ手段;インクを適用する手段;インクを乾燥又は硬化する手段;印刷された機密保護製品を運ぶ手段のうちのいずれかの1つ以上を含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
印刷機が、光学的可変画像を基材に転写する光学的可変画像形成手段をインライン式で含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
光学的可変画像を基材に形成する方法であって、
A)硬化性化合物又は組成物を基材の少なくとも一部に適用する工程;
B)硬化性化合物の少なくとも一部を光学的可変画像形成手段に接触させる工程;
C)硬化性化合物を硬化する工程;及び
D)場合により、金属インクを硬化化合物の少なくとも一部に付着させる工程
を含み、
光学的可変画像形成手段が、
a)透明な担体と
b)適用される光学的可変画像を運ぶ透明材料と、
c)ワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む、方法。
【請求項7】
光学的可変画像形成手段が、
a)透明な石英シリンダーと、
b)石英シリンダーの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
光学的可変画像を彩色又は金属インクの少なくとも一部の上に形成する前に、彩色又は金属インクを基材の上に付着させ、その上に光学的可変画像を形成する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
基材が非透明(不透明)シート材料であり、例えば紙である、請求項6、7又は8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
硬化性組成物がラッカーである、請求項6記載の方法。
【請求項11】
硬化性組成物がグラビア又はフレキソ印刷により付着される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
硬化性ラッカーを紫外(UV)光線又は電子ビームで硬化することができる、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
金属インクが、アルミニウム、ステンレススチール、ニクロム、金、銀、白金及び銅を含む群から選択されるいずれかの1つ以上を含む、請求項6記載の方法。
【請求項14】
請求項6〜13のいずれか1項記載の方法を使用して得られる(機密保護)製品。
【請求項15】
紙幣、身元確認書類、例えばパスポート、身分証明書、運転免許証又は別の確認書類、医薬品、服飾品、ソフトウエア、コンパクトディスク、タバコ及び偽造又は模造されやすい他の製品である、請求項14記載の(機密保護)製品。
【請求項16】
a)透明な担体と
b)適用される光学的可変画像を運ぶ透明材料と、
c)ワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む光学的可変画像形成手段。
【請求項17】
透明な担体が、シリンダー、ベルト又はプレートである、請求項16記載の光学的可変画像形成手段。
【請求項18】
光学的可変画像形成手段が、
a)透明な石英シリンダーと、
b)石英シリンダーの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含むか、又は
a)透明なポリエステルベルトと
b)ポリエステルベルトの表面に取り付けられている、適用される光学的可変画像を運ぶ透明なプラスチック材料と、
c)透明シリンダー内に配置されているワニスを乾燥又は硬化する手段と
を含む、請求項16記載の光学的可変画像形成手段。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−510106(P2010−510106A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537605(P2009−537605)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062377
【国際公開番号】WO2008/061930
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】