説明

機械的強度および薬理機能を強化した生分解性医療用具

【課題】機械的性質および/または薬理機能を強化した生分解性医療用具を提供する。
【解決手段】医療用具への応用に生分解性ポリマーとバイオセラミックの新規クラス混合物を用い、配合量を変えるなどして、これらの用具の強度を増強しながら、材料の生分解性を生かすことができ、当該混合物の加工により、改良されたステント、遠位塞栓防止デバイスなどを得る。薬剤などの添加剤を加えて、薬理機能を付与することも、コーティング剤とすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
本出願は、2005年2月10日提出の米国暫定特許出願第60/651,923号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、生分解性用具および当該用具の加工法に関するものである。さらに細かく言えば、本発明は、機械的性質および/または薬理機能を強化した生分解性医療用具に関するものである。
【0003】
〔関連技術〕
医薬品および医療用具の用途に向けた生分解性および生体適合性ポリマーの広汎な使用に関する文献は、多数存在する。生分解性ポリマーは、医療用具での使用が増加していることが判明している。これらの生体材料のヒトにおける使用の安全性は、生体吸収性縫合糸、Lupronデポー錠などの放出制御製剤等の形態において明らかである。ポリL-乳酸(Poly L-Lactic Acid)(「PLLA」)、ポリD,L-ラクチド(Poly D,L-Lactides)(「PDLA」)、ポリ乳酸-グリコール酸(Poly Lactic Glycolic Acid )(「PLGA」)、ポリカプロラクトン(Polycaprolactone)(「PCL」)、ポリラクチド-コ-カプロラクトン(Poly Lactide-co-caprolactone)(「PLA/CL」)、またはポリラクチド/グリコシド-コ-ジオキサノン(Poly Lactide/glycolide-co-dioxanone)(「PLGA/DO」)などの生分解性材料は、生理的条件下で分解することが周知である。ポリ乳酸(PLA)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)の脂肪族ポリエステルであるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸グリコール酸/ポリ(ラクチド-コ-グリコシド)(PLGA)などの現世代生体吸収性ポリマー、並びに、PLA、PGAまたはPLGAのカプロラクトンまたはジオキサノンとのコポリマーは、当該用具を再吸収可能(resorbable)および/または吸収性(absorbable)にすることを目標にした医療用具の材料として使用されている。具体的には、これらのポリマーおよび関連コポリマーは、最も一般的な生体吸収性ポリマーであり、薬剤溶出ステント用マトリックスおよび/または薬剤キャリアに使用されてきた。
【0004】
特許、発表論文の両方に引用されている前記の用途のある例は、米国特許第5,977,204号(参照することによって組入れられている)を含み、当該特許において、生体活性セラミックを含む生分解性インプラント材料が開示されている。当該特許は、歯科および整形外科応用のための、主として高多孔度大粒子を含む表面不動態化バイオセラミックと生分解性ポリマーの混合物を開示している。米国特許第6,244,871号(参照することによって組入れられている)は、当該特許が、歯科応用のために、生体活性ガラス組成物および生体活性ガラスならびにバイオガラスと薬剤送達媒体の配合物を使った治療法を論じている点で、かなり重要な別の特許である。米国特許第6,197,342号(参照することによって組入れられている)は、薬剤送達系としての生体活性ガラスの使用を開示し、さらに、骨応用のためのバイオグラスの薬剤含浸法を開示している。米国特許第6,086,374号 (参照することによって組入れられている)は、生体活性ガラスを使った治療法であって、バイオガラスと薬剤の配合物を使って虫歯の治療に対処しようとする治療法を開示している。
【0005】
Wilson, J, et. al, 表題Toxicology and biocomapatibility of bioactive glass, JBMR, 1981, 15:805および/またはHench, L, et.al., Biocompatibility of orthopedic implants, vol.2, Boca Raton, FL, CRC Press, 1982, P 67-85および/またはGreish, Y. and Brown, P., 表題Characterization of bioactive glass-reinforced HAP-polymer compositesなどの発表論文では、試験管内でヒト骨芽細胞様細胞のコラーゲン合成およびミネラル化を支える機械的性質を向上させた三次元、生体活性、生分解性、ポリマー生体活性ガラスコンポジットの足場が論じられている。
【0006】
ごく最近、ステントおよび薬剤溶出ステントの用途の材料としてポリ乳酸グリコール酸(PLGA)および他の材料が提案されている。同時に、骨置換および歯科治療の分野での医療用具への応用にも、生体活性ガラスおよびバイオセラミックが使用されている。バイオガラスなどのバイオセラミックが歯科および骨置換への応用に一般に使用され、優れた生体適合性を有し、米国食品医薬品局(FDA)に安全性が認められた歴史があり、当該製品に関するFDAによる法定開示書類が存在することは、周知である。生体活性ガラスは、骨および軟組織との急速接着などの長所を有するが、生体活性ガラスの短所は、その脆性であり、それが、荷重用途を制限している。
【0007】
典型的には、これらのポリマー材料は、非常に高い弾性率を有し、圧着または膨張後に反跳する傾向がある。低い反跳性を有することが、ステント設計の多くの重要な要因の1つであるので、ポリマー材料の強い反跳は、有利でないと思われる。通常、GA(グリコール酸)に比較してLA(乳酸)含量の割合の高いPLLAおよびPLGAコポリマー、例えばLA対GA比がそれぞれ95%:5%である場合、非常に脆弱なコポリマーを生じ、医療用具の用途のために、望みの形状に加工するのが容易でないと思われる。PLGAの方が弾力があるが、引張強度、貯蔵弾性率およびヤング(Young)率などの機械的性質が、GAまたはCL(カプロラクトン)量の増加と共に減少する。生分解性ポリマー材料の機械的性質は、湿気の存在にも悪影響を受ける可能性がある。特に、湿気は、当該材料の弾性率を低減させる傾向がある。さらに、PGAコポリマーおよびPLAコポリマーの双方は、いずれも、分解時、酸性生成物を放出し、インプラントが分解する領域に限局性の酸性条件を生じる。
【0008】
さらに、主な機能が、塞栓残滓を捕捉し、血管の閉塞を防ぎ、最終的な組織死および、おそらくは、心臓発作または卒中の発生を防ぐことである遠位塞栓防止デバイスまたは大静脈フィルターなどのフィルタリング用具への取り組みと改良が求められている。遠位塞栓防止デバイスおよび大静脈フィルターなどのフィルタリング用具を用いる場合、フィルタリング面のメッシュサイズおよび/または孔径が減少するにつれ、より多くの塞栓物質がフィルタリングメカニズムによって捕捉され、それによって、フィルタリング部分への負荷が増加する。小型の塞栓(典型的には100ミクロン未満)は、塞栓に対する生体の自然な酵素的分解、消化または溶解能があるので、重大な懸念事項ではないが、フィルター自体への塞栓の負荷が過剰になり、血流が血栓を形成することができる程度にまで著しく鈍化すると、血栓を形成する。この血栓形成は、放置すると、最終的に、問題の血管に依存している全下流組織への流れを遮断することになる。
【0009】
配置可能な生分解性ステントに伴う他の共通の難点は、これらの材料の分解速度のコントロール能である。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明に従って、手短に上で述べたように、先行技術に伴う問題を克服する手段を提供する。生分解性材料の一時的性質によって、絶えず拡大する条件範囲に対処でき、一時使用用具の設計が可能になるが、これらの用具は、好ましくは、なおも各種負荷条件を満たすことが必要であり、その一部は、ポリマー用具にとって重要であると思われる。生分解性ステントは、永久金属インプラントに勝る、見込まれる長所をいくつか提供できる。生分解性インプラントは、埋め込み後数ヶ月以内に分解するので、長期的な金属磨耗の問題を排除できる。さらに、後発ステント血栓症のリスクと長期にわたる抗血小板療法の必要を排除できる。
【0011】
本発明は、医療用具の用途のために、生分解性ポリマーとバイオセラミックの混合物の新規クラスを用い、様々な量の生体活性セラミックおよびガラスを添加してこれらの用具の強度を増強しながら、これらの材料の生分解性を生かすことができる。さらに、本発明のある典型的実施態様によれば、生体適合材料のこれら2つのクラスの混合物の、混合物および配合物を利用することができる。
【0012】
本発明の1つの目的は、反跳問題への対処を指向しており、さらに特に、本発明は、生体適合および生体吸収材料の割合を高め、結果として生じるコンポジットが、ステンレススチール(例、316L)またはコバルト-クロム合金(例、L605)などの普通の用具材料により近い挙動を発揮するようにさせ、当該医療用具が金属に似た性質を有することを可能にする。
【0013】
本発明の別の目的は、生分解性ポリマーの分解生成物による限局酸性条件の対処に関する。PGAおよびPLAコポリマーが、分解時、酸性生成物を放出する可能性がある場合、本発明の例示的な実施態様に従って、生体活性セラミックまたはバイオガラスなどのガラスが、やがてアルカリイオンを溶出し始め、それによって酸性環境に反作用し、周囲組織に有益な、実質的に中性の環境を生じるように、組成および加工条件を指定できる。
【0014】
本発明に従って、さらに別の目的は、20ミクロン(20μm)以下の十分に小さなセラミック粒子を用いることによって、表面不動態化の必要性を排除することである。さらに、特定の混合物および/または混合物の配合物の利用を、分解速度を微調整し、最適化できる。
【0015】
本発明のさらに別の実施態様では、粒子状の添加剤を添加し、放射線不透過性を強化し、および/または薬理効果を提供することができる。本発明の典型的実施態様に従って、提案されている生分解性ポリマーおよびバイオガラスおよび/またはバイオセラミック混合物を、ステントまたはフィルタリング用具などの様々な形状に加工し、さらに、薬剤などの薬理機能を提供する付加的な添加剤でさらに強化することができる。
【0016】
さらに特に、本発明の恩恵および変更は、他の材料による表面コーティングなどの追加的加工段階が、当該混合物の加水分解速度および分解速度に影響を与えることができる点を含む。
【0017】
さらに、本発明は、ステントに加工する場合、変更を加え、二股進入用ステントを提供することができる。さらに、当該混合物の各種形状への加工の他に、医療用具を封入する表面コーティングとして当該混合物自体を加工できる。
【0018】
〔好ましい実施態様の詳細な説明〕
本明細書で使用する場合、生分解性とは、生分解性、生体内分解性および/または生体内吸収性を意味するものとする。このように、生分解性材料は、バルク作用メカニズム、表面作用メカニズムまたは両者の組み合わせによって、分解され、吸収されまたは浸食されることができる。
【0019】
本発明の典型的実施態様に従って、提案されている生分解性ポリマーおよびバイオガラスおよび/またはバイオセラミック混合物は、加工用にポリマー溶液中のバイオガラスまたは生体活性セラミック粒子の微細懸濁液、あるいは、別法として、押出および射出成形加工用の両製品の微細混合物であることを必要とする。当該混合物の機械的性質は、当該両材料間の比の関数である。よって、この機械的性質は、当該材料間の比率を変更することによって、調整できる。生体活性セラミック粒子に比較して高い割合の生分解性ポリマーを有すると、許容可能な生分解速度を維持しながら、機械的性質を向上させることができる。生体活性セラミックの割合を、材料の全体積の約20%±5%まで増加させると、前記のような混合物から形成されるこの材料の機械的性質を向上させることができ、一方、分解するバイオガラスの弱塩基性も、分解ポリエステルの内在安定化剤として作用するのに役立つことができる。
【0020】
多くの生体活性セラミックが文献に明記されている。例は、US-BiomaterialsのBioGlassシリーズを含み、粒度の低いものが好ましい。注目すべき他の重要な製品は、好ましくは、20ミクロン未満の範囲〜ナノメーター範囲において、用具の用途のために、確実に適切な混合を行えるだけの十分に小さな直径を有する、生分解性セラミックおよび/またはバイオガラスである。ナノサイズの粒子を創出する加工法が応用でき、生分解性ポリマーとバイオセラミックおよびバイオガラスの重量比は、99%対1%から1%対99%までの範囲であることができ、薬剤、蛋白、遺伝子などの生体活性化合物を、提案されている混合物のマトリックスに組入れ、あるいは、当該混合物製の用具の表面に塗布し、あるいは、当該表面を部分的に覆うことができ、当該混合物は、十分に均一に混合されているので、引張強度、貯蔵弾性率、ヤング(Young)率の強化および十分な熱安定性などの好ましい性質を発揮する。
【0021】
さらに、ブレンド材料それぞれの分解生成物は、単体および/または配合物を中和する働きをし、より温和な環境と、その結果、生体適合性の改善をもたらすことができる。このことは、組成および加工条件を調整および指定して、生体活性セラミックまたはバイオガラスなどのガラスが、やがて、カルシウム(Ca)およびナトリウム(Na)イオンを溶出し始め、それによって、周囲の環境をより強いアルカリ性にすることにより達成できる。これは、少なくとも当該用具の局部でpHを高める付加的な効果があり、PGA、PLA、PLGAまたは同様の生分解性マトリックスの分解によって起こり得る典型的酸性条件を中和する働きをすることができる。生体活性セラミックの非不動態化表面は、ポリマー成分の分解が原因で次第に酸性化する環境の中和剤として働き、分解速度をよりよくコントロールし、生体適合性を向上させることができる。よって、分解生成物にごく近い局部のpHを実質的に中性にすることができ、これは、まったくの酸性または塩基性環境に比較して、周囲組織に有益である。
【0022】
いったん、混合物が生成されると、溶融プレス、押出、フィルムキャスティングなどの通常の加工法を使用して、当該混合物を、スロットチューブ、ロッド、フィルム、シートなどの様々な形態および形状に加工することができる。その結果生じる材料は、さらなる加工のために、チューブなどの様々な形状に加工できる。加工の一例は、レーザー切断であり、当該材料の様々な形態への加工に使用できる。最終的に、当該材料から医療用具を加工できる。別法として、得られる混合物を、表面コーティング剤として加工し、非分解性医療用具および分解性医療用具の両方の封入に使用できる。図5aおよび5bでは、医療用具部材の断面図を示す。具体的には、図5aは、ステント(400)のバンド(21)または継手(22)の断面図であり、得られる生分解性混合物を使用して、基質(10)の全部または一部を形成することができることが分かる。別法として、図5bに示すように、得られる生分解性混合物は、表面コーティング剤(20)の形成に使用でき、その後、その表面コーティング剤(20)により、本発明に従った生分解性混合物からも形成できる基質(10)を封入することができ、あるいは、当該基質を、非分解性ポリマーや、ニチノール、ステンレススチールまたはコバルト-クロム合金などの金属のような、従来の材料から形成できる。
【0023】
前記材料から加工されるステント(400)および/またはフィルタリング用具などの医療用具は、生体適合性および生体吸収性があるだけでなく、バイオセラミック粒子無添加の生分解性ポリマー用具に比較して、優れた、および/または、強化された機械的性質も発揮する。
【0024】
ステント(400)に関して具体的には、本発明は、生体適合性および生体吸収性材料の割合を追加して、得られるコンポジットに従来の用具材料により近い挙動を発揮させ、それによって、反跳度を軽減する。よって、これらの生分解性および生体吸収性材料の混合物は、吸収性薬剤溶出ステントを一層容易に圧着、膨張させ、ポリマーステント単独に比較して、反跳度を軽減すると思われる。
【0025】
本発明の典型的実施態様に従って、バイオセラミックスおよび/またはバイオガラスの添加は、機械的強度を増強し、前記混合物に、より金属に近い挙動を発揮させることができ、金属は、圧着および膨張挙動に望ましい特性を有するので、このことは対象材料の機械的性質を高める働きもする。本発明の独特な特徴は、医療用具材料としての機械的性質の向上を目的とする、非表面不動態化生体活性セラミック混合物とブレンドされた生分解性ポリマーおよび/またはコポリマーを含む。得られる混合物は、高められた延性を有し、圧着およびバルーン膨張により適したものであることが必要である。生体活性ガラスのコンポジットは、ヒドロキシアパタイトを補強でき、ポリマーは、向上した機械的性質を有することが認められている。10%までの生体活性ガラスの添加で、引張強度および弾性率の双方を高めることができる。
【0026】
ステント(400)は、閉塞を軽減するため、管の内腔内に留置される管状構造として、一般に使用されている。一般に、ステント(400)は、非膨張状態で内腔に挿入された後、その場所で自動的に(もしくは、第二の用具を使って)膨張する。典型的な膨張法は、カテーテル装着血管形成バルーンの使用によって行われる。このカテーテル装着血管形成バルーンは狭窄した血管または体内通路の内部で膨張し、血管壁部分に結合した閉塞部を剪断、破壊し、内腔を拡張させる。ステントは、ニチノールなどの超弾力性の、および/または形状記憶合金から加工することもでき、当該ステントは、自己膨張ステントとして周知である。
【0027】
ステントが存在しない場合、狭窄病巣の弾性反跳の結果、再狭窄が起こる可能性がある。多数のステント設計が報告されているが、これらの設計は、多くの制限を受けている。これらの制限の一部は、本発明に従った生分解性ステントの使用で対処することができる。当該ステントは、バルーン血管形成術中または直後に膨張させることができる。通例、ステントの製造は、膨張を可能にし、総合的な構造統合性を提供するためには、軸方向の柔軟性を犠牲にすることが必要になる。
【0028】
ステントは、典型的には、第一端と第二端、並びに、その二端の間の中間部分を有する。ステントは、さらに、縦軸を有し、複数の縦配列のバンド(21)を含み、各バンドは、縦軸に平行な直線部分に沿って、全体として連続波形を示す。多数の継手 (22)が当該バンドを管状構造に保つ。本発明のさらなる実施態様では、縦方向に並んだステントの各バンド(21)は、短い周継手(22)によって、一定間隔になっている複数の位置で、隣接バンドに連結されている。各バンド(21)に伴う波は、当該中間部分で、ほぼ等価な基本空間周波数を有し、各バンド(21)は、それらに連携した各波が空間的に整合し、総じて互いに同調するように、配置されている。空間的に整合している各バンド(21)は、一定間隔になっている複数の位置で、短い周継手(22)によって、隣接バンドに連結されている。特に、軸上の位置を共有する第1群のそれぞれの位置では、隣接するバンド(21)の対の1組目のそれぞれのバンドどうしの間に周継手(22)が存在する。軸上の位置を共有する第2群のそれぞれの位置では、2組目の隣接するバンド列 (21)の列どうしの間に周継手(22)がかけられ、縦軸に沿って、第1群、第2群で交互に軸を共有する位置が生じ、第1群、第2群の軸を共有する位置の片方だけにおいて、特定のバンドが隣のバンドに連結されるように、第1組と第2組が選択される。
【0029】
さらに、このステント(400)を変更して、二又の進入口を備えることができるが、ステント(400)自体は、全体が均一である。大型の十分な開口を有するように、このようなステントを製造業者が設計する場合、1対のステントを次々に配置できるようにステントを配置することができる。この方法で、当該ステントを、いかなる溶接や特殊な接続もおこなわずに、二又に配置することができる。ステントの設計に連動メカニズムを組み入れることで、用具の組み立て中にステントを望みの位置で連動させることができる。さらに、反復閉鎖ループの特徴を含む金属ステントが設計されている。当該ステントは、閉鎖ループが膨張中に寸法を変化させないように設計される。コンポジットステントは、ループで囲まれた区域を、当該ステントの臨床性能を増強する材料で埋めることによって生成される。当該材料は、セラミックまたはポリマーであることができ、常在性、または吸収性、多孔性または非多孔性であることができ、以下の物質の1種類以上を含有できる。即ち、治療薬、放射線不透過性染料、放射性物質、または、ラパマイシン(rapamycin)、クラドリビン(cladribine )、ヘパリン(heparin)、亜酸化窒素(nitrous oxide)もしくは既知薬剤などの治療薬を放出できる材料を、単独で、または配合物として含有することができる。しかし、曲がりくねった病巣を進む柔軟性、並びに、身体の血管内腔に配置した後に必要な剛性を維持するだけの、高められたカラム強度の両方を備えたステントを提供するのが望ましいであろうと思われる。好ましい設計は、縦方向のコネクター(22)を波状にして、柔軟性を提供する傾向がある。剛性は、一般に、スロット式管状ステントのメカニズムによって提供される。この種のステントの特性を増強できるメカニズムが可能であると考えられる。当該ステントは、柔軟に送達され、配置/埋め込みの際に剛性を発揮すると思われる。
【0030】
さらに、支柱(21)または連結部(22)のいずれかの断面プロファイルのサイズが先細りしている(または可変である)ステント(400)および/またはフィルタリング用具を製造できることが望ましい。さらに、ステントおよび/またはフィルタリング用具を改良して、非矩形断面を有するのが望ましいと思われる。これら両方の場合において、当該ステントの生成に様々な製造法を役立てることができ、ポリマー材料の使用が、付加的加工の柔軟性をさらに高める。
【0031】
本発明の具体的な効果は、圧着および膨張などの追加加工に適した、提案された混合物から製造される医療用具を含む。機械的性質の変化の程度は、一部には、バイオセラミック粒子の粒度およびブレンド比によって決まる可能性がある。当該混合物の分解速度は、多数の変数によって調節でき、当該変数は、ポリマー材料の組成、当該ポリマーの分子量、当該ポリマーとバイオセラミックおよびバイオガラスのブレンド比、薬剤または造影剤などの追加機能物質の混入、並びに個々に、または群としてのこれらの項目のあらゆる組み合わせを含むが、それらに制約されない。
【0032】
本発明に従って、粒子状の放射線不透過剤などの添加剤を提供するのは、非常に望ましいと思われる。硫酸バリウム粒子は、そのような化合物の一種であり、放射線不透過性を強化し、さらに、表面不動態化を行わずに、単独でまたは十分に低い粒度の粒子と結合して、バイオセラミック材料の弾性率も維持できる疎水性バリアとして作用するという、付加的な効果も有する。造影剤などのこれらの付加的添加剤/化合物は、混合物に取り込まれ、マトリックスの加水分解の調節および放射線不透過性などの追加機能に供することができる。
【0033】
バイオセラミック粒子の表面不動態化は必要ではなく、追加加工段階を使用して、混合物の構造上の、加水分解上のおよび医薬品としての各挙動をさらに変更できる。十分に小さな粒子の生体活性セラミック(20μm以下)を利用すると、バイオセラミック粒子の表面不動態化の必要がなくなる。それは、低い粒度が、生分解性ポリマー粒子による混合物の生成を可能にし、あるいは、湿気の存在の影響をそれほど受けない生分解性ポリマー溶液の生成を可能にするからである。湿気はバイオセラミック材料の弾性率を減少させる傾向があると思われるので、湿気の存在の影響を最小限に抑える、および/または、排除することによって、当該材料の弾性率への影響も最小限に抑えることができる。
【0034】
本発明による生体活性または薬学的に活性な化合物の取り込みまたは塗布は、本発明のさらなる目的であり、望みの部位へ薬剤を送達するために管の使用を必要とする方法および/または用具の改良である。低分子量化合物、蛋白、遺伝子プラスミドなどの追加的な薬理活性化合物を、前記混合物のマトリックスに組み入れる、あるいは、あとから添加することができる。薬剤を最適に組み入れることができるように、ブレンドされたバルク材料の多孔度および当該混合物マトリックスの表面の形態を変更することができ、あるいは、最適な生体適合性を達成するために表面を調節することができる。心臓疾患および末梢血管疾患の治療において特定の機能を有する薬剤を選択し、当該医療用具にスプレーコーティングまたはディップコーティングにより添加することができる。様々なレベルの薬剤を当該混合物のマトリックスに取り込み、あるいは、後から添加して放出動態を調節することができ、一方、薬剤の負荷レベルおよび薬剤の併用、拡散調節層の使用などによって、異なる放出動態を達成することができる。バイオセラミックの使用が、薬剤放出速度も同様に変化させる可能性が高い点に注目することが重要である。あるいは、これらの薬剤は、ブレンドの過程でも、当該用具に組入れることができ、追加の、コストのかかる加工段階が必要でなくなる。
【0035】
以下に示す化合物などの化合物は、これらの用具にコーティング剤として塗布する、あるいは、ブレンドプロセス中に材料内に組み入れることができ、また、治療薬および医薬品の送達に使用でき、次のものを含むことができる。
即ち、ビンカアルカロイド(vinca alkaloids) (即ち、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)およびビノレルビン(vinorelbine))などの天然物、パクリタキセル(paclitaxel)、エピジポドフィロトキシン(epidipodophyllotoxins) (即ち、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide))、抗生物質(ダクチノマイシン(dactinomycin)、(アクチノマイシンD(actinomycin D))ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)およびイダルビシン(idarubicin))、アントラサイクリン(anthracyclines)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、ブレオマイシン(bleomycins)、プリカマイシン (ミトラマイシン) (plicamycin (mithramycin))およびマイトマイシン(mitomycin)、酵素(全身的にL-アスパラギンを代謝し、自身のアスパラギン合成能を保有しない細胞を奪うL-アスパラギナーゼ(L-asparaginase))、などの抗増殖剤/抗有糸分裂剤;
G(GP)IIb/IIIa阻害剤およびビトロネクチン(vitronectin)レセプター拮抗剤などの抗血小板薬;
ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロフォスファミド(cyclophosphamide)および類似体、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil))、エチレンイミン(ethylenimines)およびメチルメラミン(methylmelamines) (ヘキサメチルメラミン(hexamethylmelamine)およびチオテパ(thiotepa))、アルキルスルホネート-ブスルファン(alkyl sulfonates-busulfan)、ニトロソウレア(nirtosoureas) (カルムスチン(carmustine)(BCNU)および類似体、ストレプトゾシン(streptozocin))、トラゼン-ダカルバジニン(trazenes - dacarbazinine) (DTIC)などの抗増殖剤/抗有糸分裂アルキル化剤;
葉酸類似体(メソトレキセート)、ピリミジン類似体(フルオロウラシル(fluorouracil)、フロクスウリジン(floxuridine)およびシタラビン(cytarabine))、プリン類似体および関連阻害剤(メルカプトプリン(mercaptopurine)、チオグアニン(thioguanine)、ペントスタチン(pentostatin)および2-クロロデオキシアデノシン{クラドリビン}(2-chlorodeoxyadenosine {cladribine}))などの抗増殖/抗有糸分裂性代謝拮抗剤;
プラチナ配位錯体(シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin))、プロカルバジン(procarbazine)、ヒドロキシウレア(hydroxyurea)、マイトタン(mitotane)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide);
ホルモン(即ち、エストロジェン);
抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩および他のトロンビン(thrombin)阻害剤);
繊維素溶解剤(組織プラスミノーゲン(plasminogen)アクチベーター、ストレプトキナーゼ(streptokinase)およびウロキナーゼ(urokinase))、アスピリン、ジピリダモール(dipyridamole)、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)、アブシキシマブ(abciximab);
遊走阻止剤;
分泌抑制剤(ブレベルジン(breveldin));
抗炎症剤:副腎皮質ステロイド(コーチゾル(cortisol)、コーチゾン(cortisone)、フルドロコーチゾン(fludrocortisone)、プレドニゾン(prednisone)、プレドニゾロン(prednisolone)、6α-メチルプレドニゾロン(6α-methylprednisolone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、ベータメサゾン(betamethasone)およびデキサメサゾン(dexamethasone))、非ステロイド剤(サリチル酸誘導体、即ち、アスピリン;
パラアミノフェノール誘導体、即ち、アセトアミノフェン;
インドールおよびインデン酢酸(インドメタシン(indomethacin)、スリンダック(sulindac)およびエトダラック(etodalac))、ヘテロアリール(heteroaryl)酢酸(トルメチン(tolmetin)、ジクロフェナック(diclofenac)およびケトロラック(ketorolac))、アリールプロピオン酸(イブプロフェンおよび誘導体)、アントラニール酸(メフェナム酸およびメクロフェナム酸)、エノール酸(ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)およびオキシフェンタトラゾン(oxyphenthatrazone))、ナブメトン(nabumetone)、金化合物(アウラノフィン(auranofin)、アウロチオグルコース(aurothioglucose)、金ナトリウムチオマレート(gold sodium thiomalate));
免疫抑制剤:(サイクロスポリン(cyclosporine)、タクロリムス(tacrolimus) (FK-506)、シロリムス(sirolimus) (ラパマイシン)、アザチオプリン(azathioprine)、マイコフェノレートモフェチル(mycophenolate mofetil));
血管形成剤:血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF);
アンギオテンシン(angiotensin)レセプター遮断剤;
一酸化窒素供与体;
アンチセンスオリゴヌクレオチド(antisense oligionucleotides)およびそれらの組み合わせ;
細胞周期阻害剤、mTOR阻害剤、および増殖因子レセプターシグナル伝達キナーゼ阻害剤;
レテノイド;サイクリン/CDK阻害剤;
HMG補酵素レダクターゼ阻害剤(スタチン);
およびプロテアーゼ阻害剤である。
【0036】
加工済み医療用具は、さらに、ブレンドプロセス中またはその後の段階のいずれかの間に、薬理作用を強化するために、薬剤、蛋白、および/または、遺伝子などの生体活性種で含浸させることができる。
【0037】
前記混合物の密度および多孔度を調整し、生体での分解時間および吸収速度を調節することができる。各種粒度の、特に直径の小さなバイオセラミックを使って当該混合物を生成し、それによって、最終の生成コンポジットに各種異なった機械的性質を付与することができる。組成の異なるバイオセラミックをブレンディングに使って、生分解領域を有する調節された界面形態、およびその後の当該コンポジットの分解時間の調整など、異なる性質のコンポジットを得ることができる。異なる比率のバイオセラミックと生分解性ポリマーをブレンディングに使って、異なる機械的強度と分解時間を達成できる。異なる加工条件を使うと、多孔度、密度および成形表面の性質などの異なる物理的性質および表面の性質を有する混合物を生成できる。バイオガラスの生体活性は、当該バイオガラス粒子の表面を不動態化(passifying)
することによって調節できる。このことも、当該バイオガラス粒子の分解時間および中和作用を変化させる。各種ポリマーを使って、機械的性質に大きく関与せずに、分解時間を調整することができる。それは、機械的性質を、バイオセラミックの使用によって強化できるからである。機械的強度を低下させずに分解時間を短縮することが、薬剤溶出ステントなどの医療用具としての混合物の総合的性能に重要である。最後に、ジオキサノンを添加すると、生分解性ポリマーの分解速度または、この場合は、加水分解速度を変化させる、あるいは調節することができる。さらに、追加的薬理機能を当該混合物に容易に組み入れることができる。
【0038】
本発明に関連した化合物の使用は、既存の治療法および/または用具に勝る際立った臨床上の長所を提供できる。さらに具体的には、大静脈フィルターまたは遠位塞栓防止デバイスなどのフィルタリングに使用される医療用具に前記材料を形成する場合、塞栓残滓の溶解または分解を惹起できる化合物を前記材料に組入れることができる。当該化合物の選別にあたって考慮すべき要因は、それが血栓、プラーク、アテローマであっても、あるいは、何らかの他の塞栓を示す形態であっても、残滓の出所由来である。フィルタリング面のメッシュサイズおよび/または孔径が減少するにつれ、より多くの塞栓物質がフィルタリングメカニズムに捕捉され、それによって、フィルタリング部分の負荷を高める可能性がある。小さな塞栓(典型的には100ミクロン未満)は、当該塞栓への生体の自然な酵素的分解、消化または溶解能があるため、重大な懸念事項ではないが、フィルター自体への塞栓負荷が過剰に加わり、血流が血栓形成を可能にする地点まで著しく鈍化すると、血栓が形成される。この状況で、捕捉された塞栓を分解できる化合物の組入れまたは塗布が有益である。一部の典型的な適合化合物は、次の化合物を含むことができる。即ち、組織プラスミノーゲン(Plasminogen)(TPA);ストレプトキナーゼ(Streptokinase )(SK);レテプラーゼ(Reteplase);テネクテプラーゼ(Tenecteplase);ウロキナーゼ(Urokinase);ラノテプラーゼ(Lanoteplase);スタフィロキナーゼ(Staphylokinase);および/またはナドロパリン(アンチファクターXa)(Nadroparin(anti-factor Xa))である。さらに、フィルタリング部分は、抗血栓および/または抗血栓形成剤を組入れ、血栓の形成を防止できる。一部の典型的化合物は、ヘパリン;フラグミン(Fragmin)(ダルテパリン(dalteparin)、低分子量ヘパリン);ReoPro(登録商標)などのモノクロナール(monoclonal)抗体(アブシキマブ(abciximab)、抗血小板抗体); アセノクマロール(Acenocoumarol);アニシンジオン(Anisindione);ジクマロール(Dicumarol);ワルファリン(Warfarin);エノキサパリン(Enoxaparin)(ラブノックス(Lovenox));アナグレリド(Anagrelide )(アグリリン(Agrylin));インドメタシン(インドシン(Indocin));ジピリダモール(Dipyridamole);クロピドグレル(Clopidogrel);アグレノックス(Aggrenox);および/またはクマジン(Coumadin)である。さらに、親和結合化合物も、単独で、または他の化合物との組み合わせで、フィルタリング面に組み入れることができる。親和結合化合物は、塞栓物質の結合および/または付着を促進し、それによって、塞栓物質の捕捉と、それに続く血流からの除去を容易にする。前記材料への取り込みが、化学表面処理、衝撃、リザーバー内への配置などの方法によるものであっても、あるいは、前記材料自体とブレンドされたポリマー用具の場合、当該用具への化合物のコーティング剤としての塗布によるものであっても、すべての特定化合物を単独で、または特定化合物を併用して使用することができる。さらに、多数の化合物が当業者に周知であると思われ、本発明品のみとともに、もしくは、他の化合物と併用して、用いることができる。
【0039】
本発明の典型的実施態様に従って、提案されている生分解性ポリマーおよびバイオガラスおよび/またはバイオセラミック混合物は、ステントおよび/またはフィルタリング用具などの様々な形状に加工でき、さらに、分解および/または拡散バリアまたはバリア群に変更することができる。さらなる変更の好ましい形態は、当該混合物の分解速度を調節するための、追加的な分解性ポリマーによる当該用具へのコーティング剤の利用である。
【0040】
別法として、他の周知の生分解性ポリマーは、ポリフォスフォエステル(polyphosphoesters)、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリオルソエステル(polyorthoeseters)、ポリカーボネート(polycarbonates)、または、それらのポリマー混合物、並びに、本発明の典型的実施態様に従って利用できる他の天然由来ポリマー、例えば、蛋白またはポリペプチド、を含むが、それらに制約されない。
【0041】
別の代替実施態様では、これらの生体適合性材料の2種類のクラス混合物を用いることができ、これらの2種類の生体適合性および生分解性材料の混合物も生分解性および生体適合性であることを立証するために、試験を行うことができる。
【0042】
提示され、説明されているのは、最も実用的で好ましい実施態様であると考えられるが、説明され、図示された具体的意匠および方法からの展開が、当業者には自ずから明らかになるものであり、それらを本発明の精神および範囲を逸脱せずに使用することができることは明白である。本発明は、説明され、図解された特定の構成概念に制限されるものではなく、本発明の範囲および添付される特許請求の範囲内に含まれる全変更態様と一貫するように構成されるものとする。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 医療用具において、
粒子状の生分解性ポリマーと、
粒子状の生体活性セラミックと、を含み、
生分解性ポリマー粒子と生体活性セラミック粒子の配合がブレンドされている、
医療用具。
(2) 実施態様1に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが前記医療用具の基質を形成する、医療用具。
(3) 実施態様1に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが医療用具の基質に付着された表面コーティング剤を形成する、医療用具。
(4) 実施態様1に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマー粒子および生体活性粒子が、生体で至適構造強度および分解時間を可能にするのに十分に小さい粒度である、医療用具。
(5) 実施態様1に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
(6) 実施態様1に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
(7) 実施態様1に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマーが、PLLA、PDLA、PLGA、およびPLGA/CLから成る群から選択される、医療用具。
(8) 実施態様1に記載の医療用具において、
添加剤をさらに含む、医療用具。
(9) 実施態様8に記載の医療用具において、
前記添加剤が、生体活性化合物である、医療用具。
(10) 実施態様8に記載の医療用具において、
前記添加剤が放射線不透過造影剤である、医療用具。
(11) 実施態様8に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
(12) 実施態様8に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
(13) 医療用具において、
粒子状の生分解性ポリマーと粒子状の生体活性セラミックを含み、
前記の生分解性ポリマー粒子と生体活性セラミック粒子の配合物がブレンドされ、
前記生分解性ポリマー粒子対前記生体活性セラミック粒子の比率が1より大きい、
医療用具。
(14) 実施態様13に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが前記医療用具の基質を形成する、医療用具。
(15) 実施態様13に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが医療用具の基質に付着する表面コーティング剤を形成する、医療用具。
(16) 実施態様13に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマー粒子と生体活性粒子が生体で至適構造強度および分解時間を可能にするのに十分に小さい粒度である、医療用具。
(17) 実施態様13に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
(18) 実施態様13に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
(19) 実施態様13に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマーが、PLLA、PDLA、PLGA、およびPLGA/CLから成る群から選択される、医療用具。
(20) 実施態様13に記載の医療用具において、
添加剤をさらに含む、医療用具。
(21) 実施態様20に記載の医療用具において、
前記添加剤が、生体活性化合物である、医療用具。
(22) 実施態様20に記載の医療用具において、
前記添加剤が放射線不透過造影剤である、医療用具。
(23) 実施態様20に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
(24) 実施態様20に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
(25) 実施態様において、
粒子状の生分解性ポリマーと粒子状の生体活性セラミックを含み、
生分解性ポリマー粒子と生体活性セラミック粒子の配合がブレンドされ、
前記生分解性ポリマー粒子対前記生体活性セラミック粒子の比率が実質的に4:1である、医療用具。
(26) 実施態様25に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが前記医療用具の基質を形成する、医療用具。
(27) 実施態様25に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが医療用具の基質に付着する表面コーティング剤を形成する、医療用具。
(28) 実施態様25に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマー粒子と生体活性粒子が生体で至適構造強度および分解時間を可能にするのに十分に小さい粒度である、医療用具。
(29) 実施態様25に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
(30) 実施態様25に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
(31) 実施態様25に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマーが、PLLA、PDLA、PLGA、およびPLGA/CLから成る群から選択される、医療用具。
(32) 実施態様25に記載の医療用具において、
添加剤をさらに含む、医療用具。
(33) 実施態様32に記載の医療用具において、
前記添加剤が、生体活性化合物である、医療用具。
(34) 実施態様32に記載の医療用具において、
前記添加剤が放射線不透過造影剤である、医療用具。
(35) 実施態様32に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
(36) 実施態様32に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
(37) 医療用具を加工する方法において、
生分解性ポリマー粒子を生体活性セラミック粒子とブレンドして材料を生成し、
前記材料を、医療用具への用途に望みの形状に成形する段階を含む、
医療用具の加工法。
(38) 医療用具を加工する方法において、
生分解性ポリマー粒子を生体活性セラミック粒子とブレンドてコーティング材を形成し、
前記コーティング材を塗布し、医療用具を封入する、
医療用具の加工法。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ステントの全体を模式的に示す図である。
【図1A】図1に示した1aの部分におけるステント構造例を示す図である。
【図2】ステントの全体を模式的に示す図である。
【図2A】図2に示した2aの部分におけるステントの構造例を示す図である。
【図3A】ステントの構造例を示す図である。
【図4】ステントの全体を模式的に示す図である。
【図4A】図4に示した4aの部分におけるステントの構造例を示す図である。
【図5A】表面コーティングがされていない医療用具の一部分の断面図である。
【図5B】表面をコーティングした医療用具の一部分の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用具において、
粒子状の生分解性ポリマーと、
粒子状の生体活性セラミックと、を含み、
生分解性ポリマー粒子と生体活性セラミック粒子の配合がブレンドされている、
医療用具。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが前記医療用具の基質を形成する、医療用具。
【請求項3】
請求項1に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが医療用具の基質に付着された表面コーティング剤を形成する、医療用具。
【請求項4】
請求項1に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマー粒子および生体活性粒子が、生体で至適構造強度および分解時間を可能にするのに十分に小さい粒度である、医療用具。
【請求項5】
請求項1に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
【請求項6】
請求項1に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
【請求項7】
請求項1に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマーが、PLLA、PDLA、PLGA、およびPLGA/CLから成る群から選択される、医療用具。
【請求項8】
請求項1に記載の医療用具において、
添加剤をさらに含む、医療用具。
【請求項9】
請求項8に記載の医療用具において、
前記添加剤が、生体活性化合物である、医療用具。
【請求項10】
請求項8に記載の医療用具において、
前記添加剤が放射線不透過造影剤である、医療用具。
【請求項11】
請求項8に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
【請求項12】
請求項8に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
【請求項13】
医療用具において、
粒子状の生分解性ポリマーと粒子状の生体活性セラミックを含み、
生分解性ポリマー粒子と生体活性セラミック粒子の配合がブレンドされ、
前記生分解性ポリマー粒子対前記生体活性セラミック粒子の比率が1より大きい、
医療用具。
【請求項14】
請求項13に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが前記医療用具の基質を形成する、医療用具。
【請求項15】
請求項13に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが医療用具の基質に付着する表面コーティング剤を形成する、医療用具。
【請求項16】
請求項13に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマー粒子と生体活性粒子が生体で至適構造強度および分解時間を可能にするのに十分に小さい粒度である、医療用具。
【請求項17】
請求項13に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
【請求項18】
請求項13に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
【請求項19】
請求項13に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマーが、PLLA、PDLA、PLGA、およびPLGA/CLから成る群から選択される、医療用具。
【請求項20】
請求項13に記載の医療用具において、
添加剤をさらに含む、医療用具。
【請求項21】
請求項20に記載の医療用具において、
前記添加剤が、生体活性化合物である、医療用具。
【請求項22】
請求項20に記載の医療用具において、
前記添加剤が放射線不透過造影剤である、医療用具。
【請求項23】
請求項20に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
【請求項24】
請求項20に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
【請求項25】
医療用具において、
粒子状の生分解性ポリマーと粒子状の生体活性セラミックを含み、
生分解性ポリマー粒子と生体活性セラミック粒子の配合がブレンドされ、
前記生分解性ポリマー粒子対前記生体活性セラミック粒子の比率が実質的に4:1である、
医療用具。
【請求項26】
請求項25に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが前記医療用具の基質を形成する、医療用具。
【請求項27】
請求項25に記載の医療用具において、
前記粒子配合ブレンドが医療用具の基質に付着する表面コーティング剤を形成する、医療用具。
【請求項28】
請求項25に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマー粒子と生体活性粒子が生体で至適構造強度および分解時間を可能にするのに十分に小さい粒度である、医療用具。
【請求項29】
請求項25に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
【請求項30】
請求項25に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
【請求項31】
請求項25に記載の医療用具において、
前記生分解性ポリマーが、PLLA、PDLA、PLGA、およびPLGA/CLから成る群から選択される、医療用具。
【請求項32】
請求項25に記載の医療用具において、
添加剤をさらに含む、医療用具。
【請求項33】
請求項32に記載の医療用具において、
前記添加剤が、生体活性化合物である、医療用具。
【請求項34】
請求項32に記載の医療用具において、
前記添加剤が放射線不透過造影剤である、医療用具。
【請求項35】
請求項32に記載の医療用具において、
前記医療用具がステントである、医療用具。
【請求項36】
請求項32に記載の医療用具において、
前記医療用具が遠位塞栓防止デバイスである、医療用具。
【請求項37】
医療用具を加工する方法において、
生分解性ポリマー粒子を生体活性セラミック粒子とブレンドして材料を生成し、
前記材料を、医療用具への用途に望みの形状に成形する段階を含む、
医療用具の加工法。
【請求項38】
医療用具を加工する方法において、
生分解性ポリマー粒子を生体活性セラミック粒子とブレンドしてコーティング材を形成し、
前記コーティング材を塗布し、医療用具を封入する、
医療用具の加工法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2006−223860(P2006−223860A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−32841(P2006−32841)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(597041828)コーディス・コーポレイション (206)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Corporation
【Fターム(参考)】