説明

機能性砂糖代替物

本発明は、スクロースを含有する食品レシピにおいて1/1の重量基準および/または容量基準にて砂糖に置き換えて使用される、実質的なカロリー低下が認められる機能性の食品成分に関する。レシピにおける1つの成分であること以上に、機能性成分として見なすべきである。なぜなら、幾らかの健康促進効果を有するからである。本発明による、スクロースに対する機能性食品代替物は、プレバイオティックファイバーと甘味料を含み、そして場合によっては他の非選択性のファイバー、ミネラル、ビタミン、およびプロバイオティック菌株を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂糖の甘味特性と構造特性を有する、砂糖の代替組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、いかなる食品調製物においても、1/1の重量基準にて、および/または、さらに1/1の容量基準にて砂糖に置き換えて使用することができる固体もしくは半固体の機能性甘味料を含む。
【背景技術】
【0002】
砂糖は、ヒトの食品調製物における一般的な甘味剤である。砂糖とはスクロースであるとされているが、グルコース、フルクトース、および高フルクトースのコーンシロップ等の、広く使用されている他の高カロリー甘味剤もある。一般的な食習慣では、砂糖を過剰消費する傾向が見られる。しかしながら、とりわけカロリー含量が高いことから、砂糖の高摂取は、ダイエット上の理由により好ましくない。砂糖がもたらす最も一般的な健康上の悪影響は虫歯と肥満である。1970年代における、食料供給への高フルクトースコーンシロップの急激な導入(特に清涼飲料において)が、ここ30年で世界中に広まった肥満蔓延の一因となる重要な要素であると認識されている。さらに、糖尿病に罹っている人は、砂糖の摂取を抑える必要がある。血液中に高レベルのグルコースが存在するのは有害である。症状がすぐには深刻にならないとしても、長期間が経過すると、コントロール不良の高い血糖値によって、より微小な血管が損傷されることがあり、これにより眼や腎臓に対する回復不能な損傷を含めた合併症が引き起こされる。神経も損傷を受けることがあり、感覚や痛みを感じる能力のみならず、内臓に対しても悪影響を及ぼすことがある。コントロール不良の糖尿病は、心臓血管疾患(たとえば、心臓麻痺や心臓発作)の危険性を高める。したがって、一般的な食料品の代わりに砂糖の代替物を使用できることは、極めて重要なことである。
【0003】
本発明は、ヘルシーな栄養学的習慣と機能性食品に対する新たな概念に関する。この概念に対する基本的で最も重要な考え方は、人はもはや、健康を向上させるのに食習慣を変える必要がない、というものである。本発明の概念においては、消費者が好むもの(たとえば、食品の甘味や塩味、口当たりの良い構造や質感)をあきらめることなく、できるだけ単純かつ効果的に、好ましい健康効果を伴って食品を摂取することができる。主たる目的は、最も多量に使用されていると同時に、知らないうちに作用する害毒を人に(健康な人にも)もたらす食品成分を置き換えることにある。この文脈における最も重要な成分の1つが砂糖である。
【0004】
この観点から考えると、胃腸管(GI管)(より具体的には結腸)中に、複雑なミクロフローラ(microflora)が健康な人の体の一部として存在している、ということを認識することが重要である。胃腸管においては、微生物が結腸中に広く行き渡っており、これらの微生物は、結腸内容物のうちの約1011〜1012/gを構成している。周知のように、大腸中の微生物が、小腸では消化されなかった食物成分(たとえば、オリゴ糖と多糖であるファイバーであって、殆どの場合が植物由来の食物物質である)に対する消化プロセスを完全なものにする。
【0005】
これらのオリゴ糖および多糖の特性は、たとえば、糖類の組成、糖類間の結合、および重合度(DP)に依存する。重合度は、オリゴ糖分子もしくは多糖分子の炭水化物鎖において互いに連結した糖類単位(たとえば、フルクトースやグルコース)の数に相当する。多糖は、少なくとも10のDPを有する糖類単位の分岐鎖もしくは未分岐鎖である、と定義することができる。オリゴ糖は、2〜10のDPを有する単糖単位の分岐鎖もしくは未分岐鎖である、と定義することができる。さらに、平均重合度は、単糖単位の総数を、所定のオリゴ糖組成物もしくは多糖組成物中に存在する糖類分子の総数で除して得られる値である、と定義することができる。平均重合度は、パルス電流検出器(PAD)を組み込んだ高性能アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)を使用して測定するのが有利である(「Blecker C.et.al.,Characterization of different inulin samples by DSC,Journal of Thermal Analysis and Calorimetry 71(1):215-225,2003」に記載)。平均重合度はさらに、下記の分析法のうちの1つによって測定することもできる:「Campa C.et.al.,Determination of average degree of polymerization and distribution of oligosaccharides in a partially acid-hydrolyzed homopolysaccharide:a comparison of four experimental methods applied to mannuronan,Journal of Chromatography A.2004 Feb 13;1026(1-2):271-81」;および「Ravenscroft N.et.al.,Physicochemical characterization of the oligosaccharide component of vaccines,Developmental Biology 2000;103:35-47」。
【0006】
これらのファイバーの一部はプレバイオティック特性(prebiotic properties)を有し、プレバイオティックファイバー、またはプレバイオティックオリゴ糖もしくはプレバイオティック多糖と呼ばれる。プレバイオティックファイバーは、主として、非消化性の可溶性オリゴ糖および可溶性多糖である。非消化性とは、GI管のヒト酵素によって消化されず、また上部消化管中にも吸収されない、ということを意味している。したがって、非消化性の可溶性オリゴ糖および可溶性多糖は未変化のままで結腸に達し、そこで少なくとも一部が、主として結腸中に存在する有用なバクテリア〔たとえば、ビフィドバクテリア(Bifidobacteria)やラクトバシリ(Lactobacilli)〕によって発酵を受ける。したがってこれらの有用バクテリアは、プレバイオティックファイバーを、結腸中での成長と増殖のための選択的なエネルギー源として利用する。
【0007】
この作用はプレバイオティック作用と呼ばれ、腸管中の健康促進バクテリアの刺激および/または活性化を表わしている。たとえば、ヒトに関する研究によれば、適度な量のプレバイオティックファイバーを摂取すると(一日当たり5gから)、結腸中のビフィドバクテリアが大幅に増大する(最大で10倍)ということが確認された。発酵時においては、これらのファイバーが分解され、短鎖脂肪酸(SCFA)が生成し、これによりpHレベルが低下し、大腸細胞の増殖と維持のためのエネルギー源が得られる。このプロセスは癌細胞の分化(癌細胞を死滅させる前に必要とされる重要な一歩)を招く。酸生成によるpH低下作用の結果、カルシウムとマグネシウムの摂取が向上し、これと同時に、病原性バクテリアや腐敗性バクテリア〔たとえば、クロストリディア,E.コリ(Clostridia,E.coli)やバクテロイデス(Bacteroides)〕のための有害な環境がつくり出される。
【0008】
複雑なミクロフローラに関しては、国連食糧農業機関(FAO)によって召集された一群の専門家によってプロバイオティックス(probiotics)が定義された。彼らによるプロバイオティックスの定義は“ホストに有益な効果もたらす適切な量にて投与される生きている微生物”というものである。実際には、主として特定のビフィドバクテリアと(Bifidobacteria)とラクトバシリ(Lactobacilli)が、プロバイオティック作用を有するとして挙げられている。これらは通常、経口投与される場合にはプロバイオティックスと呼ばれている。これらのバクテリアは、腸管(より具体的には結腸)にコロニーをつくることができ、この場合には、これらのバクテリアがヒトの健康に有益な効果を及ぼす。しかしながら、これら2つの属に属する菌株の数種だけが確実な健康効果をもたらし、これらの菌株は商業的な用途において特許請求されている。
【0009】
結腸にコロニーをつくり、これによって好ましくない有害なバクテリアの増殖を防止する効果のほかに、プロバイオティクスの、そしておそらくは数種の有益な体内バクテリアの他の健康効果は、下痢の発生や持続を減少させること、乳糖不耐性を抑えること、降圧作用もたらすこと、癌に罹る危険性を少なくすること、および免疫系を刺激することなどである。これらの効果は直接的であっても間接的であってもよい。このことは、これらの効果が、バクテリアの作用もしくは生成物によって引き起こされることもあるし、あるいは消化管での消化によってつくり出される生成物によって引き起こされることもある、ということを意味している。
【0010】
砂糖を強い甘味料で置き換えることは、固体と半固体の食料品において容易ならない問題である。なぜなら、スクロースは、これらの物品において構造的な機能と甘味付与機能の両方を満たしているからである。低砂糖もしくは砂糖無しの添加物品を作製する際には、物品中のバルク物質を置き換えるという課題、さらに、置き換え物質が置き換えられる砂糖と少なくとも同じ機能をもたなければならない、という問題に自動的に直面する。
【0011】
先行技術において、既に幾つかの物品が開示されている。しかしながら、これらの物品のいずれも、砂糖のおいしさ、味、甘さ、機能特性、および質感特性の全てを保持しつつ、半固体調製品もしくは固体調製品中の砂糖を1/1の重量基準で置き換えることができない。この点において、EP0963379と米国特許第6,423,358号は、砂糖代替物を1/1の容量基準で含有するファイバーの例を開示している。
【0012】
さらに、前記代替物は、砂糖と実質的に同じ甘さ、ならびに食品調製物の構造、質感、外観、およびおいしさに関して、砂糖と少なくとも同じ機能効果をもたらさねばならず、また健康促進効果および/または加工食品の保存寿命増大等の、幾つかのさらなる機能を有していなければならない。したがって砂糖代替物は、砂糖に置き換わるだけでなく、人体に必要量のファイバー、ビタミン、およびミネラルを供給しつつ、広範囲の健康効果をもたらすものでなければならない。簡単に言えば、砂糖代替物を使用することによって、味に対しても構造に対しても全く譲歩することなく、より良い健康が得られなければならない、ということである。
【発明の開示】
【0013】
本発明の目的は、一般的な食品調製物中のスクロースに対し、1/1の重量基準での、そして好ましくは1/1の容量基準での健康に良い置き換えを提供することにある。このことは、砂糖の存在を必要とするレシピにおいて、砂糖の量を、本発明による固体もしくは半固体で低カロリーのファイバー含有砂糖代替組成物の同量で置き換えることができる、ということを意味している。
【0014】
この目的を達成するために、本発明は、バルキングファイバー組成物(a bulking fibre composition)(少なくとも10のDPを有する多糖と約2〜約10の範囲のDPを有するオリゴ糖との組み合わせ物)と甘味料もしくは甘味料組成物とを含んだ砂糖代替組成物を提供する。
【0015】
本発明のバルキングファイバー組成物は、30〜75重量%の、好ましくは45〜65重量%の多糖、および5〜45重量%の、好ましくは10〜30重量%のオリゴ糖を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0016】
少なくとも1種の多糖化合物および/またはオリゴ糖化合物がプレバイオティックであるのが好ましい。
【0017】
さらに、少なくとも1種の多糖および/またはオリゴ糖が主としてグルコース単位で構成され、少なくとも1種の多糖および/またはオリゴ糖が主としてフルクトース単位で構成されるのが好ましい。
【0018】
さらに、バルキングファイバー組成物のオリゴ糖フラクションの平均重合度は3〜8、好ましくは3〜5であり、バルキングファイバー組成物の多糖フラクションの平均重合度は10〜20、好ましくは10〜15である。各フラクションは、DPの分布がモノモーダルであることを特徴とし、このとき最大ピークは、上記したそれぞれの範囲内にある。しかしながら、オリゴ糖耐性マルトデキストリンと多糖耐性マルトデキストリンが使用される場合は、DPがモノモーダル分布であることを示す単一の耐性マルトデキストリンフラクションを使用するのが好ましい。この場合、オリゴ糖サブフラクションの平均DP、および多糖サブフラクションの平均DPがそれぞれの範囲内であれば、DPの分布の最大ピークが必ずしも上記の範囲内に入る必要はない。
【0019】
本発明の甘味料組成物は、1種または数種の強い甘味料を、砂糖の甘さとほぼ同等の甘さを砂糖代替組成物にもたらすに足る量にて含む。甘さは、種々の水希釈溶液を調製し、甘味が知覚できる最も高い希釈溶液を調べることによって決定される。
種々の水希釈溶液を調製することによって砂糖に等しい甘味をもたらす甘味料の濃度を決定し、次いでこれらの水希釈溶液を砂糖の場合と比較する。
【0020】
前記多糖は、10〜60の、好ましくは10〜40の、そして特に好ましくは10〜20の重合度(DP)を有するのが有利であり、前記オリゴ糖は、2〜10の、好ましくは2〜8のDPを有するのが有利である。
【0021】
本明細書の全体にわたって、“約(about)”とは、与えられた数値の±10%以下の、そして好ましくは与えられた数値の±5%以下の変動を許容することが意図されている。
【0022】
前記多糖はプレバイオティックであるのが好ましく、イヌリン、ポリデキストロース、および多糖耐性マルトデキストリンからなる群から選択されるのが好ましいか、あるいはこれらの組み合わせ物であってもよい。
【0023】
前記オリゴ糖はプレバイオティックであるのが好ましく、オリゴフルクトースおよびオリゴ糖耐性マルトデキストリンからなる群から選択されるのが好ましいか、あるいはこれらの組み合わせ物であってもよい。
【0024】
前記の強い甘味料は、アセスルファムK、ネオヘスペリジンDC、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、アリテーム、ソーマチン、チクロ、およびグリシルリジンからなる群から選択されるのが好ましいか、またはこれらの組み合わせ物であってもよい。他の有用な強い甘味料は、ステビオサイドおよび/またはステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)植物の葉からの関連抽出物(以後、ステビオサイド/ステビア抽出物と呼ぶ)である。これは結晶質のジテルペングリコシドであって、スクロースより約300倍甘い。グルコノ-δ-ラクトン等の調味料を、甘味料組成物に加えることができる。
【0025】
表1に記載の、本発明の特定の実施態様においては、前記多糖が、30〜60重量%の、好ましくは40〜55重量%のポリデキストロース、0〜25重量%の、好ましくは5〜15重量%のイヌリン、および0〜20重量%の、好ましくは5〜15重量%の多糖耐性マルトデキストリンを含み、そして前記オリゴ糖が、3〜30重量%の、好ましくは5〜10重量%のオリゴフルクトース、および0〜20重量%の、好ましくは5〜15重量%のオリゴ糖耐性マルトデキストリンを含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0026】
【表1】

【0027】
表2に記載の、本発明の有利な実施態様によれば、前記甘味料組成物がさらに、10〜40重量%の、好ましくは10〜30重量%の弱い甘味料を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0028】
前記の弱い甘味料は、マルチトール、イソマルト、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ポリオール、ポリグリシトールシロップもしくはポリグリシトール粉末、水素化澱粉加水分解物(ポリグリシトールシロップ)、および/またはグリセリンからなる群から選択されるのが好ましいか、あるいはこれらの組み合わせ物であってもよい。
【0029】
【表2】

【0030】
表3に記載の、本発明の他の有利な実施態様によれば、前記バルキングファイバー組成物がさらに、0.01〜10重量%の、好ましくは0.05〜3重量%の、不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0031】
前記の、不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖は、セルロース、ヘミセルロース、穀物繊維、小麦繊維、オートムギ繊維、リンゴ繊維、オレンジ繊維、およびトマト繊維からなる群から選択されるのが好ましいか、またはこれらの組み合わせ物であってもよい。
【0032】
表4に記載の、本発明のさらに他の有利な実施態様によれば、前記バルキングファイバー組成物がさらに、0.01〜10重量%の、好ましくは0.05〜3重量%の、可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0033】
前記の、可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖は、
グアールガム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、キサン、タラ、カラゲーニン、トラガカント、ローカストビーンガム、および寒天からなる群から選択されるのが好ましいか、あるいはこれらの組み合わせ物であってもよい。
【0034】
表5に記載の、本発明の特定の実施態様によれば、前記バルキングファイバー組成物がさらに、45〜55重量%の、好ましくは約50重量%のポリデキストロース、および約20重量%のオリゴフルクトースを含み、前記甘味料組成物が、約30重量%のマルチトール、約0.15重量%のアセスルファムK、および約0.015重量%のネオヘスペリジンDCを含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
表6に記載の、本発明の好ましい実施態様によれば、前記バルキングファイバー組成物が、30〜60重量%の、好ましくは40〜55重量%のポリデキストロース、最大で25重量%の、好ましくは5〜15重量%のイヌリン、3〜30重量%の、好ましくは5〜10重量%のオリゴフルクトース、および最大で20重量%の、好ましくは10〜15重量%の耐性マルトデキストリン(多糖耐性マルトデキストリンとオリゴ糖耐性マルトデキストリンを含む)を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0038】
【表5】

【0039】
【表6】

【0040】
表7に記載の、本発明の好ましい特定の実施態様によれば、前記バルキングファイバー組成物が、45〜55重量%の、好ましくは約50重量%のポリデキストロース、最大で25重量%の、好ましくは約7重量%のイヌリン、5〜30重量%の、好ましくは約8重量%のオリゴフルクトース、最大で20重量%の、好ましくは約12重量%の耐性マルトデキストリン、最大で3重量%の、好ましくは約2重量%の小麦繊維、および最大で3重量%の、好ましくは約0.5重量%のカラゲーニンを含み、そして前記甘味料組成物が、最大で30重量%の、好ましくは約20重量%のイソマルト、および最大で3重量%の、好ましくは約0.15重量%のスクラロースを含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である。
【0041】
【表7】

【0042】
表8に記載の、本発明の興味ある実施態様によれば、砂糖の一部が砂糖代替組成物の成分で置き換えられている。
【0043】
【表8】

【0044】
本発明の他の詳細と特徴は、本発明の特定の実施態様に関する下記の説明から明らかとなろう。これらの実施態様は、単に例証のためにのみ挙げられており、本発明がこれらの実施態様に限定されることはない。
【0045】
本発明の砂糖代替組成物の基本的な成分は、
- 好ましくはプレバイオティックである多糖(たとえば、ポリデキストロース、イヌリン、および/または耐性マルトデキストリン);
- 好ましくはプレバイオティックであるオリゴ糖(たとえば、オリゴフルクトースおよび/または耐性マルトデキストリン);
- 必要に応じて、可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖(たとえば、カラゲーニン、キサン、グアールガム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、および/またはペクチン);および
- 必要に応じて、不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖(たとえば小麦繊維);
を含んだバルキングファイバー組成物、ならびに
- 強い甘味料(たとえば、スクラロース、アセスルファムK、および/またはネオヘスペリジンDC);
- 必要に応じて、弱い甘味料もしくはバルク甘味料(たとえば、マルチトールおよび/またはイソマルト);および
- 必要に応じて調味料(たとえばグルコノ-δ-ラクトン);
を含んだ甘味料組成物である。
【0046】
砂糖代替組成物の特定の実施態様は、上記成分の特定の組み合わせを含む。
本発明の甘味料組成物は、強い甘味料(表9に幾つかの例が記載)と、必要に応じて弱い甘味料を含む。砂糖代替組成物のカロリー値は、200kcal/100gを越えないのが好ましく、150kcal/100gを越えないのがさらに好ましい。強い甘味料と弱い甘味料のどちらも代謝不能(non-metabolisable)であるのが好ましい。
【0047】
【表9】

【0048】
弱い甘味料とは、具体的に言えば、スクロースの甘さより低い甘さを有するバルク甘味料である。しかしながら弱い甘味料は、スクロースの甘さとほぼ同等の甘さを有してもよいし、あるいは少なくともスクロースの甘さと同じ程度であってもよい。
【0049】
弱い甘味料は、砂糖代替組成物の最大で40重量%にて、特に10〜40重量%にて、好ましくは10〜30重量%にて存在してよい。
【0050】
表10に記載の、本発明の第1の特定の実施態様においては、マルチトールが、好ましくは30重量%未満の濃度で弱い甘味料として使用される。表11に記載の、本発明の第2の特定の実施態様においては、イソマルトが、好ましくは20重量%未満の濃度で弱い甘味料として使用される。マルチトールとイソマルトは、混合物において二重の機能を有する。第一に、これらはバルク甘味料である。マルチトールは、スクロースの甘さの約90%に等しい甘さを有する。イソマルトは、スクロースの甘さの約50%に等しい甘さを有する。イソマルトが示す負の溶解熱はスクロースのそれに極めて類似している。このことは、イソマルトが、他のポリオールと異なって冷却効果を示さないことを意味している。第二に、これらの分子量、そしてさらには構造がスクロースのそれに類似しており、したがって多くの用途において砂糖に対する適切な代替物となっている。
【0051】
【表10】

【0052】
本発明の甘味料組成物においては、砂糖のバルキング機能と質感付与機能の代替に関する問題は、マルチトールとイソマルトを加えることによってある程度解決できただけである。機能的には、マルチトールとイソマルトは、完全にはスクロースに置き換わることはできない。たとえば、スクロースと異なって、マルチトールとイソマルトは、他のポリオールのようにキツネ色に焦げないか、又はカラメルにならない。それにもかかわらず、マルチトールとイソマルトは、スクロースの甘味に極めて類似した甘味を有し、他のほとんどのポリオールと比較して、口中において示す冷却効果はごくわずかである。
【0053】
【表11】

【0054】
強い甘味料は、砂糖代替組成物に、砂糖の甘さにほぼ等しい甘さを付与するために組成物中に使用される。したがって、強い甘味料は、スクロースの甘さより高い甘さを有する。強い甘味料は、スクロースの少なくとも30倍の甘さを有するのが好ましい。このような強い甘味料は、当業者には公知である。これら強い甘味料の幾つかの例を表9に示す。
【0055】
たとえば、アセスルファムK(AceK)とネオヘスペリジンDC(NHDC)は人工甘味料であり、本発明の第1と第2の実施態様において使用されている。AceKはスクロースの200倍の甘さを有するけれども、食品や飲み物中に単独で使用されると、苦くて舌を刺すようなあと味を有するようである。ネオヘスペリジンDC(NHDC)は、閾値に関してスクロースの約200〜1500倍(場合によっては1800倍)の甘さを有するが、より重要なのは、それが理想的な調味料であって、AceKの不快なあと味を遮断するという点である。これらの人工甘味料を組み合わせると、相乗効果が得られる。アセスルファムK対ネオヘスペリジンDCの比は約9.5〜11.5であり、特に10.0〜11.0である。
【0056】
強い甘味料は、グルコノ-δ-ラクトン等の調味料と組み合わせて使用することができる。アセスルファムK(AceK)とネオヘスペリジンDC(NHDC)を使用する上記の例においては、グルコノ-δ-ラクトンは、0.15重量%の量にて使用することができる。グルコノ-δ-ラクトンは、ネオヘスペリジンDCの初期甘味の知覚を増進させる。
【0057】
表12に記載の、本発明の第3の特定の実施態様は、スクラロースを強い甘味料として使用する。
【0058】
【表12】

【0059】
他の強い甘味料も使用できること、および、異なった実施態様において使用されている強い甘味料が、本発明の目的に対して区別なく使用できる、ということは言うまでもない。しかしながら、上記のほかの好ましい強い甘味料は数種である。
【0060】
本発明によれば、スクロースの一部が、主としていわゆるプレバイオティックファイバーを含んだバルキングファイバー組成物で置き換えられる。これらのファイバーは、主としてグルコース単位で構成されるオリゴ糖ポリマーおよび/または多糖ポリマー、ならびに主としてフルクトース単位で構成されるオリゴ糖ポリマーおよび/または多糖ポリマーを含有するのが好ましい。
【0061】
表1〜12に記載の、本発明の第1、第2、および第3の実施態様によれば、ポリデキストロースが、ファイバー組成物中に、プレバイオティックで非消化性の多糖として使用されている。
【0062】
ポリデキストロースは、30〜60重量%の、好ましくは40〜55重量%の量にて存在する。
ポリデキストロースは、ランダムに架橋した結合を含んだ、グルコース単位で構成される多糖であり、1→6結合が多く、少量の結合ソルビトール(bound sorbitol)と結合酸(bound acid)を含有する。ポリデキストロースの平均重合度(DP)は約12である。
【0063】
ポリデキストロースは、砂糖代替組成物中にバルキング剤として広く使用されているが、幾つかの大きな欠点を有する。ポリデキストロースは吸湿性であり、ベトベトした質感をもたらすことがある。ポリデキストロースはさらに、ある種の焼き食品に対して望まれる褐変反応に関与しない。したがって、砂糖代替組成物中における単独のバルキング剤としてのポリデキストロースは、砂糖がもつ望ましい機能性をもたらさない。
【0064】
さらに、表11と12に記載の、本発明の第2と第3の実施態様によれば、イヌリンも、ファイバー組成物中に、プレバイオティックで非消化性の多糖として使用されている。イヌリンは、最大で25重量%の、好ましくは5〜15重量%の量にて存在する。イヌリンは、β-(2→1)-結合によって連結したD-フルクトース残基のポリマーであり、末端にβ-(2→1)-結合したグルコース残基を有する。イヌリンは10000種の異なった農作物中に存在しており、チコリーの根から工業的な規模で抽出されている。イヌリンの重合度(DP)は通常、10〜約60の範囲である。本発明の目的に適うには40未満(あるいはさらに20未満)のDPが好ましい。
【0065】
表10〜12に記載の、本発明の第1、第2、および第3の特定の実施態様によれば、オリゴフルクトースが、ファイバー組成物中に、プレバイオティックで非消化性のオリゴ糖として使用されている。このオリゴフルクトースは2〜8のDPを有し、3〜30重量%の、好ましくは5〜10重量%の量にて存在する。さらに、混合物中に使用されるオリゴフルクトースは、下記の製造法の1つにより得られるフルクタンタイプのオリゴ糖であってよい:(i)イヌリンを、2〜約8の範囲のDPを有するオリゴフルクトースに加水分解もしくは酵素的分解させる方法;または(ii)スクロース上でのアスペルギラス・ニゲル(Aspergillus niger)のβ-フルクトシダーゼをtransfructosylationする方法。後者のタイプのオリゴフルクトース(フルクトオリゴ糖とも呼ばれる)は、スクロースから誘導されるので、常に末端グルコース残基を有する。一般には、このオリゴフルクトースは3〜5の範囲のDPを有する。イヌリンの加水分解から誘導されるオリゴフルクトースに反して、このタイプは、β-(2→1)結合に加えて他の結合タイプも含有する(限られた数ではあるが)。本発明の目的に適うには、フルクトオリゴ糖が好ましい。このタイプのオリゴフルクトースは、遊離スクロースおよび/または遊離フルクトースの含量がより少なく、一定の重合分布を有する。フルクトオリゴ糖の末端の還元性糖基(reducing sugar group)はグルコース残基であり、イヌリンから誘導されるオリゴフルクトースのほとんどの末端フルクトース残基と比べて、メイラード反応における反応性が低い。後者は望ましくない褐変反応起こすことがある。
【0066】
さらに、表11と12に記載の、本発明の第2と第3の実施態様においては、耐性マルトデキストリンも、ファイバー組成物中にプレバイオティックファイバーとして使用されている。これらの耐性マルトデキストリンはさらに、耐性デキストリン、非消化性デキストリン、マルトデキストリン、消化耐性マルトデキストリン、または単にデキストリンとも呼ばれる。
【0067】
耐性マルトデキストリンは、主として、澱粉中に見られるα-(1→4)グリコシド結合とα-(1→6)グリコシド結合、および一般には澱粉中に見られないさらなるグリコシド結合を有するグルコースポリマーである。耐性マルトデキストリンは、澱粉中に見られるアミロースやアミロペクチンより高度に分岐した構造を有する。耐性マルトデキストリンは、全体として三次的な化学構造(overall tertiary chemical structure)を有していることから、消化に対して耐性があり、このことは、ヒトの消化酵素によっては分解されないということを意味している。それにもかかわらず、耐性マルトデキストリンは、消化性マルトデキストリンが有する技術的特性(technological properties)の全てまたは殆ど全てを示す。
【0068】
耐性マルトデキストリンの一部、すなわちオリゴ糖耐性マルトデキストリンはオリゴ糖として分類することができ、耐性マルトデキストリンの一部、すなわち多糖耐性マルトデキストリンは多糖として分類することができる。
【0069】
表11に記載の、本発明の第2の実施態様においては、耐性マルトデキストリンは、最大で20重量%の、好ましくは10〜15重量%の量にて存在する。耐性マルトデキストリンの約40〜60重量%がオリゴ糖耐性マルトデキストリンであり、10未満のDPを有する。耐性マルトデキストリンの約50重量%が11より高いDPを有するのが好ましい。
【0070】
オリゴフルクトースと比較すると、耐性マルトデキストリンは、大腸において急激で過剰な発酵(鼓腸、腹痛、および/または下痢を引き起こすことがある)が起こらない、という利点を有する。
【0071】
本発明の組成物における、オリゴフルクトース、耐性マルトデキストリン、イヌリン、およびポリデキストロースの最も重要な役割の1つは、これらのプレバイオティック特性にある。短鎖(すなわち最大で10のDP)と長鎖(すなわち10〜60の範囲のDP)を組み合わせると、プレバイオティックファイバーとなることで、選択的なエネルギー源が最初から最後まで、有益なバクテリアに対して結腸に沿って利用可能である。短鎖ファイバー(たとえばオリゴフルクトース)が、結腸の始まりにおいて最初に発酵される。長鎖ファイバー(たとえばイヌリン)は、結腸での通過時から結腸の終わりまで、発酵に対して利用可能である。この結果、結腸中の全経路に沿ってSCFAが生成し、これに対応して結腸中のpHが全体として低下する。pHがより低くなることで、結腸の全体に沿ってCaとMgの摂取が向上する。ポリデキストロースはさらに、小腸においては消化もしくは吸収されないが、大腸においてある程度発酵される。ポリデキストロースの発酵はさらに、好ましいミクロフローラの成長、腐敗性ミクロフローラの減少、および短鎖脂肪酸の生成の増大を引き起こす。これにより、糞便が増大し、通過時間が減少し、大便がより軟らかになり、糞便のpHがより低く(4から9に)なる。
【0072】
本発明の組成物における、オリゴフルクトース、耐性マルトデキストリン、イヌリン、およびポリデキストロースの他の重要な役割は、砂糖代替組成物に、少なくもスクロースと同様の機能をもたらすことである。砂糖代替組成物を含有する物品が、スクロースを含有する物品と同様の方法で処理できる、ということが重要である。処理された物品はさらに、たとえば、おいしさと外観に関して同様の特性を有していなければならない。
【0073】
オリゴフルクトースはさらに、低い甘味強さを有する(DPとは逆の関係になっている)けれども、甘さは前述の甘味料組成物によってもたらされる。本発明の甘味料組成物は、スクロースの機能(たとえば甘さ)のほんの一部を置き換えることができる。たとえば、加熱したときに、スクロースと同様の褐色化効果もしくはカラメル化効果を得るのには適切ではない。
【0074】
本発明の第2と第3の実施態様によれば、砂糖代替組成物は、4種のプレバイオティックファイバー(すなわち、オリゴフルクトース、耐性マルトデキストリン、イヌリン、およびポリデキストロース)を一定の比率で含有してよい。本発明にしたがってオリゴフルクトース、耐性マルトデキストリン、イヌリン、およびポリデキストロースを組み合わせると、たとえば、物品のカラメル化適性に関して、あるいはたとえば、焼き食品、加工処理のしやすさ、褐色化効果、およびパン外被の光沢に関して最適の砂糖代替物が得られる。
【0075】
特定の用途(たとえば、褐色化が必要とされる焼き食品)に対しては、オリゴフルクトースが存在する必要がある。オリゴフルクトースの濃度は、ベーキング処理時に褐色化効果が起こりすぎるのを防止するために、高すぎてはならない(すなわち、30重量%以下、好ましくは25重量%以下でなければならない)。イヌリンから誘導されるオリゴフルクトースと比較すると、フルクトオリゴ糖は、その還元性糖基(すなわちグルコース)が、メイラード反応に対して反応性がより低い、という利点を有する。さらに、遊離のフルクトースもしくはスクロースがほとんど存在しない。そうでないと、焼き食品において望ましくない褐色化効果が起こることがある。
【0076】
鼓腸の問題に対しては、オリゴフルクトースの濃度が10重量%以下であるのが好ましい。したがって、本発明の第2と第3の実施態様におけるオリゴフルクトースの一部が、耐性マルトデキストリンで置き換えられている。本発明の第2と第3の実施態様は、砂糖代替組成物の5〜10重量%のオリゴフルクトース濃度、および砂糖代替組成物の10〜20重量%の耐性マルトデキストリン(オリゴ糖耐性マルトデキストリンと多糖耐性マルトデキストリンを含む)濃度を有するのが好ましい。
【0077】
さらに、特定の焼き食品においては、光沢のあるパン外被を得るために、オリゴフルクトースの存在が必要とされる。
【0078】
本発明のたとえば第2または第3の実施態様から4種のプレバイオティックファイバーのうちの1種を除外すると、加工処理のしやすさ、褐色化、およびパン外被の光沢に関しては受け入れにくい食品が得られるが、特定の用途〔たとえば、コーヒー、ティー、およびソフトドリング等の、甘い液状フードドリンク(liquid food drinks)〕に対しては受け入れ可能である。
【0079】
プレバイオティックで非消化性のオリゴ糖と多糖は、砂糖代替組成物において二重の役割を果たしている:すなわち、これらは、機能性でバルク性の砂糖代替物として、およびプレバイオティックファイバーの供給源として機能する多機能成分である。
【0080】
さらに、たとえばビフィドバクテリアまたはラクトバシラス属に属するプロバイオティックな菌株を補充した本発明の基本的な配合物は、プロバイオティックな菌株と選択的なエネルギー源の両方を提供し、この結果、いわゆるシンバイオティック効果が得られる。このように、腸のフローラ(gut flora)に、フレッシュなバクテリア、バクテリアの栄養分、そしてさらに存在する有益なミクロフローラのための栄養分が補充され、これにより、ヒトの結腸の微生物個体群が増大する。
【0081】
微生物個体群の増大が、ファイバーの摂取と吸収の唯一の結果である。基本的配合物中に存在するファイバーの消化により、短鎖脂肪酸が得られ、これが結腸中のpHを低下させる。このpH低下は、たとえばCaとMg(これらは必須ミネラルである)の摂取にとって重要である。
【0082】
砂糖代替組成物の機能性をさらに改良するために、表11と12に記載の、本発明の第2と第3の実施態様による砂糖代替組成物に、不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖を加えることができる。これらの多糖は、0.05重量%〜10重量%の量にて存在してよい。
【0083】
可溶性ファイバーと不溶性ファイバーの量は、下記分析方法の1つによって測定することができる:「Mongeau R.and Brassard R.,Enzymatic gravimetric determination in foods of dietary fibre as the sum of insoluble and soluble fibre fractions:summary of collaborative study,J.AOAC Int.76:923-925,1993」;および「Prosky L.et al.,Determination of total dietary fibre in foods and food products:collaborative study,J.Assoc.Off.Anal.Chem.68:677-679,1985」。
【0084】
不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖の例は、たとえば穀物繊維(小麦繊維など)中に存在しているセルロースおよびヘミセルロースである。
【0085】
本発明の第2と第3の実施態様においては、20〜80μm(好ましくは30μm)の平均長さを有する小麦繊維を使用するのが有利である。小麦繊維は、約76重量%のセルロースと24重量%のヘミセルロースからなる。焼き食品の場合、オリゴフルクトースとこれらの小麦繊維を組み合わせると、スクロースを使用したときに得られるパン外被の外観と類似した外被の色と光沢が得られる。さらに、スクロースを使用することによって得られるパン中身に類似した、焼き食品の均一なパン中身が得られる。
【0086】
小麦繊維を含まない砂糖代替組成物中にオリゴフルクトースを使用すると、焼き食品に関して、黒すぎるパン外被とパン中身が得られる。小麦繊維は、実際に漂白効果を有する。
【0087】
特定の用途に対しては、砂糖代替組成物中の不溶性繊維の量は、たとえば5重量%未満に、好ましくは3重量%未満に限定しなければならない。量がこれより多いと、たとえば、砂糖を溶融および/またはカラメル化するという場合のレシピにおいて、砂糖を置き換えたときに、繊維の質感が望ましくないものとなる。
【0088】
これらの非消化性で不溶性の繊維はさらに、たとえば、便秘の防止、および糖尿病に罹っている人の血中のグルコースレベルの低下に対して幾らかの健康促進効果を示す。
【0089】
さらに、表12と13に記載の、本発明の第3と第4の実施態様による砂糖代替組成物に、可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖を加えることができる。これらの多糖は、0.05重量%〜10重量%の量にて存在してよい。
【0090】
【表13】

【0091】
可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖の例は、キサン、タラ、カラゲーニン、トラガカント、ローカストビーンガム、寒天、グアールガム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、およびペクチンである。
【0092】
これらの多糖は、最終食品中の水分保持を高め、したがって保存寿命と軟らかさが増大する。
【0093】
表12に記載の、本発明の第3の実施態様においては、カッパ・カラゲーニン(kappa carrageenan)を0.05〜2重量%の量にて、好ましくは0.05〜1重量%(約0.5重量%)の量にて加えることができる。
【0094】
特に、砂糖代替組成物の第4の実施態様に、カルボキシメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースと微晶質セルロースとの共処理ブレンド物を加えると、食品調製物に所望の粘度がもたらされる(これは砂糖を使用することによってももたらされる)。
【0095】
これらの非選択性多糖は、結腸中における有益なバクテリアの成長と増殖を選択的には促進しないが、短鎖脂肪酸(SCFA)に非選択的に発酵され、こうした短鎖脂肪酸は結腸癌を予防する上で重要である。特に、酪酸(上皮細胞に対する最も重要なエネルギー源である)は、この点において重要である。興味あることに、グアールとペクチンを組み合わせて摂取すると、結腸での酪酸の生成に相乗効果を及ぼす。これらの可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖(たとえばカルボキシメチルセルロース)はさらに、脂肪の吸収を減少させることがある。
【0096】
プレバイオティックもしくは他の、非消化性多糖および非消化性オリゴ糖の多すぎる摂取は、鼓腸引き起こすことがあり、そしてさらには、前述したような下剤効果を示すこともある。ある種のポリオールの用量が多すぎると、類似の影響を及ぼすことがある。可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖(たとえば、グアールガム、アラビアガム、カルボキシセルロース、およびペクチン等)は、これらに影響を抑える。1種以上の整腸剤〔たとえば、ジメチコン、活性炭、およびシメチコン(すなわち、SiO2によって活性化されたジメチコン)〕を含むことも本発明の範囲内である。使用できる幾つかの天然の整腸剤もある(但し、該整腸剤自体の味が、意図されている用途を妨げるようなものであってはならない)。代表的な天然整腸剤は、チリ、カプサイシン、ニンニク、ショウガ、krachai、レモングラス、およびウコンをベースとしている。
【0097】
本発明の配合物中には、必要に応じてアンチケーキング剤(たとえばSiO2)が使用される。食品工業における多くの成分は、保存する場合に流動性が良くなく、固まりやすい傾向がある。SiO2は高い吸収能力を示し、したがって食品成分粒子の表面を乾燥し、引き続きこれらがくっつくのを防止する。さらに、食品成分粒子を離れたままに保持し、これらの粒子が互いに滑り合うのを可能にする。SiO2は0.1〜0.5重量%の量にて使用される。
【0098】
第2、第3、および第4の実施態様中に含まれている小麦繊維はさらに、アンチケーキング特性を有する。
【0099】
本発明の第5の特定の実施態様を表14に示す。
【0100】
【表14】

【0101】
本発明の第6と第7の特定の実施態様は、砂糖がまだ存在している場合の、本発明による部分的な砂糖代替組成物に関する。これらの実施態様を表15と16に示す。
【0102】
【表15】

【0103】
【表16】

【0104】
第6の特定の実施態様においては、イヌリンと耐性マルトデキストリンを含有し、そして必要に応じてポリデキストロースとオリゴフルクトースを含有するバルキングファイバー組成物と組み合わせて砂糖が使用されている。
【0105】
第7の特定の実施態様においては、ポリデキストロースおよびオリゴフルクトースと共に、そして好ましくは耐性マルトデキストリンおよびイヌリンと共に砂糖が使用されている。さらに、強い甘味料が、混合物に砂糖の甘さとほぼ同等の甘さをもたらすに足る量にて加えられている。
【0106】
本発明の砂糖代替組成物に対する基本的配合な処方の幾つかの例を以下に記載する。さらに、本発明を例示するために、食品調製物の幾つかの例も記載する。
【0107】
最初の4つの例では、本発明の砂糖代替組成物に対する基本的な配合処方を記載する。これらの配合処方は、味、外観、質感、およびおいしさに悪影響を及ぼすことなく、重量対重量基準で(on a weight by weight basis)、たとえばケーキ中の砂糖を置き換えることを可能にする。当然ながら、異なった成分の正確な量は、ある程度は変えることができる。
【0108】
本発明の第1の実施態様による砂糖代替組成物に対する基本的配合処方の第1実施例においては、下記の成分を混合して1/1重量砂糖代替組成物(1/1 weight sugar replacement composition)を作製する。
【0109】
【表17】

【0110】
本発明の第2の実施態様による砂糖代替組成物に対する基本的配合処方の第2実施例においては、下記の成分を混合して1/1重量砂糖代替組成物を作製する。
【0111】
【表18】

【0112】
本発明の第3の実施態様による砂糖代替組成物に対する基本的配合処方の第3実施例においては、下記の成分を混合して1/1重量砂糖代替組成物を作製する。
【0113】
【表19】

【0114】
本発明の第4の実施態様による砂糖代替組成物に対する基本的配合処方の第4実施例においては、下記の成分を混合して1/1重量砂糖代替組成物を作製する。
【0115】
【表20】

【0116】
第5実施例は、“クァトレ・クオート・ケーキ(quatre quarts cake)”に対するレシピに関するものであり、下記の成分が使用される:
- Mサイズの卵3個;
- スキムミルク22.5ml;
- 小麦粉225g;
- バター140g;
- バニラ風味剤1.5ml;および
- 第3実施例の砂糖代替組成物225g。
【0117】
卵とスキムミルクを、砂糖代替組成物と混合する。軟らかくした、又はやや加熱したバターを、木べらを使用して加える。次いで小麦粉を、篩を通してパットして慎重に加える。全部をよくブレンドして滑らかなペーストにする。バニラ風味剤を加える。パン生地を、バターを塗りつけた長方形のパン焼き皿中に入れ、加熱オーブン中にて175℃で約60分焼く。ケーキが出来上がったら、ナイフの刃を清浄且つ乾燥状態にしておくこと。ケーキをオーブンから取り出し、型から外す。自然冷却させる。
【0118】
第6実施例においては、カルシウムを補強した簡単なビスケット(“カルシウム強化クッキー”)を作製する。砂糖代替組成物中にプレバイオティックファイバーが存在することで、カルシウムの吸収性が増大する。
【0119】
下記の成分は、“カルシウム強化クッキー”を得るために使用される:
- 小麦粉100g;
- バター100g;
- 第1実施例の砂糖代替組成物105g;
- Mサイズの卵3個;
- バニラ風味剤1ml;および
- クエン酸カルシウム四水和物5.2g。
【0120】
バター、第1実施例の砂糖代替組成物、およびバニラ風味剤を混合して滑らかなパン生地を得る。次いで、溶き卵と篩にかけた小麦粉を加える。混合物中に多すぎる空気が入るのを避けるために、たたかずに全組成物を混合する。ベーキングプレートに油を引き、約5cmの間隔で8cmのバー中にパン生地を噴出する。予熱しておいたオーブン中にてクッキーを150〜175℃で10分焼く。焼いた後、すぐにクッキーをトレーから取り出し、焼き網上で自然冷却させる。
【0121】
第2実施例と第3実施例の砂糖代替組成物の基本的配合処方を使用することによって、ほとんどのレシピにおいて使用される油脂(すなわちバター)の量を70%に(あるいはさらに50%に)減らすことができる。第5実施例においては、砂糖を使用して作製したケーキと比較して油脂を70%に減らしているが、味、外観、および質感は低下していない。バターの代わりに油(たとえば菜種油)を使用すると、油脂をさらに30%に減らすことができる。
【0122】
第5実施例と第6実施例の食品調製物の味、外観、および質感等の特性は、スクロースを使用して調製された食品の特性とは区別できない。第6実施例のレシピに第3実施例の砂糖代替組成物を使用すると、あるいは第5実施例と第6実施例のレシピに第2実施例の砂糖代替組成物を使用すると、類似の結果が得られる。第1実施例、第2実施例、第3実施例、および第4実施例の砂糖代替組成物は、第5実施例のレシピにも、第6実施例のレシピにも使用できることは明らかである。
【0123】
第7実施例は、“ケーキ”に対する他のレシピに関するものであり、下記の成分が使用される:
- 卵500g;
- ミルク100g;
- 小麦粉500g;
- バター300g;
- 菜種油60g;
- バニラ風味剤8ml;および
- 第3実施例の砂糖代替組成物500g。
【0124】
オーブンを230℃に予熱する。バターを、軟化するまでクリーム状にする。卵とバニラ抽出物を手で混合し、ミルクを加え、再び混合する。砂糖を加え、フードプロセッサー中で激しく混合する。軟らかいバターと菜種油をブレンドして軟質のパン生地を作製する。小麦粉中で折りたたみ、充分に混合する。30gの混合物を小さなペーパー・ケーキ・モールド(paper cake mould)中に入れ込み、金網台上に置く。オーブン中に配置したら、温度を直ちに200℃に低下させる。28分焼く。ベーキングプロセス中に温度を下げていき、最後の10分は160℃で焼く。
【0125】
このようにして調製された焼き食品(砂糖代替組成物または同量の砂糖を含む)を、V-G Sensory(Deinze,Belgium)によって行われる消費者受入試験に付した。男性50%と女性50%で構成される62人の回答者(このうち、31%が18〜35歳、35%が36〜50歳、および34%が50歳を超える)のテイストパネル(taste panel)に対し、上記のレシピと手順にしたがって作製した砂糖組み込みケーキと砂糖代替組成物組み込みケーキの試食を依頼した。下記の基準にしたがって評価した:
- パン中身の色、
- パン外皮の色、
- 口当たり、および
- 味。
【0126】
図1は、9ポイントスコアに関して、テイストパネルによって得られた結果を示しており、このとき“1”は極めて低い品質を意味しており、“9”は極めて高い品質を意味している。カイ二乗検定とコルモゴロフ-スミルノフ検定を使用して、得られた結果の間の有意差を調べた。これらの検定から、パン中身の色と口当たりに関して、本発明の砂糖代替組成物を使用して作製したケーキは、砂糖含有ケーキよりかなり高いスコアが得られる、ということが結論付けられた。この統計的評価の全体的な結論は、“砂糖を含有しないケーキのほうが砂糖含有ケーキより好ましい、ということ示す傾向が見られる”となった。
【0127】
第8実施例は、“バタークッキー”に対する他のレシピに関するものであり、下記の成分が使用される:
- 卵150g;
- 小麦粉410g;
- 殺菌バター260g;
- 塩4g;
- バニラ風味剤4ml;および
- 第3実施例の砂糖代替組成物200g。
【0128】
オーブンを165℃に予熱する。バターを、軟化するまでクリーム状にする。若干たたいた卵、バニラ抽出物、および塩をフードプロセッサー中に入れる。軟らかな状態のバターをブレンドして軟質のパン生地を作る。小麦粉と砂糖を一緒にして篩にかける。小麦粉-砂糖混合物中にて折りたたんで、穏やかに混合する。油を引いていないベーキングプレート上に配置する。周縁が金色となり、そしてやや褐色になるまで、165℃で14分焼く。金網台上でクッキーを冷却する。
【0129】
このようにして調製された焼き食品(砂糖代替組成物または同量の砂糖を含む)を、V-G Sensory(Deinze,Belgium)によって行われる消費者受入試験に付した。男性50%と女性50%で構成される62人の回答者(このうち、31%が18〜35歳、35%が36〜50歳、および34%が50歳を超える)のテイストパネル(taste panel)に対し、上記のレシピと手順にしたがって作製した砂糖組み込みクッキーと本発明の砂糖代替組成物組み込みクッキーの試食を依頼した。下記の基準にしたがって評価した:
- パン中身の色、
- 口当たり、および
- 味。
【0130】
図2は、9ポイントスコアに関して、テイストパネルによって得られた結果を示しており、このとき“1”は極めて低い品質を意味しており、“9”は極めて高い品質を意味している。カイ二乗検定とコルモゴロフ-スミルノフ検定を使用して、得られた結果の間の有意差を調べた。この統計的評価の全体的な結論は、“砂糖を含有しないクッキーのほうが砂糖含有クッキーより好ましい、ということ示す傾向が見られる”となった。
【0131】
本発明の砂糖代替組成物は、ジャムまたはペストリークリームにおいて砂糖と完全に置き換えることができる。さらに、砂糖を置き換えることによって、これらジャムのゲル化特性が改良される。
【0132】
砂糖は、ジャムのゲル化プロセスにおいて必須であり、所望のコンシステンシーと堅さが得られるよう、ゼリー、ペストリークリーム、カスタード、...を保全する。このゲル化プロセスにより、フルーツジュースが繊維のネットワーク中に絡み合うようになる。砂糖含有ジャムを作製するには、通常はペクチンが加えられる。なぜなら、ペクチンは、フルーツ中に天然に存在する化合物であり、砂糖と酸の存在下にてゲルを形成する能力を有するからである。砂糖は、ゲル化プロセス時に水を引き込んで保持するので、必須成分である。
【0133】
さらに、フルーツジャムとマーマレード中の砂糖を本発明の砂糖代替組成物で置き換えると、補足的なゲル化剤を加える必要がないという利点が得られる。砂糖を使用して作製されるジャムと比較して、ゲル化がより速やかに起こり、且つより良好な状態のままである。
【0134】
第9実施例はジャムのゲル化に関するものであり、下記の成分が使用される:
- イチゴ1750g;および
- 第3実施例の砂糖代替組成物1312.5g。
【0135】
熟したイチゴを洗浄した後、すりつぶしてドロドロにする。イチゴをクッキングリング上に置き、イチゴが軟化して煮崩れるようになるまで、弱火で煮立てる。砂糖または砂糖代替組成物を加え、砂糖/砂糖代替組成物が完全に溶解するまで、よく混ぜ合わせる。加熱を強くし、さらに20分沸騰させる。
【0136】
振動粘度の測定において線形粘弾性範囲(LVR)とフェーズアングル(phase angle)を求めることによって、ゲルをつくり出すネットワークを破壊することなく、ゲル強度を正確に測定することができる。これら試験のための方法が、「Mitchell,J.R.(1980),The rheology of gels,Journal of Texture Studies,11,315-337」;「Stading,M.(1991),Gel structure and rheology in theory and practice - a literature review.SIK-report,553,207p」;および「Stanley,D.W.et al.(1996).Mechanical properties of food.In:Nollet,L.M.L.(ed.).Handbook of food analysis - volume 1:Physical characterization and nutrient analysis.New York,Marcel Dekker,93-137」;に詳細に説明されている。
【0137】
図3は、ヘント大学(ヘント、ベルギー)において行った試験の結果を示しており、砂糖含有ジャムと砂糖代替組成物含有ジャムのゲル強度が、冷蔵庫温度(すなわち6℃)において比較されている。図4は、室温(すなわち25℃)にて行った類似試験の結果を示している。本発明の砂糖代替組成物を使用して作製したジャム中に形成されるゲルは、砂糖を使用した場合より強度が高い。これは、複素弾性率(すなわちG*値)がより高いこと、およびLVRがより大きいことから導くことができる。
【0138】
ペストリークリームは、しばしば凍結させ、そして引き続き解凍する必要がある。シェルビング(shelving)、凍結、および解凍は、水の損失を引き起こすことがあり、この結果、砂糖を使用して作製したペストリークリームの上部に水の層が生じる。第10実施例はペストリークリームのゲル化に関するものであり、下記の成分が使用される:
- 卵黄51g;
- 卵50g;
- トウモロコシの粉80g;
-ミルク1,000g;
- バニラ抽出物4ml;および
- 第3実施例の砂糖代替組成物250g。
【0139】
絶えず攪拌しながら、バニラ抽出物、卵白と卵黄、砂糖もしくは砂糖代替組成物、そして最後にトウモロコシの粉を低温のミルクに加える。温度を上げて沸騰させ、さらに2分攪拌する。ペストリークリームを入れたボウルを氷浴中に置くことによって冷却する。
【0140】
本発明の砂糖代替組成物を含有するペストリークリームは、より良好な水分保持特性を有しており、したがって保存寿命がより長い。さらに、ペストリークリームのゲル化は、砂糖を使用した場合より、砂糖代替組成物を使用した場合のほうがより速やかに起こる。図5は、ヘント大学(ヘント、ベルギー)において行った試験(前述)の結果を示しており、砂糖を使用して作製したペストリークリームと、砂糖を砂糖代替組成物で置き換えて作製したペストリークリームのゲル化挙動を比較している。
【0141】
第11実施例はホイップクリームに関するものであり、下記の成分が使用される:
- ポリデキストロース41.87g;
- 耐性マルトデキストリン9.60g;
- フルクトオリゴ糖6.40g;
- イヌリン5.60g;
- カラゲーニン0.40g;
- イソマルト16.00g;
- スクラロース0.12g;
- 脂肪含量40%のクリーム420g;および
- バニラ抽出物4ml。
【0142】
ホイップクリームを作製するのに、2つの異なった方法を使用した。
第1の方法においては、砂糖もしくは砂糖代替組成物を脂肪含量40%のクリームと混合してから、これらを溶解する。クリームと砂糖を迅速に混合しても安定なホイップクリームは得られなかった。これとは対照的に、クリームと砂糖代替組成物を迅速に混合すると、安定なホイップクリームが得られた。
【0143】
第2の方法においては、砂糖もしくは砂糖代替組成物を脂肪含量40%のクリーム中に溶解してからミキシングを行う。これにより、砂糖および砂糖代替組成物の双方に対して安定なフォームが得られた。
【0144】
ホイップクリームの安定化は、「Moor & Rapaille,1982 H.Moor and A.Rapaille,Evaluation of starches and gums in pasteurized whipping cream. In:G.O.Phillips,D.J.Wedlock and P.A.Williams,Editors,Progress in food and nutrition science 6,Pergamon Press,Oxford(1982),pp.199-207」に記載の方法を使用することによって、ヘント大学(ベルギー、ヘント)によって分析した。
【0145】
表17に示されているように、同じ時間にわたってホイッピングしたときに、砂糖を含有するクリームと比較して、砂糖代替組成物を含有するクリームのほうが、より多くの体積のフォームが得られる。
【0146】
【表21】

【0147】
さらに、フォームの安定性は、12秒後に測定されるスパイラル深さによって示されるように、砂糖代替組成物を使用して作製したときのほうがより高い。このパラメーターは、スパイラルがホイップクリームの表面上で離されたときに12秒後に降下する深さを表わしており、「Moor & Rapaille(1982)」によって説明されている前述の方法にしたがって、Slagsahne Prufgerat装置を使用して測定される。
【0148】
ホイップクリームの作製においては、砂糖を本発明の砂糖代替組成物で置き換えることによって、フォームの安定化と体積が改良される。
【0149】
第12実施例はカラメルの作製に関するものであり、下記の成分が使用される:
- ポリデキストロース42.365g;
- 耐性マルトデキストリン12g;
- フルクトオリゴ糖8g;
- イヌリン7g;
- カラゲーニン0.5g;
- イソマルト20g;
- スクラロース0.135g;および
- 水100g。
上記の組成物を調理温度に加熱する。混合物中に存在する水が完全に蒸発するまで、さらなる加熱処理を行う。それ以後は、所望する程度のカラメル化が起こるまで、150℃〜170℃の範囲の温度を保持する。砂糖またはグルコースシロップを加えずにカラメルを作製することができ、したがって、スクロースまたは砂糖シロップから作製されるカラメルと比較してほぼ同等の質感と口当たりを有する、低カロリーでファイバー高含量のカラメルが得られる。
【0150】
したがって、本発明の砂糖代替組成物は、カラメルを作製するための完全な成分混合物として使用することができ、この場合、10未満の重合度を有するオリゴフルクトースおよび/またはフルクトオリゴ糖がカラメル化を開始させる。この反応の結果、一般的なカラメル風味が得られるが、通常はスクロースを使用することによって得られる好ましい口当たりをもたらす。
【0151】
熱誘起によるカラメル化にて風味と色を生成させるには、反応を開始させる上で糖(通常は単糖構造の糖)が必要とされる、と考えられていた。しかしながら、SGS Belgiumによって行われた上記組成物の分析によれば、物品中の還元糖の量は下記の通りであることが示されている:
-フルクトース0.05%未満;
- グルコース0.05%未満;および
- スクロース0.8%。
【0152】
これらの数値は、カラメル化反応を開始させるには、遊離糖の量が少なすぎることを示しており、オリゴフルクトースおよび/またはフルクトオリゴ糖が、この反応に対する出発物質として作用しているということが実証されている。この仮説は、熱処理によってα-1,2結合とβ-2,1結合が切断されて還元糖が生成し、この還元糖をカラメル風味の典型的な成分(フラン、フラノン、ピロン、および炭素環式化合物)に転化させることができる、というものである。マルトトリオース(α-1,4-結合グルコース)に関して類似の熱分解が報告されており、それによれば、3-デオキシペントスロース(3-deoxypentosulose)はオリゴ糖と多糖に特異的な経路によって形成された(なぜなら、α-1,4-グルカンから形成されたので)、と示されている(Hollnagel & Kroh,2002,25 Journal of Agricultural and Food Chemistry,50(6),1659-1664)。しかしながら、β-2,1-フルクタンの分解に対する類似の経路は報告されていない。
【0153】
したがって、こうした応用の場合、オリゴフルクトースおよび/またはフルクトオリゴ糖の重合度が最も重要であり、10より低くなければならず、好ましくは8より低く、そしてさらに好ましくは3〜5である。10より高いDPを有するフルクタンは、カラメル化反応を開始させるのに適していない〔汚染物質(最大で10%の単糖類や二糖類)を含有しているときでも適していない〕。
【0154】
第13実施例は“バタースコッチ”カラメルの作製に関するものであり、第12実施例の場合と同じ成分が使用されるが、この場合、水を100gのクリーム(脂肪含量40%)で置き換える。さらに、少量(たとえば約5g)のバターを加える。
【0155】
チョコレートの場合、砂糖の置き換えは難しい。なぜなら、これら脂肪-砂糖系における滑らかな口当たり、特有の質感、および風味は、スクロースを加えることなしに模倣するのが困難だからである。第14実施例はチョコレートに関するものであり、下記の成分が使用される:
- ポリデキストロース18.33g;
- 耐性マルトデキストリン4.20g;
- フルクトオリゴ糖2.80g;
- イヌリン2.45g;
- カラゲーニン0.18g;
- イソマルト7.00g;
- スクラロース0.05g;
- カカオバター10g;および
- カカオバターを55%含有するカカオマス55g。
【0156】
第15実施例はチョコレートに関するものであり、下記の成分が使用される:
- ポリデキストロース20.42g;
- 耐性マルトデキストリン4.68g;
- フルクトオリゴ糖3.12g;
- イヌリン2.73g;
- カラゲーニン0.20g;
- イソマルト7.80g;
- スクラロース0.05g;
- カカオバター22g;および
- カカオバターを55%含有するカカオマス39g。
【0157】
第14実施例と第15実施例のように、砂糖を本発明の砂糖代替組成物で置き換えると、改良された特性を有する理想的なチョコレートが得られ、これは、こうした汎用の砂糖代替組成物がもつ特異的な組成によるものである。
【0158】
第16実施例は、ある量のスクロースを含有する部分的砂糖代替組成物に関する。
本発明の砂糖代替組成物(特に、基本的配合処方の前記実施例の1つによる砂糖代替組成物)は、砂糖と組み合わせて使用することができる。部分的砂糖代替組成物は、本発明の砂糖代替組成物と砂糖とを混合することによって得られる。したがって、本発明の砂糖代替組成物が、たとえば最大で10%以上の濃度にて砂糖に加えられる(このとき部分的砂糖代替組成物の重量が100%である)。したがって本発明の砂糖代替組成物を使用して、砂糖をある程度置き換えることができる〔すなわち、砂糖“改良物(improver)”(砂糖の最大10%を置き換える)から完全な砂糖“代替物(replacer)”(砂糖の最大100%を置き換える)の範囲にて〕。
【0159】
この点において、本発明によれば、砂糖代替組成物の弱い甘味料を、部分的砂糖代替組成物が得られるように砂糖で置き換えることも可能である。この部分的砂糖代替組成物の強い甘味料の量は、スクロースとほぼ同等の甘さが得られるよう適合させなければならない。
【0160】
この結果、砂糖に対して機能的に改良された砂糖含有組成物が得られる。
さらに、上記成分の特定の組み合わせからなる基本的配合処方に特定のビタミンやミネラルを加えることができる。より具体的に言えば、果物や野菜の栄養価に近づけるのに必要なビタミンやミネラルを配合物に加えることができる。この点において、本発明の砂糖代替組成物は、シミュレートする必要がある果物または野菜にしたがって適合させることができる。このアプローチを使用して、一般には果物や野菜を消費することで吸収される必須ミネラル、ビタミン、および繊維をさらに供給する、おいしくてヘルシーな食品を製造することができる。このように、人々は、良好な健康状態を保持するのに必要とされる重要な必須成分を吸収する上で、栄養面での習慣を変える必要がない。所望の果物組成物または野菜組成物を模倣すべくビタミンやミネラルを補充した、本発明の基本的配合処方でスクロースを置き換えることによって、機能性食品を製造することができる。
【0161】
基本的な組成物に加えることができるミネラルとしては、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびリンがある。基本的な組成物に加えることができるビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンA、ビタミンK、およびビタミンEがある。さらに、セレン、鉄、および亜鉛等の微量元素も加えることができる。
【0162】
本発明によれば、前述の砂糖代替組成物の基本配合処方に、特定の健康促進バクテリアを加えることができる。より具体的に言えば、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属とラクトバシラス(Lactobacillus)属のプロバイオティック種を加えることができる。本発明においては、特に、ポリデキストロース、イヌリン、オリゴフルクトース、および耐性マルトデキストリンを混合すると、全体的にpHが低下する。これは、オリゴフルクトースとオリゴ糖耐性マルトデキストリンは、結腸の上部で発酵されるが、多糖耐性マルトデキストリン、ポリデキストロース、およびイヌリンは、結腸の下部に達するまで発酵されない、ということが明らかになっているからである。この全体としてのpH低下は、これらのミネラルの溶解性を高めるので、カルシウムとマグネシウムの摂取に対してより好ましい環境をつくり出す。この効果は、骨粗鬆症を防止する上で特に重要である。
【0163】
このような特定の配合物を、アイスクリームや冷菓、または消費する前に熱加工を必要としない他の低温貯蔵食品に加えることができる。低温または凍結温度のために、摂取前に繊維のプレ加水分解が起こる可能性は低いか又は全くない。
【0164】
同様に、上記の追加成分であるビタミン、ミネラル、および/またはプロバイオティックバクテリアも存在する場合は、特に、薬物、栄養補助食品、および/または偽薬用の配合物中に本発明の砂糖代替組成物を使用することもありうる。
【0165】
したがって第17実施例は、パイロット規模のレベルにて、あふれを抑えて作製される豪華なアイスクリームに関する。実証実験は、英国レディングのリンテック社(LinTech)(Reading Scientific Services Limited)にて行った。砂糖または本発明の砂糖代替組成物を含有した配合物の50kgのバッチを、あふれを抑えた状態で製造すべく、パイロットプラント規模の実証実験を行った。下記の表は、2タイプのアイスクリームの配合処方を示している。
【0166】
【表22】

【0167】
使用した機能性砂糖代替組成物の組成は下記の表に示すとおりであるが、理解しておかねばならないことは、添付した特許請求の範囲の範囲内に含まれる別の砂糖代替組成物も使用することができる、という点である。
【0168】
【表23】

【0169】
凍結プロセス時におけるあふれ(over-run)は500〜600g/リットルに抑えた。アイスクリームに対し、官能検査、融解速度試験、およびサイクル試験を含めた種々の評価を行った。
【0170】
官能検査のコメントは、全てのアイスクリームをフリーザーから取り出し、15分自然加温した後に行った。官能検査は、サンプルをコード化するという意味で、目隠しをして行った。物品は、リンテック社からの7〜9人の回答者パネルによって評価した。彼らは、各アイスクリームのランダムにコード化されたサンプルが与えられ、選定された属性に関してコメントを求められた。
【0171】
試験アイスクリームと対照標準アイスクリームは、全ての点において極めて類似していると判定された。外見においては、試験アイスクリームのほうが、対照標準アイスクリームよりやや白いことが認められた。どちらもサンプルも、クリーム状で甘いバニラ風味を有すると評価された。口当たりに関しては、どちらのサンプルも、滑らかでクリーム状の質感を有すると見なされた。
【0172】
融解速度試験: この試験における原理は、種々のアイスクリームがいかに速やかに融解するかを観察することにある。この試験は、既知重量のアイスクリームを金網上に置き、設定された時間に対して、金網を通して融解するアイスクリームの重量を計量することによって行った。
【0173】
スクロースを含有する対照標準アイスクリームは、試験アイスクリームより速やかに融解することが分かった。
【0174】
試験サンプルと対照標準サンプルの双方に対し、360分後に残っていたアイスクリームは温かく、ムース状の質感であった。360分後においては、下記のパーセントのアイスクリームが融解した:対照標準サンプル18.7%、試験サンプル12.4%。
【0175】
サイクル試験はそれぞれのサンプルに対して行った。3日間にわたって、サンプルをフリーザーから取り出し、小型容器上にて蓋をせずに室温で30分放置し、次いでサンプルをフリーザー中に戻し、次の日も同じプロセスを繰り返した。4日目に、フリーザーから小型溶液を取り出し、サイクル処理していないサンプルと突き合わせて評価した。
【0176】
サイクル処理したサンプルとサイクル処理していないサンプルとの間の差を観察したが、2種のアイスクリームのいずれかが劇的に変化したという感じはしなかった。物品は全て受入可能であると感じられ、対照標準サンプルと試験サンプルに双方に対して、類似の観察結果が得られた。
【0177】
本発明の砂糖代替組成物を含有するか、または本発明の砂糖代替組成物を使用して製造した食品には優れた構造特性と優れたレオロジー特性が付与されるので、脂肪分の高い食品の満足できる構造特性、レオロジー特性、および/または官能特性を保持しながら、食品の脂肪含量少なくするために、本発明の砂糖代替組成物を使用することもできる。本発明のこの実施態様の典型的な応用は、低脂肪分のアイスクリーム、低脂肪分のクッキー、低脂肪分のチョコレート、低脂肪分のケーキ、および低脂肪分のチョコレートスプレッドである。
【0178】
アイスクリームの製造においては、たとえば、本発明の砂糖代替組成物を使用して製造すると、アイスクリームのクリーム状の口当たりを失うことなく脂肪含量を50%だけ減らすことが可能である。したがって、本発明の機能性砂糖代替組成物を使用することで、全ての砂糖の置き換えが可能になるだけでなく、特定のレシピ中の脂肪をある程度少なくすることも可能になる。
【0179】
脂肪含量を50%だけ少なくしたアイスクリームレシピの例を下記の表に示す。
【0180】
【表24】

【0181】
機能性砂糖代替組成物は、前述の実施例に記載のように構成されるのが理想的である。
したがって本発明の砂糖代替組成物は、アイスクリーム〔特にスコップアイスクリーム(scoop ice cream)〕中の砂糖に置き換えて使用することができる。さらに、本発明の砂糖代替組成物を含有するアイスクリームにおいては、脂肪の量を減らすことができる。砂糖と脂肪は、アイスクリームのソフトさ、および冷凍状態のアイスクリームのすくい上げやすさの点で重要である。こうして得られる低カロリーのアイスクリームは、砂糖を含有するアイスクリームよりはるかに高い(場合のある)ソフトさを有する。
【0182】
食品中の水を結合させるために、食品に砂糖が、そしてさらには塩が加えられる。こうした食品の例としては、砂糖加工肉製品および糖分の多い食品(たとえばジャム)などがある。
【0183】
砂糖加工肉製品は、風味、色、および保存の目的で、砂糖、亜硝酸塩、硝酸塩、および/または硝石が加えられている肉製品(たとえばハム)である。砂糖が、食品中の水を結びつけ、風味を増し、塩の強さを打ち消す。砂糖はさらに、バクテリア、真菌、かび、および酵母に対するエネルギー源としても作用することがある。肉製品は、砂糖の溶液を噴射してもよいし、砂糖の溶液中に浸漬してもよいし、あるいは砂糖の溶液を擦り込んでもよい。機能的には、本発明の砂糖代替組成物は、これらの用途の肉製品中の砂糖に完全に置き換わることができる。構造と風味に対しては同じ効果が得られる。さらに、これらの用途において砂糖を本発明の砂糖代替物で置き換えることは、腐敗性のバクテリアやかびに対しては砂糖が利用できないが、結腸の好ましいミクロフローラに対しては選択的なエネルギー源が存在する、という利点を有する。
【0184】
本発明の砂糖代替組成物を使用して作製したソフトメレンゲは、砂糖を使用して作製したソフトメレンゲと同じ構造安定性を有するが、その光沢はより高い。さらに、バクテリア安定性がより高く、有害で腐敗性のバクテリアで汚染される可能性がより低い。
【0185】
一般には、砂糖と比較して、本発明の砂糖代替組成物は、食品調製物における水分保持特性がより良好であり、したがって、水の利用可能性がより低くなることから、保存寿命がより長くなり、またバクテリア汚染がより少なくなる。これら食品調製物のバクテリア安定性はより高い。なぜなら、砂糖に反して、有害で腐敗性のバクテリアの増殖を妨げることができる有益なバクテリアによって、繊維組成物が選択的に発酵されるからである。したがって、有害で腐敗性のバクテリアによる汚染の可能性がより低い。
【0186】
本発明の砂糖代替組成物は、肉の発酵を抑えるために、また発酵肉製品の食品安全性を高めるために、生肉製品(たとえば、生ハムや生ソーセージ)に加えることができる。繊維組成物は有益なバクテリアの増殖を選択的に促進し、したがって、有害および/または腐敗性のバクテリアの増殖を妨げる。肉を発酵させるための充分な量の有益バクテリアを確実に存在させるために、スターターカルチャーを加えることができる。これらのスターターカルチャーは、繊維組成物を発酵させることができなければならず、または酸を生成することによってpHを低下させることができなければならない。速やかな初期pH低下を得るためには、スターターカルチャーによる繊維組成物の速やかな発酵が必要とされる。肉の発酵という用途に対しては、甘味料組成物(特に強い甘味料)は必要とされない、という点を明らかにしておかねばならない。しかしながら、発酵の後に甘味が存在することが求められることがある。砂糖とは対照的に、強い甘味料は発酵されない。
【0187】
本発明の配合物は、1/1の重量基準で砂糖に置き換わることができ、これにより、従来の砂糖をはるかに越える機能性を食品にもたらす。
【0188】
本発明の他の実施態様は、本発明の砂糖代替組成物を含んだ繊維組成物(但し、甘味料は含有しない)に関する。したがって、本発明のこの繊維組成物はスクロースほど甘くはなく、甘味付与効果をもたらすことなく、レオロジー特性および/または構造特性の改良が必要とされるケースにおいて有利に使用することができる。典型的な用途は、サラダ用ドレッシングやマヨネーズなどである。本発明の砂糖代替組成物の好ましい実施態様に関する上記の指摘(indications)は全て、当然のことながら、甘味料が存在しないという条件にて、必要な変更加えて本発明の繊維組成物実施態様に適用される。このことは、当然ながら、個々の成分の相対量についての表示が全て、このケースにおいては、トータルの繊維組成物が100重量%であることを基準としており、甘味料成分は含有していない、ということを意味している。
【0189】
さらに、スクロースより低く、そして本発明の砂糖代替組成物よりも低い甘味効果を果たすよう、上記の繊維組成物を減少量の甘味料(本発明の砂糖代替組成物中の甘味料含量と比較して)と組み合わせて使用することも本発明の範囲内である。この実施態様によれば、本発明の砂糖代替組成物に関して前述したのと同じ甘味料(特に強い甘味料)を使用することができる。
【0190】
砂糖代替組成物ならびに繊維組成物は、種々の成分を単に混合することによって得ることができ、これらの成分は相乗効果を示し、考えられる全ての用途において砂糖に代わる機能的でヘルシーな代替物をもたらす。
【0191】
砂糖代替組成物を粒状化または凝集させることにより、物品にさらなる利点と付加価値がもたらされる。たとえば、
- 発散的な粒径分布が使用されるときに、物品の分離が起こらなくなる;
- 異なった成分の均一な分布が得られる;
- 流動性が改良される;
- ダストの形成が低下する;
- グラニュー糖により近い外観が得られる。
【0192】
したがって、砂糖にさらに似せるために、本発明の砂糖代替組成物を粒状化することができる。粒状化または凝集には幾つかの方法があり、これらの方法は、本発明の砂糖代替組成物に適している。
【0193】
粒状化は、上記の砂糖代替組成物に水を加えることによって自発的に起こることがある。粒状化は、おそらくは、砂糖代替組成物の成分の1種以上を含有する水を、残りの成分に加えることによって得ることができる。この点において、ポリデキストロースとポリオールを砂糖代替組成物の残りの成分に加える前に、ポリデキストロースとポリオールを水中に溶解するのが最も適切である。
【0194】
凝集は、砂糖代替組成物の成分の混合時に液体噴霧することによって果たすことができる。第1段階においては、低剪断もしくは高剪断ミキシング技術を使用して均一物品組成物(a homogenous product composition)を得る。この方法の第2段階においては、液体を徐々に加えながら低ミキシングを続ける。この液体は、単なる水であっても、あるいは物品組成物の一部が既に溶解されている水であってもよい。500μm〜2000μmの範囲の粒径を有する砂糖代替組成物顆粒は、この方法を使用して簡単に得ることができる。砂糖代替組成物上に噴霧される液体の量に応じて、乾燥工程を含んだ第3工程を組み込む必要がある。この乾燥工程は、流動床システムにて行うことができる。
【0195】
砂糖代替組成物を凝集させるのに流動床技術を使用することは、上記の方法において述べた3つの段階を1つの工程に組み込む極めて経済的で簡便な仕方である。このシステムでは、円錐形の床において、高温空気の入口の近くで粉末粒子を流動化させ、これにより砂糖代替組成物の成分を混ぜ合わせる。このミキシングフェーズ(mixing phase)時に、液体(たとえば、水または砂糖代替組成物の一部を含有する水)を、ボトムスプレーノズルまたはトップスプレーノズルを介して噴霧する。このプロセスにより、小さな粒子(いわゆる“種”)が形成され、これらが成長して、ついには所望の粒径に達する。ミキシングと凝集の間に乾燥がなされ、この乾燥は、入口空気の温度と湿度を通して制御可能である。このプロセスがうまくいくための重要な条件は、流動化される粉末成分の粒径分布が大きく異なっていないということである。これにより、物品の分離が避けられる。
【0196】
プレスアグロメレーションは、粒状形態の砂糖代替組成物を得るための別の方法である。砂糖代替組成物の成分をミキシングした後に、締め固めシステム(a compacting system)が使用される。物品の組成が完全にバランスされているので、たとえばローラーコンパクターによって物品を締め固めすることによって、簡単に凝集させることができる。この方法を使用して、粉末を圧縮して固体形態(いわゆる“フレーク”)にする。引き続き、これらのフレークを微粉砕して所望の粒径密度を得る。必要に応じて、物品を篩にかけた後に、範囲外物質の再循環使用に供する。この方法を使用すると、より高いバルク密度を得ることができ、これにより、砂糖代替組成物を重量基準でも容量基準でも使用することが可能となる。
【0197】
粒状化はさらに、噴霧乾燥によって行うこともできる。この凝集法は、液体供給原料(すなわち、溶液、エマルジョン、または懸濁液)から凝集体を生成させるための、間違いなく適切な方法である。この方法では、完全な砂糖代替組成物の懸濁液または溶液を調製し、次いでこれを霧化して液滴のスプレーとし、高温空気と接触させる。
【0198】
これらの方法はいずれも、本発明の凝集砂糖代替組成物を製造するのに適している。さらに、“改良された砂糖(improved sugar)”または部分的砂糖代替組成物を得ることが要求される場合は、この組成物により、スクロースを凝集物品の一部として組み込める可能性がもたらされる。砂糖を凝集物品中に組み込むことによって、スクロースの機能をはるかに超える機能を有する、改良された砂糖物品がつくり出される。しかしながら、この物品は設計されており、1/1の重量基準にて砂糖と完全に置き換えるのに適している。粒状化は、砂糖との1/1体積置き換えに適している砂糖代替組成物を得るのに重要である。
【0199】
本発明の粒状化物品もしくは凝集化物品をさらに圧縮して、角砂糖様の物品を、従来の角砂糖に対する代替物として形成させることができる。角砂糖の典型的な用途を考慮すると、どんなタイプのオリゴ糖成分も使用することができる。有害でないとはいえ、フルクトオリゴ糖を使用したときに観察される褐色化特性に及ぼす有益な効果は、角砂糖代替物にとってそれほど重要なことではない。これと同じことが、飲料、クリーム、アイスクリーム、ペストリークリーム、ヨーグルト、乳製品ベースのデザート、チョコレート、ジャム、またはマーマレードを含めた、幾つかの他の形態の用途に本発明の砂糖代替組成物を使用する場合にも言える。
【0200】
本発明の砂糖代替組成物の重要な機能特性のさらなる例は、
- 最小限のカロリー低下(minimum calorie reduction);
- 最小のカロリー値;
- 低い血糖反応;
- 凝固点の降下。
【0201】
砂糖を本発明の機能性砂糖代替組成物で置き換えることによって得られる最小限のカロリー低下は、砂糖を100%置き換えた場合には60%でなければならない。
【0202】
砂糖代替組成物のカロリー値は、200kcal/100g(さらに詳細には150kcal/100g)を超えないのが好ましい。
【0203】
砂糖を、たとえば上記の第3実施例に記載の配合処方で置き換えると、グルコースとは対照的に、血糖レベルの低下が起こる。得られた血糖反応値は、英国レディングの、「Reading Scientific Services Limited(RSSL)」によって測定・認定され、図6に示されている。チャートは、グルコースと比較したときの、砂糖代替組成物の異なったプロフィールを明確に示している。グルコース25gと比較して、本発明の砂糖代替組成物25gが消費された後に観察される血糖の増加は27%±8であった。
【0204】
興味あることに、砂糖代替組成物は、水中に溶解させたときには、スクロースと同等の凝固点降下を有する。この特徴は、砂糖代替組成物を冷凍食品(たとえば、アイスクリームやシャーベット)中に使用する場合に好ましい。脱イオン水、砂糖代替組成物を含有する脱イオン水、および砂糖を含有する脱イオン水の凝固点は、1℃/分の冷却速度にて2つの別個の実験での示差走査熱量測定法(DSC)によって決定した。図7と表18は、これら実験の結果を示している。凝固点が統計学的に比較されている。砂糖代替組成物の脱イオン水溶液の凝固点と、砂糖の脱イオン水溶液の凝固点との間に、T検定による有意差は観察されない。
【0205】
【表25】

【0206】
【化1】

【0207】
【化2】

【0208】
【化3】

【0209】
【化4】

【0210】
【化5】

【0211】
【化6】

【0212】
【化7】

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルキングファイバー組成物と甘味料組成物とを含んだ砂糖代替組成物であって、このとき
前記バルキングファイバー組成物が、
- 30〜75重量%の、好ましくは45〜65重量%の多糖、および
- 5〜45重量%の、好ましくは10〜30重量%のオリゴ糖
を含み、そして
前記甘味料組成物が、
- 砂糖代替組成物に砂糖の甘さとほぼ同等の甘さをもたらすに足る量の強い甘味料
を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、前記砂糖代替組成物。
【請求項2】
砂糖に対して1/1の重量置き換えに適した、請求項1に記載の砂糖代替組成物。
【請求項3】
砂糖に対して1/1の容量置き換えに適した、請求項1または2に記載の砂糖代替組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の多糖および/またはオリゴ糖がプレバイオティックである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の多糖および/またはオリゴ糖が、主としてグルコース単位で構成されていて、少なくとも1種の多糖および/またはオリゴ糖が、主としてフルクトース単位で構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項6】
前記多糖が、10〜60の、好ましくは10〜40の、そしてさらに好ましくは10〜20の重合度(DP)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項7】
前記多糖が、イヌリン、ポリデキストロース、および多糖耐性マルトデキストリンからなる群から選択されるか、またはこれらの組み合わせ物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項8】
前記多糖が、
- 30〜60重量%の、好ましくは40〜55重量%のポリデキストロース、
- 0〜25重量%の、好ましくは5〜15重量%のイヌリン、および
- 0〜20重量%の、好ましくは5〜15重量%の多糖耐性マルトデキストリン
を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項9】
前記オリゴ糖が、2〜10の、好ましくは2〜8のDPを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項10】
前記オリゴ糖が、オリゴフルクトースとオリゴ糖耐性マルトデキストリンからなる群から選択されるか、またはこれらの組み合わせ物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項11】
前記オリゴ糖が、
- 5〜30重量%の、好ましくは5〜10重量%のオリゴフルクトース、および
- 0〜20重量%の、好ましくは5〜15重量%のオリゴ糖耐性マルトデキストリン
を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項12】
前記オリゴ糖が、イヌリンの酵素的分解によって、あるいはスクロース上にて培養されたアスペルギラス・ニゲル(Aspergillus niger)のβ-フルクトシダーゼのtransfructosylationによって得られるオリゴフルクトースを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項13】
前記オリゴ糖が3〜5のDPを有するフルクトオリゴ糖を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項14】
前記バルキングファイバー組成物が、
- 30〜60重量%の、好ましくは40〜55重量%のポリデキストロース、
- 最大で25重量%までの、好ましくは5〜15重量%のイヌリン、
- 5〜30重量%の、好ましくは5〜10重量%のオリゴフルクトース、および
- 最大で20重量%までの、好ましくは10〜15重量%の耐性マルトデキストリン
を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項15】
前記バルキングファイバー組成物が、オリゴ糖に関して3〜8の、好ましくは3〜5の平均重合度を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項16】
前記バルキングファイバー組成物が、多糖に関して10〜20の、好ましくは10〜15の平均重合度を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項17】
前記バルキングファイバー組成物が、0.01〜10重量%の、好ましくは0.05〜3重量%の、不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項18】
前記の不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖が、セルロース、ヘミセルロース、穀物繊維、小麦繊維、オートムギ繊維、リンゴ繊維、オレンジ繊維、およびトマト繊維からなる群から選択されるか、またはこれらの組み合わせ物であり、選択される非消化性多糖のそれぞれが、約0.05〜3重量%の、好ましくは0.2〜2重量%の量にて存在し、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項1〜17のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項19】
前記の不溶性で、非選択性で、非消化性の多糖が約2重量%の小麦繊維を含んでいて、砂糖代替組成物の総量が100重量%であり、前記小麦繊維が20〜80μmの、好ましくは約30μmの平均長さを有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項20】
前記バルキングファイバー組成物が、0.01〜10重量%の、好ましくは0.05〜3重量%の、可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項21】
前記の可溶性で、非選択性で、非消化性の多糖が、キサン、タラ、カラゲーニン、トラガカント、ローカストビーンガム、寒天、グアールガム、アラビアガムもしくは他の全てのアラビノガラクタンタイプの多糖、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、および可溶性オートムギ繊維からなる群から選択されるか、またはこれらの組み合わせ物であり、選択される非消化性多糖のそれぞれが、約0.05〜3重量%の、好ましくは0.2〜2重量%の量にて存在し、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項1〜20のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項22】
カラゲーニンが、約0.05〜2重量%の、好ましくは0.2〜1重量%の量にて存在し、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項1〜21のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項23】
前記甘味料組成物が弱い甘味料を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項24】
前記甘味料組成物が、10〜40重量%の、好ましくは10〜30重量%の弱い甘味料を含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項25】
弱い甘味料が、マルチトール、イソマルト、ラクチトール、エリスリトール、ポリオール、ポリグリシトールシロップもしくはポリグリシトール粉末、水素化澱粉加水分解物(ポリグリシトールシロップ)、および/またはグリセリンからなる群から選択されるか、またはこれらの組み合わせ物である、請求項24に記載の砂糖代替組成物。
【請求項26】
強い甘味料が、アセスルファムK、ネオヘスペリジンDC、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、アリテーム、ソーマチン、チクロ、グリシルリジン、およびステビオサイド/ステビア抽出物からなる群から選択されるか、またはこれらの組み合わせ物である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項27】
強い甘味料が、0.10〜0.20重量%の、好ましくは約0.15重量%のスクラロースを含み、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項26に記載の砂糖代替組成物。
【請求項28】
強い甘味料が、アセスルファムKとネオヘスペリジンDCを、アセスルファムK対ネオヘスペリジンDCが9.5〜11.5の比にて、好ましくは10.0〜11.0の比にて含む、請求項26に記載の砂糖代替組成物。
【請求項29】
強い甘味料が、0.1〜0.3重量%のアセスルファムKと0.01〜0.03重量%のネオヘスペリジンDCを含み、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項28に記載の砂糖代替組成物。
【請求項30】
強い甘味料が、約0.15重量%のアセスルファムKと約0.015重量%のネオヘスペリジンDCを含み、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項29に記載の砂糖代替組成物。
【請求項31】
強い甘味料が、グルコノ-δ-ラクトンを、好ましくは0.10〜0.20重量%の量にて含み、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項26〜30のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項32】
前記バルキングファイバー組成物が、45〜55重量%の、好ましくは約50重量%のポリデキストロース、および約20重量%のオリゴフルクトースを含み、前記甘味料組成物が約30重量%のマルチトールを含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項33】
前記甘味料組成物が、最大で約20重量%のイソマルトを含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項34】
前記バルキングファイバー組成物が、45〜55重量%の、好ましくは約50重量%のポリデキストロース、約7重量%のイヌリン、約8重量%のオリゴフルクトース、および約12重量%の耐性マルトデキストリンを含み、前記甘味料組成物が約20重量%のイソマルトを含み、このとき砂糖代替組成物の総量が100重量%である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項35】
前記バルキングファイバー組成物が、約50重量%が11未満のDPを有する耐性マルトデキストリンを含み、このとき耐性マルトデキストリンの総量が100重量%である、請求項1〜34のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項36】
SiO2を、前記砂糖代替組成物のケーキングを防ぐのに有効な量にてさらに含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項37】
SiO2が、0.1〜0.5重量%の、好ましくは約0.25重量%の量にて存在し、砂糖代替組成物の重量が100重量%を示す、請求項36に記載の砂糖代替組成物。
【請求項38】
カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンE、セレン、鉄、亜鉛、およびこれらの組み合わせ物からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項39】
プロバイオティック微生物をさらに含む、請求項1〜38のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項40】
粒状化されている、請求項1〜39のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項41】
ポリオールおよび/またはポリデキストロースを溶解する水を加えることによって粒状化される、請求項1〜40のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項42】
液体噴霧、プレスアグロメレーション、および/または噴霧乾燥によって粒状化される、請求項1〜41のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項43】
好ましくは最大で10重量%の量にて、砂糖との混合物の形態で使用され、このとき混合物の総量が100重量%である、請求項1〜42のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物。
【請求項44】
請求項1〜43のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物を含有するか、請求項1〜43のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物を使用して作製した食品調製物。
【請求項45】
液体噴霧、プレスアグロメレーション、および/または噴霧乾燥によって粒状化する工程を含む、請求項1〜43のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物の製造方法。
【請求項46】
請求項1〜43のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物を使用することを含む、食品調製物の製造方法。
【請求項47】
飲料、クリーム、アイスクリーム、ペストリークリーム、ヨーグルト、乳製品をベースとするデザート、チョコレート、ジャム、またはマーマレードを製造するための、請求項8〜10のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物の使用。
【請求項48】
角砂糖の代替品として使用するための圧縮製品を製造するための、請求項8〜10のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物の使用。
【請求項49】
請求項8〜10のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物を含有するか、または請求項8〜10のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物を使用して得られる飲料、クリーム、アイスクリーム、ペストリークリーム、ヨーグルト、乳製品をベースとするデザート、チョコレート、ジャム、またはマーマレード。
【請求項50】
ファイバー組成物の総量が100重量%であることを基準として、
- 30〜75重量%の、好ましくは45〜65重量%の多糖、および
- 5〜45重量%の、好ましくは10〜30重量%のオリゴ糖
を含んだファイバー組成物であって、このとき前記多糖が、
- 30〜60重量%の、好ましくは40〜55重量%のポリデキストロース、
- 0〜25重量%の、好ましくは5〜15重量%のイヌリン、および
- 0〜20重量%の、好ましくは5〜15重量%の多糖耐性マルトデキストリン
を含み、このとき前記多糖成分の相対量の表示は、ファイバー組成物の総量が100重量%であることを基準としている、前記ファイバー組成物。
【請求項51】
液体食品、粘性食品、または軟質食品のレオロジー特性および/または構造特性を改良するための、請求項50に記載のファイバー組成物の使用。
【請求項52】
請求項50に記載のファイバー組成物を含有するか、または請求項50に記載のファイバー組成物を使用して得られる食品。
【請求項53】
脂肪分を少なくした食品の製造における、請求項1〜43のいずれか一項に記載の砂糖代替組成物、または請求項50に記載のファイバー組成物の使用。

【公表番号】特表2008−508891(P2008−508891A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525267(P2007−525267)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008810
【国際公開番号】WO2006/015880
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507046613)スウィートウェル・ナムローゼ・フェンノートシャップ (2)
【Fターム(参考)】