説明

機械的に拡張可能な給送装置及び拡張装置

ステント給送装置、拡張器装置、及びステントを埋め込む方法が提供されている。ステント給送装置は細長いシャフトを備えており、該細長いシャフトは、近位部分と、遠位部分と、少なくとも部分的に伸長している管腔と、前記シャフトの遠位部分に設けられているステント収容部分とを備えている。該ステント給送装置はまた、前記細長いシャフトの前記ステント収容部分に配置されたステントをも備えており、該ステントは拘束形態と拡張形態とを有している。前記ステントに解除可能形態で結合されており且つ第一の位置と第二の位置とを有している近位の拘束部材及び遠位の拘束部材も設けられている。前記近位の拘束部材と遠位の拘束部材とは、該近位の拘束部材と遠位の拘束部材との各々が前記第一の位置にある状態で、互いに協働してステントの少なくとも一部分に長手方向の引っ張り力をかけることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具、特にステント又は拡張器を給送して配備させるための機械的に拡張可能な器具、及びステントを体管腔内へ給送して配備させる方法に関する。
【0002】
(関連出願)
本願は、2010年1月29日に出願された米国特許出願第61/299,605号に基づく35U.S.C§119(e)による優先権を主張している。該米国特許出願は、これに言及することにより、その全体が本明細書に参考として組み入れられている。
【背景技術】
【0003】
自己拡張型ステントは、典型的には、内側カテーテルの外周に同軸状に配置され且つ摺動可能な外側シースを備えている給送器具を使用して体内に導入される。ステントは、内側カテーテルと外側シースとの間で器具の遠位端に配置され且つ前記外側シースによって圧縮位置に保持される。内側カテーテルと外側シースとは、相対的に同軸状に動く。ステントは、外側シースを内側カテーテルに対してステントが露出されるまで近位方向に引き戻すことによって配備される。自己拡張型ステントは、シースが近位方向に引き出されると、ステントの遠位端からステントの近位端までが拡張する。
【0004】
上記したシース付きの給送器具においては幾つかの問題がある。シース解放給送器具は、再位置決めし又は取り外すのが難しく、また動かすのに時間がかかる。ステントは、該ステントをその後に再位置決めし又は取り出すために、シースによってステントが再度拘束される前には単に部分的に配備される。ステントがひとたび完全に配置されると、即ち径方向に拡張されると、シースはステントを再度拘束することができない。例えば、一般的な外側シース/内側カテーテルからなる給送器具を使用することは、医師に不意に過剰な力を使用させて外側シースを過度に引き戻させ過ぎ、その結果、ステントが体管腔内の不正確な位置に永久的に配備され得る。該処置におけるこの段階では、ステントを再度位置決めすることが不可能でないにしても難しくなる。なぜならば、ステントは体管腔内で既に径方向に自己拡張しているからである。更に、外側シースの後退は制御された動きで行なうことができない。なぜならば、医師は、手動によって外側シースを後退させるが、これは外側シースの不均一な又は不用意な引き戻しにつながって、ステントの不適切な位置決めをもたらすからである。
【0005】
更に、外側シースが近位方向へ引き出される典型的なシース解放器具においては、体内血管と接触させるための自己拡張型ステントの第一の部分はステントの最も遠位の部分である。このタイプの解放は、ステントの近位部分を正確に配置する際の困難さを生じさせる。なぜならば、ステントの近位部分が依然として外側シースによって覆われている間に、ステントの遠位端が最初に位置決めされるからである。ステント及び/又はステント本体の近位部分の正確な配置は、ある種の用途においては、例えばステントの移動を防止するため又は狭窄部の全長に沿って狭窄部を適正に開かせるために重要である。ステントの直接的な視認が必要とされるシース付きステント給送装置の場合には、更なる欠点が生じる。例えば、内視鏡を使用して配置されるステントにおいては、シースは、ステントの位置を妨げ又は覆い隠してステントの正確な配置を更に難しくさせる傾向がある。
【0006】
従来のシース付きステントの給送装置の更なる潜在的な欠点として、患者の体内で使用する前にステントを装置内に配置しなければならない点がある。従来のシース付きステントの給送器具の装填及び係留は入り組んだプロセスであり、これは、ステントが患者の体内での使用に先立って輸送及び貯蔵中にシース内で圧縮されたままとなるようにステントが器具内に予め装填されることを必要とする。ステントの長期に亘る圧縮は、ステントの機械的特性の変化につながる。
【0007】
従来のシース付きステントの給送器具はまた、ステントとシースとの間の摩擦に打ち勝つ大きな力をも必要とし、これはまた、患者の体内へのステントの適正な配置に対して問題となる。導入器は、導入器捕獲器の伸びやステントの動作におけるヒステリシスのような摩擦の不所望な結果を避けるためには、摩擦力に打ち勝つほど機械的に強くなければならない。シース付きステント給送装置はまた、シース無しの器具と比較的してより大きな空間を内視鏡内に必要とし、また給送装置に付加的な費用をも追加する。
【0008】
従って、現在の技術の欠点に鑑みると、患者の体内へのステントの配備又は患者の体内の管腔の拡張の際におけるステントの配置の制御、精度、及び容易性を増すことができる機械的に拡張可能な給送装置及び拡張装置が必要とされている。該給送装置は、理想的には、ステント全体のよりスムーズで、より正確で、より迅速な配備を提供しつつ誤動作の虞を減じる。該給送装置はまた、ステントの拡張後にステントを再度拘束し、再度捕獲し、再位置決めし、且つ/又は取り外すことができる機能をも提供する。
【発明の概要】
【0009】
従って、本発明は、上記した欠点のうちの1以上を解決し又は改良する特徴を有している器具及び方法を提供することを目的としている。
【0010】
上記の目的は、本発明の一つの特徴においてステント給送装置を提供することによって達成される。該ステント給送装置は細長いシャフトを備えており、該細長いシャフトは、近位部分と、遠位部分と、該シャフトを少なくとも部分的に貫通して延びている管腔と、ステントの遠位部分上に設けられているステント収納部分とを備えている。該ステント給送装置はまた、前記細長いシャフトの前記ステント収納部分に位置決めされているステントを備えており、該ステントは拘束形態と拡張形態とを有している。近位の拘束部材及び遠位の拘束部材も備えられており、これらの拘束部材は、ステントに解放可能に結合されており且つ第一の位置及び第二の位置を有している。近位の拘束部材と遠位の拘束部材とは、これらの近位の拘束部材と遠位の拘束部材とが各々第一の位置にある状態で、互いに協働して拘束された形態にあるステントの少なくとも一部分に長手方向の引っ張り力をかける。
【0011】
本発明の別の特徴においては、ステント給送装置を使用してステントを埋め込む方法が提供されている。該方法は、ステント給送装置の遠位部分を患者の管腔内へ挿入するステップを含んでいる。該ステント給送装置は細長いシャフトを備えており、該細長いシャフトは、近位部分と、遠位部分と、該シャフトを少なくとも部分的に貫通して延びている管腔と、該シャフトの遠位部分上に設けられているステント収納部分とを備えている。該ステント給送装置はまた、該細長いシャフトの前記ステント収納部分に配置され且つ拘束形態と拡張形態とを有しているステントと、該ステントに解放可能形態で結合され且つ第一の位置と第二の位置とを有している近位の拘束部材と、前記ステントに解放可能な形態で結合されており且つ第一の位置と第二の位置とを有している遠位の拘束部材と、を備えている。該方法は更に、前記ステントを拘束形態に保持して各々前記第一の位置にある前記近位及び遠位の拘束部材によって前記ステントに長手方向の引っ張り力がかけられ且つ前記ステントと協働して該ステントを引っ張り、該ステントを埋め込み部位へ送り込む状態とするステップと、該ステントを埋め込み部位に位置決めするステップと、前記近位及び遠位の拘束部材の各々を前記第二の位置へ動かし且つ前記ステントにかかっている長手方向の引張り力を解放することによって前記ステントを前記拡張形態へと拡張させるステップとを含んでいる。
【0012】
本発明の別の特徴に従って装置が提供されている。該装置は、近位部分と遠位部分と少なくとも部分的に貫通して延びている管腔とを備えている内側の細長いシャフトと、近位部分と遠位部分とその中を少なくとも部分的に貫通して延びている管腔とを備えている外側の細長いシャフトとを備えている。前記内側の細長いシャフトは、外側の細長いシャフトの管腔内を少なくとも部分的に同軸上に延びており、該内側の細長いシャフトと外側の細長いシャフトとは、相対的に可動な形態で位置決めされている。該装置はまた拡張可能な部材を備えており、該拡張可能な部材は、第一の端部と第二の端部とを有しており且つ拘束形態と拡張形態とを有している。前記第一の端部は前記の内側及び外側の細長いシャフトのうちの一方に操作可能な形態で結合されており、前記第二の端部は前記内側及び外側の細長いシャフトのうちの他方に操作可能な形態で結合されている。前記内側の細長いシャフトと外側の細長いシャフトとが相対的に第一の方向に動くと、前記拡張可能な部材の少なくとも一部分に正反対の長手方向の力がかかり、前記内側の細長いシャフトと前記外側の細長いシャフトとが相対的に第二の方向に動くと、前記拡張可能な部材の少なくとも一部分にかかっている長手方向の力が解放される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によるステント給送装置の側面図である。
【0014】
【図2】図2は、図1に示されている器具の断面図であり、拘束形態にあるステントを示している。
【0015】
【図3】図3は、外側シースが引き出されており且つステントが拘束された形態にある状態の図2に示されている器具の断面図である。
【0016】
【図4】図4は、ステントが拡張形態にある状態の図3に示されている器具の断面図である。
【0017】
【図5A】図5Aは、図4に示されているステント及び器具の近位部分の部分側面図であり、近位の拘束部材を示している。
【0018】
【図5B】図5Bは、図4に示されているステント及び器具の遠位部分の部分側面図であり、遠位の拘束部材を示している。
【0019】
【図5C】図5Cは、本発明の一実施形態による拘束部材の拡大図である。
【0020】
【図5D】図5Dは、マーカーを備えているステントの近位部分の一実施形態の部分側面図である。
【0021】
【図6A】図6Aは、近位の拘束部材の代替的な実施形態の部分側面図である。
【0022】
【図6B】図6Bは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態の部分側面図である。
【0023】
【図6C】図6Cは、拘束部材の代替的な実施形態の拡大図である。
【0024】
【図6D】図6Dは、拘束部材の部分断面図である。
【0025】
【図6E】図6Eは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態の部分側面図である。
【0026】
【図6F】図6Fは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態の部分側面図である。
【0027】
【図6G】図6Gは、近位の拘束部材の代替的な実施形態の部分側面図である。
【0028】
【図6H】図6Hは、遠位の拘束部材の部分側面図である。
【0029】
【図7A】図7Aは給送装置の断面図であり、補強部材を図示している。
【図7B】図7Bは給送装置の断面図であり、補強部材を図示している。
【0030】
【図8】図8は、本発明による給送装置の遠位部分の部分図である。
【0031】
【図9A】図9Aは、図8に示されている給送装置の断面図である。
【図9B】図9Bは、図8に示されている給送装置の断面図である。
【図9C】図9Cは、図8に示されている給送装置の断面図である。
【図9D】図9Dは、図8に示されている給送装置の断面図である。
【0032】
【図10A】図10Aは、代替的な拘束部材を備えている給送装置の側面図である。
【図10B】図10Bは、代替的な拘束部材を備えている給送装置の側面図である。
【0033】
【図11】図11は、本発明による給送装置の代替的な実施形態の側面図である。
【0034】
【図12】図12は、図11に示されている器具の断面図であり、拘束された形態のステントが示されている。 ,
【0035】
【図13】図13は、図12に示されている器具の断面図であり、近位の外側シースが引き出され且つステントが拘束形態にある。
【0036】
【図14】図14は、図13に示されている器具の断面図であり、ステントが拡張形態にある。
【0037】
【図15】図15は、本発明による給送装置の代替的な実施形態の断面図である。
【0038】
【図16】図16は、図15に示されている器具の断面図であり、拘束形態にあるステントと引き出された状態の近位のシースとが示されている。
【0039】
【図17】図17は、ステントの一部分が拡張形態にある状態の図15に示されている器具の断面図である。
【0040】
【図18】図18は、ステントが拡張形態にある状態の図15に示されている器具の断面図である。
【0041】
【図19A】図19Aは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【図19B】図19Bは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【図19C】図19Cは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【図19D】図19Dは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【図19E】図19Eは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【図19F】図19Fは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【図19G】図19Gは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態を示している図である。
【0042】
【図20】図20は、解放部材を備えているステント給送装置の部分断面図である。
【0043】
【図21】図21は、解放部材を備えているステント給送装置の代替的な実施形態を示している部分断面図である。
【0044】
【図22】図22は、解放部材を備えているステント給送装置の代替的な実施形態を示している部分断面図である。
【0045】
【図23】図23は、ステント給送装置の代替的な実施形態の部分図である。
【0046】
【図24】図24は、ステント給送装置の代替的な実施形態の部分図である。
【0047】
【図25A】図25Aは、シースの実施形態の断面図である。
【図25B】図25Bは、シースの実施形態の断面図である。
【図25C】図25Cは、シースの実施形態の断面図である。
【0048】
【図26A】図26Aは、図5Dに示されているマーカー内に溝孔を形成する方法を示している図である。
【図26B】図26Bは、図5Dに示されているマーカー内に溝孔を形成する方法を示している図である。
【0049】
【図27A】図27Aは、ステント給送装置の代替的な実施形態を示している図である。
【図27B】図27Bは、ステント給送装置の代替的な実施形態を示している図である。
【図27C】図27Cは、ステント給送装置の代替的な実施形態を示している図である。
【0050】
【図28A】図28Aは、拡張装置の一実施形態を示している図である。
【図28B】図28Bは、拡張装置の一実施形態を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明を図面を参照しつつ説明するが、図面において同様の部品は同様の符号で示されている。本発明の種々の部品の相対関係及び機能は、以下の詳細な説明によって更に良く理解できる。しかしながら、本発明の実施形態は、図面に示されている実施形態に限定されない。図面は等尺ではなく、ある種の場合においては本発明の理解に必要ではない細部例えば一般的な加工及び組み立ては省略されていることが理解されるべきである。
【0052】
明細書において使用されている近位及び遠位という用語は、ステントを患者の体内へ給送している医師に関してのものであると理解されるべきである。従って、“遠位”という用語は医師から最も遠い給送装置の部分を意味しており、“近位”という用語は医師に最も近い給送装置の部分を意味している。
【0053】
図1は、本発明の実施形態によるステント給送装置10を示している。ステント給送装置10は、内側シャフト22と、外側シャフト24と、装置10の近位部分27に設けられているハンドル26とを備えている。ステント28(図2に示されている)は、給送装置10の遠位部分31における内側シャフト22のステント領域30上に配置することができる。ステント給送装置10は、任意であるが、外側シース32を備えており、この外側シース32は、外側シャフト24と内側シャフト22との一部分を覆うように摺動可能に配置してステント領域30とステント28とを覆うことができる。ステント28の位置を示すために、1以上の放射線不透過性のマーカー34が給送装置10上に備えられている。ステント給送装置10はまた、内側シャフト22のポート38を通り給送装置10の遠位部分31における遠位端41を貫通して伸長可能なガイドワイヤ36をも備えている。
【0054】
図2は、図1に示されているステント給送装置10の断面図である。図2に示されているように、ステント28は、内側シャフト22に押し付けられるように圧潰された拘束形態40にある。幾つかの実施形態においては、ステント28は自己拡張ステントである。ステント28は、長手方向の力がステント端部にかけられているときに径方向に圧潰するようにされた種類のステントである。非限定的な例として、ステント28は、金属若しくはポリマーによって形成された織り上げられたメッシュとして又は金属ステント内に形成されたレーザー加工パターンとして形成される。該ステントはまた、生体吸収性材料によって作ることもできる。織り上げられたステントの一つの例は、EVOLUTION(登録商標)ステント(Wilson−Cook Medical, Inc)である。任意の外側シース32がステント28の外周に沿って遠位方向に伸ばされて内側シャフト22の遠位先端41に当接して給送装置10の滑らかな外側面42を形成している状態で示されている。外側シース32はハンドル26に操作可能な形態で結合されている。外側シース32は、患者の体管腔内を通る装置10の比較的滑らかな給送を補助するために提供されている。ステント28は、外側シース32が設けられているか設けられていない種々の機構によって拘束形態に保持されている。該機構の一つの実施形態を図5A〜5Cを参照して以下に詳細に説明する。該実施形態は、ステント28を長手方向において拘束し且つ内側シャフト22に押し付けられるように圧潰された状態に保持するために、近位のステント拘束部材44と遠位のステント拘束部材46とを備えている。近位および遠位の拘束部材44,46は、近位の拘束部材44を外側カテーテル24に結合し且つ遠位の拘束部材46を内側カテーテル22に結合することによってハンドル26に操作可能な形態で結合されている。外側シース32が設けられている場合には、該外側シース32は、近位及び遠位の拘束部材44,46に加えて、何らかの圧縮力をステントに付与する。ハンドル26は、図2において閉止位置52の状態で示されている。ハンドル26は、閉止位置52の状態において、該ハンドル26を解除可能な形態で係止する係止部材53を備えている。
【0055】
図3に示されているように、外側シース32が近位方向に引き戻されて、ステント28を内側ステント22上に拘束された形態40で完全に露出させている。外側シース32は、ハンドル26に解除可能な形態で係止されて、シース32をハンドル26に対して静止した状態に保持している。ステント28は、第一の位置47においては、近位のステント拘束部材44と遠位の拘束部材46とによって内側シャフト22に押し付けられるように圧縮された状態に保持されていてステント28に互いに正反対の長手方向の力をかけている。ハンドル26は閉止位置52にあり、外側シース32は、手動によって内側シャフト22のステント領域30から近位方向に引っ張られ、ハンドル26のシース制御部54に係留されてステント28を露出させている(ステント領域30を図示している図1を参照)。ハンドル26は更に近位のハンドル部分58を備えていて、近位のハンドル部分58は、内側シャフト22及び外側シャフト24に操作可能な形態で結合されていて、以下に説明するように、これらのシャフトを相対的に動かすことができる。近位のハンドル部分58は、閉止位置52(図3に示されている)と開放位置64(図4に示されている)との間で動くことができる。ハンドル26について近位のハンドル部分58の取り付け中間点56が示されている。シース制御部54についての第二の取り付け中間点60が示されている。取り付け中間点56と60との間の距離62は、近位のハンドル部分58が図3に示されている閉止位置52から図4に示されている開放位置64まで動かされるときに一定のままである。
【0056】
図4においては、ステント28は拡張形態66で示されており、この形態では、ステント28は内側シャフト22から離れて拡張している。近位及び遠位の拘束部材44,46は、第二の位置49にあり且つステント28に結合された状態のままであるが、ステント28にかけられた長手方向の力は除去されていてステント28が拡張している。ハンドル26の近位の部分58は、近位のハンドル部分58の拡張アーム58A,58Bが等しく且つ正反対の方向に拡張されることによって開放位置64へと動かされている。内側シャフト22と外側シャフト24とは、近位ハンドル部分58によって相対的に等しく且つ正反対方向に動かされており、近位及び遠位の拘束部材44,46は互いにより近づくように動かされている。ステント28は、ステント28上の張力の解放が患者の管腔内で均一となるように、近位のハンドル部分58の開放の等しく且つ正反対の動きに応答して、拘束された形態40から拡張された形態66へと解放される。近位のハンドル部分58は、ばね荷重がかけられていて、アーム58A,58Bの開放位置64への拡張を補助することができる。近位のハンドル部分58は、内側シャフト22を外側シャフト24に対して動かし、その結果、近位及び遠位の拘束部材44,46が互いに近づくと、近位及び遠位の拘束部材44,46によってステント28にかけられている長手方向の張力が解放され、近位及び遠位の拘束部材44,46によってステント28にかけられている張力の均一な解放によってステント28は均一に拡張する。
【0057】
図4に示されているように、近位及び遠位の拘束部材44,46は、拡張形態66においてはステント28に結合された状態のままである。該結合によって、ステント28は外側シース32がステント28から完全に取り外された状態の拡張形態66から拘束形態40へと動かされ、その結果、ステント28は、近位のハンドル部分58を閉止位置52へ動かすことによって内側シャフト22上へと再度圧潰される。近位のハンドル部分58は、内側シャフト22と外側シャフト24とを相対的に動かして、近位及び遠位の拘束部材44,46が更に隔てられ且つ長手方向の引っ張り力がステント28へ戻されてステントが内側シャフト22上へと圧潰されるようにする。ステント28は、該ステントが適正に位置決めされるまで、近位のハンドル部分58を閉止位置52と開放位置64との間で動かすことによって拘束形態40と拡張形態66との間を繰り返し動かされる。ステントが拘束形態40に再度位置決めされた状態で、外側シース32は、図2に示されているようにステント28の外側に再度位置決めすることができ、ステント28は、例えば最初に不正確なサイズのステントが選択された場合に患者から引き出すことさえできる。以下に説明するように、ステントの形態は、近位及び遠位の拘束部材44,46がステント28との結合状態から解放されるまで、再位置決めし又は取り外すために患者の体内で何回も変えることができる。
【0058】
図5A〜5Dは、近位の拘束部材44(図5A)及び遠位の拘束部材46(図5B)の例示的な実施形態を示している。近位の拘束部材44の構成部品の分解図が図5Cに示されている。遠位の拘束部材46の構成部品は近位の拘束部材44の構成部品の鏡像である(図示せず)。図5Aに示されているように、ステント28の近位端部分70は、遠位の拘束部材46と組み合わせられた近位の拘束部材44を使用して、拡張形態66においてさえも内側シャフト22に結合された状態のままである。近位の拘束部材44は、ステント28の1以上の頂部74に通されて編み込まれている第一のループ72を備えており、その結果、第一のループ72が引っ張られると、ステント28の頂部74が内側シャフト22上へと圧潰される。近位の拘束部材44は更に第二の保持ループ76を備えており、該第二の保持ループ76は外側シャフト24に取り付けられている。近位の拘束部材44はまた近位の保持ワイヤ78をも備えており、該近位の保持ワイヤ78は、第一のループ72及び第二の保持ループ76と協働して第一のループ72を第二の保持ループ76に解除可能な形態で係止し、近位のハンドル部分58が遠位の拘束部材46と協働して開放位置64と閉止位置52との間を動かされるときにステント28の選択的な拡張と収縮とを可能にしている。
【0059】
第一のループ72か第二のループ76か又はこれら両方のループが1以上の点で係留され、例えばシースが備えられていない装置10においてステント28が内側カテーテル22上に更に確実に固定される。幾つかの実施形態においては、第一のループ72は、内側カテーテル22又は外側シャフト24に巻き付けられて、給送装置10が湾曲部例えば十二指腸用内視鏡の起子を介して治療部位へ進められるときにステントを内側カテーテル22に保持するのを補助する。幾つかの実施形態においては、第二のループ76は、図5Aにおいて点線で示されている管状部材79によって少なくとも部分的に覆われている。該管状部材は、当業者に公知の透明であり且つ適切な可撓性を有している何らかの材料によって作ることができる。非限定的な例として、管状部材79はPTFEによって作られる。
【0060】
近位の拘束部材44の例示的な協働形態が図5Cに示されている。図5Cにおいては、第一のループ72の一部分と第二の保持ループ76とは重なっており、近位の保持ワイヤ78がこの重なっているループ72,76の中を通って延びていて2つのループ72,76を相互に解放可能な形態で保持している。図5Aに示されている近位の保持ワイヤ78は、外側シャフト24の一部分と摩擦係合して、ステント28が上記した解放のための適正な位置に位置するまで近位の保持ワイヤ78を定位置に保持する。近位の保持ワイヤ78は、近位方向に引き出されて近位の拘束部材44を解放し且つステント28を内側シャフト22に結合された状態から完全に解放する。
【0061】
幾つかの実施形態においては、内側シャフト22又は外側シャフト24又はそれら両方が黄色の内視鏡用マーカー25を備えており、該内視鏡用マーカー25は、ステント28に近接して配置されて内視鏡技術者がステントを位置決めするのを補助する。図5Dに示されているように、マーカー25は、保持ワイヤ78を収容するための1以上の溝穴29を備えている。溝穴29は、ワイヤ78がマーカー25を邪魔しないようにする補助となっている。マーカー25は、外側シャフト24の内径全体を満たしていて、マーカー25を更に良く見えるようにしている。類似のマーカー25をステント28の遠位側に配置しても良い(図示せず)。
【0062】
図5Bに示されているように、ステント28の遠位端部分80は、遠位の拘束部材46を使用することにより拡張形態66においてさえも内側シャフト22に結合されたままである。遠位の拘束部材46は第一のループ82を備えており、この第一のループ82は、ステント28の1以上の頂部74に通されて編み込まれており、その結果、引っ張られるとステント28の頂部74が外側ステント24上へと圧し潰される。遠位の拘束部材46は更に第二の保持ループ86を備えており、該第二の保持ループ86は内側シャフト22に取り付けられている。第一のループ82、第二のループ86、又はこれらの両方が1以上の位置で係留され、例えばシースが設けられていない装置10内でステント28が内側カテーテル22に更に良好に固定される。幾つかの実施形態においては、第一のループ82は内側カテーテル22又は外側シャフト24の周りに巻き付けられて、給送装置10が上記したループ72に似た曲線に沿って治療部位へ進められるときにステントを内側カテーテル22に保持しておくのを補助する。
【0063】
遠位の拘束部材46はまた遠位の保持ワイヤ88をも備えており、該保持ワイヤ88は、第一のループ82及び第二の保持ループ86と協働して、これらのループ82,86を解除可能な形態で相互に固定して近位のハンドル部分58が開放位置64と閉止位置52との間で動かされるときにステント28の選択的な拡張及び収縮を可能にしている。遠位の保持ワイヤ88は、内側シャフト22又は遠位先端41と摩擦係合して、ステント28が解除のために適正に位置決めされるまで遠位の保持ワイヤ88を定位置に保持する。遠位の拘束部材46は、図5Cに示されている近位の拘束部材44と同様な構造とされており、遠位の保持ワイヤ88が第一のループ82と第二の保持ループ86とを相互に解除可能に係止している。遠位の保持ワイヤ88は、近位方向に引かれて遠位の拘束部材46を解放し且つステント28を内側シャフト22に結合された状態から完全に解放することができる。
【0064】
近位及び遠位の保持ワイヤ78,88は、ループ72,76,82,86から近位方向に引き出せるようにハンドル26に結合されている。近位及び遠位の保持ワイヤ78,88の引き出しは同時に又は連続してなされる。ステント28は、ハンドル26を開放位置64に向かって正反対に等距離だけ動かしてステント28を拡張形態66へ移動させることによって患者の管腔内の適正な位置に位置決めされるので、保持ワイヤ78,88の解放タイミングはステント28の位置決めにとって重要ではない。当業者が理解できるように、近位の拘束部材44は外側カテーテル24に結合されており、遠位の拘束部材46は内側カテーテル22に結合されている。外側シース32が設けられていない実施形態においては、ステント28の頂部74は患者の部位へ送り込むためにステント28の両端において内側カテーテル22に密接するように押し付けられるように圧潰されている。
【0065】
近位の保持部材44と遠位の保持部材46とをステント28の近位及び遠位の端部70,80に対する結合に関して説明したけれども、ステント28の他の部分に結合され且つやはりステント28の拘束形態40を提供することができる近位及び遠位の拘束部材44,46を設けることもできる。例えば、近位の拘束部材をステントの中間近位部分又は中間点に結合し、遠位の拘束部材をステントの遠位端部分に結合しても良い。同様に、近位の拘束部材をステントの近位端部分に結合し且つ遠位の拘束部材をステントの中間遠位部分の中間点に結合させても良く、又は近位の拘束部材及び遠位の拘束部材の両方をステントの近位端部分及び遠位端部分以外の部分に結合しても良い。幾つかの実施形態においては、近位若しくは遠位の拘束部材又は近位の拘束部材及び遠位の拘束部材の両方を、ステント上の複数の位置でステントに結合している。
【0066】
幾つかの実施形態においては、図6A及び6Bに示されているように、ステント給送装置10には、近位の拘束部材144と遠位の拘束部材146とが設けられている。上記した近位及び遠位の拘束部材44,46と同様に、近位及び遠位の拘束部材144,146は、互いに協働してハンドル26と関連してステント28上に張力をかけたり解放したりする。近位の拘束部材144は、図6Aにおいて、ステント28が拘束形態40にある状態で示されている。近位の拘束部材144は第一のループ172と近位の保持ワイヤ178とを備えている。第一のループ172は外側カテーテル24に結合されている。非限定的な例として、第一のループ172の一部分173は、外側カテーテル24の穴180を介して該外側カテーテル24に結合されていて、ループ172の部分173は図6A及び6Dに示されているように近位の保持ワイヤ178によって拘束されている。第一のループ172はまた、図6Cに示されているように、当業者に公知の溶接、接着、ボンディング又はその他の取り付け方法によって、外側カテーテル24に結合されても良い。第一のループ172のもう一つ別の部分175はステント28の1以上の頂部74に通されて編み込まれており、その結果、上記したように引っ張られたときに第一のループ172がステント28の頂部74を内側シャフト22上へ押し付けられるように圧潰させる。近位の拘束部材144はまた近位の保持ワイヤ178をも備えており、該近位の保持ワイヤ178は、第一のループ172の一部分と協働形態で係合して第一のループ172をステント28上に解放可能な形態で保持して、ステント28が患者の管腔内に適正に位置決めできるように繰り返し拡張させたり圧潰させたりすることができるようになされている。近位の保持ワイヤ178は、ステント28を近位の拘束部材144との結合状態から解放するために第一のループ172から近位方向に引き出すことができる。第一のループ172は、器具10と共に患者から引き出され且つステント28から解放される。
【0067】
遠位の拘束部材146は、図6Bにおいてステント28が拡張形態66にある状態で示されている。遠位の拘束部材146は、第一のループ182と遠位の保持ワイヤ188とを備えている。第一のループ182の一部分183は、上記した近位の拘束部材144の第一のループ172と同様な方法で内側カテーテル22に結合されている。第一のループ182のもう一つ別の部分185は、ステント28の遠位端80において1以上の頂部74に通して編み込まれていて、遠位の拘束部材146の第一のループ182が引っ張られると、上記したようにステント28の頂部74が内側シャフト22上へと圧潰される。遠位の拘束部材146はまた遠位の保持ワイヤ188をも備えており、該遠位の保持ワイヤ188は、第一のループ182の一部分と協働可能形態で係合して、第一のループ182をステント28上に解放可能に保持して、ステント28を、患者の管腔内に適正に位置決めするために近位の拘束部材144と協働して繰り返し拡張されたり圧潰されたりさせる。遠位の保持ワイヤ188は、第一のループ182から近位方向に引き出されて、ステント28を遠位の拘束部材146との結合状態から解放させることができる。第一のループ182は、器具10と共に患者から引き出されてステント28から解放される。当業者が理解できるように、近位の拘束部材144は外側シャフト24に結合されており、遠位の拘束部材146は内側シャフト22に結合されており、これらはハンドル26の近位部分58を作動させることによって等しく正反対の方向に動くことができる。
【0068】
図6E及び6Fは、遠位の拘束部材の代替的な実施形態446,546を示している。図示されていないが類似の近位の拘束部材もまた設けられている。図6Eに示されている遠位の拘束部材446は1以上のフック448を備えており、フック448は、ステント428の頂部474上に引っ掛けられてステントを内側シャフト422上に拘束している。複数のフック448が内側シャフト422上に設けられており且つステント428を定位置に均一に保持するように隔置されている。例えば4つのフックが設けられ且つ90°ずつ隔てられている。不均一な間隔と奇数のフックの数とを含むフックの個数とフック同士の間隔の他の組み合わせが採用されても良い。例えば、図6A〜6Cに関して上記した実施形態と同様に、1以上のフック448には、ステント428を給送装置400に解除可能な形態で係止するために、フック448及びステントの頂部474を通って伸長している保持ワイヤ(図示せず)が設けられても良い。
【0069】
遠位の拘束部材446はまた上記のループ82と似たループ(図示せず)をも備えており、ループ482は頂部474同士の間に編み込まれ、フック448がループ482に結合されてステント428を拘束している。フック448は、近位の拘束部材444と遠位の拘束部材446とを相互に近づく方向に進入させてステント428の張力を弱め且つフック448を解放することによって、ステントの頂部474又はループ482から解放される。フック448はまた、保持ワイヤ488を引き出し且つ例えば頂部474とフック448との間の係止を解放することによっても解放される。ステント428は、上記の実施形態に似た保持ワイヤの解放に先立って複数回に亘って拡張されたり拘束されたりする。
【0070】
図6Fは、遠位の拘束部材546を示している。遠位の拘束部材546は、ステント528の一部分を把持してステントを内側シャフト522上に拘束する1以上の把持部材550を備えている。把持部材550は、内側シャフト522上に設けられており且つ互いに隔てられていてステント528をフック428に関して上記した構造と似た位置に保持している。1以上の把持部材550には保持ワイヤ(図示せず)が設けられており、この保持ワイヤは、把持部材550及びステント528の中を通って延びていてステント528を上記の実施形態と似た給送装置500に解放可能な形態で係止している。遠位の拘束部材546はまた、上記のループ82と似たループ(図示せず)をも備えており、このループは、ステント528の頂部574間に編み込まれており、把持部材550はループに結合されてステント528を拘束している。把持部材550は、例えば把持部材550の遠位部分551を押し付けて把持部材550を撓ませて開くことによって、ステント528又はループ582から解放される。ステント528は、上記の実施形態と同様に、保持ワイヤ588を解放させる前に複数回拡張せしめられたり拘束されたりする。
【0071】
図6G及び6Hは近位の拘束部材と遠位の拘束部材との代替的な実施形態485,486を示している。該実施形態においては、近位の拘束部材485は遠位の拘束部材486と異なっている。図6G及び6Hに示されている実施形態においては、近位の拘束部材485と遠位の拘束部材486とは、互いに協働してステント28に張力をかけたり解放したりする。図6Gに示されている近位の拘束部材485は1以上のフック449を備えており、フック449は、外側のカテーテル424から薄く削がされて形成されており、ステント28の頂部474がその上に引っ掛けられてステント28を内側シャフト422上に拘束している。薄く削がれて形成されているフック449は、外側カテーテル424の外周の複数の位置に位置決めされてステント28を内側カテーテル422に対して保持している。
【0072】
図6Hに示されているように、遠位の拘束部材486は、内側カテーテル422から薄く削がされて形成された1以上のフック449を備えている。遠位の拘束部材486はまた第一のループ471をも備えており、この第一のループ471はステント28の1以上の頂部474内に編み込まれている。遠位の拘束部材486はまた第二のループ473をも備えており、この第二のループ473は第一のループ471内に編み込まれ且つ第一のループ471の複数の頂部を一緒に引き出してステント28の頂部474を内側カテーテル422に押し付けて圧潰させる。第二のループ473は内側カテーテル422上の1以上のフック449に結合されている。上記の実施形態と同様に、近位の拘束部材485と遠位の拘束部材486とは、ステント28が患者の体内に適正に位置決めされるように繰り返し拡張されたり拘束されたりされるようになされている。ここに記載され且つ図6G及び6Hに示されている近位及び遠位の拘束部材485,486はまた、遠位の拘束部材486の構造がステント28の近位部分に結合され且つ近位の拘束部材485の構造がステントの遠位部分に結合されるように逆にしても良い。
【0073】
幾つかの実施形態においては、図7A及び7Bに示されているように、補強部材67が内側シャフト22の管腔69内に取り外し可能な形態で設けられる。該補強部材は、管腔69内に取り外し可能な形態で挿入することができる心棒、カテーテル、ロッド等として設けられている。補強部材67は、ステント28が拘束形態にあるときにステント28の内方を向いた引っ張り力に対する内側カテーテル22の剛性を増すように補助するために設けられている。幾つかの実施形態においては、内側シャフト22は、体管腔内での通過を容易にするために柔軟な材料で提供される。材料が十分に軟らかい場合には、内側カテーテル22は、ステント28を内側シャフト22に対して長手方向に拘束している第一及び第二の拘束部材44,46によって付与されるステント28の引っ張り力に応答して圧潰又は変形する。補強部材67は、内側シャフト22上において長手方向に引っ張られているステント28によって内側シャフト22に対する支持を提供するのに適した剛性を有する何らかの材料によって作ることができる。シャフトを形成するための例示的な材料としては、限定的ではないが、ステンレス鋼、タンタル又はその合金、タングステン、白金、金、銅、パラジウム、ロジウム、若しくはニチノールのような超弾性合金、又はペバックス(Pebax)、ピーク(Peek)、ポリイミド、ベクトラン(Vectran)のような液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びナイロンのような十分なショア硬さを付与することができるポリマーがある。図7Aに示されているように、外側シース32は、ステントを治療部位領域へ送り込むために設けられている。外側シース32は、補強部材67が取り外され且つステント28が拘束形態40にある状態で器具10を治療部位へ送り込むために、ステントを内側シャフト22に押し付けるように圧縮している(図1参照)。補強部材67は、図7Aに示されているように、ステント28が患者の体内へ埋め込むための適切な位置の近くにあり且つ外側シースがステント28を覆っているときに、管腔69内へ挿入される。外側シース32が引き抜かれても、ステント28は近位及び遠位の拘束部材44,46によって内側シャフト22上に拘束されたままである。補強部材67は、内側シャフト22を、近位及び遠位の拘束部材44,46によってかけられる圧縮引張り力に対して支持している。
【0074】
図8は、迅速交換構造で設けられているステント給送器具10の遠位部分31の断面図である。図9A〜9Dは、図8に示されている種々の部分に沿った器具10内を通る例示的な管腔構造を内視鏡のワーキングチャネルに関して示している断面図である。ステント給送器具10においては多くの他の管腔構造が可能であり、以下の説明は非限定的な例として提供されている。内視鏡のワーキングチャネル100は図9A〜9Dにおいて点線で表わされている。図9Aはステント28の遠位側の図8における線9A−9Aに沿った断面図である。図9Aの断面図には、第一の管腔112と第二の管腔114とを備えている内側カテーテル110が示されている。ガイドワイヤ118が第一の管腔112内に示されており、第一の保持ワイヤ120が第二の管腔114内に示されている。第一の保持ワイヤ120は遠位の拘束部材46の一構成要素である。図9Bは、図8におけるステント28の近位側の線9B−9Bに沿った断面図であり、外側シャフト130の第一の管腔132内にある内側シャフト110をワーキングチャネル100に関して示している。第二の保持ワイヤ134が外側シャフト130の第二の管腔136内に示されている。第二の保持ワイヤ134は図8に示されている近位の拘束部材の一構成要素である。
【0075】
図9Cは図8の線9C−9Cに沿った断面図である。図9Cには、器具10の遠位部分31内の迅速交換ポート140が示されている。迅速交換ポート140は、外側シャフト130の第一の管腔132への及び内側シャフト110の第一の管腔112へのアクセスを提供している。図9Cに示されているように、ガイドワイヤ118は迅速交換ポート140内で交換されつつある。
【0076】
図9Dは、図8における迅速交換ポート140の近位側の線9D−9Dに沿った断面図である。図9Dには、外側シャフト130の外側及び内視鏡のワーキングチャネル100内において、ガイドワイヤ118又は迅速交換ポート140内への挿入に適しているその他の器具が示されている。内側シャフト110は、外側カテーテル130の第一の管腔132内に収納されている。
【0077】
ステント給送装置は、例えば図1に示されているように、オーバー・ザ・ワイヤ形態で提供されても良い。オーバー・ザ・ワイヤ形態おいては、内側シャフト110の第一の管腔112は内側シャフト110の近位端部分からアクセス可能である。該オーバー・ザ・ワイヤ形態においては、線9C−9C及び9D−9Dに沿ってなされた断面図は、図9Bに示されている線9B−9Bに沿ってなされた断面図と同じである。
【0078】
図10A及び10Bに示されているように、ステント給送装置200には、ステント228の拡張及び収縮を制御するための2本のワイヤ212,214が設けられている。ステント給送装置200は、内側シャフト222と装置200の近位部分227に設けられているハンドル226とを備えている。ステント228は、ステント給送装置200の遠位部分231において内側シャフト222上に配置することができる。ステント給送装置200は、任意であるが、ステント228を覆うために内側シャフト222の一部分の外周に摺動可能な形態で配置できる外側シース232を備えている。ステント給送装置200はまた、図7A及び7Bに関して上記した補強部材67に似た任意の補強部材267をも備えている。ステント228は、図10Aにおいては拘束状態240で示されている。上記のステント28と同様に、ステント228は、拘束形態240と図10Bに示されている拡張形態266との間を動くことができる。ステント228は、近位の拘束部材244と遠位の拘束部材246とによって拘束形態と拡張形態との間を動かされる。
【0079】
近位の拘束部材244と遠位の拘束部材246とは、互いに協働して、ステント228上に長手方向の張力をかけたり解放したりしてステントを拘束形態240と拡張形態266との間で動かす。図10A及び10Bに示されている実施形態においては、近位及び遠位の拘束部材244,246のワイヤ212及び214は、各々等しく且つ正反対の方向に動くハンドル部分258のアーム258A,258Bと関連して等しく且つ正反対の方向に動く。非限定的な例として、ハンドル226が開放位置264の状態で示されており、この位置で、ハンドル226は、近位の拘束部材244と遠位の拘束部材246とを第一の位置147の互いに隔てられた状態に保持して、ステント228に長手方向の力をかけて、ステント228を内側シャフト222に対して図10Aに示されている拘束形態240に保持している。図10Bにおいては、アーム258A,258Bは閉止位置252へ動かされており、近位及び遠位の拘束部材244,246は第二の位置149での互いに近づいた位置へ動かされていてステント228にかかっている張力を解放しており、その結果、ステント228は、近位の拘束部材244と遠位の拘束部材246とが依然としてステント228に結合されている状態で拡張形態226へ動く。上記の実施形態と同様に、患者の体管腔内での正しい位置が得られるまで拡張形態266と拘束形態240との間でステント228を何回も動かすことができる。
【0080】
近位の拘束部材244は、ワイヤ212とループ272と近位の保持ワイヤ278とを備えている。ワイヤ212にはループ272に重なるループが設けられており、その結果、近位の保持ワイヤ278は、近位の保持ワイヤ278が引き抜かれるまでワイヤ212とループ272とを相互に解放可能な形態で係止する。遠位の拘束部材246には、近位の拘束部材244と同様な構造で、ワイヤ214とループ282と遠位の保持ワイヤ288とが設けられている。近位の拘束ワイヤ278と遠位の拘束ワイヤ288とは、ステント228が適正に位置決めされたときに、近位方向に引き抜かれてステント228を完全に解放する。
【0081】
図11には、本発明の別の実施形態によるステント給送装置300が示されている。ステント給送装置300は、内側シャフト322と、外側シャフト324(図12参照)と、装置300の近位部分327に設けられているハンドル326とを備えている。ステント328(図12に示されている)は、給送装置300の遠位部分331において内側ステント322のステント領域330に位置決めできる。ステント給送装置300は、任意であるが、近位の外側シース332と遠位の外側シース333とを備えており、これらの外側シースは、ステント328を覆うために内側シャフト322の一部分の外周に沿って摺動可能形態で配置されている。ステント328を露出させるために、近位の外側シース332は近位方向に引き出すことができ、遠位の外側シース333は別個に遠位方向に引き出すことができる。ガイドワイヤ336は、内側シャフト322のポート338を介してステント給送装置300の遠位部分331における遠位先端341まで伸長可能である。図7A及び7Bに関して上記した補強部材67と同様に、任意の補強部材367を内側シャフト322内に挿入することができる。
【0082】
図12は、ステント給送装置300の断面図である。図12に示されているように、ステント328は、内側シャフト322に押し付けられるように圧潰された拘束形態340にある。任意の近位の外側シース332がステント328の近位部分329の外周に沿って伸長せしめられた状態で示されている。遠位の外側シース333は、ステント328の遠位部分335の外周に沿って伸長せしめられた状態で示されている。ステント328は、拘束形態340においてステント328を保持するための長手方向の引張り力を提供する近位の拘束部材344と遠位の拘束部材346とによって拘束形態に保持されている。外側シース332が設けられている場合には、この外側シース332は、近位の拘束部材344及び遠位の拘束部材346に加えてステント328に何らかの圧縮力を付与する。代替的に又は付加的に、ステント328の遠位部分335が遠位の外側シース333によって拘束されても良い。近位の拘束部材344と遠位の拘束部材346とは、ハンドル326に操作可能な形態で結合されている。ハンドル326を図11に示されている閉止位置352に解除可能な形態で係止するために係止部材353が設けられている。ハンドル326は、近位の外側シース332を図13に示されている近位方向に引き出された位置に解除可能な形態で保持するためにシース係止部材337を備えている。
【0083】
図13に示されているように、近位の外側シース332が近位方向に引き出されてステント328の近位部分329が露出されており、外側シース332はシース係止部材337を使用してハンドル326に係止されている。ステント328は、近位の拘束部材344及び遠位の拘束部材346によって拘束形態340に保持されている。遠位の外側シース333は、ステント328の遠位部分335の外周に沿って配置されている。ハンドル26は閉止位置352にある。ハンドル326のアーム358A,358Bは、内側シャフト322及び外側シャフト324に操作可能な形態で結合されていて、内側シャフト322と外側シャフト324とを相対的に動かすことができる。
【0084】
図14は、ステント328の近位部分329が拡張形態368にある状態のステント328を示している。ステント328の遠位部分335は、遠位の外側シース333によって覆われており且つ拘束されたままである。図14に示されているように、ステント328は、近位部分329を患者の管腔内に適正に配置するために近位部分329が拡張せしめられ、次いで、ステント328の遠位部分335は、遠位の外側シース333が遠位方向に引き出されることによって遠位部分335が拡張できるようにされることによって拡張せしめられる。近位の拘束部材344と遠位の拘束部材346とは両方ともが拡張形態368においてステント328に結合されたままで、ステント328が患者の管腔内に最適に位置決めされるまで拡張形態340と拘束形態368との間で再位置決めすることができる。
【0085】
図14に示されているように、アーム358A,358Bはハンドル326の開放位置364へと動かされており、ハンドル326は、次いで、内側シャフト322と外側シャフト324とを相対的に動かして、近位の拘束部材344と遠位の拘束部材346との長手方向の引っ張り力をステント328から解放する。上記した給送装置と同様に、ステント328は、近位及び遠位の拘束部材344,346の一部である保持部材378,388から取り外すことによって、近位の拘束部材344及び遠位の拘束部材346から完全に解放される。
【0086】
図15〜18には、ステント給送装置の一実施形態600が示されている。該給送装置は内側シャフト622と外側シャフト624とを備えている。図15に示されているように、ステント628は、内側シャフト622に押し付けられるように圧潰されている拘束形態640にある。近位の外側シース632は、ステント628の近位部分629の外周に沿って伸長した状態で示されている。遠位の外側シース633は、ステント628の遠位部分635の外周に沿って伸長した状態で示されている。近位及び遠位の拘束部材644,646もまた設けられている。近位及び遠位の拘束部材は、近位及び遠位の外側シース632,633と協働して作動してステント628を近位及び遠位の拘束部材644,646が第一の位置647にある状態で拘束形態640で長手方向に引っ張る。ハンドル626は、給送装置600の近位部分627に結合されており且つアーム658A,658Bを備えており且つ閉止位置652において示されている。近位及び遠位の拘束部材644,646は、ハンドル626に操作可能な形態で結合されている。近位のシース632及び遠位のシース633もまたハンドル626に操作可能な形態で結合されている。
【0087】
図16に示されているように、近位の外側シース632は、第一の引き出し位置641まで近位の方向に引き出されて、ステント628の中心部分643を露出させるがステント628の近位の部分629を依然として覆っている。遠位の外側シース633は、ステント628の遠位部分635を覆うように配置されている。ハンドル626は閉止位置652にある。ステント628は、近位の外側シース632が第一の引き出し位置641にある状態で近位及び遠位の拘束部材644,646によって拘束された形態640に留まったままである。近位及び遠位の拘束部材644,646は、任意であるが各々保持ワイヤ(図示せず)を備えている。
【0088】
図17には、ステント628の中心部分643が拡張形態667にある状態の給送装置600のステント628が図示されている。ハンドル626は、アーム658A,658Bが互いに隔てられている開放位置664で示されている。アーム658A,658Bの穴は、近位の拘束部材644と遠位の拘束部材646とをこれらが共に第二の位置649に更に近づくように作動させて動かし、ステント628の中心部分643は拡張形態667へと動かされている。オペレータはハンドル626が開かれる速度及び力を制御し、これは次いでステント628の中心部分643の拡張速度及び拡張程度を操作可能な形態で制御して、患者の管腔内でのステント628の適正な配置を容易にさせる。図17に示されているように、近位の外側シース632と遠位の外側シース633とは、各々、ステント628の近位部分629及び遠位部分635並びに近位及び遠位の拘束部材644,646を覆っている。ステント628は、ハンドル626を閉止位置652へ動かし且つ内側及び外側シャフト622,624を相対的に動かすことによって近位及び遠位の拘束部材644,646を第一の位置647へ戻すことによって、再度潰されて図16に示されている拘束形態640とされる。給送装置600はまた機械的な狭窄部拡張器として使用することもできる。ハンドル626のアーム658A,658Bに付加的な開放力をかけることによって、ステント628が狭窄部に抗して拡張されるときに、自己拡張型ステントの自己拡張力を超える付加的な径方向の拡張力が狭窄部に付与される。該付加的な径方向の拡張力は、狭窄に対するステント628の拡張作用を増す機能を果たす。
【0089】
図18には、拡張形態669にあるステント給送装置600のステント628が示されている。図示されているように、近位の外側シース632は、ステント628の近位部分629を露出させるために近位方向へ引き出されている。遠位の外側シース633は、ステント628の遠位部分635を露出させ且つステント628を患者の管腔内へ埋め込むために完全に拡張させるために、遠位方向に引き出されている。近位及び遠位の保持ワイヤが備えられている場合には、該保持ワイヤは、近位の外側シース632及び遠位の外側シース633が引き出される前、後、又は同時に引き出される。
【0090】
図19A〜19Gには遠位の拘束部材646A〜646Eの代替的な実施形態が図示されており、これらの拘束部材は、上記した遠位の拘束部材646と同じように作動してステント628を拘束形態640と拡張形態667,669との間を動かす。図示されていないが、遠位の拘束部材646A〜646Eの実施形態の各々について同様の近位の拘束部材も設けられており、該近位の拘束部材は外側シャフトに結合されており且つ遠位の拘束部材646A〜646Eと協働して動作する。遠位部分のみを参照する。図19Aに示されている遠位の拘束部材646Aは、内側シャフト622上に高摩擦面650を備えている。非限定的な例として、高摩擦面650は、摩擦係数が高い材料又は剥がすことができる接着剤からなるコーティングとすることができる。高摩擦面650は、内側シャフト622と遠位の外側シース633との間に配置されて、ステント628の遠位部分635が内側シャフト622に剥離可能な形態で係止されている。遠位の外側シース633がステント628の遠位部分635を覆うように配置された状態で、ステント628は、図16及び17に示されているように拡張形態667と拘束形態640との間を動かされる。ステント628は、遠位の外側シース633を遠位方向に引き出すことによって内側シャフト622から解放され、その結果、ステント628の遠位端635が露出され且つ拡張せしめられる。
【0091】
図19B〜図19Dに示されている遠位の拘束部材の代替的な実施形態646Bは、内側シャフト622上に機械的固定部材660を備えている。非限定的な例として、機械的固定部材660は、少なくとも1つのタブ664を備えているチューブ662を備えている。遠位部分635におけるステント628のワイヤは、タブ664の外周の定位置に解除可能に保持されており、遠位の外側シース633は、ステント628の遠位部分635の外周に配置された状態で示されている。機械的固定部材660の断面が図19Bに示されており、機械的固定部材660の長手方向断面が図19Cに示されている。タブ664の他の形状及びパターンもまた使用することができる。チューブ662は内側シャフト622にクリンプ若しくは接着されており、タブ664は当業者に公知の他の手段によって内側シャフト622に結合されている。遠位の外側シース633がステント628から遠位方向に引き出されてステントが拡張形態669に向けて解放されると、ステント628の遠位部分635は自動的にタブ664から分離される。
【0092】
図19Eに示されている遠位の拘束部材の代替的な実施形態646Cは、内側シャフト622上にスリーブ部材670を備えている。スリーブ部材670は高摩擦面650と似た高摩擦材料によって作られている。スリーブ部材670は、ステント628と遠位の外側シース633との間に配置されて、ステント628の遠位部分635が内側シャフト622に解除可能に係止されるようになされている。ステント628は、遠位の外側シース633とスリーブ部材670とを遠位方向に引き出すことによって内側シャフト622から解放され、その結果、ステント628の遠位端635が露出され且つステント628が拡張形態669へと拡張せしめられる。
【0093】
遠位の拘束部材の代替的な実施形態646Dが図19Fに示されている。遠位の拘束部材646Dは、各々が、線682に結合されている少なくとも1つのビード680を備えている。線682は、内側シャフト622に結合されており且つ遠位部分635においてステント628のループ内を通って延びている。内側シャフト622は差込口684を備えており、この差込口684は、ビード680を収容できる大きさ及び形状とされ且つ遠位の外側シース633がステント628の遠位部分635の外周に沿って摺動できるようにされている。ビード680は差込口684内に配置されており、遠位の外側シース633はビード680の外周を覆っていて、ステント628を拘束形態640に解除可能に保持している。ステント628は、遠位の外側シース633を遠位方向に引き出し且つビード680を差込口680から解放することによって内側シャフト622から解放され、その結果、ステント628が解放され、線682に結合されているビード680はステント628のループを介して引き出され且つステント628は拡張形態640にある状態で内側シャフト622に留まったままとなる。
【0094】
遠位の拘束部材の代替的な実施形態646Eが図19Gに示されており、該遠位の拘束部材646Eは、ステント628のループを通って延びている保持ワイヤ688を遠位部分635に備えている。遠位の外側シース633はステントのループを介して保持ワイヤ688を覆うように配置されており、その結果、ステント628の遠位部分635は内側シャフト622に解除可能な形態で係止されている。ステント628は、遠位の外側シース633を遠位方向に引き出し且つ保持ワイヤ688を近位方向に引き出すことによって内側シャフト622から解放される。ステント628の遠位端635は露出され且つ解放され、ステント628は拡張して拡張形態669となる。
【0095】
図20〜22に示されているように、ステント給送装置700には解放部材もまた備えられていても良い。図20に示されているように、ステント給送装置700は、内側カテーテル722、外側カテーテル724、及びステント728を備えている。給送装置700はまた近位の拘束部材744及び遠位の拘束部材746をも備えている。図20に示されているように、近位の拘束部材744は、外側カテーテル724上に設けられているフック748とステント728内に編み込まれているループ772とを備えている。遠位の拘束部材746は、内側カテーテル上に設けられているフック748とステント728内に編み込まれているループ782とを備えている。近位の拘束部材744と遠位の拘束部材746とは、ステント728を内側カテーテル722に解除可能形態で保持し且つステント728の繰り返しの拡張及び圧縮を可能にしている。図20においては、ステント728は拡張形態766で示されている。
【0096】
ステント給送装置700はまた、内側カテーテル722とステント728との間に配置されている解放部材750をも備えている。解放部材750は、内側カテーテル722の外周を自由に遊動する管状部材として設けられている。ステント700は、内側カテーテル722と外側カテーテル724とが相互に近づくように内方へ押されて拘束部材744,746が相互に更に近接せしめられて配置されてステント728上の張力が解放され且つステント728が拡張形態766へと拡張された状態で示されている。ひとたびステントが患者の体内に適正に位置決めされると、ループ772,782は、近位の拘束部材744と遠位の拘束部材746とを相互により近づく方向に更に押すことによって解放部材750が近位部分と遠位部分との両方の上のフック748と接触せしめられ且つループ772,782がフック748から解放されるようにすることによってフック48から完全に解放され、ステント728が給送装置700から完全に解放される。ハンドル(図示せず)は、拘束部材744,746の拡張位置及び拘束部材744,746の完全な解放位置を指示するためのストッパ又はインジケータを備えている。
【0097】
図21には、近位の拘束部材764と遠位の拘束部材768との一部分として近位のループ又は遠位のループを備えていない実施形態における解放部材750を備えている給送装置701が示されている。図21に示されているように、給送装置701は、内側カテーテル722、外側カテーテル724、ステント728、並びに各々外側カテーテル724と内側カテーテル722とに結合されている近位の拘束部材764及び遠位の拘束部材768を備えている。図示されている給送装置701はまた、近位の外側シース732と遠位の外側シース733とを備えており、これらの外側シースは、各々、図21に示されている圧縮形態740においてステント728を内側カテーテル722に押し付けて圧縮している。近位及び遠位の外側シース732,733は、近位端及び遠位端に摩擦嵌合部分又はばねを備えていて、例えば、内視鏡又は体管腔を介して給送装置710を挿入する際にステント728を内側カテーテルに対して拘束された状態に保つ。解放部材750は、内側カテーテル722とステント728との間に配置されていて自由に動くことができる。
【0098】
近位及び遠位の拘束部材764,768は1以上のフック748を備えており、これらのフック748は、ステント728の頂部774に通されて引っ掛けられてステント728を内側カテーテル722に対して保持している。上記したように、ステント728は、外側シース732,733がステント728の端部の外周に配置されている間に近位及び遠位の拘束部材764,768を内方へ動かすことによって拡張形態766へと拡張せしめられ、ステント728が患者の体内に適正に位置決めされるまでステント728の再拘束を可能にしている。ステント728が患者の体内に適正に位置決めされた状態で、近位及び遠位の拘束部材764,768は、相対的に近づくように更に内方へ動かされ、解放部材750がフック748を押圧して該フック748をステント728から解放させる。近位及び遠位の外側シース732,733はまた、近位及び遠位の拘束部材764,768が相対的により近づく方向に移動し且つステント728が完全に拡張せしめられる際に、解放部材750と接触することによってステントから変位せしめられる。
【0099】
ステント給送装置の別の実施形態702が図22に示されている。ステント給送装置702は、内側カテーテル722、ステント728、及び解放用カテーテル751を備えている。遠位の拘束部材771が示されており、該遠位の拘束部材771は、遠位先端741に結合されている遠位の外側シース772と、内側カテーテルを包囲しており且つ内側カテーテルとステント728との間に配置されている円形部材773とを備えている。ステント728は、円形部材773と遠位の外側シース772との間に配置されている。ステント728とシース772との間の摩擦は、ステント728と円形部材773との間の摩擦よりも大きい。解放部材750は内側カテーテル722を包囲しているカテーテルとして設けられている。解放部材750は、遠位方向に押されてステント728を遠位の拘束部材771から解放させることができる。
【0100】
幾つかの実施形態においては、図23及び24に示されているようにステントが予め引っ張り力がかけられている形態で送り込まれ且つステントが再被覆又は再圧潰できないステント給送装置が設けられる。図23にはステント給送装置800が示されており、該ステント給送装置は、内側カテーテル822と、該内側カテーテル上に取り付けられているステント828と、外側シース832とを備えている。ステント828は、近位及び遠位の拘束部材844,846を使用して張力がかけられた拘束形態840で設けられている。図23に示されているように、近位の拘束部材844は高摩擦面845を備えており、この高摩擦面845は、内側カテーテル822とステント828との間において内側カテーテル822上に設けられている。遠位の拘束部材846は少なくとも1つのフック847を備えており、該フックは、ステント828のループ874内を通って延びていて、近位の拘束部材844と組み合わせてステント828を内側カテーテル822に拘束された状態に保持している。外側シース832は、ステント828の外周に沿って摺動することができ且つ患者の体内位置へ給送中にステント828を覆う。ステント828を拡張形態(図示せず)に向けて解放するためには、外側シースが近位方向に引き出され、遠位の拘束部材846が露出され、これに続いて近位の拘束部材844が露出される。ひとたび近位の拘束部材が外側シース832によって解放されると、ステント828は、拡張し且つ長手方向の引張り力が取り除かれて近位及び遠位の拘束部材844,846の両方によって解放される。当業者は、近位の拘束部材844と遠位の拘束部材846との実施形態は、高摩擦面845が遠位の拘束部材846によって提供され且つ少なくとも1つのフック847が近位の拘束部材844によって提供されるように逆にしても良いことがわかるであろう。外側のシース832は、遠位方向に引き出してステント828上の長手方向の引張り力を解放することができる。ステント給送装置801においては何らかのタイプの近位及び遠位の拘束部材が提供され、これらの拘束部材は、ステント828に長手方向の張力を付与して、患者の体内部位へ送り込むために該ステント828を内側カテーテル822に拘束された状態に保持する。例えば、図19A〜19Gに示され且つ上記した拘束部材がステント給送装置800に設けられても良い。
【0101】
ステント給送装置801が図24示されており、この給送装置801は、内側カテーテル822と、内側カテーテル822上に拘束形態840で配置されているステント828とを備えている。ステント給送装置801はまた近位及び遠位の拘束部材854,856をも備えている。近位の拘束部材854と遠位の拘束部材856とは、両方とも少なくとも1つのフック859を備えており、このフック847は、ステント828のループ874を通って延びていてステント828を内側カテーテル822に対して長手方向に引っ張られた状態に保持している。フック859は内側カテーテル822から薄く削がされて形成されている。複数フック859が設けられており、これらのフックは内側カテーテル822の周りに隔置されていて、ステント828を拘束された形態に保持するのを補助している。近位の拘束部材854は更に解放線862を備えており、この解放線862は近位の拘束部材のフック859に結合されている。解放線861が、給送装置801の近位部分まで延びており且つ近位方向に引っ張ってフック859を近位の拘束部材844からのステントのループ874から解放し且つステント828を拘束された形態840から解放する。同様に、遠位の拘束部材は遠位の解放線862を備えており、該解放線862は、給送装置801の近位部分まで延びており且つ近位方向に引っ張ってフック859を遠位の拘束部材856のステントのループ874から解放し且つステント828を拘束された形態840から解放する。ステント給送装置801は更に、近位の拘束部材854、遠位の拘束部材856、又はそれら両方(図示せず)上にループを備えており、該ループは、ステント828のループ874を通して編み込まれ、次いで、図5A〜5C及び6Hに関して上記したループと同様にフック859に結合されている。給送装置801はまた外側シース(図示せず)をも備えている。
【0102】
図27A〜27Cには、本発明の実施形態によるステント給送装置1000が示されている。ステント給送装置1000は、内側シャフト1022と、外側シャフト1024と、装置1000の近位部分1027に設けられているハンドル1026とを備えている。ステント1028を給送装置1000の遠位部分1031において内側シャフト1022のステント領域1030上に配置することができる。ステント給送装置1000は、任意であるが、外側シャフト1024の一部分を覆うように摺動可能形態で配置することができる外側シースと、ステント領域1030及びステント1028を覆う内側シャフト1022とを備えている(例えば図1及び2を参照のこと)。図1に示されている実施形態と同様に、ステント給送装置1000はまた、1以上の放射線不透過性マーカー、及び内側シャフト1022のポート1038を通り且つ給送装置1000の遠位部分1031に設けられている遠位先端1041を貫通して延びることができるガイドワイヤをも備えている。
【0103】
図27Aには、ステント1028が内側シャフト1022に押し付けられるように圧潰されている拘束形態1040にある状態のステント給送装置1000が図示されている。ステント1028は、患者の管腔内へ送り込むためにステント給送装置1000上にクリンプされるか、さもなければステント給送装置1000上に配置される機械的に拡張可能なステントである。該ステントは、当業者に公知の何らかの材料によって作られており、例えば、ニチノールのような金属材料又はプラスチック材料によって作られている。ステント給送装置1000はまた、内側シャフト1022及び外側シャフト1024に操作可能な形態で結合されている拡張可能な部材1025をも備えている。この拡張可能な部材1025は二重らせんメッシュのような編み上げメッシュによって形成されている。該メッシュは金属のような適当な材料によって作られている。幾つかの実施形態においては、拡張可能な部材1025は、拡張可能であり且つステント1028をも拡張させる十分な強度を有している高分子材料によって作られている。拡張可能な部材1025は、内側シャフト1022と外側シャフト1024とを相対的に動かすことによって機械的に拡張させることができる。例えば、拡張可能な部材1025の第一の端部1029は外側シャフト1024に操作可能な形態で結合されており、拡張可能な部材1025の第二の端部1033は内側シャフト1022に操作可能な形態で結合されている。拡張可能な部材1025は、当業者に公知の何らかの技術を使用して内側シャフト1022及び外側シャフト1024上に保持されている。該結合は、例えば、ボンディング、溶接、接着等によって分離不可能とすることができ、又は上記したものと似た拘束部材を使用して分離可能とすることができる。ステント1028が機械的に拡張可能である幾つかの実施形態においては、拡張可能な部材1025は、内側シャフト1022及び外側シャフト1024に分離不可能な形態で結合されている。
【0104】
図27Bに示されているように、拡張可能な部材1025は、径方向に拡張せしめられてその上に配置されているステント1028を拡張形態1066へと拡張させることができる。拡張可能な部材1025は、外側シャフト1024を遠位方向へ動かし且つ内側シャフト1022を近位方向へ動かすことによって拡張させることができ、その結果、端部1029,1033は相対的に近づく方向に動かされ且つ拡張可能な部材1025は軸線方向に伸びる。幾つかの実施形態においては、第一の端部1029は内側シャフト1022に結合されており、第二の端部1033は外側シャフト1024に結合されており、その結果、内側シャフト1022が遠位方向に動かされ且つ外側シャフト1024が近位方向に動かされたときに拡張可能部材1025の拡張が生じる。幾つかの実施形態においては、拡張可能な部材1025は二重らせんメッシュのような編み上げメッシュによって作られている。拡張可能な部材1025の拡張量及び拡張速度はハンドル1026の動きによって制御される。幾つかの実施形態においては、内側シャフト1022及び外側シャフト1024は、正反対の方向へ等しく動かされてステント1028が拡張可能な部材1025によって径方向に拡張せしめられたときにステント1028の中間点1035が同じ位置にとどまるようになされている。幾つかの実施形態においては、内側シャフト1022又は外側シャフト1024のうちの一方がステント1028を径方向に拡張させるように動かされる。ハンドル1026は、ハンドル1026を解除可能に係止するために上記した係止部材を備えている。
【0105】
図27Cに示されているように、ステント1028は拡張形態1066で示されており、この拡張形態1066においては、ステント1028は拡張されて内側シャフト1022から分離されており且つ患者の管腔内に位置決めされているステント1028を表わしている。内側シャフト1022と外側シャフト1024とは、相対的に動かされて拡張可能な部材1035が内側シャフト1022に押し付けられるように圧潰されており且つ給送装置1000は患者の管腔から取り外されている。
【0106】
図28A及び28Bには、機械的な拡張器装置1100の実施形態が図示されている。
機械的な拡張器装置1100は、内側シャフト1122と、外側シャフト1124と、該装置1100の近位部分1127に設けられているハンドル1126とを備えている。拡張器装置1100はまた拡張可能な部材1125をも備えており、この拡張可能な部材1125は、内側シャフト1122及び外側シャフト1124に操作可能な形態で結合されている。拡張可能な部材1125は二重らせんメッシュのような編み上げメッシュによって作られている。該メッシュは金属のような適当な材料によって作ることができる。幾つかの実施形態においては、拡張可能な部材1125は、内側及び外側シャフト1122,1124の動きに応答して拡張させることができる高分子材料によって作られている。拡張器装置1100は任意であるが外側シースを備えており、該外側シースは、外側シャフト1124及び内側シャフト1122の一部分の外周に摺動可能形態で配置して拡張可能な部材1125を管腔位置へと給送するために覆うことができる。(例えば、図1及び2を参照のこと)。図1に示されている実施形態と同様に、拡張器装置1100はまた、1以上の放射線不透過マーカーと、内側1122のポート1138を通り且つ拡張器装置1100の遠位部分1131における遠位先端1141を通って伸長可能なガイドワイヤとを備えている。
【0107】
図28Aに示されているように、拡張可能な部材1125は、圧潰された形態1140に配置されており、圧潰された形態1140においては、該拡張可能な部材は、例えば、血管又は気道のような患者の管腔内を送り込むために内側シャフト1122に対して押し付けられるように圧潰される。拡張可能な部材1125は、内側シャフト1122と外側シャフト1124とを相対的に動かすことによって機械的に拡張せしめられる。例えば、拡張可能な部材1125の第一の端部1129は外側シャフト1124に操作可能な形態で結合されており、該拡張可能な部材1125の第二の端部1133は内側シャフト1122に操作可能な形態で結合されている。拡張可能な部材1125は、当業者に公知の何らかの技術を使用して内側及び外側シャフト1122,1124上に保持されている。結合は、例えばボンディング、
溶接、接着等によって分離不可能状態になされている。
【0108】
図28Bに示されているように、拡張可能な部材1125は拡張形態1166へと径方向に拡張される。拡張可能な部材1125は、外側シャフト1124を遠位方向へ動かし且つ内側シャフト1122を近位方向へ動かすことによって拡張せしめられ、その結果、端部1129,1133が相対的に近づく方向に動かされ且つ拡張可能な部材1125が軸の方向で拡張する。幾つかの実施形態においては、第一の端部1129は内側シャフト1122に結合されており、第二の端部1133は外側シャフト1124に結合されており、その結果、内側シャフト1122が遠位方向に動かされ且つ外側シャフト1124が近位方向に動かされたときに、拡張可能な部材1125の拡張が生じる。拡張可能な部材1125の拡張量及び拡張速度はハンドル1126の動きによって制御される。幾つかの実施形態においては、内側シャフト1122及び外側シャフト1124は正反対の方向に等しく動かされ、その結果、拡張可能な部材1125が径方向に拡張せしめられる際にこの拡張可能な部材1125の中間点1135は同じ位置にとどまったままである。幾つかの実施形態においては、内側シャフト1122又は外側シャフト1124のうちの一方が拡張可能な部材1125を径方向に拡張させるように動かされる。ハンドル1126は、このハンドル1126を解除可能に係止するために上記した係止部材を備えている。
【0109】
バルーン拡張器の代わりに機械的拡張器装置1100を使用することができ、該機械的拡張器装置1100はバルーンを収縮させるよりも迅速に内側シャフト1122に押し付けられるように容易に圧潰されるので有利である。更に、拡張可能な部材がメッシュによって作られている場合には、拡張形態1166における血液及び空気が拡張可能な部材1125の中を通ることができ、これは拡張されたバルーンの場合には不可能である。幾つかの実施形態においては、拡張可能な部材1125はまた翼部又はその他の突出部をも備えており、該翼部又は突出部は、拡張部材が拡張形態1166にあり且つ拡張器装置1100がアンカー器具(図示せず)として使用されている場合に該拡張可能な部材1125を管腔内の定位置に保持する補助となる。
【0110】
ここに記載されているステント給送装置及び機械的拡張器装置の構成部品を製造するために使用される材料は、患者の体内での使用に適している当業者に公知の何らかの材料とすることができる。非限定的な例として、特に低摩擦の外側シースが望ましい場合には、シャフト及びシースはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって作ることができる。透明性のためにはナイロン及びHDPEを使用しても良い。付加的に可能な材料としては、限定的ではないが、ポリエチレン・エーテルケトン(PEEK)、弗素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロキシアルコキシ重合体樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、高密度若しくは低密度ポリエチレン、及び多層構造又は単層構造を含むナイロンなどがあり、これはまた、補強ワイヤ、編み線、コイル、コイルばね、及び/又はフィラメントをも含んでいる。ステントは、限定的ではないが、ニチノ―ルチタン合金、例えば、ニチノール、ステンレス鋼、コバルト合金、及びチタン合金によって作ることができる。拘束部材のループは、当該技術において公知の一般的な縫合材料、例えば、4−0テブデック(Tevdek;商標登録)のようなポリエステル縫合糸、ナイロン、シルク、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン(UHMPE)等によって作ることができる。縫合糸は、モノフィラメント、編み上げられた又は撚られたフィラメント、又はマルチフィラメントとすることができる。ループ及び保持ワイヤもまた、ステンレス鋼又はニッケルチタンのような金属合金によって作ることができる。幾つかの実施形態においては、ステント、ループ及び/又は保持ワイヤは、生分解性の材料によって作ることができる。多数の生体吸収性のホモポリマー、コポリマー、又は生体吸収性ポリマーの混合物が医療技術において知られている。これらとしては、必ずしも限定的ではないが、ポリ−αヒドロキシポリエステル及びポリ−βヒドロキシポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリグルコール酸、ポリエーテル・エステル、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリオキサエステルを含むポリエステル;ポリフォスファゼン;ポリアンハイドライト;ポリトリメチレン・カーボネイト及びポリ(イミノカーボネイト)を含むカーボネイト:ポリエステルアミド;ポリウレタン;ポリイソシアネート;ポリフォスファジン;ポリグリコール・ポリオルソエステルを含むポリエーテル;ポリエチレン・オキサイドを含むエポキシポリマー;セルロース、キチン、デキストラン、スターチ、ヒドロキシエチル・スターチ、ポリグルコネート、ヒアルロン酸を含む多糖類;ポリアミノ酸、ポリエステルアミド、ポリグルタミン酸、ポリ−リシン、ゼラチン、フィブリノーゲン、カゼイン、コラーゲンを含むポリアミドがある。
【0111】
幾つかの実施形態においては、外側シャフト24は、任意であるが、例えばステント28が配備されるか又は再度シースをかぶせられたときに外側シャフト24が伸びたり圧縮されたりするのを減じるための補強部材を備えている。例示的な補強部材が図25A〜25Cに示されている。図25Aは外側シャフト24の断面図であり、該外側シャフト24は、外側シャフト24に沿って長手方向に延びている複数の螺旋状の編組線902を備えている。幾つかの実施形態においては、該編組線はナイロンによって作られている。図25Bにおいて断面図で示されているように、外側シャフト24は、複数の螺旋状の編組線902を備えており且つ外側シャフト24の少なくとも一部分に沿って長手方向に延びているハイポチューブ904をも備えている。図25Cは、外側シャフト24の断面図であり、該外側シャフト24は、複数の螺旋状の編組線902と複数の長手方向ワイヤ906とを備えている。ワイヤ906は如何なる材料で形成しても良い。
【0112】
ここに記載されている構成要素のいずれに対しても、他の適切な生体適合性の材料も使用できる。
【0113】
図5Dに関して上記したように、溝穴29は、その中にワイヤ78を保持するためにマーカー25内に設けられている。幾つかの実施形態においては、溝穴29は、図26Aに示されているように、面に近接している管腔952によって押し出されるチューブ950から始めることによって形成される。スタイレットが管腔950内に挿入され、該スタイレットはチューブの壁を外方へ変形させる。余分の材料はブレードによって削り取られる。図26Bに示されているように、溝穴29は余分の材料を除去することによって形成されており、溝穴29内にワイヤ78が配置される。
【0114】
本発明のステント給送装置の動作を、非限定的な例としてのステント給送装置10を参照して説明する。装置を作動させる代替的な方法を使用することもできる。ステント給送装置10は滅菌パッケージ状態で提供される。ステント28はパッケージ内に拡張形態66又は拘束形態40で提供される。例えば、幾つかのステント材料は、輸送中及び貯蔵中に長手方向の引っ張り力がステントに力をかかっている状態で且つ拘束形態40で貯蔵される場合には、脆弱化されるか別の場合には変形する。外側シース32が設けられている幾つかの実施形態においては、外側シース32は、近位及び遠位の拘束部材44,46がステントを引っ張らない状態でステント28をステント領域30上の定位置に保持するために設けられている。例えば、装置10には解放状態60にあるハンドル26が設けられ且つ内側シャフト22上のステント28を覆うように外側シース32が設けられている。装置10の遠位部分31を患者の体内に挿入する前に、オペレータは、ハンドル26を閉止位置52へ動かし且つ近位及び遠位の拘束部材44,46を使用してステント28に長手方向の引っ張り力をかけてステント28を内側シャフト22に押し付けて拘束する。ステント28は、シースが無い場合には拡張形態66で設けられると共に、ハンドル26を患者の体内へ送り込む前に閉止位置52へと作動させることによって拘束形態40へ動かされる。
【0115】
ステント28を同時に解放することにより、ステント28を患者の管腔内に配置するのに最小の蛍光透視を使用することができる。ステント28の同時解放とは、ステント28が解放されたときに、ステント28の中心点が内側シャフト22上での拘束形態40にあり、その結果、ステント28が、ステント28の既知の中心点に基づいて正確に位置決めできることを意味している。ひとたび配置位置が決定されると、ステント28の配置中に蛍光透視は必要とされない。治療部位における患者の管腔内の狭窄部の長さは蛍光透視を使用して測定される。次いで、ステント28は内視鏡のみを使用して管腔内の正確な位置に配置することができる。
【0116】
外側シース32は二つの異なる組の距離測定用マーキング37,39を備えており、その一方の組は、外側シース32がステント28を覆っているときに使用されるべきものであり、もう一方の組は、外側シース32が引き抜かれ且つハンドル26に係止されるときに使用されるべきものである(図2及び3参照)。マーキング37,38は、例えば、2つの寸法が容易に特定できるように異なる色とすることができる。オペレータは、切歯から狭窄部の中心点までの距離を測定する。ステント給送装置10は、第一の組のシースマーキング37を使用して患者の体内に挿入され、切歯からの距離を測定することによって拘束されたステント28を狭窄部内に配置する。シース32は近位方向に引き抜かれ且つハンドル26に係止されてステント28が露出される。ひとたびシース32が引き抜かれると、第二の組のマーキング39が使用されて狭窄部と切歯との間の距離が測定され、ステント28が依然として狭窄部に対して正しい位置にあることが確保される。外側シース32はステント28を配備するために使用されていないので、マーキング37,39は、シースの外側に明確に配置させることができ、外側シースは、ハンドル26に係止し且つ患者の切歯に対して静止状態に保持されてステントの配置の精度を増すことができる。
【0117】
内視鏡は、オペレータが狭窄部の近位側を見ることができるように管腔内に位置決めされている。ガイドワイヤ36が該狭窄部内に挿入され、内視鏡は取り外される。狭窄部の測定値に基づいて適切な長さのステント28が選択される。オペレータは、ステント28が内側シャフト22上に拘束された形態で、ステント給送装置の遠位部分31を患者の管腔内に挿入する。ガイドワイヤ36が最初に挿入されて治療部位までの蛇行した経路を誘導し、装置10がガイドワイヤ36の外周に沿って治療部位まで送り込まれる。次いで、内視鏡が装置10に隣接し且つ平行な患者の管腔内に配置される。別の方法として、ステント給送装置10は、管腔の大きさ及び位置に応じて内視鏡のワーキングチャネルを介して患者の管腔内へ挿入されても良い。
【0118】
内視鏡の覗き穴が治療部位の狭窄部の近位端を特定するために使用される。ステント領域30は治療箇所の管腔内に位置決めされる。比較的柔らかい内側シャフト22を備えている実施形態においては、補強部材67が内側シャフト22の管腔69内に挿入されて長手方向に引っ張られたステントのための支持部を提供する。外側シャフトが存在する場合には、外側シース32は近位方向に引き出され、拘束形態40にあるステント28が患者の管腔内で露出せしめられる。拘束されたステント28が管腔内を動かされてステント28は治療部位に正しく位置決めされる。ハンドル部分58を開放位置64へと動かして近位及び遠位の拘束部材44,46をステント28上の長手方向の引っ張り力を解放する第二の位置49へと動かすことによって、ステント28は拡張形態66へと動かされる。拡張せしめられたステント28の位置は内視鏡を使用して監視される。オペレータがハンドル26の近位部分58を閉止位置52へ動かし且つ近位及び遠位の拘束部材44,46を第一の位置47へ戻し、例えば、ステント28が不正確に位置決めされている場合にステント28を内側シャフト22に押し付けて長手方向に引っ張ることによって、ステント28は拘束形態40へ戻すことができる。ステント28は、必要に応じた回数だけ拘束形態40から拡張形態66へと動かすことができる。
【0119】
ひとたび患者の管腔内でのステント28の適切な位置決めがなされると、近位及び遠位の保持ワイヤ78,88は、ステント28から近位方向に引き出されてステント28が近位及び遠位の拘束部材44,46から完全に解放される。給送装置10が患者から近位方向に引き出されて内視鏡が取り外される。
【0120】
上の図面及び開示は例示的なものであり且つ排他的なものでないことを意図している。この説明は、当業者に多くの変更例及び代替例を示唆するであろう。このような変更例及び代替例の全てが特許請求の範囲の範囲内に包含されることを意図されている。当該技術に関係する者は、ここに記載されている特別な実施形態の他の等価物であって同じく添付の特許請求の範囲によって包含されることを意図されている等価物がわかるであろう。
【符号の説明】
【0121】
10 ステント給送装置、 22 内側シャフト、内側カテーテル、
24 外側シャフト、外側カテーテル、 25 マーカー、
26 ハンドル、 27 装置の近位部分、
28 ステント、 29 溝穴、
30 ステント領域、 31 装置の遠位部分、
32 外側シース、 34 放射線不透過マーカー、
36 ガイドワイヤ、 38 内側シャフトのポート、
40 拘束状態、 41 遠位端、
42 外面、 44 近位の拘束部材、
46 遠位の拘束部材、 47 第一の位置、
49 第二の位置、 52 ハンドルの閉止位置、
53 係止部材、 54 シース制御部、
56 中間位置、 58 ハンドルの近位部分、
58A,58B アーム、 60 第二の取り付け中間点、
62 距離、 66 拡張形態、
67 補強部材、 69 内側シャフトの管腔、
70 ステントの近位端部分、 72 第一のループ、
74 頂部、 76 第二の保持ループ、
78 近位の保持ワイヤ、 79 管状部材、
80 ステントの遠位端部分、 82 第一のループ、
86 第二の保持ループ、 88 遠位の保持ワイヤ、
100 内視鏡のワーキングチャネル、 110 内側カテーテル、
112 第一の管腔、 114 第二の管腔、
118 ガイドワイヤ、 120 第一の保持ワイヤ、
130 外側シャフト、 132 外側シャフトの第一の管腔、
134 第二の保持ワイヤ、 136 第二の管腔、
140 迅速交換ポート、 144 近位の拘束部材、
146 遠位の拘束部材、 147 第一の位置、
172 第一のループ、 173 ループの一部分、
175 ループの別の部分、 178 近位の保持ワイヤ、
180 外側カテーテルの穴、 182 第一のループ、
183 第一のループの一部分、 188 遠位の保持ワイヤ、
200 ステント給送装置、 212 ワイヤ、
214 ワイヤ、 222 内側シャフト、
224 外側シャフト、 226 ハンドル、
227 ステント給送装置の近位部分、
228 ステント、 232 外側シース、
240 拘束状態、 241 遠位先端、
244 近位の拘束部材、 246 遠位の拘束部材、
258 ハンドル部分、 258A,258B アーム、
266 拡張状態、 267 補強部材、
269 内側シャフトの管腔、 272 ループ、
278 近位の保持ワイヤ、 282 ループ、
288 遠位の保持ワイヤ、 300 ステント給送装置、
322 内側シャフト、 324 外側シャフト、
326 ハンドル、 328 ステント、
329 ステントの近位部分、 330 ステント領域、
331 装置の遠位部分、 332 近位の外側シース、
333 遠位の外側シース、 335 ステントの遠位部分、
336 ガイドワイヤ、 337 シース係止部材、
338 ポート、 340 拘束形態、
341 遠位先端、 344 近位の拘束部材、
346 遠位の拘束部材、 353 係止部材、
358A,358B アーム、 364 ハンドルの開放位置、
368 拡張形態、 378 保持部材、
388 保持部材、 400 給送装置、
422 内側シャフト、内側カテーテル、
424 外側カテーテル、 428 ステント、
446 遠位の拘束部材、 448 フック、
449 フック、 471 第一のループ、
473 第二のループ、 474 ステントの頂部、
485 近位の拘束部材、 486 遠位の拘束部材、
500 給送装置、 522 内側シャフト、
528 ステント、 546 遠位の拘束部材、
550 把持部材、 551 把持部材の遠位部分、
574 頂部、 600 ステント給送装置、
622 内側シャフト、 624 外側シャフト、
627 近位部分、 628 ステント、
629 ステントの近位部分、 632 近位の外側シース、
633 遠位の外側シース、 635 ステントの遠位部分、
640 拘束形態、 641 第一の引き出し位置、
643 ステントの中心部分、 644 近位の拘束部材、
646 遠位の拘束部材、
646A,646C,646D,646E 遠位の拘束部材、
649 第二の位置、 647 第一の位置、
650 高摩擦面、 652 閉止位置、
658A,658B アーム、 660 機械的固定部材、
664 閉止位置、タブ、 667 拡張形態、
669 拡張形態、 670 スリーブ部材、
680 ビード、 682 線、
684 差込口、 688 保持ワイヤ、
700 ステント給送装置、 701 ステント給送装置、
702 ステント給送装置、 722 内側カテーテル、
724 外側カテーテル、 728 ステント、
732 近位の外側シース、 733 遠位の外側シース、
740 圧縮形態、 741 遠位先端、
744 近位の拘束部材、 746 遠位の拘束部材、
748 フック、 750 解放部材、
751 解放用カテーテル、 764 近位の拘束部材、
766 拡張形態、 768 遠位の拘束部材、
771 遠位の拘束部材、 772 ループ、遠位の外側シース、
773 円形部材、 774 ステントの頂部、
782 ループ、 800 ステント給送装置、
801 ステント給送装置、 822 内側カテーテル、
828 ステント、 832 外側シース、
840 拘束形態、 844 近位の拘束部材、
845 高摩擦面、 846 遠位の拘束部材、
847 フック、 854 近位の拘束部材、
856 遠位の拘束部材、 859 フック、
861 解放線、 862 解放線、
874 ループ、 902 編組線、
904 ハイポチューブ、 906 ワイヤ、
950 管腔、 952 管腔、
1000 ステント給送装置、 1022 内側シャフト、
1024 外側シャフト、 1025 拡張可能な部材、
1026 ハンドル、 1027 拡張器装置の近位部分、
1028 ステント、 1029 拡張可能な部材の第一の端部、
1030 ステント領域、 1031 給送装置の遠位部分、
1033 拡張可能な部材の第二の端部、
1035 ステントの中間点、 1038 ポート、
1040 拘束形態、 1041 遠位先端、
1066 拡張形態、 1100 拡張器装置、
1122 内側シャフト、 1124 外側シャフト、
1125 拡張可能な部材、 1126 ハンドル、
1127 拡張器装置の近位部分、 1129 拡張可能な部材の第一の端部、
1131 隔置容器装置の遠位部分、
1133 隔置用可能な部材の第二の端部、
1135 拡張可能な部材の中間点、
1138 ポート、 1140 圧潰形態、
1141 遠位先端、 1166 拡張形態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部分、遠位部分、少なくとも部分的に貫通して延びている管腔、及び前記遠位部分に設けられているステント収容部分と、を備えている細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記ステント収容部分に配置され、拘束形態と拡張形態とを有するステントと、
前記ステントの近位部分に解除可能な形態で結合されており、第一の位置と第二の位置とを有している近位の拘束部材と、
前記ステントの遠位部分に解除可能な形態で結合されており、第一の位置と第二の位置とを有している遠位の拘束部材と、を備えており、
前記近位の拘束部材と前記遠位の拘束部材とは、前記拘束形態において、前記近位及び遠位の拘束部材が各々前記第一の位置にある状態で、互いに協働して前記ステントの少なくとも一部分に長手方向の引っ張り力をかけるようになされている、ことを特徴とするステント給送装置。
【請求項2】
前記近位及び遠位の拘束部材に操作可能な形態で結合されたハンドルを更に備えており、該ハンドルは、前記近位及び遠位の拘束部材を前記第一の位置と前記第二の位置との間で動かして前記ステントを前記拘束形態と前記拡張形態との間で動かすことができるようになされている、請求項1に記載のステント給送装置。
【請求項3】
前記近位の拘束部材が近位の保持ワイヤを備え、前記遠位の拘束部材が遠位の保持ワイヤを備え、前記ステントを前記近位及び遠位の拘束部材に解除可能な形態で係止するようになされている、ことを特徴とする請求項1〜2のうちのいずれか一項に記載のステント給送装置。
【請求項4】
前記近位及び遠位の拘束部材が、各々、前記ステントに解除可能な形態で結合されたループと1本の保持ワイヤとを備えている、ことを特徴とする請求項3に記載のステント給送装置。
【請求項5】
前記近位の保持ワイヤと前記遠位の保持ワイヤとが、前記ステントを前記近位の拘束部材と前記遠位の拘束部材とから完全に解放するために、前記ステントとの結合状態から取り外し可能である、ことを特徴とする請求項3に記載のステント給送装置。
【請求項6】
前記ステントが、前記拘束形態と前記拡張形態との間を繰り返し移動可能である、ことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のステント給送装置。
【請求項7】
前記遠位の保持部材が前記ステント収容部分の遠位側で前記細長いシャフトに結合されている、ことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のステント給送装置。
【請求項8】
前記近位の拘束部材が、前記細長いシャフトの一部分の外周に移動可能な形態で配置可能な外側シャフトに結合されており、前記近位の拘束部材が、前記細長いシャフト上の前記ステント収容部分の近位側で前記外側シャフトに結合されている、ことを特徴とする請求項7に記載のステント給送装置。
【請求項9】
前記外側シャフトと前記細長いシャフトとが、前記近位の拘束部材及び前記遠位の拘束部材を相対的に正反対の方向に等しく動かすように、相対的に正反対の方向に等しく移動可能であり、それによって前記ステントを拡張させたり拘束したりするようになされている、ことを特徴とする請求項7に記載のステント給送装置。
【請求項10】
前記細長いシャフトを前記ステントにかけられる長手方向の力に対抗するように支持するように前記管腔内に取り外し可能な形態で配置可能な補強部材を更に備えている、ことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載のステント給送装置。
【請求項11】
前記ステント及び前記細長いシャフトの一部分を覆うように取り外し可能な形態で配置可能なシースを更に備えている、ことを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載のステント給送装置。
【請求項12】
近位部分、遠位部分、及び内部を少なくとも部分的に貫通して延びている管腔を備えている内側の細長いシャフトと、
近位部分、遠位部分、及び内部を少なくとも部分的に貫通して延びている管腔を備えている外側の細長いシャフトであって、前記内側の細長いシャフトが、該外側の細長いシャフトの前記管腔内を少なくとも部分的に同軸状に延びており、前記内側の細長いシャフトと前記外側の細長いシャフトとが相対的に移動可能な形態で配置可能とされている、外側の細長いシャフトと、
第一の端部及び第二の端部を備え、拘束形態と拡張形態とを有する拡張可能な部材であって、前記第一の端部が前記内側及び外側の細長いシャフトのうちの一方に操作可能な形態で結合されており、前記第二の端部が前記内側及び外側の細長いシャフトのうちの他方に操作可能な形態で結合されている、拡張可能な部材と、を備えており、
前記内側及び外側の細長いシャフトが第一の方向に相対的に動くことによって、前記拡張可能な部材の少なくとも一部分に正反対の長手方向の力がかかり、前記内側及び外側の細長いシャフトが第二の方向に相対的に動くことによって、前記拡張可能な部材の少なくとも一部分にかかっている前記長手方向の力が解放されるようになされている、ことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記拡張可能な部材がステントからなる、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ステントの近位部分に解放可能な形態で結合されている近位の拘束部材と、
前記ステントに前記近位の拘束部材よりも遠位側の位置で解放可能な形態で結合されている遠位の拘束部材と、を更に備えており、
前記近位の拘束部材と前記遠位の拘束部材とが、第一の拘束部材内の前記ステントに正反対の長手方向の力をかけて前記ステントの少なくとも一部分を拘束された形態に保持するようになされている、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記拡張可能な部材の外周に配置可能なステントを更に備えている、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図19F】
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【図19G】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28A】
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【図28B】
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【公表番号】特表2013−517910(P2013−517910A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551314(P2012−551314)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/022903
【国際公開番号】WO2011/094527
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】