歩行型の苗移植機
【課題】本発明では、苗移植機としての機能を低下させることなく、使用する油圧機器の数を減らすことによって製造コストを低減することが課題である。
【解決手段】車輪を後端部に支持して上下方向に回動する左右の走行伝動ケースにそれぞれ設けたアームと、油圧昇降シリンダ16のシリンダロッド17の前後方向移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18の左右両端を、その連結部18bにおいて貫通させた連結ロッド20で連結し、該連結ロッド20の後端部に設けた固定具25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設けると共に、前記アームに接触して圧縮ばね22に抗して該アームの後側への回動を規制する規制具を設けた歩行型の苗移植機とした。
【解決手段】車輪を後端部に支持して上下方向に回動する左右の走行伝動ケースにそれぞれ設けたアームと、油圧昇降シリンダ16のシリンダロッド17の前後方向移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18の左右両端を、その連結部18bにおいて貫通させた連結ロッド20で連結し、該連結ロッド20の後端部に設けた固定具25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設けると共に、前記アームに接触して圧縮ばね22に抗して該アームの後側への回動を規制する規制具を設けた歩行型の苗移植機とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型の苗移植機で機体を水平に維持する水平保持機構の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行型の苗移植機は、例えば、特開2001−258311号公報に記載されている。この歩行型苗移植機では、機体の前側に配置するミッションケースから後方へ向けて先端の車軸に車輪を装着する走行チェンケースを左右に設け、油圧昇降シリンダで前後に移動するリンク板の左右と前記走行チェンケースを連結杆で連結し、左右の連結杆の一方にローリング油圧シリンダを設けて、油圧昇降シリンダを伸縮するとリンク板が前後に移動しそれに伴って連結杆で連結した走行チェンケースが回動して車輪を上下して機体を昇降し、連結杆に設けるローリング油圧シリンダを伸縮することで、左右の車輪の上下位置を変更して機体の左右水平を保持するようになっている。この歩行型の苗移植機は、油圧昇降シリンダとローリング油圧シリンダを用いているために、油圧シリンダだけでなくその制御バルブも複数必要になって、製造コストが高いものであった。
【特許文献1】特開2001−258311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、苗移植機としての機能を低下させることなく、使用する油圧機器の数を減らすことによって製造コストを低減することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決するべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、左右の車輪5と、該車輪5を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4と一体で回動する左右各々のアーム21と、油圧昇降シリンダ6のシリンダロッド17の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18と、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20とを設け、シリンダロッド17が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪5が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド17に中継リンク部材18の左右中央部が入り込む切り欠き溝17aを設け、該切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部が中継リンク部材18の前面18dに接触して前記底面17bの後方移動に追従して中継リンク部材18が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド20を中継リンク部材18の左右両端の連結部18bにおいて貫通させ、連結ロッド20が貫通する前記連結部18bに設けた孔18b―4の孔径を連結ロッド20の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド20の後端部に設けた固定具25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設け、中継リンク部材18の後方への移動で後側へ回動する左右走行伝動ケース4のアーム21に接触し、圧縮ばね22に抗して該アーム21の後側への回動を規制する規制具165を設けた歩行型の苗移植機とした。
【0005】
この構成で、油圧昇降シリンダ6が伸縮すると中継リンク部材18が前後し、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20で走行伝動ケース4が回動して車輪5を上下に移動して機体を昇降させる。また、左右走行伝動ケース4のアーム21に接触して圧縮ばね22に抗して該アーム21の後側への回動を規制する規制具165で機体を最上昇させた位置で機体の左右傾斜を固定する。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、左右の車輪5と、該車輪5を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4と一体で回動する左右各々のアーム21と、油圧昇降シリンダ6のシリンダロッド17の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18と、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20とを設け、シリンダロッド17が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪5が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド17に中継リンク部材18の左右中央部が入り込む切り欠き溝17aを設け、該切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部が中継リンク部材18の前面18dに接触して前記底面17bの後方移動に追従して中継リンク部材18が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド20を中継リンク部材18の左右両端の連結部18bにおいて貫通させ、連結ロッド20が貫通する前記連結部18bに設けた孔18b―4の孔径を連結ロッド20の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド20の後端部に設けた固定具25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設け、中継リンク部材18の後方への移動で後側へ移動する左右走行伝動ケース4に連結する連結ロッド20に固着した接触部材166に接触し、圧縮ばね22に抗して該連結ロッド20の後側への回動を規制する規制具167を設けた歩行型の苗移植機とした。
【0007】
この構成で、油圧昇降シリンダ6が伸縮すると中継リンク部材18が前後し、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20で走行伝動ケース4が回動して車輪5を上下に移動して機体を昇降させる。また、左右走行伝動ケース4に連結する連結ロッド20に固着した接触部材166に接触して圧縮ばね22に抗して該連結ロッド20の後側への回動を規制する規制具167で機体を最上昇させた位置で機体の左右傾斜を固定する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、左右の車輪5の接地荷重に応じて滑らかに車輪5を上下動させることができ、車体が不安定になるようなことを防止できると共に、圧縮ばね22により中継リンク部材18の前面18dをシリンダロッド17の切り欠き溝17aの底面17bに安定して接触させることができ、車輪5の上下動を適正に行え、更に従来のようなシリンダロッドと中継リンク部材との間の圧縮ばねが不要になって車輪5の上下動機構の小型化が図れる。また、機体の左右傾斜で左右の車輪5で接地荷重が相違するとき、中継リンク部材18が前後に回動して左右の連結ロッド20が互いに前後反対側に移動し、左右水平姿勢となるよう車体の左右傾斜姿勢が修正され、ローリング油圧シリンダのような格別の駆動装置が不要になり、機体の小型化ひいてはコストダウンが図れる。
【0009】
また、左右の車輪5の接地荷重に応じて車体の左右傾斜姿勢が修正されるので、車体の左右傾斜姿勢を適正に修正できる。このとき、中継リンク部材18が切り欠き溝17aに案内されて適正な方向で前後に回動し、車体の左右傾斜姿勢の修正を適正に行える。更に、左右車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、左右の車輪5が相対的に上下動しないので、左右の車輪5が個別に無闇に上下動することによりかえって車体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止できる。
【0010】
さらに、機体を上昇させたときには、圧縮ばね22を利用して左右の車輪5の高さが相違するのを規制するので、機体の左右傾斜姿勢が固定されて安定する。この左右傾斜姿勢の固定が、左右走行伝動ケース4のアーム21に接触し、圧縮ばね22に抗して該アーム21の後側への回動を規制する規制具165を設けた構成で行え、コストダウンが図れる。
【0011】
請求項2に記載の発明によると、請求項1の効果に加えて、走行伝動ケース4に対するアーム21の位置が相違する場合でも、左右走行伝動ケース4に連結する連結ロッド20に固着した接触部材166に接触し圧縮ばね22に抗して該連結ロッド20の後側への回動を規制する規制具167を設けた構成で、機体の最上昇付近の適正な昇降位置で左右傾斜姿勢の固定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。
図1及び図2は、歩行型田植機1の全体側面図及び平面図である。この歩行型田植機1は、機体の前端部に設けたエンジン2と、該エンジン2の後側に設けた主伝動ケース3と、該主伝動ケース3の左右に各々設けた走行支持部材となる走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4からの動力で駆動する左右の車輪5と、主伝動ケース3の後側面から後方に延びる前部フレ−ム6と、前部フレ−ム6の後端に固着され湾曲して斜め後上方に延びる後部フレ−ム8と、後部フレ−ム8の前端部の上面に載置される植付伝動ケース7と、前記後部フレ−ム8の後端に取り付けた操縦ハンドル9とを備えている。前記植付伝動ケース7の下部には4個の苗植付装置10を取り付け、後部フレ−ム8の前側には該フレ−ム8に左右移動可能に支持される苗載台11を設けている。
【0013】
従って、前記エンジン2、主伝動ケース3、前部フレ−ム6と後部フレーム8、走行伝動ケース4及び車輪5等により走行車体部が構成され、植付伝動ケース7、苗植付装置10及び苗載台11等により植付部が構成されている。
【0014】
前記4個の苗植付装置10が苗載台11から苗取口28へ供給される苗をそれぞれ一株分づつ掻き取って、走行しながら圃場に同時に4条分の苗を植え付ける4条植えの構成となっている。
【0015】
図3は、前部フレ−ム6と後部フレ−ム8の連結部を示す拡大側面図で、前部フレ−ム6の後端に設けた前部フレ−ム側フランジ60と後部フレ−ム8の前端に設けた後部フレ−ム側フランジ61とが接触し、両フランジ60,61が固定用のボルト62及びナット63で互いに固着されて前部フレ−ム6と後部フレ−ム8とが結合して固定された構成となっている。
【0016】
前部フレ−ム側フランジ60と前部フレ−ム6の基部との間には左右2箇所に前部フレ−ム側リブ64が固着されており、前部フレ−ム側フランジ60の強度向上を図っている。また、後部フレ−ム側フランジ61と後部フレ−ム8の基部の上面との間には左右2箇所に後部フレ−ム側の第一のリブ65が固着されており、後部フレ−ム側フランジ61の強度向上を図っている。また、後部フレ−ム8上には、前記第一のリブ65より後側に位置する第二のリブ66を左右2箇所に設けている。
【0017】
尚、前部フレ−ム側フランジ60の上端より後部フレ−ム側フランジ61の上端が上側に突出しており、この突出した部分と植付伝動ケース7の後述する中央ケース部7aの前面との間に固定ボルト67を左右に2本設け、植付伝動ケース7が移動しないように固定された構成となっている。
【0018】
前記植付伝動ケース7は、左右中央に位置する中央ケース部7aと、左右両側に位置する外側ケース部7bとを備えている。中央ケース部7aには後述する左右移動軸29や中央2条の苗植付装置10へ伝動する伝動機構を備え、外側ケース部7bには左右各々の外側1条の苗植付装置10へ伝動する伝動機構を備えており、植付伝動軸15からの動力は中央ケース部7aでベベルギヤ95,96で横植付伝動軸97に入力され、該横植付伝動軸97が中央ケース部7aから筒ケース178を通って外側ケース部7b内に伝動する構成となっている。
【0019】
中央ケース部7aの底面には後部フレ−ム8の上面に戴置する凹部68を備え、該凹部68を後部フレ−ム8上に載せて植付伝動ケース7を載置する構成となっている。そして、後部フレ−ム8の前記第一のリブ65の後面が中央ケース部7aの底部の前面に接触し、前記第二のリブ66の前面が中央ケース部7aの底部の後面に接触し、植付伝動ケース7をしっかりと保持している。
【0020】
また、機体の下部には圃場面に接触する3個の接地体となるフロート12を設けており、機体の走行により該フロート12が圃場面を滑走して整地する。フロート12のうち、機体の左右中央のセンターフロート12aは左右内側の2条の苗植付装置10の植付位置を整地し、機体の左右両外側のサイドフロート12bは左右外側の各々1条の苗植付装置10の植付位置を整地する。センターフロート12aは、前端がサイドフロート12bの前端より前側に位置し、サイドフロート12bより前後長が長く、サイドフロート12bより左右幅が広く、サイドフロート12bより接地面積が広い。尚、センターフロート12a及びサイドフロート12bは、側面視で後部フレ−ム8の同じ位置に配置された各々の左右方向の回動支点軸13回りに上下に回動自在に支持され、前部が圃場面の凹凸に追従して上下動する構成となっている。
【0021】
エンジン2の出力軸は主伝動ケース3内に突入しており、エンジン2からの動力が主伝動ケース3内に伝達される。主伝動ケース3内には、車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への全ての伝動を断つことが出来る主クラッチと、該主クラッチからの動力を車輪5への伝動経路と苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路とに分岐する動力分岐部と、前記苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路上において該苗植付装置10及び苗載台、11への伝動を断つことができる植付クラッチと、前記車輪5への伝動経路上において噛み合うギヤの切替により路上走行用の前進高速状態、植付作業用の前進低速状態、ギヤが噛み合わずに非伝動となる中立状態及び後進状態の4状態に切り替えて変速できる変速部と、該変速部の伝動下手側で左右の車輪5への伝動を非伝動状態に切り替えできる左右各々のサイドクラッチとを設けている。従って、前記変速部及びサイドクラッチを介して主伝動ケース3から左右に突出する左右各々の走行用伝動軸に伝動される。
【0022】
該走行用伝動軸が走行伝動ケース4内に突入しており、走行伝動ケース4内でスプロケット及びチェ−ンにより該走行伝動ケース4から左右外側に突出する車軸14に伝動し、車輪5が駆動回転する。走行伝動ケース4は、前端部に位置する前記走行用伝動軸周りに上下に回動可能に設けられ、後端部に位置する車軸14を上下に移動させて車輪5を上下動させる。また、植付クラッチの伝動により、主伝動ケース3から後側に延びる植付伝動軸15を介して植付伝動ケース7内へ伝動される。
【0023】
図12は、主伝動ケース3内の植付駆動軸98から植付伝動軸15への伝動部の断面図で、主伝動ケース3内で軸受103,104で軸支された植付駆動軸98は株間変更クラッチ105で三段階に変速されて回転し、ケース内の軸受104の部分で延長植付駆動軸99をスプライン嵌合106で連結し、この延長植付駆動軸99に小径ベベルギヤ101をスプライン嵌合107している。延長植付駆動軸99のケース壁側はケースに設ける開口部102に取付けた盲蓋108に取付けた軸受109で支持している。
【0024】
さらに、延長植付駆動軸99に直交して後方へ向けて植付伝動軸15を軸受110とオイルシ−ル111でケースに支持し、その軸端に前記小径ベベルギヤ101と噛み合わせて大径ベベルギヤ100をスプライン嵌合112している。
【0025】
前記のケースに設ける開口部102は大径ベベルギヤ100の外径よりも大きく、盲蓋108を外すと、延長植付駆動軸99と小径ベベルギヤ101を一緒に抜き出し、大径ベベルギヤ100も植付伝動軸15の軸端から抜き出せるようになる。
【0026】
ベベルギヤ100,101の組み合わせは別の減速比のベベルギヤに変更可能で、この部分で二段階に変速すると、前記株間変更クラッチ105での三段階変速と合わせて六段階に植付株間を変更出来るようになる。なお、小径ベベルギヤ101のスプライン嵌合107部と大径ベベルギヤ100のスプライン嵌合112部を同一にすることで、小径ベベルギヤ101と大径ベベルギヤ100を振り替えて取り付けることで変速比を変えることも出来る。この場合は、変速用ベベルギアを別に用意する必要がない。
【0027】
苗植付装置10及び苗載台11は、植付伝動ケース7からの動力で作動する。苗載台11は、植付伝動ケース7の左右に突出して左右移動する左右移動軸29の左右両端から左右各々の連結部材30を介して支持され、苗受板27に沿って左右往復移動し、苗受板27に設けた各条の苗取口28に一株分ずつ苗を供給する。尚、苗載台11の上部には左右移動用レ−ル34を固着して設けており、該左右移動用レ−ル34が後部フレ−ム8の上部から支持される支持ロ−ラ33に案内されて左右移動可能に支持されている。従って、苗載台11は、下部で苗受板27に左右移動可能に支持され、上部で支持ロ−ラ33に左右移動可能に支持され、植付伝動ケース7からの動力で左右移動軸29を介して左右に往復移動する構成となっている。また、苗載台11には、左右移動端で苗取口28側下側に苗を移送する各条の苗送りベルト35を備えている。この苗送りベルト35は、植付伝動ケース7からの動力で作動し、苗載台11の左右移動端でマット苗を一株分移送して苗を苗取口28へ供給する。
【0028】
苗植付装置10の駆動構成を図10から図16で詳しく説明する。
植付伝動ケース7の中央ケース部7aは、前記の如く、凹部68を後部フレーム8に乗せて固定しているが、中央ケース部7aに枢支した中央植付駆動軸117に固着するスプロケット123を凹部68から外した位置に配置して、中央植付駆動軸117を後部フレーム8に接近できるようにしている。前記植付伝動軸15の中央ケース部7a側はカップリング131と安全クラッチ132を介してベベルギヤ95に動力を伝動し、このベベルギヤ95を中央ケース部7aの左右中央にクラッチ113を介して取り付けたベベルギヤ96と噛み合わせて回転を横植付伝動軸97に伝動している。
【0029】
横植付伝動軸97には左右中央の一対の苗植付装置10,10に伝動するスプロケット114と左右端部でそれぞれ外側の苗植付装置10に伝動するスプロケット115,116を固着している。中央のスプロケット114は中央ケース部7aに枢支した中央植付駆動軸117に固着のスプロケット123にチェン122で伝動し、左右端部に固着したスプロケット115,116は、外側ケース部7b,7bに枢支した外植付駆動軸118,119に固着したスプロケット121,125にチェン120,124で伝動している。
【0030】
尚、外側ケース部7b内のチェン120,124は、図17に示す如く、チェンガイド172でテンションを付与しているが、このチェンガイド172は下側をケースに固定することで、外側ケース部7bの上部と苗載台11の間隔を広げている。また、外側ケース部7bを前後対称形として同一形状のケースを左右両側で使えるようにしている。外側ケース部7bの下側前後に設ける取付部の後側を後部フレーム8に設ける支持部材に取り付け、前側の取付部を前部フレ−ム6と連結しサイドフロート12bと連結している。
【0031】
図18は、植付アーム126,127,128,129に取り付ける揺動クランク173で、軸174,175を軸受176,177で回転可能に支持し、軸174,175の突出角軸部を植付アーム126,127,128,129等に取り付けている。
【0032】
中央植付駆動軸117と外植付駆動軸118,119が回転することによって、それぞれ植付アーム126,127,128,129がクランク状に動いて、苗植付爪31が苗取口28上の苗を掻き取り、掻き取った苗を押出具32が圃場面に向かって押し出して圃場に苗を植え付ける。
【0033】
図13と図14は、植付伝動軸15の中央ケース部7aへの取付部を示し、中央ケース部7aの底部にベベルギヤ95を半割メタル130で固定した軸受133で回転可能に支持し、このベベルギヤ95に安全クラッチ132の軸138を嵌合して固定している。安全クラッチ132は、カップリング131で植付伝動軸15に連結し、中央ケース部7aをオイルシール134で気密に保持している。また、安全クラッチ132と平行して、ベベルギヤ96の回転を横植付伝動軸97に伝動する植付クラッチ139を作動させる植付クラッチピン135を前記半割メタル130で中央ケース部7aに取付けている。植付クラッチピン135を作動するワイヤ136をワイヤ受137と押え板140で中央ケース部7aに取付けている。
【0034】
図11は、中央ケース部7aの上蓋147を開いた状態を示し、前側から苗送り軸141、リ−ドカム軸142、左右移動軸29を横架している。リ−ドカム軸142に固着のギヤ145に前記横植付伝動軸97のギヤ146が噛み合って動力を伝動し、リ−ドカム軸142のカムに係合するリードカム143を左右移動軸29に固着して左右移動軸29を左右往復移動し、左右移動軸29に固着するアーム144が右端に移動したタイミングで苗送り軸141が回転する。リ−ドカム軸142は、左右両端を中央ケース部7aに設ける軸受162,163で支持しているが、一方の軸受162を加工したU溝に嵌合し、他方の軸受163を鋳ばなしのU溝に勘合している。
【0035】
図15は、苗送り軸141の中央ケース部7aへの取付け状態を示している。苗送り軸141に鍔付きブッシュ148,149を外嵌し、この鍔付きブッシュ148,149を中央ケース部7aと上蓋147で挟み込んでいるが、一方の鍔付きブッシュ148は鍔部153を中央ケース部7aと上蓋147に形成した溝部154,155で挟み込んで横移動しないようにし、他方の鍔付きブッシュ149は鍔部156に苗送り従動カム151との間に設けるばね152を当接している。150はオイルシ−ルである。
【0036】
図16は、左右移動軸29の中央ケース部7aへの取付け状態を示している。左右移動軸29に鍔付きブッシュ157を外嵌し、この鍔付きブッシュ157を中央ケース部7aと上蓋147で挟み込んで、鍔付きブッシュ157の鍔部158を中央ケース部7aと上蓋147に形成した溝部159,160で挟み込んで横移動しないようにしている。161はオイルシ−ルである。
【0037】
なお、まず左右移動軸29とリードカム軸142を中央ケース部7aの加工したU溝に嵌合しその後苗送り軸141を鋳ばなしのU溝に嵌合して組み立てている。
図4において、主伝動ケース3の左側の側部には油圧ポンプを固着し、主伝動ケース3の後部には油圧バルブユニット69を固着し、該油圧バルブユニット69の後側に単動式の油圧昇降シリンダ16を固着している。この油圧昇降シリンダ16は、前後方向に移動する移動部材となるシリンダロッド17を後部に備え、前部フレ−ム6の上方に配置される。油圧バルブユニット69の切替操作により油圧ポンプからの油圧を油圧昇降シリンダ16へ供給すると、シリンダロッド17が後方へ移動する。また、油圧昇降シリンダ16内の油圧を油圧タンクとなる主伝動ケース3内へ戻す状態に切り替えると、機体の自重によりシリンダロッド17が前方へ移動する。
【0038】
図5,6において、シリンダロッド17の後端部には後側から切り欠いた左右方向に連通する切り欠き溝17aを備え、該切り欠き溝17aに左右に延びる中継部材となる中継リンク部材18の左右中央部が嵌まるように挿入されている。中継リンク部材18は、プレート状の基部18aと左右両端で前記基部18aから上方に立ち上がる連結部18bとを備え、左右対称な形状となっている。
【0039】
シリンダロッド17の後側の端部には切り欠き溝17aを上下に貫通する連結軸19を設け、該連結軸19が中継リンク部材18の左右中央部に設けた第一の孔18cを貫通してシリンダロッド17と中継リンク部材18とが連結されている。尚、中継リンク部材18の左右中央部の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとは、互いに接触する平面となっている。また、第一の孔18cは、連結軸19の軸径よりも大きい孔径に設定され、前後に長い長孔状に形成されている。
【0040】
中継リンク部材18の連結部18bは、前側部分18b−1と後側部分18b−2とを備え、更に前側部分18b−1と後側部分18b−2とを機体の左右方向外側の端部で繋ぐ接続部分18b−3を備える。前側部分18b−1及び後側部分18b−2は前後に貫通する第二の孔18b−4を備え、該孔18b−4に連結ロッド20の後部が貫通している。従って、中継リンク部材18の左右の連結部18bに左右各々の連結ロッド20が貫通している。
【0041】
連結ロッド20の前端は走行伝動ケース4の上側に固着された左右各々のアーム21に連結されている。連結ロッド20の後端の外周には圧縮ばね22を設け、該圧縮ばね22の前側に設けた前側ばね受け板23が連結部18bの後側部分18b−2の後面に接触し、圧縮ばね22の後側に設けた後側ばね受け板24が連結ロッド20に移動しないように締め付けられた固定具となるよう二重にナットを締付けたダブルナット25の前面に接触している。
【0042】
従って、車輪5の接地荷重を、走行伝動ケース4、アーム21、連結ロッド20及び圧縮ばね22等を介して中継リンク部材18が受けている。連結ロッド20の中途部には板状の規制具26を固着しており、該規制具26が連結部18bの前側部分18b−1の前側に位置している。従って、車輪5の接地荷重が極めて小さいとき、圧縮ばね22のばね力により規制具26が連結部18bの前側部分18b−1の前面に接触し、車輪5が所定以下に降下しないように規制している。尚、前側ばね受け板23と連結部18bの後側部分18b−2との互いの接触面及び規制具26と連結部18bの前側部分18b−1との互いの接触面は、平面になっている。また、第二の孔18b−4は、連結ロッド20の軸径よりも大きい孔径に設定されている。
【0043】
従って、油圧ポンプからの油圧を油圧昇降シリンダ16内へ供給するべく油圧バルブユニット69を切り替えると、シリンダロッド17が後方へ移動し、切り欠き溝17aの底面17bで中継リンク部材18の左右中央部の前面18dが後側に押されて中継リンク部材18が後側へ移動し、該中継リンク部材18の左右の連結部18bの後側部分18b−2が圧縮ばね22を介して左右の連結ロッド20を後側に引き、左右のアーム21を後側に回動させることにより左右の走行伝動ケース4が下側に回動し、左右の車輪5が下動して圃場に対して機体が上昇する。
【0044】
逆に、油圧昇降シリンダ16内の油圧を主伝動ケース3内へ戻すべく油圧バルブユニット69を切り替えると、左右の車輪5の接地荷重により左右のアーム21、左右の連結ロッド20及び中継リンク部材18等を介してシリンダロッド17が前方へ戻され、左右の車輪5が上動して圃場に対して機体が下降する。
【0045】
また、機体の左右傾斜により接地荷重が左右の車輪5で所定以上相違すると、切り欠き溝17aの底面17bの左右一方の端を支点に中継リンク部材18が前後に回動して左右の連結部18bが互いに前後反対側に移動し、接地荷重が大きい側の車輪5が下動し反対側の車輪5が上動し、左右水平姿勢となるよう機体の左右傾斜姿勢が修正される。このとき、連結軸19により、中継リンク部材18がシリンダロッド17の切り欠き溝17aから脱落するようなことを防止している。
【0046】
左右の連結ロッド20ひいては左右の連結部18bの間の左右中央位置に対して切り欠き溝17aの底面17bの左右端は左右に偏位しているので、左右の車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、中継リンク部材18が前後に回動せずに中継リンク部材18の接触面となる前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとが接触した状態が維持され、左右の車輪5が相対的に上下動せず、左右の車輪5が個別に無闇に上下動することによりかえって機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。
【0047】
また、切り欠き溝17aの底面17bの左右端が左右に偏位しているので、中継リンク部材18が前後に回動しても、圧縮ばね22や車輪5からの荷重により中継リンク部材18が中継リンク部材18の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとが接触する基準の回動位置に戻りやすく、機体の姿勢を安定させることができる。
【0048】
更に、接触面となる切り欠き溝17aの底面17b、中継リンク部材18の左右中央部の前面18d、前側ばね受け板23の前面、連結部18bの後側部分18b−2の後面、規制具26の後面及び連結部18bの前側部分18b−1の前面は平面となっているので、中継リンク部材18が回動して中継リンク部材18の左右中央部の前面18d、連結部18bの後側部分18b−2の後面及び連結部18bの前側部分18b−1の前面の角度が変化しようとするのを圧縮ばね22の付勢力により抑えることができ、機体の左右傾斜が圃場の左右傾斜に近づくように促し、機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。
【0049】
また、連結ロッド20の規制具26により、前進側に回転する車輪5の駆動反力で該車輪5が下動して機体の対地高さや左右傾斜姿勢が不適正になるのを防止している。
尚、二重ナット25を弛めて連結ロッド20における二重ナット25の位置を調節することにより、機体の左右傾斜姿勢を調節することができる。この調節は、左右一方の二重ナット25の位置を調節しても、左右両方の二重ナット25の位置を調節しても良い。この二重ナット25からなる調節部分は機体平面視でボンネットカバ−43の外側に位置しているので、作業者はボンネットカバ−43が邪魔にならずに上側から二重ナット25の位置調節を容易に行える。
【0050】
図7は、走行伝動ケース4の回動基部を示し、主伝動ケース3から伸ばした取付杆168に横架した棒状の規制具165を左右のアーム21,21にわたってその回動範囲に設けて、左右のアーム21に当接して車輪5が下がり過ぎるのを規制している。
【0051】
なお、車輪5が下がり過ぎるのを規制する構成としては、図8,9に示す如く、連結ロッド20,20の下側に当接部材166を突設し、この当接部材166に当たってアーム21,21の後方へ回動するのを阻止する棒状の規制具167を主伝動ケース3から伸ばした取付杆169に設ける構成でも良い。
【0052】
規制具165や規制具167は、片側の車輪5が下がり過ぎて機体が左右へ極端に傾くのを防ぎ、旋回の際に左右の車輪5を均等に押し下げてフロート12を地面から浮かせた状態にする。
【0053】
操縦ハンドル9の前側で且つ苗載台11の後側には、車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断つことができる主クラッチレバー36と、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断ったり油圧昇降シリンダ16を作動させるべく油圧バルブユニットの油路を切り替えたりする植付昇降レバー37とを設けている。前記主クラッチレバー36は、入位置と切位置との2つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の主クラッチを操作して伝動状態と非伝動状態とに切り替える。
【0054】
前記植付昇降レバー37は、植付位置、下降位置、中立位置及び上昇位置の4つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の植付クラッチを操作して植付伝動軸15を駆動状態と非駆動状態とに切り替えると共に、油圧昇降シリンダ16を作動させて左右の車輪5を上下動させる。
【0055】
すなわち、植付昇降レバー37を植付位置に操作すると、植付クラッチを伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11を作動させると共に、機体の自重で左右の車輪5が接地荷重を受けることにより油圧昇降シリンダ16内の油圧を主伝動ケース3内に戻して左右の車輪5を上動させ、機体を下降させてフロート12が接地状態となる。前記下降位置に操作すると、上述のように機体を下降させた状態で、植付クラッチを非伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させる。前記中立位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ16への油路を遮断して油圧昇降シリンダ16の作動を固定し、左右の車輪5を任意の上下位置で固定して機体の昇降を停止させる。前記上昇位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ16内へ油圧を供給して左右の車輪5を下動させ、機体を上昇させてフロート12が非接地状態となる。
【0056】
また、センターフロート12aの上下動で該センターフロート12aの前部に連結されるロッドを介して油圧バルブユニットの油路を切り替える構成となっており、センターフロート12aの前部が上動すると油圧昇降シリンダ16内へ油圧を供給して左右の車輪5を下動させる構成となっている。
【0057】
従って、植付昇降レバー37が前記植付位置及び下降位置のとき、センターフロート12aが圃場面に接地して上下動することにより該センターフロート12aが所望の前後姿勢になるよう左右の車輪5が上下動し、機体が所定の対地高さとなるよう昇降制御される構成となっている。
【0058】
図4で具体構成について説明すると、油圧バルブユニット69内の油圧バルブは、ロータリー式のバルブであり、左右方向のスプール軸72を回動させることにより、油路を切り替える構成となっている。前記スプール軸72と一体で回動する油圧操作アーム73を油圧バルブユニット69の右側に設けており、該油圧操作アーム69を右回りに回動させるにつれて上昇状態、中立状態及び下降状態に油路が切り替わる。この油圧操作アーム73に植付昇降レバー37からの昇降操作ワイヤ74を連結しており、植付昇降レバー37を操作すると昇降操作ワイヤ74を介して油圧操作アーム73が回動操作される構成となっている。
【0059】
油圧操作アーム73の右側にはスプール軸回りに回動自在なフロート上下アーム75を設けており、該フロート上下動アーム75の後端部とセンターフロート12aの前部とをフロート上下動ロッド76で連結している。一方、油圧操作アーム73の前端部は、右側に屈曲してフロート上下動アーム75の前端部の下方に位置している。
【0060】
従って、油圧操作アーム73の回動位置に拘らず、センターフロート12aの前部が上動すると、フロート上下動ロッド76を介してフロート上下動アーム75が左回りに回動し、該フロート上下動アーム75の前端部が油圧操作アーム73の前端部を押し下げ、該油圧操作アーム73を左回りに回動させて上昇状態に切り替える構成となっている。
【0061】
また、植付昇降レバー37が植付位置又は下降位置のとき、センターフロート12aの前部が下動すると、フロート上下動ロッド76を介してフロート上下動アーム75が右回りに回動して該フロート上下動アーム75の前端部が上動するので、該フロート上下動アーム75の前端部に接触して押し下げられていた油圧操作アーム73の前端部も上動し、該油圧操作アーム73を右回りに回動させて下降状態に切り替える構成となっている。
【0062】
尚、油圧操作アーム73は、スプリング77により、右回り下降状態側に回動する方向に引っ張られている。また、油圧操作アーム73は、植付昇降レバー37を上昇位置に操作しているとき、昇降操作ワイヤ74に規制されているので、中立状態及び下降状態に回動できないようになっている。同様に、油圧操作アーム73は、植付昇降レバー37を中立位置に操作しているとき、昇降操作ワイヤ74に規制されているので、下降状態に回動できないようになっている。
【0063】
油圧操作アーム73の上端部には、自動復帰用ロッド78を連結している。尚、前記スプリング77の端部は、前記自動復帰用ロッド78に引っ掛けられている。自動復帰用ロッド78の他端は、シリンダロッド17と共に前後に移動するカラ一79に固着した移動体80を貫通して後方にまで延び、二重のナット81による引っ掛け部分を形成している。
【0064】
従って、油圧操作アーム73が上昇状態に回動してシリンダロッド17が後側に移動し、移動体80に前記二重のナット81が引っ掛かって自動復帰用ロッド78が後方に引かれると、油圧操作アーム73が強制的に中立状態に回動させられ、シリンダロッド17の移動が停止して機体の上昇作動が停止する構成となっている。つまり、シリンダロッド17が移動ストロ−クにおける後側の移動端まで移動すると、自動的に油路を中立状態に切り替え、油圧ポンプの駆動負荷が増大するのを防止している。
【0065】
尚、自動復帰用ロッド78は、通常の状態では中継リンク部材18の上方に位置している。よって、自動復帰用ロッド78により、シリンダロッド17の位置に対する油圧操作アーム73の作動タイミングが安定し、油圧操作アーム73の中立状態への自動復帰タイミングの作動精度が向上する。
【0066】
操縦ハンドル9及び苗載台11の前側には、主伝動ケース3内の変速部を操作するための変速レバー38と、エンジン2を始動するためのリコイルノブ39とを設けている。尚、機体の前端部にあるエンジン2とリコイルノブ39とは、リコイルロ−プ40により連結されている。また、変速レバー38は、中央ケース部7aの上蓋147に形成した突起部90の遊嵌孔を貫通して主伝動ケース3の変速アームにピンで連結している。
【0067】
操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aの下方には左右各々のサイドクラッチレバー41を設けており、該サイドクラッチレバー41により主伝動ケース3内の左右各々のサイドクラッチを操作する構成となっている。操縦ハンドル9の斜め前下側で後部フレ−ム8の左側には植付深さ調節レバー42を設けており、該植付深さ調節レバー42の操作により該レバー42と一体回動する左右方向の植付深さ調節軸53を回動し、植付深さ調節軸53と一体回動する各々の植付深さ調節アーム54を介して各フロート12の回動支点軸13の機体に対する上下位置を変更して、苗植付装置10による苗の植付深さを変更して調節できる構成となっている。
【0068】
操縦ハンドル9の斜め前下側で後部フレ−ム8の右側には苗取量調節レバー65を設けており、該苗取量調節レバー65の操作により苗受板27の苗植付装置10に対する上下位置を変更して、苗植付装置10による一株当たりの苗取り量を変更して調節できる構成となっている。
【0069】
エンジン2及び主伝動ケース3の上方には、ボンネットカバ−43を設けている。また、エンジン2の上方には、燃料タンク44を設けている。この燃料タンク44の給油栓171と排油栓図示省略は、前後中間位置に設けて、機体運搬時に倒立させても燃料が零れないようにしている。尚、図示を省略するが、主伝動ケース3の給油口と排油口も使用時と倒立時にオイルが漏れない位置に設けている。
【0070】
ボンネットカバ−43の後部の上方から植付伝動ケース7の前部の上方にわたる位置には、予備の苗を載せる予備苗載台45を設けている。この予備苗載台45は、棒材を組み合わせた枠体で構成され、前部フレ−ム6から上方に延びる予備苗載台支持フレ−ム46に支持されている。予備苗載台45の前後左右の四方には立ち上がり部47、48を設けており、該立ち上がり部47、48により搭載した苗が脱落しないようにしている。予備苗載台45は、長手方向約60cm、短手方向約30cmのマット苗を4枚載置できるように、前後幅が約60cmで左右幅が約120crnの広さになっている。
【0071】
従って、予備苗載台45は、長手方向を前後方向に向けたマット苗を左右に4枚配列して載置できる。また、苗運搬を容易にするためにマット苗を巻いた巻苗の状態で苗を取り扱うことがあるが、この巻苗を予備苗載台45に載置することもできる。このとき、前方の立ち上がり部47が他の三方右方、左方、後方の立ち上がり部48より高く設定されており、予備苗載台45に載置した巻苗が転びながら前方に飛び出して脱落しにくいようにしている。
【0072】
前記予備苗載台支持フレ−ム46は、ボンネットカバ−43と植付伝動ケース7植付部との間に配置されている。前部フレ−ム6で予備苗載台支持フレ−ム46を固定する固定部材49には、ボンネットカバ−43の後部を支持するべく斜め前上方に延びるボンネットカバ−支持部材50を固着している。
【0073】
機体の前部には、機体の前方の障害物からエンジン2、主伝動ケース3及びボンネットカバ−43等を防護する防護フレ−ム51を設けている。この防護フレ−ム51は、主伝動ケース3の左右側面から左右外側に延びる左右各々の取付部51aと、この左右の取付部51aを連結する機体外縁となる防護部51bとを備えている。該防護部51bは、左右中央部分が左右に真直に延びる水平状で最も前側に位置し、左右外側部分が左右外側へいくにつれて後側に位置する構成となっている。
【0074】
また、防護部51bは、左右中央部分が最も上側に位置し、左右外側部分が左右外側へいくにつれて下側に偏位する構成となっている。防護部51bの左右端部には長孔を介してサイドフロート12bの前端を連結し、サイドフロート12bの上下回動範囲を規制している。これにより、サイドフロート12bの支持部材を防護フレ−ム51で兼用することができ、機体の軽量化及びコストダウンが図れる。同様に、センターフロート12aは、その前端が長孔を介して主伝動ケース3に連結され、上下回動範囲が規制されている。
【0075】
機体をトラックの荷台に積み込んで固定するときには、前記防護部51bの左右中央部分の左右両端に各々ロ−プを掛けると共に、後部フレ−ム8の上部に固着したフック52にロ−プを掛け、機体の3箇所を固定して荷台にしっかりと固定するようになっている。
【0076】
以上により、この歩行型田植機1において、作業者が操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aを把持し、植付昇降レバー37を植付位置に操作して機体を下降させると共に植付部を作動可能な状態にし、主クラッチレバー36を入位置に操作して機体を走行させながら植付部を作動させることにより、圃場に同時に4条分の苗を植え付けていく。圃場の畦際に到達すると、植付昇降レバー37を上昇位置に操作して植付部の作動を停止させると共に機体を上昇させ、走行伝動ケース4を下方へ回動してフロート12を圃場から浮かせた状態にして旋回内側のサイドクラッチレバー41を操作して旋回内側の車輪5のサイドクラッチを断ち、機体を旋回させる。
【0077】
この機体旋回時、植付昇降レバー37の上昇位置への操作で機体が上昇作動するが、所望の高さに機体が上昇したときに植付昇降レバー37を中立位置へ操作すれば、その高さで機体を固定することができ、作業者が機体の旋回操作を容易に行える。以下、同様に植付昇降レバー37を植付位置に操作して次行程の植付作業を行い、圃場に苗の植付を行っていく。尚、路上走行時等は、機体を上昇させ、変速レバー38を適宜操作して走行させる。
【0078】
また、この歩行型田植機1は、機体の前部に配置した主伝動ケース3と、該主伝動ケース3の左右に配置した走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4からの動力で駆動する左右各々の車輪5と、主伝動ケース3からの動力が伝達される植付伝動ケース7と、該植付伝動ケース7からの動力で駆動し苗取口28上の苗を取つて圃場に植え付ける苗植付装置10と、前記苗取口28に一株分ずつ苗を供給する苗載台11とを設けている。
【0079】
従って、この歩行型の苗移植機は、主伝動ケース3からの動力が走行伝動ケース4を介して左右の車輪5へ伝達され、該左右の車輪5で走行する。また、主伝動ケース3からの動力が植付伝動ケース7を介して苗植付装置10へ伝達され、該苗植付装置10で圃場に苗を植え付けていく。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明実施例の歩行型田植機を示す側面図。
【図2】本発明実施例の歩行型田植機を示す平面図。
【図3】植付伝動ケースの取付部を示す拡大側面図。
【図4】油圧昇降シリンダの取付部を示す拡大側面図。
【図5】一部を断面にした中継リンク部材の拡大平面図。
【図6】中継リンク部材の一部拡大側断面図。
【図7】走行伝動ケースの回動基部を示す拡大側面図。
【図8】別実施例による走行伝動ケースの回動基部を示す拡大側面図。
【図9】別実施例による走行伝動ケースの回動基部を示す拡大平面図。
【図10】植付伝動ケースの平断面図。
【図11】植付伝動ケースの中央ケース部の上蓋を除いた平面図。
【図12】主伝動ケースの一部拡大平断面図。
【図13】中央ケース部の一部拡大側面図。
【図14】中央ケース部の一部拡大側面図。
【図15】中央ケース部の一部拡大正断面図。
【図16】中央ケース部の一部拡大正断面図。
【図17】植付伝動ケースの拡大側面図。
【図18】揺動クランクの側断面図
【符号の説明】
【0081】
3 主伝動ケース
4 走行伝動ケース
5 車輪
6 油圧昇降シリンダ
17 シリンダロッド
17a 切欠き溝
17b 底面
18 中継リンク部材
18b 連結部
18d 前面
18b―4 孔
22 圧縮ばね
25 固定具
165 規制具
166 接触部材
167 規制具
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型の苗移植機で機体を水平に維持する水平保持機構の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行型の苗移植機は、例えば、特開2001−258311号公報に記載されている。この歩行型苗移植機では、機体の前側に配置するミッションケースから後方へ向けて先端の車軸に車輪を装着する走行チェンケースを左右に設け、油圧昇降シリンダで前後に移動するリンク板の左右と前記走行チェンケースを連結杆で連結し、左右の連結杆の一方にローリング油圧シリンダを設けて、油圧昇降シリンダを伸縮するとリンク板が前後に移動しそれに伴って連結杆で連結した走行チェンケースが回動して車輪を上下して機体を昇降し、連結杆に設けるローリング油圧シリンダを伸縮することで、左右の車輪の上下位置を変更して機体の左右水平を保持するようになっている。この歩行型の苗移植機は、油圧昇降シリンダとローリング油圧シリンダを用いているために、油圧シリンダだけでなくその制御バルブも複数必要になって、製造コストが高いものであった。
【特許文献1】特開2001−258311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、苗移植機としての機能を低下させることなく、使用する油圧機器の数を減らすことによって製造コストを低減することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決するべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、左右の車輪5と、該車輪5を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4と一体で回動する左右各々のアーム21と、油圧昇降シリンダ6のシリンダロッド17の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18と、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20とを設け、シリンダロッド17が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪5が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド17に中継リンク部材18の左右中央部が入り込む切り欠き溝17aを設け、該切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部が中継リンク部材18の前面18dに接触して前記底面17bの後方移動に追従して中継リンク部材18が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド20を中継リンク部材18の左右両端の連結部18bにおいて貫通させ、連結ロッド20が貫通する前記連結部18bに設けた孔18b―4の孔径を連結ロッド20の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド20の後端部に設けた固定具25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設け、中継リンク部材18の後方への移動で後側へ回動する左右走行伝動ケース4のアーム21に接触し、圧縮ばね22に抗して該アーム21の後側への回動を規制する規制具165を設けた歩行型の苗移植機とした。
【0005】
この構成で、油圧昇降シリンダ6が伸縮すると中継リンク部材18が前後し、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20で走行伝動ケース4が回動して車輪5を上下に移動して機体を昇降させる。また、左右走行伝動ケース4のアーム21に接触して圧縮ばね22に抗して該アーム21の後側への回動を規制する規制具165で機体を最上昇させた位置で機体の左右傾斜を固定する。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、左右の車輪5と、該車輪5を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4と一体で回動する左右各々のアーム21と、油圧昇降シリンダ6のシリンダロッド17の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18と、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20とを設け、シリンダロッド17が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪5が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド17に中継リンク部材18の左右中央部が入り込む切り欠き溝17aを設け、該切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部が中継リンク部材18の前面18dに接触して前記底面17bの後方移動に追従して中継リンク部材18が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド20を中継リンク部材18の左右両端の連結部18bにおいて貫通させ、連結ロッド20が貫通する前記連結部18bに設けた孔18b―4の孔径を連結ロッド20の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド20の後端部に設けた固定具25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設け、中継リンク部材18の後方への移動で後側へ移動する左右走行伝動ケース4に連結する連結ロッド20に固着した接触部材166に接触し、圧縮ばね22に抗して該連結ロッド20の後側への回動を規制する規制具167を設けた歩行型の苗移植機とした。
【0007】
この構成で、油圧昇降シリンダ6が伸縮すると中継リンク部材18が前後し、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20で走行伝動ケース4が回動して車輪5を上下に移動して機体を昇降させる。また、左右走行伝動ケース4に連結する連結ロッド20に固着した接触部材166に接触して圧縮ばね22に抗して該連結ロッド20の後側への回動を規制する規制具167で機体を最上昇させた位置で機体の左右傾斜を固定する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、左右の車輪5の接地荷重に応じて滑らかに車輪5を上下動させることができ、車体が不安定になるようなことを防止できると共に、圧縮ばね22により中継リンク部材18の前面18dをシリンダロッド17の切り欠き溝17aの底面17bに安定して接触させることができ、車輪5の上下動を適正に行え、更に従来のようなシリンダロッドと中継リンク部材との間の圧縮ばねが不要になって車輪5の上下動機構の小型化が図れる。また、機体の左右傾斜で左右の車輪5で接地荷重が相違するとき、中継リンク部材18が前後に回動して左右の連結ロッド20が互いに前後反対側に移動し、左右水平姿勢となるよう車体の左右傾斜姿勢が修正され、ローリング油圧シリンダのような格別の駆動装置が不要になり、機体の小型化ひいてはコストダウンが図れる。
【0009】
また、左右の車輪5の接地荷重に応じて車体の左右傾斜姿勢が修正されるので、車体の左右傾斜姿勢を適正に修正できる。このとき、中継リンク部材18が切り欠き溝17aに案内されて適正な方向で前後に回動し、車体の左右傾斜姿勢の修正を適正に行える。更に、左右車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、左右の車輪5が相対的に上下動しないので、左右の車輪5が個別に無闇に上下動することによりかえって車体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止できる。
【0010】
さらに、機体を上昇させたときには、圧縮ばね22を利用して左右の車輪5の高さが相違するのを規制するので、機体の左右傾斜姿勢が固定されて安定する。この左右傾斜姿勢の固定が、左右走行伝動ケース4のアーム21に接触し、圧縮ばね22に抗して該アーム21の後側への回動を規制する規制具165を設けた構成で行え、コストダウンが図れる。
【0011】
請求項2に記載の発明によると、請求項1の効果に加えて、走行伝動ケース4に対するアーム21の位置が相違する場合でも、左右走行伝動ケース4に連結する連結ロッド20に固着した接触部材166に接触し圧縮ばね22に抗して該連結ロッド20の後側への回動を規制する規制具167を設けた構成で、機体の最上昇付近の適正な昇降位置で左右傾斜姿勢の固定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。
図1及び図2は、歩行型田植機1の全体側面図及び平面図である。この歩行型田植機1は、機体の前端部に設けたエンジン2と、該エンジン2の後側に設けた主伝動ケース3と、該主伝動ケース3の左右に各々設けた走行支持部材となる走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4からの動力で駆動する左右の車輪5と、主伝動ケース3の後側面から後方に延びる前部フレ−ム6と、前部フレ−ム6の後端に固着され湾曲して斜め後上方に延びる後部フレ−ム8と、後部フレ−ム8の前端部の上面に載置される植付伝動ケース7と、前記後部フレ−ム8の後端に取り付けた操縦ハンドル9とを備えている。前記植付伝動ケース7の下部には4個の苗植付装置10を取り付け、後部フレ−ム8の前側には該フレ−ム8に左右移動可能に支持される苗載台11を設けている。
【0013】
従って、前記エンジン2、主伝動ケース3、前部フレ−ム6と後部フレーム8、走行伝動ケース4及び車輪5等により走行車体部が構成され、植付伝動ケース7、苗植付装置10及び苗載台11等により植付部が構成されている。
【0014】
前記4個の苗植付装置10が苗載台11から苗取口28へ供給される苗をそれぞれ一株分づつ掻き取って、走行しながら圃場に同時に4条分の苗を植え付ける4条植えの構成となっている。
【0015】
図3は、前部フレ−ム6と後部フレ−ム8の連結部を示す拡大側面図で、前部フレ−ム6の後端に設けた前部フレ−ム側フランジ60と後部フレ−ム8の前端に設けた後部フレ−ム側フランジ61とが接触し、両フランジ60,61が固定用のボルト62及びナット63で互いに固着されて前部フレ−ム6と後部フレ−ム8とが結合して固定された構成となっている。
【0016】
前部フレ−ム側フランジ60と前部フレ−ム6の基部との間には左右2箇所に前部フレ−ム側リブ64が固着されており、前部フレ−ム側フランジ60の強度向上を図っている。また、後部フレ−ム側フランジ61と後部フレ−ム8の基部の上面との間には左右2箇所に後部フレ−ム側の第一のリブ65が固着されており、後部フレ−ム側フランジ61の強度向上を図っている。また、後部フレ−ム8上には、前記第一のリブ65より後側に位置する第二のリブ66を左右2箇所に設けている。
【0017】
尚、前部フレ−ム側フランジ60の上端より後部フレ−ム側フランジ61の上端が上側に突出しており、この突出した部分と植付伝動ケース7の後述する中央ケース部7aの前面との間に固定ボルト67を左右に2本設け、植付伝動ケース7が移動しないように固定された構成となっている。
【0018】
前記植付伝動ケース7は、左右中央に位置する中央ケース部7aと、左右両側に位置する外側ケース部7bとを備えている。中央ケース部7aには後述する左右移動軸29や中央2条の苗植付装置10へ伝動する伝動機構を備え、外側ケース部7bには左右各々の外側1条の苗植付装置10へ伝動する伝動機構を備えており、植付伝動軸15からの動力は中央ケース部7aでベベルギヤ95,96で横植付伝動軸97に入力され、該横植付伝動軸97が中央ケース部7aから筒ケース178を通って外側ケース部7b内に伝動する構成となっている。
【0019】
中央ケース部7aの底面には後部フレ−ム8の上面に戴置する凹部68を備え、該凹部68を後部フレ−ム8上に載せて植付伝動ケース7を載置する構成となっている。そして、後部フレ−ム8の前記第一のリブ65の後面が中央ケース部7aの底部の前面に接触し、前記第二のリブ66の前面が中央ケース部7aの底部の後面に接触し、植付伝動ケース7をしっかりと保持している。
【0020】
また、機体の下部には圃場面に接触する3個の接地体となるフロート12を設けており、機体の走行により該フロート12が圃場面を滑走して整地する。フロート12のうち、機体の左右中央のセンターフロート12aは左右内側の2条の苗植付装置10の植付位置を整地し、機体の左右両外側のサイドフロート12bは左右外側の各々1条の苗植付装置10の植付位置を整地する。センターフロート12aは、前端がサイドフロート12bの前端より前側に位置し、サイドフロート12bより前後長が長く、サイドフロート12bより左右幅が広く、サイドフロート12bより接地面積が広い。尚、センターフロート12a及びサイドフロート12bは、側面視で後部フレ−ム8の同じ位置に配置された各々の左右方向の回動支点軸13回りに上下に回動自在に支持され、前部が圃場面の凹凸に追従して上下動する構成となっている。
【0021】
エンジン2の出力軸は主伝動ケース3内に突入しており、エンジン2からの動力が主伝動ケース3内に伝達される。主伝動ケース3内には、車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への全ての伝動を断つことが出来る主クラッチと、該主クラッチからの動力を車輪5への伝動経路と苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路とに分岐する動力分岐部と、前記苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路上において該苗植付装置10及び苗載台、11への伝動を断つことができる植付クラッチと、前記車輪5への伝動経路上において噛み合うギヤの切替により路上走行用の前進高速状態、植付作業用の前進低速状態、ギヤが噛み合わずに非伝動となる中立状態及び後進状態の4状態に切り替えて変速できる変速部と、該変速部の伝動下手側で左右の車輪5への伝動を非伝動状態に切り替えできる左右各々のサイドクラッチとを設けている。従って、前記変速部及びサイドクラッチを介して主伝動ケース3から左右に突出する左右各々の走行用伝動軸に伝動される。
【0022】
該走行用伝動軸が走行伝動ケース4内に突入しており、走行伝動ケース4内でスプロケット及びチェ−ンにより該走行伝動ケース4から左右外側に突出する車軸14に伝動し、車輪5が駆動回転する。走行伝動ケース4は、前端部に位置する前記走行用伝動軸周りに上下に回動可能に設けられ、後端部に位置する車軸14を上下に移動させて車輪5を上下動させる。また、植付クラッチの伝動により、主伝動ケース3から後側に延びる植付伝動軸15を介して植付伝動ケース7内へ伝動される。
【0023】
図12は、主伝動ケース3内の植付駆動軸98から植付伝動軸15への伝動部の断面図で、主伝動ケース3内で軸受103,104で軸支された植付駆動軸98は株間変更クラッチ105で三段階に変速されて回転し、ケース内の軸受104の部分で延長植付駆動軸99をスプライン嵌合106で連結し、この延長植付駆動軸99に小径ベベルギヤ101をスプライン嵌合107している。延長植付駆動軸99のケース壁側はケースに設ける開口部102に取付けた盲蓋108に取付けた軸受109で支持している。
【0024】
さらに、延長植付駆動軸99に直交して後方へ向けて植付伝動軸15を軸受110とオイルシ−ル111でケースに支持し、その軸端に前記小径ベベルギヤ101と噛み合わせて大径ベベルギヤ100をスプライン嵌合112している。
【0025】
前記のケースに設ける開口部102は大径ベベルギヤ100の外径よりも大きく、盲蓋108を外すと、延長植付駆動軸99と小径ベベルギヤ101を一緒に抜き出し、大径ベベルギヤ100も植付伝動軸15の軸端から抜き出せるようになる。
【0026】
ベベルギヤ100,101の組み合わせは別の減速比のベベルギヤに変更可能で、この部分で二段階に変速すると、前記株間変更クラッチ105での三段階変速と合わせて六段階に植付株間を変更出来るようになる。なお、小径ベベルギヤ101のスプライン嵌合107部と大径ベベルギヤ100のスプライン嵌合112部を同一にすることで、小径ベベルギヤ101と大径ベベルギヤ100を振り替えて取り付けることで変速比を変えることも出来る。この場合は、変速用ベベルギアを別に用意する必要がない。
【0027】
苗植付装置10及び苗載台11は、植付伝動ケース7からの動力で作動する。苗載台11は、植付伝動ケース7の左右に突出して左右移動する左右移動軸29の左右両端から左右各々の連結部材30を介して支持され、苗受板27に沿って左右往復移動し、苗受板27に設けた各条の苗取口28に一株分ずつ苗を供給する。尚、苗載台11の上部には左右移動用レ−ル34を固着して設けており、該左右移動用レ−ル34が後部フレ−ム8の上部から支持される支持ロ−ラ33に案内されて左右移動可能に支持されている。従って、苗載台11は、下部で苗受板27に左右移動可能に支持され、上部で支持ロ−ラ33に左右移動可能に支持され、植付伝動ケース7からの動力で左右移動軸29を介して左右に往復移動する構成となっている。また、苗載台11には、左右移動端で苗取口28側下側に苗を移送する各条の苗送りベルト35を備えている。この苗送りベルト35は、植付伝動ケース7からの動力で作動し、苗載台11の左右移動端でマット苗を一株分移送して苗を苗取口28へ供給する。
【0028】
苗植付装置10の駆動構成を図10から図16で詳しく説明する。
植付伝動ケース7の中央ケース部7aは、前記の如く、凹部68を後部フレーム8に乗せて固定しているが、中央ケース部7aに枢支した中央植付駆動軸117に固着するスプロケット123を凹部68から外した位置に配置して、中央植付駆動軸117を後部フレーム8に接近できるようにしている。前記植付伝動軸15の中央ケース部7a側はカップリング131と安全クラッチ132を介してベベルギヤ95に動力を伝動し、このベベルギヤ95を中央ケース部7aの左右中央にクラッチ113を介して取り付けたベベルギヤ96と噛み合わせて回転を横植付伝動軸97に伝動している。
【0029】
横植付伝動軸97には左右中央の一対の苗植付装置10,10に伝動するスプロケット114と左右端部でそれぞれ外側の苗植付装置10に伝動するスプロケット115,116を固着している。中央のスプロケット114は中央ケース部7aに枢支した中央植付駆動軸117に固着のスプロケット123にチェン122で伝動し、左右端部に固着したスプロケット115,116は、外側ケース部7b,7bに枢支した外植付駆動軸118,119に固着したスプロケット121,125にチェン120,124で伝動している。
【0030】
尚、外側ケース部7b内のチェン120,124は、図17に示す如く、チェンガイド172でテンションを付与しているが、このチェンガイド172は下側をケースに固定することで、外側ケース部7bの上部と苗載台11の間隔を広げている。また、外側ケース部7bを前後対称形として同一形状のケースを左右両側で使えるようにしている。外側ケース部7bの下側前後に設ける取付部の後側を後部フレーム8に設ける支持部材に取り付け、前側の取付部を前部フレ−ム6と連結しサイドフロート12bと連結している。
【0031】
図18は、植付アーム126,127,128,129に取り付ける揺動クランク173で、軸174,175を軸受176,177で回転可能に支持し、軸174,175の突出角軸部を植付アーム126,127,128,129等に取り付けている。
【0032】
中央植付駆動軸117と外植付駆動軸118,119が回転することによって、それぞれ植付アーム126,127,128,129がクランク状に動いて、苗植付爪31が苗取口28上の苗を掻き取り、掻き取った苗を押出具32が圃場面に向かって押し出して圃場に苗を植え付ける。
【0033】
図13と図14は、植付伝動軸15の中央ケース部7aへの取付部を示し、中央ケース部7aの底部にベベルギヤ95を半割メタル130で固定した軸受133で回転可能に支持し、このベベルギヤ95に安全クラッチ132の軸138を嵌合して固定している。安全クラッチ132は、カップリング131で植付伝動軸15に連結し、中央ケース部7aをオイルシール134で気密に保持している。また、安全クラッチ132と平行して、ベベルギヤ96の回転を横植付伝動軸97に伝動する植付クラッチ139を作動させる植付クラッチピン135を前記半割メタル130で中央ケース部7aに取付けている。植付クラッチピン135を作動するワイヤ136をワイヤ受137と押え板140で中央ケース部7aに取付けている。
【0034】
図11は、中央ケース部7aの上蓋147を開いた状態を示し、前側から苗送り軸141、リ−ドカム軸142、左右移動軸29を横架している。リ−ドカム軸142に固着のギヤ145に前記横植付伝動軸97のギヤ146が噛み合って動力を伝動し、リ−ドカム軸142のカムに係合するリードカム143を左右移動軸29に固着して左右移動軸29を左右往復移動し、左右移動軸29に固着するアーム144が右端に移動したタイミングで苗送り軸141が回転する。リ−ドカム軸142は、左右両端を中央ケース部7aに設ける軸受162,163で支持しているが、一方の軸受162を加工したU溝に嵌合し、他方の軸受163を鋳ばなしのU溝に勘合している。
【0035】
図15は、苗送り軸141の中央ケース部7aへの取付け状態を示している。苗送り軸141に鍔付きブッシュ148,149を外嵌し、この鍔付きブッシュ148,149を中央ケース部7aと上蓋147で挟み込んでいるが、一方の鍔付きブッシュ148は鍔部153を中央ケース部7aと上蓋147に形成した溝部154,155で挟み込んで横移動しないようにし、他方の鍔付きブッシュ149は鍔部156に苗送り従動カム151との間に設けるばね152を当接している。150はオイルシ−ルである。
【0036】
図16は、左右移動軸29の中央ケース部7aへの取付け状態を示している。左右移動軸29に鍔付きブッシュ157を外嵌し、この鍔付きブッシュ157を中央ケース部7aと上蓋147で挟み込んで、鍔付きブッシュ157の鍔部158を中央ケース部7aと上蓋147に形成した溝部159,160で挟み込んで横移動しないようにしている。161はオイルシ−ルである。
【0037】
なお、まず左右移動軸29とリードカム軸142を中央ケース部7aの加工したU溝に嵌合しその後苗送り軸141を鋳ばなしのU溝に嵌合して組み立てている。
図4において、主伝動ケース3の左側の側部には油圧ポンプを固着し、主伝動ケース3の後部には油圧バルブユニット69を固着し、該油圧バルブユニット69の後側に単動式の油圧昇降シリンダ16を固着している。この油圧昇降シリンダ16は、前後方向に移動する移動部材となるシリンダロッド17を後部に備え、前部フレ−ム6の上方に配置される。油圧バルブユニット69の切替操作により油圧ポンプからの油圧を油圧昇降シリンダ16へ供給すると、シリンダロッド17が後方へ移動する。また、油圧昇降シリンダ16内の油圧を油圧タンクとなる主伝動ケース3内へ戻す状態に切り替えると、機体の自重によりシリンダロッド17が前方へ移動する。
【0038】
図5,6において、シリンダロッド17の後端部には後側から切り欠いた左右方向に連通する切り欠き溝17aを備え、該切り欠き溝17aに左右に延びる中継部材となる中継リンク部材18の左右中央部が嵌まるように挿入されている。中継リンク部材18は、プレート状の基部18aと左右両端で前記基部18aから上方に立ち上がる連結部18bとを備え、左右対称な形状となっている。
【0039】
シリンダロッド17の後側の端部には切り欠き溝17aを上下に貫通する連結軸19を設け、該連結軸19が中継リンク部材18の左右中央部に設けた第一の孔18cを貫通してシリンダロッド17と中継リンク部材18とが連結されている。尚、中継リンク部材18の左右中央部の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとは、互いに接触する平面となっている。また、第一の孔18cは、連結軸19の軸径よりも大きい孔径に設定され、前後に長い長孔状に形成されている。
【0040】
中継リンク部材18の連結部18bは、前側部分18b−1と後側部分18b−2とを備え、更に前側部分18b−1と後側部分18b−2とを機体の左右方向外側の端部で繋ぐ接続部分18b−3を備える。前側部分18b−1及び後側部分18b−2は前後に貫通する第二の孔18b−4を備え、該孔18b−4に連結ロッド20の後部が貫通している。従って、中継リンク部材18の左右の連結部18bに左右各々の連結ロッド20が貫通している。
【0041】
連結ロッド20の前端は走行伝動ケース4の上側に固着された左右各々のアーム21に連結されている。連結ロッド20の後端の外周には圧縮ばね22を設け、該圧縮ばね22の前側に設けた前側ばね受け板23が連結部18bの後側部分18b−2の後面に接触し、圧縮ばね22の後側に設けた後側ばね受け板24が連結ロッド20に移動しないように締め付けられた固定具となるよう二重にナットを締付けたダブルナット25の前面に接触している。
【0042】
従って、車輪5の接地荷重を、走行伝動ケース4、アーム21、連結ロッド20及び圧縮ばね22等を介して中継リンク部材18が受けている。連結ロッド20の中途部には板状の規制具26を固着しており、該規制具26が連結部18bの前側部分18b−1の前側に位置している。従って、車輪5の接地荷重が極めて小さいとき、圧縮ばね22のばね力により規制具26が連結部18bの前側部分18b−1の前面に接触し、車輪5が所定以下に降下しないように規制している。尚、前側ばね受け板23と連結部18bの後側部分18b−2との互いの接触面及び規制具26と連結部18bの前側部分18b−1との互いの接触面は、平面になっている。また、第二の孔18b−4は、連結ロッド20の軸径よりも大きい孔径に設定されている。
【0043】
従って、油圧ポンプからの油圧を油圧昇降シリンダ16内へ供給するべく油圧バルブユニット69を切り替えると、シリンダロッド17が後方へ移動し、切り欠き溝17aの底面17bで中継リンク部材18の左右中央部の前面18dが後側に押されて中継リンク部材18が後側へ移動し、該中継リンク部材18の左右の連結部18bの後側部分18b−2が圧縮ばね22を介して左右の連結ロッド20を後側に引き、左右のアーム21を後側に回動させることにより左右の走行伝動ケース4が下側に回動し、左右の車輪5が下動して圃場に対して機体が上昇する。
【0044】
逆に、油圧昇降シリンダ16内の油圧を主伝動ケース3内へ戻すべく油圧バルブユニット69を切り替えると、左右の車輪5の接地荷重により左右のアーム21、左右の連結ロッド20及び中継リンク部材18等を介してシリンダロッド17が前方へ戻され、左右の車輪5が上動して圃場に対して機体が下降する。
【0045】
また、機体の左右傾斜により接地荷重が左右の車輪5で所定以上相違すると、切り欠き溝17aの底面17bの左右一方の端を支点に中継リンク部材18が前後に回動して左右の連結部18bが互いに前後反対側に移動し、接地荷重が大きい側の車輪5が下動し反対側の車輪5が上動し、左右水平姿勢となるよう機体の左右傾斜姿勢が修正される。このとき、連結軸19により、中継リンク部材18がシリンダロッド17の切り欠き溝17aから脱落するようなことを防止している。
【0046】
左右の連結ロッド20ひいては左右の連結部18bの間の左右中央位置に対して切り欠き溝17aの底面17bの左右端は左右に偏位しているので、左右の車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、中継リンク部材18が前後に回動せずに中継リンク部材18の接触面となる前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとが接触した状態が維持され、左右の車輪5が相対的に上下動せず、左右の車輪5が個別に無闇に上下動することによりかえって機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。
【0047】
また、切り欠き溝17aの底面17bの左右端が左右に偏位しているので、中継リンク部材18が前後に回動しても、圧縮ばね22や車輪5からの荷重により中継リンク部材18が中継リンク部材18の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとが接触する基準の回動位置に戻りやすく、機体の姿勢を安定させることができる。
【0048】
更に、接触面となる切り欠き溝17aの底面17b、中継リンク部材18の左右中央部の前面18d、前側ばね受け板23の前面、連結部18bの後側部分18b−2の後面、規制具26の後面及び連結部18bの前側部分18b−1の前面は平面となっているので、中継リンク部材18が回動して中継リンク部材18の左右中央部の前面18d、連結部18bの後側部分18b−2の後面及び連結部18bの前側部分18b−1の前面の角度が変化しようとするのを圧縮ばね22の付勢力により抑えることができ、機体の左右傾斜が圃場の左右傾斜に近づくように促し、機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。
【0049】
また、連結ロッド20の規制具26により、前進側に回転する車輪5の駆動反力で該車輪5が下動して機体の対地高さや左右傾斜姿勢が不適正になるのを防止している。
尚、二重ナット25を弛めて連結ロッド20における二重ナット25の位置を調節することにより、機体の左右傾斜姿勢を調節することができる。この調節は、左右一方の二重ナット25の位置を調節しても、左右両方の二重ナット25の位置を調節しても良い。この二重ナット25からなる調節部分は機体平面視でボンネットカバ−43の外側に位置しているので、作業者はボンネットカバ−43が邪魔にならずに上側から二重ナット25の位置調節を容易に行える。
【0050】
図7は、走行伝動ケース4の回動基部を示し、主伝動ケース3から伸ばした取付杆168に横架した棒状の規制具165を左右のアーム21,21にわたってその回動範囲に設けて、左右のアーム21に当接して車輪5が下がり過ぎるのを規制している。
【0051】
なお、車輪5が下がり過ぎるのを規制する構成としては、図8,9に示す如く、連結ロッド20,20の下側に当接部材166を突設し、この当接部材166に当たってアーム21,21の後方へ回動するのを阻止する棒状の規制具167を主伝動ケース3から伸ばした取付杆169に設ける構成でも良い。
【0052】
規制具165や規制具167は、片側の車輪5が下がり過ぎて機体が左右へ極端に傾くのを防ぎ、旋回の際に左右の車輪5を均等に押し下げてフロート12を地面から浮かせた状態にする。
【0053】
操縦ハンドル9の前側で且つ苗載台11の後側には、車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断つことができる主クラッチレバー36と、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断ったり油圧昇降シリンダ16を作動させるべく油圧バルブユニットの油路を切り替えたりする植付昇降レバー37とを設けている。前記主クラッチレバー36は、入位置と切位置との2つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の主クラッチを操作して伝動状態と非伝動状態とに切り替える。
【0054】
前記植付昇降レバー37は、植付位置、下降位置、中立位置及び上昇位置の4つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の植付クラッチを操作して植付伝動軸15を駆動状態と非駆動状態とに切り替えると共に、油圧昇降シリンダ16を作動させて左右の車輪5を上下動させる。
【0055】
すなわち、植付昇降レバー37を植付位置に操作すると、植付クラッチを伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11を作動させると共に、機体の自重で左右の車輪5が接地荷重を受けることにより油圧昇降シリンダ16内の油圧を主伝動ケース3内に戻して左右の車輪5を上動させ、機体を下降させてフロート12が接地状態となる。前記下降位置に操作すると、上述のように機体を下降させた状態で、植付クラッチを非伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させる。前記中立位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ16への油路を遮断して油圧昇降シリンダ16の作動を固定し、左右の車輪5を任意の上下位置で固定して機体の昇降を停止させる。前記上昇位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ16内へ油圧を供給して左右の車輪5を下動させ、機体を上昇させてフロート12が非接地状態となる。
【0056】
また、センターフロート12aの上下動で該センターフロート12aの前部に連結されるロッドを介して油圧バルブユニットの油路を切り替える構成となっており、センターフロート12aの前部が上動すると油圧昇降シリンダ16内へ油圧を供給して左右の車輪5を下動させる構成となっている。
【0057】
従って、植付昇降レバー37が前記植付位置及び下降位置のとき、センターフロート12aが圃場面に接地して上下動することにより該センターフロート12aが所望の前後姿勢になるよう左右の車輪5が上下動し、機体が所定の対地高さとなるよう昇降制御される構成となっている。
【0058】
図4で具体構成について説明すると、油圧バルブユニット69内の油圧バルブは、ロータリー式のバルブであり、左右方向のスプール軸72を回動させることにより、油路を切り替える構成となっている。前記スプール軸72と一体で回動する油圧操作アーム73を油圧バルブユニット69の右側に設けており、該油圧操作アーム69を右回りに回動させるにつれて上昇状態、中立状態及び下降状態に油路が切り替わる。この油圧操作アーム73に植付昇降レバー37からの昇降操作ワイヤ74を連結しており、植付昇降レバー37を操作すると昇降操作ワイヤ74を介して油圧操作アーム73が回動操作される構成となっている。
【0059】
油圧操作アーム73の右側にはスプール軸回りに回動自在なフロート上下アーム75を設けており、該フロート上下動アーム75の後端部とセンターフロート12aの前部とをフロート上下動ロッド76で連結している。一方、油圧操作アーム73の前端部は、右側に屈曲してフロート上下動アーム75の前端部の下方に位置している。
【0060】
従って、油圧操作アーム73の回動位置に拘らず、センターフロート12aの前部が上動すると、フロート上下動ロッド76を介してフロート上下動アーム75が左回りに回動し、該フロート上下動アーム75の前端部が油圧操作アーム73の前端部を押し下げ、該油圧操作アーム73を左回りに回動させて上昇状態に切り替える構成となっている。
【0061】
また、植付昇降レバー37が植付位置又は下降位置のとき、センターフロート12aの前部が下動すると、フロート上下動ロッド76を介してフロート上下動アーム75が右回りに回動して該フロート上下動アーム75の前端部が上動するので、該フロート上下動アーム75の前端部に接触して押し下げられていた油圧操作アーム73の前端部も上動し、該油圧操作アーム73を右回りに回動させて下降状態に切り替える構成となっている。
【0062】
尚、油圧操作アーム73は、スプリング77により、右回り下降状態側に回動する方向に引っ張られている。また、油圧操作アーム73は、植付昇降レバー37を上昇位置に操作しているとき、昇降操作ワイヤ74に規制されているので、中立状態及び下降状態に回動できないようになっている。同様に、油圧操作アーム73は、植付昇降レバー37を中立位置に操作しているとき、昇降操作ワイヤ74に規制されているので、下降状態に回動できないようになっている。
【0063】
油圧操作アーム73の上端部には、自動復帰用ロッド78を連結している。尚、前記スプリング77の端部は、前記自動復帰用ロッド78に引っ掛けられている。自動復帰用ロッド78の他端は、シリンダロッド17と共に前後に移動するカラ一79に固着した移動体80を貫通して後方にまで延び、二重のナット81による引っ掛け部分を形成している。
【0064】
従って、油圧操作アーム73が上昇状態に回動してシリンダロッド17が後側に移動し、移動体80に前記二重のナット81が引っ掛かって自動復帰用ロッド78が後方に引かれると、油圧操作アーム73が強制的に中立状態に回動させられ、シリンダロッド17の移動が停止して機体の上昇作動が停止する構成となっている。つまり、シリンダロッド17が移動ストロ−クにおける後側の移動端まで移動すると、自動的に油路を中立状態に切り替え、油圧ポンプの駆動負荷が増大するのを防止している。
【0065】
尚、自動復帰用ロッド78は、通常の状態では中継リンク部材18の上方に位置している。よって、自動復帰用ロッド78により、シリンダロッド17の位置に対する油圧操作アーム73の作動タイミングが安定し、油圧操作アーム73の中立状態への自動復帰タイミングの作動精度が向上する。
【0066】
操縦ハンドル9及び苗載台11の前側には、主伝動ケース3内の変速部を操作するための変速レバー38と、エンジン2を始動するためのリコイルノブ39とを設けている。尚、機体の前端部にあるエンジン2とリコイルノブ39とは、リコイルロ−プ40により連結されている。また、変速レバー38は、中央ケース部7aの上蓋147に形成した突起部90の遊嵌孔を貫通して主伝動ケース3の変速アームにピンで連結している。
【0067】
操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aの下方には左右各々のサイドクラッチレバー41を設けており、該サイドクラッチレバー41により主伝動ケース3内の左右各々のサイドクラッチを操作する構成となっている。操縦ハンドル9の斜め前下側で後部フレ−ム8の左側には植付深さ調節レバー42を設けており、該植付深さ調節レバー42の操作により該レバー42と一体回動する左右方向の植付深さ調節軸53を回動し、植付深さ調節軸53と一体回動する各々の植付深さ調節アーム54を介して各フロート12の回動支点軸13の機体に対する上下位置を変更して、苗植付装置10による苗の植付深さを変更して調節できる構成となっている。
【0068】
操縦ハンドル9の斜め前下側で後部フレ−ム8の右側には苗取量調節レバー65を設けており、該苗取量調節レバー65の操作により苗受板27の苗植付装置10に対する上下位置を変更して、苗植付装置10による一株当たりの苗取り量を変更して調節できる構成となっている。
【0069】
エンジン2及び主伝動ケース3の上方には、ボンネットカバ−43を設けている。また、エンジン2の上方には、燃料タンク44を設けている。この燃料タンク44の給油栓171と排油栓図示省略は、前後中間位置に設けて、機体運搬時に倒立させても燃料が零れないようにしている。尚、図示を省略するが、主伝動ケース3の給油口と排油口も使用時と倒立時にオイルが漏れない位置に設けている。
【0070】
ボンネットカバ−43の後部の上方から植付伝動ケース7の前部の上方にわたる位置には、予備の苗を載せる予備苗載台45を設けている。この予備苗載台45は、棒材を組み合わせた枠体で構成され、前部フレ−ム6から上方に延びる予備苗載台支持フレ−ム46に支持されている。予備苗載台45の前後左右の四方には立ち上がり部47、48を設けており、該立ち上がり部47、48により搭載した苗が脱落しないようにしている。予備苗載台45は、長手方向約60cm、短手方向約30cmのマット苗を4枚載置できるように、前後幅が約60cmで左右幅が約120crnの広さになっている。
【0071】
従って、予備苗載台45は、長手方向を前後方向に向けたマット苗を左右に4枚配列して載置できる。また、苗運搬を容易にするためにマット苗を巻いた巻苗の状態で苗を取り扱うことがあるが、この巻苗を予備苗載台45に載置することもできる。このとき、前方の立ち上がり部47が他の三方右方、左方、後方の立ち上がり部48より高く設定されており、予備苗載台45に載置した巻苗が転びながら前方に飛び出して脱落しにくいようにしている。
【0072】
前記予備苗載台支持フレ−ム46は、ボンネットカバ−43と植付伝動ケース7植付部との間に配置されている。前部フレ−ム6で予備苗載台支持フレ−ム46を固定する固定部材49には、ボンネットカバ−43の後部を支持するべく斜め前上方に延びるボンネットカバ−支持部材50を固着している。
【0073】
機体の前部には、機体の前方の障害物からエンジン2、主伝動ケース3及びボンネットカバ−43等を防護する防護フレ−ム51を設けている。この防護フレ−ム51は、主伝動ケース3の左右側面から左右外側に延びる左右各々の取付部51aと、この左右の取付部51aを連結する機体外縁となる防護部51bとを備えている。該防護部51bは、左右中央部分が左右に真直に延びる水平状で最も前側に位置し、左右外側部分が左右外側へいくにつれて後側に位置する構成となっている。
【0074】
また、防護部51bは、左右中央部分が最も上側に位置し、左右外側部分が左右外側へいくにつれて下側に偏位する構成となっている。防護部51bの左右端部には長孔を介してサイドフロート12bの前端を連結し、サイドフロート12bの上下回動範囲を規制している。これにより、サイドフロート12bの支持部材を防護フレ−ム51で兼用することができ、機体の軽量化及びコストダウンが図れる。同様に、センターフロート12aは、その前端が長孔を介して主伝動ケース3に連結され、上下回動範囲が規制されている。
【0075】
機体をトラックの荷台に積み込んで固定するときには、前記防護部51bの左右中央部分の左右両端に各々ロ−プを掛けると共に、後部フレ−ム8の上部に固着したフック52にロ−プを掛け、機体の3箇所を固定して荷台にしっかりと固定するようになっている。
【0076】
以上により、この歩行型田植機1において、作業者が操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aを把持し、植付昇降レバー37を植付位置に操作して機体を下降させると共に植付部を作動可能な状態にし、主クラッチレバー36を入位置に操作して機体を走行させながら植付部を作動させることにより、圃場に同時に4条分の苗を植え付けていく。圃場の畦際に到達すると、植付昇降レバー37を上昇位置に操作して植付部の作動を停止させると共に機体を上昇させ、走行伝動ケース4を下方へ回動してフロート12を圃場から浮かせた状態にして旋回内側のサイドクラッチレバー41を操作して旋回内側の車輪5のサイドクラッチを断ち、機体を旋回させる。
【0077】
この機体旋回時、植付昇降レバー37の上昇位置への操作で機体が上昇作動するが、所望の高さに機体が上昇したときに植付昇降レバー37を中立位置へ操作すれば、その高さで機体を固定することができ、作業者が機体の旋回操作を容易に行える。以下、同様に植付昇降レバー37を植付位置に操作して次行程の植付作業を行い、圃場に苗の植付を行っていく。尚、路上走行時等は、機体を上昇させ、変速レバー38を適宜操作して走行させる。
【0078】
また、この歩行型田植機1は、機体の前部に配置した主伝動ケース3と、該主伝動ケース3の左右に配置した走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4からの動力で駆動する左右各々の車輪5と、主伝動ケース3からの動力が伝達される植付伝動ケース7と、該植付伝動ケース7からの動力で駆動し苗取口28上の苗を取つて圃場に植え付ける苗植付装置10と、前記苗取口28に一株分ずつ苗を供給する苗載台11とを設けている。
【0079】
従って、この歩行型の苗移植機は、主伝動ケース3からの動力が走行伝動ケース4を介して左右の車輪5へ伝達され、該左右の車輪5で走行する。また、主伝動ケース3からの動力が植付伝動ケース7を介して苗植付装置10へ伝達され、該苗植付装置10で圃場に苗を植え付けていく。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明実施例の歩行型田植機を示す側面図。
【図2】本発明実施例の歩行型田植機を示す平面図。
【図3】植付伝動ケースの取付部を示す拡大側面図。
【図4】油圧昇降シリンダの取付部を示す拡大側面図。
【図5】一部を断面にした中継リンク部材の拡大平面図。
【図6】中継リンク部材の一部拡大側断面図。
【図7】走行伝動ケースの回動基部を示す拡大側面図。
【図8】別実施例による走行伝動ケースの回動基部を示す拡大側面図。
【図9】別実施例による走行伝動ケースの回動基部を示す拡大平面図。
【図10】植付伝動ケースの平断面図。
【図11】植付伝動ケースの中央ケース部の上蓋を除いた平面図。
【図12】主伝動ケースの一部拡大平断面図。
【図13】中央ケース部の一部拡大側面図。
【図14】中央ケース部の一部拡大側面図。
【図15】中央ケース部の一部拡大正断面図。
【図16】中央ケース部の一部拡大正断面図。
【図17】植付伝動ケースの拡大側面図。
【図18】揺動クランクの側断面図
【符号の説明】
【0081】
3 主伝動ケース
4 走行伝動ケース
5 車輪
6 油圧昇降シリンダ
17 シリンダロッド
17a 切欠き溝
17b 底面
18 中継リンク部材
18b 連結部
18d 前面
18b―4 孔
22 圧縮ばね
25 固定具
165 規制具
166 接触部材
167 規制具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の車輪(5)と、該車輪(5)を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース(4)と、該走行伝動ケース(4)と一体で回動する左右各々のアーム(21)と、油圧昇降シリンダ(6)のシリンダロッド(17)の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材(18)と、該中継リンク部材(18)の左右両端と前記アーム(21)との間を連結する左右各々の連結ロッド(20)とを設け、シリンダロッド(17)が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪(5)が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド(17)に中継リンク部材(18)の左右中央部が入り込む切り欠き溝(17a)を設け、該切り欠き溝(17a)の底面(17b)の左右両端部が中継リンク部材(18)の前面(18d)に接触して前記底面(17b)の後方移動に追従して中継リンク部材(18)が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド(20)を中継リンク部材(18)の左右両端の連結部(18b)において貫通させ、連結ロッド(20)が貫通する前記連結部(18b)に設けた孔(18b―4)の孔径を連結ロッド(20)の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド(20)の後端部に設けた固定具(25)と前記連結部(18b)との間に圧縮ばね(22)を設け、中継リンク部材(18)の後方への移動で後側へ回動する左右走行伝動ケース(4)のアーム(21)に接触し、圧縮ばね(22)に抗して該アーム(21)の後側への回動を規制する規制具(165)を設けた歩行型の苗移植機。
【請求項2】
左右の車輪(5)と、該車輪(5)を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース(4)と、該走行伝動ケース(4)と一体で回動する左右各々のアーム(21)と、油圧昇降シリンダ(6)のシリンダロッド(17)の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材(18)と、該中継リンク部材(18)の左右両端と前記アーム(21)との間を連結する左右各々の連結ロッド(20)とを設け、シリンダロッド(17)が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪(5)が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド(17)に中継リンク部材(18)の左右中央部が入り込む切り欠き溝(17a)を設け、該切り欠き溝(17a)の底面(17b)の左右両端部が中継リンク部材(18)の前面(18d)に接触して前記底面(17b)の後方移動に追従して中継リンク部材(18)が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド(20)を中継リンク部材(18)の左右両端の連結部(18b)において貫通させ、連結ロッド(20)が貫通する前記連結部(18b)に設けた孔(18b―4)の孔径を連結ロッド(20)の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド(20)の後端部に設けた固定具(25)と前記連結部(18b)との間に圧縮ばね(22)を設け、中継リンク部材(18)の後方への移動で後側へ移動する左右走行伝動ケース(4)に連結する連結ロッド(20)に固着した接触部材(166)に接触し、圧縮ばね(22)に抗して該連結ロッド(20)の後側への回動を規制する規制具(167)を設けた歩行型の苗移植機。
【請求項1】
左右の車輪(5)と、該車輪(5)を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース(4)と、該走行伝動ケース(4)と一体で回動する左右各々のアーム(21)と、油圧昇降シリンダ(6)のシリンダロッド(17)の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材(18)と、該中継リンク部材(18)の左右両端と前記アーム(21)との間を連結する左右各々の連結ロッド(20)とを設け、シリンダロッド(17)が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪(5)が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド(17)に中継リンク部材(18)の左右中央部が入り込む切り欠き溝(17a)を設け、該切り欠き溝(17a)の底面(17b)の左右両端部が中継リンク部材(18)の前面(18d)に接触して前記底面(17b)の後方移動に追従して中継リンク部材(18)が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド(20)を中継リンク部材(18)の左右両端の連結部(18b)において貫通させ、連結ロッド(20)が貫通する前記連結部(18b)に設けた孔(18b―4)の孔径を連結ロッド(20)の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド(20)の後端部に設けた固定具(25)と前記連結部(18b)との間に圧縮ばね(22)を設け、中継リンク部材(18)の後方への移動で後側へ回動する左右走行伝動ケース(4)のアーム(21)に接触し、圧縮ばね(22)に抗して該アーム(21)の後側への回動を規制する規制具(165)を設けた歩行型の苗移植機。
【請求項2】
左右の車輪(5)と、該車輪(5)を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース(4)と、該走行伝動ケース(4)と一体で回動する左右各々のアーム(21)と、油圧昇降シリンダ(6)のシリンダロッド(17)の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材(18)と、該中継リンク部材(18)の左右両端と前記アーム(21)との間を連結する左右各々の連結ロッド(20)とを設け、シリンダロッド(17)が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪(5)が下動する構成とした走行車体において、シリンダロッド(17)に中継リンク部材(18)の左右中央部が入り込む切り欠き溝(17a)を設け、該切り欠き溝(17a)の底面(17b)の左右両端部が中継リンク部材(18)の前面(18d)に接触して前記底面(17b)の後方移動に追従して中継リンク部材(18)が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド(20)を中継リンク部材(18)の左右両端の連結部(18b)において貫通させ、連結ロッド(20)が貫通する前記連結部(18b)に設けた孔(18b―4)の孔径を連結ロッド(20)の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド(20)の後端部に設けた固定具(25)と前記連結部(18b)との間に圧縮ばね(22)を設け、中継リンク部材(18)の後方への移動で後側へ移動する左右走行伝動ケース(4)に連結する連結ロッド(20)に固着した接触部材(166)に接触し、圧縮ばね(22)に抗して該連結ロッド(20)の後側への回動を規制する規制具(167)を設けた歩行型の苗移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−118831(P2009−118831A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299496(P2007−299496)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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