説明

機械的に調整可能な全幅のアレイ型分光光度計

【課題】高速、高解像度、かつ高精度で測色を行う。
【解決手段】照射装置14からの光が素材要素12に照射され、反射光が光集束装置16を介し、スペクトル測光センサアセンブリ18に供給される。スペクトル測光センサアセンブリ18が素材要素12からの反射光を分光分析する。また、この分光分析は、波長が可変になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン文書の高速カラー分析に特に適した分光光度計走査システムに関する。本発明は、また、塗料業界における測色をはじめ、DNAプロファイリングなどを行うバイオテクノロジーの分野までグラフィック以外の多くの分野における要素の特定およびキャラクタリゼーション(分光学的手法)にも応用できる。また、本発明は、波長可変光学フィルタによって設定された測定サンプルの指定のセットを利用して、特定の媒体に関する広範囲のスペクトル(可視光線、紫外線、赤外線)を確定することにも関する。
【背景技術】
【0002】
分光は、原子、分子、他の化学的または物理的物質によって吸収、拡散、あるいは放射された電磁放射線を測定および分析するものである。物体はそれぞれ独自の様式で光に影響を与える。光波が物体に衝突すると、スペクトルエネルギの一部はその物体の表面に吸収されるが、それ以外の部分のスペクトルは物体から反射されて戻る。物体から反射されて変化した光は、まったく新しい波長組成を持つ。各種の色素、染料、インク(または科学的性質/物質)などを含む異なる表面が生成する波長組成は、それぞれ異なるものであり、かつそれぞれに固有のものである。光は、紙などの反射性物体に衝突することによって、あるいは、フィルムやスライドなどの透過性物体を透過することによって変化する。物体から離脱した波長のパターンは、その物体のスペクトルデータである。このデータは、しばしば、物体の「フィンガープリント」と呼ばれている。物体のスペクトル構成を測定することによって、その物体に本質的に備わっている特性がわかる。たとえば、人の目で見ることができる電磁スペクトルの範囲は、約400nmから約700nmであるので、その波長範囲内のスペクトル測定を行った場合には、「物体の色」を決定できる。各波長に分解された反射強度の大きさは、人が見ることのできる色についてのもっとも完全で誤りのない記述である。したがって、この場合は分光光度計が真のカラーセンサとなる。紫外線と可視光線(UV−V)のスペクトルが200nm〜800nmである場合、そのUV−Vスペクトルを用いて物質の組成を特定できる。これは、化合物の分析に利用できる非接触、非反応性の化学試験である。
【0003】
広範囲のスペクトル構成を備えた分光光度計は、カラー印刷をはじめとする幅広い用途を持ち、表示、塗料、繊維などの側色や、電子カメラ、化学分析、環境計測、薬剤または個人特定のためのバイオサンプルの測定における測色などに利用できる。市販の分光光度計はどれも多数の光学要素を備えており、サイズが大きくなる傾向にある。
【0004】
従来知られている全幅に亘るアレイ型分光光度計システムは、フォトダイオードの直線配列を利用して試験目標の照射帯を検出するものであるが、分光感度検出の適切な範囲を得るためには、発光色が異なる複数の異なるLED照射源を必要とする。また、このような異なる色の発光では、その発光動作を一連の適切なタイミングに制御して、求めようとする各色に対応した感度を個別に検出できるようにしなければならない。
【0005】
MEMSは微小機械電子システムを意味し、ファブリ・ペロー空洞は、到来波がその間で多重反射し、最終的にはそこを透過するように内側の面に銀メッキが施された平行ガラス板を備える光学干渉フィルタを意味する。
【0006】
通常、走査したRGB値(スキャナ出力信号)を測色信号(すなわち、視覚信号)に変換するには、スキャナのキャラクタリゼーションを行う必要がある。現在の文書スキャナは、RGB座標に従って実際に色を検出するもので、人の視覚系を近似化している。ほとんどのスキャナは、走査対象の媒体とインクによって違いが生じる点で、人の視覚系から逸脱している。この問題に対処するため、それぞれ異なる媒体に応じて異なるキャラクタリゼーションまたはプロファイルが構成される。複数の物質と、媒体と、画像の組み合わせに対応したプロファイルを作成すると、生産性が低下することになる。このような生産性の低下は、各印刷装置に内蔵された広域走査分光光度計を備えることで簡単に修正できる。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,295,130号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、高速プリンタ速度、高解像度、かつ高精度で測色を行える光学センサが希求されている。処理現場での測定に利用できる全幅のアレイ型光学検知システムは、校正、製版、作成の各段階を通じたフィードバックによって、文書生成システムにおける出版、製作、および意思決定プロセスの自動化に大きな利益を提供する。このような光学センサシステムは、また、印刷以外の分野の用途にも有効に応用でき、カラースペクトルによる物質または要素の識別を行う機能を持つ。
【課題を解決するための手段】
【0009】
全幅のアレイ型文書走査分光光度計(Full Width Array Document Scanning Spectrophotometer:FWAS)には、光ファイバガイドやセルフォック(登録商標)レンズなどのシリコン光検出器および光焦点調整装置と共にファブリ・ペロー空洞フィルタが一体化されている。較正および最終的な色精度を維持する目的で走査される印刷文書などの要素または物質は、両面のLEDイルミネータバーによって照光される。このイルミネータバーは、白色LED光源または蛍光光源で構成されると有利である。空洞フィルタの厚さは静電的に調整でき、スイッチング回路を用いて、光検出器が複数の透過周波数を測定できるように調整され、サンプリング回路を用いて、目的媒体から透過された光信号のスペクトル分布を分解するように調整される。全幅のアレイ型分光光度計の構造によって、複数の異なる色光源を発光させなくても代表スペクトルを容易に検出できるため、単一光源から照射された複数の反射光を対象媒体上に発生させて複数のサンプルを生成できる。このように、特徴スペクトル感度を定義する十分なサンプルをファブリ・ペロー型空洞内に持つ光学フィルタによって相応の調整を行うことで、単一の照射源から複数のサンプルが得られる。スペクトル再配列技法は、フィルタによって透過された複数の共鳴ピークの存在下でのスペクトル分布の分解を容易にする。
【0010】
より詳細には、密接した複数の光検出器の細長い配列を照射源の隣に設け、目標サンプルから反射した光を受け取る位置に分光光度計を配置する。スイッチング回路は、光学フィルタに対して選択的に電圧源をランプ(ramp)させて、微小電子的(microelectronically)に空洞フィルタを調整し、その空洞フィルタから所望の周波数の反射光を選択的に透過する。透過した反射光をサンプリング回路でサンプリングすることで、目標サンプルの所望の代表スペクトル感度を生成できる。
【0011】
全幅のアレイ型分光光度計を用いて、カラープリンタ経路などの試験目標の経路の横断方向に広がる比色試験目標の全幅走査色分析を行う方法を提供する。密接した複数のLED照射源の細長い略直線状の配列を発光させ、試験目標の横方向のほぼ全長を、その試験目標の横方向に広がる照射帯として照光する。照射帯からの反射光は、照射源の配列の近傍においてその配列とほぼ平行に延びる複数の密接した光検出器の全幅配列によって検知される。この光検出器は、試験目標全体に亘る照射帯からの反射光を受け取る位置に配置される。試験目標から、その代表色を表す検知スペクトルを生成するため、反射光は、光検出器に連携された波長可変光学フィルタの全幅配列によって選択的にフィルタリングされる。好ましくは、微小電子的な波長可変ファブリ・ペロー光学フィルタからなる前記光学フィルタをスイッチング回路で調整し、試験目標から光検出器に反射した光のうちの指定周波数の光を透過させる。
【0012】
ここに開示するシステムおよび方法は、従来の制御システムの適切な動作によって稼動および制御できる。このような制御機能とその論理は、従来または汎用のマイクロプロセッサに対するソフトウェア命令としてプログラムおよび実行されると好ましく、また、このことは、多数の先行特許および市販の製品によって教示されているように既に周知である。もちろん、このようなプログラミングまたはソフトウェアは、特定の機能、ソフトウェアのタイプ、利用するマイクロプロセッサや他のコンピュータシステムによって異なるものであってよい。ただし、必要以上の実験を行わないでも、ここに記載する機能の説明と、ここに引用する先行特許および応用例に記載された機能の説明から容易にプログラムでき、また、利用できるものである。また、ソフトウェアやコンピュータ分野の一般的な知識と、従来から周知の機能についての知識があれば容易にプログラムでき、また、利用できる。別の選択肢として、ここに開示する制御システムまたは方法は、その一部または全部が、標準的な論理回路または単独の超LSIチップの設計を用いてハードウェアに実装されてよい。
【0013】
ここに記載する「再生装置」または「プリンタ」の用語は、各種のプリンタ、複写機、電子写真などの複合機、複合システムなど幅広い装置を含む。ここで使用する「シート」または「文書」の用語は、紙、プラスチック、他の適切な物理的基板からなる、通常は薄膜の物理的シートを意味する。
【0014】
題材とする装置または方法の具体的な構成要素やその代替物については通常どおり理解されるであろうが、ここで引用する技術の構成要素も含め、それ自体、他の装置または用途において周知の構成要素を、ここで用いているように追加または代用して利用できる。この分野の技術者などであれば理解されるであろうが、たとえば、ここに記載する特定の構成要素とその作動または駆動システムの多くは、単に例として提示するものであり、同様の進歩的な機能は、周知または容易に入手できる他の多数の代替物によって提供され得るものである。すべての引用文献とそこに記載されている文献を本願明細書の一部として援用し、追加または代替の詳細構成と、特徴と、技術的背景の少なくともいずれかに適合する教示とする。当業者に周知の事項は、記載する必要のないものとして説明を省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
例示する実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、波長の機械的調整が可能な全幅のアレイ型ファブリ・ペロー分光光度計システム10を示す。「全幅」は、文書の幅を意味するが、密接に一体化された2つ以上の分光光度計を有する配列も含むものとする。「ファブリ・ペロー」は、従来知られているファブリ・ペロー干渉計のみならず、あらゆる種類の広範囲の可変光学フィルタも意味し、特に、たとえば、ブラッグミラー(Bragg mirror)誘電積層型ファブリ・ペロー干渉計なども含む。特に、図1を参照して説明すると、文書または素材要素12は、色精度、たとえば、プリンタのフィードバック制御システムを評価するため、あるいは、たとえば、基板、ペイント色、バイオサンプルなどの目標素材の性質または色相を特定するために走査される。本システムのアセンブリは、二面LEDイルミネータバーを含むと好ましい照射装置14を含む。この照射装置14は、本実施形態において、白色LEDを備えていると有利であるが、3列または4列の全幅のアレイ型画像センサに使用されるタイプの蛍光光源であってもよい。また、これに代わる方法として、全幅のアレイ型照射は、文書スキャナに対する米国特許第6,473,154号明細書に記載されるような、全幅の照射装置の端部において光源からの光を分割または拡散する中間形状のプラスチック導光体を利用して、ユーザが提供することもできる。画像形成モジュールアセンブリ全体では、照射装置14と、セルフォック(登録商標)などのレンズまたは光ファイバアセンブリである光集束装置16と、スペクトル測光センサアセンブリ18と、を含む。動作においては、センサアセンブリ18を固定し、センサアセンブリ18の上部で等速度搬送を用いて文書を移動させても、あるいは、プラテンスキャナで行われているように、文書を固定し、スペクトル測光モジュールを等速度で動かしてもよい。セルフォック(登録商標)レンズ、またはそれに代わる光学フィルタアセンブリ16は、文書12の各画素からの光を配列18に集めるように構成にでき、好ましくは、複数のMEMSセンサを含む。あるいは、高解像度または高い処理効率が必要な場合には、複数の光検出器(フォトダイオード)を単一の光集束装置に連携させることもできる。
【0016】
図2に、MEMS全幅アレイ型センサアセンブリ22の配列に構成されたアセンブリ構造を示す。文書12からの反射光は、光集束装置16(たとえば、光ファイバ)から光学フィルタ18を通って光検出器26に伝達される。この分野において周知で、米国特許第6,295,130号明細書(以下、「‘130特許」と記す)に記載されるように、ファブリ・ペロー空洞の厚さは、スイッチング回路28(‘130特許に示される駆動回路を利用)によって静電的に調整できるので、透過した光信号のスペクトル分布を分解する複数回の測定を行える。フィルタ内の空洞のギャップの長さは、スイッチング回路28からの可変電圧に連動し、反射光の透過周波数の単一または複数のピークを提供する。
【0017】
図4a〜図4eに、ギャップの各種長さに応じて変化する、このような装置18の典型的な透過スペクトルを示す。複数のピークが存在するため、透過光のスペクトル分布を分解するには下記のような処理が必要である。
【0018】
600ドット/インチ、8.5×11平方インチで文書を走査する場合、走査領域(3366万画素)には、約5400個のファブリ・ペロー空洞センサ(各ファブリ・ペロー空洞センサの幅は42μmであるものとする)が必要である。周知の電子技術および光検出器アセンブリを利用して、走査線あたり30〜50マイクロ秒の走査速度を実現できる。これは、1秒あたり約200〜500ページという走査速度になる。
【0019】
外部ファイバを使用して反射光を検出器配列に導く場合、光ファイバの外径は、全幅走査の用途において測定開口を制限する要因である。周知の光ファイバ技術では、このユニットは、各センサが約40μmの外径(内径は約10μm)を持つように組み立てられる。1.5cm×2cmの単一の型に、約150,000個のセンサ(300×500)を組みこめる。
【0020】
図3を参照して説明する。図示した分光光度計アセンブリ22は、略直線状に伸びる密接フィルタ18および光検出器26の配列のアセンブリと、それらに隣接しながら試験目標の経路の横断方向全域に亘って設けられた、試験目標の横方向照射帯を照らす複数の密接LED照射装置14の直線状に長い配列と、を含む。光検出器は、照射源の配列の近傍でその配列とほぼ平行に伸びるように配置され、照射されたバーアセンブリ22が試験目標の照射帯から反射した光を受け取れるようにする。
【0021】
ファブリ・ペロー装置のパラメータを最適化して、対象とする光波長間に単一のピーク掃引を得ることは一般に困難である。したがって、ここで例示する実施形態は、単一ピークまたは複数ピークのファブリ・ペロー空洞フィルタから全可視スペクトルを抽出するアルゴリズムを含む。
【0022】
giが検出器回路の出力における光束量の測定値であるとすると、一回のスイッチングイベント用の検知システムの最も単純な一次線形モデル(ここでは、拡散、照射形状などの影響は無視する)は、次の式で記述できる。
【数1】

【0023】
上式において、R(λ)は物質の反射スペクトル、Vgiは波長λ,k=0,1,...Nについて積分された検出器の出力、S(λ)はイルミナントスペクトル、Vgi(λ)は波長λ、ギャップサイズgiにおける透過スペクトルである。Nは装置から反射されたパワースペクトルの積分に使用した波長サンプルの個数を表す。ここで、透過スペクトルは装置の光検出器スペクトルを含み、giを用いてギャップの設定値を表している。
【0024】
ギャップが、たとえば、g1,2...,gNというように既知の数段階で最小から最大まで変化する場合、次の行列式が記述できる。
(数2)
DR (2)
【0025】
上式において、信号ベクトルと、反射率ベクトルと、検出器行列は、次のように表現される。
【数3】

【0026】
数式(2)から処理行列がわかり、その行列が反転可能である場合、任意のサンプルの反射スペクトルは、次の数式を用いて得ることができる。
【0027】
(数4)
−1 (4)
【0028】
数式(4)は、検出器行列の逆関数を用いて反射スペクトルを計算する方法を示している。処理行列は、事前に計算されてサンプリング回路30のセンサ処理部に保存される。行列のすべての列が一次独立であるとき、処理行列は反転可能であり、このことは、ギャップごとに異なる波長でピークが出現する場合に該当する。ファブリ・ペロー装置が単一のピークに調整されると、検出器行列はダイアゴナル(diagonal)になる。
【0029】
スペクトルを再編成する本方法は、周知のLED/イメージセンサにおいて行われるような、基準センサに対するセンサ出力のキャラクタリゼーションを予め行う必要はない。ギャップ電圧の走査ごとのフルランプ(鋸波形の場合のようなランプ)は、ギャップに均等な変化を与える。たとえば、各走査のランプ時の光検出器信号31のサンプリング回数は、数式(4)に示すような予め計算された行列によって画素ごとのベクトルを与える。このような処理方法を用いて、本装置は、各画素の真のスペクトルを生成できることに加え、ファブリ・ペロー装置の範囲内の可視範囲を超える任意の対象波長への調整を可能にできる。
【0030】
ここでは示さないが、数式(1)において、換算係数またはオフセットを必要とする場合もある。この換算係数またはオフセットは、基準面のセンサ出力を用いて、あるいは、トレーニングサンプルと各種周知の信号処理方法を用いて抽出される。これは、白色較正面などの基準面を用いて、センサの較正時に毎回実行される。
【0031】
数式(4)の検出器行列の誤差がゼロである場合、スペクトル測定は誤差のないものになる。カラーの用途では、一般に、400nmから700nmの間で10ナノメートルのスペクトル解像度が求められる。このような用途では、検出器行列の成分は、透過スペクトルおよび照射スペクトルを用いてオフラインで計算された31×31のサイズになる。ただし、より広い用途に対する要求に従ってセンサ解像度とセンサ範囲を広げたいという要望がある場合は、適切な行列のサイズを選択する。たとえば、所望のスペクトルは、400nmから700nmの間で1ナノメートルの波長の解像度であることが求められる場合、検出器行列は、300×300の成分を持つサイズになる。検出器信号のサンプリングは、走査動作ごとに300回行わなければならない。
【0032】
検出器行列には、概して誤差(ギャップ電圧の変動または照射スペクトル内のノイズによるものと考えられる誤差)があるため、期待精度は、電圧を調整できる範囲が小さい装置からシミュレーションできる。このため、電圧源、照射、およびシミュレーションから推測される雑音比に対して改善された信号をより適切に制御することで、潜在的に極めて正確なスペクトル測定値が得られる。
【0033】
特定の実施形態について説明してきたが、現在または潜在的に予測できる置き換え、修正、変形、改善を行ったもの、およびその等価物は、出願人および他の当業者によって許容されるものである。したがって、このような代替、修正、変形、改善を行ったもの、およびその等価物は、出願時および今後補正されてよい請求項に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の対象である全幅のアレイ型走査分光光度計システムの一例を、電子写真プリンタの出力経路にある印刷済みシートを走査する状態で示した側面模式図である。
【図2】分光光度計を備えた全幅配列のアセンブリの側面の立面図で、特に、ファブリ・ペロー空洞構造を、関連する制御システムの模式図と組み合わせて示した図である。
【図3】全幅のアレイ型走査分光光度計の上面図で、入力シートや他の比色試験目標の存在を除いて、配列のアセンブリを示した図である。
【図4a】異なる状態に調整された空洞ギャップに対応する、光学フィルタの実施例における指定の透過スペクトルを模式的に示す図である。
【図4b】異なる状態に調整された空洞ギャップに対応する、光学フィルタの実施例における指定の透過スペクトルを模式的に示す図である。
【図4c】異なる状態に調整された空洞ギャップに対応する、光学フィルタの実施例における指定の透過スペクトルを模式的に示す図である。
【図4d】異なる状態に調整された空洞ギャップに対応する、光学フィルタの実施例における指定の透過スペクトルを模式的に示す図である。
【図4e】異なる状態に調整された空洞ギャップに対応する、光学フィルタの実施例における指定の透過スペクトルを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0035】
10 分光光度計システム、12 文書、14 照明装置、16 光集束装置、18 センサアセンブリ、26 光検出器、28 スイッチング回路、30 サンプリング回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質の走査解析用の全幅のアレイ型分光光度計であって、
前記物質を照光する照射源と、
前記照射源に隣接し、複数の近接配置した波長可変分光光度計の配列を含み、微小電子的に波長調整できる分光光度計の配列と、を有し、
前記分光光度計は、前記物質からの反射光を受け取れる位置に配設される、全幅のアレイ型分光光度計。
【請求項2】
請求項1に記載の全幅のアレイ型分光光度計であって、前記分光光度計は、電気機械的に調整可能なファブリ・ペロー光学フィルタと、光検出器の1つに反射光のうちの指定の複数の周波数が送られるように前記フィルタを選択的に調整するスイッチング回路と、を含む全幅のアレイ型分光光度計。
【請求項3】
カラープリンタの経路内で移動するカラー印刷されたシートについて、全幅のアレイ型分光光度計を用いた全幅横断走査によるカラー分析を行う方法であって、
前記カラープリンタの経路の横断方向のほぼ全域に亘り略直線状に伸びる照射源の、略直線状に伸びる少なくとも1つの配列を発光させ、前記カラープリンタの経路内を移動するカラー印刷されたシートの横方向に亘って広がる横方向照光源を用いて照光するステップと、
用紙経路内で移動する印刷媒体シートの全幅に亘る横方向照射源から反射した光を受け取れるように配設された調整可能な分光光度計の全幅配列を用いて、前記照射源から反射した光を検出するステップと、
光検出器に連携された波長可変光学フィルタの全幅配列を用いて反射光を選択的にフィルタリングし、印刷されたシートからそのシートの代表的な色の検出スペクトルを生成するステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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