欠陥識別方法、欠陥識別装置、プログラム、及び記録媒体
【課題】欠陥の検出、並びに欠陥タイプ及び欠陥原因の分類を行う。
【解決手段】検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取るステップと、複数のランドマークマスク画像を受け取るステップ(304)と、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と上記第1のソースラインとの間のソース欠陥接続性計測を算出するステップ(500)と、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥接続性計測を算出するステップ(502)と、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別するステップと、を含んでいる。
【解決手段】検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取るステップと、複数のランドマークマスク画像を受け取るステップ(304)と、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と上記第1のソースラインとの間のソース欠陥接続性計測を算出するステップ(500)と、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥接続性計測を算出するステップ(502)と、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別するステップと、を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、欠陥の検出と、欠陥タイプ及び欠陥原因の分類とに関するものである。本発明は、より具体的には、フラットパネルディスプレイにおける欠陥領域の、画像に基づく自動検出、並びに、欠陥のタイプ及び欠陥の原因の分類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ(以降、FPDとも呼称する)は、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、液晶ディスプレイ(以降、LCDとも呼称する)テレビ、コンピューターディスプレイ、携帯情報端末(以降、PDAとも呼称する)、及び、ディスプレイを含む他の消費者製品など、多種多様な消費者製品に普及してきている。ディスプレイの品質を確保し、かつ、FPDの生産性を向上させるために、FPDの欠陥の検査、欠陥の分類、及び、欠陥の原因の分類は、FPDの製造において重要な工程である。
【0003】
特許文献1には、入力画像及びモデル画像の調整方法が開示されている。
【0004】
特許文献2には、パターン形成済みの基板の欠陥を検出するように、基準画像の形状特徴を被検画像の形状特徴と比較する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第12/846,748号明細書
【特許文献2】特開2000−208575号公報(2000年7月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
欠陥の検出と、欠陥のタイプ及び欠陥の原因の分類とを行う従来の方法の一つは、手動である、人間による検査である。このような方法においては、欠陥領域を検出するために、また、欠陥タイプ及びその原因を分類するために、作業者がFPDの画像のそれぞれを検査する必要がある。この人間の作業は、作業者の有する技術及び専門知識に深く依存する。加えて、異なる画像の処理に要する時間は大きく異なる。これは、大量生産パイプラインについての問題を引き起こし得る。さらに、作業能力は、作業者間で大幅に異なり、かつ、時間が経過するにつれて作業者の疲労によりすぐに低下してしまう。FPDの表面パターンが非常に複雑であること、および、FPDの表面パターンが、異なる検出画像の間で大きく異なることに起因して、従来の手動検査は、時間がかかり、主観的であり、コストが高く、かつ、作業者の経験に依存する。
【0007】
FPDの異なる画像に対して、欠陥の検出、並びに欠陥タイプ及び欠陥原因の分類をすることのできる、迅速で、ロバストで、自動的で、かつ、正確な方法、システム及び装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、一般に、欠陥の検出と、欠陥タイプ及び欠陥原因の分類とに関するものである。本発明は、より具体的には、フラットパネルディスプレイにおける欠陥領域の、画像に基づく自動検出と、検出された欠陥のタイプ及び原因の分類とに関するものである。本発明のいくつかの実施形態においては、検出された欠陥の修復方法が特定される。
【0009】
本発明の第1の側面に基づけば、検出された欠陥に関する欠陥タイプが識別される。欠陥タイプは、検出された欠陥と上記フラットパネルディスプレイのランドマークとの接続性計測(connectivity measures)、及び、検出された欠陥と上記ランドマークとの距離計測(distance measures)に基づいて、分類ツリーを用いて識別される。
【0010】
本発明の第2の側面に基づけば、検出された欠陥に関する欠陥原因が識別される。欠陥原因は、ルールに基づく分類と学習に基づく分類との組み合わせを用いて識別される。
【0011】
本発明の第3の側面に基づけば、欠陥検出によって検出された複数の欠陥点は、当該複数の欠陥点に対して同じインデックスラベルを割り当てることによって、単一の欠陥に結合される。
【0012】
本発明に係る欠陥識別方法は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別方法であって、(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取るステップと、(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るステップと、(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するステップと、(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するステップと、(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別するステップと、(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出するサブステップ、(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出するサブステップ、(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得するサブステップ、(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出するサブステップ、及び、(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別するサブステップ、を含むステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0013】
上記の欠陥識別方法によれば、ランドマークマスク画像、及び、検出された欠陥から、上記ソース欠陥接続性計測、及び、上記ゲート欠陥接続性計測を算出し、算出した上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が0であるか否かによって欠陥タイプを識別する。したがって、上記の構成によれば、フラットパネルディスプレイにおける欠陥タイプを高精度に識別することができる。
【0014】
なお、上記ソース欠陥接続性計測が0でないとは、上記欠陥が上記ソースラインと接続していることを示しており、上記ゲート欠陥接続性計測が0でないとは、上記欠陥が上記ゲートラインと接続していることを示している。また、上記ソース欠陥接続性計測が0であるとは、上記欠陥が上記ソースラインと接続していないことを示しており、上記ゲート欠陥接続性計測が0であるとは、上記欠陥が上記ゲートラインと接続していないことを示している。
【0015】
また、本発明に係る欠陥識別方法は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別方法であって、(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別するステップと、(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類法、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて、識別するステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0016】
上記欠陥識別方法によれば、欠陥原因の識別を高精度に行うことができる。
【0017】
本発明における、上述および他の目的、特徴、並びに、利点は、添付した図面とともに、下記に示す本発明の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるだろう。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る欠陥識別方法によれば、フラットパネルディスプレイにおける欠陥タイプを高精度に識別することができる。また、本発明に係る欠陥識別方法によれば、欠陥原因の識別を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】欠陥を有する例示的なフラットパネルディスプレイを示す図である。
【図2】例示的なフラットパネルディスプレイの画像におけるランドマークの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、欠陥の検出、欠陥タイプの分類、欠陥原因の分類、及び欠陥修復方法の決定を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の実施形態に係る、検出された欠陥点ラベルの結合を示すフローチャートである。
【図4B】本発明の実施形態に係る、検出された欠陥点ラベルの結合を示すフローチャートである。
【図5A】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類のための分類ツリーを示すフローチャートである。
【図5B】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類のための分類ツリーを示すフローチャートである。
【図5C】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類のための分類ツリーを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る、例示的な欠陥位置についての、欠陥からソースラインまでの距離の計算の一例を示す図である。
【図7A】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類を示すフローチャートである。
【図7B】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類を示すフローチャートである。
【図8】欠陥原因の分類に対する例示的な確率密度関数(PDF:Probability Density Function)の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る、確率密度関数推定を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る実施形態は、図面を参照することによって最も明らかとなるだろう。なお、図面においては、同様の部材には同様の符号を付して示している。また、上述の図面は、この詳細な説明の一部として明示的に取り入れられる。
【0021】
一般的に記載され、また、図面に示されている本発明の構成は、様々な異なる構成に変更及び設計可能であることは、容易に理解できるだろう。すなわち、本発明の方法およびシステムに係る実施形態について下記に示すより詳細な説明は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明についての現在における好ましい実施形態を示しているに過ぎない。
【0022】
本発明に係る実施形態の要素は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアにおいて実現される。本明細書において開示する実施形態では、主として、これらの形態のうち1つのみについて説明するが、当業者が任意の形態においてこれらの要素を実現し得ることは明らかであり、このようにして実現されたものも本発明の範囲に含まれる。
【0023】
本発明に係る実施形態は、一般に、欠陥の検出、欠陥タイプ及び欠陥原因の分類に関する。より具体的には、本発明に係る実施形態は、画像に基づくFPD上の欠陥領域の自動検出、及び、検出された欠陥のタイプ及び原因の分類に関する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、FPDが欠陥領域を含んでいるかどうかを検査するために、また、FPDが欠陥領域を含んでいる場合には、欠陥領域を特定し欠陥及び欠陥の原因を分類するために、1つ以上のデジタルカメラからFPDのデジタル画像が取得される。図1には、欠陥102を有するLCD3色構成画素を備える例示的なフラットパネルディスプレイの構成の一部100を示している。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、フラットパネルディスプレイの位相構造についての予備知識及び欠陥の位置に基づいて、フラットパネルディスプレイの欠陥を予め定められた複数の欠陥タイプのうちの一つに分類する方法、システム、及び、装置を含んでいる。本発明のいくつかの実施形態は、検出された欠陥の原因を推測する方法、システム、及び、装置を含んでいる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥タイプの分類、及び、欠陥原因の分類は、フラットパネルディスプレイ内部のランドマークに対する欠陥の位置に依存して行われる。例示的なランドマークは、図2に示すように、ゲートライン204、ドレインライン203、Csライン205、206、ソースライン201、202、及び、フラットパネルディスプレイを構成するその他の構成要素を含んでいる。図2は、図1に示す例示的なフラットパネルディスプレイ構造100に含まれるサブ画素部分200についての例示的なランドマーク201〜206を示している。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、ランドマークマスク画像は、フラットパネルディスプレイ画素に関する無欠陥モデル画像から抽出する。本発明のいくつかの実施形態において、ランドマークマスク画像は、従来知られた自動セグメンテーション方法を用いることにより、無欠陥モデル画像から部分領域として抽出される。本発明の他の実施形態において、ランドマークマスク画像は、手動により、無欠陥モデル画像から部分領域として抽出される。本発明のさらに他の実施形態において、ランドマークマスク画像は、半自動的に無欠陥モデル画像から部分領域として抽出される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態は、図3との関連において理解されるであろう。これらの実施形態において、FPDに関する入力画像が受信され(300)、対応するモデル画像が検索される(302)。加えて、モデル画像に関する複数のランドマークマスク画像が検索される(304)。入力画像及びモデル画像は、従来知られた位置合わせ方法、システム、及び装置を用いて位置合わせされる(306)。従来知られた位置合わせ方法、システム、及び装置としては、例えば、米国特許出願12/846,748、“Methode,Systems and Apparatus for Defect Detection”(発明者:Chang Yuan、Masakazu Yanase、及び、Xinyu Xu、2010年7月29日出願)に開示された方法、システム、及び装置が挙げられる。なお、上記文献を参照することによって、その全体が本明細書に組み込まれるものとする。本発明のいくつかの実施形態において、モデル画像は、位置合わせ処理において決定された画像間変換を用いて、入力画像の座標系に変換される。本発明の他の実施形態において、入力画像は、位置合わせ処理において決定された画像間変換を用いて、モデル画像の座標系に変換される。本発明のさらに他の実施形態において、入力画像及びモデル画像の双方は、位置合わせ処理において決定された画像間変換を用いて、共通の第3の座標系に変換される。サブ画素とも呼ばれる画素の色要素についての対象領域(ROI)が、位置合わせされた入力画像、及び、位置合わせされたモデル画像の双方から抽出され(308)、欠陥検出が、入力画像におけるROI及びモデル画像におけるROIを用いて行われる(310)。欠陥検出は、従来知られた検出方法、システム、及び装置を用いて行われる(310)。従来知られた検出方法、システム、及び装置としては、例えば、米国特許出願12/846,748に開示されている方法、システム、及び、装置が挙げられる。インデックスを付された欠陥マスク画像が、欠陥検出によって生成される。それらのインデックスは、欠陥マスクの中の欠陥点に関連付けられている。欠陥点のラベルは結合され(312)、そして、結果として得られるラベルされた欠陥のそれぞれについて、欠陥タイプが決定される(314)。加えて、当該結果として得られるラベルされた欠陥のそれぞれについて、欠陥原因が決定され(316)、当該結果として得られるラベルされた欠陥のそれぞれについて、修復方法が決定される(318)。本発明の他の実施形態においては、欠陥タイプの決定、欠陥原因の決定、及び、修復方法の決定のうち1つ又は複数は、実行されなくてもよい。
【0029】
なお、上記欠陥マスク画像は、入力画像(または入力画像のROI)に含まれる画素の各々を「欠陥」(例えば1)か「無欠陥」(例えば0)かに割り振られたものである。
【0030】
図4A及び図4Bに関連して理解される本発明のいくつかの実施形態において、欠陥検出によって検出された複数の欠陥点は、当該複数の欠陥点に対して同じインデックスラベルを割り当てることによって単一の欠陥点に結合される。最初に、欠陥点の数は、Tdefectと表される閾値と比較され(400)、欠陥点の数が閾値Tdefect以下である場合には(401)、結合処理を終了する(402)。欠陥点の数が閾値Tdefectより大きい場合には(403)、面積が最大で、未結合の欠陥点が決定される(404)。この欠陥点をBiと表す。未判定、未結合の欠陥点が残っているか否かを判定する(406)。未判定、未結合の欠陥点が残っていない場合、現在の欠陥点の数が閾値Tdefectよりも大きいか否かを判定することによって、結合処理を継続する(407)。未判定、未結合の欠陥点が残っている場合(409)、次の未判定、未結合の欠陥点(Bjと表記)が処理される(410)。Bi及びBjを囲む境界ボックス(Bと表記)が算出される(412)。境界ボックスBがランドマークマスク画像と重なっているか否かを判定する(414)。境界ボックスBがランドマークマスク画像と重なっていない場合(415)、次の未判定、未結合の欠陥点がもし存在すれば、それらを判定する。境界ボックスBがランドマークマスク画像と重なっている場合(417)、Biの重心(Ciと表記)が算出され(418)、さらに、Bjの重心(Cjと表記)が算出される(420)。CiとCjとの間の距離(Dijと表記)が、従来知られた距離メトリックを用いて算出される(422)。距離Dijは、閾値距離(TDと表記)と比較され(424)、DijがTD以上である場合(425)、次の未判定、未結合の欠陥点がもし存在すれば、それらを判定する。DijがTDよりも小さい場合(427)、欠陥点Bjのラベルを欠陥点Biのラベルに設定し(428)、次の未判定、未結合の欠陥点がもし存在すればそれらを判定する。このようにして、複数の欠陥点が、単一のインデックスラベルに関連付けられ、欠陥タイプの決定、欠陥原因の決定、及び、修復方法の決定において、単一の欠陥として取り扱われる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥についての欠陥タイプの決定は、決定ツリーを用いて行われる。それらの決定ツリーは、図5A、図5B及び図5Cに関連して理解される。これらの例示的な実施形態において、欠陥とソースラインとの間の接続性を示すソース欠陥接続性計測が算出される(500)。ソース欠陥接続性計測は、Nsと表される。いくつかの実施形態において、ソース欠陥接続性計測は、ソースラインに重複する欠陥における画素数を決定することによって算出される。欠陥とゲートラインとの間の接続性を示すゲート欠陥接続性計測が算出される(502)。ゲート欠陥接続性計測は、Ngと表される。いくつかの実施形態において、ゲート欠陥接続性計測は、ゲートラインに重複する欠陥における画素数を決定することによって算出される。欠陥とTFTとの間の接続性を示すTFT欠陥接続性計測が算出される(504)。TFT欠陥接続性計測は、Ntと表される。いくつかの実施形態において、TFT欠陥接続性計測は、TFTに重複する欠陥における画素数を決定することによって算出される。本発明の他の実施形態において、重複領域における画素数のカウント以外の接続性計測が用いられる。
【0032】
NsとNgとを比較し、NsがNgよりも大きいか否かを判定する(506)。NsがNgよりも大きい場合(507)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ソース−ドレイン間リークである(508)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグ(TFTフラグ)が設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。NsがNg以下である場合(515)、NsとNgとを比較し、NgがNsよりも大きいか否かを判定する(516)。NgがNsよりも大きい場合(517)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ゲート−ドレイン間リークの欠陥である(518)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。NgがNs以下である場合(519)、欠陥からソースラインまでのソース欠陥距離(Dsと表記)が算出され(520)、また、欠陥からゲートラインまでのゲート欠陥距離(Dgと表記)が算出される(522)。DsとDgとを比較する(524)。DsとDgとが等しい場合(525)、DsとDgとが−1であるか否かを判定する(526)。DsとDgとが−1である場合(527)、エラーフラグが設定される(528)。Ds及びDgが−1でない場合(529)、欠陥について、確信を持った分類処理を行うことができないことを示すインジケータ(不確定インジケータ)が設定される。(530)。続いて、Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。DsとDgとが等しくない場合(531)、DsがDgよりも小さいか否かを判定する(532)。DsがDgよりも小さい場合(533)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ソース−ドレイン間リークの欠陥である(534)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。DsがDg以上である場合(535)、Dgが0であるか否か、Ntが0より大きいか否か、及び、Dsが閾値Tsより小さいか否かの比較が行われる(536)。全ての条件が満たされる場合(537)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ソース−ドレイン間リークである(538)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。何れの条件も満たされない場合(539)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ゲート−ドレイン間リークである(540)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、ランドマークと重なっている欠陥画素の数の算出は、欠陥マスク画像とランドマークマスク画像との論理積演算を含んでいる。欠陥マスク画像における欠陥位置が非0の画素値によって示され、また、ランドマークマスク画像のランドマーク位置が非0の画素値によって示される場合、2つの画像間の重複は、論理積演算によって得られる非0の画素の数になる。当業者であれば、ランドマークと重なっている欠陥画素の数を決定する多くの方法が存在することが分かるであろう。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥から、ソースライン又はゲートラインのラインなどの対象のラインまでの距離が、距離メトリックを用いた距離変換によって算出される。距離メトリックの例としては、マンハッタン距離メトリック、ユークリッド距離メトリック、L1距離メトリック、及び、従来知られている他の距離メトリックが挙げられる。距離変換は、対象のラインと欠陥との間の距離を決定するために用いられる。距離変換は、入力画像のそれぞれの画素位置から最も近い欠陥画素までの距離を決定するために用いられる。
【0035】
本発明の他の実施形態において、欠陥からソースラインまでの距離は、次式に従って算出される。
【0036】
【数1】
【0037】
ここで、Dls及びDrsは、それぞれ、左側ソースライン及び右側ソースラインまでの距離を表している。左側ソースラインまでの距離、及び、右側ソースラインまでの距離の算出について、図6を用いて説明する。図6は、例えば、右側ソースライン又は左側ソースラインなどの例示的なソースライン600を、右側縁602及び左側縁604と共に示している。図6はまた、4つの欠陥を示している。そられは、ソースライン600の右側に存在する第1の欠陥606、ソースライン600の左側に存在する第2の欠陥608、ソースライン600の内側に存在する第3の欠陥610、及び、ソースライン600の幅よりも大きい第4の欠陥612である。ソースライン600の内側に存在する欠陥610、又は、ソースライン600の幅よりも大きい欠陥612からソースライン600までの距離は0である。従って、左側ソースラインまでの距離はDls=0であり、右側ソースラインまでの距離はDrs=0である。ソースライン600の右側に存在する欠陥606からソースライン600までの距離は、次式に従って算出される。
【0038】
【数2】
【0039】
ここで、Dは、右側ソースラインまでの距離、又は左側ソースラインまでの距離の何れが算出されるのかに依存して、それぞれの場合に、右側ソースラインまでの距離Drs、又は左側ソースラインまでの距離Dlsを示している。Xdefect_bbox_leftは、欠陥606の境界ボックス616の左縁614のx座標を示している。Xright_mostは、ソースライン600の右側縁602上の最も右側の画素618のx座標を示している。ソースライン600の左側に存在する欠陥608についての、ソースライン600までの距離は、次式に従って算出される。
【0040】
【数3】
【0041】
ここで、Dは、右側ソースラインまでの距離、又は左側ソースラインまでの距離の何れが算出されるのかに依存して、それぞれの場合に、右側ソースラインまでの距離Drs、又は左側ソースラインまでの距離Dlsを示している。Xdefect_bbox_rightは、欠陥608の境界ボックス622の右縁620のx座標を示している。Xleft_mostは、ソースライン600の左側縁604上の最も左側の画素624のx座標を示している。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥原因の決定には、ルールに基づく基準及びユーザによって定義される基準が、学習に基づく分類と組み合わせて用いられる。本発明のいくつかの実施形態において、欠陥原因は、TFT上の異常、フラットパネルディスプレイの膜上の異常、又は、異物として分類される。欠陥原因の決定に係るいくつかの実施形態は、図7A及び図7Bとの関連において理解されるであろう。これらの実施形態において、欠陥が目に見えるか否かを判定する(700)。目に見える欠陥ではない場合(701)、欠陥原因は、TFT上の異常であると分類され(702)、いくつかの実施形態においては、欠陥修復が、黒画素への画素交換にとして分類される(704)。目に見える欠陥である場合(705)、欠陥がランドマークのうちの1つに連結しているか否かを判定する(706)。欠陥がランドマークのうちの1つに連結していない場合(707)、欠陥原因は、異物であると分類される(708)。欠陥がランドマークのうちの1つに連結している場合(709)、欠陥面積比が算出され(710)、欠陥領域の画素値の均一性が算出される(712)。いくつかの実施形態において、欠陥原因が異物である事後確率(ProbFSと表記)、及び、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率(ProbCOATと表記)を算出するために、ノーマルベイズ分類器(NBC:normal Bayesian classifier)が用いられる。事後確率が比較され(716)、欠陥原因が異物である事後確率ProbFSが、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率ProbCOAT以上である場合(717)、欠陥原因が異物であると分類される(718)。欠陥原因が異物である事後確率ProbFSが、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率ProbCOATよりも小さい場合(719)、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常であると分類され(728)、いくつかの実施形態において、欠陥修復が、切り取り操作(730)、及び黒画素への画素交換として分類される(732)。欠陥原因が異物であると分類されると(708、718)、欠陥サイズはサイズ閾値(Tsizeと表記)と比較され(720)、欠陥サイズがサイズ閾値Tsizeよりも大きい場合(721)、欠陥修復及び欠陥原因の分類は、作業者に対して指示され、手動での分類及び修復方法の決定が行われる(722)。欠陥サイズがサイズ閾値Tsize以下である場合(723)、いくつかの実施形態において、欠陥修復が、切り取り操作(724)、及び黒画素への画素交換として分類される(726)。
【0043】
なお、欠陥原因が異物である事後確率、及び、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率を算出するために、学習に基づく分類法として、上記ノーマルベイズ分類器に代えて、サポートベクトルマシン、神経回路網、及び、ブースティング分類器の少なくとも何れかを用いてもよい。
【0044】
ノーマルベイズ分類器(NBC)を含む本発明に係るいくつかの実施形態において、それぞれのカテゴリについての分類条件付き確率密度関数(PDF:probability density function)は、パラメトリック形式が仮定される。本発明に係るいくつかの実施形態において、分類条件付きPDFのパラメトリック形式はガウシアンであり、また、これらの実施形態において、全体のデータセット(双方のクラス)のPDFは、2つのクラスの混合に関する混合ガウシアンである。他のいくつかの実施形態において、それぞれのカテゴリについての分類条件付きPDFは、非パラメトリック密度としてモデル化され、これらの実施形態において、各クラスについての分類条件付きPDFを推定するために、パルザン窓関数を含むカーネル密度推定や、他の非パラメトリック密度推定方法などの非パラメトリック密度推定方法が用いられる。
【0045】
NBCは、オフライン学習及びオンライン予測の2つの段階を含んでいる。オフライン学習プロセスにおいて、それぞれのカテゴリに関する特徴についての分類条件付きPDFの、パラメータ、平均、及び共分散(covariance)が、学習データから推定される。事前確率は、異物に起因する欠陥、及び、膜に起因する欠陥の発生頻度に関する予備知識に基づいて経験的に設定される。本発明に係るいくつかの実施形態において、パラメータは、学習データのサンプル平均及びサンプル共分散として推定される。本発明に係る他の実施形態において、パラメータは、最大尤度解(maximumlikelihood solution)を推定するための期待値最大化推定手法を用いて推定される。
【0046】
予測段階において、欠陥の原因は、より大きい事後確率を有するクラスに割り当てられる。これにより、分類は、事後確率の最大値に基づくことになる。したがって、ベイズ決定則(Bayesian decision rule)は、
【0047】
【数4】
【0048】
及び
【0049】
【数5】
【0050】
によって与えられる事後確率に基づく。ここで、xは面積比及び欠陥領域の画素値の均一性計測(uniformity measure)を含む特徴ベクトルを表し、尤度
【0051】
【数6】
【0052】
及び
【0053】
【数7】
【0054】
は、
【0055】
【数8】
【0056】
、及び、
【0057】
【数9】
【0058】
をそれぞれパラメータとするガウシアンと仮定される。また、p(coat)、及び、p(FS)は、事前確率を表している。図8は、欠陥原因クラスが異物である条件付きPDF802の一例、及び、欠陥原因クラスが膜である条件付きPDF804の一例を示すプロット図800である。条件付きPDF802及び条件付きPDF804は、図9に示す学習プロセスによって得られる。膜が原因である欠陥及び異物が原因である欠陥を有する学習画像が収集される(900)。収集された画像についての、特徴値(feature values)、面積比及び欠陥領域の画素値の均一性計測が算出される(902)。特徴値のサンプル平均が算出され(904)、そして、特徴値のサンプル共分散が算出される(906)。
【0059】
図におけるフローチャート及びダイアグラムは、特定の順序での処理を示しているが、処理の順序は、図に示されたものと異なっていてもよいことが理解されるであろう。例えば、ブロックの処理順序は、図示された順序に比べて変化してもよい。そのうえ、さらなる例として、図において連続して示された2つまたはそれ以上のブロックは、同時に実行されてもよく、または、一部が同時に実行されてもよい。本明細書に記載の様々な論理関数を実行するために、当業者は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または、ファームウェアを作成することができることが理解されるであろう。
【0060】
本発明に係るいくつかの実施形態には、本明細書に記載の特徴及び方法を実行するコンピュータシステムをプログラムするために用いられる指示が格納されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えるコンピュータプログラム製品(computer program product)が含まれる。典型的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、フラッシュメモリデバイス、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVDs)、コンパクトディスク(CDs)、マイクロドライブ、及びその他のディスク型記録媒体等のディスク型記録媒体、リードオンリーメモリ(ROMs)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROMs)、イレイサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMs)、エレクトリカリーイレイサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROMs)、ランダムアクセスメモリ(RAMS)、ビデオランダムアクセスメモリ(VRAMs)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAMs)、並びに、指示及び/又はデータを格納することのできる媒体やデバイスが含まれる。
【0061】
(識別装置)
本発明に係る、欠陥タイプを識別する欠陥識別装置は、図3〜図7、及び図9を用いて説明した各ステップの少なくとも一部を実現する各手段を備えることによって実現することができる。
【0062】
例えば、本発明に係る、欠陥タイプを識別する欠陥識別装置は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別装置であって、(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取る欠陥マスク画像受信手段と、(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るランドマークマスク画像取得手段(ステップ304に対応)と、(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するソース欠陥接続性計測算出手段(ステップ500に対応)と、(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するゲート欠陥接続性計測算出手段(ステップ502に対応)と、(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する識別手段(ステップ508、514、528、530、534に対応)と、(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出し、(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出し、(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得し、(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出すると共に、(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別する手段(ステップ538、540に対応)と、を備えている。
【0063】
また、本発明に係る、欠陥原因を識別する識別装置は、図3〜図7、及び図9を用いて説明した各ステップの少なくとも一部を実現する各手段を備えることによって実現することができる。
【0064】
例えば、本発明に係る、欠陥原因を識別する欠陥識別装置は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別装置であって、(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別する第1の識別手段(ステップ702に対応)と、(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類器、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて、識別する第2の識別手段(ステップ714に対応)と、を備えている。
【0065】
(プログラム及び記録媒体)
本発明に係る識別装置の各手段は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0066】
後者の場合、識別装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである識別装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記識別装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0067】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0068】
また、識別装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0069】
上述した説明において用いられた用語や表現は、説明のための用語として用いられるものであり、何ら限定を伴うものではない。また、それらの用語や表現は、本明細書に記載された特徴またはその一部と同等の構成を排除することを意図するものではない。本発明の範囲は、以下の請求項によって定義され、以下の請求項によってのみ限定されるものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、欠陥の検出と、欠陥タイプ及び欠陥原因の分類とに関するものである。本発明は、より具体的には、フラットパネルディスプレイにおける欠陥領域の、画像に基づく自動検出、並びに、欠陥のタイプ及び欠陥の原因の分類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ(以降、FPDとも呼称する)は、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、液晶ディスプレイ(以降、LCDとも呼称する)テレビ、コンピューターディスプレイ、携帯情報端末(以降、PDAとも呼称する)、及び、ディスプレイを含む他の消費者製品など、多種多様な消費者製品に普及してきている。ディスプレイの品質を確保し、かつ、FPDの生産性を向上させるために、FPDの欠陥の検査、欠陥の分類、及び、欠陥の原因の分類は、FPDの製造において重要な工程である。
【0003】
特許文献1には、入力画像及びモデル画像の調整方法が開示されている。
【0004】
特許文献2には、パターン形成済みの基板の欠陥を検出するように、基準画像の形状特徴を被検画像の形状特徴と比較する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第12/846,748号明細書
【特許文献2】特開2000−208575号公報(2000年7月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
欠陥の検出と、欠陥のタイプ及び欠陥の原因の分類とを行う従来の方法の一つは、手動である、人間による検査である。このような方法においては、欠陥領域を検出するために、また、欠陥タイプ及びその原因を分類するために、作業者がFPDの画像のそれぞれを検査する必要がある。この人間の作業は、作業者の有する技術及び専門知識に深く依存する。加えて、異なる画像の処理に要する時間は大きく異なる。これは、大量生産パイプラインについての問題を引き起こし得る。さらに、作業能力は、作業者間で大幅に異なり、かつ、時間が経過するにつれて作業者の疲労によりすぐに低下してしまう。FPDの表面パターンが非常に複雑であること、および、FPDの表面パターンが、異なる検出画像の間で大きく異なることに起因して、従来の手動検査は、時間がかかり、主観的であり、コストが高く、かつ、作業者の経験に依存する。
【0007】
FPDの異なる画像に対して、欠陥の検出、並びに欠陥タイプ及び欠陥原因の分類をすることのできる、迅速で、ロバストで、自動的で、かつ、正確な方法、システム及び装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、一般に、欠陥の検出と、欠陥タイプ及び欠陥原因の分類とに関するものである。本発明は、より具体的には、フラットパネルディスプレイにおける欠陥領域の、画像に基づく自動検出と、検出された欠陥のタイプ及び原因の分類とに関するものである。本発明のいくつかの実施形態においては、検出された欠陥の修復方法が特定される。
【0009】
本発明の第1の側面に基づけば、検出された欠陥に関する欠陥タイプが識別される。欠陥タイプは、検出された欠陥と上記フラットパネルディスプレイのランドマークとの接続性計測(connectivity measures)、及び、検出された欠陥と上記ランドマークとの距離計測(distance measures)に基づいて、分類ツリーを用いて識別される。
【0010】
本発明の第2の側面に基づけば、検出された欠陥に関する欠陥原因が識別される。欠陥原因は、ルールに基づく分類と学習に基づく分類との組み合わせを用いて識別される。
【0011】
本発明の第3の側面に基づけば、欠陥検出によって検出された複数の欠陥点は、当該複数の欠陥点に対して同じインデックスラベルを割り当てることによって、単一の欠陥に結合される。
【0012】
本発明に係る欠陥識別方法は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別方法であって、(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取るステップと、(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るステップと、(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するステップと、(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するステップと、(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別するステップと、(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出するサブステップ、(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出するサブステップ、(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得するサブステップ、(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出するサブステップ、及び、(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別するサブステップ、を含むステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0013】
上記の欠陥識別方法によれば、ランドマークマスク画像、及び、検出された欠陥から、上記ソース欠陥接続性計測、及び、上記ゲート欠陥接続性計測を算出し、算出した上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が0であるか否かによって欠陥タイプを識別する。したがって、上記の構成によれば、フラットパネルディスプレイにおける欠陥タイプを高精度に識別することができる。
【0014】
なお、上記ソース欠陥接続性計測が0でないとは、上記欠陥が上記ソースラインと接続していることを示しており、上記ゲート欠陥接続性計測が0でないとは、上記欠陥が上記ゲートラインと接続していることを示している。また、上記ソース欠陥接続性計測が0であるとは、上記欠陥が上記ソースラインと接続していないことを示しており、上記ゲート欠陥接続性計測が0であるとは、上記欠陥が上記ゲートラインと接続していないことを示している。
【0015】
また、本発明に係る欠陥識別方法は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別方法であって、(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別するステップと、(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類法、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて、識別するステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0016】
上記欠陥識別方法によれば、欠陥原因の識別を高精度に行うことができる。
【0017】
本発明における、上述および他の目的、特徴、並びに、利点は、添付した図面とともに、下記に示す本発明の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるだろう。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る欠陥識別方法によれば、フラットパネルディスプレイにおける欠陥タイプを高精度に識別することができる。また、本発明に係る欠陥識別方法によれば、欠陥原因の識別を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】欠陥を有する例示的なフラットパネルディスプレイを示す図である。
【図2】例示的なフラットパネルディスプレイの画像におけるランドマークの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、欠陥の検出、欠陥タイプの分類、欠陥原因の分類、及び欠陥修復方法の決定を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の実施形態に係る、検出された欠陥点ラベルの結合を示すフローチャートである。
【図4B】本発明の実施形態に係る、検出された欠陥点ラベルの結合を示すフローチャートである。
【図5A】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類のための分類ツリーを示すフローチャートである。
【図5B】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類のための分類ツリーを示すフローチャートである。
【図5C】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類のための分類ツリーを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る、例示的な欠陥位置についての、欠陥からソースラインまでの距離の計算の一例を示す図である。
【図7A】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類を示すフローチャートである。
【図7B】本発明の実施形態に係る、欠陥原因の分類を示すフローチャートである。
【図8】欠陥原因の分類に対する例示的な確率密度関数(PDF:Probability Density Function)の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る、確率密度関数推定を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る実施形態は、図面を参照することによって最も明らかとなるだろう。なお、図面においては、同様の部材には同様の符号を付して示している。また、上述の図面は、この詳細な説明の一部として明示的に取り入れられる。
【0021】
一般的に記載され、また、図面に示されている本発明の構成は、様々な異なる構成に変更及び設計可能であることは、容易に理解できるだろう。すなわち、本発明の方法およびシステムに係る実施形態について下記に示すより詳細な説明は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明についての現在における好ましい実施形態を示しているに過ぎない。
【0022】
本発明に係る実施形態の要素は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアにおいて実現される。本明細書において開示する実施形態では、主として、これらの形態のうち1つのみについて説明するが、当業者が任意の形態においてこれらの要素を実現し得ることは明らかであり、このようにして実現されたものも本発明の範囲に含まれる。
【0023】
本発明に係る実施形態は、一般に、欠陥の検出、欠陥タイプ及び欠陥原因の分類に関する。より具体的には、本発明に係る実施形態は、画像に基づくFPD上の欠陥領域の自動検出、及び、検出された欠陥のタイプ及び原因の分類に関する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、FPDが欠陥領域を含んでいるかどうかを検査するために、また、FPDが欠陥領域を含んでいる場合には、欠陥領域を特定し欠陥及び欠陥の原因を分類するために、1つ以上のデジタルカメラからFPDのデジタル画像が取得される。図1には、欠陥102を有するLCD3色構成画素を備える例示的なフラットパネルディスプレイの構成の一部100を示している。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、フラットパネルディスプレイの位相構造についての予備知識及び欠陥の位置に基づいて、フラットパネルディスプレイの欠陥を予め定められた複数の欠陥タイプのうちの一つに分類する方法、システム、及び、装置を含んでいる。本発明のいくつかの実施形態は、検出された欠陥の原因を推測する方法、システム、及び、装置を含んでいる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥タイプの分類、及び、欠陥原因の分類は、フラットパネルディスプレイ内部のランドマークに対する欠陥の位置に依存して行われる。例示的なランドマークは、図2に示すように、ゲートライン204、ドレインライン203、Csライン205、206、ソースライン201、202、及び、フラットパネルディスプレイを構成するその他の構成要素を含んでいる。図2は、図1に示す例示的なフラットパネルディスプレイ構造100に含まれるサブ画素部分200についての例示的なランドマーク201〜206を示している。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、ランドマークマスク画像は、フラットパネルディスプレイ画素に関する無欠陥モデル画像から抽出する。本発明のいくつかの実施形態において、ランドマークマスク画像は、従来知られた自動セグメンテーション方法を用いることにより、無欠陥モデル画像から部分領域として抽出される。本発明の他の実施形態において、ランドマークマスク画像は、手動により、無欠陥モデル画像から部分領域として抽出される。本発明のさらに他の実施形態において、ランドマークマスク画像は、半自動的に無欠陥モデル画像から部分領域として抽出される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態は、図3との関連において理解されるであろう。これらの実施形態において、FPDに関する入力画像が受信され(300)、対応するモデル画像が検索される(302)。加えて、モデル画像に関する複数のランドマークマスク画像が検索される(304)。入力画像及びモデル画像は、従来知られた位置合わせ方法、システム、及び装置を用いて位置合わせされる(306)。従来知られた位置合わせ方法、システム、及び装置としては、例えば、米国特許出願12/846,748、“Methode,Systems and Apparatus for Defect Detection”(発明者:Chang Yuan、Masakazu Yanase、及び、Xinyu Xu、2010年7月29日出願)に開示された方法、システム、及び装置が挙げられる。なお、上記文献を参照することによって、その全体が本明細書に組み込まれるものとする。本発明のいくつかの実施形態において、モデル画像は、位置合わせ処理において決定された画像間変換を用いて、入力画像の座標系に変換される。本発明の他の実施形態において、入力画像は、位置合わせ処理において決定された画像間変換を用いて、モデル画像の座標系に変換される。本発明のさらに他の実施形態において、入力画像及びモデル画像の双方は、位置合わせ処理において決定された画像間変換を用いて、共通の第3の座標系に変換される。サブ画素とも呼ばれる画素の色要素についての対象領域(ROI)が、位置合わせされた入力画像、及び、位置合わせされたモデル画像の双方から抽出され(308)、欠陥検出が、入力画像におけるROI及びモデル画像におけるROIを用いて行われる(310)。欠陥検出は、従来知られた検出方法、システム、及び装置を用いて行われる(310)。従来知られた検出方法、システム、及び装置としては、例えば、米国特許出願12/846,748に開示されている方法、システム、及び、装置が挙げられる。インデックスを付された欠陥マスク画像が、欠陥検出によって生成される。それらのインデックスは、欠陥マスクの中の欠陥点に関連付けられている。欠陥点のラベルは結合され(312)、そして、結果として得られるラベルされた欠陥のそれぞれについて、欠陥タイプが決定される(314)。加えて、当該結果として得られるラベルされた欠陥のそれぞれについて、欠陥原因が決定され(316)、当該結果として得られるラベルされた欠陥のそれぞれについて、修復方法が決定される(318)。本発明の他の実施形態においては、欠陥タイプの決定、欠陥原因の決定、及び、修復方法の決定のうち1つ又は複数は、実行されなくてもよい。
【0029】
なお、上記欠陥マスク画像は、入力画像(または入力画像のROI)に含まれる画素の各々を「欠陥」(例えば1)か「無欠陥」(例えば0)かに割り振られたものである。
【0030】
図4A及び図4Bに関連して理解される本発明のいくつかの実施形態において、欠陥検出によって検出された複数の欠陥点は、当該複数の欠陥点に対して同じインデックスラベルを割り当てることによって単一の欠陥点に結合される。最初に、欠陥点の数は、Tdefectと表される閾値と比較され(400)、欠陥点の数が閾値Tdefect以下である場合には(401)、結合処理を終了する(402)。欠陥点の数が閾値Tdefectより大きい場合には(403)、面積が最大で、未結合の欠陥点が決定される(404)。この欠陥点をBiと表す。未判定、未結合の欠陥点が残っているか否かを判定する(406)。未判定、未結合の欠陥点が残っていない場合、現在の欠陥点の数が閾値Tdefectよりも大きいか否かを判定することによって、結合処理を継続する(407)。未判定、未結合の欠陥点が残っている場合(409)、次の未判定、未結合の欠陥点(Bjと表記)が処理される(410)。Bi及びBjを囲む境界ボックス(Bと表記)が算出される(412)。境界ボックスBがランドマークマスク画像と重なっているか否かを判定する(414)。境界ボックスBがランドマークマスク画像と重なっていない場合(415)、次の未判定、未結合の欠陥点がもし存在すれば、それらを判定する。境界ボックスBがランドマークマスク画像と重なっている場合(417)、Biの重心(Ciと表記)が算出され(418)、さらに、Bjの重心(Cjと表記)が算出される(420)。CiとCjとの間の距離(Dijと表記)が、従来知られた距離メトリックを用いて算出される(422)。距離Dijは、閾値距離(TDと表記)と比較され(424)、DijがTD以上である場合(425)、次の未判定、未結合の欠陥点がもし存在すれば、それらを判定する。DijがTDよりも小さい場合(427)、欠陥点Bjのラベルを欠陥点Biのラベルに設定し(428)、次の未判定、未結合の欠陥点がもし存在すればそれらを判定する。このようにして、複数の欠陥点が、単一のインデックスラベルに関連付けられ、欠陥タイプの決定、欠陥原因の決定、及び、修復方法の決定において、単一の欠陥として取り扱われる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥についての欠陥タイプの決定は、決定ツリーを用いて行われる。それらの決定ツリーは、図5A、図5B及び図5Cに関連して理解される。これらの例示的な実施形態において、欠陥とソースラインとの間の接続性を示すソース欠陥接続性計測が算出される(500)。ソース欠陥接続性計測は、Nsと表される。いくつかの実施形態において、ソース欠陥接続性計測は、ソースラインに重複する欠陥における画素数を決定することによって算出される。欠陥とゲートラインとの間の接続性を示すゲート欠陥接続性計測が算出される(502)。ゲート欠陥接続性計測は、Ngと表される。いくつかの実施形態において、ゲート欠陥接続性計測は、ゲートラインに重複する欠陥における画素数を決定することによって算出される。欠陥とTFTとの間の接続性を示すTFT欠陥接続性計測が算出される(504)。TFT欠陥接続性計測は、Ntと表される。いくつかの実施形態において、TFT欠陥接続性計測は、TFTに重複する欠陥における画素数を決定することによって算出される。本発明の他の実施形態において、重複領域における画素数のカウント以外の接続性計測が用いられる。
【0032】
NsとNgとを比較し、NsがNgよりも大きいか否かを判定する(506)。NsがNgよりも大きい場合(507)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ソース−ドレイン間リークである(508)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグ(TFTフラグ)が設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。NsがNg以下である場合(515)、NsとNgとを比較し、NgがNsよりも大きいか否かを判定する(516)。NgがNsよりも大きい場合(517)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ゲート−ドレイン間リークの欠陥である(518)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。NgがNs以下である場合(519)、欠陥からソースラインまでのソース欠陥距離(Dsと表記)が算出され(520)、また、欠陥からゲートラインまでのゲート欠陥距離(Dgと表記)が算出される(522)。DsとDgとを比較する(524)。DsとDgとが等しい場合(525)、DsとDgとが−1であるか否かを判定する(526)。DsとDgとが−1である場合(527)、エラーフラグが設定される(528)。Ds及びDgが−1でない場合(529)、欠陥について、確信を持った分類処理を行うことができないことを示すインジケータ(不確定インジケータ)が設定される。(530)。続いて、Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。DsとDgとが等しくない場合(531)、DsがDgよりも小さいか否かを判定する(532)。DsがDgよりも小さい場合(533)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ソース−ドレイン間リークの欠陥である(534)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。DsがDg以上である場合(535)、Dgが0であるか否か、Ntが0より大きいか否か、及び、Dsが閾値Tsより小さいか否かの比較が行われる(536)。全ての条件が満たされる場合(537)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ソース−ドレイン間リークである(538)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。何れの条件も満たされない場合(539)、欠陥に関連付けられる欠陥タイプは、ゲート−ドレイン間リークである(540)。Ntと0とを比較し(510)、Ntが0より大きい場合(511)、欠陥がTFT上に位置することを示すフラグが設定され(512)、欠陥タイプの分類が終了する(514)。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、ランドマークと重なっている欠陥画素の数の算出は、欠陥マスク画像とランドマークマスク画像との論理積演算を含んでいる。欠陥マスク画像における欠陥位置が非0の画素値によって示され、また、ランドマークマスク画像のランドマーク位置が非0の画素値によって示される場合、2つの画像間の重複は、論理積演算によって得られる非0の画素の数になる。当業者であれば、ランドマークと重なっている欠陥画素の数を決定する多くの方法が存在することが分かるであろう。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥から、ソースライン又はゲートラインのラインなどの対象のラインまでの距離が、距離メトリックを用いた距離変換によって算出される。距離メトリックの例としては、マンハッタン距離メトリック、ユークリッド距離メトリック、L1距離メトリック、及び、従来知られている他の距離メトリックが挙げられる。距離変換は、対象のラインと欠陥との間の距離を決定するために用いられる。距離変換は、入力画像のそれぞれの画素位置から最も近い欠陥画素までの距離を決定するために用いられる。
【0035】
本発明の他の実施形態において、欠陥からソースラインまでの距離は、次式に従って算出される。
【0036】
【数1】
【0037】
ここで、Dls及びDrsは、それぞれ、左側ソースライン及び右側ソースラインまでの距離を表している。左側ソースラインまでの距離、及び、右側ソースラインまでの距離の算出について、図6を用いて説明する。図6は、例えば、右側ソースライン又は左側ソースラインなどの例示的なソースライン600を、右側縁602及び左側縁604と共に示している。図6はまた、4つの欠陥を示している。そられは、ソースライン600の右側に存在する第1の欠陥606、ソースライン600の左側に存在する第2の欠陥608、ソースライン600の内側に存在する第3の欠陥610、及び、ソースライン600の幅よりも大きい第4の欠陥612である。ソースライン600の内側に存在する欠陥610、又は、ソースライン600の幅よりも大きい欠陥612からソースライン600までの距離は0である。従って、左側ソースラインまでの距離はDls=0であり、右側ソースラインまでの距離はDrs=0である。ソースライン600の右側に存在する欠陥606からソースライン600までの距離は、次式に従って算出される。
【0038】
【数2】
【0039】
ここで、Dは、右側ソースラインまでの距離、又は左側ソースラインまでの距離の何れが算出されるのかに依存して、それぞれの場合に、右側ソースラインまでの距離Drs、又は左側ソースラインまでの距離Dlsを示している。Xdefect_bbox_leftは、欠陥606の境界ボックス616の左縁614のx座標を示している。Xright_mostは、ソースライン600の右側縁602上の最も右側の画素618のx座標を示している。ソースライン600の左側に存在する欠陥608についての、ソースライン600までの距離は、次式に従って算出される。
【0040】
【数3】
【0041】
ここで、Dは、右側ソースラインまでの距離、又は左側ソースラインまでの距離の何れが算出されるのかに依存して、それぞれの場合に、右側ソースラインまでの距離Drs、又は左側ソースラインまでの距離Dlsを示している。Xdefect_bbox_rightは、欠陥608の境界ボックス622の右縁620のx座標を示している。Xleft_mostは、ソースライン600の左側縁604上の最も左側の画素624のx座標を示している。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態において、欠陥原因の決定には、ルールに基づく基準及びユーザによって定義される基準が、学習に基づく分類と組み合わせて用いられる。本発明のいくつかの実施形態において、欠陥原因は、TFT上の異常、フラットパネルディスプレイの膜上の異常、又は、異物として分類される。欠陥原因の決定に係るいくつかの実施形態は、図7A及び図7Bとの関連において理解されるであろう。これらの実施形態において、欠陥が目に見えるか否かを判定する(700)。目に見える欠陥ではない場合(701)、欠陥原因は、TFT上の異常であると分類され(702)、いくつかの実施形態においては、欠陥修復が、黒画素への画素交換にとして分類される(704)。目に見える欠陥である場合(705)、欠陥がランドマークのうちの1つに連結しているか否かを判定する(706)。欠陥がランドマークのうちの1つに連結していない場合(707)、欠陥原因は、異物であると分類される(708)。欠陥がランドマークのうちの1つに連結している場合(709)、欠陥面積比が算出され(710)、欠陥領域の画素値の均一性が算出される(712)。いくつかの実施形態において、欠陥原因が異物である事後確率(ProbFSと表記)、及び、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率(ProbCOATと表記)を算出するために、ノーマルベイズ分類器(NBC:normal Bayesian classifier)が用いられる。事後確率が比較され(716)、欠陥原因が異物である事後確率ProbFSが、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率ProbCOAT以上である場合(717)、欠陥原因が異物であると分類される(718)。欠陥原因が異物である事後確率ProbFSが、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率ProbCOATよりも小さい場合(719)、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常であると分類され(728)、いくつかの実施形態において、欠陥修復が、切り取り操作(730)、及び黒画素への画素交換として分類される(732)。欠陥原因が異物であると分類されると(708、718)、欠陥サイズはサイズ閾値(Tsizeと表記)と比較され(720)、欠陥サイズがサイズ閾値Tsizeよりも大きい場合(721)、欠陥修復及び欠陥原因の分類は、作業者に対して指示され、手動での分類及び修復方法の決定が行われる(722)。欠陥サイズがサイズ閾値Tsize以下である場合(723)、いくつかの実施形態において、欠陥修復が、切り取り操作(724)、及び黒画素への画素交換として分類される(726)。
【0043】
なお、欠陥原因が異物である事後確率、及び、欠陥原因がフラットパネルディスプレイの膜上の異常である事後確率を算出するために、学習に基づく分類法として、上記ノーマルベイズ分類器に代えて、サポートベクトルマシン、神経回路網、及び、ブースティング分類器の少なくとも何れかを用いてもよい。
【0044】
ノーマルベイズ分類器(NBC)を含む本発明に係るいくつかの実施形態において、それぞれのカテゴリについての分類条件付き確率密度関数(PDF:probability density function)は、パラメトリック形式が仮定される。本発明に係るいくつかの実施形態において、分類条件付きPDFのパラメトリック形式はガウシアンであり、また、これらの実施形態において、全体のデータセット(双方のクラス)のPDFは、2つのクラスの混合に関する混合ガウシアンである。他のいくつかの実施形態において、それぞれのカテゴリについての分類条件付きPDFは、非パラメトリック密度としてモデル化され、これらの実施形態において、各クラスについての分類条件付きPDFを推定するために、パルザン窓関数を含むカーネル密度推定や、他の非パラメトリック密度推定方法などの非パラメトリック密度推定方法が用いられる。
【0045】
NBCは、オフライン学習及びオンライン予測の2つの段階を含んでいる。オフライン学習プロセスにおいて、それぞれのカテゴリに関する特徴についての分類条件付きPDFの、パラメータ、平均、及び共分散(covariance)が、学習データから推定される。事前確率は、異物に起因する欠陥、及び、膜に起因する欠陥の発生頻度に関する予備知識に基づいて経験的に設定される。本発明に係るいくつかの実施形態において、パラメータは、学習データのサンプル平均及びサンプル共分散として推定される。本発明に係る他の実施形態において、パラメータは、最大尤度解(maximumlikelihood solution)を推定するための期待値最大化推定手法を用いて推定される。
【0046】
予測段階において、欠陥の原因は、より大きい事後確率を有するクラスに割り当てられる。これにより、分類は、事後確率の最大値に基づくことになる。したがって、ベイズ決定則(Bayesian decision rule)は、
【0047】
【数4】
【0048】
及び
【0049】
【数5】
【0050】
によって与えられる事後確率に基づく。ここで、xは面積比及び欠陥領域の画素値の均一性計測(uniformity measure)を含む特徴ベクトルを表し、尤度
【0051】
【数6】
【0052】
及び
【0053】
【数7】
【0054】
は、
【0055】
【数8】
【0056】
、及び、
【0057】
【数9】
【0058】
をそれぞれパラメータとするガウシアンと仮定される。また、p(coat)、及び、p(FS)は、事前確率を表している。図8は、欠陥原因クラスが異物である条件付きPDF802の一例、及び、欠陥原因クラスが膜である条件付きPDF804の一例を示すプロット図800である。条件付きPDF802及び条件付きPDF804は、図9に示す学習プロセスによって得られる。膜が原因である欠陥及び異物が原因である欠陥を有する学習画像が収集される(900)。収集された画像についての、特徴値(feature values)、面積比及び欠陥領域の画素値の均一性計測が算出される(902)。特徴値のサンプル平均が算出され(904)、そして、特徴値のサンプル共分散が算出される(906)。
【0059】
図におけるフローチャート及びダイアグラムは、特定の順序での処理を示しているが、処理の順序は、図に示されたものと異なっていてもよいことが理解されるであろう。例えば、ブロックの処理順序は、図示された順序に比べて変化してもよい。そのうえ、さらなる例として、図において連続して示された2つまたはそれ以上のブロックは、同時に実行されてもよく、または、一部が同時に実行されてもよい。本明細書に記載の様々な論理関数を実行するために、当業者は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または、ファームウェアを作成することができることが理解されるであろう。
【0060】
本発明に係るいくつかの実施形態には、本明細書に記載の特徴及び方法を実行するコンピュータシステムをプログラムするために用いられる指示が格納されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えるコンピュータプログラム製品(computer program product)が含まれる。典型的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、フラッシュメモリデバイス、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVDs)、コンパクトディスク(CDs)、マイクロドライブ、及びその他のディスク型記録媒体等のディスク型記録媒体、リードオンリーメモリ(ROMs)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROMs)、イレイサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMs)、エレクトリカリーイレイサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROMs)、ランダムアクセスメモリ(RAMS)、ビデオランダムアクセスメモリ(VRAMs)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAMs)、並びに、指示及び/又はデータを格納することのできる媒体やデバイスが含まれる。
【0061】
(識別装置)
本発明に係る、欠陥タイプを識別する欠陥識別装置は、図3〜図7、及び図9を用いて説明した各ステップの少なくとも一部を実現する各手段を備えることによって実現することができる。
【0062】
例えば、本発明に係る、欠陥タイプを識別する欠陥識別装置は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別装置であって、(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取る欠陥マスク画像受信手段と、(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るランドマークマスク画像取得手段(ステップ304に対応)と、(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するソース欠陥接続性計測算出手段(ステップ500に対応)と、(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するゲート欠陥接続性計測算出手段(ステップ502に対応)と、(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する識別手段(ステップ508、514、528、530、534に対応)と、(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出し、(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出し、(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得し、(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出すると共に、(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別する手段(ステップ538、540に対応)と、を備えている。
【0063】
また、本発明に係る、欠陥原因を識別する識別装置は、図3〜図7、及び図9を用いて説明した各ステップの少なくとも一部を実現する各手段を備えることによって実現することができる。
【0064】
例えば、本発明に係る、欠陥原因を識別する欠陥識別装置は、フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別装置であって、(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別する第1の識別手段(ステップ702に対応)と、(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類器、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて、識別する第2の識別手段(ステップ714に対応)と、を備えている。
【0065】
(プログラム及び記録媒体)
本発明に係る識別装置の各手段は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0066】
後者の場合、識別装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである識別装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記識別装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0067】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0068】
また、識別装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0069】
上述した説明において用いられた用語や表現は、説明のための用語として用いられるものであり、何ら限定を伴うものではない。また、それらの用語や表現は、本明細書に記載された特徴またはその一部と同等の構成を排除することを意図するものではない。本発明の範囲は、以下の請求項によって定義され、以下の請求項によってのみ限定されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別方法であって、
(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取るステップと、
(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るステップと、
(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するステップと、
(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するステップと、
(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別するステップと、
(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、
(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出するサブステップ、
(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出するサブステップ、
(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得するサブステップ、
(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出するサブステップ、及び、
(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別するサブステップ、を含むステップと、を含んでいることを特徴とする欠陥識別方法。
【請求項2】
(a)上記ソース欠陥接続性計測を算出するステップは、上記第1のソースラインに重複する上記検出された欠陥の画素数を決定するサブステップを含み、
(b)上記ゲート欠陥接続性計測を算出するステップは、上記第1のゲートラインに重複する上記検出された欠陥の画素数を決定するサブステップを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項3】
上記ソース欠陥接続性計測が上記ゲート欠陥接続性計測よりも大きい場合に、上記欠陥タイプはソース−ドレイン間リークとして識別される
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項4】
上記ゲート欠陥接続性計測が上記ソース欠陥接続性計測よりも大きい場合に、上記欠陥タイプはゲート−ドレイン間リークとして識別される
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項5】
上記ゲート欠陥距離計測が上記ソース欠陥距離計測よりも小さい場合に、上記欠陥タイプはソース−ドレイン間リークとして識別される
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項6】
(a)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のTFTとの間の、当該第1のTFTに関するTFT欠陥接続性計測を算出するステップと、
(b)上記TFT欠陥接続性計測が0よりも大きい場合に、上記検出された欠陥が上記第1のTFT上に存在することを示すフラグを設定するステップと、をさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項7】
(a)第1の閾値を取得するステップと、
(b)上記ゲート欠陥距離計測が0であり、上記フラグが設定されており、さらに、上記ソース欠陥距離計測が上記第1の閾値よりも小さい場合に、上記欠陥タイプをソース−ドレイン間リークとして識別するステップと、をさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項6に記載の欠陥識別方法。
【請求項8】
(a)第1の閾値を取得するステップと、
(b)上記ゲート欠陥距離計測が0でなく、上記フラグが設定されておらず、さらに、上記ソース欠陥距離計測が上記第1の閾値以上である場合に、上記欠陥タイプをゲート−ドレイン間リークとして識別するステップと、をさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項6に記載の欠陥識別方法。
【請求項9】
上記検出された欠陥には、第1の検出された欠陥点、及び、第2の検出された欠陥点が含まれている
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項10】
(a)上記第1の検出された欠陥点の重心と、上記第2の検出された欠陥点の重心との距離は、閾値距離よりも小さく
(b)上記第1の検出された欠陥点及び上記第2の検出された欠陥点を含む境界ボックスは、上記複数のランドマークマスク画像に関する少なくとも1つのランドマークと重複する、
ことを特徴とする請求項9に記載の欠陥識別方法。
【請求項11】
(a)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得するサブステップは、上記第1の距離計測及び上記第2の距離計測の最小値を決定するサブステップをさらに含み、
(b)上記検出された欠陥と上記第1のソースラインとの間の上記第1の距離計測を算出するサブステップは、
(b−1)上記検出された欠陥の境界ボックスを検出するサブステップ、
(b−2)上記第1のソースラインにおける第1エッジの端点を決定するサブステップ、及び、
(b−3)上記境界ボックスの縁と上記端点との間の距離を算出するサブステップ、を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項12】
上記フラットパネルディスプレイは、液晶ディスプレイである
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項13】
上記検出された欠陥に関する欠陥原因を識別するステップをさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項14】
上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、修復方法と関連付けるステップをさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項13に記載の欠陥識別方法。
【請求項15】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別方法であって、
(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別するステップと、
(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類法、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて識別するステップと、を含んでいる
ことを特徴とする欠陥識別方法。
【請求項16】
上記学習に基づく分類法は、サポートベクトルマシン、ノーマルベイズ分類器、神経回路網、及び、ブースティング分類器から成るグループから選択された統計的分類法である
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項17】
上記ルールに基づく分類法は、上記検出された欠陥と複数のランドマークとの接続関係に関係する、少なくとも1つのルールを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項18】
修復方法を、上記検出された欠陥に関する上記欠陥原因と関連付けるステップをさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項19】
(a)上記学習に基づく分類法はノーマルベイズ分類器であり、
(b)上記ノーマルベイズ分類器に関する第1の特徴は、上記検出された欠陥に関する面積比であり、
(c)上記ノーマルベイズ分類器に関する第2の特徴は、上記検出された欠陥に関する欠陥領域の画素値の均一性計測である、
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項20】
上記ノーマルベイズ分類器は、
(a)異物の欠陥原因に関する第1の事後確率を計算し、
(b)膜異常の欠陥原因に関する第2の事後確率を計算する
ことを特徴とする請求項19に記載の欠陥識別方法。
【請求項21】
上記ノーマルベイズ分類器は、
(a)異物の欠陥原因に関する、第1カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数と、(b)膜異常の欠陥原因に関する、第2カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数と、を用いるものであり、
(c−1)上記第1カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数に関する第1の複数のパラメータは、サンプル推定法、及び期待値最大化推定法を含むグループから選択された推定法を用いて推定されるものであり、(c−2)上記第2カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数に関する第2の複数のパラメータは、サンプル推定法、及び期待値最大化推定法を含むグループから選択された推定法を用いて推定されるものである
ことを特徴とする請求項19に記載の欠陥識別方法。
【請求項22】
上記ノーマルベイズ分類器は、
(a)異物の欠陥原因に関する、第1カテゴリの非パラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数であって、パルザン窓関数を含むカーネル密度推定方法によって推定される確率密度関数、及び
(b)膜異常の欠陥原因に関する、第2カテゴリの非パラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数であって、パルザン窓関数を含むカーネル密度推定方法によって推定される確率密度関数
を用いるものであることを特徴とする請求項19に記載の欠陥識別方法。
【請求項23】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別装置であって、
(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取る欠陥マスク画像受信手段と、
(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るランドマークマスク画像取得手段と、
(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するソース欠陥接続性計測算出手段と、
(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するゲート欠陥接続性計測算出手段と、
(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する識別手段と、
(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、
(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出し、
(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出し、
(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得し、
(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出すると共に、
(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別する手段と、
を備えていることを特徴とする欠陥識別装置。
【請求項24】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別装置であって、
(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別する第1の識別手段と、
(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類法、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて、識別する第2の識別手段と、を備えている
ことを特徴とする欠陥識別装置。
【請求項25】
請求項23または24に記載の識別装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別方法であって、
(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取るステップと、
(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るステップと、
(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するステップと、
(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するステップと、
(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別するステップと、
(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、
(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出するサブステップ、
(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出するサブステップ、
(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得するサブステップ、
(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出するサブステップ、及び、
(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別するサブステップ、を含むステップと、を含んでいることを特徴とする欠陥識別方法。
【請求項2】
(a)上記ソース欠陥接続性計測を算出するステップは、上記第1のソースラインに重複する上記検出された欠陥の画素数を決定するサブステップを含み、
(b)上記ゲート欠陥接続性計測を算出するステップは、上記第1のゲートラインに重複する上記検出された欠陥の画素数を決定するサブステップを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項3】
上記ソース欠陥接続性計測が上記ゲート欠陥接続性計測よりも大きい場合に、上記欠陥タイプはソース−ドレイン間リークとして識別される
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項4】
上記ゲート欠陥接続性計測が上記ソース欠陥接続性計測よりも大きい場合に、上記欠陥タイプはゲート−ドレイン間リークとして識別される
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項5】
上記ゲート欠陥距離計測が上記ソース欠陥距離計測よりも小さい場合に、上記欠陥タイプはソース−ドレイン間リークとして識別される
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項6】
(a)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のTFTとの間の、当該第1のTFTに関するTFT欠陥接続性計測を算出するステップと、
(b)上記TFT欠陥接続性計測が0よりも大きい場合に、上記検出された欠陥が上記第1のTFT上に存在することを示すフラグを設定するステップと、をさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項7】
(a)第1の閾値を取得するステップと、
(b)上記ゲート欠陥距離計測が0であり、上記フラグが設定されており、さらに、上記ソース欠陥距離計測が上記第1の閾値よりも小さい場合に、上記欠陥タイプをソース−ドレイン間リークとして識別するステップと、をさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項6に記載の欠陥識別方法。
【請求項8】
(a)第1の閾値を取得するステップと、
(b)上記ゲート欠陥距離計測が0でなく、上記フラグが設定されておらず、さらに、上記ソース欠陥距離計測が上記第1の閾値以上である場合に、上記欠陥タイプをゲート−ドレイン間リークとして識別するステップと、をさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項6に記載の欠陥識別方法。
【請求項9】
上記検出された欠陥には、第1の検出された欠陥点、及び、第2の検出された欠陥点が含まれている
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項10】
(a)上記第1の検出された欠陥点の重心と、上記第2の検出された欠陥点の重心との距離は、閾値距離よりも小さく
(b)上記第1の検出された欠陥点及び上記第2の検出された欠陥点を含む境界ボックスは、上記複数のランドマークマスク画像に関する少なくとも1つのランドマークと重複する、
ことを特徴とする請求項9に記載の欠陥識別方法。
【請求項11】
(a)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得するサブステップは、上記第1の距離計測及び上記第2の距離計測の最小値を決定するサブステップをさらに含み、
(b)上記検出された欠陥と上記第1のソースラインとの間の上記第1の距離計測を算出するサブステップは、
(b−1)上記検出された欠陥の境界ボックスを検出するサブステップ、
(b−2)上記第1のソースラインにおける第1エッジの端点を決定するサブステップ、及び、
(b−3)上記境界ボックスの縁と上記端点との間の距離を算出するサブステップ、を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項12】
上記フラットパネルディスプレイは、液晶ディスプレイである
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項13】
上記検出された欠陥に関する欠陥原因を識別するステップをさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥識別方法。
【請求項14】
上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、修復方法と関連付けるステップをさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項13に記載の欠陥識別方法。
【請求項15】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別方法であって、
(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別するステップと、
(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類法、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて識別するステップと、を含んでいる
ことを特徴とする欠陥識別方法。
【請求項16】
上記学習に基づく分類法は、サポートベクトルマシン、ノーマルベイズ分類器、神経回路網、及び、ブースティング分類器から成るグループから選択された統計的分類法である
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項17】
上記ルールに基づく分類法は、上記検出された欠陥と複数のランドマークとの接続関係に関係する、少なくとも1つのルールを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項18】
修復方法を、上記検出された欠陥に関する上記欠陥原因と関連付けるステップをさらに含んでいる
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項19】
(a)上記学習に基づく分類法はノーマルベイズ分類器であり、
(b)上記ノーマルベイズ分類器に関する第1の特徴は、上記検出された欠陥に関する面積比であり、
(c)上記ノーマルベイズ分類器に関する第2の特徴は、上記検出された欠陥に関する欠陥領域の画素値の均一性計測である、
ことを特徴とする請求項15に記載の欠陥識別方法。
【請求項20】
上記ノーマルベイズ分類器は、
(a)異物の欠陥原因に関する第1の事後確率を計算し、
(b)膜異常の欠陥原因に関する第2の事後確率を計算する
ことを特徴とする請求項19に記載の欠陥識別方法。
【請求項21】
上記ノーマルベイズ分類器は、
(a)異物の欠陥原因に関する、第1カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数と、(b)膜異常の欠陥原因に関する、第2カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数と、を用いるものであり、
(c−1)上記第1カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数に関する第1の複数のパラメータは、サンプル推定法、及び期待値最大化推定法を含むグループから選択された推定法を用いて推定されるものであり、(c−2)上記第2カテゴリのガウシアンパラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数に関する第2の複数のパラメータは、サンプル推定法、及び期待値最大化推定法を含むグループから選択された推定法を用いて推定されるものである
ことを特徴とする請求項19に記載の欠陥識別方法。
【請求項22】
上記ノーマルベイズ分類器は、
(a)異物の欠陥原因に関する、第1カテゴリの非パラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数であって、パルザン窓関数を含むカーネル密度推定方法によって推定される確率密度関数、及び
(b)膜異常の欠陥原因に関する、第2カテゴリの非パラメトリック形式の分類条件付き確率密度関数であって、パルザン窓関数を含むカーネル密度推定方法によって推定される確率密度関数
を用いるものであることを特徴とする請求項19に記載の欠陥識別方法。
【請求項23】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する欠陥識別装置であって、
(a)フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥の画像に関する欠陥マスク画像を受け取る欠陥マスク画像受信手段と、
(b)複数のランドマークマスク画像を受け取るランドマークマスク画像取得手段と、
(c)上記複数のランドマークマスク画像から、第1のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のソースラインとの間の、当該第1のソースラインに関するソース欠陥接続性計測を算出するソース欠陥接続性計測算出手段と、
(d)上記複数のランドマークマスク画像から、第2のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第1のゲートラインとの間の、当該第1のゲートラインに関するゲート欠陥接続性計測を算出するゲート欠陥接続性計測算出手段と、
(e)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0でない場合に、上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する欠陥タイプを識別する識別手段と、
(f)上記ソース欠陥接続性計測及び上記ゲート欠陥接続性計測が共に0である場合に、
(f−1)上記検出された欠陥と第1ソースラインとの間の第1の距離計測を算出し、
(f−2)上記複数のランドマークマスク画像から、第3のランドマークマスク画像を用いて、上記検出された欠陥と第2のソースラインとの間の、当該第2のソースラインに関する第2の距離計測を算出し、
(f−3)上記第1の距離計測と上記第2の距離計測とを組み合わせることによってソース欠陥距離計測を取得し、
(f−4)上記検出された欠陥と上記第1のゲートラインとの間のゲート欠陥距離計測を算出すると共に、
(f−5)上記ソース欠陥距離計測、及び上記ゲート欠陥距離計測に基づいて、上記検出された欠陥に関する上記欠陥タイプを識別する手段と、
を備えていることを特徴とする欠陥識別装置。
【請求項24】
フラットパネルディスプレイにおいて検出された欠陥に関する欠陥原因を識別する欠陥識別装置であって、
(a)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できないものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、TFT上の異常として識別する第1の識別手段と、
(b)検出された欠陥が上記フラットパネルディスプレイの画像において視認できるものである場合に、上記検出された欠陥に関する欠陥原因を、ルールに基づく分類法、及び学習に基づく分類法の組み合わせを用いて、識別する第2の識別手段と、を備えている
ことを特徴とする欠陥識別装置。
【請求項25】
請求項23または24に記載の識別装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
請求項25に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−32369(P2012−32369A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52175(P2011−52175)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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