説明

機械的活性化における積層体の製造方法

伸縮性積層体の製造方法は、中間伸縮性積層体を形成する工程を含む。中間伸縮性積層体の形成には、第一基材の用意、及び接着剤を用いた弾性フィルムの第一基材への取り付けを含む。第一基材及び弾性フィルムは、対向している。伸縮性基材の中間体は、予め定められた付加ひずみにおいて、50%以上の残留エネルギーを有する。伸縮性積層体の形成方法は、少なくとも100s−1のひずみ速度で中間伸縮性積層体の機械的活性化をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性積層体、及び機械的活性化による欠陥の低減を示す伸縮性積層体のような伸縮性積層体を製造する方法に関する。伸縮性積層体は、様々な物品において使用されてよく、乳児用おむつ、成人失禁用品、婦人衛生用品、乳児水泳用おむつ、よだれ掛け、創傷用包帯、及び弾性的に延伸可能な伸縮性積層体が望まれるその他物品のような、使い捨て吸収性物品において特に有用である。
【背景技術】
【0002】
伸縮性積層体は、様々な使い捨て吸収性物品に使用することが可能である。例えば、様々な着用者に適合し、漏れを最少化することができる使い捨て吸収性おむつを提供するために、使い捨て吸収性おむつはしばしば伸縮性積層体を含む。使い捨て吸収性おむつの着用者の寸法が異なるため、伸縮性積層体はしばしば使い捨て吸収性おむつの腰部区域及び脚部区域に使用され、それによって使い捨て吸収性おむつは幅広い着用者に適合し得る。
【0003】
従来の伸縮性積層体はしばしば、少なくとも2つの不織布材及び、この2つの不職布材に挟まれる少なくとも1つの弾性フィルムを有する。一般に、2つの不織布材が、接着剤により弾性フィルムに取り付けられる。
【0004】
場合によっては、使い捨て吸収性物品に使用される伸縮性積層体は、機械的に活性化されている。機械的活性化プロセスには、突出歯を有する活性化ロールの間に伸縮性積層体を噛み合わさせることを含み得る。典型的に、伸縮性積層体が活性化ロールを通過するときに、伸縮性積層体の活性化区域が活性化ロールの歯の間に噛み合わされる。活性化区域の外側に配置されるタックダウン区域は典型的に、活性化ロールの突出歯間で噛み合わされない。伸縮性積層体の活性化区域は、活性化ロールの歯の間に噛み合わされるため、不織布材は、少なくともある程度まで恒久的に引き伸ばされ、伸縮性積層体は、加えられた引張り力の解放時に、一般にその元の歪められていない形状に完全には戻らないことになる。このような向き及び位置合わせは、当業界においては一般的である。
【0005】
弾性的延伸性を有する伸縮性積層体のこの製造プロセスは、「機械的活性化」又は「リングロール」と呼ばれる。機械的活性化は、典型的に高速で実行される。従って、機械的活性化プロセスを受ける伸縮性積層体は、非常に高いひずみ速度に曝露される。さらには、優れた伸張性を有する伸縮性積層体を提供するために、伸縮性積層体は高いひずみ率にさらに曝露されてよく、言い換えれば、機械的活性化プロセスにおいて伸縮性積層体に及ぼされるひずみ速度を増加し得る。
【0006】
残念なことに、機械的活性化プロセス中に及ぼされる高ひずみ速度及び高ひずみ率の結果の一つとして、多くの伸縮性積層体は欠陥を被り得る。欠陥の多くは、性質が構造的である。例えば、機械活性化プロセスを受ける伸縮性フィルムは、伸縮性フィルムの構造一体化を減少させる孔などの欠陥が及ぶ場合がある。伸縮性フィルムの構造一体化の低減は、伸縮性積層体の初期故障を導く可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、機械的活性化プロセスからの欠陥の低減を示す、伸縮性積層体を用意することが有利である。さらに、機械的活性化プロセスに耐え、欠陥の低減を示すことが可能である伸縮性積層体を作製するプロセスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、機械的活性化プロセスによる欠陥の低減を示す伸縮性積層体を製造し得る。伸縮性積層体の製造方法は、中間伸縮性積層体を形成する工程を含む。中間伸縮性積層体の形成は、第一基材を用意する工程と、弾性フィルムを第一基材の表面に第一基材及び弾性フィルムが対向するように取り付ける工程を含む。弾性フィルムは、接着剤によって第一基材に取り付けることができる。伸縮性基材の中間体は、予め定められた付加ひずみで、50%以上の残留エネルギーを有する。伸縮性積層体の製造方法は、少なくとも100s−1のひずみ速度で中間伸縮性積層体を機械的活性化する工程をさらに含む。
【0009】
本発明の中間伸縮性積層体では、機械的活性化プロセスからの欠陥を低減させ得る。ある実施形態において、中間伸縮性積層体は、第一不織布、弾性フィルム、及び第二不織布を含み得る。弾性フィルムと第一不織布が対向するように、弾性フィルムを接着剤によって第一不織布に取り付けることが可能である。第二不織布は、接着剤によって弾性フィルムに取り付けることができる。第二不織布と弾性フィルムが対向するように、第二不織布を第一不織布に向かい合って弾性フィルムに取り付けることが可能である。中間伸縮性積層体は、約50%を超える残留エネルギーを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
定義:
以下の専門用語は、本明細書において、各用語の明らかな意味と矛盾せず、本明細書に示される更なる詳細を伴って使用される。
【0011】
用語「吸収性物品」は、本明細書で使用するとき、排泄物を吸収して封じ込める装置を指し、より具体的には、着用者の身体に当ててまたは近接して配置され、身体から排出される様々な排泄物を吸収して封じ込める装置を指す。
【0012】
用語「活性化する」、「活性化」、又は「機械的な活性化」は、基材又はエラストマー積層体が、プロセス以前よりもより延伸性があるようにするプロセスを指す。
【0013】
「坪量」は、平面的材料の一定の表面積に関する重量を指す。坪量は、典型的には1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で測定する。伸縮性積層体の坪量は典型的に、伸縮性積層体が緩んだ形状にある間に測定される。
【0014】
「波形」又は「皺」という用語は、基材又は積層体構造中で発生する丘部分と谷部分を記述するために用いる。いずれの用語も、すなわち、「波形」も「皺」も、作製された丘部分又は谷部分のいずれかが実際に均一である必要はないことに留意すべきである。
【0015】
「おむつ」という用語は、本明細書で使用する時、一般に幼児及び失禁症者が腰及び脚を囲むように胴体下部周辺に着用し、並びに尿及び糞便排泄物を受容して収容するように特に適合されている吸収性物品を指す。「おむつ」という用語には、本明細書で使用する時、以下で定義されている「パンツ」も含まれる。
【0016】
用語「使い捨て」は、本明細書において、洗濯されるか、そうでなければそれらの本来の機能のために復元し再利用されることを一般に意図しない製品を説明するために使用される。それらは、典型的には約1回又は2回の使用の後に廃棄されることを意図する。そのような使い捨て物品は、リサイクルするか、堆肥化するか、そうでなければ環境に適合した方式で処分することが好ましい。
【0017】
「使い捨て吸収性物品」は、通常、流体を吸収及び/又は保持する物品デバイスを指す。場合によっては、この語句は、身体から排出された排泄物及び/又は滲出物を吸収し封じ込めるために着用者の身体に当てて又は身体の近傍に置かれる物品を指しており、これには、乳児用おむつ、乳児用トレーニングパンツ、成人失禁用品、女性衛生用品、乳児水泳用おむつ、創傷用包帯などのようなパーソナルケア物品が含まれる。使い捨て吸収性物品は、乳幼児及び他の失禁症者により胴体下部の周りで着用されてもよい。
【0018】
「弾性的延伸性」は、本明細書で使用する時、延伸性材料を延伸させた力を取り除いた後、ほぼ元の寸法に戻る力を有する延伸性材料の特質を指す。本明細書では、「延伸性がある」と記載されている材料又は要素は、別途規定がない限り、「弾性的延伸性」でもあり得る。
【0019】
用語「対向配列」又は「対向する配向」は、本明細書で使用するとき、第二要素に対する第一要素の接合を指し、第一要素の少なくとも一部分は、第二要素の少なくとも一部分と重なり合い、又は逆もまた同様である。第一要素と第二要素の接合は、第一要素の面と第二要素の面が直接的に結合されているか、又は互いに接触していることを必ずしも意味しないことに留意されたい。第一要素と第二要素との間に存する幾つかの中間要素があってもよい。第一要素及び第二要素は、この文脈において、基材、不織布、複数のエラストマーストランド、又はそれらのいかなる組み合わせの少なくとも1つを含んでもよい。
【0020】
本明細書で使用する時、「中間伸縮性積層体」は、別記されない限り機械的活性化がまだされていない伸縮性積層体を指す。
【0021】
用語「接合された」は、本明細書において、材料又は構成要素が、別の材料又は構成要素に直接的又は(1以上の中間部材によって)間接的に固定される構成を包含する。間接的な接合の一例は、接着剤である。直接的な結合としては、熱及び/又は圧力結合が挙げられる。接合には、例えば接着剤、熱接着、圧力接着、超音波接着などが挙げられる、当該技術分野で既知のいかなる手段を包含してもよい。
【0022】
用語「長手方向」は、本明細書において、積層体又は基材の最長縁部に対して一般的に平行である方向を指すために使用される。積層体又は基材が、他の縁部よりも長い長さを有する縁部を有さないならば、長手方向は、縁部が1を超える場合には縁部に対して平行に、又は縁部が1つのみである場合には縁部に接して延びる。使い捨て吸収性物品に関して、「長手」方向は、使い捨て吸収性物品の一方の腰縁部から使い捨て吸収性物品の対向する腰縁部までを通り、一般的に使い捨て吸収性物品の最大線寸法に対応する線に平行である。長手方向の±45°以内の方向は「長手方向」であると見なされる。
【0023】
用語「横」は、「長手」方向に対して一般的に垂直に通り、且つそれと同一面内にある方向を指す。使い捨て吸収性物品に関して、「横」方向は、物品の一方の側縁部から物品の対向する側縁部を通り、且つ、長手方向に対して一般的に直角であって長手方向と同一平面内にある。横方向の±45°以内の方向は、「横方向」であると見なされる。
【0024】
用語「パンツ」、「トレーニングパンツ」、「閉じたおむつ」、「予め締結されたおむつ」、および「プルオンおむつ」は、本明細書で使用するとき、幼児または成人着用者用に設計された腰開口部および脚開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、パンツが着用者上に装着される前に閉じたウエスト開口部及び脚開口部を有するように構成され得るか、あるいは、パンツは、着用者上にある間にウエスト開口部が閉じられ、脚開口部が形成されるように構成され得る。パンツは、いかなる好適な技法により予備形成されてもよく、これには再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、縫い目、溶着、接着剤、凝集性結合、締結具など)を用いて物品の一部を互いに接合することが挙げられるが、これらに限定されない。パンツは、物品の周囲に沿った任意の箇所で、予め形成(例えば、側面締結、前腰部締結、後腰部締結)されてよい。適切なパンツの例は、米国特許第5,246,433号、米国特許第5,569,234号、米国特許第6,120,487号、米国特許第6,120,489号、米国特許第4,940,464号、米国特許第5,092,861号、米国特許第5,897,545号、米国特許第5,957,908号、及び米国特許公開第二003/0233082A1号に開示されている。
【0025】
用語「不織布」は、本明細書において、スパンボンド、メルトブロウンなどの方法によって、連続する(長)フィラメント(繊維)及び/又は不連続の(短)フィラメント(繊維)から作製された材料を指す。不織布には、織った又は編んだフィラメントパターンがない。不織布は、典型的には、機械方向及び横断方向を有するものとして記載される。機械方向は、不織布が製造される向きである。不織布は、典型的には、製造時の長い向き又は巻いた向きに相当する機械方向で形成される。
【0026】
用語「基材(単数又は複数)」は、本明細書において、特に使い捨て吸収性物品で使用するための、エラストマー積層体で使用するのに好適な材料を指す。かかる材料の例は、フィルム、不織布、織布、布地、及び吸収性物品の中のエラストマー積層体で使用するための当該技術分野において既知の他の材料である。
【0027】
本発明で使用されるとき、「ひずみ付加プロセス」は、シミュレートされた機械的活性化プロセスで算出された最大ひずみを指す。
【0028】
説明:
本発明に従って構築される伸縮性積層体は、機械活性化プロセスによる欠陥の低減数を示し得る。本発明の方法は、機械的活性化プロセス中に高ひずみ速度を供されても、欠陥の低減数を示す伸縮性積層体を製造することが可能である。ひずみ速度は、以下表I及び表IIで議論する。
【0029】
本発明の伸縮性積層体は、吸収性物品の任意の好適な部分又は好適な要素に組み込むことができる。例えば、本発明の伸縮性積層体は、吸収性物品に取り付けられる耳パネルに組み込むことができる。更に別の例において、本発明の伸縮性積層体は、パンツのウエスト領域又は脚領域に含まれてもよい。本発明の伸縮性積層体は、伸縮性積層体の特性を組み込むのが望ましい任意の位置又は区域でおむつ又はパンツ等の吸収性物品に組み込むことができる。
【0030】
ある実施形態において、図1に示すように、本発明に従って構築される伸縮性積層体100は、本発明のプロセス188によって作製することが可能である。示されるように、伸縮性積層体100は、第一基材供給体102により用意される第一基材103及び伸縮性フィルム供給体117により用意される弾性フィルム118を含み得る。接着剤116は、第一接着剤源110により第一基材103に塗布し得る。更に、示されるように、いくつかの実施形態では、伸縮性積層体100は、第二基材供給体104により用意される第二基材105を更に含み得る。第一基材103と同様に、第二接着剤源112により接着剤116を第二基材105に塗布し得る。第一接着剤源110により塗布される接着剤116及び第二接着剤源112により塗布される接着剤116が異なる材料を含む場合、異なる性質及び/又は異なる化学物が意図される。
【0031】
示されるように、ある実施形態では、第一基材103、第二基材105、及び弾性フィルム118は、ニップ部材150に適用されることが可能である。ニップ部材150は、第一ニップロール152と第二ニップロール154の間にニップ部156を形成する第一ニップロール152及び第二ニップロール154を含んでよい。第一基材103、弾性フィルム118、及び第二基材105がニップ部材150のニップ部156を通過する際、第一ニップロール152及び第二ニップロール154が、第一基材103、弾性フィルム118、及び第二基材105を連結し、それにより中間伸縮性積層体90を形成する。
【0032】
第一基材ウェブ103は、対向するように弾性フィルム118に連結することが可能である。同様に、第二基材105を含む実施形態においては、第二基材105は対向するように弾性フィルム118に連結することが可能である。
【0033】
ある実施形態では、ニップ部材150の下流(方向1021)の中間伸縮性積層体90は、機械的活性化部材170により機械的に活性化され、それにより伸縮性積層体100を製造できる。中間伸縮性積層体90は、機械的に活性化されていない伸縮性積層体である。
【0034】
機械的活性化部材170は、第一活性化ロール172と第二活性化ロール174とを含んでよい。第一活性化ロール172と第二活性化ロール174の各々は、複数の歯を含んでよい。第一活性化ロール172と第二活性化ロール174との歯は、互いに噛み合うことができる。
【0035】
伸縮性積層体を製造する材料は、機械的活性化プロセスによって伸縮性積層体が示す欠陥の数に非常に影響を及ぼすことが分かっている。注意深く材料を選択することで、機械的活性化プロセスによって伸縮性積層体が示す欠陥の数を低減することが可能であることも分かっている。
【0036】
リングロールシミュレーションプレスを使用することで、機械的活性化プロセスによって伸縮性積層体が示すであろう欠陥の数に関して、いくつかの洞察を提供することができる中間伸縮性積層体におけるデータを得ることができる。リングローリングシミュレーションプレスは、中間伸縮性積層体における機械的活性化プロセスをシミュレートできる。そうすることで、リングローリングシミュレーションプレスは、典型的には中間伸縮性積層体を破損に至らせる。リングローリングシミュレーションプレスは、米国特許第6,843,134号で議論されている。
【0037】
図2Aは、リングローリングシミュレーションプレスにおいて破損に至る際の中間伸縮性積層体の挙動におけるグラフ表示を示す。図2Bは、中間伸縮性積層体の残留エネルギーのグラフ表示を示す。残留エネルギーは、中間伸縮性積層体における機械的活性化プロセスのシミュレーションから集計されたデータをもとにした関数及びそれによって提供される等式から導かれる。
【0038】
図2Aに示されるように、曲線200は、本発明に従って構築された中間伸縮性積層体の性能を表す。示されるように、中間伸縮性積層体が完全に破損に至る、例えば1000%のような十分なひずみを付加することが可能である。ひずみを付加する過程中、中間伸縮性積層体は2つのピークを示し得る。
【0039】
理論に束縛されるものではないが、第一ピーク252は、接着剤と伸縮性積層体の弾性フィルムの連結における、第一基材及び/又は第二基材の累積特性を示すと思われる。しかしながら、第一ピーク252は、主に第一基材及び/又は第二基材の特性によって構成されている。示されるように、第一ピーク252は約80%ひずみで生じ得る。さらに、約80%を超えるひずみでの曲線の下降は、中間伸縮性積層体の第一基材及び/又は第二基材を形成する各々の繊維における破損を表すと思われる。
【0040】
理論に束縛されるものではないが、第二ピーク254は、中間伸縮性積層体の弾性フィルムのピーク負荷に関連すると思われる。示されるように、第二ピーク254は約720%のひずみにおいて生じる。約720%を超えるひずみでの曲線の下降は、中間伸縮性積層体の弾性フィルムの破損を表すと思われる。
【0041】
ひずみ付加プロセスの線260は、エンジニア又は技術者に、機械的活性化プロセスにおいて算出されたひずみにおける様々な中間伸縮性積層体の特性を示し得る。例えば、ひずみ付加プロセス線260は、約290%ひずみにおけるものである。これは、機械的活性化プロセスにおける最大算出ひずみが約290%であることを示している。ひずみ付加プロセス線260と曲線200との間の交点は、中間伸縮性積層体が約290%のひずみ付加プロセスにおいて約5.5(N/cm*リガメント))の負荷抵抗力を有することを示す。
【0042】
図2Bに示すように、曲線270は図2Aの中間伸縮性積層体の残留エネルギーを表す。中間伸縮性積層体の残留エネルギーは、任意の所定のひずみにおいて中間伸縮性積層体に残される残存構造の尺度である。例えば、示されるように、0%ひずみで中間伸縮性積層体は、その残留エネルギーの100%が残存する。それとは対照的に、例えば1000%ひずみのような完全破損において、中間伸縮性積層体は残留エネルギーの0%が残存する。示されるように、約290%のひずみ付加プロセスにおいて、中間伸縮性積層体は約65%の残留エネルギーを有する。中間伸縮性積層体の残留エネルギーは、以下の「積層体構造及びその構成成分の試験方法」の工程9で提供される等式で算出することが可能である。
【0043】
残留エネルギーは、中間伸縮性積層体に使用される物質によって変動し得る。例えば、欠陥を低減するために、平坦フィルムを使用する中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて有孔フィルムを使用する中間伸縮性積層体よりも低い残留エネルギーを有する。図3は、平坦フィルム及び有孔フィルムが必要とする伸縮性積層体の残留エネルギーが異なることを示す。
【0044】
有孔フィルムと平坦フィルムとの相違は、平坦フィルムはフィルム中に孔を有さないということである。ある実施形態において、本発明に使用するのに好適な代表的な有孔フィルムは、約8%〜約20%の間又はその範囲内で任意の個別の数の開放領域を有する。他の実施形態において、有孔フィルムの開放領域は、約10%〜約15%で変動する。さらに、ある実施形態において、有孔フィルムは、約2E−7m〜約4.5E−6m(0.2mm〜約4.5mm)の間又はその範囲内で任意の個別の数の開放領域を有する孔を有することができるある実施形態において、孔は約2E−7m〜約1.1E−7m(0.2mm〜約1.1mm)の間の領域を有することができる。
【0045】
図3に示すように、ある実施形態において、平坦フィルムを使用する中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて50%以上の残留エネルギーを有する際に、機械的活性化プロセスからの欠陥の低減を示すことができる。他の実施形態において、中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて約60%以上の残留エネルギーを有する際に、欠陥の低減を示すことができる。さらに他の実施形態においては、中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて約70%以上の残留エネルギーを有する。
【0046】
ある実施形態において、有孔フィルムを使用する中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて約60%以上の残留エネルギーを有する際に、機械的活性化プロセスからの欠陥の低減を同様に示すことができる。他の実施形態においては、中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて約65%以上の残留エネルギーを有する。さらに他の実施形態においては、中間伸縮性積層体は、ひずみ付加プロセスにおいて約70%以上の残留エネルギーを有する。
【0047】
中間伸縮性積層体の残留エネルギーを増加する方法:
上述のように、中間伸縮性積層体の挙動は、中間伸縮性積層体の構築に使用される物質によって大きく影響され得る。従って、ひずみ付加プロセスにおいて中間伸縮性積層体の残留エネルギーを増加させる、多くの方法がある。例えば、ある実施形態において、中間伸縮性積層体の第一基材及び/又は第二基材は、重坪量であり得る。他の実施形態において、中間伸縮性積層体の第一基材及び/又は第二基材は、軽坪量であり得る。例えば、前述のリングロールシミュレーションプレスを使用すると、所定の機械的活性化プロセスにおいて適切な坪量を決定することができる。
【0048】
さらに、第一基材103(図1に示す)及び/又は第二基材105(図1に示す)が不織布を含む実施形態において、不織布の化学的性質は、中間伸縮性積層体によって示される残留エネルギーの量に影響を及ぼし得る。例えば、前述のリングロールシミュレーションプレスを使用すると、不織布の適切な化学的性質を決定することができる。
【0049】
第一基材103(図1に示す)及び/又は第二基材105(図1に示す)に塗布される接着剤は、中間伸縮性積層体が示す残留エネルギーの量に影響を及ぼし得る。理論に束縛されるものではないが、接着剤と第一基材及び/又は第二基材間の相互作用は、第一基材及び/又は第二基材との接着相互作用が低減する際に、残留エネルギーは増加し得ると思われる。例えば、接着剤が延性特性を有する際、基材に付加されるひずみは、基材の全域にわたってより均等に分配され得ると思われる。それとは対照的に、延性を有さない接着剤は、基材の個別の繊維に留まる可能性があり、それによってそれぞれ個別の繊維に及ぼされる局部的なひずみが増加すると思われる。この局部的なひずみの増加により、基材の初期故障をもたらされる可能性があり、それによって中間伸縮性積層体の残留エネルギーが低減すると思われる。例えば、前述のリングロールシミュレーションプレスを使用すると、適切な接着剤を決定することができる。
【0050】
中間伸縮性積層体に使用される弾性フィルムは、中間伸縮性積層体の残留エネルギーにも影響を及ぼし得る。平坦フィルムと有孔フィルムでの相違に加えて、中間伸縮性積層体に使用される弾性フィルムを改良することで、ひずみ付加プロセスにおける中間伸縮性積層体の残留エネルギーを増加できる。例えば、理論に束縛されるものではないが、高ピーク負荷(図2Aにおける項目254)を有するフィルムは、中間伸縮性積層体の残留エネルギーに著しく寄与し得ると思われる。さらに、フィルムの坪量の増加によって中間伸縮性積層体の残留エネルギーが増加し得ると思われる。例えば、前述のリングロールシミュレーションプレスを使用すると、適切な坪量及び弾性フィルムの化学的性質を決定することができる。
【0051】
第一基材103(図1に示す)及び/又は第二基材105(図1に示す)は、織布、不織布、布地等、又はこれらの組み合わせであり得る。基材103(図1に示す)及び/又は第二基材105(図1に示す)が不織布を含む実施形態において、任意の好適な坪量の不織布を中間伸縮性積層体に使用することができる。不織布の代表的な坪量範囲は、約8gsm〜約40gsm又はこの範囲内で任意の坪量であり得る。いくつかの好適な不織布を、以下で記載する実施例において列挙する。
【0052】
本発明の代表的な不織布は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン類、バイコンポーネント繊維、又はこれらの任意の組み合わせから製造される繊維を含み得る。これらの不織布における代表的なプロセスは、カード、スパンボンド、メルトブロウン、又はスパンボンド/メルトブロウンの組み合わせであり得る。
【0053】
本発明に使用する代表的な接着剤は、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、又はそれらの組み合わせのようなスチレン−オレフィン−スチレン三元ブロックコポリマー類を含んでよい。いくつかの実施形態において、接着剤の坪量は、典型的に約4gsm〜約28gsm又はその範囲内で任意の坪量である。接着剤の坪量は、接着剤が塗布される基材の全表面積上での接着剤の総量として計測される。いくつかの好適な接着剤を、以下で論議する実施例において列挙する。
【0054】
本発明で使用する、平坦又は有孔のいずれかの代表的なフィルムは、約10gsm〜約100gsmで変動する坪量、又はその範囲内で任意の坪量を有し得る。また、代表的なフィルムは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン類、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、又はそれらの組み合わせのようなスチレン−オレフィン−スチレン三元ブロックコポリマー類を含み得る。
【0055】
機械的活性化中の中間伸縮性積層体の構成成分(つまり基材、接着剤、及び弾性フィルム)の温度は、中間伸縮性積層体の残留エネルギーに影響し得ることが分かっている。中間伸縮性積層体は、機械的活性化プロセスのシミュレーション中に25℃の平衡温度にある際、事前に指定された範囲内の残留エネルギーを示し得る。しかしながら、シミュレーション中に50℃である際に、同じ中間伸縮性積層体は、指定された範囲内の残留エネルギーを示し得ない。
【0056】
本発明において上記で指定された残留エネルギー範囲は、構成要素物質(つまり、不織布、フィルム、又は接着剤)が機械的に活性化される温度を制御することで得られることが分かっている。例えば、第一基材及び/又は第二基材が高温で機械的に活性化される場合に、残留エネルギーの増加が起こり得る。それとは対照的に、弾性フィルムは、特定の温度まで冷却される際、中間伸縮性積層体の残留エネルギーを増加し得る。
【0057】
従来の伸縮性積層体加工中、基材と弾性フィルムの双方は、典型的に、約22℃であり得る室温においてプロセスに導入される。接着剤は、一般的に約162℃の温度で基材に塗布される。従って、接着剤を基材に塗布することで、典型的に基材の温度は上昇する。さらに、弾性フィルムの基材への接合後、弾性フィルムの温度は上昇し、基材の温度の低下を引き起こす可能性がある。これは、残留エネルギーの減少を引き起こし得る。
【0058】
本発明の他の態様は、中間伸縮性積層体の個別の構成要素が機械的に活性化される温度を制御するのに適している。例えば、ある実施形態において、基材及び接着剤は、第一温度及び第二温度でそれぞれに機械的に活性化されることが可能であり、同時に弾性フィルムは第三温度で活性化される。ある実施形態において、第二温度は、第三温度を超え得る第一温度を超え得る。他の実施形態において、第一温度は第二温度とほぼ同じであり得る。さらに他の実施形態において、第一温度は、第三温度を超える第二温度を超え得る。
【0059】
機械的活性化中の基材、弾性フィルム、及び接着剤の温度の制御は、当該技術分野において既知の任意の好適な手段によって影響され得る。例えば、接着剤及び基材に接触する弾性フィルムの時間は、弾性フィルムの温度が長時間の接触となる程度まで上昇しないように減少され得る。他の例としては、初期弾性フィルム温度が約22℃以下であるように弾性フィルムを前冷却することができる。さらに他の例としては、初期基材温度が約22℃を超えるように基材フィルムを前加熱することができる。
【0060】
中間伸縮性積層体が示す残留エネルギー量に影響し得るさらに他の要因は、機械的活性化プロセスのひずみ速度である。広くは、従来の伸縮性積層体は、100s−1未満のひずみ速度で、機械的に活性化される。典型的に、100s−1未満のひずみ速度での中間伸縮性積層体の残留エネルギーは、より速いひずみ速度での同じ中間伸縮性積層体の残留エネルギーを超える。
【0061】
それとは対照的に、ある実施形態において、本発明に従って構築された伸縮性積層体は、約100s−1を超えるひずみ速度で機械的活性化プロセスにおける欠陥の削減を示す。他の実施形態において、ひずみ速度は約200s−1以上である。さらに他の実施形態において、ひずみ速度は約300s−1以上である。さらに他の実施形態において、ひずみ速度は約500s−1以上である。
【0062】
中間積層体構造の残留エネルギーの測定方法及びその測定値の算出方法:
機械的活性化プロセスは試料においてシミュレーションされることが可能であり、同時に前述のリングロールシミュレーションプレスによってその試料によるデータが得られる。リングロールシミュレーションプレスはさらに、「リングロールシミュレーションプレス」(Ring Rolling Simulation Press)という題目で、アンダーソン(Anderson)他に発行された米国特許第6,843,134号、及び米国特許出願公開第US20040173036A1に記載されている。
【0063】
積層化構造及びその構成要素の試験方法:
アンダーソン(Anderson)他に発行された「リングロールシミュレーションプレス」(Ring Rolling Simulation Press)という題目の米国特許第6,843,134号、及び米国特許出願公開第US20040173036A1にさらに記載されているようなリングロールシミュレーションプレスを使用して、以下の試験は行われる。
【0064】
サンプル調製:
1.一般的な製造手順に従って中間伸縮性積層体を調製する。
【0065】
2.中間伸縮性積層体からサンプルを切り取る。サンプルにおける測定値を試験手順の工程6に関して、さらに議論する。
【0066】
試験手順:
1.「リングロールシミュレーションプレス」(Ring Rolling Simulation Press)という題目の米国特許第6,843,134号に記載するように、シミュレーション装置をセットアップする。
【0067】
2.シミュレートされる機械的活性化プロセスのパラメータを決定/測定する。
図4に関して、シミュレートされる機械的活性化プロセスからのいくつかのパラメータを測定又は決定する。決定されるパラメータの1つは、ウェブ速度Vであって、つまり、機械的活性化プロセスにおいて中間積層化構造560が第一活性化ロール570と第二活性化ロール572との間を通る速度である。決定される他のパラメータは、第一及び第二活性化ロール570及び572上の第一歯及び第二歯T及びTの時間関数としての噛合深さE(t)であり、第一及び第二活性化ロール570及び572上の第一歯及び第二歯T及びTのピッチp、第一及び第二活性化ロールの直径Diも同様に決定されるであろう。これらの要因は、シミュレーション装置での実際の機械的活性化プロセスのシミュレーションにおいて同様のパラメータを決定するであろう。
【0068】
a.機械的活性化プロセスにおける第一歯及び第二歯の噛合の最大深さを測定する。
【0069】
b.時間関数として、噛合深さを決定する。
時間関数として、積層化構造において所定の地点を噛合する第一歯及び第二歯T及びTの噛合深さを、以下の等式で定義する。
【数1】

は、第一歯及び第二歯T及びTの最大噛合深さと等しく、
Diは、第一及び第二活性化ロール570及び572の直径と等しく(活性化ロール570及び572は同じ直径を有すると推定される)、
tはプロセス時間と等しく、0〜2Tの値を有し、
Tは、積層化構造における所定の地点が第一歯及び第二活性化ロールにおいて歯T及びTによって噛合される総時間の半分と等しい。
【0070】
c.シミュレートされる機械的活性化プロセスにおいて、第一及び第二活性化ロールの歯T及びTのピッチを決定する。
一例として、図5に示されるように、歯Tのピッチは、活性化ロール上の第一歯601及び第二歯602の垂直中心線間の距離pと等しい。同様に、歯Tのピッチを測定する。
【0071】
d.第一及び第二活性化ロールの直径Diを決定する。
第一及び第二活性化ロールのうちのいずれかの直径Diは、第一歯の第一歯先半径から第一歯の第二歯先までに及ぶ。第二歯先半径は、第一歯先半径から約180°の傾斜した向きである。
【0072】
本明細書もしくは参照として組み込まれる全等式は、第一活性化ロールの直径Dが第二活性化ロールの直径Dと等しいという予想に基づくことに留意すべきである。第一及び第二活性化ロールの直径が異なる場合、本明細書に記載のシミュレーションプロセスは、上述の変数に対応する等式がロール直径の違いを考慮して再算出されるべきであることを除いては変わらない。当業者は、第一活性化ロール及び第二活性化ロールが異なる場合に、本明細書で提供されるか又は参照として組み込まれる等式を変更することが可能であろう。
【0073】
e.シミュレーション装置の平行移動可能なキャリッジのホームポジションを決定する。
ホームポジションは、キャリッジ(つまり第二プレート)が第一プレートから離れている最大距離である。例えば、ホームポジションは、米国特許第6,843,134号では75mmである。
【0074】
f.シミュレートされる機械的活性化プロセスにおいて、時間関数としてひずみ付加プロセス及び時間関数ひずみ速度を決定する。
米国特許第6,843,134号で提供される等式を用いて、時間関数としてのひずみ付加プロセス及び最終ひずみを算出する。時間関数(つまり、ひずみ(t))としてのひずみの1次導関数を使用して、時間関数としての平均ひずみ速度を計算する。ひずみ(t)の一次導関数は、例えばマサチューセッツ州ケンブリッジ(Cambridge)に位置するマスソフト社(Mathsoft Inc.)により製造されるマスカド(Mathcad)(商標)11.0版等の市販の数学処理ソフトウェアパッケージを使用して導く。
【0075】
g.機械的活性化前の積層化構造の各構成要素の温度を決定する。
機械的活性化前の積層化構造の構成要素の温度を決定する好適な方法は、プロセスの熱伝達を評価する過渡熱モデルの製造を含む。そのようなモデルを製造及び評価する好適なソフトウェアが、スウェーデン、ストックホルムのコムソル社(Comsol, Inc.)により製造された商品名フェムラブ(FEMLAB)(商標)として入手できる。
【0076】
i.伸縮性積層体を作製するため使用されることになる材料の種々の特性を決定する。
嵩平均熱容量、嵩平均熱伝導、嵩平均密度、及び初期温度を含む、不織布、フィルム、接着剤、及び周囲温度におけるいくつかの特性を決定する。不織布、フィルム、接着剤の嵩平均坪量及び速度も同様に決定する。更に、接着剤に関して、結晶化温度、結晶化速度定数、及び結晶化熱を決定する。不織布及びフィルムに関して、溶解熱及び融点も決定する。
【0077】
場合によっては、上述の変数は表から判明し得る。しかしながら、変数を表から容易に入手できない場合には、以下の手順を適用する。ASTM D 5930に従って、熱伝導度を決定する。BS EN ISO 845に従って、密度を決定する。ASTM E 1269に従って、熱容量を決定する。ASTM D 3418に従って、融解/結晶化転移を決定する。ASTM E 793に従って、融解/結晶化熱を決定する。
【0078】
ii.積層体形成プロセス及び機械的活性化プロセスにおけるプロセス条件を決定する。
基材が接着剤の塗布点から弾性フィルムへの取付け点までを移動する距離を測定する。また、中間積層化構造(つまり、基材、接着剤及び弾性フィルム)が活性化ロールによって取り付け地点と噛合地点との間を移動する距離を決定する。
【0079】
iii.工程i及び工程iiからの特性を過渡熱モデルに入力する。
【0080】
iv.過渡熱モデルを実行する。
【0081】
v.過渡熱モデルから算出された温度を保存する。
実行後の過渡熱モデルは、活性化ロールの噛合直前の基材、接着剤、及び弾性フィルムにおいて算出された温度を提供する。
【0082】
3.シミュレートされる機械的活性化プロセスからの計算に従って、シミュレーション装置に適切な第一及び第二歯セットを設置する。
シミュレーション装置において、歯のピッチを変動させることが可能である。歯の第一及び第二セットを、第一及び第二活性化ロールにおける歯のピッチに従って選択する。さらに、第一及び第二活性化ロールにおける歯の噛合深さに従って、歯の第一及び第二セットを選択する。歯は、最小でも少なくともE以上の長さのサンプル厚である。
【0083】
4.シミュレーション装置を較正する。高速リサーチプレスの較正手順は、米国特許第6,843,134号に記載されている。
【0084】
5.工程2の測定値からの活性化パラメータを駆動制御装置に入力する。
キャリッジを制御する等式は、アンダーソン(Anderson)他に発行された「リングロールシミュレーションプレス」(Ring Rolling Simulation Press)という題目の米国特許第6,843,134号、2003年4月24日に出願された「シミュレーション装置」(A Simulation Apparatus)という題目の米国特許出願第10/422,879号で詳細に議論されている。
【0085】
工程2eのひずみ付加プロセスのシミュレーションを使用しないことに留意する。サンプルは、破損に至ってはならない。従って、本シミュレーションにおけるひずみを1000%以上に設定する。
【0086】
6.中間伸縮性積層体のサンプルを、シミュレーション装置のホルダーに取り付ける。
図6に示されるように、サンプル400は、サンプル400の第一末端領域475が第一歯410の長手方向外側に配置されるように取り付けられている。同様に、図6に示されるように、サンプル400は、サンプル400の第二末端領域476が最終歯412の長手方向外側に配置されるように取り付けられている。サンプル400の幅は、第一歯セット402の幅420未満でなければならない。
【0087】
サンプル400は、歯の第二セットが歯の第一セット402と噛合する際に、サンプル400が、ホルダーが積載される場所で歯の第一セット402又は歯の第二セットに対して単に移動するよりもひずみが及ぼされるようにホルダーに緊張させて積載されている。サンプル400は、シミュレーション前に2%を超えてひずみを受けていない。
【0088】
7.サンプル400において、機械的活性化プロセスをシミュレートする。
工程2eから決定される基材の温度を、機械的活性化シミュレーションのために使用する。従って、サンプル400は加熱又は冷却されてもよい。サンプルの加熱は、さらに米国特許第6,843,134号に記載されている。
【0089】
8.工程7のシミュレーションからのデータを保管する。
【0090】
9.工程8のシミュレーションのデータから不織布の残留エネルギーを決定する。シミュレーション装置においてロードセルに及ぼされる垂直力は、プロセッサ/メモリユニットに情報を提供する駆動制御装置に提供される。シミュレーションを受けるサンプルはひずみを被っているため、作業はサンプル上で行う。従って、プロセッサ/メモリ単位に集計されたキャリッジ一データと連動する垂直力データを、サンプルに適用及び/又は吸収されるエネルギー量を表すための仕事に変換することができる。
【0091】
サンプルにおける活性化エネルギーは、ロードセルに及ぼされる垂直力対キャリッジ位置を示す曲線における領域を積分することで決定される。台形公式による数値積分は、前述の曲線における数値を評価するのに使用される。等式は以下である。
【数2】

式中、n=等間隔のタイムスライスを基にしたデータ点の数;P=キャリッジ位置(m)、F=ロードセル力(N)、及びE=サンプルにおける活性化エネルギーを示す曲線下での総エネルギーである。等式に当てはめるこれらの変数も以下で同様に列挙されることに留意すべきである。
【0092】
ワークピースの残留エネルギーを、以下の等式で決定する。
ピークを超える任意の点における残留エネルギーパーセントは、次に、以下の等式において求めることができる。
【数3】

式中、n=ある時間tまでのポイントの数であり、tは残留エネルギーパーセンテージの時間評価であり、E=上述の等式で記載される活性化エネルギーであり、E=サンプルの残留エネルギーパーセントである。上述の残留エネルギーにおける等式は、シミュレートされる試料のピーク負荷からの活性化エネルギーとも比較できる。
【0093】
本発明の範囲内の中間伸縮性積層体の選択基準は、ある実施形態において、工程2dで算出されたひずみ付加プロセスにおいて50%以上である残留エネルギーを有することであるのを想起せよ。他の実施形態において、中間伸縮性積層体の選択基準は、残留エネルギーが60%を超えることである。
【0094】
欠陥の発見方法:
機械活性化プロセスに起因する積層構造体の欠陥は、「孔」を含んでよい。機械的活性化プロセスによって積層化構造に発生する欠陥の大部分は、孔であり得る。例えば、機械活性化プロセス中、孔は、不織布又はフィルムに生成され得る。本発明の目的において、9.8Nの力の下で積層化構造が伸縮される際、伸縮性積層体において1mm以上の直径の孔を欠陥として定義する。次に、孔を9.8Nの張力下にある間、mm単位で測定する。
【0095】
欠陥の数は、機械的活性化後、積層化構造の15m試料から測定できる。例えば、本発明に従って構築されていない伸縮性積層体は、357/mを超える孔を示し得る。請求の範囲に記載されている発明に従って構築される積層構造体の実施例を以下に示す。請求の範囲に記載されている発明の積層構造体内の欠陥数の減少は、欠陥数の約1%減少〜約100%減少の範囲であってよい。
【0096】
以下に列挙する実施例において、表1は、規定の噛合深さに対するひずみ速度(s−1単位)を提供する。以下の表での値において、機械的活性化プロセスの活性化ロールは、約152.4mmのロール直径及び3.81mmの歯ピッチを有していた。
【0097】
有孔フィルムを使用する伸縮性積層体の実施例:
中間伸縮性積層体サンプル1〜9を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名HECとして販売され、テネシー州ブレントウッド(Brentwood)に位置するBBAファイバウェブ(Fiberweb)(商標)により製造される。80gsmの坪量を有する弾性有孔フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。このフィルムは、バージニア州リッチモンド(Richmond)に位置するトレデガー(Tredegar)社で製造されており、型番VFE29002を有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa)に位置するボスティック(Bostik)により製造され、型番H2861を有する。
【0098】
中間伸縮性積層体サンプル10〜12及び17〜19を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名プロソフト(Prosoft)(商標)として販売され、ドイツのヴォルムス(Worms)に位置するRKW AGライニッシェクンストストッフヴェルケ(Rheinische Kunststoffwerke)により製造される。80gsmの坪量を有する弾性有孔フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。このフィルムは、バージニア州リッチモンド(Richmond)に位置するトレデガー(Tredegar)社で製造されており、型番VFE29002を有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa)に位置するボスティック(Bostik)により製造され、型番H2861を有する。
【0099】
中間伸縮性積層体サンプル13〜16を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名プロソフト(Prosoft)(商標)として販売され、ドイツのヴォルムス(Worms)に位置するRKW AGライニッシェクンストストッフヴェルケ(Rheinische Kunststoffwerke)により製造される。80gsmの坪量を有する弾性有孔フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。このフィルムは、バージニア州リッチモンド(Richmond)に位置するトレデガー(Tredegar)社で製造されており、型番VFE29002を有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater)に位置するナショナルスターチ(National Starch)により製造され、型番12991−10−17を有する。
【0100】
算出されたウェブ速度3.33m/秒において、サンプル1〜12の各々で機械的活性化プロセスをシミュレートした。算出されたウェブ速度5.0m/秒において、サンプル13〜19の各々で機械的活性化プロセスをシミュレートした。サンプルを、様々な噛合深さ、ひずみ付加プロセス、ひずみ速度、及び活性化温度に曝露した。各伸縮性積層体における欠陥数及び残留エネルギーを含むシミュレーションの結果を表Iで開示される。
【表1】

【0101】
表Iに示されるように、広くは、残留エネルギーが減少するにつれて、欠陥数は一般的には増加する。例えば、サンプル1とサンプル9を比較すると、残留エネルギーは約72%から約58%まで減少し、それに伴って、欠陥数は約0欠陥/mから約305欠陥/mまで増加した。さらに他の実施例において、サンプル8とサンプル9を比較すると、残留エネルギーは約61%から約58%まで減少し、それに伴って、欠陥数は約181欠陥/mから約305欠陥/mまで増加した。
【0102】
上述のように、中間伸縮性積層体が有する残留エネルギー量に影響を与える可能性がある多くの要因が存在する。例えば、表Iに示されるように、ひずみ速度が上昇するにつれて、残留エネルギーは一般的に減少する。例えば、サンプル13とサンプル16を比較すると、ひずみ速度は774s−1から1146s−1まで増加し、それに伴って、残留エネルギーは約72%から約63%まで減少する。
【0103】
他の顕著な傾向は、温度が上昇するにつれて、残留エネルギーが一般的に減少することである。例えば、サンプル4とサンプル5を比較すると、活性化温度は約35℃から約55℃まで上昇し、それに伴って、残留エネルギーは約65%から約61%まで減少する。他の実施例において、サンプル6とサンプル9を比較すると、活性化温度は約22℃から約55℃に変動し、それに伴って、残留エネルギーは約63%から約58%まで減少する。それとは対照的に、サンプル1とサンプル2を比較すると、55℃の活性化温度における残留エネルギーは、22℃における残留エネルギーを超える。理論に束縛されるものではないが、低ひずみ(例えば285%未満)における活性化温度は、高ひずみ(例えば285%超)におけるよりも、残留エネルギーに与える影響が少ないと思われる。サンプル3とサンプル5の間においても同様に温度が上昇するが、サンプル5における欠陥数は、サンプル3における欠陥数よりも若干少ないことに留意すること。
【0104】
さらに、伸縮性積層体の材料の改良は、機械的活性化プロセスによって伸縮性積層体が示す欠陥の数に非常に影響を与え得る。例えば、サンプル4とサンプル12を比較すると、サンプル12における欠陥レベルは78欠陥/mであり、それに対してサンプル4においては38欠陥/mである。サンプルを、同様に機械的活性化温度、ひずみ付加プロセス、ひずみ速度、及び噛合深さに曝露するが、サンプル4の不織布及びサンプル12の不織布は、異なる化学物から製造され得る異なる製造業者からのものである。
【0105】
平坦フィルムを使用する伸縮性積層体の実施例:
中間伸縮性積層体サンプル20〜21を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名HECとして販売され、テネシー州ブレントウッド(Brentwood)に位置するBBAファイバウェブ(Fiberweb)(商標)により製造される。80gsmの坪量を有する弾性平坦フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。このフィルムは、バージニア州リッチモンド(Richmond)に位置するトレデガー(Tredegar)社で製造されており、型番VFE29969を有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa)に位置するボスティック(Bostik)により製造され、型番H2861を有する。
【0106】
中間伸縮性積層体サンプル22を、各々が17gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名SMSとして販売され、テネシー州ブレントウッド(Brentwood)に位置するBBAファイバウェブ(Fiberweb)(商標)により製造される。67gsmの坪量を有する弾性平坦フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。このフィルムは、バージニア州リッチモンド(Richmond)に位置するトレデガー(Tredegar)社で製造されており、型番31598を有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa)に位置するボスティック(Bostik)により製造され、型番H2861を有する。
【0107】
中間伸縮性積層体サンプル23〜24を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名プロソフト(Prosoft)(商標)として販売され、ドイツのヴォルムス(Worms)に位置するRKW AGライニッシェクンストストッフヴェルケ(Rheinische Kunststoffwerke)により製造される。60gsmの坪量を有する弾性平坦フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。フィルムは、ミズーリ州ジャクソン(Jackson)に位置するノルデニアUSA(Nordenia USA)社によって製造され、型番RRを有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa)に位置するボスティック(Bostik)により製造され、型番H2861を有する。
【0108】
中間伸縮性積層体サンプル25〜26を、27gsmの坪量を有する単層の不織布から構築した。不織布は、商標名プロソフト(Prosoft)(商標)として販売され、ドイツのヴォルムス(Worms)に位置するRKW AGライニッシェクンストストッフヴェルケ(Rheinische Kunststoffwerke)により製造される。80gsmの坪量を有する弾性平坦フィルムを、向かい合わせの配向で不織布に接合した。このフィルムは、バージニア州リッチモンド(Richmond)に位置するトレデガー(Tredegar)社で製造されており、型番VFE29969を有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ウィスコンシン州ワウワトサ(Wauwatosa)に位置するボスティック(Bostik)により製造され、型番H2861を有する。
【0109】
中間伸縮性積層体サンプル27〜28を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名HECとして販売され、テネシー州ブレントウッド(Brentwood)に位置するBBAファイバウェブ(Fiberweb)(商標)により製造される。60gsmの坪量を有する弾性平坦フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。フィルムは、ミズーリ州ジャクソン(Jackson)に位置するノルデニアUSA(Nordenia USA)社によって製造され、型番RRを有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater)に位置するナショナルスターチ(National Starch)により製造され、型番12991−10−14を有する。
【0110】
中間伸縮性積層体サンプル29〜30を、各々が27gsmの坪量を有する2層の不織布から構築した。不織布の層は、商標名HECとして販売され、テネシー州ブレントウッド(Brentwood)に位置するBBAファイバウェブ(Fiberweb)(商標)により製造される。60gsmの坪量を有する弾性平坦フィルムを2層の不織布の間に挟んだ。フィルムは、ミズーリ州ジャクソン(Jackson)に位置するノルデニアUSA(Nordenia USA)社によって製造され、型番RRを有する。接着剤を不織布に7gsm塗布した。接着剤を、1mmの接着剤ストリップ及び隣接するストリップ間に1mmの空隙を備える縞模様に塗布した。接着剤は、ニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater)に位置するナショナルスターチ(National Starch)により製造され、型番12991−10−16を有する。
【0111】
算出されたウェブ速度3.33m/秒において、サンプル20〜23の各々で機械的活性化プロセスをシミュレートした。算出されたウェブ速度5.0m/秒において、サンプル24の各々で機械的活性化プロセスをシミュレートした。サンプルを、様々な噛合深さ、ひずみ付加プロセス、ひずみ速度、及び活性化温度に曝露した。各伸縮性積層体における欠陥数及び残留エネルギーを含むシミュレーションの結果を表IIで開示される。
【表2】

【0112】
表IIに示されるように、有孔フィルムの孔におけるものと同じ傾向が試験された平坦フィルムにおいても同様に当てはまる。つまり、残留エネルギーが減少するにつれて、一般的に欠陥数は増加する。例えば、サンプル20とサンプル22を比較すると、残留エネルギーは約61%から約46%まで減少し、それに伴って、欠陥数は約0欠陥/mから約357欠陥/mまで増加した。同様に、ひずみ速度及び活性化温度の要因は、残留エネルギー量に影響を与え得る。
【0113】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する限りにおいて、本文書における用語に与えられた意味又は定義が支配するものとする。
【0114】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0115】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の伸縮性積層体の作製プロセスを示す概略図。
【図2A】本発明の中間伸縮性積層体の荷重力を示すグラフ表示。
【図2B】図2Aの中間伸縮性積層体の残留エネルギーを示すグラフ表示。
【図3】有孔フィルム及び平坦フィルムにおける残留エネルギーと欠陥レベルとの関係性を示すグラフ表示。
【図4】機械的活性化部材を示す概略図。
【図5】図4の機械的活性化部材における複数の歯を示す概略図。
【図6】複数の歯を有し、リングロールシミュレーションプレスに使用する、第一プレートを示す概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性積層体(100)の製造方法であって、
(a)中間伸縮性積層体(90)を形成する工程であって、前記中間伸縮性積層体の形成が、
(i)第一基材(103)を用意する工程と、
(ii)接着剤(116)を介して、弾性フィルム(118)を前記第一基材の表面に、前記第一基材及び前記弾性フィルムが対向するように取り付ける工程と
を含み、前記中間伸縮性積層体(90)が、所定の付加ひずみにおいて約46%を超える残留エネルギーを有することを特徴とする工程と、
(b)少なくとも約100s−1のひずみ速度で、前記中間伸縮性積層体(90)を機械的に活性化する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記所定の付加ひずみが約100%以上である、請求項1に記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項3】
前記所定の付加ひずみが約300%以上である、請求項1に記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項5】
前記ひずみ速度が500s−1以上である、請求項1に記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項6】
第一温度Tで前記第一基材を、第二温度Tで前記接着剤を、第三温度Tで前記フィルムを機械的に活性化する工程をさらに含む、請求項1〜5のうちのいずれかに記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項7】
前記第二温度Tが前記第一温度Tを超え、前記第一温度Tが前記第三温度Tを超える、請求項6に記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項8】
前記中間伸縮性積層体の形成工程が、
iii)第二基材(105)を用意する工程と、
iv)接着剤(116)を介して、前記弾性フィルムを前記第二基材の表面に、前記第二基材及び前記弾性フィルムが対向するように取り付ける工程と
をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項9】
第一温度Tで前記第一基材及び前記第二基材を、第二温度Tで前記接着剤を、第三温度Tで前記フィルムを機械的に活性化する工程をさらに含み、前記第二温度Tが前記第一温度Tを超え、前記第一温度Tが前記第三温度Tを超える、請求項8に記載の伸縮性積層体の製造方法。
【請求項10】
請求項8または9の記載に従って構築された伸縮性積層体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−527384(P2009−527384A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555930(P2008−555930)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050589
【国際公開番号】WO2007/096840
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】