説明

機能性ヨーグルトパウダードレッシングタイプのふりかけ

【課題】野菜サラダはもとより和洋食への各種料理品、デザートの冷菓等にも使用可能なパウダータイプでふりかけ形態の調味料の製造法を提供する。
【解決手段】生菌入りヨーグルトのFD粉末に脱脂粉乳または全粉乳を添加したものを基質として、更に抗酸化力が強く発がん抑制作用が大である、レモン10個分相当のビタミンCを添加し、乳酸菌の保有、肌の美容効果を高めた。また野菜の美味しさと食物繊維機能の増加をはかるため、FD果実粉末(りんご、ブルベリーその他)およびFD野菜粉末(たまねぎ、ハーブ類)を添加し、これ迄の液状タイプドレッシングからは得られない嗜好性と栄養機能性を加味した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明に用いる素材の粉末ヨーグルトをはじめ、各種粉末果実、野菜等はすべて真空凍結乾燥法(FD)によるものなので、その製造にあたっては真空凍結乾燥の技術分野に属する。またその素材の一つである粉末ヨーグルト関係は乳酸菌発酵技術分野である。また調味料としてのドレッシング製品の製造技術は従来のドレッシング製造技術に属する。なお総べての素材を混合してふりかけ形態とするのは、従来行われているふりかけ製造技術の粉体工学技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ドレッシングはフレンチドレッシングやイタリヤンドレッシング等、古くから海外諸国では広く製造使用されているもので、その製造技術は広くオリーブオイル等の良質食用油を主体にワイン等より酢酸発酵により作ったビネガー等の醸造酢を添加、製造する技術である。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特許公報(特許第40 65998号P406598)P406598,2008,1,18登録。[発明者]齋藤 進[発明の名称]サラダ用機能性ヨーグルトふりかけの製造法。
【特許文献2】特許公報(特許第2630922号)1997年4月5日[発明者]齋藤 進 山野辺泰子[発明の名称]発酵乳及び醗酵乳製品の製造法
【0004】
【非特許文献1】小林幸芳著「マヨネーズ ドレッシング入門」日本食糧新聞社発行、平成17年2月25日発行、141〜150頁。
【非特許文献2】科学技術庁調査会編 5訂日本食品標準成分表、250〜270頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は国民の食生活の改善を食材の品質、内容栄養面からの解決をはかろうとするもので、次のような課題があげられる。
すなわち最近における洋風化食形態は益々増加の傾向にあり、これに伴う生活慣習病並びに中性脂肪酸の蓄積によるメタボリックシンドローム患者も増加しつつある。厚労省の実施した平成 年度の国民栄養調査結果によれば、肥満と認定された男性においては30.5%、女性においては20.8%と危惧される状況にある。一方野菜の摂取量については、同調査結果より1日摂取推薦値とされる350gに満たない現状にあり、サラダ等抗酸化のビタミンC、カロテン等の多い食品の摂取が望まれている。ところで一般の食事ではサラダにはドレッシングを調味料として用いるのが常である。
【課題を解決する手段】
【0006】
従って本発明は脂肪分を全く含有しないで、従来のドレッシングの機能と較べて、香味等の嗜好性や調味効果を全く低下させることなく、更に従来の脂肪分を多く含むドレッシングでは全く期待出来なかった栄養素としてのビタミンCを1食当たりレモン10個分相当量を供給することが出来る。また野菜サラダと相性のよい整腸作用のある生菌乳酸菌入りFDヨーグルト並びに調味効果を高め得るFD野菜(たまねぎ、香菜及びハーブ類)、及びFD果実(りんご、イチゴ、ブルベリー、柑橘類)更に粉末ごま、アーモンド、香辛料、香料等を添加混合した。本発明品はパウダー状であっても一般ドレッシング同等の酸臭が発揮可能なようにビネガ等よりなる粉末醸造酢を添加混合、FD粉末野菜や果実、ヨーグルトに充分吸収せしめて貯蔵や使用中におけるその揮発効果に影響がない創意の製品化に成功したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は最近における国民の脂肪摂取状況やがんをはじめとする生活習慣病発生の予防を考慮した栄養機能性パウダータイプドレッシングの製造法に係わるもので、栄養機能食生活改善および生産、消費、使用性等での下記のような効果が期待される。
1.先ず本発明品は整腸作用を促す活性乳酸菌よりなるFD粉末ヨーグルトを基に、抗酸化作用によって、高血圧やがん発生の抑制作用、並びに皮膚のコラーゲンの生成と酸化防止作用によって美容にも役立ち、且つPHの調整によって乳酸菌数の維持にも有効なビタミンCを本文実施の形態にも記載の通り、1食当たりレモン10個分相当(500mg)量を含み、従来の油性ドレッシング製品からは全く期待されない栄養生理機能を高め得る効果をもたらす。
2.次に本発明品は脂肪の含有量の多いドレッシングの常食化傾向の高い折から、従来の液状タイプのドレッシングを油脂素材を全く使わないパウダー状のふりかけ形態としたも
のである。現在、食肉摂取過剰により肥満、引いては心疾患の多発、引いてはがん発生の引き金となっている。そこで本発明品は、発明実施の形態[0005]で記載したように、標準成分表による一般市販ドレッシングの1食当たり脂肪量は約10gであるにも拘らず、本発明品では調味料としての嗜好性を怠ることなく1食当たり0.2gで、ほとんど脂肪を含まない創意をこらした発明製品である。ふりかけるかもしくは水を開封後のポリ袋内に注入するや直ちに溶解、優れた香味と良好な嗜好性を発揮する作用効果をもたらす。
3.また本発明品はそのままパウダー状で野菜サラダ、あえ物やひたし物等の惣菜類、浅漬け等の漬け物類およびピザやスパゲティ等の洋食並びにデザート用冷菓に直接ふりかけ喫食するか、もしくは本品を開封した小袋に若干の水を加えれば、粉末製品は直ちに溶解して液状ドレッシング化し、更に香味、嗜好性高い調味料として喫食出来る。また1食当たり僅か2.5〜3.0gの少量にして且つ軽重量ポリ袋包装なので、携帯、使用、保存にも極めて取扱が便利なので、学校、病院、老人ホームや幼稚園等の給食補助食品として幼児より高齢者までの幅広い使用が見込まれ、更には災害用の非常食品としてもその使用と備蓄に役立ち得る。
4.なお本発明品における粉末醸造酢を添加混合したことによる香味の向上に関する効果は、パネルによる官能試験結果でも明らかな通りである。すなわち粉末醸造酢添加の本発明品区では香味、食感も優れ、総合評価においても従来のドレッシング使用区より優れた成績であった。
5.そもそも粉末醸造酢の化学的有機酸の組成は揮発性酸(Volatylaeid)なので、本発明品使用の粉末体は、ヨーグルト、果実や野菜等すべてFD製品で、その他粉乳やペクチン等、完全乾燥の粉末体(水分活性値は0.5以下)なので、本発明品の製造、貯蔵、に際し香料を含め揮発性の物質は完全均一に吸着され、また使用時本品をふりかけるかもしくは水を開封後のポリ袋内に注入するや直ちに溶解、優れた香味と良好な嗜好性を発揮する作用効果をもたらす。
6.本発明品を食品企業の生産管理面よりみれば、その製品素材の粉末は総て水分活性0.5以下のものであるので、貯蔵、製造に際して衛生管理し易く、混合、充填、包装時におけるリスクは少ない。また完全乾燥食品なので賞味期限も長期可能で、貯蔵中におけるリスクも少ない。また充填容器も従来の液状ドレッシング容器(ガラス)廃棄と異なりポリ袋なので環境にもやさしい商品であるとされるのも本発明の効果である。
7.本発明品の原材料は従来のマヨネーズ、ドレッシングと違い、一切油脂分を使用していないので、現在食用油における油料資源はほとんど輸入資源に依るものが多いので、全く油脂分を使用しないで製品化可能の本発明品は食料自給率の面にも効果をもたらすものである。
8.なお本発明品は1食当たりパウダー状2.5gで、官能試験成績でも示される通り、サラダ等の調味料としては満足感が満たされていた。従って比較的少量でも効果的なので、本品の生産、購入上での経済負担も少なく、従って本発明品を連続使用の可能性も見込まれ、正に栄養改善にも役立ち得る効果を来すものと思われる。なお本発明品では調味料的に添加している粉末醸造酢の酢酸の生理機能は体内にてクエン酸に変化するので、体内に蓄積されている疲労の回復、高血圧の抑制にも役立つところから、少量且つ安価に提供出来る本発明品は年齢を問わず、多くの人々の栄養改善、健康増進に貢献する効果は大であると思考される。
9.なお酢酸には放射核種の削減作用があり、酢漬けにしたキャベツ、レタスではストロンチウム90を30〜60%、キュウリの酢漬けでは放射性物質の90%が除去されるという報告(1994年、(財)原子力環境整備促進資金管理センター)がある。従って酢酸を含有している本発明品についても、野菜サラダ等に使用した場合は上記と同様の作用効果が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は本発明品のヨーグルトパウダータイプドレッシングふりかけと市販ドレッシングを野菜サラダに使用して、パネラーによって添食してもらった官能試験の結果を示す図である。すなわち、レタス、スライスキャベツ、トマト、スライスピーマン(緑)およびサニーレタス等を混合したサラダを等量に分け(各120g)2区とし、A区に本発明品を2.5g(1食分)ふりかけ、B区には市販フレンチドレッシングを使用したものである。その結果は第1図に示すように本発明品A区ではB区に較べて食感、酸味、旨味および総合評価において優れた品質であることを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
その1 製品酸度
本発明の実施の形態を表1〜3に基づいて説明する。
(1)製品酸度 後述[0010]の[実施例]配合割合に従って製造した本発明製品の品質、成分のなかでも最もドレッシングの生命ともいえる酸度は市販2社の製品と較べ分析した。その結果は第1表に示すようであって、本発明品1食分(1袋2.5g)に対して水20ml(大さじ約2杯分)でのパウダー溶解液は、ほぼ一般市販のドレッシング製品の酸度(PH、総酸量)と変わりなく、また第3表に示すパネラーによる官能試験成績におけるように、良好な数値を示していた。

[注]市販ドレッシングは製品の原液のまま、発明品のパウダータイプ製品では1袋2.5gを20mlの水に溶解したものを試料とした。
その2栄養成分および塩分含有量
本発明製品1食当たりの一般栄養成分およびビタミンC含有量並びに塩分量
本発明製品(実施例の配合割合による)における日本食品分析センター分析試験成績(成績書第3表)の通りである。すなわち本発明品1食(2.5g)当たりにおける脂肪(質)含有量は0.2gと僅少であり、また本発明品の特徴とするビタミンC含有量は518mgとレモン約10個分相当の数値であった。またナトリウムは7mg(塩分換算0.02g)と無塩に近い数値であった。
本発明品1食当たりの栄養成分分析数値より本品の連日使用によっても脂肪および塩摂取の栄養素的リスクは無であることが明かとされる栄養素的形態であった。

なお、表−2栄養成分表に示されるように、本発明品1食当たりのナトリウム7mgより算出の塩分量は僅か19.78mgすなわち20mg以下であり、ほぼ無塩に近い食品形態である。

その3官能試験結果
なお後述実施配合割合(表4)による本発明品を野菜サラダに使用し、女子ボランティアのパネラー(18才〜25才)15人による官能試験成績は表3に示すようであり、本発明品は市販サラダドレッシング使用のものと較べ、香味、総合評価においても同等の評価が得られた。

その4本発明品についての商標権の取得と申請 本発明品販売用名称に係わる商標登録取得および同申請について
(1)サラダヨーグルトふりかけ サプリちゃん この発明品は健康に役立つ乳酸菌およびビタミンCを含有するところからと、サプリメント食品にふさわしいロゴ付きの商標を取得している。
1.商標登録 No5193638
2.商標申請類別 29類、30類
3.商標権者名 齋藤 進
(2)更に今回の申請に関連する商品名としての下記名称の商標登録(第29類、第30類)を申請中である。

1.出願類別 29類、30類
2.出願番号(年月日) 平成23年2月16日 出願
3.出願者名 齋藤 進
【実施例】
【0010】
実施例1 本発明の実施例で、具体的の配合例を示す。

実施例2 上記の配合例により、具体的製造法を[図1]に示す。
【産業上の利用の可能性】
【0011】
1.本発明品を食品企業の生産管理面よりみれば、その製品素成の粉末は総て水分活性0.5以下のものであるので、貯蔵、製造に際して衛生管理しやすく、混合、充填、包装時におけるリスクは少ない。また完全乾燥食品なので賞味期限も長期可能で、貯蔵中や店頭販売におけるリスクも少ない。また充填容器にも従来の液状ドレッシング容器(ガラス)を廃棄するのと異なりポリ袋なので環境にもやさしい商品であるとされるのも本発明品の効果である。
2.本発明品の原材料には従来のマヨネーズ、ドレッシングと違い、一切油脂分を使用していないので現在食用油における油料資源はほとんど輸入資源に依る物が多いので、全く油脂分を使用していないで製品化が可能の本発明品は食料自給率の面にも良い効果をもたらすものである。
3.なお本発明品は1食当たりパウダー状2.5gで官能試験成績でも示される通り、サラダ等の調味料としては満足感が満たされていた。従って比較的少量でも効果的なので、本品の生産、購入上での経済負担も少なく、従って本発明品を連続使用の可能性も見込まれ、正に安価にて栄養改善にも役立ち得る効果を来すものと思考される。
4.外食産業、学校・病院および高齢者医療施設等の給食産業への利用
本発明品は和洋中華への幅広い全く新しい調味料として使用可能なので、レストラン等外食産業においての幅広い利用性とシェアの拡大も見込まれる。また成分分析結果でも明かのように、ビタミンCの含有量は多く、且つ塩分量は微量(1食当たり0.02mg以下)でほぼ無塩食品と言えるので、厚生労働省申請(健康増進法)による「特定保健用食品」又は医療関連食品の患者食等を対象とした「特別用途食品」認可食品としても食品産業においての新規食品分野の開拓とシェアの拡大も見込まれる。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、従来の食用油、食酢および種々の香辛料を原材料として製造した液状タイプの油性ドレッシングをパウダー状の形態に便にして風味豊かに、生理的栄養機能に優れたふりかけ調味料にして、野菜サラダ、野菜惣菜類、即席漬け物及びパスタ、スパゲティ、ピザ、デザート用冷菓等の洋食にも幅広く使用可能とするパウダータイプのドレッシングふりかけの製造法に係わるものである。従ってその目的達成のため、脱脂粉乳または全粉乳を基質に生菌入りFDヨーグルト粉末を添加混合し、更に栄養機能性とPH調整をかね、ビタミンCと疲労の回復に効果のあるクエン酸を添加する。食味と食感、食物繊維供給のためにFD粉末果実(りんご、イチゴ、ブルーベリー、グレイプ、ゆず等)、FD粉末野菜(たまねぎ、みつば、ハーブ等)並びに粉末アーモンド、粉末ごま、粉末香辛料を添加混合する。更に本発明品をドレッシングの形態とするために、米、穀類或いは果実等より醗酵によって作られたアルコールを酢酸発酵によって生成した食酢の粉末醸造酢を均一混合して製造することを特徴とする機能性ヨーグルトパウダードレッシングタイプのふりかけ製造法。
【請求項2】
請求項1において製造された粉末製品に適量の清水或いは希釈酢酸液を加え、無脂肪、無塩且つビタミンCを豊富に含む液状ドレッシングとなしたものをポリ容器等に充填・低温殺菌を施し製品化することを特徴とする製造法。

【公開番号】特開2012−217447(P2012−217447A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95497(P2011−95497)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【特許番号】特許第5024974号(P5024974)
【特許公報発行日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(594185787)
【Fターム(参考)】