説明

止水部付き電線の製造方法および止水部付き電線

【課題】複数本の素線の間にできる水の通り道となる隙間を予め塞いで完全な止水ができるようにする。
【解決手段】搬送される複数本の素線12…の表面に、止水用樹脂21を間欠塗布し、この後、止水用樹脂21が塗布された複数本の素線12…を撚線機31で撚り合わせ、撚り合わされてなる撚り線13の表面の余分な止水用樹脂21を除去する。つづいて、撚り線13の上に押出機51で絶縁被覆を被覆し、絶縁被覆の表面における止水用樹脂21が充填された止水部16に対応する部分に、他の部分と識別するための目印をつけるマーキング装置61によるマーキングを行う、止水部付き電線の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車のワイヤハーネス等に用いられる止水部付き電線に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のワイヤハーネス等に用いられる電線は、通常、複数本の素線を撚り合わせた撚り線の外周に熱可塑性樹脂の絶縁被覆を施した構成となっている。このような電線の場合、撚り線の素線間や撚り線と絶縁被覆との間に隙間があるため、雨水などがかかると、電線端部の端子取り付け部や中間部の分岐接続部などから電線の中に水が入り込むことがある。
【0003】
電線内に浸入した水は、上記の隙間を通って電線の長さ方向に移動する。これは、いわゆる水走り現象といい、この水走り現象が起こると、撚り線や端子部品が広範囲にわたって腐食し、接触不良などの不都合を招来する。
【0004】
このような水走りが起こらないようにするため、下記特許文献1に開示されたような止水部付き電線を案出した。
【0005】
この止水部付き電線は、長さ方向に部分的に止水部が配設された構造である。止水部は、撚り線を構成する複数本の素線の間の隙間と、撚り線と絶縁被覆との間の隙間が止水用樹脂で埋められて形成されるもので、止水部は次のような工程で形成される。
【0006】
まず、撚り線を覆っている絶縁被覆の一部に切り込みを入れたのち絶縁被覆を電線の長さ方向にずらして隙間をあけて撚り線を露出させる。この後、撚り線が露出した部分に止水用樹脂を供給して、止水用樹脂により撚り線の素線間の隙間を埋めるとともに、撚り線の表面を覆う。続いて、絶縁被覆を元に戻すように電線の長手方向に沿って移動し、撚り線に供給された止水用樹脂を挟みつけるようにする。
【0007】
この止水部付き電線によれば、電線内に水が浸入しても、止水部において水の移動が阻止されるので、水走りによって広範囲にわたる腐食等を防止できる。
【0008】
この特許文献1のほかにも、絶縁被覆を切除して撚り線を露出させたのちに止水材を滴下し、その上を熱収縮チューブで覆うというものがある。
【0009】
しかし、上述のように絶縁被覆に切込みを入れて撚り線を露出させるのでは手間がかかるという難点がある。また、電線の長さ方向に形成された止水部が、絶縁被覆の表面から飛び出すこともあるので、巻取ドラムにまいた時に嵩張ったり、また繰り出して使用する時の送り性に悪影響が及んだりすることがある。
【0010】
この他に、たとえば下記特許文献2に開示されているような止水部付き電線も提案されている。
【0011】
この止水部付き電線は、撚り線の長さ方向に部分的に止水材を配した後、絶縁被覆を施すというものである。止水材には、吸水膨張性樹脂粉末の溶液が用いられる。この溶液は、水分の吸収によって体積が100倍から1000倍程度に膨張するものが揮発性溶剤に溶かされたものである。
【0012】
止水材を配するにあたっては、止水材を撚り線の上に滴下する。
【特許文献1】特開2000−11771号公報
【特許文献2】特開平9−330622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、このようにして止水材を配した構造は、素線間の隙間と撚り線と絶縁被覆の間の隙間を埋めるものではない。すなわち、止水材の吸水膨張性樹脂粉末は、素線間の隙間に入り込むが、隙間を充填していない。このため、素線間には隙間が存在する状態であり、水の通り道が存在することになる。また、たとえ素線間に吸水膨張性樹脂粉末が入り込んだとしても、吸水膨張性樹脂粉末が水分を吸収して十分に膨張するまでの間は、水の通り道が存在する状態に変わりはない。しかも、止水材を滴下しただけでは、吸水膨張性樹脂粉末が撚り線の素線間に均等に配されるかどうかも不確実で、たとえ水分を吸収したとしても十分な止水性を得られないことがある。
【0014】
さらに、止水材は揮発性溶剤を用いているので、作業環境に悪影響を与えるおそれもある。
【0015】
さらにまた、吸水膨張性樹脂粉末が100倍から1000倍に膨張するものであるので、止水機能を発揮したときに絶縁被覆が膨らみ、他の電線や部品と干渉するおそれもある。
【0016】
そこで、この発明は、水の通り道となる隙間を予め塞いで完全な止水ができるようにすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そのための手段は、撚り合わされた素線間の隙間を埋める止水部を有した止水部付き電線の製造方法であって、搬送される複数本の前記素線の表面に、止水用樹脂を間欠塗布する樹脂塗布工程と、前記樹脂塗布工程で前記止水用樹脂が塗布された複数本の前記素線を撚り合わせる撚り合わせ工程と、前記撚り合わせ工程で撚り合わされてなる撚り線の表面の前記止水用樹脂を除去する樹脂除去工程と、前記樹脂除去工程を経た前記撚り線の上に絶縁被覆を被覆する被覆工程を有する
止水部付き電線の製造方法である。
【0018】
前記被覆工程の後段には、前記絶縁被覆の表面に、前記止水用樹脂が充填された止水部に対応する部分と、止水部でない部分とを識別するための目印をつけるマーキング工程を備えるとよい。
【0019】
別の手段は、複数本の素線が撚り合わせされてなる撚り線と、撚り線の長さ方向に部分的に付された止水部と、撚り線の表面を覆う絶縁被覆とを有する止水部付き電線であって、前記止水部が、各素線の間に充填された止水用樹脂で形成され、前記止水部を含む撚り線上に、長手方向に連続する前記絶縁被覆が形成された止水部付き電線である。
【0020】
この場合、前記絶縁被覆の表面に、前記止水部に対応する部分と止水部でない部分とを識別する目印が形成されるとよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、この発明によれば、素線の間の隙間は止水用樹脂によって塞がれているので、水の通り道が存在することはなく、完全な止水が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、止水部付き電線11の製造工程を示す概略説明図であり、図2はこの方法で製造された止水部付き電線11の構造説明図である。
【0023】
止水部付き電線11は、複数本の素線12…が撚り合わされてなる撚り線13と、この撚り線13を被覆する絶縁被覆14とを有し、絶縁被覆14の長さ方向には一定間隔を隔てて部分的に目印15が付されている。この目印15は、止水部16の位置を示すものである。
【0024】
図2(b)は止水部16部分(図2(a)のA−A断面図)、図2(c)はそれ以外の部分(図2(a)のB−B断面図)の断面図である。これらに示すように、止水部16では、素線12…間の隙間と撚り線13と絶縁被覆14との間の隙間に止水用樹脂21が密に充填されている。一方、止水部16以外の部分では、上記の隙間が埋まっていない。止水部16は、1箇所の長さが5〜10mmであるのが望ましく、止水部16間のピッチは、100〜200mmであるのが望ましい。
【0025】
このような構造の止水部付き電線11の製造方法について、次に説明する。
止水部付き電線11は、図1に示したように、止水用樹脂21を塗布する樹脂塗布工程S1、素線12…を撚り合わせる撚り合わせ工程S2、撚り線13から余分な止水用樹脂21を除去する樹脂除去工程S3、絶縁被覆14を被覆する被覆工程S4、上記の目印15を付するマーキング工程S5を経て製造される。
【0026】
樹脂塗布工程S1では、撚り合わせる前の複数本の素線12…に対して止水用樹脂21を塗布する。塗布は、素線12…の表面に止水用樹脂21が確実に付与されるように行えばよく、塗布方法は適宜選択される。
【0027】
なお、素線12…には、銅またはアルミが用いられ、止水用樹脂21を塗布する関係上、あらかじめ焼きなまししたものを使用する。上記の撚り合わせ工程S2で素線の伸びが考えられる場合には、それを考慮して太めの素線12…を用いる。
【0028】
図3、図4は、塗布手段の一例を示す説明図である。すなわち、塗布手段は搬送される素線12…に対して、図3に示したように止水用樹脂21を含浸したスポンジ22を押し付けたり、図4に示したように止水用樹脂21を直接付与したりすること塗布できる。
【0029】
図3(a)は、回転する塗布ローラ23の外周面の一部に上記のスポンジ22を有する構造であり、塗布ローラ23の回転に伴って一定間隔で止水用樹脂21が塗布される。図3(b)は、搬送される素線12…に対して一定の時間ごとに接離する上記のスポンジ22を有する構造であり、接離体24,24のスポンジ22によって素線12…が挟まれた時に止水用樹脂21が塗布される。
【0030】
このような方法で塗布を行う場合には、図5に仮想線で示したように、素線12…が収束する位置Pから離れた位置Xにおいて、1本1本に対して間欠塗布するとよい。
【0031】
図4(a)は、搬送される素線12…に対して一定時間ごとに止水用樹脂21をノズル25から滴下する構造であり、止水用樹脂21が滴下された時に止水用樹脂21が素線12…に垂れて素線12…の表面を覆う。図4(b)は、搬送される素線12…に対して一定時間ごとに止水用樹脂21をノズル25から吹き付ける構造であり、止水用樹脂21が吹き付けられたときに止水用樹脂21が素線12…の表面を覆う。
【0032】
このような方法で塗布を行う場合には、図5に仮想線で示したように、素線が収束する位置Pに近い部分Yにおいてすべての素線12…に対してまとめて塗布するとよい。
【0033】
なお、止水用樹脂21には、ポリオレフィン系やEVA系のホットメルト等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。絶縁被覆14との接着性が良好なものを用いるのが好ましい。熱硬化性樹脂を用いる場合には、後の工程で加熱して硬化させる。
【0034】
また、止水部16を形成しない部分への付着を防止するため、止水用樹脂21には、塗布後に垂れない程度の粘度を有したものを使用する。垂れない程度の粘度とは、1〜1000Pa・s(パスカル秒)のものであり、10〜100Pa・sであるとより望ましい。樹脂の粘度は、電線径や素線径などにより適宜選択される。
【0035】
撚り合わせ工程S2では、撚線機31(便宜上、図1においては図形による図示は省略する)を用いて、複数本の素線12…に撚りをかけて撚り線13とする。撚線機31には、たとえば、ダブルツイストバンチャー式撚線機や篭型(プラネタリー)撚線機、筒型撚線機、リジット型撚線機などの周知の装置を用いることができる。
【0036】
図1では、できた撚り線13を巻き取りドラム(図示せず)に巻き取らずに連続して次の工程に移行できるものを例示したが、できた撚り線13を一旦巻き取りドラムに巻き取るようにする撚線機を用いるもよい。
【0037】
この撚り合わせ工程S2で素線12…が撚り合わされると、各素線12…に塗布された止水用樹脂21は、素線12…同士が接近したときに、そのうちの余分な部分が、素線12…間から撚り線13の表面に押し出される。これによって、素線12…間が止水用樹脂21で満ちた状態となって、隙間が存在しない止水部16が得られる。
【0038】
隙間を完全になくすには、素線12…同士の接近により止水用樹脂21が押し合うようにするのが好ましく、そのためには、先の樹脂塗布工程S1における止水用樹脂21の塗布を、止水用樹脂21が撚り合わせ工程S2で素線12…の間から撚り線13の表面にはみ出す十分な量で行う。
【0039】
また、止水用樹脂21の粘度にも付言すれば、上述のように塗布後に素線12…から垂れない程度の粘度を有したものを使用すると、このような粘度によっても素線12…間への止水用樹脂21の充填が確実に行えることになる。さらに、止水用樹脂21が素線12…間において止水部16以外の部分まで長手方向に染み込むことを防げる。
【0040】
なお、撚り合わせ工程S2において止水用樹脂21が飛び散ることを防ぐため、止水用樹脂21の粘度に合わせ、撚線機31の送り速度や回転速度は適宜設定される。
【0041】
樹脂除去工程S3では、撚り合わせ工程S2で撚り線13の内側から表面にはみ出した止水用樹脂21を除去し、図6に示したような状態にする。すなわち、複数本の素線12…が集まって形成される撚り線13の円形をなす外表面より内側の部分であって、素線12…に挟まれる部分に止水用樹脂21が充填された状態にする。
【0042】
はみ出した止水用樹脂21の除去は、たとえば図7に示したようなノズル形状のスクレーパ41で行うことができる。このスクレーパ41は、中心に撚り線13を通す貫通孔42aを有する中空の三角錐形状のスクレーパ本体42と、これの先端に備えられた掻き取りのためのゴムなどからなる先端部材43とからなる。
【0043】
またスクレーパ本体42の長さ方向の中間部分には、周方向に延びる溝部42bが形成され、先端部材43によってかき落とされて先端部材43の表面からスクレーパ本体42の表面を移動する止水用樹脂21が、所定位置に落下するようにしている。このようなスクレーパ41の下方には、落下させた止水用樹脂21を受ける受け44が設けられ、この受け44にたまった止水用樹脂21は、上述の樹脂塗布工程S1の塗布手段に還流される。なお、止水用樹脂21として熱可塑性樹脂を使用する場合には、スクレーパ41と受け44を加熱して止水用樹脂21を溶かす。
【0044】
樹脂除去工程S3で撚り線13の表面の止水用樹脂21が除去されると、撚り線13の長さ方向に、止水用樹脂21が充填されて隙間がない止水部16が所定間隔おきに配設されることになる。
【0045】
なお、上述のようなスクレーパ41を用いると、間欠配置されるべき止水部16が撚り線13の最外表面においては繋がったような状態になることがあるが、使用時においては、端子の接続のために絶縁被覆14を剥ぎ取るときに、最外表面層の止水用樹脂21は絶縁被覆14とともに除去されるので、端子の圧着等の接続に支障を与えることはない。また、撚線機31の後段側においてさらに上述と同様のスクレーパ41を用いてさらなる止水用樹脂21の除去を行えば、撚り線13が強く撚られた段階での止水用樹脂21の除去となるので、撚り線13の止水部16の表面をよりきれいにすることができる。
【0046】
被覆工程S4では、止水部16が形成された撚り線13の外表面に長手方向に連続した絶縁被覆14を形成する。この被覆は周知の押出機51により絶縁被覆用の樹脂を押し出して行う。被覆工程S4で絶縁被覆14が被覆されると、図2(b)に示したように、撚り線13と絶縁被覆14の間に隙間がない状態が得られる。なお、止水用樹脂21に熱硬化性樹脂を用いた場合には、この被覆工程S4での熱で熱硬化させるのが、別途に加熱装置を用いることを省略できるので好ましい。
【0047】
被覆工程S4で絶縁被覆14が被覆されたあと、マーキング工程S5に移行される。
【0048】
マーキング工程S5では、マーキング装置61を用いて絶縁被覆14の表面における止水部16を形成した位置に目印15を形成する。マーキング装置61は、インクを塗布するもので、周知のマーキングローラ62を有する装置を使用できる。このマーキング装置61は上述の樹脂塗布工程S1の塗布手段の動作と、搬送装置の動作の条件に応じて適宜駆動制御される。マーキングは、止水部16でないところに施されるもよい。
【0049】
なお、上述の撚り線機31に、撚り線13を形成した後に一旦巻き取りドラムに巻き取るものを使用した場合には、サプライ(図示せず)から供給された撚り線13から、たとえば超音波やX線などの非破壊検査手段によって止水部16の位置を検知し、この検知結果に基づいて後段側のマーキング装置61を駆動制御させるとよい。
【0050】
マーキング装置61で目印15を付した後は、周知の工程と同様に、水槽71での冷却と、乾燥機(図示せず)での乾燥を経た止水部付き電線11は、引取機81を経た後巻取機91で巻き取られる。
【0051】
このようにして構成された止水部付き電線11では、撚り線13となる前の段階の素線12…に止水用樹脂21が塗布されるので、素線12…の間の隙間は撚り線13になった段階で塞がれていることになる。このため、水の通り道が存在することはなく、完全な止水が可能となる。この結果、水走り現象の発生を防止して、腐食、接触不良等の不具合を防ぐことができる。
【0052】
しかも、撚り線13を得たときに撚り線13の内部から止水用樹脂21がはみ出すような量の止水用樹脂21を塗布しているので、隙間を塞ぐ効果は確実に得られる。そのうえ、止水用樹脂21には粘度の高いものを用いるので、止水しない部分に止水用樹脂21が付着することを極力抑えることができる。
【0053】
また、素線12…に塗布された止水用樹脂は、撚り合わせることによって余分な止水用樹脂21があればそれは撚り線13の表面側に排出されるが、この余分な止水用樹脂21を除去した上で絶縁被覆14を施すので、絶縁被覆14の被覆が支障なく行える。この結果、顕著な凹凸が現れることもなく、被覆電線としての機能を害することはない。つまり、巻取ドラムにまいた時に嵩張ったり、送り時に悪影響を起こしたりすることもない。
【0054】
さらに、止水部16が内在する位置には目印15が付されているので、止水用樹脂21のない部分を露出させることが確実に行え、端子の圧着等の作業で間違えるようなことがなく、便利である。
【0055】
以上はこの発明を実施するための一形態であり、この発明は上記の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することができる。
たとえば、止水部16は視覚や触覚によって認識できればよいので、絶縁被覆を透明にして、止水部16を構成する止水用樹脂21を特異な色にした場合や、固まった止水用樹脂21の存在によって止水部16部分の硬度が止水部以外の部分よりも硬くなる場合には、マーキング工程S5を省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】止水部付き電線の製造工程を示す説明図。
【図2】止水部付き電線の構造説明図。
【図3】止水用樹脂の塗布手段の一例を示す説明図。
【図4】止水用樹脂の塗布手段の一例を示す説明図。
【図5】止水用樹脂の塗布位置を説明する説明図。
【図6】撚り線の止水部部分の断面図。
【図7】樹脂除去工程S3での動作を示す説明図。
【符号の説明】
【0057】
11…止水部付き電線
12…素線
13…撚り線
14…絶縁被覆
15…目印
16…止水部
21…止水用樹脂
31…撚線機
41…スクレーパ
51…押出機
61…マーキング装置
S1…樹脂塗布工程
S2…撚り合わせ工程
S3…樹脂除去工程
S4…被覆工程
S5…マーキング工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撚り合わされた素線間の隙間を埋める止水部を有した止水部付き電線の製造方法であって、
搬送される複数本の前記素線の表面に、止水用樹脂を間欠塗布する樹脂塗布工程と、前記樹脂塗布工程で前記止水用樹脂が塗布された複数本の前記素線を撚り合わせる撚り合わせ工程と、
前記撚り合わせ工程で撚り合わされてなる撚り線の表面の前記止水用樹脂を除去する樹脂除去工程と、
前記樹脂除去工程を経た前記撚り線の上に絶縁被覆を被覆する被覆工程を有する
止水部付き電線の製造方法。
【請求項2】
前記被覆工程の後段で、前記絶縁被覆の表面に、前記止水用樹脂が充填された止水部に対応する部分と、止水部でない部分とを識別するための目印をつけるマーキング工程を備えた
請求項1に記載の止水部付き電線の製造方法。
【請求項3】
複数本の素線が撚り合わせされてなる撚り線と、撚り線の長さ方向に部分的に付された止水部と、撚り線の表面を覆う絶縁被覆とを有する止水部付き電線であって、
前記止水部が、各素線の間に充填された止水用樹脂で形成され、
前記止水部を含む撚り線上に、長手方向に連続する前記絶縁被覆が形成された
止水部付き電線。
【請求項4】
前記絶縁被覆の表面に、前記止水部に対応する部分と止水部でない部分とを識別する目印が形成された
請求項3に記載の止水部付き電線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−231099(P2009−231099A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75984(P2008−75984)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】